JP2001088290A - 記録装置及びその駆動方法 - Google Patents

記録装置及びその駆動方法

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JP2001088290A
JP2001088290A JP26518099A JP26518099A JP2001088290A JP 2001088290 A JP2001088290 A JP 2001088290A JP 26518099 A JP26518099 A JP 26518099A JP 26518099 A JP26518099 A JP 26518099A JP 2001088290 A JP2001088290 A JP 2001088290A
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recording liquid
liquid
heater
recording apparatus
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JP26518099A
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Inventor
Kenji Shinozaki
研二 篠崎
Eiki Hirano
栄樹 平野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録時の画素内の濃度階調を容易にし、高画
質の画像を短時間で再現するに際し、常に確実にインク
の吐出を行うこと。 【解決手段】 柱状体6群に保持された記録液を吐出又
は気化で飛翔させることによって被記録体13に記録を
行う記録装置及びその駆動方法において、記録液の転写
部1に、柱状体6群の毛管力の大きさに応じてパルス電
圧やパルス時間、パルス間隔を制御して飛翔エネルギー
を制御する飛翔エネルギー制御手段30、31を接続し
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛管構造に保持さ
れた記録液を抵抗加熱手段による加熱等によって飛翔さ
せ、被記録体に記録を行う記録装置(特にプリンタヘッ
ド)及びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、コンピュータグラ
フィックス等のカラー化が進むにつれ、モノカラーの記
録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対するニー
ズが高まっている。
【0003】そして、パーソナルコンピュータ等で処理
したカラー画像や、ビデオカメラ、電子スチルカメラ等
で撮像したカラー画像をプリントアウトして、鑑賞その
他の目的に供することが行われている。このため、高品
位なフルカラー画像が得られるプリンタに対するニーズ
も高まっており、特に、個人向けや、例えば、「スモー
ルオフィス」或いは「ホームオフィス」と呼ばれる小規
模なオフィス向けの比較的廉価なプリンタに対しても、
高品位なフルカラー画像が得られることが要求され始め
ている。
【0004】これに対応して、昇華型熱転写方式、溶融
熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、熱現
像銀塩方式等のカラーハードコピー方式が提案されてい
る。これらの方式の中で、高画質の画像を簡単な装置で
手軽に出力する方法は、染料拡散熱転写方式(昇華型熱
転写方式)とインクジェット方式に大きく分類できる。
【0005】こられの記録方式の中で、染料拡散熱転写
方式とは、適当なバインダ樹脂中に高濃度の転写染料が
分散しているインク層が塗布されたインクリボン又はシ
ートと、転写された染料を受容する染着樹脂がコーティ
ングされた印画紙等の被転写体とを一定の圧力で密着さ
せ、インクシート上に位置する感熱記録ヘッドから画像
情報に応じた熱が加えられ、インクシートから染料受容
層に加えられた熱量に応じて転写染料を熱転写させる方
式である。
【0006】そして、上記の方式を、減法混色の三原色
であるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信
号についてそれぞれ繰り返すことによって、連続的な階
調を持つフルカラー画像を得るこを特徴とした、いわゆ
る染料拡散熱転写方式は、小型化や保守が容易で、即時
性を備え、銀塩カラー写真並の高品位な画像を得る優れ
た技術として注目を集めている。
【0007】しかし、この方式はインクシートの使い捨
てによる多量の廃棄物の発生と、高いランニングコスト
が大きな欠点であり、その普及が妨げられている。これ
は溶融熱転写方式でも同様である。
【0008】このように、従来の熱転写方式は高画質で
はあるが、専用印画紙と使い捨てのインクリボン又はシ
ートを使用するためにランニングコストが高い。
【0009】一方、インクジェット方式として知られて
いるものは、特公昭61−59911号や特公平5−2
17号公報等に示されるように、画像情報に応じて、静
電引力方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)、サーマ
ル方式(バブルジェット方式)等の方法で記録液の小滴
を記録ヘッドに設けられたノズルから飛翔させて、記録
部材に付着させ、記録を行うものである。
【0010】従って、普通紙転写が可能であり、インク
リボンを使用する場合の廃棄物の発生がほとんどなくラ
ンニングコストは低い。最近では、特にサーマル方式が
簡易にカラー画像を出力できることから、普及が拡大し
ている。
【0011】しかし、インクジェット方式は、画素内の
濃度階調が原理的に困難であり、染料拡散熱転写方式で
得られるような、銀塩写真に匹敵する高画質な画像を短
時間で再現することは困難である。
【0012】即ち、従来のインクジェット記録では、イ
ンクの1液滴が1画素を形成するので、原理的に画素内
階調が困難であり、高画質の画像形成ができない。それ
でもインクジェットの高解像度を利用してディザ法によ
る疑似階調の表現も試みられているが、昇華型熱転写方
式と同等の画質は得られず、さらに転写速度は著しく低
下している。
【0013】これらの問題点を解決するために、インク
ジェット記録方式に於いて、吐出液滴を微小化するため
に、いわゆるミストを用いる方法が提案されている。こ
れには大きく分けて、超音波振動法とサテライト液滴使
用法の二種類がある。
【0014】超音波振動法は、主にピエゾ振動子を用い
て超音波振動を吐出部に生ぜしめ、これによって生じた
表面張力振動によりインク液がぶつかり合うことによっ
て生じた微小液滴(インクミスト)を転写するというも
のである。
【0015】そしてサテライト液滴使用法は、主液滴の
形成直後に派生的に生ずる微小液滴を画像形成に利用す
るもので、主液滴の方は画像形成には利用しない方法で
行なわれる。
【0016】しかし、超音波振動法においては、一般に
使用されるピエゾ素子の微細化が難しいことと、さらに
そのラインヘッド化が困難であることで印画速度が遅い
というピエゾ素子共通の問題がある。また、超音波振動
を局在させるのは難しいので、ミストのさらなる微細化
は困難であり、クロストークの弊害も大きい。
【0017】又、サテライト液滴使用法は、主滴が記録
紙に転写しないようにするために、たとえば帯電させて
電場で曲げるといったような手段を必要とする。このよ
うな方法は実際上はいわゆるコンティニュアス方式のイ
ンクジェット記録方法に限定され、低コストで実現する
ことはできない。
【0018】このような問題点を解消し、画素内の濃度
階調を容易に実現できるプリント方式として、いわゆ
る、染料気化又は吐出型熱転写方式が提案されている
(例えば、特開平9−183239号公報参照)。
【0019】この染料気化又は吐出型熱転写方式は、プ
リンタヘッドの転写部においてインクを加熱して、気
化、アブレーション(ablation:溶発)、表面張力波等
によりインクを飛翔又は吐出させ、それを、例えば、5
0〜100μm程度のギャップを介して対向配置された
プリンタ用紙等の被転写体(印画紙)表面に付着させて
転写を行うものである。
【0020】前記転写部には、例えば、幅又は径が2μ
m程度、高さ6μm程度の多数の柱状体を互いに2μm
程度の微小間隔で立設配置した凹凸構造(毛管構造)に
よるインク保持構造が設けられており、また、このイン
ク保持構造の下部にはヒータが設けられて、気化部(転
写部)が構成されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】この染料気化又は吐出
型熱転写方式の記録装置によれば、インクを吐出または
気化せしめる部位が、インク液層が大気と接触してメニ
スカスを形成する部分と、インク液を接触保持する基板
部分とからなり、この基板側にヒータが設置されてい
て、このヒータ上からインク液層側に向かって毛管構造
が形成されている。
【0022】この記録装置においてヒータ加熱を行い、
インク液面(インクが外気と接触する面)に熱が伝わる
と、例えば、その部分の表面張力が低下して周囲の表面
張力が大きい部分に引っ張られ、いわゆる表面張力対流
が生ずる。その結果、インクはヒータ直上部から対流に
より流出し、加熱を続ければいずれ干上がってしまう。
従って、吐出を継続的に行わせるためには、加熱を断続
的に行わなければならない。
【0023】こうした事情から、毛管構造の形状、サイ
ズによっては、インクの保持、及び逃げたインクの戻る
速度が種々に変動するため、確実な吐出を行うことがで
きない場合がある。
【0024】そこで、本発明の目的は、上記の染料気化
又は吐出型熱転写方式の特徴を生かしつつ、毛管構造に
応じて常に確実に吐出又は気化を行える記録装置及びそ
の駆動方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、毛管構
造に保持された記録液を飛翔させることによって、被記
録体に記録を行う記録装置及び駆動方法において、前記
記録液の飛翔部に、前記毛管構造の毛管力の大きさに応
じて前記記録液の飛翔エネルギーを制御するための飛翔
エネルギー制御手段が接続されていることを特徴とする
記録装置、及びその駆動方法に係るものである。
【0026】本発明の記録装置及びその駆動方法によれ
ば、毛管構造に保持された記録液を飛翔させることによ
って被記録体に記録を行うので、高速で容易に記録が可
能であり、濃度階調が容易になり、高画質な画像を短時
間で再現できる。しかも、毛管構造の毛管力の大きさに
応じて記録液の飛翔エネルギーを制御するので、例えば
毛管力が大きい毛管構造であれば、記録液の保持性及び
逃げた記録液の戻る速度が大きいために、高い飛翔エネ
ルギーを加えることができ、逆に、毛管力が小さい毛管
構造であれば、相対的に低い飛翔エネルギーを加えるこ
とができる。これによって毛管構造に応じて、常に安定
した吐出又は気化を行えることになる。
【0027】なお、本発明において、前記「飛翔」と
は、抵抗加熱手段(つまり前記高抵抗部)等による加熱
時に、気化、蒸発、アブレーション(溶発)、記録液中
に生じる泡(マイクロバブル)又は表面張力波{加熱に
よって生じる記録液の表面張力対流(マランゴニ流)に
よるインクの衝突力}を利用して、記録液をガス状又は
ミスト状に吐出させることを含む意味である(以下、同
様)。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の記録装置及びその駆動方
法においては、前記記録液をヒーターのエネルギーで吐
出又は気化させるように構成し、毛管力の大きさに応じ
て、ヒーター駆動のためのパルス電圧又はパルス電流の
大きさ又は幅と、パルス間隔との少なくとも一方が調節
されるのが望ましい。この場合、前記毛管力が大きいほ
ど、前記パルス電圧又は前記パルス電流を大きくする
か、或いは前記パルス間隔を狭くするとよい。逆に、前
記毛管力が小さいと、前記パルス電圧又は前記パルス電
流を小さくするか、或いは前記パルス間隔を広くすると
よい。
【0029】前記ヒーターの電力をP(単位:mW)、
前記パルス間隔をΔ(単位:μsec)、前記毛管構造
の毛管部の空隙内の間隔をd{但し、単位(μm)を除
いた数値とする。}(1/dを毛管力)とした場合、 110≦P≦{125(1/d)+85}、及び0.2
≦1/d 又は {−16.25(1/d)+21.25}≦Δ≦20、
及び0.2≦1/d とするのが望ましい。
【0030】そして、前記ヒーターの加熱が、コンピュ
ータで条件設定される駆動パルスによって制御されるこ
とができる。
【0031】また、前記毛管構造として、サイズ及び間
隔がそれぞれ0.1〜10μmである柱状体によって多
孔性構造体が形成され、記録情報に応じて前記記録液を
液滴化し、生成する液滴が、前記飛翔部と10〜500
μmの間隙を置いて対向配置された被記録体へ飛翔する
のがよい。
【0032】さらに、前記毛管構造として、高さが1〜
20μm、直径又は一辺が0.1〜5μm、間隔が0.
1〜5μmであって300℃以上の耐熱性を持つ突起
が、縦方向と横方向においてそれぞれ2〜100行と2
〜100列の範囲でマトリクス状に並んだパターンをな
した多孔性構造体が形成されているのが望ましい。
【0033】また、前記飛翔部で消費された記録液が前
記飛翔部に連続的に補給されるとともに、その吐出にお
いて、吐出液滴の運動量が、ヒーターによる加熱によっ
て生じた前記記録液の対流の運動量によって生じるのが
好ましい。
【0034】この場合、前記記録液の対流が、加熱によ
る記録液液面の表面張力の不均一によるものであり、或
いは、記録液構成成分の沸騰による記録液の体積膨張に
起因するものであってよい。
【0035】前記記録液の対流が、前記記録液内の溶存
空気の加熱による膨張、又は膨張及び破裂によるもので
あり、或いは前記記録液の熱膨張によるものであり、或
いは前記ヒーター又は前記毛管構造の熱膨張によるもの
であってよい。
【0036】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面
参照下に説明する。
【0037】まず、図4には、給紙ローラ20で送られ
る印画紙13に対し所定の記録を行う100C(シア
ン)、100Y(イエロー)、100M(マゼンタ)用
のそれぞれのプリンターヘッドと、ヘッド駆動回路基板
14等により、本実施の形態によるプリンターの全体が
表されている。
【0038】プリンタヘッド100C、100Y、10
0Mの内、例えばヘッド100Y(他のヘッドも同様)
を見ると、図5に示すように、プリンタヘッド100Y
は、ヒートシンクを兼ねたアルミニウム製のヘッドベー
ス16上に、画像情報に応じてヒータにより加熱される
転写部(飛翔部)と、その転写部へ毛細管作用により記
録液を導く記録液導入路とをシリコン基板上に一体的に
形成したヒータチップ17、さらにはドライバーIC
(集積回路)19を実装し、転写する画像データに合わ
せて各ヒータに電流を供給するように配線が形成された
フレキシブルプリント基板20を接続している。
【0039】ここで、ヘッドベース16には、記録液を
プリンターヘッド100Y内に導入するための記録液導
入孔21が形成されている。又、ヒータチップ17の上
面には流路板22があり、その内側には記録液導入路を
設けるための流路が形成されている。
【0040】また、ヒータチップ17には、記録液を加
熱して表面張力による対流等を起こすための複数のヒー
タと、これらの各ヒータにそれぞれ画像信号に基づいた
信号電圧を印加しかつ通電するための配線とがリソグラ
フィープロセスにより形成されている。
【0041】次に、図2に、本実施の形態に基づく記録
装置(特にプリンタヘッド)の転写部1の付近の拡大概
略平面図を示し、図1に、この転写部付近の拡大概略断
面図を示す(但し、図1は図2のI−I線断面図であっ
て、高さ方向に約5倍に拡大している)。
【0042】図1に示すように、本実施の形態に基づく
プリンタヘッド100は、例えば、シリコンからなる基
板9を基体とし、この基板9上に断熱層10としての厚
さ例えば3μmの酸化シリコン(SiO2 )膜を介して
ポリシリコン膜が形成されている。このポリシリコン膜
は厚さ例えば0.15μmであって、ヒータとなる高抵
抗部2と、例えばアルミニウム(Al−Si、Al−C
uのように第二の元素を添加したものでもよい)の配線
パターンからなる厚さ例えば0.6μmの共通電極5及
び個別電極4にそれぞれ接続する低抵抗部3b、3a
(又は低抵抗部3)とになるものである。
【0043】また、高抵抗部2及び低抵抗部3a、3b
となるポリシリコン膜上には保護膜12として、例え
ば、SiO2 層が形成され、また、低抵抗部3a、3b
と個別電極4及び共通電極5との導通をとるための開口
部(又は電極接続孔:以下、同様)28a及び28bが
開口されている。
【0044】さらに、アルミニウムを主成分とする電極
4及び5と低抵抗部3a、3bとの接続部分には、例え
ば、Ti、W、Cr等の高融点金属からなる例えばTi
(30nm)/TiON(50nm)/Ti(70n
m)のバリアメタル層11が形成されており、電極4及
び5の主成分であるアルミニウムが、低抵抗部の主成分
であるポリシリコンへ拡散するのを防止する働きをして
いると同時に、低抵抗部3a、3bと電極4及び5との
オーミックコンタクトを実現している。
【0045】また、本実施の形態においては、図1に示
すように、保護膜12、電極4及び5を含む全面に、電
極4及び5の保護効果を有するSiO2 層18が形成さ
れている。そして、転写部1を取り囲むと共に、転写部
1にインク(図示せず)を供給するための供給路15を
画定する隔壁7及び補助壁8と、転写部1においてイン
ク保持構造体(毛管構造)を形成する高さ例えば6μm
の柱状体6とが、このSiO2 膜18のそれぞれ一部と
して形成されている。
【0046】このプリンタヘッド100においては、イ
ンクを吐出または気化させることにより印画を行うに際
し、その吐出又は気化せしめる部位である転写部1は、
インク液層が大気と接触してメニスカスを形成する部分
とインク液を保持する部分とからなり、基板9側にヒー
タ2が配置されていて、ヒータ2上からインク液層側に
向かって柱状体6からなる毛管構造が形成されており、
ヒータ加熱を行うと、インク液面(インクが外気と接触
する面)に熱が伝わり、例えば、その部分の表面張力が
低下して周囲の表面張力が大きい部分に引っ張られる
(逃げる)ことでいわゆる表面張力対流が生ずる。その
結果、インクはヒータ2の直上部から前記対流などによ
り飛翔し始める。
【0047】このインク吐出の機構は、吐出液滴の運動
量がヒータ2によるインクの加熱によって生じたインク
の対流の運動量によって生ずるものである。具体的に
は、インクの対流は、加熱によるインク液面の表面張力
の不均一によって生ずるか、インクを構成する成分の沸
騰によるインクの体積膨張に起因するものか、インク内
の溶存空気の加熱による膨張または膨張と破裂によるも
のか、インクの熱膨張によるものか、或いは、ヒータま
たは毛管構造の熱膨張によるもののいずれか、又はこれ
ら複数の要因の協同によって生ずるものである。
【0048】しかし、加熱を続ければ、転写部1のイン
クはいずれ干上がってしまうので、吐出を継続的に行わ
せるためには加熱を断続的に行わなければならない。こ
うした状況下で、本発明に基づいて、上記の毛管構造が
毛管力が大きい(即ち、毛管部内の間隙が小さい)ほ
ど、インクを十分に保持できまた逃げたインクが戻る速
度が大きいため、ヒータ2には高エネルギー(高電圧又
は高電流)のパルスを加えることができ、或いは/及
び、パルスの間隙を短くすればよい。逆に、毛管構造の
毛管力が小さい(即ち、毛管部内の間隙が大きい)場
合、ヒータ2には、相対的に低エネルギーのパルスを加
え、或いは/及び、パルス間隔を広げるとよい。図3に
は、ヒータ2に加える駆動パルスを示し、毛管力に応じ
て、パルス電圧(電流)T3 やパルス幅T1 、パルス間
隔T2 を制御し、更にはデューティ(T2 /T1 )によ
り記録液の吐出状態も制御する。
【0049】ヒータ2による加熱、即ち、駆動パルスの
印加を行うには、図1に示すように、パーソナルコンピ
ュータ30でパルス発生条件(パルス電圧やパルス幅、
パルス間隔)を設定し、この設定条件で駆動パルスを発
生回路31で発生させ、個別電極4に印加する。
【0050】こうして、毛管構造の毛管力に応じて、記
録液を常に安定して吐出又は気化させることができる。
【0051】前記毛管構造としては、高さが1〜20μ
m、直径又は一辺が0.1〜5μm、間隔が0.1〜5
μmであって300℃以上の耐熱性を持つ突起(例えば
柱状体6)が、縦方向と横方向においてそれぞれ2〜1
00行と2〜100列の範囲でマトリクス状に並んだパ
ターンをなした、多孔性構造体が例として挙げられる。
そしてこの毛管力の大小は突起間の間隙の大きさ(間
隔)によって制御することができ、その間隔を大きくす
れば、毛管力は小さくなり、間隔を狭くすれば、毛管力
は大きくなる。
【0052】柱状体6の高さは、記録液収容部の底面か
らその上面に至るまでの高さ、即ち、各ヒータ2毎の記
録液収容部を取り囲む隔壁7の高さと同じ高さとなるよ
うに設けられており、しかも、柱状体6は互いに微小間
隙をもって設けられている。従って、多孔質構造が毛細
管作用を生じ、そのため柱状体6が記録液収容部内で記
録液を保持することができる。それと共に、ヒータ2で
記録液を加熱した場合、温度上昇に伴って記録液の表面
張力が低下するが、毛細管作用により、記録液がヒータ
2の表面付近から逃げることを防止することができる。
このため、画像転写の際に、必要な記録液が連続的に供
給される。
【0053】本実施の形態による画像形成方式に使用さ
れる記録液は染料、溶媒、及び必要に応じて添加される
添加剤から構成され、転写感度、熱安定性、画像品位、
保存安定性を最適化するように材料の選択と組成成分の
比が調合される。
【0054】本方式に適した染料は適当な気化速度を有
し、かつ十分な耐熱性があり、さらに後述する溶媒に対
する十分な溶解性を持ち、人体に対する毒性が低く、加
えて印画紙上での十分な保存安定性を有していれば、ど
のような染料でも使用できる。具体的には、分散染料、
油溶性染料、塩基性染料等が好ましい。
【0055】特に好ましい染料としては、特開平8−2
44364号、特開平8−244363号、特開平8−
244366号の各公報に記載されているジシアノスチ
リル系イエロー染料、トリシアノスチリル系マゼンタ染
料やアントラキノン系マゼンタ染料、アントラキノ系シ
アン染料が挙げられる。
【0056】これらの染料は、気化残滓の低減と熱分解
物の記録部への付着を防止するため、昇華精製法、再結
晶法、ゾーンメルティング法、カラム精製法等、何らか
の手段で精製してから使用することが望ましい。
【0057】この記録方式に適した記録液の溶媒は、融
点が50℃未満で、沸点が150℃以上、500℃未満
の範囲にあり、かつ熱分解温度が沸点より高く、加えて
上記染料に対する相溶性が高く、人体に対する毒性が低
く、さらに無色であれば、どのような化合物でも使用で
きる。
【0058】具体的には、フタル酸ジメチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フ
タル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸
エステル類、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチ
ル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、
アゼライン酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジオク
チル等の脂肪酸2塩基酸エステル類、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリオクチル等のリン酸エステル類、それに
アセチルクエン酸トリブチル、ブチルフタリルブチルグ
リコレート等、一般にプラスティック用可塑剤と称され
る有機化合物類等が使用できる。
【0059】加えて、記録液の物性値を調整するため
に、必要に応じて界面活性剤、粘度調整剤、防腐剤等の
適当な添加剤を添加できる。ただし、これらの添加剤は
溶媒および染料と同程度の沸点を持つ必要がある。
【0060】具体的には、界面活性剤としてフッ素化し
た脂肪酸エステル、シリル化した脂肪酸エステル、シリ
コーンオイル等が使用できる。粘度調整剤として、グリ
セリン、テトラエチレングリコール等が使用できる。
【0061】記録液は、上記染料を5重量%以上、好ま
しくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以
上、上記の溶媒に溶解して作製する。この時、溶解度を
上げるために、2種以上の染料を混合して使用してもよ
い。同時に溶媒も2種以上を混合して使用してもよい。
なお、添加剤は必要に応じて添加する。
【0062】又、この記録方式に適した印画紙は、PP
C(Plain paper copy)用紙などの普通紙、アート紙な
どの上質紙などであるが、特に階調性と濃度が高い高品
質の画像を得るためには分散染料または油溶性染料を発
色させる樹脂として、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、セルロースアセテート、CAB(セルロースアセテ
ートブチレート)、ポリ塩化ビニルなどを基紙上に塗布
して作製した専用紙も使用できる。
【0063】そして記録液の吸収速度を向上させるため
に、シリカ、アルミナのような多孔質顔料の添加が効果
大である。特に高品位で記録するためには、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)フィルム等のように、フィ
ルムベースに光沢性を保つために0.1μm以下のサイ
ズの多孔質顔料を添加した受像層を有する印画紙が、平
滑性、発色性、光沢性、記録液の吸収速度の点で優れて
いる。
【0064】又、得られた画像の保存安定性を向上させ
るために、受像層中に紫外線吸収剤や、ラジカルクエン
チャー等の添加物を入れるのも効果があるし、さらに転
写後の印画紙に樹脂フィルムをラミネートすることも有
効である。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面参照下に説明す
る。
【0066】まず、プリンターヘッドの毛管構造部を次
のような条件とした。即ち、図1(ヒータチップ17の
先端の吐出部及びその近傍の部分拡大図)に示すよう
に、図1の紙面垂直方向又は図2の上下方向にピッチL
p=84μmでヒータ2を合計で1216個形成した。
このとき、1個のヒータが1ドットを転写するので30
0DPI(Dot per inch) の解像度を実現できた。ちな
みに、個々のヒータは20μm×20μmの大きさのポ
リシリコンによって形成され、そしてこれには画像信号
に基づいた信号電圧を印加して通電するためのアルミニ
ウム製の個別電極4と共通電極5を接続した。
【0067】ここで、吐出部は、隔壁7により互いに隔
てられており、隔壁7に囲まれた凹部(記録液収容部)
に記録液(図示せず)が収容された。また、ヒータ2上
及びその周辺には、保護膜であるSiO2 層18を介し
て微細な円柱状の小柱体6を13×13本の群として吐
出部の構成要素の一つとして設けた。
【0068】上記の柱状体6からなる毛管構造を備え、
さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
の各色毎に分けられたプリンタヘッド100Y、100
M及び100Cを備えた図4及び図5に示すようなライ
ン型プリンタを使用した。そして、各プリンタヘッド
は、フレキシブルハーネス20を介してヘッド駆動回路
基板14に接続した。プリンタヘッド100Y、100
M、100Cは、図4に示すように、プリンタに取り付
けられ、吐出部と印画紙13との間隔は1.0mmにな
るように調整した。
【0069】各プリンタヘッド100Y、100M及び
100Cにはそれぞれ、1216個のヒータ2が設けら
れているので、ここで使用したライン型プリンタは、1
回のスキャンで1216ライン分の印画を行う性能を有
していた。
【0070】インクの調製については、イエローインク
は、特開平8−244364号公報に記載されているジ
シアノスチリル系イエロー染料のアミノ基をイソブチル
基に置換した染料をカラムで精製した後に、染料1部に
対して、溶媒としてセバシン酸ジブチルを7部(染料濃
度:12.5重量%)加えて、超音波攪拌機で完全に溶
解するまで攪拌して作製した。
【0071】同様に、特開平8−244363号公報に
記載されているトリシアノスチリル系マゼンタ染料のア
ミノ基をブチル基に置換した染料をカラムで精製した後
に、染料1部に対して、セバシン酸ジブチルを7部(染
料濃度:12.5重量%)加えて、超音波攪拌機で完全
に溶解するまで攪拌しマゼンタインクを作製した。
【0072】同様に、特開平8−244366号公報に
記載されているアントラキノン系シアン染料のアミノ基
をエチルヘキシル基に置換した染料をカラムで精製した
後に、染料1部に対してセバシン酸ジブチルを5部(染
料濃度:16.7重量%)加えて、超音波攪拌機で完全
に溶解するまで攪拌してシアンインクを作製した。
【0073】これらのインクを対応するそれぞれのプリ
ンターヘッド100のカートリッジに導入すると、イン
クは毛管力により自発的にチューブを通過して、プリン
ターヘッド100の転写部1の柱状体6に達してメニス
カスを形成した。そして、ヒータ2中心部におけるイン
ク液面の厚さは6μmになった。又、印画紙として、表
面に数μmの多孔質構造を有し、上記油溶性染料および
溶媒と相性の良いバインダー樹脂が用いられているピー
チコート紙(日清紡社製)を使用した。
【0074】実施例1 上記したプリンタヘッドにおいて、柱状体6の径を2μ
m、柱状体間の間隔を2μm、高さを6μmとした。そ
して、印加する電力を1つのヒータ当りイエロー93.
5mW、マゼンタ140mW、シアン220mWとし、
パルス時間を15μsec、パルス間隔を5μsecと
した。
【0075】このパルスをヒータに加えることにより、
吐出部から平均径で約3μmのインク滴が吐出し、約1
mmのギャップを飛翔して対向して置かれた印画紙に付
着した。印画紙に付着したインクは直ちに吸収、発色し
た。つまり、図8及び図9に示すように、毛管力(1/
柱状体間隔d)=0.5でパワー(マゼンタ用)P=1
02mWであって吐出良好であった。
【0076】実施例2 本実施例では、上記したプリンタヘッドにおいて、柱状
体6の径を5μm、柱状体間の間隔を5μm、高さを6
μmとした。そして、印加する電力を1つのヒーター当
たりイエロー93.5mW、マゼンタ102mW、シア
ン220mWとし、パルス時間を15μsec、パルス
間隔を10μsecとした。
【0077】このパルスをヒータに加えることにより、
吐出部から平均径で約3μmのインク滴が吐出し、約1
mmのギャップを飛翔して対向して置かれた印画紙に付
着した。印画紙に付着したインクは直ちに吸収、発色し
た。つまり、図8に示すように、毛管力(1/柱状体間
隔d)=0.2でパワー(マゼンタ用)P=110mW
であって吐出可能であった。
【0078】比較例1 実施例1のプリンタヘッドにおいて、パルス時間を19
μsec、パルス間隔を1μsecとする以外は実施例
1と全く同様の試験を行ったところ、インク液滴の吐出
が起こらず、顕微鏡で吐出部を観察すると、ヒータ直上
部に相当する毛管構造部のインクが干上がっていた。
【0079】比較例2 実施例2のプリンタヘッドにおいて、パルス時間を15
μsec、パルス間隔を5μsecとする以外は実施例
2と全く同様の試験を行ったところ、インク液滴の吐出
が起こらず、顕微鏡で吐出部を観察すると、ヒータ直上
部に相当する毛管構造部のインクが干上がっていた。
【0080】毛管力による駆動条件の設定 次に、上記したプリンタヘッドにおいて、ヒータのパワ
ーP(パルス電圧で、単位はmW)又はパルス間隔Δ
(単位はμsec)と毛管力1/d(dは柱状体の間隔
(dの単位はμmであるが、単位のない数値とす
る。))とによる、インクの吐出状態の変化を調べたと
ころ、図6又は図7の如くとなった。
【0081】図6においては、パルス時間を15μse
c、パルス間隔を5μsecと固定したところ、の領
域はP<P* となり、パワーが小さすぎて発熱不足でイ
ンクが吐出せず、またの領域では(1/d)<(1/
* )となり、毛管力不足でヒータ直上にインクを保持
できないためにインクを吐出できず、更にの領域では
P>k1 (1/d)となり、パワーが大きすぎてインク
がマランゴニ効果でヒータ上から逃げてしまい、吐出で
きない。
【0082】このことから、インクの吐出可能域として
は、図6の、、の領域を除くP* ≦P≦k1 (1
/d)、及び1/d≧1/d* で示される領域である。
【0083】次に、図7においては、パルス間隔Δ及び
毛管力(1/d)とインクの吐出領域との関係におい
て、の領域(Δ>Δ* )は、吐出不能ではないが、パ
ルス間隔が長すぎて印画に時間がかかり、実用的ではな
く、またの領域は、(1/d)<(1/d* )とな
り、毛管力不足でヒータ直上にインクを保持できないた
めに、インクを吐出できず、更に、の領域は、Δ<k
2 (1/d)となり、パルス間隔が短かすぎてインクの
補給が間に合わず、インクが吐出しない。
【0084】このことから、インクの吐出可能域として
は、図7の、、の領域を除くk2 (1/d)≦Δ
≦Δ* 、及び1/d≧1/d* で示される領域である。
【0085】このように、一般的に言って、毛管力の大
小は毛管構造の突起の間隔dによって制御することがで
き、その間隔が大きければ毛管力は小さく、間隔が狭け
れば毛管力は大きくなるため、毛管力が大きい毛管構造
であるほど、インクを保持し、また逃げたインクの戻る
速度が速くなるため、高エネルーのパルスを加えること
ができ、かつパルスの間隔を短くすることができる。逆
に、毛管力が小さい場合には、相対的に低エネルギーの
パルスにするか、パルス間隔を広げなければならないこ
とも判明した。
【0086】こうした知見を踏まえて、次に示すような
種々のテストを行った。
【0087】図8は、上記のプリンタヘッドにおいて、
インクをマゼンタ用とし、パルス時間を15μsec及
びパルス間隔を5μsecに固定して、毛管力(1/
d)とP(パワー:単位はmW)との関係によりインク
の吐出状態を調べた結果を示すものである。
【0088】これによれば、1/d=0.2及びP=1
10mW、1/d=0.5及びP=160mW、1/d
=1.0及びP=210mWとすると、インクは吐出可
能であり、また、1/d=0.5、P=140mW、1
/d=1.0及びP=170mWとすると、インクは吐
出良好であった。
【0089】図9は、インクをマゼンタ用とし、パルス
時間を15μsec、P(パワー)を160mWに固定
して、毛管力(1/d)とΔ(パルス間隔)との関係に
よりインクの吐出状態を調べた結果を示すものである。
【0090】これによれば、1/d=0.2及びΔ=1
8μsec、1/d=0.5及びΔ=10μsec、1
/d=1.0及びΔ=5μsecとすると、吐出可能と
なり、また1/d=0.5及びΔ=15μsec、1/
d=1.0及びΔ=10μsecとすると、吐出良好と
なる。
【0091】図8及び図9の結果から、吐出可能なライ
ン及び所定のパワー又はパルス間隔より外側領域では吐
出不能又は吐出不適となるので、それらのラインより内
側領域で条件を設定することが望ましい。即ち、この望
ましい範囲は、 110≦P≦{125(1/d)+85}、及び0.2
≦1/d 又は {−16.25(1/d)+21.25}≦Δ≦20、
及び0.2≦1/d である。
【0092】以上に説明した本発明の実施の形態及び実
施例は、本発明の技術的思想に基づき更に変形が可能で
ある。
【0093】例えば、上述したヒータの駆動パルスにつ
いて、そのパルス電圧(又は電流)の大きさ又は幅とパ
ルス間隔の双方を変化させてよいし、一方のみを変化さ
せてもよい。即ち、パルス時間、パルス間隔、P(パワ
ー)を制御してよいが、更に柱状体の幅、高さ、間隔も
様々に変更できる。
【0094】また、インクを加熱するのに、ヒータの他
にも、レーザー等による加熱もできるし、転写部の構造
も上述したものに限定されることはなく、種々変更して
よい。インクの吐出も、機械的な機構を併用して行うこ
ともできるし、各ドット毎に駆動パルスを加える以外に
もブロック化してブロック単位で駆動パルスを与えるこ
ともできる。更には、上記したプリンタヘッドをライン
型以外にも、シリアル型とすることもできる。
【0095】
【発明の作用効果】本発明は上述したごとく、毛管構造
に保持された記録液を飛翔させることによって、被記録
体に記録を行う記録装置及びその駆動方法において、前
記毛管構造の毛管力の大きさに応じて記録液の飛翔エネ
ルギーを制御するので、毛管力が大きい毛管構造であれ
ば、記録液の保持性及び逃げた記録液の戻る速度が大き
いために、高いエネルギーを加えることができ、逆に、
毛管力が小さい毛管構造であれば、相対的に低い飛翔エ
ネルギーを加えることができる。これによって毛管構造
に応じて、常に安定した吐出又は気化を行えることにな
る。
【0096】しかも、記録液の飛翔による記録を行うの
で、転写速度が早くなり、画素内での濃度階調も容易に
なり、高画質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくプリンタヘッドの転写部付近の
概略拡大断面図(図2のI−I線断面図である。
【図2】同、プリンタヘッドの転写部付近の概略拡大平
面図である。
【図3】同、パルス時間とパルス間隔及びパルス電圧の
一例を示す駆動パルス図である。
【図4】同、プリンターの斜視図である。
【図5】同、プリンターヘッドの斜視図である。
【図6】同、パワーPと毛管力1/dとの相関図であ
る。
【図7】同、パルス間隔Δと毛管力1/dとの相関図で
ある。
【図8】同、パワーPと毛管力1/dとの具体的な相関
図である。
【図9】同、パルス間隔Δと毛管力1/dとの具体的な
相関図である。
【符号の説明】
1…転写部、2…高抵抗部(ヒータ、抵抗加熱手段)、
3a、3b…低抵抗部、4…個別電極、5…共通電極、
6…柱状体、7…隔壁、8…補助壁、9…基板、10…
断熱層、11…バリアメタル層、12…保護膜、30…
パーソナルコンピュータ、31…駆動パルス発生回路、
100Y、M、C…プリンターヘッド、T1 …パルス
幅、T2 …パルス間隔、T3 …パルス電圧、P…パワ
ー、d…柱状体間隔、1/d…毛管力、Δ…パルス間隔
フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF39 AF71 AG21 AG40 AG42 AG46 AG91 AG99 AJ10 AL40 AM03 AM15 AM21 AM22 AN01 AN05 AP02 AP14 AP56 AQ02 AR04 AR08 BF06

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛管構造に保持された記録液を飛翔させ
    ることによって、被記録体に記録を行う記録装置におい
    て、前記記録液の飛翔部に、前記毛管構造の毛管力の大
    きさに応じて前記記録液の飛翔エネルギーを制御するた
    めの飛翔エネルギー制御手段が接続されていることを特
    徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録液をヒーターのエネルギーで吐
    出又は気化させるように構成し、前記毛管力の大きさに
    応じて、ヒーター駆動のためのパルス電圧又はパルス電
    流の大きさ又は幅と、パルス間隔との少なくとも一方が
    調節される、請求項1に記載した記録装置。
  3. 【請求項3】 前記毛管力が大きいほど、前記パルス電
    圧又は前記パルス電流が大きくされるか、或いは前記パ
    ルス間隔が狭くされる、請求項2に記載した記録装置。
  4. 【請求項4】 前記ヒーターの電力をP(単位:m
    W)、前記パルス間隔をΔ(単位:μsec)、前記毛
    管構造の毛管部の空隙内の間隔をd{但し、単位(μ
    m)を除いた数値とする。}(1/dは毛管力)とした
    場合、 110≦P≦{125(1/d)+85}、及び0.2
    ≦1/d 又は {−16.25(1/d)+21.25}≦Δ≦20、
    及び0.2≦1/d とする、請求項2に記載した記録装置。
  5. 【請求項5】 前記ヒーターの加熱がコンピューターで
    条件設定される駆動パルスによって制御される、請求項
    2に記載した記録装置。
  6. 【請求項6】 前記毛管構造として、サイズ及び間隔が
    それぞれ0.1〜10μmである柱状体によって多孔性
    構造体が形成され、記録情報に応じて前記記録液を液滴
    化し、生成された液滴が、前記飛翔部と10〜500μ
    mの間隙を置いて対向配置された前記被記録体へ飛翔す
    る、請求項1に記載した記録装置。
  7. 【請求項7】 前記毛管構造として、高さが1〜20μ
    m、直径又は一辺が0.1〜5μm、間隔が0.1〜5
    μmであって300℃以上の耐熱性を持つ突起が、縦方
    向と横方向においてそれぞれ2〜100行と2〜100
    列の範囲でマトリクス状に並んだパターンをなした多孔
    性構造体が形成されている、請求項1に記載した記録装
    置。
  8. 【請求項8】 前記飛翔部で消費された記録液が前記飛
    翔部に連続的に補給される、請求項1に記載した記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記記録液の吐出において、吐出液滴の
    運動量が、ヒーターによる加熱によって生じた記録液の
    対流の運動量によって生じる、請求項1に記載した記録
    装置。
  10. 【請求項10】 前記記録液の対流が、加熱による記録
    液の液面の表面張力の不均一によって生じる、請求項9
    に記載した記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録液の対流が、記録液構成成分
    の沸騰による前記記録液の体積膨張に起因するものであ
    る、請求項9に記載した記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録液の対流が、前記記録液内の
    溶存空気の加熱による膨張、又は膨張及び破裂によるも
    のである、請求項9に記載した記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録液の対流が、前記記録液の熱
    膨張によるものである、請求項9に記載した記録装置。
  14. 【請求項14】 前記記録液の対流が、前記ヒーター又
    は前記毛管構造の熱膨張によるものである、請求項9に
    記載した記録装置。
  15. 【請求項15】 毛管構造に保持された記録液を飛翔さ
    せることによって、被記録体に記録を行う記録装置の駆
    動方法において、前記毛管構造の毛管力の大きさに応じ
    て前記記録液の飛翔エネルギーを制御することを特徴と
    する、記録装置の駆動方法。
  16. 【請求項16】 前記記録液をヒーターのエネルギーで
    吐出又は気化させるように構成し、前記毛管力の大きさ
    に応じてヒーター駆動のためのパルス電圧又はパルス電
    流の大きさ又は幅と、パルス間隔との少なくとも一方を
    調節する、請求項15に記載した、記録装置の駆動方
    法。
  17. 【請求項17】 前記毛管力が大きいほど、前記パルス
    電圧又は前記パルス電流を大きくするか、或いは前記パ
    ルス間隔を狭くする、請求項16に記載した、記録装置
    の駆動方法。
  18. 【請求項18】 前記ヒーターの電力をP(単位:m
    W)、前記パルス間隔をΔ(単位:μsec)、前記毛
    管構造の毛管部の空隙内の間隔をd{但し、単位(μ
    m)を除いた数値とする。}(1/dは毛管力)とした
    場合、 110≦P≦{125(1/d)+85}、及び0.2
    ≦1/d 又は {−16.25(1/d)+21.25}≦Δ≦20、
    及び0.2≦1/d とする、請求項16に記載した、記録装置の駆動方法。
  19. 【請求項19】 前記ヒーターの加熱を、コンピュータ
    ーで条件設定される駆動パルスによって制御する、請求
    項16に記載した、記録装置の駆動方法。
  20. 【請求項20】 前記毛管構造として、サイズ及び間隔
    がそれぞれ0.1〜10μmである柱状体によって多孔
    性構造体を形成し、記録情報に応じて前記記録液を液滴
    化し、生成された液滴を、前記飛翔部と10〜500μ
    mの間隙を置いて対向配置された前記被記録体へ飛翔さ
    せる、請求項15に記載した、記録装置の駆動方法。
  21. 【請求項21】 前記毛管構造として、高さが1〜20
    μm、直径又は一辺が0.1〜5μm、間隔が0.1〜
    5μmであって300℃以上の耐熱性を持つ突起が、縦
    方向と横方向においてそれぞれ2〜100行と2〜10
    0列の範囲でマトリクス状に並んだパターンをなした多
    孔性構造体を形成する、請求項15に記載した、記録装
    置の駆動方法。
  22. 【請求項22】 前記飛翔部で消費された記録液を前記
    飛翔部に連続的に補給する、請求項15に記載した、記
    録装置の駆動方法。
  23. 【請求項23】 前記記録液の吐出において、吐出液滴
    の運動量を、ヒーターによる加熱によって生じた記録液
    の対流の運動量によって生じさせる、請求項15に記載
    した、記録装置の駆動方法。
  24. 【請求項24】 前記記録液の対流を、加熱による記録
    液の液面の表面張力の不均一によって生じさせる、請求
    項23に記載した、記録装置の駆動方法。
  25. 【請求項25】 前記記録液の対流を、記録液構成成分
    の沸騰による前記記録液の体積膨張に起因して生じさせ
    る、請求項23に記載した、記録装置の駆動方法。
  26. 【請求項26】 前記記録液の対流を、前記記録液内の
    溶存空気の加熱による膨張、又は膨張及び破裂によって
    生じさせる、請求項23に記載した、記録装置の駆動方
    法。
  27. 【請求項27】 前記記録液の対流を、前記記録液の熱
    膨張によって生じさせる、請求項23に記載した、記録
    装置の駆動方法。
  28. 【請求項28】 前記記録液の対流を、前記ヒーター又
    は前記毛管構造の熱膨張によって生じさせる、請求項2
    3に記載した、記録装置の駆動方法。
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