JP2001085306A - 光源装置、露光装置及び露光方法、並びにデバイス及びその製造方法 - Google Patents

光源装置、露光装置及び露光方法、並びにデバイス及びその製造方法

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JP2001085306A
JP2001085306A JP25796999A JP25796999A JP2001085306A JP 2001085306 A JP2001085306 A JP 2001085306A JP 25796999 A JP25796999 A JP 25796999A JP 25796999 A JP25796999 A JP 25796999A JP 2001085306 A JP2001085306 A JP 2001085306A
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Tomoko Otsuki
朋子 大槻
Tsugukazu Atsumi
二一 渥美
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御に必要な要請に応じた光量制御を行うこ
とができる光源装置を提供する。 【解決手段】 光源装置16は、単一波長発生光源16
0Aと該光源からの光をパルス光に変換して出力する光
変調器160Cとを有する光発生部160と、光変調器
からのパルス光を増幅するファイバアンプを各々有する
光ファイバ群から成る光増幅部161と、光量制御装置
16Cとを備えている。光量制御装置160Cは、光フ
ァイバ群を構成する各ファイバの光出力の個別オン・オ
フによる段階的な光量制御と、光変調器の出力パルス光
の周波数及びピークパワーの少なくとも一方を制御する
光量制御とを行う。従って、段階的な光量制御に加え
て、各段階間の光量の微調整が前記パルス光の周波数及
びピークパワーの少なくとも一方の制御により可能にな
り、所定範囲内であれば如何なる設定光量にも光量を一
致させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源装置、露光装
置及び露光方法、並びにデバイス及びその製造方法に係
り、更に詳しくは、半導体素子、液晶表示素子等を製造
する際にリソグラフィ工程で用いられる露光装置の露光
用光源として好適な光源装置、該光源装置を露光用光源
として備えた露光装置、該露光装置による露光方法、並
びに前記露光装置及び露光方法を用いてデバイスを製造
する方法及び該デバイス製造方法によって製造されるデ
バイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子(集積回路)、液
晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、
種々の露光装置が用いられている。近年では、この種の
露光装置としては、フォトマスク又はレチクル上に形成
された微細回路パターンを、表面にフォトレジストが塗
布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に投影光
学系を介して縮小投影し、転写する、いわゆるステッパ
あるいはいわゆるスキャニング・ステッパ等の縮小投影
露光装置が、高いスループットを有する点から主流とな
っている。
【0003】しかるに、投影露光装置等の露光装置で
は、高スループットとともに高い解像力(解像度)が要
請される。投影露光装置の解像力R、焦点深度DOF
は、露光用照明光の波長λ、投影光学系の開口数N.
A.を用いて、次式(1)、(2)によってそれぞれ表
される。
【0004】 R=K・λ/N.A. ……(1)
【0005】 DF=λ/2(N.A.)2 ……(2)
【0006】上記の式(1)から明らかなように、解像
力R、すなわち解像できる最小パターン線幅をより小さ
くするために、比例定数Kを小さくする、N.A.
を大きくする、露光用照明光の波長λを小さくする、
の3つの方法が考えられる。ここで、比例定数Kは投影
光学系やプロセスによって決まる定数であり、通常0.
5〜0.8程度の値をとる。この定数Kを小さくする方
法は、広い意味での超解像と呼ばれている。今までに、
投影光学系の改良、変形照明、位相シフトレチクルなど
が提案、研究されてきた。しかし、適用できるパターン
に制限があるなどの難点があった。
【0007】一方、開口数N.A.は式(1)からその
値が大きいほど解像力Rを小さくできるが、このことは
同時に式(2)から明らかなように焦点深度DOFが浅
くなってしまうことを意味する。このため、N.A.値
は大きくするにも限界があり、通常は0.5〜0.6程
度が適当とされている。
【0008】従って、解像力Rを小さくする最も単純か
つ有効な方法は、露光用照明光の波長λを小さくするこ
とである。
【0009】かかる理由により、ステッパ等としては紫
外域の輝線(g線、i線等)を出力する超高圧水銀ラン
プを露光用光源とするg線ステッパ、i線ステッパが従
来主として用いられていたが、近年ではより短波長のK
rFエキシマレーザ光(波長248nm)を出力するK
rFエキシマレーザを光源とするKrFエキシマレーザ
・ステッパが主流となりつつある。現在ではさらに短波
長の光源としてArFエキシマレーザ(波長193n
m)を使用する露光装置の開発が進められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たエキシマレーザは大型であること、1パルスあたりの
エネルギが大きいことにより光学部品の損傷が生じやす
いこと、有毒なフッ素ガスを使用するためレーザのメン
テナンスが煩雑でかつ費用が高額となるなどの、露光装
置の光源として不利な点が存在する。
【0011】また、露光装置にはウエハ毎のレジス卜感
度等の違いにあわせた露光量制御性能を実現することが
求められ、広いダイナミックレンジ、典型的には1〜1
/7程度が求められる。従来のエキシマレーザを光源と
する露光装置では、上記のウエハ毎のレジス卜感度等の
違いにあわせた露光量制御のために、例えばNDフィル
タ等のエネルギ粗調器が用いられている。
【0012】しかしながら、かかる手法による場合に
は、透過率が較正されたNDフィルタが必要であり、N
Dフィルタの耐久性、透過率の経時変化も問題になる。
さらに、最大光量の1/7の露光量しか必要としない場
合でも、エキシマレ一ザは最大出力強度で動作し、出力
光の6/7は露光には使用されず無駄になる。また、光
学部品消耗、消費電力の点でも問題があった。
【0013】現状の露光装置には、上記のウエハ毎のレ
ジス卜感度等の違いにあわせた光量制御性能(以下、適
宜「第1の露光量制御性能」と呼ぶ)の他、同ーウエハ
内におけるショット領域(チップ)毎のプ口セスばらつ
きを補正する露光量制御性能(以下、適宜「第2の露光
量制御性能」と呼ぶ)が要求される。また、スキャニン
グ・ステッパの場合には、ショット領域内の線幅均一性
を実現するための露光量制御性能(以下、適宜「第3の
露光量制御性能」と呼ぶ)が更に要求される。
【0014】現状の露光装置では、上記の第2の露光量
制御性能として、ダイナミックレンジが設定露光量の±
10%程度、ショット間ステッピング時間である100
ms程度の時間内に設定値に制御すること、制御精度と
して設定露光量の±1%程度が要求されている。
【0015】また、上記第3の露光量制御性能として
は、制御精度として典型的には1ショットの露光時間で
ある20msecの時間内に設定露光量の±0.2%に
設定すること、制御速度1ms程度が要求されている。
【0016】従って、露光装置の光源として、上記第1
〜第3の露光量制御性能を実現するためにも、制御に必
要な要請に応じた制御を行うことができる光源装置の出
現が期待されている。ここで、制御に必要な要請とは、
(a)制御のダイナミックレンジ、(b)制御精度、
(c)制御速度、(d)検出光強度と制御量とのリニア
リティの程度、(e)省電力を目的とするエネルギセイ
ブの機能等である。
【0017】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、上記の制御に必要な要請に応じ
た光量制御を行うことができる光源装置を提供すること
にある。
【0018】本発明の第2の目的は、要求される露光量
制御を容易に実現することができる露光装置及び露光方
法を提供することにある。
【0019】本発明の第3の目的は、高集積度のマイク
ロデバイスの生産性を向上することができるデバイス製
造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、単一波長の光を発生する光源装置であって、単一波
長の光を発生する光発生部(160)と;前記光発生部
の出力段に並列に配置された複数の光ファイバから成る
ファイバ群と;前記各光ファイバからの光出力を個別に
オン・オフすることにより前記ファイバ群から出力され
る光の光量を制御する光量制御装置(16C)とを備え
る。
【0021】これによれば、光発生部で発生した単一波
長の光が、その出力段に並列に配置されたファイバ群を
構成する複数の光ファイバのそれぞれに向かって進む
が、光量制御装置では各光ファイバからの光出力を個別
にオン・オフすることによりファイバ群から出力される
光の光量を制御する。このように本発明では、ファイバ
群を構成する各光ファイバの光出力を個別にオン・オフ
するという簡単な手法によりファイバ群から出力される
光の光量制御を実現することができるとともに、光ファ
イバの数に比例した複数段階の光量制御が可能となるの
で、広いダイナミックレンジを容易に実現することがで
きる。この場合、各光ファイバの諸性能(ファイバ径等
を含む)は異なっていても良いが、各光ファイバの諸性
能がほぼ同じである場合には、光ファイバのそれぞれか
らの同一光量の光を出力させることができる結果、光フ
ァイバの数Nに応じたN段階の光量制御を正確かつ確実
に実行することができる。従って、例えば、N≧100
とすれば、1%刻み以下の精度で光量を制御することが
できる。この場合、制御量と光量とのリニアリティの程
度も良い。勿論、この場合、NDフィルタ等のエネルギ
粗調器は不要となるので、該フィルタの耐久性、透過率
の経時変化等に起因する光量制御性能の劣化等の諸問題
も改善できる。
【0022】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記ファイバ群を構成する前記複数の光ファイ
バは、それぞれの少なくとも出力端部が束ねられてバン
ドル−ファイバ(173)が構成されていても良い。通
常、光ファイバの径は細いので、100本以上束ねても
直径が数mm程度以内に収めることができ、そのバンド
ル−ファイバの出力段に何らかの光学素子を配置する場
合に、小型の光学素子を配置できる。
【0023】上記請求項1及び2に記載の各発明に係る
光源装置では、各光ファイバからの光出力をオン・オフ
する手法は、例えば、各光ファイバに対する入射光を遮
光する機械的又は電気的なシャッタ、あるいは各光ファ
イバからの光の出射を阻止する機械的又は電気的なシャ
ッタを設ける等種々考えられるが、例えば、請求項3に
記載の発明の如く、前記各光ファイバを含んで構成され
る各光経路(172n)の一部に、光増幅を行うことが
できるファイバ増幅器(168n、171n)が少なくと
も1段設けられている場合には、前記光量制御装置は、
前記各光ファイバからの前記光出力のオン・オフを前記
ファイバ増幅器の励起用光源(174、178)からの
励起光の強度の切り換えにより行うこととしても良い。
【0024】ここで、「各光ファイバを含んで構成され
る各光経路の一部に、光増幅を行うことができるファイ
バ増幅器が少なくとも1段設けられている」とは、各光
経路が光ファイバとは別にその入力段に設けられた光増
幅器を有している場合、各光経路を構成する光ファイバ
の一部がファイバ増幅器となっている場合」のいずれを
も含む。
【0025】かかる場合には、ファイバ増幅器により各
光ファイバを含む光経路に入射した光を増幅できるとと
もに、光出力をオフすることとされた光ファイバを含む
光経路に設けられた光増幅器に対する励起光の強度レベ
ルが低く(零を含む)設定されるので、その分省エネが
可能である。また、ファイバ増幅器の励起用光源からの
励起光の強度の切り換えにより光出力のオン・オフを行
うので、シャッタ等を用いる場合に比べて短時間で光出
力のオン・オフが可能である。
【0026】この場合において、励起光の強度レベルの
切り換えは、所定範囲内の固定的でない2つのレベル間
で行っても良いが、請求項4に記載の発明の如く、前記
光量制御装置は、前記励起用光源からの励起光の強度を
所定レベルと零レベルとのいずれかに択一的に設定する
ことにより前記励起光の強度の切り換えを行うこととし
ても良い。かかる場合、請求請5に記載の発明の如く、
前記光量制御装置は、前記励起用光源をオン・オフする
ことにより、前記励起光の強度を所定レベルと零レベル
とのいずれかに択一的に設定することとしても良い。
【0027】上記請求項3に記載の発明に係る光源装置
において、請求項6に記載の発明の如く、前記光量制御
装置は、前記励起用光源からの励起光の強度を所定の第
1レベルと該第1レベルより小さい第2レベルとのいず
れかに択一的に設定することにより前記励起光の強度の
切り換えを行うこととしても良い。すなわち、ファイバ
増幅器では、励起光の強度を零にしなくても所定量以下
にすると、光の吸収が生じて、ファイバ増幅器からの出
射光強度は殆ど零となるので、励起用光源からの励起光
の強度を所定の第1レベルと該第1レベルより小さい第
2レベルとのいずれかに択一的に設定することにより、
光ファイバからの光出力をオン・オフすることができ
る。この場合も第1レベル、第2レベルは所定範囲内の
固定的でない2つのレベルであっても良い。
【0028】上記請求項3〜6に記載の各発明に係る光
源装置において、請求項7に記載の発明の如く、前記各
光経路に、前記ファイバ増幅器が複数段設けられている
場合、前記光量制御装置は、前記各光ファイバからの前
記光出力のオン・オフを最終段のファイバ増幅器(17
n)の励起用光源からの励起光の強度の切り換えによ
り行うこととしても良い。かかる場合には、最終段以外
のファイバ増幅器の励起用光源からの励起光の強度を切
り換える場合に問題となるASE(AmplifiedSpontaneo
us Emission,自然放出光)の悪影響を回避することがで
きるとともに、後段のファイバ程大きな励起光の強度を
必要とするので光ファイバからの光出力をオフしたとき
の励起用光源の省エネの効果が一層大きくなる。
【0029】この場合において、請求項8に記載の発明
の如く、前記最終段の前記ファイバ増幅器は、他の段の
ファイバ増幅器に比べてモードフィールド径が大きいこ
とが望ましい。かかる場合には、光ファイバ中での非線
形効果による増幅光のスペクトル幅の増加を避けること
ができる。
【0030】上記請求項1〜8に記載の各発明に係る光
源装置において、前記各光ファイバからの光出力のオン
・オフ状況に対応する出力強度マップが予め記憶された
記憶装置(51)を更に備え、前記光量制御装置は、前
記出力強度マップと所定の設定光量に基づいて前記各光
ファイバからの光出力を個別にオン・オフすることとし
ても良い。かかる場合には、各光ファイバの出力にばら
つきがあってもファイバ群の光出力を設定光量にほぼ一
致させることができるとともに、諸性能の異なる光ファ
イバを用いることも可能となる。
【0031】この場合において、前記出力強度マップ
は、予め測定された各ファイバ出力のばらつきに基づい
て作成されていることが望ましい。かかる場合には予め
実際に測定された各ファイバ出力のばらつきに基づいて
出力強度マップが作成されているので、ファイバ群の光
出力を設定光量に確実に一致させることができる。
【0032】上記請求項1〜8に記載の各発明に係る光
源装置において、請求項11に記載の発明の如く、前記
各光ファイバから出力される前記光の波長を変換する波
長変換部(163)を更に備えていても良い。かかる場
合には、波長変換部出力は、光出力がオンであるファイ
バ数に比例する。このため、例えば、各光ファイバの諸
性能がほぼ同じである場合には、光ファイバのそれぞれ
から同一光量の光を出力させることができる結果、ニア
リティ良く光量を制御することができる。
【0033】請求項9及び10に記載の各発明に係る光
源装置において、請求項12に記載の発明の如く、前記
各光ファイバから出力される前記光の波長を変換する波
長変換部を更に備える場合には、前記出力強度マップ
は、予め測定された前記各ファイバ出力に対応する波長
変換効率のばらつきに起因する出力のばらつきを更に考
慮して作成されていることが望ましい。かかる場合に
は、各光ファイバからの光出力に対する波長変換効率に
ばらつきがあっても、出力光の光量を設定光量に制御す
ることができる。
【0034】上記請求項1〜12に記載の各発明に係る
光源装置において、請求項13に記載の発明の如く、前
記光発生部が、単一波長の光を発生する光源(160
A)と、前記光源からの光を所定周波数のパルス光に変
換して出力する光変調器(160C)とを有する場合に
は、前記光量制御装置は、前記光変調器から出力される
パルス光の周波数及びピークパワーの少なくとも一方を
更に制御することとしても良い。かかる場合には、光フ
ァイバ群を構成する各ファイバの光出力の個別オン・オ
フによる段階的な光量制御に加えて、各段階間の光量の
微調整が光変調器から出力されるパルス光の周波数及び
ピークパワーの少なくとも一方の制御により可能になる
ので、結果的に光量の連続制御が可能となり、所定範囲
内であれば設定露光量が如何なる値に設定されても、出
力光の光量をその設定光量に一致させることが可能にな
る。
【0035】上記請求項1〜13に記載の各発明に係る
光源装置において、請求項14に記載の発明の如く、前
記複数の光ファイバそれぞれからの光出力を個別に遅延
させて、前記光出力を時間的にずらして行わせる遅延部
(167)を更に備えていても良い。かかる場合には、
各光ファイバから出力される光が時間的に重なることが
なくなるので、結果的に空間的コヒーレンシーを低減す
ることが可能になる。
【0036】請求項15に記載の発明は、単一波長の光
を発生する光源装置であって、単一波長の光を発生する
光源(160A)と、該光源からの光を所定周波数のパ
ルス光に変換して出力する光変調器(160C)とを有
する光発生部(160)と;前記光発生部によって発生
されたパルス光を増幅する少なくとも1段のファイバ増
幅器を含む光増幅部(161)と;前記光変調器から出
力される前記パルス光の周波数を制御することにより前
記ファイバ増幅器からの出力光の光量を制御する光量制
御装置(16C)とを備える。
【0037】これによれば、光発生部内では、光源から
単一波長の光が発生され、その光が光変調器によって所
定周波数のパルス光に変換され出力される。そして、こ
のパルス光は、光増幅部によって増幅されピークパワー
のより大きなパルス光として出力される。しかるに、パ
ルス光の単位時間当たりの光量(積算光量)は、パルス
光のピークパワーがほぼ一定であれば、その周波数に応
じて増減するので、光量制御装置が光変調器から出力さ
れるパルス光の周波数を制御することにより、ファイバ
増幅器からの出力光の光量を設定光量(目標光量)に一
致させることができる。本発明によるパルス光の周波数
(単位時間当たりのパルス数)制御による光量調整で
は、前述した請求項1に記載の発明に比べて、より高速
にかつより細やかな光量調整を行うことが可能となり、
設定光量が所定範囲内にあれば如何なる値に設定されて
も光量をほぼ一致させることができる。また、光出力と
制御量とのリニアリティも請求項1に記載の発明と同等
以上になる。
【0038】この場合において、請求項16に記載の発
明の如く、前記光増幅部に入力するパルス光の周波数に
応じた前記光増幅部の出力強度マップが記憶された記憶
装置(51)を更に備える場合には、前記光量制御装置
は、前記出力強度マップと所定の設定光量とに基づいて
前記光変調器から出力される前記パルス光の周波数を制
御することとしても良い。光変調器からのパルス光の周
波数に応じて光増幅器の入力光の強度が変化し、光増幅
部を構成するファイバ増幅器の利得は入力光強度依存性
を有するが、本発明によれば、前記入力光強度依存性に
起因する光増幅部からの出力パルスのピークパワー変化
の影響を受けることのない、高精度な光量制御が可能と
なる。
【0039】上記請求項15及び16に記載の各発明に
おいて、請求項17に記載の発明の如く、前記光量制御
装置は、前記光変調器から出力される前記パルス光のピ
ークパワーを更に制御することとしても良い。かかる場
合には、パルス光のピークパワーに変動があるような場
合であっても、精度の良い光量制御が可能となる。
【0040】上記請求項15及び16に記載の各発明に
おいて、請求項18に記載の発明の如く、前記光変調器
が、電気光学変調器である場合に、前記光量制御装置
は、前記光変調器に印加する電圧パルスの周波数を制御
することにより、前記パルス光の周波数を制御すること
としても良い。電気光学変調器の出力パルス光の周波数
は、その光変調器に印加する電圧パルスの周波数に一致
する。
【0041】請求項19に記載の発明は、単一波長の光
を発生する光源装置であって、単一波長の光を発生する
光源(160A)と、該光源からの光を所定周波数のパ
ルス光に変換して出力する光変調器(160C)とを有
する光発生部(160)と;前記光発生部によって発生
されたパルス光を増幅する少なくとも1段のファイバ増
幅器を含む光増幅部(161)と;前記光変調装置から
出力される前記パルス光のピークパワーを制御すること
により前記光増幅部からの出力光の光量を制御する光量
制御装置(16C)とを備える。
【0042】これによれば、光発生部内では、光源から
単一波長の光が発生され、その光が光変調器によって所
定周波数のパルス光に変換され出力される。そして、こ
のパルス光は、光増幅部によって増幅されピークパワー
のより大きなパルス光として出力される。光増幅部から
出力されるパルス光の単位時間当たりの光量(積算光
量)は、当然に光変調器からのパルス光のピークパワー
に応じて増減するので、光量制御装置が光変調器から出
力されるパルス光のピークパワーを制御することによ
り、ファイバ増幅器からの出力光の光量を設定光量(目
標光量)に一致させることができる。本発明によるパル
ス光のピークパワー制御による光量調整では、前述した
請求項1に記載の発明に比べて、より高速にかつより細
やかな光量調整を行うことが可能となり、設定光量が所
定範囲内にあれば如何なる値に設定されても光量をほぼ
一致させることができる。
【0043】この場合において、請求項20に記載の発
明の如く、前記光増幅部に入力するパルス光の強度に応
じた前記光増幅部の出力強度マップが記憶された記憶装
置(51)を更に備える場合には、前記光量制御装置
は、前記出力強度マップと所定の設定光量とに基づいて
前記光変調器から出力される前記パルス光のピークパワ
ーを制御することとしても良い。かかる場合には、光増
幅部を構成するファイバ増幅器の利得の入力光強度依存
性に起因する光増幅部からの出力パルスのピークパワー
変化の影響を受けることのない、高精度な光量制御が可
能となる。
【0044】請求項19及び20に記載の各発明におい
て、請求項21に記載の発明の如く、前記光変調器は、
電気光学変調器であり、前記光量制御装置は、前記光変
調器に印加する電圧パルスのピークレベルを制御するこ
とにより、前記パルス光のピークパワーを制御すること
としても良い。電気光学変調器からの出力光のパルスピ
ーク強度は電気光学変調器に印加される電圧パルスのパ
ルスピーク強度に依存する。
【0045】請求項15〜21に記載の各発明に係る光
源装置において、請求項22に記載の発明の如く、前記
光増幅部は複数並列に設けられ、前記各光増幅部の光出
力端部は光ファイバによりそれぞれ構成されていても良
い。
【0046】この場合において、請求項23に記載の発
明の如く、前記複数の光増幅部をそれぞれ構成する前記
複数の光ファイバは、束ねられてバンドル−ファイバ
(173)が構成されていても良い。通常、光ファイバ
の径は細いので、100本以上束ねても直径が数mm程
度以内に収めることができ、そのバンドル−ファイバの
出力段に何らかの光学素子を配置する場合に、小型の光
学素子を配置できる。
【0047】上記請求項15〜23に記載の各発明に係
る光源装置において、請求項24に記載の発明の如く、
前記光増幅部から出力される光の波長を変換する波長変
換部(163)を更に備えていても良い。かかる場合に
は、波長変換部からの出力光の光量は、光増幅部出力、
ひいては光変調器からのパルス光の入力強度(光量)に
応じた値となる。但し、確実にパルス光の入力強度(光
量)に比例した値となるわけではなく、光増幅部の出力
パルスのピーク強度に対し、最高で波長変換部から出力
される高調波の次数のべき乗に比例した非線形の依存性
を示す。一方、前記光変調器が電気光学変調器である場
合には、その出力光のパルスピーク強度の、電気光学変
調器に印加される電圧パルスのパルスピーク強度依存性
は、cos(V)であるため、上記の波長変換部の非線
形な依存性は緩和される。従って、波長変換部を備える
場合には、前記光変調器は、電気光学変調器であること
が望ましい。
【0048】上記請求項22及び23に記載の各発明に
おいて、請求項25に記載の発明の如く、前記複数の光
増幅部のそれぞれからの光出力を個別に遅延させて、前
記光出力を時間的にずらして行わせる遅延部(167)
を更に備えていても良い。かかる場合には、各光ファイ
バから出力される光が時間的に重なることがなくなるの
で、結果的に空間的コヒーレンシーを低減することが可
能になる。
【0049】上記請求項11、12、24に記載の各発
明に係る光源装置において、請求項26に記載の発明の
如く、前記光発生部は、赤外域から可視域までの範囲内
の単一波長のレーザ光を発生し、前記波長変換部は、前
記レーザ光の高調波である紫外光を出力することを特徴
としても良い。
【0050】この場合において、請求項27に記載の発
明の如く、前記光発生部は、波長1.5μm付近の単一
波長のレーザ光を発生し、前記波長変換部は、前記波長
1.5μm付近の前記レーザ光の8倍高調波又は10倍
高調波を発生することとしても良い。
【0051】請求項28に記載の発明は、マスク(R)
に形成されたパターンを基板(W)上に転写する露光装
置であって、請求項26又は27に記載の光源装置(1
6)と;前記光源装置から出力される光を露光用照明光
として前記マスクを照明する照明光学系(12)とを備
える。
【0052】これによれば、照明光学系により光源装置
の波長変換部から出力される紫外光を露光用照明光とし
てマスクが照明され、該マスクに形成されたパターンが
基板上に転写される。この場合、光源装置により、マス
クに照射される紫外光の光量制御を必要な要請に応じて
行うことができるので、結果的に要求される露光量制御
を実現することができる。
【0053】この場合において、請求項29に記載の発
明の如く、前記照明光学系内には、前記マスクのパター
ン面上における照明光の分布を均一化するオプティカル
インテグレータ(22)が設けられていても良い。特
に、光ファイバが複数並列に設けられる場合には、オプ
ティカルインテグレータによりマスク面上での照明光分
布が各光ファイバからの光出力の変動(オン・オフを含
む)によって変動するのを抑制することができるので、
特に望ましい。
【0054】請求項28及び29に記載の各発明に係る
露光装置において、請求項30に記載の発明の如く、前
記照明光学系は、ケーラー照明系であっても良い。
【0055】請求項31に記載の発明は、マスクに形成
されたパターンを基板上に繰り返し転写する露光装置で
あって、単一波長の光を発生する光源(160A)と、
前記光源からの光をパルス光に変換する光変調器(16
0C)とを有する光発生部(160)と;前記光発生部
によって発生されたパルス光を増幅する少なくとも1段
のファイバ増幅器を含む光増幅部(161)と;前記増
幅されたパルス光を前記マスクに照射して、該マスクを
介して前記基板を露光する際に、その露光対象領域の基
板上の位置に応じて前記光変調器を介して前記パルス光
の周波数及びピークパワーの少なくとも一方を制御する
制御装置(50)とを備える。
【0056】これによれば、光発生部では、光源で発生
した単一波長の光を光変調器によりパルス光に変換する
ことによりパルス光を発生し、そのパルス光がファイバ
増幅器を含む光増幅部によって増幅される。そして、制
御装置により、その増幅されたパルス光をマスクに照射
して、該マスクを介して基板を露光する際に、その露光
対象領域の基板上の位置に応じて光変調器を介してパル
ス光の周波数及びピークパワーの少なくとも一方が制御
され、これによりマスクに照射される光量、ひいては基
板の露光量が高精度に制御される。従って、本発明によ
れば、基板上の露光対象領域の位置によらず、常に適切
な露光量制御が可能となり、精度良くマスクのパターン
を基板上に転写することが可能になる。
【0057】ここで「露光対象領域」とは、基板上に露
光すべきショット領域が複数ある場合のそれぞれのショ
ット領域、及び各ショット領域内の異なる領域の双方を
含む概念である。従って、本発明によれば、いわゆるス
テッパ(スキャニング・ステッパを含む)における基板
上の各ショット領域毎のプロセスばらつきの補正や走査
型露光装置における1ショット領域内の線幅均一性の向
上が可能になる。
【0058】請求項32に記載の発明は、マスク(R)
に形成されたパターンを基板(W)上に転写する露光装
置であって、単一波長の光を発生する光源(160A)
と、前記光源からの光をパルス光に変換する光変調器
(160C)とを有する光発生部(160)と;前記パ
ルス光を増幅するファイバ増幅器を少なくとも各1段含
み、前記光発生部の出力段に並列に配置された複数の光
経路(172n)から成る光増幅部(161)と;前記
光増幅部からの前記パルス光を前記マスクに照射して、
該マスクを介して前記基板を露光する際に、前記各光経
路からの光出力を個別にオン・オフすることにより前記
光増幅部から出力されるパルス光の光量を制御する制御
装置(50)とを備える。
【0059】これによれば、光発生部では、光源で発生
した単一波長の光を光変調器によりパルス光に変換する
ことによりパルス光を発生し、そのパルス光がファイバ
増幅器を含む光増幅部によって増幅される。そして、制
御装置により、その増幅されたパルス光をマスクに照射
して、該マスクを介して基板を露光する際に、各光経路
からの光出力を個別にオン・オフすることにより光増幅
部から出力されるパルス光の光量が制御され、これによ
りマスクに照射される光量、ひいては基板の露光量が広
い範囲に渡って段階的に制御される。従って、本発明に
よれば、複数枚の基板を繰り返し露光する露光装置にお
ける基板毎のレジスト感度等の違いに合わせた露光量制
御が可能になる。従って、レジスト感度等に影響を受け
ることなく、基板上にマスクパターンを要求される精度
で転写することが可能になる。
【0060】この場合も、制御装置は、上記の如くその
露光対象領域の基板上の位置に応じて光変調器を介して
パルス光の周波数及びピークパワーの少なくとも一方を
制御するようにしても良い。
【0061】請求項31及び32に記載の各発明におい
て、請求項33に記載の発明の如く、前記光源は、赤外
域又は可視域のレーザ光を発生し、前記光増幅部で増幅
された前記パルス光を紫外光に波長変換する波長変換部
を更に備えていても良い。
【0062】請求項34に記載の発明は、マスクに形成
されたパターンを基板上に繰り返し転写する露光方法で
あって、パルス光をファイバ増幅器を用いて少なくとも
1回増幅する第1工程と;前記増幅されたパルス光を前
記マスクに照射し、該マスクを介して前記基板上の露光
対象領域を露光する第2工程と;前記第1工程の処理に
先立って、光源からのレーザ光を前記パルス光に変換す
るとともに、前記露光対象領域の基板上の位置に応じて
前記パルス光の周波数及びピークパワーの少なくとも一
方を制御する第3工程とを含む。
【0063】これによれば、パルス光をファイバ増幅器
を用いて少なくとも1回増幅し、その増幅されたパルス
光をマスクに照射し、該マスクを介して基板上の露光対
象領域を露光する。この場合、パルス光をファイバ増幅
器を用いて増幅するのに先立って、光源からのレーザ光
をパルス光に変換するとともに、露光対象領域の基板上
の位置に応じてパルス光の周波数及びピークパワーの少
なくとも一方を制御する。従って、パルス光をマスクに
照射し、該マスクを介して基板上の露光対象領域を露光
する際には、露光対象領域の基板上の位置に応じて露光
量が調整された状態で露光が行われることになる。従っ
て、本発明によれば、基板上の露光対象領域の位置によ
らず、常に適切な露光量制御が可能となり、精度良くマ
スクのパターンを基板上に転写することが可能になる。
【0064】ここで「露光対象領域」とは、基板上に露
光すべきショット領域が複数ある場合のそれぞれのショ
ット領域、及び各ショット領域内の異なる領域の双方を
含む概念である。従って、本発明によれば、いわゆるス
テッパ(スキャニング・ステッパを含む)における基板
上の各ショット領域毎のプロセスばらつきの補正や走査
型露光装置における1ショット領域内の線幅均一性の向
上が可能になる。
【0065】この場合において、請求項35に記載の発
明の如く、前記ファイバ増幅器が、複数並列に設けられ
ている場合には、前記第1工程では、選択されたファイ
バ増幅器のみを用いて前記パルス光の増幅を行うことと
しても良い。かかる場合には、露光量の制御を広いダイ
ナミックレンジで段階的に行うことができるので、上記
の露光対象領域の基板上の位置に応じてパルス光の周波
数及びピークパワーの少なくとも一方を制御する露光量
制御との併用により、より広い範囲に渡って露光量制御
を高精度に行なうことが可能になる。上記のファイバ増
幅器の選択を、基板上のレジスト感度等に応じて行うこ
とにより、基板毎のレジスト感度の違いに合わせた露光
量の制御が可能になる。
【0066】上記請求項34及び35に記載の各発明に
おいて、請求項36に記載の発明の如く、前記光源は、
赤外域又は可視域のレーザ光を発生し、前記パルス光が
前記マスクに照射される前に前記増幅されたパルス光を
紫外光に波長変換する第4工程を更に含んでいても良
い。
【0067】請求項37に記載の発明は、フォトリソグ
ラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記フォ
トリソグラフィ工程で、請求項28〜33のいずれか一
項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
る。また、請求項38に記載の発明は、フォトリソグラ
フィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記フォト
リソグラフィ工程で、請求項34〜36のいずれか一項
に記載の露光方法を用いることを特徴とする。
【0068】これらのデバイス製造方法によれば、上記
請求項28〜33に記載の各露光装置、請求項34〜3
6に記載の各露光方法により精度良くマスクのパターン
を基板上に転写することが可能になる結果、高集積度の
マイクロデバイスの生産性を向上することができる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図6に基づいて説明する。
【0070】図1には、本発明に係る光源装置を含んで
構成された一実施形態に係る露光装置10の概略構成が
示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド
・スキャン方式の走査型露光装置である。
【0071】この露光装置10は、光源装置16及び照
明光学系12から成る照明系、この照明系からの露光用
照明光(以下、「露光光」という)ILにより照明され
るマスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステー
ジRST、レチクルRから射出された露光光ILを基板
としてのウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハ
Wを保持する基板ステージとしてのZチルトステージ5
8が搭載されたXYステージ14、及びこれらの制御系
等を備えている。
【0072】前記光源装置16は、例えば、波長193
nm(ArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長)の紫外
パルス光、あるいは波長157nm(F2レーザ光とほ
ぼ同一波長)の紫外パルス光を出力する高調波発生装置
である。この光源装置16は、光源としてのレーザ光源
を含む光源部16A、レーザ制御装置16B及び光量制
御装置16Cとを備えている。この光源装置16は、前
記照明光学系12、レチクルステージRST、投影光学
系PL、Zチルトステージ58、XYステージ14及び
これら各部が搭載された不図示の本体コラム等から成る
露光装置本体とともに、温度、圧力、湿度等が高精度に
調整されたエンバイロンメンタル・チャンバ(以下、
「チャンバ」という)11内に収納されている。
【0073】図2には、光源装置16の内部構成が装置
全体を統括制御する主制御装置50とともにブロック図
にて示されている。
【0074】この図2に示されるように、光源部16A
は、光発生部としてのパルス光発生部160、光増幅部
161、四分の一波長板162、波長変換部163、ビ
ームモニタ機構164及び吸収セル165等を含んで構
成されている。
【0075】前記パルス光発生部160は、レーザ光源
160A、光カップラBS1,BS2、光アイソレータ
160B及び光変調器としての電気光学変調器(以下、
「EOM」という)160C等を有する。なお、レーザ
光源160Aと波長変換部163との間の各要素間は光
ファイバにより光学的に接続されている。
【0076】前記レーザ光源160Aとしては、ここで
は、単一波長発振レーザ、例えば、発振波長1.544
μm、連続波出力(以下「CW出力」という)20mW
のInGaAsP,DFB半導体レーザが用いられてい
る。以下においては、レーザ光源160Aを適宜「DF
B半導体レーザ160A」とも呼ぶものとする。
【0077】ここで、DFB半導体レーザとは、縦モー
ド選択性の低いファブリーペロー型共振器の代わりに、
回折格子を半導体レーザ内に作り上げたもので、どのよ
うな状況下であっても単一縦モード発振をするように構
成されており、分布帰還型(Distributed Feedback:D
FB)レーザと呼ばれるものである。この様なレーザで
は基本的に単一縦モード発振をすることから、その発振
スペクトル線幅は0.01pm以下に抑えられる。
【0078】また、DFB半導体レーザは、通常、ヒー
トシンクの上に設けられ、これらが筐体内に収納されて
いる。本実施形態では、DFB半導体レーザ160Aに
付設されるヒートシンク上に温度調整器(例えばペルチ
ェ素子など)が設けられており、後述するように、レー
ザ制御装置16Bがその温度を制御することにより発振
波長が制御(調整)可能な構成となっている。
【0079】すなわち、DFB半導体レーザの発振波長
は0.1nm/℃程度の温度依存性を持つ。従って、例
えば、DFB半導体レーザの温度を1℃変化させると、
基本波(1544nm)ではその波長が0.1nm変化
するので、8倍波(193nm)ではその波長が0.0
125nm変化し、10倍波(157nm)ではその波
長が0.01nm変化することになる。
【0080】なお、露光装置では露光用照明光(パルス
光)の波長をその中心波長に対して±20pm程度変化
させることができれば十分である。従って、DFB半導
体レーザ11の温度を8倍波では±1.6℃程度、10
倍波では±2℃程度変化させれば良い。
【0081】なお、レーザ光源160Aとして、DFB
半導体レーザ等の半導体レーザに限らず、例えば発振波
長が990nm付近のイットリビウム(Yb)・ドープ・
ファイバーレーザなどを用いることもできる。
【0082】前記光カップラBS1、BS2としては、
透過率が97%程度のものが用いられている。このた
め、DFB半導体レーザ160Aからのレーザ光は光カ
ップラBS1で分波され、その97%程度が光カップラ
BS2に入射し、残り3%程度がビームモニタ機構16
4に入射する。また、光カップラBS2に入射したレー
ザ光は、該光カップラBS2で分波され、その97%程
度が次段の光アイソレータ160Bに向かって進み、残
り3%程度が吸収セル165に入射するようになってい
る。
【0083】なお、ビームモニタ機構164、吸収セル
165等については、後に更に詳述する。
【0084】前記光アイソレータ160Bは、光カップ
ラBS2からEOM160Cに向かう方向の光のみを通
過させ、反対向きの光の通過を阻止するためのデバイス
である。この光アイソレータ160Bにより、反射光
(戻り光)に起因するDFB半導体レーザ160Aの発
振モードの変化や雑音の発生等が防止される。
【0085】前記EOM160Cは、光アイソレータ1
60Bを通過したレーザ光(CW光(連続光))をパル
ス光に変換するためのものである。EOM160Cとし
ては、屈折率の時間変化に伴うチャープによる半導体レ
ーザ出力の波長広がりが小さくなるように、チャープ補
正を行った電極構造を持つ電気光学変調器(例えば二電
極型変調器)が用いられている。EOM160Cは、光
量制御装置16Cから印加される電圧パルスに同期して
変調されたパルス光を出力する。一例として、EOM1
60CによりDFB半導体レーザ160Aで発振された
レーザ光がパルス幅1ns、繰り返し周波数100kH
z(パルス周期約10μs)のパルス光に変調されるも
のとすると、この光変調の結果、EOM160Cから出
力されるパルス光のピーク出力は20mW、平均出力は
2μWとなる。なお、ここでは、EOM160Cの挿入
による損失がないものとしたが、その挿入損失がある、
例えば損失が−3dBである場合、パルス光のピーク出
力は10mW、平均出力は1μWとなる。
【0086】なお、繰り返し周波数を100kHz程度
以上に設定した場合には、後述するファイバ増幅器にお
いてASE(Amplified Spontaneous Emission,自然放
出光)ノイズの影響による増幅率低下を阻止することが
できるので、このようにすることが望ましい。
【0087】なお、EOM160Cのみを用いてパルス
光をオフの状態にしてもその消光比が充分でない場合に
は、DFB半導体レーザ160Aの電流制御を併用する
ことが望ましい。すなわち、半導体レーザなどではその
電流制御を行うことで、出力光をパルス発振させること
ができるので、DFB半導体レーザ160Aの電流制御
とEOM160Cとを併用してパルス光を発生させるこ
とが望ましい。一例として、DFB半導体レーザ160
Aの電流制御によって、例えば10〜20ns程度のパ
ルス幅を有するパルス光を発振させるとともに、EOM
160Cによってそのパルス光からその一部のみを切り
出し、パルス幅が1nsのパルス光に変調する。このよ
うにすれば、EOM160Cのみを用いる場合に比べ
て、パルス幅が狭いパルス光を容易に発生させることが
可能になるとともに、パルス光の発振間隔や発振の開始
及びその停止などをより簡単に制御することが可能にな
る。
【0088】なお、EOM160Cに代えて、音響光学
光変調素子(AOM)を用いることも可能である。
【0089】前記光増幅部161は、EOM160Cか
らのパルス光を増幅するもので、ここでは、複数のファ
イバ増幅器を含んで構成されている。図3には、この光
増幅部161の構成の一例が、EOM160Cとともに
示されている。
【0090】この図3に示されるように、光増幅部16
1は、チャネル0からチャネル127の総計128チャ
ネルを有する遅延部167と、この遅延部167のチャ
ネル0からチャネル127の総計128チャネルのそれ
ぞれの出力段に接続されたファイバ増幅器1681〜1
68128と、これらのファイバ増幅器1681〜1681
28のそれぞれに狭帯域フィルタ1691〜169128及び
光アイソレータ1701〜170128をそれぞれ介して接
続された最終段のファイバ増幅器1711〜171128
を備えている。この場合、図3からも明らかなように、
ファイバ増幅器168n、狭帯域化フィルタ169n、光
アイソレータ170n、及びファイバ増幅器171n(n
=1、2、……、128)によって、それぞれ光経路1
72n(n=1、2、……、128)が構成されてい
る。
【0091】光増幅部161の上記構成各部について更
に詳述すると、前記遅延部167は、総計128チャネ
ルのチャネルを有し、各チャネルの出力に所定の遅延時
間(ここでは、3ns)を与えるためのものである。こ
の遅延部167は、本実施形態では、EOM160Cか
ら出力されるパルス光を35dB(3162倍)の光増
幅を行うエルビウム(Er)・ドープ・ファイバ増幅器
(EDFA)と、このEDFAの出力をチャネル0〜3
の4出力に並列分割する光分岐手段であるスプリッタ
(平板導波路1×4スプリッタ)と、このスプリッタの
チャネル0〜3の各出力端に接続された各々長さの異な
る4本の光ファイバと、これら4本の光ファイバの出力
をそれぞれチャネル0〜31に32分割する4つのスプ
リッタ(平板導波路1×32スプリッタ)と、各スプリ
ッタのチャネル0を除くチャネル1〜31にそれぞれ接
続された長さの異なる各31本(総計124本)の光フ
ァイバとを含んで構成されている。以下、上記各スプリ
ッタ(平板導波路1×32スプリッタ)の0〜31チャ
ネルを総称してブロックと呼ぶ。
【0092】これを更に詳述すると、上記初段のEDF
Aから出力されるパルス光は、ピーク出力約63W、平
均出力約6.3mWとなる。このパルス光がスプリッタ
(平板導波路1×4スプリッタ)によりチャネル0〜3
の4出力に並列分割され、各チャネルの出力光には、上
記4本の光ファイバ長に対応した遅延が与えられる。例
えば本実施形態では、光ファイバ中の光の伝搬速度を2
×108m/sであるとし、スプリッタ(平板導波路1
×4スプリッタ)のチャネル0、1、2、3にそれぞれ
0.1m、19.3m、38.5m、57.7mの長さ
の光ファイバ(以下、「第1の遅延ファイバ」と呼ぶ)
が接続されている。この場合、各第1の遅延ファイバ出
口での隣り合うチャネル間の光の遅延は96nsとな
る。
【0093】また、上記4つのスプリッタ(平板導波路
1×32スプリッタ)のチャネル1〜31には、それぞ
れ0.6×Nメートル(Nはチャネル番号)の長さの光
ファイバ(以下、「第2の遅延ファイバ」と呼ぶ)が接
続されている。この結果、各ブロック内の隣り合うチャ
ネル間では3nsの遅延が与えられ、各ブロックのチャ
ネル0出力に対し、チャネル31出力は、3×31=9
3nsの遅延が与えられる。
【0094】一方、第1から第4までの各ブロック間に
は、前記のように第1の遅延ファイバによって、各ブロ
ックの入力時点で各々96nsの遅延が与えられてい
る。従って、第2ブロックのチャネル0出力は第1ブロ
ックのチャネル0出力に対し96nsの遅延となり、第
1ブロックのチャネル31との遅延は3nsとなる。こ
のことは、第2〜第3、第3〜第4のブロック間におい
ても同様である。この結果、全体の出力として総計12
8チャネルの出力端で、隣り合うチャネル間に3nsの
遅延を持つパルス光が得られる。
【0095】以上の分岐及び遅延により、総計128チ
ャネルの出力端では、隣り合うチャネル間で3nsの遅
延を持つパルス光が得られるが、このとき各々の出力端
で観測される光パルスは、EOM160Cによって変調
されたパルスと同じ100kHz(パルス周期10μ
s)である。従って、レーザ光発生部全体として見る
と、128パルスが3ns間隔で発生した後、9.62
μsの間隔を置いて次のパルス列が発生するという繰り
返しが100kHzで行われる。即ち全体の出力は12
8×100×103=1.28×107パルス/秒とな
る。
【0096】なお本実施形態では、分割数を128と
し、また遅延用ファイバとして短いものを用いた例につ
いて説明した。このため各パルス列の間に9.62μs
の発光しない間隔が生じたが、分割数を増加させる、ま
たは遅延用ファイバをより長くして適切な長さとする、
あるいはこれらを組み合わせて用いることにより、パル
ス間隔を完全な等間隔とすることも可能である。
【0097】前記ファイバ増幅器168n(n=1、
2、……、128)としては、ここでは、通常通信で用
いられているものと同様に光ファイバのモードフィール
ド径(以下「モード径」という)が5〜6μmのエルビ
ウム(Er)・ドープ・ファイバ増幅器(EDFA)が
用いられている。このファイバ増幅器168nによっ
て、遅延部167の各チャネルからの出力光が、所定の
増幅利得に応じて増幅される。なお、このファイバ増幅
器168nの励起光源等については後述する。
【0098】前記狭帯域フィルタ169n(n=1、
2、……、128)は、ファイバ増幅器168nで発生
するASE光をカットし、かつDFB半導体レーザ16
0Aの出力波長(波長幅は1pm程度以下)を透過させ
ることで、透過光の波長幅を実質的に狭帯化するもので
ある。これにより、ASE光が後段のファイバ増幅器1
71nに入射してレーザ光の増幅利得を低下させるのを
防止し、あるいはASEノイズの伝播によるレーザ光の
散乱を防止することができる。ここで、狭帯域フィルタ
169nはその透過波長幅が1pm程度であることが好
ましいが、ASE光の波長幅は数十nm程度であるの
で、現時点で得られる透過波長幅が100pm程度の狭
帯域フィルタを用いても実用上問題がない程度にASE
光をカットすることができる。
【0099】また、本実施形態では、後述するようにD
FB半導体レーザ160Aの出力波長を積極的に変化さ
せることがあるので、その出力波長の可変幅(本実施形
態の露光装置では一例として±20pm程度)に応じた
透過波長幅(可変幅と同程度以上)を持つ狭帯域フィル
タを用いておくことが好ましい。なお、露光装置に適用
されるレーザ装置ではその波長幅が1pm程度以下に設
定される。
【0100】前記光アイソレータ170n(n=1、
2、……、128)は、先に説明した光アイソレータ1
60Bと同様に、戻り光の影響を低減するためのもので
ある。
【0101】前記ファイバ増幅器171n(n=1、
2、……、128)としては、ここでは、光ファイバ中
での非線形効果による増幅光のスペクトル幅の増加を避
けるため光ファイバのモード径が通常通信で用いられて
いるもの(5〜6μm)よりも広い、例えば20〜30
μmの大モード径のEDFAが用いられている。このフ
ァイバ増幅器171nは、前述したファイバ増幅器16
nで増幅された遅延部167の各チャネルからの光出
力を更に増幅する。一例として、遅延部167での各チ
ャネルの平均出力約50μW、全チャネルでの平均出力
約6.3mWを2段のファイバ増幅器168n、171n
によって合計46dB(40600倍)の増幅を行うも
のとすると、各チャネルに対応する光経路172nの出
力端(ファイバ増幅器171nを構成する光ファイバの
出力端)では、ピーク出力20kW、パルス幅1ns、
パルス繰り返し周波数100kHz、平均出力2W、全
チャネルでの平均出力256Wを得る。なお、このファ
イバ増幅器171nの励起光源等についても後述する。
【0102】本実施形態では、遅延部167での各チャ
ネルに対応する光経路172nの出力端、すなわちファ
イバ増幅器171nを構成する各光ファイバの出力端
は、バンドル状に束ねられ、図4に示されるような断面
形状を有するバンドル−ファイバ173が形成されてい
る。このとき、各光ファイバのクラッド直径は125μ
m程度であることから、128本を束ねた出力端でのバ
ンドルの直径は約2mm以下とすることができる。本実
施形態では、バンドル−ファイバ173は最終段のファ
イバ増幅器171nの出力端をそのまま用いて形成して
いるが、最終段のファイバ増幅器171nに無ドープの
光ファイバを結合させ、その出力端でバンドル−ファイ
バを形成することも可能である。
【0103】なお、標準的なモード径を持つ前段のファ
イバ増幅器168nと、上記モード径の広い最終段のフ
ァイバ増幅器171nとの接続は、テーパ状にモード径
が増加する光ファイバを用いて行われている。
【0104】次に、図5に基づいて各ファイバ増幅器の
励起用光源等について説明する。図5には、光増幅部1
61を構成するファイバ増幅器及びその周辺部が、波長
変換部163の一部とともに概略的に示されている。
【0105】この図5において、第1段のファイバ増幅
器168nにはその励起用の半導体レーザ178がファ
イバ結合されるとともに、この半導体レーザ178の出
力が波長分割多重化装置(Wavelength Division Multip
lexer:WDM)179を通してファイバ増幅器用ドープ
・ファイバに入力し、それによりこのドープ・ファイバ
が励起されるようになっている。
【0106】一方大モード径をもつファイバ増幅器17
nでは、上記のモード径の大きいファイバ増幅器用ド
ープ・ファイバを励起するための励起用光源としての半
導体レーザ174を、ファイバ増幅器用ドープ・ファイ
バの径に合わせた大モード径ファイバにファイバ結合
し、この半導体レーザ174の出力をWDM176を用
いて、光増幅器用ドープ・ファイバに入力し、ドープ・
ファイバを励起する。
【0107】この大モード径ファイバ(ファイバ増幅
器)171nで増幅されたレーザ光は波長変換部163
に入射し、ここで紫外レーザ光に波長変換される。な
お、この波長変換部163の構成等については後述す
る。
【0108】大モード径ファイバ(ファイバ増幅器)1
71nを伝播する増幅されるべきレーザ光(信号)は、
主に基本モードであることが望ましく、これは、シング
ルモードあるいはモード次数の低いマルチモードファイ
バにおいて、主に基本モードを選択的に励起することに
より実現できる。
【0109】本実施形態では、大モード径ファイバに結
合された高出力半導体レーザを、前方向から4個及び後
方向から4個ファイバ結合している。ここで、励起用半
導体レーザ光を効率良く光増幅用ドープ・ファイバに結
合するためには、光増幅用ドープ・ファイバとして、ク
ラッドが2重構造となったダブルクラッド構造の光ファ
イバを用いることが望ましい。このとき、励起用半導体
レーザ光は、WDM176により、ダブルクラッドの内
側クラッドに導入される。
【0110】前記半導体レーザ178、174は、光量
制御装置16Cによって制御されるようになっている。
【0111】また、本実施形態では、光経路172n
構成する光ファイバとしてファイバ増幅器168n、1
71nが設けられているため、各ファイバ増幅器のゲイ
ンの差が各チャネルの光出力のばらつきとなる。このた
め、本実施形態では、各チャネルのファイバ増幅器(1
68n、171n)で出力の一部が分岐され、それぞれの
分岐端に設けられた光電変換素子180、181によっ
てそれぞれ光電変換されるようになっている。これらの
光電変換素子180、181の出力信号が光量制御装置
16Cに供給されるようになっている。
【0112】光量制御装置16Cでは、各ファイバ増幅
器からの光出力が各増幅段で一定になるように(即ちバ
ランスするように)、各励起用半導体レーザ(178、
174)のドライブ電流をフィードバック制御するよう
になっている。
【0113】さらに、本実施形態では、図5に示される
ように、波長変換部163の途中でビームスプリッタに
より分岐された光が光電変換素子182によって光電変
換され、該光電変換素子182の出力信号が光量制御装
置16Cに供給されるようになっている。光量制御装置
16Cでは、この光電変換素子182の出力信号に基づ
いて波長変換部163における光強度をモニタし、波長
変換部163からの光出力が所定の光出力となるよう
に、励起用半導体レーザ178、174の少なくとも一
方のドライブ電流をフィードバック制御する。
【0114】このような構成とすることにより、各増幅
段毎に各チャネルのファイバ増幅器の増幅率が一定化さ
れるため、各ファイバ増幅器間に偏った負荷がかかるこ
とがなく全体として均一な光強度が得られる。また、波
長変換部163における光強度をモニタすることによ
り、予定される所定の光強度を各増幅段にフィードバッ
クし、所望の紫外光出力を安定して得ることができる。
【0115】なお、光量制御装置16Cについては、後
に更に詳述する。
【0116】上述のようにして構成された光増幅部16
1(バンドル−ファイバ173を形成する各光ファイバ
出力端)からはパルス光がすべて円偏光に揃えられて出
力される。これら円偏光であるパルス光は、四分の一波
長板162(図2参照)によって、すべて偏光方向が同
一方向となる直線偏光に変換され、次段の波長変換部1
63に入射する。
【0117】前記波長変換部163は、複数の非線形光
学結晶を含み、前記増幅されたパルス光(波長1.54
4μmの光)をその8倍高調波又は10倍高調波に波長
変換して、ArFエキシマレーザと同じ出力波長(19
3nm)あるいはF2レーザと同じ出力波長(157n
m)のパルス紫外光を発生する。
【0118】図6(A)、(B)には、この波長変換部
163の構成例が示されている。ここで、これらの図に
基づいて波長変換部163の具体例について説明する。
【0119】図6(A)は、バンドル−ファイバ173
の出力端から射出される波長1.544μmの基本波
を、非線形光学結晶を用いて8倍波(高調波)に波長変
換して、ArFエキシマレーザと同じ波長である193
nmの紫外光を発生する構成例を示す。また、図6
(B)は、バンドル−ファイバ173の出力端から射出
される波長1.57μmの基本波を非線形光学結晶を用
いて10倍波の高調波発生を行い、F2レーザと同じ波
長である157nmの紫外光を発生する構成例を示す。
【0120】図6(A)の波長変換部では、基本波(波
長1.544μm)→2倍波(波長772nm)→3倍
波(波長515nm)→4倍波(波長386nm)→7
倍波(波長221nm)→8倍波(波長193nm)の
順に波長変換が行われる。
【0121】これを更に詳述すると、バンドル−ファイ
バ173の出力端から出力される波長1.544μm
(周波数ω)の基本波は、1段目の非線形光学結晶53
3に入射する。基本波がこの非線形光学結晶533を通
る際に、2次高調波発生により基本波の周波数ωの2
倍、すなわち周波数2ω(波長は1/2の772nm)
の2倍波が発生する。
【0122】この1段目の非線形光学結晶533とし
て、LiB35(LBO)結晶が用いられ、基本波を2
倍波に波長変換するための位相整合にLBO結晶の温度
調節による方法、NCPM(Non-Critical Phase Match
ing)が使用される。NCPMは、非線形光学結晶内で
の基本波と第二高調波との角度ずれ(Walk-off)が起こら
ないため高効率で2倍波への変換を可能にし、また発生
した2倍波はWalk-offによるビームの変形も受けないた
め有利である。
【0123】非線形光学結晶533で波長変換されずに
透過した基本波と、波長変換で発生した2倍波とは、次
段の波長板534でそれぞれ半波長、1波長の遅延が与
えられて、基本波のみその偏光方向が90度回転し、2
段目の非線形光学結晶536に入射する。2段目の非線
形光学結晶536としてLBO結晶が用いられるととも
に、そのLBO結晶は1段目の非線形光学結晶(LBO
結晶)533とは温度が異なるNCPMで使用される。
この非線形光学結晶536では、1段目の非線形光学結
晶533で発生した2倍波と、波長変換されずにその非
線形光学結晶533を透過した基本波とから和周波発生
により3倍波(波長515nm)を得る。
【0124】次に、非線形光学結晶536で得られた3
倍波と、波長変換されずにその非線形光学結晶536を
透過した基本波および2倍波とは、ダイクロイック・ミ
ラー537により分離され、ここで反射された3倍波は
集光レンズ540、及びダイクロイック・ミラー543
を通って4段目の非線形光学結晶545に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー537を透過した基本波お
よび2倍波は、集光レンズ538を通って3段目の非線
形光学結晶539に入射する。
【0125】3段目の非線形光学結晶539としてはL
BO結晶が用いられ、基本波が波長変換されずにそのL
BO結晶を透過するとともに、2倍波がLBO結晶で2
次高調波発生により4倍波(波長386nm)に変換さ
れる。非線形光学結晶539で得られた4倍波とそれを
透過した基本波とは、ダイクロイック・ミラー541に
より分離され、ここを透過した基本波は集光レンズ54
4を通るとともに、ダイクロイックミラー546で反射
されて5段目の非線形光学結晶548に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー541で反射された4倍波
は、集光レンズ542を通ってダイクロイック・ミラー
543に達し、ここでダイクロイック・ミラー537で
反射された3倍波と同軸に合成されて4段目の非線形光
学結晶545に入射する。
【0126】4段目の非線形光学結晶545としては、
β−BaB24(BBO)結晶が用いられ、3倍波と4
倍波とから和周波発生により7倍波(波長221nm)
を得る。非線形光学結晶545で得られた7倍波は集光
レンズ547を通るとともに、ダイクロイック・ミラー
546で、ダイクロイック・ミラー541を透過した基
本波と同軸に合成されて、5段目の非線形光学結晶54
8に入射する。
【0127】5段目の非線形光学結晶548としてLB
O結晶が用いられ、基本波と7倍波とから和周波発生に
より8倍波(波長193nm)を得る。上記構成におい
て、7倍波発生用BBO結晶545、及び8倍波発生用
LBO結晶548のかわりに、CsLiB610(CL
BO)結晶、あるいはLi247(LB4)結晶を用
いることも可能である。
【0128】この図6(A)の構成例では、4段目の非
線形光学結晶545に3倍波と4倍波とが互いに異なる
光路を通って入射するので、3倍波を集光するレンズ5
40と、4倍波を集光するレンズ542とを別々の光路
に置くことができる。3段目の非線形光学結晶539で
発生した4倍波はその断面形状がWalk-off現象により長
円形になっている。このため、4段目の非線形光学結晶
545で良好な変換効率を得るためには、その4倍波の
ビーム整形を行うことが望ましい。この場合、集光レン
ズ540、542を別々の光路に配置しているので、例
えばレンズ542としてシリンドリカルレンズ対を用い
ることができ、4倍波のビーム整形を容易に行うことが
可能となる。このため、4段目の非線形光学結晶(BB
O結晶)545での3倍波との重なりを良好にし、変換
効率を高めることが可能である。
【0129】さらに、5段目の非線形光学結晶548に
入射する基本波を集光するレンズ544と、7倍波を集
光するレンズ547とを別々の光路に置くことができ
る。4段目の非線形光学結晶545で発生した7倍波は
その断面形状がWalk-off現象により長円形になってい
る。このため、5段目の非線形光学結晶548で良好な
変換効率を得るためには、その7倍波のビーム整形を行
うことが好ましい。本実施例では、集光レンズ544、
547を別々の光路に配置することができるので、例え
ばレンズ547としてシリンドリカルレンズ対を用いる
ことができ、7倍波のビーム整形を容易に行うことが可
能となる。このため、5段目の非線形光学結晶(LBO
結晶)548での基本波との重なりを良好にし、変換効
率を高めることが可能である。
【0130】なお、2段目の非線形光学結晶536と4
段目の非線形光学結晶545との間の構成は図6(A)
に限られるものではなく、非線形光学結晶536から発
生してダイクロイック・ミラー537で反射される3倍
波と、非線形光学結晶536から発生してダイクロイッ
ク・ミラー537を透過する2倍波を非線形光学結晶5
39で波長変換して得られる4倍波とが同時に非線形光
学結晶545に入射するように、両非線形光学結晶53
6、545間の2つの光路長が等しくなっていれば、い
かなる構成であっても構わない。このことは3段目の非
線形光学結晶539と5段目の非線形光学結晶548と
の間でも同様である。
【0131】発明者の行った実験によれば、図6(A)
の場合、各チャネル当たりの8倍波(波長193nm)
の平均出力は、45.9mWであった。従って、全12
8チャネルを合わせたバンドルからの平均出力は5.9
Wとなり、露光装置用光源として十分な出力の、波長1
93nmの紫外光を提供することができる。
【0132】この場合、8倍波(193nm)の発生
に、現在、市販品として良質の結晶が容易に入手可能な
LBO結晶が用いられている。このLBO結晶は、19
3nmの紫外光の吸収係数が非常に小さく、結晶の光損
傷が問題とならないため耐久性の面で有利である。
【0133】また、8倍波(例えば波長193nm)の
発生部ではLBO結晶を角度位相整合させて用いるが、
この位相整合角が大きいために実効非線形光学定数(d
eff)が小さくなる。そこで、このLBO結晶に温度制
御機構を設け、LBO結晶を高温で用いることが好まし
い。これにより、位相整合角を小さくすることができ
る、即ち上記定数(deff)を増加させることができ、
8倍波発生効率を向上させることができる。
【0134】図6(B)の波長変換部では、基本波(波
長1.57μm)→2倍波(波長785nm)→4倍波
(波長392.5nm)→8倍波(波長196.25n
m)→10倍波(波長157nm)の順に波長変換す
る。本構成例では2倍波発生から8倍波発生までの各波
長変換段において、各波長変換段に入射された波長の2
次高調波発生を行っている。
【0135】また、本構成例では波長変換に使用する非
線型光学結晶として、基本波から2次高調波発生により
2倍波を発生する非線形光学結晶602としてLBO結
晶を使用し、2倍波から2次高調波発生により4倍波を
発生する非線形光学結晶604としてLBO結晶を使用
する。さらに、4倍波から2次高調波発生により8倍波
を発生する非線形光学結晶609にはSr2Be227
(SBBO)結晶を使用し、2倍波と8倍波とから和周
波発生により10倍波(波長157nm)を発生する非
線形光学結晶611にはSBBO結晶を使用する。
【0136】なお、非線形光学結晶602から発生する
2倍波は、集光レンズ603を通って非線形光学結晶6
04に入射し、この非線形光学結晶604は前述の4倍
波と波長変換されない2倍波とを発生する。次に、ダイ
クロイック・ミラー605を透過する2倍波は集光レン
ズ606を通るとともに、ダイクロイック・ミラー60
7で反射されて非線形光学結晶611に入射する。一
方、ダイクロイック・ミラー605で反射された4倍波
は、集光レンズ608を通って非線形光学結晶609に
入射し、ここで発生される8倍波は集光レンズ610、
及びダイクロイック・ミラー607を通って非線形光学
結晶611に入射する。さらに非線形光学結晶611
は、ダイクロイック・ミラー607で同軸に合成される
2倍波と8倍波とから和周波発生により10倍波(波長
157nm)を発生する。
【0137】ところで、本構成例では2段目の非線形光
学結晶604から発生する2倍波と4倍波とをダイクロ
イック・ミラー605で分岐することで、ここを透過し
た2倍波と、4倍波を非線形光学結晶609で波長変換
して得られる8倍波とが互いに異なる光路を通って4段
目の非線形光学結晶611に入射するように構成した
が、ダイクロイック・ミラー605、607を用いずに
4つの非線形光学結晶602、604、609、611
を同一光軸上に配置しても良い。
【0138】但し、本構成例では2段目の非線形光学結
晶604で発生した4倍波はその断面形状がWalk-off現
象により長円形になっている。このため、このビームを
入力とする4段目の非線形光学結晶611で良好な変換
効率を得るためには、入射ビームとなる4倍波のビーム
形状を整形し、2倍波との重なりを良好にすることが望
ましい。本構成例では、集光レンズ606、608を別
々の光路に配置することができるので、例えばレンズ6
08としてシリンドリカルレンズを用いることが可能に
なり、4倍波のビーム整形を容易に行うことができる。
このため、4段目の非線形光学結晶611での2倍波と
の重なりを良好にし、変換効率を高めることが可能であ
る。
【0139】なお、上記図6(A)、(B)に示される
波長変換部は一例であって、本発明の波長変換部の構成
がこれに限定されないことは勿論である。
【0140】図2に戻り、前記ビームモニタ機構164
は、ここではファブリペロー・エタロン(Fabry-Perot
etalon:以下、「エタロン素子」ともいう)及びフォト
ダイオード等の光電変換素子から成るエネルギモニタ
(いずれも図示省略)から構成されている。ビームモニ
タ機構164を構成するエタロン素子に入射した光は、
エタロン素子の共鳴周波数と入射光の周波数との周波数
差に対応した透過率で透過し、その透過光強度を検出す
るフォトダイオード等の出力信号がレーザ制御装置16
Bに供給される。レーザ制御装置16Bではこの信号に
所定の信号処理を施すことにより、ビームモニタ機構1
64、具体的にはエタロン素子に対する入射光の光学特
性に関する情報(具体的は、入射光の中心波長及び波長
幅(スペクトル半値幅)等を得る。そして、この光学特
性に関する情報は、リアルタイムで主制御装置50に通
知される。
【0141】エタロン素子の生成する透過光強度の周波
数特性は、雰囲気の温度や圧力の影響を受け、特にその
共鳴周波数(共鳴波長)は温度依存性がある。このた
め、このエタロン素子の検出結果に基づいてレーザ光源
160Aから発振されるレーザ光の中心波長やスペクト
ル半値幅を精度良く制御するためには、この共鳴波長の
温度依存性を調べておくことが重要である。本実施形態
では、この共鳴波長の温度依存性を予め計測し、この計
測結果が温度依存性マップとして主制御装置50に併設
された記憶装置としてのメモリ51(図1参照)に記憶
されている。そして、主制御装置50では、ビームモニ
タ機構164の絶対波長キャリブレーションの際等に、
エタロン素子の透過率が最大となる共鳴波長(検出基準
波長)が設定波長に正確に一致するようにするため、レ
ーザ制御装置16Bに指示を与えて、ビームモニタ機構
164内のエタロン素子の温度を積極的に制御するよう
になっている。
【0142】また、ビームモニタ機構164を構成する
エネルギモニタの出力は、主制御装置50に供給されて
おり、主制御装置50ではエネルギモニタの出力に基づ
いてレーザ光のエネルギパワーを検出し、レーザ制御装
置16Bを介してDFB半導体レーザ160Aで発振さ
れるレーザ光の光量を必要に応じて制御したり、DFB
半導体レーザ160Aをオフしたりする。但し、本実施
形態では、後述するように、通常の光量制御(露光量制
御)は、主として光量制御装置16Cにより、EOM1
60Cの出力パルス光のピークパワーあるいは周波数の
制御、又は光増幅部161を構成する各ファイバ増幅器
の出力光のオン・オフ制御によって行われるので、レー
ザ光のエネルギパワーが何らかの原因で大きく変動した
場合に主制御装置50がレーザ制御装置16Bを上記の
如く制御することとなる。
【0143】前記吸収セル165は、DFB半導体レー
ザ160Aの発振波長の絶対波長キャリブレーション、
すなわちビームモニタ機構164の絶対波長キャリブレ
ーションのための絶対波長源である。本実施形態では、
この吸収セル165として、レーザ光源として発振波長
1.544μmのDFB半導体レーザ160Aが用いら
れている関係から、この波長近傍の波長帯域に吸収線が
密に存在するアセチレンの同位体が用いられている。
【0144】なお、後述するように、レーザ光の波長の
モニタ用の光として、基本波とともにあるいはこれに代
えて、上述した波長変換部163の中間波(2倍波、3
倍波、4倍波等)あるいは波長変換後の光を選択する場
合には、それらの中間波等の波長帯域に吸収線が密に存
在する吸収セルを用いれば良い。例えば、波長のモニタ
用の光として、3倍波を選択する場合には、波長503
nm〜530nmの近傍に吸収線が密に存在するヨウ素
分子を吸収セルとして用い、そのヨウ素分子の適切な吸
収線を選んでその波長を絶対波長とすれば良い。
【0145】また、絶対波長源としては、吸収セルに限
らず、絶対波長光源を用いても良い。
【0146】前記レーザ制御装置16Bは、ビームモニ
タ機構164の出力に基づいてレーザ光の中心波長及び
波長幅(スペクトル半値幅)を検出し、中心波長が所望
の値(設定波長)となるようにDFB半導体レーザ16
0Aの温度制御(及び電流制御)をフィードバック制御
にて行う。本実施形態では、DFB半導体レーザ160
Aの温度を0.001℃単位で制御することが可能とな
っている。
【0147】また、このレーザ制御装置16Bは、主制
御装置50からの指示に応じて、DFB半導体レーザ1
60Aのパルス出力と連続出力との切替、及びそのパル
ス出力時における出力間隔やパルス幅などの制御を行う
とともに、パルス光の出力変動を補償するように、DF
B半導体レーザ160Aの発振制御を行う。
【0148】このようにして、レーザ制御装置16Bで
は、発振波長を安定化して一定の波長に制御したり、あ
るいは出力波長を微調整する。逆に、このレーザ制御装
置16Bは、主制御装置50からの指示に応じて、DF
B半導体レーザ160Aの発振波長を積極的に変化させ
てその出力波長を調整することもある。
【0149】例えば、前者によれば、波長変動による投
影光学系PLの収差(結像特性)の発生、又はその変動
が防止され、パターン転写中にその像特性(像質などの
光学的特性)が変化することがなくなる。
【0150】また、後者によれば、露光装置が組立、調
整される製造現場と露光装置の設置場所(納入先)との
標高差や気圧差、更には環境(クリーンルーム内の雰囲
気)の違いなどに応じて生じる投影光学系PLの結像特
性(収差など)の変動を相殺でき、納入先で露光装置の
立ち上げに要する時間を短縮することが可能になる。更
に、後者によれば、露光装置の稼働中に、露光用照明光
の照射、及び大気圧変化などに起因して生じる投影光学
系PLの収差、投影倍率、及び焦点位置などの変動も相
殺でき、常に最良の結像状態でパターン像を基板上に転
写することが可能となる。
【0151】前記光量制御装置16Cは、前述したよう
に、光増幅部161内のファイバ増幅器168n、17
nの光出力を検出する光電変換素子180、181の
出力に基づいて各励起用半導体レーザ(178、17
4)のドライブ電流をフィードバック制御して、各増幅
段毎に各チャネルのファイバ増幅器の増幅率を一定化さ
せる機能と、波長変換部163途中でビームスプリッタ
により分岐された光を検出する光電変換素子182の出
力信号に基づいて、励起用半導体レーザ178、174
の少なくとも一方のドライブ電流をフィードバック制御
して予定される所定の光強度を各増幅段にフィードバッ
クし、所望の紫外光出力を安定させる機能とを有する。
【0152】更に、本実施形態では、光量制御装置16
Cは、次のような機能をも有している。
【0153】すなわち、光量制御装置16Cは、 主制御装置50からの指示に応じて、バンドル−フ
ァイバ173を構成する各チャネルのファイバの出力、
すなわち各光経路172nの出力を個別にオン・オフ制
御することにより、バンドル全体での平均光出力の制御
を行う機能(以下、便宜上「第1の機能」と呼ぶ)と、 主制御装置50からの指示に応じて、EOM160
Cから出力されるパルス光の周波数を制御することによ
り、単位時間当たりの光増幅部161の各チャネルの平
均光出力(出力エネルギ)、すなわち単位時間当たりの
各光経路172nからの出力光の強度を制御する機能
(以下、便宜上「第2の機能」と呼ぶ)と、 主制御装置50からの指示に応じて、EOM160
Cから出力されるパルス光のピークパワーを制御するこ
とにより、単位時間当たりの光増幅部161の各チャネ
ルの平均光出力(出力エネルギ)、すなわち単位時間当
たりの各光経路172nからの出力光の強度を制御する
機能(以下、便宜上「第3の機能」と呼ぶ)と、を有す
る。
【0154】以下、上記第1〜第3の機能について、詳
述する。
【0155】まず、光量制御装置16Cは、上記第1の
機能における各光経路172nの出力のオン・オフを、
各チャネルの最終段のファイバ増幅器171nからの出
力をオン・オフすることにより行う。この場合、光量制
御装置16Cでは、ファイバ増幅器励起用半導体レーザ
174をオン・オフする、すなわち半導体レーザ174
からの励起光の強度を所定レベルと零レベルとのいずれ
かに択一的に設定することにより行うこともできるし、
半導体レーザ174のドライブ電流の電流値を調整する
ことにより、半導体レーザ174からの励起光の強度を
ファイバ増幅器171nが増幅可能状態となる第1レベ
ルと、ファイバ増幅器171nが増幅不能状態となる第
2レベルとのいずれかに択一的に設定することにより行
なうこともできる。増幅不能状態では、光の吸収が大き
くなり、ファイバ増幅器からの出力は殆ど零となるの
で、各光経路172nの出力がオフとなる。
【0156】半導体レーザ174をオン・オフする場合
には、半導体レーザ174をオフにしている状態では、
その分の消費電力はなくなるので、エネルギーセイブが
可能になる。一方、半導体レーザ174からの励起光の
強度を上記第1レベルと第2レベルとで切り換える場合
には、第1レベルと第2レベルとは固定値であっても良
いが、固定値でなくても良い。すなわち、ファイバ増幅
器では、励起光の強度がある値を境として、上にいくか
下にいくかで、増幅可能状態となるか増幅不能状態とな
るかが定まるからである。
【0157】この光量制御装置16Cの第1の機能によ
ると、バンドル全体での平均光出力(光量)は、最大出
力光量の1/128刻みで(約1%以下毎)に制御可能
である。すなわち、ダイナミックレンジが1〜1/12
8という広い範囲に設定可能である。各光経路172n
は同じ構成部材を用いて構成されているので、設計上
は、各光経路172nの光出力は等しくなる筈であり、
上記1/128刻みの光量制御はリニアリティの良いも
のとなる。
【0158】また、本実施形態では、光増幅部161の
出力、すなわちバンドル-ファイバ173の出力を波長
変換する波長変換部163が設けられているが、この波
長変換部163出力は、各光経路172nの出力、すな
わちファイバ増幅器171nの出力がオンであるファイ
バ数に比例するため、設定光量に対し、最大出力光量の
1/128刻みのリニアな(約1%ごと)制御が原則的
には可能となる筈である。
【0159】しかしながら、実際には、製造上の誤差等
に起因して各光経路172nの出力のばらつきや、各光
経路172nの出力に対する波長変換効率のばらつき等
が存在する可能性が高いので、予め各光ファイバ(光経
路172n)の出力のばらつき、及び各光ファイバ出力
に対する波長変換効率のばらつきに等に起因する出力の
ばらつきを測定し、その測定結果に基づいて各光ファイ
バからの光出力のオン・オフ状況に対応する波長変換部
163からの光出力の強度のマップ(オンにするファイ
バグルーブに対応した出力強度の換算表)である第1の
出力強度マップを作成し、その第1の出力強度マップを
主制御装置50に併設されたメモリ51内に格納してい
る。なお、この第1の出力強度マップは、メモリ51内
にテーブルの形で持たせても良いし、関数又は係数とし
て持たせても良い。なお、後述する第2、第3の出力強
度マップも同様である。
【0160】そして、光量制御装置では、本第1の機能
により光量制御を行う際に、主制御装置50から与えら
れる設定光量と上記の出力強度マップとに基づいて光量
制御を行うようになっている。
【0161】また、光量制御装置16Cは、上記第2の
機能におけるEOM160Cから出力されるパルス光の
周波数制御を、EOM160Cに印加する矩形波(電圧
パルス)の周波数を変えることにより行う。EOM16
0Cから出力されるパルス光の周波数はEOM160C
に印加する電圧パルスの周波数に一致するため、印加電
圧を制御することにより出力パルス光の周波数を制御す
ることとしたものである。
【0162】本実施形態の場合、前述の如く、EOM1
60Cに印加する矩形波の周波数は100kHzであ
る。例えば、この周波数を110kHzとすれば、EO
M160Cから出力される単位時間あたりの光パルス数
は10%増加し、このパルスが、前述と同様に、遅延部
167により各パルス毎に順次チャネル0からチャネル
127の総計128チャネルに振り分けられる結果、各
チャネルについて見ても単位時間当たりのパルス光は1
0%増加し、光パルス1個あたりの光エネルギが同一、
すなわちパルス光のピークパワーが一定であれば、単位
時間当たりの各光経路172nの出力光強度(光量)も
10%増加する。
【0163】また、本実施形態では、光増幅部161の
各チャネルの出力光の波長変換を行う波長変換部163
が設けられているが、この波長変換部163の単位時間
当たりの出力光の光量は、ピークパワーが一定であれ
ば、各チャネルの出力パルスの周波数に比例する。この
ように、本第2の機能による光量制御は、リ二アリティ
に優れた制御となる。
【0164】但し、EOM160Cから出力されるパル
ス光は、遅延部167を経て、ファイバ増幅器16
n、171nの入力となるため、実際には、上述のよう
なリニアリティが得られるとは限らない。すなわち、一
般に、ファイバ増幅器の増幅利得は、入力光強度依存性
があるため、EOM160Cの出力光の周波数を変える
と、ファイバ増幅器168n、171nの入力光強度が変
化し、その結果ファイバ増幅器168n、171nから出
力されるパルス光のピークパワーが変化する場合がある
からである。ファイバ増幅器168n、171nを適切に
設計することによリ、このピークパワー変化を小さく抑
えることも可能ではあるが、ファイバ増幅器の光出力効
率等の他の性能を低下させる場合もある。
【0165】そこで、本実施形態では、予めファイバ増
幅器出力の入力周波数強度依存性を測定し、それに基づ
いて光増幅部161に入力するパルス光の周波数に応じ
た光増幅部161(の各チャネル)の出力強度のマップ
である第2の出力強度マップ(EOMの出力光の周波数
に対応した光増幅部161の出力強度の換算表)を作成
し、その第2の出力強度マップをメモリ51に記憶して
いる。
【0166】そして、光量制御装置16Cでは、本第2
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の第2の出力強度マップとに
基づいて光量制御を行うようになっている。
【0167】また、光量制御装置16Cは、上記第3の
機能におけるEOM160Cから出力されるパルス光の
ピークパワーの制御を、EOM160Cへ印加する電圧
パルスのピーク強度を制御することにより行う。EOM
160Cの出力光のピークパワーはEOM160Cに印
加する電圧パルスのピーク強度に依存するためである。
【0168】また、本実施形態では、光増幅部161の
各チャネルの出力光の波長変換を行う波長変換部163
が設けられているが、この波長変換部163の出力光強
度は、各光ファイバ(光経路172n)から出力される
パルス光のピーク強度に対し、最高では高調波の次数の
ベき乗に比例した非線形の依存を示す。例えば、図6
(A)の8倍波発生による193nm光発生では、19
3nm光出力強度はファイバ増幅器出力のピークパワー
の最大で8乗に比例した強度変化を示す。
【0169】本実施形態の場合、EOM160Cから出
力されるパル光のピークパワーのEOM160Cに印加
する電圧パルスのピーク強度に対する依存性は、cos
(V)であるため、結果的に上記の波長変換部163の
非線形な依存性は緩和されるようになっている。従っ
て、本実施形態のように波長変換部を有する光源装置で
は、出力光の強度(光量)制御をEOM160Cへ印加
する電圧パルスのピーク強度を制御することにより行う
ことは意味がある。
【0170】但し、前述の如く、ファイバ増幅器の増幅
利得は、入力光強度依存性があるため、EOM160C
から出力されるパルス光のピーク強度を変えると、ファ
イバ増幅器168n、171nの入力光強度が変化し、そ
の結果ファイバ増幅器168 n、171nから出力される
パルス光のピークパワーが変化する場合がある。ファイ
バ増幅器168n、171nを適切に設計することによ
リ、このピークパワー変化を小さく抑えることも可能で
はあるが、ファイバ増幅器の光出力効率等の他の性能を
低下させる場合もある。
【0171】そこで、本実施形態では、予めファイバ増
幅器出力の入力パルスピーク強度依存性を測定し、それ
に基づいて光増幅部161に入力するパルス光のピーク
強度に対応した光増幅部161(の各チャネル)の出力
強度のマップである第3の出力強度マップ(EOMの出
力光のピーク強度に対応した光増幅部161の出力パル
ス光の強度の換算表)を作成し、その第3の出力強度マ
ップをメモリ51に記憶している。この第3の出力強度
マップは波長変換部出力である紫外光強度マップであっ
ても良い。
【0172】そして、光量制御装置16Cでは、本第3
の機能により光量制御を行う際に、主制御装置50から
与えられる設定光量と上記の第3の出力強度マップとに
基づいて光量制御を行うようになっている。
【0173】なお、DFB半導体レーザ160Aの出力
段に、EOM160Cの他に透過率制御用のEOMを設
け、このEOMに印加する電圧を変化させることによリ
そのEOMの透過率を変化させて、単位時間あたりの光
増幅部、波長変換部からの放出エネルギを変えることも
可能である。
【0174】これまでの説明から明らかなように、光量
制御装置16Cによる第2、第3の機能では、第1の機
能に比べて、より細やかな光源装置16の出力光の光量
制御が可能である。一方、第1の機能は、第2、第3の
機能に比べて、ダイナミックレンジを広く設定すること
が可能である。
【0175】そこで、本実施形態では、後述する露光に
際して、光量制御装置16Cの上記第1の機能により露
光量の粗調整を行い、第2、第3の機能を用いて露光量
の微調整を行うようになっている。これについては、後
述する。
【0176】光量制御装置16Cは、この他、主制御装
置50からの指示に基づいてパルス出力の開始と停止な
ども制御する。
【0177】図1に戻り、前記照明光学系12は、ビー
ム整形光学系18、オプティカルインテグレータ(ホモ
ジナイザ)としてのフライアイレンズ系22、照明系開
口絞り板24、ビームスプリッタ26、第1リレーレン
ズ28A、第2リレーレンズ28B、固定レチクルブラ
インド30A、可動レチクルブラインド30B、光路折
り曲げ用のミラーM及びコンデンサレンズ32等を備え
ている。
【0178】前記ビーム整形光学系18は、光源装置1
6の波長変換部163の波長変換により発生した紫外域
の光、(以下、「レーザビーム」と呼ぶ)LBの断面形
状を、該レーザビームLBの光路後方に設けられたフラ
イアイレンズ系22に効率良く入射するように整形する
もので、例えばシリンダレンズやビームエキスパンダ
(いずれも図示省略)等で構成される。
【0179】前記フライアイレンズ系22は、ビーム整
形光学系18から出たレーザビームLBの光路上に配置
され、レチクルRを均一な照度分布で照明するために多
数の光源像からなる面光源、即ち2次光源を形成する。
この2次光源から射出されるレーザビームを本明細書に
おいては、「露光光IL」とも呼んでいる。
【0180】フライアイレンズ系22の射出面の近傍
に、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置さ
れている。この照明系開口絞り板24には、等角度間隔
で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円
形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さ
くするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞
り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置し
て成る変形開口絞り(図1ではこのうちの2種類の開口
絞りのみが図示されている)等が配置されている。この
照明系開口絞り板24は、主制御装置50により制御さ
れるモータ等の駆動装置40により回転されるようにな
っており、これによりレチクルパターンに応じていずれ
かの開口絞りが露光光ILの光路上に選択的に設定され
る。
【0181】照明系開口絞り板24から出た露光光IL
の光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプ
リッタ26が配置され、更にこの後方の光路上に、固定
レチクルブラインド30A及び可動レチクルブラインド
30Bを介在させて第1リレーレンズ28A及び第2リ
レーレンズ28Bから成るリレー光学系が配置されてい
る。
【0182】固定レチクルブラインド30Aは、レチク
ルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカ
スした面に配置され、レチクルR上の照明領域42Rを
規定する矩形開口が形成されている。また、この固定レ
チクルブラインド30Aの近傍に走査方向の位置及び幅
が可変の開口部を有する可動レチクルブラインド30B
が配置され、走査露光の開始時及び終了時にその可動レ
チクルブラインド30Bを介して照明領域42Rを更に
制限することによって、不要な部分の露光が防止される
ようになっている。
【0183】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
28B後方の露光光ILの光路上には、当該第2リレー
レンズ28Bを通過した露光光ILをレチクルRに向け
て反射する折り曲げミラーMが配置され、このミラーM
後方の露光光ILの光路上にコンデンサレンズ32が配
置されている。
【0184】更に、照明光学系12内のビームスプリッ
タ26で垂直に折り曲げられる一方の光路上、他方の光
路上には、インテグレータセンサ46、反射光モニタ4
7がそれぞれ配置されている。これらインテグレータセ
ンサ46、反射光モニタ47としては、遠紫外域及び真
空紫外域で感度が良く、且つ光源装置16のパルス発光
を検出するために高い応答周波数を有するSi系PIN
型フォトダイオードが用いられている。なお、インテグ
レータセンサ46、反射光モニタ47としてGaN系結
晶を有する半導体受光素子を用いることも可能である。
【0185】以上の構成において、フライアイレンズ系
22の入射面、可動レチクルブラインド30Bの配置
面、レチクルRのパターン面は、光学的に互いに共役に
設定され、フライアイレンズ系22の射出面側に形成さ
れる光源面、投影光学系PLのフーリエ変換面(射出瞳
面)は光学的に互いに共役に設定され、ケーラー照明系
となっている。
【0186】このようにして構成された照明系12の作
用を簡単に説明すると、光源装置16からパルス発光さ
れたレーザビームLBは、ビーム整形光学系18に入射
して、ここで後方のフライアイレンズ系22に効率良く
入射するようにその断面形状が整形された後、フライア
イレンズ系22に入射する。これにより、フライアイレ
ンズ系22の射出側焦点面(照明光学系12の瞳面)に
2次光源が形成される。この2次光源から射出された露
光光ILは、照明系開口絞り板24上のいずれかの開口
絞りを通過した後、透過率が大きく反射率が小さなビー
ムスプリッタ26に至る。このビームスプリッタ26を
透過した露光光ILは、第1リレーレンズ28Aを経て
固定レチクルブラインド30Aの矩形の開口部及び可動
レチクルブラインド30Bを通過した後、第2リレーレ
ンズ28Bを通過してミラーMによって光路が垂直下方
に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レ
チクルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩
形の照明領域42Rを均一な照度分布で照明する。
【0187】一方、ビームスプリッタ26で反射された
露光光ILは、集光レンズ44を介してインテグレータ
センサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光
電変換信号が、不図示のピークホールド回路及びA/D
変換器を介して出力DS(digit/pulse)として主制御装
置50に供給される。このインテグレータセンサ46の
出力DSと、ウエハWの表面上での露光光ILの照度
(露光量)との相関係数は、予め求められ、主制御装置
50に併設された記憶装置としてのメモリ51内に記憶
されている。
【0188】また、レチクルR上の照明領域42Rを照
明しそのレチクルのパターン面(図1における下面)で
反射された反射光束は、コンデンサレンズ32、リレー
光学系を前と逆向きに通過し、ビームスプリッタ26で
反射され、集光レンズ48を介して反射光モニタ47で
受光される。また、Zチルトステージ58が投影光学系
PLの下方にある場合には、レチクルのパターン面を透
過した露光光ILは、投影光学系PL及びウエハWの表
面(あるいは後述する基準マーク板FM表面)で反射さ
れ、その反射光束は、投影光学系PL、レチクルR、コ
ンデンサレンズ32、リレー光学系を前と逆向きに順次
通過し、ビームスプリッタ26で反射され、集光レンズ
48を介して反射光モニタ47で受光される。また、ビ
ームスプリッタ26とウエハWとの間に配置される各光
学素子はその表面に反射防止膜が形成されているもの
の、その表面で露光光ILがわずかに反射され、これら
反射光も反射光モニタ47で受光される。この反射光モ
ニタ47の光電変換信号が、不図示のピークホールド回
路及びA/D変換器を介して主制御装置50に供給され
る。反射光モニタ47は、本実施形態では、主としてウ
エハWの反射率の測定等に用いられる。なお、この反射
光モニタ47を、レチクルRの透過率の事前測定の際に
用いても良い。
【0189】なお、フライアイレンズ系として、例えば
特開平1−235289号公報(対応米国特許第5,3
07,207号)、特開平7−142354号(対応米
国特許第5,534,970号)などに開示されるダブ
ルフライアイレンズ系を採用し、ケーラー照明系を構成
しても良い。
【0190】また、フライアイレンズ系22とともに、
回折光学素子(diffractive optical element)を用い
ても良い。かかる回折光学素子を用いる場合には、光源
装置16と照明光学系12とを回折光学素子を介して接
続するようにしても良い。
【0191】すなわち、バンドル−ファイバの各ファイ
バに対応して回折素子が形成される回折光学素子をビー
ム整形光学系18に設け、各ファイバから出力されるレ
ーザビームを回折させて、フライアイレンズ系22の入
射面上で重畳させるようにしても良い。本実施形態で
は、バンドル−ファイバの出力端を照明光学系の瞳面に
配置しても良いが、この場合には第1の機能(間引き)
によってその瞳面上での強度分布(即ち2次光源の形状
や大きさなど)が変化することになり、レチクルパター
ンに最適な形状、大きさとは異なってしまうことがあ
る。そこで、前述の回折光学素子などを用いて照明光学
系の瞳面、又はオプティカルインテグレータの入射面上
で各ファイバからのレーザビームを重畳させるようにす
ることが望ましい。
【0192】いずれにしても、本実施形態では、前述し
た光量制御装置16Cの第1の機能によりバンドル−フ
ァイバ173の光を出力する部分の分布が変化した場合
であっても、レチクルRのパターン面(物体面)上及び
ウエハWの面(像面)上のいずれにおいても照度分布の
均一性を十分に確保することができる。
【0193】前記レチクルステージRST上にレチクル
Rが載置され、不図示のバキュームチャック等を介して
吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平
面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、レチ
クルステージ駆動部49によって走査方向(ここでは図
1の紙面左右方向であるY方向とする)に所定ストロー
ク範囲で走査されるようになっている。この走査中のレ
チクルステージRSTの位置及び回転量は、レチクルス
テージRST上に固定された移動鏡52Rを介して外部
のレーザ干渉計54Rによって計測され、このレーザ干
渉計54Rの計測値が主制御装置50に供給されるよう
になっている。
【0194】なお、レチクルRに用いる材質は、露光光
ILの波長によって使い分ける必要がある。すなわち、
波長193nmの露光光を用いる場合には合成石英を用
いることができるが、波長157nmの露光光を用いる
場合は、ホタル石、フッ素がドープされた合成石英、あ
るいは水晶などで形成する必要がある。
【0195】前記投影光学系PLは、例えば両側テレセ
ントリックな縮小系であり、共通のZ軸方向の光軸を有
する複数枚のレンズエレメント70a、70b、……か
ら構成されている。また、この投影光学系PLとして
は、投影倍率βが例えば1/4、1/5、1/6などの
ものが使用されている。このため、前記の如くして、露
光光ILによりレチクルR上の照明領域42Rが照明さ
れると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光
学系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレ
ジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上のスリット状
の露光領域42Wに投影され転写される。
【0196】本実施形態では、上記のレンズエレメント
のうち、複数のレンズエレメントがそれぞれ独立に移動
可能となっている。例えば、レチクルステージRSTに
最も近い一番上のレンズエレメント70aは、リング状
の支持部材72により保持され、この支持部材72は、
伸縮可能な駆動素子、例えばピエゾ素子74a,74
b,74c(紙面奥側の駆動素子74cは図示せず)に
よって、3点支持されるとともに鏡筒部76と連結され
ている。上記の駆動素子74a,74b,74cによっ
て、レンズエレメント70aの周辺3点を独立に、投影
光学系PLの光軸AX方向に移動させることができるよ
うになっている。すなわち、レンズエレメント70aを
駆動素子74a,74b,74cの変位量に応じて光軸
AXに沿って平行移動させることができるとともに、光
軸AXと垂直な平面に対して任意に傾斜させることもで
きる。そして、これらの駆動素子74a,74b,74
cに与えられる電圧が、主制御装置50からの指令に基
づいて結像特性補正コントローラ78によって制御さ
れ、これによって駆動素子74a,74b,74cの変
位量が制御されるようになっている。なお、図1中、投
影光学系PLの光軸AXとは鏡筒部76に固定されてい
るレンズエレメント70bその他のレンズエレメント
(図示省略)の光軸を指す。
【0197】また、本実施形態では、予め実験によりレ
ンズエレメント70aの上下量と倍率(又はディストー
ション)の変化量との関係を求めておき、これを主制御
装置50内部のメモリに記憶しておき、補正時に主制御
装置50が補正する倍率(又はディストーション)から
レンズエレメント70aの上下量を計算し、結像特性補
正コントローラ78に指示を与えて駆動素子74a,7
4b,74cを駆動することにより倍率(又はディスト
ーション)補正を行うようになっている。なお、前記レ
ンズエレメント70aの上下量と倍率等の変化量との関
係は光学的な計算値を用いてもよく、この場合は前記レ
ンズエレメント70aの上下量と倍率変化量との関係を
求める実験の工程が省けることになる。
【0198】前記の如く、レチクルRに最も近いレンズ
エレメント70aが移動可能となっているが、このエレ
メント70aは倍率、ディストーション特性に与える影
響が他のレンズエレメントに比べて大きく制御しやすい
ものの1つを選択したものであって、同様の条件を満た
すものであれば、このレンズエレメント70aに代えて
どのレンズエレメントをレンズ間隔調整のために移動可
能に構成しても良い。
【0199】なお、レンズエレメント70a以外の少な
くとも1つのレンズエレメントを移動して他の光学特
性、例えば像面湾曲、非点収差、コマ収差、又は球面収
差などを調整できるようになっている。この他、投影光
学系PLの光軸方向中央部近傍の特定のレンズエレメン
ト相互間に密封室を設け、この密封室内の気体の圧力を
例えばべローズポンプ等の圧力調整機構により調整する
ことにより、投影光学系PLの倍率を調整する結像特性
補正機構を設けても良く、あるいは、例えば、投影光学
系PLを構成する一部のレンズエレメントとして非球面
状レンズを用い、これを回転させるようにしても良い。
この場合には、いわゆるひし形ディストーションの補正
が可能になる。あるいは、投影光学系PL内に平行平面
板を設け、これをチルトさせたり、回転させたりするよ
うな機構により結像特性補正機構を構成しても良い。
【0200】なお、露光光ILとして波長193nmの
レーザ光を用いる場合には、投影光学系PLを構成する
各レンズエレメント(及び上記平行平面板)としては合
成石英やホタル石等を用いることができるが、波長15
7nmのレーザ光を用いる場合には、この投影光学系P
Lに使用されるレンズ等の材質は、全てホタル石が用い
られる。
【0201】また、本実施形態では、チャンバ11内の
大気圧を測定する大気圧センサ77が設けられている。
この大気圧センサ77の計測値は、主制御装置50に供
給されるようになっており、主制御装置50では、この
大気圧センサ77の計測値に基づいて、標準大気圧から
の気圧の変動を算出するとともに、投影光学系PLの結
像特性の大気圧変動を算出する。そして、この大気圧変
動分を考慮して結像特性補正コントローラ78に指示を
与えて、投影光学系PLの結像特性を補正する。
【0202】なお、上記の発振波長の変更は、主制御装
置50から指示に基づき、レーザ制御装置16Bがビー
ムモニタ機構164を構成するエタロン素子の温度を積
極的に制御して、エタロン素子の透過率が最大となる共
鳴波長(検出基準波長)が一致している設定波長(目標
波長)を変更すると共に、この変更後の設定波長にDF
B半導体レーザ160Aの発振波長が一致するように、
DFB半導体レーザ160Aの温度をフィードバック制
御することにより容易に達成される。
【0203】なお、主制御装置50による結像特性の大
気圧変動分、照射変動分等の演算方法等については、例
えば特開平9−213619号公報等に詳細に開示され
ており、公知であるから、ここでは詳細な説明は省略す
る。
【0204】前記XYステージ14は、ウエハステージ
駆動部56によって走査方向であるY方向及びこれに直
交するX方向(図1における紙面直交方向)に2次元駆
動されるようになっている。このXYステージ14上に
搭載されたZチルトステージ58上に不図示のウエハホ
ルダ61を介してウエハWが真空吸着等により保持され
ている。Zチルトステージ58は、例えば3つのアクチ
ュエータ(ピエゾ素子又はボイスコイルモータなど)に
よってウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)を調
整すると共に、XY平面(投影光学系PLの像面)に対
するウエハWの傾斜角を調整する機能を有する。また、
XYステージ14の位置は、Zチルトステージ58上に
固定された移動鏡52Wを介して外部のレーザ干渉計5
4Wにより計測され、このレーザ干渉計54Wの計測値
が主制御装置50に供給されるようになっている。
【0205】ここで、移動鏡は、実際には、X軸に垂直
な反射面を有するX移動鏡とY軸に垂直な反射面を有す
るY移動鏡とが存在し、これに対応してレーザ干渉計も
X軸位置計測用、Y軸位置計測用、及び回転(ヨーイン
グ量、ピッチング量、ローリング量を含む)計測用のも
のがそれぞれ設けられているが、図1では、これらが代
表的に、移動鏡52W、レーザ干渉計54Wとして示さ
れている。
【0206】また、Zチルトステージ58上には、ウエ
ハWの近傍に、ウエハWの露光面と同じ高さの受光面を
有し、投影光学系PLを通過した露光光ILの光量を検
出するための照射量モニタ59が設けられている。照射
量モニタ59は、露光領域42Wより一回り大きなX方
向に延びる平面視長方形のハウジングを有し、このハウ
ジングの中央部に露光領域42Wとほぼ同じ形状のスリ
ット状の開口が形成されている。この開口は、実際には
ハウジングの天井面を形成する合成石英等から成る受光
ガラスの上面に形成された遮光膜の一部が取り除かれて
形成されている。前記開口の真下にレンズを介してSi
系PIN型フォトダイオード等の受光素子を有する光セ
ンサが配置されている。
【0207】照射量モニタ59は、露光領域42Wに照
射される露光光ILの強度測定に用いられる。照射量モ
ニタ59を構成する受光素子の受光量に応じた光量信号
が主制御装置50に供給されるようになっている。
【0208】なお、光センサは、必ずしもZチルトステ
ージ58の内部に設ける必要はなく、Zチルトステージ
58の外部に光センサを配置し、リレー光学系でリレー
された照明光束を光ファイバ等を介してその光センサに
導くようにしても良いことは勿論である。
【0209】Zチルトステージ58上には、後述するレ
チクルアライメント等を行う際に使用される基準マーク
板FMが設けられている。この基準マーク板FMは、そ
の表面がウエハWの表面とほぼ同一の高さとされてい
る。この基準マーク板FMの表面には、レチクルアライ
メント用基準マーク、ベースライン計測用基準マーク等
の基準マークが形成されている。
【0210】また、図1では図面の錯綜を避ける観点か
ら図示が省略されているが、この露光装置10は、実際
にはレチクルアライメントを行うためのレチクルアライ
メント系を備えている。
【0211】レチクルRのアライメントを行う場合に
は、まず主制御装置50によりレチクルステージ駆動部
49、ウエハステージ駆動部56を介してレチクルステ
ージRST及びXYステージ14が駆動され、矩形の露
光領域42W内に基準マーク板FM上のレチクルアライ
メント用基準マークが設定され、その基準マークにレチ
クルR上のレチクルマーク像がほぼ重なるようにレチク
ルRとZチルトステージ58との相対位置が設定され
る。この状態で、主制御装置50によりレチクルアライ
メント系を用いて両マークが撮像され、主制御装置50
では、その撮像信号を処理して対応する基準マークに対
するレチクルマークの投影像のX方向、Y方向の位置ず
れ量を算出する。
【0212】また、上記のレチクルのアライメントの結
果得られた基準マークの投影像の検出信号(画像信号)
に含まれるコントラスト情報に基づいてフォーカスオフ
セットやレベリングオフセット(投影光学系PLの焦点
位置、像面傾斜など)を求めることも可能である。
【0213】また、本実施形態では、上記のレチクルア
ライメント時に、主制御装置50によって、投影光学系
PLの側面に設けられた不図示のウエハ側のオフアクシ
ス・アライメントセンサのベースライン量の計測も行わ
れる。すなわち、基準マーク板FM上には、レチクルア
ライメント用基準マークに対して所定の位置関係でベー
スライン計測用基準マークが形成されており、レチクル
アライメント系を介してレチクルマークの位置ずれ量を
計測する際に、そのウエハ側のアライメントセンサを介
してベースライン計測用基準マークのそのアライメント
センサの検出中心に対する位置ずれ量を計測すること
で、アライメントセンサのベースライン量、すなわちレ
チクル投影位置とアライメントセンサとの相対位置関係
が計測される。
【0214】更に、本実施形態の露光装置10では、図
1に示されるように、主制御装置50によってオン・オ
フが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に
向けて多数のピンホールまたはスリットの像を形成する
ための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射
する照射光学系60aと、それらの結像光束のウエハW
表面での反射光束を受光する受光光学系60bとからな
る斜入射光式の多点焦点位置検出系(フォーカスセン
サ)が設けられている。主制御装置50では、受光光学
系60b内の図示しない平行平板の反射光束の光軸に対
する傾きを制御することにより、投影光学系PLのフォ
ーカス変動に応じて焦点検出系(60a、60b)にオ
フセットを与えてそのキャリブレーションを行う。これ
により、前述の露光領域42W内で投影光学系PLの像
面とウエハWの表面とがその焦点深度の範囲(幅)内で
合致することになる。なお、本実施形態と同様の多点焦
点位置検出系(フォーカスセンサ)の詳細な構成は、例
えば特開平6−283403号公報等に開示されてい
る。
【0215】走査露光時等に、主制御装置50では、受
光光学系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信
号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零とな
るようにZチルトステージ58のZ位置を不図示の駆動
系を介して制御することにより、オートフォーカス(自
動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。
【0216】なお、受光光学系60b内に平行平板を設
けて焦点検出系(60a,60b)にオフセットを与え
るようにしたのは、例えば、倍率補正のためにレンズエ
レメント70aを上下することによりフォーカスも変化
し、また、投影光学系PLが露光光ILを吸収すること
により結像特性が変化して結像面の位置が変動するの
で、かかる場合に焦点検出系にオフセットを与え、焦点
検出系の合焦位置を投影光学系PLの結像面の位置に一
致させる必要があるためである。このため、本実施形態
では、レンズエレメント70aの上下量とフォーカス変
化量の関係も予め実験により求め、主制御装置50内部
のメモリに記憶している。なお、レンズエレメント70
aの上下量とフォーカス変化量の関係は計算値を用いて
も良い。また、オートレベリングでは走査方向について
は行わず、その走査方向と直交する非走査方向のみに関
して行うようにしても良い。
【0217】前記主制御装置50は、CPU(中央演算
処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RA
M(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆる
マイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含
んで構成され、これまでに説明した各種の制御を行う
他、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクル
RとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング、露
光タイミング等を制御する。また、本実施形態では、主
制御装置50は、後述するように走査露光の際の露光量
の制御を行ったり、投影光学系PLの結像特性の変動量
を演算にて算出し、その算出結果に基づいて結像特性補
正コントローラ78を介して投影光学系PLの結像特性
を調整する等の他、装置全体を統括制御する。
【0218】具体的には、主制御装置50は、例えば走
査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを
介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査
されるのに同期して、XYステージ14を介してウエハ
Wが露光領域42Wに対して−Y方向(又は+Y方向)
に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対
する投影倍率)で走査されるように、レーザ干渉計54
R、54Wの計測値に基づいてレチクルステージ駆動部
49、ウエハステージ駆動部56をそれぞれ介してレチ
クルステージRST、XYステージ14の位置及び速度
をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主
制御装置50ではレーザ干渉計54Wの計測値に基づい
てウエハステージ駆動部56を介してXYステージ14
の位置を制御する。
【0219】次に、本実施形態の露光装置10において
所定枚数(N枚)のウエハW上にレチクルパターンの露
光を行う場合の露光シーケンスについて主制御装置50
の制御動作を中心として説明する。
【0220】まず、前提条件について説明する。 オペレータによりコンソール等の入出力装置62
(図1参照)から入力されたショット配列、ショットサ
イズ、各ショットの露光順序その他の必要なデータに基
づいて、予めショットマップデータ(各ショット領域の
露光順序と走査方向とを定めたデータ)が作成され、メ
モリ51(図1参照)内に格納されているものとする。 また、インテグレータセンサ46の出力は、Zチル
トステージ58上で像面(即ち、ウエハの表面)と同じ
高さに設置された不図示の基準照度計の出力に対して予
め較正(キャリブレーション)されているものとする。
インテグレータセンサ46の較正とは、インテグレータ
センサ46の出力を、像面上の露光量に変換するための
変換係数(或いは変換関数)を得ることである。この変
換係数を用いると、インテグレータセンサ46の出力よ
り間接的に像面上に与えられている露光量(エネルギ)
を計測できることになる。 また、上記キャリブレーションが完了したインテグ
レータセンサ46の出力に対して、ビームモニタ機構1
64内のエネルギモニタ、光増幅部161内の光電変換
素子180、181及び波長変換部163内の光電変換
素子182等の出力もキャリブレーションされ、インテ
グレータセンサ46の出力に対する各センサ出力の相関
係数も予め求められ、メモリ51内に格納されている。 さらに、上記キャリブレーションが完了したインテ
グレータセンサ46の出力に対して反射光モニタ47の
出力がキャリブレーションされ、インテグレータセンサ
46の出力と反射光モニタ47の出力との相関係数が予
め求められてメモリ51内に格納されているものとす
る。
【0221】まず、オペレータによりコンソール等の入
出力装置62(図1参照)から照明条件(投影光学系の
開口数N.A.、2次光源の形状(開口絞り24の種
類)、コヒーレンスファクタσやレチクルパターンの種
類(コンタクトホール、ラインアンドスペース等)、レ
チクルの種類(位相差レチクル、ハーフトーンレチクル
等)、及び最小線幅又は露光量許容誤差など)を含む露
光条件が入力され、この入力に応じて、主制御装置50
が、投影光学系PLの不図示の開口絞りの設定、照明系
開口絞り板24の開口の選択設定、レジスト感度に応じ
た目標積算露光量(設定光量に対応する量である)の設
定等を行う。このとき、同時に主制御装置50では、目
標積算露光量を得るための光源装置16からの出力光量
を設定光量にほぼ一致させるための、バンドル-ファイ
バ173の出力をオン、及びオフにすべきチャネルの選
択を行い、この選択指令を光量制御装置に与える。これ
により、後述する走査露光の際にレーザ光源160Aの
発光とほぼ同時に、光量制御装置16Cにより、前述し
た第1の機能により選択指令に応じて各チャネルのファ
イバ増幅器171nのオン・オフが実行され、露光量の
粗調整が実行されることとなる。
【0222】次に、主制御装置50では、不図示のレチ
クルローダを用いて露光対象のレチクルRをレチクルス
テージRST上にロードする。
【0223】次いで、前述した如く、レチクルアライメ
ント系を用いてレチクルアライメントを行うとともに、
ベースライン計測を行う。
【0224】次に、主制御装置50では、不図示のウエ
ハ搬送系にウエハWの交換を指示する。これにより、ウ
エハ搬送系及びXYステージ14上の不図示のウエハ受
け渡し機構によってウエハ交換(ステージ上にウエハが
無い場合は、単なるウエハロード)が行われ、次いでい
わゆるサーチアライメント及びファインアライメント
(EGA等)の一連のアライメント工程の処理を行う。
これらのウエハ交換、ウエハアライメントは、公知の露
光装置と同様に行われるので、ここではこれ以上の詳細
な説明は省略する。
【0225】次に、上記のアライメント結果及びショッ
トマップデータに基づいて、ウエハW上の各ショット領
域の露光のための走査開始位置にウエハWを移動させる
動作と、前述した走査露光動作とを繰り返し行って、ス
テップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のシ
ョット領域にレチクルパターンを転写する。この走査露
光中に、主制御装置50では、露光条件及びレジスト感
度に応じて決定された目標積算露光量をウエハWに与え
るため、インテグレータセンサ46の出力をモニタしつ
つ光量制御装置16Cに指令を与える。これにより、光
量制御装置16Cでは、前述した第1の機能により露光
量の粗調整を行うとともに、前述した第2の機能、第3
の機能により、光源装置16からのレーザビーム(紫外
パルス光)の周波数及びピークパワーを制御し、露光量
の微調整を実行する。
【0226】また、主制御装置50では、照明系開口絞
り板24を駆動装置40を介して制御し、更にステージ
系の動作情報に同期して可動レチクルブラインド30B
の開閉動作を制御する。
【0227】1枚目のウエハWに対する露光が終了する
と、主制御装置50では、不図示のウエハ搬送系にウエ
ハWの交換を指示する。これにより、ウエハ搬送系及び
XYステージ14上の不図示のウエハ受け渡し機構によ
ってウエハ交換が行われ、以後上記と同様にしてその交
換後のウエハに対してサーチアライメント、ファインア
ライメントを行う。また、この場合、主制御装置50に
より1枚目のウエハWに対する露光開始からの投影光学
系PLの結像特性(フォーカスの変動を含む)の照射変
動が、インテグレータセンサ46及び反射光モニタ47
の計測値に基づいて求められ、この照射変動を補正する
ような指令値を結像特性補正コントローラ78に与える
とともに受光光学系60bにオフセットを与える。ま
た、主制御装置50では、大気圧センサ77の計測値に
基づいて、投影光学系PLの結像特性の大気圧変動分も
求めて、この照射変動を補正するような指令値を結像特
性補正コントローラ78に与えるとともに受光光学系6
0bにオフセットを与える。
【0228】そして、上記と同様に、このウエハW上の
複数のショット領域にステップ・アンド・スキャン方式
でレチクルパターンを転写する。
【0229】この場合、前述した露光量(光量)の粗調
整を、実露光前にテス卜発光を行い、露光量設定値に対
し、1%以下の精度で制御を確実に行うようにしても良
い。
【0230】本実施形態の露光量の粗調整のダイナミッ
クレンジは、1〜1/128の範囲内で設定可能である
が、通常要求されるダイナミックレンジは、典型的には
1−1/7程度であるため、光出力をオンにすべきチャ
ネル数(光ファイバ数)を128〜18の間で制御する
ことによって行えば良い。このように、本実施形態で
は、各チャネルの光出力の個別オン・オフによる露光量
制御により、ウエハ毎のレジス卜感度等の違いにあわせ
た露光量の粗調整を正確に行うことができる。
【0231】従って、本実施形態では、従来のエキシマ
レーザ露光装置に用いられていたNDフィルタ等のエネ
ルギ粗調器が不要となる。
【0232】また、上述した光量制御装置16Cによ
る、第2、第3の機能による光量制御は、制御速度が速
く、制御精度が高いという特徴を持つため、以下の現状
の露光装置に要求されている制御要請を確実に満たすこ
とが可能である。
【0233】すなわち、同一ウエハ内における、例えば
レジストの膜厚のばらつきに起因して生じる、ショット
領域(チップ毎)のプロセスばらつきを補正する露光量
制御のための要請である、ダイナミックレンジが設定露
光量の±10%程度、ショット間ステッピング時間であ
る100ms程度の時間内に設定値に制御すること、制
御精度として設定露光量の±1%程度、1ショット領域
の線幅均一性を実現するための露光制御のための要請で
ある、制御精度として典型的には1ショットの露光時間
である20msecの時間内に設定露光量の±0.2%
に設定すること、制御速度1ms程度、の全てを満た
す。
【0234】従って、露光量制御のためには、光量制御
装置16Cでは、第2、第3の機能による光量制御の少
なくとも一方を行えば足りる。
【0235】また、本実施形態の露光装置10のような
レーザ光源(パルス光源)を有する走査型露光装置で
は、ウエハWの走査速度(スキャン速度)をVW、ウエ
ハW上のスリット状の露光領域42Wの走査方向の幅
(スリット幅)をD、レーザ光源のパルスの繰り返し周
波数をFとすると、パルス発光間にウエハWが移動する
間隔はVW/Fであるため、ウエハ上の1点当たりに照
射すべき露光光ILのパルス数(露光パルス数)Nは次
式(3)で表される。
【0236】 N=D/(VW/F) ……(3)
【0237】パルスエネルギをPとすると、単位時間に
ウエハ上の1点当たりに与えられるべきエネルギは、次
式(4)で表される。
【0238】 E=NP=ND/(VW/F) ……(4)
【0239】従って、走査型露光装置では、スリット幅
D、スキャン速度VW、レーザ光源のパルスの繰り返し
周波数F、パルスエネルギPのいずれかを制御すること
により、露光量(積算露光量)の制御が可能である。応
答速度の問題から走査露光中にスリット幅Dを調整する
ことには難点があるので、スキャン速度VW、レーザ光
源のパルスの繰り返し周波数F、パルスエネルギPのい
ずれかを制御すれば良い。
【0240】従って、本実施形態の露光装置10におい
ても、光量制御装置16Cの第2、第3の機能による光
量制御のいずれかと、スキャン速度とを組み合わせて、
露光量を制御するようにしても、勿論良い。
【0241】例えば、ウエハW上に転写すべきレチクル
パ夕ーンに応じてウエハWの露光条件を変更する、例え
ば照明光学系の瞳面上での照明光の強度分布(即ち2次
光源の形状や大きさ)を変化させたり、あるいは投影光
学系PLのほぼ瞳面上でその光軸を中心とする円形領域
を遮光する光学フィルタを挿脱する。この露光条件の変
更によってウエハW上での照度が変化するが、このこと
はレチクルパターンの変更によっても生じる。これは、
パターンの遮光部(又は透過部)の占有面積の違いによ
るものである。そこで、露光条件及びレチクルパターン
の少なくとも一方の変更によって照度が変化するとき
は、ウエハ(レジスト)に適正な露光量が与えられるよ
うに、前述した周波数とピークパワーとの少なくとも一
方を制御することが望ましい。このとき、周波数及びピ
ークパワーの少なくとも一方に加えてレチクル及びウエ
ハの走査速度を調整するようにしても良い。
【0242】以上詳細に説明したように、本実施形態に
係る光源装置16によると、光発生部160で発生した
単一波長のレーザ光が遅延部167を介してその出力段
に並列に設けられた総計128の光ファイバ(光経路1
72n)のそれぞれに向かって進むが、光量制御装置1
6Cでは各光経路172nからの光出力を個別にオン・
オフすることにより、ファイバ群(光経路172nの全
体)から出力される光の光量を制御する。このように本
実施形態では、各光経路172nの光出力を個別にオン
・オフするという簡単な手法により光経路172nの全
体から出力される光の光量制御を実現することができ
る。
【0243】また、この場合、光経路の数に比例した1
28段階の光量制御が可能となるので、広いダイナミッ
クレンジを容易に実現することができる。また、各光経
路の諸性能がほぼ同じであるため、光経路のそれぞれか
らの同一光量の光を出力させることができる。この結
果、光経路の数に応じた128段階の光量制御をリニア
リティ良く実行することができる。この場合、1%刻み
以下の精度で光量を制御することができる。
【0244】また、これにより前述の如く、NDフィル
タ等のエネルギ粗調器は不要となるので、該フィルタの
耐久性、透過率の計時変化等に起因する光量制御性能の
劣化等の諸問題も改善できる。
【0245】また、各光経路を構成するファイバ増幅器
171nは、それぞれの出力端部が束ねられてバンドル
−ファイバ173が構成されており、該バンドル−ファ
イバ173全体の直径が2mm以下となっている。その
ため、出力段に配置される四分の一波長板162、及び
波長変換部163を構成する非線形光学結晶等の光学素
子として小型の光学素子を用いることができる。
【0246】また、各光経路172nの一部には、ファ
イバ増幅器168n、171nが設けられ、光量制御装置
16Cは、各光経路172nの光出力のオン・オフを最
終段のファイバ増幅器171nの励起用半導体レーザ1
74のからの励起光の強度の切り換えにより行うように
なっている。このため、ファイバ増幅器168n、17
nにより光経路172nに入射した光を増幅できるとと
もに、光出力をオフすることとされた光経路172n
設けられたファイバ増幅器171nに対する励起光の強
度レベルが低く(零を含む)設定されるので、その分省
エネが可能である。また、ファイバ増幅器の励起用半導
体レーザ174からの励起光の強度の切り換えにより光
出力のオン・オフを行うので、シャッタ等を用いる場合
に比べて短時間で光出力のオン・オフが可能である。
【0247】また、光経路172nからの光出力のオン
・オフを最終段のファイバ増幅器171nの励起用半導
体レーザ174からの励起光の強度の切り換えにより行
うことから、最終段以外のファイバ増幅器の励起用光源
からの励起光の強度を切り換える場合に問題となるAS
Eの悪影響を回避することができる。また、ファイバ増
幅器171nは最も大きな励起光の強度を必要とするの
で、ファイバ増幅器171nからの光出力をオフしたと
きの省エネの効果が一層大きくなる。
【0248】また、この最終段のファイバ増幅器171
nは、ファイバ増幅器168nに比べてモードフィールド
径が大きいものが用いれているので、光ファイバ中での
非線形効果による増幅光のスペクトル幅の増加を避ける
ことができる。
【0249】また、メモリ51内に光経路172nから
の光出力のオン・オフ状況に対応する第1の出力強度マ
ップが予め記憶され、光量制御装置16Cは、第1の出
力強度マップと所定の設定光量とに基づいて各光経路1
72nからの光出力を個別にオン・オフするようになっ
ている。このため、各光経路172nの出力にばらつき
があっても光経路全体の光出力を設定光量にほぼ一致さ
せることができるとともに、諸性能の異なる構成部材を
用いて光経路を構成することも可能である。すなわち、
諸性能(ファイバ径等を含む)の異なる光ファイバ等を
用いることが可能となる。
【0250】また、第1の出力強度マップは、予め実際
に測定された各光経路の出力のばらつきに基づいて作成
されているので、光経路全体の光出力を設定光量に確実
に一致させることができる。
【0251】また、本実施形態の光源装置16では、各
光経路172nから出力される光の波長を変換する波長
変換部163を備えているが、波長変換部163の出力
は、光出力がオンである光経路数(チャネル数)に比例
する。このため、光経路の諸性能がほぼ同じである場合
には、光経路172nのそれぞれからの同一光量の光を
出力させることができる結果、ニアリティ良く光量を制
御することができる。
【0252】また、第1の出力強度マップは、予め測定
された各光経路出力に対応する波長変換効率のばらつき
に起因する出力のばらつきをも考慮して作成されている
ので、各光経路からの光出力に対する波長変換効率にば
らつきがあっても、出力光の光量を設定光量に制御する
ことができる。
【0253】また、本実施形態に係る光源装置16は、
複数の光経路それぞれからの光出力を個別に遅延させ
て、光出力を時間的にずらして行わせる遅延部167を
備えているので、各光経路から出力される光が時間的に
重なることがなくなるので、結果的に該光源装置16か
らの出力光は、極めて狭帯域化された単一波長の光であ
りながら、お互いに時間的に重なり合うことがなく、各
チャネル出力間の空間的コヒーレンスを低減することが
できる。
【0254】また、本実施形態に係る光源装置16によ
ると、光量制御装置16CがEOM160Cから出力さ
れるパルス光の周波数を制御することにより、光増幅部
161を構成するファイバ増幅器からの出力光の光量を
設定光量(目標光量)に一致させることができる。この
パルス光の周波数(単位時間当たりのパルス数)制御に
よる光量調整では、前述した光経路からの光出力の個別
オン・オフに比べて、より高速にかつより細やかな光量
調整を行うことが可能となり、設定光量が所定範囲内に
あれば如何なる値に設定されても光量をほぼ一致させる
ことができる。また、光出力と制御量とのリニアリティ
も良い。
【0255】また、光増幅部161に入力するパルス光
の周波数に応じた光増幅部161の出力強度に基づく第
2の出力強度マップがメモリ51内に記憶され、光量制
御装置16Cは、第2の出力強度マップと所定の設定光
量とに基づいてEOM160Cから出力されるパルス光
の周波数を制御する。このため、光増幅部161を構成
するファイバ増幅器の利得の入力光強度依存性に起因す
る光増幅部161からの出力パルスのピークパワー変化
の影響を受けることのない、高精度な光量制御が可能と
なる。
【0256】また、本実施形態に係る光源装置16によ
ると、光量制御装置16CがEOM160Cから出力さ
れるパルス光のピークパワーを制御することにより、光
増幅部161を構成するファイバ増幅器からの出力光の
光量を設定光量(目標光量)に一致させることができ
る。このパルス光のピークパワー制御による光量調整で
は、前述した光経路からの光出力の個別オン・オフに比
べて、より高速にかつより細やかな光量調整を行うこと
が可能となり、設定光量が所定範囲内にあれば如何なる
値に設定されても光量をほぼ一致させることができる。
【0257】また、光増幅部161に入力するパルス光
の強度に応じた光増幅部161の出力強度に基づく第3
の出力強度マップがメモリ51に記憶され、光量制御装
置16Cは、第3の出力強度マップと所定の設定光量と
に基づいてEOM160Cから出力されるパルス光のピ
ークパワーを制御するので、光増幅部161を構成する
ファイバ増幅器の利得の入力光強度依存性に起因する光
増幅部161からの出力パルスのピークパワー変化の影
響を受けることのない、高精度な光量制御が可能とな
る。
【0258】また、本実施形態の光量制御装置16C
は、前述の如く、光経路からの光出力の個別オン・オフ
による光量制御機能(第1の機能)と、EOM160C
から出力されるパルス光の周波数制御による光量制御機
能(第2の機能)と、EOM160Cから出力されるパ
ルス光のピークパワー制御による光量制御機能(第3の
機能)とを有しているので、第1の機能と、第2の機能
及び第3の機能の少なくとも一方とにより、光経路17
nの光出力の個別オン・オフによる段階的な光量制御
に加えて、各段階間の光量の微調整がEOM160Cか
ら出力されるパルス光の周波数及びピークパワーの少な
くとも一方の制御により可能になるので、結果的に光量
の連続制御が可能となり、所定範囲内であれば設定光量
が如何なる値に設定されても、出力光の光量をその設定
光量に一致させることが可能になっている。
【0259】また、光量制御装置16Cでは、第2の機
能と第3の機能とにより、EOM160Cから出力され
るパルス光の周波数制御に加えてピークパワーを更に制
御することができるので、パルス光のピークパワーに変
動があるような場合であっても、精度の良い光量制御が
可能となる。
【0260】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではなく、本発明に係る光源装置を構成する光量制
御装置は、上記第1〜第3の機能の少なくとも一つのみ
を有していても良い。
【0261】また、本実施形態に係る露光装置10によ
ると、照明光学系12により光源装置16の波長変換部
163から出力される紫外光(波長193nm又は15
7nm)を露光用照明光としてレチクルRが照明され、
該レチクルRに形成されたパターンがウエハW上に転写
される。この場合、光源装置16により、レチクルRに
照射される紫外光の光量制御を必要な要請に応じて行う
ことができるので、結果的に要求される露光量制御を実
現することができる。
【0262】また、露光装置10によると、光発生部1
60では、光源160Aで発生した単一波長の光をEO
M160Cによりパルス光に変換することによりパルス
光を発生し、そのパルス光がファイバ増幅器を含む光増
幅部161によって増幅される。そして、主制御装置5
0により、その増幅されたパルス光をレチクルRに照射
して、該レチクルを介してウエハWを露光する際に、そ
の露光対象領域のウエハ上の位置、すなわち各ショット
領域のウエハ上の位置又は各ショット領域内のスリット
状照明領域で照明される領域の位置に応じてEOM16
0Cを介してパルス光の周波数及びピークパワーの少な
くとも一方が光量制御装置16Cを介して制御され、こ
れによりレチクルRに照射される光量、ひいてはウエハ
の露光量が高精度に制御される。従って、ウエハ上の露
光対象領域の位置によらず、常に適切な露光量制御が可
能となり、精度良くレチクルRのパターンをウエハW上
に転写することが可能になる。すなわち、ウエハ上の各
ショット領域毎のプロセスばらつきの補正や各ショット
領域内の線幅均一性の向上が可能になる。
【0263】また、本実施形態に係る露光装置による
と、主制御装置50により、前記の如く、増幅されたパ
ルス光をレチクルRに照射して、該レチクルRを介して
ウエハWを露光する際に、各光経路172nからの光出
力を個別にオン・オフすることにより光増幅部161か
ら出力されるパルス光の光量が光量制御装置16Cを介
して制御され、これによりレチクルRに照射される光
量、ひいてはウエハの露光量が広い範囲に渡って段階的
に制御される。従って、複数枚のウエハを繰り返し露光
する際のウエハ毎のレジスト感度等の違いに合わせた露
光量制御が可能になる。従って、レジスト感度等に影響
を受けることなく、ウエハ上にレチクルパターンを要求
される精度で転写することが可能になる。
【0264】なお、上記実施形態では、各光経路(各チ
ャネル)からの光出力をオン・オフする際に、ファイバ
増幅器の励起光の強度を切り換えることにより行う場合
について説明したが、本発明がこれに限定されるもので
はなく、例えば、各光経路に対する入射光を遮光する機
械的又は電気的なシャッタ、あるいは各光経路からの光
の出射を阻止する機械的又は電気的なシャッタを設ける
等種々考えられる。
【0265】また、上記実施形態では、光増幅部161
が128チャネルの光経路を有する場合について説明し
たが、光増幅部は1チャネルであっても良く、かかる場
合であっても、前述したEOM等の光変調器から出力さ
れるパルス光の周波数制御、ピークパワー制御による光
量、露光量の制御は好適に適用できる。
【0266】なお、上記実施形態では、バンドル−ファ
イバを形成するファイバの本数を128本としたが、そ
の本数は任意でよく、本発明に係る光源装置が適用され
る製品、例えば露光装置で要求される仕様(ウエハ上で
の照度)、及び光学性能、即ち照明光学系や投影光学系
の透過率、波長変換部の変換効率、及び各ファイバの出
力などに応じてその本数を決定すればよい。さらに上記
実施形態では、紫外光の波長を、ArFエキシマレーザ
又はF2レーザの波長とほぼ同一に設定するものとした
が、その設定波長は任意で良く、この設定すべき波長に
応じて、レーザ光源160Aの発振波長や波長変換部の
構成及び高調波の倍率などを決定すれば良い。なお、設
定波長は、一例として、ウエハ上に転写すべきパターン
のデザインルール(線幅、ピッチなど)に応じて決定す
るようにしても良く、更にはその決定に際して前述の露
光条件やレチクルの種類(位相シフト型か否か)などを
考慮しても良い。
【0267】なお、上記実施形態では、レーザ光源16
0Aの発振波長の制御のため、レーザ光源160Aの直
後でそのレーザ光をビームモニタ機構164によりモニ
タするものとしたが、これに限らず、例えば図5中に点
線で示されるように、波長変換部163内(あるいは波
長変換部163の後方)で光束を分岐して、これをビー
ムモニタ機構164と同様のビームモニタ機構183で
モニタするようにしても良い。そして、このビームモニ
タ機構183によるモニタ結果に基づいて、波長変換が
正確に行われているか否かを検出し、この検出結果に基
づいて主制御装置50がレーザ制御装置16Bをフィー
ドバック制御するようにしても良い。勿論、両方のビー
ムモニタ機構のモニタ結果を用いてレーザ光源160A
の発振波長制御を行っても良い。
【0268】また、上記実施形態中では特に説明をしな
かったが、本実施形態のように、193nm以下の露光
波長により露光を行う装置の場合には、光束通過部分に
はケミカルフィルタを通過したクリーンエアーや、ドラ
イエアー、N2ガス、若しくはヘリウム、アルゴン、ク
リプトン等の不活性ガスを充填させあるいはフローさせ
たり、該光束通過部分を真空にする等の処置が必要とな
る。
【0269】上記実施形態の露光装置は、本願の特許請
求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステ
ムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保
つように、組み立てることで製造される。これら各種精
度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光
学系については光学的精度を達成するための調整、各種
機械系については機械的精度を達成するための調整、各
種電気系については電気的精度を達成するための調整が
行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て
工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回
路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前
に、各サブシステム個々の組み立て工程があることは言
うまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立
て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体
としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造
は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
【0270】また、上記実施形態では、本発明に係る光
源装置がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光
装置に適用された場合について説明したが、露光装置以
外の装置、例えば、ウエハ上に形成された回路パターン
の一部(ヒューズなど)を切断するために用いられるレ
ーザリペア装置などにも本発明に係る光源装置を適用す
ることができる。また、本発明に係る光源装置は可視光
または赤外光を用いる検査装置などにも適用することが
できる。そしてこの場合には前述の波長変換部を光源装
置に組み込む必要がない。すなわち、本発明は紫外レー
ザ装置だけでなく、可視域または赤外域の基本波を発生
する、波長変換部がないレーザ装置に対しても有効なも
のである。また、本発明は、ステップ・アンド・スキャ
ン方式の走査型露光装置に限らず、静止露光型、例えば
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパ
など)にも好適に適用できるものである。更にはステッ
プ・アンド・スティッチ方式の露光装置、ミラープロジ
ェクション・アライナーなどにも適用できる。
【0271】なお、上記実施形態で示した投影光学系
や、照明光学系はほんの一例であって、本発明がこれに
限定されないことは勿論である。例えば、投影光学系と
して屈折光学系に限らず、反射光学素子のみからなる反
射系、又は反射光学素子と屈折光学素子とを有する反射
屈折系(カタッディオプトリック系)を採用しても良
い。波長200nm程度以下の真空紫外光(VUV光)
を用いる露光装置では、投影光学系として反射屈折系を
用いることも考えられる。この反射屈折型の投影光学系
としては、例えば特開平8―171054号公報及び特
開平10−20195号公報などに開示される、反射光
学素子としてビームスプリッタと凹面鏡とを有する反射
屈折系、又は特開平8−334695号公報及び特開平
10−3039号公報などに開示される、反射光学素子
としてビームスプリッタを用いずに凹面鏡などを有する
反射屈折系を用いることができる。
【0272】この他、米国特許第5,488,229
号、及び特開平10−104513号公報に開示され
る、複数の屈折光学素子と2枚のミラー(凹面鏡である
主鏡と、屈折素子又は平行平面板の入射面と反対側に反
射面が形成される裏面鏡である副鏡)とを同一軸上に配
置し、その複数の屈折光学素子によって形成されるレチ
クルパターンの中間像を、主鏡と副鏡とによってウエハ
上に再結像させる反射屈折系を用いても良い。この反射
屈折系では、複数の屈折光学素子に続けて主鏡と副鏡と
が配置され、照明光が主鏡の一部を通って副鏡、主鏡の
順に反射され、さらに副鏡の一部を通ってウエハ上に達
することになる。
【0273】また、上記実施形態では、オプティカルイ
ンテグレ一タ(ホモジナイザ)としてフライアイレンズ
系を用いるものとしたが、その代わりにロッド・インテ
グレータを用いるようにしてもよい。ロッド・インテグ
レータを用いる照明光学系では、ロッド・インテグレー
タはその射出面がレチクルRのパターン面とほぼ共役に
なるように配置されるので、例えばロッド・インテグレ
ータの射出面に近接して前述の固定レチクルブラインド
30Aや可動レチクルブラインド30Bを配置しても良
い。
【0274】勿論、半導体素子の製造に用いられる露光
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用
いられる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
【0275】《デバイス製造方法》
【0276】次に、上述した露光装置をリソグラフィ工
程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説
明する。
【0277】図7には、デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されて
いる。図7に示されるように、まず、ステップ201
(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計
(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その
機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、
ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、
ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0278】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0279】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0280】図8には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図8において、ステップ211(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0281】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置10を用いてマス
クの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ
217(現像ステップ)においては露光されたウエハを
現像し、ステップ218(エッチングステップ)におい
て、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材
をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219
(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済ん
で不要となったレジストを取り除く。
【0282】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0283】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法によると、露光工程(ステップ216)において上記
実施形態の露光装置10を用いて露光が行われるので、
露光精度の向上により、高集積度のデバイスを歩留まり
良く生産することができる。
【0284】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜27に
記載の各発明によれば、制御に必要な要請に応じた光量
制御を行うことができる光源装置を提供するができる。
【0285】また、請求項28〜33に記載の各発明に
よれば、要求される露光量制御を容易に実現することが
できる露光装置を提供することができる。
【0286】また、請求項34〜36に記載の各発明に
よれば、要求される露光量制御を容易に実現することが
できる露光方法を提供することができる。
【0287】また、請求項37及び38に記載の各発明
によれば、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上
することができるデバイス製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概
略的に示す図である。
【図2】図1の光源装置の内部構成を主制御装置ととも
に示すブロック図である。
【図3】図2の光増幅部の構成を概略的に示す図であ
る。
【図4】光増幅部を構成する最終段のファイバ増幅器の
出力端部が束ねられて形成されたバンドル−ファイバの
断面を示す図である。
【図5】図2の光増幅部を構成するファイバ増幅器及び
その周辺部を、波長変換部の一部とともに概略的に示す
図である。
【図6】図6(A)は、バンドル−ファイバ173の出
力端から射出される波長1.544μmの基本波を、非
線形光学結晶を用いて8倍波(高調波)に波長変換して
193nmの紫外光を発生する波長変換部の構成例を示
す図、図6(B)は、バンドル−ファイバ173の出力
端から射出される波長1.57μmの基本波を非線形光
学結晶を用いて10倍波に波長変換して157nmの紫
外光を発生する波長変換部の構成例を示す図である。
【図7】本発明の係るデバイス製造方法の実施形態を説
明するためのフローチャートである。
【図8】図7のステップ204における処理のを示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10…露光装置、12…照明光学系、16…光源装置、
16C…光量制御装置、22…フライアイレンズ系(オ
プティカルインテグレータ)、50…主制御装置(制御
装置)、51…メモリ(記憶装置)、160…光発生
部、160A…DFB半導体レーザ(光源)、160C
…EOM(光変調器)、161…光増幅部、163…波
長変換部、167…遅延部、168n…ファイバ増幅
器、171n…ファイバ増幅器、172n…光経路、17
3…バンドル-ファイバ(ファイバ群)、174…半導
体レーザ(励起用光源)、178…半導体レーザ(励起
用光源)、R…レチクル(マスク)、W…ウエハ(基
板)。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F046 BA05 CA03 CA08 CB01 CB04 CB05 CB12 CB13 CB22 CB23 CB25 DA01 DA02 DA13 DA14 DB01 DB05 DC02 DC09 DC12 EB03 ED03

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一波長の光を発生する光源装置であっ
    て、 単一波長の光を発生する光発生部と;前記光発生部の出
    力段に並列に配置された複数の光ファイバから成るファ
    イバ群と;前記各光ファイバからの光出力を個別にオン
    ・オフすることにより前記ファイバ群から出力される光
    の光量を制御する光量制御装置とを備える光源装置。
  2. 【請求項2】 前記ファイバ群を構成する前記複数の光
    ファイバは、それぞれの少なくとも出力端部が束ねられ
    てバンドル−ファイバが構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の光源装置。
  3. 【請求項3】 前記各光ファイバを含んで構成される各
    光経路の一部には、光増幅を行うことができるファイバ
    増幅器が少なくとも1段設けられ、 前記光量制御装置は、前記各光ファイバからの前記光出
    力のオン・オフを前記ファイバ増幅器の励起用光源から
    の励起光の強度の切り換えにより行うことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の光源装置。
  4. 【請求項4】 前記光量制御装置は、前記励起用光源か
    らの励起光の強度を所定レベルと零レベルとのいずれか
    に択一的に設定することにより前記励起光の強度の切り
    換えを行うことを特徴とする請求項3に記載の光源装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光量制御装置は、前記励起用光源を
    オン・オフすることにより、前記励起光の強度を所定レ
    ベルと零レベルとのいずれかに択一的に設定することを
    特徴とする請求項4に記載の光源装置。
  6. 【請求項6】 前記光量制御装置は、前記励起用光源か
    らの励起光の強度を所定の第1レベルと該第1レベルよ
    り小さい第2レベルとのいずれかに択一的に設定するこ
    とにより前記励起光の強度の切り換えを行うことを特徴
    とする請求項3に記載の光源装置。
  7. 【請求項7】 前記各光経路には、前記ファイバ増幅器
    が複数段設けられ、前記光量制御装置は、前記各光ファ
    イバからの前記光出力のオン・オフを最終段のファイバ
    増幅器の励起用光源からの励起光の強度の切り換えによ
    り行うことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に
    記載の光源装置。
  8. 【請求項8】 前記最終段の前記ファイバ増幅器は、他
    の段のファイバ増幅器に比べてモードフィールド径が大
    きいことを特徴とする請求請7に記載の光源装置。
  9. 【請求項9】 前記各光ファイバからの光出力のオン・
    オフ状況に対応する出力強度マップが予め記憶された記
    憶装置を更に備え、前記光量制御装置は、前記出力強度
    マップと所定の設定光量とに基づいて前記各光ファイバ
    からの光出力を個別にオン・オフすることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の光源装置。
  10. 【請求項10】 前記出力強度マップは、予め測定され
    た各ファイバ出力のばらつきに基づいて作成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
  11. 【請求項11】 前記各光ファイバから出力される前記
    光の波長を変換する波長変換部を更に備えることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光源装置。
  12. 【請求項12】 前記各光ファイバから出力される前記
    光の波長を変換する波長変換部を更に備え、前記出力強
    度マップは、予め測定された前記各ファイバ出力に対応
    する波長変換効率のばらつきに起因する出力のばらつき
    を更に考慮して作成されていることを特徴とする請求項
    9又は10に記載の光源装置。
  13. 【請求項13】 前記光発生部は、単一波長の光を発生
    する光源と、前記光源からの光を所定周波数のパルス光
    に変換して出力する光変調器とを有し、前記光量制御装
    置は、前記光変調器から出力されるパルス光の周波数及
    びピークパワーの少なくとも一方を更に制御することを
    特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光源
    装置。
  14. 【請求項14】 前記複数の光ファイバそれぞれからの
    光出力を個別に遅延させて、前記光出力を時間的にずら
    して行わせる遅延部を更に備えることを特徴とする請求
    項1〜13のいずれか一項に記載の光源装置。
  15. 【請求項15】 単一波長の光を発生する光源装置であ
    って、 単一波長の光を発生する光源と、該光源からの光を所定
    周波数のパルス光に変換して出力する光変調器とを有す
    る光発生部と;前記光発生部によって発生されたパルス
    光を増幅する少なくとも1段のファイバ増幅器を含む光
    増幅部と;前記光変調器から出力される前記パルス光の
    周波数を制御することにより前記ファイバ増幅器からの
    出力光の光量を制御する光量制御装置とを備える光源装
    置。
  16. 【請求項16】 前記光増幅部に入力するパルス光の周
    波数に応じた前記光増幅部の出力強度マップが記憶され
    た記憶装置を更に備え、 前記光量制御装置は、前記出力強度マップと所定の設定
    光量とに基づいて前記光変調器から出力される前記パル
    ス光の周波数を制御することを特徴とする請求項15に
    記載の光源装置。
  17. 【請求項17】 前記光量制御装置は、前記光変調器か
    ら出力される前記パルス光のピークパワーを更に制御す
    ることを特徴とする請求項15又は16に記載の光源装
    置。
  18. 【請求項18】 前記光変調器は、電気光学変調器であ
    り、 前記光量制御装置は、前記光変調器に印加する電圧パル
    スの周波数を制御することにより、前記パルス光の周波
    数を制御することを特徴とする請求項15又は16に記
    載の光源装置。
  19. 【請求項19】 単一波長の光を発生する光源装置であ
    って、 単一波長の光を発生する光源と、該光源からの光を所定
    周波数のパルス光に変換して出力する光変調器とを有す
    る光発生部と;前記光発生部によって発生されたパルス
    光を増幅する少なくとも1段のファイバ増幅器を含む光
    増幅部と;前記光変調装置から出力される前記パルス光
    のピークパワーを制御することにより前記光増幅部から
    の出力光の光量を制御する光量制御装置とを備える光源
    装置。
  20. 【請求項20】 前記光増幅部に入力するパルス光の強
    度に応じた前記光増幅部の出力強度マップが記憶された
    記憶装置を更に備え、 前記光量制御装置は、前記出力強度マップと所定の設定
    光量とに基づいて前記光変調器から出力される前記パル
    ス光のピークパワーを制御することを特徴とする請求項
    19に記載の光源装置。
  21. 【請求項21】 前記光変調器は、電気光学変調器であ
    り、 前記光量制御装置は、前記光変調器に印加する電圧パル
    スのピークレベルを制御することにより、前記パルス光
    のピークパワーを制御することを特徴とする請求項19
    又は20に記載の光源装置。
  22. 【請求項22】 前記光増幅部は複数並列に設けられ、 前記各光増幅部の光出力端部は光ファイバによりそれぞ
    れ構成されていることを特徴とする請求項15〜21の
    いずれか一項に記載の光源装置。
  23. 【請求項23】 前記複数の光増幅部をそれぞれ構成す
    る前記複数の光ファイバは、束ねられてバンドル−ファ
    イバが構成されていることを特徴とする請求項22に記
    載の光源装置。
  24. 【請求項24】 前記光増幅部から出力される光の波長
    を変換する波長変換部を更に備えることを特徴とする請
    求項15〜23のいずれか一項に記載の光源装置。
  25. 【請求項25】 前記複数の光増幅部のそれぞれからの
    光出力を個別に遅延させて、前記光出力を時間的にずら
    して行わせる遅延部を更に備えることを特徴とする請求
    項22又は23に記載の光源装置。
  26. 【請求項26】 前記光発生部は、赤外域から可視域ま
    での範囲内の単一波長のレーザ光を発生し、 前記波長変換部は、前記レーザ光の高調波である紫外光
    を出力することを特徴とする請求項11、12、24の
    いずれか一項に記載の光源装置。
  27. 【請求項27】 前記光発生部は、波長1.5μm付近
    の単一波長のレーザ光を発生し、 前記波長変換部は、前記波長1.5μm付近の前記レー
    ザ光の8倍高調波又は10倍高調波を発生することを特
    徴とする請求項26に記載の光源装置。
  28. 【請求項28】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に転写する露光装置であって、 請求項26又は27に記載の光源装置と;前記光源装置
    から出力される光を露光用照明光として前記マスクを照
    明する照明光学系とを備える露光装置。
  29. 【請求項29】 前記照明光学系内には、前記マスクの
    パターン面上における照明光の分布を均一化するオプテ
    ィカルインテグレータが設けられていることを特徴とす
    る請求項28に記載の露光装置。
  30. 【請求項30】 前記照明光学系は、ケーラー照明系で
    あることを特徴とする請求項28又は29に記載の露光
    装置。
  31. 【請求項31】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に繰り返し転写する露光装置であって、 単一波長の光を発生する光源と、前記光源からの光をパ
    ルス光に変換する光変調器とを有する光発生部と;前記
    光発生部によって発生されたパルス光を増幅する少なく
    とも1段のファイバ増幅器を含む光増幅部と;前記増幅
    されたパルス光を前記マスクに照射して、該マスクを介
    して前記基板を露光する際に、その露光対象領域の基板
    上の位置に応じて前記光変調器を介して前記パルス光の
    周波数及びピークパワーの少なくとも一方を制御する制
    御装置とを備える露光装置。
  32. 【請求項32】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に転写する露光装置であって、 単一波長の光を発生する光源と、前記光源からの光をパ
    ルス光に変換する光変調器とを有する光発生部と;前記
    パルス光を増幅する光ファイバ増幅器を少なくとも各1
    段含み、前記光発生部の出力段に並列に配置された複数
    の光経路から成る光増幅部と;前記光増幅部からの前記
    パルス光を前記マスクに照射して、該マスクを介して前
    記基板を露光する際に、前記各光経路からの光出力を個
    別にオン・オフすることにより前記光増幅部から出力さ
    れるパルス光の光量を制御する制御装置とを備える露光
    装置。
  33. 【請求項33】 前記光源は、赤外域又は可視域のレー
    ザ光を発生し、 前記光増幅部で増幅された前記パルス光を紫外光に波長
    変換する波長変換部を更に備えることを特徴とする請求
    項31又は32に記載の露光装置。
  34. 【請求項34】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に繰り返し転写する露光方法であって、 パルス光をファイバ増幅器を用いて少なくとも1回増幅
    する第1工程と;前記増幅されたパルス光を前記マスク
    に照射し、該マスクを介して前記基板上の露光対象領域
    を露光する第2工程と;前記第1工程の処理に先立っ
    て、光源からのレーザ光を前記パルス光に変換するとと
    もに、前記露光対象領域の基板上の位置に応じて前記パ
    ルス光の周波数及びピークパワーの少なくとも一方を制
    御する第3工程とを含む露光方法。
  35. 【請求項35】 前記ファイバ増幅器は、複数並列に設
    けられ、前記第1工程では、選択されたファイバ増幅器
    のみを用いて前記パルス光の増幅を行うことを特徴とす
    る請求項34に記載の露光方法。
  36. 【請求項36】 前記光源は、赤外域又は可視域のレー
    ザ光を発生し、 前記パルス光が前記マスクに照射される前に前記増幅さ
    れたパルス光を紫外光に波長変換する第4工程を更に含
    むことを特徴とする請求項34又は35に記載の露光方
    法。
  37. 【請求項37】 フォトリソグラフィ工程を含むデバイ
    ス製造方法であって、 前記フォトリソグラフィ工程で、請求項28〜33のい
    ずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを
    特徴とするデバイス製造方法。
  38. 【請求項38】 フォトリソグラフィ工程を含むデバイ
    ス製造方法であって、 前記フォトリソグラフィ工程で、請求項34〜36のい
    ずれか一項に記載の露光方法を用いることを特徴とする
    デバイス製造方法。
  39. 【請求項39】 請求項37又は38に記載のデバイス
    製造方法により製造されたデバイス。
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