JP2001081486A - 潤滑油 - Google Patents

潤滑油

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JP2001081486A
JP2001081486A JP26123899A JP26123899A JP2001081486A JP 2001081486 A JP2001081486 A JP 2001081486A JP 26123899 A JP26123899 A JP 26123899A JP 26123899 A JP26123899 A JP 26123899A JP 2001081486 A JP2001081486 A JP 2001081486A
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poe
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polyphenyl ether
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Fumihiko Yokoyama
文彦 横山
Tadashi Haishi
正 羽石
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温条件で使用したときにも安定であり、特
に油膜形成能に優れ、しかも良好な低温流動性を示す潤
滑油を提供する。 【解決手段】 ポリオールエステル系合成油と、置換基
として炭素数10〜20のアルキル基を有するポリフェ
ニルエーテル系合成油を含む潤滑油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジェットエンジ
ン、ガスタービンなどに用いられる潤滑油に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ジェットエンジンやガスタービンなどの
機械装置、動力装置の摺動部に用いられる潤滑油として
は、ポリオールエステル系合成油や、ポリフェニルエー
テル系合成油がある。しかしながら、ポリオールエステ
ル系合成油には、熱・酸化安定性が低いなどの問題があ
り、ポリフェニルエーテル系合成油には、熱・酸化安定
性は比較的高いものの、耐摩耗性が低いなどの問題があ
る。このため、潤滑油としては、ポリオールエステル系
合成油とポリフェニルエーテル系合成油を混合したもの
が提案されている。この種の潤滑油としては、特開平9
−118889号公報に開示されたものがある。この公
報に開示された潤滑油は、(a)炭素数5〜30のネオ
ペンチルポリオールと脂肪酸とのエステルであって、該
エステルの脂肪酸部分の炭化水素基の平均炭素数が3〜
9のものと、(b)4〜6個の芳香環を有するポリフェ
ニルエーテルとからなるものである。この公報に記載さ
れた潤滑油は、耐摩耗性の改善を目的としてなされたも
ので、上記(a)および(b)に示す2種の合成油を混
合することにより耐摩耗性の向上を図るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、ジェットエ
ンジンやガスタービンなどの機械装置、動力装置の高性
能化、高動力化に伴い、摺動部が高温(例えば200℃
を越える温度)となる場合でも十分な潤滑性能を発揮し
得る潤滑油が要望されている。一般に、潤滑油は、互い
に摺動する2つの固体間に油膜を形成し、これら固体が
互いに直接接触するのを防ぐ作用を持つ。このため、油
膜形成能に劣る潤滑油では、油膜破断により上記2つの
固体が互いに接触し、摩耗、焼付などが起こるおそれが
ある。上記公報に記載された従来の潤滑油では、高温下
における油膜形成能に関して考慮されておらず、上記の
ような高温条件において油膜破断が懸念される問題があ
った。また、ジェットエンジンやガスタービンなどの装
置は、低温環境下(例えば−10℃以下)で使用される
ことがあり、このような場合、潤滑油には、低温下にお
いても十分な流動性を示すことが要求される。上記従来
の潤滑油では、低温流動性などの特性を低下させること
なく、上記高温条件にも耐え得る熱・酸化安定性を得る
のは困難であった。本発明は、上記事情に鑑みてなされ
たもので、高温条件で使用したときにも安定であり、特
に油膜形成能に優れ、しかも良好な低温流動性を示す潤
滑油を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般に、ポリフェニルエ
ーテル系合成油に置換基を導入すると、その熱・酸化安
定性は低下すると考えられている。これは、通常の置換
基(アルキル基など)がベンゼン環に比べ化学的に不安
定であり分解されやすいため、置換基を導入したもの
は、置換基導入前のものに比べ熱安定性が劣化すると推
定されるからである。
【0005】ところが、本発明者の検討により、置換基
として炭素数10〜20のアルキル基を有するポリフェ
ニルエーテル系合成油は、アルキル基を置換基として有
するにもかかわらず、熱・酸化安定性に優れ、しかも油
膜形成能、低温流動性についても良好であることが明ら
かとなった。
【0006】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
ので、ポリオールエステル系合成油と、置換基として炭
素数10〜20のアルキル基を有するポリフェニルエー
テル系合成油を含むことを特徴とする潤滑油である。前
記ポリフェニルエーテル系合成油としては、前記アルキ
ル基を1つ有するフェノキシフェノキシビフェニルを用
いるのが好ましい。また、このポリフェニルエーテル系
合成油の含有率は、要求する粘度を含む性状、性能など
に応じて決定することができる。本発明の潤滑油は、上
記構成とすることによって、ポリオールエステル系合成
油に不足する熱・酸化安定性、油膜形成能を上記ポリフ
ェニルエーテル系合成油によって補うとともに、流動点
の上昇を最小限に抑えることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の潤滑油は、ポリオールエステル系合成油(以
下、POEと略称する)と、置換基として炭素数10〜
20のアルキル基を有するポリフェニルエーテル系合成
油(以下、ポリフェニルエーテル系合成油をPPEと略
称する)を含むものである。本発明の潤滑油の一成分と
して用いられるPOEは、ポリオールと脂肪酸とのエス
テルである。
【0008】このポリオールとしては、2,2−ジエチ
ルプロパン−1,3ジオール、2,2−ジブチルプロパ
ン−1,3ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパ
ン−1,3ジオール、2−エチル−2−ブチルプロパン
−1,3ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメ
チロールプロパン、テトラトリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペ
ンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトール、ペ
ンタペンタエリスリトールなどを用いることができる。
なかでも特に、ペンタエリスリトールを用いるのが好ま
しい。
【0009】上記脂肪酸としては、n−ブタン酸、イソ
ブタン酸、n−ペンタン酸、イソペンタン酸(例えば2
−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、2,2−ジメ
チルプロパン酸など)、n−ヘキサン酸、イソヘキサン
酸(例えば2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタ
ン酸、2,3−ジメチルブタン酸など)、n−ヘプタン
酸、イソヘプタン酸(例えば2−エチルペンタン酸、3
−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2
−エチル−2−メチルブタン酸、4−エチルペンタン酸
など)、n−オクタン酸、イソオクタン酸(例えば2−
エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸、2,2−ジ
メチルヘキサン酸、2−メチル−2−エチルペンタン酸
など)、n−ノナン酸、イソノナン酸、n−デカン酸、
イソデカン酸、およびこれらの異性体を挙げることがで
きる。なかでも特に、炭素数5〜10の脂肪酸を用いる
のが好ましい。
【0010】上記POEは、上記ポリオールと脂肪酸と
をエステル化することにより得られるものである。エス
テル化の方法としては、脱水縮合による方法、上記脂肪
酸の塩化物をポリオ−ルと反応させる方法、アルコール
と上記脂肪酸とのエステルと、上記ポリオールとをエス
テル交換させる方法などを採用することができる。
【0011】POEの具体例としては、次のものを挙げ
ることができる。トリメチロールプロパン(以下、TM
Pという)・トリ(n−ブタノエート)、TMP・トリ
(2−メチルプロパノエート)、TMP・トリ(n−ペ
ンタノエート)、TMP・トリ(n−ヘキサノエー
ト)、TMP・トリ(n−ヘプタノエート)、TMP・
トリ(2−エチルペンタノエート)、TMP・トリ(n
−オクタノエート)、TMP・トリ(2−エチルヘキサ
ノエート)、ペンタエリスリトール(以下、PEとい
う)・テトラ(n−ブタノエート)、PE・テトラ(2
−メチルプロパノエート)、PE・テトラ(n−ペンタ
ノエート)、PE・テトラ(2−メチルブタノエー
ト)、PE・テトラ(2,2−ジメチルプロパノエー
ト)、PE・テトラ(n−ヘキサノエート)、PE・テ
トラ(2−エチルブタノエート)、PE・テトラ(2,
2−ジメチルブタノエート)、PE・テトラ(n−ヘプ
タノエート)、PE・テトラ(2−エチルペンタノエー
ト)、PE・テトラ(n−オクタノエート)、PE・テ
トラ(2−エチルヘキサノエート)、PE・テトラ(n
−ノナエート)、PE・テトラ(イソノナエート)、P
E・テトラ(n−デカノエート)、PE・テトラ(イソ
デカノエート)。
【0012】また、本発明の潤滑油の一成分として用い
られるPPEは、複数の芳香族化合物を直接または酸素
原子を介して結合した構造のポリフェニルエーテル化合
物に、置換基として炭素数10〜20のアルキル基を導
入したものである。上記ポリフェニルエーテル化合物と
しては、フェノキシフェノキシビフェニル(4P2
E)、例えばo−フェノキシフェノキシo−ビフェニ
ル、m−フェノキシフェノキシm−ビフェニルなどを用
いるのが好ましい。
【0013】上記アルキル基としては、デシル基(C10
21−)、ウンデシル基(C1123 −)、ドデシル基
(C1225−)、トリデシル基(C1327−)、テトラ
デシル基(C1429−)、ペンタデシル基(C15
31−)、ヘキサデシル基(C1633 −)、ヘプタデシル
基(C1735−)、オクタデシル基(C1837−)、ノ
ナデシル基(C1939−)、エイコデシル基(C2041
−)を挙げることができる。
【0014】本発明の潤滑油におけるPPEの含有率
は、要求する粘度を含む性状、性能に応じて設定するこ
とができる。本発明の潤滑油の動粘度は、40℃におい
て25〜240cst、100℃において5〜15cs
tとなる。PPEの含有率が過小であると、熱・酸化安
定性が低下し、高温条件(特に200℃を越える温度)
において油膜破断が起こりやすくなる。またPPEの含
有率が過大であると、低温における流動性が低下し、か
つ耐摩耗性が低下する。このため、使用条件を鑑みた配
合比が望ましい。
【0015】
【実施例】図1ないし図3は、各種潤滑油の熱・酸化安
定性について調べた結果を示すグラフである。図1は、
熱重量分析法(Thermogravimetric Analysis、以下T
G)および示差熱分析法(Differential Thermal Analy
sis、以下DTA)を同時に行うことができるTG−D
TA装置を用い、潤滑油試料(約10mg)を試料容器
内に収容し、試料容器内に、酸素・アルゴン混合ガス
(酸素:アルゴン=1:4(容量比))を50cm3
minで吹き込みつつ、試料の温度を昇温速度10℃/
minで室温から上昇させ、この昇温過程における試料
容器内の試料重量の経時変化を示すものである。この図
において、横軸は試料温度を示し、縦軸は試料容器内の
試料の初期重量に対する増減量の割合(重量%)を示
す。この試験においては、昇温による熱分解、酸化分解
によって試料が低分子化した分解物が揮発し試料容器か
ら放散するため、昇温の過程で試料容器内の試料重量は
徐々に減少する。このため、試料減少量が小さいもの
(すなわち増減割合が0に近いもの)ほど分解しにくく
安定であるということができる。図2は、上記昇温過程
において、試料容器内の試料の重量が1/2となる温度
である中間点温度を測定した結果を示すものである。
【0016】潤滑油試料としては、type2−A、t
ype2−B、type2.5−C、type2.5−D(い
ずれもMIL−PRF23699に適合したジェットエ
ンジンオイルであるPOE)、4P2E、R4P2E、
2R4P2E(いずれもPPE)を用いた。R4P2E
は下記式(1)に示すように、置換基としてアルキル基
を1つ有するポリフェニルエーテルである。
【化1】
【0017】4P2Eは下記式(2)に示すように、置
換基をもたないポリフェニルエーテルである。
【化2】
【0018】2R4P2Eは下記式(3)に示すよう
に、置換基としてアルキル基を2つ有するポリフェニル
エーテルである。
【化3】
【0019】上記POE(type2−A、type2
−B、type2.5−C、type2.5−D)は、TMP
・トリエステルとPE・テトラエステルとの混合物であ
る。TMP・トリエステルを以下に示す。
【化4】
【0020】PE・テトラエステルを以下に示す。
【化5】
【0021】図3は、上記POE(type2−A)
と、PPE(4P2E、R4P2E、2R4P2E)と
を所定の混合比率(0〜100重量%)で混合した混合
油について上記中間点温度を調べた結果を示すものであ
る。この図において、横軸は混合油中のPPEの含有率
(重量%)を示し、縦軸は中間点温度を示す。
【0022】図1および図2より、PPEは、POEよ
りも熱・酸化安定性に優れていることがわかる。また置
換基としてアルキル基を有するPPEであるR4P2
E、2R4P2Eは、置換基を有するにもかかわらず、
置換基を持たない4P2Eに比べ熱・酸化安定性に優れ
ていることがわかる。また図3より、PPEとして置換
基をもつR4P2E、2R4P2Eを用いた場合の混合
油の熱・酸化安定性は、PPEとして4P2Eを用いた
場合よりも優れていることがわかる。
【0023】次に、本発明の実施例の潤滑油の油膜形成
能について調べた結果を示す。一般に、潤滑油の油膜厚
さをh、粘度をμ、粘度圧力係数をαとし、比較対象と
なる潤滑油の油膜厚さをhr、粘度をμr、粘度圧力係数
をαrすると、これらは次のような関係にある。 h/hr=(μ/μr0.67(α/αr0.53 潤滑油の油膜厚さは、使用条件(速度、温度等)および
潤滑油自身の特性、特に粘度圧力係数α、粘度μにより
決定される。特に高温では粘度低下が著しいため、より
粘度圧力係数αの大きい潤滑油を適用することが望まし
い。油膜形成能は、油膜厚さ測定により求められる粘度
圧力係数αにより評価することができる。油膜厚さは、
EHD試験において鋼球表面とガラスディスクとの間に
形成された油膜の厚さを、光干渉法を用いて測定するこ
とによって決定した。
【0024】図4および図5は、POEとPPEとの混
合油を、各温度条件(40〜220℃)において用いた
場合の油膜厚さと、同条件でのPOEの油膜厚さとの比
(混合油膜厚/POE膜厚)を示すものである。図4
は、PPEとしてR4P2Eを用いた場合の混合油の油
膜厚さ比を示すもので、PPEの混合比率は、20、3
0、50、80重量%とした。また併せてR4P2Eを
単独で用いた場合(100重量%)の油膜厚さ比を示
す。図5は、PPEとして4P2Eを用いた場合の混合
油の油膜厚さ比を示すもので、PPEの混合比率は、2
0、30、50、80重量%とした。また併せて4P2
Eを単独で用いた場合(100重量%)の油膜厚さ比を
示す。
【0025】図4および図5より、PPEとしてR4P
2Eを用いた場合には、4P2Eを用いた場合に比べ、
油膜厚さを厚くすることができることがわかる。
【0026】図6および図7は、上記油膜厚さと、各混
合油の粘度とに基づいて上述の関係式により算出された
混合油の粘度圧力係数(α)を示すものである。図6
は、PPEとしてR4P2Eを用いた場合の粘度圧力係
数を示すもので、PPEの混合比率は、20、30、5
0、80重量%とした。また併せてR4P2E、POE
を単独で用いた場合(100重量%)の粘度圧力係数を
示す。図7は、PPEとして4P2Eを用いた場合の粘
度圧力係数を示すもので、PPEの混合比率は、20、
30、50、80重量%とした。また併せて4P2E、
POEを単独で用いた場合(100重量%)の粘度圧力
係数を示す。また、図8は、R4P2Eを用いた場合の
図6よりも広い温度範囲での粘度圧力係数を示すもので
ある。
【0027】図6ないし図8より、PPEとしてR4P
2Eを用いた場合には、4P2Eを用いた場合に比べ、
潤滑油の粘度圧力係数を向上させることができることが
わかる。また、PPEの比率が高いほど粘度圧力係数が
高くなる傾向があることがわかる。
【0028】表1は、POE(type2−A、typ
e2−B、type2.5−C、type2.5−D)、およ
びPPE(4P2E、R4P2E、2R4P2E)の物
性を示すものである。
【0029】
【表1】
【0030】表1より、R4P2Eは、4P2Eよりも
流動点が低いことがわかる。
【0031】図9は、上記各潤滑油の耐摩耗性を評価す
るため、耐摩耗性試験を行った結果を示すものである。
この試験では、シェル試験機を用い、固定球の平均摩耗
痕径を、200℃および260℃の条件で測定する方法
を採用した。
【0032】図9より、R4P2E、2R4P2Eは、
4P2Eに比べ耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0033】図10ないし図12は、PPEとして2R
4P2Eを用いた混合油の油膜形成能を評価した結果を
示すものである。図10は、各温度条件において、PP
Eとして2R4P2Eを用いた場合の混合油(POE+
PPE)の油膜厚さ比を示すもので、PPEの混合比率
は、20、30、50、80重量%とした。また併せて
2R4P2Eを単独で用いた場合(100重量%)の油
膜厚さ比を示す。図11は、各混合油の油膜厚さと、各
混合油の粘度に基づいて上述の関係式により算出された
混合油の粘度圧力係数(α)を示すものである。PPE
の混合比率は、20、30、50、80重量%とした。
また併せて2R4P2E、POEを単独で用いた場合
(100重量%)の粘度圧力係数を示す。図12は、各
混合油の粘度圧力係数と動粘度との関係を示すもので、
横軸は各混合油の動粘度を示し、縦軸は粘度圧力係数を
示す。2R4P2E単独の場合、POE単独の場合、お
よびこれら2R4P2EとPOEとの混合油の場合に
は、粘度圧力係数の値はほぼ直線Aに近似できた。また
R4P2E単独の場合には、粘度圧力係数の値はほぼ直
線Bに近似できた。またR4P2EとPOEとの混合油
の場合には、粘度圧力係数の値は、上記近似線A,Bの
間にプロットされるものが多いことがわかった。
【0034】図4と図10との比較、および図6と図1
1との比較により、2R4P2Eを用いた混合油では、
R4P2Eを用いた混合油に比べ、油膜厚さ、粘度圧力
係数の点で若干劣る結果が得られたことがわかる。図1
2より、R4P2Eを用いた混合油では、2R4P2E
を用いた混合油に比べ、粘度圧力係数が高い値となるこ
とがわかる。また2R4P2Eを用いた混合油の粘度圧
力係数は、POE単独の場合と同等の値となることがわ
かる。このことから、2R4P2Eを用いた混合油の油
膜形成能はPOE単独の場合とほとんど変わらないのに
対し、R4P2Eを用いた混合油の油膜形成能はPOE
単独の場合に比べ優れていることがわかる。
【0035】以上より、次のことがわかる。すなわち、
置換基としてアルキル基を有するPPEであるR4P2
E、2R4P2Eは、置換基を有するにもかかわらず、
置換基を持たない4P2Eに比べ熱・酸化安定性に優れ
ており、この種のPPEとPOEとの混合油は、高温条
件下においても安定性に優れたものとなる。また、R4
P2Eを用いた混合油は、置換基を持たない4P2Eを
用いたものに比べ、油膜形成能にも優れている。さら
に、R4P2Eは流動点が低いため、このR4P2Eを
用いる場合には、4P2Eを用いる場合に比べ、低温下
における流動性が向上する。また、R4P2Eは、4P
2Eに比べ耐摩耗性にも優れている。さらには、置換基
としてアルキル基を有するPPEであるR4P2E、2
R4P2Eのうち、特にR4P2Eを用いた場合におい
て、優れた油膜形成能が得られる。
【0036】このように、上記潤滑油(R4P2EとP
OEの混合油)は、高温下においても安定であり、特に
油膜形成能に優れ、しかも十分な低温流動性、耐摩耗性
を有するR4P2Eを用いるため、POEに不足する熱
・酸化安定性、油膜形成能を補うとともに、流動点の上
昇や耐摩耗性の低下を最小限に抑えることができる。従
って、上記潤滑油は、高温条件で使用したときにも安定
であり、特に油膜形成能に優れ、しかも良好な低温流動
性、耐摩耗性を示すものとなる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の潤滑油
は、ポリオールエステル系合成油と、置換基として炭素
数10〜20のアルキル基を有するポリフェニルエーテ
ル系合成油を含むものであるので、ポリオールエステル
系合成油に不足する熱・酸化安定性、油膜形成能を、上
記ポリフェニルエーテル系合成油によって補うととも
に、流動点の上昇を最小限に抑えることができる。従っ
て、高温条件で使用したときにも安定であり、特に油膜
形成能に優れ、しかも良好な低温流動性を示す潤滑油を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TG−DTA装置を用い、潤滑油試料を昇温
させ、この昇温過程における試料容器内の試料重量の経
時変化を示すグラフである。
【図2】 TG−DTA装置を用いた昇温試験の昇温過
程において、試料容器内の試料の重量が1/2となる中
間点温度を測定した結果を示すグラフである。
【図3】 POEとPPEとの混合油について上記中間
点温度を調べた結果を示すグラフである。
【図4】 POEとR4P2Eとの混合油を、各温度条
件において用いた場合の油膜厚さと、同条件でのPOE
の油膜厚さとの比(混合油膜厚/POE膜厚)を測定し
た結果を示すグラフである。
【図5】 POEと4P2Eとの混合油を、各温度条件
において用いた場合の油膜厚さと、同条件でのPOEの
油膜厚さとの比(混合油膜厚/POE膜厚)を測定した
結果を示すグラフである。
【図6】 POEとR4P2Eの混合油の粘度圧力係数
を示すグラフである。
【図7】 POEと4P2Eの混合油の粘度圧力係数を
示すグラフである。
【図8】 POEとR4P2Eの混合油の粘度圧力係数
を示すグラフである。
【図9】 耐摩耗性試験の結果を示すグラフである。
【図10】 POEと2R4P2Eとの混合油を、各温
度条件において用いた場合の油膜厚さと、同条件でのP
OEの油膜厚さとの比(混合油膜厚/POE膜厚)を測
定した結果を示すグラフである。
【図11】 POEと2R4P2Eの混合油の粘度圧力
係数を示すグラフである。
【図12】 POEとR4P2Eの混合油、およびPO
Eと2R4P2Eの混合油の粘度圧力係数と動粘度との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H104 BB08A BB34A LA01 LA03 LA04 LA05 PA07 PA41

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオールエステル系合成油と、置換基
    として炭素数10〜20のアルキル基を有するポリフェ
    ニルエーテル系合成油を含むことを特徴とする潤滑油。
  2. 【請求項2】 前記ポリフェニルエーテル系合成油は、
    前記アルキル基を1つ有するフェノキシフェノキシビフ
    ェニルであることを特徴とする請求項1記載の潤滑油。
JP26123899A 1999-09-14 1999-09-14 潤滑油 Pending JP2001081486A (ja)

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JP26123899A JP2001081486A (ja) 1999-09-14 1999-09-14 潤滑油

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