JP2001081389A - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具

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JP2001081389A
JP2001081389A JP25630299A JP25630299A JP2001081389A JP 2001081389 A JP2001081389 A JP 2001081389A JP 25630299 A JP25630299 A JP 25630299A JP 25630299 A JP25630299 A JP 25630299A JP 2001081389 A JP2001081389 A JP 2001081389A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ中に気泡が発生することを防止して、
良好な筆跡が得られる筆記具用水性インキ組成物及びそ
れを内蔵した筆記具を提供する。 【解決手段】 着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、剪
断減粘性付与剤と、合成ポリフェノールとを含んでなる
筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筆記具用水性インキ
組成物及びそれを内蔵した筆記具に関する。更に詳細に
は、剪断減粘性を示す筆記具用水性インキ組成物、及び
前記インキとインキ消費に伴って追従するインキ逆流防
止体を充填した筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、剪断減粘性を有する水性インキと
しては、高分子多糖類等の剪断減粘性付与剤を含む水性
ボールペン用インキ組成物が開示されている(特開平4
−214782号公報)。この種のインキは、剪断応力
が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において
安定的に保持されており、筆記時にあっては高速回転す
るボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが
低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部
の間隙から吐出して紙面に転写される。前記紙面に転写
されたインキは剪断力から開放されるため再び高粘度状
態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の
滲みを発生させない。更に、前記した剪断減粘性に依存
してインキ漏れが発生することなく、しかも、インキ流
量を調節する流量調節部材(ペン芯)を要しないので、
簡易な構造の筆記具が得られる。前記した従来の剪断減
粘性を示す水性インキを用いた筆記具は構造が簡易であ
り、前記流量調節部材を用いた筆記具のようにインキの
消費に伴って内部に空気が入り込まないことから内部圧
力の変化が少なく、インキのボタ落ちを生じない利点も
有する反面、インキの調製及び充填に際し、特別な配慮
が必要である。これは、インキ後端面には前記インキ中
の溶剤が蒸発することを防止したり、或いは筆記先端部
が上向き状態(正立状態)においてインキの逆流を防止
するインキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体
(液栓)が充填されるためであり、インキは外部の空気
と遮断された気密空間に存在するため、インキ中に気体
が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発
生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記
先端部に気泡が存在すると筆記不能になる恐れがあるか
らである。前記した問題を解決するためには、機械的に
インキ中の気体を取り除く脱泡処理が主に行われている
が、この方法のみでは充分な脱泡ができ難く、インキ中
に気体が残ることがある。又、顔料、金属粉、酸化チタ
ン等の溶剤に不溶の着色剤を用いる場合、遠心脱泡等の
処理を行うと着色剤がインキ収容容器中に偏在するとい
った不具合を生じる。従って、インキ中の気体を化学的
に除去する方法が考えられ、例えば、アスコルビン酸誘
導体を添加したり(特公平7−113101号公報)、
α−トコフェロールを添加したり(特開平10−330
672号公報)、更にはカテキン類を添加する(特開平
10−298483号公報)試みが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記イ
ンキ中の気体を化学的に除去する化合物のうち、アスコ
ルビン酸誘導体は着色剤として顔料を用いる系において
は、前記顔料の凝集を生じ易くなり実用が制限される。
また、α−トコフェロールは水不溶性のため経時によっ
て分離し、気体の除去を永続して発現させ難い。また、
前記カテキン類は適用する着色剤が限定されたり、気体
の除去機能が短期間で消失してしまう等の不具合を生じ
ることなく、良好な気体の除去が可能であるものの、カ
テキン類は天然抽出物のため純度が低く、しかも、還元
性を示して気体を除去する官能基が僅かであり、所望の
効果を得るために多量の添加を余儀なくされる。本発明
は、前記したインキ中の気体を化学的に除去する特定の
化合物を用いることによって、実用性が広く、且つ、良
好な筆記性能を得ることができる筆記具用水性インキ組
成物及びそれを内蔵した筆記具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、着色剤、水、
水溶性有機溶剤、剪断減粘性付与剤、及び合成ポリフェ
ノール或いはその誘導体を含んでなる筆記具用水性イン
キ組成物を要件とする。更には、前記合成ポリフェノー
ル或いはその誘導体をインキ組成物中0.001〜5重
量%含んでなること、インキ組成物のPHが7以上であ
ること等を要件とする。更には、インキ消費に伴って追
従するインキ逆流防止体を配置するタイプの筆記具に前
記インキ組成物を充填してなる筆記具を要件とする。
【0005】本発明者は、前記したインキ中の気体を化
学的に除去する化合物のうち、各種添加剤に対する影響
が少なく、しかも、少量の添加で十分な気体の除去機能
を示すと共に前記機能を永続的に発現させる化合物につ
いて鋭意検討した結果、合成ポリフェノール或いはその
誘導体が良好な筆記性能を維持しつつ、長期的に顕著な
気体除去機能を示すことを見いだした。
【0006】前記合成ポリフェノールは主に還元剤とし
て用いられ、インキ組成物中に添加することにより良好
な酸素吸収能を発現する。従って、インキ中の酸素を含
む気体が集まって気泡となることを抑制するものと推察
される。前記合成ポリフェノールとしては、ハイドロキ
ノン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、レ
ゾルシン、2,3,4−ヒドロキシベンゾフェノン、
2,3,5−トリメチルハイドロキノン或いはそれらの
誘導体が例示できる。更に、前記合成ポリフェノール
は、水酸基を部分的にアルキル基、アルケニル基等で置
換した誘導体であってもよく、4−ヒドロキシ−3−t
ert−ブチルアニソール等を例示できる。また、前記
合成ポリフェノール或いはその誘導体は、還元性がアル
カリ雰囲気下で強く発揮されるため、インキ組成物のP
Hを7以上に調整することにより、酸素吸収能に優れた
化合物として良好に機能する。
【0007】前記合成ポリフェノール或いはその誘導体
は、インキ組成中0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%添加することができる。0.0
01重量%以下では所期の気泡発生抑止効果を得ること
は困難であり、又、5重量%程度以下であれば所期の効
果が十分に得られるので、これ以上の添加を要しない。
【0008】前記着色剤としては、水性系媒体に溶解も
しくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であ
り、その具体例を以下に例示する。 前記染料として
は、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用すること
ができる。酸性染料としては、ニューコクシン(C.
I.16255)、タートラジン(C.I.1914
0)、アシッドブルーブラック10B(C.I.204
70)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリ
リアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッ
ドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブル
ブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン
(C.I.44025)、エオシン(C.I.4538
0)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシ
ン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50
420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等
が用いられる。
【0009】塩基性染料としては、クリソイジン(C.
I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.
42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42
555)、マラカイトグリーン(C.I.4200
0)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレ
ンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB
(C.I.52015)等が用いられる。
【0010】直接染料としては、コンゴーレッド(C.
I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.
I.24400)、バイオレットBB(C.I.279
05)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.3
0235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35
225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.3
5255)、フタロシアニンブルー(C.I.7418
0)等が用いられる。
【0011】前記顔料としては、カーボンブラック、群
青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジ
ンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を
用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料
製品等が用いられ、例えば、 C.I.Pigment Blue 15:3B〔品
名:Sandye Super Blue GLL、顔
料分24%、山陽色素株式会社製〕 C.I. Pigment Red 146〔品名:S
andye Super Pink FBL、顔料分2
1.5%、山陽色素株式会社製〕 C.I.Pigment Yellow 81〔品名:
TC YellowFG、顔料分約30%、大日精化工
業株式会社製〕 C.I.Pigment Red 220/166〔品
名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工
業株式会社製〕等を挙げることができる。なお、前記顔
料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン
樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ア
クリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロ
ース、デキストラン、ガゼイン等、およびそれらの誘導
体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。蛍光顔料
としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶
体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金
属粉、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光
性顔料、香料又は香料カプセル顔料等を使用することも
できる。前記顔料は一種又は二種以上を適宜混合して使
用することができ、インキ組成物中1乃至25重量%、
好ましくは2乃至15重量%の範囲で用いられる。
【0012】前記水溶性有機溶剤としては、水に相溶性
のある従来汎用の溶剤が用いられ、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノー
ルアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げ
られる。尚、前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を
併用して用いることもでき、2〜60重量%、好ましく
は5〜35重量%の範囲で用いられる。
【0013】その他、必要に応じてpH調整剤、防腐剤
或いは防黴剤を添加することができる。前記pH調整剤
としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、ト
リエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性の
アミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。前
記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸
ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリ
ウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−
テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等
が挙げられる。その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ
素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面
活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加する
こともできる。
【0014】又、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド
樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セ
ルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を1種又は2種
以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビ
ット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加
水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を1種又は
2種以上添加することもできる。
【0015】前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶
乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウ
ェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有
機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分
子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカスト
ビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のア
ルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の
重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻よ
り抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデ
ンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれ
らの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシ
エチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導
体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8
〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアル
ケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは
混合して使用することができる。更に、N−アルキル−
2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリ
ビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いるこ
ともできる。前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中
0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
【0016】前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール
及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシ
ルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニ
ウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジア
ミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げ
られる。前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレ
ングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加
型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、チオカル
バミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げら
れる。
【0017】なお、好適に用いられる潤滑剤としては、
下記一般式(1)又は特公平1−13508号公報に記
載の燐酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
【0018】
【化1】 (式中、R1 は8〜18のアルキル基、アルケニル基、
或いは、フェニル基、アルキルフェニル基を示し、R2
はOH、OM、R−O−(CH2 CH2 O)nを示し、
Mは、アルカリ金属、アミン、アルカノールアミンを示
し、nは、1〜30を示す。)
【0019】本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊
維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボー
ルペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンや
ボールペンに充填される。
【0020】ボールペン自体の構造、形状は特に限定さ
れるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例
えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を
有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチッ
プに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用
の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
【0021】前記ボールペンチップについて更に詳しく
説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方
に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなる
チップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工に
より形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチッ
プ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工によ
り形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方
に付勢させたもの等を適用できる。又、前記ボールは、
超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の0.
3〜1.2mm径程度のものが適用できる。
【0022】前記インキ組成物を収容するインキ収容管
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体
が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられ
る。又、前記インキ収容管は、2.5〜10mmの内径
を有するものが好適に用いられる。更に、前記インキ収
容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用
いることにより、インキ色やインキ残量等を確認でき
る。前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接
続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結しても
よい。尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、
前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端
部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、
前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
【0023】前記インキ収容管に収容したインキ組成物
の後端にはインキ逆流防止体が充填される。前記インキ
逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いる
こともでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポ
リブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、
所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を
添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体
としては樹脂成形物が挙げられる。更に、前記液状及び
固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の筆記具用水性インキ組成
物は、水と水溶性有機溶剤からなる媒体中に、染料又は
顔料(顔料分散体)、合成ポリフェノール、添加剤が配
合される場合には適宜添加剤を投入し、必要により加温
して攪拌し、溶解及び分散することにより調製され、ボ
ールペン、サインペン、フェルトペン、筆ペン等の形態
の筆記具に充填して使用される。
【0025】
【実施例】本発明のインキ組成と比較例のインキ組成及
び調整方法を以下に示す。なお、配合中の数字は重量部
を示す。 実施例1 赤色酸性染料 5.0 〔アイゼン(株)製、C.I.Acid Red 92、 C.I.45410〕 エチレングリコール 15.0 キサンタンガム 0.5 ハイドロキノン〔精工化学(株)製〕 0.2 炭酸ナトリウム 0.5 石炭酸 0.5 水 78.5 合計 100.0
【0026】前記配合物を混合して60℃で加温しなが
ら1時間ミキサーにて攪拌し、冷却した後、濾過するこ
とにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。なお、
前記インキ組成物のPHは9.61であった。
【0027】 実施例2 蛍光顔料〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコール2117〕35.0 グリセリン 15.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) カテコール〔宇部興産(株)製〕 0.2 トリエタノールアミン 1.0 石炭酸 0.3 水 48.2 合計 100.0
【0028】前記配合物を混合して60℃で加温しなが
ら1時間ミキサーにて攪拌し、冷却した後、濾過するこ
とにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。なお、
前記インキ組成物のPHは8.22であった。
【0029】 実施例3 青色顔料 20.0 〔山陽色素(株)製、SS BLUE GLL、C.I.Pigment Blue 15:3B、顔料分24%〕 ジエチレングリコール 15.0 モノオレイン酸ヘキサグリセリル 13.0 〔日本サーファクタント(株)製、Hexaglyn 1−0〕 ピロガロール 0.05 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕 水 51.85 合計 100.0
【0030】前記配合物を混合して40℃で加温しなが
ら30分間スリーワンモーターにて攪拌し、冷却した
後、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得
られる。なお、前記インキ組成物のPHは7.43であ
った。
【0031】 実施例4 アルミペースト〔東洋アルミニウム(株)製、96−2104〕 7.0 EDTAのアミン塩〔キレスト(株)製、キレストM−50〕 1.0 α−シクロデキストリン 3.0 〔塩水港製糖(株)製、デキシパールK−100〕 グリセリン 8.0 エチレングリコール 8.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) フロログルシン 0.5 ナトリウムオマジン(商品名:トップサイド280) 0.3 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフM208B〕 水 71.4 合計 100.0
【0032】前記配合物を混合して2時間ディスパーに
て攪拌した後、濾過することにより筆記具用水性インキ
組成物が得られる。なお、前記インキ組成物のPHは
7.70であった。
【0033】 比較例1 赤色酸性染料 5.0 〔アイゼン(株)製、C.I.Acid Red 92、 C.I.45410〕 エチレングリコール 15.0 キサンタンガム 0.5 炭酸ナトリウム 0.5 石炭酸 0.5 水 78.7 合計 100.0
【0034】前記配合物を混合して60℃で加温しなが
ら1時間ミキサーにて攪拌し、冷却した後、濾過するこ
とにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。なお、
前記インキ組成物のPHは9.52であった。
【0035】 比較例2 蛍光顔料〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコール2117〕35.0 グリセリン 15.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) トリエタノールアミン 1.0 石炭酸 0.3 水 48.4 合計 100.0
【0036】前記配合物を混合して60℃で加温しなが
ら1時間ミキサーにて攪拌し、冷却した後、濾過するこ
とにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。なお、
前記インキ組成物のPHは8.10であった。
【0037】 比較例3 青色顔料 20.0 〔山陽色素(株)製、SS BLUE GLL、C.I.Pigment Blue 15:3B、顔料分24%〕 ジエチレングリコール 15.0 モノオレイン酸ヘキサグリセリル 13.0 〔日本サーファクタント(株)製、Hexaglyn 1−0〕 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕 水 51.9 合計 100.0
【0038】前記配合物を混合して40℃で加温しなが
ら30分間スリーワンモーターにて攪拌し、冷却した
後、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得
られる。なお、前記インキ組成物のPHは7.36であ
った。
【0039】 比較例4 青色顔料 20.0 〔山陽色素(株)製、SS BLUE GLL、C.I.Pigment Blue 15:3B、顔料分24%〕 ジエチレングリコール 15.0 ピロガロール 0.05 モノオレイン酸ヘキサグリセリル 13.0 〔日本サーファクタント(株)製、Hexaglyn 1−0〕 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212C、ポリオキシエチ レントリデシルエーテルのリン酸モノエステルとジエステルの混合物〕 水 51.35 合計 100.0
【0040】前記配合物を混合し 40℃で加温しなが
ら1時間ミキサーにて攪拌し、冷却した後、濾過するこ
とにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。なお、
前記インキ組成物のPHは3.42であった。
【0041】 比較例5 アルミペースト〔東洋アルミニウム(株)製、96−2104〕 7.0 EDTAのアミン塩〔キレスト(株)製、キレストM−50〕 1.0 α−シクロデキストリン 3.0 〔塩水港製糖(株)製、デキシパールK−100〕 グリセリン 8.0 エチレングリコール 8.0 サクシノグリカン 0.3 (構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体) ナトリウムオマジン(商品名:トップサイド280) 0.3 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフM208B〕 水 71.9 合計 100.0
【0042】前記インキ調製方法により、実施例インキ
及び比較例インキを調製し、直径0.4mmのボールを抱
持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製
パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填
し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防
止体を充填した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組
み込み、ボールペンとした。
【0043】前記の如くして得たボールペンを50℃で
30日間放置した後、初期と比較してインキ収容管内の
気泡の発生の有無、及び筆記試験により筆跡の状態を目
視により観察した。その結果を以下に示す。
【0044】
【表1】
【0045】尚、前記表中の判定基準は以下の通り。筆
跡の状態 ○:良好な筆跡が得られる。 ×:筆跡にカスレが見られる。
【0046】
【発明の効果】本発明の筆記具用水性インキは、合成ポ
リフェノール或いはその誘導体が配合されているので気
泡が発生することなく、従って、前記インキを用いた筆
記具は、経時により気泡が発生せず、筆記先端部へのイ
ンキ導出が円滑に行われ、安定した筆記性能を持続させ
ることができ、継続して良好な筆跡が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA01 GA02 GA03 GA04 GA06 KF03 NA10 NC06 4J039 AB01 AB02 AB04 AB07 AB12 AD06 AD09 AD10 AE07 BA04 BA23 BC07 BC09 BC12 BC13 BC16 BC19 BC20 BC29 BC31 BC35 BC36 BC50 BC54 BC60 BE03 BE04 BE05 BE12 BE22 BE23 BE24 BE33 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA42 EA44 EA48 GA26 GA27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、水、水溶性有機溶剤、剪断減粘
    性付与剤、及び合成ポリフェノール或いはその誘導体を
    含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記合成ポリフェノール或いはその誘導
    体をインキ組成物中0.001〜5重量%含んでなる請
    求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 インキ組成物のPHが7以上である請求
    項1又は2記載の筆記具用水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 インキ消費に伴って追従するインキ逆流
    防止体を配置するタイプの筆記具において、請求項1乃
    至3記載のいずれかのインキ組成物を充填してなる筆記
    具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274017A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Pilot Ink Co Ltd ペン芯式筆記具用インキ組成物及びそれを収容したペン芯式筆記具
JP2015105280A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 ぺんてる株式会社 ボールペン用水性インキ組成物
JP2017210547A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具

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