JP4308675B2 - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 Download PDF

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Description

本発明は筆記具用水性インキ組成物、及び、前記筆記具用水性インキ組成物とインキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体を充填した筆記具に関する。
従来より、水性インキのうち剪断減粘性を有するインキとして、高分子多糖類等の剪断減粘性付与剤を含む水性ボールペン用インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において安定的に保持されており、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写される。前記紙面に転写されたインキは剪断力から開放されるため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の滲みを発生させない。
更に、前記した剪断減粘性に依存してインキ漏れが発生することなく、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(ペン芯)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる。
前記した従来の剪断減粘性を示す水性インキを用いた筆記具は構造が簡易であり、前記流量調節部材を用いた筆記具のようにインキの消費に伴って内部に空気が入り込まないことから内部圧力の変化が少なく、インキのボタ落ちを生じない利点も有する反面、インキの調製及び充填に際し、特別な配慮が必要である。これは、インキ後端面には前記インキ中の溶剤が蒸発することを防止したり、或いは筆記先端部が上向き状態(正立状態)においてインキの逆流を防止するインキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体(液栓)が充填されるためであり、インキは外部の空気と遮断された気密空間に存在するため、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞れがあるからである。
これとは別に、前記インキ逆流防止体が充填されるタイプの筆記具として、筆記先端部近傍に弁機構を設けることによって、剪断減粘性を示さない水性インキ組成物を充填することもできるが、前記と同様に気泡が存在すると筆記性能に悪影響を与える。
前記した問題を解決するためには、機械的にインキ中の気体を取り除く脱泡処理が主に行われているが、この方法のみでは充分な脱泡ができ難く、インキ中に気体が残ることがある。又、顔料、金属粉、酸化チタン等の溶剤に不溶の着色剤を用いる場合、遠心脱泡等の処理を行うと着色剤がインキ収容容器中に偏在するといった不具合を生じる。
従って、インキ中の気体を化学的に除去する方法が考えられ、例えば、アスコルビン酸誘導体を添加したり、α−トコフェロールを添加する試みが開示されている(例えば、特許文献2乃至3参照)。
特開平4−214782号公報 特公平7−113101号公報 特開平10−330672号公報
しかしながら、前記インキ中の気体を化学的に除去する化合物のうち、アスコルビン酸誘導体は着色剤として顔料を用いる系においては、前記顔料の凝集を生じ易くなり実用が制限される。また、α−トコフェロールは水不溶性のため経時によって分離し、気体の除去機能を永続して発現させ難いものである。
本発明は、前記したインキ中の気体を化学的に除去する特定の化合物を用いることによって、実用性が広く、且つ、良好な筆記性能を得ることができる筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供することにある。
本発明は、少なくとも着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなる筆記具用水性インキ組成物において、一般式(1)で表されるクロロゲン酸類を含んでなる筆記具用水性インキ組成物を要件とする。更に、前記クロロゲン酸類をインキ組成物中0.01〜5重量%含んでなることを要件とする。更には、インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体を収容するタイプの筆記具に前記水性インキ組成物を充填してなる筆記具を要件とする。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、クロロゲン酸類を配合することにより、他の添加剤に悪影響を及ぼすことなく顕著な気泡除去機能を発現するので、前記インキを用いた筆記具は、経時により気泡が発生せず、筆記先端部へのインキ導出が円滑に行われ、安定した筆記性能を持続させることができ、継続して良好な筆跡が得られる。
前記クロロゲン酸類は、カフェ酸等の桂皮酸誘導体と、キナ酸とのエステル(クロロゲン酸又はクロロゲン酸誘導体)の総称であり、下記一般式(1)で与えられるもの、又はその誘導体である。
前記クロロゲン酸類は、弱い還元性を示すので、インキ組成物中に添加することで良好な酸素吸収能を発現する。従って、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを抑制するものと推察される。
一般式(1)
Figure 0004308675
(R、R、RはそれぞれH又は
Figure 0004308675
を示す。但し、R 、R 、R すべてがHである場合を除く。
前記クロロゲン酸類としては、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸、5−フェロイルキナ酸等が挙げられる。更に、これらクロロゲン酸類の機能(還元性)を有するクロロゲン酸誘導体も適用できる。以下に5−カフェオイルキナ酸の構造式を示す。
Figure 0004308675
前記クロロゲン酸類は、インキ組成中0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%添加することができる。
0.01重量%以下では所期の気泡発生抑止効果を得ることは困難であり、又、5重量%以下であれば所期の効果が十分に得られるので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
なお、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、ガゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
更に、可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料や、前記可逆熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料を使用することもできる。
前記顔料は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1乃至25重量%、好ましくは2乃至15重量%の範囲で用いられる。
また、前記水溶性有機溶剤としては、水に相溶性のある従来汎用の溶剤が用いられ、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じてpH調整剤、防腐剤或いは防黴剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
更には、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
又、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を1種又は2種以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を1種又は2種以上添加することもできる。
前記水性インキ組成物には、剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いることもできる。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
その他、必要に応じて防錆剤、潤滑剤等を添加することができる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
尚、特に好適に用いられる潤滑剤としては、特公平1−13508号公報に記載の燐酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填される。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用できる。
前記水性インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。また、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端には、インキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
更に、前記液状及び固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、水媒体中に、染料又は顔料(顔料分散体)、水溶性有機溶剤、クロロゲン酸類、必要により剪断減粘性付与剤や各種添加剤を投入し、必要により加温して攪拌し、溶解及び分散することにより調製され、ボールペン、サインペン、フェルトペン、筆ペン等の形態の筆記具に充填して使用される。
本発明のインキ組成及び比較例のインキ組成を以下に示す。
尚、配合中の数字は重量部を示す。
実施例1
青色顔料 25.0
〔山陽色素(株)製、商品名:SS BLUE GLL〕
エチレングリコール 15.0
サクシノグリカン 0.3
(構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1
〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕
トリエタノールアミン 0.5
クロロゲン酸類 0.3
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
水 58.3
合計 100.0
前記配合物を混合して室温でディスパーにて3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。
実施例2
赤色染料 5.00
〔アイゼン(株)製、商品名:フロキシン、C.I.Acid Red92、C.I.45410〕
ジエチレングリコール 15.00
キサンタンガム 0.30
炭酸ナトリウム 0.30
石炭酸 0.30
クロロゲン酸類 0.05
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
水 79.05
合計 100.00
前記配合物を混合して室温でディスパーにて3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。
実施例3
ピンク色蛍光顔料 40.0
〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコールNKW−2117〕
グリセリン 15.0
トリエタノールアミン 0.5
サクシノグリカン 0.3
ナトリウムオマジン 0.3
〔パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280〕
クロロゲン酸類 0.2
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
水 43.7
合計 100.0
前記配合物を混合して室温でディスパーにて3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。
実施例4
アルミペースト 7.0
〔東洋アルミニウム(株)製、商品名:96−2104〕
グリセリン 15.0
サクシノグリカン 0.3
(構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体)
ナトリウムオマジン 0.3
〔パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280〕
EDTAのアミン塩 1.0
〔キレスト(株)製、商品名:キレストM−50〕
α−サイクロデキストリン 3.0
〔塩水港製糖(株)製、商品名:デキシパールK−100〕
トリエタノールアミン 0.3
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
クロロゲン酸類 1.0
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
水 71.6
合計 100.0
前記配合物を混合して室温でディスパーにて3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。
実施例5
感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料 12.00
(34℃以上で無色に色変化し、13℃以下で青色に色変化する)
グリセリン 11.00
尿素 11.00
キサンタンガム 0.33
ノニオン系浸透性付与剤 0.55
〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコSW−WET−366〕
変性シリコーン系消泡剤 0.13
〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコ8034〕
クロロゲン酸類 0.20
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.13
〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕
水 64.66
合計 100.00
前記配合物を混合して室温でディスパーにて3時間攪拌し、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物が得られる。
比較例1
実施例1で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
比較例2
実施例2で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
比較例3
実施例3で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
比較例4
実施例4で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
比較例5
実施例5で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
前記インキ調製方法により、実施例インキ及び比較例インキを調製し、直径0.5mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防止体を充填して遠心処理を施した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、ボールペンの形態とした。
前記の如くして得た初期のボールペン、及び、50℃で60日間放置したボールペン(経時後)のインキ収容管内の気泡の発生の有無、及び筆記試験(JIS P3201筆記用紙Aに手書き筆記)により筆跡の状態を目視により観察した。
その結果を以下に示す。
Figure 0004308675
尚、前記表中の判定基準は以下の通り。
筆跡の状態
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレが見られる。

Claims (3)

  1. 少なくとも着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とを含んでなる筆記具用水性インキ組成物において、下記一般式で表されるクロロゲン酸類を含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
    Figure 0004308675
    (R、R、RはそれぞれH又は
    Figure 0004308675
    を示す。但し、R 、R 、R すべてがHである場合を除く。
  2. 前記クロロゲン酸類をインキ組成物中0.01〜5重量%含んでなる請求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. インキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体を収容するタイプの筆記具において、請求項1又は2に記載の水性インキ組成物を充填してなる筆記具。
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