JP2001079669A - 曲面の多点スポット溶接方法および溶接装置 - Google Patents

曲面の多点スポット溶接方法および溶接装置

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JP2001079669A JP25650199A JP25650199A JP2001079669A JP 2001079669 A JP2001079669 A JP 2001079669A JP 25650199 A JP25650199 A JP 25650199A JP 25650199 A JP25650199 A JP 25650199A JP 2001079669 A JP2001079669 A JP 2001079669A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面の多点スポット溶接において、溶接装置
の構造を簡単にし、段取りにかかる工数を低減する。 【解決手段】 各溶接点において、マフラシェルW1へ
の接線Sが溶接チップ48のシフト方向に垂直となるよ
うに、マフラシェルを保持するマンドレル60を回転さ
せるとともに、溶接チップのシフト線が上記溶接点を通
る位置にガンユニットを横方向に移動させてから、溶接
チップをシフトさせスポット溶接する。(a)はマフラ
シェルの断面長手方向を水平とした状態での溶接第1点
P1、(b)は溶接第2点P2、(c)は溶接第3点P
3を示す。1本のガンユニットを用いるので構造が簡単
となり、マンドレルの回転角度とガンユニットの移動位
置をプログラム制御することにより種々の溶接部品に容
易に対応でき、段取り工数が大幅に低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両排気系
のマフラ製造におけるマフラシェルとその内部に設置す
るバッフルとの周面にそったスポット溶接など、曲面の
多点スポット溶接方法および溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばマフラシェルとバッフルと
をスポット溶接で結合する場合、周方向にそった溶接点
の数と同数の溶接ガンを備えた溶接装置を用い、バッフ
ルを内部にセットしたマフラシェルをマンドレルに取付
けて、各溶接ガンを同時あるいは順次に対応するそれぞ
れの溶接点に向けてストロークさせ、通電して溶接を行
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように多数の溶接ガンを用いる溶接装置では、装置のコ
ストが高く、構造もきわめて複雑である。溶接ガンの総
数を減らすため、例えば1つの溶接ガンで隣接する2つ
の溶接点を賄うこととしても、すべての溶接ガンの向き
をそれぞれ溶接点に合わせて変化させるための構造が同
じく装置全体の構造を複雑化させる。
【0004】そして、溶接部品の切替えに際しては、マ
ンドレルを交換することはもちろんであるが、溶接部品
の曲面の形状に合わせて溶接点の面に垂直に溶接ガンが
当接するよう、各溶接ガンの位置および方向をすべて変
更しなければならず、その段取りに要する工数が非常に
大きいという問題を有している。
【0005】したがって本発明は、上記従来の問題点に
鑑み、構造が簡単で、しかも種々の溶接部品に容易に対
応させることができ、段取りにかかる工数を大幅に低減
することができる曲面の多点スポット溶接方法および溶
接装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の本
発明溶接方法は、シフト可能に溶接チップを備え、その
シフト方向が保持された1本のガンユニットを用い、各
溶接点ごとに、(1)当該溶接点におけるワークへの接
線がガンユニットの溶接チップのシフト方向に垂直とな
るように、マンドレルを所定角度回転させてワークを傾
斜させるステップ、(2)溶接チップのシフト線が上記
傾斜状態における溶接点を通る位置にガンユニットを横
方向に移動させるステップ、(3)溶接チップをシフト
させワークの溶接点に押圧させてスポット溶接するステ
ップの3ステップを繰り返すものとした。ガンユニット
を横方向移動可能とし、マンドレルを回転させることに
より、1本のガンユニットでワークの周上を1点ずつス
ポット溶接するから、溶接装置が簡単な構造となり、ワ
ークの機種変更に際しての段取りも簡便なものとなる。
【0007】ワークが筒状部材と該筒状部材の内部に結
合する筒内部材である場合は、それをマンドレル上に嵌
挿し、さらに、上記3ステップの間、筒状部材の端部を
マンドレルの回転軸と整合させた回転軸まわりに回転自
由のガイド部材で支持することができる。これにより、
ワーク全体が精度良く確実に保持される。
【0008】また、複数の溶接点の溶接順序を、ワーク
の曲面上互いに離れた数カ所の溶接点を先に溶接したあ
と、当該先に溶接した溶接点の間の他の溶接点を溶接す
るのが好ましい。1本のガンユニットで1点ずつスポッ
ト溶接しながらも、偏りのない設計どおりの均一な溶接
結合を得ることができる。
【0009】請求項4の本発明溶接装置は、固定側に回
転可能に支持され、曲面を有するワークを支持するマン
ドレルと、該マンドレルに向けて溶接チップをシフト可
能で、マンドレルの回転軸と直角方向に移動可能に設け
られたガンユニットと、マンドレルの回転とガンユニッ
トの移動を制御する制御手段とを備え、制御手段は、溶
接点ごとに当該溶接点におけるワークへの接線が溶接チ
ップのシフト方向に対して垂直となるまでマンドレルを
回転させるとともに、溶接チップのシフト線が当該溶接
点と交わる位置までガンユニットを移動させることによ
り、複数の溶接点を順次に溶接するものとした。ワーク
の曲面上を1点ずつ溶接するので、ガンユニットが1本
で済み、全体構造がきわめて簡単なものとなる。また、
プログラムによりマンドレルの回転角度およびガンユニ
ットの移動位置を制御することができるから、種々の溶
接部品に容易に対応させることができる。
【0010】上記マンドレルは、モータにより駆動され
るマンドレルシャフトに取り付けることにより、機種変
更に際して、部材としてはマンドレルを交換するだけで
済み、段取り作業が簡単である。
【0011】さらにガイド部材を回転可能に取付けた支
持軸を有するワーク保持手段を備えて、ガイド部材をマ
ンドレルに支持されたワークの端部に係合させることに
よりワークを保持させることができる。これにより、溶
接中のワークの保持が一層向上する。また、ワークの機
種変更に際して、ガイド部材も支持軸に対して交換取付
するだけで済む。
【0012】また、上記ワーク保持手段は回動軸回りに
回動するアームの先端部にスライド可能に設けられ、支
持軸をマンドレルの回転軸と整合させた状態でワーク保
持手段をスライドさせることによりガイド部材をワーク
の端部に係合させるものとすることができる。これによ
り、簡単な操作でガイド部材をワークに係合させ保持す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により説明する。図1はマフラシェルとバッフルの溶
接に適用した実施例における溶接装置の構造を示す側面
図、図2は正面図、図3は平面図である。装置の基礎を
なすフレームユニット10にコラム11が直立に固定さ
れ、コラム11の中間の高さ位置にマンドレルシャフト
13が支持されている。コラム11の上部にはガンブラ
ケット20が固定され、ガンブラケット20の先端部に
はガンユニット40が横方向移動可能に設けられてい
る。
【0014】そして、コラム11の上端には、アーム3
0が回動軸31を介して取り付けられ、手動操作により
水平面内を回動可能となっている。アーム30の先端に
はレール32が設けられ、レール32にそってワーク保
持ユニット50がスライド可能に取り付けられている。
また、アーム30の中間部にはローラ33が設けられ、
ガンブラケット20の端部近傍に横方向に延びるように
付設されたレールブラケット21の上面をローラ33が
転動するようになっている。これにより、回動軸31に
取り付けられたアーム30の中間部がローラ33を介し
てレールブラケット21に支持され、水平の姿勢を保持
する。
【0015】以下、各部の詳細について説明する。マン
ドレルシャフト13はベアリング15によりコラム11
に対して回転自在に支持され、ガンブラケット20が延
びている側の端部にマンドレル取付部14を備えてい
る。コラム11を貫通して反対側に延びたマンドレルシ
ャフト13の他端には、第1プーリ16が取り付けられ
ている。コラム11の側壁には駆動モータ17が設置さ
れ、駆動モータ17に取り付けられた第2プーリ18と
マンドレルシャフト13の第1プーリ16の間にベルト
19が掛けられて、駆動モータ17によりマンドレルシ
ャフト13を回転させるようになっている。
【0016】とくに図2、図3に示されるように、ガン
ブラケット20の先端部には横方向に延びるガンスライ
ドレール23が上下2本設けられ、ガンユニット40の
上部に設けられたスライドブロック42がガンスライド
レール23にそってスライド可能となっている。ガンユ
ニット40には上下のスライドブロック42の間に、さ
らにボールナット44が設けられ、ボールナット44は
上下のガンスライドレール23の間に配置されたねじシ
ャフト25と噛み合っている。
【0017】ねじシャフト25はベアリング26により
支持されるとともに、ガンブラケット20に固定された
スライド用モータ28に一端が連結されている。これに
より、スライド用モータ28でねじシャフト25が回転
すると、ボールナット44を介してガンユニット40が
ガンスライドレール23にそって横方向に移動する。こ
の際、ガンユニット40は上下2点のスライドブロック
42、42でガンスライドレール23に支持され、垂直
姿勢を保持して移動する。ガンユニット40は、先端に
溶接チップ48を備えて上下にシフトするガンロッド4
6を下端に備えている。
【0018】駆動モータ17およびスライド用モータ2
8は制御装置100から指令を受けて作動する。また、
ガンユニット40の作動タイミングも同様に制御装置1
00により制御される。
【0019】ワーク保持ユニット50は、上下に延びる
メインメンバ51の下端にガイド支持軸55を備え、ガ
イド支持軸55にシェルガイド57を取付けている。ガ
イド支持軸55はアーム30と平行に設置され、支持ベ
アリング56を介して自由回転可能となっている。シェ
ルガイド57は、円盤部58にマフラシェルW1の端部
開口形状に対応させて配置された爪ピン59を備え(図
4参照)、円盤部58の爪ピン59を備えた面をコラム
側11に向けてガイド支持軸55に取り付けられる。ガ
イド支持軸55、すなわちシェルガイド57の回転軸は
マンドレルシャフト13と整合させ、同じ高さに設定さ
れている。
【0020】メインメンバ51の上部には当該メインメ
ンバと斜め部材を含むサブメンバ52とにより3角フレ
ームが形成され、この3角フレーム上に間隔を置いてロ
ーラ53が設けられている。メインメンバ51の中間部
には取っ手54が設けられ、手動操作によりアーム30
の長手方向に付勢すると、ローラ53がアーム先端のレ
ール32にそって転動することにより、ワーク保持ユニ
ット50がアーム30にそってスライドする。なお、取
っ手54を離すと、ワーク保持ユニット50は図示しな
いストッパ機構によりその際のレール32上の現在位置
に固定される。
【0021】図4は、ワーク回りを拡大して示す図であ
る。マンドレル取付部14に筒状のマンドレル60がボ
ルトで取り付けられる。このマンドレル60に、あらか
じめマフラシェルW1内の所定位置にフランジ付きのバ
ッフルW2を圧入した仮アセンブリをワークとして一方
の開口から被せて、バッフルW2をマンドレル60の先
端に当接させる。なお、図中W3はバッフルW2にサブ
アセンブリされたパイプである。マンドレル60は、こ
の状態でガンユニット40のガンロッド46をストロー
クさせたとき、溶接チップ48がバッフルW2のフラン
ジFに対応する部位に来るように設定される。
【0022】マフラシェルW1の他方の開口には、ワー
ク保持ユニット50のガイド支持軸55に取り付けられ
たシェルガイド57が押し付けられている。円盤状のシ
ェルガイド57に設けられた爪ピン59がマフラシェル
W1の開口内に挿入されて、マフラシェルの仮アセンブ
リを端部で支持する。
【0023】マンドレル60を支持するマンドレルシャ
フト13とガンユニット40とは、駆動モータ17およ
びスライド用モータ28の駆動制御を介して、連動して
制御される。すなわち、ワークであるマフラシェルW1
(およびバッフルW2)の周方向の各溶接点において、
溶接チップ48がマフラシェルの周面(曲面)に対して
垂直になるように、マンドレル60を回転させるととも
に、ガンユニット40が横方向にスライドされる。
【0024】図5、図6はガンユニット40(ガンロッ
ド、溶接チップ)およびマンドレル60の移動、回転の
状態を示す。ここでは、マンドレル60(マフラシェ
ル)の断面が左右対称なものとする。スポット溶接第1
点P1は、図5の(a)に示すように、まずマフラシェ
ルW1の断面長手方向を水平とした状態で、マフラシェ
ルの中心軸Z(マンドレルシャフト中心)の真上にガン
ユニットを位置させて、ガンロッド46をシフトさせ溶
接チップ48をマフラシェルW1に押圧させて通電し、
溶接を実行する。
【0025】つぎにガンロッド46を上方へ退避させた
あと、駆動モータ17によりマンドレルシャフト13を
回転させ、図5の(b)に示すように、マフラシェルW
1を図中右回りに所定角度α1だけ傾斜させる。そし
て、スライド用モータ28を作動させて、この傾斜状態
でのマフラシェル断面における接線Sが水平となる中心
軸ZからD1の位置に、ガンユニット40を移動させ
る。この水平接線位置にガンロッド46をシフトさせ溶
接チップ48をマフラシェルW1に押圧させて、溶接第
2点P2とする。
【0026】溶接第3点P3は、溶接第2点を溶接して
ガンロッド46を上方へ退避させたあと、マンドレルシ
ャフト13を回転させ、図5の(c)に示すように、マ
フラシェルW1を今度は左回りに所定角度α2(=−α
1)だけ傾斜させて、第2点と同様に、接線Sが水平と
なる中心軸からD2(=−D1)の位置とする。距離D
1、D2は溶接第2点P2および第3点P3が第1点P
1から離れたマフラシェルW1の端部になるように設定
される。
【0027】溶接第4点から第6点は、とくに図示しな
いが、さらにマンドレルシャフト13を回転させ、中心
軸Zに関して第1点P1から第3点P3と対称の位置に
溶接が行なわれる。このようにしてマフラシェルの周上
数点でマフラシェルW1とバッフルW2が均等に結合さ
れると、つぎには、図6に示すように、マンドレルシャ
フト13を回転させてマフラシェルW1を所定角度α3
(>α1)だけ傾斜させて、接線Sが水平となる中心軸
ZからD3の位置を溶接第7点P7とする。ガンユニッ
ト40を対応する位置に移動させたうえ、ガンロッド4
6をシフトさせ溶接チップ48をマフラシェルW1に押
圧させて溶接を行う。
【0028】以下、同様にして、マンドレルシャフト1
3を回転させてマフラシェルW1を所定の傾斜状態と
し、その水平接線位置にガンユニット40を移動させる
ことにより、先に溶接された溶接第1点から第6点、あ
るいは第7点の各点の間に1または数点順次にガンロッ
ド46のシフトおよび溶接チップ48への通電を実行し
て、周上に必要な点数のスポット溶接を完了する。
【0029】なお、マフラシェルの所定範囲が平面であ
る場合は、当然にその間はマンドレルの姿勢を固定した
ままガンユニット40だけを移動させることになる。設
定された上記各溶接点に対応するマンドレルシャフト1
3の回転角度およびガンユニット40の移動位置はプロ
グラム化されて、駆動モータ17およびスライド用モー
タ28が制御装置100により制御される。
【0030】上記の溶接装置の使用要領について、次に
説明する。まず、アーム30が回動軸31を中心にガン
ユニット40上から外れた方向に開いている状態(図3
に実線状態参照)で、あらかじめマフラシェルW1内の
所定位置にフランジ付きのバッフルW2を圧入したもの
を、上記フランジFがマンドレル60側となる向きにマ
ンドレルに被せ、バッフルW2がマンドレル60の先端
に当接するまで挿入する。なお、溶接装置のマンドレル
60の初期姿勢は上記プログラムにより、マフラシェル
W1の断面長手方向を水平とした状態に設定しておくこ
とができる。
【0031】つぎに、アーム30を回動させてマンドレ
ルシャフト13と同方向に整合させ、ワーク保持ユニッ
ト50のガイド支持軸55をマンドレル60の中心軸
(マンドレルシャフト中心)の真正面に位置させる(図
3の仮想線状態参照)。そして、ワーク保持ユニット5
0を取っ手54をもってマンドレル60方向にスライド
させ、ガイド支持軸55に取り付けられたシェルガイド
57の爪ピン59をマフラシェルW1端部の開口内に根
元まで挿入する。こうしてワークをセットしたあと、図
示しないスイッチを操作して制御装置100を作動さ
せ、プログラムにしたがって上述のように各溶接点のス
ポット溶接を実行させる。
【0032】溶接が完了すると、ワーク保持ユニット5
0をレール32にそって後退させ、マフラシェルW1か
らシェルガイド57を離脱させる。それから、アーム3
0を側方へ回動させて、バッフルW2が溶接されたマフ
ラシェルW1をマンドレル60から引き抜いて、1個の
マフラシェルとバッフルの溶接工程を完了する。
【0033】マフラシェルの機種変更あるいはワークの
変更に際しては、マンドレル取付部14にボルトで取り
付けられたマンドレル60を交換するとともに、ワーク
保持ユニット50のガイド支持軸55に取り付けられた
シェルガイド57を交換する。そして、制御装置100
のプログラムを切換えることにより準備完了する。
【0034】本実施例は以上のように構成され、ガンユ
ニット40を横方向移動可能とし、マンドレル60を回
転させることにより、1本のガンユニットでワークの周
上を1点ずつスポット溶接するものとしたので、溶接装
置の構造がきわめて簡単なものとなる。また、プログラ
ムによりマンドレル60の回転角度およびガンユニット
40の移動位置を制御するから、種々の溶接部品に容易
に対応させることができる。そして、溶接部品はマンド
レル60とシェルガイド57で保持しているだけである
から、機種変更に際しても各1つのマンドレルとシェル
ガイドを交換し、プログラムを切換えるだけで済むの
で、段取りにかかる工数を大幅に低減することができ
る。
【0035】また、溶接順序として、はじめに溶接部品
の周上互いに離れた数点をスポット溶接したあと、それ
らの間に必要数のスポット溶接を行うので、1本のガン
ユニットで1点ずつスポット溶接しながら、偏りのない
設計どおりの均一な溶接結合を得ることができる。
【0036】なお、実施例では、ガンユニット20を上
下方向に配し、溶接チップ48が垂直にシフトするもの
としているが、これに限定されず、本発明はガンユニッ
トを斜めあるいは水平に配置した場合にも適用でき、溶
接点におけるワークへの接線が溶接チップのシフト方向
に対して垂直となるまでマンドレルを回転させるととも
に、同じくシフト方向に対して垂直の方向にガンユニッ
トを移動させればよい。
【0037】また、実施例では、ワーク保持ユニット5
0をアーム30のレール32にそってスライドさせるこ
とにより、マフラシェルW1にシェルガイド57の爪ピ
ン59を根元まで挿入するようにしているが、例えば、
ガイド支持軸55をエアシリンダで進退可能とし、シェ
ルガイドの爪ピン59を若干量マフラシェルW1に差し
込んだあとは、エアシリンダの作動によりガイド支持軸
55を進出させ、シェルガイドの円盤部58をマフラシ
ェルW1の端部に当接させて、溶接の間所定の押圧力を
マフラシェルに及ぼすようにしてもよい。さらには、全
溶接点のスポット溶接が完了したら、プログラムにより
自動的にエアシリンダを作動させて、ガイド支持軸55
を後退させることもできる。
【0038】また、アーム30とガンブラケット20の
間にはロック機構を設けて、ワーク保持ユニット50の
ガイド支持軸55がマンドレル60の中心の真正面にき
て両者の軸が一直線になったとき、アーム30をガンブ
ラケット20にロックするようにすれば、溶接中のマフ
ラシェルの支持が一層確実となる。ロック機構は、ワー
ク保持ユニットの取っ手54部分に組み込まれアーム3
0を側方へ回動するとき作動する図示しないスイッチに
より解除される。
【0039】なお、実施例はワークとして周方向に曲面
となっているマフラシェルとバッフルについて説明した
が、本発明はこれに限定されず、結合部に曲面を有する
種々の部品のスポット溶接に適用することができる。と
くに球面上の複数ケ所を溶接する場合には、マンドレル
をマンドレルシャフトの1軸のみでなく、3軸回転機構
を用いて3次元に回転させることにより、各溶接点の接
線(この場合は接平面となる)を溶接チップのシフト方
向に対して垂直とすることができる。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の溶接方法は、1
本のガンユニットを用いて、各溶接点ごとに、溶接点に
おけるワークへの接線がガンユニットの溶接チップのシ
フト方向に垂直となるように、マンドレルを所定角度回
転させてワークを傾斜させるとともに、溶接チップのシ
フト線が傾斜状態における溶接点を通る位置にガンユニ
ットを横方向に移動させて溶接するようにしたので、溶
接装置が簡単となる。そして、マンドレルの回転角度お
よびガンユニットの移動位置はプログラムにより制御す
ることができるから、種々の溶接部品に容易に対応させ
ることができ、段取りにかかる工数を大幅に低減するこ
とができるという効果を有する。
【0041】とくにワークが筒状部材と該筒状部材の内
部に結合する筒内部材である場合は、それをマンドレル
上に嵌挿し、さらに筒状部材の端部を回転自由のガイド
部材で支持することにより、ワーク全体を精度良く確実
に保持することができる。
【0042】また、複数の溶接点の溶接順序として、ワ
ークの曲面上互いに離れた数カ所の溶接点を先に溶接し
たあと、残りの溶接点を溶接することにより、偏りのな
い設計どおりの均一な溶接結合を得ることができる。
【0043】また本発明の溶接装置は、固定側に回転可
能に支持されたマンドレルと、マンドレルの回転軸と直
角方向に移動可能に設けられたガンユニットと、マンド
レルの回転とガンユニットの移動を制御する制御手段と
を備えて、溶接点ごとにワークへの接線が溶接チップの
シフト方向に対して垂直となるまでマンドレルを回転さ
せるとともに、溶接チップのシフト線が当該溶接点と交
わる位置までガンユニットを移動させることにより、複
数の溶接点を順次に溶接するものとしたので、ガンユニ
ットが1本で済み、全体構造がきわめて簡単なものとな
る。
【0044】マンドレルは、モータにより駆動されるマ
ンドレルシャフトに取り付けることにより、機種変更に
際して、部材としてはマンドレルを交換するだけで済
み、段取り作業が簡単となる。さらにガイド部材を回転
可能に取付けた支持軸を有するワーク保持手段を備え
て、ガイド部材をマンドレルに支持されたワークの端部
に係合させることにより、溶接中のワークの保持が一層
向上する。この場合も、ガイド部材を交換するだけでワ
ークの機種変更に容易に対応できる。
【0045】また、ワーク保持手段はとくに回動するア
ームの先端部にスライド可能に設け、スライドさせるこ
とによってガイド部材をワークの端部に係合させるよう
に構成することにより簡単な操作でガイド部材をワーク
に係合させ保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における溶接装置の構造を示す
側面図である。
【図2】実施例における溶接装置の正面図である。
【図3】実施例における溶接装置の平面図である。
【図4】ワーク回りを拡大して示す図である。
【図5】ガンユニットとマンドレルの作動状態を示す説
明図である。
【図6】ガンユニットとマンドレルの作動状態を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 フレームユニット 11 コラム 13 マンドレルシャフト 14 マンドレル取付部 15 ベアリング 16 第1プーリ 17 駆動モータ(モータ) 18 第2プーリ 19 ベルト 20 ガンブラケット 21 レールブラケット 23 ガンスライドレール 25 ねじシャフト 26 ベアリング 28 スライド用モータ 30 アーム 31 回動軸 32 レール 33 ローラ 40 ガンユニット 42 スライドブロック 44 ボールナット 46 ガンロッド 48 溶接チップ 50 ワーク保持ユニット(ワーク保持手段) 51 メインメンバ 52 サブメンバ 53 ローラ 54 取っ手 55 ガイド支持軸(支持軸) 56 支持ベアリング 57 シェルガイド(ガイド部材) 58 円盤部 59 爪ピン 60 マンドレル 100 制御装置(制御手段) W1 マフラシェル(筒状部材) W2 バッフル(筒内部材) S 接線 F フランジ Z 中心軸(マンドレルの回転軸)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合部に曲面を有するワーク(W1、W
    2)をマンドレル(60)に支持し、マンドレル上のワ
    ークにガンユニットの溶接チップを押圧させて複数の溶
    接点をスポット溶接する曲面の多点スポット溶接方法で
    あって、シフト可能に溶接チップ(48)を備え、その
    シフト方向が保持された1本のガンユニット(40)を
    用い、各溶接点ごとに、(1)当該溶接点におけるワー
    クへの接線(S)が前記ガンユニットの溶接チップのシ
    フト方向に垂直となるように、前記マンドレルを所定角
    度回転させてワークを傾斜させるステップ、(2)前記
    溶接チップのシフト線が前記傾斜状態における溶接点を
    通る位置に前記ガンユニットを横方向に移動させるステ
    ップ、(3)前記溶接チップをシフトさせワークの溶接
    点に押圧させてスポット溶接するステップの3ステップ
    を繰り返すことを特徴とする曲面の多点スポット溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ワークが筒状部材(W1)と該筒状
    部材の内部に結合する筒内部材(W2)であって、前記
    マンドレル(60)上に嵌挿し、さらに、前記3ステッ
    プの間、前記筒状部材の端部をマンドレルの回転軸
    (Z)と整合させた回転軸まわりに回転自由のガイド部
    材(57)で支持することを特徴とする請求項1記載の
    曲面の多点スポット溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の溶接点の溶接順序は、前記ワ
    ークの曲面上互いに離れた数カ所の溶接点を先に溶接し
    たあと、当該先に溶接した溶接点の間の他の溶接点を溶
    接するものであることを特徴とする請求項1または2記
    載の曲面の多点スポット溶接方法。
  4. 【請求項4】 固定側に回転可能に支持され、曲面を有
    するワーク(W1、W2)を支持するマンドレル(6
    0)と、該マンドレルに向けて溶接チップ(48)をシ
    フト可能で、マンドレルの回転軸(13)と直角方向に
    移動可能に設けられたガンユニット(40)と、前記マ
    ンドレルの回転とガンユニットの移動を制御する制御手
    段(100)とを備え、該制御手段は、溶接点ごとに当
    該溶接点におけるワークへの接線(S)が前記溶接チッ
    プのシフト方向に対して垂直となるまで前記マンドレル
    を回転させるとともに、前記溶接チップのシフト線が当
    該溶接点と交わる位置まで前記ガンユニットを移動させ
    ることにより、複数の溶接点を順次に溶接することを特
    徴とする曲面の多点スポット溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記マンドレル(60)が、モータ(1
    7)により駆動されるマンドレルシャフト(13)に取
    り付けられていることを特徴とする請求項4記載の曲面
    の多点スポット溶接装置。
  6. 【請求項6】 ガイド部材(57)を回転可能に取付け
    た支持軸(55)を有するワーク保持手段(50)を備
    え、該ワーク保持手段は、前記ガイド部材をマンドレル
    (60)に支持されたワーク(W1)の端部に係合させ
    て該ワークを保持することを特徴とする請求項4または
    5記載の曲面の多点スポット溶接装置。
  7. 【請求項7】 前記ワーク保持手段(50)は回動軸
    (31)回りに回動するアーム(30)の先端部にスラ
    イド可能に設けられ、前記支持軸(55)をマンドレル
    の回転軸(Z)と整合させた状態でワーク保持手段をス
    ライドさせることにより前記ガイド部材(57)をワー
    ク(W1)の端部に係合させるものであることを特徴と
    する請求項6記載の曲面の多点スポット溶接装置。
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