JP2001064502A - ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物および成形品

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JP2001064502A
JP2001064502A JP23988899A JP23988899A JP2001064502A JP 2001064502 A JP2001064502 A JP 2001064502A JP 23988899 A JP23988899 A JP 23988899A JP 23988899 A JP23988899 A JP 23988899A JP 2001064502 A JP2001064502 A JP 2001064502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性に優れるとともに、さらに難燃性に
も優れた成形品を得ることができるポリカーボネート樹
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明によれば、(A)芳香族ポリカー
ボネート樹脂(a成分)40〜92重量%(B)スチレ
ン系樹脂(b成分)5〜40重量%(C)リン酸エステ
ル系難燃剤(c成分)3〜20重量%および(D)a成
分、b成分およびc成分の合計100重量部当り、0.
1〜30重量部のケイ酸塩充填剤(d成分)より実質的
になる樹脂組成物であり、該樹脂組成物は、塩素原子量
に換算した塩素化合物の含有量が100ppm以下であ
る、ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品が提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐湿熱性に優れた
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれから形成された
成形品に関する。さらに詳しくは、耐湿熱性に優れると
ともに、さらに難燃性にも優れたポリカーボネート樹脂
組成物およびそれから形成された成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械特
性、熱的性質を有しているため工業的に広く利用されて
いる。しかしながら加工性、成形性に劣るため他の熱可
塑性樹脂とのポリマーアロイが数多く開発されており、
その中でもABS樹脂に代表されスチレン系樹脂とのポ
リマーアロイは、自動車分野、OA機器分野、電子電気
機器分野等に広く利用されている。一方、近年OA機
器、家電製品等の用途を中心に、使用する樹脂成形品の
難燃化の要望が強く、これらの要望に応えるためにポリ
カーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイにつ
いても、難燃化の検討が数多くなされている。
【0003】従来、かかるポリマーアロイにおいてはブ
ロムを有するハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモン等の
難燃助剤の併用が一般的であったが、燃焼時の有害性物
質の発生問題からブロムを有するハロゲン系化合物を含
まない難燃化の検討が盛んになってきた。例えばポリカ
ーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイに、ト
リフェニルホスフェートとフィブリル形成能を有するポ
リテトラフルオロエチレンを配合する方法(特開平2−
32154号公報)、縮合リン酸エステルであるホスフ
ェート系オリゴマーを配合する方法(特開平2−115
262号公報)、特定の無機充填剤と特定の衝撃改良剤
を配合する方法(特開平7−126510号公報)等が
提案されている。一方で、近年は製品の安全性、製品寿
命の長期化による環境負荷低減、メーカーの製品保証等
の観点から長期使用における性能保持性が極めて重要視
されてきている。
【0004】しかしながら、これらのリン酸エステル系
の難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物はその
長期使用において、配合したリン酸エステル系の難燃剤
が加水分解し、この分解物がポリカーボネート樹脂のカ
ーボネート結合の加水分解を促進させ、例えば衝撃強度
等が著しく低下するという問題点がある。すなわち、ポ
リカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイに
リン酸エステル系の難燃剤を配合した樹脂組成物におい
て、耐湿熱性を向上させることが求められ、解決が急が
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂とのポリマ
ーアロイにリン酸エステル系の難燃剤を配合した樹脂組
成物において、耐湿熱性に優れたポリカーボネート樹脂
組成物を提供することにある。本発明の第2の目的は、
ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂とのポリマーア
ロイにリン酸エステル系の難燃剤およびドリップ防止剤
としてフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレンを配合した難燃性樹脂組成物において、耐湿熱
性、耐衝撃性、難燃性および着色性に優れたポリカーボ
ネート樹脂組成物を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、UL規格94Vによ
る燃焼試験に基づいてV−0の判定を有し、かつ比較的
高い温度で高い湿度条件下において、衝撃強度の低下と
分子量低下が少ないポリカーボネート樹脂成形品を提供
することにある。
【0007】本発明者らは、前記本発明の目的を達成す
るため研究を進めたところ、ポリカーボネート樹脂とス
チレン系樹脂とのポリマーアロイにおいて、リン酸エス
テル系難燃剤を配合した場合に組成物中の塩素化合物の
含有量を特定量以下とし、かつ特定の種類の無機充填剤
を組合せて配合することによって、優れた難燃性ととも
に、長期間にわたる耐加水分解性(耐湿熱性)を有する
ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し本
発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)40〜9
2重量% (B)スチレン系樹脂(b成分)5〜40重量% (C)リン酸エステル系難燃剤(c成分)3〜20重量
%および (D)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、0.1〜30重量部のケイ酸塩充填剤(d成分) より実質的になる樹脂組成物であり、該樹脂組成物は、
塩素原子量に換算した塩素化合物の含有量が100pp
m以下である、ポリカーボネート樹脂組成物が提供され
る(以下この組成物を“樹脂組成物−I”と称すること
がある)。
【0009】さらに本発明によれば、 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)40〜9
2重量% (B)スチレン系樹脂(b成分)5〜40重量% (C)リン酸エステル系難燃剤(c成分)3〜20重量
% (D)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、0.1〜30重量部のケイ酸塩充填剤(d成分) (E)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、0.1〜2重量部のフィブリル形成能を有するポ
リテトラフルオロエチレン(e成分)および (F)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、1〜10重量部の(メタ)アクリル酸エステル系
コア−シェルグラフト共重合体(f−1成分)、より実
質的になる樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、塩素
原子に換算した塩素化合物の含有量が100ppm以下
である、ポリカーボネート樹脂組成物が提供される(以
下、この組成物を“樹脂組成物−II”と称することがあ
る)。本発明において単に“樹脂組成物”という場合、
前記樹脂組成物−Iおよび−IIを総称することとする。
【0010】本発明は、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン系樹脂およびリン酸エステル系難燃剤よりなる組成物
において、塩素化合物の含有量を塩素原子に換算して1
00ppm以下に抑制しかつケイ酸塩充填剤を一定割合
配合することによって、耐湿熱性(耐加水分解性)が改
良され、その上長期間における衝撃強度の低下が極めて
少ない樹脂組成物が得られる。以下本発明のポリカーボ
ネート樹脂組成物についてさらに具体的に説明する。ま
ず樹脂組成物を構成する成分について詳細に説明する。
【0011】(A)ポリカーボネート樹脂(a成分) 本発明のa成分におけるポリカーボネート樹脂とは、2
価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて得られ
るポリカーボネート樹脂、すなわち芳香族ポリカーボネ
ート樹脂をいう。ここで用いる2価フェノールの代表例
としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(以下ビスフェノールAという)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルフ
ァイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が
挙げられる。好ましい2価フェノールは、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、ビスフ
ェノールAが特に好ましい。カーボネート前駆体として
は、カルボニルハライド、炭酸ジエステル、ビスハロホ
ルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニ
ルカーボネート、2価フェノールのジビスクロロホルメ
ート等が挙げられる。上記2価フェノールとカーボネー
ト前駆体を反応させてポリカーボネート樹脂を製造する
にあたり、2価フェノールを単独でまたは2種以上を併
用してもよく、またポリカーボネート樹脂は、2種以上
のポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。
【0012】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量で表して通常10,000〜40,000であ
り、12,000〜30,000が好ましい。ここでいう
粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mLにポリ
カーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から
求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものであ
る。 ηsp/C=[η]+0.45×[η]2C [η]=1.23×10-40.83 (ただし[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度)
【0013】ポリカーボネート樹脂を製造する界面重合
法(溶液法)を簡単に説明する。カーボネート前駆体と
してホスゲンを用いる界面重合法では、通常酸結合剤お
よび有機溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤としては
例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸化物、またはピリジン等のアミン化合物が用
いられる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また
反応促進のために例えば第3級アミンや第4級アンモニ
ウム塩等の触媒を用いることができ、分子量調節剤とし
ては例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノー
ルのようなアルキル置換フェノールおよび4−(2−フ
ェニルイソプロピル)フェノールのようなアルアルキル
置換フェノール等の末端停止剤を用いることが望まし
い。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5
時間、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。な
お、結果として得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤
に由来の構造を有する必要はない。
【0014】カーボネート前駆体として炭酸ジエステル
を用いるエステル交換反応(溶融重合法)では、不活性
ガス雰囲気下に所定割合の2価フェノール成分および必
要に応じて分岐剤等を炭酸ジエステルと加熱しながら撹
拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出
させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコ
ールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常
120〜350℃の範囲である。反応はその初期から減
圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出
させながら反応を完結させる。また反応を促進するため
に、アルカリ金属化合物や含窒素塩基性化合物等の公知
のエステル交換反応に使用される触媒を使用することも
できる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエス
テルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフ
チルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチ
ルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフ
ェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤として
ジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシ
カルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を、反
応の初期段階でまたは反応の途中段階で添加すること、
および反応終了直前に従来公知の各種触媒失活剤を添加
することも好ましく行われる。
【0015】本発明で使用するa成分としてのポリカー
ボネート樹脂は、前記界面重合法および溶融重合法のい
ずれで製造されたものでもよい。しかし本発明は、界面
重合法により製造されたポリカーボネート樹脂をa成分
として使用するのに適している。その理由を次に説明す
る。前記したように、界面重合法により製造されたポリ
カーボネート樹脂中には、溶媒とその変性体、触媒、触
媒失活剤およびそれらの変性体、および反応副生成物な
どの塩素化合物が少なからず残存している。この残存塩
素化合物は、精製によりある程度は除去されるが、わず
かの塩素化合物の残存は避けられない。本発明者は主と
してポリカーボネート樹脂に由来する塩素化合物の存在
が、組成物中の難燃剤としてのリン酸エステル(c成
分)と相互に作用して組成物の加水分解を引起している
ものと考えた。しかしながら、本発明においてはケイ酸
塩充填剤をさらに配合することにより、塩素化合物が残
存したポリカーボネート樹脂により塩素化合物がある程
度存在する場合においても、大幅に加水分解を抑制し、
耐湿熱性の向上を可能としたものである。一方、さらに
耐湿熱性の向上を図るべく、組成物中の塩素化合物の含
有量を抑制するため、主成分としてのポリカーボネート
樹脂中の塩素化合物の含有量の低減を行った。その結
果、樹脂組成物中の塩素化合物の含有量が塩素原子に換
算して100ppm以下、好ましくは90ppm以下、
特に好ましくは50ppm以下とすべきことが見出され
た。
【0016】本発明の組成物において、塩素化合物の含
有量は前記範囲を保持すればよく、その塩素化合物は、
どの成分から混入したものでもよい。しかし前記したよ
うにポリカーボネート樹脂(a成分)は、本発明の樹脂
組成物の主たる割合を占める成分でありかつその製造法
に起因して塩素化合物が残存しているので、ポリカーボ
ネート樹脂は、それ自体塩素化合物の含有量が少ないも
のを使用すべきである。
【0017】本発明の組成物中のポリカーボネート樹脂
(a成分)の割合および他の成分中の塩素化合物の含有
量によっても左右されるが、使用するポリカーボネート
樹脂中の塩素化合物の含有量は塩素原子に換算して10
0ppm以下、好ましくは90ppm以下、特に好まし
くは20ppm以下が有利である。
【0018】かかる低塩素化合物含有ポリカーボネート
樹脂を得るためには、例えばポリカーボネート樹脂をア
セトン処理したり、またポリカーボネート樹脂粉末をペ
レット化する際、ベント付き押出機の途中に水を強制的
に注入し脱塩素化合物を行う方法、およびポリカーボネ
ート樹脂溶液を非溶剤沈殿する方法や、さらに乾燥処理
を強化する等、従来公知の種々の方法により得ることが
可能である。
【0019】さらに、ポリカーボネート樹脂粉粒体と温
水との混合物が存在する容器中に、撹拌状態で、ポリカ
ーボネート樹脂の有機溶媒溶液を連続的に供給して、該
溶媒を蒸発させることにより、ポリカーボネート樹脂の
有機溶媒溶液からポリカーボネート樹脂粉粒体を製造す
る方法において、該容器内の温度を下記式に示されたT
1(℃)またはT2(℃)の範囲内に保持し、撹拌速度が
60〜100rpmであり、かつ撹拌能力が5〜10k
w/hr・m3であることを特徴とする製造方法が、残
留塩素化合物の低減のみならず、粉体が少なく、ろ過性
が良好で、また乾燥性に優れたポリカーボネート樹脂が
得られるため好ましく使用できるものである。
【0020】0.0018×M1+37≦T1(℃)≦0.
0018×M1+42 (M1:粘度平均分子量 10,000〜20,000) 0.0007×M2+59≦T2(℃)≦0.0007×M
2+64 (M2:粘度平均分子量 20,000以上) なお、本発明におけるポリカーボネート樹脂組成物など
における塩素原子の含有量は、理化学電気工業(株)製
PIX−2000全自動蛍光X線分析装置を用いた蛍光
X線による分析法により測定した値である。
【0021】(B)スチレン系樹脂(b成分) 本発明においてb成分として使用されるスチレン系樹脂
とは、その樹脂100重量%当り、スチレンまたはα−
メチルスチレンまたはビニルトルエンのスチレン系モノ
マーから得られた割合が20重量%以上好ましくは25
重量%を含有する樹脂をいう。従ってスチレン系樹脂と
しては、かかるスチレン系モノマーの単独重合体または
これらモノマーの相互共重合体およびこれらスチレン系
モノマーとアクリロニトリル、メチルメタクリレート等
のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。さらには
ポリブタジエン等のジエン系ゴム、エチレン・プロピレ
ン系ゴム、アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン成
分とポリ(メタ)アルキルアクリレート成分とが分離で
きないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴ
ム等のゴム成分に、スチレン系モノマー、またはスチレ
ン系モノマーとビニルモノマーをグラフト重合させたも
のを挙げることができる。これらのスチレン系樹脂とし
て具体的には、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン
(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブ
タジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメ
タクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アク
リルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロ
ニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合
体(AES樹脂)等の樹脂、またはこれらの混合物が挙
げられ、共重合体および混合物においてはスチレン系モ
ノマー成分が、かかるスチレン系樹脂100重量%中2
0重量%以上含まれるものである。かかる各種重合体
は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、塊状懸濁重合等の
各種重合法により製造されるものが使用可能であり、ま
た共重合の方法も1段で共重合しても、多段で共重合し
てもよい。
【0022】本発明のb成分としては、これらの中でも
ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ア
クリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS
樹脂)が好ましく、中でも耐衝撃性の観点からABS樹
脂が最も好ましい。さらにこれらの中でも塊状重合法に
より製造されたものがより耐湿熱性を向上させることが
できる点で好ましく使用できる。またこれらのb成分は
1種のみならず2種以上を混合して用いることもでき
る。
【0023】本発明のb成分としてのABS樹脂とは、
ジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニ
ル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体
であり、通常AS樹脂等のグラフト重合時に副生される
他の重合体との混合物を形成しているものである。さら
にかかるABS樹脂と別途重合されたAS樹脂との混合
物が工業的に広く利用されているものである。かかるA
BS樹脂を形成するジエン系ゴム成分としては、例えば
ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびスチレン−ブタ
ジエン共重合体等のガラス転移点が10℃以下のゴムが
用いられ、その割合はABS樹脂成分100重量%中5
〜75重量%であるのが好ましい。ジエン系ゴム成分に
グラフトされるシアン化ビニル化合物としては、例えば
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等を挙げるこ
とができ、またジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香
族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレンおよび核置換スチレンを挙げることができる。
かかるシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物
の含有割合は、かかるシアン化ビニル化合物および芳香
族ビニル化合物の合計量100重量%に対して、シアン
化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビニル化合物
が50〜95重量%である。さらにメチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、無水
マレイン酸、N置換マレイミド等を混合使用することが
できるが、これらの含有割合はb成分中15重量%以下
とすべきである。
【0024】ABS樹脂は、塊状重合、懸濁重合、乳化
重合のいずれの方法で製造されたものでもよいが、上記
に示したごとく、塊状重合法で製造されたものが耐湿熱
性をさらに良好とする点でより好ましいものである。か
かる原因は十分に解明できていないものの、乳化重合、
懸濁重合で使用される乳化剤等の金属塩成分が、直接リ
ン酸エステルに起因する加水分解に影響をおよぼすか、
またはポリカーボネート樹脂組成物中に残留する塩素化
合物に作用して加水分解に影響をおよぼしている可能性
等が考えられる。
【0025】本発明者の研究によれば、b成分としてア
クリロニトリルをモノマー構成単位として含有するスチ
レン系樹脂(ことにABS樹脂)を使用する場合、その
樹脂中に残留するアクリロニトリルモノマーの含有量が
少ないものが好ましいことが見出された。すなわち、本
発明の樹脂組成物中に、主としてb成分から由来するア
クリロニトリルモノマーが50ppmを超える量含有さ
れると、樹脂組成物の耐湿熱性に望ましくない影響を与
えることが見出された。その理由ははっきりしないが、
アクリロニトリルモノマーが、樹脂中のリン酸エステル
(c成分)または塩素化合物と作用して、ポリカーボネ
ート樹脂の加水分解に影響を与えているものと推定され
る。
【0026】本発明の樹脂組成物中に含有されるアクリ
ロニトリルモノマーの含有量は、50ppm以下、好ま
しくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下
であるのが有利である。
【0027】樹脂組成物中のアクリロニトリルモノマー
の含有量を前記割合に低減するには、アクリロニトリル
をモノマー構成単位として含有するスチレン系樹脂(こ
とにABS樹脂)としてアクリロニトリルモノマー含有
量の少ない樹脂を使用することが最も簡単な手段であ
る。b成分中の、アクリロニトリルモノマー含有量は、
樹脂組成物中のb成分の割合に主として左右されるが、
通常200ppm以下、より好ましくは100ppm以
下、特に好ましくは50ppm以下の条件を満足するも
のが望ましい。かかる残留アクリロニトリルモノマー量
がこれらの量を満足する場合には、樹脂組成物中のアク
リロニトリルモノマー含有量を前記範囲とすることがで
き、より良好な耐湿熱特性を満足することができる。し
たがって、アクリロニトリルをモノマー構成単位として
含有するスチレン系樹脂(ことにABS樹脂)としてよ
り好ましいのは、アクリロニトリルモノマー含有量が2
00ppm以下、より好ましくは100ppm以下、特
に好ましくは50ppm以下であり、塊状重合法により
製造されたものである。
【0028】(C)リン酸エステル系難燃剤(c成分) 本発明の樹脂組成物は、ハロゲン含有難燃剤を含有しな
いで高度な難燃性を達成させる目的で、リン酸エステル
系難燃剤が配合されている。このc成分は、ポリカーボ
ネート樹脂に対する非ハロゲン系難燃剤として使用され
るリン酸エステル系難燃剤であればよい。好ましいリン
酸エステル系難燃剤は下記式(1)で表される。
【0029】
【化3】
【0030】ただし式中Xは芳香族ジヒドロキシ化合物
残基を示し、j、k、lおよびmは、それぞれ独立して
0または1を示し、nは0または1〜5の整数を示し、
1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して芳香族モ
ノヒドロキシ化合物残基を示す。
【0031】前記式(1)において、j、k、lおよび
mは、それぞれ独立して0または1を示すが、j、k、
lおよびmはいずれも1であるのが好ましい。またnは
0または1〜5の整数を示すが、0または1〜3の整数
であるのが好ましい。特に好ましいのは0または1であ
る。通常nは、nの数の異なるリン酸エステルの混合物
における平均値として示される。従ってnは平均値とし
て0〜5、好ましくは0〜3として示すこともできる。
Xは芳香族ジヒドロキシ化合物の残基を示し、また
1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して芳香族モ
ノヒドロキシ化合物の残基を示す。ここで残基とは、そ
れぞれジヒドロキシ化合物またはモノヒドロキシ化合物
に対して2つのOH基または1つのOH基を除いた基を
意味する。例えばビスフェノールAの残基(X)は、
【0032】
【化4】 で表される。
【0033】Xの具体例としては、ハイドロキノン、レ
ゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタ
ン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒ
ドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンおよ
びビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドの残基
が挙げられ、これらのうち、ハイドロキノン、レゾルシ
ノールおよびビスフェノールAの残基が好ましい。一方
1、R2、R3およびR4の具体例としては、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノー
ル、ブチルフェノールおよびp−クミルフェノールの残
基が挙げられ、これらのうち、フェノール、クレゾール
およびキシレノールの残基が好ましく、フェノールおよ
びキシレノールの残基が特に好ましい。
【0034】c成分としてのリン酸エステル系難燃剤
は、モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホス
フェート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノール
ビス(ジキシレニルホスフェート)が、難燃性が良好で
ありかつ成形時の流動性が良好である等の理由により好
ましく使用できる。
【0035】(D)ケイ酸塩充填剤(d成分) 本発明おいてd成分としてのケイ酸塩充填剤とは、その
化学組成上SiO2成分を35重量%以上含有する無機
充填剤、好ましくは40重量%以上含有する無機充填剤
をいう。かかるケイ酸塩充填剤の具体例としては、カオ
リン、タルク、クレー、パイロフィライト、マイカ、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、ワラストナイト、セピ
オライト、ゾノトライト、天然シリカ、合成シリカ、各
種ガラスフィラー、ゼオライト、ケイソウ土およびハロ
イサイト等、またはこれらの混合物を挙げることができ
る。
【0036】中でも、本発明の樹脂組成物においては、
かかる充填剤が微分散することによって加水分解を抑制
する作用点を多くできること、および難燃性付与の観点
からは樹脂に対する補強効果も重要であること等の点か
ら、タルク、マイカ、ワラストナイト、またはこれらの
混合物を好ましい充填剤として挙げることができる。中
でもタルクが最も好ましい。
【0037】d成分としてのマイカとしては、補強効果
確保の面から、平均粒径が1〜80μmの粉末状のもの
が好ましい。マイカとは、アルミニウム、カリウム、マ
グネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の
粉砕物である。マイカには白雲母、金雲母、黒雲母、人
造雲母等があり、マイカとしてはいずれのマイカも使用
できるが、特に金雲母、黒雲母および金雲母のOH基が
F原子に置換された人造雲母よりは、SiO2含有量の
より高い白雲母が好ましい。また、マイカの製造に際し
ての粉砕法としては、マイカ原石を乾式粉砕機にて粉砕
する乾式粉砕法とマイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕し
た後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕機で本粉砕
し、その後脱水、乾燥を行う湿式粉砕法があり、乾式粉
砕法の方が低コストで一般的であるがマイカを薄く細か
く粉砕することが困難であるため本発明においては湿式
粉砕法により製造されたマイカを使用するのが好まし
い。
【0038】マイカの平均粒径としては、マイクロトラ
ックレーザー回折法により測定した平均粒径が1〜80
μmのものが好ましく使用できる。さらに好ましくは平
均粒径が2〜50μmのものである。1〜80μmの場
合には、より難燃性に良好な作用を与えるとともに、樹
脂中の微分散の条件も満足するため耐湿熱性も良好に維
持できる。
【0039】マイカの厚みとしては、電子顕微鏡の観察
により実測した厚みが0.01〜1μmのものを使用で
きる。好ましくは厚みが0.03〜0.3μmである。さ
らにマイカは、シランカップリング剤等で表面処理され
ていてもよく、さらにエポキシ系、ウレタン系、アクリ
ル系等の結合剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。マ
イカの具体例としては、株式会社山口雲母工業所製雲母
粉(マイカ粉)A−41、A−21およびA−11等が
あり、これらは市場で容易に入手できるものである。
【0040】d成分としてのタルクとしては、剛性確保
の面から、平均粒径が0.5〜20μmの粉末状のもの
が好ましい。タルクはマイカに比較して厚みが厚いた
め、樹脂中の分散において同等とするのには、より小粒
径である方が好ましい。ここでタルクの平均粒径とはマ
イクロトラックレーザー回折法により測定された値をい
う。
【0041】タルクとしては、特に産地等を限定するも
のではないが、より好ましくは、SiO2成分がより高
いもの、例えば60重量%以上のものが好ましい。かか
るSiO2成分量の高いものの場合は、相対的に不純物
であるFe23の含有量も少なくなりやすいため、かか
るタルクは色相の点においても有利である。またかかる
タルクを原石から粉砕する際の製法に関しては特に制限
はなく、軸流型ミル法、アニュラー型ミル法、ロールミ
ル法、ボールミル法、ジェットミル法、および容器回転
式圧縮剪断型ミル法等を利用することができる。さらに
かかるタルクは、その取り扱い性等の点で凝集状態であ
るものが好ましく、かかる製法としては脱気圧縮による
方法、バインダー樹脂を使用し圧縮する方法等があり、
特に脱気圧縮による方法が簡便かつ不要のバインダー樹
脂成分を本発明の組成物中に混入させない点で好まし
い。
【0042】d成分としてのワラストナイトとは、ケイ
酸カルシウムを主成分とする針状結晶をもつ天然白色鉱
物であり、実質的に化学式CaSiO3で表され、通常
SiO2が約50重量%、CaOが約47重量%、その
他Fe23、Al23等を含有しており、比重は約2.
9である。
【0043】ワラストナイトとしては、粒子径分布にお
いて3μm以上が75%以上、10μm以上が5%以下
でかつアスペクト比L/D(長さ/直径)が3以上、特
にL/Dが8以上であるものが好ましい。粒子径分布に
おいて3μm以上が75%以上、かつ10μm以上が5
%以下の場合、補強効果が十分であり難燃性を高めやす
く、かつ樹脂中に微分散して耐湿熱性も良好となるから
である。特にアスペクト比が8以上の場合は、補強効果
が十分であり好ましい。ただし、作業環境面を考慮する
と、アスペクト比が50以下好ましくは40以下である
ものがより有利である。また、かかるワラストナイトに
は、通常の表面処理剤、例えばシラン系カップリング剤
やチタネート系カップリング剤等のカップリング剤で表
面処理を施しても差し支えない。
【0044】本発明の樹脂組成物−Iは、a成分、b成
分、c成分およびd成分の4成分を必須成分としてい
る。この樹脂組成物−Iにおけるこれら必須成分の配合
割合について説明する。樹脂組成物中a成分、b成分お
よびc成分の配合割合は、3成分の合計重量に基づいて
表される。3成分の合計100重量%当り、a成分は4
0〜92重量%、b成分は5〜40重量%、c成分は3
〜20重量%である。a成分が40重量%未満またはb
成分が40重量%を越える場合には、耐熱性(特に荷重
撓み温度)や機械的強度が低下するようになる。また、
a成分が92重量%を越えるかまたはb成分が5重量%
未満の場合には、流動性が低下し成形加工性が低下する
ようになる。さらに、c成分が3重量%未満では十分な
難燃性が得られず、20重量%を越えると機械的強度や
耐熱性(特に荷重撓み温度)が著しく低下するととも
に、耐湿熱性も大きく低下する。a成分、b成分および
c成分の好ましい配合割合は、a成分が50〜88重量
%、b成分が7〜35重量%およびc成分が5〜15重
量%である。
【0045】本発明においてd成分の配合割合は、a成
分、b成分およびc成分の合計100重量部当り0.1
〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部の範囲で
ある。このd成分の配合割合が0.1重量部未満では、
耐湿熱性の向上効果がなく、30重量部を越えると耐湿
熱性に対する効果が飽和する一方で、衝撃強度が低下し
たり、得られる成形品の表面外観が悪化するようになる
ため好ましくない。
【0046】本発明の樹脂組成物−Iには、難燃性能を
さらに向上させるためにさらに、フィブリル形成能を有
するポリテトラフルオロエチレン(e成分)を配合する
こともできる。フィブリル形成能を有するポリテトラフ
ルオロエチレンはASTM規格においてタイプ3に分類
されているものである。フィブリル形成能を有するポリ
テトラフルオロエチレンは、UL規格の垂直燃焼テスト
において試験片の燃焼テスト時に溶融滴下防止性能を有
しており、かかるフィブリル形成能を有するポリテトラ
フルオロエチレンは、例えば三井・デュポンフロロケミ
カル(株)よりテフロン6Jとして、またはダイキン化
学工業(株)よりポリフロンとして市販されており容易
に入手できる。フィブリル形成能を有するポリテトラフ
ルオロエチレンの配合量は上記a成分、b成分およびc
成分の3成分の合計100重量部に対して0.1〜2重
量部が好ましい。0.1重量部未満では十分な溶融滴下
防止性能が得られ難く、2重量部を越えると外観が悪化
するようになる。e成分の割合は0.1〜1重量部が特
に好ましい。
【0047】かかるポリテトラフルオロエチレンは、通
常の固体形状の他、水性エマルジョン、およびディスパ
ージョン形態のものも使用可能であるが、分散剤成分が
耐湿熱性に悪影響を与えやすいため、特に固体状態のも
のが好ましく使用できる。またかかるフィブリル形成能
を有するポリテトラフルオロエチレンは樹脂中での分散
性を向上させ、さらに良好な外観および機械的特性を得
るために、ポリテトラフルオロエチレンのエマルジョン
とビニル系重合体のエマルジョンとの凝集混合物も好ま
しい形態として挙げることができる。
【0048】ここでビニル系重合体としては、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、HIPS、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、MABS樹脂、AAS
樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、スチレンおよ
びブタジエンからなるブロック共重合体およびその水添
共重合体、スチレンおよびイソプレンからなるブロック
共重合体、およびその水添共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレンのランダ
ム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテン
のランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン
とα−オレフィンの共重合体、エチレン−ブチルアクリ
レート等のエチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共
重合体、ブチルアクリレート−ブタジエン等のアクリル
酸エステル−ブタジエン共重合体、ポリアルキル(メ
タ)アクリレート等のゴム質重合体、ポリオルガノシロ
キサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む
複合ゴム、さらにかかる複合ゴムにスチレン、アクリロ
ニトリル、ポリアルキルメタクリレート等のビニル系単
量体をグラフトした共重合体等を挙げることができる。
【0049】これらのなかでもb成分との相溶性の観点
から、ポリスチレン、HIPS、ABS樹脂、AAS樹
脂、ポリメチルメタクリレート、ポリオルガノシロキサ
ンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合
ゴム、さらにかかる複合ゴムにスチレン、アクリロニト
リル、ポリアルキルメタクリレート等のビニル系単量体
をグラフトした共重合体が好ましく、さらに好ましくは
b成分と同種の重合体を使用する場合である。
【0050】かかる凝集混合物を調整するためには、平
均粒子径0.01〜1μm、特に0.05〜0.5μmを
有するb成分の水性エマルジョンを、平均粒子径0.0
5〜10μm、特に0.05〜1.0μmを有するポリテ
トラフルオロエチレンの水性エマルジョンと混合する。
かかるポリテトラフルオロエチレンのエマルジョンは、
含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でポリテトラフル
オロエチレンを重合させることにより得られる。なお、
かかる乳化重合の際、ヘキサフルオロプロピレン等の他
の共重合成分をポリテトラフルオロエチレン全体の10
重量%以下で共重合させることも可能である。
【0051】なお、かかる凝集混合物を得る際には、適
当なポリテトラフルオロエチレンのエマルジョンは通常
40〜70重量%、特に50〜65重量%の固形分含量
を有し、b成分であるスチレン系樹脂のエマルジョンは
25〜60重量%、特に30〜45重量%の固形分を有
するものが使用される。さらに凝集混合物中のポリテト
ラフルオロエチレンの割合は、凝集混合物に使用される
ビニル系重合体との合計100重量%中、5〜40重量
%、特に10〜30重量%のものが好ましく使用でき
る。上記のエマルジョンを混合後、撹拌混合し塩化カル
シウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中
に投入し、塩析、凝固させることにより分離回収する製
造法を好ましく挙げることができる。他に撹拌した混合
エマルジョンをスプレー乾燥、凍結乾燥等の方法により
回収する方法も挙げることができる。
【0052】また、フィブリル形成能を有するポリテト
ラフルオロエチレンのエマルジョンとビニル系重合体の
エマルジョンとの凝集混合物の形態は種々のものが使用
可能であり、例えばポリテトラフルオロエチレン粒子の
周りをビニル系重合体が取り囲んだ形態、ビニル系重合
体の周りをポリテトラフルオロエチレンが取り囲んだ形
態、1つの粒子に対して、数個の粒子が凝集した形態な
どを挙げることができる。
【0053】さらに、凝集混合体のさらに外層に、同じ
または別の種類のビニル系単量体がグラフト重合したも
のも使用可能である。かかるビニル系単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、
アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ドデシル、アクリロニトリル、アクリル酸−2
−エチルヘキシルを好ましく挙げることができ、これら
は単独でもまた共重合することも可能である。
【0054】上記のフィブリル形成能を有するポリテト
ラフルオロエチレンのエマルジョンとビニル系重合体の
エマルジョンとの凝集混合物の市販品としては、三菱レ
イヨン(株)よりメタブレン「A3000」を代表例と
して挙げることができ、本発明のe成分の好ましい形態
として挙げることができる。
【0055】本発明の樹脂組成物−Iは、特に低温の耐
衝撃性を向上させる目的で、ゴム質重合体(f成分)を
配合することができる。かかるゴム質重合体としては、
(メタ)アクリル酸エステル系コア−シェルグラフト共
重合体、ポリウレタン系エラストマーおよびポリエステ
ル系エラストマーを挙げることができる。樹脂組成物−
Iにゴム質重合体(f成分)をさらに配合する場合、そ
の割合は、a成分、b成分およびc成分の合計100重
量部当り、1〜10重量部が好ましく、2〜8重量部が
特に好ましい。
【0056】f成分としてのゴム質重合体としては、前
記したように、(メタ)アクリル酸エステル系コア−シ
ェルグラフト共重合体(f−1成分)、ポリウレタン系
エラストマー(f−2成分)およびポリエステル系エラ
ストマー(f−3成分)を代表例として挙げることがで
きる。
【0057】(メタ)アクリル酸エステル系コア−シェ
ルグラフト共重合体(f−1成分)としては、炭素数2
〜8のアルキル基を有するゴム状アルキル(メタ)アク
リレート重合体およびジエン系ゴム状重合体との共重合
体または混合物とのコアに、アルキル(メタ)アクリレ
ートおよび任意に共重合可能なビニル単量体を重合した
シェルが形成されたコア−シェル型の重合体、同様にし
た多段のコア−シェル型ポリマーも使用可能である。ま
たコアとしてジエン系ゴム状重合体のみからなるものも
使用可能である。かかる(メタ)アクリル酸エステルコ
ア−シェルグラフト重合体として、呉羽化学工業(株)
から商品名「HIA−15」、「HIA−28」として
市販されている樹脂を挙げることができ、またコアとし
てジエン系ゴム状重合体のみからなるものとしては、呉
羽化学工業(株)から商品名「パラロイド EXL−2
602」として市販されている樹脂を挙げることができ
る。
【0058】さらにf−1成分としてポリオルガノシロ
キサン成分とポリ(メタ)アルキルアクリレート成分と
が分離できないように相互に絡み合った構造を有してい
る複合ゴムに、アルキル(メタ)アクリレートおよび任
意に共重合可能なビニル単量体がグラフト重合した重合
体(以下IPN型ポリマーという)も使用できる。かか
るIPN型ポリマーとしては、三菱レイヨン(株)より
「メタブレンS−2001」という商品名で市販されて
おり、入手容易である。このf−1成分についてさらに
詳細を後に説明することにする。
【0059】ゴム質重合体(f成分)の他の例としての
ポリウレタン系エラストマー(f−2成分)としては、
有機ポリイソシアネート、ポリオール、および官能基を
2ないし3個有しかつ分子量が50〜400の鎖延長剤
の反応により得られるものであり、公知の各種熱可塑性
ポリウレタンエラストマーが使用可能である。かかる熱
可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、例えばクラ
レ(株)製「クラミロンU」(商品名)等容易に入手可
能である。
【0060】ゴム質重合体(f成分)のさらに他の例と
してのポリエステル系エラストマー(f−3成分)とし
ては、2官能性カルボン酸成分、アルキレングリコール
成分、およびポリアルキレングリコール成分を重縮合し
て得られるものであり、公知の各種熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーの使用が可能である。かかる熱可塑性ポ
リエステルエラストマーとしては、例えば東洋紡績
(株)製「ペルプレン」(商品名)、帝人(株)製「ヌ
ーベラン」(商品名)等容易に入手可能なものである。
【0061】本発明者の研究によれば、前述した樹脂組
成物−Iについて、さらに物性の改良について研究を進
めたところ、a成分、b成分、c成分およびd成分を必
須成分とする樹脂組成物−Iに対して、さらにフィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(e成
分)および(メタ)アクリル酸エステル系コア−シェル
グラフト共重合体(f−1成分)を特定割合配合させた
組成物は、一層優れた特性を有していることが見出され
た。
【0062】かくして本発明によれば、下記の樹脂組成
物−IIが提供される。 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)40〜9
2重量% (B)スチレン系樹脂(b成分)5〜40重量% (C)リン酸エステル系難燃剤(c成分)3〜20重量
% (D)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、0.1〜30重量部のケイ酸塩充填剤(d成分) (E)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、0.1〜2重量部のフィブリル形成能を有するポ
リテトラフルオロエチレン(e成分)および (F)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
当り、1〜10重量部の(メタ)アクリル酸エステル系
コア−シェルグラフト共重合体(f−1成分)、より実
質的になる樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、塩素
原子に換算した塩素化合物の含有量が100ppm以下
である、ポリカーボネート樹脂組成物−II。
【0063】本発明の樹脂組成物−IIは、前述した樹脂
組成物−Iに対して、e成分および特定のf成分をさら
に必須成分としている点に特徴を有している。かくして
樹脂組成物−IIにおいて、a成分、b成分、c成分およ
びd成分は、樹脂組成物−Iと実質的に同じものが同様
の割合で使用される。またe成分は、前記樹脂組成物−
Iの任意成分として説明した化合物が同じ割合で使用さ
れる。樹脂組成物−IIにおいて、ゴム質重合体(f成
分)の1種である(メタ)アクリル酸エステル系コア−
シェルグラフト共重合体(f−1成分)を必須成分とし
て使用する。このf−1成分は、a成分、b成分および
c成分の合計100重量部当り0.1〜10重量部使用
され、好ましくは2〜8重量部使用される。
【0064】次にf−1成分について詳細に説明する。
(メタ)アクリル酸エステル系コア−シェルグラフト共
重合体(f−1成分)とは、アクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステルをコアまたはシェルの必須成分と
して含有するものをいう。
【0065】(メタ)アクリル酸エステル系コア−シェ
ルグラフト共重合体のコアの形態としては、コア成分が
1種の単量体の単独重合体からなるもの、2種以上の単
量体の共重合体からなるもの、および2種以上の単独重
合体および共重合体が相互に絡み合った構造、いわゆる
IPN(Inter−Penetrating−Net
work)構造を有するものを挙げることができ、いず
れの形態も使用可能である。
【0066】(メタ)アクリル酸エステル系コア−シェ
ルグラフト共重合体中のコアの割合、すなわちゴム成分
の割合は、30重量%以上であることが必要であり、好
ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以
上である。一方上限は95重量%以下であり、好ましく
は90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下であ
る。このコアの割合以外の部分がシェルを構成する。
【0067】またかかるコアの平均粒子径は、0.08
〜0.6μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径
が0.08μm未満では耐衝撃性の改良が不十分であ
り、0.6μmを超える場合には成形品表面の外観を悪
化させる。一方(メタ)アクリル酸エステル系コア−シ
ェルグラフト共重合体のシェルの形態としては、1種の
単量体の単独重合体がグラフト重合したもの、2種以上
の単量体を同時にグラフト共重合したものの他、1種ま
たは2種以上の単量体のグラフト重合を多段階に分けて
行う多段グラフトによるものを挙げることができ、いず
れの形態も使用可能である。
【0068】f−1成分としての(メタ)アクリル酸エ
ステル系コア−シェルグラフト共重合体は、コアおよび
シェルについて上記のいずれの形態についても、それぞ
れ組合せることが可能である。かかるコアには、アクリ
ルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリコ
ンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を使用することがで
きる。かかるゴム成分の中でもブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴムが
耐衝撃性の面で好ましく、特にブタジエンゴムが好まし
い。
【0069】さらにアクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、エ
チレン、プロピレン、α−オレフィン、エチリデンノル
ボルネン、ジシクロペンタジエンおよびスチレンから1
種以上の単量体との共重合体ゴムをコアとして使用する
ことができる。この共重合体ゴムは耐衝撃性、難燃性、
耐湿熱性等をより良好にバランスできる点で好ましく使
用でき、またかかる観点からかかる共重合体ゴム成分の
中でもアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸
エステルとブタジエン、イソプレン、イソブチレン、エ
チレン、プロピレン、α−オレフィン、エチリデンノル
ボルネン、ジシクロペンタジエンおよびスチレンから1
種以上の単量体との共重合体ゴムが好ましく、中でもア
クリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
とブタジエンおよび/またはイソプレンとの共重合体が
好ましく、特に好ましくはアクリル酸エステルおよび/
またはメタクリル酸エステルとブタジエンとの共重合体
である。
【0070】またシリコンゴム成分と、アクリルゴム成
分、ブタジエンゴム成分、イソプレンゴム成分、イソブ
チレンゴム成分、エチレン−プロピレン−ジエンゴム成
分、およびこれら各成分の共重合成分から選択されるい
ずれかのゴム成分が相互に分離できないよう相互に絡み
合った構造のIPNゴムを使用することができる。かか
るIPNゴムは、シリコンゴム成分を含有することによ
り難燃性に優れるとともに他のゴム成分との絡み合い構
造により耐衝撃性等にも優れるものである。かかるIP
Nゴムの中でも、シリコンゴム成分とアクリルゴム成分
および/またはイソブチレンゴム成分とからなるIPN
ゴムが好ましく、より好ましくはシリコンゴム成分とア
クリルゴム成分とが分離できないよう相互に絡み合った
構造のIPNゴムである。
【0071】一方、シェルを形成する単量体成分として
は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香
族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物から選択される
1種または2種以上、およびこれらと共重合可能な他の
単量体を使用することができる。ここで共重合可能な他
の単量体としては、無水マレイン酸、マレイミド、N−
メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N―シク
ロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。
【0072】f−1成分の(メタ)アクリル酸エステル
系コア−シェルグラフト共重合体のコアにおけるアクリ
ルゴム、共重合体ゴム、IPNゴムに使用されるアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとしては、炭
素数2〜12のアルキル基を有するものが好ましい。具
体的には、アクリル酸エステルとしては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート等を挙げること
ができ、中でもn−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレートを好ましく挙げることができる。ま
たメタクリル酸エステルとしては、ヘキシルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリ
ルメタクリレート等を挙げることができる。
【0073】f−1成分の(メタ)アクリル酸エステル
系コア−シェルグラフト共重合体のコアにおけるシリコ
ンゴム、IPNゴムに使用されるオルガノシロキサンと
しては、3員環以上の各種の環状体が挙げられ、好まし
く用いられるのは3〜6員環である。例えばヘキサメチ
ルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカ
メチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニ
ルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニル
シクロテトラシロキサンおよびオクタフェニルシクロテ
トラシロキサン等が挙げられ、これらは単独でまたは2
種以上混合して用いられる。
【0074】f−1成分の(メタ)アクリル酸エステル
系コア−シェルグラフト共重合体のシェルにおけるアク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとしては、
炭素数1〜8のアルキル基を有するものが好ましい。具
体的には、アクリル酸エステルとしては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート等を挙げることができ、またメタクリル酸エステル
としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレート等を挙げることができる。これらの
中でもメチルメタクリレートがより好ましい。
【0075】f−1成分の(メタ)アクリル酸エステル
系コア−シェルグラフト共重合体のシェルにおける芳香
族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等を挙げ
ることができ、中でもスチレンが好ましい。またシアン
化ビニル化合物としては、アクリロニトリルおよびメタ
クリロニトリルを挙げることができ、中でもアクリロニ
トリルが好ましい。
【0076】f−1成分の(メタ)アクリル酸エステル
系コア−シェルグラフト共重合体には、そのコアやシェ
ルに架橋性モノマーやグラフト交叉剤を使用することも
可能であり、特に共役ジエン系の成分を含有しない場合
にはより好ましく使用されるものである。
【0077】アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステルに対応する架橋性モノマーとしては、ジビニルベ
ンゼン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、アリル
メタクリレート等を挙げることができ、なかでもアリル
メタクリレート 、エチレングリコールジメタクリレー
トが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸
エステルに対応するグラフト交叉剤としては、アリルメ
タクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート等を挙げることができる。
【0078】またオルガノシロキサンに対応する架橋性
モノマーとしては、3官能性または4官能性のシラン系
化合物、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキ
シフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラ−n−プロポキシシランおよびテト
ラブトキシシラン等が用いられる。特に4官能性の架橋
性モノマーが好ましく、この中でもテトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。オルガノシロキサンに対応するグラ
フト交叉剤としては、下記式(2)、式(3)および式
(4)で表される単位を形成しうる化合物が使用され
る。
【0079】
【化5】 (各式中R1はメチル基、エチル基、プロピル基または
フェニル基、R2は水素原子またはメチル基、nは0、
1または2、pは1〜6の数を示す。)
【0080】式(2)の単位を形成し得るアクリロイル
オキシシロキサンまたメタクリロイルオキシシロキサン
はグラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成する
ことが可能であり耐衝撃性発現の点で有利である。なお
式(2)の単位を形成し得るものとしてメタクリロイル
オキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキ
シシロキサンの具体例としてはβ−メタクリロイルオキ
シエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチ
ルシランおよびδ−メタクリロイルオキシブチルジエト
キシメチルシランを挙げることができる。前記したf−
1成分としての(メタ)アクリル酸エステル系コア−シ
ェルグラフト共重合体のうち、下記のグラフト共重合体
がより一層好ましい。
【0081】好ましいグラフト共重合体 コアとして(i)ブタジエン60〜100重量%および
スチレン0〜40重量%の合計100重量%からなるゴ
ム、(ii)アクリル酸エステル60〜90重量%およ
びブタジエン10〜40重量%の合計100重量%から
なる共重合体ゴム、または(iii)オルガノシロキサ
ン重合体成分5〜95重量%とアクリル酸エステルおよ
び/またはメタクリル酸エステルからなる重合体成分5
〜95重量%とが分離できないよう相互に絡み合った構
造を有し、その合計が100重量%である複合ゴムのい
ずれかのゴム40〜90重量%、およびシェルとしてア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニ
ル化合物、シアン化ビニル化合物から選択される1種ま
たは2種以上の単量体からなる重合体もしくは共重合体
10〜60重量%からなる(メタ)アクリル酸エステル
系コア−シェルグラフト共重合体。前記“好ましいグラ
フト共重合体”において、下記のグラフト共重合体
(1)〜(3)は、特に好ましい態様である。
【0082】グラフト共重合体(1) コアとして(i)ブタジエン60〜100重量%および
スチレン0〜40重量%の合計100重量%からなるゴ
ム40〜90重量%、およびシェルとしてメタクリル酸
エステルを必須成分とし、さらに必要に応じて芳香族ビ
ニル化合物、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル
化合物から選択される1種または2種以上の単量体10
〜60重量%を塊状重合、懸濁重合、塊状懸濁重合、溶
液重合あるいは乳化重合等の方法、特に乳化重合の方法
でグラフト重合した共重合体(以下「グラフト共重合体
(1)」と称することがある)。
【0083】グラフト共重合体(1)のコアの割合は、
60〜85重量%がより好ましく、さらに好ましくは6
5〜80重量%である。かかるコアの割合が60〜85
重量%の場合には、耐衝撃性の向上と難燃性のより良好
な両立が可能となる。コアとしてはブタジエンゴムがよ
り好ましい。
【0084】またシェルとしては、メタクリル酸エステ
ル30〜100重量%および芳香族ビニル化合物および
/またはアクリル酸エステル0〜70重量%の合計10
0重量%からなる重合体もしくは共重合体が好ましく、
メタクリル酸エステルとしてはメチルメタクリレートが
好ましい。特に好ましくはメチルメタクリレート60〜
100重量%、エチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル10〜40重量%からなる重合体もしくは共重合体
である。
【0085】したがってグラフト共重合体(1)として
特に好ましくは、かかる共重合体の全量100重量%
中、コアとしてブタジエンゴム65〜80重量%、およ
びシェルとしてかかるシェルの全量100重量%中メチ
ルメタクリレート60〜100重量%およびエチルアク
リレート等のアクリル酸エステル0〜40重量%からな
る重合体もしくは共重合体20〜35重量%からなるグ
ラフト共重合体である。
【0086】かかるグラフト共重合体(1)は、耐衝撃
性の改質効果の高いブタジエンゴム成分をコアの主体と
するため、耐衝撃性の改良に有利である。したがって耐
衝撃性がやや低下しやすい縮合リン酸エステルを使用す
る場合に、すなわち前記式(1)において、nが平均値
として0でない場合、好ましくはnが0.5〜3の場合
に併用することが好ましい。
【0087】グラフト共重合体(2) アクリル酸エステル60〜90重量%およびブタジエン
10〜40重量%の合計100重量%からなる共重合体
ゴム40〜90重量%に対して、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化
ビニル化合物から選択される1種または2種以上を1段
または2段以上のグラフト重合によりグラフトさせてな
るシェル10〜60重量%からなり、かかるコアとシェ
ルの合計100重量%からなる共重合体(以下「グラフ
ト共重合体(2)」と称することがある)。より好まし
くはコアが50〜75重量%およびシェルが25〜50
重量%からなるものであり、さらに好ましくはコアが5
0〜70重量%およびシェルが30〜50重量%からな
るものである。
【0088】またコア中のアクリル酸エステルとブタジ
エンとの割合は、かかるコアの全量100重量%中、ア
クリル酸エステル60〜80重量%およびブタジエン2
0〜40重量%がより好ましい。なお、かかるコアに
は、コア全量100重量%中、20重量%以下の範囲
で、他の共重合可能な単量体、好ましくはメタクリル酸
エステル、芳香族ビニルを共重合することも可能であ
る。
【0089】かかるグラフト共重合体(2)は耐候性、
難燃性の良好なアクリル酸エステル成分と、耐衝撃性に
優れるブタジエン成分とをバランスよくコアに含有する
ため、難燃性、耐衝撃性、耐候性および着色性等の特性
バランスに優れた樹脂組成物を得ることが可能となる。
【0090】グラフト共重合体(2)のコアに使用され
るアクリル酸エステルとしてはn−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく用いら
れ、特に2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
またシェルに使用されるメタクリル酸エステルとして
は、特にメチルメタクリレートが好ましい。さらにグラ
フト共重合体(2)のコアの平均粒径としはて0.08
〜0.25μmがより好ましく、特に好ましくは0.13
〜0.20μmである。
【0091】グラフト共重合体(2)におけるシェル
は、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、メタ
クリル酸エステル、およびアクリル酸エステルから選択
される1種または2種以上からなる重合体もしくは共重
合体であるが、特に上記コアの各種特性に優れた点を生
かすため芳香族ビニル化合物およびメタクリル酸エステ
ルを含むものが好ましく、特にメタクリル酸エステルを
含んでいることが好ましい。
【0092】ここでグラフト共重合体(2)のシェルに
おける各単量体の割合としては、該シェルの全量100
重量%中メタクリル酸エステルが45〜80重量%であ
ることが好ましく、より好ましくは55〜70重量%で
ある。したがって芳香族ビニル化合物およびその他の成
分は20〜55重量%が好ましく、より好ましくは30
〜45重量%である。さらにシアン化ビニル化合物また
はアクリル酸エステルを含有する場合には、これらの割
合は芳香族ビニル化合物との合計100重量%中20〜
35重量%が好ましく、さらに好ましくは22〜30重
量%である。またかかるその他の成分としてはシアン化
ビニル化合物がより好ましい。
【0093】さらに本発明のグラフト共重合体(2)の
シェルとしては、該グラフト共重合体のシェルが2段の
グラフト重合からなり、第1段のグラフト成分が芳香族
ビニル化合物およびメタクリル酸エステルの混合物、ま
たは芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および
メタクリル酸エステルの混合物のいずれかからなるもの
であり、さらに第2段のグラフト成分がメタクリル酸エ
ステルからなるものであって、かつシェル成分の合計1
00重量%中第1段のグラフト成分が40〜75重量%
および第2段のグラフト成分が25〜60重量%である
ものが好ましく使用できる。さらに第1段のグラフト成
分が42〜70重量%および第2段のグラフト成分が3
0〜58重量%であるものがより好ましい。
【0094】さらに本発明のグラフト共重合体(2)
は、該共重合体のコアおよび各段階のシェルを重合する
際、架橋性モノマーおよび必要に応じてグラフト交叉剤
を使用することもできる。これらの割合としては、コア
の重合に対しては、コアの重合に使用する単量体の合計
量100重量%中0.01〜3重量%、各段階のシェル
の重合においては各段階の単量体の合計100重量%中
0.01〜2重量%である。さらにグラフト共重合体
(2)は、本発明の樹脂組成物の製造時の分散不良を解
消する目的で、耐ブロッキング性改良の処理を施したも
のも使用でき、かかる処理方法としは公知の手法を取る
ことができる。
【0095】かかる方法としては、グラフト共重合体の
ラテックスを噴霧乾燥し、粉末を球状化する方法、共重
合体ラテックスの塩析条件を調整する方法および滑剤な
どの添加剤を添加する方法が挙げられる。また弾性幹重
合体5〜49重量%に硬質重合体を形成する単量体51
〜95重量%をグラフト重合することにより得られた粉
体特性改良グラフト共重合体0.1〜25重量部をスラ
リー状態にてグラフト共重合体(2)100重量部に配
合する方法も挙げられる。ここで弾性幹重合体とはグラ
フト共重合体(2)のコアに使用される単量体の重合体
または共重合体をいい、硬質重合体を形成する単量体と
はグラフト共重合体(2)のシェルに使用される単量体
をいう。
【0096】あるいは、硬質非弾性重合体のエマルジョ
ンを凝固させたグラフト共重合体(2)のスラリーに加
える方法も挙げられる。ここで硬質非弾性重合体として
は、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、およ
びメタクリル酸エステルから選択される1種以上の単量
体から重合されたものであり、特にメチルメタクリレー
トが80重量%以上であるものが好ましい。
【0097】以上の耐ブロッキング性の改良処理の中で
も、粉体特性改良グラフト共重合体または硬質非弾性重
合体をスラリー状態のグラフト共重合体(2)に配合す
る方法が、簡便かつ効果的に耐ブロッキング性を達成で
きる点で好ましい。なお、粉体特性改良グラフト共重合
体あるいは、硬質非弾性重合体の添加による耐ブロッキ
ング性改良の方法は、本発明のグラフト共重合体(2)
における各成分量の範囲内で行われる。
【0098】特に好ましいグラフト共重合体(2)とし
ては、コアとシェルの合計が100重量%中、アクリル
酸エステル60〜80重量%およびブタジエン20〜4
0重量%の合計100重量%を含有するゴムラテックス
からなるコア50〜70重量%に対して、芳香族ビニル
化合物およびメタクリル酸エステル、および必要に応じ
てシアン化ビニル化合物からなる混合物を、2段グラフ
ト重合によりグラフトさせてなるシェル30〜50重量
%からなり、かかるシェル100重量%中メタクリル酸
エステルが55〜70重量%であり、さらにシアン化ビ
ニル化合物を含む場合にはかかるシアン化ビニル化合物
が芳香族ビニル化合物との合計100重量%中22〜3
0重量%であり、第1グラフト成分が芳香族ビニル化合
物およびメタクリル酸エステルの混合物、または芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物およびメタクリル
酸エステルの混合物のいずれかからなるものであり、さ
らに第2グラフト成分がメタクリル酸エステルからなる
ものであって、かつシェル成分の合計100重量%中、
第1グラフト成分が42〜70重量%および第2グラフ
ト成分が30〜58重量%であるものが挙げられる。こ
のグラフト共重合体(2)の具体例としては呉羽化学工
業(株)から商品名「HIA−15」、「HIA−2
8」、「HIA−28S」として市販されている樹脂を
挙げることができる。
【0099】グラフト共重合体(3) オルガノシロキサン重合体成分5〜95重量%とアクリ
ル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルから
なる重合体成分5〜95重量%とが分離できないよう相
互に絡み合った構造を有し、その合計が100重量%で
ある複合ゴム40〜90重量%のコア、およびアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物から選択される1種または2
種以上の単量体からなる重合体もしくは共重合体10〜
60重量%のシェルからなるグラフト共重合体(以下
「グラフト共重合体(3)」と称することがある)。
【0100】コア中におけるオルガノシロキサン重合体
成分とアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸
エステル重合体成分との好ましい割合は、これらの合計
100重量%中、オルガノシロキサン重合体成分が5〜
70重量%、より好ましくは6〜60重量%、さらに好
ましくは7〜50重量%であり、アクリル酸エステルお
よび/またはメタクリル酸エステルが好ましくは30〜
95重量%、より好ましくは40〜94重量%、さらに
好ましくは50〜93重量%である。
【0101】またグラフト共重合体(3)中におけるコ
アとなる複合ゴムの割合は、かかる共重合体の全量10
0重量%中60〜90重量%が好ましく、さらに好まし
くは60〜85重量%である。60〜90重量%の場合
には、耐衝撃性の向上と難燃性のより良好な両立が可能
となる。また複合ゴムの平均粒子径は0.08〜0.6μ
m、より好ましくは0.1〜0.4μmである。
【0102】かかるグラフト共重合体(3)の複合ゴム
を製造するためには、乳化重合法が最適であり、まずオ
ルガノシロキサン重合体ラテックスを調整し、次にアク
リル酸エステル単量体および/またはメタクリル酸エス
テル単量体を、オルガノシロキサン重合体ラテックスの
ゴム粒子に含浸させてからかかる単量体を重合すること
が好ましい。
【0103】上記複合ゴムを構成するオルガノシロキサ
ン重合体成分は、以下に示すオルガノシロキサン、およ
び前記のオルガノシロキサンに対応する架橋性モノマー
を用いて乳化重合により調整することができ、その際さ
らに前記のオルガノシロキサンに対応するグラフト交叉
剤を併用することもできる。オルガノシロキサンとして
は、3員環以上の各種の環状体が挙げられ、好ましく用
いられるのは3〜6員環である。例えばヘキサメチルシ
クロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチ
ルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシ
クロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシク
ロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロ
キサン等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混
合して用いられる。これらの使用量はポリオルガノシロ
キサンゴム成分中50重量%以上、好ましくは70重量
%以上である。
【0104】架橋性モノマーとしては特に4官能性のも
のが好ましく、中でもテトラエトキシシランが特に好ま
しい。グラフト共重合体(3)中の複合ゴムのオルガノ
シロキサン重合体成分における架橋性モノマーの使用量
はオルガノシロキサン重合体成分100重量%中、0.
1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。またグラフト交叉剤としては前記したものが使用可
能であるが、その使用量はオルガノシロキサン重合体成
分中0〜10重量%である。
【0105】かかるオルガノシロキサン重合体ラテック
スの製造は、例えば米国特許第2891920号明細
書、同第3294725号明細書等に記載された方法を
用いることができる。例えば、オルガノシロキサンと対
応する架橋性モノマーおよび所望により対応するグラフ
ト交叉剤の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホン
酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在
下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合す
る方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼ
ンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用
すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この
際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスル
ホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポ
リマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
【0106】次に複合ゴムを構成するアクリル酸エステ
ルおよび/またはメタクリル酸エステルからなる重合体
を製造するには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液の添加により中和さ
れた前記オルガノシロキサン重合体ラテックス中へ、前
記のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エ
ステル、架橋性モノマー、およびグラフト交叉剤を添加
し、オルガノシロキサン重合体ゴム粒子へ含浸させたの
ち、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。な
お、ここでアクリル酸エステル等に対応する架橋性モノ
マーおよびグラフト交叉剤の合計の使用量としてはアク
リル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルか
らなる重合体100重量%中0.1〜20重量%、好ま
しくは0.5〜10重量%である。
【0107】重合の進行とともにオルガノシロキサン重
合体ゴムの架橋網目に相互に絡んだアクリル酸エステル
および/またはメタクリル酸エステルからなる重合体の
架橋網目が形成され、実質上分離できないオルガノシロ
キサン重合体とアクリル酸エステルおよび/またはメタ
クリル酸エステルからなる重合体との複合ゴムのラテッ
クスが得られる。
【0108】なおこの複合ゴムとしてオルガノシロキサ
ン重合体の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位
を有し、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル
酸エステルからなる重合体の主骨格がn−ブチルアクリ
レートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用い
られる。
【0109】このようにして乳化重合により調製された
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であ
り、またオルガノシロキサン重合体成分とアクリル酸エ
ステルおよび/またはメタクリル酸エステルからなる重
合体成分とは強固に絡み合っているためアセトン、トル
エン等の通常の有機溶剤では抽出分離出来ない。この複
合ゴムをトルエンにより90℃で12時間抽出して測定
したゲル含量は80重量%以上である。かかる複合ゴム
にグラフト重合させるビニル系単量体としては、前記の
芳香族ビニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル
酸エステル、シアン化ビニル化合物等が挙げられ、これ
らは単独でまたは2種以上組合せて用いられる。
【0110】グラフト共重合体(3)は、上記ビニル系
単量体を複合ゴムのラテックスに加えラジカル重合技術
によって1段で、あるいは多段で重合させて得られるラ
テックスを、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウム等
の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固するこ
とにより分離、回収することができる。
【0111】好ましいグラフト共重合体(3)として
は、コアとしてオルガノシロキサン重合体成分7〜50
重量%とアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル
酸エステル50〜93重量%とが分離できないよう相互
に絡み合った構造を有し、その合計が100重量%であ
る複合ゴム60〜85重量%、シェルとしてアクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物から選択される1種または2
種以上の単量体からなる重合体もしくは共重合体15〜
40重量%の合計100重量%からなるものである。
【0112】本発明のf−1成分としての(メタ)アク
リル系コア−シェルグラフト重合体は、該グラフト重合
体とシェル成分を構成するメタクリル酸エステル、アク
リル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル
化合物から選択される1種または2種以上の単量体70
〜100重量%と、これと共重合可能な他の単量体0〜
30重量%とを重合してなる重合体または共重合体との
混合物であってもよい。かかる重合体および共重合体成
分は、グラフト重合の過程で生じる遊離の重合体および
/または共重合体として含まれるものの他、別途混合さ
れるものであってもよい。
【0113】前述した好ましいグラフト共重合体および
グラフト共重合体(1)〜(3)のうち、グラフト共重
合体(2)は他のグラフト共重合体に比較して難燃効果
および着色性の両面が優れている。その難燃効果および
着色性は、c成分のリン酸エステル系難燃剤の配合割合
が比較的少ない場合に一層顕著である。
【0114】本発明の樹脂組成物上記各成分をタンブラ
ー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミ
キサー、混錬ロール、押出機等の混合機により混合して
製造することができる。さらに、本発明の目的を損わな
い範囲でポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンエ
ーテル等の他の熱可塑性樹脂が混合されていてもよく、
またポリオルガノシロキサン系難燃剤の配合も可能であ
る。
【0115】さらに本発明の目的を損わない範囲であれ
ば、安定剤(例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステ
ル等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール系
化合物等)、光安定剤(例えば、ベンゾトリアゾール系
化合物、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系
化合物)、着色剤、発泡剤、帯電防止剤等の一般に微量
配合される各種の添加剤を配合することも可能であり、
これらは単独の他、各種樹脂のマスターペレット形状で
配合することも可能である。
【0116】熱安定剤としては、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の熱安定剤として公知の亜リン酸、リン酸、亜ホ
スホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げ
られ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホ
スファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデ
シルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイ
ト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロ
ピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニル
ホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モ
ノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,
6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファ
イト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等の亜リ
ン酸エステル化合物、トリブチルホスフェート、トリメ
チルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホス
フェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェー
ト、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフ
ェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホス
フェート等のリン酸エステル化合物、さらにその他のリ
ン系熱安定剤として、テトラキス(2,4−ジ−ter
t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホス
ホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレン
ジホスホナイト等の亜ホスホン酸エステル化合物等を挙
げることができる。これらのうち、トリスノニルフェニ
ルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェー
トテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが好まし
い。これらの熱安定剤は、単独でもしくは2種以上混合
して用いてもよい。
【0117】本発明の熱安定剤としては、上記以外に一
般に酸化防止剤として知られるヒンダードフェノール系
の化合物やイオウ系の化合物を配合することも好ましく
行われる。かかる化合物は特にスチレン系樹脂の熱安定
性を保持し、該樹脂の熱分解を抑制する点で好ましいも
のである。かかる化合物として具体的には、n−オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレート、2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ア
ミル−6−[1−(3,5−ジ−tert−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート
等、およびペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリ
ルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオ
ジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプ
ロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピ
オネート等を挙げることができる。
【0118】かくして得られる樹脂組成物は押出成形、
射出成形、圧縮成形等の方法で容易に成形可能であり、
特に射出成形に好適である。またブロー成形、真空成形
等にも適用できる。特にUL94V−0が要求される電
気電子部品、OAの外装用途等の材料として最適であ
る。
【0119】ことに、本発明のポリカーボネート樹脂組
成物から形成された成形品は、リン酸エステル系難燃剤
を使用し、UL規格94Vによる燃焼試験に基づいてV
−0の判定を達成するものである。加えて良好な耐湿熱
性を有し、その上製品の長期間における耐衝撃性の低下
も極めて少ない成形品を得ることが可能となる。より具
体的には、リン酸エステル系難燃剤を使用し、V−0の
判定を達成し、さらに65℃の温度および85%の相対
湿度の環境下で500時間保存した時の耐衝撃値保持率
が50%以上であり、見掛けの分子量保持率が80%以
上である成形品を達成するものである。特に65℃の温
度および85%の相対湿度の環境下で1,000時間保
存した時の耐衝撃値保持率が50%以上であり、見掛け
の分子量保持率が80%以上である成形品を得ることも
可能であり、耐湿熱性が要求されたり、製品の長期の寿
命が求められる電気電子部品、OAの外装用途等の材料
として最適である。
【0120】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお実施例中の部は重量部であり、評価は下記の方
法によった。
【0121】(1)耐湿熱性−1:1/8”アイゾット
衝撃用試験片をノッチ切削処理後環境試験機(タバイエ
スペック(株)製プラチナスサブゼロルシファー)で6
5℃、85%RHの条件下で500時間処理した後、A
STM D256に従ってアイゾットノッチ付き耐衝撃
値を測定し、湿熱処理前のアイゾットノッチ付き耐衝撃
値との比較を行った。なお、保持率は湿熱処理前の値に
対する湿熱処理後の値の割合を%で表している。
【0122】(2)耐湿熱性−2:(1)の湿熱処理後
の試験片につき、芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量
を測定するのと同一の手法で見掛けの粘度平均分子量を
測定した。すなわち、試験片を塩化メチレンに溶解した
後、不溶分をろ過により取り除いて溶液として得られた
ものの比粘度を、本文記載のポリカーボネート樹脂の粘
度平均分子量測定と同様に測定し、さらに同一の算出式
を用いて見掛けの粘度平均分子量の値を算出した。な
お、保持率は湿熱処理前の値に対する湿熱処理後の値の
割合を%で表している。
【0123】(3)難燃性:UL規格94Vに従い厚み
1.6mmにおける燃焼試験を実施した。 (4)耐衝撃性:ASTM D256に従い、アイゾッ
トノッチ付き耐衝撃値を測定した。
【0124】I.構成成分の説明 I−(1) a成分(ポリカーボネート樹脂) 参考例1(ポリカーボネート樹脂PC−1の製造) ポリカーボネートの有機溶媒供給口、温水供給口、水蒸
気導入口、気化有機溶媒の排気口およびオーバーフロー
型排出口を備えた有効内容積500L水平軸回転型混合
機の二軸式の容器に、撹拌羽根としてリボン型形状を有
する撹拌機を装着した。その容器に平均粒径7mmのポ
リカーボネート樹脂粉粒体を50gおよび水250gを
仕込み、撹拌速度が80rpmで撹拌しながら、容器内
の温度が77℃になったところで、平均分子量が22,
000であるポリカーボネート樹脂16重量%濃度の塩
化メチレン溶液を10kg/分の速度で供給し、また温
水を10kg/分の速度で供給した。供給中、容器内の
温水量/ポリカーボネート樹脂粉粒体(容量比)は約5
に保持され、また、容器内の温度は、圧力2.7kg/
cm2の蒸気を使用して水蒸気導入口とジャケットの加
熱により77℃に保持した。また、撹拌能力は6kw/
hr・m3であった。供給開始後、容器内のスラリーの
レベルが上昇し、容器内の上部に設けられた排出口よ
り、生成されたポリカーボネート樹脂粉粒体と温水が排
出された。この際、ポリカーボネート樹脂粉粒体の滞留
時間は1時間であった。
【0125】次に、粉粒体が排出され粉粒体の性状が安
定してからサンプル採取した。排出口より排出されたポ
リカーボネート樹脂粉粒体と温水は、次いで縦型遠心分
離機(コクサン製)によって1,500Gの遠心力で遠
心分離し、ポリカーボネート樹脂粉粒体をろ過分離し
た。分離したポリカーボネート樹脂粉粒体を粉砕機によ
り平均粒径2mmに粉砕し、熱風乾燥機により、140
℃、4時間の乾燥を行った。これより得られたポリカー
ボネート樹脂の粘度平均分子量は22,000、嵩密度
は0.3g/cm3、塩素原子量は5ppmであった。こ
こで得られたポリカーボネート樹脂をPC−1と称す
る。
【0126】参考例2(ポリカーボネート樹脂PC−2
の製造) 参考例1で示した製造方法と、容器内の温度を70℃と
する以外は参考例1と同様にして製造を実施した。これ
より得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は
22,000、嵩密度は0.4g/cm3、塩素原子量は
50ppmであった。ここで得られたポリカーボネート
樹脂をPC−2と称する。
【0127】参考例3(ポリカーボネート樹脂PC−3
の製造) 参考例1で示した製造方法と、容器内の温度を50℃と
する以外は参考例1と同様にして製造を実施した。これ
より得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は
22,000、嵩密度は0.65g/cm3、塩素原子量
は370ppmであった。ここで得られたポリカーボネ
ート樹脂をPC−3と称する。
【0128】I−(2) b成分(スチレン系樹脂) 参考例4(ABS−1の調製) 塊状重合法により重合した後、多管式熱交換器と減圧室
よりなる分離回収装置よりポリマーを得、その後多段ベ
ント型二軸押出機より粒状ペレット化したABS樹脂。
かかるABS樹脂の組成はアクリロニトリル15重量
%、ブタジエン20重量%、スチレン65重量%であ
り、遊離のアクリロニトリル−スチレン重合体の重量平
均分子量が90,000(GPCによる標準ポリスチレ
ン換算)、グラフト率55%、電子顕微鏡観察により求
められる平均ゴム粒径が0.80μm、およびABS樹
脂をクロロホルムに溶解し、液体クロマトグラフィーに
より測定された残留アクリロニトリルモノマー量が25
0ppmであった。このABS樹脂をABS−1と称す
る。
【0129】参考例5(ABS−2の調製) 前記参考例4で得られたABS−1を、攪拌羽根を備え
たステンレス容器内に投入し、さらにその7倍量(重量
比)のメタノールを加えて、1時間撹拌洗浄した。その
後60℃、12時間真空乾燥を行った。かかるABS樹
脂中の残量アクリロニトリルモノマー量は80ppmで
あった。このABS樹脂をABS−2と称する。
【0130】参考例6(ABS−3の調製) 前記参考例4で得られたABS−1をABS−2と同様
の手法で、メタノールでの2時間の洗浄を、3回繰返
し、その後60℃、12時間真空乾燥を行った。かかる
ABS樹脂中の残量アクリロニトリルモノマー量は20
ppmであった。このABS樹脂をABS−3と称す
る。
【0131】参考例7(ABS−4の調製) ポリブタジエンラテックス10重量部(固形分)、スチ
レン34.8重量部、アクリロニトリル5.2重量部の割
合で乳化グラフト重合を行った。得られたグラフト共重
合体は希硫酸で凝固し、洗浄・ろ過後60℃、12時間
真空乾燥を行った。かかるABS樹脂の組成はスチレン
69.5重量%、ブタジエン20重量%、アクリロニト
リル10.5重量%であり、遊離のアクリロニトリル−
スチレン重合体の重量平均分子量が120,000(G
PCによる標準ポリスチレン換算)、グラフト率50
%、電子顕微鏡観察により求められる平均ゴム粒径が
0.40μm、および液体クロマトグラフィーにより測
定された残留アクリロニトリルモノマー量が50ppm
であった。このABS樹脂をABS−4と称する。
【0132】I−(3) c成分(リン酸エステル系難
燃剤) FR−1:トリフェニルホスフェート(大八化学工業
(株)製TPP) FR−2:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェ
ート)(旭電化工業(株)製アデカスタブFP−50
0)
【0133】I−(4) d成分(ケイ酸塩充填剤) タルク−1:タルク(日本タルク(株)製タルクP−
3、平均粒子径約3μm) タルク−2:タルク(林化成(株)製HST0.8、平
均粒子径約5μm) WSN−1:ワラストナイト(キンセイマテック(株)
製WIC10、平均繊維径4.5μm、アスペクト比L
/D=8) WSN−2:ワラストナイト(巴工業(株)製サイカテ
ックNN−4、平均繊維径1.5μm、アスペクト比L
/D=20) マイカ:マイカ粉((株)山口雲母工業所製A−41、
平均粒子径約40μm) (d成分以外の充填剤) CF:炭素繊維(東邦レーヨン(株)製ベスファイト
HTA−C6−U、PAN系、ウレタン集束、径7μ
m)
【0134】I−(5) e成分(ポリテトラフルオロ
エチレン) PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業
(株)製F−201L)
【0135】I−(6) f成分(ゴム質重合体) ゴム−1:メタクリル酸メチル・アクリル酸2−エチル
ヘキシル・ブタジエン・スチレン多段グラフト共重合体
(スチレン含有量:15重量%)(呉羽化学工業(株)
製HIA−15) ゴム−2:ブタジエン系衝撃改質剤(呉羽化学工業
(株)製EXL2602)ゴム−3:アクリル−シリコ
ン系衝撃改質剤(三菱レイヨン(株)S−2001)
【0136】実施例1〜16および比較例1〜4 下記表1および表2に記載の各成分およびその量に基づ
いてV型ブレンダーで混合した後、径30mmφのベン
ト式二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30XSS
T)によりシリンダー温度240℃でペレット化した。
このペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形
機(FANUC(株)製T−150D)でシリンダー温
度250℃、金型温度70℃で各種試験片を作成し評価
した。評価結果を表1および表2に示した。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 21/00 C08L 21/00 25/04 25/04 25/12 25/12 25/16 25/16 27/18 27/18 51/04 51/04 55/02 55/02 67/00 67/00 Fターム(参考) 4F071 AA12 AA22 AA27 AA31 AA34 AA43 AA50 AA53 AA67 AA75 AA77 AB26 AB30 AC15 AE07 AF23 AF47 AF57 AH05 AH12 AH16 BB05 BC04 BC10 4J002 AC004 BC022 BC032 BC062 BC072 BC082 BC092 BD153 BN062 BN124 BN134 BN152 BN174 BN214 BN224 CF004 CG001 CG021 CK024 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 DK007 EW046 FB097 FB167 FD017 FD060 FD070 FD136 GG01 GQ00

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(a成
    分)40〜92重量% (B)スチレン系樹脂(b成分)5〜40重量% (C)リン酸エステル系難燃剤(c成分)3〜20重量
    % および (D)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
    当り、0.1〜30重量部のケイ酸塩充填剤(d成分) より実質的になる樹脂組成物であり、該樹脂組成物は、
    塩素原子量に換算した塩素化合物の含有量が100pp
    m以下である、ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該a成分は、界面重合法により得られた
    芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1記載の樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 該b成分は、アクリロニトリルをモノマ
    ー構成単位として含有するスチレン系樹脂であって、該
    樹脂組成物は、アクリロニトルモノマーの含有量が50
    ppm以下である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該b成分は、全モノマー構成単位中、ス
    チレン系モノマー単位が20重量%以上のスチレン系樹
    脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該スチレン系モノマー単位が、スチレン
    単位、α−メチルスチレン単位またはビニルトルエン単
    位である請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該b成分は、ポリスチレン、耐衝撃性ポ
    リスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン
    共重合体(AS樹脂)またはアクリロニトリル・ブタジ
    エン・スチレン共重合体(ABS樹脂)である請求項1
    記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 該b成分は、アクリロニトリル・ブタジ
    エン・スチレン共重合体(ABS樹脂)である請求項1
    記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 該b成分は、塊状重合法により得られた
    アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(A
    BS樹脂)である請求項1記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 該c成分は、下記式(1)で表されるリ
    ン酸エステル系難燃剤である請求項1記載の樹脂組成
    物。 【化1】 ただし式中Xは芳香族ジヒドロキシ化合物残基を示し、
    j、k、lおよびmは、それぞれ独立して0または1を
    示し、nは0または1〜5の整数を示し、R1、R2、R
    3およびR4は、それぞれ独立して芳香族モノヒドロキシ
    化合物残基を示す。
  10. 【請求項10】 該d成分は、SiO2成分を35重量
    %以上含有するケイ酸塩充填剤である請求項1記載の樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 該d成分は、タルク、マイカまたはワ
    ラストナイトである請求項1記載の樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 a成分が50〜88重量%、b成分が
    7〜35重量%、c成分が5〜15重量%およびd成分
    がa成分、b成分およびc成分の合計100重量部当
    り、0.5〜20重量部より実質的になる請求項1記載
    の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 塩素化合物の含有量が塩素原子に換算
    して樹脂組成物当り90ppm以下である請求項1記載
    の樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 アクリロニトリルモノマーの含有量
    が、樹脂組成物当り40ppm以下である請求項3記載
    の樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 さらに、フィブリル形成能を有するポ
    リテトラフルオロエチレン(e成分)を、a成分、b成
    分およびc成分の合計100重量部当り、0.1〜2重
    量部含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 さらに、ゴム質重合体(f成分)を、
    a成分、b成分およびc成分の合計100重量部当り、
    1〜10重量部含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 該ゴム質重合体(f成分)が、(メ
    タ)アクリル酸エステル系コア−シェルグラフト共重合
    体、ポリウレタン系エラストマーまたはポリエステル系
    エラストマーである請求項16記載の樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 該ゴム質重合体(f成分)が、(メ
    タ)アクリル酸エステル系コア−シェルグラフト共重合
    体である請求項16記載の樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂
    (a成分)40〜92重量% (B)スチレン系樹脂(b成分)5〜40重量% (C)リン酸エステル系難燃剤(c成分)3〜20重量
    % (D)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
    当り、0.1〜30重量部のケイ酸塩充填剤(d成分) (E)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
    当り、0.1〜2重量部のフィブリル形成能を有するポ
    リテトラフルオロエチレン(e成分)および (F)a成分、b成分およびc成分の合計100重量部
    当り、1〜10重量部の(メタ)アクリル酸エステル系
    コア−シェルグラフト共重合体(f−1成分)、より実
    質的になる樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、塩素
    原子に換算した塩素化合物の含有量が100ppm以下
    である、ポリカーボネート樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 該a成分は、界面重合法により得られ
    た芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項19記載の
    樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 該b成分は、アクリロニトリルをモノ
    マー構成単位として含有するスチレン系樹脂であって、
    該樹脂組成物は、アクリロニトリルモノマーの含有量が
    50ppm以下である請求項19記載の樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 該b成分は、全モノマー構成単位中、
    スチレン系モノマー単位が20重量%以上のスチレン系
    樹脂である請求項19記載の樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 該スチレン系モノマー単位が、スチレ
    ン単位、α−メチルスチレン単位またはビニルトルエン
    単位である請求項22記載の樹脂組成物。
  24. 【請求項24】 該b成分は、ポリスチレン、耐衝撃性
    ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレ
    ン共重合体(AS樹脂)またはアクリロニトリル・ブタ
    ジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)である請求項
    19記載の樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 該b成分は、アクリロニトリル・ブタ
    ジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)である請求項
    19記載の樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 該b成分は、塊状重合法により得られ
    たアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体
    (ABS樹脂)である請求項19記載の樹脂組成物。
  27. 【請求項27】 該c成分は、下記式(1)で表される
    リン酸エステル系難燃剤である請求項19記載の樹脂組
    成物。 【化2】 ただし式中Xは芳香族ジヒドロキシ化合物残基を示し、
    j、k、lおよびmは、それぞれ独立して0または1を
    示し、nは0または1〜5の整数を示し、R1、R2、R
    3およびR4は、それぞれ独立して芳香族モノヒドロキシ
    化合物残基を示す。
  28. 【請求項28】 該d成分は、SiO2成分を35重量
    %以上含有するケイ酸塩充填剤である請求項19記載の
    樹脂組成物。
  29. 【請求項29】 該d成分は、タルク、マイカまたはワ
    ラストナイトである請求項19記載の樹脂組成物。
  30. 【請求項30】 f−1成分が、(メタ)アクリル酸エ
    ステル系コア−シェルグラフト共重合体であり、コアと
    して(i)ブタジエン60〜100重量%およびスチレ
    ン0〜40重量%の合計100重量%からなるゴム、
    (ii)アクリル酸エステル60〜90重量%およびブ
    タジエン10〜40重量%の合計100重量%からなる
    共重合体ゴム、または(iii)オルガノシロキサン重
    合体成分5〜95重量%とアクリル酸エステルおよび/
    またはメタクリル酸エステルからなる重合体成分5〜9
    5重量%とが分離できないよう相互に絡み合った構造を
    有し、その合計が100重量%である複合ゴムの中から
    選択されるいずれかのゴム40〜90重量%、およびシ
    ェルとしてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
    ル、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物か
    ら選択される1種または2種以上の単量体からなる重合
    体もしくは共重合体10〜60重量%からなる請求項1
    9に記載の樹脂組成物。
  31. 【請求項31】 f−1成分が、(メタ)アクリル酸エ
    ステル系コア−シェルグラフト共重合体であり、アクリ
    ル酸エステル60〜90重量%およびブタジエン10〜
    40重量%の合計100重量%からなる共重合体ゴム4
    0〜90重量%からなるコアに対して、アクリル酸エス
    テル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シ
    アン化ビニル化合物から選択される1種または2種以上
    を1段または2段以上のグラフト重合によりグラフトさ
    せてなるシェル10〜60重量%からなり、かかるコア
    とシェルの合計100重量%からなる請求項19に記載
    の樹脂組成物。
  32. 【請求項32】 f−1成分が(メタ)アクリル酸エス
    テル系コア−シェルグラフト共重合体であり、コアとシ
    ェルの合計が100重量%中、アクリル酸エステル60
    〜80重量%およびブタジエン20〜40重量%の合計
    100重量%を含有するゴムラテックスからなるコア5
    0〜70重量%に対して、芳香族ビニル化合物およびメ
    タクリル酸エステル、および必要に応じてシアン化ビニ
    ル化合物からなる混合物を、2段グラフト重合によりグ
    ラフトさせてなるシェル30〜50重量%からなり、か
    かるシェル100重量%中メタクリル酸エステルが55
    〜70重量%であり、さらにシアン化ビニル化合物を含
    む場合にはかかるシアン化ビニル化合物が芳香族ビニル
    化合物との合計100重量%中22〜30重量%であ
    り、第1グラフト成分が芳香族ビニル化合物およびメタ
    クリル酸エステルの混合物、または芳香族ビニル化合
    物、シアン化ビニル化合物およびメタクリル酸エステル
    の混合物のいずれかからなるものであり、さらに第2グ
    ラフト成分がメタクリル酸エステルからなるものであっ
    て、かつシェル成分の合計100重量%中、第1グラフ
    ト成分が42〜70重量%および第2グラフト成分が3
    0〜58重量%である請求項19に記載の樹脂組成物。
  33. 【請求項33】 f−1成分が、(メタ)アクリル酸エ
    ステル系コア−シェルグラフト共重合体であり、コアと
    してオルガノシロキサン重合体成分7〜50重量%とア
    クリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
    50〜93重量%とが分離できないよう相互に絡み合っ
    た構造を有し、その合計が100重量%である複合ゴム
    60〜85重量%、シェルとしてアクリル酸エステル、
    メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化
    ビニル化合物から選択される1種または2種以上の単量
    体からなる重合体もしくは共重合体15〜40重量%の
    合計100重量%からなる請求項19に記載の樹脂組成
    物。
  34. 【請求項34】 a成分が50〜88重量%、b成分が
    7〜35重量%、c成分が5〜15重量%、a成分、b
    成分およびc成分の合計100重量部当り、d成分が
    0.5〜20重量部、e成分が0.1〜1重量部およびf
    −1成分が2〜8重量部より実質的になる請求項19記
    載の樹脂組成物。
  35. 【請求項35】 塩素化合物の含有量が塩素原子に換算
    して樹脂組成物当り90ppm以下である請求項19記
    載の樹脂組成物。
  36. 【請求項36】 アクリロニトリルモノマーの含有量
    が、樹脂組成物当り40ppm以下である請求項21記
    載の樹脂組成物。
  37. 【請求項37】 請求項1または19記載の樹脂組成物
    より形成された成形品。
  38. 【請求項38】 UL規格94Vによる燃焼試験に基づ
    いてV−0の判定を有する請求項37記載の成形品。
  39. 【請求項39】 65℃の温度および85%の相対温度
    の環境下で500時間保持した時の衝撃値保持率が50
    %以上でありかつ見掛けの分子量保持率が80%以上で
    ある請求項37記載の成形品。
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