JP2001064286A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JP2001064286A
JP2001064286A JP23827199A JP23827199A JP2001064286A JP 2001064286 A JP2001064286 A JP 2001064286A JP 23827199 A JP23827199 A JP 23827199A JP 23827199 A JP23827199 A JP 23827199A JP 2001064286 A JP2001064286 A JP 2001064286A
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Japan
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boric acid
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JP23827199A
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English (en)
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Masafumi Yoshimura
雅史 吉村
Koji Takahashi
孝司 高橋
Yasuyuki Kawahara
康行 川原
Hirotaka Tomizawa
廣隆 富澤
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New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基油への溶解性に乏しかった有機系摩擦低減
剤の潤滑油への溶解性を大幅に向上させ、低温での貯蔵
安定性に優れ、且つ摩擦低減効果に優れた潤滑油組成物
を提供することを目的とする。 【構成】 アルカン−1,2−ジオール及びグリセリン
モノアルキルエーテルからなる群から選択される1種又
は2種以上のジオール化合物を主成分とし、且つ、製造
過程で副生するオリゴマーの含有量が30重量%未満で
あるジオール化合物とホウ素化合物とから得られるホウ
酸エステルを、粘度指数80〜150の基油に希釈溶解
してなる潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は摩擦低減効果に優れ
た潤滑油組成物に関し、より詳しくは、自動車エンジン
油、ギヤ油、農業用機械油、建設機械油、トランスミッ
ション油等用途に適した摩擦低減効果に優れた潤滑油組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への意識の高まりから、
産業界にも様々な要望がなされ、オゾン層破壊防止のた
めに代替フロンの採用を進めるなど規制も進められてき
ている。環境問題の中でも、地球温暖化問題は大きな問
題の一つである。温暖化の原因としてはいろいろな温暖
化ガスの影響が明らかとされているが、その中でも排出
量の多い二酸化炭素(CO)の影響が非常に大きい。
そのため現在では、CO 排出量を削減することを目標
に省エネルギー化を推進し、装置の高効率化を進め、エ
ネルギーロスを低減する対策が各業界でなされている。
【0003】自動車業界においても、省エネルギーの対
策として燃費の向上を重要視しており、自動車の軽量
化、省燃費型エンジンの開発など車体の改良とともに、
駆動時の摩擦ロス低減のためにエンジン油、ギヤ油、自
動トランスミッション油等の潤滑油の性能を改良する面
からも燃費の改善に努力している。
【0004】潤滑油における省燃費性能の向上には、
流体潤滑条件下における摩擦ロスの低減を目的とした油
の低粘度化、及び混合潤滑及び境界潤滑条件下におけ
る摩擦ロスの低減を目的とした摩擦低減剤の添加の両面
から検討が進められている。最近では、エンジンの高出
力化、高性能化に伴い、潤滑条件はますます厳しくなっ
てきており、摩擦低減剤の添加は重要さを増してきてい
る。
【0005】これまで摩擦低減剤としては、有機モリブ
デン化合物の効果が大きいとして、主にエンジン油にお
いて各種検討されてきている。しかしながら、有機モリ
ブデン化合物は初期の摩擦低減の効果に優れる一方で、
油の劣化に伴い効果の持続性が悪いこと、及びそれ自身
の価格が高く、また必要添加量が多いため潤滑油へのコ
スト負荷が大きくなるという欠点を有する。そのため、
安価で、かつ、少量の添加により効果を発揮すると考え
られる有機系の摩擦低減剤が望まれ、例えば、グリセリ
ンモノアルキレート、グリセリンモノオレエート、脂肪
酸アミド、グリセリンモノアルキルエーテル、アルカン
−1,2−ジオールなどが検討されてきた。
【0006】しかしながら、これらの有機系摩擦低減剤
は、鉱油、半合成油及び合成油への溶解性、特に粘度指
数の高い鉱油への溶解性に乏しく、低温での貯蔵安定性
を保つためにオレイル基のようなアルケニル基の導入や
添加量の制約などが余儀なくされるため、摩擦低減効果
は大きいものではないのが現状である。例えば、特開昭
57−100193号公報には、アルカン−1,2−ジ
オールをエンジン油に添加することにより摩擦が低減さ
れ、燃料消費の減少に有効であることが記載されてい
る。しかし、低温での貯蔵安定性に関する記載はなく、
アルキル基の鎖長の異なる当該化合物の数種の混合物が
好ましいとされており、このことは溶解性を配慮してい
るものと示唆され、アルカン−1,2−ジオールの基油
への溶解性の向上が望まれている。
【0007】また、特開平9−176668号公報で
は、グリセリンモノアルキルエーテルを合成油及び半合
成油に添加する事により、摩擦が低減されることが記載
されている。しかし、溶解性を向上させるため短鎖のア
ルキル基又はオレイル基のようなアルケニル基に限定さ
れているため、摩擦低減効果は十分ではない。長鎖のア
ルキル基のものを用いると、さらなる摩擦低減効果が期
待できるが、溶解性の面で問題があり、グリセリンモノ
アルキルエーテルの基油への溶解性を向上させることが
望まれている。
【0008】一方、米国特許第4,522,734で
は、ワンポット反応により長鎖炭化水素末端エポキサイ
ドの加水分解物をホウ素化したホウ酸エステルを含有す
る潤滑油組成物が、摩擦を低減し、燃料消費の減少に有
効であることが記載されている。しかし、エポキシの加
水分解時に生成するエーテル多量体(オリゴマー)を多
量に含むホウ酸エステルであり、摩擦低減効果が十分で
ない。さらに、ホウ素化することにより基油への溶解性
が向上すると記載されているが、具体的な事例は示され
ていない。
【0009】また、米国特許第4,472,289で
は、摩擦低減剤として、アルカン−1,2−ジオールと
高級アルコールやグリセリン脂肪酸エステルとの混合物
をホウ素化したホウ酸エステルが提案されているが、溶
解性については記載が無く、また、摩擦低減効果の低い
化合物が混合されていることで全体としての摩擦低減効
果は十分でない。
【0010】このように、有機系摩擦低減剤の性能を維
持しながら基油への溶解性を向上させる試みが種々なさ
れているが、未だ満足な性能を持つ潤滑油組成物は得ら
れていない。
【0011】更に、鉱油においては近年の低燃費化に伴
い、低粘度化で高粘度指数(高VI)の油が注目を浴び
ているが、芳香族成分が少なくパラフィン成分が多いた
め、上記有機系の摩擦低減剤は溶解性において厳しい条
件となっている。そのことにより、高VI基油によく溶
けて有機モリブデン化合物に替わるものはないと考えら
れてきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機系摩擦
低減剤の粘度指数80以上の基油への溶解性を大幅に向
上させることにより、低温での貯蔵安定性に優れ、且つ
摩擦低減効果に優れた潤滑油組成物を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討の結果、アルカン−1,2−ジオ
ール及び/又はグリセリンモノアルキルエーテルをホウ
素化してジオール化合物のホウ酸エステルを得る際、特
定のオリゴマー含有量を有するアルカン−1,2−ジオ
ール及び/又はグリセリンモノアルキルエーテルを選択
することにより、粘度指数が80以上の基油中へのジオ
ール化合物の溶解性が著しく改善されること、更に、得
られた組成物は摩擦低減効果に優れていることを見出
し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明に係る潤滑油組成物は、一般
式(1) [式中、Rは炭素数12〜30のアルキル基を表
す。]で表されるアルカン−1,2−ジオールを主成分
とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量%未
満であるジオール化合物のホウ酸エステル及び/又は一
般式(2) [式中、Rは炭素数14〜30のアルキル基を表
す。]で表されるグリセリンモノアルキルエーテルを主
成分とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量
%未満であるジオール化合物のホウ酸エステルを、粘度
指数80〜150の基油に希釈混合してなることを特徴
とする。
【0015】又、本発明は、一般式(1) [式中、Rは炭素数12〜30のアルキル基を表
す。]で表されるアルカン−1,2−ジオールを主成分
とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量%未
満であるジオール化合物及び/又は一般式(2) [式中、Rは炭素数14〜30のアルキル基を表
す。]で表されるグリセリンモノアルキルエーテルを主
成分とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量
%未満であるジオール化合物と、ホウ酸、酸化ホウ素、
低分子量トリアルキルホウ酸エステルの群から選択され
る少なくとも1種のホウ素化合物とを用いてエステル化
又はエステル交換反応を行い、得られたジオール化合物
のホウ素エステルを粘度指数80〜150の基油に希釈
混合してなる潤滑油組成物を提供する。
【0016】更に、本発明は、一般式(1) [式中、Rは炭素数12〜30のアルキル基を表
す。]で表されるアルカン−1,2−ジオール又は一般
式(2) [式中、Rは炭素数14〜30のアルキル基を表
す。]で表されるグリセリンモノアルキルエーテルを主
成分とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量
%未満であるジオール化合物のホウ酸エステルを提供す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係るジオール化合物の
内、一般式(1)で表されるアルカン−1,2−ジオー
ルにおいて、Rは炭素数12〜30のアルキル基であ
り、好ましくは、炭素数12〜20のアルキル基が挙げ
られる。これらのアルカン−1,2−ジオールの具体的
な化合物としては、テトラデカン−1,2−ジオール、
ペンタデカン−1,2−ジオール、ヘキサデカン−1,
2−ジオール、ヘプタデカン−1,2−ジオール、オク
ダデカン−1,2−ジオール、ノナデカン−1,2−ジ
オール、エイコサン−1,2−ジオール、ヘンエイコサ
ン−1,2−ジオール、ドコサン−1,2−ジオール、
トリコサン−1,2−ジオール、テトラコサン−1,2
−ジオール、ペンタコサン−1,2−ジオール、ヘキサ
コサン−1,2−ジオール、ヘプタコサン−1,2−ジ
オール、オクタコサン−1,2−ジオール、ノナコサン
−1,2−ジオール、トリアコンタン−1,2−ジオー
ル等が例示され、なかでもペンタデカン−1,2−ジオ
ール、ヘキサデカン−1,2−ジオール、オクダデカン
−1,2−ジオール及びそれらの混合物が推奨される。
【0018】一般式(2)で表されるグリセリンモノア
ルキルエーテルにおいて、Rは炭素数14〜30のア
ルキル基であり、好ましくは、炭素数14〜20のアル
キル基が挙げられる。これらのグリセリンモノアルキル
エーテルの具体的な化合物としては、グリセリンモノテ
トラデカニルエーテル、グリセリンモノペンタデカニル
エーテル、グリセリンモノヘキサデカニルエーテル、グ
リセリンモノヘプタデカニルエーテル、グリセリンモノ
オクタデカニルエーテル、グリセリンモノノナデカニル
エーテル、グリセリンモノエイコサニルエーテル、グリ
セリンモノヘンエイコサニルエーテル、グリセリンモノ
ドコサニルエーテル、グリセリンモノトリコサニルエー
テル、グリセリンモノテトラコサニルエーテル、グリセ
リンモノペンタコサニルエーテル、グリセリンモノヘキ
サコサニルエーテル、グリセリンモノヘプタコサニルエ
ーテル、グリセリンモノオクタコサニルエーテル、グリ
セリンモノノナコサニルエーテル、グリセリンモノトリ
アコンタニルエーテル等が例示され、なかでもグリセリ
ンモノテトラデカニルエーテル、グリセリンモノペンタ
デカニルエーテル、グリセリンモノヘキサデカニルエー
テル、グリセリンモノヘプタデカニルエーテル、グリセ
リンモノオクタデカニルエーテル、グリセリンモノノナ
デカニルエーテル、グリセリンモノエイコサニルエーテ
ル及びそれらの混合物が推奨される。
【0019】これらのジオール化合物は、一般式(1)
で表されるアルカン−1,2−ジオールは炭素数14〜
32のアルカン−1,2−エポキシドを、一般式(2)
で表されるグリセリンモノアルキルエーテルは炭素数1
4〜30のアルキルグリシジルエーテルを、それぞれ酸
触媒で加水分解して得られる化合物である。これらのジ
オール化合物は、加水分解時に副生するエーテル多量体
(以下、オリゴマーという。)を通常含有している。本
発明に係るジオール化合物において、そのオリゴマーの
含有量は0%を越え30重量%未満であり、好ましくは
0%を越え15重量%未満である。30重量%以上の場
合、摩擦低減効果が不十分となり好ましくない。
【0020】ジオール化合物に含有されるオリゴマー
は、ジオール化合物を常法に従って溶剤抽出、溶剤によ
る再結晶精製又は減圧蒸留精製することにより除去する
ことができる。具体的な除去方法としては、例えば、溶
剤としてメタノール、エタノール等の炭素数1〜6のア
ルコール類、n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5
〜10の炭化水素類等を用いて、再結晶化温度が−30
〜50℃程度の温度範囲でジオール化合物を再結晶精製
することにより、オリゴマーの含有量を30重量%未満
に調整することができる。
【0021】本発明の潤滑油組成物は、上記のジオール
化合物のホウ酸エステルを含有することを特徴とする。
係るホウ酸エステルは、ジオール化合物とホウ素化合物
とを、常法に従って、好ましくは窒素等の不活性化ガス
雰囲気下において、より好ましくは溶媒の存在下におい
て、エステル化触媒の存在下または無触媒下で加熱撹拌
し、エステル化またはエステル交換を行うことにより調
製される化合物である。
【0022】ホウ素化合物としては、ホウ酸、酸化ホウ
素、低分子量トリアルキルホウ酸エステル等が例示され
る。これらの中でも、反応速度が速く、工業的に利用し
やすい点でホウ酸が好ましい。
【0023】ホウ酸エステルを製造する際のジオール化
合物とホウ素化合物の仕込み比率は、ジオール化合物1
モルに対し、ホウ素化合物のホウ素原子として0.25
〜1モル当量であり、好ましくは、0.5〜0.8モル
当量である。ホウ素原子として0.25モル当量未満で
は、有機系摩擦低減剤の基油への溶解性を向上させる効
果が十分でなく、また、ホウ素原子として1モル当量を
超える場合は、潤滑油としての使用中にホウ酸エステル
の加水分解が生じる恐れがあり、遊離するホウ酸の量が
多くなるため、ざらつき摩耗を引き起こす恐れがあり好
ましくない。
【0024】エステル化触媒としては、ルイス酸類、ア
ルカリ金属類、スルホン酸類等が例示される。具体的に
は、ルイス酸としては、アルミニウム誘導体、スズ誘導
体、チタン誘導体が例示される。アルカリ金属類として
は、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等
が例示される。スルホン酸類としては、パラトルエンス
ルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等が例示される。ま
た、酸性イオン交換樹脂等も使用することができる。そ
の中でも炭素数3〜8のテトラアルキルチタネート、酸
化チタン、炭素数1〜4のナトリウムアルコキシド、水
酸化ナトリウム、炭素数3〜12の脂肪酸スズ、酸化ス
ズが好ましい。これらのエステル化触媒の使用量は、エ
ステル合成原料であるジオール化合物およびホウ素化合
物の総重量に対して0.05重量%〜1重量%程度用い
られる。
【0025】溶媒としては、メタノール、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンのような有機溶媒が例示される。その
使用量は、エステル合成原料であるジオール化合物およ
びホウ素化合物の総重量に対して5重量%〜30重量%
程度用いられる。
【0026】エステル化温度としては、80℃〜200
℃が例示され、通常、2時間〜20時間で反応は完結す
る。
【0027】エステル化反応終了後、過剰の有機溶媒を
減圧下または常圧下にて留去する。引き続き、慣用の精
製方法、例えば、溶媒抽出、再結晶化、減圧蒸留、活性
炭処理等の吸着精製等により、生成エステルを精製する
ことができる。
【0028】係るホウ酸エステルのなかでも、特に、一
般式(2)で表されるグリセリンモノアルキルエーテル
を主成分とするジオール化合物を原料として用いたホウ
酸エステルがより好ましい。
【0029】本発明の潤滑油組成物に用いられるホウ酸
エステルは、1種若しくは2種以上を併用して使用する
ことが可能であり、潤滑油組成物総量に対し、0.01
重量%〜2.0重量%配合され、好ましくは、0.05
重量%〜1.0重量%配合される。その配合方法は特に
限定されることはなく、基油に直接希釈混合する方法
や、一般的に用いられるその他の添加剤と予め混合して
濃厚物とした後、基油に希釈混合する方法でも良い。
【0030】本発明の潤滑油組成物で使用する粘度指数
80〜150の基油としては、主に鉱油及び/又は合成
炭化水素油が用いられる。
【0031】鉱油としては、パラフィン系水素化精製鉱
油若しくは溶剤精製鉱油、ワックス異性化油等が挙げら
れる。なかでも、100℃の動粘度が3〜30[mm/s]
であり且つ粘度指数が90以上のものが好ましい。近
年、低燃費化を目的として基油の低粘度化と高粘度指数
化が求められており、粘度指数が90以上の鉱油が好ま
しく用いられている。
【0032】合成炭化水素油としては、ポリ−α−オレ
フィン、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフ
タレン等が挙げられる。なかでも、100℃の動粘度が
2〜30[mm/s]のポリ−α−オレフィンが好ましい。
ポリ−α−オレフィンとしては、炭素数2〜16のα−
オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等)の重
合体又は共重合体である。さらには、100℃の動粘度
が3〜10[mm/s]で、粘度指数が110以上のものが
好ましい。
【0033】更に、上記基油には、脂肪族ジエステル、
ポリオールエステル、芳香族ジエステル等のエステル系
合成油を混合してもよい。特に、脂肪族ジエステル、ポ
リオールエステルの使用が好ましい。これらのエステル
系合成油は1種又は2種以上混合してもよい。
【0034】脂肪族ジエステルとしては、ジ(2−エチ
ルヘキシル)アジペート、ジ(3,5,5−トリメチル
ヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジト
リデシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレ
ート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)アゼレー
ト、ジイソデシルアゼレート、ジ(2−エチルヘキシ
ル)セバケート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)セバケート、ジイソデシルセバケート、ジ(2−エ
チルヘキシル)ドデカンジオエート等が好ましい。
【0035】ポリオールエステルとしては、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等のネオペンチルポリオールと炭素数5〜12の
直鎖及び/又は分岐の脂肪酸若しくはそれらの混合物と
のエステルが好ましい。
【0036】基油にエステル系合成油を併用する場合の
混合比(重量比)としては、鉱油及び/又は合成炭化水
素油:エステル系合成油=50:95〜50:5が例示
される。
【0037】本発明に係る潤滑油組成物には、その性能
を向上させるために、本発明のホウ酸エステルの他に、
金属清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、酸化防止
剤、極圧剤、摩擦調整剤、無灰清浄分散剤、金属不活性
剤、金属腐食防止剤、防錆剤、増稠剤、消泡剤等の添加
剤の1種又は2種以上を適宜配合することも可能であ
る。これらは、本発明の効果を損なわない範囲で添加す
ることが可能であるが、その具体的処方例を以下に示
す。
【0038】金属清浄剤としては、中性金属スルホネー
ト、塩基性金属スルホネート、過塩基性金属スルホネー
ト、中性金属フェネート、塩基性金属フェネート、過塩
基性金属フェネート、中性金属サリシレート、塩基性金
属サリシレート、過塩基性金属サリシレート、金属カル
ボキシレート等が挙げられ、それらの金属としては、カ
ルシウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類
金属、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属が挙げ
られる。これらの金属清浄剤は、1種もしくは2種以上
併用して使用することが可能であり、潤滑油組成物総量
に対し、通常、0.5重量%〜10.0重量%添加され
る。
【0039】粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメ
タクリレート系、アルキルメタクリレート−プロピレン
コポリマー系、アルキルメタクリレート−エチレンコポ
リマー系、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、
エチレン−プロピレンコポリマー系、スチレン−ブタジ
エンコポリマー系、スチレン−無水マレイン酸エステル
共重合体系の化合物が挙げられ、1種もしくは2種以上
併用して使用することが可能であり、通常、潤滑油組成
物総量に対して1〜20重量%添加される。
【0040】流動点降下剤としては、ポリアルキルメタ
クリレートの他にポリアルキルアクリレート、塩素化パ
ラフィンとナフタレンの縮合物、塩素化パラフィンとフ
ェノールの縮合物、ポリブテン、ポリアルキルスチレ
ン、ポリビニルアセテートなどが挙げられ、1種もしく
は2種以上併用して使用することが可能であり、通常、
潤滑油組成物総量に対して0.1〜1%添加される。
【0041】酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブ
チルパラクレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6
−ジ−t−ブチルフェノール)等のヒンダードフェノー
ル系、N−フェニル−α−ナフチルアミン、p,p’−
ジオクチルジフェニルアミン等の芳香族アミン系、4,
4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、フェノチアジン等の硫黄系、フォスファイト系、
ジアルキルジチオリン酸亜鉛系、ジアルキルジチオカル
バミン酸亜鉛系の化合物が例示され、1種もしくは2種
以上併用して使用することが可能であり、通常、潤滑油
組成物総量に対して0.1〜5重量%添加される。
【0042】極圧剤としては、オレフィンポリサルファ
イド、硫化油脂、ジアルキルポリサルファイド等の有機
硫黄系、塩素化パラフィン、アルキル及びアリルりん酸
エステル、アルキル及びアリル亜りん酸エステル等の有
機リン系、ジアルキルジチオリン酸亜鉛系、ジアルキル
ジチオカルバミン酸亜鉛系、長鎖脂肪酸系の化合物が例
示され、1種もしくは2種以上併用して使用することが
可能であり、通常、潤滑油組成物総量に対して0.05
〜10重量%添加される。
【0043】摩擦調整剤としては、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコールなどのアルコール類、オレイル
アミン等のアミン類、モリブデンジチオカーバメート、
モリブデンジチオホスフェート等の有機モリブデン類が
挙げられ、1種もしくは2種以上併用して使用すること
が可能であり、通常、潤滑油組成物総量に対し0.05
〜5.0重量%添加される。
【0044】無灰清浄分散剤としてはポリアルケニルコ
ハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸アミド、ポリア
ルケニルベンジルアミン、ポリアルケニルコハク酸エス
テル等が挙げられ、1種もしくは2種以上併用して使用
することが可能であり、通常、潤滑油組成物総量に対し
て2〜10重量%添加される。
【0045】金属不活性剤及び腐食防止剤としては、ベ
ンゾトリアゾール及びその誘導体、2,5−ビス(n−
ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール等のチ
アジアゾール系の化合物が例示され、1種もしくは2種
以上併用して使用することが可能であり、通常、潤滑油
組成物総量に対して0.01〜0.4重量%配合され
る。
【0046】防錆剤としては、スルフォン酸塩系、カル
ボン酸系、有機アミン石けん系、ソルビタン部分エステ
ル系の化合物が例示され、1種もしくは2種以上併用し
て使用することが可能であり、通常、潤滑油組成物総量
に対して0.05〜3重量%添加される。
【0047】消泡剤としては、ポリジメチルシリコーン
等のシリコーン系化合物が例示され、1種もしくは2種
以上併用して使用することが可能であり、通常、潤滑油
組成物総量に対して1〜100ppm添加される。
【0048】上記添加剤は、本発明のホウ酸エステルと
予め混合して濃厚物とした後基油に混合してもよく、或
いは、本発明のホウ酸エステルを直接基油に希釈混合す
る際に混合してもよい。
【0049】本発明の潤滑油組成物は、自動車を含む車
両用ガソリンエンジン、同ディーゼルエンジン、2サイ
クルエンジン、航空機用エンジン、船舶用エンジン、機
関車用エンジン(ガソリン、ディーゼル、ガス、タービ
ンエンジンを問わない)等を含む内燃機関用潤滑油、ト
ラクター等の農業機械用の潤滑油、パワーショベル等の
建設機械用の潤滑油、自動トランスミッション油、トラ
ンスアクスル潤滑油、ギヤ油、金属加工潤滑油等に用い
ることができる。
【0050】
【実施例】以下に製造例及び実施例を掲げて本発明を詳
しく説明するが、本発明は製造例及び実施例に限定され
るものではない。尚、実施例及び製造比較例で用いたジ
オール化合物は、以下のようにして調整した。
【0051】製造例1 グリセリンモノヘキサデカニル
エーテル(オリゴマー含有量1.2重量%)の製造 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた4ツ口フ
ラスコにヘキサデカングリシジルエーテル120g、ジ
オキサン120g、水30g及び硫酸1.2gを仕込
み、環流下で13時間加熱攪拌して加水分解し、中和、
トッピング処理して得られたグリセリンモノヘキサデカ
ニルエーテル粗物115gをメタノール345gに加熱
溶解し、再結晶化温度0℃で再結晶精製し、オリゴマー
含有量1.2重量%のグリセリンモノヘキサデカニルエ
ーテル60gを得た。
【0052】製造例2 ヘキサデカン−1,2−ジオー
ル56重量%、オクタデカン−1,2−ジオール44重
量%よりなる混合物(オリゴマー含有量1.8重量%)
の製造 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた4ツ口フ
ラスコに、該当するα−オレフィンより、蟻酸と過酸化
水素を用いる一般的な方法で得られたヘキサデカン−
1,2−エポキシド及びオクタデカン−1,2−エポキ
シドの混合物120g、ジオキサン120g、水30g
及び硫酸1.2gを仕込み、環流下で6時間加熱攪拌し
加水分解し、中和、トッピング処理して得られたヘキサ
デカン−1,2−ジオール及びオクタデカン−1,2−
ジオール混合物の粗物121gをn−ヘキサン800g
に加熱溶解し、再結晶化温度20℃で再結晶精製し、オ
リゴマー含有量1.8重量%のヘキサデカン−1,2−
ジオール56重量%及びオクタデカン−1,2−ジオー
ル44重量%よりなる混合物75gを得た。
【0053】実施例及び製造比較例で用いたその他のグ
リセリンモノアルキルエーテル及びアルカン−1,2−
ジオールは、製造例1又は2と同様に調整し、再結晶条
件及び回数を任意調整することで目的とするオリゴマー
含有量に調整した。または、市販品を用いた。
【0054】実施例において潤滑油基油、摩擦低減剤、
その他添加剤は以下のものを用いた。
【0055】・基油No.1:パラフィン系水素化分解
精製鉱油(粘度は100℃で4.30mm/sであり、粘
度指数は107である)。 ・基油No.2:ワックス異性化鉱油[高粘度指数基油
(粘度は100℃で4.49mm/sであり、粘度指数は
144である)]。
【0056】・摩擦低減剤1:グリセリンモノヘキサデ
カニルエーテル(オリゴマー含有量:1.2重量%)。 ・摩擦低減剤2:グリセリンモノドデカニルエーテル
(オリゴマー含有量:1.9重量%)。 ・摩擦低減剤3:ヘキサデカン−1,2−ジオール56
重量%、オクタデカン−1,2−ジオール44重量%よ
りなる混合物(オリゴマー含有量:1.8重量%)。 ・摩擦低減剤4:ドデカン−1,2−ジオール(オリゴ
マー含有量:2.0重量%)。
【0057】摩擦低減剤1及び3は、実施例及び製造比
較例で用いたジオール化合物と同一のものを使用した。
摩擦低減剤2及び4は、製造例1又は2と同様の方法で
調整した。
【0058】・金属清浄剤I:過塩基性カルシウムスル
ホネート(TBN=400)(市販品)。
【0059】・金属清浄剤II:過塩基性カルシウムフ
ェネート(TBN=250)(市販品)。
【0060】・分散剤:非ボロン系ポリイソブテニルコ
ハク酸イミド分散剤(市販品)。
【0061】・極圧剤:ジアルキルジチオリン酸亜鉛
(Zn−DTP)(市販品)。
【0062】試験方法 [GPC分析]GPC分析により得られたクロマトグラ
ムより、原料のジオール及び/またはホウ酸エステルの
組成を分析した。GPC分析条件を以下に示す。 装置:(株)島津製作所製 カラム:(株)島津製作所製ShimPack GPC-80M(8mmφ
×30cm)1本 東ソー(株)製TSKgel G2000HXL (7.8mmφ×30cm)1
本 東ソー(株)製TSKgel G1000HXL (7.8mmφ×30cm)3
本 以上の3種のカラムを順番に接続して用いた。 カラム温度:40℃ 溶離液:テトラヒドロフラン サンプル:2重量%テトラヒドロフラン溶液 検出器:示差屈折計
【0063】[貯蔵安定性試験]潤滑油組成物40gを
70mlのガラス容器に入れガラス栓をした後、0℃に
設定した恒温槽に96時間静置し、結晶の析出状態を
◎、×の2段階で評価する。◎は結晶の析出が全くな
く、×は結晶が目視で明らかに析出したことを示す。
【0064】[摩擦係数測定試験]摩擦係数は、振り子
式摩擦係数測定試験機を用い、荷重180g(振り子の
自重含む)の条件下、潤滑油組成物4.0mlを100
℃に保温した状態で測定する。尚、摩擦係数は小数点以
下3桁までの数値を記載しているが、0.01の差は、
摩擦係数としての差が大きいものである。
【0065】実施例1 撹拌機、温度計、冷却管付き水分分留器を備えた4ツ口
フラスコに、グリセリンモノヘキサデカニルエーテル
(オリゴマー含有量:1.2重量%)を320g(1.
0モル)、ホウ酸を61.8g(1.0モル)仕込み、
さらにトルエン40gを仕込み、無触媒下、減圧下にて
140℃まで昇温した。生成した水を水分分留器にとり
ながらトルエンの環流下においてエステル化反応を約5
時間行った。反応後、過剰のトルエンを蒸留で除去し、
ホウ酸エステル325gを得た。得られたホウ酸エステ
ルの酸価及びDSC融点を表1に示す。又、このものの
IRチャートを図1に示す。GPC分析より、全ホウ酸
エステル中にしめるオリゴマーのホウ酸エステル含有量
は、1.2%であった。
【0066】実施例2〜4 表1に記載のオリゴマー含有量に調整したジオール化合
物を用いて、表1に記載の仕込み量で、実施例1と同様
にしてホウ酸エステルを製造した。得られたホウ酸エス
テルの収量、酸価、及びDSC融点を表1に示す。
【0067】実施例5 ヘキサデカン−1,2−ジオール56重量%、オクタデ
カン−1,2−ジオール44重量%よりなる混合物(オ
リゴマー含有量:1.8重量%)を用いて、表1に記載
の仕込み量で、実施例1と同様にしてホウ酸エステルを
製造した。得られたホウ酸エステルの収量、酸価、及び
DSC融点を表1に示す。
【0068】実施例6 ヘキサデカン−1,2−ジオール56重量%、オクタデ
カン−1,2−ジオール44重量%よりなる混合物(オ
リゴマー含有量:24.2%、ダイセル化学工業株式会
社製 商品名「AOG−X68」)を用いて、表1に記
載の仕込み量で、実施例1と同様にしてホウ酸エステル
を製造した。得られたホウ酸エステルの収量、酸価、及
びDSC融点を表1に示す。又、このもののIRチャー
トを図2に示す。GPC分析より、全ホウ酸エステル中
にしめるオリゴマーのホウ酸エステル含有量は、24.
2%であった。
【0069】実施例7 テトラコサン−1,2−ジオール(オリゴマー含有量:
1.2重量%)を用いて、表1に記載の仕込み量で、実
施例1と同様にしてホウ酸エステルを製造した。得られ
たホウ酸エステルの収量、酸価、及びDSC融点を表1
に示す。
【0070】製造比較例1〜3 表1に記載のオリゴマー含有量の各ジオール化合物を用
いて、表1に記載の仕込み量で、実施例1と同様にして
ホウ酸エステルを製造した。得られたホウ酸エステルの
収量、酸価、及びDSC融点を表1に示す。
【0071】
【0072】製造比較例4 撹拌機、温度計、冷却管付き水分分留器を備えた4ツ口
フラスコにヘキサデカン−1,2−エポキサイド56重
量%、オクタデカン−1,2−エポキサイド44重量%
よりなる混合物を1モルとホウ酸0.7モル及び水2モ
ル、さらにトルエン60gを仕込み、窒素置換後100
℃まで昇温した。そして、その温度で1.5時間攪拌を
続け、エポキサイドの加水分解を行った。さらに、16
0℃まで昇温し、生成した水を水分分留器にとりながら
トルエンの環流下においてエステル化反応を4時間行っ
た。反応後、過剰のトルエンを蒸留で除去し、約80℃
の温度で濾過を行い、297gのホウ酸エステルを得
た。得られたホウ酸エステルの酸価は20.5であり、
DSC融点は36℃であった。GPC分析より、全ホウ
酸エステル中にしめるオリゴマーのホウ酸エステル含有
量は、69.6%であった。
【0073】実施例8 実施例1で製造したホウ酸エステル0.54重量%、金
属清浄剤I1.20重量%、金属清浄剤II0.34重
量%、分散剤5.00重量%及び極圧剤1.00重量%
を、80℃、30分間の条件で予め加熱溶解混合し、得
られた添加剤濃厚物を基油No.1を用いて希釈し、潤
滑油組成物を得た。得られた潤滑油組成物について、貯
蔵安定性試験及び摩擦係数測定試験を行った。その評価
結果を表2に示す。
【0074】実施例9〜15、比較例1〜9 表2に記載の実施例1〜7又は製造比較例1〜4で製造
したホウ酸エステル若しくは摩擦低減剤を用いて、実施
例8に記載の方法で表2に記載の潤滑油組成物を調整し
た。得られた潤滑油組成物について、貯蔵安定性試験及
び摩擦係数測定試験を行った。その評価結果を表2に示
す。
【0075】
【0076】上記結果から、グリセリンモノヘキサデカ
ニルエーテルを主成分としたジオール化合物のホウ酸エ
ステルを基油に希釈混合したもの(実施例8)は、ホウ
素化されない場合(比較例5)と比べて貯蔵安定性が大
幅に改善された。さらに、摩擦低減効果が維持されてい
ることがわかった。一方、オリゴマーを多く含有してい
るジオール化合物のホウ酸エステルは摩擦低減効果が低
いこと(比較例1)、又、米国特許第4,522,73
4に記載のワンポット反応により得たホウ酸エステル
は、オリゴマー量が非常に多く、摩擦低減効果が低いこ
と(比較例4)がわかった。他の実施例、比較例につい
ても同様のことがいえる。
【0077】
【発明の効果】本発明に係る潤滑油組成物は、従来、基
油への溶解性に乏しかった末端隣接水酸基を有する特定
の有機系摩擦低減剤の内、オリゴマー含有量が低いもの
をホウ酸エステル化したものを配合することにより、低
温での貯蔵安定性に優れ、且つ摩擦低減効果に優れた組
成物となり、省燃費が求められる自動車エンジン油(ガ
ソリンエンジン、ディーゼルエンジン)、2サイクルエ
ンジン油、ギヤ油等に適用でき、実用上極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリセリンモノヘキサデカニルエーテルのホウ
酸エステル(オリゴマー含有量:1.2重量%)のIR
チャートである。
【図2】ヘキサデカン−1,2−ジオール56重量%、
オクタデカン−1,2−ジオール44重量%よりなる混
合物のホウ酸エステル(オリゴマー含有量:24.2
%)のIRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:04 40:25 70:00 (72)発明者 富澤 廣隆 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新 日本理化株式会社内 Fターム(参考) 4H048 AA01 AA03 AB60 VA20 VA75 VB10 4H104 BJ05C DA02A EA02A EB02 LA04 LA20 PA02 PA03 PA41 PA50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) [式中、Rは炭素数12〜30のアルキル基を表
    す。]で表されるアルカン−1,2−ジオールを主成分
    とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量%未
    満であるジオール化合物のホウ酸エステル及び/又は一
    般式(2) [式中、Rは炭素数14〜30のアルキル基を表
    す。]で表されるグリセリンモノアルキルエーテルを主
    成分とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量
    %未満であるジオール化合物のホウ酸エステルを、粘度
    指数80〜150の基油に希釈混合してなる潤滑油組成
    物。
  2. 【請求項2】 一般式(1) [式中、Rは炭素数12〜30のアルキル基を表
    す。]で表されるアルカン−1,2−ジオールを主成分
    とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量%未
    満であるジオール化合物及び/又は一般式(2) [式中、Rは炭素数14〜30のアルキル基を表
    す。]で表されるグリセリンモノアルキルエーテルを主
    成分とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量
    %未満であるジオール化合物と、ホウ酸、酸化ホウ素、
    低分子量トリアルキルホウ酸エステルの群から選択され
    る少なくとも1種のホウ素化合物とを用いてエステル化
    又はエステル交換反応を行い、得られたジオール化合物
    のホウ酸エステルを粘度指数80〜150の基油に希釈
    混合してなる潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑油組成物中にしめるホウ酸エステル
    の含有量が0.01〜2.0重量%である、請求項1又
    は請求項2に記載の潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 ホウ素化合物がホウ酸である、請求項2
    に記載の潤滑油組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(1) [式中、Rは炭素数12〜30のアルキル基を表
    す。]で表されるアルカン−1,2−ジオールを主成分
    とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量%未
    満であるジオール化合物のホウ酸エステル。
  6. 【請求項6】一般式(2) [式中、Rは炭素数14〜30のアルキル基を表
    す。]で表されるグリセリンモノアルキルエーテルを主
    成分とする、オリゴマーの含有量が0%を越え30重量
    %未満であるジオール化合物のホウ酸エステル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534518A (ja) * 2006-04-24 2009-09-24 ザ ルブリゾル コーポレイション 星形ポリマー潤滑組成物
WO2011068137A1 (ja) * 2009-12-03 2011-06-09 出光興産株式会社 潤滑油組成物
JP2014118558A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑用添加剤
CN110036096A (zh) * 2016-12-07 2019-07-19 道达尔销售服务公司 包含甘油单醚的润滑组合物

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