JP2001061831A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JP2001061831A
JP2001061831A JP23837299A JP23837299A JP2001061831A JP 2001061831 A JP2001061831 A JP 2001061831A JP 23837299 A JP23837299 A JP 23837299A JP 23837299 A JP23837299 A JP 23837299A JP 2001061831 A JP2001061831 A JP 2001061831A
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ray
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slice
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Fumito Watanabe
史人 渡辺
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体の体軸方向のX線量分布が均一で、同
時計測の複数スライスのCT画像の画質を均一にするこ
とができるX線CT装置を提供する。 【解決手段】 X線CT装置に搭載されたX線管の焦点
6と被検体20の間に体軸方向X線量補正フィルタ(以下、
補正フィルタという)30を配置する。補正フィルタ30の
体軸方向(スライス方向)の断面は台形で、材質はアルミ
ニウムである。焦点6から放射された体軸方向に傾斜し
たX線量分布をもつX線ビーム7に対し、台形断面の厚
い方をX線量の多い方(X線管の陰極側)に配置し、台形
断面の薄い方をX線量の少ない方(X線管の陽極側)に配
置する。補正フィルタ30を透過したX線ビーム7は体軸
方向のX線量分布が均一化され、被検体20を透過後、ス
ライス方向に4個のX線検出素子35をもつマルチスライ
ス型X線検出器34で計測され、計測データに基づき画質
の均一なCT画像が再構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線CT装置に係
り、特に被検体の体軸方向のX線量分布を均一にするこ
とにより、スライス毎に均一な画質の画像が得られるマ
ルチスライス型X線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に、X線CT装置の従来例のスキャ
ナユニットの構成図を示す。図10において、X線CT装
置のスキャナユニット1内には、中央部に天板19に寝載
された被検体20を挿入するための開口部8があり、その
開口部8に挿入された被検体20の体軸の周りを回転する
回転板2がある。この回転板2の上には、計測のためのX
線を放射するX線管を収納したX線管装置3と、X線管
での発熱を効率的に冷却するためのX線管冷却装置5
と、X線管のX線源(焦点)6から放射されたX線を所
定の厚さに絞るX線コリメータ11と、被検体20を透過し
たX線を受光し、そのX線強度に対応する電気信号を出
力するX線検出器12と、X線検出器12の出力信号を適正
なレベルの値に増幅し、画像再構成演算を行うためのデ
ジタルデータに変換する増幅回路装置13と、回転板2を
回転駆動するモータ17の動作を制御するスキャナ制御装
置18と、スキャナユニット1と操作卓または画像処理装
置との間のデータのやり取りを行うインターフェース装
置と、上記の各装置を動作させるための電源装置15など
が搭載されている。
【0003】従来、X線CT装置では、X線源6から放
射されたX線はX線コリメータ11によって被検体20の体
軸方向にある一定の幅をもつファン状のX線ビームに絞
られる。この幅はスライス厚さと呼ばれているが、通常
使われているこのスライス厚さの値としては被検体20の
存在する回転板2の中心位置で、1mm程度から10mm程度の
値が選択されている。より良い画像を得るために種々の
スライス厚さが選択されており、例えば頭蓋底のような
パーシャルボリューム効果の大きい部位や耳などのよう
なより高い空間分解能が要求される部位では薄いスライ
ス厚さが選択され、また、空間分解能よりもむしろ低コ
ントラスト分解能が要求される部位では、X線量を多く
するために比較的厚いスライス厚さが選択されている。
X線コリメータ11は種々のスライス厚さに対応するため
スライス厚さを可変できる構造になっている。
【0004】さらに、最近では、X線CT装置として、
被検体20の複数のスライス分の計測データを同時に取り
込むことができるマルチスライス型X線CT装置が求め
られている。このマルチスライス型X線CT装置では、
複数のスライスの計測データを同時に取りこむために、
X線ビーム幅として従来のシングルスライス型X線CT
装置におけるスライス厚さの同時取り込み枚数分の幅が
要求されている。
【0005】また、X線CT装置ではより高分解能化が
進められており、それに伴いより正確な計測データ(X
線減弱データ)が要求されてきている。より正確な計測
データを得るためには、正確で均一なX線量分布のX線
ビームが要求される。
【0006】しかし、上述の如く、X線管から放射され
るX線のX線量分布は、体軸に直交する方向ではほぼ均
一な分布であるが、体軸方向ではなだらかな傾斜をもっ
た分布であるため、同時計測によって得られた体軸方向
の各々のスライス画像の画質は、体軸方向のX線量分布
の影響により不均一なものとなってしまう。
【0007】さらに、画質を均一にするためにデータの
補正を行うとデータのぼけが発生し、このデータのぼけ
を改善するためには必然的に被検体へのX線の照射量を
増加させることになり、被検体の被曝線量を増加させる
ことになる。また、スライス間の補正を行うことによっ
て、新たなアーチファクトが発生してしまう。
【0008】ここで、X線量分布の影響によるスライス
毎の画像ノイズについて比較を行ってみる。図9は、X
線管の体軸方向のX線量分布の例を示したものである。
図9(a)はX線ビームとX線検出器との位置関係を、
図9(b)は体軸方向のX線量分布例を示している。図9
(a)において、X線源6からのX線ビーム7は、体軸方
向(スライス方向に対応するので、以下スライス方向と
もいう)に配列された4スライス分(AスライスからD
スライス)のX線検出素子から成るX線検出器12によっ
て受光される。図9(b)において、横軸はX線検出器1
2の各スライスの位置で、縦軸は各スライス位置での相
対X線強度である。図示の例では、X線検出器12の各ス
ライスに入射するX線量は、AスライスからDスライス
にかけてほぼ直線的に約30%変化する(この関係はX線
管を基準にしてみると、Aスライス側は陽極側、Dスラ
イス側は陰極側に対応する。)。このような場合には、
Aスライスに入射するX線量はDスライスに入射するX
線管の約80%となる。一般的に、画像ノイズはX線フォ
トンノイズに依存しており、X線量の平方根に反比例す
る。従って、本例の場合、Aスライスにおける画像ノイ
ズはDスライスに比べて10%程度上昇することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した如く、従
来のX線CT装置では、X線管から放射されるX線の体
軸方向のX線量分布が不均一であるために、このX線量
分布の影響により、マルチスライス型のX線検出器など
を用いて、複数スライス分の画像データを同時計測して
得られた各々のスライス画像の画質が不均一となってし
まうという問題がある。
【0010】そこで、本発明では、被検体の体軸方向の
X線量分布が均一で、同時計測の複数スライスのCT画
像の画質を均一にすることができるX線CT装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のX線CT装置は、中心部に被検体を挿入す
る開口部を有する回転板上に、X線管とマルチスライス
型X線検出器を開口部を中心にして対向して配置し、前
記回転板を回転しながら被検体の複数スライスについて
の各方面からのX線透過データを計測し、増幅した後、
そのデータから被検体の複数スライスのCT画像を再構
成するX線CT装置において、被検体の体軸方向のX線
量分布を均一化する体軸方向X線量補正フィルタを具備
する(請求項1)。
【0012】この構成では、体軸方向X線量補正フィル
タによってX線管の焦点から放射されたX線ビームの体
軸方向のX線量分布を均一化することができるので、マ
ルチスライス型X線検出器によって同時に計測した複数
スライスのX線透過データによって再構成したCT画像
の画質がスライス間で均一なものとなる。
【0013】本発明のX線CT装置では更に、前記体軸
方向X線量補正フィルタを、前記X線管の焦点と被検体
との間に配置したものである。また、前記体軸方向X線
量補正フィルタを前記X線管を収納するX線管装置の前
面に取り付けられたフィルタケース内に配置したもので
ある。前者の構成では、被検体に照射される前のX線ビ
ームに体軸方向X線量補正フィルタが適用されるので、
被検体には体軸方向のX線量分布が均一化されたX線ビ
ームを照射することができる。また、後者の構成では、
この体軸方向X線量補正フィルタをX線管の焦点の近傍
のフィルタケース内に配置しているので、フィルタ近傍
ではX線ビームの広がりは未だ小さく、体軸方向X線量
補正フィルタを小型に作ることができる。
【0014】本発明のX線CT装置では更に、前記体軸
方向X線量補正フィルタの体軸方向の厚さをX線管の焦
点から放射されるX線量に応じて、X線量が多い位置で
は厚くし、X線量が少ない位置では薄くしたものであ
る。また、前記体軸方向X線量補正フィルタの体軸方向
の厚さを、X線管の陰極側に対応する側を厚くし、X線
管の陽極側に対応する側を薄くするものである。この構
成では、X線管の焦点から放射されるX線ビームについ
て、体軸方向のX線量の補正をX線量の多い側を大きく
低減させ、X線量の少ない側を小さく低減させることに
なるので、フィルタ透過後の体軸方向のX線量分布は均
一化される。
【0015】本発明のX線CT装置では更に、前記体軸
方向X線量補正フィルタの体軸方向の断面が台形又は三
角形である。この構成では、台形の長辺側又は三角形の
底辺側を体軸方向のX線量の多い側に、台形の短辺側又
は三角形の頂点側を体軸方向のX線量の少ない側に配置
することにより、体軸方向のX線量分布が均一化され
る。また、形状を台形又は三角形という単純なものとし
ているので、フィルタの加工が容易となる。
【0016】本発明のX線CT装置では更に、前記体軸
方向X線量補正フィルタのチャンネル方向のX線ビーム
の入射面及び出射面の形状が直線状又は円弧状である。
前者の構成では、フィルタのチャンネル方向の断面が長
方形状であるので、加工は容易である。チャンネル方向
のX線量分布は中心部分ではほぼ一様であるが、端部に
行くにつれて若干減少する。また、後者の構成では、フ
ィルタはX線管の焦点を中心とする円弧状に形成されて
いるので、チャンネル方向のX線量分布は端部まで均一
である。
【0017】本発明のX線CT装置では、前記体軸方向
X線量補正フィルタの材質がアルミニウムである。この
構成では、フィルタの材質がアルミニウムであるので、
その線吸収係数は比較的小さく、フィルタの厚さの調整
が容易である。また、アルミニウムは他のフィルタにも
使用されているので、材料的にも入手しやすく、加工も
容易である。
【0018】本発明のX線CT装置では更に、前記体軸
方向X線量補正フィルタは体軸方向のX線量分布を均一
化する補正フィルタ部と、チャンネル方向のX線量分布
を中心部から周辺部に向って減少させる補償フィルタ部
とから成る。この構成では、体軸方向X線量補正フィル
タと補償フィルタが一体化して、両フィルタの機能を兼
備しているので、補償フィルタを省略することができ
る。この両フィルタの一体化は、体軸方向X線量補正フ
ィルタの材料がアルミニウムであるために可能になった
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
によって説明する。図1〜図4は、本発明のX線CT装
置の全体構成を説明するための図である。先ず、図1に
よりスキャナユニットの構成について説明する。図1は
本発明のX線CT装置に係るスキャナユニットの全体構
成を示したものである。図1において、スキャナユット
1のスキャナカバー21の内部の中央には、中心に開口部
8を有する回転板2がガントリ22に回転自在に支持され
ている。この回転板2には、X線管装置3、このX線管
装置3と送油ホース4で接続されたX線管冷却装置5、
本発明の要部となる体軸方向X線量補正フィルタ30、X
線管装置3のX線源(焦点)6からファン状に放射され
たX線ビーム7のX線強度をファンの中心から周辺部に
向って減少させる補償フィルタ9、これらのフィルタを
支持し、収納するフィルタケース10、X線ビーム7を所
望の厚さ及び幅に絞るX線コリメータ11、X線管装置3
から放射され、X線コリメータ11で絞られ、被検体20を
透過したX線を受光し、電気信号に変換するX線検出器
12、X線検出器12から出力された電気信号を増幅し、デ
ジタルデータに変換する増幅回路装置13、X線管装置3
に高電圧を供給するための変圧器14、スキャナ1と操作
卓又は画像処理装置との間のデータのやり取りを行うイ
ンターフェース装置(図示せず)及び回転板2上の各装置
を動作させるための電源装置15などが配置されている。
【0020】また、スキャナユニット1内の各装置を適
正に動作させるための制御信号を発生するスキャナ制御
装置18がガントリ22上に配置され、スキャナユニット1
内の各装置と接続され、回転板2をベルト16にて回転駆
動するモータ17の動作の制御も行っている。回転板2上
の装置とスキャナ制御装置18との間はスリップリングな
どで接続され、回転板2の回転中においても、制御信号
の交信や電力の供給が行えるように構成されている。
【0021】図2には、図1のスキャナユニットと被検体
を寝載したテーブルユニットを横方向から見た図を示
す。図2では、スキャナユニット1については断面が示さ
れている。図2において、スキャナユニット1の回転板2
の開口部8にはテーブルユニット25の天板19の上に載せ
られた被検体20が挿入されている。テーブルユニット25
のテーブル移動機構部26は、その上部に設置された天板
19を水平方向及び上下方向に移動させることができるよ
うに構成されているので、このテーブル移動機構部26を
操作して、被検体20の検査対象位置を、回転板2の回転
中心であり、かつ、X線ビーム7の照射される位置に、
位置合わせすることができる。
【0022】図3には、本発明に係るX線CT装置のブ
ロック構成図を示したものである。図3において、X線
CT装置は、図1に示したスキャナユニット1と、図2に
示したテーブルユニット25と、制御卓ユニット27とから
構成され、操作卓ユニット27と、スキャナユニット1及
びテーブルユニット25との間は信号ケーブル28で接続さ
れている。操作卓ユニット27には、スキャナユニット1
及びテーブルユニット25に制御信号を送る制御部とスキ
ャナユニット1からの計測信号に基づいてCT画像の再
構成を行う画像処理装置などが含まれている。X線CT
装置の操作時には、スキャナユニット1とテーブルユニ
ット25は操作卓ユニット27からの制御信号を受けて動作
し、被検体20を透過したX線の強度分布を計測し、その
計測データを信号ケーブル28を介して操作卓ユニット27
に送る。操作卓ユニット27は内部の画像処理装置にて計
測データからCT画像を再構成して、表示する。
【0023】図4は、マルチスライス型X線検出器を搭
載したX線CT装置の要部の概略図である。図4におい
て、X線管装置3から放射された幅の広いファン状のX
線ビーム7は被検体20を透過した後、マルチスライス型
X線検出器34によって受光される。マルチスライス型X
線検出器34では、その長手方向(被検体20の体軸に直角
な方向)がチャンネル方向で、被検体20の体軸方向がス
ライス方向である。図示のマルチスライス型X線検出器
34の場合、スライス方向に4個ずつのX線検出素子35が
配列されているので、被検体20の体軸方向の4個のスラ
イス29の計測を同時に行うことができ、4スライス分の
計測データを得ることができる。
【0024】また、X線管装置3から放射されたX線
は、フィルタケース10に収納された体軸方向X線量補正
フィルタ30によって、体軸方向のX線量分布を均一化さ
れた後、X線コリメータ11によって、被検体20の計測範
囲(図示の場合は4スライス分)に一致するような照射
野のX線ビーム7に絞られる。X線コリメータ11は、そ
の開口を可変させて、X線ビーム7の照射野を可変でき
るように構成されている。X線ビーム7の最大照射野は
マルチスライス型X線検出器34の最大受光面積に対応す
るので、それを最大限としてX線コリメータ11の開口を
可変できる。
【0025】図5に、本発明の体軸方向X線量補正フィ
ルタを具備するX線CT装置の第1の実施例を示す。図5
は第1の実施例の要部を示したもので、(a)はチャン
ネル方向のX線ビームを基準にして見た図、(b)はス
ライス方向のX線ビームを基準にして見た図である。図
5において、本実施例のX線CT装置では、X線管装置
の焦点6と被検体20との間に台形状の体軸方向X線量補
正フィルタ30が配列されている。体軸方向X線量補正フ
ィルタ30は体軸方向に傾斜した平面をもつ板で、断面が
図5(b)に示すように台形になっている。体軸方向に
傾斜したX線量分布をもつX線において、X線量の多い
方(X線管の陰極側)は台形フィルタの厚い方を透過
し、X線量の少ない方(X線管の陽極側)は台形フィル
タの薄い方を透過することによって、体軸方向のX線量
分布が均一化される。また、上記の体軸方向X線量補正
フィルタ30の断面の形状は台形に限定されず、三角形な
どでもよい。
【0026】体軸方向X線量補正フィルタ30の設置場所
は、X線管装置の焦点6と被検体20の間であればどこで
もよいが、通常は図1のフィルタケース10内に設置され
る。体軸方向X線量補正フィルタ30の材料としては、通
常アルミニウムが用いられるが、アルミニウムと線吸収
係数の近い他の材料を用いてもよい。
【0027】図5(b)において、マルチスライス型X
線検出器34ではスライス方向に複数個(図示では4個)
のX線検出素子35が配列されているが、そのスライス方
向の両端部には検出器側X線コリメータ36が配列され、
被検体20からの散乱X線の入射を防止している。
【0028】ここで、本発明のX線CT装置で体軸方向
X線量補正フィルタを適用したときのX線量を図9のA
スライスとDスライスで比較してみる。X線ビーム7に
ついては、簡略化のため平行ビームとみなすことにす
る。実際のX線管の焦点6からの体軸方向(スライス方
向)のX線ビーム7は、図6の左側の(a)に示す如く、
スライス方向に小さなファン状に広がったものとなって
いるが、計算を簡単化するため、焦点6からX線検出器
までの距離Lがスライス全幅Wに対して十分大きいもの
として、図6の(b)の図に示す如く、平行ビームとみ
なすことにする。
【0029】体軸方向のX線ビーム7は、体軸方向にな
だらかな傾斜をもつX線量分布をもち、ここでは、図9
に示す如く、AスライスからDスライスに向って直線的
に30%増加するものとする。また、体軸方向X線量補正
フィルタ30は、図示の如く、焦点6の近傍に配置され、
断面は三角形状(台形状でもよい)で、材質はアルミニ
ウム(線吸収係数:0.745[1/cm])とする。三角形フィ
ルタ30の寸法は幅Wが20mm、最大厚さtが3.5mmである。
【0030】上記の如き構成のX線ビーム7において、
Aスライスに入射するX線量を基準値の1.0として、Dス
ライスに入射するX線量を算出すると、従来の技術では
1.2になるのに対し、本発明の体軸方向X線量補正フィ
ルタ30を用いたときは、A,B、C、Dスライスに入射す
るX線量が全て1.0となる。体軸方向のX線ビーム7のX
線量分布が、このように均一化されることにより、スラ
イス毎に、均一な画質のCT画像を得ることができる。
【0031】図7に、本発明の体軸方向X線量補正フィ
ルタを具備するX線CT装置の第2の実施例を示す。図7
は、第2の実施例の要部を示したものである。本実施例
は、第1の実施例に対し、体軸方向X線量補正フィルタ
の形状が異なるもので、他は第1の実施例と同様であ
る。本実施例の場合、体軸方向X線量補正フィルタ31の
形状は、スライス方向に関しては台形の断面をもち、チ
ャンネル方向に関しては焦点6を中心とする扇形の形状
(円弧状)をしている。このため、焦点6から放射状に放
射されるX線が透過する体軸方向X線量補正フィルタ31
の厚さは、X線の放射方向によって変化せず、一様であ
る。
【0032】体軸方向X線量補正フィルタ31を上記の形
状にしたことにより、体軸方向X線量補正フィルタ31を
透過後のX線ビーム7のスライス方向のX線量分布は均
一化され、チャンネル方向のX線量分布はフィルタ透過
前のX線量分布とほぼ相似形となり、均一性が維持され
る。
【0033】図8に、本発明の体軸方向X線量補正フィ
ルタを具備するX線CT装置の第3の実施例を示す。図8
は、第3の実施例の要部を示したものである。本実施例
では、体軸方向X線量補正フィルタは補償フィルタ9と
一体化されている。図8において、体軸方向X線補正フ
ィルタ32はX線管の焦点6と被検体20の間に配置されて
いるが、体軸方向X線量補正フィルタ32は体軸方向のX
線量分布を均一化する補正フィルタ部37と、チャンネル
方向のX線量分布を中心部から周辺部に向って減少させ
る補償フィルタ部38とから成り、図示の場合、補正フィ
ルタ部37が焦点6側に、補償フィルタ部38が被検体20側
に配置され、一体化されている。
【0034】材質な面で、体軸方向X線量補正フィルタ
30も、補償フィルタ9も、アルミニウムで構成されてい
るために、両者の一体化が可能となったものである。ま
た、体軸方向X線量補正フィルタ32での補正フィルタ部
37と補償フィルタ38の配列は逆にして、補正フィルタ部
37を被検体20側にしてもよい。
【0035】本実施例によれば、体軸方向X線量補正フ
ィルタ32単独で、体軸方向X線量補正フィルタの役割と
補償フィルタの役割を果たすことができるので、補償フ
ィルタを省略することができ、部品点数の低減を図るこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明のX線CT装
置では、体軸方向X線量補正フィルタをX線管の焦点と
被検体の間に配置することにより、被検体の体軸方向の
X線量分布を均一化することができるので、体軸方向に
複数スライスのX線透過データを同時に計測することが
できるマルチスライス型X線検出器と組み合わせて、ス
ライス毎に画質を均一にすることができ、診断能の高い
CT画像を提供することができる。
【0037】また、被検体の体軸方向のX線量分布を均
一にしたことにより、被検体への被曝線量を低減するこ
とができる。さらに、スライス毎に画質を均一化したこ
とにより、スライス間の補正が不要となり、従来スライ
ス間の補正に伴って発生していたアーチファクトを抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線CT装置のスキャナユニットの
全体構成を示した図。
【図2】図1のスキャナユニットと被検体を寝載したテー
ブルユニットを横方向から見た図。
【図3】本発明に係るX線CT装置のブロック構成図。
【図4】マルチスライス型X線検出器を搭載したX線CT
装置の要部の概略図。
【図5】本発明の体軸方向X線量補正フィルタを具備す
るX線CT装置の第1の実施例。
【図6】体軸方向X線量補正フィルタをX線ビームに適
用した図。
【図7】本発明の体軸方向X線量補正フィルタを具備す
るX線CT装置の第2の実施例。
【図8】本発明の体軸方向X線量補正フィルタを具備す
るX線CT装置の第3の実施例。
【図9】X線ビームの体軸方向のX線量分布の例。
【図10】X線CT装置の従来例のスキャナユニットの構成
図。
【符号の説明】
1…スキャナユニット 2…回転板 3…X線管装置 4…送油ホース 5…X線管冷却装置 6…X線源(焦点) 7…X線ビーム 8…開口部 9…補償フィルタ 10…フィルタケース 11…X線コリメータ 12…X線検出器 13…増幅回路装置 14…変圧器 15…電源装置 16…駆動ベルト 17…駆動用モータ 18…スキャナ制御装置 19…天板 20…被検体 21…スキャナカバー 22…ガントリ 25…テーブルユニット 26…テーブル移動機構部 27…操作卓ユニット 28…信号ケーブル 29…スライス 30、31、32…体軸方向X線量補正フィルタ 34…マルチスライス型X線検出器 35…X線検出素子 36…検出側X線コリメータ 37…補正フィルタ部 38…補償フィルタ部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に被検体を挿入する開口部を有す
    る回転板上に、X線管とマルチスライス型X線検出器を
    開口部を中心にして対向して配置し、前記回転板を回転
    しながら被検体の複数スライスについての各方面からの
    X線透過データを計測し、増幅した後、そのデータから
    被検体の複数スライスのCT画像を再構成するX線CT
    装置において、被検体の体軸方向のX線量分布を均一化
    する体軸方向X線量補正フィルタを具備することを特徴
    とするX線CT装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005349083A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Toshiba Corp X線コンピュータ断層撮影装置
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