JP2001058867A - 構造部品 - Google Patents

構造部品

Info

Publication number
JP2001058867A
JP2001058867A JP11235005A JP23500599A JP2001058867A JP 2001058867 A JP2001058867 A JP 2001058867A JP 11235005 A JP11235005 A JP 11235005A JP 23500599 A JP23500599 A JP 23500599A JP 2001058867 A JP2001058867 A JP 2001058867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal expansion
modulus
young
coefficient
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11235005A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sakamaki
誠 酒巻
Chiharu Wada
千春 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP11235005A priority Critical patent/JP2001058867A/ja
Publication of JP2001058867A publication Critical patent/JP2001058867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱膨張特性と高剛性とを兼備し、半導体製
造装置、計測機器、精密機器などに好適な構造部品を提
供すること。 【解決手段】 第1の材料と第2の材料からなる緻密質
の複合セラミックスで構成された構造部品であって、第
1の材料の重量割合をW%、密度をρ、室温近傍の
熱膨張係数をα、ヤング率をEとし、第2の材料の
重量割合をW%、密度をρ、室温近傍の熱膨張係数
をα、ヤング率をEとした場合に、室温近傍の熱膨
張係数α(1/℃)およびヤング率E(GPa)がそれ
ぞれ以下の式で表され、かつ−1×10−6≦α≦1×
10−6、E≧150の範囲である。 α=[(Wα)+(Wα)]/[(W
)+(W)]+A E=B×[(Wρ)+(Wρ)]/[(W
ρ)+(Wρ)] ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6
B=0.8〜1.2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合セラミックス
からなる構造部品に関し、特に半導体製造装置、精密機
器、計測機器などの各種産業装置に用いる構造部品に関
する。このような構造部品としては、エアスライド、定
盤、真空装置構造体、サセプタ、静電チャック、ステー
ジなどを挙げることができる。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置用、精密機器用、計測機
器用などの部品として、近年、セラミックスが広く使用
されるようになってきている。例えば、計測機器や半導
体製造プロセスでは窒化ケイ素からなるエアスライド、
また半導体製造プロセスのシリコンウエハに配線を形成
する工程においては、ウエハを支持または保持するサセ
プタ、静電チャック、絶縁リング具などや露光装置のX
Yテーブル等として、アルミナや窒化ケイ素が広く用い
られている。
【0003】このように上記用途にセラミックスが使用
されるに至った理由は、熱膨張係数が小さいことと剛性
が高いことに起因するところが大である。すなわち、こ
れまで使用されてきた金属からなる部品の場合、熱膨張
係数が極めて大きいため、僅かな温度差による製品の膨
張収縮が、製品の精度に決定的な影響を及ぼすため使用
することが困難となり、代ってセラミックスからなる部
品が使用されるに至っている。
【0004】しかしながら、近年、この高精密化の流れ
はさらに加速しており、半導体製造プロセスなどにおい
ては、LSIなどにおける高集積化に伴い、回路の微細
化が急速に進められ、その線幅もサブミクロンオーダー
のレベルまで高精密化しつつある。例えばシリコンウエ
ハに高精密回路を形成するための露光装置においては、
露光装置のステージ用部材に100nm(0.1μm)
以下の位置決め精度が要求され、露光の位置合わせ誤差
が製品の品質向上や歩留まり向上に大きな影響を及ぼし
ているのが現状である。
【0005】半導体製造装置用部材として一般に用いら
れてきたアルミナ、窒化ケイ素などのセラミックスは、
確かに金属よりは熱膨張係数が小さいものの、それぞれ
5×10-6/℃、1.5×10-6/℃程度であり、雰囲
気温度が0.1℃変化すると数100nm(0.1μ
m)の変形が発生することになる。露光等の精密な工程
ではこの変化が大きな問題となってきており、従来のセ
ラミックスでは精度が十分とはいえず、生産性の低下を
もたらしている。
【0006】これに対して、リチウムアルミノシリケー
ト系の焼結体やマグネシウムアルミノシリケート系焼結
体など、所謂低熱膨張係数で知られている素材の場合、
例えばリチウムアルミノシリケート系の焼結体などの場
合はゼロ膨張に近い低熱膨張性を示すため、アルミナや
窒化ケイ素に比較して、例えば上述したような露光精度
に対する問題はある程度解決される。
【0007】しかし、例えば露光装置のステージのよう
に、Siウエハを載置した支持体が露光処理を施す位置
まで高速移動を伴うような場合には、移動後の支持体自
体が所定位置に停止後も振動しており、そのために、そ
の振動した状態で露光処理を施すと露光精度が低下する
という問題があった。これは、露光によって形成する配
線幅が細くなるほど顕著であり、高微細な配線回路を形
成する上では致命的な問題となっていた。
【0008】また、このような問題はエアスライドなど
においても同様であり、いかに熱膨張係数が小さくて
も、剛性が小さくては基本的構造が梁構造であるため自
重変形による撓みが生じ、計測機器としての精度低下を
もたらす原因となる。 このような振動や撓みは、部材
自体の剛性が低いことによって引き起こされるものであ
り、これらの部材に対しては高い剛性が要求されてい
る。
【0009】また、この他に比重に対する部材の剛性の
割合、比剛性(剛性/比重)が小さいものは、仮に剛性
が高くても振動の原因となったり、撓みの原因となるた
め好ましくない。金属材料が用いられないのは、熱膨張
係数が大きいことも原因しているが、その外に比重が8
前後と大きいため剛性が大きい割には比剛性が小さいた
め、自重で撓んだり、高速移動の反転時などに慣性力が
大きく振動が生じるため好ましくないためである。
【0010】以上、詳述したように、リチウムアルミノ
シリケート、コーディエライトなどに代表されるような
熱膨張係数の小さなセラミックスではヤング率が小さ
く、また一方、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素など
はヤング率は十分に大きいものの熱膨張係数もまた大き
いといったように、十分に低熱膨張でかつ剛性の高いセ
ラミックスは存在しない。したがって、このような特性
を得るためには複数のセラミックスを複合化して構造部
材を得ることが考えられるが、所望の特性を有する構造
部材は未だ得られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、低熱膨張特性と高剛性と
を兼備し、半導体製造装置、計測機器、精密機器などに
好適な構造部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2つのセラミック
スを所定の式に従って複合化した緻密質セラミックスを
用いることにより、低熱膨張および高剛性を兼備した構
造部品が得られることを見出した。また、この所定の式
を用いることにより、種々の材料の組合せにおいて統一
的に低熱膨張で高剛性の構造部品が得られることを見出
した。
【0013】従来は、複合化により材料の熱膨張係数を
調整しようとする試みは為されており、ムライトとコー
ディエライトの組合せにより熱膨張係数をシリコンと同
一にするなどの技術は提案されているが、上述のような
観点からの複合材料は提案されておらず、さらには低熱
膨張で高剛性の特性を得るための統一的な手法も得られ
ていなかったが、上記の知見に基づきこのようなことが
可能になった。
【0014】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
(7)を提供するものである。 (1)第1の材料と第2の材料からなる緻密質の複合セ
ラミックスで構成された構造部品であって、第1の材料
の重量割合をW%、密度をρ、室温近傍の熱膨張係
数をα、ヤング率をEとし、第2の材料の重量割合
をW%、密度をρ、室温近傍の熱膨張係数をα
ヤング率をEとした場合に、室温近傍の熱膨張係数α
(1/℃)およびヤング率E(GPa)がそれぞれ以下
の式で表され、かつ−1×10−6≦α≦1×1
−6、E≧150の範囲であることを特徴とする構造
部品。 α=[(Wα)+(Wα)]/[(W
)+(W)]+A E=B×[(Wρ)+(Wρ)]/[(W
ρ)+(Wρ)] ただし、A=−0.5×10−6〜1.5×10−6
B=0.8〜1.2
【0015】(2) 上記(1)において、比剛性が5
0GPa/g/cm以上であることを特徴とする構造
部品。
【0016】(3) 上記(1)または(2)におい
て、前記第1の材料が低熱膨張係数材料からなり、前記
第2の材料が高ヤング率材料からなることを特徴とする
構造部品。
【0017】(4) 上記(3)において、前記第1の
材料の熱膨張係数αが1.0×10-6/℃以下、前記
第2の材料のヤング率Eが150GPa以上であるこ
とを特徴とする構造部品。
【0018】(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに
おいて、前記第1の材料がリチウムアルミノシリケー
ト、コーディエライト、アルミナスキータイト、チタン
酸アルミニウム、りん酸ジルコニルから選択された材料
であり、前記第2の材料が炭化ケイ素、窒化ケイ素、サ
イアロン、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウムか
ら選択された材料であることを特徴とする構造部品。
【0019】(6) 上記(5)において、前記リチウ
ムアルミノシリケートがユークリプタイトまたはスポジ
ューメンであることを特徴とする構造部品。
【0020】(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに
おいて、前記第1の材料の添加重量%Wの添加重量%
が以下の式で表されることを特徴とする構造部品。 ρ(1+A+α)/[ρ(1+A+α)+ρ
+1+A)]≦ W≦ρ(1−A−α
)/[ρ(1−A−α)−ρ(1−A−
α)]
【0021】本発明の構造部品を、例えば半導体製造装
置、計測機器、精密機器などに適用することによって、
製品精度を高め、量産性を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】第1の材料と第2の材料2からな
る複合材料の熱膨張係数αを記述する式として広く知ら
れているものに以下の(1)式のTurnerの理論式がある
(P.S.Turner, J.Res.NBS, 37, 239 (1946))。 α=(α+α)/ (K+K )・・・(1) ここで、記号の意味はそれぞれ以下の通りである。 K:体積弾性率(=E/3(1―2ν)、ただしE:ヤ
ング率、 ν:ポアソン比)、W:重量分率、ρ:密度 また、各記号に付されている添字1は第1の材料のも
の、添字2は第2の材料のものを示す。
【0023】一般にセラミックスのポアソン比νは0.
2〜0.3程度であり、材料によって多少の差はあるも
のの、一定値とみなしても上記(1)式から得られるαに
及ぼす誤差は微少である。
【0024】したがって、ν=νと見なすと、熱膨
張係数αは以下の(2)式となる。 α=[(Wα)+(Wα)]/[(W)+(W)]・・・(2)
【0025】また一方、複合材料のヤング率は体積%V
により以下の(3)式の混合則で与えられる。 E=E+E ・・・・・・・・・・・・・(3) ここで、V=(W)/[(W)+(W/
ρ)]、V=1−Vであるから、以下の(4)式が成
り立つ。 E=[(Wρ)+(Wρ)]/[(Wρ)+(Wρ)]・・・(4) 以上のように、(2)および(4)式に基づいて、複合材料の
熱膨張係数αおよびヤング率Eは一意的に表すことが可
能となる。
【0026】以上のような関係が得られるためには、第
1の材料と第2の材料が互いに化学的に安定な状態で複
合材料中に存在することが不可欠であり、化学的に反応
して反応生成物を形成し、全く別異の材料になるような
場合は上記関係は成立しない。
【0027】本発明は、低熱膨張で高ヤング率の複合材
料を得る観点から、上式が成立する材料の組合せ、さら
にその結果得られる熱膨張係数、ヤング率が実際にどの
程度上式に合致するかを種々検討した結果、第1の材料
の重量割合をW%、密度をρ、室温近傍の熱膨張係
数をα、ヤング率をEとし、第2の材料の重量割合
をW%、密度をρ、室温近傍の熱膨張係数をα
ヤング率をEとした場合に、室温近傍の熱膨張係数α
(1/℃)およびヤング率E(GPa)がそれぞれ以下
の(5)式および(6)式で表され、かつ−1×10
−6≦α≦1×10−6、E≧150の範囲であればよ
いことを見出し完成されたものである。 α=[(Wα)+(Wα)]/[(W)+(W)]+A・・・・・・・・・・・・・(5) E=B×[(Wρ)+(Wρ)]/[(Wρ)+(Wρ)]・・・・・・(6) ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6
B=0.8〜1.2
【0028】ここで、AおよびBは、種々の材料系を勘
案した場合の(1)式および(3)式のマージンを与え
るものである。元来、上記(1)式および(3)式は基
礎的な理論式であり、この式のみで種々の材料をカバー
することは困難である。すなわち、材料系によっては大
略化学的に安定であっても、わずかな反応生成物の形成
が起こる場合や、粒界にガラス相を形成する場合もあ
り、これらを全て考慮して、上記A、Bの範囲を導出し
たものである。
【0029】本発明の構造部材の熱膨張係数が−1×1
-6〜1×10-6/℃の範囲を超えたり、ヤング率が1
50GPaであると、上述の要件の何れかを満たすこと
ができず、本発明の用途に用いることはできない。すな
わち、熱膨張係数αが−1×10-6〜1×10-6/℃の
範囲内でも、ヤング率Eが150GPa未満であると、
上述の振動の問題を回避することができない。逆にヤン
グ率Eが150GPa以上であっても熱膨張係数αが上
記範囲を外れた場合、高精度の部品に適用することがで
きない。
【0030】それぞれの好ましい範囲は、熱膨張係数α
が−0.5×10−6〜0.5×10−6/℃、ヤング
率Eが200GPa以上であり、さらに好ましくは熱膨
張係数αが−0.2×10−6〜0.2×10−6
℃、ヤング率Eが230GPa以上である。
【0031】本発明の構造部品は、比剛性が50GPa
/g/cm以上であることが好ましい。比剛性がこの
値未満であると、振動を有効に防止することが困難とな
る。
【0032】低熱膨張で高ヤング率の観点から見た場
合、第1の材料を熱膨張係数材料で構成し、第2の材料
を高ヤング率材料で構成する。この場合に第1の材料の
熱膨張係数は1.0×10-6/℃以下、第2の材料のヤ
ング率は150GPa以上であることが望ましい。第1
の材料の熱膨張係数が1.0×10-6/℃を超えると熱
膨張係数の低減効果が少なくなるため、また第2の材料
のヤング率が150GPa未満になるとヤング率の増大
効果が少なくなるため好ましくない。第1の材料の熱膨
張係数はより好ましくは0.5×10−6/℃以下、さ
らに好ましくは0.1×10−6/℃以下であり、第2
の材料のヤング率はより好ましくは200GPa以上で
あり、さらに好ましくは250GPa以上である。
【0033】また、上記第1の材料としてはユークリプ
タイト、スポジューメン、ペタライト、β石英固溶体等
のリチウムアルミノシリケート、コーディエライト、ア
ルミナスキータイト、チタン酸アルミニウム、りん酸ジ
ルコニル等が望ましい。低熱膨張の観点からはリチウム
アルミノシリケートのうちユークリプタイトやスポジュ
ーメンが好ましい。また、低熱膨張係数の材料でより好
ましいのはマイナスの熱膨張を示すものであり、このよ
うな材料として例えばユークリプタイトなどを挙げるこ
とができる。これらの材料を用いることで僅かな量で複
合セラミックス全体の熱膨張係数を低下させることが可
能となり、したがって、ヤング率の低下を招かずに熱膨
張係数の低下を図ることができる。
【0034】また、化学的に反応しなければ第1の材料
の中から複数の材料を組合せて用いることも可能であ
る。例えば、ユークリプタイトとコーディエライトを組
合せて使用することができる。コーディエライトはユー
クリプタイトに比し熱膨張係数は大きいもののヤング率
がユークリプタイトよりは大きいため、ヤング率が優先
される場合に好ましく使用することができる。
【0035】一方、第2の材料としては炭化ケイ素、窒
化ケイ素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、窒化ア
ルミニウムなどが好ましく、特に高ヤング率の観点から
炭化ケイ素、アルミナが、ヤング率が比較的大きく熱膨
張係数が小さいという観点で窒化ケイ素、サイアロンが
それぞれ好ましい。
【0036】以上の複合セラミックス中には、第1の材
料および第2の材料の他、不可避的不純物が5重量%程
度まで含有されていても構わないが、5重量%を超えて
含有されると諸特性、特に熱膨張係数が大きくなるため
好ましくない。
【0037】ここで、所定の性能の熱膨張係数を有する
材料を得るには、第1の材料の添加重量%Wの添加重
量%は以下の(7)式を満たすことが好ましい。 ρ(1+A+α)/[ρ(1+A+α)+ρ+1+A)] ≦W≦ρ(1−A−α)/[ρ(1−A−α)−ρ(1−A −α)]・・・・(7) この場合に、不純物が0と仮定すると、第2の材料の添
加重量Wは、W=1−Wと表すことができる。 W
が上記の範囲を外れる場合、ヤング率150GPa以
上は満たすが、熱膨張係数は−1×10−6〜1×10
−6/℃の範囲を外れるおそれが高く好ましくない。
【0038】なお、所定の性能のヤング率を得るための
条件もあるが、この条件は熱膨張係数の条件を満たすW
の範囲に大略含まれるため、実質的には熱膨張係数の
上記条件を満たすものが本発明の条件を満たすものにな
ると考えて差し支えない。
【0039】以上のような構造部品は、ユークリプタイ
ト、スポジューメン等のリチウムアルミノシリケート、
コーディエライト、アルミナスキータイト、チタン酸ア
ルミニウム、りん酸ジルコニルなどから選択される原料
粉末と、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、アルミ
ナ、ジルコニア、窒化アルミニウムなどから選択される
原料粉末を混合し、成形して、その成形体を、真空もし
くは不活性ガス雰囲気中、および/または大気中で12
00〜1500℃の温度で焼成することによって得るこ
とができる。
【0040】上記のような焼結体を作製するには、平均
粒径が10μm以下程度の粉末を用いることが好まし
い。第1の材料と第2の材料を配合後、ボールミルなど
により十分に混合し、所定形状に所望の成形手段、例え
ば、金型プレス,冷間静水圧プレス,押出し成形等によ
り任意の形状に成形後、焼成する。
【0041】焼成は、第1の材料および第2の材料のい
ずれかに非酸化物を用いる場合、大気などの酸化性雰囲
気で焼成すると酸化されてしまうため、真空またはA
r、N などの不活性ガス雰囲気中で焼成しないとヤン
グ率を高める効果が発揮されない。第1の材料および第
2の材料が共に酸化物である場合は、真空またはAr、
などの不活性ガス雰囲気中でも大気などの酸化性雰
囲気でもどちらでも構わない。
【0042】焼成は1200〜1500℃の温度範囲で
数時間程度焼結する。温度が1200℃よりも低いと緻
密化することが困難であり、1500℃を超えると溶融
してしまい、いずれも健全な緻密質のセラミックス焼結
体を得ることは困難である。
【0043】
【実施例】第1の材料として市販のユークリプタイト粉
末(丸ス釉薬)を用い、第2の材料を混合せずに成形
し、1380℃で焼成することで直径50mm、板厚4
mmのセラミックス焼結体を得た。
【0044】このセラミックス焼結体から3×4×15
mmの試料を取り出し、0〜100℃の範囲で熱膨張係
数を測定した(リガク社TAS100:示差型熱膨脹
計)。測定精度上、測定治具は全て石英を使用した。表
1に示すように、この試料の室温近傍である30℃にお
ける熱膨張係数は−2.5×10−6/℃であった。ま
た、その結晶相はβユークリプタイトであった。さら
に、超音波パルス法により、室温でのヤング率を測定し
たところ、表1に示すように、ヤング率は100GPa
と低剛性であった(試料No.1)。
【0045】第2の材料として炭化ケイ素(スタルク製
UF−10)、窒化ケイ素(宇部興産製SN−E1
0)、アルミナ(昭和電工製AL160−SG1)のそ
れぞれの粉末を用い、第1の材料を混合せずに各粉末を
成形した成形体を表1の条件で焼成しセラミックス焼結
体を得た。表1に示すように、いずれの試料もヤング率
は大きいものの、熱膨張係数もまた大きいものであった
(試料No.2〜4)。
【0046】以上の試料No.1〜4は、熱膨張係数お
よびヤング率のいずれかに問題を有し、エアスライド、
定盤等の本発明が意図する用途に用いることができなか
った。
【0047】次に、試料No.1のユークリプタイト粉
末に試料No.2〜4の炭化ケイ素、窒化ケイ素、アル
ミナの粉末を表1に示す割合で添加し、ボールミルで2
4時間混合した後、1ton/cmの圧力で金型成形
した。そして、その成形体を表1の条件で焼成し試料と
した(試料No.5〜7)。
【0048】これらの試料について、30℃での熱膨張
係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に示すよ
うに、ユークリプタイト焼結体である試料No.1に比
し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ熱膨張係数も
試料No.2〜4に比し十分に小さかった。したがっ
て、本発明が意図するエアスライド、定盤等の用途に好
適に使用することができた。なお、この際の前記
(5)、(6)式中におけるA値、B値はそれぞれ−
0.5×10−6〜1.0×10−6、0.8〜1.2
の範囲内にあった。
【0049】次に、第1の材料として天然のαスポジュ
ーメンを用い第2の材料を用いずに成形し、焼成して試
料を得た(試料No.8)。この試料は、熱膨張係数は
0.05×10−6/℃と小さいもののヤング率も11
0GPaと小さかった。
【0050】試料No.9はこのスポジューメンと第2
の材料としての炭化ケイ素を混合して焼成したものであ
る。また、試料No.10はスポジューメンと試料N
o.1のユークリプタイトをそれぞれ50重量%ずつ混
合した粉を第1の材料とし、第2の材料として炭化ケイ
素を用いてこれらを混合し、焼成したものである。
【0051】試料No.9、10について、30℃での
熱膨張係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に
示すように、αスポジューメン焼結体である試料No.
8に比し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ熱膨張
係数も低い値を維持していた。したがって、本発明が意
図するエアスライド、定盤等の用途に好適に使用するこ
とができた。なお、この際の上記(5)、(6)式中における
A値、B値はそれぞれ−0.5×10−6〜1.0×1
−6、0.8〜1.2の範囲内にあった。
【0052】試料No.11は第1の材料としてコーデ
ィエライト粉末を用い第2の材料を用いずに成形し、焼
成した場合である。この試料は熱膨張係数は0.1×1
/℃と小さいもののヤング率も120GPaと小
さかった。
【0053】試料No.12はこのコーディエライトと
第2の材料としての炭化ケイ素とを混合し、成形し、焼
成したものである。また、試料No.13はコーディエ
ライトと試料No.8のスポジューメンとをそれぞれ5
0重量%ずつ混合したものを第1の材料とし、これと第
2の材料としての窒化ケイ素とを混合し、成形し、焼成
したものである。
【0054】試料No.12、13について、30℃で
の熱膨張係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1
に示すように、コーディエライト焼結体である試料N
o.11に比し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ
熱膨張係数も低い値を維持していた。したがって、本発
明が意図するエアスライド、定盤等の用途に好適に使用
することができた。なお、この際の前記(5)、(6)式中に
おけるA値、B値はそれぞれ−0.5×10−6〜1.
0×10−6、0.8〜1.2の範囲内にあった。
【0055】試料No.14、15は、それぞれ焼成温
度が1150℃、1550℃と本発明の適切な焼結条件
を外れる場合である。1200℃よりも低い試料No.
14では、緻密化することができず、1500℃よりも
高い試料No.15では、成形体の溶融が見られ、熱膨
張係数、ヤング率の測定を行えなかった。すなわち健全
な焼結体が得られなかった。
【0056】試料No.16、17は、第1の材料とし
てユークリプタイトを用い、第2の材料として炭化ケイ
素を用いた場合に、第1の材料の添加量が上記範囲を外
れる結果、熱膨張係数αが本発明の範囲外となった。
【0057】次に、以下の手順により低熱膨張係数のユ
ークリプタイトを以下の手順で合成した。まず、酸化物
に換算してLiO:11.36重量%、SiO:4
5.45重量%、Al:38.64重量%、Ti
:4.55重量%になるように、炭酸リチウム(試
薬1級)、無水珪酸(同前)、酸化チタン(同前)、ア
ルミナ(住友アルミニウム精錬A−HPS30)を用い
調合原料を作製し、これを白金坩堝に入れて1600℃
で100分溶融した。次いで、溶融液を水中に入れて急
冷し、乾燥後、ポットミルで粉砕し、この粉末に結合剤
として5重量%のパラフィンを加え、型に入れ1トン/
cmで成形した。得られた成形体を室温から750℃
まで12.5℃/minで加熱し、2時間保持後、85
0℃まで10℃/minで加熱し2時間保持し、その後
室温まで炉冷し直径50mm、板厚4mmのセラミック
スを得た。
【0058】このセラミックスから3×4×15mmの
サンプルを取り出し、0〜100℃の範囲で熱膨張係数
を測定した(リガク社TAS100:示差型熱膨脹
計)。測定精度上、測定治具は全て石英を使用した。こ
の試料の室温近傍である30℃における熱膨張係数は−
10×10−6/℃であった。またその結晶相はβユー
クリプタイトであった。さらに、ヤング率は100GP
aと低剛性であった(試料No.18)。
【0059】次に、試料No.18のユークリプタイト
粉末に試料2〜4の炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ
の粉末を表1に示す割合で添加し、ボールミルで24時
間混合した後、1ton/cmの圧力で金型成形し
た。そして、その成形体を表1の条件で焼成し試料とし
た(試料No.19〜21)。
【0060】これらの試料について、30℃での熱膨張
係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に示すよ
うに、ユークリプタイト焼結体である試料No.18に
比し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ熱膨張係数
も十分に小さい値となった。特に、試料No.20,2
1は、熱膨張係数αが0に近くなり特に好ましい特性を
有していた。したがって、本発明が意図するエアスライ
ド、定盤等の用途に好適に使用することができた。
【0061】以上のように、本発明の範囲内のNo.
5,6,7,9,10,12,13,19,20,21
は、いずれも低熱膨張特性と高剛性とを兼備しているこ
とが確認された。また、これらは、比剛性が50GPa
/g/cm以上であり、比剛性も高いことが確認され
た。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2つのセラミックスを上記特定の式に従って複合化して
緻密質セラミックスとすることにより、低熱膨張および
高剛性を兼備した構造部品を得ることができる。また、
上記特定の式を用いることにより、種々の材料の組合せ
において統一的に低熱膨張で高剛性の特性を得ることが
できる。このため、本発明の構造部品は、雰囲気の温度
変化に対しても寸法の変化が少なく、かつ撓みや振動が
少ないため、半導体製造用部品、精密機器部品、計測機
器部品などに適用した場合に、優れた精度の製品が得ら
れるとともに、品質と量産性を高めることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月27日(2000.7.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項3】 前記第1の材料の熱膨張係数αが1.
0×10−6/℃以下、前記第2の材料のヤング率E
が150GPa以上であることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載の構造部品。
請求項4】 前記リチウムアルミノシリケートがユー
クリプタイトまたはスポジューメンであることを特徴と
する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の構造
部品。
請求項5】 第1の材料の添加重量%Wの添加重量
%が以下の式で表されることを特徴とする請求項1ない
請求項4のいずれか1項に記載の構造部品。 ρ(1+A+α)/[ρ(1+A+α)+ρ
+1+A)]≦ W≦ρ(1−A−α
)/[ρ(1−A−α)−ρ(1−A−
α)]
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
)を提供するものである。 (1)第1の材料と第2の材料からなる緻密質の複合セ
ラミックスで構成された構造部品であって、第1の材料
の重量割合をW%、密度をρ、熱膨張係数をα
ヤング率をEとし、第2の材料の重量割合をW%、
密度をρ、熱膨張係数をα、ヤング率をEとした
場合に、室温近傍の熱膨張係数α(1/℃)およびヤン
グ率E(GPa)がそれぞれ以下の式で表され、かつ−
1×10−6≦α≦1×10−6、E≧150の範囲で
り、前記第1の材料がリチウムアルミノシリケート、
コーディエライト、アルミナスキータイト、チタン酸ア
ルミニウムから選択された原料であり、前記第2の材料
が炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、アルミナ、ジ
ルコニア、窒化アルミニウムから選択された材料である
(コーディエライトと窒化ケイ素および炭化ケイ素の少
なくとも1種との組み合わせを除く)ことを特徴とする
構造部品。 α=[(Wα)+(Wα)]/[(W
)+(W)]+A E=B×[(Wρ)+(Wρ)]/[(W
ρ)+(Wρ)] ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6
B=0.8〜1.2
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】() 上記(1)または(2)におい
て、前記第1の材料の熱膨張係数αが1.0×10
−6/℃以下、前記第2の材料のヤング率Eが150
GPa以上であることを特徴とする構造部品。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】() 上記(1)〜(3)のいずれか
おいて、前記リチウムアルミノシリケートがユークリプ
タイトまたはスポジューメンであることを特徴とする構
造部品。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】() 上記(1)〜()のいずれかに
おいて、第1の材料の添加重量%W の添加重量%が以
下の式で表されることを特徴とする構造部品。 ρ(1+A+α)/[ρ(1+A+α)+ρ
+1+A)]≦ W≦ρ(1−A−α
)/[ρ(1−A−α)−ρ(1−A−
α)]
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】上記第1の材料としてはユークリプタイ
ト、スポジューメン、ペタライト、β石英固溶体等のリ
チウムアルミノシリケート、コーディエライト、アルミ
ナスキータイト、チタン酸アルミニウムから選択された
材料を用い、第2の材料としては炭化ケイ素、窒化ケイ
素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミか
ら選択された材料を用いる(コーディエライトと窒化ケ
イ素および炭化ケイ素の少なくとも1種との組み合わせ
を除く)
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】第1の材料として用いる上記材料のうち、
低熱膨張の観点からはリチウムアルミノシリケートのう
ちユークリプタイトやスポジューメンが好ましい。ま
た、低熱膨張係数の材料でより好ましいのはマイナスの
熱膨張を示すものであり、このような材料として例えば
ユークリプタイトなどを挙げることができる。これらの
材料を用いることで僅かな量で複合セラミックス全体の
熱膨張係数を低下させることが可能となり、したがっ
て、ヤング率の低下を招かずに熱膨張係数の低下を図る
ことができる。また、化学的に反応しなければ第1の材
料の中から複数の材料を組合せて用いることも可能であ
る。例えば、ユークリプタイトとコーディエライトを組
合せて使用することができる。コーディエライトはユー
クリプタイトに比し熱膨張係数は大きいもののヤング率
がユークリプタイトよりは大きいため、ヤング率が優先
される場合に好ましく使用することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】第2の材料として用いる上記材料の中で
は、特に高ヤング率の観点から炭化ケイ素、アルミナ
が、ヤング率が比較的大きく熱膨張係数が小さいという
観点で窒化ケイ素、サイアロンがそれぞれ好ましい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】以上のような構造部品は、ユークリプタイ
ト、スポジューメン等のリチウムアルミノシリケート、
コーディエライト、アルミナスキータイト、チタン酸ア
ルミニウムなどから選択される原料粉末と、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、
窒化アルミニウムなどから選択される原料粉末(コーデ
ィエライトと窒化ケイ素および炭化ケイ素の少なくとも
1種との組み合わせを除く)を混合し、成形して、その
成形体を、真空もしくは不活性ガス雰囲気中、および/
または大気中で1200〜1500℃の温度で焼成する
ことによって得ることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】試料No.12はコーディエライトと試料
No.8のスポジューメンとをそれぞれ50重量%ずつ
混合したものを第1の材料とし、これと第2の材料とし
ての窒化ケイ素とを混合し、成形し、焼成したものであ
る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】試料No.12について、30℃での熱膨
張係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に示す
ように、コーディエライト焼結体である試料No.11
に比し、ヤング率は大幅に増大し、かつ熱膨張係数も低
い値を維持していた。したがって、本発明が意図するエ
アスライド、定盤等の用途に好適に使用することができ
た。なお、この際の上記(5)、(6)式中におけるA値、B
値はそれぞれ−0.5×10−6〜1.0×10−6
0.8〜1.2の範囲内にあった。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】試料No.1314は、それぞれ焼成温
度が1150℃、1550℃と本発明の適切な焼結条件
を外れる場合である。1200℃よりも低い試料No.
13では、緻密化することができず、1500℃よりも
高い試料No.14では、成形体の溶融が見られ、熱膨
張係数、ヤング率の測定を行えなかった。すなわち健全
な焼結体が得られなかった。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】試料No.1516は、第1の材料とし
てユークリプタイトを用い、第2の材料として炭化ケイ
素を用いた場合に、第1の材料の添加量が上記範囲を外
れる結果、熱膨張係数αが本発明の範囲外となった。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】次に、以下の手順により低熱膨張係数のユ
ークリプタイトを合成した。まず、酸化物に換算してL
O:11.36重量%、SiO:45.45重量
%、Al:38.64重量%、TiO:4.5
5重量%になるように、炭酸リチウム(試薬1級)、無
水珪酸(同前)、酸化チタン(同前)、アルミナ(住友
アルミニウム精錬A−HPS30)を用い調合原料を作
製し、これを白金坩堝に入れて1600℃で100分溶
融した。次いで、溶融液を水中に入れて急冷し、乾燥
後、ポットミルで粉砕し、この粉末に結合剤として5重
量%のパラフィンを加え、型に入れ1トン/cmで成
形した。得られた成形体を室温から750℃まで12.
5℃/minで加熱し、2時間保持後、850℃まで1
0℃/minで加熱し2時間保持し、その後室温まで炉
冷し直径50mm、板厚4mmのセラミックスを得た。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】このセラミックスから3×4×15mmの
サンプルを取り出し、0〜100℃の範囲で熱膨張係数
を測定した(リガク社TAS100:示差型熱膨脹
計)。測定精度上、測定治具は全て石英を使用した。こ
の試料の室温近傍である30℃における熱膨張係数は−
10×10−6/℃であった。またその結晶相はβユー
クリプタイトであった。さらに、ヤング率は100GP
aと低剛性であった(試料No.17)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】次に、試料No.17のユークリプタイト
粉末に試料2〜4の炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ
の粉末を表1に示す割合で添加し、ボールミルで24時
間混合した後、1ton/cmの圧力で金型成形し
た。そして、その成形体を表1の条件で焼成し試料とし
た(試料No.1820)。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】これらの試料について、30℃での熱膨張
係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に示すよ
うに、ユークリプタイト焼結体である試料No.17
比し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ熱膨張係数
も十分に小さい値となった。特に、試料No.19
は、熱膨張係数αが0に近くなり特に好ましい特性を
有していた。したがって、本発明が意図するエアスライ
ド、定盤等の用途に好適に使用することができた。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】以上のように、本発明の範囲内のNo.
5,6,7,9,10,12,181920は、い
ずれも低熱膨張特性と高剛性とを兼備していることが確
認された。また、これらは、比剛性が50GPa/g/
cm以上であり、比剛性も高いことが確認された。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の材料と第2の材料からなる緻密質
    の複合セラミックスで構成された構造部品であって、第
    1の材料の重量割合をW%、密度をρ、室温近傍の
    熱膨張係数をα、ヤング率をEとし、第2の材料の
    重量割合をW %、密度をρ、室温近傍の熱膨張係数
    をα、ヤング率をEとした場合に、室温近傍の熱膨
    張係数α(1/℃)およびヤング率E(GPa)がそれ
    ぞれ以下の式で表され、かつ−1×10−6≦α≦1×
    10−6、E≧150の範囲であることを特徴とする構
    造部品。 α=[(Wα)+(Wα)]/[(W
    )+(W)]+A E=B×[(Wρ)+(Wρ)]/[(W
    ρ)+(Wρ)] ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6
    B=0.8〜1.2
  2. 【請求項2】 比剛性が50GPa/g/cm以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載の構造部品。
  3. 【請求項3】 前記第1の材料が低熱膨張係数材料から
    なり、前記第2の材料が高ヤング率材料からなることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造部品。
  4. 【請求項4】 前記第1の材料の熱膨張係数αが1.
    0×10-6/℃以下、前記第2の材料のヤング率E
    150GPa以上であることを特徴とする請求項3に記
    載の構造部品。
  5. 【請求項5】 前記第1の材料がリチウムアルミノシリ
    ケート、コーディエライト、アルミナスキータイト、チ
    タン酸アルミニウム、りん酸ジルコニルから選択された
    材料であり、前記第2の材料が炭化ケイ素、窒化ケイ
    素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニ
    ウムから選択された材料であることを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれか1項に記載の構造部品。
  6. 【請求項6】 前記リチウムアルミノシリケートがユー
    クリプタイトまたはスポジューメンであることを特徴と
    する請求項5に記載の構造部品。
  7. 【請求項7】 第1の材料の添加重量%Wの添加重量
    %が以下の式で表されることを特徴とする請求項1ない
    し請求項6のいずれか1項に記載の構造部品。 ρ(1+A+α)/[ρ(1+A+α)+ρ
    +1+A)]≦ W≦ρ(1−A−α
    )/[ρ(1−A−α)−ρ(1−A−
    α)]
JP11235005A 1999-08-23 1999-08-23 構造部品 Pending JP2001058867A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11235005A JP2001058867A (ja) 1999-08-23 1999-08-23 構造部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11235005A JP2001058867A (ja) 1999-08-23 1999-08-23 構造部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001058867A true JP2001058867A (ja) 2001-03-06

Family

ID=16979662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11235005A Pending JP2001058867A (ja) 1999-08-23 1999-08-23 構造部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001058867A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172090A (ja) * 1999-10-08 2001-06-26 Toray Ind Inc セラミックス
JP2013514960A (ja) * 2009-12-21 2013-05-02 コンセホ スペリオール デ インベスティガシオネス シエンティフィカス(セエセイセ) 酸化物セラミックを含む、制御された熱膨張率を有する複合材料および当該複合材料を得るためのプロセス

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1179830A (ja) * 1997-08-29 1999-03-23 Kyocera Corp 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法、並びに半導体製造用部品
JPH11100275A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Kyocera Corp 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法
JPH11255557A (ja) * 1998-03-11 1999-09-21 Kyocera Corp セラミック焼結体およびその製造方法、ならびにそれを用いた半導体素子製造装置用部材
JP2000007428A (ja) * 1998-06-29 2000-01-11 Toto Ltd リン酸ジルコニル系複合材料及びそれを用いた精密機器
JP2001058866A (ja) * 1999-08-23 2001-03-06 Taiheiyo Cement Corp 複合セラミックスおよびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1179830A (ja) * 1997-08-29 1999-03-23 Kyocera Corp 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法、並びに半導体製造用部品
JPH11100275A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Kyocera Corp 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法
JPH11255557A (ja) * 1998-03-11 1999-09-21 Kyocera Corp セラミック焼結体およびその製造方法、ならびにそれを用いた半導体素子製造装置用部材
JP2000007428A (ja) * 1998-06-29 2000-01-11 Toto Ltd リン酸ジルコニル系複合材料及びそれを用いた精密機器
JP2001058866A (ja) * 1999-08-23 2001-03-06 Taiheiyo Cement Corp 複合セラミックスおよびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172090A (ja) * 1999-10-08 2001-06-26 Toray Ind Inc セラミックス
JP2013514960A (ja) * 2009-12-21 2013-05-02 コンセホ スペリオール デ インベスティガシオネス シエンティフィカス(セエセイセ) 酸化物セラミックを含む、制御された熱膨張率を有する複合材料および当該複合材料を得るためのプロセス
EP2518037B1 (en) * 2009-12-21 2018-08-15 Consejo Superior De Investigaciones Científicas (CSIC) Composite material having controlled coefficient of thermal expansion with oxidic ceramics and procedure for the obtainment thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3133302B2 (ja) 黒色低熱膨張セラミックス焼結体及びその製造方法
JP5657210B2 (ja) コージェライト質焼結体からなる半導体製造装置用部材
JP4416191B2 (ja) 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法、並びに半導体製造用部品
JPH11343168A (ja) 低熱膨張黒色セラミックス及びその製造方法、並びに半導体製造装置用部材
US20130095994A1 (en) Oxide ceramics sintered compact and method of manufacturing the same
JP4903431B2 (ja) 窒化珪素質焼結体とその製造方法、これを用いた半導体製造装置用部材および液晶製造装置用部材
JP4429288B2 (ja) 低熱膨張性セラミックスおよびそれを用いた半導体製造装置用部材
JP4261631B2 (ja) セラミック焼結体の製造方法
JPH11209171A (ja) 緻密質低熱膨張セラミックス及びその製造方法、並びに半導体製造装置用部材
JP3469513B2 (ja) 露光装置およびそれに用いられる支持部材
JP3676552B2 (ja) 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法
JP3260340B2 (ja) 複合セラミックスおよびその製造方法
JP2001058867A (ja) 構造部品
TWI232853B (en) Electroconductive low thermal expansion ceramics sintered compact
JP4025455B2 (ja) 複合酸化物セラミックス
JP3805119B2 (ja) 低熱膨張性セラミックスの製造方法
JP2001302338A (ja) 複合セラミックスおよびその製造方法
JPH11236262A (ja) 低熱膨張セラミックス構造部材およびそれを用いた半導体素子製造装置用部材
JPH0974298A (ja) 電磁波シールド材
JPH11100275A (ja) 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法
JP4912544B2 (ja) 低熱伝導高剛性セラミックス
JP3665553B2 (ja) 導電性低熱膨張セラミックス焼結体
JP4047050B2 (ja) 低温焼成磁器組成物及び低温焼成磁器並びにそれを用いた配線基板
JP4568979B2 (ja) コーディエライト緻密焼結体及びその製造法
JP5011609B2 (ja) 緻密コーディエライト質セラミックス及びその製造方法