JP2001056461A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001056461A
JP2001056461A JP2000168566A JP2000168566A JP2001056461A JP 2001056461 A JP2001056461 A JP 2001056461A JP 2000168566 A JP2000168566 A JP 2000168566A JP 2000168566 A JP2000168566 A JP 2000168566A JP 2001056461 A JP2001056461 A JP 2001056461A
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JP2000168566A
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Yukihiro Tsunoda
行広 角田
Takashi Sato
孝 佐藤
Shigemitsu Mizushima
繁光 水嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視角特性を改善する事により、表示品位に優
れた透過型液晶表示素子を使用した液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】 透明電極を内面側に有して対向するとと
もに液晶材料を間に注入した一対のガラス基板41、4
2を備えて複数の画素が形成された液晶表示素子2と、
液晶表示素子2の観察者側及び面光源1側にそれぞれ配
置された一対の偏光手段61、62と、面光源1と、を
具備する液晶表示装置において、液晶表示素子2のコン
トラストのピーク方向は、面法線方向から所定の角度の
方向にあるとともに面光源1からの出射光の主光線方向
とほぼ一致し、液晶表示素子2の観察者側に液晶表示素
子2からの出射光を拡散する第1の光学手段を備える。
面光源1は1つ以上の光源部11と導光部12とから構
成され、導光部12は光源部11からの光を入射する1
つ以上の入射面と光を出射する出射面とを備えており、
液晶表示素子2のコントラストのピーク方向は、面法線
方向から2つの所定の角度の方向にあるとともに面光源
1からの出射光の主光線方向とほぼ一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型液晶表示素
子に関し、その視角依存性を改善した光学素子および透
過型液晶表示素子を使用した液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示装置は、CRT(Cathode
Ray Tube)、PDP(Plasma Dis
play Panel)あるいは、EL(Electr
oLuminescence)等と同様にフラットパネ
ルディスプレイを代表する表示装置であり、特に透過型
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力であることか
らOA用機器、車載用テレビ、カーナビゲーション、ビ
デオカメラ用モニター等に幅広く使用されている。
【0003】しかし、大きな問題として、視角依存性が
大きいことが挙げられる。視角依存性とは、例えば、あ
る角度以上の斜め方向から表示装置を観察すると、本来
黒色で表示されるべきものが白っぽく見えたり、階調が
反転することにより、コントラストの低下、或いは、コ
ントラストの反転が生じ、観察者が表示画像を正確に読
み取れない状態を言い、画像が正常に観察される角度範
囲が狭い場合を表示装置の視角依存が大きいと言う。
【0004】視角依存性が生じる理由は様々有り、液晶
分子の捩じれ(螺旋の向きやラビング方向によって決ま
る液晶分子の螺旋開始位置)に起因するものや、液晶分
子の屈折率異方性(光の進行方向に対するリタデーショ
ンの相違)や、偏光板の特性(光振動方向の選択性良
否)に起因するものや、面光源の指向性に起因するもの
が挙げられる。
【0005】一般に、透過型液晶表示装置においては、
上記の視角依存性を考慮し、最も表示の見やすい位置が
観察者の通常使用範囲内に入るように設計されており、
例えば、画面中央の法線方向ないし、それより少し下向
きの方向のコントラストをその周囲に比べて高める設計
が行われている。
【0006】しかしながら、この構成においても、その
視角範囲は十分でなく、特に、液晶表示装置は画面上下
方向の視角依存性が大きく、この課題を解決するために
従来から種々の方式が提案されている。例えば、特開平
10−10513号公報、特開平6−27454号公
報、特開平7−239467号公報、特開平8−122
757号公報、特開平9−152606号公報等が提案
されている。
【0007】従来技術には、種々の問題があった。特開
平10−10513号公報では、TFT素子が形成され
た基板とカラーフィルターが形成された基板の間にTN
液晶が挟持された透過型液晶表示パネルの観察者側に、
TN液晶に対して光学的に負の特性を持つ位相差フィル
ムを配置し、さらに、光拡散層を配置することにより、
視角依存性を改善した液晶表示装置が提案されている。
この従来例では、液晶分子の配列が持つ光学特性を位相
差フィルムにより補正することで視角依存性の改善を行
っており、さらに、液晶表示パネルからの出射光は、光
拡散手段としてレンズフィルムを用いることにより、視
角範囲を広げている。しかしながら、液晶表示素子から
発した光を効率良く受光、拡散するためには、拡散層
(レンズ)の配置位置、レンズの焦点距離、レンズの受
光角特性が重要になるが、この従来例には、これらに関
する諸特性は何ら開示されていない。
【0008】特開平6−27454号公報では、液晶デ
ィスプレイの前面に選択的に遮光層を形成したレンチキ
ュラーレンズを配置することで、上下方向の視角特性を
改善した液晶ディスプレイ用光学素子が提案されてい
る。この従来技術の液晶表示装置は、図24に示すよう
に、透明プラスティック基板71の上に、ストライプ状
の遮光層72が選択的に設けられ、さらにその上に透明
プラスティックによって形成され断面が半円のカマボコ
状の単位レンズ73を配列したレンチキュラーレンズ7
を配置する。この場合は、単位レンズ配列面は遮光層7
2が形成されるプラスティック基板71の表面74であ
り、凹凸面は、カマボコ状レンズ群の表面75であり、
また第1物質層はカマボコ状レンズを形成するプラステ
ィック層76であり、第2物質層はカマボコ状レンズの
上の空気層(ここでは、図示せず)となる。しかしなが
ら、この従来例の如く、レンズとレンズの境界に選択的
に遮光層を形成することは、フォトリソプロセスや蒸着
法などを用いて選択部分のみに遮光層を形成する必要が
あり、製造プロセスが複雑になり、素子の低コスト化は
非常に困難である。また、上記の手法で遮光膜を形成す
るためには、耐溶剤性や耐熱性に優れた基板を選択する
必要が有り主材料に制限を受けることが推測される。
【0009】特開平7−239467号公報では、液晶
パネルと面光源の間にプリズムレンズフィルムを配置す
るとともに、液晶パネルの前面にはウエーブレンズフィ
ルムを配置した液晶表示装置が提案されている。しかし
ながら、この従来例においても、視角を改善するための
レンズフィルムの諸特性に関しては何ら開示されていな
い。
【0010】特開平8−122757号公報では、液晶
表示パネルの前面に特定方向の入射光を拡散する高分子
薄膜フィルム配置するとともに、面光源からの出射光を
先の高分子薄膜フィルムの拡散角度に該一致させた液晶
表示装置が提案されている。この従来技術の液晶表示装
置は、図25に示すように、画素毎に電界を印加する電
極87と配向膜88が内面に設けられた一対の基板84
と、一対の基板84に挾持された液晶層85を有する液
晶セル82と、その液晶セル82の基板84の外側前後
に貼付された偏光板86と、液晶層85に略垂直な方向
の光を導く光導入手段81と、液晶セル82から出てき
た光を拡散する光拡散手段83とからなる。なお、照明
手段89を備えている場合もある。しかしながら、この
従来例では、拡散層に散乱フィルムを用いており、拡散
層と液晶表示パネルに形成された画素までの距離が対向
基板の厚さ分離れて配置されるため、視差により画像ボ
ケが発生すると言う問題を有している。そして、一般に
散乱フィルムとしては、フィルム表面に凹凸形状を形成
することで光を乱反射させ散乱させるものや、フィルム
中に粒子を分散させ光を乱反射させるもの、或いは、フ
ィルム中に回折格子を形成し、光を特定方向に乱反射さ
せるものが知られている。しかしながら、いずれの散乱
フィルムを用いた場合も画像が表示される面と散乱フィ
ルムが配置される面との距離が離れている場合、不要な
散乱光が発生し画像にボケを生じる。この結果、画像の
コントラストが低下し表示品位が著しく低下する。
【0011】特開平9−152606号公報では、光源
を2灯配置した面光源から出射する2つの主光線方向を
光学フィルムにより拡散することで、視角特性を改善し
た液晶表示パネルが開示されている。この従来技術の液
晶表示装置は、図26に示すように、液晶の分子を一対
の透明基板94間においてツイスト配向させた液晶セル
92をはさんで表裏一対の偏光板96を配置した液晶表
示素子9と、この液晶表示素子9の背後に配置されたバ
ックライト91と、前記液晶表示素子9の表側に設けら
れた拡散板93とからなっており、バックライト91
は、液晶表示素子9に対向する面が開放するケース91
0内に、前記液晶表示素子9の裏面に対向する導光板9
12と、この導光板912の両側の端面にそれぞれ対向
する光源ランプ911とを設けるとともに、前記導光板
912の表面側にプリズムシート914を配置したもの
である。さらに詳しくは、光学フィルムには散乱フィル
ムを用い、散乱フィルムの角度特性と光源からの出射光
強度とを適合させることにより視角特性の改善を行って
いる。なお、面法線方向(H)と視角方向(F)とは、
角度θだけずれている。しかしながら、この従来例にお
いても、散乱フィルムと液晶表示素子に形成された画素
までの距離が対向基板の厚さ分離れて配置されるため、
視差により画像ボケが発生すると言う問題を有してい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決すべくなされたものであり、その目的は、視角特
性を改善することにより、表示品位に優れた透過型液晶
表示素子を使用した液晶表示装置を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明電極を内
面側に有して対向するとともに液晶材料を間に注入した
一対のガラス基板を備えて複数の画素が形成された液晶
表示素子と、該液晶表示素子の観察者側および面光源側
にそれぞれ配置された一対の偏光手段と、面光源と、を
具備する液晶表示装置において、前記液晶表示素子のコ
ントラストのピーク方向は、面法線方向から所定の角度
の方向にあるとともに面光源からの出射光の主光線方向
とほぼ一致し、そして、液晶表示素子の観察者側に液晶
表示素子からの出射光を拡散する第1の光学手段を備え
る液晶表示装置である。これにより、面光源から発した
光が液晶表示素子を通過した際に、コントラストの低下
がなく、そして、第1の光学手段により拡散されること
により、液晶表示装置の視角特性を改善できる。
【0014】また、本発明は、面光源は1つ以上の光源
部と導光部とから構成され、そして、該導光部は光源部
からの光を入射する1つ以上の入射面と、光を出射する
出射面とを備えており、また、液晶表示素子のコントラ
ストのピーク方向は、面法線方向から2つの所定の角度
の方向にあるとともに面光源からの出射光の主光線方向
とほぼ一致する液晶表示装置である。これにより、コン
トラストの低下が少なく、そして、視角特性を改善した
液晶表示装置とすることができる。
【0015】また、本発明は、第1の光学手段は、液晶
表示素子に形成された画素に対して平行または垂直に形
成された複数のレンズアレイからなり、そして、該レン
ズアレイのピッチをP1とし、レンズアレイのピッチP
1方向と平行に形成された液晶表示素子の画素ピッチを
P2とする時、(1/20)×P2≦P1<P2を満た
すように形成された液晶表示装置である。これにより、
観察範囲内での暗部の発生を防止でき、表示品位の高い
画像を提供できる。以下、詳細を説明する。
【0016】一般に、液晶表示素子は、画素毎に赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色のカラーフィルタ
を形成し、画素を透過した光を着色することでカラー表
示を行っている。R、G、B画素の配列パターンは種々
あるが、代表例としては図18(a)に示すデルタ配列
や、図18(b)に示すストライプ配列などが挙げら
れ、画素が水平方向、垂直方向に繰り返し形成されると
ともに、画素の周辺にはブラックマトリクス(以下BM
と記載)が形成される。一般に画素ピッチは、隣り合う
画素のBMからBMまでの距離を言い、その配列方向に
より、水平方向ピッチPh、垂直方向ピッチPvと呼ば
れる。
【0017】液晶表示素子の画素数、画素のサイズは表
示素子のサイズにより様々であるが、例えば、15型の
液晶表示素子がストライプ配列で水平画素数が640×
(R、G、B)×垂直画素数480の場合、画素ピッチ
は水平方向Phがほぼ0.159mm、垂直方向Pvが
ほぼ0.476mmであり、画素間に形成されるBM幅
P3は0.01mmである。
【0018】ところで、上記の画素にレンズを一対一に
対応させた場合、たとえば、画素ピッチPvとレンズピ
ッチを一致させて配置した場合、図19に示すように、
観察者には、画素間に形成されたBM面193だけが観
察される暗部領域を見ることになり、表示品位が低下す
る。また、レンズ191の形成パターンと液晶表示素子
190に形成され、レンズと平行な方向に形成された画
素パターン(本図面ではPv)とが互いに干渉しモアレ
縞が発生する。この結果、表示品位が著しく低下する。
また、画素ピッチP2に対し、レンズピッチP1を大き
く設計した場合には、観察者は、複数の画素を同時に観
察することになり、画像ボケが発生する。
【0019】これに対して、本発明の如く、レンズのピ
ッチP1を画素ピッチP2より小さくすることにより、
複数のレンズで1画素を観察でき、暗部領域の発生を低
減できる。また、視角の改善方向は、レンズの形成方向
により変化する。例えば、画面上下方向の視角を改善し
たい場合には、レンズを画素の垂直方向ピッチPvに対
し平行に配置すれば良い。この場合、レンズピッチP1
を画素ピッチPvより小さくすることで、暗部領域の発
生を低減できる。また、画面左右方向の視角を改善した
い場合には、レンズを画素の水平方向ピッチPhに平行
に配置し、この場合、レンズのピッチP1を画素の水平
方向ピッチPhより小さく形成すれば良い。また、一般
に、レンズピッチを小さくするとレンズの集光力が弱ま
ることから画素より発した光を十分拡散できなくなり、
視角の改善効果が低下するとともに、レンズ形成表面で
光の回折が発生し、虹色の像が観察される。視角の改善
と、回折現象を防止するためには、レンズのピッチP1
が、画素ピッチP2の1/20以上であることが好まし
い。
【0020】また、本発明は、レンズアレイのピッチを
P1とし、焦点距離をfとし、レンズアレイが配置され
た平面から液晶表示素子に形成された画素までの空気換
算距離をdとし、画素ピッチをP2とし、画素ピッチP
2方向に形成されたブラックマトリクスBMの幅をP3
とする時、焦点距離を中心としてレンズアレイのピッチ
幅に対応して画素上に形成される幅xは、x=P1×|
(d−f)|/fであり、そして、0≦x≦(1.5×
P2)を満たす液晶表示装置である。さらに、幅xがP
3≦x≦P2を満たすことにより、よりすぐれた効果を
得ることができる。
【0021】本構成の作用に関し、以下に説明する。液
晶表示素子に形成された1画素に対して、複数のレンズ
201を配置した場合、図20(a)に示すようにBM
面203を観察する領域と画素の開口部202(BM面
以外の画像を表示する領域)を観察する領域との重なり
を画像として観察することができる。この結果、図19
に示す暗部領域の発生を減少することができる。
【0022】また、図20(b)に示すように、レンズ
201は、その焦点距離fを画素が配置された平面まで
の距離dより短くすることにより、焦点を中心として、
レンズアレイのピッチ幅に対応して画素上に形成される
幅xから発する光を拡散でき、さらに、暗部領域を減少
することができる。また、この時、幅xは画素に形成さ
れたBM幅P3より大きく設計することで画素の開口部
202から発する出射光を確実に拡散できるため、暗部
領域外の光を拡散でき、視角改善を行える。但し、この
構成は、BM面より広い領域からの出射光をレンズによ
り拡散する構成をとるため、画像のぼけ(2重写り)を
助長することになる。このため、幅xは、画素ピッチの
1.5倍以下とすることが好ましく、さらに、好ましく
は、幅xを1画素のピッチP2以下とすることにより、
画像のぼけを抑制することができる。
【0023】また、本発明は、レンズアレイが、その受
光角をθ1とする時、5°≦θ1≦40°の条件を満た
す液晶表示装置である。なお、本明細書に記載のレンズ
の受光角θ1は、図21(a)に示すように、測定器
(大塚電子(株)製Photal−AG1200)を用い
て、入射光251として±3°の広がりを持つ平行光を
レンズ253の形成方向であるx−y平面に対し垂直な
方向であるy−z平面から角度±θより入射し、この
時、レンズ253の正面方向に出射する光の強度を受光
器252により受光し、その強度がほぼ0に近い値とな
る角度を測定することにより求めた。
【0024】図21(b)にレンズの受光角θ1の測定
結果を示す。例えば、受光角θ1が±30°のレンズ
は、図21(b)中の▲印で示される特性を示す。図2
1(b)は、横軸に入射光の入射角θ2を、縦軸に受光器
252の受光明るさを相対明るさで示しており、レンズ
の受光角θ1をパラメータとし、それぞれ、10°、2
0°、30°、40°、60°の場合を測定した結果で
ある。
【0025】また、レンズの拡散度を求めるため、同様
に測定器(大塚電子(株)製Photal−AG120
0)を用いて、図22(a)に示すように、レンズ253
の正面方向より平行光251を入射し、この時、y−z
平面に対し角度±θ方向での拡散光強度を受光器252
により測定し求めた。
【0026】レンズの拡散度を図22(b)を用いて説
明する。図22(b)は、レンズの受光角θ1を変化さ
せたときに、レンズ正面より入射した光がレンズを透過
後にどの程度広がるかを示す図である。例えば、レンズ
の受光角が±30°では、図中の▲印に示されるよう
に、ほぼ±60°の方向まで光を拡散できる。図22
(b)は、横軸に拡散角θを、縦軸に拡散光の強度を示し
ており、レンズの受光角θ1をパラメータとして、それ
ぞれ、10°、20°、30°、40°、60°の場合
を測定した結果である。
【0027】次に、レンズの受光角θ1を変化させたと
きの液晶表示装置の視角特性および明るさの変化に関し
て説明する。この測定は、図23に示すように、面光源
装置263、TN液晶表示素子262、受光角θ1が異
なるレンズシート261により構成される液晶表示装置
260を、y−z平面に対し回転させ、角度±θ2方向
より出射する光の強度を輝度計(トプコン株式会社製
BM−5A)264を用いてコントラスト(白表示時の
輝度/黒表示時の輝度)を求めることで測定した。
【0028】図5(a)は、レンズの受光角θ1と液晶
表示装置の正面方向での明るさ(正面輝度)の関係を示
す。レンズの受光角θ1が小さい程、正面方向での明る
さの低下は少なく、レンズの受光角θ1が広がる程、正
面方向での明るさが下する。レンズの受光角θ1が40
°より大きいと正面方向での明るさの低下が従来のTN
液晶表示モードに対し0.4倍程度に減少し、従来と同
等程度の明るさを確保するためには、面光源装置に掛か
る負担が大きくなるため、実用的な範囲としてレンズの
受光角θ1は40°以下が好ましい。
【0029】次ぎに、図5(b)にレンズの受光角θ1
と視角範囲θ2(本明細書では、コントラストが10以
上確保できる角度範囲を示す)の関係を示す。なお、図
中のレンズの受光角θ1が0°は、レンズを配置しない
従来のTN液晶表示モードの特性を示す。液晶表示装置
にレンズの受光角θ1が異なるレンズシート261を配
置した場合、レンズの受光角θ1に応じて、視角範囲θ
2(本明細書では、コントラストが10以上確保できる
角度範囲を示す。)が変化する。より具体的には、レン
ズの受光角θ1を大きくすると、拡散効果が強くなり、
視角範囲θ2が広がるが、レンズの受光角θ1が40°
以上では、視角改善効果は飽和する。また、レンズの受
光角が5°未満では、視角の改効果はほとんど無く視角
依存性は改善されないことを見出した。
【0030】以上説明のように、レンズの受光角θ1
は、視角改善に対し重要なパラメータであり、その値
は、視角の改善効果と正面方向での輝度低下のバランス
を考慮し、5°以上40°以下が好ましいことが分か
る。
【0031】また、本発明は、レンズアレイが形成され
た面およびレンズアレイが形成された面とは反対側の面
のうちのいずれか一方、または、両方に、全面に遮光手
段が形成された液晶表示装置である。これにより、レン
ズ表面にて全反射する角度の浅い光(迷光)が乱反射す
ることを防止できるとともに、外光側からの反射を防止
できるため、液晶表示装置の表示品位を向上させること
ができる。また、遮光層はレンズ面、或いは対向面の全
面に形成されることにより、作成プロセスが容易で安価
な遮光層とすることができる。
【0032】そして、本発明は、レンズアレイは、前記
の液晶表示素子に対向配置された基板の観察者側面上に
形成される液晶表示装置である。これにより、レンズが
配置された表面から画素までの距離を短くでき、視差に
よる画像ボケを防止できる。また、レンズ自体の焦点距
離を短く設計できるため、集光力の高いレンズとして、
明るい液晶表示装置とすることができる。
【0033】さらに、本発明は、第1の光学素子が前記
の液晶表示素子に対向配置された基板の観察者側に形成
されるとともに、前記基板とカラーフィルターとの間に
散乱粒子が含有された有機材料により形成される液晶表
示装置である。これにより、散乱面と画素との距離を短
くでき、視差による画像ボケを防止できる。
【0034】また、本発明は、複数の反射部と伝搬部と
を有し、そして、導光部の出射面から出射する主光線と
面法線とが成す角度θ1を、0°≦θ1≦60°、の方
向に出射する面光源を備えた液晶表示装置である。これ
により、効率良く指向性のある光を出射でき、さらに上
下方向の視角特性を改善できる。
【0035】そして、本発明は、導光部の出射面と対向
する面に、複数の反射部と伝搬部が繰り返し形成される
面光源を備えた液晶表示装置である。これにより、面光
源からの出射光に指向性を持たせることができ、さら
に、上下方向の視角特性を改善できる。
【0036】さらに、本発明は、面光源と液晶表示素子
の間および第1の光学手段と液晶表示素子の間のうちの
いずれか一方、または、両方に配置された第2の光学手
段により、出射面から面状に出射する光の主光線が出射
面の法線方向に屈折される液晶表示装置である。これに
より、液晶表示装置の面方線方向(正面方向)を中心に
視角特性を改善できる。
【0037】また、本発明は、第2の光学手段が複数の
プリズム部が形成されたフィルムから成る液晶表示装置
である。これにより、安価な光学手段とすることができ
る。
【0038】そして、本発明は、第2の光学手段に形成
された複数のプリズム部に、保護層が形成された液晶表
示装置である。これにより、プリズム表面の傷付きによ
る不要光の光漏れを防止できる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明
する。本発明の液晶表示装置の実施例について、図1〜
図17を用いて説明する。図1は、実施例1の液晶表示
装置の構造を模式的に示す縦断面説明図である。図2
は、実施例1の液晶表示装置のレンズシートの構造を模
式的に説明する縦断面図である。図3は、実施例1の液
晶表示装置の面光源の構造を模式的に示す縦断面図であ
る。図4は、実施例1の液晶表示装置の視角範囲におけ
る特性を説明する図である。図5は、実施例1の液晶表
示装置のレンズの受光角における特性を説明する図であ
る。図6は、実施例2の液晶表示装置の構造を模式的に
示す縦断面図である。図7は、実施例2の液晶表示装置
の偏光板に対する位相差板の配置関係を説明する図であ
る。図8は、実施例2の液晶表示装置のレンズシートの
構造を模式的に示す縦断面図である。図9は、実施例2
の液晶表示装置の面光源の構造を模式的に説明する縦断
面図である。図10は、実施例2の液晶表示装置の面光
源の導光体の伝搬部と反射部の形状を模式的に示す斜視
図である。図11は、実施例2の液晶表示装置の特性を
説明する図である。図12は、実施例3の液晶表示装置
の縦断面説明図である。図13は、実施例3の液晶表示
装置のレンズシートの説明図である。図14は、実施例
3の液晶表示装置の面光源の構造を模式的に示す縦断面
説明図である。図15は、実施例3の液晶表示装置の面
光源の導光体の伝搬部と反射部の形状を説明する斜視図
である。図16は、実施例3の液晶表示装置の特性を説
明する図である。図17は、実施例3の変形例の液晶表
示装置の構造を模式的に示す縦断面図である。
【0040】(実施例1)本発明の実施例1にかかる液
晶表示装置の構成を説明する。実施例1の透過型液晶表
示装置は、図1に示すように、面光源1と液晶表示素子
2と光拡散層3で構成されている。面光源1は、後述す
る冷陰極型蛍光ランプと、冷陰極型蛍光ランプからの入
射光を均一に面状に出射する導光体により構成される。
液晶表示素子2は、透明ガラス基板上にマトリクス状に
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という。)と画素
に対応した透明電極と配向膜が形成されたアクティブマ
トリクス基板(第1の基板)41と、透明電極と画素に対
応したカラーフィルターと配向膜が形成されたカラーフ
ィルター基板(第2の基板)42を有してなり、これら第
1の透明基板41と第2の透明基板42間にツイスト角
がほぼ90度のツイステッドネマッティック(以下、
「TN」という。)液晶材料からなる液晶層5が封止さ
れている。液晶層5は正の誘電率異方性を有する液晶材
料よりなる。これら第1の透明基板41と第2の透明基
板42を対をなす第1の偏光板61および第2の偏光板
62で挾持して液晶表示素子2が構成される。光拡散層
3は、観察者側に配置された第2の偏光板62の外側に
配置された第1の光学手段であり、液晶表示素子2から
の出射光を拡散する。
【0041】なお、第1の透明基板41と第2の透明基
板42に設けた透明電極には液晶分子の配向状態を変化
させるための変調制御手段が接続されており、印加され
る表示電圧による外場である電界で液晶分子の配向形態
を制御し、光強度を変調制御する。
【0042】次に、上記構成の液晶表示素子の製造方法
を説明する。第1の透明基板41と第2の透明基板42
には、厚みが0.7mmの7059ガラス(コーニング
グラスワークス社製)を使用し、第1のガラス基板41
と第2のガラス基板42上にITO膜をスパッタ法によ
り形成して透明電極を形成した。次に、配向膜として、
ポリイミド配向膜を印刷法にて形成し、180℃で焼成
後、ラビング処理を施した。このようにして形成した配
向膜のツイスト角は90°である。その後、液晶層5の
間隔を一定に保持するため、4.5μmのグラスファイ
バースペーサーを散布し、液晶封止層として5.3μm
のグラスファイバースペーサーを混入した接着シール材
をスクリーン印刷することにより形成し、貼り合わせを
行った。その後、真空脱気により2枚の基板間に液晶を
注入しTN液晶セルを作成した。また、第1のガラス基
板41と第2のガラス基板42の外側に配置される第1
の偏光板61と第2の偏光板62を偏光軸(または吸収
軸)が互いに直交するように配置した。この時、偏光軸
(または吸収軸)が先のラビング方向とほぼ一致するよ
うに配置した。
【0043】実施例1で用いた液晶表示素子2として、
画面サイズが対角15インチ(縦:228.6mm、
横:304.8mm)であり、画素がストライプ配列で
水平画素数640(R、G、B)×垂直画素数480、
その画素ピッチは水平方向Phがほぼ0.159mm、
垂直方向Pvがほぼ0.476mmであり、ブラックマ
トリクス(BM)幅が0.01mmの液晶表示素子2を
用い、カラーフィルター基板(第2の基板)42は、その
厚さが0.7mm、屈折率が1.52であり、観察者側
に配置された第2の偏光板62は、その厚さが0.30
mm、屈折率が1.52である。この時、光拡散層3か
ら画素が形成された平面までの空気換算距離dは、ほぼ
0.658mmである。
【0044】実施例1の液晶表示装置における光拡散層
3の構造について、光拡散層3の構造を模式的に示す縦
断面図である図2(a)、その正面図である図2(b)
を用いて説明する。光拡散層3として、複数のレンズ3
1が繰り返し形成されたレンチキュラーレンズフィルム
を用いた。このレンズフィルム3は、凹形状が繰り返し
形成された金型に日本合成ゴム(株)社製の紫外線硬化
樹脂(Z9001、屈折率n=1.59)を滴下した
後、表面に基材32を配置し、1.0J/cmの紫外
線を照射して硬化させて基材32に凸部を転写し形成し
た。この時、基材32には日本合成ゴム(株)社製のア
ートンフィルムを用いた。なお、レンズフィルムの作成
方法は上記に限定される訳ではなく、透明基板上に形成
されレジスト膜の熱弛れや、アクリル樹脂を用いたイン
ジェクション成型により作成しても良いし、ガラス基板
上にイオン交換法やガラスエッチング法を用いて形成し
ても良い。
【0045】拡散層3として働くレンチキュラーレンズ
フィルムに形成されたレンズ面を、観察者側に配置され
た第2の偏光板62と対向するように配置する。また、
レンチキュラーレンズ31は、液晶表示素子2に形成さ
れた画素の垂直方向ピッチPvに対して平行になるよう
に繰り返し形成し、そのピッチP1が0.14mm、高
さが0.04mm、焦点距離fが約0.14mmとなる
ように形成した。このようにレンズ31を形成すること
で、画素面で焦点距離fが交差する幅を0.534mm
とした。また、レンズの受光角は±30.8°とした。
【0046】なお、レンズのピッチP1は、レンズと平
行な方向に形成された液晶表示素子2の画素のピッチP
vの1.5倍より小さく、より好ましくは画素ピッチP
vより小さく形成することが好ましいが、その大きさが
1/20倍より小さい場合、レンズが形成された表面で
光の回折現象により虹色の反射光が観察され、表示品位
が低下する。このため、レンズピッチP1は、画素ピッ
チPvの1/20倍以上であることが好ましい。
【0047】実施例1において、レンチュキラーレンズ
31には全面に遮光層33を形成した。具体的には、黒
色顔料を分散した有機材料をスピンコート法によりレン
チュキラーレンズ31の表面に塗布し、紫外線を1.5
J/cm照射することにより硬化形成した。遮光層3
3の膜厚は、レンズフィルム3の透過率が70%となる
ように、ほぼ0.005mmに形成した。なお、レンズ
フィルムの透過率が高いほど画面輝度を上げることがで
きるが、実施例1における透過率でも画面輝度の低下は
気にならない程度であった。
【0048】レンズ面の向きは、実施例1に限定される
訳ではなく、レンズ面は観察者側に向けることも可能で
ある。但し、この場合、レンズ面と画素までの空気換算
距離dは、レンズが形成される基材32の厚さ分だけ離
れることになり、レンズの集光力が低下する。このた
め、前記の厚さ分の距離を偏光板62やカラーフィルタ
ー基板42の厚さで調整することが望ましい。
【0049】また、レンズフィルムの配置位置は、実施
例1に限定される訳ではなく、液晶表示素子2の偏光板
62の内側に配置しても良い。但し、この場合、レンズ
形成面から画素面までの空気換算距離dはカラーフィル
ター基板42の厚さとなるため、レンズの焦点距離fの
設計は、約0.46mm以下で形成する必要がある。ま
た、レンズフィルム3による複屈折(分子方向の屈折率
の違い)効果はできるだけ低減することが望ましく、実
施例1で用いた基材の如く、ほとんど複屈折性を持たな
い基材を用いることが好ましい。また、上記以外に、複
屈折の小さいPVA(ポリビニルアルコール)等の基材
にレンズを形成しても良い。
【0050】また、遮光層33はレンズ面だけでなく、
レンズ面の反対側の面、または、レンズ面および反対側
の面の両方に形成しても良い。この場合、観察者側から
入射する外光の反射も低下できる。なお、本構成の場
合、遮光層を形成することで透過率が低下することを考
慮し、特に両側に遮光層を配置する場合には、その形成
膜厚を調整することで透過率を制御することが望まし
い。
【0051】次に、実施例1の液晶表示装置で用いた面
光源1の構造の詳細について、図3を用いて説明する。
面光源1は、蛍光管11、導光体12、拡散反射シート
13、およびプリズムシート14により構成される。導
光体12は、入射面の厚さtinを4mm、入射面と対
向する面の厚さtoutを2mmとした楔型形状に形成
される。また、導光体12の出射面121の反対側の面
122にはシボ印刷加工を施すとともに、拡散反射シー
ト13を配置し、そして、導光体12の出射面121に
は、プリズムシート14として住友3M株式会社製のB
EFフィルムを配置した。また、蛍光管11は、表示画
面の上方に配置した。
【0052】本実施例1における液晶表示装置の視角特
性について図4を用いて説明する。図4(a)は、実施
例1で用いた面光源1の出射角度と出射光量の関係を示
す。図4(b)は、従来のTN表示モードのコントラス
トと視角θ2の関係(細い実線)および、本発明の実施例
1で用いた液晶表示装置のコントラストと視角θ2の関
係(太い実線)を示す。また、図4(c)は、従来のTN
表示モードの明るさと視角θ2の関係(細い実線)、およ
び、本発明の実施例1で用いた液晶表示装置の明るさと
視角θ2の関係(太い実線)を示す。
【0053】図4(a)より明らかなように、面光源1
から出射した光の主光線方向θ1(面法線方向)は、液
晶表示素子のコントラストのピーク方向とほぼ一致して
いる。
【0054】以上の構成では、面光源1より出射した光
は、液晶表示素子2を通過後、受光角θ1が±30°の
レンチキュラーレンズフィルム3により拡散される。こ
の結果、図4(b)に示すようにレンチキュラーレンズ
フィルムを配置しない従来のTN液晶表示モードに比べ
て、コントラスト値は、±80°方向まで改善できる。
加えて、レンチキュラーレンズフィルムを配置しない従
来のTN液晶表示モードに比べて、コントラストの変化
を小さくでき、変化感の少ない表示画像を提供できる。
【0055】さらに、図4(c)に示すように、レンチ
キュラーレンズフィルムを配置しない従来のTN液晶表
示モードに比べて、この実施例1の液晶表示装置は、正
面方向の明るさが低下するが、明るさの変化率を小さく
でき、視角に対して変化感のない表示画像を提供でき
る。なお、図4(c)の測定結果は、実施例1および従来
のTN液晶表示モードとも正面0°方向の明るさにて規
格化した値である。
【0056】レンズの拡散効果による視角の改善効果お
よび正面輝度について、図5(a)および図5(b)を
用いて説明する。この実施例におけるレンズの拡散効果
は、図5(a)に示すように、レンズの受光角θ1を±3
0°とした場合、視角範囲θ2(コントラストが10以
上確保できる角度範囲を示す)は、175°であり、視
角範囲θ2が90°である従来のTN液晶表示モードに
対し改善できた。また、正面方向での明るさ(正面輝度)
は、図5(b)に示すように、従来のTN表示モードに
対し、0.5倍に低下したが実用上問題のない明るさで
あった。
【0057】なお、レンズの受光角θ1は、大きくする
と拡散効果が強くなり、視角範囲は広がるが、正面方向
での明るさが低下する。また、受光角θ1を小さくした
場合には、視角範囲に対する改善効果は小さくなるが正
面方向の明るさ低下は小さくなる。実用的な範囲として
は、レンズの受光角θ1は5°以上40°以下が好まし
い。
【0058】以上、説明したように、実施例1の液晶表
示装置によれば、液晶表示素子のコントラストのピーク
方向は、面光源からの出射光の主光線方向とほぼ一致
し、そして、液晶表示素子の観察者側に液晶表示素子か
らの出射光を拡散する第1の光学手段を備えることによ
り、面光源から発した光が液晶表示素子を通過した際
に、コントラストの低下が少ない、視角特性を改善した
液晶表示装置とすることができる。
【0059】また、レンズフィルムに形成されたレンズ
のピッチを液晶表示素子に形成された画素のピッチより
小さく設計することにより、暗部の発生を防止でき、表
示品位の高い画像を提供できる。
【0060】そして、レンズアレイの焦点距離fをレン
ズアレイが配置された平面から液晶表示素子に形成され
た画素までの空気換算距離d以下に設計することで、画
素と焦点距離fが交わる幅xが0.534mmの平面か
ら発した光を拡散でき、視角特性を改善できる。
【0061】さらに、レンズアレイが形成された面また
は、レンズが形成された面と対向する面のいずれか一
方、または、両側には全面に遮光手段を形成したこと
で、レンズに到達する前に全反射する角度の浅い光(迷
光)が乱反射することおよび外光の反射を防止でき、液
晶表示装置の表示品位を向上できる。また、作成プロセ
スが容易で安価な遮光層を提供できる。
【0062】また、光源を表示画面の上方に配置し、面
光源と液晶表示素子の間にプリズムフィルムを配置する
ことにより、面光源からの出射光に指向性を持たせるこ
とで、特に表示画面上下方向の視角特性を改善できる。
【0063】(実施例2)以下、本発明の実施例2にか
かる液晶表示装置の構成を説明する。実施例2の液晶表
示装置は、基本的な構成は実施例1と同じであるが、液
晶表示素子のサイズ、液晶表示モード、面光源の構成お
よび、レンズフィルムの構成が異なっている。実施例2
の液晶表示装置は、図6の断面説明図に示すように、面
光源1bと液晶表示素子2bと光拡散層3bを具備して
いる。
【0064】液晶表示素子2bは、所定の間隔で配され
た第1の透明基板41bと第2の透明基板42bを有す
る。第1の透明基板41bと第2の透明基板42b上に
はそれぞれ透明電極および配向膜が設けられている。こ
れら第1の透明基板41bと第2の透明基板42b間に
は液晶層5bが設けられている。液晶層5bは負の誘電
率異方性を有する液晶材料よりなる。透明電極には液晶
分子の配向形態を変化させるための変調制御手段が接続
されており、印加される表示電圧による外場である電界
で液晶分子の配向形態を制御し、光強度を変調制御す
る。これら第1の透明基板41bと第2の透明基板42
bは、対をなす第1の偏光板61bと第2の偏光板62
bで挾持され、第2の透明基板42bと第2の偏光板6
2bの間には、正の屈折率異方性を有する位相差板72
が設けられている。以上により、透過光強度を変調する
ことのできる光学素子としての液晶表示装置が構成され
る。
【0065】液晶表示素子2bの製造方法の一例を説明
する。第1の透明基板41bと第2の透明基板42bと
して厚みが0.7mmの7059ガラス基板(コーニン
ググラスワークス社製)を使用し、ガラス基板上にIT
O膜をスパッタ法により形成し透明電極とした。
【0066】配向層は以下のようにして作成した。すな
わち、SiOの斜方蒸着膜を形成した後、DMOAP等
のシランカップリング剤を塗布した後、300℃で焼成
することで、垂直からわずかに傾斜した配向を実現し
た。このようにして作成した配向膜におけるプレチルト
角は、実施例2の場合、基板の面方向から88°であっ
た。
【0067】その後、液晶層5の間隔を一定に保つため
に、4.5μmのグラスファイバースペーサー(図示せ
ず)を散布し、液晶封止層(図示せず)として5.3μ
mのグラスファイバースペーサーを混入した接着性シー
ル材をスクリーン印刷することにより形成し張り合わせ
た。その後2枚の基板間の真空脱気により液晶材料を注
入し液晶セルを作成した。
【0068】実施例2で用いた液晶表示素子として、画
面サイズが対角18インチ(縦:274.3mm、横:
365.7mm)、画素がストライプ配列で水平画素数
1024(R、G、B)×垂直画素数768、その画素
ピッチが、水平方向Phでほぼ0.119mm、垂直方
向Pvでほぼ0.357mmの液晶表示素子を用いた。
位相差板72は、その厚さ0.30mmで、基板面内の
屈折率の内、屈折率の大きい方の屈折率(遅相軸)をn
x、屈折率の小さい方の屈折率をny、基板表面に対し
法線方向の屈折率をnzとすると、nx=1.500
4、ny=1.5、nz=1.50298である。さら
に、図7に示すように、第一の偏光板61bおよび第2
の偏光板62bからなる一対の偏光板をその吸収軸が互
いに直交するように、また、液晶層5の遅相軸に対して
45°の角度をなすように配置され、位相差板72の遅
相軸は、液晶層5の遅相軸と直交するように配置され
る。
【0069】また、光拡散層3bから画素が形成された
平面までの空気換算距離dは、0.857mmである。
【0070】次に、光拡散層3bの構造の詳細に関し
て、図8(a)の断面説明図および図8(b)の正面説
明図を用いて説明する。実施例2でレンチキュラーレン
ズフィルムを用いた点は、実施例1と同じであるが、レ
ンズ31bは、基材32bの両面に形成され、その形成
方向は液晶表示素子2に形成された画素の垂直方向ピッ
チPvと平行な方向に繰り返し形成した。また、レンズ
31bは、ピッチP1が0.10mm、高さが0.01
5mm、焦点距離fが0.15mmで形成した。この
時、液晶表示素子に形成された画素と焦点距離fが交差
する幅xは0.456mmであり、また、レンズの受光
角は、ほぼ±20°である。また、実施例2では、基材
32bの両面に形成したレンズ形成面31b上にそれぞ
れ遮光層33bを形成した。なお、レンズの受光角θ1
は実施例2の値に限定される訳ではなく、5°から40
°の範囲であれば良く、これは他の実施例においても同
様である。
【0071】次に、実施例2で用いた面光源1の構造の
詳細について、図9および図10を用いて説明する。面
光源1bは、2つの蛍光管11bと2つの導光体12
b、拡散反射シート13bにより構成される。
【0072】実施例2で用いた導光体12bは、図9お
よび図10(a)の斜視説明図および図10(b)の拡
大説明図に示すように、それぞれ、入射面14b、出射
面15b、およびそれの反対側の面16bを備え、反対
側の面16bには伝搬部171bと反射部172bを繰
り返し形成することで、周期構造のプリズム部17bを
形成した。また、導光体12bは、ポリメチルメタクリ
レートを用いて射出成形により作製し、その入射面14
bの厚さtinを2.0mmとし、対向面18bの厚さ
toutを1.0mmとした。
【0073】実施例2では、上記の導光体12bを2枚
用い、そして、その入射面14bが互いに対向するよう
に配置し、そして、出射面15bが観察者側を向くよう
に配置した。また、蛍光管11bは表示画面の上下方向
に配置した。
【0074】なお、導光体材料は、実施例2に限定され
る訳ではなく、ポリメチルメタクリレートなどのアクリ
ル系樹脂や、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂
などに代表される透明樹脂やガラスなどを適宜用いて射
出成型などの加工法によって成型して製造することがで
きる。
【0075】次に、導光体12bに形成された伝搬部1
71bと反射部172bの詳細を図10(b)により説
明する。伝搬部171bと反射部172bは、そのピッ
チを光の進行方向に対して、プリズム部17bのピッチ
Pfを0.16mm(Pe=0.01mm、Pd=0.
15mm)に形成し、反射部172bの角度θ2は約4
0°で形成した。このようにプリズム部を形成すること
で、導光体12bの入射面14bに配置された光源11
bからの入射光は、導光体12bに形成されたプリズム
部17bの伝搬部171bで全反射を繰り返しながら導
光体12b中を伝搬する。ここで、反射部172bに入
射した光は、出射面15bで全反射条件が崩れ、導光体
12bから面状発光に変換され出射される。実施例2で
は、導光体12bに屈折率nが1.54の透明アクリル
樹脂を用いており、出射面15bの法線に対し角度θ1
が±15°の方向に指向性のある光を出射できる。ま
た、導光体12bの出射面15bと反対側の面16bに
は、拡散反射シート(図示せず)を配置することで、導
光体の出射面15bの反対側の面16bからの漏れ光を
観察者側に反射することができ、光の利用効率を向上さ
せることができる。なお、実施例2では、導光体の対向
面に形成された周期構造をプリズム状としたが、他にも
台形形状、レンチキュラー形状、球状等の凹凸であって
も良い。
【0076】実施例2における液晶表示装置の視角特性
に関して図11(a)、図11(b)、図11(c)を
用いて説明する。図11(a)は、実施例2で用いた面
光源の出射角度と出射光量の関係を示す図である。図1
1(b)は、レンズフィルムを配置しない従来の液晶表
示モードの液晶表示装置のそれぞれコントラストと視角
θ2の関係(細い実線)、および、本発明の実施例2で用
いた液晶表示装置のコントラストと視角θ2の関係(太
い実線)を示す図である。また、図11(c)は、レン
ズフィルムを配置しない従来の液晶表示モードの明るさ
と視角θ2の関係(細い実線)、および、本発明の実施例
2で用いた液晶表示装置の明るさと視角θ2の関係(太
い実線)を示す図である。
【0077】図11(a)より明らかなように、面光源
1から出射した光の主光線方向θ1(面法線方向)は、
±15°の方向に指向性を示しており、液晶表示素子の
コントラストのピーク方向とほぼ一致している。
【0078】以上の構成では、面光源1bから出射した
光は、液晶表示素子2bを通過後、受光角±20°のレ
ンチキュラーレンズフィルム3bにより拡散される。こ
の結果、図11(b)に示すようにレンチキュラーレン
ズフィルムを配置しない従来の液晶表示モードに比べ
て、コントラスト値を、±50°方向まで改善できる。
また、レンチキュラーレンズフィルムを配置しない従来
の液晶表示モードに比べて、コントラストの変化を小さ
くでき、変化感の少ない表示画像を提供できる。
【0079】また、図11(c)に示すようにレンチキ
ュラーレンズフィルムを配置しない従来のTN液晶表示
モードに比べて、明るさの変化率を小さくでき視角に対
して変化のない表示画像を提供できる。なお、図11
(c)に示す測定結果は、従来の液晶表示モードおよび実
施例2の液晶表示装置とも、輝度のピーク方向の明るさ
によって規格化した値である。また、この実施例2の構
成では、従来の液晶表示モードの輝度ピーク(±15°
の方向の明るさ)を正面に拡散できるため正面方向の輝
度を向上できた。
【0080】以上のように形成された液晶表示装置の視
角範囲θ2は、従来のレンチキュラーレンズフィルムを
配置しない液晶表示モードの視角範囲が60°であるの
に対し、80°まで改善できた。また、正面方向での明
るさは、従来の液晶表示モードに対し、3倍まで改善で
きた。ただし、輝度のピーク方向(±15°方向)では
輝度が0・5倍に低下したが、実用上問題の無い明るさ
であった
【0081】以上、説明したように、実施例2によれ
ば、面光源と、液晶表示素子と、液晶表示素子の観察者
側、または、面光源側にそれぞれ配置された偏光手段と
を有する透過型液晶表示装置において、面光源は、少な
くとも1つ以上の光源と導光部から構成され、導光部は
光源からの光を入射する少なくとも1つ以上の入射面
と、光を出射する出射面とを備えるとともに、液晶表示
素子に用いられる液晶表示モードは、面法線方向から傾
斜した方向にコントラストのピーク値を2つ以上持ち、
面光源からの主光線方向とコントラストのピーク値をほ
ぼ一致させることにより、コントラストの低下が少な
い、視角特性を改善した液晶表示装置を提供できる。
【0082】そして、レンズアレイが形成された面およ
びレンズが形成された面の反対側の面のいずれか一方ま
たは両方の全面に遮光手段が形成されることにより、レ
ンズに到達する前に全反射する角度の浅い光(迷光)が
乱反射することを防止できるとともに、外光側からの反
射を防止できるため、液晶表示装置の表示品位を向上で
きる。
【0083】さらに、遮光層はレンズ面、或いは対向面
の全面に形成されることにより、作成プロセスが容易で
安価な遮光層を提供できる。
【0084】また、光源は、表示画面の上および下のい
ずれか一方または両方に配置されることにより、面光源
から出射する光の主光線の方向を上下に振り分けること
ができ、上下方向の視角特性を改善できる。
【0085】そして、面光源を構成する導光体の出射面
と対向する面には、複数の反射部と伝搬部が形成される
ことにより、面光源からの出射光に指向性を持たせるこ
とができ、さらに、上下方向の視角特性を改善できる。
【0086】さらに、複数の反射部と伝搬部は、導光体
の出射面から出射する主光線の方向と面法線とが成す角
度θ1を、0°≦θ1≦60°、の範囲に出射すること
により、効率良く指向性のある光を出射でき、さらに上
下方向の視角特性を改善できる。
【0087】(実施例3)以下、実施例3について図1
2〜図15を用いて説明する。本実施例3で用いた液晶
表示装置は、基本的な構成は実施例1と同じであるが、
面光源の構成およびレンズフィルムの構成が異なる。実
施例3の液晶表示装置は、図12に示すように、面光源
1cと液晶表示素子2cと光拡散層3cで構成されてい
る。実施例3で用いた液晶表示素子2cのその他の構成
は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0088】実施例3では、液晶表示素子のカラーフィ
ルター基板42c上に光拡散層3cとしてレンズを形成
した。このため、光拡散層3cから画素が形成された平
面までの空気換算距離dは、0.46mmである。
【0089】次に、光拡散層3cの構造の詳細に関し
て、光拡散層3cの構造を模式的に示す縦断面図である
図13(a)、および、その正面図である図13(b)
を用いて説明する。実施例3では、レンチキュラーレン
ズを用いた点は、実施例1と同じであるが、レンズ面
は、カラーフィルター基板42cの観察者側に形成し
た。さらに具体的には、ガラスエッチング法により、カ
ラーフィルターガラス基板42c上に凹部を形成し、形
成した凹部に紫外線硬化樹脂(長瀬チバ(株)社製T−
714/R 屈折率n=1.66)を滴下し、紫外線を
1J/cm照射することでレンズ3cを形成した。
【0090】その形成方向は、液晶表示素子に形成され
た画素の垂直方向ピッチPvに対して平行な方向に繰り
返し形成した。この時、レンズのピッチP1は実施例1
と同じであるが、焦点距離fは、屈折率が1.52のガ
ラス基材上に屈折率が1.66の紫外線硬化樹脂にてレ
ンズを形成しており、0.576mmであった。また、
レンズ形成面から画素が形成された平面までの空気換算
距離dは、0.46mmであるため、レンズのピッチ幅
に対応して画素上に形成される幅xは0.028mmで
ある。
【0091】また、実施例3では、レンズ形成面の外側
に第2の偏光板62cを配置し、遮光層の働きを兼用し
た。
【0092】次に、実施例3で用いた面光源の詳細につ
いて、図14を用いて説明する。面光源1cは、表示画
面の上下方向に対応する方向に配置された2つの蛍光管
11cと導光体12c、拡散反射シート13cにより構
成される。また、入射面14cの厚さはそれぞれtin
を2.0mmとし、平行平板構造とした。
【0093】次に、導光体12cに形成された伝搬部1
71cと反射部172cの詳細について、図15を用い
て説明する。図15(a)は導光体12cの形状を概念的
に示す斜視図であり、図15(b)は反対面16cの構造
を拡大して示す部分拡大斜視図である。導光体12cの
反対面16cに設けた伝搬部171cと反射部172c
は、プリズム部17bのピッチPfを光の進行方向に対
してPf=0・16mm(Pe=Pe’=0.01m
m、Pd=0.14mm)で形成し、反射部172cの
角度θ4は、約50°で形成した。このようにプリズム
部17cを形成することで、導光体12cの入射面14
cに配置された光源11cからの入射光は、導光体12
cの出射面15cから面状発光に変換され出射される。
【0094】以上のような構成の面光源装置では、図1
6(a)に示すように、出射面15cの法線方向に指向
性を有する光を出射できる。
【0095】実施例3の面光源と液晶表示素子とレンズ
フィルムの構成を有する液晶表示装置の出射特性、視角
特性について図16(a)、図16(b)、図16
(c)を用いて説明する。図16(a)は、実施例3で
用いた面光源の出射角度と出射光量の関係を示す図であ
る。図16(b)は、従来のTN表示モードのコントラ
ストと視角θ2の関係(細い実線)、および、本発明の実
施例3で用いた液晶表示装置のコントラストと視角θ2
の関係(太い実線)を示す図である。また、図16(c)
は、従来のTN表示モードの明るさと視角θ2の関係
(細い実線)、および、本発明の実施例3で用いた液晶表
示装置の明るさと視角θ2の関係(太い実線)を示す図で
ある。
【0096】レンチキュラーレンズフィルムを配置しな
い従来のTN液晶表示モードの液晶表示装置では視角範
囲がほぼ90°であるのに対し、図16(a)に示すよう
に、実施例3の液晶表示装置では視角範囲が130°で
あり、視角依存特性を改善できた。また、視角θ2の変
化に対応するコントラストの変化の程度は、図16(b)
に示すように、レンチキュラーレンズフィルムを配置し
ない従来のTN液晶表示モードのコントラストの変化の
程度に比較して小さく、コントラストの変化感の少ない
液晶表示装置を提供できる。さらに、図16(c)に示す
ように、実施例3の液晶表示装置は、正面方向の明るさ
に対する視角θ2での明るさの変化を、レンチキュラー
レンズフィルムを配置しない従来のTN液晶表示モード
に比べて、小さくでき、視角に対して変化感のない表示
画像を提供できる。また、この時、正面方向での明るさ
は、従来のTN表示モードに対し、0.9倍であり、ほ
とんど変化がなかった。
【0097】実施例3においては、レンズはその焦点距
離fが0.576mm、ピッチP1が0.14mmで形
成されており、レンズの受光角θ1は±7°であり、図
22(b)に示すように入射角θ1が10°の場合でも
出射光をほぼ30°の方向まで拡散することができる。
【0098】実施例3の液晶表示装置の視角範囲は、実
施例2と同様であり、従来のTN液晶が90°捩じられ
配列されたTN表示モードの視角特性に対して、上下方
向の視角が改善された液晶表示装置を提供できる。
【0099】なお、実施例3においては、光拡散層とし
てカラーフィルター基板42c上に形成したレンチキュ
ラーレンズを用いたが、カラーフィルターに散乱粒子を
含有した光散乱層を用いても良い。この変形例の構成に
ついて、図17を用いて説明する。図17は、実施例3
の変形例である透過型液晶表示装置の構造を模式的に示
す縦断面図である。この液晶表示装置は、基本的な構成
は実施例3と同じであり、面光源1d、液晶表示素子2
dから構成される。液晶表示装置2dは、光拡散層(カ
ラーフィルタ層)3d、第1の透明基板41d、第2の
透明基板42d、液晶層5d、第1の偏光板61d、第
2の偏光板62dを備えている。この変形例では、光拡
散層3dとして、カラーフィルター層に散乱粒子を分散
させたものを使用した。より具体的には、PVA(ポリ
ビニルアルコール)に染料(RまたはGまたはB)を含
有したカラーフィルター材料中に粒径が3μmのガラス
ビーズを分散させ、スピンコート法により液晶表示素子
の観察者側基板42d上に塗布した後、エッチングを行
いストライプ状にカラーフィルターを形成した。
【0100】実施例3の変形例では、光拡散層3dから
画素までの距離は4.5μmで配置でき、光の不要な乱
反射を防止できる。この結果、画素ボケのない液晶表示
装置を提供できる。また、面光源1dから発した光は、
散乱粒子により散乱され、視角範囲を広げることができ
る。
【0101】実施例3およびその変形例においても、画
素と光拡散層との配置距離を極力短くできるため、視差
による画像ボケを防止できる。
【0102】以上、説明したように、実施例3およびそ
の変形例によれば、光拡散を、液晶表示素子の観察者側
基板上に形成することにより、レンズが配置された表面
から画素までの距離を短くでき、視差による画像ボケを
防止できる。また、レンズ自体の焦点距離を短く設計で
きるため、集光力の高いレンズを提供でき、明るい液晶
表示装置を提供できる。
【0103】また、レンズアレイは、ガラス基板上に形
成された複数の凹凸面にガラス基板の屈折率とは異なる
屈折率の樹脂を充填することで形成することにより、レ
ンズ基板の平坦化が図れる。
【0104】そして、光学素子は、観察者側基板とカラ
ーフィルターとの間に散乱粒子が含有された有機材料よ
り形成されることにより、散乱面と画素との距離を短く
でき、視差による画像ボケを防止できる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
視角特性を改善することにより、表示品位に優れた透過
型液晶表示素子を使用した液晶表示装置を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液晶表示装置の構造を模式的に示す
縦断面図。
【図2】実施例1の液晶表示装置のレンズシートの構造
を模式的に示す縦断面図。
【図3】実施例1の液晶表示装置の面光源の構造を模式
的に示す縦断面図。
【図4】実施例1の液晶表示装置の視角範囲における特
性を説明する図。
【図5】実施例1の液晶表示装置のレンズの受光角にお
ける特性を説明する図。
【図6】実施例2の液晶表示装置の構造を模式的に示す
縦断面図。
【図7】実施例2の液晶表示装置の偏光板に対する位相
差板の配置を説明する図。
【図8】実施例2の液晶表示装置のレンズシートの構造
を模式的に示す縦断面図。
【図9】実施例2の液晶表示装置の面光源の構造を模式
的に示す縦断面図。
【図10】実施例2の液晶表示装置の面光源の伝搬部と
反射部の構造を模式的に示す斜視図。
【図11】実施例2の液晶表示装置の特性を説明する
図。
【図12】実施例3の液晶表示装置の構造を模式的に示
す縦断面図。
【図13】実施例3の液晶表示装置のレンズシートの構
造を模式的に示す縦断面図。
【図14】実施例3の液晶表示装置の面光源の構造を模
式的に示す縦断面図。
【図15】実施例3の液晶表示装置の面光源の伝搬部と
反射部の構造を模式的に示す縦断面図。
【図16】実施例3の液晶表示装置の特性を説明する
図。
【図17】実施例3の変形例の液晶表示装置の構造を模
式的に示す縦断面図。
【図18】カラーフィルターの配列パターンを説明する
図。
【図19】液晶表示装置における画素ピッチPvを説明
する図。
【図20】液晶表示装置における画素ピッチPvと幅x
の関係を説明する図。
【図21】実施例1における測定角度と相対明るさの関
係を測定する方法と測定結果を説明する図。
【図22】実施例1における拡散角と相対明るさの関係
を測定する方法と測定結果を説明する図。
【図23】実施例1のおけるレンズの受光角θ1を変化
させたときの視角特性および明るさの変化を測定する方
法を説明する図。
【図24】従来例1の液晶表示装置の構造を模式的に示
す斜視図。
【図25】従来例2の液晶表示装置の構造を模式的に示
す縦断面図。
【図26】従来例3の液晶表示装置の構造を模式的に示
す縦断面図。
【符号の説明】
1 面光源、 11 蛍光管、 12 導光体、 12
1 出射面、13 拡散反射シート、 14 プリズム
シート、2 液晶表示素子、3 光拡散層、 31 レ
ンズ、 32 基材、 33 遮光層、41、42 基
板、5 液晶層、61、62 偏光板、

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極を内面側に有して対向するとと
    もに液晶材料を間に注入した一対のガラス基板を備えて
    複数の画素が形成された液晶表示素子と、該液晶表示素
    子の観察者側および面光源側にそれぞれ配置された一対
    の偏光手段と、面光源と、を具備する液晶表示装置にお
    いて、 前記液晶表示素子のコントラストのピーク方向は、面法
    線方向から所定の角度の方向にあるとともに面光源から
    の出射光の主光線方向とほぼ一致し、そして、液晶表示
    素子の観察者側に液晶表示素子からの出射光を拡散する
    第1の光学手段を備えることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 面光源は1つ以上の光源部と導光部とか
    ら構成され、そして、該導光部は光源部からの光を入射
    する1つ以上の入射面と、光を出射する出射面とを備え
    ており、また、液晶表示素子のコントラストのピーク方
    向は、面法線方向から2つの所定の角度の方向にあると
    ともに面光源からの出射光の主光線方向とほぼ一致する
    請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 第1の光学手段は、液晶表示素子に形成
    された画素に対して平行または垂直に形成された複数の
    レンズアレイからなり、そして、該レンズアレイのピッ
    チをP1とし、前記レンズアレイのピッチP1方向と平
    行な方向に形成された前記液晶表示素子の画素ピッチを
    P2とする時、 (1/20)×P2≦P1<P2 を満たすように形成された請求項1または請求項2に記
    載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 レンズアレイのピッチをP1とし、焦点
    距離をfとし、レンズアレイが配置された平面から液晶
    表示素子に形成された画素までの空気換算距離をdと
    し、前記画素ピッチをP2とし、ピッチP2方向に形成
    されたブラックマトリクスの幅をP3とする時、焦点距
    離を中心としてレンズアレイのピッチ幅に対応して画素
    上に形成される幅xは、 x=P1×|(d−f)|/f (|(d−f)|は絶
    対値を示す。) であり、そして、0≦x≦(1.5×P2)の範囲を満
    たす請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 上記幅xが、より好ましくは、P3≦x
    ≦P2である請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記レンズアレイは、受光角をθ1とす
    る時、 5°≦θ1≦40° を満たす請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載
    の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 レンズアレイが形成された面およびレン
    ズアレイが形成された面とは反対側の面のうちのいずれ
    か一方、または、両方に、全面に遮光手段が形成された
    請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  8. 【請求項8】 レンズアレイは、前記の液晶表示素子に
    対向配置された基板の観察者側面上に形成される請求項
    3ないし請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】 第1の光学素子は、前記の液晶表示素子
    に対向配置された基板の観察者側に形成されるととも
    に、前記基板とカラーフィルターとの間に散乱粒子が含
    有された有機材料により形成される請求項3ないし請求
    項8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 複数の反射部と伝搬部とを有し、そし
    て、導光部の出射面から出射する主光線と面法線とが成
    す角度θ1を 0°≦θ1≦60° の方向に出射する面光源を備える請求項1ないし請求項
    9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 導光部の出射面と対向する面に、複数
    の反射部と伝搬部が繰り返し形成される面光源を備える
    請求項10に記載の液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 面光源と液晶表示素子の間および第1
    の光学手段と液晶表示素子の間のうちのいずれか一方、
    または、両方に配置された第2の光学手段により、出射
    面から面状に出射する光の主光線は、出射面の法線方向
    に屈折される請求項10または請求項11に記載の液晶
    表示装置。
  13. 【請求項13】 第2の光学手段は、複数のプリズム部
    が形成されたフィルムから成る請求項12に記載の液晶
    表示装置。
  14. 【請求項14】 第2の光学手段に形成された複数のプ
    リズム部には、保護層が形成された請求項13に記載の
    液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022085824A1 (ko) * 2020-10-22 2022-04-28 엘지전자 주식회사 커버 글래스, 커버 글래스 제조방법 및 이동 단말기

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