JPH1039286A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH1039286A
JPH1039286A JP8191161A JP19116196A JPH1039286A JP H1039286 A JPH1039286 A JP H1039286A JP 8191161 A JP8191161 A JP 8191161A JP 19116196 A JP19116196 A JP 19116196A JP H1039286 A JPH1039286 A JP H1039286A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal cell
mla
display device
crystal display
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Application number
JP8191161A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Tomoko Mikami
友子 三上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、マイクロレンズアレイシートによっ
て視角依存性が大きく低減された液晶表示装置でありな
がら、コントラスト低下のない優れた液晶表示装置を提
供せんとするものである。 【解決手段】本発明の液晶表示装置は、任意の表示単位
に、電界印加あるいは通電して、液晶の配向状態を変化
させることによって、光線透過率を変化させる液晶光シ
ャッタの配列体である液晶セルと、該液晶セルの観察面
に装着された該微小単位レンズを面状に配列して構成さ
れているマイクロレンズアレイシートとを有する透過型
液晶表示装置であって、該マイクロレンズアレイシート
の微小単位レンズ配列方向における該液晶セルの透過率
の角度依存性が、表示面の法線方向を中心に±15度の
範囲でのコントラスト比の変化率で表わしたとき、50
%以内に制御されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置は、液晶分子の電気
光学効果、すなわち光学異方性(屈折率異方性)、配向
性、流動性および誘電異方性などを利用し、任意の表示
単位に電界印加あるいは通電して液晶の配向状態を変化
させることによって光線透過率や反射率を変化させる液
晶光シャッタの配列体を用いて表示された画像を観察す
るものであり、パソコン、ワープロ、テレビ受像機、携
帯電子機器、ゲーム機、車載用情報表示装置、各種情報
表示装置として広く使われている。
【0003】液晶表示装置の表示原理として、約90度
ねじられたネマチック液晶層に印加する電圧を制御し
て、液晶層の旋光性の変化を偏光素子と組み合わせて表
示を行うツイステッドネマチック液晶が、その表示性能
の高さから広く用いられている。
【0004】しかし、液晶表示装置には、観察方向によ
って表示品位が変化する視角依存性があり、特にツイス
テッドネマチック液晶の場合、表示明暗が反転したり、
色調が変化するといった問題、すなわち視野角がせまい
という問題があった。
【0005】また、偏光素子と液晶セルの間に複屈折異
方性をもつ光学補償素子を配することで液晶セルの視角
依存性が変化することは知られている。
【0006】また液晶セルの観察面に装着された微小単
位レンズを面状に配列したマイクロレンズアレイシート
とによって、視野角の広い液晶表示装置が得られること
が、特開平5−249453号公報等によって知られて
いる。
【0007】さらにまたマイクロレンズアレイシートと
して、第1物質層と、該第1物質層より小さい屈折率を
持つ第2物質層が2つの平行な平面に挟まれ、第1物質
層と第2物質層の界面が凹面および/または凸面形状を
なすことによってレンズとして機能する微小単位レンズ
を面状に配列したものとし、かつ該マイクロレンズアレ
イシートの第2物質層側を液晶セルに向け、第1物質層
側を観察方向側に向けて装着することによって、画質の
劣化を抑えながら視野角が拡大された液晶表示装置が得
られることが特開平6−27454号公報等によって知
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術でのマイクロレンズアレイシートを観察面に装着する
だけでは、視角依存性は大きく低減されるものの、表示
品位の低下が見られた。すなわち、最も観察頻度の高い
表示面法線方向(以下、単に「正面」あるいは「画面の
正面」という)から観察したときの画質が低下するとい
う問題があった。
【0009】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消
し、マイクロレンズアレイシートによって視角依存性が
大きく低減された液晶表示装置でありながら、コントラ
スト低下のない優れた液晶表示装置を提供せんとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、つぎのような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の液晶表示装置は、任意の表示単
位に、電界印加あるいは通電して、液晶の配向状態を変
化させることによって、光線透過率を変化させる液晶光
シャッタの配列体である液晶セルと、該液晶セルの観察
面に装着された該微小単位レンズを面状に配列して構成
されているマイクロレンズアレイシートとを有する透過
型液晶表示装置であって、該マイクロレンズアレイシー
トの微小単位レンズ配列方向における該液晶セルの透過
率の角度依存性が、表示面の法線方向を中心に±15度
の範囲でのコントラスト比の変化率で表わしたとき、5
0%以内に制御されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、マイクロレンズアレイ
シートによって視角依存性が大きく低減された液晶表示
装置でも、コントラスト低下を起こさない液晶表示装置
が提供できないものか、鋭意検討したところ、使用する
液晶セルの透過率の角度依存性を、特定な条件、すなわ
ち、表示面の法線方向を中心に±15度の範囲でのコン
トラスト比の変化率で表わしたとき、50%以内に制御
すると、意外にも、かかる課題を一挙に解決することを
究明したものである。
【0012】本発明において、「液晶表示装置」とは液
晶分子の電気光学効果、すなわち光学異方性(屈折率異
方性)、配向性、流動性および誘電異方性などを利用
し、任意の表示単位に電界印加あるいは通電して液晶の
配向状態を変化させることによって光線透過率や反射率
を変化させる液晶光シャッタの配列体を用いて表示され
た画像を、実寸のまま直接観察する画像表示装置をい
う。
【0013】さらに「液晶セル」とは該液晶光シャッタ
の配列体をいう。
【0014】また、液晶セルの表示単位とは、該液晶表
示装置に表示される表示内容の最小単位であり、例えば
多くのモノクローム表示の液晶表示装置の場合は、1つ
の液晶光シャッタが表示単位に相当し、またカラー液晶
表示装置の場合は、赤緑青等の各原色を表示する液晶光
シャッタ3つで構成される単位が表示単位となる。
【0015】本発明に於いて、「マイクロレンズアレイ
シート」(以下、「MLA」という)とは、微小単位レ
ンズすなわちレンズ機能を持つ微小な単位部分(以下、
「マイクロレンズ単位」あるいは、単に「レンズ単位」
という)を面状に配列したものである。
【0016】さらにここで「レンズ機能を持つ」とは、
一般の単凸レンズ、単凹レンズなどのように、ある決ま
った焦点を有する必要はなく、入射する光線を制御され
た任意の方向へ屈折させる機能があれば良い。言うまで
もなく、光散乱性の粒子を添加した層や表面に形成され
た無秩序な凹凸によって光拡散性が与えられた、いわゆ
る一般の「拡散板」「光散乱板」等は入射した光線をラ
ンダムに散乱するので、本発明で言う「制御された任意
の方向へ屈折」することはできないので本発明に用いる
ことはできない。
【0017】本発明に用いるMLAとしては、単位レン
ズが2つの平行な平面に挟まれた第1物質層と、該第1
物質層より小さい屈折率を持つ第2物質層の界面が凹面
および/または凸面形状をなすことによってレンズとし
て機能するものが好ましい。凹凸面の形状としては、レ
ンチキュラーレンズのように円弧などの曲線を平行移動
させた軌跡で示される曲面を一方向に配列した1次元レ
ンズアレイシートと、矩型、三角形、六角形などの低面
をもつドーム状の曲面を縦横に配列した2次元レンズア
レイシートがある。また、種々の角度、曲率を持つ平面
および/または曲面が組み合わされた多面体形状をした
ものでもよい。
【0018】ここで、第1物質層を構成する第1物質と
第2物質層を構成する第2物質はそれぞれ実質的に透明
な物質である。第1物質としてはガラス材料、透明プラ
スティック材料などが好ましく用いられる。また第2物
質としては、第1物質より屈折率の小さいものであれば
良くガラス材料、透明プラスティック材料のほか、水な
どの液体や空気などの気体を用いることができる。
【0019】このような第1物質および第2物質の層は
2つの平行な平面に挟まれる。また、その界面を凹面お
よび/または凸面とする。このような形にすることによ
って、液晶表示装置としたときに視野角拡大効果を得る
ことができ、特に、第2物質層側を液晶セル側に、第1
物質層側を観察者側にして装着することによって、大き
な視野角拡大効果が得られる。
【0020】図2ないし図5に、本発明に用いるMLA
が1次元の場合の形状例を示す。図2および図3はカマ
ボコ状の柱状立体を一方向に配列した例であり、外光反
射を抑えるために遮光層6がレンズ配列面に形成されて
いる。また図4および図5は第1物質と第2物質の界面
を連続曲面としたMLAの例である。このような連続曲
面の界面の場合には、その単位レンズの第1物質層と第
2物質層の界面は凹面と凸面を合わせ持つものとなる。
図2ないし図5において、第1物質層1および第2物質
層2の、互いの界面3とは異なる面4、5は、互いに平
行な平面である。図2および図4のMLAの場合、単位
レンズ配列方向は紙面左右方向である。また図6ないし
図8に、本発明に用いるMLAが2次元の場合の形状例
を示す。図2および図3に示した1次元のMLAと同様
に外光反射を抑えるために遮光層6がレンズ配列面に形
成されている。このような2次元MLAの場合、単位レ
ンズ配列方向は、紙面左右方向および紙面上下方向の直
交する2つの軸である。ここで平面とは、レンズとして
機能する面となる凹凸面に比較して実質的に平面である
ことを言い、ここでは凹凸面の高さに対して平均粗さR
aが5分の1以下であるとき平面であるというものとす
る。また平行であるとは、同様に凹凸の大きさに対して
実質的に平行であることを言う。
【0021】1次元のMLAは、組み合わされる液晶セ
ルの視野角のうち表示画面の一方向の視野角(画面上下
方向あるいは左右方向など)を、より広いものとしたい
場合に用いる。例えば、液晶セルが一方向には広い視野
角をもつTN型(ツイステッドネマチック型)液晶セルの
場合に、それと直交する方向に単位レンズを配列した1
次元MLAを組み合わせることで、あらゆる方向に対し
て広い視野角を持った液晶表示装置を得ることができ
る。また、液晶表示装置の用途が一方向のみの視野角の
広さを要求する場合は要求される視野角方向に単位レン
ズが配列した1次元MLAを用いる。
【0022】このようなMLAは、その第2物質層を液
晶セル側、第1物質層側を観察面側にして、液晶セルの
観察面に装着すると大きな視野角拡大効果が得られる。
【0023】本発明の液晶表示装置は、上記のようなM
LAを、液晶セルの観察面に装着することを一つの構成
要件としているが、MLAの構造と液晶表示装置の使用
環境によっては、液晶表示装置の観察面から入射する外
光が凹凸面で反射することにより液晶表示装置表示画像
が見にくくなることがある。このような場合には、ML
Aに適切な外光反射防止機能を付与することができる。
【0024】該外光反射防止機能としては、次のような
方法によるものが本発明に使用可能であるが、これに限
定されない。
【0025】(1)外光の反射経路であって、液晶セル
側からMLAに入射する画像光の経路でない任意の部分
を黒色に着色し外光反射を遮断する方法。ここで「画像
光の経路でない任意の部分」とは、液晶セルから出射さ
れるいずれの光束も通過しない部分のことではなく、液
晶セルから良好な表示画像をもって出射された光束が通
過しない部分のことをいう。
【0026】(2)凹凸面表面に光学多層薄膜による無
反射コーティングを施す方法 (3)マイクロレンズアレイの各単位レンズを着色し、
画像光経路長よりも外光反射経路長が長いことを利用し
て外光反射の影響を低減する方法 (4)マイクロレンズアレイの各単位レンズの第1物質
の凸部分頂部領域を液晶セルに密着させ、外光を液晶セ
ル内部へ進行せしめる方法 (5)第1物質層の凹凸面表面に沿って、第1物質層よ
り屈折率の高い第1’物質層を設け、外光を第1’物質
層内に封じ込める方法 なお(5)の場合、本発明の第2の構成要件であるML
Aの第1物質層と第2物質層の界面が存在しなくなる部
分が生じるが、本発明においては第1’物質層と第2物
質層の界面を、広い意味で第1物質層と第2物質層の界
面とみなすものとする。
【0027】上記の方法のうち、得られる効果の点から
いえば、(1)、(4)、(5)の方法が好ましく、さ
らに(1)の方法が最も好ましく採用される。
【0028】本発明の液晶表示装置は、透過率の角度依
存性が、表示面法線方向を中心に±15度の範囲でのコ
ントラスト比の変化率が50%以内である液晶セルを用
いることが重要である。
【0029】ここでコントラスト比とは、正面から見た
ときに最も透過率の高い状態(これを「白表示状態」と
いう)の透過率を、同じく正面から見たときに最も透過
率の低い状態(これを「黒表示状態」という)の透過率
で除した数値で、この角度依存性とは、表示面の法線方
向からある角度各向いた方向でのコントラスト比が、そ
の角度の関数として変化することをいう。
【0030】また、マイクロレンズなどが装着されてい
て、ここを透過する際に光が屈折する場合「透過率」が
測定できないので、この場合は背面に基準となる光源を
おいて、白表示状態と黒表示状態における輝度の比で代
用する。
【0031】ただし、本発明において、ある角度θでの
コントラスト比とは、θ+5度で測定したコントラスト
比とθ−5度で測定したコントラスト比の平均値をいう
ものとする。これは、実際の液晶表示装置の使用におい
て、観察者の画面に対する視角が画面上の位置によって
異なっているため、実際に観察者が認識するコントラス
ト比に近似した数値を得るためである。
【0032】また、「コントラスト比の変化率が50%
以内である」とは、この角度範囲内で測定したを100
%としたときに、最大値に対する最小値の変化率の絶対
値が50%以下であること、すなわち式で表せば下記
(1)式で示される値が50以下であることをいう。な
お、本発明において、コントラスト比の角度依存性は、
表示面法線方向を0度として5度きざみで測定するもの
とする。
【0033】 Rcr=(Max−Min)/Max×100……(1) ここで、Rcrはコントラスト比の変化率、Maxはコ
ントラスト比の最大値、Minはコントラスト比の最小
値を表す。
【0034】このような液晶セルを用いることによっ
て、MLAと組み合わせた際に視野角を大きなものとし
ながら正面の画質低下、とくにコントラストの低下を抑
えることができる。この液晶セル特性と効果の関係は、
MLAの拡散特性や透過特性に依らない。
【0035】本発明に用いる液晶セルとするためには、
ツイステッドネマチック液晶の場合、光学異方性層、と
くに厚み方向や3次元的に傾いた方向に複屈折軸をもつ
層を1層ないし数層、偏光素子の間に介在させる方法が
ある。またツイステッドネマチック液晶以外の液晶表示
モードを用いることも妨げない。
【0036】図9は、従来より広く使われているツイス
テッドネマチック液晶(ねじれ角90度)の視角依存性
を示す図である。図からわかるとおり黒表示状態におい
てある方向で透過率が急激に上がるためコントラスト比
が急激に低下し、大きな視角依存性が生じている。
【0037】このような液晶セルにMLAを装着する
と、視角依存性(観察する角度に対する表示状態変化の
度合い)は大きく低減することができるが、正面から観
察したときのコントラストが低下してしまう。図10
は、図9に示した特性を持つ液晶セルの観察面に図2に
示したMLAを装着した場合の、MLA装着前後のコン
トラスト比の視角依存性を示したものであり、視角依存
性は小さくなっているが、正面のコントラスト比が低下
している。
【0038】これに対して、図1に示した本発明の液晶
表示装置は、液晶セルとして同様のツイステッドネマチ
ック液晶を用いているが、表示面法線方向に光軸を持つ
光学異方性層を併用することによって本発明の要件を満
足する液晶セルを用い、図2に示したMLAを、液晶セ
ル観察面側に装着したものである。
【0039】この結果、図11に示すように、MLA装
着によるコントラスト比低下が抑えられ、かつ同時にM
LAによる視野角拡大効果を維持した高画質・広視野角
液晶表示装置となった。液晶セルのコントラスト比視角
依存性を図11に併せて示した。
【0040】本発明の液晶表示装置の代表的な構成を図
1に示す。本発明の液晶表示装置の観察面表面となる
面、例えば図2ないし図8に示した構成のMLAにおけ
る第1物質層側の表面4、あるいは図1に示した構成の
場合のMLA10観察面表面などには、必要に応じて、
従来の液晶ディスプレイの観察面表面になされているよ
うな、帯電防止処理、表面硬度化処理(ハードコート)
や光学多層薄膜による反射防止(アンチリフレクショ
ン)処理、防眩(ノングレア)処理などを施すことがで
きる。
【0041】また、MLAを液晶セルに装着しやすくす
るために、第2物質層もしくは、第2物質層を貫通した
第1物質層の凸部分頂部を粘着性もしくは接着性を持つ
物質で形成したり、第2物質の表面もしくは第1物質層
の凸部分頂部に粘着性もしくは接着性を持つ物質層を追
加することもできる。
【0042】MLAが形成される基材は、使用方法に応
じて選ぶことができるし、また必須のものではないが、
最も汎用性が高いのは、ガラスや透明プラスティックフ
ィルムを基材としたMLAを用いる方法である。この場
合、取り扱いやすさやレンズ面の形成が比較的容易であ
ることから透明なプラスティックフィルムを基材とする
ことが好ましい。また、液晶ディスプレイに装着される
偏光フィルムにMLAを作り込むこともできる。特に、
偏光子に保護フィルムを重ね合わせた構造の偏光フィル
ムの場合に、該保護フィルムにあらかじめMLAを形成
したものを用いてMLA付き偏光フィルムとして用いる
ことは、従来の液晶ディスプレイの製造工程に全く手を
加えることなく本発明のMLAを装着した液晶ディスプ
レイを製造できる点で好ましい。
【0043】本発明に用いられるMLAの単位レンズの
大きさと位置は、液晶セルの表示単位の大きさによって
選ぶことができ、1表示単位に対して、2つ以上のレン
ズが対応していることが好ましい。これによって、ML
Aのレンズ配列ピッチとセルの表示単位ピッチの干渉に
よるモアレの発生を抑えることができる。さらに好まし
くは1ドットに対して4つ以上の単位レンズが対応して
いることが好ましく、さらに好ましくは1表示単位に対
して8つ以上の単位レンズが対応していることである。
【0044】ここで、1表示単位に対する単位レンズの
個数nは、1次元MLAの場合は下記(2)式で、2次
元MLAの場合は下記(3)式で、それぞれ定義され
る。
【0045】n=N/(L/l) ・・・(2) n=N/(A/a) ・・・(3) ここで、Nは液晶表示装置の有効表示面上にある単位レ
ンズの総数、Lは液晶セルの1次元MLA単位レンズ配
列方向の長さ、lは液晶セルの1表示単位のうち表示に
寄与する部分のレンズ配列方向の長さ、AはLCD表示
面の面積、aは液晶セルの1表示単位のうち表示に寄与
する部分の面積である。これらの式は、LCD表示面の
配線スペースなどの表示には直接寄与しない部分を除い
た表示単位部分に対応しているレンズの、平均の個数を
示すものである。
【0046】本発明の液晶表示装置は、背面光源を有す
る場合には、該背面光源として、液晶セルの有効視野角
範囲に該背面光源から出射される全光束の80%以上を
出射する背面光源を用いることが好ましい。
【0047】ここで液晶セルの有効視野角範囲とは、液
晶セルを観察した時に良好な表示品位が得られる視野角
範囲のことを言い、ここでは最良の表示品位が得られる
観察方向での最大のコントラスト比に対して、1/5の
コントラスト比が得られる観察方向の範囲とする。
【0048】このような指向性を持つ背面光源とするこ
とによって得られる効果は二つあり、一つは蛍光管など
の光源体から出射される光束が有効に利用できる点であ
る。すなわち本発明の液晶表示装置は、レンズアレイシ
ートの個々の単位レンズによって、液晶セルの表示品位
の悪い方向に透過してきた光束を屈折させて観察に影響
がでないようにすると同時に、良好な表示を示す方向に
透過してきた光束を、種々の方向から観察できるように
しているので、従来より一般的に用いられている指向性
のない背面光源では表示面の法線方向に対し大きな角度
で出射された光束は利用していない。そこで、背面光源
からの出射光束に指向性をもたせることによって、光源
から出射される光束を有効に利用できることになる。
【0049】さらに、もう一つの効果は表示画像のにじ
みを防止することができる点である。本発明の液晶表示
装置は観察面にレンズアレイシートを装着しており、そ
れはできるだけ液晶セルに近接させて設けられることが
好ましいものであるが、液晶セルの液晶層の表示単位と
レンズアレイシートの凹凸面の間には一般に液晶を封入
するための基板や偏光素子の厚みに相当する距離がある
ため、充分に近接させることができないことが多い。こ
のため、液晶セルの1つの表示単位を透過した光束は、
該表示単位部分に相当する単位レンズ部分だけでなく、
やや離れた位置にある単位レンズにも達し、単位レンズ
の効果で液晶セルの1つの表示単位の輪郭が、ぼやけな
がら大きくなったように観察されるため表示画像がにじ
んだように観察される。これに対し、指向性を持った背
面光源を用いると、液晶層の表示単位部分とレンズアレ
イシートの凹凸面の間に多少距離があっても、該表示単
位部分を透過した光束には指向性があるので、主に相当
する単位レンズ部分だけにしか到達しないので、上記の
ように表示画像がにじむことがない。ただし、液晶表示
装置の用途によっては、ある程度表示画像をにじませた
方が好ましいこともあり、この場合は背面光源の指向性
をコントロールすることで対応が可能である。
【0050】本発明の液晶表示装置が特に表示画像のに
じみを小さく抑えることが求められる場合には、該背面
光源の発光指向性と液晶セルの表示単位の微小単位レン
ズ配列方向の表示単位の配列ピッチの関係に於いて下記
(4)式を満足することが好ましい。
【0051】p ≧ dtan χ ・・・(4) ここで、p(mm)は、液晶セルの表示単位の微小単位
レンズ配列方向に於ける長さ、すなわち表示単位の配列
ピッチを表す。ただし、液晶セルがカラー表示を行うな
どの目的で複数の画素を以って1ドットを形成するとき
は、1ドットを表示単位とする。またd(mm)は、液
晶層から微小単位レンズまでの距離であり、χは背面光
源上の、ある1点に於いて、最大輝度を示す方向から微
小単位レンズ配列方向に傾けていったときに、輝度が最
大輝度の半分になるまでの角度を表す。
【0052】このような指向性を持つ背面光源とするた
めには、蛍光管などの光源から出射された光束をフレネ
ルレンズ、フレネルプリズムなどの手段を用いる方法
や、反射鏡として微小反射面を組み合わせたマルチリフ
レクタを用いる手段、光ファイバーシートやルーバーな
どによって不要な光束を吸収する手段などがあり、また
これらに限られないが、これらの内、蛍光管などの光源
の出射光を有効に利用する点と薄型化、軽量化がしやす
い点で微小レンズや微小プリズムをシート状に配列した
フレネルシートを、背面光源の液晶セルに近接する発光
面に設ける方法が好ましい。
【0053】
【実施例】本発明を、実施例によりさらに詳細に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。 (1)液晶セルの準備 市販のパーソナルコンピューターに搭載されたツイステ
ッドネマチック液晶TFTカラーディスプレイ(画面対
角10.4インチ、画素数縦480ドット×横640ド
ット、バックライト付き)を比較例用の液晶セル1とし
て用意した。
【0054】また、この液晶セルの観察面に装着された
偏光フィルムを一旦はがし、2枚のガラス板間に垂直配
向状態で液晶層が保持された厚み方向に光軸を持つ光学
異方性層を間に介して偏光フィルムを元の状態に戻して
貼り合わせ、実施例に用いる液晶セル2を用意した。
【0055】液晶セル1の視角依存性は、図9および図
10に示したものであり、液晶セル2の視角依存性は図
11に示したものである。
【0056】また、法線方向を中心に測定したコントラ
スト比、およびコントラスト比の変化率を表1に示す。
【0057】
【表1】 (2)MLAの準備 パターンのピッチが48μmの非円筒側面形状の溝が掘
られた金型を用意し、これに透明な紫外線硬化型樹脂
(硬化後の屈折率1.48)を、厚みの25μmの易接
着化コーティング処理されたポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製)と前記金型との間に充填
し、紫外線をフィルム側から照射し紫外線硬化型樹脂を
硬化せしめた。
【0058】市販のカーボンブラック添加黒色レジスト
(東京応化工業(株)製)を、得られた金型/紫外線効
果樹脂層/フィルム積層体のフィルム表面にスピンコー
タを用いて塗布し、乾燥した後、ストライプ状のパター
ン(パターンのピッチ48μm)を持ったフォトマスク
を介して高圧水銀灯によって紫外線を露光し、現像液に
よって未硬化部分を溶解除去した。
【0059】この際、金型とフォトマスクに記されたア
ライメントマークを重ね合わせることで遮光層の中心線
が前記金型の稜線に一致するように、幅25μmの遮光
層を形成した。
【0060】次に、ここで得られた遮光層/マイクロレ
ンズ複合体の遮光層側を厚さ0.8mmのアクリル平板
(透明プラスティック基板)に貼り合わせて、図2およ
び図3に示した形状のMLAを作成した。
【0061】(3)液晶表示装置の作成と評価 上記(1)で得られた液晶セル1および2に(2)で得
られたMLAのレンズ凹凸が形成された面を液晶セル
側、遮光層が形成された面を観察面側にして、液晶セル
観察面表面に装着した。このとき装着方向は、単位レン
ズの配列方向を画面上下方向とした。
【0062】このようにして得られた液晶表示装置1お
よび2の、 画面上下方向における正面コントラスト比、
およびその視角依存性を評価したところ、本発明の液晶
表示装置である液晶表示装置2は図11に示したとおり
90以上の正面コントラスト比が得られ、低下率は20
%強に抑えられた。また、事実上全方向からの観察にお
いて実用的な「くっきり」した表示が得られる50以上
のコントラスト比が確保されていた。一方、液晶表示装
置1は図10に示したとおり正面コントラスト比が約4
0になり、低下率は70%以上であった。
【0063】なお、画面左右方向についてはMLAの装
着による視角依存性の変化はないが、ここで用いた液晶
セルはツイステッドネマチック液晶であるため、画面左
右方向については本来より広い視野角を持っているた
め、本発明の液晶表示装置はあらゆる方向から良好な画
像を観察することができる。
【0064】以上のように、本発明の液晶表示装置は、
わずかな液晶セルの特性の違いが、MLAを用いる液晶
表示装置において重要な因子であることを見出すことに
より、圧倒的な高画質・広視野角液晶表示装置となって
いることがわかる。
【0065】
【発明の効果】MLAを観察面に装着した液晶表示装置
において、広視野角・高画質液晶表示装置を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示装置の一例を模式的に示す
ものである。
【図2】 本発明の液晶表示装置に用いる1次元MLA
の一例の、1部分を拡大した概略平面図である。
【図3】 図2に示したMLAのII矢視図である。
【図4】 本発明の液晶表示装置に用いるMLAの一例
の、1部分を拡大した概略平面図である。
【図5】 図4に示したMLAのVII矢視図である。
【図6】 本発明の液晶表示装置に用いる2次元MLA
の一例の、1部分を拡大した概略平面図である。
【図7】 図6に示したMLAのA−A’断面図であ
る。
【図8】 図6および図7に示したMLAの形状を説明
する見取り図である。
【図9】 従来の液晶表示装置の視角依存性を説明する
図である。
【図10】 図9の特性をもつ液晶セルにMLAを装着
した液晶表示装置の特性を示す。
【図11】 本発明の液晶表示装置の特性および本発明
に用いる液晶セルの特性を示す。
【符号の説明】
1:MLAの第1物質層 2:MLAの第2物質層 3:凹凸面 4:第1物質層の表面 5:第2物質層の表面 6:遮光層 7:透明プラスティック基板 10:MLA 11:上側偏光板 12:光学異方性層 13:光学異方性層のガラス基板 14:表示用の液晶層 15:表示用の液晶層のガラス基板 16:下側偏光板 17:ルーバーシート 18:プリズムシート 19:導光板 20:蛍光管光源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意の表示単位に、電界印加あるいは通電
    して、液晶の配向状態を変化させることによって、光線
    透過率を変化させる液晶光シャッタの配列体である液晶
    セルと、該液晶セルの観察面に装着された該微小単位レ
    ンズを面状に配列して構成されているマイクロレンズア
    レイシートとを有する透過型液晶表示装置であって、該
    マイクロレンズアレイシートの微小単位レンズ配列方向
    における該液晶セルの透過率の角度依存性が、表示面の
    法線方向を中心に±15度の範囲でのコントラスト比の
    変化率で表わしたとき、50%以内に制御されているこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
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