JP2001055689A - 防湿積層体 - Google Patents

防湿積層体

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JP2001055689A
JP2001055689A JP22744999A JP22744999A JP2001055689A JP 2001055689 A JP2001055689 A JP 2001055689A JP 22744999 A JP22744999 A JP 22744999A JP 22744999 A JP22744999 A JP 22744999A JP 2001055689 A JP2001055689 A JP 2001055689A
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Shinichi Koga
慎一 古賀
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】防湿層表面に発生するピンホールが少なく、か
つ低い塗工量でも高い防湿性を有し、かつ古紙回収可能
な防湿積層体を提供する。 【解決手段】紙支持体上の少なくとも片面に合成樹脂と
平板状顔料、または合成樹脂とワックスから成る防湿性
塗料を塗布・乾燥して防湿層を形成せしめた防湿積層体
において、該防湿層表面に生ずる相当直径が10μm以
上である成膜欠損の占有面積が、4.0×10-4cm2
/cm2以下、およびJIS−Z−0208(カップ
法)に基づく透湿度が50g/m2/24hr以下であ
り、かつ前記紙支持体のJIS−P−8140に基づく
コッブ吸水度が40g/m2(30秒)以下、および該
防湿性塗料の保水度が85cc/m2以下である防湿積
層体。防湿性塗料が紙支持体上の少なくとも片面にブレ
ード塗工方式によって塗布された防湿積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙支持体上に防湿層
を形成せしめた、古紙回収可能な防湿積層体であり、特
に前記防湿層を塗工する際、例えばブレード塗工など
の、紙支持体上にアプリケイトされた塗料をスクレイプ
する瞬間に比較的大きなせん断応力が発生する塗工方法
においても、防湿層表面に発生しがちな成膜欠損(以
下、ピンホールと略)が少なく、より経済的・効果的に
防湿性能を得ることが可能な防湿積層体を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】紙支持体上にポリエチレンやポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニリデンなどの被膜形成性を有する高
分子化合物を押し出しラミネート、あるいはそのフィル
ムを貼合して水蒸気の透過を防止することは公知の技術
である。しかし、この種の紙は被膜層が強固であるため
防湿性の機能は充分発揮できるが、古紙回収の際にはパ
ルプ繊維がフロック状に残存したり、被膜層そのものが
大きなシート状となって残存するなどの問題があるた
め、現在ではこれら使用済みの該防湿性紙は、焼却処分
あるいは埋め立て処分とするしかなく、環境保護や資源
の再利用の面から問題がある。
【0003】これに対し古紙回収の可能な包装紙とし
て、特定の組成のパラフィンワックスを含むエマルジョ
ンをクラフト紙の片面または両面に塗布して防湿積層体
を製造する方法(特開昭50−36711号公報)、合
成炭化水素系樹脂およびワックスをスチレン−マレイン
酸系共重合体および界面活性剤を用いて水に分散させて
得たエマルジョンとの混合物よりなる紙の防湿加工用組
成物(特開昭56−148997号公報)が開示されて
いる。さらに、特定の融点を有するパラフィンワック
ス、マレイン化、若しくはフマール化ロジンと多価アル
コールとのエステル化物、液状ポリブテン、およびロジ
ンなどを主成分とするワックスエマルジョン、或いは前
記ワックスエマルジョンと合成ゴム系ラテックスとの混
合物を上質紙、クラフト紙などの繊維質基材表面に塗布
し、加温下に乾燥する防湿性紙の製造方法が開示されて
いる(特開昭61−47896号公報)。その他に、古
紙として回収可能な防湿性紙に関しては、原紙に対して
ある種の合成ゴム系ラテックスとワックス系エマルジョ
ンを混合した塗工液を塗工することを基本とする製造方
法が開示されている(包装技術、昭和57年9月号、4
2〜46頁)。
【0004】また一方で、これらワックスを用いない系
として、本発明者らは過去に紙支持体上に平板状顔料と
合成樹脂ラテックスとから成る防湿層を設けた防湿積層
体(特開平9−21096号公報)を提案した。この発
明は、それ自体は水蒸気を通さないと思われる顔料、例
えばフィロケイ酸塩化合物粒子に見られるような平板状
の顔料を合成樹脂ラテックスと混合して防湿層を形成さ
せたところ、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなる
こと、また厚み方向では平板状顔料が防湿層表面に対し
て平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこ
の平板状顔料を迂回しながら透過することから、水蒸気
の所要透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能
が向上することから見出された。
【0005】しかしながらこれらワックスと合成樹脂、
または平板状顔料と合成樹脂から成る防湿性塗料は、そ
の乾燥被膜に優れた防湿性能を発現させるため、例えば
用いる合成樹脂が疎水性であったり、または親水性を示
す添加剤などは極力抑えて調成されることから、一般的
に系自体の保水性は低い場合が多い。このためこれら防
湿性塗料を紙支持体上に塗工する場合、特にせん断速度
の高い塗工方式においてはストリークやスクラッチなど
の塗工欠陥が発生しやすく、中でも特に成膜欠損、すな
わちピンホールが多数発生することによって、その防湿
性能が大きく劣化してしまうという問題を抱えている。
しかしながらその一方で、これら防湿積層体をより効率
的・経済的に生産する目的から、近年では前記防湿性塗
料をブレード塗工などの高速・大量生産型塗工機によっ
て塗工する動きが強まっている。しかし前述の如きピン
ホールは、塗工時のせん断応力が大きくなるにつれて、
また防湿層の塗工量の減少に伴ってその発生率が増大す
る傾向にあるため、従来からこのような高速・大量生産
型の塗工機に適した塗料組成の確立が強く要望されてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、前述の如き防湿層表面に発生するピンホールが少な
く、かつ低い塗工量でも高い防湿性を有し、かつ古紙回
収可能な防湿積層体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、紙支持
体上の少なくとも片面に合成樹脂と平板状顔料、または
合成樹脂とワックスから成る防湿性塗料を塗布・乾燥し
て防湿層を形成せしめた防湿積層体において、該防湿層
表面に生ずる相当直径が10μm以上である成膜欠損の
占有面積が、4.0×10-4cm2/cm2以下、および
JIS−Z−0208(カップ法)に基づく透湿度が5
0g/m2/24hr以下であり、かつ前記紙支持体の
JIS−P−8140に基づくコッブ吸水度が40g/
2(30秒)以下、および該防湿性塗料の保水度が8
5cc/m2以下であることを特徴とする防湿積層体で
ある。本発明の第二は、該防湿性塗料の、塗工速度S
(m/min)および塗工層の膜厚t(μm)によって
規定されるせん断速度D[=S/(t×60×1
-6)]が103〜106(s-1)の範囲内にある場合の
ハイシェア粘度が10cps〜80cpsであることを
特徴とする請求項1記載の防湿積層体である。本発明の
第三は、該防湿性塗料が紙支持体上の少なくとも片面に
ブレード塗工方式によって塗布されたことを特徴とする
請求項1または2のいずれか1項記載の防湿積層体であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。前述のように、ワックスと合成樹脂、または平板
状顔料と合成樹脂から成るバインダー成分の多い防湿性
塗料は、その性質上、用いられる合成樹脂自体の親水性
が乏しいか、または親水性を有する添加剤の配合が極力
抑えられていることもあって、一般的にコーティング用
塗料としての保水性は低い傾向にある。例えば無変性の
SBRを用いて調成された塗料などはその保水性が低い
ため、特にアート・コート紙などの分野ではこのような
塗料に保水剤や増粘剤などの親水性高分子成分を添加し
て保水性を高めている。もちろん本発明における防湿積
層体においてもこのような対応は可能ではあるが、これ
ら親水性高分子成分が呼び水となって防湿性能に悪影響
を及ぼす可能性があるため、おのずとその添加量を制限
せざるを得ないのが現状である。従って各種コーターを
用いてこれら防湿性塗料を塗工する場合、当然のことな
がら塗料が紙支持体上にアプリケートされて乾燥・固化
するまでの間に、塗料水分は毛細管浸透、および加圧浸
透によって紙支持体中に移動するため、防湿性塗料の濃
度は急激に上昇する。その結果、保水性の低い塗料は塗
工直後から系のレオロジーが不安定となり、いわゆるス
トリークやスクラッチ、ピンホール、または塗工量ムラ
といった塗工欠陥が発生しやすくなる。
【0009】このような場合、特にブレード塗工など、
紙支持体上にアプリケートされた塗料をスクレイプする
瞬間に比較的大きなせん断応力が発生する塗工方法にお
いては、瞬間的なニップ圧による加圧浸透によって大量
の水分が紙支持体中へ移動するため、防湿性塗料は早い
段階で流動性を失い、不動化状態となる。またこの現象
と並行して、前記ニップ圧の開放と共に塗料が膨潤する
ため防湿層中に気泡が発生し、これが防湿層表面、また
は紙支持体側へ抜け出る際に気泡孔が形成される。この
時点で塗料自体に流動性があればこれら気泡孔は問題な
く消失するが、既に前述の如き不動化状態にある場合
は、気泡孔がそのまま防湿層中に残り、いわゆるピンホ
ールとなって防湿性能に大きな影響を及ぼす。この現象
は、防湿層の厚さが減少するにつれてより顕著となるた
め、所望する防湿性能を得るためには、防湿層をより厚
く形成させる必要がある。
【0010】そこで本発明者は、まずこのピンホールと
透湿度の関係について鋭意検討した結果、防湿層表面に
生ずる相当直径が10μm以上であるピンホールの占有
面積が、4.0×10-4cm2/cm2以下であれば、ピ
ンホールの個数に関係なく、所望する防湿性能が得られ
ることを見出した。ただしここで述べる「所望する防湿
性能」とは、JIS−Z−0208(カップ法)に基づ
く透湿度が50g/m2/24hr以下であることを指
しており、また「相当直径」とは、まず対象となる無定
型の成膜欠損の欠損面積を算出し、これに相当する円の
面積から逆算して求められる直径のことを意味する。
【0011】これらピンホールの占有面積を計算する方
法としては、電子顕微鏡を用いて対象となる防湿積層体
の防湿層の表面写真を任意の倍率にて撮影した後、スキ
ャナーなどを用いてこの映像を画像ファイルへ変換して
コンピューターに取り込み、さらに市販の画像解析ソフ
トにかけて、欠損部の面積を計算させる方法が最も効率
的である。ただし本発明において測定対象となるピンホ
ールは、解析作業の効率化、および実際にピンホールが
透湿度に及ぼす影響を鑑みたうえで、画像解析によりそ
の相当直径が10μm以上のものに限定される。またこ
のような画像解析ソフトとしては、(株)アイスペック
社製の「IOMete」や、三谷商事(株)製の「Wi
n ROOF」などが好適に使用される。また本発明に
おいて前述の如き防湿積層体表面の解析を行う場合は、
同一サンプル上の、最低でも50カ所以上で実施するこ
とが好ましく、さらには100カ所以上で行うことがよ
り好ましい。
【0012】かくして前述のように求められたピンホー
ルの全占有面積(cm2)を、画像ファイルとして取り
込んだ表面映像の全面積(cm2)で除した値が4.0
×10-4cm2/cm2以下であれば、所望する防湿性能
を実現することは充分に可能である。しかしながら測定
値が前記値を越えてしまった場合は、これらピンホール
を介しての水蒸気の浸入が無視できないレベルとなり得
るため、必ずしも所望する透湿度が実現されるとは限ら
ない。
【0013】また一方で本発明者は、このようなピンホ
ールの発生を防止する方法について鋭意検討した結果、
使用する紙支持体の水分の吸収性を抑え、かつ使用する
防湿性塗料の保水性を向上させて塗工工程における塗料
の流動性をできるだけ長く維持させることによって、前
述のごときピンホールが激減することを見出した。
【0014】従って本発明において使用する紙支持体
は、JIS−P−8140に基づくコッブ吸水度が40
g/m2以下であることが好ましい。この範囲を超える
紙支持体を用いた場合は、塗料から紙支持体への水分移
動率が大きくなるため好ましくない。また紙支持体に求
められるその他の特性としては、機械的離解作用によっ
て水中で容易に分散するものが好ましく、例えば広葉樹
クラフトパルプや針葉樹クラフトパルプのような化学パ
ルプ、機械パルプ等から選ばれたパルプを原料とした上
質紙、中質紙、片艶クラフト紙、両更クラフト紙、クラ
フト伸長紙等が挙げられる。これらの原紙の坪量に格別
の限定はなく、30〜300g/m2のものが適宜目的
に応じて選択されて用いられる。
【0015】また本発明において用いる防湿性塗料は、
合成樹脂と平板状顔料、または合成樹脂とワックスから
成り、必要に応じ、その防湿性能を阻害しない範囲でポ
リカルボン酸などの分散剤、消泡剤、界面活性剤、保水
剤、各種水溶性樹脂、色合い調整剤などが適宜添加され
る。使用する合成樹脂としては、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)、アクリルスチレン、メタクリレートブタ
ジエン、アクリルニトリルブタジエン等の共重合体、ポ
リエステル、ポリウレタンなどが挙げられるが、耐水性
が良好で伸びがよく、折割れによる塗工層の亀裂が生じ
にくいためにSBRが好適である。ここで重合性単量体
はスチレンおよび1,3−ブタジエンを主体とするが、
その他にも、これらスチレンおよび1,3−ブタジエン
と共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲
で使用することができる。このような共重合可能な単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸な
どの不飽和カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸などの不飽和多価カルボン酸;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−アミル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの
(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリ
ルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和化合物;アリル
グリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグリシジ
ルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルア
ミド系化合物等が挙げられ、これらの重合性単量体を単
独で、または二種以上を組み合わせて用いることが出来
る。本発明においては、前述のように塗料の保水性を向
上させる目的から、これらの中でも特に活性水素を有す
る単量体、すなわち不飽和カルボン酸や、不飽和多価カ
ルボン酸、(メタ)アクリルアミド系化合物などが好適
に用いられる。
【0016】また本発明において、防湿性能を発現させ
るために用いるワックスとしては、融点が50℃以上の
ワックス乳化物であれば特に制限はなく、例えば融点が
50℃以上のパラフィンワックスや、マイクロクリスタ
リンワックスなどの石油ワックス、ポリエチレンワック
スやフィッシャートロプシュワックスなどの合成ワック
ス、モンタンワックスやセレシンなどの鉱物系ワック
ス、キャンデリラワックスやカルナウバワックスなどの
植物系ワックスを用いることができる。
【0017】これらワックスと前記合成樹脂の配合比率
は、重量比で99.5:0.5〜50:50の範囲が好
適であり、さらに好ましくは99:1〜70:30であ
る。この場合、ワックスの配合比が0.5重量部未満で
は充分な防湿性能が得られないため適当とはいえず、ま
た50重量部を越えると防湿性能が頭打ちとなり、さら
には摩擦抵抗の大幅な低下、ホットメルトの接着不良な
どの問題点が発生するため好ましくない。
【0018】ワックス系の防湿性塗料とは別に、前記合
成樹脂と組み合わせて防湿性能を発現させるために用い
る平板状顔料としては、塗布加工後も平板性(平板状)
が保持され、かつその平板状顔料が持つアスペクト比
(平均粒子径を厚さで除した数値)が5以上のものが好
適に使用される。また本発明においては、このような条
件を満たす平板状顔料の中でも、特にフィロケイ酸化合
物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)であること
が好ましい。フィロケイ酸塩化合物に属するものは板状
または薄片状であって明瞭な劈開を有し、カオリナイト
(カオリン鉱物)、雲母族、脆雲母族、パイロフィライ
ト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥
石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モン
モリロナイトなどがある。これらの中でも特に雲母族、
タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイ
ト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイ
ト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲
母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イラ
イト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが
挙げられる。
【0019】これらのうち最も好適な平板状顔料として
は白雲母、金雲母、絹雲母などが粒子径の大きさ、アス
ペクト比、コストなどの点から好適である。
【0020】また本発明において用いる平板状顔料の平
均粒子径は、レーザー回析法で測定した値で1μm〜2
00μmの範囲が好ましい。その中でも3μm〜100
μmが好適であり、さらに好ましくは5μm〜50μm
である。特に防湿性に有効な粒子径は10μm〜40μ
mと考えられる。粒子径が1μm未満のもは塗工層中で
の該平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりにく
いため防湿効果が乏しく、また200μmを越えると平
板状顔料の一部が塗工層から突出したり、平板状顔料の
厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の
塗工層中における層数が少なくなってしまうために防湿
性能向上効果が減少すると推察される。
【0021】本発明においてアスペクト比とは、平板状
顔料の平均粒子径を厚さで除したものであが、本発明の
効果を発揮するためには前記アスペクト比が5以上であ
ることが好ましい。特に好ましいものはアスペクト比が
10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5未満の
ものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿
性能が劣り、アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗
工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発
揮する。
【0022】これら平板状顔料と前記合成樹脂の配合比
率は、重量比で30:70〜70:30の範囲が好適で
ある。この場合、平板状顔料の配合比が30重量部未満
になると、平板状顔料の形成する層数が少なくなった
り、顔料と顔料の距離が大きすぎるために防湿性が不十
分となり、塗工量を増やす必要が生じて経済的に不利で
あるうえ、ブロッキングを生じやすくなる。また70重
量部を越えると、塗工層中の平板状顔料とラテックス界
面における空隙が非常に多くなるため防湿性が劣化す
る。
【0023】また本発明では、ワックス系、平板状顔料
系の、いずれの防湿層においても活性水素反応化合物を
添加して防湿性を向上させることができる。本発明で使
用する活性水素反応性化合物は、合成樹脂に含まれるカ
ルボキシル基、アミド基、水酸基等の活性水素官能基と
反応して合成樹脂ラテックスを架橋、高分子化(三次元
網目構造)するものである。
【0024】こうした活性水素反応性化合物としては
(1)メチロール基を有し、上記親水性官能基と脱水縮
合反応を起こすもの(メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂など);(2)アルデ
ヒド基を有し、上記親水性官能基と付加反応を起こすも
の(グリオキザールなど);(3)エポキシ基を有し、
上記親水性官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグ
リシジルエーテルなど);(4)多価金属を有し上記親
水性官能基と配位結合及び共有結合を形成するもの(炭
酸ジルコニウムなど);(5)水溶液中でカチオン性を
示しアニオン性官能基とイオン結合を形成するもの(ポ
リアミン化合物、ポリアミドアミン樹脂やポリアミドエ
ピクロロ樹脂などのカチオン性樹脂)などがある。
【0025】特に限定するものではないが、これら活性
水素反応性化合物の配合量は、合成樹脂100重量部に
対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重
量部とすることが望ましい。活性水素反応性化合物の配
合量が0.01重量部未満の場合、活性水素反応性化合
物と活性水素官能基との反応性が著しく低下するため好
ましくなく、また10重量部を越えると透湿度向上や耐
ブロッキングに対する効果が頭打ちとなったり、未反応
の活性水素反応性化合物が析出するなどの問題が発生す
るため好ましくない。
【0026】また本発明では、特に平板状顔料系の防湿
層において、カップリング剤を併用すると一段と防湿性
が向上する。使用するカップリング剤としては、親水基
部分にSiを含むシランカップリング剤、親水基部分に
Tiを含むチタネートカップリング剤、親水基部分にA
lを含むアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
【0027】該カップリング剤には、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルアセトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチル
アミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0028】カップリング剤の添加量は、平板状顔料1
00重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.
5〜2重量部である。添加量が0.1重量部未満の場
合、カップリング剤による平板状顔料表面の被覆が不十
分となるため好ましくなく、また5重量部を越えると、
もはやカップリング剤としての効果が頭打ちとなるため
不経済である。
【0029】かくして目的とする防湿性塗料が調成され
るが、本発明においては、これら防湿性塗料の保水度
が、85cc/m2以下であることが好ましい。ここで
述べる「保水度」とは、TAPPI JOURNAL
1989 12月号に記載されているPekka J.
Salminenらの方法でKaltecScienc
tific社のAA−GWR WATER RETEN
TIONMETERを用いて測定した時の値であり、こ
の値が小さいほど塗料の保水性は高いということにな
る。従って防湿性塗料の保水度が85cc/m2を越え
ると、塗料中の水分が紙支持体中へ移動しやすくなり、
塗料濃度の上昇とともに塗料自体のレオロジーが不安定
となって流動性を失い、問題となっているピンホールが
発生しやすくなることがある。
【0030】また本発明においては、これら防湿性塗料
の保水性を改善する目的で、保水剤、または増粘剤を併
用することが好ましい。このような添加剤としては、酸
化澱粉やヒドロキシエチル澱粉、酵素分解澱粉、リン酸
エステル化澱粉、カチオン化デンプンなどの変性澱粉や
生澱粉、またはメチルセルロースやヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース
などの水溶性セルロースエーテル、この他にもカゼイン
やマンナンなどが挙げられる。これら親水性の高分子成
分は、塗料中の水相粘度を上昇させることによって紙支
持体への水分の移動を遅らせる効果が望める。この他に
もカチオン性、アニオン性、または非イオン性の界面活
性剤、さらには塗料温度の上昇に伴って凝析するような
多価塩類なども好適に使用される。
【0031】これら防湿性塗料の、塗工時の流動性に基
づく挙動は、先に述べたような紙支持体の吸水性、およ
び塗料の保水性に加え、塗工速度S(m/min)およ
び塗工層の膜厚t(μm)によって規定されるせん断速
度D[=S/(t×60×10-6)](s-1)において
も大きな影響を受ける。一般にブレード塗工など、塗料
をスクレイプする瞬間のせん断速度下における塗料のハ
イシェア粘度η(cP)は、その瞬間にかかるせん断応
力S(dyn/cm2)を前記せん断速度Dで除した値
より求められる。このことから本発明においては、得ら
れる防湿性塗料の、せん断速度が103〜106(s-1
の範囲におけるハイシェア粘度が10〜80cpsであ
ることが好ましい。ただしここで述べる「ハイシェア粘
度」とは、ハーキュレスタイプの高せん断粘度計を用
い、しかるべきせん断速度、およびせん断応力に設定し
た場合に得られる粘度を指す。この場合、対象となるせ
ん断速度範囲におけるハイシェア粘度が10cps未満
では、塗料の保水性低下や、塗工量不足といった問題が
生じてしまうことがあり、また80cpsを越えると、
塗料の流動性が損なわれてしまうことがあり、いずれも
不適な場合がある。
【0032】本発明において前記防湿性塗料の塗工量
は、固形分換算で10〜50g/m2が好ましく、15
〜30g/m2がさらに好ましい。塗工量が10g/m2
未満では、所望する防湿性能が得られにくく、またピン
ホールも発生しやすくなるため不適であり、また50g
/m2を越えても防湿性能が頭打ちとなって経済的でな
いばかりか、離解性の劣化が懸念されるため好ましくな
い。
【0033】これら防湿層を形成するための塗工設備と
して特に限定はしないが、エアナイフコーター、ロッド
コーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコ
ーター、ゲートロールコーター、グラビアコーター、カ
ーテンコーター、スライドコーター、コンマコーター、
ダイコーター等から任意に選択することができる。特に
平板状顔料と合成樹脂から成る防湿層を形成する場合、
ブレードコーター(ベント方式、ベベル方式など)、バ
ーコーター、エアナイフコーターなどの塗工表面をスク
レイプする塗工方式が、前記平板状顔料の配向を促す傾
向があるので好ましい。なかでもブレードコーターは高
速塗工が可能で生産性に優れるが、ピンホールの発生が
多いため本発明の適用対象として特に好ましい。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、下記の実施例は本発明を限定するものではな
い。また実施例における「重量部」とは、すべて固形分
換算した値を示す。濃度、塗工量も固形分または有効成
分の重量基準の値である。
【0035】<実施例1>パラフィンワックスエマルジ
ョン(融点70℃、固形分濃度40%)30重量部とカ
ルボン酸変性SBR(メタクリル酸メチル変性量19
%、Tg12℃、ゲル分率80%、平均粒子径120n
m、固形分濃度50%)70重量部を混合・攪拌して防
湿性塗料を調成した。得られた防湿性塗料を晒クラフト
紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)の片面上に、
塗工量が20g/m2となるようCLC6000コータ
ー(Sensor&Simulation Produ
cts社製)を用い、塗工速度250m/min、赤外
線乾燥120秒の条件にてブレード塗工(ベベル方式)
を行い、目的とする防湿積層体を得た。次いで得られた
防湿積層体を用いて、ピンホール占有面積、および透湿
度の測定を、またこれとは別に前記防湿性塗料の保水
度、および使用する紙支持体のコッブ吸水度をそれぞれ
測定した。これらの測定結果を表1に示す。
【0036】ピンホール占有面積の測定方法 電子顕微鏡を用い、×500倍の感度で表面写真(デジ
タルカメラ)を撮影。この画像ファイルをコンピュータ
ーに取り込み、市販の画像解析ソフト(三谷商事(株)
製、Win ROOF使用)を用いて、相当直径が10
μm以上の対象となるピンホールの総面積を算出。この
作業を最低50回以上行った後、前記ピンホールの累積
総面積(cm2)を、画像ファイルとして取り込んだ表
面写真の累積総面積(cm2)で除した値が、単位面積
当たりにおけるピンホールの占有面積となる。この値が
4.0×10-4cm2/cm2以上になると所望する防湿
性能が得られず、本発明が目標とする防湿積層体として
の実用性に乏しくなるため、あまり有用であるとは言い
難い。
【0037】透湿度の測定 JIS−Z−0208B法(カップ法)に準拠した方法
によって、塗工面が高湿側となるようにして透湿度を測
定。本発明において好ましい透湿度範囲は、40℃、9
0%RHの環境下において0〜50g/m2・24hr
である。この場合、透湿度が上限値を超えるものは、本
発明が目標とする防湿積層体としての実用性に乏しくな
るため、あまり有用であるとは言い難い。
【0038】保水度の測定方法 TAPPI JOURNAL 1989 12月号に記
載されているPekkaJ.Salminenらの方法
でKaltec Scienctific社のAA−G
WR WATER RETENTION METERを
用い、5μmメンブランフィルター、セル圧力100k
Pa・s、加圧時間30秒の条件にて保水度を測定。本
発明において、この値が85cc/m2を越えると、ピ
ンホールが発生しやすくなるため好ましくない。
【0039】紙支持体の吸水性の測定方法 JIS−P−8140(コッブ吸水度)に準拠した方法
で、専用の測定機器を用い、蒸留水100ccを30秒
間、使用する紙支持体に接触させた後、余剰水を拭き取
って吸水度を算出。本発明においてコッブ吸水度が40
g/m2を越えると、塗料から紙支持体への水分移動率
が大きくなり、ピンホールが発生しやすくなるため好ま
しくない。
【0040】ハイシェアー粘度の測定方法 ハーキュレス高せん断粘度計(HRD−801C:熊谷
理機工業(株)製)を用い、ボブ半径Rb(cm)を
1.99cm、カップ半径Rc(cm)を2cm、ボブ
・カップ間の平均半径Rbc(=(Rb+Rc)/2:
cm)を1.995cm、カップ回転数(N:rpm)
を8800rpmとして各塗料のハイシェア粘度を測
定。この時のせん断速度S(=N×Rb2×Rc2)/
(4.7746×Rbc2×(Rc2−Rb2))は1.
8×105(s-1)であった。本発明において、このハ
イシェア粘度が10cps未満では、塗料の保水性低下
や、塗工量不足といった問題が生じてしまうことがあ
り、また80cpsを越えると、塗料の流動性が損なわ
れてしまい好ましくない。
【0041】<実施例2>平板状顔料として金雲母(平
均粒子径40μm、アスペクト比30〜40)100重
量部と水100重量部とをカウレス分散機を用い、回転
数2000rpmで2時間分散した。前記顔料を得られ
たスラリーの状態で50重量部、およびカルボン酸変性
SBR(メタクリル酸メチル変性量19%、Tg12
℃、ゲル分率80%、平均粒子径120nm、固形分濃
度50%)25重量部に対し、アンモニア0.5重量
部、およびポリアミドポリ尿素―ホルムアルデヒド縮合
反応生成物(商品名:SR302、住友化学(株)製、
固形分濃度60%)0.5重量部を混合・攪拌して防湿
性塗料を調成した。得られた防湿性塗料を晒クラフト紙
(坪量70g/m2、厚さ100μm)の片面上に、塗
工量が20g/m2となるようCLC6000コーター
(Sensor&Simulation Produc
ts社製)を用い、塗工速度250m/min、赤外線
乾燥120秒の条件にてブレード塗工(ベベル方式)を
行い、目的とする防湿積層体を得た。次いで得られた防
湿積層体を用いて、ピンホール占有面積、および透湿度
の測定を、またこれとは別に前記防湿性塗料の保水度、
および使用する紙支持体のコッブ吸水度をそれぞれ測定
した。これらの測定結果を表1に示す。
【0042】<実施例3>用いる紙支持体を未晒クラフ
ト紙(坪量85g/m2、厚さ115μm)に変更した
こと以外は実施例2と同様にして防湿性塗料を調成し、
目的とする防湿積層体を得た。また得られた防湿積層体
を用い、実施例1と同様にしてピンホール占有面積、透
湿度、保水度、コッブ吸水度をそれぞれ測定した。これ
らの測定結果を表1に示す。
【0043】<実施例4>紙支持体上に塗工する防湿性
塗料の塗工量を15g/m2となるように変更したこと
以外は実施例2と同様にして防湿性塗料を調成し、目的
とする防湿積層体を得た。また得られた防湿積層体を用
い、実施例1と同様にしてピンホール占有面積、透湿
度、保水度、コッブ吸水度をそれぞれ測定した。これら
の測定結果を表1に示す。
【0044】<実施例5>用いる合成樹脂をSBRから
アクリル・スチレン共重合体エマルジョン(Tg20
℃、ゲル分率70%、固形分濃度47%)に変更したこ
と以外は実施例2と同様にして防湿性塗料を調成し、目
的とする防湿積層体を得た。また得られた防湿積層体を
用い、実施例1と同様にしてピンホール占有面積、透湿
度、保水度、コッブ吸水度をそれぞれ測定した。これら
の測定結果を表1に示す。
【0045】<実施例6>平板状顔料として絹雲母(平
均粒子径14μm、アスペクト比10〜20)100重
量部と水100重量部とをカウレス分散機を用い、回転
数2000rpmで2時間分散した。前記顔料を得られ
たスラリーの状態で50重量部、およびカルボン酸変性
SBR(メタクリル酸メチル変性量19%、Tg12
℃、ゲル分率80%、平均粒子径120nm、固形分濃
度50%)25重量部に対し、アンモニア0.5重量
部、アミノシランカップリング剤(商品名:KBM60
3、信越化学工業(株)製、有効成分99%以上)0.
5重量部、およびポリアミドポリ尿素―ホルムアルデヒ
ド縮合反応生成物(商品名:SR302、住友化学
(株)製、固形分濃度60%)0.5重量部を混合・攪
拌して防湿性塗料を調成した。得られた防湿性塗料を晒
クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)の片
面上に、塗工量が28g/m2となるようCLC600
0コーター(Sensor&Simulation P
roducts社製)を用い、塗工速度250m/mi
n、赤外線乾燥120秒の条件にてブレード塗工(ベベ
ル方式)を行い、目的とする防湿積層体を得た。また得
られた防湿積層体を用い、実施例1と同様にしてピンホ
ール占有面積、透湿度、保水度、コッブ吸水度をそれぞ
れ測定した。これらの測定結果を表1に示す。
【0046】<実施例7>保水剤としてカチオン化デン
プン(三和澱粉工業(株)製、糊化後の固形分濃度2
%)を2重量部添加したこと以外は、実施例6と同様に
して防湿性塗料を調成し、目的とする防湿積層体を得
た。また得られた防湿積層体を用い、実施例1と同様に
してピンホール占有面積、透湿度、保水度、コッブ吸水
度をそれぞれ測定した。これらの測定結果を表1に示
す。
【0047】<実施例8>平板状顔料としてタルク(平
均粒子径2μm、アスペクト比2〜4)100重量部と
水100重量部とをカウレス分散機を用い、回転数20
00rpmで2時間分散した。前記顔料を得られたスラ
リーの状態で80重量部、およびカルボン酸変性SBR
(メタクリル酸メチル変性量19%、Tg12℃、ゲル
分率80%、平均粒子径120nm、固形分濃度50
%)10重量部に対し、アンモニア0.5重量部、アミ
ノシランカップリング剤(商品名:KBM603、信越
化学工業(株)製、有効成分99%以上)0.5重量
部、およびポリアミドポリ尿素―ホルムアルデヒド縮合
反応生成物(商品名:SR302、住友化学(株)製、
固形分濃度60%)0.5重量部を、酸化デンプン(王
子コーンスターチ(株)製、糊化後の固形分濃度10
%)2重量部を混合・攪拌して防湿性塗料を調成したこ
と以外は実施例2と同様にして目的とする防湿積層体を
得た。また得られた防湿積層体を用い、実施例1と同様
にしてピンホール占有面積、透湿度、保水度、コッブ吸
水度をそれぞれ測定した。これらの測定結果を表1に示
す。
【0048】<比較例1>用いる合成樹脂として、カル
ボン酸変性SBR(メタクリル酸メチル変性量4%以
下、Tg15℃、ゲル分率75%、平均粒子径165n
m、固形分濃度50%)に変更したこと以外は実施例2
と同様にして防湿性塗料を調成し、目的とする防湿積層
体を得た。また得られた防湿積層体を用い、実施例1と
同様にしてピンホール占有面積、透湿度、保水度、コッ
ブ吸水度をそれぞれ測定した。これらの測定結果を表1
に示す。
【0049】<比較例2>カナダ標準濾水度(CSF)
600mlに叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)に湿潤紙力増強剤(商品名:WS570、日本PM
C(株)製、固形分濃度30%)0.5重量部、および
アルキルケテンダイマー系サイズ剤(商品名:サイズパ
インK903、荒川化学工業(株)製、固形分濃度40
%)0.005重量部をそれぞれ添加し、パルプ濃度
0.03%に調成した後に、これを常法に従って角型手
抄きシートマシーンにて抄紙・乾燥を行い、キャレンダ
処理を施して緊度0.75の低サイズ紙を得た。得られ
た原紙を、防湿積層体に用いる紙支持体としたこと以外
は実施例2と同様にして防湿性塗料を調成し、目的とす
る防湿積層体を得た。また得られた防湿積層体を用い、
実施例1と同様にしてピンホール占有面積、透湿度、保
水度、コッブ吸水度をそれぞれ測定した。これらの測定
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1より、用いる紙支持体の吸水度、およ
びその紙支持体上に塗布する防湿性塗料の塗工量がそれ
ぞれ本発明の規定する範囲内であれば、さらに調成した
防湿性塗料の保水度、および特定のせん断速度下(本実
施例では105にて測定実施)におけるハイシェア粘度
が本発明の規定する範囲であればより効果的に、ブレー
ド塗工においてもピンホールの発生率は低く、従って得
られる防湿積層体の透湿度も本発明が所望する50g/
2/24hr以下を実現することは充分に可能である
(実施例1〜8)。しかしながら調成した防湿性塗料の
保水性が低い場合(比較例1)、および使用する紙支持
体の吸水性が高い場合(比較例2)などには、防湿層に
発生するピンホールの、単位面積当たりにおける占有面
積が本発明の規定する範囲を超えてしまうため、所望す
る防湿性能を得ることが難しくなってしまう。
【0052】
【発明の効果】本発明における防湿性積層体は、吸水性
の低い紙支持体上の少なくとも片面に、合成樹脂と平板
状顔料、または合成樹脂とワックスから成り、保水性が
良好で、かつ高せん断速度下におけるハイシェア粘度が
10〜80cPsの範囲にある防湿性塗料を塗布・乾燥
した防湿層を有するため、ピンホールなどの塗工欠陥が
少なく、また低塗工量ですぐれた防湿性能を発揮し、か
つ古紙回収が容易でリサイクルに最適な包装素材を提供
するという効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 19/56 D21H 19/56 Fターム(参考) 4D075 AC53 CA01 CA40 DB18 DC36 EA37 EC11 EC23 4F042 AA02 AA22 DD07 4F100 AJ11B AJ11C AK01B AK01C AK73 AL07 AN02 AR00B AR00C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 CA13B CA13C CC00B CC00C DG10A EH46B EH46C EJ86B EJ86C GB15 JA20B JA20C JD15 JD15B JD15C YY00 YY00B YY00C 4L055 AG25 AG48 AG51 AG63 AG71 AG76 AG94 AG97 AH02 AH23 AH37 AJ02 AJ04 BE08 EA10 EA12 EA15 EA18 EA19 EA25 EA40 FA21 FA30 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体上の少なくとも片面に合成樹脂と
    平板状顔料、または合成樹脂とワックスから成る防湿性
    塗料を塗布・乾燥して防湿層を形成せしめた防湿積層体
    において、該防湿層表面に生ずる相当直径が10μm以
    上である成膜欠損の占有面積が、4.0×10-4cm2
    /cm2以下、およびJIS−Z−0208(カップ
    法)に基づく透湿度が50g/m2/24hr以下であ
    り、かつ前記紙支持体のJIS−P−8140に基づく
    コッブ吸水度が40g/m2(30秒)以下、および該
    防湿性塗料の保水度が85cc/m2以下であることを
    特徴とする防湿積層体。
  2. 【請求項2】該防湿性塗料の、塗工速度S(m/mi
    n)および塗工層の膜厚t(μm)によって規定される
    せん断速度D[=S/(t×60×10-6)]が103
    〜106(s-1)の範囲内にある場合のハイシェア粘度
    が10cps〜80cpsであることを特徴とする請求
    項1記載の防湿積層体。
  3. 【請求項3】該防湿性塗料が紙支持体上の少なくとも片
    面にブレード塗工方式によって塗布されたことを特徴と
    する請求項1または2のいずれか1項記載の防湿積層
    体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002274041A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料の製造方法
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JP2013241584A (ja) * 2012-04-27 2013-12-05 Dainippon Toryo Co Ltd 難燃性水系塗料組成物、並びにそれを用いた難燃性塗膜及び建築板

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