JP2001055216A - プラスチック多層成形容器 - Google Patents

プラスチック多層成形容器

Info

Publication number
JP2001055216A
JP2001055216A JP23101499A JP23101499A JP2001055216A JP 2001055216 A JP2001055216 A JP 2001055216A JP 23101499 A JP23101499 A JP 23101499A JP 23101499 A JP23101499 A JP 23101499A JP 2001055216 A JP2001055216 A JP 2001055216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
oxygen
layer
oligomer
scavenging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23101499A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nagao
勇志 長尾
Otohiko Miyauchi
乙彦 宮内
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP23101499A priority Critical patent/JP2001055216A/ja
Publication of JP2001055216A publication Critical patent/JP2001055216A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化を嫌う内容物のための成形容器であっ
て、レトルト殺菌、電子レンジ調理適応性及び形態保持
性を有し、安価、軽量、耐衝撃性、リサイクル性に優
れ、パッケージ内部の酸素の捕捉機能を有するプラスチ
ック多層成形容器の提供。 【解決手段】 内層から外層へ、熱可塑性樹脂(1)層
/分子中に炭素−炭素不飽和結合を有するポリオレフィ
ンセグメントを結合したポリエステル系、ポリアミド
系、ポリオレフィン系またはビニル系の重合体である酸
素補足性樹脂を含む樹脂層/熱可塑性樹脂(2)層、ま
たは熱可塑性樹脂(1)層/上記の酸素補足性樹脂を含
む樹脂層/ガスバリア性樹脂層/熱可塑性樹脂(2)層
の順に積層されており、真空成形、圧空成形、ブロー成
形または射出成形により製造されたことを特徴とするプ
ラスチック多層成形容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内容物として特に
品質面から酸化を嫌う固体または液体の内容物、また場
合によっては形状の保持を必要とする内容物を収納する
ための不透明なプラスチック多層成形容器、特に安価で
あって食品用レトルト殺菌、電子レンジ調理適応性を有
し、軽量であり、耐衝撃性及びリサイクル性に優れ、多
品種少量生産も可能な、ガスバリア性のみならず、成形
容器内にある酸素を捕捉消失できる酸素捕捉機能を有す
るプラスチック多層成形容器に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬、写真用薬剤、化粧品原料、IC製
造用薬品などの易酸化性または酸化されてはならない化
学薬品類、ぶどう酒、ビール、ソフトドリンク、お茶、
コーヒーなどのように香気を必要とする飲料や粉末また
は酸素もしくは大気との接触を嫌う小型精密機器部品、
易酸化性の金属や材料などのように酸化され易いために
空気との接触を嫌うものを収容する容器として、従来は
ガラスびん、鉄、銅あるいはアルミニウムなど金属製容
器またプラスチック成形容器としては加工性の優れた熱
可塑性樹脂成形容器、特にポリオレフィン樹脂などにガ
スバリア性樹脂、形状によってはアルミニウム箔を積層
した多層成形容器が用いられていた。
【0003】アルミニウムから製造された金属容器、例
えばアルミニウム缶は軽量であり、食品レトルト殺菌適
応、リサイクル性、ガスバリア性、耐衝撃性、遮光性に
優れ、美麗であるなどの利点を有しており、易酸化性ま
たは酸化されてはならない内容物の包装材としては極め
て理想的な材料と思われる。反面、原料が高価格であ
り、密閉可能なアルミニウム容器の製造設備、内容物の
充填設備などの製造設備が大型、高性能なものが必要で
あって極めて大規模の投資額を必要とするものであり、
小品種大量生産のものにしか対応できないものである。
アルミニウム容器は材質的に弾性に乏しく、耐食処理を
必要とし、製品価格も高価格であり、また容器としては
電子レンジ調理適応性に欠け、その大型化は困難であっ
て、しかも食品市場あるいは日用品雑貨の類の包装材と
しては内容物が見えることも大きな商品コンセプトのひ
とつであるがこれに欠け、現在はアルミニウム容器とし
ては通常は液体用の再封止不可能なビール用または清涼
飲料用小型容器に主として使用されている。
【0004】一方容器としてのアルミニウム箔は単独使
用は少なく、これをポリオレフィン樹脂などの熱可塑性
樹脂と積層し、ラミネートフィルムとして使用されるこ
とが多く、軽量、気密性、遮光性などアルミニウム製容
器の利点をほぼ有しているほかに、これら容器に欠けて
いるフレキシビリティーを有する反面、形態保持性がな
く、形態保持性を必要とする内容物のための多層成形容
器としての使用には難がある。更に充填後の容器内に空
気など酸素が存在する時はこれを取り除く機能を有して
いないため容器内に脱酸素剤の配置を必要とする問題が
ある。ガスバリア性容器として古くから使用されてきた
ガラスびんは、レトルト殺菌適応性、電子レンジ調理適
応性、リサイクル性、ガスバリア性、耐食性、再封止
性、形態保持性に優れており、多品種少量生産にも対応
でき、製品価格も比較的安価に生産できるなど優れた性
能を有している。しかし他の包装材に比してフレキシビ
リティーはまったくないため内容物充填に制限があり、
包装材重量が重くかつ耐衝撃性が極めて弱い重大な問題
点を有しているため、主として従来から使用されていた
液体のための容器として使用されている。
【0005】上記以外に小型物品用あるいは小型の包装
容器として紙パックがある。これらは紙単独ではガスバ
リア性がないので、アルミニウム箔、ポリオレフィン樹
脂などの熱可塑性樹脂などをコーティングしたりあるい
はラミネートした形の商品が多数市場に出ている。これ
らの包装材は軽量、耐衝撃性、遮光性、形態保持性に優
れており、設備投資額も小さくて済み、多品種少量生産
に対応可能なものであるが、一般にレトルト殺菌が不能
であり、電子レンジ調理適応性に欠け、通気性があるた
め内容物が酸化され易くシェルフライフが小さい、中身
が見えない、高級感がないなどのために、安価な内容物
の包装材に主として用いられている。
【0006】これに対し熱可塑性樹脂、特にポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアミドなどを用いた成形容器は、レト
ルト殺菌性を付与することも容易であり、軽量性、耐衝
撃性、耐食性、加工性、電子レンジ調理適応性にも優
れ、製品価格も安価であり、自動包装ラインによる包装
にも簡単に適合し、またこれらの設備投資額も小さくて
済み、多品種少量生産の容器にも対応できるなど優れた
包装材ではあるが、これらの樹脂成形容器は一般にガス
バリア性が低く、品質面で酸化を嫌う内容物、またCO
2 の透過を嫌う内容物の容器としては酸素ガス透過性、
CO2 ガス透過性が大きいという重大な欠点を有してい
る。このような成形容器のガスバリア性の改善策とし
て、構造材樹脂にガスバリア性樹脂を積層したプラスチ
ック多層成形容器が数多く提案されている。
【0007】従来のガスバリア性多層成形容器の製造法
としては、ポリオレフィン樹脂のような熱可塑性プラス
チックと、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エ
チレン−ビニルアルコール共重合体;以下「EVOH」
という。)、ポリ塩化ビニリデンあるいはポリアクリロ
ニトリルなどのバリア性樹脂とを、通常は該バリア性樹
脂を中間層とする多層押出しによりラミネートシートと
した後、二次成形加工して多層成形容器とするか、ある
いは前記ガスバリア性樹脂単独またはガスバリア性樹脂
を中間層とする構造材樹脂のブロー成形、射出成形法な
どで積層するなどにより多層成形容器を製造していた。
【0008】上記のガスバリア性多層成形容器は、ポリ
オレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂単層容器に比較して
ガスバリア性は大幅に改善できる。しかし、このように
改善されたプラスチック多層成形容器を用いたパッケー
ジであっても、そこで使用されているガスバリア性樹脂
層はわずかのガス透過性を有するので、長期間の保存や
完全に酸素の排除を必要とする場合には、ガラス製容器
や金属缶などと比較した時に酸素バリア性は不十分とな
ることは避けられない。一方、これらガスバリア性が優
れたガラス製容器や金属缶などの容器においても、容器
内の充填後の内容物の上部に存在する気体中の酸素は除
去できないのでこれによる内容物の酸化は避けられず、
内容物と酸素との接触を確実に防止することはできなか
った。したがって、内容物と酸素との接触を確実に防止
するには多層成形容器のガスバリア性を完全にするだけ
でなく、成形容器内部に存在する酸素を脱酸素剤の併用
が必要となる。この脱酸素剤として鉄化合物系の脱酸素
剤が開発され、それをパッケージ内へ封入することが行
われている。
【0009】該脱酸素剤の使用には高湿度(水分)の雰
囲気が必要であるうえ、又炭酸ガスのある場合には使用
が制限を受けるなどの問題があり、又更に食品などの容
器に使用した時に幼児などが食品と間違いこの脱酸素剤
を食べたりする危険性が大きくこの対策も必要となる。
更に成形容器内においては気流の流れがないのでこのタ
イプの脱酸素剤での脱酸素は局部的になり、容器内の均
一な脱酸素はできなかった。均一な脱酸素を行うために
容器全体に脱酸素剤を配置することが必要となり、容器
構造体樹脂全体に配合するなどを必要とする。樹脂に配
合するような場合には樹脂の引き裂き強度低下、樹脂加
工性の低下が避けられず問題がある。
【0010】又別の手段として、窒素ガスなどの雰囲気
下で充填を行うことなども行われているが、これとて成
形容器内部全体を酸素ゼロとすることは困難であり、外
部からの酸素の侵入を防止したとしても充填時、容器内
部に存在する酸素(溶存酸素も含む)は脱酸素剤を共存
させないかぎり除去は無理なこととなる。したがって、
成形容器内の酸素を安全かつ確実に除去し、大気からの
侵入を完全にシャットアウトでき、安価で製造の容易な
プラスチック多層成形容器の開発が要望されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、品質面から
酸化を嫌う固体または液体の内容物を収納するための成
形容器であって、レトルト殺菌が可能であり、電子レン
ジ調理適応性及び形態保持性を有し、安価であって軽量
であり、耐衝撃性、リサイクル性に優れ、少規模の使用
においても取扱可能な、パッケージ内部に存在する酸素
の捕捉機能も有する熱可塑性樹脂のプラスチック多層成
形容器の開発を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1] 内層
から外層へ、熱可塑性樹脂(1)層/酸素補足性樹脂を
含む樹脂層/熱可塑性樹脂(2)層、または熱可塑性樹
脂(1)層/酸素補足性樹脂を含む樹脂層/ガスバリア
性樹脂層/熱可塑性樹脂(2)層の順に積層されてお
り、真空成形、圧空成形、ブロー成形または射出成形に
より製造されたことを特徴とするプラスチック多層成形
容器、[2] 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン及びポリアミドからなる群から選ばれた樹脂である
上記[1]に記載のプラスチック多層成形容器、[3]
酸素捕捉性樹脂が、分子中に炭素−炭素不飽和結合を
有するポリオレフィンセグメントを結合したポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系またはビニル系
の重合体である上記[1]に記載のプラスチック多層成
形容器、[4] 酸素捕捉性樹脂が、金属原子として5
0ないし500ppmの遷移金属化合物含む、1ないし
15重量%の炭素−炭素不飽和結合を有するポリオレフ
ィンオリゴマーセグメント及び85ないし99重量%の
主たるポリマーセグメントからなる上記[1]に記載の
プラスチック多層成形容器、
【0013】[5] 酸素捕捉性樹脂層に対し、紫外線
および/または可視光線に対し増感作用を有する光酸化
促進剤を配合した上記[3]に記載のプラスチック多層
成形容器、[6] 酸素捕捉性樹脂中のポリオレフィン
オリゴマーセグメントが、ブタジエン、ノルボルネン、
ジシクロペンタジエン及びイソプレンの重合されたオリ
ゴマーユニットのいずれか一つを含む、分子量が100
0ないし10000のオリゴマーセグメントである上記
[3]ないし[5]のいずれかに記載のフレキシブルパ
ッケージ、
【0014】[7] 酸素捕捉性樹脂中の炭素−炭素不
飽和結合を有するポリオレフィンオリゴマーセグメント
が、主たるポリマーセグメントの主鎖としてまたは分岐
状にペンダントとして結合した酸素捕捉性樹脂である上
記[3]ないし[6]のいずれかに記載のプラスチック
多層成形容器、[8] ガスバリア層が、アルミニウム
箔、アルミニウム蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム
またはエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(EV
OH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリキシリ
レンジアミンアジパミド及びポリアクリロニトリルの群
のうちから選ばれた樹脂である上記[1]に記載のプラ
スチック多層成形容器、を開発することにより上記の目
的を達成した。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において言う多層成形容器
とは、押出成形により成形された多層シートを真空成
形、圧空成形などの二次成形加工により成形された多層
成形容器、多層ブロー成形あるいは射出成形により成形
された多層プリフォームを延伸ブローするなどにより成
形された多層成形容器、多層射出成形または多段射出成
形により成形された多層成形容器など各種の製造法によ
り成形されたものを意味し、蓋体は、一般の密閉容器で
用いられているものであれば良く、例えばねじ込みある
いははめ込みなどのキャップタイプの蓋体、イージーピ
ールのアルミニウム箔積層体、あるいは充填口と取り出
し口を別に設けた多層成形容器なども含むものであり、
レトルト殺菌が可能であり、蓋体を取りはずした後該容
器をそのまま電子レンジ調理に適応するものであり、形
態保持性を有する多層成形容器であって、容器本体は大
気からの容器内へ侵入する酸素を確実に補足し侵入量を
ゼロとするだけでなく、場合によっては容器のヘッドス
ペースにある酸素ガスを補足して容器内の酸素ゼロを確
保するものである。この結果、本多層成形容器を使用し
た包装体は、シェルフライフが長く、還元鉄系の脱酸素
剤とは異なり湿分が低くとも性能的に問題がない上、充
填時において窒素雰囲気下で行う必要のない多層成形容
器である。
【0016】本発明におけるプラスチック多層成形容器
に使用する熱可塑性樹脂(1)、(2)としては、透明
であっても構わないが不透明であってもよく、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」とい
う。)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹
脂、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリルなどが挙
げられる。高温におけるレトルト処理などを必要とする
時には耐水性があり、使用温度によっては比較的耐熱
性、剛性の高いポリプロピレン、PET、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアクリロニトリルなどを使用するこ
とが好ましい。
【0017】本発明の多層成形容器において使用する酸
素捕捉性樹脂としては、分子中に炭素−炭素不飽和結合
を有するポリオレフィンオリゴマーセグメントを結合し
たポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系ま
たはビニル系の重合体を挙げることができる。これらは
原則として不透明な樹脂である。ここでポリエステル系
重合体としては、例えばポリエチレンテレフタレート
(以下「PET」という。)、ポリブチレンテレフタレ
ート(以下「PBT」という。)などが挙げられる。ポ
リアミド系重合体としては、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド類、ポリキシ
リレンジアミンアヂパミド(MXD6)などの芳香族ポ
リアミド類が挙げられる。中でもMXD6は樹脂自体が
ガスバリア性を有するのでバリア性パッケージの材料樹
脂としては好適な樹脂である。
【0018】例えば本発明においての酸素捕捉性樹脂と
してのポリエステルまたはポリアミドは、ポリマーの合
成の際に、原料化合物の一部に片末端に2個の官能基を
有するオレフィンオリゴマーを使用して共重縮合しても
よいし、またポリマーに片末端に2個の官能基を有する
オレフィンオリゴマーを反応させ、トランスエステル化
またはトランスアミド化によりオレフィンオリゴマーセ
グメントを導入してもよい。さらにはポリマー合成の際
に3個以上の官能基を有する原料を使用して主鎖に遊離
の官能基を設け、これにオレフィンオリゴマーセグメン
トを結合させてもよく、場合によってはポリマーに3個
以上の官能基を有する原料化合物を反応させトランスエ
ステル化またはトランスアミド化を行い、主鎖中に官能
基を導入し、これにオレフィンオリゴマーセグメントを
結合させてもよい。
【0019】かかるペンダント状のオレフィンオリゴマ
ーセグメントを有するポリエステル系ポリマーにおいて
は、ポリマーの合成段階において、二塩基性カルボン酸
の一部を片末端に2個のカルボキシル基を有するオレフ
ィンオリゴマーで置き換えるか、またはグリコールの一
部に片末端に2個の水酸基を有するオレフィンオリゴマ
ーで置き換えて重縮合反応させペンダント状にオレフィ
ンオリゴマーを有するポリエステルとする。二塩基性カ
ルボン酸の一部を3価以上の多価カルボン酸で置き換え
るか、グリコールの一部を3価以上の多価アルコールで
置き換え、共重縮合することによりカルボキシル基また
は水酸基の官能基を主鎖の中間に設け、これにオレフィ
ンオリゴマーを結合させる。
【0020】あるいは通常のポリエステルポリマーに片
末端に2個のカルボキシル基または2個の水酸基を有す
るオレフィンオリゴマーをトランスエステル反応させて
オレフィンオリゴマーセグメントを直接導入してもよ
く、あるいは3価のカルボン酸、好ましくは芳香族カル
ボン酸を反応させるか、あるいは3価以上の多価アルコ
ールを反応させ、トランスエステル化によりポリエステ
ル主鎖中に遊離のカルボキシル基または遊離の水酸基の
官能基を導入し、該官能基にオレフィンオリゴマーを結
合させてもよい。
【0021】またポリアミドにおいても同様に、ポリマ
ーの合成の際に片末端に2個のカルボキシル基を有する
オレフィンオリゴマーあるいは片末端に2個のアミノ基
を有するオレフィンオリゴマーを共重縮合さる方法、ポ
リアミドポリマーに前記のオレフィンオリゴマーをトラ
ンスアミド反応させてオレフィンオリゴマーを直接導入
する方法、二塩基性カルボン酸の一部を3価以上の多価
カルボン酸で置き換えるか、アルキレンジアミンの一部
を3価以上のアルキレンポリアミンに置き換え、共重縮
合することによりカルボキシル基またはアミン基の官能
基を主鎖の中間に設け、オレフィンオリゴマーセグメン
トを導入する方法、あるいはポリアミドポリマーに3価
以上の多塩基性カルボン酸または多価アルコールをトラ
ンスアミド反応させ官能基を導入し、これにオレフィン
オリゴマーセグメントを結合させる方法などがある。
【0022】オレフィンオリゴマーをブロック状に含む
重縮合系ポリマーは、その合成の際に、ジアミン、ジカ
ルボン酸、グリコールなどの原料の一部として、両末端
に重縮合可能な官能基を有し、かつ炭素−炭素不飽和結
合を有する分子量が1000〜10000のオレフィン
オリゴマーを用いることにより、大部分を構成するポリ
アミド系の重縮合系ポリマーセグメントと小部分を構成
する炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマ
ーセグメントがブロック状に主鎖に結合したポリアミド
などの重縮合系ポリマーとすることができる。すなわ
ち、上記のポリアミドの合成においては、両末端にカル
ボキシル基、アミノ基、場合によっては水酸基を有し、
炭素−炭素不飽和結合を有する分子量1000〜100
00のオレフィンオリゴマーセグメントを、ポリアミド
の原料であるジカルボン酸とジアミン(ナイロン塩でも
可)あるいはラクタムなどと混合して反応させることに
より製造できる。
【0023】またポリアミドの重縮合系ポリマーに対
し、少量の両末端にアミノ基、水酸基またはカルボキシ
ル基を有し、炭素−炭素不飽和結合を有する分子量10
00〜10000のオレフィンオリゴマーを混合して、
溶融しながらトランスアミド化あるいはトランスエステ
ル化反応させることにより、ポリエステルまたはポリア
ミドの主鎖にポリオレフィンオリゴマーセグメントを有
する重縮合系ポリマーを製造することができる。
【0024】上記重縮合反応に使用するオレフィンオリ
ゴマー誘導体としては、オレフィンオリゴマーセグメン
ト鎖中に炭素−炭素不飽和結合を有することが必要であ
る。このようなオリゴマーは、ブタジエン、イソプレン
などの共役二重結合を有するブタジエン誘導体、あるい
はノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの非共役ジ
エンのホモオリゴマー、コポリマーあるいはこれらジエ
ン化合物とエチレン、プロピレンなどのオレフィンとの
共重合オリゴマーを挙げることができる。これらオリゴ
マーは、重縮合系ポリマー主鎖に結合した官能基と反応
性を有する官能基を導入することが必要であり、その手
段としては、ジエン化合物を含むオリゴマーをメタセシ
ス重合あるいはアニオンリビング重合によりオリゴマー
を合成し、それに官能基を導入することにより合成でき
る。
【0025】さらに本発明において、反応性官能基(以
下反応性官能基(1)という。)を有する酸素透過性付
加重合系直鎖ポリマーの付加重合体セグメントとして
は、ポリオレフィン系またはビニル系ポリマーであれば
特に制限はないが、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1などオレフィンホモポリマ
ー、コポリマーあるいはビニルモノマーなどとの共重合
体であるポリオレフィン系樹脂、ポリスチレンの単独重
合体または共重合体であるスチレン系樹脂、(メタ)ア
クリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートなどの(メタ)アクリレートを含むアクリル系
共重合体、アクリロニトリル、塩化ビニルなど各種のポ
リマーの付加重合体を骨格とするポリマーセグメントを
挙げることができる。中でも酸素透過性が高く熱安定が
あり樹脂加工性に優れたもの、物性が要求に近いものな
ど使用目的に合わせて選択し、オリゴマーを結合させや
すいポリマーセグメントが好ましい。酸素透過性が低い
バリア性のポリマーでは酸素捕捉性が低く、本発明の酸
素捕捉性ポリマーと同様に高度の酸素バリア性を有する
が、酸素捕捉性ポリマーとしてはその能力は低く不十分
なものとなる。
【0026】これらのセグメントを与えるポリマーとし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなどの反応性官能基(1)を有していないポリマー
であっても、これに反応性官能基(1)を有する無水マ
レイン酸または(メタ)アクリル酸などをグラフト重合
したグラフト重合体、あるいはエチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート
共重合体、エチレン−エチルアクリレ−ト−無水マレイ
ン酸共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体、エチレン−またはスチレン−2−ヒドロキシエ
チルメタクリリレート共重合体など反応性官能基(1)
を有するモノマーを共重合したポリマーを挙げることが
できる。また酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどを共
重合した後で加水分解などして付加重合体を変性するこ
とにより付加重合体に反応性官能基(1)を付与するな
どの方法をとってもよい。
【0027】上記反応性官能基(1)としては、これと
反応させるオレフィンオリゴマーの官能基(以下反応性
官能基(2)という。)との関係で限定する必要はない
が、ポリマーの製造しやすさ、安定性、反応性などを勘
案するとカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、無水カ
ルボン酸基またはアミノ基などが好ましい。反応性官能
基(1)がカルボキシル基である時は、オレフィンオリ
ゴマーの反応性官能基(2)は該官能基と反応性を有す
る水酸基、アミノ基、エポキシ基またはイソシアネート
基などが選択される。他のケースも同様である。
【0028】付加重合体へオレフィンオリゴマーセグメ
ントを導入に際しては、最も効果的には反応性官能基
(1)を有する付加重合体と反応性官能基(2)を有す
る炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー
を押出機、ブレンダーなどの溶融混練可能な装置で両者
を溶融混練する。あるいは両者を溶液状にして反応して
もよいが、有機溶媒などを必要とするだけでなく、後で
溶媒回収を必要とするなど面倒であってコストもかかる
のでできれば溶融混練法が好ましい。さらには、EVO
H、(メタ)アクリル酸を一成分とするビニル系共重合
体などのように、ポリマー自身が官能基を有するビニル
系ポリマーにおいてもポリオレフィン系ポリマーと同様
にしてオレフィンオリゴマーセグメントを導入すること
ができる。これ以外に、ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
などのようにポリマー自身がオレフィンオリゴマーセグ
メントを有するものであってもよい。
【0029】酸素捕捉性樹脂としては、酸素に対し活性
な炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー
セグメント部分において酸素を捕捉するが、その際に炭
素−炭素不飽和結合により活性化されたα−位にある炭
素に結合した水素引き抜きにより反応が開始され、最終
的にはこの部分から炭素鎖は切断される。したがって主
鎖中にオレフィンオリゴマーセグメントを有するポリマ
ーは主鎖の切断が発生する。これに対し、ペンダント状
にオレフィンオリゴマーセグメントを結合したポリマー
は、ペンダントオレフィンオリゴマーセグメントの切断
だけの問題であって、物性に影響の大きい主鎖は、酸素
を捕捉してもまったく影響を受けないことになる。物性
的な面を考慮する時はペンダント状結合した酸素捕捉性
樹脂の方が好ましい。
【0030】ポリオレフィン系またはビニル系の重合体
においては、オレフィンオリゴマーセグメントの分子量
は、酸素捕捉性樹脂が透明性、酸素捕捉性樹脂の主たる
構成化合物の種類、オリゴマーセグメントを主鎖に導入
するかまたはペンダント状に導入するかなどの導入の形
態、オリゴマーを構成する化合物の種類、酸素捕捉性樹
脂一分子中に導入する平均オリゴマーセグメント数、オ
リゴマー中の炭素−炭素不飽和結合の数などにより変わ
るので適切な数値は出せないが、導入オリゴマーセグメ
ント数が多い時には分子量が小さくてもよく、導入オリ
ゴマーセグメント数が小さい時には分子量が大きくなる
傾向があり、一般的には酸素捕捉性樹脂一分子中に平均
約5個未満であり、透明性が必要な時にはブタジエンオ
リゴマーであればオリゴマー分子量として1000〜1
0000程度のものが使用できる。なおブタジエン−ス
チレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
樹脂などの場合には、樹脂として物性上必要とされるブ
タジエン量が共重合されていれば良い。
【0031】このような酸素捕捉性樹脂は、そのまま単
独では酸素との反応性が低いため、反応性を高めるため
に該樹脂中に遷移金属化合物を触媒量添加する必要があ
る。適切な遷移金属化合物としては、マンガン、コバル
ト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウムなどが挙げら
れ、最も好ましくはコバルトである。これらの金属の好
ましい対イオンとしては塩化物イオン、酢酸イオン、ス
テリン酸イオン、パルミチン酸イオン、2−エチルへキ
サン酸イオン、ネオデカン酸イオン、ナフテン酸イオン
などがあるがこれに限定されるものではない。特に好ま
しいものは2−エチルへキサン酸コバルト、ネオデカン
酸コバルトが挙げられる。これ以外に遷移金属化合物は
アイオノマ−であってもよくこれらは該技術分野では周
知のものである。該遷移金属化合物の配合量は、金属と
して酸素捕捉性樹脂の重量の0.001ないし1%の範
囲、好ましくは0.01ないし03%である。この下限
以下においては反応促進の効果が認められず、また1%
を超えて配合しても効果は飽和していて酸素との反応速
度を高めることはなく、単に物性の低下、コストアップ
を招くのみである。
【0032】また、酸素捕捉性樹脂層に該遷移金属化合
物に加え、光酸化促進剤(増感剤)を添加することが好
ましい。光酸化促進剤としては、ベンゾフェノン、o−
メトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o−メトキ
シアセトフェノン、アセナフテンキノン、メチルエチル
ケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェ
ニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノ
ン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノ
ン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルなどが使用
できるがこれに限定されない。
【0033】この光酸化促進剤は、光への暴露により酸
素捕捉性樹脂の酸素捕捉速度を促進するものであるが、
酸素捕捉性樹脂の種類、光の波長及び強度などにより変
化する。樹脂の透明性が低ければ光酸化促進剤の使用量
は増加する必要がある。通常は全樹脂組成物に対して
0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%程
度になる。上記遷移金属化合物及び光酸化促進剤につい
ては特開平5−194949において詳細に説明されて
いる。
【0034】このような酸素捕捉性樹脂は、該樹脂単独
で使用してもよいが、コストを安くするために他の樹脂
で希釈して使用してもよい。希釈する樹脂の種類はでき
ればポリエステル系の酸素捕捉性樹脂であればPETな
どのポリエステル樹脂で、ポリオレフィン系の酸素捕捉
性樹脂であればポリプロピレンなど同一系統の樹脂が相
溶性が高く、該樹脂層が透明になる可能性が高いので好
ましい。この場合酸素捕捉性樹脂の配合量は酸素捕捉性
樹脂層の厚さとも関係するが、酸素捕捉性樹脂濃度とし
て少なくとも5%、好ましくは20%以上配合したもの
が使用できる。これ以外に酸素補足性樹脂の酸素補足性
を活性化する方法としては、エレクトロンビーム、γ
線、X線などの放射線照射、α−水素引き抜きエネルギ
ーを付与するための超音波、高周波、熱(高温度)など
外部からのエネルギー付与も効果があり、これらの組み
合わせにより誘導期間を短くすると共に酸素補足速度、
酸素補足量を高くすることができる。また基材となる重
縮合系直鎖ポリマー自身の酸素透過性が小さい樹脂の場
合には、重縮合系酸素捕捉性ポリマー層中を透過する酸
素量が極めて小さいため、ポリマーに溶解する量も小さ
く、溶解した酸素はポリマー層中で完全に捕捉されるた
めか、見かけ上酸素捕捉性ポリマーというよりはガスバ
リア性樹脂としての性能が強く発揮される。中でも酸素
透過性の小さいMXD6などにおいては、酸素透過量が
検出できないほど(酸素捕捉性はわずかに認められる
が)にガスバリア性が顕著に向上することが見出され
た。
【0035】本多層成形容器のガスバリア層は必須の要
件ではないが、それを備えた時は多層成形容器の耐酸素
バリア性を長期間維持することが容易になる。該ガスバ
リア層は、酸素補足性樹脂層の外側にガスバリア性樹脂
層を設けるかアルミニウム箔アルミニウム蒸着フィル
ム、SiOX 蒸着フィルムまたはアルミナ蒸着フィルム
などを酸素補足性樹脂層の外側に積層することにより多
層成形容器の酸素補足ライフを延長できる効果を有す
る。ガスバリア性樹脂としては低い酸素透過係数を有
し、かつ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用される。例え
ばEVOH、ポリ塩化ビニリデン、MXD6、ポリアク
リロニトリル、PETI(エチレングリコールとテレフ
タール酸、イソフタル酸の共重合体)、PENなどを挙
げることができる。中でも酸素バリア性、コストのバラ
ンスからはEVOHが最も適当である。例えばエチレン
含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モ
ル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して
得られる共重合体ケン化物が好ましい。このEVOHは
フィルムを形成し得るにたる分子量を有するべきであ
り、一般にフェノール:水の重量比で85:15の混合
溶媒中、30℃で測定して0.01dl/g以上、特に
0.05dl/g以上の粘度を有することが好ましい。
【0036】また前記特性を有するガスバリヤ性樹脂の
他の例としてはMXD6が挙げられれる。この樹脂は酸
素バリア性はさほど高くないが、ポリアミド樹脂である
ためPETなどとのラミネートにおいて接着剤が不要で
ある特性を有し、このポリアミドもフィルムを形成する
にたる分子量を有するべきであり、濃硫酸中1.0dl
/gの濃度でかつ30℃の温度で測定した相対粘度(η
rel )が1.1以上、特に1.5以上であることが望ま
しい。 本発明において、中間層として使用するガスバ
リア性樹脂としては、酸素と炭酸ガスに対する高いガス
バリア性を有しかつ熱成形可能な熱可塑性樹脂であれば
特に制限はない。このようなガスバリア性樹脂として、
性能とコストのバランスから見て最も適当な樹脂として
はEVOHを挙げることができる。
【0037】また前記特性を有するガスバリア性樹脂の
他の例としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニ
トリル、炭素数100個あたりのアミド基の数が5〜5
0個、特に6〜20個の範囲にあるポリアミド類、ポリ
エステル共重合体が使用できる。これらのガスバリア性
樹脂もフィルムを形成するにたる分子量を有することが
好ましく、ポリアミドにおいては濃硫酸中1.0dl/
gの濃度でかつ30℃の温度で測定した相対粘度(η
rel )が1.1以上、特に1.5以上であることが望ま
しい。本発明においては、上記のガスバリア性樹脂のう
ちでもEVOH、MXD6及びPETIが好ましい。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づき具体的に説明を行う
が、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0039】(酸素捕捉性樹脂製造用原料樹脂) 1.[PEN] 日本ユニペット(株)製、ユニペットNS763:極限
粘度IV=0.70 2.[PENT8] 日本ユニペット(株)製、ユニペットNS663:極限
粘度IV=0.72 PEN/PET=92モル%/8モル% 3.[PETN8] 日本ユニペット(株)製、ユニペットNS553:極限
粘度IV=0.82、 PEN/PET=8モル%/92モル% 4.[PET] 日本ユニペット(株)製、ユニペットRT543:極限
粘度IV=0.75 5.[MXD6] 三井ガス化学(株)製、MXナイロン6007:相対粘
度=2.7、メルトインデックス=2g/10分(測定
温度=260℃、荷重=2160g) 6.[PA6] 三菱ガス化学(株)製、ノバミット1020、相対粘度
2.0、
【0040】7.[EVOH(44)] (株)クラレ製、エバールEP−E105:エチレン共
重合体比率=44モル%、融点=165℃、メルトイン
デックス=5.5g/10分、(測定温度=260℃、
荷重= 2160g ) 8.[EVOH(32)] (株)クラレ製、エバールEP−F101:エチレン共
重合体比率=32モル%、融点=183℃、メルトイン
デックス=1.3g/10分、(測定温度=260℃、
荷重= 2160g ) 9.[MAH−PP] 日本ポリオレフィン(株)製、アドテックスER−32
0P−MP 10.[ET−184M]エチレン系3元共重合体 日本ポリオレフィン(株)製、アドテックスET−18
4−M
【0041】(ポリエステル系酸素捕捉性樹脂の製造)
本発明の酸素補足性樹脂樹脂の製造においては、すべて
東芝機械(株)製同方向二軸押出機(TEM37BS、
37mmφ、L/D=45)を使用して製造した。 1)ブロック共重合体 [ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(PE−)]基
本樹脂としてPET(日本ユニペット(株)製、ユニペ
ットRT543、極限粘度IV=0.75)を96重量
部をホッパーから導入した。樹脂温度を280℃に設定
し、両末端水酸基ブタジエンオリゴマー(エルフアトケ
ム社製RHT45、Mw=2800)液状物4重量部
に、基本樹脂及び両末端水酸基ブタジエンオリゴマーの
合計量に対し、ステアリン酸コバルトを200ppmを
混合したものを液状注入機を使って4重量部を押出機に
導入し、滞留時間約5分間溶融混練しトランスエステル
化した後、未反応物、低分子物は真空ベントから除去し
た。これを押し出し、溶融ストランドを水中で急冷カッ
トし、ペレットとした。溶融ストランドからペレットを
得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペ
レットを真空乾燥器で温度120℃で2時間充分結晶化
させた後150℃で4時間乾燥し、水分率0.005重
量%以下であることを確認して、以後の成形に使用し
た。
【0042】[ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(P
E−)]PET(日本ユニペット(株)製、ユニペッ
トNS553、極限粘度IV=0.82)を92重量部
をホッパーから導入した。樹脂温度を260℃に設定
し、両末端水酸基ブタジエンオリゴマー(エルフアトケ
ム杜製RLM20、Mw=1230)液状物8重量部
に、基本樹脂及び両末端水酸基ブタジエンオリゴマーの
合計量に対し、ステアリン酸コバルトを200ppmを
混合したものを液状注入機を使って、8重量部を押出機
に導入して、滞留時間約5分間溶融混練しトランスエス
テル化した後、未反応物、低分子物は真空ベントから除
去した。次いで溶融ストランドを水中で急冷カットし、
ペレットとした。溶融ストランドからペレットを得るま
では窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレット
を真空乾燥器で温度120℃で2時間充分結晶化させた
後、150℃で4時間乾燥し、水分率0.005重量%
以下であることを確認して、以後の成形に使用した。
【0043】[ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(P
E−)]基本樹脂としてPET(日本ユニペット
(株)製、ユニペットRT543、極限粘度IV=0.
75)88重量部をホッパーから導入した。樹脂温度を
280℃に設定し、両末端水酸基オクタジエンオリゴマ
ー(メタセシス重合により、オクタジエンからオクタジ
エンオリゴマーを合成し、両末端を加水分解により水酸
基に置換したもの。Mw=2000)液状物12重量部
に、基本樹脂及び両末端オクタジエンオリゴマーの合計
量に対し、ステアリン酸コバルトを200ppm及びベ
ンゾフェノン200ppmを混合したものを液状注入機
を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練
トランスエステル化し、未反応物、低分子物は真空ベン
トから除去した。次いで溶融ストランドを水中で急冷、
カットし、ペレットを得た。溶融ストランドからペレッ
トを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこ
のペレットを真空乾燥器で温度120℃で2時間充分結
晶化させた後、150℃で4時間乾燥し、水分率0.0
05重量%以下であることを確認して、以後の成形に使
用した。
【0044】2)グラフト共重合体 [ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(PE−)]基
本樹脂としてPET(日本ユニペット(株)製、ユニペ
ットRT543、極限粘度IV=0.75)96重量部
をホッパーから導入した。樹脂温度を280℃に設定
し、片末端に2個の水酸基を有するブタジエンオリゴマ
ー(ブタジエンを通常のアニオンリビング重合を行い、
停止反応にエピクロルヒドリンを使い、更に加水分解す
ることにより、片末端に2個の水酸基を有するブタジエ
ンオリゴマーを得た。今回は分子量5000のものを作
成した。)液状物4重量部に基本樹脂及び片末端水酸基
ブタジエンオリゴマーの合計量に対し、ステアリン酸コ
バルトを200ppm混合したものを液状注入機を使っ
て押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練し反応
を行い、未反応物、低分子物は真空ベントから除去した
後、溶融ストランドを水中で急冷、カットし、ペレット
を得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素
雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾
燥器で、温度120℃で2時間充分結晶化させた後、1
50℃で4時間乾燥し、水分率0.005重量%以下で
あることを確認して、以後の成形に使用した。
【0045】[ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−〈P
E−)]基本樹脂としてPEN(日本ユニペット
(株)製、ユニペットNS763、極限粘度IV=0.
70)99重量部に、l重量部のグリセリンを添加した
ものを、290℃で溶融混練し、変性PENを得た。以
下の反応にこの変性PENを使用した。上記の変性PE
Nを92重量部をホッパーから導入した。樹脂温度を2
90℃に設定し、片末端エポキシ基ブタジエンオリゴマ
ー(ブタジエンを通常のアニオンリビング重合を行い、
停止反応にエピクロルヒドリンを使うことにより、片末
端エポキシ基ブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子
量10000のものを作成した。)8重量部に、基本樹
脂及び片末端エポキシ基ブタジエンオリゴマーの合計量
に対し、ステアリン酸コバルトを200ppmを混合し
たものを液状注入機を使って押出機に導入(基本樹脂及
びの供給ホッパーとは異なる、基本樹脂が溶融後の第2
供給口から導入するのが好ましいが、基本樹脂とドライ
ブレンドしてホッパーから導入してもよい。)して、滞
留時間約5分間溶融混練して反応を行い、末反応物、低
分子物は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを
水中で急冷カットし、ペレットを得た。溶融ストランド
からペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行っ
た。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度120℃で
2時間充分結晶化させた後、150℃で4時間乾燥し、
水分率0.005重量%以下であることを確認して、以
下の成形に使用した。
【0046】[ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(P
E−)]基本樹脂としてPENT8(日本ユニペット
(株)製、ユニペットNS663、極限粘度IV=0.
72)88重量部をホッパーから導入した。樹脂温度を
280℃に設定し、片末端に2個の水酸基を有するノル
ボルネンオリゴマー(前述のメタセシス重合をによりノ
ルボルネンオリゴマーを合成し、その後片末端を2個の
水酸基に変性し、水酸基ノルボルネンオリゴマーを得
た。今回は分子量10000のものを作成した。)12
重量部に、基本樹脂及び片末端水酸基ノルボルネンオリ
ゴマーの合計量に対し、ステアリン酸コバルトを200
ppmを混合したノルボルネンオリゴマーを押出機に導
入(基本樹脂及びの供給ホッパーとは異なる、基本樹脂
が溶融後の第2供給口から導入するのが好ましいが、基
本樹脂とドライブレンドしてホッパーから導入してもよ
い。)して、滞留時間約5分間溶融混練して反応を行
い、末反応物、低分子物は真空ベントから除去した後、
溶融ストランドを水中で急冷カットし、ペレットを得
た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲
気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器
で温度120℃で2時間充分結晶化させた後、150℃
で4時間乾燥し、水分量0.005重量%以下であるこ
とを確認して、以後の成形に使用した。
【0047】(ポリアミド系酸素捕捉性樹脂の製造) 1)ブロック共重合体 [ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA−)]ナイ
ロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロン6
007、相対粘度2.7)の94重量部をホッパーから
導入した。樹脂の溶融温度は280℃に設定し、両末端
カルボキシル基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを使
用して通常のアニオンリビング重合を実施した。両末端
カルボキシル基を得るために開始剤アニオン末端を2個
生じる2官能性開始剤を使用する。更に停止反応におい
て炭酸ガスを使用した。今回は分子量2000であ
る。)液状物6重量部に、基本樹脂及びカルボキシル基
ブタジエンオリゴマーの合計量に対し、ステアリン酸コ
バルトを200ppmを混合したものを液状注入機を使
って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練して
反応を行い、未反応物、低分子物は真空ベントから除去
した後、溶融ストランドを水中で急冷カットし、ペレッ
トを得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒
素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空
乾燥器で温度80℃で6時間乾燥し、水分率0.05重
量%以下であることを確認した。成形時に上記の通り製
造したMXD6ナイロン共重合体:50重量部及びMX
ナイロン6007:50重量部をドライブレンドしたも
のを使用した。
【0048】[ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(PA
−)]ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、M
Xナイロン6007、相対粘度2.7)を96重量部、
ホッパーから導入した。樹脂温度を280℃に設定し、
両末端アミノ基ジシクロペンタジエンオリゴマー(前述
のメタセシス重合により、ジシクロペンタジエンオリゴ
マーを合成し、両末端基をアミノ基に置換したものを使
用した。今回の分子量は1000)液状物4重量部に、
基本樹脂及び両末端アミノ基ジシクロペンタジエンオリ
ゴマーの合計量に対し、ステアリン酸コバルトを200
ppmを混合したものを液状注入機を使って押出機に導
入して、滞留時間約5分間溶融混練して反応を行い、未
反応物、低分子物は真空ベントから除去した後、溶融ス
トランドを水中で急冷カットし、ペレットを得た。溶融
ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処
理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度8
0℃で6時間乾燥し、水分率0.05重量%以下である
ことを確認して、以後の成形に使用した。
【0049】[ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(PA
−)]基本樹脂としてナイロン6(三菱ガス化学
(株)製、ノバミッド1020、相対粘度2.0)92
重量部をホッパーから導入した。樹脂温度を260℃に
設定し、両末端カルボキシル基ブタジエンオリゴマー
(ブタジエンを使用して通常のアニオンリビング重合を
実施した。両末端基をカルボキシル基を得るために開始
剤にアニオン末端2個生じる2官能性開始剤を使用す
る。更に停止反応において炭酸ガスを使用した。今回の
分子量は2000)液状物8重量部に、基本樹脂及び両
末端カルボキシル基ブタジエンオリゴマーの合計量に対
し、ステアリン酸コバルトを200ppmを混合したも
のを液状注入機を使ってを押出機に導入して、滞留時間
約5分間溶融混練して反応を行い、未反応物、低分子物
は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水中で
急冷カットし、ペレットを得た。溶融ストランドからペ
レットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さら
にこのペレットを真空乾燥器で温度80℃で6時間乾燥
し、水分率0.05重量%以下であることを確認して、
以後の成形に使用した。
【0050】2)グラフト共重合体 [ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(PA−)]ナイ
ロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロン6
007、相対粘度2.7)96重量部をホッパーから導
入した。樹脂温度を260℃に設定し、片末端に2個の
カルボキシル基を有するブタジエンオリゴマー(ブタジ
エンを通常のアニオンリビング重合を行い、停止反応に
マレイン酸ジメチルエステルを使用し、更に加水分解を
行うことにより、片末端に2個のカルボキシル基を有し
たブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子量2000
のものを作成した。)液状物4重量部に、基本樹脂及び
片末端カルボキシル基ブタジエンオリゴマーの合計量に
対し、ステアリン酸コバルトを200ppmを混合した
ものを液状注入機を使って押出機に導入して、滞留時間
約5分間溶融混練反応した。未反応物、低分子物は真空
ベントから除去した後、溶融ストランドを水中で急冷カ
ットし、ペレットを得た。溶融ストランドからペレット
を得るまでは窒素雰囲気下で処埋を行った。さらにこの
ペレットを真空乾燥器で温度80℃で6時間乾燥し、水
分率0.05重量%以下であることを確認して以後の成
形に使用した。
【0051】[ポリアミド系酸素捕捉性樹脂一(PA
一)]ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、M
Xナイロン6007、相対粘度2.7)99重量部に、
1重量部のアルキレントリアミンを添加したものを、2
90℃で溶融混練反応させ、変性MXD6を得た。
【0052】次いでこの基本樹脂=変性MXD6を92
重量部ホッパーから導入した。樹脂の温度は290℃に
設定し、片末端エポキシ基を有するブタジエンオリゴマ
ー(ブタジエンを通常のアニオンリビング重合を行い、
停止反応にエピクロルヒドリンを使うことにより、片末
端エポキシ基を有したブタジエンオリゴマーを得た。今
回は分子量2000のものを作成した。)液状物8重量
部に、基本樹脂及び片末端エポキシ基ブタジエンオリゴ
マーの合計量に対し、ステアリン酸コバルトを200p
pmを混合したものを液状注入機を使って押出機に導入
して、滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、低分
子物は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水
中で急冷、カットし、ペレットを得た。溶融ストランド
からペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行っ
た。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度80℃で6
時間乾燥し、水分率0.05重量%以下であることを確
認して、以後の成形に使用した。
【0053】(EVOH系酸案捕捉性樹脂の製造) [EVOH系酸素捕捉性樹脂−(EV−)]基本樹
脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(クラ
レ(株)製、EP−E105、エチレンコンテント44
モル%、MI=5.5、融点165℃)を96重量部ホ
ッパーから送入した。樹脂温度を185℃に設定し、片
末端エポキシ基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通
常のアニオンリビング重合を行い、停止反応にエピクロ
ルヒドリンを使うことにより、片末端エポキシ基ブタジ
エンオリゴマーを得た。今回は分子量3000のものを
作成した。)液状物4重量部に基本樹脂及び片末端エポ
キシ基ブタジエンオリゴマーの合計量に対し、ステアリ
ン酸コバルトを200ppmを混合したものを液状注入
機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融混
練して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去した
後、溶融ストランドを水中で急冷しペレットを得た。溶
融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲気下で
処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度
60℃で6時間乾燥し、水分率0.05重量%以下であ
ることを確認して、以後の成形に使用した。
【0054】[EVOH系酸素捕捉性樹脂−(EV−
)]基本樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重
合樹脂(クラレ(株)製、EP−F101、エチレンコ
ンテント32モル%、MI=1.3、融点183℃)9
2重量部をホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は2
00℃に設定し、片末端エポキシ基ブタジエンオリゴマ
ー(ブタジエンを通常のアニオンリビング重合を行い、
停止反応にエピクロルヒドリンを使うことにより、片末
端エポキシ基ブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子
量5000のものを作成した。)液状物8重量部に、基
本樹脂及び片末端エポキシ基ブタジエンオリゴマーの合
計量に対し、ステアリン酸コバルトを200ppmを混
合したものを液状注入機を使ってを押出機に導入して、
滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、低分子物は
真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水中で急
冷しペレットを得た。溶融ストランドからペレットを得
るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレ
ットを真空乾燥器で温度60℃で6時間乾燥し、水分率
0.05重量%以下であることを確認して、以後の成形
に使用した。
【0055】(ポリオレフィン系酸素捕捉性樹脂の製
造) [ポリオレフィン系酸素捕捉性樹脂−(PO−)]
基本樹脂として無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂
(日本ポリオレフィン(株)製、ER−350P−M
P、無水マレイン酸コンテント1.0重量%、MI=8
0)92重量部をホッパーから導入した。樹脂の溶融温
度は185℃に設定し、片末端水酸基ブタジエンオリゴ
マー(ブタジエンを通常のアニオンリビング重合を行
い、停止反応にエチレンオキサイドを使うことにより、
片末端水酸基ブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子
量5000のものを作成した。)液状物8重量部に、基
本樹脂及び片末端エポキシ基ブタジエンオリゴマーの合
計量に対し、ステアリン酸コバルトを200ppmを混
合したものを液状注入機を使って押出機に導入して、滞
留時間約5分間溶融混練した。未反応物、低分子物は真
空ベントから除去した後、溶融ストランドを水中で急冷
し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレットを得
るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレ
ットを真空乾燥器で温度60℃で6時間乾燥し、水分率
0.05重量%以下であることを確認して、以後の成形
に使用した。
【0056】[ポリオレフィン系酸素捕捉性樹脂−
(PO−)]無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂
(日本ポリオレフィン(株)製、ET−184M、無水
マレイン酸コンテント2.5重量%、MI=10)を8
8重量部ホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は18
5℃に設定し、片末端水酸基ブタジエンオリゴマー(ブ
タジエンを通常のアニオンリビング重合を行い、停止反
応にエチレンオキサイドを使うことにより、片末端水酸
基ブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子量5000
のものを作成した。)液状物12重量部に、基本樹脂及
び片末端エポキシ基ブタジエンオリゴマーの合計量に対
し、ステアリン酸コバルトを200ppmを混合したも
のを液状注入機を使って押出機に導入して、滞留時間約
5分間溶融混練した。未反応物、低分子物は真空ベント
から除去した後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレ
ットを得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは
窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真
空乾燥器で温度60℃で6時間乾燥し、水分率0.05
重量%以下であることを確認して、以後の成形に使用し
た。上記酸素捕捉性樹脂の製造条件及びその構成の概要
を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】*1:PE=ポリエステル系、PA=ポリ
アミド系、EV=EVOH系、PO=ポリオレフィン系 *2:PBD=ポリブタジエン *3:POD=ポリオクタジエン *4:PNB=ポリノルボルネン *5:PDCPD=ポリジシクロペンタジエン
【0059】(熱可塑性樹脂) ポリプロピレン(PP) 日本ポリオレフィン(株)製、サンアロマー、PM76
1A ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT) テイジン(株)製、PBT(C7000)、密度=1.
31 ポリスチレン(PS) 旭化成(株)製、スタイロン(GPグレード、ガラス転
移温度100℃) ポリエチレン(PE) 日本ポリオレフィン(株)製、ジェイノレックスHDP
E KM870A 密度=0.955g/cm3
【0060】(バリア性樹脂) MXD−6−2 東洋紡績(株)製、OSMフィルム:MI=2g/10
分、(260℃、荷重=2160g) MXD6−2 東洋紡績(株)製、OSMフィルム メルトインデックス=2g/10分(260℃、荷重=
2160g) EVOHフィルム 前記EVOH(44)を樹脂温度190℃でT−ダイフ
ィルム成形し、厚み20μmのフィルムを得た。 EVOHフィルム 前記EVOH(32)を樹脂温度195℃でT−ダイフ
ィルム成形し、厚み20μmのフィルムを得た。 アルミニウム箔 昭和アルミニウム(株)製、厚み20μmのものを使用
した。 ポリアクリロニトリルフィルム タマポリ(株)製、ハイトロンBX、厚み20μmのフ
ィルムを使用した。
【0061】(実施例1〜16)内層から外層へ熱可塑
性樹脂(1)層/酸素補足性樹脂層(/ガスバリア性樹
脂層)/熱可塑性樹脂(2)層の基本構成からなる積層
体の各層の樹脂組成及び厚さを表2に示した。積層体
は、各層をのシートをウレタン形接着剤を使用し、ドラ
イラミネートを行った。得られた多層シートを真空成形
して、直径7cm、容積80ccのほぼ円筒に近い容器
を成形した。
【0062】
【表2】
【0063】(比較例1〜16)内層から外層へ熱可塑
性樹脂(1)層/酸素補足性樹脂層(/ガスバリア性樹
脂層)/熱可塑性樹脂(2)層において、実施例の酸素
補足性樹脂を他の酸素補足性の内樹脂に代えた層構成で
あり、その層構成の内容及び厚さを表3に示した。積層
体は実施例と同様に成形し、かつ同様なサイズの容器を
成形した。
【0064】
【表3】
【0065】(評価方法)実施例1〜16及び比較例1
〜16で製造したラミネートフィルム及びそれの2枚を
ヒートシール層を合わせてヒートシールしてパッケージ
(四方パウチ:150mm×200mm)を製造した。
このパウチ内に窒素400mlを充填し、23℃下記の
方法によりガスバリア性を測定した。結果を表3及び表
5に示す。
【0066】1)酸素透過度 酸素透過度は、モコン社製、OX−TRAN2/20M
Lにより、温度25℃で内面が酸素濃度(分圧で mm
Hg)65%RHの測定条件で求めた。 2)パウチ内酸素濃度 窒素置換後のパウチ内の酸素濃度の変化 上記で製造したパウチ内に窒素400mlを充填した
後、23℃にコントロールした室内に保存し、パウチ内
の酸素濃度を経時的に測定した。測定開始時の酸素濃度
は0.70%であった。 空気充填後のパウチ内の残留酸素濃度の変化 実施例及び比較例で作成した積層体容器に空気80cc
を充填した後、その外面をアルミニウム箔複合積層体で
ヒートシールして外気と確実に隔離した。これを23℃
にコントロールした室内に保存し、パウチ内の酸素濃度
を経時的に測定した。スタート時の酸素濃度は21.0
%であった。これらの結果を表4及び表5に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【発明の効果】本発明の多層成形容器は、内側から熱可
塑性樹脂層/酸素捕捉性樹脂を含む樹脂層/熱可塑性樹
脂層の順に積層したものであり、容器壁面に酸素バリア
性があるだけでなく、該壁面が多層成形容器内部の酸素
を捕捉してこれを消滅できるプラスチック多層成形容器
である。特に酸素捕捉性が多層成形容器の壁面全体で行
われるため、これまでの脱酸素剤を封入した形態の耐酸
素多層成形容器と比較する時は、脱酸素が局所的でなく
多層成形容器全体にわたり均一に行われる効果が奏され
る。更に熱可塑性樹脂層/酸素補足性樹脂を含む樹脂層
/ガスバリア性樹脂層/熱可塑性樹脂層の順に積層した
多層成形容器とした時は、多層成形容器内部の酸素を消
滅するだけでなく、外部からの透過してくる酸素ガス量
を大幅に削減できるため、多層成形容器の酸素捕捉容量
は同じであっても効力維持期間は増大し、プラスチック
多層成形容器内部において長期間の酸素存在量ゼロの時
間を確保できることになる。特に本多層成形容器は、内
容物に対し酸素の影響がないのでシェルフライフが長
い、脱酸素剤を使用していないので容器内部に湿分の存
在が不要である、充填時に窒素ガス雰囲気が不要などの
特徴があるほか、食品、特に調理済食品などに必要とさ
れるレトルト殺菌ができ、また蓋をはずして電子レンジ
調理適応性も可能である特徴を有しているものであって
従来の食品包装用プラスチック多層成形容器にない優れ
た特徴を有する多層成形容器である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E033 BA09 BA13 BA15 BA16 BA18 BA19 BA21 BA22 BA23 BB04 BB08 CA03 CA16 GA01 GA02 GA03 4F100 AA02B AA36B AB10D AB33D AK01A AK01C AK01D AK02B AK03B AK05A AK05C AK07A AK07C AK12A AK12C AK16D AK27D AK28B AK29B AK41B AK41K AK42A AK42C AK46A AK46B AK46C AK46D AK51G AK69D AL04B BA03 BA04 BA07 BA10A BA15 CA09B CA30B CB00 DA01 EH66D GB16 JB16A JB16C JC00 JD02D JD14 JD14B JK10 JL02 JL03 JL04 JL16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層から外層へ、熱可塑性樹脂(1)層
    /酸素補足性樹脂を含む樹脂層/熱可塑性樹脂(2)
    層、または熱可塑性樹脂(1)層/酸素補足性樹脂を含
    む樹脂層/ガスバリア性樹脂層/熱可塑性樹脂(2)層
    の順に積層されており、真空成形、圧空成形、ブロー成
    形または射出成形により製造されたことを特徴とするプ
    ラスチック多層成形容器。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリ
    スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
    テレフタレート、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
    レン及びポリアミドからなる群から選ばれた樹脂である
    請求項1に記載のプラスチック多層成形容器。
  3. 【請求項3】 酸素捕捉性樹脂が、分子中に炭素−炭素
    不飽和結合を有するポリオレフィンセグメントを結合し
    たポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系ま
    たはビニル系の重合体である請求項1に記載のプラスチ
    ック多層成形容器。
  4. 【請求項4】 酸素捕捉性樹脂が、金属原子として50
    ないし500ppmの遷移金属化合物含む、1ないし1
    5重量%の炭素−炭素不飽和結合を有するポリオレフィ
    ンオリゴマーセグメント及び85ないし99重量%の主
    たるポリマーセグメントからなる請求項1に記載のプラ
    スチック多層成形容器。
  5. 【請求項5】 酸素捕捉性樹脂層に対し、紫外線および
    /または可視光線に対し増感作用を有する光酸化促進剤
    を配合した請求項3に記載のプラスチック多層成形容
    器。
  6. 【請求項6】 酸素捕捉性樹脂中のポリオレフィンオリ
    ゴマーセグメントが、ブタジエン、ノルボルネン、ジシ
    クロペンタジエン及びイソプレンの重合されたオリゴマ
    ーユニットのいずれか一つを含む、分子量が1000な
    いし10000のオリゴマーセグメントである請求項3
    ないし5のいずれか1項に記載のフレキシブルパッケー
    ジ。
  7. 【請求項7】 酸素捕捉性樹脂中の炭素−炭素不飽和結
    合を有するポリオレフィンオリゴマーセグメントが、主
    たるポリマーセグメントの主鎖としてまたは分岐状にペ
    ンダントとして結合した酸素捕捉性樹脂である請求項3
    ないし6のいずれか1項に記載のプラスチック多層成形
    容器。
  8. 【請求項8】 ガスバリア層が、アルミニウム箔、アル
    ミニウム蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルムまたはエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(EVOH)、
    ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリキシリレンジア
    ミンアジパミド及びポリアクリロニトリルの群のうちか
    ら選ばれた樹脂である請求項1に記載のプラスチック多
    層成形容器。
JP23101499A 1999-08-18 1999-08-18 プラスチック多層成形容器 Pending JP2001055216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23101499A JP2001055216A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 プラスチック多層成形容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23101499A JP2001055216A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 プラスチック多層成形容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001055216A true JP2001055216A (ja) 2001-02-27

Family

ID=16916903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23101499A Pending JP2001055216A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 プラスチック多層成形容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001055216A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004527395A (ja) * 2001-03-09 2004-09-09 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 超高酸素バリアフィルム及びそれらから製造される物品
JP2007283569A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Kyoraku Co Ltd 酸素バリア性多層延伸フィルム及びそれを用いた多層包装体
JP2020536906A (ja) * 2017-10-10 2020-12-17 サン ファーマシューティカル インダストリーズ リミテッドSun Pharmaceutical Industries Ltd. ペメトレキセドの静脈内注入剤形

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004527395A (ja) * 2001-03-09 2004-09-09 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 超高酸素バリアフィルム及びそれらから製造される物品
JP2007283569A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Kyoraku Co Ltd 酸素バリア性多層延伸フィルム及びそれを用いた多層包装体
JP2020536906A (ja) * 2017-10-10 2020-12-17 サン ファーマシューティカル インダストリーズ リミテッドSun Pharmaceutical Industries Ltd. ペメトレキセドの静脈内注入剤形

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100875052B1 (ko) 산소흡수성 수지, 산소흡수성 수지 조성물 및 산소흡수성용기
KR101880332B1 (ko) 산소 흡수성 수지 조성물 및 이를 이용한 산소 흡수성 성형체, 및 이들을 이용한 다층체, 용기, 인젝션 성형체 및 의료용 용기
EP1953180B1 (en) Oxygen-absorbing resin, oxygen-absorbing resin composition and oxygen-absorbing container
EP2792713B1 (en) Oxygen-absorbing resin molded article obtained from an oxygen-absorbing resin composition, and multilayer body, container, injection-molded article and medical container using the composition
JP2001106920A (ja) ガスバリア性樹脂組成物
KR20130115334A (ko) 산소 흡수성 수지 조성물
JP2001047561A (ja) 酸素捕捉機能樹脂層を含むラミネートフィルム及びそれを使用したフレキシブルパッケージ
JP6079640B2 (ja) 酸素吸収性樹脂組成物
JP2001106866A (ja) 酸素吸収性樹脂組成物
KR20080112288A (ko) 산소흡수성 수지, 산소흡수성 수지 조성물 및 산소흡수성 용기
JP2001072115A (ja) イージーピール蓋材
JP2001097342A (ja) ビール用プラスチックボトル
JP5266602B2 (ja) 酸素吸収性樹脂、酸素吸収性樹脂組成物及び酸素吸収性容器
JP2001048182A (ja) ビール用プラスチックボトル
JP2003300292A (ja) プラスチック多層構造体
KR20160127788A (ko) 산소 흡수성 수지 조성물
JP2001062963A (ja) 透明プラスチック多層成形容器
JP2001055216A (ja) プラスチック多層成形容器
TWI595049B (zh) 氧吸收性樹脂組成物與使用此組成物所成的多層體、容器、噴射成形體及醫療用容器
WO2014010598A1 (ja) 酸素吸収性樹脂組成物
JP2001080014A (ja) 紙製容器用基材及び酸素捕捉性紙製容器
JP2001031768A (ja) 酸素バリア性ポリマー
JP2001031760A (ja) 酸素不透過性樹脂
JP2002069319A (ja) ガスバリア性を有する樹脂組成物
JP2001071408A (ja) 任意に酸素吸収を開始させ得るフレキシブルパッケージ用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20050530