JP2001031760A - 酸素不透過性樹脂 - Google Patents

酸素不透過性樹脂

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JP2001031760A
JP2001031760A JP11208583A JP20858399A JP2001031760A JP 2001031760 A JP2001031760 A JP 2001031760A JP 11208583 A JP11208583 A JP 11208583A JP 20858399 A JP20858399 A JP 20858399A JP 2001031760 A JP2001031760 A JP 2001031760A
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oxygen
carbon
segment
polymer
oligomer
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JP11208583A
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Takeshi Nagao
勇志 長尾
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
Otohiko Miyauchi
乙彦 宮内
Kensuke Onishi
健介 大西
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Resonac Holdings Corp
Altemira Co Ltd
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Aluminum Can Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、成形性が良好、透明性を選択すること
も可能で、従来の樹脂の成形加工性を有していながら確
実な酸素捕捉性を有し、酸素バリア性を飛躍的に改善し
たポリマー及びその製造方法の提供。 【解決手段】 大部分を構成するポリアミド系、ポリカ
ーボネート系系またはポリアリレート系の重縮合系ポリ
マーセグメントと小部分を構成する炭素−炭素不飽和結
合を有するブタジエン、ノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエンまたはイソプレンの単独重合体またはオレフィン
との共重合体の骨格を有するオレフィンオリゴマーセグ
メントからなる重縮合系ポリマーにおいて、オレフィン
オリゴマーセグメントがブロック状に主鎖に結合したこ
とを特徴とする酸素不透過性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主鎖に炭素−炭素
不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー基を有し、酸
素捕捉性を有すると共に、酸素の透過量をゼロとした酸
素バリア性ポリマー、その製造方法及びそれを使用した
酸素バリア性ポリマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医薬、写真用薬剤、工業用薬品な
ど酸素との接触を嫌う化学品、お茶、コーヒー、ワイ
ン、ビール、海苔など吸湿を嫌う商品、酸素と易反応性
または接触を嫌う飲食物などの包装材として、アルミニ
ウム箔、ガラスびん、合成樹脂の成形体、フィルムまた
はそれにアルミニウムなどの金属を蒸着したフィルム、
最近は紙製品(樹脂加工、アルミニウム箔または金属蒸
着加工した製品)など各種のものが使用されている。中
でも熱可塑性樹脂、それを含む成形体またはフィルムが
その軽量性、成形性、ヒートシールなどの包装生産性、
コストの面で優越しており、最も大量に使用されてい
る。
【0003】しかしながら、一般に熱可塑性樹脂の容器
や成形体は包装材として優れてはいるが、いくら密閉性
をよくしても樹脂自体が酸素ガス透過性であり、内容物
と酸素との接触を防止することは困難である。このため
ガスバリア性のあるエチレン−酢酸ビニル共重合体けん
化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体とも言われ
る。以下「EVOH」という。)、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリメタキシリレンジアミ
ンアジポアミド(以下「MXD6」という)あるいはア
ルミニウム箔とのラミネートフィルムまたは積層体、あ
るいは熱可塑性樹脂成形体(フィルムも含む)にアルミ
ニウムなどの金属を蒸着するなどによりガスバリア性を
改善したものが使用されてきた。上記のガスバリア材の
中でも、EVOHはガスバリア性も熱可塑性樹脂中では
最も高いものの一つであり、安価で成形加工性が良く、
供給に問題がないなど取扱が容易な点において優れた材
料である。
【0004】このEVOHの一つの難点として吸湿性が
強く、吸湿した時はガスバリア性が低下するという点に
ある。このため吸湿させないようにポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PE
T」という。)、ポリアミドなどの疎水性樹脂でその両
面を被覆することが行われている。なおこれらのガスバ
リア性樹脂はすべて、ガス透過性が極めて小さいという
特性があるが、アルミニウム箔やガラスなどのように酸
素透過率がゼロというわけでなく、ポリオレフィンなど
の熱可塑性樹脂の場合の1/100〜1/1000程度
とすることが可能であるだけで酸素が透過することは避
けられない。
【0005】また容器の形態にもよるが、酸素と易反応
性、酸素との接触を嫌う商品においては窒素ガスや炭酸
ガス雰囲気下の酸素ガスの不存在下での充填などが行わ
れてはいるが、これとても酸素との接触を嫌う商品の酸
素ガスとの接触を確実に防止することは容易ではない。
特に、ガスバリア性樹脂を積層した場合であっても熱可
塑性樹脂性の容器内に残存する空気などの中の酸素を除
去することは相当に困難であって、更に長期間の保存が
必要な場合には、包装体の全表面から浸透してくる酸素
をゼロにすることはほとんど不可能である。
【0006】このように包装体内の酸素ゼロとするため
に、酸素を積極的に吸着(反応除去)する脱酸素剤が開
発されている。その主体は鉄金属系のものが多く、その
粉末または成形体を紙などの不織布、ガーゼに包み、包
装体に同封して使用されている。この脱酸素剤は安価で
あり手軽に使用できるが、食品などの包装に使用する時
は、幼児などがこれを食品と誤認して食べたりすること
がまれにではあるが起きている。この系統の脱酸素剤
は、低湿度においては除去能力が発揮できず、相当の高
湿度雰囲気下において初めて有効に能力を発揮するもの
であり、また炭酸ガスの高濃度の雰囲気下では酸素除去
能力を失うなどの問題があり、水溶液などにおいてはそ
の能力を発揮できない。またこのタイプの脱酸素剤は包
装体内の全体に均一に封入することは不可能であり、局
部的に封入されているため酸素の除去も均一とはなら
ず、酸素との接触を嫌う商品の種類によっては使用不可
能あるいは効果が期待できないような場合が発生する。
【0007】したがって酸素ガスバリア性ポリマー自身
に脱酸素剤を配合してこれに酸素捕捉性を付与し、これ
を酸素ガスバリア性ポリマーに酸素捕捉性とし、これと
熱可塑性樹脂をラミネートまたは積層する手段は極めて
有効と考えられ、特公平4−60826号公報、特公平
4−60827号公報、特開平7−67594号公報、
特開平7−171194号公報特開平7−309323
号公報、特開平9−40024号公報など多くの提案が
なされている。しかし、脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合
することは、樹脂の加工性を低下させること、物性も低
下することなどが避けられずこの問題を解決できる他の
手段の開発が必要であった。
【0008】これに対しWO98/12127において
は、主としてポリエステルセグメントと酸素捕捉量(2
〜12重量%)のポリオレフィンオリゴマーセグメント
(ポリブタジエンセグメント)からなるコポリエステル
を用いた耐酸素用ボトルが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は軽量、成形性
が良好であり、透明性を選択することも可能であり、従
来の樹脂の成形加工性を有していながら従来知られてい
る酸素バリア性ポリマーと比較して酸素捕捉性を有し、
酸素バリア性を飛躍的に改善したポリマー及びその製造
方法の開発を目的とする。なお本酸素バリア性ポリマー
はわずかではあるが酸素と反応性があり、湿分や炭酸ガ
スの存在に影響されず酸素を捕捉できる酸素バリア性ポ
リマーである。
【0010】本発明は、[1] 大部分を構成するポリ
アミド(以下「NY」という。)系、ポリカーボネート
系(以下「PC」という。)系またはポリアリレート
(以下「PAR」という。)系の重縮合系ポリマーセグ
メントと小部分を構成する炭素−炭素不飽和結合を有す
るオレフィンオリゴマーセグメントからなる重縮合系ポ
リマーにおいて、オレフィンオリゴマーセグメントがブ
ロック状に主鎖に結合したことを特徴とする酸素不透過
性樹脂、[2] 炭素−炭素不飽和結合を有するオレフ
ィンオリゴマーセグメントが、ブタジエン、ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエンまたはイソプレンの単独重合
体またはオレフィンとの共重合体の骨格を有するセグメ
ントである上記[1]に記載の酸素不透過性樹脂、
[3] 重縮合系ポリマーが、0.5ないし15重量%
に相当する分子量1000ないし10000の炭素−炭
素不飽和結合オレフィンオリゴマーセグメント及び9
9.5%ないし85重量%の重縮合系ポリマーセグメン
トよりなる上記[1]に記載の酸素不透過性樹脂、
【0011】[4] 重縮合系ポリマーの製造におい
て、両末端に反応性のある官能基を有しかつ分子内に炭
素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマーを共
存させて同時に重縮合反応させ、主鎖の内部にポリオレ
フィンオリゴマーセグメントをブロック状に結合させる
ことを特徴とする酸素不透過性樹脂の製造方法、
【0012】[5] ポリカーボネートまたはポリアリ
レートの合成において、分子量1000〜10000の
炭素−炭素不飽和結合を有する両末端にカルボキシル基
または水酸基を有するポリオレフィンオリゴマーを共存
させてエステル化反応を行い、ポリオレフィンオリゴマ
ーセグメントを主鎖内部に結合させる上記[4]に記載
の酸素不透過性樹脂の製造方法、[6] ポリアミドの
合成において、両末端にカルボキシル基またはアミノ基
あるいは水酸基を有し、かつ炭素−炭素不飽和結合を有
する、分子量1000〜10000のポリオレフィンオ
リゴマーを共存させてアミド化反応を行い、ポリオレフ
ィンオリゴマーセグメントを主鎖内部に結合させる上記
[4]に記載の酸素不透過性樹脂の製造方法、
【0013】[7] ポリカーボネートまたはポリアリ
レートに対し、これら重縮合系ポリマーに分子量100
0〜10000の炭素−炭素不飽和結合を有する両末端
にカルボキシル基または水酸基を有するポリオレフィン
オリゴマーを反応させ、トランスエステル化反応をさせ
主鎖内部にポリオレフィンオリゴマーセグメントを結合
させる酸素不透過性樹脂の製造方法、[8] ポリアミ
ドに対し、これら重縮合系ポリマーに両末端にカルボキ
シル基またはアミノ基あるいは水酸基を有し、かつ炭素
−炭素不飽和結合を有しを有する、分子量1000〜1
0000のポリオレフィンオリゴマーを反応させ、トラ
ンスアミド化またはトランスエステル化反応させ主鎖内
部にポリオレフィンオリゴマーセグメントを結合させる
酸素不透過性樹脂の製造方法、
【0014】[9] 大部分を構成するNY系、PC系
またはPAR系の重縮合系ポリマーセグメントと小部分
を構成する炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオ
リゴマーセグメントからなる重縮合系ポリマーにおい
て、オレフィンオリゴマーセグメントがブロック状に主
鎖に結合した酸素不透過性樹脂に50〜500ppmの
遷移金属化合物を配合したことを特徴とする酸素不透過
性樹脂組成物、及び[10] 酸素バリア性ポリマー
が、ポリマーの大部分を構成する酸素バリア性重縮合系
ポリマーセグメントと小部分を構成するポリオレフィン
オリゴマーセグメントからなり、更に触媒量の遷移金属
化合物及び光酸化促進剤を含んでなる樹脂組成物である
酸素バリア性樹脂組成物、を開発することにより上記の
課題を解決した。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において重縮合系ポリマ
ー、特にPC、PAR及びNYを使用する。これらの樹
脂はいずれもポリオレフィンなどに比して耐熱性が高
く、剛性のあるポリマーであり、インジェクション成
形、押出成形などの加工性があるポリマーである。NY
は、二価カルボン酸とジアミンとの重縮合あるいはラク
タムの開環重合により製造されるもので、主鎖中にアミ
ド結合を有するものである。各種のNY(=ナイロン)
が製造されているが、脂肪族系だけでなく、メタキシリ
レンジアミンとアジピン酸の重縮合体であるキシリレン
ジアミンアジパミド(=MXD6)などの芳香族系ナイ
ロンも含まれる。
【0016】PCは主鎖中に炭酸エステル結合(−O−
R−O−CO−)を有する線状高分子であり、PARと
同様に樹脂としては優れているものである。PARは、
芳香族ジカルボン酸と二価のフェノールとの重縮合体で
あり、PETと比較すると透明性が高く、低い酸素透過
度、低い水蒸気透過度、高い耐熱性、耐衝撃強度、弾性
率などの高い機械的物性、優れた難燃性、成形における
高い寸法安定性、紫外線不透過性と紫外線に対する安定
性を有し、全般的にPETよりすぐれた樹脂である。
【0017】重縮合系ポリマーの合成の際に、ジアミ
ン、ジカルボン酸、グリコールなどの原料の一部とし
て、両末端に重縮合可能な官能基を有し、かつ炭素−炭
素不飽和結合を有する分子量が1000〜10000の
オレフィンオリゴマーを用いることにより、大部分を構
成するポリアミド系、ポリカーボネート系またはポリア
リレート系の重縮合系ポリマーセグメントと小部分を構
成する炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴ
マーセグメントがブロック状に主鎖に結合したNY、P
CまたはPARなどの重縮合系ポリマーとすることがで
きる。すなわち、上記のNYの合成においては、両末端
にカルボキシル基、アミノ基、場合によっては水酸基を
有し、炭素−炭素不飽和結合を有する分子量1000〜
10000のオレフィンオリゴマーセグメントを、NY
の原料であるジカルボン酸とジアミン(ナイロン塩でも
可)あるいはラクタムなどと混合して反応させることに
より製造できる。
【0018】またNY、PCまたはPARの重縮合系ポ
リマーに対し、少量の両末端にアミノ基、水酸基または
カルボキシル基を有し、炭素−炭素不飽和結合を有する
分子量1000〜10000のオレフィンオリゴマーを
混合して、溶融しながらトランスアミド化あるいはトラ
ンスエステル化反応させることにより、NY、PCまた
はPARの主鎖にポリオレフィンオリゴマーセグメント
を有する重縮合系ポリマーを製造することができる。
【0019】上記重縮合反応に使用するオレフィンオリ
ゴマー誘導体としては、オレフィンオリゴマーセグメン
ト鎖中に炭素−炭素不飽和結合を有することが必要であ
る。このようなオリゴマーは、ブタジエン、イソプレン
などの共役二重結合を有するジエン、あるいはノルボル
ネン、ジシクロペンタジエンなどの非共役ジエンのホモ
オリゴマーあるいはこれらジエン化合物とエチレン、プ
ロピレンなどのオレフィンとの共重合オリゴマーを挙げ
ることができる。これらオリゴマーは、重縮合系ポリマ
ー主鎖に結合した官能基と反応性を有する官能基を導入
することが必要であり、その手段としては、ジエン化合
物を含むオリゴマーをメタセシス重合あるいはアニオン
リビング重合によりオリゴマーを合成し、それに官能基
を導入することにより合成できる。
【0020】反応性官能基を有する重縮合系ポリマーに
導入する炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリ
ゴマーセグメントの量としては、重縮合系ポリマーの
0.5〜15重量%、特に3〜7重量%を導入すること
が好ましい。0.5重量%よりオレフィンオリゴマーセ
グメントの導入量が少ない場合には酸素補足能力が小さ
く、酸素バリア性の保持時間が小さくなり(現時点では
その期限が確認はできなかったが短くなると考えられ
る。)十分な能力を発揮することができない。また15
重量%を超えてオレフィンオリゴマーセグメントを導入
すると重縮合系ポリマーの加工性、物性値が低下するの
で好ましくない。本発明の酸素バリア性ポリマーは、酸
素バリア反応の機構的は、ポリマー中に溶解してくる酸
素とポリマーのオレフィンオリゴマーセグメントが直接
反応して酸素を捕捉するためと理解している。この場
合、ポリマー自身はガスバリア性があるので酸素透過量
はわずかしかないのに対し、そのわずかな透過酸素を樹
脂層内で捕捉してしまうため、結果として該樹脂自身は
もちろん酸素捕捉性は弱いながらも有してはいるが、酸
素捕捉性ポリマーとしてよりも酸素バリア性樹脂として
の性能が顕著に現れるためと考えられる。
【0021】なお本発明のポリマーは、大部分を構成す
る重縮合系ポリマーセグメントが透明性の時は重縮合系
酸素捕捉性ポリマーも透明性あるポリマーとする可能性
が高い。大部分を構成する重縮合系ポリマーセグメント
として、MXD6ナイロンなどの酸素バリア性ポリマー
とした時には、還元鉄系の脱酸素剤をブレンドした樹脂
とは異なって成形加工性は酸素バリア性樹脂とほぼ同様
である。特に還元鉄系の脱酸素剤が湿度依存性があり湿
度がないと活性が発揮できないのに対し、湿度がまった
くない乾燥状態においても有効に脱酸素が可能な特性が
ある。またPCのようにガス透過性の大きい重縮合系ポ
リマーを使用したときは酸素捕捉性が顕著に現れ、容器
内に挿入したときは該容器内の酸素を吸収し、脱酸素剤
としての機能も有することが明らかになった。この場合
の脱酸素性能は環境の湿度や炭酸ガス濃度に影響を受け
ないため、酸素バリア性樹脂としての機能と合わせ、乾
燥品のための脱酸素剤あるいは炭酸ガスを含む飲料など
のための脱酸素剤として有効に使用できる。
【0022】なお本発明の酸素バリア性ポリマーは、そ
のまま単独では酸素との反応性が低いため、反応性を高
めるために該樹脂中に遷移金属化合物を触媒量添加する
ことが好ましい。適切な遷移金属化合物としては、マン
ガン、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム
などが挙げられ、最も好ましくはコバルトである。これ
らの金属の好ましい対イオンとしては塩化物イオン、酢
酸イオン、ステアリン酸イオン、パルミチン酸イオン、
2−エチルへキサン酸イオン、ネオデカン酸イオン、ナ
フテン酸イオンなどがあるがこれに限定されるものでは
ない。特に好ましいものはステアリン酸コバルト、2−
エチルへキサン酸コバルト、ネオデカン酸コバルトが挙
げられる。これ以外に遷移金属化合物はアイオノマ−で
あってもよくこれらは該技術分野では周知のものであ
る。該遷移金属化合物の配合量は、金属として酸素捕捉
性樹脂の重量の0.001ないし1%の範囲、好ましく
は0.01ないし0.3%である。この下限以下におい
ては反応促進の効果が認められず、また1%を超えて配
合しても効果は飽和していて酸素との反応速度を高める
ことはなく、単に物性の低下、コストアップを招くのみ
である。
【0023】また、酸素バリア性ポリマー層に該遷移金
属化合物に加え、光酸化促進剤(増感剤)を添加するこ
とが好ましい。光酸化促進剤としては、ベンゾフェノ
ン、o−メトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o
−メトキシアセトフェノン、アセナフテンキノン、メチ
ルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、
α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオ
フェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフ
ェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルなどが
使用できるがこれに限定されない。
【0024】この光酸化促進剤は、光への暴露により酸
素バリア性ポリマーの酸素捕捉速度を促進するものであ
るが、酸素バリア性ポリマーの種類、光の波長及び強度
などにより変化する。樹脂の透明性が低ければ光酸化促
進剤の使用量は増加する必要がある。通常は全樹脂組成
物に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜
1重量%程度になる。上記遷移金属化合物及び光酸化促
進剤については特開平5−194949において詳細に
説明されている。これ以外に酸素バリア性ポリマーの酸
素捕捉性を活性化する方法としては、エレクトロンビー
ム、γ線、X線などの放射線照射、α−水素引き抜きエ
ネルギーを付与するための超音波、高周波、熱(高温
度)など外部からのエネルギー付与も効果があり、これ
らの組み合わせにより誘導期間を短くすると共に酸素捕
捉速度、酸素捕捉量を高くすることができる。
【0025】このような酸素バリア性ポリマーは、該樹
脂単独で使用してもよいが、コストを安くするために他
の樹脂で希釈して使用してもよい。希釈する樹脂の種類
はできれば同一系統の樹脂が相溶性が高く、該樹脂層が
透明になる可能性が高いので好ましい。この場合酸素バ
リア性ポリマーの配合量は酸素バリア性ポリマー層の厚
さとも関係するが、酸素バリア性ポリマー濃度として少
なくとも5%、好ましくは20%以上配合したものが使
用できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づき具体的に説明を行う
が、本発明は以下の例に限定されるものではない。東芝
機械(株)製同方向二軸押出機(TEM37BS、37
mmφ、L/D=45)を使用して酸素捕捉性樹脂を製
造した。
【0027】(ポリアミド系酸素捕捉性樹脂の製造) [ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA−)] ナイロン6(三菱化学(株)製、ノバミッド1020、
相対粘度3.4)の96重量部をホッパーから導入し
た。樹脂温度を260℃に設定し、両末端カルボキシル
基オクタジエンオリゴマー(オクタジエンを使用して通
常のメタセシス重合によりオクタジエンオリゴマーを合
成し、両末端カルボキシルエステル基をカルボキシル基
に変換したものを使用した。今回は分子量2000であ
る。)液状物4重量部に、ステアリン酸コバルトをナイ
ロン6及び両末端カルボキシル基オクタジエンオリゴマ
ーの合計量に対し200ppmを混合したものを液状注
入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融
混練して反応を行い、未反応物、低分子物は真空ベント
から除去した後、溶融ストランドを水中で急冷カット
し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレットを得
るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレ
ットを真空乾燥器で温度80℃で4時間乾燥し、水分率
0.05重量%以下であることを確認して以後の成形に
使用した。
【0028】[ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(PA
−)] ナイロン6(三菱化学(株)製、ノバミッド1020、
相対粘度3.4)の92重量部をホッパーから導入し
た。樹脂温度を260℃に設定し、両末端カルボキシル
基オクタジエンオリゴマー(オクタジエンを使用して通
常のメタセシス重合によりオクタジエンオリゴマーを合
成し、両末端カルボキシルエステル基をカルボキシル基
に変換したものを使用した。今回は分子量5000であ
る。)液状物8重量部に、ステアリン酸コバルトをナイ
ロン6及び両末端カルボキシル基オクタジエンオリゴマ
ーの合計量に対し200ppmを混合したものを液状注
入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融
混練して反応を行い、未反応物、低分子物は真空ベント
から除去した後、溶融ストランドを水中で急冷カット
し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレットを得
るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレ
ットを真空乾燥器で温度80℃で4時間乾燥し、水分率
0.05重量%以下であることを確認して以後の成形に
使用した。
【0029】[ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA
−)] アジピン酸塩化物730g及び両末端カルボン酸塩化物
ノルボルネンオリゴマー103gを四塩化エチレン20
リットルに溶かし、背の高い容量100リットルのステ
ンレススチール製の反応容器に入れておく。一方450
gのヘキサメチレンジアミンと300gの苛性ソーダを
10リットルの水に溶かして、これを先に作っておいた
四塩化エチレン溶液に注いでいく。両液は溶け合わない
で2層になるが、その2層の境界面にただちに白い膜が
できる。この膜を連続的に取り出し、水洗し、真空乾燥
機で80℃、12時間乾燥し、未反応物、低分子物、水
分を除去し、更にフレーク状に粉砕し、以後の成形に使
用した。
【0030】[ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA
−)] ナイロン66(昭和電工(株)製、システマ−A21
6)の88重量部をホッパーから導入した。樹脂温度を
280℃に設定し、両末端カルボキシル基ノルボルネン
オリゴマー(ノルボルネンを使用して通常のメタセシス
重合によりノルボルネンオリゴマーを合成し、両末端カ
ルボキシルエステル基をカルボキシル基に変換したもの
を使用した。今回は分子量5000である。)液状物1
2重量部に、ステアリン酸コバルトをナイロン66及び
両末端カルボキシル基オクタジエンオリゴマーの合計量
に対し200ppmを混合したものを液状注入機を使っ
て押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練して反
応を行い、未反応物、低分子物は真空ベントから除去し
た後、溶融ストランドを水中で急冷カットし、ペレット
を得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素
雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾
燥器で温度80℃で4時間乾燥し、水分率0.05重量
%以下であることを確認して以後の成形に使用した。
【0031】[ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA
−)] ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロ
ン6007、相対粘度2.7)96重量部をホッパーか
ら導入した。樹脂温度を280℃に設定し、両末端にカ
ルボキシル基を有するブタジエンオリゴマー(ブタジエ
ンをアニオンリビング重合によりブタジエンオリゴマー
を合成し、両末端カルボキシル基を得るために開始剤に
アニオン末端を2個生じる2官能開始剤、α−メチルス
チレンを使用する。更に停止反応において炭酸ガスを使
用した。今回の分子量は5000)液状物4重量部に、
前記ナイロンMXD6及び両末端カルボキシル基ブタジ
エンオリゴマーの合計量に対しステアリン酸コバルトを
200ppmを混合したものを液状注入機を使って押出
機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練して反応を行
い、未反応物、低分子物は真空ベントから除去した後、
溶融ストランドを水中で急冷カットし、ペレットを得
た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲
気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器
で温度120℃で4時間乾燥し、水分率0.05重量%
以下であることを確認して、以後の成形に使用した。
【0032】[ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA
−)] ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロ
ン6007、相対粘度2.7)92重量部をホッパーか
ら導入した。樹脂温度を280℃に設定し、両末端にカ
ルボキシル基を有するブタジエンオリゴマー(ブタジエ
ンをアニオンリビング重合によりブタジエンオリゴマー
を合成し、両末端カルボキシル基を得るために開始剤に
アニオン末端を2個生じる2官能開始剤、α−メチルス
チレンを使用する。更に停止反応において炭酸ガスを使
用した。今回の分子量は10000)8重量部に、前記
ナイロンMXD6及び両末端カルボキシル基ブタジエン
オリゴマーの合計量に対しステアリン酸コバルトを20
0ppmを混合したものを押出機に導入(本発明におい
ては、原料となる基本ポリマーとは異なる、基本ポリマ
ーが溶融後の第2供給口から導入するのが好ましいが、
基本ポリマーとドライブレンドしてホッパーから導入し
てもよい。)して、滞留時間約5分間溶融混練して反応
を行い、未反応物、低分子物は真空ベントから除去した
後、溶融ストランドを水中で急冷カットし、ペレットを
得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰
囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥
器で温度120℃で4時間乾燥し、水分率0.05重量
%以下であることを確認して、以後の成形に使用した。
【0033】[ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA
−)] 非晶ポリアミド(EMS(株)製、グリルアミドTR5
5、ガラス転移温度160℃)94重量部をホッパーか
ら導入した。樹脂温度を280℃に設定し、両末端アミ
ノ基を有するオクタジエンオリゴマー(オクタジエンを
メタセシス重合によりオクタジエンオリゴマーを合成
し、両末端をアミノ基に置換したものを使用した。今回
の分子量は3000)液状物6重量部に、前記非晶ポリ
アミド及び両末端アミノ基オクタジエンオリゴマーの合
計量に対しステアリン酸コバルトを200ppmを混合
したものを液状注入機を使って押出機に導入して、滞留
時間約5分間溶融混練して反応を行い、未反応物、低分
子物は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水
中で急冷カットし、ペレットを得た。溶融ストランドか
らペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。
さらにこのペレットを真空乾燥器で温度120℃で4時
間乾燥し、水分率0.05重量%以下であることを確認
して、以後の成形に使用した。
【0034】[ポリアミド系酸素補捉性樹脂−(PA
−)] 非晶ポリアミド(EMS(株)製、グリルアミドTR5
5、ガラス転移温度160℃)90重量部をホッパーか
ら導入した。樹脂温度を280℃に設定し、両末端アミ
ノ基を有するオクタジエンオリゴマー(オクタジエンを
メタセシス重合によりオクタジエンオリゴマーを合成
し、両末端をアミノ基に置換したものを使用した。今回
の分子量は6000)液状物10重量部に、前記非晶ポ
リアミド及び両末端アミノ基オクタジエンオリゴマーの
合計量に対しステアリン酸コバルトを200ppmを混
合したものを液状注入機を使って押出機に導入して、滞
留時間約5分間溶融混練して反応を行い、未反応物、低
分子物は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを
水中で急冷カットし、ペレットを得た。溶融ストランド
からペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行っ
た。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度120℃で
4時間乾燥し、水分率0.05重量%以下であることを
確認して、以後の成形に使用した。
【0035】[ポリカーボネート系酸素捕捉性樹脂−
(PC−)] PC(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロンS2000、
ガラス転移温度=150℃)90重量部をホッパーから
導入した。樹脂温度を280℃に設定し、両末端に水酸
基を有するブタジエンオリゴマー(エルアトケム社製、
RHT45、Mw=2800)液状物10重量部にステ
アリン酸コバルトを上記PC及び両末端に水酸基を有す
るブタジエンオリゴマーの合計量に対し200ppmを
混合したものを液状注入機を使って押出機に導入して、
滞留時間約5分間溶融混練トランスエステル化し、未反
応物、低分子物は真空ベントから除去した。次いで溶融
ストランドを水中で急冷、カットし、ペレットを得た。
溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲気下
で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器で温
度80℃で6時間乾燥し、水分率0.005重量%以下
であることを確認して、以後の成形に使用した。
【0036】[ポリカーボネート系酸素捕捉性樹脂−
(PC−)] PC(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロンS2000、
ガラス転移温度=150℃)85重量部をホッパーから
導入した。樹脂温度を280℃に設定し、両末端水酸基
ブタジエンオリゴマー(エルファアトケム社製、RLM
20、Mw=1230)液状物15重量部にステアリン
酸コバルトを上記PC及び両末端水酸基ブタジエンオリ
ゴマーの合計量に対し200ppmを混合したものを液
状注入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間
溶融混練トランスエステル化し、未反応物、低分子物は
真空ベントから除去した。次いで溶融ストランドを水中
で急冷、カットし、ペレットを得た。溶融ストランドか
らペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。
さらにこのペレットを真空乾燥器で温度80℃で6時間
乾燥し、水分率0.005重量%以下であることを確認
して、以後の成形に使用した。
【0037】[ポリアリレート系酸素捕捉性樹脂−
(PAR−)] PAR(ユニチカ(株)製、U−ポリマー 100、ガ
ラス転移温度193℃)を92重量部をホッパーから導
入した。樹脂温度を320℃に設定し、両末端水酸基を
有するジシクロペンタジエンオリゴマー(ジシクロペン
タジエンを使用してメタセシス重合によりジシクロペン
タジエンオリゴマーを合成し、両末端をアルカリ加水分
解することにより水酸基に変換した。今回の分子量は2
000)液状物8重量部に、ステアリン酸コバルトをP
AR及び両末端水酸基ジシクロペンタジエンオリゴマー
の合計量に対し、200ppmを混合したものを液状注
入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融
混練して反応を行い、未反応物、低分子物は真空ベント
から除去した後、溶融ストランドを水中で急冷カット
し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレットを得
るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレ
ットを真空乾燥器で温度120℃で4時間乾燥し、水分
率0.05重量%以下であることを確認して、以後の成
形に使用した。
【0038】[ポリアリレート系酸素捕捉性樹脂−
(PAR−)] PAR(ユニチカ(株)製、U−ポリマー(U−10
0)、ガラス転移温度193℃)88重量部をホッパー
から導入した。樹脂温度を320℃に設定し、両末端水
酸基を有するジシクロペンタジエンオリゴマー(メタセ
シス重合により、ジシクロペンタジエンオリゴマーを合
成し、両末端基をアルカリ加水分解することにより水酸
基とした。今回の分子量は5000)液状物12重量部
に、ステアリン酸コバルトをPAR及び両末端水酸基ジ
シクロペンタジエンオリゴマーの合計量に対し、200
ppmを混合したものを液状注入機を使って押出機に導
入して、滞留時間約5分間溶融混練して反応を行い、未
反応物、低分子物は真空ベントから除去した後、溶融ス
トランドを水中で急冷カットし、ペレットを得た。溶融
ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処
理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度1
20℃で4時間乾燥し、水分率0.05重量%以下であ
ることを確認して、以後の成形に使用した。
【0039】上記前記酸素バリア性ポリマーを使用した
樹脂組成物の構成を表1に示す。
【表1】
【0040】*1:PA6=ポリアミド6 *2:PA66=ポリアミド66 *3:MXD6=メタキシリレンジアミンアジパミド *4:TR55=非晶ポリアミド *5:POD=オクタジエンオリゴマー *6:PNB=ノルボルネンオリゴマー *7:PBD=ブタジエンオリゴマー *8:PDCPD=ジシクロペンタジエンオリゴマー
【0041】(実施例1〜12、比較例1〜2)上記の
樹脂組成物をT−ダイ成形により厚さ50μmのフィル
ムを成形した。それぞれの成形に使用した使用樹脂及び
成形温度を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】[評価方法] (酸素透過度)使用機器はモコン社製、OX−TRAN
2/20MLを使用して測定した。温度25℃、内面が
65%RHの条件で測定した。
【0044】(酸素吸収量) 1)空気充填後のパウチ内の酸素濃度の変化(1) アルミニウム箔多層シートをヒートシールにより四方パ
ウチ(150mm×200mm)として製袋した。この
パウチ中にドライ窒素とドライ酸素を98:2の割合に
混合したガス400mlを充填し、更に酸素バリア性ポ
リマーフィルム(厚さ50μm×100mm×100m
m)を挿入し密閉した。温度23℃で保存し、このパウ
チ中の酸素濃度を経時的に測定した。スタート時の酸素
濃度は2.0%であった。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の酸素不透過性樹脂は、酸素透過
度がまったくゼロという著しい特徴を有するポリマーで
ある。従来の酸素バリア性樹脂といわれてきたEVOH
(エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂)、塩化ビニ
リデン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂などがいずれも
その酸素透過性がゼロでないのに比較して極めて優れた
特徴を有している。なお基材ポリマー(大部分を構成す
るポリマーセグメント)が酸素バリア性を有していない
ポリマーセグメントである時には同時に優れた酸素捕捉
性能を有するポリマーとなっている。また基材ポリマー
が酸素バリア性ポリマーである時には、基材ポリマーに
比して酸素透過量をまったく測定できないほどの更に高
い酸素バリア性を有するポリマーであって弱い酸素捕捉
性能も合わせ有するポリマーとなっているこれはポリマ
ー中に溶解して拡散する酸素を本発明の酸素不透過性樹
脂においては炭素−炭素不飽和結合を有するポリオレフ
ィンオリゴマーセグメントにおいて捕捉するため酸素透
過性をゼロとしているものと推定している。したがっ
て、基材ポリマーに酸素バリア性樹脂を使用する時は、
ポリマーへの酸素溶解量が極めて小さいため、その酸素
バリア性は長期間その性能を有する酸素不透過性樹脂と
して効果が発揮できると推定している。なお本発明の酸
素不透過性樹脂は上記のような特性を有しているにもか
かわらずいずれもその加工性は良好であって、安定して
押出加工、射出成形、プレス加工などの成形加工が可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 C08L 53/00 67/00 67/00 69/00 69/00 77/00 77/00 (72)発明者 田越 宏孝 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 宮内 乙彦 東京都港区芝大門一丁目13番9号 昭和電 工株式会社内 (72)発明者 大西 健介 東京都千代田区飯田橋3丁目6番5号 昭 和アルミニウム缶株式会社内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB05 DC01 EA02 EA06 EA12 EB02 EB08 EB73 EC02 EC47 EC82 EE06F EE24F EE26F EE27F GA12 GE15 JA13 JB01 JB29 JB50 4J002 BP031 CL001 DD076 EE027 EG006 FD206 FD207 4J029 AA04 AA09 AC03 AC04 AD01 BA01 CA02 KH01 4J031 AA12 AA28 AA29 AA49 AA52 AA55 AB01 AC03 AC07 AD01 AF11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大部分を構成するポリアミド系、ポリカ
    ーボネート系またはポリアリレート系の重縮合系ポリマ
    ーセグメントと小部分を構成する炭素−炭素不飽和結合
    を有するオレフィンオリゴマーセグメントからなる重縮
    合系ポリマーにおいて、オレフィンオリゴマーセグメン
    トがブロック状に主鎖に結合したことを特徴とする酸素
    不透過性樹脂。
  2. 【請求項2】 炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィ
    ンオリゴマーセグメントが、ブタジエン、ノルボルネ
    ン、ジシクロペンタジエンまたはイソプレンの単独重合
    体またはオレフィンとの共重合体の骨格を有するセグメ
    ントである請求項1に記載の酸素不透過性樹脂。
  3. 【請求項3】 重縮合系ポリマーが、0.5ないし15
    重量%に相当する分子量1000ないし10000の炭
    素−炭素不飽和結合オレフィンオリゴマーセグメント及
    び99.5%ないし85重量%の重縮合系ポリマーセグ
    メントよりなる請求項1に記載の酸素不透過性樹脂。
  4. 【請求項4】 重縮合系ポリマーの製造において、両末
    端に反応性のある官能基を有しかつ分子内に炭素−炭素
    不飽和結合を有するオレフィンオリゴマーを共存させて
    同時に重縮合反応させ、主鎖の内部にポリオレフィンオ
    リゴマーセグメントをブロック状に結合させることを特
    徴とする酸素不透過性樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネートまたはポリアリレート
    の合成において、分子量1000〜10000の炭素−
    炭素不飽和結合を有する両末端にカルボキシル基または
    水酸基を有するポリオレフィンオリゴマーを共存させて
    エステル化反応を行い、ポリオレフィンオリゴマーセグ
    メントを主鎖内部に結合させる請求項4に記載の酸素不
    透過性樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミドの合成において、両末端にカ
    ルボキシル基またはアミノ基あるいは水酸基を有し、か
    つ炭素−炭素不飽和結合を有する、分子量1000〜1
    0000のポリオレフィンオリゴマーを共存させてアミ
    ド化反応を行い、ポリオレフィンオリゴマーセグメント
    を主鎖内部に結合させる請求項4に記載の酸素不透過性
    樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリカーボネートまたはポリアリレート
    に対し、これら重縮合系ポリマーに分子量1000〜1
    0000の炭素−炭素不飽和結合を有する両末端にカル
    ボキシル基または水酸基を有するポリオレフィンオリゴ
    マーを反応させ、トランスエステル化反応をさせ主鎖内
    部にポリオレフィンオリゴマーセグメントを結合させる
    酸素不透過性樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリアミドに対し、これら重縮合系ポリ
    マーに両末端にカルボキシル基またはアミノ基あるいは
    水酸基を有し、かつ炭素−炭素不飽和結合を有しを有す
    る、分子量1000〜10000のポリオレフィンオリ
    ゴマーを反応させ、トランスアミド化またはトランスエ
    ステル化反応させ主鎖内部にポリオレフィンオリゴマー
    セグメントを結合させる酸素不透過性樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 大部分を構成するポリアミド系、ポリカ
    ーボネート系またはポリアリレート系の重縮合系ポリマ
    ーセグメントと小部分を構成する炭素−炭素不飽和結合
    を有するオレフィンオリゴマーセグメントからなる重縮
    合系ポリマーにおいて、オレフィンオリゴマーセグメン
    トがブロック状に主鎖に結合した酸素不透過性樹脂に5
    0〜500ppmの遷移金属化合物を配合したことを特
    徴とする酸素不透過性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 酸素バリア性ポリマーが、ポリマーの
    大部分を構成する酸素バリア性重縮合系ポリマーセグメ
    ントと小部分を構成するポリオレフィンオリゴマーセグ
    メントからなり、更に触媒量の遷移金属化合物及び光酸
    化促進剤を含んでなる樹脂組成物である酸素バリア性樹
    脂組成物。
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