JP2001047116A - タンデム圧延方法及び圧延設備 - Google Patents

タンデム圧延方法及び圧延設備

Info

Publication number
JP2001047116A
JP2001047116A JP11230588A JP23058899A JP2001047116A JP 2001047116 A JP2001047116 A JP 2001047116A JP 11230588 A JP11230588 A JP 11230588A JP 23058899 A JP23058899 A JP 23058899A JP 2001047116 A JP2001047116 A JP 2001047116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
schedule
average
tandem
pass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11230588A
Other languages
English (en)
Inventor
Yujiro Kobayashi
裕次郎 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11230588A priority Critical patent/JP2001047116A/ja
Publication of JP2001047116A publication Critical patent/JP2001047116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンデム圧延方法およびタンデム圧延設備に
おいて、圧延パススケジュールを強力な指導原理に基づ
いて経験に頼らず一意的、且つ合理的に決定できるよう
にする。 【解決手段】 iパス目のスタンドにおける平均圧延動
力Piの合計値(又は二乗和)を、各スタンドでの圧下
量をパラメータとして求める関数を評価関数Ea(又は
b)とし、さらにこの評価関数に要求される制約条件
を付けた上でパススケジュール演算装置の数値解析処理
により、該評価関数に極小値を与える各スタンドの圧下
量を求め、それに基づいて目的とする低消費動力のパス
スケジュールを求める。またiパス目のスタンドにおけ
る平均オーバーロード率Oiの分布に関する関数Ec
評価関数として処理した場合、各スタンドの平均オーバ
ーロード率が均一となって高い圧延速度のパススケジュ
ールが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に鋼帯を圧延す
る複数の圧延機を備えたタンデム圧延設備に対して最適
な圧延パススケジュールを合理的に決定し圧延を行うタ
ンデム圧延方法、および該圧延パススケジュールに基づ
いて各圧延機が圧延を行うタンデム圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の圧延機(以下、個々の圧延機をス
タンドという)を備えたタンデム型の圧延設備により1
枚の鋼帯を通過させて圧延するにあたって、最終的に目
標とする板厚まで各スタンド毎にどの程度の圧下量で圧
延するかのドラフトスケジュールを設定し、さらにそれ
に基づいて様々な条件を満足させた圧延パススケジュー
ルを決定する必要がある。
【0003】従来一般的なタンデム圧延におけるパスス
ケジュールの決定方法としては、例えば日本鉄鋼協会発
行の「板圧延の理論と実際」(昭和59年9月1日発
行)の5.6.4節に記載されているように、事前に規
制された各スタンド消費圧延動力比率に基づき、圧延パ
ススケジュールを決定する方法がある。
【0004】また特開平8−99104号公報に記載さ
れているように、タンデム圧延設備の各スタンドにおけ
る圧延可能な最大板厚をガイドラインとして、パススケ
ジュールを決定する方法がある。
【0005】また可逆圧延機においてパススケジュール
を演算する方法として、特開昭58−151905号公
報に記載されているように、許容圧延動力と許容圧延電
力の2乗平均との両方を満足させ、且つ圧延時間が最短
となるパススケジュールを算出する方法や、特開平6−
262225号公報に記載されているように、該特開昭
58−151905号公報の手順に加えて一定のアイド
ル時間を反映する係数を用いることでアイドル時間の長
短による圧延電流2乗平均の無駄をなくすパススケジュ
ールを算出する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
「板圧延の理論と実際」では、各スタンド消費圧延動力
比率の規制方法に関しては、一切明らかにされていな
い。従って、実際には経験的なパススケジュールに基づ
き決定せざるを得ず、材質、板厚等の種々の圧延条件に
対し、簡単に設定できるとは言い難い。また、各スタン
ドでの消費圧延動力比率を規制している為、圧延途中で
の速度変化に対する効果、及び圧延終了から次の圧延が
開始されるまでの無駄時間等を考慮した、パススケジュ
ールの決定が困難である。更に、設備の実構成上、各ス
タンドでロール径及びモータ容量などの制約条件が異な
っている場合もあって事情がより複雑となることから一
層パススケジュールの決定を経験に頼らざる得ないもの
となっている。
【0007】また上記特開平8−99104号公報に記
載の方法でも基本的に決定できるものは、ガイドライン
(概略基準)としてのパススケジュールであり、一意的
に各スタンドでのパススケジュールを決定する方法を与
えているとは言い難い。特にガイドライン以内に収まる
パススケジュールを組む場合、各スタンドのパススケジ
ュールの具体的な決定には、経験的なパススケジュール
に基づき決定する余地が、大きく残されていると言え
る。
【0008】また上記特開昭58−151905号公報
および特開平6−262225号公報に記載の両方法に
ついては、これらは圧延機を1つしか備えずその前後に
鋼帯を往復させながらパスを変化させて圧延を行う可逆
式圧延設備に適用する方法であり、上述したようにそれ
ぞれ制約条件が異なり得る複数の圧延機を備えたタンデ
ム圧延設備に対し、全ての制約条件を同時に考慮した最
適なパススケジュールの決定には適用できないものであ
った。そしてまた、許容圧延動力の範囲内でのパススケ
ジュールの決定においては、やはり経験に頼らざるえな
い余地が残っている。
【0009】上記のような問題は、各スタンドでのパス
スケジュールを一意的に決定する、簡単且つ強力な指導
原理が曖昧であることに起因している。
【0010】そこで本発明の目的は、複数の圧延機を備
えるタンデム圧延設備における各スタンドの圧延パスス
ケジュールを決定するための強力な指導原理を提案し、
この指導原理に基づいて経験に頼らず一意的、簡単且つ
合理的に圧延パススケジュールを決定し、圧延を行うタ
ンデム圧延方法およびタンデム圧延設備を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)上記の目的を達成
するために、本発明は、複数の圧延機を備えたタンデム
圧延設備におけるタンデム圧延方法において、前記複数
の圧延機の各パスにおける平均圧延動力の合計値を最小
にする各出側板厚を算出し、これをドラフトスケジュー
ルとして圧延パススケジュールを決定し圧延を行うもの
とする。
【0012】これにより、経験に頼らず一意的、簡単か
つ合理的にパススケジュールを決定できる。また、この
パススケジュールは最も圧延動力を少なくするものであ
り、最も運用コストの低いタンデム圧延を行うことがで
きる。
【0013】(2)上記(1)のタンデム圧延方法にお
いて、好ましくは、前記複数の圧延機における全パス数
をNとし、iパス目の圧延機の平均圧延動力をPiとす
るとき、前記平均圧延動力の合計値に関する評価関数
を、
【0014】
【数4】
【0015】とし、この評価関数に極小値を与える各出
側板厚を求めることで前記平均圧延動力の合計値を最小
にする各出側板厚を算出するものとする。
【0016】これにより、上記(1)の具体的な計算方
法が提供され、且つ評価関数EaがPiの単純和である
ことから最も簡便に圧延パススケジュールを演算するこ
とができる。
【0017】(3)上記(1)のタンデム圧延方法にお
いて、好ましくは、前記複数の圧延機における全パス数
をNとし、iパス目の圧延機の平均圧延動力をPiとす
るとき、前記平均圧延動力の合計値に関する評価関数
を、
【0018】
【数5】
【0019】とし、この評価関数に極小値を与える各出
側板厚を求めることで前記平均圧延動力の合計値を最小
にする各出側板厚を算出するものとする。
【0020】これにより、上記(1)の具体的な計算方
法が提供され、且つ評価関数Ebの極小点の探査が行い
やすいことから上記(2)と比較してより確実に最適な
圧延パススケジュールを演算することができる。
【0021】(4)上記(1)から(3)までのいずれ
か1つのタンデム圧延方法において、好ましくは、前記
平均圧延動力Piを、圧延材上の特定代表点での瞬間圧
延動力で求めるものとする。
【0022】これにより、最も実際的なPiの算出、ひ
いては最も実際的な圧延パススケジュールの演算が可能
となる。
【0023】(5)また上記の目的を達成するために、
本発明は、複数の圧延機を備えたタンデム圧延設備にお
けるタンデム圧延方法において、前記複数の圧延機の各
パスにおける平均オーバーロード率を均等に配分する各
出側板厚を算出し、これをドラフトスケジュールとして
圧延パススケジュールを決定し圧延を行うものとする。
【0024】これにより、経験に頼らず一意的、簡単且
つ合理的にパススケジュールを決定できる。また、この
パススケジュールは各パスの平均オーバーロード率を等
しく配分する、つまり各モータに加わる熱的負荷配分を
均等にするものであり、最も速い圧延速度で生産性の高
いタンデム圧延方法を行うことが可能となる。
【0025】(6)上記(5)のタンデム圧延方法にお
いて、好ましくは、前記複数の圧延機における全パス数
をNとし、iパス目の圧延機の平均オーバーロード率を
Oiとするとき、前記平均オーバーロード率の配分に関
する評価関数を、
【0026】
【数6】
【0027】とし、この評価関数に極小値を与える出側
板厚を求めることで前記平均オーバーロード率を均一に
配分する各出側板厚を算出するものとする。
【0028】これにより、上記(5)の具体的な計算方
法が提供され、且つ評価関数Ecの極小点の探査が行い
やすいことから確実に最適なパススケジュールを演算す
ることができる。
【0029】(7)上記(5)又は(6)のタンデム圧
延方法において、好ましくは、平均オーバーロード率O
iを、圧延材上の特定代表点での瞬間オーバーロード率
で求めるものとする。
【0030】これにより、技術上最も実際的なOiの算
出、ひいては技術上最も実際的な圧延パススケジュール
の演算が可能となる。
【0031】(8)上記(1)から(7)までのいずれ
か1つのタンデム圧延方法において、好ましくは、前記
圧延パススケジュールの決定に際して圧下率、圧延トル
ク、圧延荷重、圧延線圧、噛み込み角度の少なくとも1
つを制約条件として考慮し、それらの許容最大値を超え
ないよう圧延パススケジュールを決定するものとする。
【0032】これにより、具体的なタンデム圧延設備に
対応して最適となる圧延パススケジュールの演算が可能
となる。
【0033】(9)上記(1)から(3)までのいずれ
か1つのタンデム圧延方法において、好ましくは、iパ
ス目の圧延機の平均圧延動力Piを平均オーバーロード
率Oiに置き換えたものとする。
【0034】これにより、評価関数Ea、Ebに平均オー
バーロード率Oiを用いることで各スタンドのモータ容
量を制約条件として考慮した圧延パススケジュールの演
算が容易となる。
【0035】(10)上記(5)又は(6)のタンデム
圧延方法において、好ましくは、iパス目の圧延機の平
均オーバーロード率Oiを平均圧延動力Piに置き換え
たものとする。
【0036】これにより、評価関数Ecに平均圧延動力
Piを用いることで各スタンドの平均圧延動力を均等に
する圧延パススケジュールの演算が可能となる。
【0037】(11)上記(1)から(10)のいずれ
か1つのタンデム圧延方法において、好ましくは、前記
圧延パススケジュールの決定に際して、各圧延機の平均
オーバーロード率が各圧延機の目標オーバーロード率を
超えないよう、最終圧延機の指定最大出側圧延速度の範
囲内で最終圧延機の出側最大圧延速度を決定するものと
する。
【0038】これにより、バッチ型タンデム圧延設備に
おける最終圧延機出側での圧延材の蛇行を防止した上
で、高い生産性にある圧延パススケジュールの決定が可
能となる。
【0039】(12)また上記の目的を達成するため
に、本発明は、複数の圧延機を備えるタンデム圧延設備
であって、(a)各圧延機に設置してそれぞれの出側板
厚を直接制御する圧下手段と、(b)入力された圧延パ
ススケジュールに基づいて該圧下手段を制御する板厚制
御手段とを備えるタンデム圧延設備において、(c)該
複数の圧延機毎の各パスにおける平均圧延動力の合計値
を最小にする各出側板厚を算出し、これをドラフトスケ
ジュールとして圧延パススケジュールを決定し、該板厚
制御手段に出力するパススケジュール演算手段を備えて
いるものとする。
【0040】これにより、上記(1)のタンデム圧延方
法を具体的に実現するタンデム圧延設備の提供が達成さ
れる。
【0041】(13)また上記の目的を達成するため
に、本発明は、複数の圧延機を備えるタンデム圧延設備
であって、(a)各圧延機に設置してそれぞれの出側板
厚を直接制御する圧下手段と、(b)入力された圧延パ
ススケジュールに基づいて該圧下手段を制御する板厚制
御手段とを備えるタンデム圧延設備において、(d)該
複数の圧延機の各パスにおける平均オーバーロード率を
均等に配分する各出側板厚を算出し、これをドラフトス
ケジュールとして圧延パススケジュールを決定し、該板
厚制御手段に出力するパススケジュール演算手段を備え
ているものとする。
【0042】これにより、上記(5)のタンデム圧延方
法を具体的に実現するタンデム圧延設備の提供が達成さ
れる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図を参
照しながら説明する。
【0044】まず図1は、本発明の実施形態にあるタン
デム圧延設備の構成概要を示す図である。本実施形態は
4タンデム圧延設備の構成にあり、圧延材2の進行方法
に従って4台の圧延機1が配置され、巻き取り機3で巻
き取られる。上記圧延機1の下部には圧下装置4が各々
に設置してあり、それぞれがいわゆるAGC(Auto Gag
e Controller)等の板厚制御装置5により、各スタンド
(圧延機)の出側板厚が目標板厚となるように制御され
る。
【0045】このような圧延設備において、圧延材2の
製品板厚変更等を行う場合には、新たな圧延パススケジ
ュールに基づき、各スタンドの目標出側板厚の変更を行
う必要がある。これに対処するため、パススケジュール
演算装置6が設けられている。パススケジュール演算装
置6は、上位システムである生産管理統括装置7より与
えられた新たな板幅、板厚等に基づき、本発明によるパ
ススケジュール決定方法に従い新たな各スタンドの目標
出側板厚を演算出力する。板厚制御装置5では各スタン
ドの出側板厚が、与えられた新たな目標出側板厚になる
ように、各圧下装置を制御する。
【0046】このようなタンデム圧延設備において、パ
ススケジュール演算装置6におけるパススケジュールの
演算設定が経験に頼らず簡単に設定でき、且つ必要な設
備上の制約条件を事前に回避可能とするものであれば、
圧延操業を著しく簡便に行うことが可能となることは明
らかである。
【0047】次にその圧延パススケジュールの演算設定
方法の詳細について説明する。
【0048】ここで以下の説明でキーとなる用語、「平
均圧延動力」及び「平均オーバーロード率」について図
2を用いて述べる。図2は、入側の圧延材8が、圧延ロ
ール10により圧延され、圧延完了時に9の状態になっ
た場合を示す。圧延材8の先端が、圧延ロール10に噛
み込まれた瞬間を、時間tの基準に取りt=0とし、t
=Tで後端の圧延が完了するものと考える。また、一般
に圧延途中での時間tにおける圧延動力をP(t)と
し、圧延ロールのモータ容量をMで表す。この時、iパ
ス(iスタンド)での平均圧延動力Pi及び平均オーバ
ーロード率Oiといえば、一般的に
【0049】
【数7】
【0050】と表記することができる。ここでモータ容
量Mは実効値として、モータの許容速度以下の場合は、
これによる補正を加味した容量を用いるのが望ましい。
また、上記の(1)式又は圧延動力を時系列で離散化し
て、平均圧延動力及び平均オーバーロード率を処理して
もよい。特に、例えば圧延材の略中央近辺の1点の値
で、または適当な複数の分割点上での平均圧延動力を考
え、Pi及びOiを近似的に取り扱ってもよい。
【0051】また、上記(1)式の代わりに、所謂RM
S(ルートミンスケヤ)平均
【0052】
【数8】
【0053】で処理してもよい。上記(2)式を時系列
で離散化して与えても良いことは、前述と同様である。
また圧延動力P(t)は、圧延理論などから求めること
ができ、必ずしも正味圧延動力である必要性はない。駆
動系、モータ等の効率をも考慮した、圧延に要するトー
タルの消費電力と考えて良く、従ってミルモータの電流
値を基準として、圧延動力P(t)を算出する等でも良
いことは勿論である。
【0054】また圧延動力P(t)は、スタンド間張力
により作用する張力動力、軸受け部の摩擦により発生す
る摩擦動力等を、無視した動力として与えてもよい。特
に冷間タンデム圧延設備において、スタンド間張力は1
0〜30kgf/mm2程度で圧延されるのが普通であるの
が、これに対し第1及び最終スタンドの入側及び出側張
力は、5kgf/mm2程度で制限されることも多い。この場
合、第1スタンドの圧延動力は、第1及び第2スタンド
間張力により他のスタンドと比較し、極端に少なくなる
ケースがある。このような場合、圧延動力P(t)とし
てあえて張力動力を無視した動力を用いることは、安定
したパススケジュールを得るのに有効となる。
【0055】また、1つの圧延材の圧延が完了してから
次の圧延が開始されるまで、圧延されない無駄時間があ
るのが普通である。上記(1)、(2)式でこれを考慮
する場合は、圧延時間Tを前記無駄時間を加えた時間
T’で、置き換えるものとする。この場合には、無駄時
間中の圧延動力は、当然P(t)=0となる。特にRM
S平均オーバーロード率は、モータの熱的過負荷を図る
指標として、重要な意味がある。この制約により圧延速
度が規制される場合には、上記の無駄時間を考慮した上
での、より正確なモータの熱的過負荷を求めることによ
り、圧延速度を増加させる余地が見出せるようになる。
本発明では、上記いずれのパラメータを用いてもよい
が、望ましくは平均圧延動力に関しては(1)式を、平
均オーバーロード率に関しては(2)式を使用する方が
好ましい。
【0056】以上のような定義に基づいた平均圧延動力
及び平均オーバーロード率を使用することにより、上記
のパラメータには速度変化及び無駄時間などの影響が自
動的に反映されることになり、これらの効果を考慮した
パススケジュールの決定が可能となる。
【0057】また(1)、(2)の定義では、無駄時間
がゼロで、圧延動力が時間に依らずほぼ一定(=P0
の場合は、Pi=P0、Oi=P0/Mとなる。実際の圧延
では圧延途中で圧延速度を大きく変更しない限り、近似
的にこれが成立していると考え、以下の原理的な説明に
おいてはPi、Oiはこのように(=P0、P0/M)取り
扱うものとする。
【0058】以下、本発明のパススケジュール演算設定
方法において利用する各評価関数Ea、Eb、Ecの意
味、及び狙いに関し説明する。
【0059】先ず評価関数Eaは、上記平均圧延動力Pi
を用いて
【0060】
【数9】
【0061】と記述するものであり、各パスの平均圧延
動力の和を最小にするためのパススケジュールの設定を
狙いとしたものである。これに関し従来は、各パスでの
圧延動力の和は、圧延加工前後に渡る入側板厚及び最終
製品板厚のみによりきまり、途中のパススケジュール
(圧下量の配分)には依らないという考え方が支配的で
あった。例えば冷間圧延に関する、"Power Requirement
and selection of Electrical Equipment for Tandem
Cold Strip Mills" Iron and Steel Engineer, Decembe
r 1964、等の文献がある。しかし今回発明者はこれに対
し鋭意検討した結果、特に熱間圧延では途中のパススケ
ジュールにより、各パスの圧延動力の和は大きく異な
る、と言う知見を見出した。これは各パスの圧延動力の
和を最小とするパススケジュールが存在する可能性を意
味しており、この事実については後述する。
【0062】そしてEbも上記平均圧延動力Piを用い
て、
【0063】
【数10】
【0064】と記述するものでありEaと同様の狙いと
したものであるが、実際の演算設定処理を易しくするよ
うに、評価関数の形式を少し変形したものである。厳密
には、EbとEaとによる処理結果はごく僅かに異なるも
のとなるが、実質的には同じような処理結果を与えるも
のであり、この意味でEbは、Eaの目的・主旨を逸脱す
るものではないことが言える。
【0065】またEcは、上記平均オーバーロード率Oi
を用いて
【0066】
【数11】
【0067】と記述するものであり、各パスの平均オー
バーロード率を均等に配分するパススケジュールを得る
ことを目的とするものである。これは、各モータに加わ
る熱的負荷配分を均等にすることで、極力高い圧延速度
での圧延を可能とし、それにより生産量を最大にする狙
いがある。
【0068】そして本発明のパススケジュールの演算設
定方法の基本原理は、以上3通りの評価関数の値それぞ
れに最小値(極小値)を与える各スタンドの出力板厚の
組み合わせを算出することで、それらがすなわち各評価
関数が目的とするパススケジュールが求められることに
なる。
【0069】以上3通りの評価関数により得られるパス
スケジュールは、通常一致するものではなく、目的及び
状況に応じて適宜上記の評価関数を選択して、使い分け
るものとなる。当然これらの評価関数を、ある圧延条件
等により必要に応じて切り替えて演算設定に利用するこ
とは可能である。
【0070】以下、上記各評価関数の特性について順次
具体的に説明する。以下では理解を容易とするために圧
延設備の構成を2スタンド(つまり2パス)圧延とし、
第1スタンド(パス)出側の板厚のみを変数として、そ
れ以外の入側板厚及び最終板厚は、定数として取り扱
う。またこの2スタンドタンデムの場合、両者のミル仕
様は同一とする。
【0071】図3は2スタンド冷間タンデム圧延設備
で、第1スタンド出側板厚を変えた時の、圧延動力の変
化を示したものである。この時の計算条件を、表1に示
す。また、計算にはBland & Ford による圧延理論式を
用いた。
【0072】
【表1】
【0073】同図において、曲線Aは第1スタンドの圧
延動力P1(kw)を、曲線Bは第2スタンドの圧延動
力P2(kw)を、また曲線Cは上記各スタンドでの圧
延動力の和(P1+P2)を示す。但しこれらの各圧延
動力Piの計測は、圧延材長手方向中央部での一点での
動力で示しており、以降の説明においても同様とする。
またモータ容量をMとすると、各スタンドの平均オーバ
ーロード率O1、O2は、粗く近似的にO1=P1/
M、O2=P2/Mと考える。従ってO1=O2の点
は、P1=P2の点とほぼ一致していると見なす。これ
により、曲線A、Bの交点ECが、近似的に評価関数E
cに最小値を与える点となる。また評価関数Eaは、曲線
Cの最小点で与えられることになる。
【0074】同図ではこの曲線Cの最小点が明確に現れ
ていないため、図4に縦軸のスケールを拡大して示す。
同図から分かる通り図における曲線Cの最小点にあるE
A点が、評価関数Eaに最小値を与える点である。
【0075】これに対し、図5は図3における曲線A、
B上の要素であるP1、P2を各々2乗した値を再び要
素として結んだ曲線A’、B’、及びそれらの和(P1
2+P22)にある曲線C’を示す図である。同図におけ
る曲線C’上のEB点が評価関数Ebに最小値を与える
点となる。この場合の極値点EBは、EA点と比較して
深い谷底に位置する形状にあり、極値点の探査が行い易
いという利点がある。
【0076】以上により、評価関数Ea及びEbは極小点
を持ち、評価関数Ecに最小値を与える点の存在が、確
認されたことになる。但し、曲線Cの形状は鍋底状であ
り、極小点EAは明確でないともいえる。しかし、この
点を数値的に探査することは十分可能であり、しかも具
体的な圧下率の配分は、第1及び第2スタンドで各々概
略r1/r2=30%/28.6%であり、経験値的に
ある圧下率配分とも合致している。これは他の評価関数
で得られた結果も同様であるが、本発明になる評価関数
を用いてパススケジュールを決定することは、非常に有
効な方法であることが理解される。
【0077】次に、図6〜図8に熱間圧延設備におけ
る、2タンデムミルの計算例を示す。計算は、Simsによ
る理論式を用い、表2の条件で計算した。図中の記号
は、第図3〜図5と同一にしてある。
【0078】
【表2】
【0079】これらの図から分かる通り、先の冷間圧延
の場合と比較して、曲線C全体がかなり高い値にあり、
また湾曲の程度が極小点EAと両端との高低差が大き
い。従ってこの極小点EA近傍位置で各パスにおける圧
下量を設定することにより、効果的に圧延消費電力を低
減させるパススケジュールの設定が可能となることが分
かる。これは熱間仕上げ圧延設備等で、タンデム状に圧
延する設備に本方式を適用することの大きな利点の1つ
である。
【0080】また、評価関数のパラメータである各パス
の平均オーバーロード率及び平均圧延動力は、圧延材の
長さ全長に亘るデータを用いた平均値とするのが望まし
い。しかし簡便には、例えば圧延材の長手方向を4分割
し、それぞれの分割点での単純又は重み付き平均値等で
代表させてもよい。
【0081】また実際のスケジュールでは、各種の制約
が存在する。例えば、圧延後の製品形状を整えるために
最終スタンドの圧下率を30%以下とする制約、圧延ト
ルク、圧延荷重を設備の許容能力以下に押さえる制約、
圧延ロールの摩耗を極力少なくするため圧延線圧に上限
(例えば2.5ton/mm)を設定する制約、及び圧延材先
端が圧延ロールに噛み込むよう噛み込み角を制限する制
約、等である。従って、本パススケジュール決定方法
は、与えられた制約条件下で評価関数の極値(最小値)
を求める、所謂最適化法の問題を解くことに相当する。
ここで注意すべきは、評価関数及び考慮すべき制約条件
は、一般にはパススケジュールに対し非線形であること
である。しかしこういった解析方法は、数理計画法等で
多く開示されており、これらの中から適当な方法を用い
て、処理することができる。例えば”数値解析とFORTRA
N”第3版(丸善株式会社)に、制約条件のない場合の
極値探査方法として、シンプレックス法などが紹介され
ている。従って、上述した本発明のタンデム圧延設備に
おけるパススケジュール演算装置6(図1参照)におい
ては、このような問題を解く方法に関して何ら問題とな
らない。それ以上に、最適化法として問題を解くこと
は、 1)解法の指導原理が強力であり、曖昧さが含まれない
こと。
【0082】2)制約条件の取り込みが簡単にできるこ
と。
【0083】3)従って、経験に頼らないで機械的且つ
確実にパススケジュールの決定が可能となること。
【0084】等、経験をベースにした方法と比較して、
非常に大きな利点があると言える。
【0085】但し、圧延速度の決定に関しては、前述の
ような最適化問題として、形式化できないことは明らか
である。これは、圧延動力又はオーバーロード率は、圧
延速度に対して略比例しており、極値を持たないからで
ある。しかしタンデム圧延の場合、例えば最終スタンド
出側圧延速度を1つ決定すれば、他のスタンドでの圧延
速度は、近似的にはマスフロー一定(移送体積一定)の
条件等により、一律定めることができる。従って各スタ
ンドでの平均圧延動力またはオーバーロード率は、評価
関数Ea、Eb、Ec等によりパススケジュールを決定し
た場合、例えば最終スタンド出側圧延速度のみの関数と
なる。即ち、一般にiパス目のスタンドの平均オーバー
ロード率をOiとし、最終スタンドの出側圧延速度をvN
で表し、OiをvNの関数として、Oi(vN)のように考
える。ここでi=1〜Nとして、これらの内最大値とな
るスタンドの平均オーバーロード率をMAX[O
i(vN)]で表し、目標とする平均オーバーロード率を
tとすれば、
【0086】
【数12】
【0087】とする圧延速度、vN を求めれば良い。
一般に関数Oiは、圧延速度に関し非線型であり、正確
に求める場合には、繰り返し計算でvNを求めることに
なる。
【0088】以上のようにして圧延速度を決定した場
合、設備の持つ熱的過負荷限界近く(特定のパスにおけ
る平均オーバーロード率が最高100%近く)まで、圧
延速度の設定が容易に可能となり、高い生産性を上げる
ことができる。しかし他の要因で最大圧延速度が規制さ
れる場合は、その速度で制約されるのは当然である。ま
た、通常のバッチ型タンデム圧延設備では、圧延材の先
端がコイラーに到達し、コイラーと圧延機間に張力が作
用するまでの所謂通板時は、蛇行などのトラブルを防ぐ
ため、低速で圧延されるのが普通である。従って、上記
で設定される圧延速度は、通板時を除いた最大圧延速度
に対し適用できる。
【0089】また圧延速度が変化すると、冷間圧延設備
ではロールバイト部の摩擦係数が、熱間圧延設備では圧
延材の温度、変形抵抗等が変わるため、前に決めたパス
スケジュールが好適とは言えなくなる。従って実際の処
理で正確を期すためには、先ず始めに適当に設定した圧
延速度に基づいてパススケジュールを求め、次に逆にこ
の設定されたパススケジュールに基づいて圧延速度を求
める、という手順を両者が収束して変化しなくなるま
で、繰り返し修正すればよい。
【0090】以上の説明では、圧延動力又はオーバーロ
ード率の関数形式には、一切制約を付けなかった。そこ
で以下に、具体的な熱間タンデム圧延設備に様々な制約
条件を付けた実施形態例を挙げ、それらの演算設定結果
を説明する。
【0091】まず初めに3スタンドとも同一の仕様にあ
る3タンデム圧延設備を制約条件の付かない例として、
第1及び第2スタンドの出側板厚を決定する場合を検証
するものとし、表3はその計算条件を示すものである。
【0092】
【表3】
【0093】評価関数Eaの特性を示すため、横軸に第
1スタンドの出側板厚(h1)及び縦軸に第2スタンド
の出側板厚(h2)をとり、評価関数値を等高線表示し
たものを図9に示す。但し、等高線の間隔を広くして見
やすくするために等高線を表示する値は1スタンド当た
りの平均動力値、つまり3スタンド合計値である評価関
数Eaの関数値の3分の1の値を等価として表示してあ
る。図9の最も内側の等高線が囲む範囲は、6100K
w以下の領域を示し、それ以外の等高線は外側に向けて
100Kwピッチで増加するよう表示してある。同図か
らも評価関数Eaには、極値点の存在が明瞭に示され
る。この評価関数で得られたパススケジュールは、h1
=6.2及びh2=4.2(mm)であり、得られた1
スタンド当たりの最小平均動力は、約6000Kwであ
った。同じ計算条件で、評価関数Ecで処理した結果
を、表4に示す。
【0094】
【表4】
【0095】本計算例では、評価関数Eaを用いて処理
した場合と、ほぼ同一のパススケジュールとなってい
る。次に、第1スタンドのモータ容量のみを、8000
Kwから5000Kwに変更して、評価関数Ecにより
処理した結果を、表5に示す。
【0096】
【表5】
【0097】評価関数値を等高線表示した場合ではEa
と特性が同一となるが、評価関数Ecにより決定された
パススケジュールは、前記の結果と異なったものとな
る。
【0098】以上より、モータ容量などの設備仕様が各
スタンドで異なっている場合には、一般に評価関数Ea
とEcとの結果は違ったものになる。しかし、設備仕様
が各スタンドで同じ場合には、両者の結果は殆ど同一と
なることは、これまでの例が示している通りである。従
って以下の実施形態例では、処理結果を理解し易くする
ために設備仕様は各スタンドで同じとし、評価関数とし
てEcを用いた例で説明する。
【0099】表6は、7スタンドの熱間仕上げ圧延設備
にある実施形態例での計算条件を示す。評価関数は前述
の如くEcを用い、圧延材の通板速度(最終出側速度)
は500m/minとし、最高圧延速度は、各スタンド
の平均RMSオーバーロード率が、ほぼ100%になる
ように設定した。なお、圧延動力及び荷重式は、Simsの
理論式を用いた。
【0100】
【表6】
【0101】表7に計算結果を示す。表7のNoは、各
スタンドNoを表し、各圧延動力及び圧延荷重は圧延材
の中央点での計測値で示す。また過負荷率は各モータ定
格容量と上記圧延動力の比であり、RMS平均とは圧延
材の全長に亘ったRMS平均オーバーロード率であり、
その他の制約条件は付けずに計算した。
【0102】
【表7】
【0103】本結果で明らかなことは、各スタンドでの
圧延動力比率が、単純な関係となっていないことであ
る。従って、従来より行われていた圧延動力比率を規制
することからパススケジュールを決定する方法では、本
発明による評価関数Ea、Ecを利用して得られる効果を
有するパススケジュールを同等に得ることは実質的に非
常に困難であると言える。これに対し本発明による方法
を用いれば、単に与えられた評価関数を解くだけで、特
別な経験的知識も必要とせず、確実且つ一意的に有効な
パススケジュールを与えることができる。しかも本実施
例では、平均オーバーロード率も設備の許容限度ぎりぎ
りに設定でき、同時にこれまでの説明から明らかなよう
に、各スタンドの消費圧延動力の和も極力小さくなるス
ケジュールが得られるものとなる。これは、圧延に要す
る電力を極力少なくし、且つ最大生産量の得られるスケ
ジュールが設定されたことをも意味し、本発明の大きな
効果の1つであると言える。
【0104】次に、同様の7スタンドの熱間仕上げ圧延
設備にある実施形態例において、表6の圧延条件に対
し、制約条件を与えた場合の計算結果を表8に示す。制
約条件は、最大噛み込み角を9度以下とし、最終スタン
ドの圧下率を16%以下とした。そして前述したように
与えられた制約条件下で評価関数の極値を求める、所謂
最適化法の問題を数値解析により解くものとなる。
【0105】
【表8】
【0106】この計算例では、第1、第2スタンドの最
大噛み込み角は9度、及び最終スタンドの圧下率は、1
6%に当然規制された結果となっている。上記の規制さ
れたスタンドでのRMS平均オーバーロード率は、規制
条件により圧延条件が決定されたため、100%をかな
り下回った値となっている。しかし、規制されない他の
スタンドでは、ほぼ100%となっており、制約条件が
ある場合でも、簡単に処理できることが分かる。但し、
表7のスケジュールと比較し、規制されなかった途中の
スタンドでの負荷が増加しているため、圧延速度はかな
り小さく制限された値となっていることは、当然であ
る。
【0107】以上のように、本発明によるパススケジュ
ール決定方法によれば、設備能力からの必要な制約条件
を容易に満足させるパススケジュールを得ることがで
き、確実な圧延を行うことができる。
【0108】また、制約条件は設備の許容上限値に必ず
しも設定することはなく、各スタンド毎に自由に余裕を
持った値とすることもできることは、当然言うまでもな
いことである。
【0109】更に評価関数の形式に関しては、本発明の
主旨を逸脱しない範囲で、別の形式とすることもでき
る。例えば評価関数Ebでは、本発明では各スタンドの
平均圧延動力の2乗和でで与えた。これを4乗和等のよ
うに偶数の指数を用いたべき乗の和に置き換えても、同
様な効果の得られることは明らかである。また評価関数
cでは、制約されない各スタンドでの平均オーバーロ
ード率の単純平均値をOmとして、
【0110】
【数13】
【0111】というような分布に関係する形式としても
よい。更にこの形式の場合、最適化問題に還元すること
に拘わらなければ、制約条件の取り込み処理が煩雑にな
るが、各スタンドにおける平均オーバーロード率が均一
であるとして直接的に
【0112】
【数14】
【0113】として処理することも可能である。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、複数の圧延機を備える
タンデム圧延設備における各スタンドの圧延パススケジ
ュールを強力な指導原理に基づいて経験に頼らず一意
的、簡単且つ合理的に決定できる。また、圧延に要する
電力を極力少なくしたり、極力大きな生産量を得ること
が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にあるタンデム圧延設備の構
成概要を示す図である。
【図2】本発明における用語「平均圧延動力」及び「平
均オーバーロード率」について説明する図である。
【図3】2スタンド冷間タンデム圧延設備で、第1スタ
ンド出側板厚を変えた時の、圧延動力の変化を示したも
のである。
【図4】図3の縦軸のスケールを拡大して曲線Cのみを
示した図である。
【図5】図3におけるP1、P2を各々2乗して結んだ
曲線A’、B’、及びそれらの和(P12+P22)にあ
る曲線C’を示す図である。
【図6】2スタンド熱間タンデム圧延設備で、第1スタ
ンド出側板厚を変えた時の、圧延動力の変化を示したも
のである。
【図7】図6の縦軸のスケールを拡大して曲線Cのみを
示した図である。
【図8】図6におけるP1、P2を各々2乗して結んだ
曲線A’、B’、及びそれらの和(P12+P22)にあ
る曲線C’を示す図である。
【図9】3スタンド熱間タンデム圧延設備で、第1スタ
ンド、第2スタンドの各出側板厚を両軸にとり、評価関
数Eaの値を等高線表示した図である。
【符号の説明】
1 圧延機 2 圧延材 3 巻き取り機 4 圧下装置 5 板厚制御装置 6 パススケジュール演算装置 7 生産管理統括装置 8 入側圧延材 9 出側圧延材 10 圧延ロール

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧延機を備えたタンデム圧延設備に
    おけるタンデム圧延方法において、 前記複数の圧延機の各パスにおける平均圧延動力の合計
    値を最小にする各出側板厚を算出し、これをドラフトス
    ケジュールとして圧延パススケジュールを決定し圧延を
    行うことを特徴とするタンデム圧延方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のタンデム圧延方法におい
    て、 前記複数の圧延機における全パス数をNとし、iパス目
    の圧延機の平均圧延動力をPiとするとき、前記平均圧
    延動力の合計値に関する評価関数を、 【数1】 とし、この評価関数に極小値を与える各出側板厚を求め
    ることで前記平均圧延動力の合計値を最小にする各出側
    板厚を算出することを特徴とするタンデム圧延方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のタンデム圧延方法におい
    て、 前記複数の圧延機における全パス数をNとし、iパス目
    の圧延機の平均圧延動力をPiとするとき、前記平均圧
    延動力の合計値に関する評価関数を、 【数2】 とし、この評価関数に極小値を与える各出側板厚を求め
    ることで前記平均圧延動力の合計値 を最小にする各出
    側板厚を算出することを特徴とするタンデム圧延方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項記載のタン
    デム圧延方法において、 前記平均圧延動力Piを、圧延材上の特定代表点での瞬
    間圧延動力で求めることを特徴とするタンデム圧延方
    法。
  5. 【請求項5】複数の圧延機を備えたタンデム圧延設備に
    おけるタンデム圧延方法において、 前記複数の圧延機の各パスにおける平均オーバーロード
    率を均等に配分する各出側板厚を算出し、これをドラフ
    トスケジュールとして圧延パススケジュールを決定し圧
    延を行うことを特徴とするタンデム圧延方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載のタンデム圧延方法におい
    て、 前記複数の圧延機における全パス数をNとし、iパス目
    の圧延機の平均オーバーロード率をOiとするとき、前
    記平均オーバーロード率の配分に関する評価関数を、 【数3】 とし、この評価関数に極小値を与える出側板厚を求める
    ことで前記平均オーバーロード率を均一に配分する各出
    側板厚を算出することを特徴とするタンデム圧延方法。
  7. 【請求項7】請求項5又は6記載のタンデム圧延方法に
    おいて、 平均オーバーロード率Oiを、圧延材上の特定代表点で
    の瞬間オーバーロード率で求めることを特徴とするタン
    デム圧延方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか1項記載のタン
    デム圧延方法において、 前記圧延パススケジュールの決定に際して、 A)圧下率 B)圧延トルク C)圧延荷重 D)圧延線圧 E)噛み込み角度 の少なくとも1つを制約条件として考慮し、それらの許
    容最大値を超えないよう圧延パススケジュールを決定す
    ることを特徴とするタンデム圧延方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至3のいずれか1項記載のタン
    デム圧延方法において、 iパス目の圧延機の平均圧延動力Piを平均オーバーロ
    ード率Oiに置き換えて圧延パススケジュールを決定す
    ることを特徴とするタンデム圧延方法。
  10. 【請求項10】請求項5又は6記載のタンデム圧延方法
    において、 iパス目の圧延機の平均オーバーロード率Oiを平均圧
    延動力Piに置き換えて圧延パススケジュールを決定す
    ることを特徴とするタンデム圧延方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか1項記載の
    タンデム圧延方法において、 前記パススケジュールの決定に際して、各圧延機の平均
    オーバーロード率が各圧延機の目標オーバーロード率を
    超えないよう、最終圧延機の指定最大出側圧延速度の範
    囲内で最終圧延機の出側最大圧延速度を決定することを
    特徴とするタンデム圧延方法。
  12. 【請求項12】複数の圧延機を備えるタンデム圧延設備
    であって、 (a)各圧延機に設置してそれぞれの出側板厚を直接制
    御する圧下手段と、 (b)入力された圧延パススケジュールに基づいて該圧
    下手段を制御する板厚制御手段と、 を備えるタンデム圧延設備において、 (c)該複数の圧延機毎の各パスにおける平均圧延動力
    の合計値を最小にする各出側板厚を算出し、これをドラ
    フトスケジュールとして圧延パススケジュールを決定
    し、該板厚制御手段に出力するパススケジュール演算手
    段、 を備えていることを特徴とするタンデム圧延設備。
  13. 【請求項13】複数の圧延機を備えるタンデム圧延設備
    であって、 (a)各圧延機に設置してそれぞれの出側板厚を直接制
    御する圧下手段と、 (b)入力された圧延パススケジュールに基づいて該圧
    下手段を制御する板厚制御手段と、 を備えるタンデム圧延設備において、 (d)該複数の圧延機の各パスにおける平均オーバーロ
    ード率を均等に配分する各出側板厚を算出し、これをド
    ラフトスケジュールとして圧延パススケジュールを決定
    し、該板厚制御手段に出力するパススケジュール演算手
    段、 を備えていることを特徴とするタンデム圧延設備
JP11230588A 1999-08-17 1999-08-17 タンデム圧延方法及び圧延設備 Pending JP2001047116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11230588A JP2001047116A (ja) 1999-08-17 1999-08-17 タンデム圧延方法及び圧延設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11230588A JP2001047116A (ja) 1999-08-17 1999-08-17 タンデム圧延方法及び圧延設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001047116A true JP2001047116A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16910104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11230588A Pending JP2001047116A (ja) 1999-08-17 1999-08-17 タンデム圧延方法及び圧延設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001047116A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111083790A (zh) * 2018-10-19 2020-04-28 成都鼎桥通信技术有限公司 一种调度控制方法和装置
CN114769322A (zh) * 2022-06-20 2022-07-22 太原科技大学 一种双金属复合无缝钢管的热轧轧制规程优化方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111083790A (zh) * 2018-10-19 2020-04-28 成都鼎桥通信技术有限公司 一种调度控制方法和装置
CN111083790B (zh) * 2018-10-19 2022-09-09 成都鼎桥通信技术有限公司 一种调度控制方法和装置
CN114769322A (zh) * 2022-06-20 2022-07-22 太原科技大学 一种双金属复合无缝钢管的热轧轧制规程优化方法
CN114769322B (zh) * 2022-06-20 2022-10-04 太原科技大学 一种双金属复合无缝钢管的热轧轧制规程优化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2157284C1 (ru) Способ оптимизации распределения ширины полосы на концах полосы проката, проходящей через прокатный стан
JP2001047116A (ja) タンデム圧延方法及び圧延設備
JP5999265B2 (ja) 省エネルギー操業リコメンドシステム
JP2011036887A (ja) 圧延装置での張力制御方法及び圧延装置
JP3506120B2 (ja) タンデム圧延機の圧延負荷配分変更方法
JP2003001315A (ja) 鋼帯の冷間圧延方法
JP4319431B2 (ja) タンデム圧延機の板厚制御方法および制御装置
RU2189875C2 (ru) Устройство автоматического регулирования плоскостности полос
JP2998550B2 (ja) 可逆式圧延機のパス・スケジュール決定方法
JP2576916B2 (ja) ペアクロス圧延機における厚板圧延方法
US6305206B1 (en) Reversible rolling method and reversible rolling system
JP2005081357A (ja) タンデム圧延装置におけるパススケジュール決定方法及びタンデム圧延装置
JP2008194740A (ja) タンデム圧延機による金属帯の圧延方法およびそれを用いた金属帯の製造方法
JPH06134508A (ja) 圧延機における板形状操作量設定装置
KR101322120B1 (ko) 강판의 웨지 및 캠버의 제어 방법 및 장치
JP4427872B2 (ja) タンデム圧延設備の板プロフィル制御方法
JP2002011502A (ja) 熱延鋼板の製造方法および製造装置
WO2024018665A1 (ja) 冷間圧延機の圧延条件設定方法、冷間圧延方法、鋼板の製造方法、冷間圧延機の圧延条件設定装置および冷間圧延機
JP2002282915A (ja) 可逆式圧延機、及び、圧延方法
JP3825716B2 (ja) 線材圧延ラインの速度制御方法及びその装置
JP3444267B2 (ja) 鋼板の圧延方法
JPH1177126A (ja) 連続圧延機における板厚制御方法
JPH0919706A (ja) 冷間タンデム圧延機における圧延スケジュール決定方法
JP2003326304A (ja) 可逆式圧延機における圧延パス条件設定の決定方法
JPH0547289B2 (ja)