JP2001046010A - 香味油含有マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents
香味油含有マイクロカプセルの製造方法Info
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Abstract
性物質や界面活性剤を含んだ香味油類など従来コアセル
ベーション法によりマイクロカプセル化することが困難
であった複雑な成分系を有する香味油を簡便に且つ本来
風味を保持したままマイクロカプセル化する方法を提供
する。 【解決手段】 香味油、水性液体およびレシチンまたは
HLB値0.1〜4の乳化剤からなる混合物を攪拌して
W/O型エマルションを形成させ、該W/O型エマルシ
ョンをゼラチン水溶液にゼラチンのゲル化点以上の温度
で加えて攪拌し、次いでコアセルベート化剤の水溶液を
加えて該W/O型エマルションの粒子の周りにゼラチン
のコアセルベートを形成させ、次いで該W/O型エマル
ションをゼラチンのゲル化点より低い温度に保持して該
コアセルベートを硬化させて香味油含有マイクロカプセ
ルを製造する。
Description
ロカプセルの製造方法およびこの方法により製造された
マイクロカプセルに関する。さらに詳しくは、本発明は
W/O型エマルションを内包する香味油含有マイクロカ
プセルの製造方法およびこの方法で製造されたマイクロ
カプセルに関する。本発明の方法は、種々の成分系を含
む香味油をマイクロカプセル化し、乾燥粉体とするのに
適している。
が多く、取り扱いが煩雑となるため、粉末化して用いら
れることが多い。従来から行われている粉末化の手法と
しては、サイクロデキストリンなどによる包接、担体へ
の吸着、噴霧乾燥などが行われている。しかしながら、
これらの手法では高含油量の粉体を得ることが困難であ
り、香味の強度を維持することができず、また高含油量
粉体での高い流動性を確保することも難しい。
化が、他の方法では達成困難な50%以上の高い含油量
を可能とし、しかも粉末としての良好な流動性を確保で
きる手法として期待されている。オリフィス法は、現在
実用化されているマイクロカプセル化法であるが、生産
効率が悪いためコストの上昇を招き、また得られるマイ
クロカプセルの粒子径が大きくなる傾向があり、高含油
量の粉末としてのマイクロカプセルを得ることは困難で
ある。
マイクロカプセル化して香味油含有マイクロカプセルを
得る方法が提案されている(特表平8−501441公
報)。この方法によれば、小さな粒子で高い含油量及び
流動性を保ち、安価な含油粉末を提供することができ
る。このコアセルベーション法によれば、精製された油
をマイクロカプセル化することはできるが、未精製の動
植物油脂、天然オレオレジン等、複雑な成分系を持つ香
味油のマイクロカプセル化を試みた場合、マイクロカプ
セルが形成されないか、又は調製されたマイクロカプセ
ルが元の風味と全く違ったものになってしまうという問
題点を有している。
プセル化方法として、W/O/W型エマルション粒子を
親水性膜形成物質で覆い、膜形成物質を硬化させてマイ
クロカプセル化する方法が提案されている(特開平10
−174861公報)。この方法においてコアセルベー
ション法を採らない理由として、ゼラチンによるコアセ
ルベーション法によりW/O型エマルションをカプセル
化する提案が特公昭37−3874号および同37−3
875号公報等に記載されているが、これらの場合、W
/O型エマルションを調製する際に配合する界面活性剤
により、ゼラチンのコアセルベートがW/O型エマルシ
ョンに吸着するのを阻害したり、低濃度のマイクロカプ
セル分散液しか得られないなどの欠点があることがあげ
られている。上記方法によれば、使用される香味油は特
に制限されないという利点はあるが、硬化した膜形成物
質相を砕いてマイクロカプセルを取り出すか、あるいは
有機溶媒中で分散硬化させた後有機溶媒を蒸発させて取
り出すため、機械的衝撃によりカプセルが破壊される可
能性があり、また、食品用としては溶剤の残存が問題と
なるなど、有機溶媒の取り扱い上の問題などの不利点を
有している。またこの方法では油性液体の含有量を大き
くするのが困難である。
が複雑な成分系を有する香味油であっても高含油量でマ
イクロカプセル化することのできる、簡便なマイクロカ
プセルの製造方法を提供することである。
解決するために鋭意検討した結果、従来マイクロカプセ
ル化が困難とされていた香味油には、微量の界面活性物
質或いは少量の極性物質が含有されていることが原因で
あることを突き止め、そのような香味油は水性液体およ
びレシチンまたはHLB値0.1〜4の乳化剤を加えW
/O型エマルションを形成させ、該エマルションをゼラ
チン水溶液に加え、コアセルベート化することによりマ
イクロカプセル化することができること、該マイクロカ
プセルには香味油本来の風味がよく保持されていること
を発見し、本発明を完成させた。
シチンまたはHLB値0.1〜4の乳化剤からなる混合
物を攪拌してW/O型エマルションを形成させ、該W/
O型エマルションをゼラチン水溶液にゼラチンのゲル化
点以上の温度で加えて攪拌し、次いでコアセルベート化
剤の水溶液を加えて該W/O型エマルションの粒子の周
りにゼラチンのコアセルベートを形成させ、次いで該W
/O型エマルションをゼラチンのゲル化点より低い温度
に保持することを特徴とする香味油含有マイクロカプセ
ルの製造方法及びこの方法により製造されたマイクロカ
プセルよりなる。
なく、従来コアセルベーション法でマイクロカプセル化
できなかった香味油も使用することができる。即ち、微
量の界面活性物質あるいは少量の極性物質を含有するも
の、例えばラード、ヘット、バター、エキストラバージ
ンオリーブオイルなどの未精製動植物油脂類、カプシカ
ムオレオレジン、バニラエキストラクト、カツオ節抽出
物などの天然物オレオレジン類、ラー油などの香味油
類、脂肪酸類、アミン類、アルコール類、フェノール
類、含硫化合物及び界面活性物質などの極性物質を好ま
しくは0.001〜20.0重量%、更に好ましくは0.
01〜10.0重量%を含有する油溶性香料類があげら
れる。上記極性物質は、例えば水−オクタノール分配係
数の対数、LogKOW値で−0.3〜3.0、より好ま
しくは0.05〜2.0の範囲にある化合物と言い換える
こともできる。これら香味油は1種又は2種以上の組み
合わせで用いることができる。
水溶液であり、水溶液としては可食性物質の水溶液であ
れば特に限定されるものではない。可食性物質の例とし
ては、例えば塩および酸類として、塩化ナトリウム、酢
酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、メ
タリン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、リン酸
2水素ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、クエン酸、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウ
ム、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、乳酸、乳酸ナト
リウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウムなどが例示され
る。
糖アルコール、糖、アミノ酸、ペプチド、タンパク質も
可食性物質として使用できる。多価アルコールとして
は、グリセリン、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル類などが例示され、糖アルコールとしては、ソルビト
ール、キシリトール、マルチトールなどが例示され、糖
としては、フルクトース、グルコース、リボース、シュ
ークロース、マルトース、ラクトース、トレハオース、
水飴、デキストリン類、アラビアゴム、カラギーナン、
キチン、アルギン酸など水溶性のものが例示され、アミ
ノ酸として、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アス
パラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リジン、メチ
オニン、アルギニン、ヒスチジンなどが例示され、ペプ
チドおよびタンパク質としては、グルタチオン、ゼラチ
ンなどが例示される。これらの1種又は2種以上の組み
合わせた水溶性溶液として用いることができる。
が、多価アルコール以外の物質の水溶液では、好ましく
は20重量%未満、より好ましくは15重量%未満が用
いられる。塩濃度が20%を越えた場合、W/O乳化物
の経時安定性が悪くなる可能性がある。水性液体として
上記のような可食性物質の水溶液を用いることにより、
W/O型エマルションを安定化することができる。
れるものではないが、好ましくは100:0.1〜30
0であり、更に好ましくは100:1.0〜100であ
る。この比が100:0.1未満或いは100:300
を越えた場合は、マイクロカプセルの収率が悪くなる傾
向にある。
たはHLB値が0.1〜4.0の乳化剤であれば特に限定
されないが、好ましくはHLB値が0.1〜3.0、より
好ましくは0.1〜2.0のものが用いられる。そのよう
な乳化剤としてはポリグリセリン縮合リシノレン酸エス
テル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪
酸エステル類、大豆レシチン、卵黄レシチンなどの中か
ら適宜選択され、1種又は2種以上の組み合わせで用い
ることができる。香味油と乳化剤との重量比は特に限定
されるものではないが、好ましくは100:0.01〜
10、より好ましくは100:0.05〜8、更に好ま
しくは100:0.1〜5で用いることができる。10
0:0.01未満であれば乳化が不完全になる可能性が
あり、100:10を越えると経済的に効率が悪くな
る。
精製ゼラチン、精製ゼラチン、酸分解ゼラチン、酵素分
解ゼラチンなどが例示され、特に限定されるものではな
いが、好ましくは精製ゼラチンが用いられる。香味油と
ゼラチンとの重量比は特に限定されるものではないが、
好ましくは100:1〜100、より好ましくは10
0:10〜60の範囲で用いられる。この比が100:
1未満であればマイクロカプセルの皮膜が薄く、強度に
問題が生じることがあり、100:100を越えると、
マイクロカプセルの皮膜が厚く、香味に悪影響を与える
可能性がある。
しては、通常ゼラチンのコアセルベート化に使用される
ものを特に制限なく用いることができる。特にアラビア
ガム、カラギーナン、CMC類、有機または無機の塩か
らなる電解質物質、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウムのような陽
イオンを有する塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩
のような陰イオンを有する塩が使用される。さらに水溶
解性の液体であって、その中にゼラチンが水よりも少な
く溶解するような液体物質、例えば、エタノール、プロ
パノールのようなアルコール類を用いることもできる。
程およびコアセルベーション工程は、W/O型エマルシ
ョン形成工程でレシチンまたはHLB値0.1〜4の乳
化剤を使用する以外はそれ自体公知の方法によって実施
される。
体および乳化剤を加え、乳化機を用いてW/O型エマル
ションを形成させ、これをゼラチン水溶液中に50〜6
0℃で加え、攪拌下可食性塩水溶液を加え、徐々に冷却
してエマルション粒子の周りにコアセルベーションを形
成硬化させ、水溶液中から形成されたマイクロカプセル
を濾過などにより取り出し、必要によりデンプンなどの
乾燥助剤とともに乾燥することによって容易に実施され
る。このようにして得られるマイクロカプセルは、香味
油の種類に影響されることなく、かつ香味油本来の風味
を忠実に再現したものである。次に実施例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。
リン縮合リシノレイン酸エステル1gを溶解させ、1%
の食塩水25gとともにクレアミックス(エム・テクニ
ック社製)で20000rpm、3分間で攪拌乳化し
た。得られたエマルションの30gを、50℃に加温し
た10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマルション
滴を形成させた。水を60mL添加し、ついで炭酸ナト
リウム9gを水36mLに溶解させた塩溶液を滴下し、
滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却し、エマルション油滴
のまわりにコアセルベートを付着させカプセル壁を形成
させた。得られたカプセルを水溶液中より濾別し、デン
プンを乾燥助剤として通風乾燥を行いマイクロカプセル
を35g得た。
ド1gを溶解させ、1%の食塩水25gとともにクレア
ミックスで20000rpm、3分間で攪拌乳化した。
得られたエマルションの30gを、50℃に加温した1
0%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマルション滴を
形成させた。水を60mL添加し、ついで炭酸ナトリウ
ム9gを水36mLに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下
後ゼラチン溶液を徐々に冷却したが、コアセルベートを
エマルション油滴のまわりに付着させカプセル壁を形成
させることはできなかった。
解させ、水0.3gを加え、超音波で15分間乳化し
た。得られたエマルションの30gを、50℃に加温し
た10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマルション
滴を形成させた。水を60mL添加し、ついで炭酸ナト
リウム9gを水36mLに溶解させた塩溶液を滴下し、
滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却し、エマルション油滴
のまわりにコアセルベートを付着させカプセル壁を形成
させた。得られたカプセルを水溶液中より濾別し、デン
プンを乾燥助剤として流動層で乾燥しマイクロカプセル
を20g得た。
チン水溶液60mLに加え、エマルション滴を形成させ
た。水を60mL添加し、ついで炭酸ナトリウム9gを
水36mLに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下後ゼラチ
ン溶液を徐々に冷却しても、コアセルベートはエマルシ
ョン油滴のごく一部にしか付着せずカプセルとすること
ができなかった。
に、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル1.5
gを加え、1%の食塩水50gとともにホモミキサー
(特殊機化社製)で10000rpm、15分間で攪拌
乳化した。得られたエマルションの30gを、50℃に
加温した10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマル
ション滴を形成させた。水を70mL添加し、ついでメ
タリン酸0.6gを水60mLに溶解させた塩溶液を滴
下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却し、エマルショ
ン油滴のまわりにコアセルベートを付着させカプセル壁
を形成させた。得られたカプセルを水溶液中より濾別
し、デンプンを乾燥助剤として、流動層で乾燥しマイク
ロカプセルを33g得た。
を、50℃に加温した10%ゼラチン水溶液60mLに
加え、エマルション滴を形成させた。水を70mL添加
し、ついでメタリン酸0.6gを水60mLに溶解させた
塩溶液を滴下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却した
が、コアセルベートはエマルション油滴のごく一部にし
か付着せずカプセルとすることができなかった。
レイン酸エステル1.5gを加え、1%の食塩水50g
とともにホモミキサーで10000rpm、15分間で
攪拌乳化した。得られたエマルションの30gを、50
℃に加温した10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エ
マルション滴を形成させた。水を70mL添加し、つい
でメタリン酸0.6gを水60mLに溶解させた塩溶液を
滴下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却し、エマルシ
ョン油滴のまわりにコアセルベートを付着させカプセル
壁を形成させた。得られたカプセルを水溶液中より濾別
し、デンプンを乾燥助剤として、流動層で乾燥しマイク
ロカプセルを35g得た。
ラチン水溶液60mLに加え、エマルション滴を形成さ
せた。水を70mL添加し、ついでメタリン酸0.6gを
水60mLに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下後ゼラチ
ン溶液を徐々に冷却して、エマルション油滴のまわりに
コアセルベートを付着させカプセル壁を形成させた。し
かしながら、このカプセル壁は皮膜が極めて弱く、乾燥
工程中でコアセルベートが崩壊するため、乾燥マイクロ
カプセルとして得ることはできなかった。
リセリン縮合リシノレイン酸エステル1.5gを加え、
1%の食塩水50gとともにホモミキサーで10000
rpm、15分間で攪拌乳化した。得られたエマルショ
ンの30gを、50℃に加温した10%ゼラチン水溶液
60mLに加え、エマルション滴を形成させた。水を6
0mL添加し、ついで炭酸ナトリウム9gを水36mLに
溶解させた塩溶液を滴下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々
に冷却し、エマルション油滴のまわりにコアセルベート
を付着させカプセル壁を形成させた。得られたカプセル
を水溶液中より濾別し、デンプンを乾燥助剤として、流
動層で乾燥しマイクロカプセルを35g得た。
加温した10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマル
ション滴を形成させた。水を60mL添加し、ついで炭
酸ナトリウム9gを水36mLに溶解させた塩溶液を滴
下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却したが、コアセ
ルベートはエマルション油滴のごく一部にしか付着せず
カプセルとすることができなかった。
ン縮合リシノレイン酸エステル1.5gを溶解させ、0.
9%の食塩水50gとともにクレアミックスで2000
0rpm、2分間で攪拌乳化した。得られたエマルショ
ンの30gを、50℃に加温した10%ゼラチン水溶液
60mLに加え、エマルション滴を形成させた。水を7
0mL添加し、ついでメタリン酸0.7gを水60mLに
溶解させた塩溶液を滴下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々
に冷却し、エマルション油滴のまわりにコアセルベート
を付着させカプセル壁を形成させた。得られたカプセル
を水溶液中より濾別し、デンプンを乾燥助剤として、流
動層で乾燥しマイクロカプセルを35g得た。
した10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマルショ
ン滴を形成させた。水を70mL添加し、ついでメタリ
ン酸0.7gを水60mLに溶解させた塩溶液を滴下し、
滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却したが、コアセルベー
トはエマルション油滴のごく一部にしか付着せずカプセ
ルとすることができなかった。
合リシノレイン酸エステル1.5gを加え、10%の醤
油水溶液50gとともにホモミキサーで10000rp
m、15分間で攪拌乳化した。得られたエマルションの
30gを、50℃に加温した10%ゼラチン水溶液60
mLに加え、エマルション滴を形成させた。水を70mL
添加し、ついでメタリン酸0.6gを水60mLに溶解さ
せた塩溶液を滴下し、滴下後ゼラチン溶液を徐々に冷却
し、エマルション油滴のまわりにコアセルベートを付着
させカプセル壁を形成させた。得られたカプセルを水溶
液中より濾別し、デンプンを乾燥助剤として、流動層で
乾燥しマイクロカプセルを30g得た。このマイクロカ
プセルは、元々の香味油が有していた、ローストした醤
油の風味をそのまま保持していた。
10%ゼラチン水溶液60mLに加え、エマルション滴
を形成させた。水を70mL添加し、ついでメタリン酸
0.6gを水60mLに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下
後ゼラチン溶液を徐々に冷却し、エマルション油滴のま
わりにコアセルベートを付着させカプセル壁を形成させ
た。得られたカプセルを水溶液中より濾別し、デンプン
を乾燥助剤として、流動層で乾燥し、マイクロカプセル
を37g得た。しかしながら、このマイクロカプセル
は、香味油が元々持っていたローストした醤油の風味と
かけはなれた風味であった。
脂類、天然物オレオレンジ、極性物質や界面活性剤を含
んだ香味油類など従来コアセルベーション法によるマイ
クロカプセル化が困難であった複雑な成分系を有する香
味油を簡便にかつ本来の風味を保持したままマイクロカ
プセル化することができる。本発明の方法によって得ら
れる香味油含有マイクロカプセルは、W/O型エマルシ
ョン粒子の外面をコアセルベートにより形成され、冷却
により硬化されたゼラチン層で被覆した構造を有してい
る。カプセルは、水存在下50℃以上に温められると破
壊されるので、本発明の香味油含有マイクロカプセルを
添加した調味料や食品を温めるかあるいは温められた調
味料や食品にこれを添加することにより封入されていた
香味が溶け出し、所望の香味を呈させることができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 香味油、水性液体およびレシチンまたは
HLB値0.1〜4の乳化剤からなる混合物を攪拌して
W/O型エマルションを形成させ、該W/O型エマルシ
ョンをゼラチン水溶液にゼラチンのゲル化点以上の温度
で加えて攪拌し、次いでコアセルベート化剤の水溶液を
加えて該W/O型エマルションの粒子の周りにゼラチン
のコアセルベートを形成させ、次いで該W/O型エマル
ションをゼラチンのゲル化点より低い温度に保持して該
コアセルベートを硬化させることを特徴とする香味油含
有マイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項2】 香味油が未精製動植物油脂、天然物オレ
オレジンまたは0.001〜20.0重量%の極性物質を
含有する油性香料またはこれらの2種以上の混合物であ
る請求項1記載のマイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項3】 極性物質が、酸類、アミン類、アルコー
ル類、フェノール類または含硫化合物からなる香味を有
する化合物または界面活性物質である請求項2記載のマ
イクロカプセルの製造方法。 - 【請求項4】 香味油と水性液体との重量比が、10
0:0.1〜300である請求項1〜3記載のマイクロ
カプセルの製造方法。 - 【請求項5】 水性液体が、水、0.01〜20重量%
濃度の塩水溶液、多価アルコール水溶液あるいは0.0
1〜20重量%濃度の糖アルコール、糖、アミノ酸、ペ
プチドもしくはタンパク質水溶液である請求項1〜4記
載のマイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項6】 香味油と乳化剤との重量比が、100:
0.05〜8であることを特徴とする請求項1〜5記載
のマイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項7】 香味油とゼラチンとの重量比が、10
0:5〜60である請求項1〜6記載のマイクロカプセ
ルの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7記載のマイクロカプセルの
製造方法により製造された香味油含有マイクロカプセ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22826599A JP4109804B2 (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 香味油含有マイクロカプセルの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22826599A JP4109804B2 (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 香味油含有マイクロカプセルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001046010A true JP2001046010A (ja) | 2001-02-20 |
JP4109804B2 JP4109804B2 (ja) | 2008-07-02 |
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ID=16873774
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22826599A Expired - Lifetime JP4109804B2 (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 香味油含有マイクロカプセルの製造方法 |
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