JP2001045800A - 同期電動機の制御方法 - Google Patents

同期電動機の制御方法

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JP2001045800A
JP2001045800A JP11213143A JP21314399A JP2001045800A JP 2001045800 A JP2001045800 A JP 2001045800A JP 11213143 A JP11213143 A JP 11213143A JP 21314399 A JP21314399 A JP 21314399A JP 2001045800 A JP2001045800 A JP 2001045800A
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Yoichi Omori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同期電動機の電動機定数を制御装置により自動
計測する。 【解決手段】停止状態でd軸電流に交流を流し、q軸電
流にd軸電流と90度位相が異なり振幅が等しい交流を
流し、d軸、q軸電圧の振幅の大きさを比較してd軸電
圧が大きければ永久磁石の方向を90度進めるか又は遅
らせ、d軸に交流電流を流し、d軸電流とq軸電圧の微
分値から永久磁石の方向の誤差を修正し、d軸電流に交
流を流し、d軸電流が正の時のd軸電圧の平均値が、d
軸電流が負の時のd軸電圧の平均値より大きい場合に永
久磁石の方向を180度進め、永久磁石の方向推定が終
わった時点で、d軸電流に交流を流し、q軸電流にd軸
電流と90度位相が異なり振幅が等しい交流を流し、d
軸電流及び電圧の大きさと位相よりd軸インダクタンス
と抵抗成分とを求めて設定記憶し、q軸電流及び電圧の
大きさと位相よりq軸インダクタンスと抵抗成分とを求
めて設定記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石形同期電
動機を制御するシステムに関わり、特に位置センサや速
度センサ等を用いずに調整を簡単に行い、しかも高精度
に行うことができる同期電動機の制御方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石形同期電動機の電動機定
数である巻線抵抗は、直流試験で測定し、d軸のインダ
クタンスLdは、永久磁石形同期電動機を固定した状態
でd軸電流だけに交流電流を流す拘束試験で測定し、q
軸のインダクタンスLqは、永久磁石形同期電動機を固
定した状態でq軸電流だけに交流電流を流す拘束試験で
測定し、永久磁石の磁束は負荷試験で測定し、測定され
た電動機定数は、手動によって制御装置へ入力してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石形同期電動機
を高精度に制御するには、永久磁石形同期電動機の電動
機定数の値が必要な場合がある。しかし、例えばd軸の
インダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqを測定
する場合、永久磁石形同期電動機が回転しないように固
定する道具が必要であり、そのような試験装置がないと
永久磁石形同期電動機を高精度に制御できなかった。ま
た、電機子抵抗とd軸のインダクタンスLd及びq軸の
インダクタンスLqは別々に測定しているため、手間が
かかるという問題があった。
【0004】また、d軸のインダクタンスLdとq軸の
インダクタンスLqを測定する場合、永久磁石の方向を
検出する位置検出器が必要になる。さらに、永久磁石の
磁束を測定する場合、永久磁石の方向を検出する位置検
出器と永久磁石形同期電動機の回転速度を検出する速度
検出器が必要となる。これらの位置および速度検出器は
振動、粉塵や温度等の使用制限や、モータ体積の増大、
さらに検出器信号線の断線やノイズ混入等の問題があ
る。本発明はこのような点に鑑みて創案されたもので、
その目的とするところは、これらの欠点を解決し、位置
検出器や速度検出器、試験装置を用いずに電動機定数を
同時に測定することができる同期電動機の制御方法を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため
に、請求項1に示す如く、永久磁石形同期電動機に流れ
る一次電流を推定された永久磁石の方向に平行なd軸電
流成分と、d軸に垂直なq軸電流成分に分けて制御する
同期電動機の制御方法において、永久磁石形同期電動機
が停止した状態でd軸電流として交流電流を流し、q軸
電流としてd軸電流に対して90度位相が異なり振幅が
等しい交流電流を流し、d軸電圧の振幅とq軸電圧の振
幅を比較してd軸電圧の振幅がq軸電圧の振幅よりも大
きければ推定された永久磁石の方向を90度進めるか又
は遅らせ、q軸電流を流さず、d軸電流として交流電流
を流し、q軸電圧の微分値とd軸電流の積によって推定
された永久磁石の方向を修正し、q軸電流は流さず、d
軸電流に交流電流を流し、d軸電流が正の時のd軸電圧
の平均値が、d軸電流が負の時のd軸電圧の平均値より
大きい場合に推定された永久磁石の方向を180度進
め、永久磁石の方向の推定が全て終わった時点で、d軸
電流として交流電流を流し、q軸にはd軸電流に対して
90度位相が異なり振幅が等しい交流電流を流し、d軸
電流の大きさと位相及びd軸電圧の大きさと位相より永
久磁石形同期電動機のd軸インダクタンスLdと抵抗成
分Rdを求めて設定記憶し、q軸電流の大きさと位相及
びq軸電圧の大きさと位相より永久磁石形同期電動機の
q軸インダクタンスLqと抵抗成分Rqを求めて設定記
憶するものである。
【0006】また、抵抗成分Rdと抵抗成分Rqの平均
値を永久磁石形同期電動機の電機子抵抗Rとして設定記
憶するものである。
【0007】また、d軸電流として交流電流を流し、q
軸電流として直流電流を流し、永久磁石形同期電動機が
回転している状態で、d軸電流、q軸電流及びq軸電圧
から永久磁石の方向及び永久磁石形同期電動機の回転速
度を推定し、電機子抵抗R、d軸インダクタンスLd、
q軸インダクタンスLq、推定された永久磁石の方向、
推定された回転速度、d軸電流、q軸電流及びq軸電圧
を入力して永久磁石の磁束を求めて設定記憶するもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、図を用いて
説明する。図1は本発明の一実施例のブロック図であ
り、1は永久磁石形同期電動機、4は永久磁石形同期電
動機1に電力を供給する電力変換器、2は永久磁石形同
期電動機1に印加される一次電圧v1を検出する電圧検
出器、3は永久磁石形同期電動機1に流れる一次電流i
1を検出する電流検出器である。6はd軸インダクタン
スLd、q軸インダクタンスLq、電機子抵抗R及び永
久磁石の磁束φを入力して、永久磁石形同期電動機1を
トルク制御するために必要な制御信号S1を出力するト
ルク制御器である。
【0009】電流成分変換器13は、一次電流i1及び
推定された永久磁石の方向θgを入力してd軸電流id
及びq軸電流iqを出力する。電圧成分変換器14は、
一次電圧v1及び推定された永久磁石の方向θgを入力
してd軸電圧vd及びq軸電圧vqを出力する。位置・
速度推定手段7は、d軸電流idとして交流電流が流
れ、q軸電流としてd軸電流に対して90度位相が異な
り振幅が等しい交流電流が流れるような制御信号S2、
q軸電流は流さずd軸電流idとして交流電流が流れる
ような制御信号S3、q軸電流iqは流さずd軸電流i
dとして磁気飽和が生じるような大きめの交流電流が流
れるような制御信号S4、推定された回転速度ωg及び
推定された永久磁石の方向θgを出力する。詳細につい
ては後述する。
【0010】電動機定数演算手段8は、d軸電流id、
q軸電流iq、d軸電圧vd及びq軸電圧vqを入力し
て、d軸電流idとして交流電流が流れ、q軸電流iq
としてd軸電流idと90度位相が異なり振幅の等しい
交流電流が流れるような制御信号S5を出力し、d軸電
流id、q軸電流iq、d軸電圧vd及びq軸電圧vq
をフーリエ変換し、d軸電流idの基本波成分の大きさ
と位相及びd軸電圧vdの基本波成分の大きさと位相か
らd軸インダクタンスLdと抵抗成分Rdを求め、q軸
電流iqの基本波成分の大きさと位相及びq軸電圧vq
の基本波成分の大きさと位相からq軸インダクタンスL
qと抵抗成分Rqを求める。
【0011】磁束演算手段10は、d軸電流id、q軸
電流iq、q軸電圧vq、d軸インダクタンスLd、q
軸インダクタンスLq、電機子抵抗R、推定された永久
磁石の方向θg及び推定された回転速度ωgを入力し
て、d軸電流idとして交流電流が流れ、q軸電流iq
として直流電流が流れるような制御信号S6及び永久磁
石の磁束φを出力する。設定記憶手段9は、d軸インダ
クタンスLd、q軸インダクタンスLq、抵抗成分R
d、抵抗成分Rq及び永久磁石の磁束φを入力し、抵抗
成分Rdと抵抗成分Rqの平均値を電機子抵抗Rとして
設定記憶し、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタ
ンスLq及び永久磁石の磁束φを設定記憶する。
【0012】スイッチ5は、トルク制御器6が出力する
制御信号S1と位置・速度推定手段7が出力する制御信
号S2、S3、S4、電動機定数演算手段8が出力する
制御信号S5及び磁束演算手段10が出力する制御信号
S6のいずれかを選択するスイッチであり、永久磁石形
同期電動機1をトルク制御するときは制御信号S1を電
力変換器4に出力し、電動機定数が未知の状態で永久磁
石の方向を推定するときは制御信号S2、S3、S4の
順番に電力変換器4に出力し、d軸インダクタンスL
d、q軸インダクタンスLq及び抵抗成分Rを演算する
ときは制御信号S5を電力変換器4に出力し、永久磁石
の磁束φを演算するときは制御信号S6を電力変換器4
に出力する。
【0013】図2は、図1中の位置・速度推定手段7の
詳細ブロック図を表しており、15はdq軸判定手段で
あり、d軸電圧vdとq軸電圧vqを入力して、d軸電
流idとして交流電流が流れ、q軸電流iqとしてd軸
電流idに対して90度位相が異なり振幅が等しい交流
電流が流れるような制御信号S2と、d軸電圧vdの振
幅の大きさとq軸電圧vqの振幅の大きさを比較して、
d軸電圧vdの振幅の方が大きければ推定された永久磁
石の方向θgを90度進めるか又は遅らせる信号Sθ1
を出力する。
【0014】16は磁極判定手段であり、d軸電流id
及びd軸電圧vdを入力して、q軸電流iqは流さずd
軸電流idに磁気飽和が生じるような大きめの交流電流
が流れるような制御信号S4と、d軸電流idが正の時
のd軸電圧vdの平均値がd軸電流idが負の時のd軸
電圧vdの平均値より大きい場合に推定された永久磁石
の方向θgを180度進める信号Sθ2を出力する。1
7は位置・速度修正手段であり、q軸電流iqは流さ
ず、d軸電流idに交流電流が流れるような制御信号S
3、永久磁石形同期電動機1の推定された回転速度ωg
及び推定された永久磁石の方向θgを出力する。以下、
その詳細を図3により説明する。
【0015】図3中、18は微分器であり、q軸電流i
qを微分する。19はインダクタンス分電圧降下演算器
であり、微分器18の出力とq軸インダクタンスLqの
積を演算する。20は抵抗分電圧降下演算器であり、q
軸電流iqと電機子抵抗Rの積を出力する。21は加算
器であり、各部の定数を設定記憶する前に永久磁石の方
向を推定する場合は加算機21の出力を何らかの方法で
0Vにクリップ(図示せず)し、各部の定数が設定記憶
されている場合はクリッフ゜回路が働かず、この場合はイン
ダクタンス分電圧降下演算器19の出力と抵抗分電圧降
下演算器20の出力を加算する。
【0016】22は減算器であり、加算器21の出力と
q軸電圧vqを入力し、q軸電圧vqから加算器21の
出力を減算した値を出力する。23は微分器であり、減
算器22の出力を微分する。24は位置誤差検出手段で
あり、d軸電流idと微分器23の出力dvqの積aを
出力する。25は低域通過フィルタであり、位置誤差検
出手段24の出力aの高調波成分を除去し直流成分af
のみを出力する。
【0017】26は速度推定手段であり、低域通過フィ
ルタ25の出力afを入力して、永久磁石形同期電動機
1の回転速度ωgを出力する。27は位置推定手段であ
り、dq軸判定手段15の出力Sθ1、磁極判定手段1
6の出力Sθ2及び推定された回転速度ωgを入力し
て、q軸電流iqは流さずd軸電流idに交流電流が流
れるような制御信号S3及び推定された永久磁石の方向
θgを出力する。
【0018】以下は本発明によって、前記問題点を解決
できる理由を説明する。まず、請求項1によって永久磁
石の方向が推定できる理由を説明するために、最初に、
位置・速度修正手段17を説明する。図4は永久磁石形
同期電動機1の実際の永久磁石φgrの方向θgrと推
定された永久磁石φgの方向θgの関係をベクトルで表
したもので、これらの間に
【0019】
【数1】
【0020】の位置誤差Δθがある場合、数2に示す如
くq軸電流iqを流さずd軸電流idとして交流電流を
流すように制御すると、
【0021】
【数2】
【0022】実際の永久磁石φgrの方向θgr(以
下、dr軸という)に平行なdr軸電流成分idr及び
dr軸に垂直な軸(以下、qr軸という)方向のqr軸
電流成分iqrは数3で表わされる。
【0023】
【数3】
【0024】ここで、Ihは交流電流の波高値、ωhは
交流電流の角周波数、tは時間である。永久磁石形同期
電動機1の特性方程式は、次式で表せられる。
【0025】
【数4】
【0026】ここで、vdrはdr軸電圧、vqrはq
r軸電圧、pは微分演算子、ωgrは永久磁石形同期電
動機1の実際の回転速度である。(6)式および(7)
式に、(4)式および(5)式に代入すると、
【0027】
【数5】
【0028】となる。(8)式と(9)式よりq軸電圧
vqは、次式となる。
【0029】
【数6】
【0030】位置誤差検出手段24の出力aは、d軸電
流idとq軸電圧vqの微分値dvqとの積であること
から、(2)式と(10)式より、
【0031】
【数7】
【0032】となり、低域通過フィルタ25に通してa
の高周波成分を除去すると、
【0033】
【数8】
【0034】となる。Lq>Ldなので(12)式よ
り、−90度<Δθ<90度の場合は、位置誤差Δθの
符号とafの符号が逆になることが分かる。つまり推定
している永久磁石φgの方向θgが実際の永久磁石φg
rの方向θgrより進んでいる場合は、af<0となり
速度推定手段26によって比例積分増幅させることで、
永久磁石形同期電動機1の推定された回転速度ωgが小
さくなるので推定された永久磁石の方向θgの進みが遅
くなり実際の永久磁石の方向θgrに一致するようにな
る。逆の場合も同様である。
【0035】位置・速度修正手段17によって、永久磁
石形同期電動機1の回転速度と永久磁石の方向を推定す
る場合、d軸電流idには交流電流を流している。する
と、d軸とq軸との干渉によって、q軸電流iqにも交
流成分が現れる。このq軸電流iqの交流成分は、q軸
電圧vqにも現れてくる。そこで、図3では、q軸電圧
vqがq軸電流iqの交流成分の影響を受けないよう
に、減算器22によってq軸電流iqに関する項を取り
除くために、q軸電圧vqに{vq−(R+p・Lq)
・iq}を代入している。また、電機子抵抗R、d軸イ
ンダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqが未知の
段階で永久磁石の方向を推定する場合、減算器22はq
軸電圧vqをそのまま出力する。
【0036】つまり、(12)式より、d軸電流idと
q軸電圧vqの微分値の積から、位置誤差Δθに応じた
afが得られることから永久磁石の方向と回転速度を推
定することができる。
【0037】次に、位置誤差Δθが90度ずれていた場
合について説明する。先に述べた位置・速度修正手段1
7による永久磁石の方向を推定する方法は、最初の位置
誤差Δθが±90度付近の場合、afが不安定となり永
久磁石の方向θgを推定できない。しかるに本発明によ
れば、dq軸判定手段15によって、数9の(13)式
および(14)式に示す電流をd軸およびq軸に流すこ
とにより修正が可能になる。以下、この点について説明
する。
【0038】
【数9】
【0039】なお、永久磁石形同期電動機1が回転する
と位置誤差Δθが変化するため、以下の方法では推定さ
れた永久磁石の方向θgを修正することができないが、
(13)式および(14)式の電流を流しても回転しな
いことを最初に説明する。(1)式で示される位置誤差
Δθがあると、実際に流れるdr軸電流idrとqr軸
電流iqrは、(13)式および(14)式より、
【0040】
【数10】
【0041】となる。一方、永久磁石形同期電動機1の
トルク式は、
【0042】
【数11】
【0043】と表される。(15)式と(16)式を
(17)式に代入すると、永久磁石形同期電動機1の発
生するトルクは次式で表される。
【0044】
【数12】
【0045】(18)式に示す如く、発生するトルクは
交流成分のみであることから平均すれば0であり、永久
磁石形同期電動機1は回転しない。次に、位置誤差Δθ
が90度ずれているか否かの検出が、数9の(13)式
および(14)式に示す電流をd軸およびq軸に流すこ
とで可能になることを説明する。永久磁石形同期電動機
が停止している場合の実際のdr軸電圧vdrとqr軸
電圧vqrは、(15)式、(16)式を(6)式、
(7)式に代入することにより、(19)式、(20)
式で表わされ、d軸電圧vdとq軸電圧vqは、(2
1)式、(22)式で表わされる。
【0046】
【数13】
【0047】
【数14】
【0048】ここに、
【0049】
【数15】
【0050】である。Ld<Lqの関係から、(23)
式と(25)式より、位置誤差Δθが±90度に近づく
ほどd軸電圧vdの振幅の大きさVdはq軸電圧vqの
振幅の大きさVqよりも大きくなることが分かる。以上
に説明したように、(13)式および(14)式で示さ
れる電流を流すことで、電動機定数を用いることなく、
永久磁石形同期電動機1が停止した状態で、d軸電圧v
dの振幅の大きさとq軸電圧vqの振幅の大きさを比較
することで、簡単に位置誤差Δθが±90度あるかどう
か判定することが可能になる。
【0051】しかし、dq軸判定手段15は、位置誤差
Δθが90度あるかどうかの判定は可能であるが、位置
誤差Δθの符号や正確な大きさまでは推定できない。よ
って、永久磁石形同期電動機1が停止した状態で、d軸
電圧vdの振幅の大きさがq軸電圧vqの振幅の大きさ
よりも大きければ、推定された永久磁石の方向θgを9
0度進めるかまたは遅らせて、先述した位置・速度推定
手段17と後述する磁極判定手段16とで推定された永
久磁石の方向θgを修正する。
【0052】次に、位置誤差Δθが180度ずれていた
場合について説明する。(12)式より、位置誤差Δθ
が−90度<Δθ<90度である場合は位置誤差Δθが
減る方向に修正されるが、位置誤差Δθが±90度以上
の場合は(12)式より、位置誤差Δθの符号とafの
符号が同符号のため位置誤差Δθが180度になってし
まう。
【0053】しかるに本発明によれば、数2の(2)式
および(3)式に示す電流をd軸およびq軸に流すこと
により修正が可能になる(ただし、(2)式の交流電流
の波高値は、磁気飽和が生じるような大きめの値)。以
下、この点について説明する。なお、dq軸判定手段1
5と同様に、永久磁石形同期電動機1が回転すると位置
誤差Δθが変化するため、以下の方法では推定された永
久磁石の方向θgを修正することができないが、(2)
式および(3)式の電流を流しても回転しないことを最
初に説明する。位置・速度修正手段7によって推定され
た永久磁石の方向θgの位置誤差Δθは、0かまたは1
80度なので、実際に流れるdr軸電流idrとqr軸
電流iqrは、(4)式および(5)式より、
【0054】
【数16】
【0055】となる。iqr=0であるので(17)式
に示す永久磁石形同期電動機1のトルクは0になり、永
久磁石形同期電動機1は回転しない。次に、位置誤差Δ
θが180度ずれているか否かの検出が数2の(2)
式、(3)式に示す電流を流すことで可能になることを
説明する。
【0056】永久磁石の方向が正しく推定されている場
合のd軸インダクタンスLdは、d軸電流idが正なら
d軸電流idによる磁束の方向と永久磁石の磁束の方向
が等しくなりd軸インダクタンスLdが小さくなり、d
軸電流idが負ならd軸電流idによる磁束の方向と永
久磁石の磁束の方向が逆方向となりd軸インダクタンス
Ldが大きくなる磁気飽和現象が発生する。そこで、q
軸電流iqは流さず、d軸電流idに磁気飽和が生じる
ような大きめの交流電流を流して、磁極判定手段16に
よって、d軸電流idが正の時のd軸電圧vdの平均値
とd軸電流idが負の時のd軸電圧vdを比較すること
で180度の位置誤差Δθを判定することができる。
【0057】以上に説明したように、(2)式および
(3)式に示す電流を流すことで、電動機定数を用いる
前の段階においてもまた、永久磁石形同期電動機1が停
止した状態で、d軸電流idが正の時のd軸電圧vdの
平均値とd軸電流idが負の時のd軸電圧vdを比較す
ることで、簡単に180度の位置誤差Δθを判定するこ
とが可能になる。
【0058】次に、請求項1によって、位置誤差Δθが
0の状態で、d軸電流idとq軸電流iqに(13)式
および(14)式のような電流を流すことで、電動機定
数を測定することができる理由を説明するために、電動
機定数演算手段8について説明する。なお、永久磁石形
同期電動機1が回転すると、電動機定数を測定すること
ができないが、(13)式および(14)式の電流を流
す場合に回転しないことは先に(18)式に示したとお
りであり、Δθが0の場合も回転しないことは明らかで
ある。次に、位置誤差Δθが0の状態で、d軸方向及び
q軸方向に(13)式および(14)式に示す電流を流
すことで電動機定数の測定が可能なことを説明する。位
置誤差Δθが0で永久磁石形同期電動機1が停止してい
る場合、idr=id、iqr=iq、vdr=vd、
vqr=vq、ωgr=0であるので(6)式、(7)
式はそれぞれ(30)式、(31)式で表される。
【0059】
【数17】
【0060】よって、(30)式から、d軸電圧vdの
大きさと位相とd軸電流idの大きさと位相より、d軸
のインダクタンスLdと抵抗成分Rdが演算できること
がわかり、同様に(31)式から、q軸のインダクタン
スLqと抵抗成分Rqが演算できることがわかる。以上
に説明したように位置誤差Δθが0で永久磁石形同期電
動機1が停止している場合、(13)式及び(14)式
で示す電流を流すことで、d軸のインダクタンスLdと
q軸のインダクタンスLqと電機子抵抗Rを同時に演算
することができ、従来のように永久磁石形同期電動機を
固定して電流を測定することなく、自動的に測定し、設
定することが可能になった。
【0061】次に、請求項2によって永久磁石の磁束が
測定できる理由を説明するために、磁束演算手段10に
ついて説明する。設定記憶手段9にd軸インダクタンス
Ld、q軸インダクタンスLq及び電機子抵抗Rが設定
記憶され、位置・速度推定手段7によって永久磁石の方
向θgと回転速度ωgが推定されているとする。次式に
示す如く、d軸電流idに交流電流、q軸電流iqに直
流電流を流す。
【0062】
【数18】
【0063】(32)式と(33)式を(17)式に代
入すると、永久磁石形同期電動機1の発生するトルク
は、(34)式になる。
【0064】
【数19】
【0065】(34)式第2項は交流成分なので平均す
れば0になるが、第1項は直流成分であることから永久
磁石形同期電動機1に一定のトルクが現れ、永久磁石形
同期電動機1は回転する。よって、(7)式より、
【0066】
【数20】
【0067】となることから、dr軸電流idr、qr
軸電流iqr、qr軸電圧vqr、d軸インダクタンス
Ld、q軸インダクタンスLq、電機子抵抗R、回転速
度ωg及び永久磁石の方向θgが分かれば、永久磁石の
磁束φが演算できる。以上に説明したように、設定記憶
手段9にd軸インダクタンスLd、q軸インダクタンス
Lq及び電機子抵抗Rが設定記憶され、位置・速度推定
手段7によって永久磁石の方向θgと回転速度ωgが推
定され、(32)式及び(33)式で示す電流を流すこ
とで、永久磁石の磁束φを演算することができ、従来の
ように位置検出器や速度検出器を用いることなく、自動
的に測定し、設定することが可能になった。
【0068】
【発明の効果】本発明により、永久磁石形同期電動機の
電動機定数を測定する装置を用いないで制御装置に設定
できることから、制御装置の調整が簡単で高精度にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を表すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を表すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例を表すブロック図である。
【図4】本発明の原理を表すベクトル図である。
【符号の説明】
1 永久磁石形同期電動機 2 電圧検出器 3 電流検出器 4 電力変換器 5 スイッチ 6 トルク制御器 7 位置・速度推定手段 8 電動機定数演算手段 9 設定記憶手段 10 磁束演算手段 13 電流成分変換器 14 電圧成分変換器 15 dq軸判定手段 16 磁極判定手段 17 位置・速度修正手段 18 微分器 19 インダクタンス分電圧降下演算器 20 抵抗分電圧降下演算器 21 加算器 22 減算器 23 微分器 24 位置誤差検出手段 25 低域通過フィルタ 26 速度推定手段 27 位置推定手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石形同期電動機に流れる一次電流を
    推定された永久磁石の方向(以下、d軸という)に平行
    なd軸電流成分と、d軸に垂直な軸(以下、q軸とい
    う)方向のq軸電流成分に分けて制御する同期電動機の
    制御方法において、永久磁石形同期電動機が停止した状
    態でd軸電流として交流電流を流し、q軸電流としてd
    軸電流に対して90度位相が異なり振幅が等しい交流電
    流を流し、d軸電圧の振幅とq軸電圧の振幅を比較して
    d軸電圧の振幅がq軸電圧の振幅よりも大きければ推定
    された永久磁石の方向を90度進めるか又は遅らせ、q
    軸電流を流さず、d軸電流として交流電流を流し、q軸
    電圧の微分値とd軸電流の積によって前記推定された永
    久磁石の方向を修正し、q軸電流は流さず、d軸電流に
    交流電流を流し、d軸電流が正の時のd軸電圧の平均値
    が、d軸電流が負の時のd軸電圧の平均値より大きい場
    合に前記推定された永久磁石の方向を180度進め、永
    久磁石の方向の推定が全て終わった時点で、d軸電流と
    して交流電流を流し、q軸にはd軸電流に対して90度
    位相が異なり振幅が等しい交流電流を流し、d軸電流の
    大きさと位相及びd軸電圧の大きさと位相より永久磁石
    形同期電動機のd軸インダクタンスLdと抵抗成分Rd
    を求めて設定記憶し、q軸電流の大きさと位相及びq軸
    電圧の大きさと位相より永久磁石形同期電動機のq軸イ
    ンダクタンスLqと抵抗成分Rqを求めて設定記憶する
    ことを特徴とする同期電動機の制御方法。
  2. 【請求項2】抵抗成分Rdと抵抗成分Rqの平均値を永
    久磁石形同期電動機の電機子抵抗Rとして設定記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の同期電動機の制御方
    法。
  3. 【請求項3】d軸電流として交流電流を流し、q軸電流
    として直流電流を流し、永久磁石形同期電動機が回転し
    ている状態で、d軸電流、q軸電流及びq軸電圧から永
    久磁石の方向及び永久磁石形同期電動機の回転速度を推
    定し、電機子抵抗R、d軸インダクタンスLd、q軸イ
    ンダクタンスLq、前記推定された永久磁石の方向、推
    定された回転速度、d軸電流、q軸電流及びq軸電圧を
    入力して永久磁石の磁束を求めて設定記憶することを特
    徴とする請求項1記載の同期電動機の制御方法。
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