JP2001038810A - 透明プラスチック積層体の製造方法および積層治具 - Google Patents

透明プラスチック積層体の製造方法および積層治具

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JP2001038810A
JP2001038810A JP11220065A JP22006599A JP2001038810A JP 2001038810 A JP2001038810 A JP 2001038810A JP 11220065 A JP11220065 A JP 11220065A JP 22006599 A JP22006599 A JP 22006599A JP 2001038810 A JP2001038810 A JP 2001038810A
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JP11220065A
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Tomoji Onda
智士 恩田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的な歪みの無い透明プラスチック積層体
を簡易に製造可能な方法を提供する。 【解決手段】 透明プラスチック板を熱接着性材料を介
して積層して積層構造体を形成する工程と、この積層構
造体より外周が大きく内周が小さい板状枠であってその
一面の内周側と外周側にそれぞれ枠状パッキンが設けら
れた第1の板状枠上に、その内周側の枠状パッキンに当
接して積層構造体を配置し、その外周側の枠状パッキン
に積層構造体より内周の大きい枠状スペーサを当接して
配置し、第1の板状枠と同一構造の第2の板状枠を、そ
の内周側の枠状パッキンが積層構造体の他方の面に当接
し、その外周側の枠状パッキンが枠状スペーサの他方の
面に当接するように配置する工程と、枠状スペーサと板
状枠と枠状パッキンに囲まれた空間領域を真空排気する
とともに積層構造体を加熱して透明プラスチック板を接
着する工程を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学歪が低減された
透明プラスチック積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合わせガラスの製造方法として、
2枚のガラスの間に合わせ用中間膜を挟んだ積層体を袋
状物に入れ、袋状物内を真空排気し、袋状物全体を加熱
することにより合わせ用中間膜を溶融させると共に、袋
の内部と外部の差圧によりプレスを行い、2枚のガラス
を、合わせ用中間膜によって接着して一体化する方法が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の方法は、
ガラスのような、合わせ用中間膜の融点付近の温度にお
いても十分に堅い材料からなる基材を積層する場合には
使用できるが、一般のプラスチック(アクリル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート等)からなる基材では、上記
袋状物の内面の凹凸やしわがプラスチック基材に転写さ
れ、得られる積層体の外観を著しく損ねるという問題が
あった。
【0004】また、袋状物の内面の凹凸やしわがプラス
チック基材に転写しないように、プラスチック基材と袋
状物との間にガラス板、金属板等の熱変形しにくい鏡面
型を置いて、袋状物内部を真空排気し、袋状物全体を加
熱して合わせ用中間膜を溶融し、プラスチック基材を積
層一体化する方法もあるが、この場合、鏡面型とプラス
チック基材との間にほこりやその他の異物が存在する
と、プラスチック基材の表面に凹みが形成されるという
欠点があり、それを防ぐために高度の無塵室が必要であ
った。 また特開昭62−59040号公報では、上記
袋状物の代わりに基材となるプラスチックフィルムを使
用し、このプラスチックフィルムと板状体とを積層し、
積層後にプラスチックフィルムが積層された板状体をプ
ラスチックフィルムから切り出す方法が提案されている
が、この方法は、基材がフィルム等のように切断容易な
形状の場合や基材が切断容易な材料からなる場合には適
用できるが、基材としてプラスチック板のような板状体
を積層する場合には、袋状物の形成が困難であると共に
積層後に切り出すことも困難である。
【0005】また特開昭63−216728号公報で
は、真空引き通路を形成する溝を有するゴム状枠を使用
して板状体同士を接着する方法が提案されている。しか
し、この方法によってプラスチック板を積層する場合、
ゴム状枠の成形時に生じた偏肉やゴム状枠の辺部と角
部の剛性の差により基材にかかる力に分布が生じて積層
体が部分的に変形し、特に透明プラスチック板の積層体
においてはこの部分的な変形により光学的歪みを生じる
ため、ゴム状枠の設計および成形に高度な技術を必要と
し作製が著しく困難であるという問題があった。さら
に、積層作業時においては、ゴム状枠のみで積層体を支
持するため、面積や重量の大きなプラスチック板を積層
する場合は、積層時に撓み等の積層物の全体にわたる変
形が生じるという問題があった。
【0006】そこで本発明の目的は、光学的な歪みの無
い透明プラスチック積層体を簡易に製造可能な透明プラ
スチック積層体の製造方法、及びその方法に用いられる
積層治具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明プラスチ
ック板を少なくとも最外層に位置するように熱接着性材
料を介して積層して積層構造体を形成する工程と、前記
積層構造体より外周が大きい板状体であってその一面の
外周側とその内側にそれぞれ枠状パッキンが設けられた
第1の板状体上に、その内側の枠状パッキンに当接して
前記積層構造体を配置し、その外周側の枠状パッキンに
前記積層構造体より内周の大きい枠状スペーサを当接し
て配置し、前記積層構造体より外周が大きい板状体であ
ってその一面の外周側とその内側にそれぞれ枠状パッキ
ンが設けられた第2の板状体を、その内側の枠状パッキ
ンが前記積層構造体の他方の面に当接し、その外周側の
枠状パッキンが前記枠状スペーサの他方の面に当接する
ように配置する工程と、前記枠状スペーサ、第1の板状
体および第2の板状体の少なくとも1つに設けられた真
空孔から、枠状スペーサと第1及び第2の板状体と枠状
パッキンと積層構造体の両最外層とに囲まれた空間領域
を真空排気するとともに前記積層構造体を加熱して前記
透明プラスチック板を接着する工程とを有することを特
徴とする透明プラスチック積層体の製造方法に関する。
【0008】また本発明は、上記本発明の製造方法に用
いられる積層治具であって、前記積層構造体より内周が
大きい枠状スペーサと、前記積層構造体より外周が大き
い板状体であって、その一面の内側には前記積層構造体
の全周に当接可能な枠状パッキンが設けられ、その同一
面の外周側には前記枠状スペーサの全周に当接可能な枠
状パッキンが設けられた第1及び第2の板状体とからな
り、真空孔が、前記枠状スペーサ、第1の板状体および
第2の板状体の少なくとも1つに設けられていることを
特徴とする積層治具に関する。
【0009】また本発明は、透明プラスチック板を少な
くとも最外層に位置するように熱接着性材料を介して積
層して積層構造体を形成する工程と、前記積層構造体よ
り外周が大きい板状体であってその一面の外周側とその
内側にそれぞれ枠状パッキンが設けられた第1の板状体
上に、その内側の枠状パッキンに当接して前記積層構造
体を配置し、前記積層構造体より外周が大きい板状体で
あってその一面の外周側とその内側にそれぞれ枠状パッ
キンが設けられた第2の板状体を、その内側の枠状パッ
キンが前記積層構造体の他方の面に当接し、その外周側
の枠状パッキンが第1の板状体の外周側の枠状パッキン
に当接するように配置する工程と、第1の板状体および
第2の板状体の少なくとも1つに設けられた真空孔か
ら、第1及び第2の板状体と枠状パッキンと積層構造体
の両最外層とに囲まれた空間領域を真空排気するととも
に前記積層構造体を加熱して前記透明プラスチック板を
接着する工程とを有することを特徴とする透明プラスチ
ック積層体の製造方法に関する。
【0010】また本発明は、上記の製造方法に用いられ
る積層治具であって、前記積層構造体より外周が大きい
板状体であって、その一面の内側には前記積層構造体の
全周に当接可能な枠状パッキンが設けられ、その同一面
の外周側には他方の板状体の外周側の枠状パッキンに当
接可能な枠状パッキンが設けられた第1及び第2の板状
体とからなり、真空孔が、第1の板状体および第2の板
状体の少なくとも1つに設けられていることを特徴とす
る積層治具に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について説明する。
【0012】図1は、本発明の積層治具の一例を示して
おり、図1(a1)は、板状体の内側の枠状パッキンの
内側領域に開口が設けられている場合の板状体(以下
「板状枠」という)の平面図、図1(a2)は図1(a
1)のA−A線断面図であり、図1(b1)はスペーサ
11の平面図、図1(b2)は図1(b1)のB−B線
断面図である。
【0013】図2は、スペーサ11を用いる場合であっ
て、積層構造体21が、図1に示す一組の板状枠1とス
ペーサ11からなる積層治具により支持固定され、空間
領域13が真空状態におかれた状態を示す断面図であ
る。以下、スペーサ11を用いる場合を代表的な例とし
て説明する。
【0014】上記の積層治具により支持固定される積層
構造体21は、透明プラスチック板上に熱接着性材料を
介して透明プラスチック板が積層されて構成される。
【0015】透明プラスチック板の材料としては、PM
MA等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の
透明プラスチック材料が挙げられる。
【0016】本発明は、部分的な変形とともに撓み等の
全体的な変形が生じやすい透明プラスチック板の積層体
の製造に最も好適であるが、中間層にガラス板を配置し
た積層体に対しても少なくとも部分的な変形を抑制でき
る点で好適である。例えば、透明プラスチック板上に熱
接着性材料を介してガラス板を積層し、そのガラス板上
に熱接着性材料を介して透明プラスチック板を積層して
加熱してなる積層体の製造に好適である。
【0017】本発明に用いられる熱接着性材料の形状
は、シート状に成形された熱接着性樹脂が作業性が良く
好適であるが、粉状、ペレット状であってもよい。
【0018】熱接着性材料としては、EVA系、ウレタ
ン系、オレフィン系、ポリエステル系樹脂の他、市販の
ホットメルト接着剤が使用可能である。アクリル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂からなる板状体を積層する
場合は、EVA系樹脂やウレタン系樹脂が接着力及び透
明性の点で好適である。その他の熱接着性材料として、
熱架橋タイプ、熱硬化タイプの接着剤も、これらの接着
剤の硬化温度、硬化時間を考慮した加熱条件とすること
によって使用することができる。
【0019】以上のようにして構成された積層構造体2
1は、図1に示す積層治具によって図2に示すように支
持固定される。
【0020】板状枠1は、積層構造体21より外周が大
きく内周が小さく、その一面の内周側には積層構造体2
1の全周に当接可能な枠状の内側パッキン3が設けら
れ、その同一面の外周側には枠状のスペーサ11の全周
に当接可能な枠状の外側パッキン2が設けられている。
なお板状枠1は、図1に示すように、枠状の内側パッキ
ンの内側領域に開口が設けられた枠状の構造を有する
が、枠状の外側パッキン2及び内側パッキン3を有する
構造であれば、その中央部に開口を有しない板状体であ
ってもよい。この板状体の構造は開口を有しない以外は
板状枠1と同様とすることができる。また、この板状体
は、板状枠1の開口に代えて、内側パッキン3の内側領
域に通気可能な程度の径の貫通孔を設けたものであって
もよい。
【0021】この板状枠1上に、積層構造体21より内
周が大きい枠状のスペーサ11が、図2に示すように、
板状枠1の内側パッキン3に当接して配置された積層構
造体21の周囲を取り囲むように外側パッキン2に当接
して配置される。
【0022】そして、同一構造を有するもう一方の板状
枠1を、その内側パッキン3が積層構造体21の他方の
面に当接し、その外側パッキン2が枠状スペーサ11の
他方の面に当接するように配置される。
【0023】図1及び図2においては、真空孔12がス
ペーサ11に設けられているが、真空孔は板状枠1の外
側パッキン2と内側パッキン3との間の領域に設けられ
ていてもよく、板状枠1とスペーサ11の両方に設けら
れてもよい。
【0024】また、図1においては板状枠1とスペーサ
11の形状は正方形であるが、長方形等の矩形であって
もよく、多角形、あるいは円や楕円形等の曲線で構成さ
れた形状の板状体であってもよい。板状枠とスペーサは
積層構造体の形状に合わせた形状にしてもよく、図1で
は、積層構造体が正方形であるため、板状枠とスペーサ
はその形状に合わせた形状(正方形)がとられている。
例えば、積層構造体が円形であれば、板状枠1とスペー
サ11の形状を円形とすることができる。また、スペー
サと板状枠の内周側を積層構造体の形状にあわせた形状
とし、外周側の形状は他の所望の形状にしてもよい。あ
るいは、スペーサ11のみの内周側の形状を積層構造体
の形状に合わせ、スペーサ11の外周および板状枠1の
形状をその他の所望の形状としてもよい。なお、スペー
サの外周と板状枠の外周については、形状および大きさ
を同一とした場合は、互いの位置合わせが容易となるた
め好ましい。
【0025】板状枠1の外周の大きさは、材料の種類に
もよるが、強度および真空領域13を形成する点から、
積層構造体21の外周より枠幅方向に10mm以上大き
いことが好ましく、30mm以上大きいことがより好ま
しい。板状枠1の内周の大きさは、積層構造体に当接さ
れる内側パッキンが十分に形成できる程度に積層構造体
の外周より小さい範囲で適宜設定される。
【0026】板状枠とスペーサの材質は、接着加工温
度、すなわち後の接着性材料の接着性が十分に発現でき
る温度において、十分な耐熱性と剛性を持ち、真空を保
つことができるものであればよく、例えば、アルミニウ
ム、真鍮、ステンレス等の金属材料や繊維強化プラスチ
ック等が使用できる。
【0027】板状枠に設けられるパッキンは、真空時に
板状枠1と積層構造体21の間、及び板状枠1とスペー
サ11の間から外気が浸入し、真空度が低下することを
防ぐためのものである。そのため、材質としては、シリ
コン等からなるゴムや発泡ゴムなどのゴム状物、プラス
チック、金属セラミックスなど、一般に真空の漏れを防
ぐためにパッキン材料として使用されているもので接着
加工温度下で耐熱性を有するものを使用することができ
る。中でも、耐熱性と密着性、さらに入手容易性の点か
らシリコンゴムが好ましく、さらには発泡シリコンゴム
が好ましい。発泡シリコンゴムは、積層構造体の厚み精
度が振れた場合にもスペーサの厚みを変える必要が無
く、発泡シリコンが適度に圧縮あるいは伸縮することに
よって密着性が保たれ真空度を維持することができる。
【0028】外側および内側パッキンの厚さはそれぞ
れ、積層構造体とスペーサの厚さを考慮して適宜設定さ
れるが、スペーサが積層構造体より厚い場合は、外側パ
ッキンを内側のパッキンより薄くすることが好ましい。
一方、スペーサが積層構造体より薄い場合、又はスペー
サを用いない場合は、外側パッキンは内側パッキンより
厚くすることが好ましい。
【0029】スペーサを用いる場合は、スペーサと第1
及び第2の板状枠と枠状パッキンと積層構造体の両最外
層とに囲まれた空間領域を減圧した時に、その圧力を保
持できる厚みのスペーサとする。一方、スペーサを用い
ない場合は、第1の板状体の外周側の枠状パッキンと第
2の板状体の外周側の枠状パッキンとが当接可能な構造
で、第1及び第2の板状体と枠状パッキンと積層構造体
の両最外層とに囲まれた空間領域を減圧した時に、その
圧力を保持できる厚みのパッキンとする。
【0030】本発明の方法では、上述のように接着加工
温度にて積層構造体よりも十分に剛性の高い板状枠やス
ペーサを使用して積層構造体の周囲を支持するため、積
層時に積層構造体の荷重たわみ温度付近まで加熱した場
合にも、たわみ、ねじれ等の変形が起こりにくい。ま
た、接着加工温度にて積層構造体よりも十分に剛性の高
い板状枠に設けられた枠状のパッキン部分のみが積層構
造体の周囲と接していることにより、積層構造体の周囲
にかかる圧力を均一にでき、その結果、得られる積層体
に部分的な変形が生じ難く、光学歪や厚みムラ等の不具
合が生じ難い。
【0031】図2に示すように積層治具を組み立てて積
層構造体21を支持固定した後、真空孔12から真空排
気すると、2枚の板状枠とスペーサとパッキンとで囲ま
れた空間領域13と積層構造体21の板状体間の隙間が
真空となる。このことによって、積層構造体の外表面
は、内部が真空であることから、約101kPaの圧力
でプレスされていることになる。
【0032】この状態のまま積層治具全体を加熱するこ
とによって、板状体間の熱接着性材料により接着が行わ
れ積層一体化された積層体が得られる。
【0033】積層時の加熱方法は、加熱炉、赤外線ヒー
ター、オートクレーブ、高周波誘電加熱等が挙げられ、
積層構造体を加熱可能な加熱装置であれば特に限定され
ない。ただし、高周波誘電加熱の場合には、板状枠およ
びスペーサを非導電性の材料、例えばガラス繊維強化プ
ラスチックからなるものを使用する必要がある。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0035】実施例1 400×400×5mmの正方形のアルミ板の中心に2
80×280mmの正方形の開口を有する板状枠1を二
つ準備し、それぞれの板状枠の一面の外周から5mm内
側と内周(開口の周囲)から5mm外側にそれぞれシリ
コンゴムひもを接着してパッキン2、3を形成する(図
1(a1)、(a2))。
【0036】また、400×400×7mmの正方形の
アルミ板の中心に360×360mmの正方形の開口を
有するスペーサ11を準備し、このスペーサの外周の側
面から内周の側面に達するように直径4mmの真鍮製パ
イプからなる真空孔12を設けた(図1(b1)、(b
2)、図2)。
【0037】透明プラスチック板としては、300×3
00×2mmの正方形のアクリル板(三菱レイヨン(株)
製アクリライトL)2枚、接着性材料としては300×
300×0.25mmの正方形のシート状のEVA系ホ
ットメルト接着剤(武田薬品(株)製タケメルトF70
0)1枚を容易し、2枚のアクリル板でこのホットメル
ト接着剤シートを挟み込んで積層し積層構造体21を形
成した。
【0038】図2に示すように、上記の板状枠1、スペ
ーサ11からなる積層治具に積層構造体21をセットし
た後、真空孔12を真空ポンプに接続して空間領域13
およびアクリル板間の隙間を真空にした。
【0039】この組み立てた積層治具全体を、真空ポン
プを接続し動作させたまま100℃の熱風乾燥機に入れ
て60分間保持し、次いで熱風乾燥機から治具全体を取
り出して30分間自然冷却した。
【0040】真空を解放して積層されたアクリル板を取
り出したところ、得られたアクリル積層板は光学的な歪
が無く外観も良好であった。
【0041】実施例2 スペーサの厚みを13mm、アクリル板の厚みを5m
m、熱風乾燥機中の保持時間を90分間とした以外は実
施例1と同様にして透明積層板を作製した。
【0042】得られたアクリル積層板は光学的な歪が無
く外観も良好であった。
【0043】実施例3 実施例1におけるアクリル板の1枚を300×300×
2mmの正方形のポリカーボネート板(三菱レイヨン
(株)製ダイヤライトP)にした以外は実施例1と同様に
して透明プラスチック積層板を作製した。得られたアク
リル/ポリカーボネート積層板は光学的な歪が無く外観
も良好であった。
【0044】実施例4 300×300×1mmの正方形のアクリル板(三菱レ
イヨン(株)製アクリライトL)を2枚、300×300
×2mmの正方形のガラス板を1枚、300×300×
0.25mmの正方形のシート状のホットメルト接着剤
(武田薬品(株)製タケメルトF700)を2枚用意し、
アクリル板/ホットメルト接着剤シート/ガラス板/ホ
ットメルト接着剤シート/アクリル板の順に積層した以
外は実施例1と同様にして透明積層板を作製した。得ら
れた積層板は光学的な歪が無く外観も良好であった。
【0045】実施例5 実施例4におけるアクリル板を300×300×1mm
の正方形のポリカーボネート板(三菱レイヨン(株)製ダ
イヤライトP)にした以外は実施例4と同様の操作を行
った。
【0046】得られた積層板は光学的な歪が無く外観良
好であった。
【0047】実施例6 透明プラスチック板およびシート状ホットメルト接着剤
のサイズ及び形状を1000×2000mmの矩形と
し、板状枠のサイズ及び形状を内周を900×1900
mmの矩形および外周を1100×2100mmの矩形
とし、スペーサのサイズ及び形状を内周を1050×2
050mmの矩形および外周を1100×2100mm
の矩形とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0048】得られた積層アクリル板は反りや光学的な
歪みが無く外観も良好であった。
【0049】比較例1 実施例1と同じ積層構造体を、厚み90ミクロンのナイ
ロンフィルム製の袋に入れ、真空引き用バルブを取り付
けた状態で密封した後、真空引き用バルブを真空ポンプ
に接続し、袋内部を真空にするとともに、袋全体を10
0℃の熱風乾燥機に入れて60分間保持した。
【0050】熱風乾燥機から袋全体を取り出して30分
間自然冷却した後、真空を解放してナイロンフィルム製
の袋から積層されたアクリル板を取り出した。
【0051】得られた積層アクリル板の表面には、フィ
ルム−アクリル板間の空気溜まりが転写され、歪みが発
生し、外観も悪かった。
【0052】比較例2 積層構造体をネル布でくるんだ他は、比較例1と同様の
操作を行った。
【0053】得られた積層アクリル板表面には、空気溜
まりの転写はみられなかったが、ネル布の表面凹凸が転
写され外観不良であった。
【0054】比較例3 積層構造体を300×300×3mmのガラス板2枚で
はさんだ他は比較例1と同様の操作を行い、接着剤を介
して2枚のアクリル板が積層された積層アクリル板を製
造した。
【0055】得られた積層アクリル板の表面には、アク
リル−ガラス板間に存在した異物によって凹みがあり、
これが光学歪みとなり、外観不良であった。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、光学歪みが低減されたプラスチック積層板を容
易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層治具の構造の説明図である。
【図2】本発明の積層治具により固定され真空状態にお
かれた積層体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 板状枠 2 外側パッキン 3 内側パッキン 11 スペーサ 12 真空孔 13 空間領域 21 積層構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AG00C AK01A AK01B AK25 AK68G BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA13 CB03 EC182 EH012 EJ242 EJ422 JL02 JN01A JN01B JN30 4F211 AA10 AA21 AA28 AD05 AD08 AG01 AG03 AH81 AM28 AM32 TA04 TC02 TD11 TJ13 TJ14 TJ22 TJ23 TJ29 TN24 TN43 TN49 TQ07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明プラスチック板を少なくとも最外層
    に位置するように熱接着性材料を介して積層して積層構
    造体を形成する工程と、 前記積層構造体より外周が大きい板状体であってその一
    面の外周側とその内側にそれぞれ枠状パッキンが設けら
    れた第1の板状体上に、その内側の枠状パッキンに当接
    して前記積層構造体を配置し、その外周側の枠状パッキ
    ンに前記積層構造体より内周の大きい枠状スペーサを当
    接して配置し、前記積層構造体より外周が大きい板状体
    であってその一面の外周側とその内側にそれぞれ枠状パ
    ッキンが設けられた第2の板状体を、その内側の枠状パ
    ッキンが前記積層構造体の他方の面に当接し、その外周
    側の枠状パッキンが前記枠状スペーサの他方の面に当接
    するように配置する工程と、 前記枠状スペーサ、第1の板状体および第2の板状体の
    少なくとも1つに設けられた真空孔から、枠状スペーサ
    と第1及び第2の板状体と枠状パッキンと積層構造体の
    両最外層とに囲まれた空間領域を真空排気するとともに
    前記積層構造体を加熱して前記透明プラスチック板を接
    着する工程とを有することを特徴とする透明プラスチッ
    ク積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の板状体にはそれぞれ、前
    記内側の枠状パッキンの内側領域に開口が設けられてい
    る請求項1記載の透明プラスチック積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記積層構造体を形成する工程におい
    て、透明プラスチック板を熱接着性材料を介して積層し
    て積層構造体を形成することを特徴とする請求項1又は
    2記載の透明プラスチック積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記積層構造体を形成する工程におい
    て、中間層にガラス板状体を積層配置することを特徴と
    する請求項1又は2記載の透明プラスチック積層体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の製造方法
    に用いられる積層治具であって、 前記積層構造体より内周が大きい枠状スペーサと、 前記積層構造体より外周が大きい板状体であって、その
    一面の内側には前記積層構造体の全周に当接可能な枠状
    パッキンが設けられ、その同一面の外周側には前記枠状
    スペーサの全周に当接可能な枠状パッキンが設けられた
    第1及び第2の板状体とからなり、 真空孔が、前記枠状スペーサ、第1の板状体および第2
    の板状体の少なくとも1つに設けられていることを特徴
    とする積層治具。
  6. 【請求項6】 第1及び第2の板状体にはそれぞれ、前
    記内側の枠状パッキンの内側領域に開口が設けられてい
    る請求項5記載の積層治具。
  7. 【請求項7】 透明プラスチック板を少なくとも最外層
    に位置するように熱接着性材料を介して積層して積層構
    造体を形成する工程と、 前記積層構造体より外周が大きい板状体であってその一
    面の外周側とその内側にそれぞれ枠状パッキンが設けら
    れた第1の板状体上に、その内側の枠状パッキンに当接
    して前記積層構造体を配置し、前記積層構造体より外周
    が大きい板状体であってその一面の外周側とその内側に
    それぞれ枠状パッキンが設けられた第2の板状体を、そ
    の内側の枠状パッキンが前記積層構造体の他方の面に当
    接し、その外周側の枠状パッキンが第1の板状体の外周
    側の枠状パッキンに当接するように配置する工程と、 第1の板状体および第2の板状体の少なくとも1つに設
    けられた真空孔から、第1及び第2の板状体と枠状パッ
    キンと積層構造体の両最外層とに囲まれた空間領域を真
    空排気するとともに前記積層構造体を加熱して前記透明
    プラスチック板を接着する工程とを有することを特徴と
    する透明プラスチック積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1及び第2の板状体にはそれぞれ、前
    記内側の枠状パッキンの内側領域に開口が設けられてい
    る請求項7記載の透明プラスチック積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記積層構造体を形成する工程におい
    て、透明プラスチック板を熱接着性材料を介して積層し
    て積層構造体を形成することを特徴とする請求項7又は
    8記載の透明プラスチック積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記積層構造体を形成する工程におい
    て、中間層にガラス板状体を積層配置することを特徴と
    する請求項7又は8記載の透明プラスチック積層体の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7、8、9又は10記載の製造
    方法に用いられる積層治具であって、 前記積層構造体より外周が大きい板状体であって、その
    一面の内側には前記積層構造体の全周に当接可能な枠状
    パッキンが設けられ、その同一面の外周側には他方の板
    状体の外周側の枠状パッキンに当接可能な枠状パッキン
    が設けられた第1及び第2の板状体とからなり、 真空孔が、第1の板状体および第2の板状体の少なくと
    も1つに設けられていることを特徴とする積層治具。
  12. 【請求項12】 第1及び第2の板状体にはそれぞれ、
    前記内側の枠状パッキンの内側領域に開口が設けられて
    いる請求項11記載の透明プラスチック積層体の製造方
    法。
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