JP2001036909A - 動きベクトル検出装置 - Google Patents

動きベクトル検出装置

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JP2001036909A
JP2001036909A JP20984599A JP20984599A JP2001036909A JP 2001036909 A JP2001036909 A JP 2001036909A JP 20984599 A JP20984599 A JP 20984599A JP 20984599 A JP20984599 A JP 20984599A JP 2001036909 A JP2001036909 A JP 2001036909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動きベクトル検出装置の演算数を低減すると
共に、動きベクトル検出能力を高める。 【解決手段】 動きベクトル検出装置において、始点画
面の画像データを記憶する始点画面記憶手段と、終点画
面の画像データを記憶する終点画面記憶手段と、前記始
点画面と終点画面の中間の入力順で入力された少なくと
も1つの中間画面を記憶するための少なくとも1つの中
間画面記憶手段と、前記始点画面から終点画面にいたる
各画面につき、入力順が相前後して隣接する2つの画面
間で逐次、検出演算を行うことにより、合成動きベクト
ルの構成要素となる複数の要素動きベクトルを求め、複
数の要素動きベクトルについてベクトル合成を行うこと
で、前記合成動きベクトルを生成する予測演算手段とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動きベクトル検出装
置に関し、例えば動画像圧縮における動画像符号化時に
使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の技術としては次の文献1
に示されるものがある。
【0003】文献1:“映像機器におけるディジタル信
号処理技術”(トリケップス、P.35−P.37) 伊東 晋、竹村 裕夫 監修 動画像は多くの情報からなり、そのデータを通信もしく
は保存するためには圧縮する必要がある。動画像の圧縮
方法として時間的に前の画像との相関を利用したフレー
ム間差分符号化方法、ブロックマッチングを使った動き
補償などがある。上記文献1の中で示されているブロッ
クマッチングを使った動き補償の方法を図2を用いて簡
単に説明する。
【0004】図2は従来の符号化装置20を示す図であ
る。
【0005】図2において、符号化装置20はカメラな
どから取り込んだ画像データを入力する画像入力部10
1と、入力された画像信号と時間的に前に符号化した画
像との差分をとる減算器102と、符号化するためのデ
ータが元データか差分データかを選択するスイッチ10
3と、入力されたデータを符号化する符号化器104
と、スイッチ103双び符号化器104を制御する符号
化制御部105と、符号化したデータを出力する符号出
力部106と、符号化したデータを復号する復号器10
7と、復号した差分データと参照画像とを加算する加算
器108と、復号した画像を保存する再構成画像用メモ
リ109と、原画像を保存する原画像用メモリ111
と、原画像用メモリ111と再構成画像用メモリ109
の出力から動き補償する動き補償部201と、動き補償
部201の出力を加算器108に出力するかを選択する
スイッチ114とから成る。
【0006】つぎに符号化装置20の動作を説明する。
【0007】まず画像入力部101にカメラなどの外部
機器から取り込んだ画像データが入力されると、減算器
102、原画像用メモリ111およびスイッチ103に
データが入力される。
【0008】減算器102に入力されたデータと時間的
に前の画像との差分を計算した後、符号化制御部105
は、差分データを符号化するか、元データを符号化する
か、あるいはコマ落としするかを決める。
【0009】差分データの符号化はフレーム間符号化、
元データの符号化はフレーム内符号化である。
【0010】フレーム間符号化、フレーム内符号化、コ
マ落としは、符号化制御部105からの指示を受けた符
号化器104が実行する。
【0011】符号化器104に入力されたデータは、例
えばDCTのような変換や量子化などの処理を受ける。
またレートコントロールなどのためにコマ落としなどを
行うときは、入力データは何もせずに捨てることもあ
る。
【0012】符号化器104で符号化されたデータは符
号出力部106から外部に送出されると同時に復号器1
07に出力される。
【0013】復号器107に入力されたデータは例えば
逆量子化、逆DCTなどの変換を受け、加算器108に
出力される。
【0014】加算器108に入力されたデータがフレー
ム間符号化された差分データであれば、動き補償部20
1の出力がスイッチ114を介して加算器108に入力
され、差分データと加算された後、再構成画像用メモリ
109に出力される。フレーム内符号化の場合はそのま
ま再構成画像用メモリ109に出力される。
【0015】再構成画像用メモリ109に入力されたデ
ータは保存され、動き補償部201の求めるタイミング
に合わせてデータを出力する。
【0016】動き補償部201は再構成画像用メモリ1
09の出力と原画像用メモリ111の出力から動き補償
を行い、その結果を減算器102およびスイッチ114
に出力する。
【0017】次に動き補償部201の動作を図3を用い
て説明する。
【0018】動き補償部201は原画像用メモリ111
から入力された画像データと再構成画像用メモリ109
から入力された復号データとからブロックマッチングを
行い、例えば図3に示したように動きベクトル検出を行
う。
【0019】図3の太い実線で示した外の四角QE0は
動きベクトル探索範囲(前フレーム)を示し、太い実線
で示した内の四角は動きベクトルを求めたいブロック
(現フレーム、ここでは16画素×16画素のブロッ
ク)Q1、点線の四角(前フレーム)は太い実線の四角
ブロックと最も類似し、最も一致度が高かった前フレー
ムのブロックQ0である。
【0020】類似、すなわち一致度の評価方法には、例
えば画素どうしの差分が最も小さいものをとるなどの方
法がある。
【0021】この2つのブロック位置の差(Q0を基準
としたQ1の位置ベクトル)が動きベクトルなり、これ
を用いて参照画像を作成し、減算器102およびスイッ
チ114に入力する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うに動き補償を行うと、コマ落とし時に探索範囲が拡大
して演算総数が増加する問題がある。
【0023】普通TVなどの動画像は30Hzで動作
し、フレームの間隔は1/30秒であるが、低レートで
動画像伝送する場合は、コマ落としが必要な場合があ
り、例えば10Hzで動作をするとフレームの間隔は1
/10秒となる。これは前記1/30秒の3倍に相当す
るフレーム間隔である。
【0024】フレーム間隔が広くなると、通常、フレー
ム画面中の像の移動距離も長くなるため、動きベクトル
検出の範囲(探索範囲)を広げなければ像の動きを捕捉
できず、動きベクトルの誤検出の可能性が高まり、十分
な動き補償を行うことができない。
【0025】また、探索範囲を広げるということは演算
回数が多くなることを意味し、ハードウエアならば消費
電力アップや規模増大の要因となり、ソフトウエアなら
ば処理能力に対する負荷を大きくする要因となる。
【0026】さらに、探索範囲を広げて演算数が増加す
ると動きベクトルを求めるための時間が長くなり、当該
動きベクトルが求まるまで符号化器はフレーム間符号化
を行うことができない。これは、不必要なコマ落としが
起こり、フレームレートを落とす原因ともなる。
【0027】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明では、入力順が先の始点画面中の第1の位
置を始点とすると共に、入力順が後の終点画面中の第2
の位置を終点とすることで、始点画面から終点画面にい
たる期間内で画面中の像の動きを示す合成動きベクトル
を検出する動きベクトル検出装置において、(1)前記
始点画面の画像データを記憶する始点画面記憶手段と、
(2)前記終点画面の画像データを記憶する終点画面記
憶手段と、(3)前記始点画面と終点画面の中間の入力
順で入力された少なくとも1つの中間画面を記憶するた
めの少なくとも1つの中間画面記憶手段と、(4)前記
始点画面から終点画面にいたる各画面につき、入力順が
相前後して隣接する2つの画面間で逐次、検出演算を行
うことにより、前記合成動きベクトルの構成要素となる
複数の要素動きベクトルを求め、複数の要素動きベクト
ルについてベクトル合成を行うことで、前記合成動きベ
クトルを生成する予測演算手段とを備えることを特徴と
する。
【0028】
【発明の実施の形態】(A)実施形態 第1〜第4の実施形態は、入力されても符号化されるこ
となくデータを破棄されるフレームがある場合、すなわ
ちコマ落としがある場合でも、動きベクトルを正確かつ
効率的に求めることを特徴とする。
【0029】(A−1)第1の実施形態の構成 図1は第1の実施形態の符号化装置10を示すブロック
図である。図2に示した従来の符号化装置20の構成要
素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。図2の符
号化装置20と当該符号化装置10とを比べた構成上の
主要な相違点は、符号化装置20では1つであった原画
像用メモリの数が3つになった点と、動き補償部110
の内部構成である。
【0030】図1において、符号化装置10は画像入力
部101と、減算器102と、スイッチ103と、符号
化器104と、符号化制御部105と、符号出力部10
6と、復号器107と、加算器108と、復再構成画像
用メモリ109と、原画像用メモリ111、112,1
13と、動き補償部110と、スイッチ114とを備え
ている。
【0031】このうち、図2と同じ符号101〜109
および114を付した各構成要素は、その機能も符号化
装置20の対応する構成要素と同じなのでその詳しい説
明は省略する。
【0032】動き補償部110の内部およびその周辺の
構成を示した図4において、動き補償部110は第1の
動き予測部401と、第2の動き予測部402と、第3
の動き予測部403とを備えている。
【0033】第1の動き予測部401は2つの入力端子
を備え、再構成画像用の入力端子には再構成画像用メモ
リ109の出力端子が接続され、原画像用の入力端子に
は原画像用メモリ113の出力端子が接続されている。
【0034】同様に、第2の動き予測部402は2つの
入力端子を備え、動き予測部用の入力端子には第1の動
き予測部401の出力端子が接続され、原画像用の入力
端子には原画像用メモリ112の出力端子が接続されて
いる。
【0035】さらに、第3の動き予測部403は2つの
入力端子を備え、動き予測部用の入力端子には第2の動
き予測部402の出力端子が接続され、原画像用の入力
端子には原画像用メモリ111の出力端子が接続されて
いる。
【0036】ただし、第3および第2の動き予測部40
3,402の動き予測部用の入力端子は、入力専用の端
子ではなく、必要に応じて出力も行う入出力端子となっ
ている。
【0037】結局、再構成画像用メモリ113と、第1
の動き予測部401と、第2の動き予測部402と、第
3の動き予測部403から構成される経路では、フレー
ム画面中の像の動きに関するデータが、逐次、処理され
ながら伝送されることになる。
【0038】そして、動き予測部401〜403の各部
で逐次行われるこの処理のために、原画像用メモリ11
3〜111から供給される原画像のデータ(元データ)
が使用される。
【0039】原画像用メモリ113〜111には、カメ
ラなどから画像入力部101に連続して入力された3つ
のフレームのデータが格納される得る。3つのうちで入
力順が最先の1フレームは原画像用メモリ113に格納
され、入力順が2番目の1フレームは原画像用メモリ1
12に格納され、入力順が最後の1フレームは原画像用
メモリ111に格納されることになる。
【0040】そしてこの状態で、画像入力部101に新
たな1フレームが入力されると、その新たな1フレーム
は原画像用メモリ111に格納され、すでに原画像用メ
モリに格納されていた3つのフレームは、原画像用メモ
リ111から原画像用メモリ113に向かう方向に1メ
モリずつシフトしていく。
【0041】したがって1回のシフトで、前記最先のフ
レームは原画像用メモリ113から破棄され、前記2番
目のフレームは原画像用メモリ112からシフトしてメ
モリ113に格納され、前記最後のフレームは原画像用
メモリ111からシフトしてメモリ112に格納され
る。これにより、新たな最先、2番目、最後の連続3フ
レームが設定されることになる。
【0042】画像入力部101に1フレームが入力され
る間隔と符号化器104で1フレームの処理が行われる
間隔とは一致している。
【0043】符号化器104における処理の種類は、フ
レーム内符号化、フレーム間符号化、いずれの符号化も
行わない(コマ落とし)の3種類である。
【0044】ここでは、画像入力部101に入力される
フレームは平均1/30秒間隔で供給され、符号出力部
106から出力される1フレーム分の符号は、平均1/
10秒間隔で送出されるものとする。すなわち、任意の
連続3フレームのうち、2フレームはコマ落ちして、符
号化器104における符号化に用いられないケースであ
る。
【0045】換言するなら、符号化装置10の入力が3
0Hzであるとすると、出力は10Hzである(圧縮に
より、出力データレートは入力データレートの1/3よ
りも小さい)。
【0046】なお、符号化装置10において、スイッチ
103と114は連動していて、スイッチ103が減算
器102側を選択しているときにはスイッチ114は下
側の接点を選択し、動き補償部110の出力を加算器1
08に供給する。
【0047】反対に、スイッチ103が上側の接点を選
択して元データ(画像入力部101に供給された状態の
画像データ)を符号化器104に供給している場合に
は、スイッチ114は上側の接点を選択して動き補償部
110の出力の加算器108への供給を停止する。
【0048】スイッチ103が上側の接点を選択するの
は、符号化器104が(元データを用いて)フレーム内
符号化を行う場合で、スイッチ103が減算器102側
の接点を選択するのは符号化器104が(差分データを
用いて)フレーム間符号化を行う場合である。
【0049】スイッチ103、114のこのような切替
えは、符号化制御部105からの指示に基づいて行われ
る。符号化制御部105は通常、圧縮の効果が高まるよ
うに(符号化の効率が高まるように)フレーム内符号化
とフレーム間符号化を選択し、レートコントロールを行
う。
【0050】1つの通信の行われているあいだでも、例
えば、像の動きが大きい期間やシーン切替えの時点で
は、フレーム内符号化のほうが選択され、像の動きが比
較的少ない場合やシーン切替えが行われないときなどに
は、フレーム間符号化が行われるのが普通である。
【0051】フレーム内符号化は1フレーム内の連続し
た画素間にはほとんど変化のない場合が多いという特性
を利用した符号化で、フレーム間符号化は連続する2フ
レームのあいだではフレーム画面中の同一位置の画素間
にはほとんど変化のない場合が多いという特性を利用し
た符号化である。
【0052】一般に、フレーム内(予測)符号化では、
高い圧縮率は望めないが受信側で高品質な画像を再現で
き、フレーム間(予測)符号化は、高い圧縮率も達成可
能である。
【0053】ただしフレーム間符号化では、フレーム画
面内の像の動きが小さいときには高品質な画像を再現で
きるのであるが、像の動きが大きい場合、処理しなけれ
ばならない情報量が増加して処理が遅れるためにレート
コントロールが困難化し、再現画像の品質も劣化する可
能性が高まるという性質がある。
【0054】そこで、符号化制御部105が、フレーム
内符号化とフレーム間符号化につき上述した選択の切り
替えを行う必要が生じるのである。
【0055】以下、上記のような構成を有する第1の実
施形態の動作について説明する。
【0056】(A−2)第1の実施形態の動作 まず画像入力部101にカメラなどから取り込んだ1フ
レーム(画像データ)が入力されると、この1フレーム
のデータは、減算器102、原画像用メモリ111およ
びスイッチ103に入力される。
【0057】減算器102では、このデータと、動き補
償部110から供給される時間的に前の画像データとの
差分が計算される。
【0058】減算器102からこの差分データを受け取
った符号化器104は、符号化制御部105の制御に応
じて前記フレーム間符号化を行うように動作する。
【0059】ただし、符号化制御部105からの制御は
符号化器104に、フレーム間符号化を行わずにコマ落
としすることを要求する場合もある。
【0060】フレーム間符号化、フレーム内符号化、コ
マ落としの3種類の制御は、上述したスイッチ103、
114の切替えと連動して行われ、符号化装置10全体
が、フレーム内符号化用、フレーム間符号化用、または
コマ落とし用のいずれか1つに対応した状態(フレーム
内符号化モード、フレーム間符号化モード、コマ落とし
モード)になる。
【0061】コマ落としは、フレーム間符号化モードで
も、フレーム内符号化モードでも行われ得るが、いずれ
のモードでも、コマ落としがある場合とない場合の動作
上の相違は、符号化器104が符号化を行わないか行う
かという点だけである。
【0062】符号化する場合、符号化器104は、当該
フレームに対し例えばDCT(離散的コサイン変換)の
ような変換や量子化などを行う。符号化器104で符号
化されたデータは符号出力部106から外部へ送出され
ると同時に、復号器107に供給される。
【0063】復号器107に入力されたデータは例えば
逆量子化、逆DCTなどの処理を受けて復号される。こ
れらの処理は、符号化器104における符号化に対応し
た処理である。復号器107の出力は、加算器108の
一方の入力端子に供給される。
【0064】当該データが符号化器104でフレーム間
符号化された差分データである場合、符号化装置10は
フレーム間符号化モードとなっていてスイッチ114は
下側の接点を選択している。このため、加算器108の
他方の入力端子には動き補償部110の出力(参照画像
情報)が供給される。
【0065】そしてこのとき、加算器108は両入力端
子に供給されたデータを加算してその加算結果を再構成
画像用メモリ109に供給する。
【0066】参照画像情報は、1フレーム画面分の画素
値と、ブロックの位置と、動きベクトルの情報を備えた
構成のデータである。
【0067】加算器108の一方の入力端子に供給され
る復号データ(差分データ)は、もともと減算器102
で当該参照画像情報を減算されることによって得られた
データであるから、この参照画像情報を加えることによ
って、画像入力部101に入力された時点の状態(元デ
ータ)に復元される。
【0068】なお、フレーム内符号化モードの場合、ス
イッチ114が上側の接点を選択しているため、復号器
107の出力は、加算器108での加算によって変化せ
ず、そのまま再構成画像用メモリ109に出力される。
【0069】いずれにしても加算器108の出力データ
は再構成画像用メモリ109に入力されて保存され、動
き補償部110の求めるタイミングに合わせて再構成画
像用メモリ109から動き補償部110へと供給され
る。
【0070】一方、画像入力部101から順に入力され
た画像データは原画像用メモリ111に保存された後、
上述したように順にシフトして原画像用メモリ112,
113に保存される。
【0071】本実施形態では、原画像用メモリ111〜
113は3つなので、過去3フレーム分の画像データを
保存できる。
【0072】動き補償部110は再構成画像用メモリ1
09の出力と、原画像用メモリ111〜113の出力に
基づいて動き補償を行い、その結果を減算器102およ
びスイッチ114に出力する。
【0073】動き補償とは動きベクトルを求める操作の
ことである。動きベクトルはフレーム画面内の像の動き
の大きさや方向を示す位置ベクトルに対応する情報であ
り、通常、フレーム画面内の像の動きをブロックの平行
移動とみなして求められる。
【0074】このような動きベクトルは、フレーム間符
号化の符号化効率を高め、像の動きが大きい場合などで
も、処理しなければならない情報量をできるだけ抑圧す
ることによりレートコントロールを容易化するととも
に、受信側での再現画像の品質を高めるために利用され
る。
【0075】したがって動きベクトルはフレーム間符号
化モード以外では求める必要がないため、フレーム間符
号化モード以外には動き補償部110は動作を停止して
いてよい。
【0076】ただし、フレーム内符号化モードからフレ
ーム間符号化モードに切り替わったあとできるだけ早期
に動きベクトルを求めるためには、再構成画像用メモリ
109の格納内容や原画像用メモリ111〜113の格
納内容は、フレーム内符号化モードでも、画像入力部1
01に新たなフレームが入力され、符号化器104で何
らかの符号化が行われるたびに逐次、更新したほうがよ
い。
【0077】図4に示す第1の動き予測部401は原画
像用メモリ113から入力された画像データと、再構成
画像用メモリ109から入力された復号データと、第2
の動き予測部402から供給される補償部内参照画像情
報をもとに、ブロックマッチングを用いて例えば図5に
示したように動きベクトルV1の検出を行う。
【0078】ブロックマッチング方式による動きベクト
ルの検出は、入力順があとの1フレーム内のブロックB
1と入力順が先の1フレーム内の任意のブロックとを比
較して、入力順が先の1フレームのなかに当該ブロック
B1と最も一致するブロックB2を求める(探索する)
ことによって行われる。
【0079】ブロックB1、B2などのブロックの大き
さは、ここでは16×16画素程度であるものとする。
もちろん、これよりも大きなブロックや小さなブロック
を使用することは可能である。
【0080】1つの動きベクトルを求めるために必要な
演算の総数は、ブロックの大きさが大きくなるほど増加
する傾向がある。
【0081】また、最も一致するブロックを探索する範
囲を、入力順が先の1フレーム全部とすると演算数が増
え過ぎるため、通常は、1フレームの一部に探索範囲を
設定し、当該探索範囲内にかぎって探索する。
【0082】1つの動きベクトルを求めるために必要な
演算の総数はまた、この探索範囲の大きさが大きくなる
ほど増加する傾向がある。
【0083】例えばこの演算総数Lは、前記文献1に記
載されている次の式(1)によって求めることができ
る。
【0084】 L=(2J+1)×(2K+1)×(M×N)×3 …(1) ここで、M、Nはブロックサイズ(Mライン×N画素)
を示し、J、Kは探索範囲(±Jライン/フレーム、±
K画素/フレーム)に対応し、最後の3は、画素ごとの
差分演算、差分結果の絶対値または自乗を求めるための
変換演算、およびこの変換結果を累積するための累積演
算の3種の演算に対応している。
【0085】一例として、J=K=M=N=8とする
と、動きベクトルを求めるためのブロックあたりの演算
総数は55488回、1画素あたり867回の演算数を
要することになる。
【0086】探索範囲は広げれば広げるほど像の大きな
動きに対応でき、動き補償能力は向上するが、式(1)
から明らかなように、演算数が膨大となる。
【0087】もっとも、この式(1)は、1つの探索範
囲の内部での演算数を示しているに過ぎず、実際に動き
ベクトルを求めるためには、このような探索範囲を相互
にオーバーラップするように前フレーム上の全面に多数
設定する必要があり、その数だけ前記55488回とい
う値に乗じて得られる値が、通常、フレーム間のブロッ
クマッチングで必要な演算数となる。
【0088】次に、図5〜図7を用いて本実施形態の動
き補償部110の動作の説明をする。前提として、入力
順が連続する3フレームが、入力順に原画像用メモリ1
13,112,111に格納されているのは上述した通
りであるが、再構成画像用メモリ109に格納されてい
る画像データは、原画像用メモリ113に格納されてい
るフレームの画像データよりも入力順が1つ先のデータ
である。
【0089】これらの連続する4フレームを、入力順に
F3、F2、F1、F0とする。現時点のフレームF0
から入力順が遅い順に配列すると、F1、F2、F3と
順次さかのぼっていく。
【0090】現時点で、符号化装置10はフレーム間符
号化モードになっていて、再構成画像用メモリ109に
はフレームF3が格納され、原画像用メモリ113には
フレームF2が格納され、原画像用メモリ112にはフ
レームF1が格納され、原画像用メモリ111にはフレ
ームF0が格納されている。
【0091】フレームF3は符号化器104が直前に符
号化したフレームで、フレームF2、F1は符号化器1
04が符号化せずにコマ落とししたフレームであり、フ
レームF0はいま画像入力部101に供給されているフ
レームである。
【0092】符号化器104は当該フレームF0の差分
データをフレーム間符号化しようとしているが、その符
号化に先立って差分データを得るため、動き補償部11
0が出力する参照画像情報を用いて減算器102におけ
る減算を行わなければならない。
【0093】タイミング上、フレームF0の画像データ
は、少なくとも後述する第1〜第3の動き予測部401
〜403における処理が行われている期間、カメラなど
の外部機器によって画像入力部101に保持される必要
がある。
【0094】また、前記第1の動き予測部401以外で
は、第2の動き予測部402には原画像用メモリ112
からフレームF1の画像データが供給され、第3の動き
予測部403には原画像用メモリ111からフレームF
0の画像データが供給されている。
【0095】符号化制御部105は、符号化器104に
フレーム間符号化を行わせようとしている今、動き補償
部110に動きベクトルを求めさせるため、以下の動作
を行わせる。
【0096】図5において、中央に位置した四角形P0
はフレームF0の画面内のブロックであり、その左上の
四角形P1はフレームF1の画面内のブロックである。
【0097】外側の大きな四角形SE1は、フレームF
0上のブロックP0の位置を中心としてフレームF1上
に設定した動きベクトル探索範囲である。このSE1は
図3のQE0と同じ大きさであってよい。
【0098】図5の状態は、第2の動き予測部402か
らフレームF2の画像データを受け取り、原画像用メモ
リ113からフレームF0の画像データを受け取った第
3の動き予測部403が、フレームF0内の任意のブロ
ックを基準に、フレームF1内の探索範囲SE1を前記
ブロックマッチング方式によって調べた結果、フレーム
F1内のブロックP1と、フレームF0内のブロックP
0の一致度が最も高いことを検出した状態である。
【0099】これにより、ブロックP1からP0に向か
う(P1を始点、P0を終点とする)動きベクトルV1
が求められる。
【0100】この例では、検出された動きベクトルはV
1だけであるが、フレーム画面内で複数の像が移動する
ことなどもあり得るため、複数の動きベクトルが同時に
検出されることもあり得る。
【0101】なお、探索範囲SE1の大きさは、面積に
して、例えばブロック(P0など)の数倍〜数十倍程度
であってよい。
【0102】第3の動き予測部403から第2の動き予
測部402に供給される情報は、当該動きベクトルV1
の情報と、当該ブロックP1の情報から構成される補償
部内参照画像情報である。
【0103】次に、原画像用メモリ112からフレーム
F1の画像データを受け取るとともに、この補償部内参
照画像情報を受け取り、さらに第1の動き予測部401
からフレームF2の画像データを受け取った第2の動き
予測部402では、図6に示す動きベクトルV2を求め
る処理が行われる。
【0104】第2の動き予測部402で行われるこの処
理は、第3の動き予測部403における処理と同様に、
フレームF1内の任意のブロック(前記P1を含む)を
基準に、フレームF2内の探索範囲SE2をブロックマ
ッチング方式によって調べた結果、フレームF2内のブ
ロックP2と、フレームF1内のブロックP1の一致度
が最も高いことを検出した状態である。
【0105】これにより、ブロックP2からP1に向か
う動きベクトルV2が求められる。
【0106】なお、探索範囲SE2の大きさおよび位置
は、前記探索範囲SE1と同じである。
【0107】第2の動き予測部402から第1の動き予
測部401に供給される補償部内参照画像情報は、動き
ベクトルV2の情報と、当該ブロックP2の情報から構
成される。
【0108】最後に、原画像用メモリ113からフレー
ムF2の画像データを受け取るとともに、この補償部内
参照画像情報を受け取り、さらに再構成画像用メモリ1
09からフレームF3の画像データを受け取った第3の
動き予測部403では、図7に示す動きベクトルV3を
求める処理が行われる。
【0109】この処理は、第2の動き予測部402にお
ける処理と同様のブロックマッチングを利用した処理で
ある。
【0110】そしてこのブロックマッチングに対応する
探索範囲SE3の大きさおよび位置は、前記SE1、S
E2と同じである。
【0111】第1の動き予測部401における処理が終
わると、動きベクトルV3などの情報は第2の動き予測
部402を介して第3の動き予測部403へ送られる。
第3の動き予測部403はまた、適当なタイミングで、
第2の動き予測部402からも動きベクトルV2などの
情報を受け取っていて、図7に示すような、合成動きベ
クトルVを生成する。
【0112】この合成動きベクトルVは、前記動きベク
トルV1、V2、V3のベクトル和の結果として得られ
る動きベクトルである。この合成動きベクトルVは、フ
レームF0からF3までの期間における画面内での像の
動きを示している。
【0113】第3の動き予測部403はこの合成動きベ
クトルVの情報や、必要な画素値の情報を含む参照画像
情報を構成して動き補償部110の外部へ出力する。出
力されたこの参照画像情報は、減算器102およびスイ
ッチ114に供給される。
【0114】この参照画像情報を受け取った減算器10
2は、画像入力部101から供給されているフレームF
0の元データからこの参照画像情報を減算し、その減算
結果としての差分データを符号化器104に供給する。
【0115】そして符号化器104が当該差分データに
対してフレーム間符号化を施して、符号化結果を符号出
力部106から外部に送出するとともに、復号器107
に供給する。
【0116】以上のように入力順が遅い順に、F0とF
1のあいだ、F1とF2のあいだ、F2とF3のあいだ
で、それぞれブロックマッチングを行うことにより、動
いた結果、新しいフレーム(F1に対してはF0、F2
に対してはF1、F3に対してはF2)上に存在しなく
なる像について動きベクトルを求めてしまう無駄を排除
し、効率的な演算を行うことができる。
【0117】図5〜図7の例では、コマ落としはF1、
F2の連続する2フレームに対して行われたが、コマ落
としが1フレームにだけ行われる場合、およびコマ落と
しが行われない場合について説明する。
【0118】それまでコマ落としを行わずに、符号化器
104が連続してフレームの符号化を行っている状況を
想定すると、メモリ111〜113および109にはす
べて、符号化されたフレームの画像データが格納されて
いる。
【0119】この状態で、画像入力部101に1フレー
ムが入力され、この1フレームがコマ落としされるフレ
ームであるとする。つづいて画像入力部101に入力さ
れるフレームが、符号化器104においてフレーム間符
号化されるフレームであるとすると、動き補償部110
はこのフレーム間符号化のために動作する。
【0120】このとき、メモリ111内のF0がこのフ
レーム、メモリ112内のF1がコマ落としされたフレ
ーム、メモリ113内のF2およびメモリ109内のF
3は符号化されたフレームである。
【0121】このケースにおいては、動き補償部110
の内部で、第1の動き予測部401の動作の一部と、第
2の動き予測部402の動作と、第3の動き予測部40
3の動作だけが意味を持つ。F0とF1のあいだ、およ
びF1とF2のあいだで2つの動きベクトルが求めら
れ、これらのベクトル和が、動き補償部110から出力
される参照画像情報の構成要素となるからである。
【0122】同様に、それまでコマ落としが全く行われ
てこなかったケースで、符号化器104が最新の入力フ
レームF3を処理(フレーム間符号化)する場合、第3
の動き予測部403の動作と第2の動き補償部402の
一部の動作だけが意味を持つ。この場合、本実施形態の
符号化装置10の機能は、実質的に、上述した従来の符
号化装置20の機能と同じとなる。
【0123】本実施形態では、原画像用メモリ111〜
113を3つ設けたため、最大で2つ連続するコマ落と
しにしか効率的に対応できないが、3つ以上連続するコ
マ落としに対しては、従来の符号化装置20における2
つ以上連続するコマ落としに対する処理と同じ方法で対
応し得る。
【0124】また、本実施形態において、原画像用メモ
リおよび動き補償部110内部の動き予測部の数を増加
すれば、3つ以上の連続コマ落としにも効率的に対応す
ることが可能となる。
【0125】なお、上記の例では、合成された動きベク
トルVは、フレームF0上に終点を持ち、フレームF3
上に始点を持っていたが、本実施形態で検出される動き
ベクトルはこのようなベクトルに限定されない。
【0126】例えば、コマ落としされたフレームF2と
F1のあいだでだけ動く像や、F1とF0のあいだでだ
け動く像、F3とF2のあいだでだけ動く像、F2とF
0のあいだでだけ動く像、F3とF1のあいだでだけ動
く像などもあり得る。
【0127】一例として、F2とF1のあいだでだけ動
く像の動きベクトルは、第2の動き予測部402で求め
られた動きベクトルが唯一のベクトルで、それ以外に合
成すべきベクトルを持たない。このような動きベクトル
に関連する情報も、動き補償部110から出力される前
記参照画像情報に含まれ得る。
【0128】一方、前記連続2フレームコマ落としのケ
ースで、もしも本実施形態のように、コマ落としされた
フレームF1とF2を使用してV1、V2、V3を求め
てからこれらを合成して最終的な動きベクトルVを求め
るのではなく、従来のようにフレームF3とF0のあい
だのブロックマッチングだけで直接、動きベクトルVを
求めようとすると、探索範囲を相当に大きく設定しなけ
れば動きベクトルVを検出すること自体が困難になり、
動き補償能力が低下する。
【0129】しかし探索範囲を大きくすると上述したよ
うに演算の総数が増加し、レートコントロールが難しく
なる。
【0130】また、フレームF3とF0のあいだのブロ
ックマッチングを行う場合は、コマ落としされたフレー
ムF1、F2に相当する期間に、動きベクトルの始点ブ
ロックと終点となるべきブロックのあいだの一致度が低
下し、誤った動きベクトルを検出してしまう可能性も高
まって、動き補償能力が損なわれる。
【0131】具体的には、連続する2つのフレーム間
(例えばF0、F1間)の時間に比べて、F2、F1が
コマ落としされた場合のF0とF3の間の時間は3倍に
なるため、フレーム画面内の像の動きの大きさは、F
0、F3間ではF0、F1間の3倍になる。
【0132】従来の符号化装置20でこの3倍の大きさ
の動きを捕捉するためには、探索範囲(前記QE0に相
当)の面積を9(=32)倍にしなければならない。こ
れに応じて演算数も、ほぼ9倍になる(式(1)参
照)。
【0133】これに対して本実施形態では、このQE0
と同じ探索範囲で3回演算を実行するだけでよいため、
探索範囲の面積の合計はQE0の3倍で足りる。
【0134】この観点から、その他の条件が同じ場合、
本実施形態の演算総数は、従来の1/3程度でよいこと
になる。
【0135】(A−3)第1の実施形態の効果 以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、コマ
落としがあったり、コマ落としフレームが連続する場合
でも、演算総数の増加を抑えてレートコントロールを容
易にし、正確な動きベクトルを検出して動き補償能力の
低下を防ぐことができるため、符号化装置の信頼性を向
上することが可能となる。
【0136】また、演算総数を抑制できるということ
は、ハードウエア的には符号化装置のの消費電力を低減
し、規模を縮小できることを意味し、ソフトウエア的に
は、処理能力に対する負荷を軽減できることを意味す
る。
【0137】(B)第2の実施形態 本実施形態では、第1の実施形態の動き補償部の処理で
一定であった探索範囲の位置を変化させ、大きさを小さ
くすることを特徴とする。
【0138】(B−1)第2の実施形態の構成および動
作 第1の実施形態と本実施形態の構成上、動作上の主要な
相違点は、動き補償部に関する点にかぎられる。
【0139】図1において、本実施形態の動き補償部に
は、第1の実施形態の動き補償部110と区別するため
に符号110Aを付する。同様に、本実施形態の符号化
装置には、第1の実施形態の符号化装置10と区別する
ために符号10Aを付する。
【0140】以下では、第1の実施形態の構成、動作と
異なる点についてのみ説明する。
【0141】本実施形態の動き補償部110Aの内部お
よびその周辺の構成を図8に示す。
【0142】図8において、動き補償部110Aは第1
の動き予測部801と、第2の動き予測部802と、第
3の動き予測部803と、探索範囲制御部804とから
構成されている。
【0143】第1の動き予測部801は前記第1の動き
予測部401に対応し、第2の動き予測部802は前記
第2の動き予測部402に対応し、第3の動き予測部8
03は前記第3の動き予測部403に対応するが、それ
ぞれ探索範囲制御部804に関連する機能も備えてい
る。
【0144】すなわち、第1の動き予測部501は再構
成画像用メモリ109からの信号を入力する部分と原画
像用メモリ113からの信号を入力する部分と探索範囲
制御部804からの制御信号を入力する部分を備え、第
2の動き予測部802は原画像用メモリ112からの信
号を入力する部分と探索範囲制御部804からの制御信
号を入力する部分を備え、第3の動き予測部803は原
画像用メモリ113からの信号を入力する部分と探索範
囲制御部804からの制御信号を入力する部分を備えて
いる。
【0145】次に、第1の実施形態のF1、F2の2フ
レーム連続のコマ落としがある場合を例に、本実施形態
の動作を説明する。
【0146】まず第3の動き予測部801は、原画像用
メモリ111から入力された画像データF0と、第2の
動き予測部802から得たフレームF1の画像データの
あいだで、ブロックマッチングを用いて動きベクトル検
出を行う。
【0147】このブロックマッチングに際して、探索範
囲制御部804は動き予測部801に探索範囲を指示す
る。ここで指示された探索範囲が、図5に一点鎖線で示
した探索範囲VE1である。探索範囲VE1は、フレー
ムF0上のブロックP0の位置を中心としてフレームF
1上に設定した探索範囲である。
【0148】上述した2連続コマ落としのケースにおい
て、従来は、フレームF3とF0のあいだで直接、探索
(ブロックマッチング)し、動きベクトルVを求める。
この探索を±15画素の探索範囲で行うものとすると、
本実施形態では、±5画素の探索範囲で探索しても動き
補償能力は従来よりも高い。
【0149】なぜなら、フレームF1とF0のあいだの
時間はフレームF3とF0のあいだの時間の1/3であ
るため、フレーム画面中で像が動く距離は1/3になる
のに加えて、動きベクトルの始点ブロックと終点となる
べきブロックのあいだの一致度は、経過時間の短いフレ
ームF1、F0間のほうが、F3、F0間よりも高いの
が普通だからである。
【0150】例えばフレームF3とF0の時間間隔を1
/30秒とすると、フレームF1とF0の時間間隔はほ
ぼ1/100秒であるため、F1、F0間ではF3、F
0間に比べて、フレーム画面中の像(被写体)の動く距
離は短く、光学的な条件などの変化で当該像の同じ部位
の画素値が変化してしまう程度や頻度も低い。
【0151】さらに、始点ブロックと終点ブロックの一
致度が高いということは、本来、動きベクトルでないも
のを動きベクトルとして誤って検出する可能性が低いこ
とを意味する。
【0152】次に、第2の動き予測部802において、
第1の動き予測部801の処理で得られた動きベクトル
をもとに動きベクトル検出を行う。その場合も同様に探
索範囲制御部804が指示された探索範囲で検出を行
う。この探索範囲は、図6に一点鎖線で示した探索範囲
VE2である。
【0153】探索範囲VE2は、フレームF1上のブロ
ックP1の位置を中心としてフレームF2上に設定した
探索範囲である。
【0154】同様に、第1の動き予測部801は、画像
用メモリ113から入力された画像データF2と再構成
画像用メモリ109から入力された復号データF3とか
らブロックマッチングを用いて動きベクトル検出を行
う。
【0155】ここでのブロックマッチングも、第2の動
き予測部802の処理で得られた動きベクトルをもとに
行われ、動きベクトルが検出される。その場合も同様に
探索範囲制御部804が指示した探索範囲VE3で検出
を行う。
【0156】探索範囲VE3は、フレームF2上のブロ
ックP2の位置を中心としてフレームF3上に設定した
探索範囲である。
【0157】本実施形態では第1の実施形態の探索範囲
と異なり、この±5画素という小さな探索範囲のフレー
ム画面中の位置は、図5〜図7に一点鎖線で示した探索
範囲VE1、VE2、VE3のように変化していく。そ
してこれらVE1〜VE3の存在し得る領域は、第1の
実施形態の前記SE1の範囲に限定しても、第1の実施
形態と同等な動き補償能力が保たれる。
【0158】本実施形態の探索範囲VE1などの面積は
第1の実施形態の探索範囲SE1などの面積の1/9な
ので、その他の条件が同一ならば、本実施形態の演算数
は第1の実施形態の演算数の1/9程度になる。
【0159】最後に、第3の動き予測部803が、得ら
れた各動きベクトルのベクトル和を用いて参照画像情報
を作成し、減算器102およびスイッチ114に入力す
る点などは、第1の実施形態と同じである。
【0160】(B−2)第2の実施形態の効果 本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効
果を得ることができる。
【0161】加えて、本実施形態では、第1の実施形態
に比べて演算総数はさらに減少することが可能である。
【0162】例えば上下左右15画素の探索範囲の全探
索をして検出する場合、第1の実施形態の評価値演算の
回数は、31×31=961回(前記式(1)参照)で
あるが、本実施形態では1回毎に上下左右5画素の範囲
を検出することで第1の実施形態と同じ範囲をカバーし
ているので、(11×11)×3=363回である。よ
って演算数は、約62%の削減が可能となる。
【0163】なお、合成動きベクトルを求めるため第3
〜第1の動き予測部で行われる3回のブロックマッチン
グのための演算数で比較すると、本実施形態の演算数は
上述したように、第1の実施形態の演算数のほぼ1/9
になる。
【0164】反対に第1の実施形態と同じ程度の演算総
数を許容するなら、本実施形態では、探索範囲を大きく
してフレーム画面内でのいっそう大きな像の動きに対応
することができるので、動き補償能力が向上する。
【0165】(C)第3の実施形態 第1および第2の実施形態では、フレーム画面内で上下
左右に連続する画素すべてについて評価値演算を行って
いたが、本実施形態は評価値演算の対象となる画素を断
続的に設定することを特徴とする。
【0166】(C−1)第3の実施形態の構成および動
作 第1の実施形態と本実施形態の構成上、動作上の主要な
相違点は、動き補償部に関する点にかぎられる。
【0167】図1において、本実施形態の動き補償部に
は、第1の実施形態の動き補償部110と区別するため
に符号110Bを付する。同様に、本実施形態の符号化
装置には、第1の実施形態の符号化装置10と区別する
ために符号10Bを付する。
【0168】以下では、第1の実施形態の構成、動作と
異なる点についてのみ説明する。
【0169】本実施形態の動き補償部110Bの内部お
よびその周辺の構成を図9に示す。
【0170】図9において、動き補償部110Bは第1
の動き予測部901と、第2の動き予測部902と、第
3の動き予測部903と、評価値演算制御部904とか
ら構成されている。
【0171】第1の動き予測部901は前記第1の動き
予測部401に対応し、第2の動き予測部902は前記
第2の動き予測部402に対応し、第3の動き予測部9
03は前記第3の動き予測部403に対応するが、それ
ぞれ評価値演算制御部904に関連する機能も備えてい
る。
【0172】すなわち、第1の動き予測部901は再構
成画像用メモリ109からの信号を入力する部分と原画
像用メモリ113からの信号を入力する部分と評価値演
算制御部904からの制御信号を入力する部分を備え、
第2の動き予測部902は原画像用メモリ112からの
信号を入力する部分と評価値演算制御部904からの制
御信号を入力する部分を備え、第3の動き予測部903
は原画像用メモリ113からの信号を入力する部分と評
価値演算制御部904からの制御信号を入力する部分を
備えている。
【0173】図10は16画素×16画素(=256画
素)のブロックで、白い四角形も黒い四角形も当該ブロ
ック内の各画素を示している。このブロックが動きベク
トルを求める際の単位なので、第1および第2の実施形
態では、白および黒の四角形すべて(256画素)につ
いて評価値演算を行っていたことになる。
【0174】これに対し本実施形態では、例えば黒い四
角形の128画素についてのみ評価値演算を行うことに
なる。
【0175】そのため、本実施形態の動き補償部110
Bは、以下のようになる。
【0176】まず、第3の動き予測部903は画像用メ
モリ111から入力された画像データF0と第2の動き
予測部902から供給される画像データF1とから、ブ
ロックマッチングを用いて動きベクトル検出を行う。
【0177】この際に、評価値演算制御部904が、評
価値演算に用いる画素を例えば図10の黒い部分に相当
する画素のみとするように、第1の動き予測部901に
指示する。
【0178】次に第2の動き予測部902において、第
3の動き予測部903における処理の結果得られた動き
ベクトルをもとに動きベクトル検出を行う。その場合、
第2の動き予測部902も、第3の動き予測部903と
同様に評価値演算制御部904が指示した方法で検出を
行う。
【0179】第1の動き予測部901が、第2の動き予
測部902における処理の結果得られた動きベクトルを
もとに動きベクトル検出を行う場合も、同様に評価値演
算制御部904が指示した方法で検出を行う。
【0180】第3の動き予測部得903は得られた各動
きベクトルのベクトル和を用いて参照画像情報を作成
し、減算器102およびスイッチ114に入力する。
【0181】なお、本実施形態のように評価値演算に用
いる画素の密度を減らすと、演算数が減少する一方で、
一致度自体の精密さが低下して動きベクトルの誤検出が
発生する可能性は高まると考えられるが、一致度の精密
さの低下の影響が動きベクトルの誤検出をもたらさない
範囲で画素の密度を減らすようにするとよい。
【0182】(C−2)第3の実施形態の効果 本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効
果を得ることができる。
【0183】加えて、本実施形態では、第1の実施形態
に比べて演算総数はさらに減少することが可能である。
【0184】例えば、上述したように1画素おきに(黒
い四角形についてだけ)評価値演算を行う場合、すべて
の画素を用いて評価値演算した場合の半分の演算回数で
評価値が求められる。
【0185】反対に、本実施形態で第1の実施形態と同
じ回数の演算を行う場合には、探索範囲を広げることが
でき、像の急激な動きにも対応してより正確に動きベク
トルを検出することが可能で、動き補償能力が向上す
る。
【0186】(D)第4の実施形態 第1〜第3の実施形態の動き補償部の処理では、動きベ
クトルは最初から一致度が最も高いブロック間に1つだ
け検出し、その1つについて処理を進めたため、もしも
第1〜第3の動き予測部の1つで求められた動きベクト
ルに誤りがあると、最終的に動き補償部から出力される
動きベクトルの情報も誤ったものとなる。
【0187】これに対し、本実施形態では、複数の候補
ベクトルを求め、動き補償部における処理の過程で、複
数の候補ベクトルのなかから1つの動きベクトルを選択
することを特徴とする。
【0188】(D−1)第4の実施形態の構成および動
作 第1の実施形態と本実施形態の構成上、動作上の主要な
相違点は、動き補償部に関する点にかぎられる。
【0189】図1において、本実施形態の動き補償部に
は、第1の実施形態の動き補償部110と区別するため
に符号110Cを付する。同様に、本実施形態の符号化
装置には、第1の実施形態の符号化装置10と区別する
ために符号10Cを付する。
【0190】以下では、第1の実施形態の構成、動作と
異なる点についてのみ説明する。
【0191】本実施形態の動き補償部110Cの内部お
よびその周辺の構成を図11に示す。
【0192】図11において、動き補償部110Cは第
1の動き予測部1101と、第2の動き予測部1102
と、第3の動き予測部1103と、評価値演算制御部1
104と、候補ベクトル決定部1105と、動きベクト
ル決定部1106とから構成されている。
【0193】なお、評価値演算制御部1104は、第3
の実施形態における評価値演算制御部904の機能に加
え、第2の実施形態の探索範囲制御部804の持つ機能
をも装備している。
【0194】第1の動き予測部1101は前記第1の動
き予測部401に対応し、第2の動き予測部1102は
前記第2の動き予測部402に対応し、第3の動き予測
部1103は前記第3の動き予測部403に対応する
が、それぞれ評価値演算制御部1104、候補ベクトル
決定部1105、動きベクトル決定部1106に関連す
る機能も備えている。
【0195】すなわち、第1の動き予測部1101は再
構成画像用メモリ109からの信号を入力する部分と原
画像用メモリ113からの信号を入力する部分と評価値
演算制御部1104からの制御信号を入力する部分を備
え、第2の動き予測部1102は原画像用メモリ112
からの信号を入力する部分と第1の動き予測部1101
からの信号を入力する部分と評価値演算制御部1104
からの制御信号を入力する部分を備え、第3の動き予測
部1103は原画像用メモリ113からの信号を入力す
る部分と候補ベクトル決定部1105からの信号を入力
する部分と評価値演算制御部1104からの制御信号を
入力する部分を備えている。
【0196】次に、図11〜14を用いて動き補償部1
10Cの動作の説明をする。
【0197】まず第3の動き予測部1103は原画像用
メモリ111から入力された画像データF0と、候補ベ
クトル決定部1105を介して第2の動き予測部110
2から供給される画像データF1とから、ブロックマッ
チングを用いて動きベクトルの検出を行う。その場合、
評価値演算制御部1104は第3の動き予測部1103
に対し、候補ベクトルとして例えば2本挙げるように指
示する。
【0198】第3の動き予測部1103は、例えば上述
した一致度が高い順に、ブロックを2組選択すること
で、一例として、図12に示した2本の候補ベクトルV
1−1、V1−2を得るものとする。
【0199】図12は、フレームF1中のブロックのう
ちで、フレームF0中のブロックP0との一致度が最も
高いブロックがP1−1であり、2番目に高いブロック
がP1−2であり、P0、P1−1間、P0、P1−2
間に動きベクトルの第1次候補ベクトルV1−1、V1
−2が得られたケースである。FV1は、前記VE1と
同様な探索範囲である。
【0200】次いで、第2の動き予測部1102は評価
値演算制御部1104からの指示によって、1本の第1
次候補ベクトルにつき2本ずつ、第2次の候補ベクトル
を求める。
【0201】第2次の候補ベクトルは、例えば図13に
示すV2−1、V2−2、V2−3、V2−4のよう
な、4本のベクトルである。第1次の候補ベクトルと同
様、第2次の候補ベクトルも一致度に応じて求めること
ができる。
【0202】図13中、FV2−1、FV2−2は、前
記VE2と同様な探索範囲であるが、本実施形態では、
2つの第1次の候補ベクトルについて処理するため、2
つの探索範囲が設定されている。
【0203】フレームF2上に設定された探索範囲FV
2−1のなかのブロックのうちで、ブロックP1−1に
対する一致度が最も高いブロックがP2−1で、2番目
に高いブロックがP2−2であり、同様に、フレームF
2上に設定された探索範囲FV2−2中のブロックのう
ちで、ブロックP1−2に対する一致度が最も高いブロ
ックがP2−3で、2番目に高いブロックがP2−4で
あるものとする。
【0204】本実施形態の補償部内参照画像情報は、上
述した第1の実施形態の補償部内参照画像情報に加え
て、これらの各次の候補ベクトルの情報やこれらの候補
ベクトルに関する付帯情報を含んでいる。この付帯情報
は、例えば第2次の各候補ベクトルの始点ブロックに対
する終点ブロックの一致度の情報であってよい。
【0205】第2の動き予測部1102は、補償部内参
照画像情報を第1の動き予測部1101に供給する前
に、候補ベクトル決定部1105の処理を受ける。
【0206】この補償部内参照画像情報を受け取った候
補ベクトル決定部1105は、V2−1とV2−2のな
かから1つの候補ベクトルを選択するとともに、V2−
3とV2−4のなかから1つの候補ベクトルを選択す
る。
【0207】この選択には例えば、前記始点ブロックに
対する終点ブロックの一致度を使用してもよい。
【0208】ただし、第2の動き予測部1102で第2
次の候補ベクトルを得る際にも一致度を使用したため、
候補ベクトル決定部1105でも同じ一致度を使用して
候補ベクトルを選択しては、最初から第2の候補ベクト
ルを第1次の候補ベクトル1つについて1つだけ求めて
も同じ結果となってしまう。
【0209】したがって、候補ベクトル決定部1105
が第2次の候補ベクトルを選択する際の基準と、第2の
動き予測部1102が第2次の候補ベクトルを得る際の
基準とは異なるほうが効果的である。
【0210】例えば、候補ベクトル決定部1105の処
理では、フレームF2内のブロックとフレームF1内の
ブロックとの一致度だけでなく、フレームF2内のブロ
ックとフレームF0内のブロックとの一致度も加味し
て、第2次の候補ベクトルの選択を行うようにする方法
などが考えられる。
【0211】この場合、一例としては、ブロックP1−
1に対する一致度はブロックP2−2のほうがブロック
P2−1よりも高かったとしても、前記ブロックP0に
対する一致度はブロックP2−1のほうがP2−2より
も高ければ、その程度にしたがい、ブロックP2−1、
すなわち第2次の候補ベクトルV2−1のほうが選択さ
れることもあり得る。
【0212】ここでは、4つの第2次の候補ベクトルの
うち、V2−1(終点ブロックP2−1)とV2−3
(終点ブロックP2−3)とが候補ベクトル決定部11
05で選択されたものと仮定する。
【0213】選択された第2次候補ベクトルの情報を持
つ補償部内参照画像情報は、第1の動き予測部1101
に供給される。第1の動き予測部1101はこのほか、
原画像用メモリ113から画像データF2を受け取り、
再構成画像用メモリ109から復号データF3を受け取
る。
【0214】これらの情報を用いて第1の動き予測部1
101は、一致度を基準に、第2の動き予測部1102
と同様な動作を行い、図14に示すように、新たに4つ
の第3次の候補ベクトルV3−1、V3−2、V3−
3、V3−4を求める。ここで、FV3−1、FV3−
2は、前記FV2−1、FV2−2と同様な探索範囲で
ある。
【0215】なお、図12、図13、図14に示した大
きな四角形Rは、大きさが第1の実施形態の探索範囲S
E1などと同じ範囲であって、本実施形態の探索範囲F
V2−1、FV2−2、FV3−1、FV3−2などが
設定され得る最大限の領域を示している。
【0216】第1の動き予測部1101における処理が
終わると、選択された第2次候補ベクトルと、第3次候
補ベクトルの情報を含む補償部内参照画像情報が、各部
1102,1105,1103を介して動きベクトル決
定部1106に供給される。
【0217】当該補償部内参照画像情報を受け取った動
きベクトル決定部1106は、これら4つの第3次の候
補ベクトルから1つだけを選択することで最終的な動き
ベクトルを決定する。
【0218】動きベクトル決定部1106におけるこの
選択の基準と第1の動き予測部1101の第3次候補ベ
クトルを求める際の基準の関係については、前記候補ベ
クトル決定部1105の基準と、第2の動き予測部11
02の基準の関係と同様で、相互に相違しているほうが
よい。
【0219】ただし動きベクトル決定部1106では、
2つの候補ベクトルを選択した候補ベクトル決定部11
05と異なり、最終的に1つの候補ベクトルを決定する
ため、いっそう包括的で信頼性の高い基準で選択するこ
とが求められる。
【0220】一例としては、終点ブロックP3−1、P
3−2、P3−3、P3−4のそれぞれと対応するブロ
ックすべての一致度を、包括的に比較してもよい。
【0221】すなわち、ブロックP3−1とP2−1の
一致度だけでなく、P3−1とP1−1の一致度、P3
−1とP0の一致度を加味した所定の計算式を設定し
て、その値を求める。同様に、ブロックP3−2、P3
−3、P3−4についても同等な計算式に基づいてその
値を求め、これら4つの値を比較することで第3次の候
補ベクトルを1つだけ選択するなお、動き補償部110
Cで最終的に求められ外部へ出力される動きベクトル
は、第3次よりも第2次、第2次よりも第1次と、早期
の段階の候補ベクトルが誤っているほど、実際の像の動
きに対応した真の動きベクトルから大きくかけ離れたも
のとなる可能性が高い。したがって、この計算式および
動き補償部110Cは、第1の動き予測部1101など
の誤りを、第3の動き予測部1103などの処理によっ
て回復し、修正できるようにつくることが望ましい。
【0222】図14の例では、第3次候補ベクトルV3
−1が選択されている。
【0223】第3次の候補ベクトルV3−1が選択され
ると、対応する第2次、第1次の候補ベクトルとのベク
トル和により、最終的な動きベクトルVC(=V1−1
+V2−1+V3−1)が求められ、このVCの情報を
含む参照画像情報が出力される。
【0224】動き補償部110Cからスイッチ114や
減算器102に出力されるこの参照画像情報は、本実施
形態の場合も第1の実施形態と同じ構成であってよい。
【0225】なお、本実施形態においては、第2の動き
予測部1102と第3の動き予測部1103のあいだに
設けた候補ベクトル決定部1105により、候補ベクト
ルの数が増加し過ぎることがなく、第3の動き予測部1
103における演算数も多くない。
【0226】もしも候補ベクトル決定部1105がなけ
れば、上記の例で、V2−1などの第2次候補ベクトル
はすべて第1の動き予測部1101に供給され、V3−
1などの第3次候補ベクトルは8つになる。したがって
探索範囲FV3−1、FV3−2の数を増やし、演算数
を増加する必要が生じる。
【0227】(D−2)第4の実施形態の効果 本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効
果を得ることができる。
【0228】加えて、本実施形態では、複数の候補ベク
トルを求めて選択する過程で動きベクトルの誤検出を修
正し防ぐことが可能で、短い時間で複雑に動く物体にも
対応することができる。これにより、動きベクトル検出
の信頼性を向上することが可能である。
【0229】(E)他の実施形態 第1〜第4の実施形態ではフレームレート10Hz固定
の場合、すなわち連続3フレームのうち、2フレームが
こま落ちする場合を示しているが、本発明は、他のフレ
ームレート、可変のフレームレートにも適応可能であ
る。
【0230】その場合、必要に応じて、原画像用メモリ
の数を4つ以上にすることになる。
【0231】なお、第1〜第4の実施形態の場合も、1
0Hz固定とはいえ、フレームレートの瞬時値は時々刻
々と変化していて、例えば5Hzになったり30Hzに
なったりし得る。
【0232】このため、フレームレート10Hz固定の
場合でも、実際には、原画像メモリの数は4つ以上にし
たほうが、動き補償能力の向上や処理の効率性の観点か
ら好ましい。原画像用メモリが3つでは、最大2フレー
ム連続のコマ落としにしか対応できない。瞬間的に3フ
レーム以上の連続コマ落としが発生すると、探索範囲を
拡大することが必要となり、発明が解決しようとする課
題に記載した問題と同じ問題が発生することとなる。
【0233】ただし本発明は、原画像用メモリの数が最
低限2つであっても、1フレームのコマ落としには対応
することができ、一定の効果を保有する。
【0234】さらに、第1〜第4の実施形態などにおけ
る「フレーム」は、いわゆるNTSC信号などの場合、
「フィールド」と置き換えてもよい。
【0235】また、前記探索範囲制御、評価値演算制御
も可変にすることはもちろん可能である。同様に候補ベ
クトルの数の増加や適時変更も可能である。
【0236】なお、第4の実施形態の評価値演算制御部
1104は、第3の実施形態における評価値演算制御部
904の機能と、第2の実施形態の探索範囲制御部80
4の機能を兼ね備えていたが、第3の実施形態の評価値
演算制御部904の機能だけを装備するようにしてもよ
い。
【0237】同様に、第3の実施形態の評価値演算制御
部904が第2の実施形態の探索範囲制御部804の機
能も兼ね備えるようにしてもよい。
【0238】要するに、本発明において、探索範囲制御
機能と評価値演算制御機能とは、単独で装備することも
併せて装備することも可能である。
【0239】また、第1〜第4の実施形態も含め、通
常、動きベクトルは符号化、すなわち動き補償符号化に
利用されるものであるが、本発明の適用はこれに限定さ
れない。
【0240】たとえば符号化を伴わない場合であって
も、3つ以上の連続フレームの画面における像の動きを
効率的に求める目的で、本発明を利用することができ
る。
【0241】すなわち、本発明は、入力順が先の始点画
面中の第1の位置を始点とすると共に、入力順が後の終
点画面中の第2の位置を終点とすることで、始点画面か
ら終点画面にいたる期間内で画面中の像の動きを示す合
成動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置につい
て、広く適用することができる。
【0242】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、演算数の増加を抑制しながら、動きベクトル検出の
信頼性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る符号化装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】従来の符号化装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】従来の符号化装置におけるブロックマッチング
動作を説明する概略図である。
【図4】第1の実施形態に係る符号化装置の動き補償部
の内部構成を示すブロック図である。
【図5】第1および第2の実施形態の動き補償部のブロ
ックマッチングを説明する概略図である。
【図6】第1および第2の実施形態の動き補償部のブロ
ックマッチングを説明する概略図である。
【図7】第1および第2の実施形態の動き補償部のブロ
ックマッチングを説明する概略図である。
【図8】第2の実施形態に係る符号化装置の動き補償部
の内部構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態に係る符号化装置の動き補償部
の内部構成を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態に係る符号化装置の動き補償
部の動作を示す概略図である。
【図11】第4の実施形態に係る符号化装置の動き補償
部の内部構成を示すブロック図である。
【図12】第4の実施形態に係る符号化装置の動き補償
部の動作を示す概略図である。
【図13】第4の実施形態に係る符号化装置の動き補償
部の動作を示す概略図である。
【図14】第4の実施形態に係る符号化装置の動き補償
部の動作を示す概略図である。
【符号の説明】
10、10A、10B、10C…符号化装置、104…
符号化器、105…符号化制御部、110,110A、
110B、110C…動き補償部、111〜113…原
画像用メモリ、401,801,901,1101…第
1の動き予測部、402,802,902,1102…
第2の動き予測部、403,803,903,1103
…第3の動き予測部、804…探索範囲制御部、90
4、1104…評価値演算制御部、1105…候補ベク
トル決定部、1106…動きベクトル決定部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力順が先の始点画面中の第1の位置を
    始点とすると共に、入力順が後の終点画面中の第2の位
    置を終点とすることで、始点画面から終点画面にいたる
    期間内で画面中の像の動きを示す合成動きベクトルを検
    出する動きベクトル検出装置において、 前記始点画面の画像データを記憶する始点画面記憶手段
    と、 前記終点画面の画像データを記憶する終点画面記憶手段
    と、 前記始点画面と終点画面の中間の入力順で入力された少
    なくとも1つの中間画面を記憶するための少なくとも1
    つの中間画面記憶手段と、 前記始点画面から終点画面にいたる各画面につき、入力
    順が相前後して隣接する2つの画面間で逐次、検出演算
    を行うことにより、前記合成動きベクトルの構成要素と
    なる複数の要素動きベクトルを求め、複数の要素動きベ
    クトルについてベクトル合成を行うことで、前記合成動
    きベクトルを生成する予測演算手段とを備えることを特
    徴とする動きベクトル検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の動きベクトル検出装置におい
    て、 少なくとも画面間符号化又はコマ落としのいずれかの処
    理を選択して行う符号化手段と、 前記中間画面を当該コマ落としの対象となった画面と
    し、前記合成動きベクトルを用いて動き補償すること
    で、当該符号化手段にコマ落とし直後の最初の画面間符
    号化を行わせる符号化制御手段を備えることを特徴とす
    る動きベクトル検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の動きベクトル検出装置
    において、 前記予測演算手段は、 求めようとしている新たな要素動きベクトルの直前の要
    素動きベクトルの始点と同じ位置を基準として、当該始
    点の存在する画面より入力順が1つ先の画面上に探索範
    囲を設定する探索範囲変更手段を備えることを特徴とす
    る動きベクトル検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の動きベクトル検出装置
    において、 前記予測演算手段は、 前記始点画面から終点画面にいたる各画面の上下左右方
    向に対応して連続的に配列された画素の中から、上下左
    右方向に断続的に一部の画素を選択する画素選択手段を
    備え、 当該画素選択手段によって選択された画素に対し、前記
    検出演算を実行することで、前記要素動きベクトルを求
    めることを特徴とする動きベクトル検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の動きベクトル検出装置
    において、 前記予測演算手段は、 前記要素動きベクトルの候補として複数の候補動きベク
    トルを求める候補検出演算を、入力順が連続する複数画
    面の各画面間ごとに実行する候補動きベクトル検出手段
    と、 第1の画面間で実行される候補検出演算と、第2の画面
    間で実行される候補検出演算の間で、その時点の全候補
    動きベクトルの中からその一部を選択して選択候補動き
    ベクトルを求めるベクトル選択手段とを備えることを特
    徴とする動きベクトル検出装置。
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