JP2001032582A - 磁気的に駆動する付勢手段を備えたシリンダ錠 - Google Patents

磁気的に駆動する付勢手段を備えたシリンダ錠

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の錠に比べて高い安全度を有する新しい
タイプの錠を提供する。 【解決手段】 シリンダ錠において、１以上の回転シリ
ンダ（６）が磁気的に駆動する付勢手段（２０，２１）
に連動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はシリンダ錠に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
シリンダ錠では、付勢手段が固定本体の穴内に配置した
コイルスプリングで構成されており、各タンブラーに対
してカウンタータンブラーを押し付けるために、カウン
タータンブラーは回転シリンダの軸に向かって移動可能
である。これらの錠では、強盗がキー穴に工具を差し込
むと共に、前述のコイルスプリングの付勢に抗して、こ
の工具によってロックタンブラーの先端を押すことによ
り解錠可能なキーの形状を決定できる。
【０００３】本発明の目的は、前述のタイプに係る従来
の錠に比べて高い安全度を有する新しいタイプの錠を提
供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、シリンダ錠を、円筒空間を有する錠固定
本体又はステータと、前記固定本体の円筒空間に回転可
能に設けられ、キーの差し込みのために軸方向に延びる
通路を備えたシリンダ又はロータと、前記軸方向の通路
に開口する回転シリンダの放射状の穴にスライド可能に
設けられ、固定本体内で回転シリンダを回転自在とする
位置に配置するために予め決められた形状を有するキー
によって一端に係合するように適合された多数のロック
タンブラーと、錠の固定本体に形成され、前記固定本体
の円筒空間に開口する穴であって、後半部の所定傾斜位
置で回転シリンダにタンブラーの穴を整列させるように
適合させるための穴にスライド可能に配設された多数の
カウンタータンブラーと、後半部が前記所定傾斜位置に
あるとき、タンブラーを回転シリンダの軸に向かって放
射状に付勢するための手段とを備え、前記タンブラーの
少なくとも１つについては、タンブラーを回転シリンダ
の軸に向かって放射状に付勢するための前記手段が磁気
的に駆動する付勢手段であり、該手段を、各カウンター
タンブラーが移動可能な固定本体の穴に配置された第１
永久磁石と、第１永久磁石がキーに各タンブラーを付勢
するために、キーが回転シリンダーに受け入れられると
き、回転シリンダの軸に向かって第１永久磁石を吸引す
るために適合された第２永久磁石とで構成したものであ
る。
【０００５】当然、１以上のタンブラー、必要であれ
ば、全てのタンブラーにでさえ、磁気的に駆動する付勢
手段を設けることが可能である。
【０００６】第１の手法によれば、前記第１永久磁石
は、各カウンタータンブラーと穴の終端壁との間で、固
定本体の各穴に配設される。代わりに、前記第１永久磁
石は、各カウンタータンブラーと各タンブラーとの間
で、固定本体の各穴に配設されてもよい。
【０００７】磁気効率を高めるため、タンブラー及び／
又は各カウンタータンブラーは強磁性体材料で構成する
のが好ましい。
【０００８】前記第２永久磁石は、回転シリンダのタン
ブラーと協働する表面とは反対側の表面で、キーに形成
されたシートに係合されている。
【０００９】前記回転シリンダの少なくとも１つのタン
ブラーが、各カウンタータンブラーの穴に配設されるコ
イルスプリングによって構成された従来タイプの付勢手
段を有する場合、本発明によれば、磁気的に駆動する付
勢手段に連動するカウンタータンブラーは、コイルスプ
リングの付勢手段に連動するカウンタータンブラーより
も長い。このように、従来タイプの錠は固定本体の結合
構造を修正することなく本発明に係る錠に変形させるこ
とができる。
【００１０】前記キーが平坦駆動部を備え、さらにキー
のために前述の軸方向に延びる通路が、回転シリンダの
放射状穴の軸を含む平面にほぼ垂直な平面を備えた同様
な形状を有する場合、前述のキーの駆動部が錠のタンブ
ラーの先端に協働するように適合された空間を備えた第
１面と、各第２永久磁石のためのシートが形成される反
対側の面とを有する。
【００１１】
【発明の実施の形態】図１中、参照番号１はシリンダ錠
を示し、ドアフレーム２に連結され、キー３と協働する
のに適している。
【００１２】図２に示すように、錠１はシリンダ錠で、
シリンダ６が回転可能に設けられる円筒空間５を有する
錠固定本体４を備えている。
【００１３】図示した例の場合、錠の固定本体４は平面
７に対して対称に配置された２つの本体部（図におい
て、一方のみが視認可能）を有するタイプのものであ
る。本体の図示されていない部位は、図示したものと同
一かつ対称である。しかしながら、本発明はどのような
形状の固定本体にも適合可能であることはあまりにも明
らかである。また、図示された例の場合、２つの本体部
はブリッジ状部８によって互いに連結され、そこには本
体４を錠支持構造２に固定するために、ネジ（図示せ
ず）の螺合用の貫通孔９が形成されている。構造の詳細
は、いかなる公知の方法でも形成でき、本発明とは関係
ないため、ここでは示していない。同じ構造がシリンダ
６に設けた回転爪にも適用されており、それはブリッジ
状部８によって形成される２つの本体の部位間の間隙１
０を占有する。
【００１４】従来技術によれば、回転シリンダ６には多
数のロックタンブラー１１が設けられ、それらはシリン
ダ６内に形成された放射状の穴１２にスライド可能に配
設され、回転シリンダ６に形成された軸に向かう通路１
３で開口し、キーの駆動部１４を受け止めるのに適して
いる。図１に示すように、ここに記載された例の場合、
キー３の駆動部１４は、矩形断面を有する略平坦形状で
あり、通路１３は、タンブラー１１の軸を含む平面にほ
ぼ垂直な平面を有する同様な形状を備える。
【００１５】参照番号１５は、固定本体に形成され、錠
の円筒空間５に開口する穴１６にスライド可能に設けら
れる、従来例に係る多数のカウンタータンブラーを示
す。穴１６は、後半の所定傾斜位置で回転シリンダ６の
放射状の穴１２に一直線となるように適合される。
【００１６】キーを受け入れるためにある通路１３に面
するタンブラー１１の先端は、キー３の駆動部１４の第
１面１４ａに形成された空間１７と協働するために存在
するので、この駆動部１４が完全に通路１３の内部に受
け入れられるとき、タンブラー１１は固定本体４の空間
５の内部に回転シリンダ６の自由な回転を妨げない軸に
向かう位置にそれぞれ移動される。
【００１７】また、図示した例の場合、錠の全タンブラ
ー１１は、１つを除き、コイルスプリング１８によって
回転シリンダの軸に向かって放射状に付勢されている。
コイルスプリング１８は、穴の終端壁を制限するカウン
タータンブラー１５と閉鎖要素１９の間の各穴１６に挿
入される。しかしながら、本発明において、タンブラー
１１の１つはコイルスプリングの動作の支配を受けな
い。この場合、各カウンタータンブラー１５（他のカウ
ンタータンブラー１５よりも長い）と閉鎖要素１９の間
に、永久磁石２０が円盤状で挿入され、第２磁石２１は
空間１７を有する面１４ａとは反対側で、キー３の駆動
部１４の面１４ｂに形成されたシート２２に固定されて
いるので、キー３が通路１３に受け入れられるとき、磁
石２１が磁石２０を引き付ける結果、磁石２０に吸引さ
れるカウンタータンブラー１５及びタンブラー１１はキ
ーに付勢される。磁石の効率を高めるため、磁石２０に
吸引されるタンブラー１１及びカウンタータンブラー１
５は強磁性体材料で構成されているのが好ましい。
【００１８】添付の図３は、磁石２１によって引き付け
られ、タンブラー１１をキーに対して吸引状態に維持す
る磁石２０を備えたキーが差し込まれたときの錠の状態
を示す。キーが抜かれると、磁石２０に吸引されたタン
ブラー１１は最早通路１３には付勢されないので、各穴
１６に移動自在となる。それで、強盗が通路１３内に工
具を差し込んだとしても、後半部がどのようなスプリン
グによっても付勢されていないため、この工具を前述の
タンブラーに押し付けることはできない。このため、本
発明に係る錠は周知の錠の比べてより高い安全度を有す
る。
【００１９】図４は、磁石２０が各タンブラー１１と各
カウンタータンブラー１５の間に挿入された変形例を示
す。
【００２０】当然、付勢するスプリング１８を磁石２０
に置き換えることや、協働する磁石２１を、錠の１以上
のタンブラー、必要であれば、すべての錠のタンブラー
のためにキーに設けることも可能である。
【００２１】さらに、本発明の原理が変更されない限
り、構造及び実施形態の詳細は単に例によって記載及び
図示されたものについて広く変形してもよい。
【００２２】例えば、磁石２１をキーに設けるよりもむ
しろ、この磁石を磁石２０に隣接する穴１６に、タンブ
ラー１１に作用する力を引き起こす２つの磁石２０，２
１の間の反発を得るために、反対の極性で設けてもよ
い。この手法は、図３の場合及び図４の場合の両方に適
用してもよい。
【００２３】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、キーが
錠に差し込まれていないとき、第１永久磁石は回転シリ
ンダーの軸方向に付勢されていない。その結果、権限の
ない人が工具をキーの軸方向に延びる通路に差し込ん
で、解錠可能なキー形状を決定するために前述のタンブ
ラーの先端にこの工具を押し付けることは不可能であ
る。したがって、本発明に係る錠は周知の錠に比べてよ
り高い安全度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 連携するキーを備えた本発明に係る錠の概略
斜視図である。
【図２】 図１のII−II線断面図である。
【図３】 図２の異なる操作状態に於ける断面図を示
す。
【図４】 図２の変形例を示す。
【符号の説明】
６…回転シリンダ １１…タンブラー １５…カウンタータンブラー ２０，２１…永久磁石

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 円筒空間（５）を有する錠固定本体又は
    ステータ（４）と、 前記固定本体（４）の円筒空間（５）に回転可能に設け
    られ、キー（３）の差し込みのために軸方向の通路（１
    ３）を備えたシリンダ又はロータ（６）と、 前記軸方向の通路（１３）に開口する回転シリンダ
    （６）の放射状の穴（１２）にスライド可能に設けら
    れ、固定本体（４）内で回転シリンダ（６）を回転自在
    とする位置に配置するために予め決められた形状を有す
    るキー（３）によって一端に係合するように適合された
    多数のロックタンブラー（１１）と、 錠の固定本体（４）に形成され、該固定本体（４）の円
    筒空間（５）に開口する穴（１６）であって、後半部の
    所定傾斜位置で回転シリンダ（６）にタンブラー（１
    １）の穴（１２）を整列させるように適合させるための
    穴（１６）にスライド可能に配設された多数のカウンタ
    ータンブラー（１５）と、 後半部が前記所定傾斜位置にあるとき、タンブラー（１
    １）を回転シリンダ（６）の軸に向かって放射状に付勢
    するための手段（１８，２０，２１）とを備え、 前記タンブラー（１１）の少なくとも１つについては、
    タンブラー（１１）を回転シリンダ（６）の軸に向かっ
    て放射状に付勢するための前記手段が磁気的に駆動する
    付勢手段であり、該手段が、各カウンタータンブラーが
    移動可能な固定本体（４）の穴（１６）に配置された第
    １永久磁石（２０）と、第１永久磁石（２０）がキー
    （３）に各タンブラー（１１）を付勢するために、キー
    が回転シリンダー（６）に受け入れられるとき、回転シ
    リンダ（６）の軸に向かって第１永久磁石（２０）を吸
    引するために適合された第２永久磁石（２１）とからな
    ることを特徴とするシリンダ錠。
  2. 【請求項２】 前記第１永久磁石（２０）は、各カウン
    タータンブラー（１５）と穴（１６）の終端壁（１９）
    との間で、固定本体（４）の各穴に配設されていること
    を特徴とする請求項１に係る錠。
  3. 【請求項３】 前記第１永久磁石（２０）は、各カウン
    タータンブラー（１５）と各タンブラー（１１）との間
    で、固定本体（４）の各穴（１６）に配設されているこ
    とを特徴とする請求項１に係る錠。
  4. 【請求項４】 前記第２永久磁石（２１）は、回転シリ
    ンダ（６）のタンブラー（１１）と協働する表面とは反
    対側の表面（１４ｂ）で、キー（３）に形成されたシー
    ト（２２）に係合したことを特徴とする請求項１に記載
    の錠。
  5. 【請求項５】 前記回転シリンダ（６）の少なくとも幾
    つかのタンブラー（１１）のために、付勢手段が各カウ
    ンタータンブラー（１５）の穴（１６）内に配置された
    コイルスプリング（１８）によって構成される従来のタ
    イプのものであって、磁気的に駆動する付勢手段に連動
    するカウンタータンブラー（１５）が、カウンタータン
    ブラー（１８）よりも長いことを特徴とする請求項１に
    係る錠。
  6. 【請求項６】 前記キー（３）が平坦駆動部（１４）を
    備え、前記軸方向に延びる通路（１３）が回転シリンダ
    （６）の放射状穴（１２）の軸を含む平面にほぼ垂直な
    平面を備えた同様な平坦形状を有し、前記キー（３）の
    駆動部（１４）が錠のタンブラー（１１）の先端に協働
    するように適合された空間（１７）を備えた第１面（１
    ４ａ）を有し、各第２永久磁石（２１）が前記第１面
    （１４ａ）の反対側のほぼ平坦な面（１４ｂ）に形成さ
    れたシート（２２）に係合していることを特徴とする請
    求項４に係る錠。
  7. 【請求項７】 磁気的に駆動する付勢手段に連動する各
    タンブラー（１１）が強磁性体材料からなることを特徴
    とする前記請求項のいずれかに係る錠。
  8. 【請求項８】 磁気的に駆動する付勢手段に連動する各
    カウンタータンブラー（１５）が強磁性体材料からなる
    ことを特徴とする前記請求項のいずれかに係る錠。
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