JP2001030450A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JP2001030450A
JP2001030450A JP2000141413A JP2000141413A JP2001030450A JP 2001030450 A JP2001030450 A JP 2001030450A JP 2000141413 A JP2000141413 A JP 2000141413A JP 2000141413 A JP2000141413 A JP 2000141413A JP 2001030450 A JP2001030450 A JP 2001030450A
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cationic polymerization
film
laminate
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Tomoko Toida
知子 樋田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ケイ素化合物およびケイ素化合物とエポキシ化
合物およびエポキシ化合物同士の反応性を高め、生産
性、加工性、耐スクラッチ性に優れ、かつ可撓性、透明
性、耐候性、耐水性を同時に満足するケイ素化合物から
なる層を有する積層体とその製造方法を提供する。 【解決手段】高分子フィルムの少なくとも片面に、少な
くとも I. 分子内にエポキシ基およびシラノール基を含むケ
イ素化合物 II. エポキシ化合物 III. 金属錯体 IV. カチオン重合開始剤 からなるケイ素化合物とエポキシ化合物を主成分とする
樹脂層が積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子フィルムか
らなるフィルム層と、ケイ素化合物とエポキシ化合物を
主成分とする樹脂層とからなり、耐スクラッチ性、生産
性、加工性に優れ、可撓性、透明性を有する積層体およ
びその積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からよく知られているように、高分
子フィルムの表面は柔らかく、傷がつきやすい欠点があ
り、表面に傷がつくと透明性や外観体裁が低下するので
改良が望まれている。このため高分子フィルム表面に、
ガラス、金属あるいは表面高度の高い樹脂などを蒸着し
たり、コーティングあるいはラミネートして、表面の機
械的、化学的性質などの特性改善がなされている。
【0003】具体的に、特許第1484312号公報に
おいて、エポキシ化合物を含むケイ素化合物層を高分子
フィルム上に積層した積層体が提案されている。しかし
ながらこの提案では、ケイ素化合物層中のシラノール基
はほとんど重縮合してシロキサン結合が生成している
が、ケイ素化合物層中のエポキシ基およびエポキシ化合
物中のエポキシ基は未反応の部分が多く残され、架橋度
が低かった。そのため、可撓性は優れていたが、ケイ素
化合物層全体の硬化速度(反応速度)が遅く、生産性が
極めて悪く、反応が不十分であるため耐スクラッチ性な
どの特性が十分でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決したものであり、ケイ素化合物およびケイ素化
合物とエポキシ化合物およびエポキシ化合物同士の反応
性を高め、生産性、加工性、耐スクラッチ性に優れ、か
つ可撓性、透明性、耐候性、および耐水性を同時に満足
するケイ素化合物とエポキシ化合物からなる樹脂層を有
する積層体、およびその積層体の製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の積層体は、高分
子フィルムの少なくとも片面に、少なくとも I. 分子内にエポキシ基およびシラノール基を含むケ
イ素化合物 II. エポキシ化合物 III. 金属錯体 IV. カチオン重合開始剤 からなるケイ素化合物とエポキシ化合物を主成分とする
樹脂層が積層されてなる積層体であり、本発明の積層体
における樹脂層は硬化および未硬化の両態様を有してい
る。
【0006】また、本発明の積層体の製造方法は、高分
子フィルムの少なくとも片面に、少なくとも I. 分子内にエポキシ基およびシラノール基を含むケ
イ素化合物 II. エポキシ化合物 III. 金属錯体 IV. カチオン重合開始剤 からなるケイ素化合物とエポキシ化合物を主成分とする
塗剤を塗布し、次いで該塗剤中のエポキシ化合物を、熱
または/および放射線によって反応させることを特徴と
するものである。
【0007】本発明においては、高分子フィルムがポリ
エステルフィルムもしくはフッ素系樹脂フィルムである
こと、ケイ素化合物が分子内にグリシジルエーテル基お
よびシラノール基を含む化合物であること、金属錯体が
アルミニウム錯体であること、アルミニウム錯体がアル
ミニウムアセチルアセトネートであること、カチオン重
合開始剤が熱または/および放射線によりエポキシ基の
反応を促進させるカチオン重合開始剤であること、およ
びカチオン重合開始剤が少なくとも1種のオニウム塩か
ら構成されるカチオン重合開始剤であることが好ましい
態様として含まれている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる高分子フィル
ムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチ
レンテレフタレートフィルム、ポリエチレン−2,6ナフ
タリンジカルボキシレートフィルムなどのポリエステル
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィ
ルムなどのポリオレフィンフィルム、ナイロン-6フィル
ム、ナイロン-12フィルムなどのポリアミドフィルム、
高分子主鎖に五員環イミド結合を有するポリイミドフィ
ルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリクロ
ロトリフルオロエチレンフィルム、ポリビニリデンフル
オライドフィルム、ポリビニルフルオライドフィルム、
テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体フィルム、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体フィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体フィルムなどのフッ
素系樹脂フィルム、セルローズエステルなどのセルロー
ズ誘導体からなるフィルム、ポリフェニレンサルファイ
ドフィルム、ポリカーボネートフィルム、(メタ)アク
リル酸エステル共重合体からなるフィルム、ポリ塩化ビ
ニルフィルム、マレイン酸またはイタコン酸との共重合
体で金属イオンにより架橋した有機金属高分子からなる
フィルムなどであり、またこれらの共重合体あるいはブ
レンド物からなるフィルムが挙げられるが、本発明では
必ずしもこれらに限定されない。
【0009】これらの高分子フィルムは、未延伸状態の
ままでも使用可能であるが、延伸加工により、特に2軸
延伸加工することにより、機械的性質と化学的性質を向
上させた高分子フィルムが好ましい。なかでも2軸延伸
加工したポリエチレンテレフタレートフィルムは透明
性、生産性、加工性に優れているため、また、フッ素系
樹脂フィルムは耐候性が良好であるため、特に好ましく
用いられる。さらにこれらの高分子フィルムは、必要に
応じて接着性を向上させるために公知の表面処理を行っ
たり、プライマーなどの表面改質層を設けることができ
る。
【0010】本発明の高分子フィルムからなるフィルム
層の厚さは特に指定されないが、例えば、1〜500μm、
より好ましくは6〜250μmの範囲で使用できる。
【0011】本発明で用いられるケイ素化合物のうち、
分子内にエポキシ基およびシラノール基を含む化合物と
しては、式 <1>
【0012】
【化1】 (ただし、X1は、式<2>
【0013】
【化2】 を含む基、R1はC1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキ
シ基、またはC6〜C12のアリール基、nは1〜3、aは0〜
2、bは1〜6)で表される化合物が挙げられる。
【0014】ここで式<2>を含む基としては、例えば、
式<3>
【0015】
【化3】 (式中、R2は水素またはメチル)で表される化合物や、
式<4>
【0016】
【化4】 で示される化合物などが挙げられる。また、ケイ素化合
物としては、分子内にグリシジルエーテル基およびシラ
ノール基を含むケイ素化合物が好ましく用いられる。
【0017】ケイ素化合物の具体的な例としては、γ-
グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ-グリ
シドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、β-
(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシ
シランの部分加水分解物を挙げることができるが、本発
明ではこれらに限定されるものではない。
【0018】これらケイ素化合物の加水分解は、水また
は塩酸あるいは硫酸などの酸性水溶液を添加攪拌するこ
とによって容易に行うことができる。通常は上記ケイ素
化合物中に酸性水を一度に、あるいは徐々に添加するこ
とによってケイ素化合物の加水分解が行われる。加水分
解に際しては、アルコール、アルコキシアルコール、酢
酸などの有機カルボン酸などが生成してくるので、無溶
媒で加水分解することが可能である。あるいは適当な溶
媒にケイ素化合物を混合した後、加水分解することも可
能である。ケイ素化合物が2種以上の場合は、それぞれ
加水分解して混合してもよいし、2種以上を混合した後
加水分解してもよい。
【0019】本発明の樹脂層において用いられるエポキ
シ化合物は、主として可撓性を付与するために使用され
る。エポキシ化合物としては、例えば、過酸化法で合成
されるポリオレフィン系エポキシ樹脂、シクロペンタジ
エンオキシドあるいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロ
ルヒドリンから得られるポリグリシジルエステル、ビス
フェノールAやカテコール、レゾルシノールなどの多価
フェノールあるいは(ポリ)エチレングリコール、(ポ
リ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジグリセロール、ソルビトールなどの多価アル
コールとエピクロルヒドリンから得られるポリグリシジ
ルエーテル、環式エポキシ樹脂、エポキシ化植物油、ノ
ボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンから得
られるエポキシノボラック樹脂、フェノールフタレイン
とエピクロルヒドリンから得られるエポキシ樹脂、さら
にはグリシジルメタクリレートとメチルメタクリレート
などのアクリレート系モノマーあるいはスチレンなどと
の共重合体などが挙げられるが、本発明ではこれらに限
定されるものではない。
【0020】樹脂層中のケイ素化合物とエポキシ化合物
の含有量は樹脂固形分1重量部あたり、ケイ素化合物が
0.20〜0.80重量部であることが望ましく、より好ましく
は0.30〜0.70重量部、特に好ましくは0.40〜0.60重量部
が適当である。ケイ素化合物がこれより少ないと、耐ス
クラッチ性が不足し、これより多いと可撓性に劣る傾向
を示す。エポキシ化合物の含有量は上記ケイ素化合物量
の残量の範囲内であることが望ましい。
【0021】本発明において、金属錯体は、主に、エポ
キシ基の反応を促進させる触媒としての役割を果たして
いる。各種金属錯体を使用し得るが、特に下記の一般式
で表されるアルミニウム化合物が好ましい。
【0022】Al・Ym・Z(3-m)[ただし、YはOL(LはC16
のアルキル基)、Zは一般式M1COCH2COM2またはM3COCH 2CO
OM4(M1、M2、M3、M4はいずれもC16のアルキル基)で示
される化合物に由来する配位子から選ばれる少なくとも
1つであり、mは0〜3の整数である。]この化合物の具体
例として樹脂組成物への溶解性、安定性、触媒としての
効果などの観点から好ましいのは、アルミニウム-iso-
プロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウム
tert-ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトネー
ト、アルミニウムビス-エチルアセトアセテート-モノ-
アセチルアセトネート、アルミニウム-ジ-n-ブトキシド
-モノ-エチルアセトアセテート、アルミニウム-ジ-iso-
プロポキシド-モノ-メチルアセトアセテート、アルミニ
ウム-ジ-sec-ブトキシド-モノ-エチルアセトアセテー
ト、およびアルミニウム-ジ-メトキシド-モノ-メチルア
セトアセテートなどである。これらの化合物は、1種で
もよく、また2種類以上混合して使用することも可能で
ある。
【0023】金属錯体の添加量は、分子内にエポキシ基
およびシラノール基を含むケイ素化合物1重量部あたり
0.0001〜0.5重量部が好ましく、特に好ましくは0.0005
〜0.2重量部が適当であり、これより少なくては効果不
十分となるし、一方金属錯体の添加量がこれより多くな
ると塗膜あるいは樹脂の透明性の低下、耐水性の低下な
どの欠陥を生ずる傾向を示す。
【0024】本発明で用いられるカチオン重合開始剤
は、ケイ素化合物のエポキシ基およびエポキシ化合物の
反応を著しく促進させる触媒としての役割を果たしてい
る。カチオン重合開始剤としては、熱および/または放
射線により反応を開始するものが使用可能である。例え
ば、シンナミル型、ナフチル型、ベンジル型などのスル
ホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨード
ニウム塩などの芳香族オニウム塩などが好ましく使用さ
れる。必要に応じて、2種類以上を混合したり助剤を混
合したものを使用してもよい。また、溶媒に溶解させて
から使用してもよい。
【0025】カチオン重合開始剤の添加量は、分子内に
エポキシ化合物1重量部あたり好ましくは0.0001〜0.5重
量部、特に好ましくは0.0005〜0.2重量部が適当であ
り、カチオン重合開始剤の添加量がこれより少なくては
効果が不十分となるし、一方これより多くなると塗膜あ
るいは樹脂の透明性の低下、耐水性の低下などの欠陥を
生ずる傾向を示す。
【0026】本発明の積層体は、これらの分子内にエポ
キシ基およびシラノール基を含むケイ素化合物(I)、
エポキシ化合物(II)、金属錯体(III)、カチオン重
合開始剤(IV)からなる化合物組成を少なくとも含む塗
工組成物を溶剤に溶かし、高分子フィルム上に通常の塗
工方法によって塗工した後、熱および/または放射線を
照射し、塗工組成物を乾燥、反応させることによって製
造することができる。
【0027】また、ケイ素化合物を含む樹脂層は、分子
内にエポキシ基およびシラノール基を含むケイ素化合物
(I)、エポキシ化合物(II)、金属錯体(III)、カ
チオン重合開始剤(IV)からなる反応物のみに限定され
るものではなく、これら(I)、(II)、(III)、(I
V)からなる化合物に、例えば、テトラアルコキシシラ
ン、トリアルコキシアルキルシランなどの有機シラン化
合物及びその加水分解物、シリカゾルなどの無機化合
物、あるいはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ドなどの樹脂を加えてもよい。また、滑剤、帯電防止
剤、耐ブロッキング剤、染料、顔料、光増感剤などの各
種添加剤を必要に応じて加えることができる。特に、シ
リカ、シリコーン、あるいは架橋ポリスチレンなどの滑
剤を加えることによって積層体の滑べりが向上し、製造
時の製品の巻き姿や平面性を改善することができる。
【0028】積層体の樹脂層塗膜厚さは、好ましくは0.
05〜30μm、特に好ましくは0.2〜10μmが適当であり、
これより薄いと積層体の耐スクラッチ性が不足し、これ
より厚いと作業性が悪くなったり、ブロッキングを起こ
し易くなる傾向を示す。
【0029】本発明で樹脂層の形成手段として熱を用い
る場合、加熱条件は好ましくは10〜200℃であるが、よ
り好ましくは50〜170℃が適当である。またこれより低
温ではケイ素化合物の反応速度が遅いため生産性が悪く
なり、これより高温では高分子フィルムの劣化に伴い、
積層体の外観が悪くなるという不具合が生じる。また、
本発明で用いられる放射線としては、α線、β線、γ
線、および紫外線、X線などの電磁波、電子線が挙げら
れるが、簡便さ、効率の面から、紫外線照射が望まし
い。紫外線照射は通常、波長250〜400nmで行われ、光源
としては低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタル
ハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、
電子線などが用いられる。
【0030】本発明の積層体は、耐スクラッチ性に優れ
ているという理由から、傷のつきやすい基材あるいは製
品の保護部材として特に好ましく用いられる。他の機
能、例えば、耐候性を有する層と組み合わせて使用する
と、耐スクラッチ性とそれらの機能を併せ持つ積層体を
提供することができる。また、本発明の積層体は、耐溶
剤性、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、酸化還元分解され
にくいという特性をもつため、各種溶剤、酸、アルカリ
を含む層や酸化還元機能を有する層と併せて用いること
ができる。
【0031】本発明の積層体は、例えば、家電製品の部
品保護用フィルムや、銘板用途フィルム、運搬時の製品
保護フィルム、ビニールハウスなどの農業用フィルム等
に好適に用いられる。また、光触媒機能を有する層を積
層体上に設けた場合においても、積層体は光触媒層の酸
化機能により劣化しないため、光触媒フィルムのベース
コートフィルムとしても好ましく用いられる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらに
限定されるべきものではない。例中の部数は固形分の重
量を示し、また、%は特に断りのない限り重量による。
【0033】(実施例1〜7、比較例1)γ-グリシド
キシプロピルトリメトキシシランを、0.01N塩酸水溶液
で加水分解して得られた加水分解物(固形分58%を含
む)50部を、イソプロピルアルコール/n-ブチルアルコ
ール/トルエン=2/1/1混合液253部に溶解させ、"ディ
ナコール"EX-314(長瀬産業(株)製エポキシ化合物)5
0部、アルミニウムアセチルアセトネート8部を加えた
後、カチオン重合開始剤(三新化学(株)製"SI-60L"
(固形分33%))を0,1,3,4,5,6,8,10部加え、厚さ38μm
の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ
(株)製"ルミラー")の片面に固形分塗布厚さ3μmにな
るようにメタバーを用いて塗布し、130℃、20秒間乾
燥、硬化させた。耐スクラッチ性の評価として、硬化直
後の積層体を、スチールウール#0000を用いて1.5N
/cm2の力で一回擦った後の傷のつき方を評価した。
カチオン重合開始剤0部は比較例1である。評価の基準
は次のとおりである。 A:ほとんど傷がつかない B:かすかに傷がつく C:傷がつき、白くなる 結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 (実施例8〜11)γ-グリシドキシプロピルトリメト
キシシランを、0.01N塩酸水溶液で加水分解して得られ
た加水分解物(固形分58%を含む)50部を、イソプロピ
ルアルコール/n-ブチルアルコール/トルエン=2/1/1
混合液253部に溶解させ、"ディナコール"EX-314(長瀬
産業(株)製エポキシ化合物)50部に、アルミニウムア
セチルアセトネート/カチオン重合開始剤(三新化学
(株)製"SI-60L"(固形分33%))=2/1比の混合物を加
え、アルミニウムアセチルアセトネート/カチオン重合
開始剤(三新化学(株)製"SI-60L"(固形分33%))=2
/1比の混合物を加え、アルミニウムアセチルアセトネ
ート/カチオン重合開始剤の総添加量を変化させた。ア
ルミニウムアセチルアセトネート相当量で4,6,8,10部を
加え、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム(東レ(株)製"ルミラー")に固形分塗布厚さ
3μmになるようにメタバーを用いて塗布し、130℃、20
秒間乾燥、硬化させた。耐スクラッチ性を、実施例1〜
7と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 (実施例12〜15、比較例2)γ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを、0.01N塩酸水溶液で加水分
解して得られた加水分解物(固形分58%を含む)50部
を、イソプロピルアルコール/n-ブチルアルコール/ト
ルエン=2/1/1混合液253部に溶解させ、"ディナコー
ル"EX-314(長瀬産業(株)製エポキシ化合物)50部
に、アルミニウムアセチルアセトネート10部を加えたの
ち、カチオン重合開始剤(旭電化工業(株)製"アデカ
オプトマーSP-170"(固形分50%))を0,0.2,0.5,1.0,10
部加え、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製"ルミラー")の片面に固形分
塗布厚さ3μmになるようにメタバーを用いて塗布し、13
0℃、1分間乾燥した後、紫外線を照射し、硬化させた。
耐スクラッチ性を、実施例1〜11と同様の方法で評価
した。カチオン重合開始剤0が比較例2である。結果を
表3に示す。
【0036】
【表3】 (実施例16、17)実施例14と同じ、コーティング
組成物(カチオン重合開始剤(旭電化工業(株)製"ア
デカオプトマーSP-170"(固形分50%))を1.0部含む)
を、厚さ38μmの二軸延伸ポリエチレン-2,6-ナフタリン
ジカルボキシレートフィルムおよび厚さ60μmの無延伸
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルム
(東レ合成フィルム(株)製"トロフロン")の片面に固
形分塗布厚さ3μmになるようにメタバーを用いて塗布
し、130℃、1分間乾燥した後、紫外線を照射し、硬化さ
せた直後の耐スクラッチ性を、実施例1〜15と同様の
方法で評価した。また、耐候性については、紫外線劣化
促進試験機(アイスーパーUVテスター SUV−W1
31:岩崎電気(株)製)を用いて、下記の条件で照射
サイクルテストを行い、積層体および機能性積層体の外
観を観察した。
【0037】ライト8時間(メタハライドランプ、波長
295−400nm、UV照度:100mW/cm2 、温
湿度:60℃×50%RH)⇒デユー4時間(温湿度:
35℃×100%RH結露)の12時間で照射サイクル
1サイクルとし、10サイクル(耐候寿命5年相当)照
射前後の特性を評価した。耐候性の評価の基準は次のと
おりである。 ○:外観の変化なし ×:黄変した 結果を表4に示す。
【0038】
【表4】 カチオン重合開始剤を加えた本発明では、樹脂層のシラ
ノール基、エポキシ基の反応が促進されており、このた
め、130℃、20秒の乾燥という極めて短時間の硬化、お
よび130℃、1分間の乾燥と続く紫外線照射による硬化に
よっても積層体の樹脂層の硬化が十分に進行し、生産
性、透明性に優れた積層体を提供することがわかった。
また、表1〜3に示したごとく、積層体は優れた耐スク
ラッチ特性、十分な可撓性を有していた。また、耐ブロ
ッキング特性に代表される、加工性にも優れていた。ま
た、実施例1〜15に示した積層体のヘイズを直読ヘイ
ズコンピューター(スガ試験機(株)製)を用い、JI
S K−7105に従って測定したところ、ヘイズ値
1.0〜1.8と、透明性に優れていた。また、表4に
示したごとく、無延伸エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体フィルムを用いた場合は耐候性に優れてお
り、セロテープ(登録商標)180°剥離により確認し
た密着性は2mm四方碁盤目数 25個/25個中と良
好であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、高分子フィルムからな
るフィルム層と、ケイ素化合物とエポキシ化合物を主と
する樹脂層からなり、かつ該樹脂層中のエポキシ基の反
応が促進されることによって、従来の技術に比べて耐ス
クラッチ性に優れ、かつ可撓性、透明性、耐候性、耐水
性を同時に満足する積層体が得られる。また、本発明の
積層体の製造方法は、積層体の生産性と加工性を大幅に
向上させるというメリットがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 C 163/00 163/00 183/06 183/06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムの少なくとも片面に、少
    なくとも I. 分子内にエポキシ基およびシラノール基を含むケ
    イ素化合物 II. エポキシ化合物 III. 金属錯体 IV. カチオン重合開始剤 からなるケイ素化合物とエポキシ化合物を主成分とする
    樹脂層が積層されてなる積層体。
  2. 【請求項2】 高分子フィルムがポリエステルフィルム
    もしくはフッ素系樹脂フィルムであることを特徴とする
    請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 ケイ素化合物が、分子内にグリシジルエ
    ーテル基およびシラノール基を含む化合物である請求項
    1または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 金属錯体がアルミニウム錯体である請求
    項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 アルミニウム錯体がアルミニウムアセチ
    ルアセトネートである請求項4に記載の積層体。
  6. 【請求項6】 カチオン重合開始剤が、熱または/およ
    び放射線によりエポキシ基の反応を開始させるカチオン
    重合開始剤である請求項1〜5のいずれかに記載の積層
    体。
  7. 【請求項7】 カチオン重合開始剤が、少なくとも1種
    のオニウム塩から構成されるカチオン重合開始剤である
    請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 【請求項8】 高分子フィルムの少なくとも片面に、少
    なくとも I. 分子内にエポキシ基およびシラノール基を含むケ
    イ素化合物 II. エポキシ化合物 III. 金属錯体 IV. カチオン重合開始剤 からなるケイ素化合物とエポキシ化合物を主成分とする
    塗剤を塗布し、次いで該塗剤中のエポキシ化合物を熱ま
    たは/および放射線によって反応させることを特徴とす
    る積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 ケイ素化合物が、分子内にグリシジルエ
    ーテル基およびシラノール基を含む化合物であることを
    特徴とする請求項8に記載の積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 金属錯体がアルミニウム錯体である請
    求項8または9に記載の積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】 アルミニウム錯体がアルミニウムアセ
    チルアセトネートである請求項10に記載の積層体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 カチオン重合開始剤が、熱または/お
    よび放射線によりエポキシ基の反応を開始させるカチオ
    ン重合開始剤であることを特徴とする請求項8〜11の
    いずれかに記載の積層体の製造方法。
  13. 【請求項13】カチオン重合開始剤が、少なくとも1種
    類以上のオニウム塩から構成されるカチオン重合開始剤
    であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記
    載の積層体の製造方法。
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