JP2001020993A - 液封防振装置 - Google Patents

液封防振装置

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JP2001020993A
JP2001020993A JP18977099A JP18977099A JP2001020993A JP 2001020993 A JP2001020993 A JP 2001020993A JP 18977099 A JP18977099 A JP 18977099A JP 18977099 A JP18977099 A JP 18977099A JP 2001020993 A JP2001020993 A JP 2001020993A
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arc
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Kazutoshi Satori
和俊 佐鳥
Eisuke Watanabe
英祐 渡邊
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Yamashita Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】方向性がありかつ可変バネレート特性のある防
振構造を得る。 【手段】外筒1の内側へ内側部材2を同心配置し、外筒
1と内側部材2を弾性防振部材3にて弾性的に連結す
る。弾性防振部材3の周囲には円弧状溝4,5を形成
し、それぞれに円弧状部材8,9を嵌合して連続する一
つのリング状部材とする。円弧状溝4,5内へは内側部
材2側から弾性防振部材3と一体である一対の弾性仕切
壁6,7を反対方向へ延出させ、それぞれの先端部6
a,7aを円弧状部材8,9の接合部に設けられた凹部
へ嵌合し、その各先端を固定する。この凹部は円弧状部
材8,9の接続端部に設けられた段部20と22及び2
1と23によって形成され、その径方向部分20a,2
1a,22a,23aは先端部6aお7aの各側面に対
して傾斜して間隙を形成し、先端部6a,7aの嵌合に
より固定された先端を除く部分が凹部内で変形すること
を許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のエンジ
ン等を支持するために設けられるサブフレームと車体フ
レームとの間に設けられるサブフレームマウント等に使
用して好適な液封防振装置に関する。
【0002】
【背景技術】図10は従来のサブフレームマウントにお
ける断面構造を示す。このサブフレームマウントは、外
筒1とその内側に同心配置された筒状の内側部材2と、
これらの間に介在された弾性防振部材3を備え、弾性防
振部材3の周囲に設けられて外周側に開口する一対の円
弧状溝4,5を内側部材2の反対側へ延出する一対の弾
性仕切壁6,7により分断するとともに、各円弧状溝
4,5に円弧状部材8,9を嵌合して内部を液室10,
11とし、ここに非圧縮性の公知液体を封入するととも
に、オリフィス通路14で連通している。なお、弾性防
振部材3には液室10,11に相当する部分が窓開き状
に開口した円筒状の中間スリーブ30を一体に埋設して
あり、その結果、弾性仕切壁6,7の先端部6a,7a
は円弧状部材8,9に対して摺動不能に固定されてい
る。
【0003】この弾性仕切壁6,7を左右方向に一致さ
せて車体へ取付け、液室10,11を前後方向に配設す
ると、弾性仕切壁6,7はその先端部6a,7aが固定
されているため、前後方向の振動に対して剪断方向を主
体とする弾性変形をして液室10,11の体積が変化
し、その際の体積変動に伴って液室10,11内の液体
がオリフィス通路14を移動することにより減衰吸収す
る。但し、前後方向の振動吸収はオリフィス通路14に
よる減衰が主体となる。また、左右方向の振動に対して
は液室10,11間の流体移動は関与せず、弾性仕切壁
6,7の圧縮方向を主体とする弾性変形及び弾性防振部
材3全体の変形によりこれを吸収する。
【0004】図11は図10と異なり、弾性仕切壁6,
7の各先端部6a,7aを固定せず、円弧状部材8,9
の内面を摺動自在にした参考例であり、各先端部6a,
7aはそれぞれ略楔形の自由端をなしている。このよう
にすると、左右方向の振動に対してボリュームの少ない
先端側から圧縮変形して吸収するので、バネ定数が振動
の大きさに応じて変化する可変バネレート特性を発揮す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6のAはこれらの前
後方向振動に対する荷重と変位量の関係を示し、比較的
変位量の少ない(数mm)段階ではそれぞれバネ定数は
一定であり、荷重と変位量は直線的に変化(線形変化と
いう)するが、先端部6a,7aをそれぞれ摺動自在に
した参考例の方がこれを固定した従来例に比べて明らか
に低動バネになっている。
【0006】一方、左右方向の振動に対しては図6のB
に示すように、従来例が一定でかつ高いバネ定数であ
り、荷重と変位量の相関曲線は線形の変化を示すのに対
して、参考例は、先端部6a,7aが略楔形のため、バ
ネ定数がより小さくかつ可変であって、荷重と変位量の
相関曲線は変位量が大きくなるに従って急激に荷重が増
大する曲線的変化(非線形変化という)を示す。
【0007】ところで、このような液封防振装置におい
ては、一般的に低動バネ化の要請があり、そのためには
弾性仕切壁6,7を上記参考例のように外筒1側と分離
させることが効果的である。また、単に低動バネ化する
だけでなく、入力振動の大きさに応じて次第にバネ定数
が高くなるような可変バネレート特性を有することが望
ましく、これも参考例のように先端部6a,7aを楔形
にすれば達成できる。
【0008】しかしながら、上記参考例でも実際の使用
においてはまだ改善が必要である。すなわち、特に前後
方向の振動に対して、乗り心地を改善するため比較的小
変位量のときバネ定数が小さく、かつ変位量がある程度
大きくなると急激にバネ定数を増大させて安定感のある
振動吸収を可能とする可変バネレート特性を発揮するこ
とが望まれる。また、前後方向及び左右方向の各振動に
共通して、先端部6a,7aを固着した従来例よりも低
動バネでかつ先端部6a,7aを摺動自在とした参考例
よりも高動バネとなるよう、従来例と参考例の中間の特
性を得ることができるようにすることも望まれる。そこ
で本願発明はこのような要請の実現を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願の液封防振装置に係る第1の発明は、略筒状をなす
外筒と、この外筒の内側へ同心又は偏心して配置される
内側部材と、これら外筒及び内側部材との間に介在され
る弾性防振部材と、この弾性防振部材の外周面へ開口す
るよう内側部材を挟んで反対側に形成された一対の液室
凹部と、これら液室凹部の各開口部を覆う内面が円弧状
の外周壁と、各液室凹部間を仕切るため内側部材を挟ん
だ対称位置に設けられる一対の弾性仕切壁と、これら液
室凹部内に液体を封入して形成される一対の液室間を連
通するオリフィス通路とを備えた液封防振装置におい
て、前記一対の弾性仕切壁の各先端部を前記外周壁内面
へ当接するとともに、この嵌合部内における弾性仕切壁
の先端部側面とこれに対向する外周壁の間に弾性仕切壁
の変形を許容する間隙を設けたことを特徴とする。
【0010】第2の発明は上記第1の発明において、前
記弾性仕切壁先端部の先端側部分のみを外周壁へ密に嵌
合して固定したことを特徴とする。
【0011】第3の発明は上記第2の発明において、前
記外周壁が、一つのリングを形成するように組合さる一
対の円弧状部材で構成され、両円弧状部材の接続部に形
成された凹部により前記嵌合部が形成されるとともに、
弾性仕切壁の前記先端固定部分を両円弧状部材の接続部
間で挟むことにより固定したことを特徴とする。
【0012】第4の発明は上記第1の発明において、前
記弾性仕切壁の先端部が前記嵌合部内において摺動可能
であることを特徴とする。
【0013】第5の発明は上記第4の発明において、前
記弾性仕切壁の先端部を先細り状にしたことを特徴とす
る。
【0014】
【発明の効果】第1の発明によれば、一対の弾性仕切壁
の各先端部を前記外周壁内面へ当接するとともに、この
嵌合部内における弾性仕切壁の先端部側面とこれに対向
する外周壁の間に弾性仕切壁の変形を許容する間隙を設
けたので、比較的小変位量の振動に対しては先端部が嵌
合部内で弾性変形自在となり低動バネになる。その後あ
る程度変位量が大きくなると、嵌合部内の先端部は外周
壁の嵌合部に弾性変形を規制されるためバネ定数が急激
に増大する。
【0015】したがって、可変バネレート特性を実現で
き、かつ従来例の先端部固着タイプよりも低動バネにで
きるので、比較的変位量の小さな振動に対しては、小さ
なバネ定数を示して低動バネとなり、体感的に柔らかな
バネ感を得ることができる。また、所定以上の大変位量
を伴う振動に対して大きなバネ定数で吸収でき、乗り心
地の向上と大変位量の振動に対する確実な吸収の両立を
実現できる。
【0016】第2の発明によれば、弾性仕切壁先端部の
先端側部分のみを外周壁へ密に嵌合固定したので、最初
から先端が固着されているためバネ定数が比較的大きく
かつ変位と荷重の関係は線形となる従来例、並びに先端
部が略楔形をなすことによりバネ定数が小さくかつ変位
と荷重の関係は非線形となる参考例に対して、これらの
中間特性を得ることができる。また、先端部の固定部分
によってシールを確実にでき、かつ弾性仕切壁先端部に
おける外周壁との接続部に対する応力集中を緩和して耐
久性を向上させることができる。
【0017】第3の発明によれば、外周壁として一つの
リングを形成するように組合さる一対の円弧状部材で構
成したので、両円弧状部材の接続部に形成された凹部に
より前記嵌合部を形成できるとともに、弾性仕切壁の前
記先端固定部分を両円弧状部材の接続部間で挟むことに
より容易に固定できる。
【0018】第4の発明によれば、弾性仕切壁の先端部
を前記嵌合部内において摺動可能にしたので、従来例と
参考例の中間特性を得られるとともに、全体をより低動
バネ化することができる。
【0019】第5の発明によれば、弾性仕切壁の先端部
を先細り状にしたので、弾性仕切壁が圧縮方向へ弾性変
形するとき、可変バネレート特性を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施例を説
明する。図1乃至図6は第1実施例に係る自動車用サブ
フレームマウントを示し、図1は、このサブフレームマ
ウントの円弧状溝部分を通る横断面図、図2はそのC部
拡大図、図3は全体の上面図、図4は図3の4−4線に
沿う断面図(外筒は省略)、図5は組立時の斜視図、図
6は前後方向及び左右方向の振動に対する弾性仕切壁の
荷重と変位に対する関係を示す図である。なお、以下の
説明において前記図9及び10と共通する部分について
は共通の符号を用いるものとする。
【0021】まず、このサブフレームマウントの概略構
造を説明する。このサブフレームマウントは、適宜金属
からなる外筒1、その内側へ同心もしくは偏心配置され
る同様材料製で筒状等適宜形状の内側部材2及びこれら
の間に介在して相互を弾性的に連結するゴムやエラスト
マー等の適宜公知材料よりなる弾性防振部材3を備え
る。
【0022】図5に示すように、全体として略筒状をな
す弾性防振部材3の周囲には、一対の半円弧状をなす円
弧状溝4,5がそれぞれ弾性防振部材3の径方向(以
下、単に径方向という)外方へ開放されて形成され、そ
れぞれは内側部材2を挟んで径方向反対側へ延出する一
対の弾性仕切壁6,7により分断されるとともに、各円
弧状溝4,5には円弧状部材8,9が嵌合され、これに
より液室10,11が形成されている(図1)。
【0023】液室10,11内には非圧縮性の公知液体
が封入されるとともに、円弧状部材8,9の各端部のう
ち対向する接続面12,13の各近傍部に形成された流
体通路15a,15bを介して連通し、この流体通路1
5a,15bにより一つのオリフィス通路14が構成さ
れている。
【0024】これら円弧状部材8,9を弾性防振部材3
へ取付けた小組体18(図5)は、外筒1内へ圧入さ
れ、外筒1の一端に設けられた突起19及び他端をカシ
メることにより、全体が一体化したサブフレームマウン
トとなる(図4)。
【0025】次に、細部を説明する。弾性防振部材3は
内側部材2と一体にその周囲へ形成され、このとき同時
に円弧状溝4,5並びに弾性仕切壁6,7が一体に形成
され、図1に示すように、弾性仕切壁6,7の径方向内
側端部は内側部材2と一体となり、他端である先端部6
a,7aは、それぞれ組立前状態では自由になってい
る。
【0026】但し組立時には、図1に示すように先端部
6a,7aが、円弧状部材8,9の接合部近傍に設けら
れている段部20,21,22,23によって形成され
た凹部へ嵌合して位置決めされる。
【0027】先端部6aの側部には図2に示すようにシ
ール突起6bが予め形成されており、円弧状部材8,9
側へ液密に嵌合した状態で先端を当接して前後の液室1
0,11間を仕切るようになっている。なお、図示を省
略してあるが先端部7a側も同様のシール構造を有す
る。
【0028】図1に明らかなように、弾性仕切壁6,7
の先端部6a,7aは組立時に、円弧状部材8,9の接
合部近傍に設けられ段部20と22によって形成された
凹部並びに段部21と23によって形成された凹部へそ
れぞれ嵌合して位置決めされ、各先端部6a,7aの先
端側は拘束されて自由な摺動を規制されている。
【0029】但し、各段部20,21,22,23の壁
面のうちサブフレームマウントの半径方向と略平行にな
る径方向部分20a,21a,22a,23aは、先端
部6a,7aの各側面に対して傾斜し、これらの各側面
との間にサブフレームマウントの中心側へ向かって末広
がり状に拡開する間隙25を形成し、先端部6a,7a
の拘束された先端側を除く部分が凹部内で変形すること
を許容している(図2参照)。
【0030】各円弧状部材8,9は、一つのリングを2
分割したものに相当し、プラスチックや金属等、弾性防
振部材3よりも硬質の適宜材料で構成されるが、本実施
例では、プラスチックを用いて型成形によりそれぞれ略
半円弧状に形成されている。
【0031】この円弧状部材8,9を円弧状溝4,5の
開放部へ弾性防振部材3の径方向外方より嵌合し、互い
の端部を接続させて組合わせることにより一つの連続す
るリング状をなし、円弧状溝4,5の各開放部を覆うと
ともに弾性防振部材3の周囲へ取付けられる。
【0032】図5中に示す符号8a,9aは、それぞれ
円弧状部材8,9の外周部適宜位置に一体形成された位
置決め突起であり、組立てたとき円弧状溝4,5に臨ん
で弾性防振部材3の外周部に形成されている位置決め凹
部3aへ嵌合し(図4)、弾性防振部材3の周方向に対
する円弧状部材8,9の回り止めになっている。
【0033】この取付により、円弧状部材8の両端にお
ける接続面12と16は、それぞれ円弧状部材9の両端
における接続面13と17へ接合するとともに、円弧状
部材8,9の各接続端部のうち、接続面12,13近傍
に設けられている流体通路15a,15bが連通接続す
るようになっている。
【0034】円弧状部材8の両端における接続面12と
16は、それぞれ円弧状部材9の両端における接続面1
3と17へ接合するとともに、各円弧状部材8,9の両
端部内周側には段部20,21,22,23が形成さ
れ、このうち段部20と22で接続面12と16の接合
部を跨ぐ一つの凹部を形成して先端部6aを嵌合可能と
し、他端側の段部21と23も同様に先端部7aを嵌合
可能とする一つの凹部を形成している。
【0035】段部20と22が設けられている円弧状部
材8,9の各接続端部には、これらの段部20,22に
略沿って流体通路15a,15bが設けられている。
【0036】各流体通路15a,15bは、それぞれ段
部20,22に沿いながら周方向へ延びて一端が接続面
12,13へ開口する部分と、それぞれの他端側で屈曲
して内方へ延び、各一端が液室10又は11へ開放され
る部分で構成され、接続面12と13の接合部において
連通接続している。
【0037】これらの流体通路15a,15bは円弧状
溝8,9における図の上面側へ開放された溝であり、円
弧状部材8,9を成形する際、それぞれの成形型の型面
にて同時に形成することができる。但し、成形後にドリ
ル等を用いた後加工を施すなど、形成方法は任意に採用
できる。
【0038】なお、図1に明らかなように、円弧状部材
8,9の他方側における各接続面16,17近傍の各接
続端部には流体通路が形成されず、液室10,11はこ
の部分で連通していない。ただし、必要により流体通路
15a,15bと同様のものを設けることができる。
【0039】次に、本実施例の作用を説明する。このサ
ブフレームマウントは、図1に示すように、弾性仕切壁
6,7を車体の左右へ向けて配置し、この状態で使用す
ると、前後方向への振動に対しては、弾性仕切壁6,7
の弾性変形により液室10,11の体積が変化し、その
際の体積変動に伴って液室10,11内の液体がオリフ
ィス14を介して移動することにより減衰吸収する。
【0040】このとき、弾性仕切壁6,7は剪断方向へ
弾性変形するが、先端部6a,7aはその各側面と、嵌
合する円弧状部材8,9の凹部との間に間隙25がある
ためこの凹部内で変形可能である。したがって、図6の
Aに示すように、比較的変位量の小さな振動に対して
は、従来例の固着タイプよりも小さなバネ定数を示し、
体感的には柔らかなバネ感を得ることができる。
【0041】また、所定の変位量Pより大きくなると、
一側面が弾性仕切壁6,7の径方向部分20a,21
a,22a,23aのいずれかへ当接し、これにより弾
性仕切壁6,7の径方向における支持スパンが短くなる
ため、急激にバネ定数が増大し、所定以上の大変位量を
伴う振動に対して安定感のある吸収が得られる。
【0042】したがって、弾性仕切壁6,7に可変バネ
レート特性を与えることができ、乗り心地の向上と大変
位量の振動に対する確実な吸収の両立を実現できる。但
し、本実施例における弾性仕切壁6,7のバネ定数は、
変位の全範囲において従来例より小さくかつ先端部6
a,7aを摺動自在とする参考例より大きくなるよう、
これらの中間的な値を維持し、各例における不足を補う
ことができる。
【0043】一方、左右方向の振動が加わった場合に
は、液室10,11間の流体移動は関与せず、弾性仕切
壁6,7の圧縮方向を主体とする弾性変形及び弾性防振
部材3全体の変形によりこれを吸収する(但し、液室1
0,11の断面の大きさを適当に設定すれば内側部材2
の左右移動により液体共振を発生させてさらに低動バネ
化させることもできる)。
【0044】この左右方向の振動による弾性仕切壁6,
7の圧縮に伴って先端部6a,7aがその側面方向(す
なわち図1の断面においてサブフレームマウントの周方
向であり間隙25を埋める方向)へ膨張するが、この膨
張が前記弾性仕切壁6,7の径方向部分20a,21
a,22a,23aとの間隙内にあるときはバネ定数が
小さく圧縮が比較的容易になる。
【0045】その後、先端部6a,7aの膨張が前記間
隙25を埋めて径方向部分20a,21a,22a,2
3aのいずれかと接触する所定の変位量Qになると、圧
縮に対する抵抗が生じるので、弾性仕切壁6,7のバネ
定数が急激に増大する。したがって、左右方向の振動に
対しても可変バネレート特性を得ることができる。
【0046】なお、最初から先端が固着されているため
バネ定数が比較的大きくかつ変位と荷重の関係は線形と
なる従来例、並びに先端部6a,7aが略楔形をなすこ
とによりバネ定数が小さくかつ変位と荷重の関係は非線
形となる参考例に対して、本実施例は前後方向の振動に
対するときと同様にこれらの中間特性を得ることができ
る。
【0047】さらに本実施例では、半円弧状をなす一対
の円弧状部材8,9の接合部に設けられた凹部へ先端部
6a,7aを嵌合させたので、先端部6a,7aの先端
側を円弧状部材8,9の接合部で挟むことにより容易に
固定できる。またこの固定部は先端部6a,7aを円弧
状部材8,9側と固着一体化して連結するものではない
から、この接続部に対する応力集中を緩和でき、その結
果、先端部6a,7aさらにはサブフレームマウント全
体の耐久性を向上させることができる。
【0048】そのうえ、先端部6aが嵌合する凹部近傍
で一対の流体通路15a,15bが接続するが、先端部
6aは円弧状部材8,9の各段部20,22へ当接する
とともに、シール突起7bを備えて凹部内へ嵌合するの
で、隣り合う液室10,11間を効率的かつ確実にシー
ルできる。
【0049】図7は第2実施例に係る弾性仕切壁6の先
端部6a側を示し、ほぼ図2に相当する部分図である。
なお、この実施例では先端部6aの構造とこれを嵌合す
る凹部が相違するだけなので、共通部分は同一符号を用
いるものとし、言及しない部分は前実施例と同様構造で
ある(以下の実施例も同様)。
【0050】この実施例では、先端部6aが先端側へ尖
った略楔形の先細り状をなし、これが嵌合する凹部は一
方の円弧状部材9側のみに設けられた略コ字状の段部2
2によって形成されている。先端部6aの先端頭部6c
はこの凹部の底面壁部分22bを摺動自在になってい
る。したがって、弾性変形しない通常時の先端部6aは
凹部に対して先端頭部6cのみで接触する。
【0051】なお、先端頭部6cにはシールリップ6d
が一体に設けられ、これが底面壁部分22bへ液密に摺
接することにより、液室10,11間のシールを確実に
している。また、先端部7a側も同様の構造になってお
り、こちらの凹部は円弧状部材8側のみに設けられる。
また、円弧状部材8と同9の接続部は弾性仕切壁の先端
部6a,7aから周方向へずれた位置に設けられ、さら
にオリフィス通路14は単一の流体通路で構成され、円
弧状部材9側の凹部近傍のみに設けられている(図11
参照)。
【0052】このようにすると、前後方向の振動に対し
て先端部6aが凹部内を摺動自在となるから、さらに低
動バネ化を実現できる。また、左右方向の振動に対して
も、先端部6aが先細り状をなすため、入力振動の大き
さに応じてバネ定数を変化させることができ、同様にバ
ネ定数をさらに低くできるとともに変化が一層急な非線
形特性にすることができる。したがって、前実施例に比
べて体感的により柔らかいサブフレームマウントを得る
ことができる。
【0053】図8は図1に対応した第3実施例に係る図
である。この例では先端部6aと7aの各断面幅W1及
びW2は、一方が広く他方が狭くなるように相違させ
(例えば、W1>W2)てある。
【0054】なお、本実施例では、弾性仕切壁6,7の
各断面幅は長さ方向で一定であり、弾性仕切壁6の幅は
先端部6aの幅W1と、弾性仕切壁7の幅は先端部7a
の幅W2とそれぞれ同じである。したがって、左右の弾
性仕切壁6,7の幅は広狭に相違している。このように
すると、弾性仕切壁6,7の各振動吸収能力に顕著な差
異を出すことができる。
【0055】図9は前実施例に対してさらに、各先端部
6aと7aが対応する各凹部へ嵌合する深さD1及びD
2を左右で相違させることにより(例えば、D1<D
2)、先端部6a,7aの各拘束量を相違させたもので
あり、このようにするとさらに左右の弾性仕切壁6,7
の特性に顕著な相違を出すことができる。
【0056】なお、本願発明は上記実施例に限定され
ず、種々に変形可能であり、例えば、用途して各種のエ
ンジンマウントやサスペンション用ブッシュなどの自動
車用各種防振部材等がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例に係るサブフレームマウントの液
室を通る横断面図
【図2】 その一部を拡大した図
【図3】 全体の上面図
【図4】 図3の4−4線断面図
【図5】 その組立説明図
【図6】 前後及び左右方向の各振動に対する荷重と変
位の関係を示す図
【図7】 第2実施例に係る図1の拡大部と同様の部位
を示す部分図
【図8】 第3実施例に係る図1と同様の概略図
【図9】 第4実施例に係る図1と同様の概略図
【図10】従来例における図1と同様の概略図
【図11】参考例における図1と同様の概略図
【符号の説明】
1:外筒、2:内側部材、3:弾性防振部材、4:円弧
状溝、5:円弧状溝、6:弾性仕切壁、6a:先端部、
7:弾性仕切壁、7a:先端部、7b:シール突起、
8:円弧状部材,9:円弧状部材、10:液室、11:
液室、14:オリフィス通路、25:間隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略筒状をなす外筒と、この外筒の内側へ同
    心又は偏心して配置される内側部材と、これら外筒及び
    内側部材との間に介在される弾性防振部材と、この弾性
    防振部材の外周面へ開口するよう内側部材を挟んで反対
    側に形成された一対の液室凹部と、これら液室凹部の各
    開口部を覆う内面が円弧状の外周壁と、各液室凹部間を
    仕切るため内側部材を挟んだ対称位置に設けられる一対
    の弾性仕切壁と、これら液室凹部内に液体を封入して形
    成される一対の液室間を連通するオリフィス通路とを備
    えた液封防振装置において、前記一対の弾性仕切壁の各
    先端部を前記外周壁内面へ当接するとともに、この嵌合
    部内における弾性仕切壁の先端部側面とこれに対向する
    外周壁の間に弾性仕切壁の変形を許容する間隙を設けた
    ことを特徴とする液封防振装置。
  2. 【請求項2】前記弾性仕切壁先端部の先端側部分のみを
    外周壁へ密に嵌合して固定したことを特徴とする請求項
    1に記載した液封防振装置。
  3. 【請求項3】前記外周壁が、一つのリングを形成するよ
    うに組合さる一対の円弧状部材で構成され、両円弧状部
    材の接続部に形成された凹部により前記嵌合部が形成さ
    れるとともに、弾性仕切壁の前記先端固定部分を両円弧
    状部材の接続部間で挟むことにより固定したことを特徴
    とする請求項2に記載した液封防振装置。
  4. 【請求項4】前記弾性仕切壁の先端部が前記嵌合部内に
    おいて摺動可能であることを特徴とする請求項1に記載
    した液封防振装置。
  5. 【請求項5】前記弾性仕切壁の先端部を先細り状にした
    ことを特徴とする請求項4に記載した液封防振装置。
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