JP2001017982A - 排水処理方法および排水処理装置 - Google Patents

排水処理方法および排水処理装置

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JP2001017982A JP19033199A JP19033199A JP2001017982A JP 2001017982 A JP2001017982 A JP 2001017982A JP 19033199 A JP19033199 A JP 19033199A JP 19033199 A JP19033199 A JP 19033199A JP 2001017982 A JP2001017982 A JP 2001017982A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 省エネルギー,廃棄物削減,薬品使用量の低減
を達成できる排水処理方法および排水処理装置を提供す
る。 【解決手段】 この排水処理装置は、沈澱槽19にて沈
澱した汚泥を「後部に沈澱部6を有する返送汚泥反応槽
3」に導入(返送)して処理するので、沈澱槽19にて沈
澱した汚泥が含む未反応薬品を、返送汚泥反応槽3で再
利用することができ、未反応薬品が汚泥として排出され
ることがない。したがって、汚泥を沈澱槽19から引き
抜いていた従来の排水処理方法と比較して、汚泥発生量
を格段に減少させることができ、結果として汚泥処分費
や消石灰の使用量や脱水機のメンテナンスコスト等のラ
ンニングコストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体工場から
排水されるフッ素排水に対して、フッ素排水の排水処理
装置から発生する汚泥量を最小量にした排水処理方法お
よび排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】〔第1従来例〕図19を参照して、第1
従来例を説明する。この第1従来例では、フッ素排水
は、原水槽101に導入される。原水槽101に貯留さ
れたフッ素排水は、水質と水量が調整されて策1水槽ポ
ンプ102によって、消石灰反応槽114に移送され
る。この消石灰反応槽114において、上記排水中のフ
ッ素が、添加された消石灰に由来するカルシウムと反応
して反応物としてのフッ化カルシウム130となる。
【0003】上記消石灰反応槽114では、反応を促進
するための撹拌手段としての急速撹拌機115が設置さ
れており、この急速撹拌機115で、排水が撹拌されて
いる。しかし、消石灰反応槽114内での排水の滞留時
間が1時間以内であるので、未反応の消石灰が消石灰反
応槽114から流出してポリ塩化アルミニウム反応槽1
16に流入する。このポリ塩化アルミニウム反応槽11
6にも急速撹拌機115が設置されており、消石灰反応
槽114で反応し、生成した反応物としての微細なフッ
化カルシウム130は、無機凝集剤としてのポリ塩化ア
ルミニウムによって凝集してフロックを形成する。ま
た、未反応の消石灰もポリ塩化アルミニウムによって凝
集し、フロックを形成する。この消石灰による凝集フロ
ックは、カルシウムイオンではないため、フッ素の処理
には全く有効でない。すなわち、薬品の無駄であり、凝
集フロックは未反応薬品129としての位置付けとな
る。そして、上記フロックとなったフッ化カルシウム1
30は、高分子凝集剤が添加される高分子凝集剤凝集槽
117において、より安定した大きなフロックとなる。
【0004】一方、消石灰に起因する未反応フロック1
29は、フッ素の処理には有効ではないが、高分子凝集
剤凝集槽117において高分子凝集剤が添加されること
によってより安定した大きなフロックとなる。
【0005】より安定した大きなフロックとしてのフッ
化カルシウム130のフロックと、より安定した大きな
フロックとしての消石灰フロックは、沈澱槽119に流
入して沈澱し、沈澱槽かき寄せ機120によって沈澱槽
119の底部の中心にかき寄せられる。こうしてかき寄
せられたフロックは汚泥となる。
【0006】すなわち、この汚泥量は、フッ化カルシウ
ム130による汚泥と未反応消石灰による汚泥や未反応
凝集剤による汚泥の合計汚泥量である。沈澱槽119の
底部の中心にかき寄せられた汚泥は、濃縮槽かき寄せ機
123が設置されている濃縮槽122に流入して濃縮さ
れた後、フィルタープレスポンプ124によって、フィ
ルタープレス125に移送されて脱水される。この排水
処理装置から発生する汚泥量は多量であるため、フィル
タープレス125は2台設置してある。
【0007】尚、上記濃縮槽122の上澄液は、オーバ
ーフロー配管(図示せず)を通じて原水槽101に導入さ
れる。
【0008】ところで、今日の時代のニーズとしては、
脱水された後の脱水ケーキ量すなわち汚泥量が少ない排
水処理設備が求められているのであるが、上記第1従来
例の排水処理設備より発生する汚泥は、フッ化カルシウ
ム汚泥と未反応の消石灰汚泥も含むため、汚泥量が多
い。工場排水の条件によっても異なるが、一般には、フ
ッ化カルシウム汚泥量の倍以上が未反応の消石灰汚泥で
ある。
【0009】〔第2従来例〕次に、図20に第2従来例
を示す。この第2従来例は、図19の第1従来例におけ
る沈澱槽119からの汚泥の一部を、汚泥返送ポンプ1
21によって、原水槽101に返送するようになってい
る点が、前述の第1従来例と異なっている。
【0010】この第2従来例では、沈澱槽119からの
汚泥の一部を原水槽101に返送するので、未反応薬品
を含む汚泥がフッ素排水によって消費される。このた
め、この第2従来例では、図19の第1従来例よりも、
発生汚泥量が少なくなる。
【0011】〔第3従来例〕次に、図21に、第3従来
例を示す。この第3従来例は、沈澱槽119からの汚泥
の一部を汚泥返送ポンプ121によって、消石灰反応槽
114に返送する点が前述の第1従来例と異なる。この
第3従来例では、消石灰反応槽114に沈澱槽119か
らの汚泥の一部を返送するので、未反応薬品を含む汚泥
がフッ素排水によって消費されることとなり、第1従来
例に比べて、発生汚泥量が少なくなる。
【0012】〔参考例〕次に、参考例を図22に示す。
この参考例では、フッ素排水は、原水槽101に導入さ
れる。原水槽101に貯留されたフッ素排水は、水質と
水量が調整されて原水槽ポンプ102によって、反応水
槽126に移送される。
【0013】この反応水槽126においては、フッ素排
水は、下部流入管104より嫌気汚泥ゾーン109の下
部より導入される。
【0014】そして、反応水槽126においては、フッ
素排水の導入と沈澱槽119からの未反応薬品(未反応
消石灰と未反応凝集剤の合計)129を含む汚泥が汚泥
返送ポンプ121によって導入されている。このため、
反応水槽126においては、嫌気汚泥ゾーン109が常
時構築されている。
【0015】この反応水槽126においては、フッ素排
水中のフッ素と未反応薬品129中のカルシウムが反応
してフッ化カルシウム130となる。このことは、カル
シウムのリサイクルとなり発生汚泥量の削減に役立つ。
【0016】したがって、この参考例の排水処理装置で
は、第1従来例と比較して、発生汚泥量が削減されてい
るが、十分ではない。
【0017】第1従来例と参考例とを比較すると、参考
例から発生する汚泥量の方が少ない。参考例において
は、反応水槽126が曝気されていないので、フッ化カ
ルシウム130は沈澱する。この反応水槽126におい
ては、時間の経過とともに、沈澱したフッ化カルシウム
130が多くなり、嫌気汚泥ゾーン109のゾーンの高
さが上昇する。嫌気汚泥ゾーン109の高さが上昇する
とフッ化カルシウム130と被処理水(排水)が消石灰反
応槽114に流入する。
【0018】消石灰反応槽114においては、排水中の
未反応のフッ素が新たな消石灰に由来するカルシウムと
反応して反応物としての新たなフッ化カルシウム130
となる。ただし、すべてのカルシウムがフッ化カルシウ
ム130になるわけではなく、未反応のカルシウムすな
わち未反応消石灰も存在する。
【0019】なお、ここで注目すべき現象がある。すな
わち、消石灰反応槽114に反応水槽126からのフッ
化カルシウム130が多量に流入し、汚泥濃度が上昇す
ると、消石灰のアルカリとしての中和作用が弱くなる現
象がある。このため、消石灰が消石灰反応槽114に多
量に添加される現象が発生する。
【0020】さらに、消石灰反応槽114には反応を促
進するための撹拌手段としての急速撹拌機115が設置
されて撹拌されているが、消石灰反応槽114内での排
水の滞留時間が1時間以内であることに起因し、また消
石灰の中和作用が弱くなったことに起因して、未反応の
消石灰が多くなり、消石灰反応槽114から流出して次
のポリ塩化アルミニウム凝集槽116に流入する。そし
て、それらは、未反応消石灰や未反応凝集剤となり未反
応薬品129を構成することなる。
【0021】また、ポリ塩化アルミニウム凝集槽116
にも急速撹拌機115が設置されており、消石灰反応槽
114で反応生成した反応物としての微細なフッ化カル
シウム130は、無機凝集剤としてのポリ塩化アルミニ
ウムによって凝集してフロックを形成する。また、未反
応の消石灰もポリ塩化アルミニウムによって凝集し、フ
ロックを形成する。この消石灰による凝集フロックは、
フッ素の処理には全く有効でない。この消石灰による凝
集フロックは、薬品の無駄であり、未反応薬品129と
しての位置付けとなる。
【0022】そして、上記フロックとなったフッ化カル
シウム130は、高分子凝集剤凝集槽117において高
分子凝集剤が添加され、より安定した大きなフロックと
なる。一方、消石灰に起因する未反応フロックも、フッ
素の処理には有効ではないが、高分子凝集剤が添加され
ることによって、より安定した大きなフロックとなる。
フッ化カルシウム130のより安定した大きなフロック
と、消石灰のより安定した大きなフロックとは、沈澱槽
119に流入して沈澱し、かき寄せ機120によって沈
澱槽119の底部の中心にかき寄せられる。このかき寄
せられたフロックは汚泥となる。この汚泥量は、反応済
のフッ化カルシウム130による汚泥と未反応消石灰汚
泥の合計の汚泥量である。沈澱槽かき寄せ機120によ
って、沈澱槽119の底部の中心にかき寄せられた汚泥
は、汚泥返送ポンプ121によって一部が反応水槽12
6に返送され、未反応薬品(未反応消石灰と未反応凝集
剤)129が再利用される。よって、この参考例の排水
処理装置から発生する汚泥量は、再利用しない排水処理
装置すなわち図19の第1従来例と比較して削減されて
いる。また、一部のフッ化カルシウム130による汚泥
と未反応消石灰による汚泥は、濃縮槽かき寄せ機123
が設置されている濃縮槽122に流入して濃縮された
後、フィルタープレスポンプ124によって、フィルタ
ープレス125に移送されて脱水される。
【0023】尚、濃縮槽122の上澄液は、図示しない
オーバーフロー配管によって、原水槽101に導入され
る。
【0024】上記参考例の排水処理装置の沈澱槽119
より発生する汚泥は、削減されたとは言え、フッ化カル
シウム130による汚泥と未反応薬品を含む汚泥を含有
している。このため、この参考例では、第1従来例の排
水処理装置に比べて、発生汚泥量が削減されているが充
分とは言えないのである。つまり、参考例の濃縮槽12
2には、未反応薬品に起因する汚泥も導入されることと
なり、濃縮後にフィルタープレス125によって脱水処
理されて汚泥となっているのである。
【0025】また、別の従来技術として、公開特許公報
(特開平6―86988)に、「フッ素イオン及び過酸化
水素を含有する排水の処理方法」が開示されている。こ
の従来技術は、フッ素イオンおよび過酸化水素を含有す
る排水に、アルカリ性カルシウム含有化合物としての消
石灰を添加してフッ素イオンをフッ化カルシウムとした
後、アニオン性高分子凝集剤を添加して微細フロックを
生成させ、ついで固液分離した後にカタラーゼを添加し
て過酸化水素を分解するものである。この従来技術で
は、沈澱槽からの汚泥が未反応の薬品を含むので、発生
汚泥量が多いという問題点がある上に、排水中の過酸化
水素を分解する目的でカタラーゼを添加することに起因
してランニングコストが高くなるという問題点がある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、排水中
のフッ素を処理するには、消石灰、ポリ塩化アルミニウ
ム等の無機凝集剤、高分子凝集剤を使用して排水処理す
ることが、一般であるが、反応槽や凝集槽において、未
反応の薬品によるフロック(汚泥)が必ず発生し、それら
が排水処理設備から発生する汚泥量の増加につながって
いることが問題である。
【0027】このような未反応の薬品によるフロックす
なわち汚泥が発生する理由としては以下のことがあげら
れる。
【0028】 建設費の関係から反応槽を格段に大き
くできないので、反応槽での排水の滞留時間が短く、下
記のような化学反応式のような完全反応ができない問題
がある。
【0029】2HF+Ca(OH)2=CaF2+2H2O 具体的には、一般の排水処理設備の反応槽においては、
下記の反応式となりフッ化カルシウム汚泥のみならず、
未反応の消石灰フロックによる消石灰汚泥も発生する。
【0030】2HF+2Ca(OH)2=CaF2(フッ化
カルシウム汚泥)+2H2O+Ca(OH)2(消石灰汚泥) 消石灰汚泥は、酸によってカルシウムイオンを溶出すれ
ば、薬品としての機能を果たすので再利用することが望
ましい。
【0031】 排水中のフッ素を15ppm以下まで
処理しようとすると、フッ素量よりも過剰の消石灰(カ
ルシウムとしての)を添加しないと目的とするフッ素濃
度(15ppm以下)まで処理できない。このことは、フ
ッ素の排水処理における経験的内容であり、15ppm
以下とするため過剰の消石灰を添加している。
【0032】そこで、図19に示す第1従来例の排水処
理設備における沈澱槽119に新たに汚泥返送ポンプを
設置して、この汚泥返送ポンプによって、沈澱槽119
からの沈澱汚泥(未反応薬品を含む)を原水槽101や消
石灰反応槽114へ返送して未反応薬品を再利用するこ
とが考えられる。
【0033】また、図20に示した第2従来例のよう
に、沈澱槽119からの沈澱汚泥(未反応薬品を含む)を
汚泥返送ポンプ121によって原水槽101に返送する
排水処理フローがあり、図21に示した第3従来例のよ
うに、沈澱槽119からの沈澱汚泥(未反応薬品を含む)
を汚泥返送ポンプ121によって消石灰反応槽114に
返送する排水処理フローがある。この両方の排水処理フ
ローとも、排水処理時間の経過とともに系統内の汚泥濃
度(フッ化カルシウム汚泥濃度と消石灰汚泥濃度の合算
値)が上昇する。汚泥濃度が上昇することはさほど問題
ないであろうと考えられていたが、しかし、運転の結
果、消石灰反応槽114においては、汚泥濃度が高いと
消石灰消費量が格段に増加する事実が発生した。未反応
の薬品としての未反応消石灰を再利用する目的で原水槽
101や消石灰反応槽114に返送したものの、消石灰
反応槽114の汚泥濃度が1000ppm以上に上昇し
た場合、消石灰が添加される消石灰反応槽114におい
ては、かえって消石灰の消費量が増加するマイナスの現
象が発生することを発見した。この消石灰の消費量が増
加する理由としては、汚泥濃度が高いと薬品としての消
石灰の効力(PHを上昇させる効力→具体的にはPH2
〜3のフッ素排水を中性もしくは弱アルカリまで上昇さ
せる効力)が打ち消されて消石灰の消費量が多くなるこ
とによる。すなわち汚泥の緩衝作用により薬品としての
消石灰のPHを高める効力が打ち消されたのである。消
石灰反応槽114の消石灰添加方法は、一般的なPHの
設定による消石灰添加制御であり、オンオフ制御や比例
制御が該当する。
【0034】上記緩衝作用を簡単な例で説明すると、水
道水の一定量に1gの消石灰を添加するとPHが10に
なったとする。同じ量の汚泥水(汚泥濃度1000pp
m)に1gの消石灰を添加するとPHが10にならない
で、PH8.5になる現象である。排水のPHを10に
設定すると、水道水の場合は、1gの消石灰で良いが、
汚泥を多量に含む排水では、多量の消石灰が必要となる
現象である。
【0035】また、図22に示す参考例の排水処理装置
では、沈澱槽119より汚泥を濃縮槽122に引き抜い
ている限り、未反応の薬品を皆無(零)とすることはでき
ない。未反応の薬品を皆無にするには排水処理システム
全体を見直す必要がある。すなわち、未反応薬品を含む
汚泥をすべて再利用し、かつ排水処理設備全体の機能,
性能を正常に保つような、新たな目的にあった水槽やシ
ステムが求められている。
【0036】そこで、この発明の目的は、省エネルギ
ー,廃棄物削減,薬品使用量の低減を達成できる排水処理
方法および排水処理装置を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、その水槽の機能は以下の,,の内容を有してい
ることが望ましい。
【0038】 フッ素排水と未反応薬品を含む汚泥と
が効率的に反応すること。
【0039】具体的には、未反応薬品に含まれるアルカ
リ量(消石灰量)とフッ素排水中の酸量を比較した場合、
酸量が多くなるようなシステムにすれば、未反応薬品
(ここでは消石灰量)は皆無となる。より具体的には、汚
泥のPHを測定してPHが7以下となれば未反応薬品
(消石灰量)は皆無となる。未反応消石灰が汚泥中に存在
すればアルカリ性を示す。装置としては、返送汚泥反応
槽の後に上澄測定槽のような槽を設置して、その水槽の
PHを制御する排水処理装置が該当する。
【0040】 反応後の反応物を容易に分離できて容
易に系外に排出できる。
【0041】具体的には、PHが酸性となった汚泥を引
き抜くことができる排水処理装置。
【0042】 排水処理システムとしては、消石灰反
応槽の汚泥濃度を管理できて、最適な汚泥濃度以上に汚
泥濃度が上昇した場合は、汚泥濃度を最適にするシステ
ムも必要となる。具体的には、サスペンディッド・ソリ
ッド(SS)濃度計を設置した排水処理装置を意味する。
これら,,のことが、未反応薬品を再利用して、か
つ汚泥濃度上昇による薬品の過剰消費を防ぐ内容の排水
処理装置となる。
【0043】そこで、この発明の排水処理方法は、フッ
素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽から後
段の沈澱槽に導入し、上記沈澱槽にて沈澱した汚泥を上
記返送汚泥反応槽に導入することを特徴としている。
【0044】また、1実施形態の排水処理装置は、フッ
素排水が導入され、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応
槽と、上記返送汚泥反応槽の後段の沈澱槽と、上記沈澱
槽にて沈澱した汚泥を上記返送汚泥反応槽に返送する汚
泥返送手段とを備えたことを特徴としている。
【0045】上記発明の排水処理方法と1実施形態の排
水処理装置では、沈澱槽にて沈澱した未反応薬品を含む
汚泥を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽に導入す
るので、返送汚泥反応槽において、未反応薬品とフッ素
排水とを反応させることができる。また、未反応薬品と
フッ素排水とが反応した反応物を後部の沈澱部に沈澱さ
せることができる。
【0046】また、沈澱槽での汚泥は、すべて返送汚泥
反応槽に導入されるので、従来の排水処理装置における
沈澱槽からの汚泥に含まれていた未反応薬品を含む汚泥
を沈澱槽の後段の濃縮槽に導入することは皆無となる。
【0047】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記返送汚泥反応槽の沈澱部に汚泥搬出手段が設置されて
いる。
【0048】この実施形態では、返送汚泥反応槽が汚泥
搬出手段を有しているので、返送汚泥反応槽の一部であ
る沈澱部に沈澱した反応済みの汚泥を上記汚泥搬出手段
で系外に搬出できる。このため、排水処理装置の特殊反
応槽(返送汚泥反応槽)から反応済みの汚泥を確実に取り
除くことができる。
【0049】また、1実施形態の排水処理装置は、上記
返送汚泥反応槽が、前部から後部にかけて順に、反応
部,沈澱部および上澄部を有する。
【0050】この実施形態では、上記返送汚泥反応槽
が、反応槽でありながら、沈澱部を有しているので、フ
ロック汚泥を含む排水から沈澱部に汚泥を沈降させるこ
とができ、また上澄部に上澄水のみを存在させることが
できる。すなわち、返送汚泥反応槽が、反応槽でありな
がら、上澄部と沈澱部を有しているので、汚泥を含む排
水を上澄水と汚泥とに分離できる。
【0051】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記汚泥搬出手段がポンプによる搬出手段である。
【0052】この実施形態では、返送汚泥反応槽が、反
応槽でありながら、ポンプが設置されているので、返送
汚泥反応槽からポンプで容易に汚泥を搬出できる。ま
た、ポンプは汎用品であり、排水処理装置を容易に構成
できる。また、汚泥の搬出量をポンプの運転時間によっ
て容易に可変できる。
【0053】また、1実施形態の排水処理装置は、フッ
素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測定
機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、および沈澱
槽に順次導入して処理し、かつ上記沈澱槽で沈澱した汚
泥の全量を汚泥返送ポンプで上記返送汚泥反応槽に返送
する。
【0054】この排水処理装置では、返送汚泥反応槽で
未反応薬品を含む汚泥とフッ素排水を反応させることが
でき、また、続いて上澄測定槽で上澄水の水質を測定す
ることができる。また、続いて反応槽でフッ素排水と薬
品(消石灰)とを反応させることができる。続いて、凝集
槽で凝集剤(ポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤)によ
って、上記反応槽で反応した排水を凝集させることがで
き、続いて凝集槽で凝集剤で凝集した排水を沈澱槽で上
澄液と沈澱物を分離できる。また、この沈澱槽で沈澱し
た未反応薬品を含む汚泥の全量を、返送汚泥反応槽に返
送して再利用できる。
【0055】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記上澄測定槽の測定機器の測定結果に応じて、上記返送
汚泥反応槽の沈澱部に設置された汚泥搬出手段と、上記
沈澱槽に設置された返送汚泥ポンプとをインバーター制
御して、上記汚泥搬出手段による搬出量と、上記返送汚
泥ポンプの吐出量の両方を制御する。
【0056】この排水処理装置では、上澄測定槽の計測
機器によって、上澄測定槽の水質を測定し、その水質に
よって汚泥搬出手段を制御するので、上澄測定槽のみな
らず他の水槽の水質も適正に維持でき、排水処理設備全
体の水質(汚泥濃度=SS(サスペンディッドソリッド)
濃度)を適正に維持して排水処理設備を適正に維持でき
る。
【0057】また、1実施形態の排水処理装置は、上記
測定機器を有する上澄測定槽の測定機器がサスペンディ
ッド・ソリッド(suspendid solid)濃度計である。
【0058】この排水処理装置では、上澄測定槽の計測
機器がSS(suspendid solid)濃度計であるので、上澄
測定槽のみならず排水処理設備全体のSS濃度(汚泥濃
度)を適正に維持することができる。このため、SS濃
度が適正濃度よりも高い濃度の時に発生するような、消
石灰の過剰添加の現象を防止することができる。消石灰
の過剰添加の現象が発生すると、排水処理設備全体のS
S濃度が上昇して、例えば、沈澱槽におけるかき寄せ機
のトルクオーバーによる停止(かき寄せ機に汚泥による
機械的な負荷がかかって、かき寄せ機が停止する現象)
を防止できる。
【0059】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記測定機器を有する上澄測定槽の測定機器がPH計であ
る。
【0060】この実施形態では、上澄測定槽の計測機器
がPH計であるので、上澄測定槽のPHを測定でき、排
水中のフッ素濃度等が示す酸性度に対応した消石灰量を
添加できる。
【0061】また、1実施形態の排水処理装置は、上記
上澄測定槽が、測定機器として、サスペンディッド・ソ
リッド濃度計とPH計の両方を備えている。
【0062】この1実施形態では、上澄測定槽が、測定
機器として、サスペンディッド・ソリッド濃度計とPH
計の両方を備えているので、上澄測定槽のSS濃度とP
Hの両方を測定することができ、どちらかの項目が設定
値よりも範囲を越えると汚泥搬出手段を作動させて排水
処理設備全体を適正に維持できる。
【0063】SS濃度計の役割は、上澄測定槽のみなら
ず排水処理設備全体のSS濃度を適正に維持することに
重きをおいており、PH計の役割は、上澄測定槽のみな
らず排水処理設備全体のPH値に重きをおいている。上
澄測定槽のPH値によっても沈澱槽からの返送汚泥中に
含まれる未反応消石灰が、返送汚泥反応槽において消費
されたかどうかを判断できる。
【0064】(備考) 上澄測定槽のSS濃度が1000
ppm以上の場合、消石灰のアルカリとしての効力が少
なくなる。よってSS濃度が1000ppm以上の場合
は、汚泥搬出手段を作動させて汚泥を排水処理設備全体
から抜き取り(搬出)、SS濃度を1000ppm以下と
して適正に維持する。上澄測定槽のPH値が7以下の場
合は、フッ素排水と返送汚泥中に含まれる未反応消石灰
は完全に反応して、アルカリ性を示す未反応消石灰が殆
ど無くなり、汚泥は全て反応済のフッ化カルシウムとな
るから、汚泥搬出手段を作動させて汚泥を排水処理設備
全体から抜き取る。
【0065】また、他の実施形態の排水処理装置は、フ
ッ素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測
定機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、およびサ
スペンディッド・ソリッド分離槽に順次導入して処理
し、かつ上記サスペンディッド・ソリッド分離槽で沈澱
した汚泥の全量を汚泥返送ポンプで上記返送汚泥反応槽
に返送する。
【0066】この実施形態では、沈澱槽の代替槽として
SS(サスペンディッド・ソリッド)分離槽が設置されて
いる。したがって、排水中のSSとしてのフロック等の
固形物と清澄水(SSを含んでいない水)とを確実に分離
することができる。すなわち、SSを全く含まない水質
の処理水を得ることができる。
【0067】また、1実施形態の排水処理装置は、上記
サスペンディッド・ソリッド分離槽に、膜分離装置が設
置されている。
【0068】この実施形態では、SS分離槽に膜分離装
置が設置されているので、膜分離という物理学的手法に
よってフッ化カルシウムフロックや未反応薬品に起因す
るフロックを分離でき、水質の良い処理水を得ることが
できる。
【0069】膜分離装置は、一般に、逆浸透膜(RO)、
精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)等で構成される。
【0070】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記膜分離装置が液中膜で構成されている。
【0071】この実施形態では、膜分離装置が液中膜で
あるので、SS分離槽の槽内の液中に設置でき、液中膜
のための設置スペースを新たに計画する必要がなく、排
水処理装置を小スペースで構築できる。液中膜とは、一
般に水中に没している膜分離装置を意味する。
【0072】また、1実施形態の排水処理装置では、上
記液中膜が限外濾過膜または精密濾過膜である。
【0073】この1実施形態では、液中膜が限外濾過膜
もしくは精密濾過膜であるので、ミクロン程度の大きさ
のSS(サスペンディッド・ソリッド)まで分離すること
ができ、処理水の水質の向上に役立つ。また現在各種の
限外濾過膜や精密濾過膜が市販されているので、排水処
理装置を容易に構築できる。一般に、限外濾過膜または
精密濾過膜で、ミクロンオーダーのSS(浮遊物質)を濾
過できる。また、一般に、精密濾過膜よりも限外濾過膜
の方が濾過精度が高い。
【0074】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記液中膜の下部に曝気装置が設置されている。
【0075】この実施形態では、液中膜の下部に曝気装
置が設置されているので、液中膜が浮遊物質(サスペン
ディッド・ソリッド)によって閉塞しないように、空気
曝気によって容易に液中膜表面を洗浄できる。そして、
常時曝気しておけば、液中膜は、微細な浮遊物質(SS)
によって全く閉塞することなく運転できる。
【0076】また、他の実施形態の排水処理装置は、フ
ッ素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測
定機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、および沈
澱槽に順次排水を導入して処理し、上記返送汚泥反応槽
で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、この濃縮槽の後
段で脱水処理する。
【0077】この実施形態では、フッ素排水を、後部に
沈澱部を有する返送汚泥反応槽、上澄測定槽、反応槽、
凝集槽、および沈澱槽に順次排水を導入して処理し、返
送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、そ
の後脱水処理する。したがって、未反応薬品を含む汚泥
を脱水することなく、排水処理設備から発生する汚泥量
を削減できる。返送汚泥反応槽では、返送汚泥に含まれ
る未反応薬品がフッ素排水によって確実に全て処理され
るので、未反応薬品に起因する汚泥は無くなる。
【0078】また、他の実施形態の排水処理装置は、フ
ッ素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測
定機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、およびサ
スペンディッド・ソリッド分離槽に順次導入して処理
し、返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入
し、その後段で脱水処理する。
【0079】この実施形態では、フッ素排水を、後部に
沈澱部を有する返送汚泥反応槽、上澄測定槽、反応槽、
凝集槽、およびSS分離槽に順次導入して処理し、返送
汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、その
後、脱水処理する。したがって、未反応薬品を含む汚泥
を脱水することがなく、排水処理設備から発生する汚泥
量を削減できる。返送汚泥反応槽では、返送汚泥に含ま
れる未反応薬品がフッ素排水によって確実に全て処理さ
れるので、未反応薬品に起因する汚泥が無くなる。ま
た、処理水はSS分離槽から確保できるので、沈澱槽で
はしばしば発生するSS(サスペンディッド・ソリッド)
の流出が全く無く、SSが確実に分離処理された処理水
を得ることができる。
【0080】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記フッ素排水が有機物を含有し、かつ、上記返送汚泥反
応槽の前段の原水槽に、上記有機物含有フッ素排水に加
えて、過酸化水素排水を導入し、かつ、上記返送汚泥反
応槽に生物処理水が導入される。
【0081】この実施形態では、フッ素排水が有機物を
含有し、かつ過酸化水素排水も同時に原水槽に導入さ
れ、かつ返送汚泥反応槽(第2水槽)に生物処理水が導入
される。したがって、返送汚泥反応槽ではフッ素排水の
酸性が中和されており、かつ、生物処理水が返送汚泥反
応槽に導入される。このため、生物処理水中の微生物
が、フッ素排水中の有機物を栄養源として繁殖し、特に
繁殖した嫌気性の微生物は、嫌気性微生物が持つ還元性
によって排水中の過酸化水素を還元処理することができ
る。
【0082】また、1実施形態の排水処理方法は、フッ
素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測定
機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、およびサス
ペンディッド・ソリッド分離槽に順次導入して処理し、
返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、
その後脱水処理する排水処理方法であって、上記フッ素
排水が有機物を含有し、かつ上記返送汚泥反応槽の前段
の原水槽に、上記有機物含有フッ素排水と共に過酸化水
素排水を導入し、かつ上記返送汚泥反応槽に生物処理水
を導入する。
【0083】この1実施形態の排水処理方法では、フッ
素排水が有機物を含有し、かつ過酸化水素排水も同時に
原水槽に導入され、かつ返送汚泥反応槽(第2水槽)に生
物処理水が導入される。したがって、返送汚泥反応槽で
はフッ素排水の酸性が中和されており、かつ、生物処理
水が返送汚泥反応槽に導入される。このため、生物処理
水中の微生物が、フッ素排水中の有機物を栄養源として
繁殖し、特に繁殖した嫌気性の微生物は、嫌気性微生物
が持つ還元性によって排水中の過酸化水素を還元処理す
ることができる。
【0084】また、他の実施形態の排水処理方法は、フ
ッ素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測
定機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、および沈
澱槽に順次排水を導入して処理し、上記返送汚泥反応槽
で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、この濃縮槽の後
段で脱水処理する排水処理方法であって、上記返送汚泥
反応槽の前段の原水槽に、上記フッ素排水と共にシリコ
ン排水を導入する。
【0085】この排水処理方法では、フッ素排水と同時
にシリコン排水が原水槽に導入されるので、フッ素排水
とシリコン排水が混合され、返送汚泥反応槽において
は、シリコン排水中のシリコン粒子がもつフロック汚泥
の沈降性向上作用により、形成されたフッ化カルシウム
フロック汚泥の沈降性向上に貢献できる。(シリコン粒
子はフロックの核となり、結果的にフロックが集まった
汚泥の沈降性を良くする作用がある。)この沈降性の良
くなったフッ化カルシウムフロックが集まって、沈降性
の良い汚泥となり、さらに返送汚泥反応槽3の嫌気汚泥
ゾーン9をしっかりとした汚泥ゾーンとして形成するこ
とができる。その結果、返送汚泥反応槽3において、フ
ッ素排水が下部から導入されるに際して、その水流によ
って形成された嫌気汚泥ゾーン9の汚泥が巻き上がるこ
とがほとんどなくなり、処理性能を維持できる。すなわ
ち、フッ素排水が嫌気汚泥ゾーン内をショートパス(ゾ
ーン内に孔が開いて排水が貫き通ること)することな
く、排水中のフッ素が処理される。
【0086】また、他の実施形態の排水処理方法は、フ
ッ素排水を、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測
定機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、およびサ
スペンディッド・ソリッド分離槽に順次導入して処理
し、返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入
し、その後脱水処理する排水処理方法であって、上記返
送汚泥反応槽の前段の原水槽に、上記フッ素排水と共に
シリコン排水を導入する。
【0087】この排水処理方法では、フッ素排水と同時
にシリコン排水が原水槽に導入されるので、フッ素排水
とシリコン排水が混合され、返送汚泥反応槽において
は、シリコン排水中のシリコン粒子がもつフロック汚泥
の沈降性向上作用により、形成されたフッ化カルシウム
フロック汚泥の沈降性向上に貢献できる。シリコン粒子
はフロックの核となり、結果的にフロックが集まった汚
泥の沈降性を良くする作用がある。
【0088】この沈降性の良くなったフッ化カルシウム
フロックが集まって、沈降性の良い汚泥となり、さらに
返送汚泥反応槽3の嫌気汚泥ゾーン9をしっかりとした
汚泥ゾーンとして形成することができる。その結果、返
送汚泥反応槽3において、フッ素排水が下部から導入さ
れるに際して、その水流によって形成された嫌気汚泥ゾ
ーン9の汚泥が巻き上がることがほとんどなくなり、処
理性能を維持できる。
【0089】また、SS分離槽を有しているので、SS
分離槽から、SS(サスペンディッド・ソリッド)が確実
に処理された処理水を得ることができる。
【0090】また、1実施形態の排水処理装置は、フッ
素排水が、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測定
機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、および沈澱
槽に順次導入される第1の処理系統と、フッ素排水が、
後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、測定機器を有す
る上澄測定槽、反応槽、凝集槽、およびサスペンディッ
ド・ソリッド分離槽に順次導入される第2の処理系統と
を備え、上記第1,第2の処理系統によって、フッ素排
水を並列処理すると共に、上記返送汚泥反応槽で発生し
た汚泥を濃縮槽に導入し、脱水機で脱水することを特徴
としている。
【0091】この排水処理装置では、上記2つの処理系
統に排水を並列に導入して処理するので、処理水の水質
の良いSS分離槽を有する第2の処理系統でもって、沈
澱槽を有する水質の悪い第1の処理系統の水質を混合調
整することができる。SS分離槽を有する第2の処理系
統の水質が、沈澱槽を有する第1の処理系統の水質より
も良い理由としては、沈澱槽において、フロックがキャ
リオーバー(流出)することがあり、その事が水質を悪化
させるからである。一方、SS分離槽においては、物理
学的にSS(フロック)を分離するので、そのキャリオー
バーが全くなく、水質が良い方に安定している。
【0092】また、上記2つの処理系統のどちらも、返
送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、そ
の後脱水処理するので、未反応薬品を含んでいない汚泥
を脱水処理することとなり、沈澱槽から濃縮槽に汚泥を
導入して、その後脱水処理する従来の方法よりも、発生
汚泥量を削減できる。
【0093】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
記上澄測定槽の測定機器の測定結果に応じて、上記返送
汚泥反応槽の沈澱部に設置された汚泥搬出手段と、上記
サスペンディッド・ソリッド分離槽に設置された返送汚
泥ポンプとをインバーター制御して、上記汚泥搬出手段
による搬出量と、上記返送汚泥ポンプの吐出量の両方を
制御する。
【0094】この実施形態の排水処理装置では、上澄測
定槽の計測機器測定結果に応じて、汚泥搬出手段による
搬出量とSS分離槽に設置された返送汚泥ポンプの吐出
量をインバーター制御する。したがって、排水処理装置
の返送汚泥反応槽の汚泥量および状態を適正に維持でき
る。
【0095】具体的には、計測機器によって返送汚泥反
応槽の汚泥量を適正に維持するとは、返送汚泥反応槽の
汚泥の多くが上澄測定槽に多く流入しないように、適正
量を維持することである。仮に、返送汚泥反応槽の汚泥
が上澄測定槽に流入すると、汚泥の緩衝作用により、消
石灰の添加のシステムが破壊され、消石灰が過剰に添加
される問題がある。
【0096】また、返送汚泥反応槽の状態を適正に維持
するとは、返送汚泥に含まれる未反応消石灰を主体とし
た未反応薬品を、フッ素排水による反応によって使い切
って、沈殿部に未反応薬品を含む汚泥が移動してこない
ようにすることである。このことは、未反応薬品は全て
フッ素排水によって使用されて上澄液のPHが7以下と
なることを意味する。
【0097】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。
【0098】〔第1の実施の形態〕図1に、この発明の
排水処理装置の第1の実施の形態を示す。この第1の実
施の形態は、フッ素排水を、後部に沈澱部6を有する返
送汚泥反応槽3、消石灰反応槽14、ポリ塩化アルミニ
ウム凝集槽16、高分子凝集剤凝集槽17、沈澱槽19
にて処理する排水処理装置である。この第1の実施の形
態では、上記返送汚泥反応槽3の沈澱部6で発生した未
反応薬品29を含まない汚泥を濃縮槽22に導入した
後、フィルタープレス25で脱水処理している。
【0099】フッ素排水は、原水槽(第1水槽)1に導入
される。原水槽1に導入されたフッ素排水は、原水槽ポ
ンプ2によって、返送汚泥反応槽(第2水槽)3の下部に
設置されている下部流入管4から返送汚泥反応槽3の上
方に向かって流出する。返送汚泥反応槽3には、沈澱槽
(第7水槽)19から、多量のPH8.0〜8.5程度の
アルカリ性を示す返送汚泥があらかじめ充填されて、嫌
気汚泥ゾーン9を形成している。この嫌気汚泥ゾーン9
は、槽内に撹拌機や散気管による曝気手段等の撹拌手段
が一切無いことに起因して、返送汚泥反応槽3の下部に
安定的に沈澱している。
【0100】この嫌気汚泥ゾーン9の未反応薬品29を
含む汚泥は、酸性のフッ素排水と反応後、遮断壁5の上
部を通過して沈澱部6に移動する。
【0101】返送汚泥反応槽3へのフッ素排水の導入量
と沈澱槽19から返送汚泥反応槽3への返送汚泥量の導
入量を調整して、沈澱部6に移動した汚泥が未反応薬品
29を含まないようにしている。すなわち、未反応薬品
29を含まないような汚泥を確保するには、沈澱部ポン
プ8から濃縮槽22へ移送される汚泥のPHが中性から
弱い酸性、具体的には、PH7以下の汚泥となる様に、
返送汚泥反応槽3へのフッ素排水の導入量と沈澱槽19
から返送汚泥反応槽3への返送汚泥量の導入量を調整す
れば良い。
【0102】こうして、沈澱部6の汚泥は、フッ化カル
シウム30からなる汚泥となって、沈澱部ポンプ8から
濃縮槽(第8水槽)22へ移送される。
【0103】返送汚泥反応槽3の嫌気汚泥ゾーン9で、
フッ素排水中のフッ素が一次処理された排水は、分離壁
10を越えて上澄部7に流入する。この分離壁10は、
重いフッ化カルシウム30からなる汚泥が上澄部7に流
入しないように設計された壁である。
【0104】一方、沈澱槽19から返送汚泥反応槽3へ
の返送汚泥は、PHが8.0〜8.5程度の弱いアルカ
リ性を示す。このPHが8.0〜8.5程度の弱いアル
カリ性を示す汚泥は、未反応の消石灰や未反応のポリ塩
化アルミニウムや未反応の高分子凝集剤を含んでいる。
PH2〜3の酸性のフッ素排水は、嫌気汚泥ゾーン9の
弱アルカリ汚泥のカルシウム等の成分を溶解させなが
ら、フッ素排水自体は、次第にアルカリ成分によって中
和されていく。
【0105】フッ素排水の沈澱部6と上澄部7を除く返
送汚泥反応槽3での滞留時間は、2時間以上を選定すれ
ば、弱酸性から中性すなわちPH7以下PH5以上の排
水を得ることが可能となる。PH7以下PH5以上のフ
ッ素排水は、上澄部7から消石灰反応槽(第4水槽)14
に流入する。消石灰反応槽14には、急速撹拌機15が
設置されており、返送汚泥反応槽3で反応しきれなかっ
た排水中のフッ素を新たな消石灰を添加して撹拌し反応
させて、2次的に処理する。すなわち、排水中のフッ素
は、返送汚泥反応槽3で1次的に処理され、消石灰反応
槽14で2次的に処理される。
【0106】消石灰反応槽14で残存していた排水中の
フッ素は、消石灰の添加と急速撹拌機15の撹拌によ
り、微細なフッ化カルシウムとなり、続いてポリ塩化ア
ルミニウム凝集槽(第5水槽)16に導入されて、無機凝
集剤としてのポリ塩化アルミニウムが添加され大きなフ
ロックとなる。そして、そのフロックを含む排水は、続
いて緩速撹拌機18が設置してある高分子凝集剤凝集槽
(第6水槽)17に導入され、高分子凝集剤の添加によ
り、上記大きなフロックは、より安定した沈降し易いよ
り大きなフロックとなる。このより安定した沈降し易い
より大きなフロックは、次に沈澱槽かき寄せ機20を有
する沈澱槽19に流入し、沈澱槽19の下部に沈澱す
る。尚、沈澱槽19における上澄液は処理水となる。
【0107】この沈澱槽19で沈澱したフロックすなわ
ち汚泥は、消石灰反応槽14で消石灰が添加されている
ので、未反応の消石灰を含んでいる。また、上記汚泥
は、ポリ塩化アルミニウム凝集槽16でポリ塩化アルミ
ニウムが過剰に添加されているので、未反応ポリ塩化ア
ルミニウムを含む。また、上記汚泥は、高分子凝集剤凝
集槽17で高分子凝集剤が添加されているので、未反応
の高分子凝集剤を含んでいる。
【0108】この沈澱槽19で沈澱した汚泥のすべて
は、汚泥返送ポンプ21によって、返送汚泥反応槽3の
上部に返送される。そして、未反応薬品29が全て再利
用されて、嫌気汚泥ゾーン9の汚泥は、沈澱部6に移動
し、さらに沈澱部ポンプ8によって、濃縮槽22に移送
されて濃縮された後、フィルタープレスポンプ24によ
って、フィルタープレス25に移送されて脱水処理され
る。
【0109】図2(a)に、フッ素排水のフッ素濃度が通
常濃度の場合における各槽での処理タイミングチャート
を示し、図2(b)に、フッ素排水のフッ素濃度が低い濃
度の場合における各槽での処理タイミングチャートを示
す。
【0110】この実施形態では、沈澱槽19での汚泥
は、すべて返送汚泥反応槽3に導入されるので、従来の
排水処理装置における沈澱槽からの汚泥に含まれていた
未反応薬品を含む汚泥を沈澱槽19の後段の濃縮槽22
に導入することは皆無となる。
【0111】また、この排水処理装置では、沈澱槽19
にて沈澱した汚泥を「後部に沈澱部6を有する返送汚泥
反応槽3」に導入(返送)して処理するので、沈澱槽19
にて沈澱した汚泥が含む未反応薬品を、返送汚泥反応槽
3で再利用することができ、未反応薬品が汚泥として排
出されることがない。したがって、汚泥を沈澱槽19か
ら引き抜いていた従来の排水処理方法と比較して、汚泥
発生量を格段に減少させることができ、結果として汚泥
処分費や消石灰の使用量や脱水機のメンテナンスコスト
等のランニングコストを低減できる。
【0112】また、この排水処理装置は、反応槽である
にもかかわらず、上記返送汚泥反応槽3の沈澱部6に汚
泥搬出ポンプ8が設置されているので、返送汚泥反応槽
3で反応済の汚泥を都合の良い時に、また必要量だけ搬
出することができる。したがって、排水処理装置に汚泥
が過剰に貯量されることがなく、排水処理装置のシステ
ムが安定する効果がある。
【0113】また、この実施形態の排水処理装置は、反
応槽であるにもかかわらず、上記返送汚泥反応槽3が沈
澱部6と上澄部7を有しているので、排水の返送汚泥反
応槽3での反応後、反応沈澱物は沈澱部6に、また上澄
液は上澄部7に移動させて固液分離できる。すなわち、
新たに別の沈澱槽を準備して固液分離するのではなく、
返送汚泥反応槽3の一部で固液分離を実施できるので、
イニシャルコストを低減できる。
【0114】また、この実施形態の排水処理装置は、汚
泥搬出手段がポンプであるので、排水処理装置を容易
に、しかも低コストで構成することができる。
【0115】また、この実施形態の排水処理装置は、フ
ッ素排水を「後部に沈澱部6を有する返送汚泥反応槽
3」、反応槽14、凝集槽16,17、および沈澱槽1
9に順次排水を導入して処理するので、多くの槽を経て
フッ素排水を処理しており、フッ素排水の処理が確実に
できる。また、特に従来の装置には存在しない返送汚泥
反応槽3に汚泥を返送して排水処理するので、一般に返
送汚泥中に含まれる未反応薬品を再利用してランニング
コストを低減できる。
【0116】また、この実施形態の排水処理装置は、返
送汚泥反応槽3で発生した汚泥のみを濃縮槽22に導入
して、その後段で脱水処理するので、上記汚泥は未反応
の消石灰を含まない汚泥、すなわち具体的には反応生成
物としてのフッ化カルシウム汚泥のみとなり、汚泥中に
未反応消石灰を多量に含んでいた沈澱槽19からの汚泥
と比較して、排水処理装置からの発生汚泥量を削減でき
る効果がある。また、未反応消石灰等の未反応薬品を再
利用できるので、資源の有効利用に役立つ効果がある。
【0117】〔策2の実施の形態〕次に、図3に、この
発明の排水処理装置の第2の実施の形態を示す。この策
2の実施の形態は、上澄測定槽11を備えている点のみ
が前述の第1の実施の形態と異なる。したがって、前述
の第1実施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳
細な説明を省略する。
【0118】この第2実施形態では、返送汚泥反応槽
(第2水槽)3と消石灰反応槽(第4水槽)14の間に、新
たに上澄測定槽(第3水槽)11を設置している。返送汚
泥反応槽3からの上澄が上澄測定槽11に流入し、この
上澄の水質を測定するための測定機器12が上澄測定槽
11に設置されている。この測定機器12からの信号線
13は、ポンプ8とポンプ21に接続されている。具体
的には、この測定機器12としては、排水の処理条拌に
よって、SS(サスペンディッドソリッド)濃度計、PH
計のどちらか、または、その両方が選択される。SS濃
度計としては、電気化学計器株式会社のSSD型を採用
した。またPH計としても電気化学計器株式会社のMA
C型を採用した。これらの測定機器は、一般の排水処理
装置で使用するもので特殊な機器ではないので容易に選
定できる。この上澄測定槽11は、排水の滞留時間が2
0分程度の容量を確保すれば充分である。
【0119】そして、上澄測定槽11に設置されている
測定機器12がSS濃度計の場合、上澄測定槽11内の
SS濃度が1000ppm以上となった場合、SS濃度
計の信号が沈澱部ポンプ8の吐出量をインバータ制御に
より増加させると共に、返送汚泥ポンプ21の吐出量を
インバータ制御により減少させて、返送汚泥反応槽3内
の嫌気汚泥ゾーン9における汚泥量を減少させて汚泥量
を適正に保つ。嫌気汚泥ゾーン9における適正汚泥量
は、嫌気汚泥ゾーン9の容量全体の約50%程度以下で
ある。
【0120】次に、上澄測定槽11に設置されている測
定機器12がPH計の場合、上澄測定槽11内のPH計
の値がPH7以上となった場合に、PH計の信号が沈澱
部ポンプ8の吐出量をインバータ制御により増加させ、
かつ返送汚泥ポンプ21の吐出量をインバータ制御によ
り減少させて、返送汚泥反応槽3内の嫌気汚泥ゾーン9
における汚泥量を適正に保ち、上澄測定槽11内のPH
計の値がPH7以下となるように自動制御する。
【0121】尚、返送汚泥ポンプ21における返送汚泥
のPHは、PH8.0〜8.5である。この返送汚泥
は、場合によっては未反応消石灰が多く、それ以上のア
ルカリ性を示す場合もある。返送汚泥のPHが、PH
8.0〜8.5である理由は、返送汚泥が未反応のアル
カリ性を示す消石灰を含有しているからである。
【0122】次に、上澄測定槽11に設置されている測
定機器12が、SS濃度計とPH計の両方の場合、上澄
測定槽11内のSS濃度が1000ppm以上もしくは
PH計の値がPH7以上となった場合に、SS濃度計の
信号もしくはPH計の信号のどちらかが、沈澱部ポンプ
8の吐出量をインバータ制御により増加させ、かつ返送
汚泥ポンプ21の吐出量をインバータ制御により減少さ
せる。これによって、返送汚泥反応槽3内の嫌気汚泥ゾ
ーン9における汚泥量を適正に保ち、上澄測定槽11内
のSS濃度を1000ppm以下にし、かつPH値をP
H7以下に適性に保つようにする。
【0123】図4(a)には、フッ素排水のフッ素濃度が
通常濃度の場合における各槽での処理タイミングチャー
トを示し、図4(b)には、フッ素排水のフッ素濃度が低
い濃度の場合における各槽での処理タイミングチャート
を示す。
【0124】この実施形態の排水処理装置は、上澄測定
槽11の計測機器12の計測結果に基づいて、汚泥搬出
ポンプ8による搬出量と、返送汚泥ポンプ21の吐出量
の両方をインバータ制御するから、排水処理装置内の汚
泥量を適正に管理維持できる。すなわち、排水処理装置
内の汚泥量が適正かどうかは、上澄測定槽11の水質に
よって判断している。汚泥量が多くなれば上澄測定槽1
1の水質に変化があるからである。
【0125】また、この実施形態の排水処理装置は、上
澄測定槽11の計測機器12がSS濃度計である場合、
特に、返送汚泥反応槽3の出口の上澄部7の汚泥濃度
(SS濃度)を適正に管理維持できる。すなわち、返送汚
泥反応槽3の出口の上澄部7の汚泥濃度を適正に管理す
ることによって、返送汚泥反応槽3全体の汚泥量を管理
できる。
【0126】また、この実施形態の排水処理装置は、上
澄測定槽11の計測機器12がPH計である場合、特
に、返送汚泥反応槽3出口の上澄部7のPHを適正に管
理維持できる。すなわち、返送汚泥反応槽3の出口の上
澄部7のPHを適正に管理することによって、返送汚泥
反応槽3全体のPHを管理できる。
【0127】また、この実施形態の排水処理装置は、上
澄測定槽11の計測機器12が、SS濃度計とPH計の
両方を備えている場合、特に、返送汚泥反応槽3の出口
の上澄部7のSS濃度とPHの両方を適正に管理維持で
きる。すなわち、返送汚泥反応槽3の出口の上澄部7の
SS濃度とPHを適正に管理することによって、返送汚
泥反応槽3全体のSS濃度とPHの両方を管理できる。
【0128】〔第3の実施の形態〕次に、図5に、この
発明の排水処理装置の第3の実施の形態を示す。この第
3の実施の形態は、上澄測定槽11が無く、過酸化水素
排水が原水槽1に導入され、生物処理水が返送汚泥反応
槽3に導入される点が前述の第2の実施の形態と異な
る。したがって、前述の第2実施形態と同じ構成部分に
は同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0129】この第3の実施の形態は、第2の実施の形
態と比較して、原水槽1に流入する排水の種類が異な
る。すなわち、前述の第2の実施の形態では、原水槽1
に流入する排水は、フッ素排水のみであったが、この第
3実施形態では、有機物含有フッ素排水と過酸化水素排
水が原水槽1に流入する。また、返送汚泥反応槽3に汚
泥返送ポンプ21による返送汚泥のみならず生物処理水
が流入する点が第2の実施の形態と異なっている。
【0130】この生物処理水には、微生物31が含まれ
ており、返送汚泥反応槽3の上部に流入した時点では、
排水は嫌気汚泥ゾーン9を通過しているので、上部にお
いては、排水は中和されており、微生物31は、有機物
含有フッ素排水中の有機物を栄養源に繁殖する。酸性を
示す有機物含有フッ素排水が嫌気汚泥ゾーン9を通過す
ると中和される。すなわち、嫌気汚泥ゾーン9中に存在
する未反応の消石灰が、有機物含有フッ素排水を中和す
のである。
【0131】返送汚泥反応槽3内には曝気装置が設置さ
れていないので、槽内は嫌気状態となり、微生物の中で
も嫌気性の微生物が特に繁殖する。よって、嫌気性微生
物が持つ還元作用により、排水中の過酸化水素を処理で
きる。嫌気性微生物は、返送汚泥反応槽3、消石灰反応
槽14、ポリ塩化アルミニウム凝集槽16、高分子凝集
剤凝集槽17、沈澱槽19においても、排水中の微量の
有機物を栄養源に繁殖して、排水中の過酸化水素を確実
に分解処理する。排水中の過酸化水素が確実に処理され
るので、過酸化水素によって処理水中のCOD(Chemica
l Oxygen Demand)値が上昇して水質を悪化させることは
ない。
【0132】〔第4の実施の形態〕次に、図6に、この
発明の排水処理装置の第4の実施の形態を示す。この第
4の実施の形態は、返送汚泥反応槽3と消石灰反応槽1
4の間に上澄測定槽11を設置している点のみが前述の
第3の実施の形態と異なる。したがって、前述の第3実
施形態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明
を省略する。
【0133】上澄測定槽11には、上澄の水質を測定す
るための測定機器12が設置されている。また、測定機
器12からの信号線13がポンプ8とポンプ21に接続
されている。測定機器12としては、排水の処理条件に
よって、具体的にはSS濃度計、PH計のどちらか、ま
たは、その両方が選択される。SS濃度計としては、電
気化学計器株式会社のSSD型を採用した。またPH計
としても電気化学計器株式会社のMAC型を採用した。
これらの測定機器は、一般の排水処理装置で使用するも
ので特殊な機器ではないので容易に選定することができ
る。
【0134】上澄測定槽11の容量としては、排水の滞
留時間が10分間程度の容量を確保すれば充分である。
そして、上澄測定槽11に設置されている測定機器12
がSS濃度計の場合、上澄測定槽11内のSS濃度が1
000ppm以上となった場合、SS濃度計の信号が沈
澱部ポンプ8の吐出量をインバータ制御により増加さ
せ、かつ返送汚泥ポンプ21の吐出量をインバータ制御
により減少させる。こうして、返送汚泥反応槽3内の嫌
気汚泥ゾーン9における汚泥量を減少させて汚泥量を適
正に保つ。嫌気汚泥ゾーン9における適正汚泥量は、嫌
気汚泥ゾーン9容量全体の約50%程度以下である。
【0135】次に、上澄測定槽11に設置されている測
定機器12がPH計の場合、上澄測定槽11内のPH計
の値がPH7以上となった場合、PH計の信号が沈澱部
ポンプ8の吐出量をインバータ制御により増加させ、か
つ返送汚泥ポンプ21の吐出量をインバータ制御により
減少させる。これによって、返送汚泥反応槽3内の嫌気
汚泥ゾーン9における汚泥量を適正に保ち、上澄測定槽
11内のPH計の値がPH7以下となるように自動制御
する。なお、返送汚泥ポンプ21における返送汚泥のP
Hは、PH8.0〜8.5である。この返送汚泥のPH
が、PH8.0〜8.5である理由は、返送汚泥が未反
応の消石灰を含有しているからである。
【0136】次に、上澄測定槽11に設置されている測
定機器12が、SS濃度計とPH計の両方の場合、上澄
測定槽11内のSS濃度が1000ppm以上もしくは
PH計の値がPH7以上となった場合、SS濃度計の信
号もしくはPH計の信号のどちらかが、沈澱部ポンプ8
の吐出量をインバータ制御により増加させ、かつ返送汚
泥ポンプ21の吐出量をインバータ制御により減少させ
る。これにより、返送汚泥反応槽3内の嫌気汚泥ゾーン
9における汚泥量を適正に保ち、上澄測定槽11のSS
濃度を1000ppm以下であり、かつPH値をPH7
以下に適性に保つこととなる。
【0137】〔第5の実施の形態〕次に、図7に、この
発明の排水処理装置の第5の実施の形態を示す。この第
5の実施の形態は、原水槽1にフッ素排水に加えてシリ
コン排水が導入される点のみが前述の第1の実施の形態
と異なる。したがって、前述の第1実施形態と同じ構成
部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0138】この第5実施形態は、原水槽1に、フッ素
排水に加えて、シリコン排水も流入する。このフッ素排
水とシリコン排水とが混合された混合排水は、原水槽ポ
ンプ2によって、返送汚泥反応槽3の下部に設置してあ
る下部流入管4から、嫌気汚泥ゾーン9に導入される。
この嫌気汚泥ゾーン9における汚泥はシリコンを含むこ
とになるので、シリコンを含まない汚泥と比較して重く
なり、嫌気汚泥ゾーン9を強固なしっかりとしたゾーン
を形成することができる。
【0139】シリコンは、微細なものの、比重が1より
も大きいので返送汚泥と混合することによって汚泥の性
状を重く変化させて、下部流入管4より吐出する急激な
る水流によって嫌気汚泥ゾーン9のゾーンが崩れるのを
防止する。よって、混合排水が、嫌気汚泥ゾーン9をシ
ョートパスすることがなく、嫌気汚泥ゾーン9に含まれ
る未反応薬品によって処理されないことはない。したが
って、排水処理装置の動作を安定化させることができ
る。
【0140】そして、返送汚泥反応槽3の嫌気汚泥ゾー
ン9のシリコンを含む汚泥は、返送汚泥反応槽3の下部
を沈殿部6の方向に移動して、ついには遮断壁5を越え
て沈澱部6に移動する。沈澱部6の上部には、沈澱部ポ
ンプ8が設置されているため、シリコンを含む汚泥は、
濃縮槽22に移送されて濃縮され、さらにはフィルター
プレスポンプ24によって、フィルタープレス25に導
入されて、脱水処理される。
【0141】〔第6の実施の形態〕次に、図8に、この
発明の排水処理装置の第6の実施の形態を示す。この第
6の実施の形態は、返送汚泥反応槽3と消石灰反応槽1
4の間に上澄測定槽11を設置している点のみが前述の
第5の実施の形態と異なる。同時に、この第6実施形態
は、原水槽1に、フッ素排水だけでなく、シリコン排水
も流入する点だけ第2実施形態と異なる。この第6実施
形態では、第2実施形態と異なる点を重点的に説明す
る。
【0142】この第6の実施の形態は、原水槽1に、フ
ッ素排水だけでなく、シリコン排水も流入する。フッ素
排水とシリコン排水とが混合された混合排水は、原水槽
ポンプ2によって、返送汚泥反応槽3の下部に設置して
ある下部流入管4から、嫌気汚泥ゾーン9に導入され
る。
【0143】嫌気汚泥ゾーン9における汚泥はシリコン
を含むことになるので、シリコンを含まない汚泥と比較
して重くなり、嫌気汚泥ゾーン9を強固なしっかりとし
たゾーンを形成することができる。シリコンは微細なも
のの、比重が1よりも大きいので返送汚泥と混合するこ
とによって汚泥の性状を重く変化させて、下部流入管4
より吐出する急激なる水流によって嫌気汚泥ゾーン9の
ゾーンが崩れるのを防止する。よって、フッ素排水とシ
リコン排水との混合排水が嫌気汚泥ゾーン9をショート
パスすることがなく、嫌気汚泥ゾーン9に含まれる未反
応薬品によって処理されないことはない。
【0144】そして、返送汚泥反応槽3の嫌気汚泥ゾー
ン9のシリコンを含む汚泥は、返送汚泥反応槽3の下部
を沈殿部6の方向に移動して、ついには遮断壁5を越え
て沈澱部6に移動する。沈澱部6の上部には、沈澱部ポ
ンプ8が設置されているため、シリコンを含むフッ化カ
ルシウム汚泥は、濃縮槽としての第8水槽に移送され
て、濃縮され、さらにはフィルタープレスポンプ24に
よって、フィルタープレス25に導入されて、脱水処理
される。
【0145】〔第7の実施の形態〕次に、図9に、この
発明の排水処理装置の第7の実施の形態を示す。この第
7の実施の形態は、次の点のみが前述の第1の実施の形
態と異なる。したがって、前述の第1実施形態と同じ構
成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。こ
の第7の実施の形態と第1実施の形態の差異は、第1実
施の形態の沈澱槽19の代替としてSS分離槽37が設
置してある点である。
【0146】この第7実施形態では、第1実施の形態の
沈澱槽19の代替としてのSS分離槽(第7水槽)37の
内部に、液中膜33が設置されている。この液中膜33
には、液中膜ポンプ34と配管が接続されている。ま
た、液中膜33の下方に、液中膜33を空気洗浄できる
散気管35が配置されている。この散気管35は空気配
管によってブロワー36に接続されている。このブロワ
ー36としては、一般的なルーツ型ブロワー(メーカー
は株式会社アンレット)を選定した。
【0147】また、このSS分離槽37での滞留時間
は、第1実施形態の沈澱槽19と同じように3時間程度
の容量でも良いし、また3時間以下の容量でも良い。
【0148】沈澱槽が自然沈降での物理学的な沈降によ
り、排水を処理していたのに対し、液中膜による処理
は、液中膜33と液中膜ポンプ34による強制的な物理
学的処理である。このため、SS分離槽37は、小さい
容量の水槽でも処理能力が発揮でき、沈澱槽よりも小さ
い容量で良くなるのである。液中膜33の設計次第で
は、沈澱槽容量の約半分の容量でSS分離槽37を構築
しても問題はない。なお、液中膜33としては、限外濾
過膜(株式会社クボタ製)や精密濾過膜(三菱レイヨン株
式会社製)を選定すれば良い。また、SS分離槽37の
材質もコンクリート製でも鉄板製でも良く、特に材質は
限定しない。
【0149】高分子凝集剤凝集槽(第6水槽)17からの
フロック汚泥および未反応薬品等を含む排水は、SS分
離槽37に流入して、液中膜33によって精密に濾過さ
れる。この精密に濾過された処理水は、液中膜ポンプ3
4によって系外に排出される。
【0150】一方、SS分離槽37の下部もしくは、S
S分離槽37全体に貯留された未反応薬品を含む汚泥
は、汚泥返送ポンプ21によって返送汚泥反応槽3に返
送され、未反応薬品がフッ素排水によって処理される。
【0151】なお、図10(a)に、フッ素濃度が通常濃
度の場合における各槽での処理タイミングを示し、図1
0(b)にフッ素濃度が低濃度の場合における各槽での処
理タイミングを示す。
【0152】この実施形態の排水処理装置は、沈澱槽の
代替槽としてのSS分離槽37が設置されているので、
従来の沈澱槽によくあるSS(サスペンディッドソリッ
ド)の流失がなく、処理水のSS濃度を確実に維持でき
る。
【0153】〔第8の実施の形態〕次に、図11に、こ
の発明の排水処理装置の第8の実施の形態を示す。この
第8の実施の形態は、次の点のみが前述の第2の実施
の形態(図2)と異なる。したがって、前述の第2実施形
態と同じ構成部分にば同じ符号を付して詳細な説明を省
略する。
【0154】 この第8の実施の形態と第2実施形態
の差は、第2実施の形態の沈澱槽19の代替としてSS
分離槽(第7水槽)37が設置してある点である。
【0155】この第8実施形態は、第2実施形態の沈澱
槽19の代替としてのSS分離槽37の槽内部に液中膜
33が設置されており、この液中膜33には、液中膜ポ
ンプ34と配管が接続されている。
【0156】液中膜33の下部には、散気管35が配置
されており、液中膜33を空気洗浄できるようになって
いる。この散気管35は、空気配管によってブロワー3
6に接続されている。ブロワー36としては、一般的な
ルーツ型ブロワー(メーカーは株式会社アンレット)を選
定した。
【0157】また、SS分離槽37の容量は、第1実施
形態の沈澱槽19と同様に滞留時間が3時間程度になる
容量でも良いし、また滞留時間が3時間以下になる容量
でも良い。SS分離槽37が沈澱槽よりも小さい容量で
良い理由は、沈澱槽が自然沈降での物理学的な沈降によ
り、排水を処理していたのに対し、液中膜による処理
は、液中膜33と液中膜ポンプ34による強制的な物理
学的処理であるからである。液中膜33の設計次第で
は、沈澱槽容量の約半分の容量でSS分離槽37を構築
しても問題はない。
【0158】なお、液中膜33としては、限外濾過膜
(株式会社クボタ製)や精密濾過膜(三菱レイヨン株式会
社製)を選定すれば良い。
【0159】また、SS分離槽37の材質もコンクリー
ト造でも鉄板製でも良く、特に材質は限定しない。
【0160】高分子凝集剤凝集槽(第6水槽)17からの
フロック汚泥および未反応薬品等を含む排水は、SS分
離槽37に流入して、液中膜33によって精密に濾過さ
れる。この精密に濾過された処理水は、液中膜ポンプ3
4によって系外に排出される。
【0161】一方、SS分離槽37の下部もしくは、S
S分離槽37全体に貯留された未反応薬品を含む汚泥
は、汚泥返送ポンプ21によって返送汚泥反応槽3に返
送され、未反応薬品がフッ素排水によって処理される。
【0162】次に、図12(a)に、フッ素濃度が通常濃
度の場合における各槽での処理タイミングを示し、図1
2(b)に、フッ素濃度が低濃度の場合における各槽での
処理タイミングを示す。
【0163】この実施形態の排水処理装置は、沈澱槽の
代替槽としてのSS分離槽37が設置されているので、
従来の沈澱槽によくあるSS(サスペンディッドソリッ
ド)の流失がなく、処理水のSS濃度を確実に維持でき
る。
【0164】〔第9の実施の形態〕次に、図13に、こ
の発明の排水処理装置の第9の実施の形態を示す。この
第9の実施の形態は、次の点のみが前述の第3の実施の
形態と異なる。したがって、前述の第3実施形態と同じ
構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この第9の実施の形態と第3実施形態の差は、第3実施
形態の沈澱槽19の代替としてSS分離槽37が設置し
てある点である。
【0165】この第9の実施の形態では、第3実施形態
の沈澱槽19の代替としてのSS分離槽37の槽内部に
液中膜33が設置されており、液中膜33は液中膜ポン
プ34と配管に接続されている。
【0166】また、液中膜33の下方に、散気管35が
配置されており、液中膜33を空気洗浄できるようにな
っている。この散気管35は空気配管によってブロワー
36に接続されている。このブロワー36としては、一
般的なルーツ型ブロワー(メーカーは株式会社アンレッ
ト)を選定した。
【0167】この実施形態の排水処理装置は、液中膜3
3の下部に曝気用の散気管35が設置されているので、
液中膜33の表面がSS(サスペンディッドソリッド)に
よって閉塞した時は、散気管35から吐出する空気によ
って洗浄することができ、液中膜33を含めた排水処理
装置の処理機能を長時間にわたって安定化できる。
【0168】また、SS分離槽37の容量は、第1実施
形態の沈澱槽19と同様に滞留時間が3時間程度となる
容量でも良いし、また、滞留時間が3時間以下になる容
量でも良い。SS分離槽37が沈澱槽よりも小さい容量
で良い理由は、沈澱槽が自然沈降での物理学的な沈降に
よって排水を処理していたのに対し、液中膜による処理
は、液中膜33と液中膜ポンプ34による強制的な物理
学的処理であるからである。このため、SS分離槽37
によれば、小さい容量の水槽でも処理能力が発揮できる
のである。液中膜33の設計次第で、沈澱槽容量の約半
分の容量でSS分離槽37を構築しても問題はない。液
中膜33としては、限外濾過膜(株式会社クボタ製)や精
密濾過膜(三菱レイヨン株式会社製)を選定すれば良い。
また、SS分離槽の材質もコンクリート造でも鉄板製で
も良く、特に材質は限定しない。
【0169】この第9実施形態では、高分子凝集剤凝集
槽17からのフロック汚泥および未反応薬品等を含む排
水は、SS分離槽37に流入して、液中膜33によって
精密に濾過される。この精密に濾過された処理水は、液
中膜ポンプ34によって系外に排出される。一方、SS
分離槽37の下部もしくは、SS分離槽37全体に貯留
された未反応薬品を含む汚泥は、汚泥返送ポンプ21に
よって返送汚泥反応槽3に返送され、未反応薬品がフッ
素排水によって処理される。
【0170】また、この実施形態の排水処理装置は、沈
澱槽の代替槽としてのSS分離槽37が設置されている
ので、従来の沈澱槽によくあるSS(サスペンディッド
ソリッド)の流失がなく、処理水のSS濃度を確実に維
持できる。
【0171】また、この実施形態の排水処理装置は、膜
分離装置が液中膜33で構成されているので、SS分離
槽37の水槽内、すなわち水中に設置できて、設置面積
の増加を必要としない効果がある。
【0172】〔第10の実施の形態〕次に、図14に、
この発明の排水処理装置の第10の実施の形態を示す。
この第10の実施の形態は、次の点のみが前述の第4
の実施の形態と異なる。したがって、前述の第4実施形
態と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省
略する。
【0173】 第10の実施の形態と第4実施の形態
の差は、第4実施の形態の沈澱槽19の代替としてSS
分離槽37が設置してある点である。
【0174】この第10実施形態では、第4実施形態の
沈澱槽19の代替としてのSS分離槽37の内部に液中
膜33が設置されており、この液中膜33は、配管によ
って液中膜ポンプ34に接続されている。
【0175】また、液中膜33の下方には、散気管35
が配置されており、液中膜33を空気洗浄できるように
なっている。この散気管35は空気配管によってブロワ
ー36に接続されている。ブロワー36は、一般的なル
ーツ型ブロワー(メーカーは株式会社アンレット)を選定
した。
【0176】この実施形態の排水処理装置は、液中膜3
3の下部に曝気用散気管35が設置されているので、液
中膜33の表面がSS(サスペンディッドソリッド)によ
って閉塞した時は、散気管35から吐出する空気によっ
て洗浄することができ、液中膜33を含めた排水処理装
置の処理機能を長時間にわたって安定化できる。
【0177】上記SS分離槽37の容量は、第1実施形
態の沈澱槽19と同様に、滞留時間が3時間程度となる
容量でも良いし、滞留時間が3時間以下になる容量でも
良い。このSS分離槽37が沈澱槽よりも小さい容量で
良い理由としては、沈澱槽が自然沈降での物理学的な沈
降によって排水を処理していたのに対し、液中膜による
処理は、液中膜33と液中膜ポンプ34による強制的な
物理学的処理であるからである。このため、SS分離槽
37は、小さい容量の水槽でも処理能力が発揮できるの
である。この液中膜33の設計次第で、沈澱槽容量の約
半分の容量でSS分離槽37を構築しても問題がなくな
る。
【0178】液中膜33としては、限外濾過膜(株式会
社クボタ製)や精密濾過膜(三菱レイヨン株式会社製)を
選定すれば良い。また、SS分離槽37の材質もコンク
リート造でも鉄板製でも良く、特に材質は限定しない。
【0179】高分子凝集剤凝集槽17からのフロック汚
泥および未反応薬品等を含む排水は、SS分離槽37に
流入して、液中膜33によって精密に濾過される。この
精密に濾過された処理水は、液中膜ポンプ34によって
系外に排出される。
【0180】一方、SS分離槽37の下部もしくは、S
S分離槽37全体に貯留された未反応薬品を含む汚泥
は、汚泥返送ポンプ21によって返送汚泥反応槽3に返
送され、未反応薬品がフッ素排水によって処理される。
【0181】また、この実施形態の排水処理装置は、沈
澱槽の代替槽としてのSS分離槽37が設置されている
ので、従来の沈澱槽によくあるSS(サスペンディッド
ソリッド)の流失がなく、処理水のSS濃度を確実に維
持できる。
【0182】また、この実施形態の排水処理装置は、膜
分離装置が液中膜33で構成されているので、SS分離
槽37の水槽内、すなわち水中に設置できて、設置面積
の増加を必要としない効果がある。
【0183】〔第11の実施の形態〕次に、図15に、
この発明の排水処理装置の第11の実施の形態を示す。
この第11の実施の形態は、次の点のみが前述の第5の
実施の形態と異なる。したがって、策5の実施の形態と
同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0184】 第11の実施の形態と第5実施形態の
差は、第5実施形態の沈澱槽19の代替としてSS分離
槽37が設置してある点である。
【0185】この第11実施形態では、第5実施形態の
沈澱槽19の代替としてのSS分離槽37の槽内部に液
中膜33が設置されており、この液中膜33は、配管に
よって液中膜ポンプ34に接続されている。
【0186】また、液中膜33の下方には、散気管35
が配置されており、液中膜33を空気洗浄できるように
なっている。この散気管35は空気配管によってブロワ
ー36に接続されている。ブロワー36は、一般的なル
ーツ型ブロワー(メーカーは株式会社アンレット)を選定
した。
【0187】この実施形態の排水処理装置は、液中膜3
3の下部に曝気用散気管35が設置されているので、液
中膜33の表面がSS(サスペンディッドソリッド)によ
って閉塞した時は、散気管35から吐出する空気によっ
て洗浄することができ、液中膜33を含めた排水処理装
置の処理機能を長時間にわたって安定化できる。
【0188】また、SS分離槽37の容量は、第1実施
形態の沈澱槽19と同様に滞留時間が3時間程度となる
容量でも良いし、滞留時間が3時間以下になる容量でも
良い。このSS分離槽37が沈澱槽よりも小さい容量で
良い理由としては、沈澱槽が自然沈降での物理学的な沈
降によって排水を処理していたのに対し、液中膜による
処理は、液中膜33と液中膜ポンプ34による強制的な
物理学的処理であるからである。このため、SS分離槽
37によれば、小さい容量の水槽でも処理能力が発揮で
きるのである。この液中膜33の設計次第では、沈澱槽
容量の約半分の容量でSS分離槽37を構築しても問題
がなくなる。ここで、液中膜33としては、限外濾過膜
(株式会社クボタ製)や精密濾過膜(三菱レイヨン株式会
社製)を選定すれば良い。また、SS分離槽の材質もコ
ンクリート造でも鉄板製でも良く、特に材質は限定しな
い。
【0189】高分子凝集剤凝集槽17からのフロック汚
泥と未反応薬品等を含む排水は、SS分離槽37に流入
して、液中膜33によって精密に濾過される。この精密
に濾過された処理水は、液中膜ポンプ34によって系外
に排出される。
【0190】一方、SS分離槽37の下部もしくはSS
分離槽37全体に貯留された未反応薬品を含む汚泥は、
汚泥返送ポンプ21によって返送汚泥反応槽3に返送さ
れ、未反応薬品がフッ素排水によって処理される。
【0191】この実施形態の排水処理装置は、沈澱槽の
代替槽としてのSS分離槽37が設置されているので、
従来の沈澱槽によくあるSS(サスペンディッドソリッ
ド)の流失がなく、処理水のSS濃度を確実に維持でき
る。また、この実施形態の排水処理装置は、膜分離装置
が液中膜33で構成されているので、SS分離槽37の
水槽内、すなわち水中に設置できて、設置面積の増加を
必要としない効果がある。
【0192】〔第12の実施の形態〕次に、図16に、
この発明の排水処理装置の策12の実施の形態を示す。
この第12の実施の形態は、次の点のみが前述の第6
の実施の形態と異なる。したがって、第6の実施の形態
と同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略
する。
【0193】 第12の実施の形態と第6実施の形態
の差は、第6の実施の形態の沈澱槽19の代替としてS
S分離槽37が設置してある点である。
【0194】この第12実施形態では、第6実施形態の
沈澱槽19の代替としてのSS分離槽37の槽内部に液
中膜33が設置されており、この液中膜33は、配管に
よって液中膜ポンプ34に接続されている。
【0195】また、液中膜33の下方には、散気管35
が配置されており、液中膜33を空気洗浄できるように
なっている。この散気管35は空気配管によってブロワ
ー36と接続されている。このブロワー36は、一般的
なルーツ型ブロワー(メーカーは株式会社アンレット)を
選定した。この実施形態の排水処理装置は、液中膜33
の下部に曝気用散気管35が設置されているので、液中
膜33の表面がSS(サスペンディッドソリッド)によっ
て閉塞した時は、散気管35から吐出する空気によって
洗浄することができ、液中膜33を含めた排水処理装置
の処理機能を長時間にわたって安定化できる。
【0196】また、SS分離槽37の容量は、第1実施
形態の沈澱槽19と同様に、滞留時間が3時間程度とな
る容量でも良いし、滞留時間が3時間以下となる容量で
も良い。
【0197】このSS分離槽37が沈澱槽よりも小さい
容量で良い理由としては、沈澱槽が自然沈降での物理学
的な沈降により、排水を処理していたのに対し、液中膜
による処理は、液中膜33と液中膜ポンプ34による強
制的な物理学的処理であるからである。このため、SS
分離槽37によれば、小さい容量の水槽でも処理能力が
発揮できるのである。この液中膜33の設計次第では、
沈澱槽容量の約半分の容量でSS分離槽37を構築して
も問題がなくなる。この液中膜33としては、限外濾過
膜(株式会社クボタ製)や精密濾過膜(三菱レイヨン株式
会社製)を選定すれば良い。また、SS分離槽37の材
質もコンクリート造でも鉄板製でも良く、特に材質は限
定しない。
【0198】高分子凝集剤凝集槽17からのフロック汚
泥と未反応薬品等を含む排水は、SS分離槽37に流入
して、液中膜33によって精密に濾過される。この精密
に濾過された処理水は、液中膜ポンプ34によって系外
に排出される。
【0199】一方、SS分離槽37の下部もしくはSS
分離槽37全体に貯留された未反応薬品を含む汚泥は、
汚泥返送ポンプ21によって返送汚泥反応槽3に返送さ
れ、未反応薬品がフッ素排水によって処理される。この
実施形態の排水処理装置は、沈澱槽の代替槽としてのS
S分離槽37が設置されているので、従来の沈澱槽によ
くあるSS(サスペンディッドソリッド)の流失がなく、
処理水のSS濃度を確実に維持できる。また、膜分離装
置が液中膜33で構成されているので、SS分離槽37
の水槽内、すなわち水中に設置できて、設置面積の増加
を必要としない効果がある。
【0200】〔第13の実施の形態〕次に、図17に、
この発明の排水処理装置の第13の実施の形態を示す。
第13の実施の形態は、2系統の排水処理装置を設置
し、それぞれの排水の処理水を合流させた内容である。
ただし、濃縮槽22とフィルタープレスポンプ24とフ
ィルタープレス25とは共用しており、1系統しか設置
されていない。
【0201】上記2系統の内、1系統(A系統と表現す
る)は濃縮槽22の上流の処理フローが第1実施の形態
と同様の内容であり、また別の1系統(B系統と表現す
る)は、濃縮槽22の上流の処理フローが第7実施形態
と同様の内容である。
【0202】よって、この第13の実施の形態は、第1
の実施の形態および第7の実施の形態と同じ構成部分に
は同じ符号を付して、この第13実施形態に特有な点を
詳細に説明する。
【0203】図17に示すように、上段の系統であるA
系統における沈澱槽19の処理水は、時として、消石灰
反応槽14やポリ塩化アルミニウム凝集槽16や高分子
凝集剤凝集槽17の条件によってフロックが沈澱槽19
から流出し水質が悪化することがある。また、原水槽1
に流入するフッ素排水の水質が極端に変動した時、時と
して処理水の水質が悪化することがある。
【0204】しかし、下段の系統であるB系統に有るS
S分離槽37では、液中膜33によって、フロック等の
浮遊物質(サスペンディッドソリッド)を確実に濾過処理
するので、A系統のような状況は皆無である。
【0205】また、仮に、消石灰反応槽14やポリ塩化
アルミニウム凝集槽16や高分子凝集剤凝集槽17の反
応状態や凝集状態が悪化して、SS分離槽37におい
て、凝集フロック等が浮く状態に至っても液中膜33に
よって濾過処理できるから、特に問題が発生しない。
【0206】したがって、A系統の水質が悪化した場合
は、B系統で全量処理するか、最終の処理水の水質を把
握しながら、A系統に流入させる水量とB系統に流入さ
せる水量を調節し、目的とする水質を確保することがで
きる。ただし、B系統のみでフッ素排水の排水処理装置
を構築することもできるが、B系統におけるSS分離槽
37に設置してある液中膜33のイニシャルコストは高
いので、A系統とB系統の両方を準備するようにしてい
る。
【0207】また、水質、特に規制物質としてのSS
(浮遊物質)の規制が厳しい地域においては、A系統の排
水処理設備単独よりも、この第13実施形態のように、
A系統とB系統の併用、もしくはイニシャルコストは必
要なもののB系統単独の排水処理装置を設置することが
望ましい。
【0208】〔策14の実施の形態〕次に、図18に、
この発明の排水処理装置の策14の実施の形態を示す。
この第14の実施の形態は、C,Dの2系統の排水処理
装置を設置し、それぞれの排水の処理水を合流させた内
容である。ただし、濃縮槽22やフィルタープレスポン
プ24やフィルタープレス25は共用しており、1系統
しか設置されていない。
【0209】上記2系統の内の1系統(C系統と表現す
る)は濃縮槽22の上流の処理フローが、第2実施形態
と同様の内容であり、また別の1系統(D系統と表現す
る)は、濃縮槽22の上流の処理フローが、前記第8実
施形態と同様の内容である。
【0210】したがって、第2の実施の形態および第8
の実施の形態と同じ構成部分には同じ符号を付して、こ
の第14実施形態の特徴点を詳細に説明する。
【0211】この第14実施形態では、図18の上段の
系統であるA系統における沈澱槽19の処理水は、時と
して、消石灰反応槽14やポリ塩化アルミニウム凝集槽
16や高分子凝集剤凝集槽17の条件によってフロック
が沈澱槽19から流出し水質が悪化することがある。
【0212】また、原水槽1に流入するフッ素排水の水
質が極端に変動した時、時として処理水の水質が悪化す
ることがある。
【0213】しかし、下段の系統であるB系統に存在す
るSS分離槽37では、液中膜33によって、フロック
等の浮遊物質(サスペンディッドソリッド)を確実に処理
するのでA系統のような状況は皆無である。
【0214】仮に、消石灰反応槽14やポリ塩化アルミ
ニウム凝集槽16や高分子凝集剤凝集槽17の反応状態
や凝集状態が悪化し、SS分離槽37において、凝集フ
ロック等が浮く状態に至っても液中膜33によって濾過
処理されるので、特に問題は発生しない。
【0215】したがって、A系統の水質が悪化した場合
は、B系統で全量処理するか、最終の処理水の水質を把
握しながら、A系統に流入させる水量とB系統に流入さ
せる水量を調節することによって、目的とする水質を確
保できる。ただし、B系統のみでフッ素排水の排水処理
装置を構築することもできるが、B系統におけるSS分
離槽37に設置してある液中膜33のイニシャルコスト
は高いので、A系統とB系統の両方を準備するようにし
ている。
【0216】また、水質、特に規制物質としてのSS
(浮遊物質)が厳しい地域においては、A系統の排水処理
設備単独よりも、図18のようにA系統とB系統の併
用、もしくはイニシャルコストは必要なもののB系統単
独の排水処理装置を設置することが望ましい。
【0217】〔実施例〕 [第1実施例]次に、具体的な実施例として、図1に示
す第1実施の形態と同じ構造の実装置を用いた排水処理
実施例を説明する。
【0218】この第1実施例では、原水槽1の容量を約
200立方メートルとし、返送汚泥反応槽3の容量を約
600立方メートルとし、消石灰反応槽14、ポリ塩化
アルミニウム凝集槽16および高分子凝集剤凝集槽17
の、それぞれの容量を約100立方メートルとし、沈澱
槽19の容量を約300立方メートルとした。
【0219】この実施装置で、PHが2.1で、フッ素
濃度が163ppmの排水を処理したところ、処理後の
排水では、PHが7.3で、フッ素濃度が10ppmと
なった。
【0220】[第1実験例]次に、具体的な実験例とし
て、図9に示す第7実施形態と同じ構造の実験装置を用
いた排水処理実験例を説明する。
【0221】この実験例では、原水槽1の容量を約2立
方メートルとし、返送汚泥反応槽3の容量を約6立方メ
ートルとし、消石灰反応槽14、ポリ塩化アルミニウム
凝集槽16および高分子凝集剤凝集槽17の、それぞれ
の容量を約1立方メートルとし、SS分離槽37の容量
を約3立方メートルとした。
【0222】この実施装置で、PHが2.2で、フッ素
濃度が155ppmの排水を処理したところ、処理後の
排水では、PHが7.3で、フッ素濃度が6ppmとな
った。
【0223】
【発明の効果】以上より、明らかなように、この発明の
排水処理方法,排水処理装置は、沈澱槽にて沈澱した汚
泥を「後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽」に導入
(返送)して処理するので、沈澱槽にて沈澱した汚泥が含
む未反応薬品を、返送汚泥反応槽で再利用することがで
き、未反応薬品が汚泥として排出されることがない。し
たがって、汚泥を沈澱槽から引き抜いていた従来の排水
処理方法と比較して、汚泥発生量を格段に減少させるこ
とができ、結果として汚泥処分費や消石灰の使用量や脱
水機のメンテナンスコスト等のランニングコストを低減
できる。
【0224】また、1実施形態の排水処理装置は、反応
槽であるにもかかわらず、上記返送汚泥反応槽の沈澱部
に汚泥搬出手段が設置されているので、返送汚泥反応槽
で反応済の汚泥を必要時に、また必要量だけ搬出するこ
とができる。したがって、排水処理装置に汚泥が過剰に
貯量されることがなく、排水処理装置のシステムが安定
する効果がある。
【0225】また、他の実施形態の排水処理装置は、反
応槽であるにもかかわらず、上記返送汚泥反応槽が沈澱
部と上澄部を有しているので、排水の返送汚泥反応槽で
の反応後、反応沈澱物は沈澱部に、また上澄液は上澄部
に移動させて固液分離できる。すなわち、新たに別の沈
澱槽を準備して固液分離するのではなく、返送汚泥反応
槽の一部で固液分離を実施できるので、イニシャルコス
トを低減できる。
【0226】また、1実施形態の排水処理装置は、汚泥
搬出手段がポンプによる搬出手段であるので、排水処理
装置を容易に、しかも低コストで構成することができ
る。
【0227】また、他の実施形態の排水処理装置は、フ
ッ素排水を「後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽」、
上澄測定槽、反応槽、凝集槽、および沈澱槽に順次排水
を導入して処理するので、多くの槽を経てフッ素排水を
処理しており、フッ素排水の処理が確実にできる。ま
た、特に従来の装置には存在しない返送汚泥反応槽に汚
泥を返送して排水処理するので、一般に返送汚泥中に含
まれる未反応薬品を再利用してランニングコストを低減
できる。また、沈澱槽での汚泥は、すべて返送汚泥反応
槽に導入されるので、従来の排水処理装置における沈澱
槽からの汚泥に含まれていた未反応薬品を含む汚泥を沈
澱槽の後段の濃縮槽に導入することは皆無となる。
【0228】また、1実施形態の排水処理装置は、上澄
測定槽の計測機器によって汚泥搬出手段による搬出量
と、返送汚泥ポンプの吐出量の両方をインバータ制御す
るので、排水処理装置内の汚泥量を適正に管理維持でき
る効果がある。すなわち、排水処理装置内の汚泥量が適
正かどうかは、上澄測定槽の水質によって判断してい
る。汚泥量が多くなれば上澄測定槽の水質に変化がある
からである。
【0229】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
澄測定槽の計測機器がSS濃度計であるので、特に、返
送汚泥反応槽出口の上澄部の汚泥濃度(SS濃度)を適正
に管理維持できる効果がある。すなわち、返送汚泥反応
槽の出口の上澄部の汚泥濃度を適正に管理することによ
って、返送汚泥反応槽全体の汚泥量を管理することがで
きる。
【0230】また、1実施形態の排水処理装置は、上澄
測定槽の計測機器がPH計であるので、特に、返送汚泥
反応槽出口の上澄部のPHを適正に管理維持できる効果
がある。すなわち、返送汚泥反応槽出口の上澄部のPH
を適正に管理することによって、返送汚泥反応槽全体の
PHを管理することができる。
【0231】また、他の実施形態の排水処理装置は、上
澄測定槽の計測機器が、SS濃度計とPH計の両方を備
えているので、特に、返送汚泥反応槽の出口の上澄部の
SS濃度とPHの両方を適正に管理維持できる。すなわ
ち、返送汚泥反応槽の出口の上澄部のSS濃度とPHを
適正に管理することによって、返送汚泥反応槽全体のS
S濃度とPHの両方を管理することができる。
【0232】また、1実施形態の排水処理装置は、沈澱
槽の代替槽としてのSS分離槽が設置されているので、
従来の沈澱槽によくあるSS(サスペンディッドソリッ
ド)の流失がなく、処理水のSS濃度を確実に維持でき
る。
【0233】また、他の実施形態の排水処理装置は、S
S分離槽に膜分離装置が設置されている。一般に膜分離
装置は、設置面積が小面積で濾過水質がよいので、設置
面積をあまり必要とせずに処理水の水質を向上させるこ
とができる。
【0234】また、1実施形態の排水処理装置は、膜分
離装置が液中膜で構成されているので、SS分離槽の水
槽内、すなわち水中に設置できて、設置面積の増加を必
要としない効果がある。
【0235】また、他の実施形態の排水処理装置は、液
中膜が限外濾過膜または精密濾過膜であるので、処理水
の水質を、特にSS濃度に関して実質的に皆無(0pp
mに近い値)にできる。また、液中膜が限外濾過膜また
は精密濾過膜であり、それらは一般に販売されているの
で、排水処理装置を容易に構築することができる。
【0236】また、1実施形態の排水処理装置は、液中
膜の下部に曝気装置が設置されているので、液中膜の表
面がSS(サスペンディッドソリッド)によって閉塞した
時は、曝気装置から吐出する空気によって洗浄すること
ができ、液中膜を含めた排水処理装置の処理機能を長時
間にわたって安定化させることができる。
【0237】また、他の実施形態の排水処理装置は、返
送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入して、
その後段で脱水処理するので、上記汚泥は未反応の消石
灰を含まない汚泥、すなわち具体的には反応生成物とし
てのフッ化カルシウム汚泥のみとなり、汚泥中に未反応
消石灰を多量に含んでいた沈澱槽からの汚泥と比較し
て、排水処理装置からの発生汚泥量を削減できる効果が
ある。また、未反応消石灰等の未反応薬品を再利用でき
るので、資源の有効利用に役立つ効果がある。
【0238】また、1実施形態の排水処理装置は、SS
分離槽から処理水を得るので、SS濃度に関して水質
が、沈澱槽から得る処理水と比較して格段に向上でき
る。また、排水処理装置への流入水の水質が変化して、
反応や凝集が円滑に進行しなくなった時でも、SS分離
槽からSSを確実に分離して処理水を得るのでSS濃度
に関して、格段に良い水質を確保できる効果がある。ま
た、返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入
して、その後脱水処理するので、上記汚泥は未反応の消
石灰を含まない汚泥すなわち具体的にはフッ化カルシウ
ム汚泥のみとなり、汚泥中に未反応消石灰を多量に含ん
でいた沈澱槽からの汚泥と比較して、排水処理装置から
の発生汚泥量を格段に削減できる効果がある。また、未
反応消石灰等の未反応薬品を再利用できるので資源の有
効利用に役立つ効果がある。
【0239】また、他の実施形態の排水処理装置は、フ
ッ素排水が有機物を含有していることと、返送汚泥反応
槽に生物処理水が導入されることにより、返送汚泥反応
槽に微生物、特に、嫌気性の微生物が繁殖することとな
る。嫌気性微生物が繁殖することにより、嫌気性の微生
物が持つ還元性により、フッ素排水中の酸化性のある過
酸化水素を、還元処理できる効果がある。また、微生物
による処理であるため、還元剤等の薬品処理や活性炭に
よる触媒処理と比較してランニングコストを低減できる
効果がある。
【0240】また、1実施形態の排水処理装置は、フッ
素排水が有機物を含有していることと、返送汚泥反応槽
に生物処理水が導入されることにより、返送汚泥反応槽
に微生物、特に、嫌気性の微生物が繁殖することとな
る。嫌気性微生物が繁殖することにより、嫌気性の微生
物が持つ還元性により、フッ素排水中の酸化性のある過
酸化水素を、還元処理できる効果がある。また、SS分
離槽から処理水を得るので、SS濃度に関して水質が、
沈澱槽から得る処理水と比較して格段に向上できる効果
がある。また、排水処理装置への流入水の水質が変化し
て反応や凝集が円滑に進行しなくなった時でも、SS分
離槽からSS(サスペンディッドソリッド)を確実に分離
して処理水を得るので、SS濃度に関して、格段に良い
水質を確保でき、排水処理装置が安定する効果がある。
【0241】また、返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみ
を濃縮槽に導入して、その後脱水処理するので、上記汚
泥は未反応の消石灰を含まない汚泥すなわち具体的には
フッ化カルシウム汚泥のみとなり、汚泥中に未反応消石
灰を多量に含んでいた沈澱槽からの汚泥と比較して、排
水処理装置からの発生汚泥量を格段に削減できる効果が
ある。また、未反応消石灰等の未反応薬品を再利用でき
るので資源の有効利用に役立つ効果がある。
【0242】また、1実施形態の排水処理方法は、原水
槽にフッ素排水と同時にシリコン排水が導入されるの
で、返送汚泥反応槽の嫌気汚泥ゾーンは、シリコンのも
つ汚泥ゾーン形成力によって、汚泥ゾーンの濃度も高ま
り、フッ素排水中のフッ素が未処理のまま、ショートパ
スすることなく排水処理装置を安定化させる効果があ
る。
【0243】また、返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみ
を濃縮槽に導入して、その後脱水処理するので、上記汚
泥は未反応の消石灰を含まない汚泥、すなわち具体的に
は反応生成物としてのフッ化カルシウム汚泥のみとな
り、汚泥中に未反応消石灰を多量に含んでいた沈澱槽か
らの汚泥と比較して、排水処理装置からの発生汚泥量を
削減できる効果がある。また、未反応消石灰等の未反応
薬品を再利用できるので資源の有効利用に役立つ効果が
ある。
【0244】また、他の実施形態の排水処理方法は、原
水槽に、フッ素排水と同時にシリコン排水が導入される
ので、返送汚泥反応槽の嫌気汚泥ゾーンは、シリコンの
もつ汚泥ゾーン形成力によって、汚泥ゾーンの濃度も高
まり、フッ素排水中のフッ素が未処理のまま、ショート
パスすることなく排水処理装置を安定化させる効果があ
る。また、SS分離槽から処理水を得るので、SS濃度
に関して水質が、沈澱槽から得る処理水と比較して格段
に向上できる効果がある。また、排水処理装置への流入
水の水質が変化して反応や凝集が円滑に進行しなくなっ
た時でも、SS分離槽からSSを確実に分離して処理水
を得るのでSS濃度に関して、格段に良い水質を確保で
きる効果がある。また、返送汚泥反応槽で発生した汚泥
のみを濃縮槽に導入して、その後脱水処理するので、上
記汚泥は未反応の消石灰を含まない汚泥すなわち具体的
にはフッ化カルシウム汚泥のみとなり、汚泥中に未反応
消石灰を多量に含んでいた沈澱槽からの汚泥と比較し
て、排水処理装置からの発生汚泥量を格段に削減できる
効果がある。
【0245】また、未反応消石灰等の未反応薬品を再利
用できるので資源の有効利用に役立つ効果がある。
【0246】また、1実施形態の排水処理装置は、内容
が一部異なる2つの系統の排水処理装置を並列に設置し
て排水処理するので、一方の系統の処理水質が悪化した
場合、水質の良い別の系統の流入水量を増加させて排水
処理し、排水処理設備全体の信頼性を高める効果があ
る。また、メンテナンス等で1つの系統を停止する場合
は、それぞれ別の系統で排水処理することができ、排水
処理設備の連続操業維持に効果がある。
【0247】また、他の実施形態の排水処理装置は、沈
澱槽の代替槽としてのSS分離槽が設置されているの
で、従来の沈澱槽によくあるSSの流失がなく、処理水
のSS濃度を確実に維持できる効果がある。また、上澄
測定槽の計測機器によって汚泥搬出手段による搬出量
と、返送汚泥ポンプの吐出量の両方をインバータ制御す
るので、排水処理装置内の汚泥量を適正に管理維持でき
る効果がある。
【0248】すなわち、排水処理装置内の汚泥量が適正
かどうかは、上澄測定槽の水質によって判断している。
汚泥量が多くなれば上澄測定槽の水質に変化があるから
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の排水処理装置の第1の実施の形態
を示す構成図である。
【図2】 図2(a)は通常濃度における上記第1の実施
形態の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャート
であり、図2(b)は低濃度における上記第1の実施形態
の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャートであ
る。
【図3】 この発明の排水処理装置の第2の実施の形態
を示す構成図である。
【図4】 図4(a)は通常濃度における上記第2実施形
態の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャートで
あり、図4(b)は低濃度における上記第2実施形態の各
処理槽での処理時間を示すタイミングチャートである。
【図5】 この発明の排水処理装置の第3の実施の形態
を示す構成図である。
【図6】 この発明の排水処理装置の第4の実施の形態
を示す構成図である。
【図7】 この発明の排水処理装置の第5の実施の形態
を示す構成図である。
【図8】 この発明の排水処理装置の第6の実施の形態
を示す構成図である。
【図9】 この発明の排水処理装置の第7の実施の形態
を示す構成図である。
【図10】 図10(a)は通常濃度における上記第7実
施形態の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャー
トであり、図10(b)は低濃度における上記第7実施形
態の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャートで
ある。
【図11】 この発明の排水処理装置の第8の実施の形
態を示す構成図である。
【図12】 図12(a)は通常濃度における上記第8実
施形態の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャー
トであり、図12(b)は低濃度における上記第8実施形
態の各処理槽での処理時間を示すタイミングチャートで
ある。
【図13】 この発明の排水処理装置の第9の実施の形
態を示す構成図である。
【図14】 この発明の排水処理装置の第10の実施の
形態を示す構成図である。
【図15】 この発明の排水処理装置の第11の実施の
形態を示す構成図である。
【図16】 この発明の排水処理装置の第12の実施の
形態を示す構成図である。
【図17】 この発明の排水処理装置の第13の実施の
形態を示す構成図である。
【図18】 この発明の排水処理装置の第14の実施の
形態を示す構成図である。
【図19】 第1従来例の構成を示す図である。
【図20】 第2従来例の構成を示す図である。
【図21】 第3従来例の構成を示す図である。
【図22】 参考例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…原水槽、2…原水槽ポンプ、3…沈澱部を有する反
応槽(第2水槽)、4…下部流入管、5…遮断壁、6…沈
澱部、7…上澄部、8…沈澱部ポンプ、9…嫌気汚泥ゾ
ーン、10…分離壁、11…上澄測定槽(第3槽)、12
…測定機器、13…信号線、14…消石灰反応槽(第4
水槽)、15…急速撹拌機、16…ポリ塩化アルミニウ
ム凝集槽(第5水槽)、17…高分子凝集剤凝集槽(第6
水槽)、18…緩速撹拌機、19…沈澱槽(第7水槽)、
20…沈澱槽かき寄せ機、21…汚泥返送ポンプ、22
…濃縮槽(第8水槽)、23…濃縮槽かき寄せ機、24…
フィルタープレスポンプ、25…フィルタープレス、2
9…未反応薬品、30…フッ化カルシウム、31…微生
物、32…シリコン、33…液中膜、34…液中膜ポン
プ、35…散気管、36…ブロワー、37…SS分離
槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/52 C02F 1/52 K 1/56 1/56 J K 3/28 3/28 Z (72)発明者 中條 数美 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA93 JA53Z KA01 KA12 KA44 KA72 KB13 KB23 KC14 KD08 KD17 MB02 PA02 PB08 PB70 PC01 PC64 4D038 AA08 AB26 AB41 AB57 BB09 BB13 BB18 BB19 4D040 AA01 AA31 AA61 4D062 BA04 BA05 BA12 BA19 BA21 BA23 BA25 BB09 BB12 CA20 DA04 DA24 DB01 EA07 EA17 EA32 EA37 FA03 FA11 FA25 FA26

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する返
    送汚泥反応槽から後段の沈澱槽に導入し、 上記沈澱槽にて沈澱した汚泥を上記返送汚泥反応槽に導
    入することを特徴とする排水処理方法。
  2. 【請求項2】 フッ素排水が導入され、後部に沈澱部を
    有する返送汚泥反応槽と、 上記返送汚泥反応槽の後段の沈澱槽と、 上記沈澱槽にて沈澱した汚泥を上記返送汚泥反応槽に返
    送する汚泥返送手段とを備えたことを特徴とする排水処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の排水処理装置におい
    て、 上記返送汚泥反応槽の沈澱部に汚泥搬出手段が設置され
    ていることを特徴とする排水処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の排水処理装置におい
    て、 上記返送汚泥反応槽が、前部から後部にかけて順に、反
    応部,沈澱部および上澄部を有することを特徴とする排
    水処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の排水処理装置におい
    て、 上記汚泥搬出手段がポンプによる搬出手段であることを
    特徴とする排水処理装置。
  6. 【請求項6】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する返
    送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応槽、
    凝集槽、および沈澱槽に順次導入して処理し、かつ上記
    沈澱槽で沈澱した汚泥の全量を汚泥返送ポンプで上記返
    送汚泥反応槽に返送することを特徴とする排水処理装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の排水処理装置におい
    て、 上記上澄測定槽の測定機器の測定結果に応じて、 上記返送汚泥反応槽の沈澱部に設置された汚泥搬出手段
    と、上記沈澱槽に設置された返送汚泥ポンプとをインバ
    ーター制御して、 上記汚泥搬出手段による搬出量と、上記返送汚泥ポンプ
    の吐出量の両方を制御することを特徴とする排水処理装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の排水処理装置におい
    て、 上記測定機器を有する上澄測定槽の測定機器がサスペン
    ディッド・ソリッド(suspendid solid)濃度計であるこ
    とを特徴とする排水処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の排水処理装置におい
    て、 上記測定機器を有する上澄測定槽の測定機器がPH計で
    あることを特徴とする排水処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の排水処理装置におい
    て、 上記上澄測定槽が、測定機器として、サスペンディッド
    ・ソリッド濃度計とPH計の両方を備えていることを特
    徴とする排水処理装置。
  11. 【請求項11】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、およびサスペンディッド・ソリッド分離槽
    に順次導入して処理し、かつ上記サスペンディッド・ソ
    リッド分離槽で沈澱した汚泥の全量を汚泥返送ポンプで
    上記返送汚泥反応槽に返送することを特徴とする排水処
    理装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の排水処理装置にお
    いて、 上記サスペンディッド・ソリッド分離槽に、膜分離装置
    が設置されていることを特徴とする排水処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の排水処煙装置にお
    いて、 上記膜分離装置が液中膜で構成されていることを特徴と
    する排水処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の排水処理装置にお
    いて、 上記液中膜が限外濾過膜または精密濾過膜であることを
    特徴とする排水処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の排水処理装置にお
    いて、 上記液中膜の下部に曝気装置が設置されていることを特
    徴とする排水処理装置。
  16. 【請求項16】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、および沈澱槽に順次排水を導入して処理
    し、上記返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に
    導入し、この濃縮槽の後段で脱水処理することを特徴と
    する排水処理装置。
  17. 【請求項17】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、およびサスペンディッド・ソリッド分離槽
    に順次導入して処理し、返送汚泥反応槽で発生した汚泥
    のみを濃縮槽に導入し、その後段の脱水手段で脱水処理
    することを特徴とする排水処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の排水処理装置にお
    いて、 上記フッ素排水が有機物を含有し、かつ、 上記返送汚泥反応槽の前段の原水槽に、上記有機物含有
    フッ素排水に加えて、過酸化水素排水を導入し、かつ、 上記返送汚泥反応槽に生物処理水が導入されることを特
    徴とする排水処理装置。
  19. 【請求項19】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、およびサスペンディッド・ソリッド分離槽
    に順次導入して処理し、上記返送汚泥反応槽で発生した
    汚泥のみを濃縮槽に導入し、その後脱水処理する排水処
    理方法であって、 上記フッ素排水が有機物を含有し、かつ上記返送汚泥反
    応槽の前段の原水槽に、上記有機物含有フッ素排水と共
    に過酸化水素排水を導入し、かつ上記返送汚泥反応槽に
    生物処理水を導入することを特徴とする排水処理方法。
  20. 【請求項20】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、および沈澱槽に順次導入して処理し、上記
    返送汚泥反応槽で発生した汚泥のみを濃縮槽に導入し、
    この濃縮槽の後段で脱水処理する排水処理方法であっ
    て、 上記返送汚泥反応槽の前段の原水槽に、上記フッ素排水
    と共にシリコン排水を導入することを特徴とする排水処
    理方法。
  21. 【請求項21】 フッ素排水を、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、およびサスペンディッド・ソリッド分離槽
    に順次導入して処理し、上記返送汚泥反応槽で発生した
    汚泥のみを濃縮槽に導入し、その後脱水処理する排水処
    理方法であって、 上記返送汚泥反応槽の前段の原水槽に、上記フッ素排水
    と共にシリコン排水を導入することを特徴とする排水処
    理方法。
  22. 【請求項22】 フッ素排水が、後部に沈澱部を有する
    返送汚泥反応槽、測定機器を有する上澄測定槽、反応
    槽、凝集槽、および沈澱槽に順次導入される第1の処理
    系統と、 フッ素排水が、後部に沈澱部を有する返送汚泥反応槽、
    測定機器を有する上澄測定槽、反応槽、凝集槽、および
    サスペンディッド・ソリッド分離槽に順次導入される第
    2の処理系統とを備え、 上記第1,第2の処理系統によって、フッ素排水を並列
    処理すると共に、上記返送汚泥反応槽で発生した汚泥を
    濃縮槽に導入し、脱水機で脱水することを特徴とする排
    水処理装置。
  23. 【請求項23】 請求項11に記載の排水処理装置にお
    いて、 上記上澄測定槽の測定機器の測定結果に応じて、 上記返送汚泥反応槽の沈澱部に設置された汚泥搬出手段
    と、上記サスペンディッド・ソリッド分離槽に設置され
    た返送汚泥ポンプとをインバーター制御して、 上記汚泥搬出手段による搬出量と、上記返送汚泥ポンプ
    の吐出量の両方を制御することを特徴とする排水処理装
    置。
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