JP2001013811A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2001013811A
JP2001013811A JP11187443A JP18744399A JP2001013811A JP 2001013811 A JP2001013811 A JP 2001013811A JP 11187443 A JP11187443 A JP 11187443A JP 18744399 A JP18744399 A JP 18744399A JP 2001013811 A JP2001013811 A JP 2001013811A
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heat
light
fixing
heat ray
transmitting
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Satoru Haneda
哲 羽根田
Hiroyuki Tokimatsu
宏行 時松
Masayasu Onodera
正泰 小野寺
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主としてガラス部材を用いる熱線定着用回転
部材の透光性基体が破損されることなく熱線定着用回転
部材を回転させると共に、定着性を向上する加圧ゴムロ
ーラの構造及び条件を規定する定着装置を提供するこ
と。 【解決手段】 熱線を発する熱線照射手段を内部に有
し、熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体
と、透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性
弾性層と、透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱
線吸収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形
成すると共に、熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、加圧ゴムローラが駆動ローラで
あると共に、加圧ゴムローラのゴム硬度が熱線定着用回
転部材のゴム硬度より高いことを特徴とする定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置に関
し、特にクイックスタートが可能な定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の画
像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成
度が高く安定したものとして熱ローラ定着方式が、低速
機から高速機まで、モノクロ機からフルカラー機まで、
と幅広く採用されている。
【0003】しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の
定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量
の大きな定着用の熱ローラを加熱する必要があるため省
エネルギー効果が悪く、省エネ面で不利であり、また、
プリント時に定着装置を暖めるのに時間がかかりプリン
ト時間(ウォーミングアップ時間)が長くなってしまう
という問題がある。
【0004】これを解決するためフィルム(熱定着フィ
ルム)を用い、熱ローラを熱定着フィルムという究極の
厚みまで持っていき低熱容量化し、温度制御されたヒー
タ(セラミックヒータ)を熱定着フィルムに直接加圧接
触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省エネル
ギーとウォーミングアップ時間を殆ど必要としないクイ
ックスタートとを図ったフィルム定着方式の定着装置や
それを用いた画像形成装置が提案され、最近用いられて
きている。
【0005】また、熱ローラの変形として透光性基体を
熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)として用い、内
部に設けたハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線
をトナーに照射して加熱定着し、ウォーミングアップ時
間を要せずクイックスタートを図った定着方法が、特開
昭52−106741号公報、同57−82240号公
報、同57−102736号公報、同57−10274
1号公報等により開示されている。また、透光性基体の
外周面に光吸収層を設けて熱線定着ローラ(熱線定着用
回転部材)を構成し、円筒状の透光性基体内部に設けた
ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの光を、透光性基
体の外周面に設けた光吸収層で吸収させ、光吸収層の熱
によりトナー像を定着させる定着方法が特開昭59−6
5867号公報により開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭52−106741号公報等の開示による、ハロゲ
ンランプ(熱線照射手段)からの熱線を透光性基体を通
して照射し、トナーを加熱定着する方法や特開昭59−
65867号公報の開示による、透光性基体の外周面に
光吸収層(熱線吸収層)を設けて熱線定着ローラ(熱線
定着用回転部材)を構成し、ハロゲンランプ(熱線照射
手段)からの熱線を透光性基体を通して光吸収層に照射
し、該光吸収層の熱によりトナーを定着する方法等にお
いては、省エネルギーとウォーミングアップ時間を短縮
したクイックスタートとが図られたものの、熱線定着用
回転部材においては、熱線定着用回転部材の透光性基体
の素材として主に円筒状のガラス部材を用いているた
め、熱線定着用回転部材を駆動しようとして、熱線定着
用回転部材に軸受部材(ベアリング)を嵌込むフランジ
部材を圧入すると透光性基体が割れ易く、熱線定着用回
転部材の駆動が困難である。また、熱線定着用回転部材
と対向して設けられる加圧ゴムローラとのニップ部での
定着性を向上する、加圧ゴムローラの構造及び条件が必
要となる。
【0007】本発明は上記の問題点を解決し、主として
ガラス部材を用いる熱線定着用回転部材の透光性基体が
破損されることなく熱線定着用回転部材を回転させると
共に、定着性を向上する加圧ゴムローラの構造及び条件
を規定する定着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、転写材上の
トナー像を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定
着装置において、熱線を発する熱線照射手段を内部に有
し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基
体と、該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透
光性弾性層と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収
する熱線吸収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部
材を形成すると共に、前記熱線定着用回転部材に対向し
て加圧ゴムローラを設けるもので、前記加圧ゴムローラ
が駆動ローラであると共に、前記加圧ゴムローラのゴム
硬度が前記熱線定着用回転部材のゴム硬度より高いこと
を特徴とする定着装置(第1の発明)によって達成され
る。
【0009】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱
線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、該透
光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記加圧ゴムローラが駆動ロー
ラであると共に、逆クラウン形状であることを特徴とす
る定着装置(第2の発明)によって達成される。
【0010】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱
線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、該透
光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記加圧ゴムローラが駆動ロー
ラであると共に、前記加圧ゴムローラの駆動歯車を中心
として、前記駆動歯車の弧方向に変位可能であることを
特徴とする定着装置(第3の発明)によって達成され
る。
【0011】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱
線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、該透
光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記加圧ゴムローラのゴム硬度
が80°以下であることを特徴とする定着装置(第4の
発明)によって達成される。
【0012】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱
線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、該透
光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記加圧ゴムローラの外径が6
0mm以下で、前記熱線定着用回転部材とで形成される
ニップ幅が10mm以下であることを特徴とする定着装
置(第5の発明)によって達成される。
【0013】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱
線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、該透
光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記加圧ゴムローラの外径が6
0mm以下で、前記加圧ゴムローラのゴムローラ層の厚
さが2mm以上であることを特徴とする定着装置(第6
の発明)によって達成される。
【0014】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱
線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、該透
光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記熱線定着用回転部材の外径
をφ1、前記加圧ゴムローラの外径をφ2とするとき、
φ1<φ2とすることを特徴とする定着装置(第7の発
明)によって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0016】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形
成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構に
ついて、図1ないし図6を用いて説明する。図1は、本
発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施
形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図
2は、図1の像形成体の側断面図であり、図3は、定着
装置の構造を示す説明図であり、図4は、図3のロール
状の熱線定着用回転部材の拡大断面構成図であり、図5
は、図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸収層
の濃度分布を示す図であり、図6は、図3のロール状の
熱線定着用回転部材の透光性基体の外径と厚さとを示す
図である。
【0017】図1または図2によれば、像形成体である
感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹
脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外
周に、透光性の導電層、有機感光層(OPC)の光導電
体層を形成したものである。
【0018】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により透光性の導電層を接地された状態で図1
の矢印で示す時計方向に感光体ドラム10が回転され
る。
【0019】感光体ドラム10は前フランジ10aと後
フランジ10bとにより挟持され、前フランジ10aが
装置本体の前側板501に取付けられるカバー503に
設けられたガイドピン10P1によって軸受支持され、
後フランジ10bが装置本体の後側板502に取付けら
れる複数のガイドローラ10Rに外嵌して感光体ドラム
10が保持される。後フランジ10bの外周に設けられ
た歯車10Gを駆動用の歯車G1に噛合し、その動力に
より透明の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す
時計方向に感光体ドラム10が回転される。
【0020】本発明では、画像露光用の露光ビームの結
像点である感光体ドラムの光導電体層において、光導電
体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコ
ントラストを付与できる波長の露光光量を有していれば
よい。従って、本実施形態における感光体ドラムの透光
性の基体の光透過率は、100%である必要はなく、露
光ビームの透過時にある程度の光が吸収されるような特
性であってもよく、要は、適切なコントラストを付与で
きればよい。透光性の基体の素材としては、アクリル樹
脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを用い重
合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において
優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材
などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各
種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対し透
光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導
電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化
錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、A
g、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜
が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸
着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工
法、スプレー塗布法などが利用される。また、光導電体
層としては各種有機感光層(OPC)が使用される。
【0021】光導電体層の感光層としての有機感光層
は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層
(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電
荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光
層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いた
めに有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。
なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送
物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされ
てもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、
通常バインダ樹脂が含有される。
【0022】以下に説明する帯電手段としてのスコロト
ロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系1
2、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色
(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されて
おり、本実施形態においては、図1の矢印にて示す感光
体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順
に配置される。
【0023】帯電手段としてのスコロトロン帯電器11
は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して
直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム
10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持さ
れた制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11
aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性の
コロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においては
マイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な
電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他
ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0024】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。装置本体の後側板5
02に設けられたガイドピン10P2と、前側板501
に取付けられるカバー503に設けられたガイドピン1
0P1と、を案内として固定される円柱状の保持部材2
0に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ド
ラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはそ
の他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッ
センス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子を
アレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0025】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロト
ロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対
して感光体ドラムの回転方向上流側に設けた状態で、感
光体ドラム10の内部に配置される。
【0026】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感
光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に
潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の
発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い6
80〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面か
ら像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に
有しないこれより短い波長でもよい。
【0027】各色毎の現像手段としての現像器13は、
内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像
剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5mm〜1m
m、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレス
あるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像
スリーブ131を備えている。
【0028】現像領域では、現像スリーブ131は、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100μm〜1000μmをあけて非接触
に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置に
おいて順方向に回転しており、現像スリーブ131に対
して現像バイアスとしてトナーと同極性(本実施形態に
おいてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交
流電圧ACを重畳する電圧を印加することにより、感光
体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行わ
れる。この時の現像間隔精度は画像ムラを防ぐために2
0μm程度以下が必要である。
【0029】以上のように現像器13は、スコロトロン
帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光に
よって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非
接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のト
ナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であ
り、トナーは負極性)により反転現像する。
【0030】画像形成のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により駆動用の歯車G1を通して感光
体ドラム10の後フランジ10bに設けられた歯車10
Gが回動され感光体ドラム10を図1の矢印で示す時計
方向へ回転し、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯
電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始され
る。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露
光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像デ
ータに対応する電気信号による露光が開始され感光体ド
ラム10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画
像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成さ
れる。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で
反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)の
トナー像が形成される。
【0031】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11
の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12
の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに
対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器13
による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)
のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わ
せて形成される。
【0032】同様のプロセスにより、Cのスコロトロン
帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系1
2及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0033】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有
機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム1
0の外部から露光してもよい。
【0034】一方、転写材としての記録紙Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0035】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器1
50の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域
へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された
記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態に
おいてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段とし
ての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上の
カラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0036】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより
除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置
17へと搬送される。
【0037】定着装置17はカラートナー像を定着する
ための上側のロール状の熱線定着用回転部材(上側の定
着部材ともいう)としての熱線定着ローラ17aと、下
側の定着部材としての加圧ゴムローラ47aとにより構
成され、熱線定着ローラ17aの内部中心には、光源に
よっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線
を発光するハロゲンランプ171gやキセノンランプ
(不図示)が熱線照射手段として配設される。
【0038】熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ4
7aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持さ
れ、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラー
トナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により
送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0039】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリー
ニング装置19に設けられたクリーニングブレード19
aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された
感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一
様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0040】図3に示すように、定着装置17は転写材
上のトナー像を定着するための上側の高い弾性を有する
ロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)とし
ての熱線定着ローラ17aと、弾性を有する下側の定着
部材としての加圧ゴムローラ47aとにより構成され、
高い弾性を有する熱線定着ローラ17aと弾性を有する
加圧ゴムローラ47aとの間で形成される、幅15mm
以下、好ましくは5mm以上のニップ部Nで記録紙Pを
挟持し、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のト
ナー像を定着する。転写材である記録紙Pは上側に設け
られるロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部
材)としての熱線定着ローラ17aに先端部を突き当て
て進入され、ニップ部Nを通過される。上側に設けられ
るロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)と
しての熱線定着ローラ17aには、ニップ部Nの位置よ
り熱線定着ローラ17aの回転方向に、定着分離爪TR
3、定着オイルクリーニングローラTR1、熱均一化ロ
ーラTR4、オイル塗布ローラTR2が設けられ、オイ
ルを含浸させたフェルト部材を円筒状のアルミパイプや
紙管等に巻き付けたオイル塗布ローラTR2により熱線
定着ローラ17aにオイルが塗布される。定着オイルク
リーニングローラTR1により熱線定着ローラ17aの
周面上のオイルがクリーニングされる。従って熱均一化
ローラTR4、及び後述する、熱線定着ローラ17aの
温度を測定する温度検知手段である温度センサTS1
は、定着オイルクリーニングローラTR1とオイル塗布
ローラTR2との間のクリーニングされた熱線定着ロー
ラ17aの周面に設けられる。定着分離爪TR3により
定着後の転写材が分離される。また、アルミ材やステン
レス材等の熱伝導性の良好な金属ローラ部材やヒートパ
イプを用いた熱均一化ローラTR4により熱線吸収層1
71bにより加熱される熱線定着ローラ17a周面の発
熱温度分布が均一化される。熱均一化ローラTR4によ
り転写材の通紙に伴う熱線定着ローラ17aの縦方向及
び横方向の温度むらが均一化される。
【0041】転写材上のトナー像を定着するための熱線
定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ロ
ーラ17aは、円筒状の透光性基体171aと、該透光
性基体171aの外側(外周面)に透光性弾性層171
dと熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に
設けた高い弾性のソフトローラとして構成される。透光
性基体171a内部中心に、光源によっては可視光を含
んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発光する熱線照射
手段であるハロゲンランプ171gやキセノンランプ
(不図示)が設けられる。熱線定着用回転部材としての
熱線定着ローラ17aは、後述するようにして弾性の高
いソフトローラとして構成される。ハロゲンランプ17
1gやキセノンランプ(不図示)より発光された熱線が
熱線吸収層171bにより吸収され急速加熱が可能なロ
ール状の熱線定着用回転部材が形成される。
【0042】また、下側の定着部材としての加圧ゴムロ
ーラ47aは、例えばアルミ材を用いた芯金471a
と、該芯金471aの外周面に、例えばシリコンゴム材
を用いた、厚さ2mm以上、好ましくは10mm以下
で、後段において詳述するように、上記熱線定着ローラ
17aの透光性弾性層171dよりゴム硬度が高いゴム
層よりなるゴムローラ層471bとによりローラ部材を
形成し、該ローラ部材のゴムローラ層471bの外側
(外周面)に離型性を有するPFA、PTFA等の耐熱
性のフッ素樹脂のチューブ471cを被覆した弾性を有
するソフトローラとして構成される。また、ゴムローラ
471bの表面にも当接して従動回転する、アルミ材や
ステンレス材等の熱伝導性の良好な金属ローラ部材を用
いた熱均一化ローラTR4が設けられ、熱均一化ローラ
TR4により加圧ゴムローラ47a周面の発熱温度分布
が均一化される。熱均一化ローラTR4としては、蓄熱
と放熱とを兼ねるヒートパイプを用いることが好まし
い。
【0043】上側の高い弾性を有するソフトローラと下
側の弾性を有するソフトローラとの間に上側を凸状とす
るニップ部Nが形成されトナー像の定着が行われる。
【0044】TS1は上側の熱線定着ローラ17aに取
付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサ
ーミスタを用いた温度検知手段である温度センサであ
り、TS2は下側の加圧ゴムローラ47aに取付けられ
た温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタ
を用いた温度センサである。温度センサTS1,TS2
としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用い
ることも可能である。
【0045】図4によれば、熱線定着ローラ17aの構
成は、図4(a)に断面を示すように、円筒状の透光性
基体171aとしては、厚さ1〜20mm、好ましくは
2〜5mm厚で、ハロゲンランプ171gやキセノンラ
ンプ(不図示)よりの赤外線或いは遠赤外線等の熱線を
透過するパイレックスガラス、サファイヤ(Al
23)、CaF2等のセラミック材(熱伝導率が(5〜
20)×10-3J/cm・s・K、比熱が(0.5〜
2.0)×J/g・K、比重が1.5〜3.0)が主と
して用いられ、ポリイミド、ポリアミド等を使用した透
光性樹脂(熱伝導率が(2〜4)×10-3J/cm・s
・K、比熱が(1〜2)×J/g・K、比重が0.8〜
1.2)等も用いることが可能である。例えば熱線定着
ローラ17aの透光性基体171aとして、内径32m
m、外径40mmで、層厚(厚さ)4mmのパイレック
スガラス(比熱が0.78J/g・K、比重が2.3
2)を用いたときの透光性基体171aのA−3サイズ
幅(297mm)当たりでの熱容量Q1は約60cal
/degである。また、透光性基体171aを通過させ
る熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜
3μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調
整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好ま
しくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径
が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性
(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線
透過性)のITO、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシ
ウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させ
たもので透光性基体171aを形成してもよい。層中で
1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好まし
くは0.1μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸
収層171bに到達させるのに好ましい。上記の如く、
透光性基体171aはあまり熱伝導性が良くない。
【0046】透光性弾性層171dは、厚さ0.5mm
以上、10mm以下、好ましくは2mm以上、5mm以
下の厚さの例えばシリコンゴムやフッ素ゴムを用い、熱
線(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外
線)を透過する熱線透過性のゴム層(ベース層)で形成
される。透光性弾性層171dとしては高速化対応のた
めに、ベース層(シリコンゴム)にフィラーとしてシリ
カ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末
を配合させて熱伝導率を向上させる方法がとられ、熱伝
導率が(1〜3)×10-3J/cm・s・K、比熱が
(1〜2)×J/g・K、比重が0.9〜1.0のゴム
層を用いる。例えば熱線定着ローラ17aの透光性弾性
層171dとして、外径50mmで、層厚(厚さ)5m
mのシリコンゴム(比熱が1.1J/g・K、比重が
0.91)を用いたときの透光性弾性層171dのA−
3サイズ幅(297mm)当たりでの熱容量Q2は約5
0cal/degである。ゴム層は熱伝導率がガラス部
材を用いた透光性の基体(熱伝導率が(5〜20)×1
-3J/cm・s・K)より1桁低いので断熱性を有す
る層の役割をする。熱伝導率を高めると一般的にゴム硬
度が高くなる傾向があり、例えば通常40Hsのものが
60Hs(JIS、Aゴム硬度)近くまで高くなってし
まう。好ましいゴム硬度は5Hs以上、60Hs以下
(JIS、Aゴム硬度)である。熱線定着用回転部材の
透光性弾性層171dの大部分はこの高い弾性を有する
ベース層で占められており、加圧時の圧縮量はベース層
のゴム硬度で決定される。透光性弾性層171dの中間
層はオイル膨潤防止のために耐油層としてフッ素系ゴム
が20〜300μmの厚さで塗られている。透光性弾性
層171dのトップ層のシリコンゴムとしては、HTV
(High Temperature Volcani
zing)よりも離型性のよいRTV(Room Te
mperature Volcanizing)やLT
V(Low Temperature Volcani
zing)が中間層並の厚さで被覆されている。また、
透光性弾性層171dを通過させる熱線の波長は0.1
〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるので、硬
度や熱伝導率の調整剤として、粒径が熱線の波長の1/
2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて
平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱
線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは
遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシ
ウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させ
たもので透光性弾性層171dを形成してもよい。層中
で1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ま
しくは0.1μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線
吸収層171bに到達させるのに好ましい。透光性弾性
層171dを設けることにより、熱線定着用回転部材と
しての熱線定着ローラ17aが弾性の高いソフトローラ
として構成される。
【0047】熱線吸収層171bとしては、ハロゲンラ
ンプ171gやキセノンランプ(不図示)より発光さ
れ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて
吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光
性弾性層171dを透過した熱線の略100%にあたる
90〜100%、好ましくは95〜100%の熱線を熱
線吸収層171bにより吸収し瞬時加熱が可能な熱線定
着用回転部材を形成するように、樹脂バインダにカーボ
ンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェライト
及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(F
23)等の粉末を混入した熱線吸収部材を用い、厚さ
10〜500μm、好ましくは20〜100μm厚の熱
線吸収部材を透光性弾性層171dの外側(外周面)に
吹付け或いは塗布等により形成する。熱線吸収層171
bの熱伝導率は前記透光性弾性層171dのゴム層(熱
伝導率が(1〜3)×10-3J/cm・s・K、比熱が
(1〜2)×J/g・K、比重が0.9〜1.0)と比
べて、カーボンブラック等の吸収剤の添加により、やや
高めの(3〜10)×10-3J/cm・s・K(比熱が
(〜2.0)×J/g・K、比重が(〜0.9))に設
定することができる。熱線吸収層171bとしてはニッ
ケル電鋳ローラ等の金属ローラ部材を同様の厚さで設け
てもよい。この時、熱線を吸収するために内側(内周
面)は黒色酸化処理をしておくことが好ましい。熱線吸
収層171bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、
例えば20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた
熱線により熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ
17aがモノクロ画像形成に用いられた場合、フィルミ
ング等により熱線定着ローラ17aの特定位置の表面に
黒トナーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱
が起き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて
起こり熱線吸収層171bを破損する。またカラー画像
形成に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般
に低く、かつカラートナー間に吸収効率の差があること
から定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、ハ
ロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より
発光され、透光性基体171a及び透光性弾性層171
dにて吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及
び透光性弾性層171dを透過した熱線が熱線吸収層1
71bで完全に吸収されるように熱線吸収層171bの
熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ま
しくは95〜100%とする。これにより、分光特性が
異なることで熱線により定着することが困難なカラート
ナーの溶融が良好に行われ、特に図1でのカラー画像形
成において、分光特性が異なることで熱線により定着す
ることが困難なトナー層の厚い転写材上の重ね合わせカ
ラートナー像の溶融が良好に行われる。また、熱線吸収
層171bの厚さが10μm未満で薄いと、熱線吸収層
171bでの熱線の吸収による加熱速度は速いが、薄膜
による局所的な加熱による熱線吸収層171bの破損や
強度不足の原因となり、熱線吸収層171bの厚さが5
00μmを越えて厚過ぎると、熱伝導不良となったり、
熱容量が大きくなり急速加熱が成しにくくなる。熱線吸
収層171bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜
100%、好ましくは95〜100%としたり、熱線吸
収層171bの厚さを10〜500μm、好ましくは2
0〜100μmとすることにより、熱線吸収層171b
での局所的な発熱が防止され、均一な発熱が行われる。
また、熱線吸収層171bに投光される熱線の波長は
0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるの
で、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が加えられ
るが、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以
下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、
好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(光源によって
は可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、
酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微
粒子を樹脂バインダに5〜50重量%分散させたもので
熱線吸収層171bを形成してもよい。このようにし
て、熱線吸収層171bは温度がすぐに上がるように熱
容量を小さくしてあるので、熱線定着用回転部材として
の熱線定着ローラ17aに温度低下が生じ、定着ムラが
発生するという問題を防止する。熱線吸収層171bと
しては、弾性を有するシリコンゴムやフッ素ゴムに、カ
ーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェラ
イト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ
(Fe23)等の粉末を混入したものを用いてもよい。
例えば熱線定着ローラ17aの熱線吸収層171b(或
いは後述する兼用層171B)として、外径50mmの
透光性弾性層171dの表面(外周面)に、層厚(厚
さ)50μmのフッ素樹脂(比熱が2.0J/g・K、
比重が0.9)を用いたときの熱線吸収層171b(或
いは兼用層171B)のA−3サイズ幅(297mm)
当たりでの熱容量Q3は約1.0cal/degであ
る。熱線吸収層171bとしてはニッケル電鋳ベルトの
ように金属フィルム部材を用いることもできる。この
時、熱線吸収のために内側(内周面)は黒色酸化処理を
しておくことが望ましい。
【0048】また熱線吸収層171bと分離して熱線吸
収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性を
良好とするため、厚さ30〜100μmのPFA(フッ
素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PF
AまたはPTFE)塗料を20〜30μm塗布した離型
層171c(熱伝導率が(1〜10)×10-3J/cm
・s・K、比熱が(〜2.0)×J/g・K、比重が
(〜0.9))を設ける(分離型)。
【0049】さらに図4(b)に断面を示すように、カ
ーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe 34)や各種フェラ
イト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ
(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バイ
ンダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはPT
FE)塗料とを混入して配合し、図4(a)にて前述し
た熱線吸収層171bと離型層171cとを一体として
離型性を有する兼用層171Bを、透光性基体171a
の外側(外周面)に形成された透光性弾性層171dの
外側(外周面)に形成し、高い弾性を有するロール状の
熱線定着用回転部材を形成してもよい。兼用層171B
の熱伝導率は熱線吸収層171bの熱伝導率と略同様
で、(3〜10)×10-3J/cm・s・K(比熱が
(〜2.0)×J/g・K、比重が(〜0.9))であ
る。前述したと同様に、ハロゲンランプ171gやキセ
ノンランプ(不図示)より発光され、透光性基体171
a及び透光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線
で、透光性基体171a及び透光性弾性層171dを透
過した熱線が完全に吸収されるように兼用層171Bの
熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ま
しくは95〜100%とする。兼用層171Bでの熱線
吸収率が90%程度よりも低く、例えば20〜80%程
度であると熱線が漏れて、漏れた熱線により熱線定着用
回転部材がモノクロ画像形成に用いられた場合、フィル
ミング等により熱線定着用回転部材の特定位置の表面に
黒トナーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱
が起き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて
起こり兼用層171Bを破損する。またカラー画像形成
に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般に低
く、かつカラートナー間に吸収効率の差があることから
定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、ハロゲ
ンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発光
され、透光性基体171a及び透光性弾性層171dに
て吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透
光性弾性層171dを透過した熱線が熱線定着用回転部
材内で完全に吸収されるように兼用層171Bの熱線吸
収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは
95〜100%とする。また、兼用層171Bでの局所
的な発熱も防止され、均一な発熱が行われる。また、兼
用層171Bに投光される熱線の波長は0.1〜20μ
m、好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーと
して硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱
線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2
次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.
1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含ん
だ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バイ
ンダに分散させたもので兼用層171Bを形成してもよ
い。
【0050】図5によれば、ロール状の熱線定着用回転
部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17a
の熱線吸収層171bに前述した熱線吸収部材の濃度分
布を均一に設けると境界にある熱線吸収層171bで発
熱が集中することになり、透光性弾性層171d側へ熱
が流失しやすいので、透光性基体171aより低熱伝導
性部材を用いたり、濃度分布を設けて熱線吸収層171
b内部で熱を発生させることが発熱分布を分散させる観
点から好ましい。熱線吸収層171bの濃度分布はグラ
フ(イ)で示すように、内接する透光性弾性層171d
側の界面を低濃度とし外周面側に向かって傾斜をつけ順
次高くし、外周面側の手前(熱線吸収層171bの厚さ
tに対し、透光性弾性層171d側から2/3〜4/5
程度の位置)で100%吸収する濃度となるようにして
飽和するようにする。これにより、熱線吸収層171b
での熱線の吸収による発熱分布は、グラフ(ロ)に示す
ように、熱線吸収層171bの中央部近傍に最大値を有
し、熱線吸収層171bの界面や外周面近傍で最小値を
とる放物線状に形成される。或いは熱線吸収層171b
の界面や外周面に透光性の耐熱性樹脂(ポリイミドやフ
ッ素樹脂やシリコン樹脂)を10〜500μm厚、好ま
しくは20〜100μmを設けることが好ましい。ま
た、透光性基体171aより低熱伝導性部材として熱の
流失を押さえることが好ましい。これにより、前記界面
での熱線の吸収による発熱を小さくし、熱の流出を防止
し、界面での接着層の破損や熱線吸収層171bの破損
を防止する。また、外周面側の手前(熱線吸収層171
bの厚さtに対し、透光性基体171a側から2/3〜
4/5程度の位置)より外周面までの濃度分布を飽和す
るようにし、特に、兼用層171Bを用いた場合にも、
外周表面層が削られても影響の無いようにする。なお点
線で示すように、飽和層を形成してもよい。要するに、
十分に内部で吸収が行われれば外側での濃度の影響はな
くなる。削れの影響も生じない。また、濃度分布に前記
傾斜を設け、傾斜角の変更により発熱分布を調整するこ
とができる。
【0051】また図6に示すように、ロール状の熱線定
着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ロー
ラ17aの円筒状の透光性基体171aの外径をφ1、
厚さをt1とするとき、透光性基体171aの外径φ1
としては、15〜60mmのものが用いられ、厚さt1
としては、厚い方が強度の点で良く、薄い方が熱容量の
点で良いが、強度と熱容量との関係から、円筒状の透光
性基体171aの外径φ1と厚さt1との関係は、 0.02≦t1/φ1≦0.20 とし、好ましくは 0.04≦t1/φ1≦0.10 とする。透光性基体171aの外径φ1が40mmでは
透光性基体171aの厚さt1は、0.8mm≦t1≦
8mm、好ましくは1.6mm≦t1≦4.0mmのも
のが用いられる。透光性基体171aでのt1/φ1が
0.02未満では強度不足となり、t1/φ1が0.2
0を越えると熱容量が大きくなり熱線定着ローラ17a
の加熱が長引くことになる。また、透光性基体といって
も材料によっては1〜20%程度の熱線を吸収する場合
があり、強度の保てる範囲で薄い方が好ましい。
【0052】図3にて説明した定着装置17を用いるこ
とにより定着部(ニップ部)での変形に強いと共に、ク
イックスタート(急速加熱)が可能な定着装置が可能と
なり、さらに、熱線定着用回転部材の弾性によるソフト
な定着部(ニップ部)での加圧と、該熱線定着用回転部
材の熱線吸収層による加熱とにより、分光特性が異なる
ことで熱線により定着することが困難なカラートナーの
溶融が良好に行われ、カラートナーのクイックスタート
(急速加熱)定着が可能となる。また省エネルギー効果
が得られる。
【0053】しかしながら、上記定着装置17の熱線定
着用回転部材としての熱線定着ローラ17aにおいて
は、熱線定着ローラ17aの透光性基体171aの素材
として主に円筒状のガラス部材を用いているため、熱線
定着ローラ17aを駆動しようとして、熱線定着ローラ
17aに軸受部材(ベアリング)を嵌込むフランジ部材
を圧入すると透光性基体171aが割れ易く、熱線定着
ローラ17aの駆動が困難である。また特に、熱線定着
ローラ17aと対向して設けられる加圧ゴムローラ47
aとのニップ部Nでの定着性を向上するための加圧ゴム
ローラの構造及び条件が必要となる。
【0054】主としてガラス部材を用いる熱線定着用回
転部材の透光性基体の破損を防止すた熱線定着用回転部
材の回転と、定着性を向上するための加圧ゴムローラの
構造及び条件とについて、図7ないし図10を用いて説
明する。図7は、透光性基体の破損防止の構造と加圧ゴ
ムローラの構造及び条件とを説明するための図3の定着
装置の側断面図であり、図8は、図7の加圧ゴムローラ
の圧着解除動作を示す図であり、図9は、加圧ゴムロー
ラの好ましい形状を示す図であり、図10は、熱線定着
用回転部材の外径と加圧ゴムローラの外径との好ましい
条件を示す図である。
【0055】図7ないし図9によれば、図7に定着装置
17の側断面を示すように、熱線定着用回転部材(上側
の定着部材)である熱線定着ローラ17aは透光性基体
171aと、その外側(外周面)に透光性断熱層171
eと熱線吸収層171bとをその順に設けた高い弾性を
有するソフトローラとして構成されるが、円筒状の透光
性基体171aの中心軸と平行して、透光性基体171
aの外周面の両端部に、例えば耐熱性のポリイミド樹脂
等の樹脂部材を用いる回転軸としての樹脂フランジJF
1を設ける。透光性基体171aの外側(外周面)端部
に設けられる熱膨張率の大きな樹脂フランジJF1によ
り、主としてガラス部材を用いる透光性基体171aの
加熱時の熱膨張による透光性基体171aの破損が防止
される。ベアリングホルダBH1に圧入される軸受部材
であるベアリングB1に、回転軸としての樹脂フランジ
JF1が嵌込まれ、熱線定着ローラ17aが回転可能に
保持させる。
【0056】また、芯金471aとゴムローラ層471
bと耐熱性のフッ素樹脂等のチューブ471cとにより
形成される弾性を有するソフトローラとして構成される
下側の定着部材としての加圧ゴムローラ47aは、後述
するように、加圧ゴムローラ47aの圧着並びに圧着解
除を行う圧着解除手段により上側の熱線定着ローラ17
aに圧着された状態で、加圧ゴムローラ47aの両端を
両側端に設けられるベアリングホルダBH2に圧入され
るベアリングB2に嵌込まれ、回転可能に保持される。
上側の高い弾性を有するソフトローラと下側の弾性を有
するソフトローラとの間に上側を凸状(図3参照)とす
るニップ部Nが形成されトナー像の定着が行われる。
【0057】定着側板SBに設けられ、定着駆動モータ
M1に結合する駆動歯車Gbの駆動を受け、加圧ゴムロ
ーラ47aの芯金471aの一方の端部に固定され、駆
動歯車Gbと噛合う歯車Gaが回転されて、加圧ゴムロ
ーラ47aが駆動回転され、熱線定着ローラ17aが従
動回転される。駆動歯車Gbと歯車Gaとはエンドレス
状のカプリングベルトCBにより結合される。
【0058】また加圧ゴムローラ47aが熱線定着ロー
ラ17aの駆動ローラに適した条件として、熱線定着ロ
ーラ17aのゴム硬度は熱線定着ローラ17aを構成す
る透光性弾性層171dのゴム硬度により決められる
が、加圧ゴムローラ47aのゴム硬度を上側の熱線定着
用回転部材としての熱線定着ローラ17aのゴム硬度よ
り高く設定する。
【0059】上記により、主としてガラス部材を用いる
熱線定着用回転部材の透光性基体が破損されることが防
止されると共に、加圧ゴムローラのゴムローラ層の変形
が少なく、加圧ゴムローラがスリップすることなく駆動
ローラとして作用し、熱線定着用回転部材の精度良い回
転が行われる。
【0060】また加圧ゴムローラ47aは前述したよう
に、熱線定着ローラ17aの駆動ローラであると共に、
整形が容易であるので、図9に示すように、中間部が細
い鼓状の逆クラウン形状とすることが好ましい。これに
より、転写材のニップ部への進入時に、転写材の両端部
が先にニップ部に加えられ、転写材が中央から端部に押
し広げられるようにして進入され、転写材の定着しわが
防止される。
【0061】また、加圧ゴムローラの圧着及び圧着解除
を行う圧着解除手段を図7に示すが、定着装置17の一
側端に設けられる圧着駆動モータM2の駆動を受けて回
転される偏芯カムHCが上支点に達する際に、バネSP
1の引っ張り力に抗して偏芯カムHCがベアリングホル
ダBH2の下端を押し上げ、ベアリングホルダBH2が
ガイド面GP1をスライドして上昇されて、加圧ゴムロ
ーラ47aが熱線定着ローラ17aに圧着される。偏芯
カムHCの上支点において圧着駆動モータM2の回転が
停止され、熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47
aとが所定の加圧力にて圧着される。偏芯カムHCの上
支点において圧着駆動モータM2の回転が停止され、熱
線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47aとが所定の
加圧力にて圧着される。また、電気的な制御、例えば圧
着駆動モータM2の反対回転信号により圧着駆動モータ
M2を回転したり、偏芯カムHCの周面に沿って設けら
れるマイクロスイッチ(不図示)の信号により圧着駆動
モータM2の回転を制御したり、ユーザが機械的に偏芯
カムHCを回転する等して、偏芯カムHCを下支点に回
転し、熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47aと
の圧着が解除される。また圧着の際にも同様に、電気的
な制御、例えば圧着駆動モータM2の反対回転信号によ
り圧着駆動モータM2を回転したり、偏芯カムHCの周
面に沿って設けられるマイクロスイッチ(不図示)の信
号により圧着駆動モータM2の回転を制御したり、ユー
ザが機械的に偏芯カムHCを回転するなどして、偏芯カ
ムHCを上支点に回転し、熱線定着ローラ17aと加圧
ゴムローラ47aとを圧着するようにしてもよく、熱線
定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47aとが所定の加
圧力に到達した時点で、圧着駆動モータM2の圧着回転
を停止するようにしてもよい(圧着並びに圧着解除を行
う圧着解除手段)。
【0062】上記圧着或いは圧着解除の際には、図8に
示すように、カプリングベルトCBにて駆動歯車Gbと
結合される加圧ゴムローラ47a端部に設けられた歯車
Gaが、加圧ゴムローラ47aの駆動歯車Gbを中心と
して、駆動歯車Gbの円弧に沿って回転され(弧方向に
変位可能とされ)、圧着或いは圧着解除が行われる。こ
れにより、加圧ゴムローラの圧着及び圧着解除が容易に
行われ得る。
【0063】また、熱線定着ローラ17aの透光性弾性
層171dは、厚さ0.5mm以上、10mm以下、好
ましくは2mm以上、5mm以下であり、また加圧ゴム
ローラ47aのゴムローラ層は熱線定着ローラ17aの
透光性弾性層171dより厚い、厚さ2mm以上、好ま
しくは10mm以下とすることが好ましい。これによ
り、幅広いニップ部が形成され、従動回転される熱線定
着用回転部材の回転が良好に行われる。
【0064】また加圧ゴムローラ47aの第1の条件と
しては、図4にて前述したように、熱線定着ローラ17
aのゴム硬度は熱線定着ローラ17aを構成する透光性
弾性層171dのゴム硬度により決められ、5Hs以
上、60Hs以下(JIS、Aゴム硬度)であるが、加
圧ゴムローラ47aのゴム硬度は80Hs(JIS、A
ゴム硬度)以下、好ましくは20Hs以上とし、上側の
熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aのゴ
ム硬度より高く設定することが好ましい。加圧ゴムロー
ラ47aのゴム硬度が80Hsを越えて高過ぎると、ゴ
ム硬度の低い熱線定着ローラ17aを損傷させる恐れが
あり、また加圧ゴムローラ47aのゴム硬度が20Hs
未満で低過ぎると、柔らかいゴムローラ層471bが偏
肉してスリップを起こす。
【0065】上記により、スリップがなく良好な定着性
能が得られるニップ部が形成される。
【0066】また加圧ゴムローラ47aの第2の条件と
しては、図6にて前述したように、熱線定着ローラ17
aの外径(φ1)は15〜60mmのものが用いられる
が、一般的に熱線定着ローラ17aの外径と加圧ゴムロ
ーラ47aの外径とは同外径で用いられ、加圧ゴムロー
ラ47aの外径(φ2)は60mm以下で、図3にて前
述したように、熱線定着ローラ17aとで形成されるニ
ップ部Nの幅は、15mm以下、好ましくは5mm以上
と設定することが好ましい。加圧ゴムローラ47aの外
径が60mmを越えて大き過ぎると、熱線定着ローラ1
7aの熱が加圧ゴムローラ47aにとられて熱線定着ロ
ーラ17aの昇温が遅くなる。また加圧ゴムローラ47
aの外径が小さ過ぎると、ニップ部Nの幅が広くとれな
い。
【0067】上記により、良好な定着性能が得られるニ
ップ部が形成される。
【0068】また加圧ゴムローラ47aの第3の条件と
しては、加圧ゴムローラ47aの外径(φ2)を小さく
してニップ部Nの幅を広くするように、加圧ゴムローラ
47aの外径は60mm以下で、加圧ゴムローラ47a
のゴムローラ層471bの厚さを2mm以上、好ましく
は10mm以下に設定することが好ましい。
【0069】上記により、良好な定着性能が得られるニ
ップ部が形成される。
【0070】図10によれば、転写材である記録紙Pは
上側に設けられるロール状の熱線定着用回転部材(上側
の定着部材)としての熱線定着ローラ17aに先端部を
突き当てて進入されてニップ部Nを通過されるが、熱線
定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47aとのニップ部
Nで定着される記録紙Pの分離時の離型性をさらに向上
させると共に、熱線定着ローラ17aの昇温を早くする
ため、熱線定着用回転部材である熱線定着ローラ17a
の外径をφ1、加圧ゴムローラ47aの外径をφ2とす
るとき、 φ1<φ2 と設定することが好ましい。即ち、熱線定着ローラ17
aの外径φ1を小さくして熱容量を減らすと共に、表面
発熱量を大きくして熱線定着ローラ17aの昇温時間を
短くする(ウォーミングアップ時間を早くする)。ま
た、熱線定着ローラ17aの外径φ1を小さくし、ニッ
プ部Nの転写材の分離位置での熱線定着ローラ17aの
曲率を大きくすることにより、熱線定着ローラ17aと
加圧ゴムローラ47aとのニップ部Nで定着される記録
紙Pの分離時の離型性をさらに向上させる。一方、熱線
定着ローラ17aの外径φ1を小さくすることにより定
着性が劣ってくることから、加圧ゴムローラ47aの外
径φ2を大きくしてニップ部Nの幅を稼ぐものである。
【0071】また加圧ゴムローラ47aが熱線定着ロー
ラ17aの駆動ローラとして適するように、熱線定着ロ
ーラ17aのゴム硬度は熱線定着ローラ17aを構成す
る透光性弾性層171dのゴム硬度により決められ、5
Hs以上、60Hs以下(JIS、Aゴム硬度)である
が、加圧ゴムローラ47aのゴム硬度を80Hs(JI
S、Aゴム硬度)以下、好ましくは20Hs以上とし、
上側の熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17
aのゴム硬度より高く設定することが好ましい。加圧ゴ
ムローラ47aのゴム硬度が80Hsを越えて高過ぎる
と、ゴム硬度の低い熱線定着ローラ17aを損傷させる
恐れがあり、また加圧ゴムローラ47aのゴム硬度が2
0Hs未満で低過ぎると、柔らかいゴムローラ層471
bが偏肉してスリップを起こす。これにより、スリップ
がなく良好な定着性が得られるニップ部が形成される。
【0072】また、加圧ゴムローラ47aの外径φ2は
60mm以下が好ましく、加圧ゴムローラ47aの外径
φ2が60mmを越えて大き過ぎると、熱線定着ローラ
17aの熱が加圧ゴムローラ47aにとられて熱線定着
ローラ17aの昇温速度が遅くなってしまう。
【0073】さらに、熱線定着ローラ17aの外径φ1
と加圧ゴムローラ47aの外径φ2との比、φ1/φ2
を、 0.5≦φ1/φ2≦0.9 と設定することが、昇温速度、離型性からみてさらに好
ましい。熱線定着ローラ17aの外径φ1と加圧ゴムロ
ーラ47aの外径φ2との比φ1/φ2が0.5未満で
小さいと、ニップ部Nの幅が狭すぎ定着性が悪くなる。
また、熱線定着ローラ17aの外径φ1と加圧ゴムロー
ラ47aの外径φ2との比φ1/φ2が0.9を越えて
大きいと、熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47
aとのニップ部Nで定着される記録紙Pの分離時の離型
性が低下したり、熱線定着ローラ17aの昇温速度が遅
くなってしまう。
【0074】上記により、熱線定着用回転部材の昇温が
早められると共に、熱線定着用回転部材と加圧ゴムロー
ラとで形成されるニップ部で定着される転写材の分離時
の離型性がさらに向上される。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、主としてガラス部材を
用いる熱線定着用回転部材の透光性基体が破損されるこ
となく熱線定着用回転部材が回転されると共に、定着性
を向上する加圧ゴムローラの構造及び条件が得られる。
【0076】特に請求項1によれば、主としてガラス部
材を用いる熱線定着用回転部材の透光性基体が破損され
ることが防止されると共に、加圧ゴムローラのゴムロー
ラ層の変形が少なく、加圧ゴムローラがスリップするこ
となく駆動ローラとして作用し、熱線定着用回転部材の
精度良い回転が行われる。
【0077】特に請求項2によれば、加圧ゴムローラの
方が逆クラウンを整形し易く、加圧ゴムローラに設けら
れる逆クラウンにより定着しわが防止される。
【0078】特に請求項3によれば、加圧ゴムローラの
圧着及び圧着解除が容易に行われ得る。
【0079】特に請求項4または5によれば、幅広いニ
ップ部が形成され、従動回転される熱線定着用回転部材
の回転が良好に行われる。
【0080】特に請求項6によれば、スリップがなく良
好な定着性能が得られるニップ部が形成される。
【0081】特に請求項7または8によれば、良好な定
着性能が得られるニップ部が形成される。
【0082】特に請求項9ないし12によれば、熱線定
着用回転部材の昇温が早められると共に、熱線定着用回
転部材と加圧ゴムローラとで形成されるニップ部で定着
される転写材の分離時の離型性がさらに向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装
置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図
である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】定着装置の構造を示す説明図である。
【図4】図3のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断
面構成図である。
【図5】図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸
収層の濃度分布を示す図である。
【図6】図3のロール状の熱線定着用回転部材の透光性
基体の外径と厚さとを示す図である。
【図7】透光性基体の破損防止の構造と加圧ゴムローラ
の構造及び条件とを説明するための図3の定着装置の側
断面図である。
【図8】図7の加圧ゴムローラの圧着解除動作を示す図
である。
【図9】加圧ゴムローラの好ましい形状を示す図であ
る。
【図10】熱線定着用回転部材の外径と加圧ゴムローラ
の外径との好ましい条件を示す図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 17 定着装置 17a 熱線定着ローラ 47a 加圧ゴムローラ 171a 透光性基体 171B 兼用層 171b 熱線吸収層 171c 離型層 171d 透光性弾性層 171g ハロゲンランプ CB カプリングベルト Gb 駆動歯車 HC 偏芯カム M1 定着駆動モータ M2 圧着駆動モータ P 記録紙

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記加圧ゴムローラが駆動ローラであると共に、前記加
    圧ゴムローラのゴム硬度が前記熱線定着用回転部材のゴ
    ム硬度より高いことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記加圧ゴムローラが駆動ローラであると共に、逆クラ
    ウン形状であることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記加圧ゴムローラが駆動ローラであると共に、前記加
    圧ゴムローラの駆動歯車を中心として、前記駆動歯車の
    弧方向に変位可能であることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 前記熱線定着用回転部材の透光性弾性層
    は0.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜3
    の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧ゴムローラのゴムローラ層は前
    記熱線定着用回転部材の前記透光性弾性層より厚いこと
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の定着装
    置。
  6. 【請求項6】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記加圧ゴムローラのゴム硬度が80°以下であること
    を特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記加圧ゴムローラの外径が60mm以下で、前記熱線
    定着用回転部材とで形成されるニップ幅が15mm以下
    であることを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記加圧ゴムローラの外径が60mm以下で、前記加圧
    ゴムローラのゴムローラ層の厚さが2mm以上であるこ
    とを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対
    して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性のゴム層よりなる透光性弾
    性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記熱線定着用回転部材の外径をφ1、前記加圧ゴムロ
    ーラの外径をφ2とするとき、 φ1<φ2 とすることを特徴とする定着装置。
  10. 【請求項10】 前記加圧ゴムローラのゴム硬度が前記
    熱線定着用回転部材のゴム硬度より高いことを特徴とす
    る請求項9に記載の定着装置。
  11. 【請求項11】 前記加圧ゴムローラの外径φ2が60
    mm以下であることを特徴とする請求項9または10に
    記載の定着装置。
  12. 【請求項12】 前記熱線定着用回転部材の外径φ1と
    前記加圧ゴムローラの外径φ2との比、φ1/φ2を、 0.5≦φ1/φ2≦0.9 とすることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に
    記載の定着装置。
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