JP2001012363A - ギヤポンプ - Google Patents

ギヤポンプ

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JP2001012363A JP11178741A JP17874199A JP2001012363A JP 2001012363 A JP2001012363 A JP 2001012363A JP 11178741 A JP11178741 A JP 11178741A JP 17874199 A JP17874199 A JP 17874199A JP 2001012363 A JP2001012363 A JP 2001012363A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ギヤポンプの対をなすギヤが噛み合う際に生じ
る閉塞領域内に作動流体が閉じ込められる閉じ込み現象
は、騒音や振動の原因となっている。 【解決手段】本ギヤポンプでは、ハウジング1の空洞に
一対のサイドプレート12を嵌め込み、その間に区画す
るギヤ室14内に一対のギヤ3,4を支持する。サイド
プレート12のギヤ側側面12に流体溜め穴80を形成
した。流体溜め穴80は、入口開口81を閉塞領域内に
有し、出口を有しない。入口開口81は噛み合いの作用
線Lを挟む両側に一対で設けられる。 【効果】吐出室と閉塞領域とが連通する場合であって
も、流体溜め穴は流出先を有しないので、流量損失を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに噛み合う一
対のギヤの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプに関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、ギヤポンプは、簡単な構造を有する小型軽量のポ
ンプとして種々の産業分野に用いられている。この種の
ギヤポンプの構造としては、ハウジング内部の空洞に一
対のサイドプレートを嵌め合わせてギヤ室を区画し、こ
のギヤ室の内部に互いに噛み合う一対のギヤを収容し
て、各ギヤの支軸を各サイドプレートに形成した支持孔
によって嵌合支持すると共に、ギヤ室の内部に両ギヤの
噛み合い位置を挟んで作動流体の吸込室および吐出室を
形成したタイプのものが一般的である。
【0003】ところで、ギヤポンプのギヤの噛み合い部
分では、各サイドプレートおよび噛合する各ギヤ歯で形
成される閉塞領域に油が閉じ込められる、いわゆる閉じ
込み現象を生じて、閉じ込められた油がギヤの回転に伴
って圧縮されるときに、非常な高圧が生じる結果、振動
や騒音が発生するという問題がある。この問題に対し
て、本願出願人は、閉塞領域と支持孔とを連通する流路
を備えたギヤポンプを提案している(例えば、特開平1
1−13644号等)。このギヤポンプでは、図6に示
すように、高圧側の吐出室90と低圧側の吸込室91と
は、駆動ギヤ96と従動ギヤ97との噛み合い点92で
区画されており、この噛み合い点92の両側の近傍に一
対の閉塞領域93,94(図6にハッチングを施し
た。)が区画されている。この一対の閉塞領域93,9
4と連通するように、流路の閉塞領域側入口開口95が
設けられ、流路は流出先となる支持孔に出口を有してい
た。このギヤポンプでは、閉じ込みに起因した振動や騒
音を防止できるとともに、支持孔への潤滑を確保するこ
とができる。その一方で、このギヤポンプは、ギヤ室の
閉塞領域から流路を通じて支持孔へ油を流出させるの
で、流量損失を生じる場合が懸念される。
【0004】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、ギヤポンプの閉じ込み現象に起因した振動
や騒音を防止できるとともに、流量損失を抑制できるギ
ヤポンプを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
態様は、ハウジング内部の空洞に一対のサイドプレート
を嵌め合わせてギヤ室を区画し、このギヤ室の内部に互
いに噛み合う一対のギヤを収容して、各ギヤの支軸を各
サイドプレートを介して支持すると共に、上記ギヤ室の
内部に両ギヤの噛み合い点を挟んで作動流体の吸込室お
よび吐出室を形成したギヤポンプにおいて、上記サイド
プレートのギヤ側側面には、両サイドプレートおよび噛
合する各ギヤ歯で形成される閉塞領域に臨む入口開口を
有し、且つ出口を持たない流体溜め穴が形成されている
ことを特徴とするギヤポンプを提供する。
【0006】本態様によれば、ギヤの回転に伴って、閉
塞領域内に閉じ込められた作動流体の一部を流体溜め穴
に収容できるので、作動流体の圧縮率が抑制される結
果、閉じ込み圧の上昇が抑制される。ところで、ギヤの
回転に伴い、閉塞領域と吐出室とが連通する場合がある
(図6参照)。この吐出室90と連通している状態の閉
塞領域93に入口開口95を設ける場合を想定すると、
流出先のある流路をサイドプレートに設けた従来のギヤ
ポンプでは、吐出室90から閉塞領域93を介して入口
開口95を通り流路を経て流出先へ作動流体が流出して
しまうので、流量損失の増大が懸念される。これに対し
て、本発明では流体溜め穴の流出先を無くしたので、流
量損失を抑制することができる。
【0007】請求項2に記載の発明の態様は、請求項1
に記載のギヤポンプにおいて、上記流体溜め穴は一対が
形成され、各流体溜め穴の入口開口は、支軸の軸方向か
ら見たときに両ギヤの噛み合いの作用線を挟んだ両側に
それぞれ配置されていることを特徴とするギヤポンプを
提供する。ここで、噛み合いの作用線とは、両ギヤ同士
の噛み合い点が、ギヤの回転に伴って移動する軌跡であ
る。両ギヤの噛み合い点を挟んだ両側に、上述の閉塞領
域は一対が区画されている。これら一対の閉塞領域は、
噛み合い点が噛み合いの作用線に沿って移動するのに伴
って吸込室と吐出室とにそれぞれ連通する場合がある。
このような状態で、図6に示すように、仮に上述の入口
開口95が作用線Lにまたがって形成されている場合を
想定すると、一対の閉塞領域93,94は入口開口95
を通して互いに連通するので、吸込室91と吐出室90
とが互いに連通し、その結果、流量損失が発生する虞が
ある。
【0008】これに対して本態様によれば、流体溜め穴
が作用線を回避しているので、両閉塞領域間の仕切りを
維持でき、これにより、吸込室および吐出室の連通を防
止できる結果、この連通に起因した流量損失の発生を防
止できる。しかも、流体溜め穴を各閉塞領域に対応して
それぞれ配置するので、各閉塞領域での閉じ込み圧を確
実に抑制できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、添
付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施
の形態にかかるギヤポンプの概略構成を示す正面図であ
る。図2は、図1のII−II線に沿う断面側面図であり、
ハッチングを省略してある。
【0010】本ギヤポンプは、その中央部を貫通する長
円形断面の空洞10aを有する本体筒10の両側を、こ
れの全面を覆う態様にねじ止めされた一対の蓋板11に
より塞いで構成されたハウジング1を備えている。この
ハウジング1の内部には、空洞10aの両側から嵌挿さ
れた、例えば、アルミニウム合金製の一対のサイドプレ
ート12同士の間にギヤ室14が区画されている。この
ギヤ室14内には、互いに対をなす駆動ギヤ3と従動ギ
ヤ4とが配置されている。
【0011】ハウジング1の空洞10aは、蓋板11と
本体筒10との間に介在しているOリング19により密
封され、このOリング19は蓋板11の環状溝に収容さ
れている。また、空洞10a内において、対向するサイ
ドプレート12と蓋板11との間には、サイドプレート
12の収容溝に収容されたシール13が設けられてい
る。
【0012】駆動ギヤ3および従動ギヤ4の支軸30,
40は、長円形断面を有するギヤ室14の両側の半円部
の軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設さ
れている。すなわち、支軸30,40は各サイドプレー
ト12にそれぞれ一対形成された支持孔31,41によ
り両持ち支持されている。支軸30は、一対の支持孔3
1により支持され、一方の蓋板11を貫通して外部に延
長され、この延長端に伝達される図示しないモータ等の
動力源からの駆動力により回転駆動される駆動軸を構成
している。また、支軸30には、ギヤ室14の内部にお
いて駆動ギヤ3が一体回転可能に装着されている。支軸
30が蓋板11を貫通する部分にはオイルシール17が
配置されている。
【0013】また、支軸40は、一対の支持孔41によ
って支持され、各サイドプレート12の支持孔41内に
軸端を有する従動軸を構成している。支軸40には、ギ
ヤ室14の内部において従動ギヤ4が装着されている。
従動ギヤ4の支軸40への装着では、軸回りの回転を拘
束してもよいし軸回りの回転を許容してもよい。従動ギ
ヤ4は、両支軸30,40の軸心を含む平面近傍範囲内
において駆動ギヤ3と噛み合い、支軸30により駆動さ
れる駆動ギヤ3の回転に伴って、支軸40と共に(或い
は支軸40の回転を伴わずに)従動回転するようにして
ある。
【0014】図2には、駆動ギヤ3およびこれに連動す
る従動ギヤ4の回転方向が矢符により示してあり、両ギ
ヤ3,4の噛み合い位置を挟んだ両側には、回転方向側
に吸込室5が、反回転方向側に吐出室6が形成されてい
る。これら吸込室5および吐出室6は、本体筒10の対
応位置に開口する吸込口15および吐出口16を介し
て、ハウジング1外の図示しない吸込先および吐出先に
それぞれ接続されるようにしてある。
【0015】図3において、サイドプレート12のギヤ
側側面12aには、両ギヤ3,4の噛み合い位置から吸
込室5側へ延びる逃げ溝63および吐出室6側へ延びる
逃げ溝64が形成されている。これらの逃げ溝63,6
4は、両ギヤ3,4の噛み合い位置で作動流体が各サイ
ドプレート12と各噛み合いギヤ歯とで形成される閉塞
領域に閉じ込められる、いわゆる閉じ込みの発生を防止
するためのものである。両逃げ溝63,64は、両ギヤ
3,4の噛み合い中心位置を避けるようにして設けら
れ、互いの間に所定の距離が確保されている。これは両
逃げ溝63,64を連通させてしまうと、吸込室5と吐
出室6とが連通されて、ポンプ機能を果たせなくなるの
で、これを防止するためである。また、ギヤ側側面12
aには、各支持孔31,41と吸込室5とをそれぞれ連
通する連通溝65が形成されている。
【0016】一方、図1を参照して、サイドプレート1
2の反ギヤ側側面12bでは、シール13を境界とし
て、互いに対向するサイドプレート12と蓋板11との
間の空間が、吸込室5に連通する低圧側空間と、吐出室
6と連通する高圧側空間とに仕切られている。このよう
に、サイドプレート12の背面である反ギヤ側側面12
bには、シール13で仕切られた状態で、低圧の作動流
体および高圧の作動流体が背圧として作用し、これが、
サイドプレート12に吐出圧に応じて負荷されるので、
サイドプレート12と両ギヤ3,4との間の隙間が高精
度で維持される結果、高圧時のポンプ効率を高く維持で
きる。
【0017】このような構成により、吸込口15を経て
吸込室5に導入される作動流体は、吸込室5に臨む駆動
ギヤ3および従動ギヤ4の歯間に受け入れられ、両ギヤ
3,4の回転により、それぞれの歯間と本体筒10の内
周面との間に封止された状態で搬送され、吐出室6に送
り出される。吐出室6への送り出しを終えた駆動ギヤ3
と従動ギヤ4とは、両ギヤ3,4の噛み合い位置を経て
吸込室5側に向き、この吸込室5内の作動流体を再度受
け入れて吐出室6側へ送り出す作用をなす。
【0018】以上の如く行われるギヤポンプの動作中、
駆動ギヤ3と従動ギヤ4との噛み合い点近傍で、一方の
歯の歯底と、他方の歯の歯先との間に形成される閉塞領
域に、作動流体が閉じ込められる、いわゆる閉じ込みが
生じて、その結果、非常な高圧を発生し振動や騒音を発
生するおそれがある。本実施形態では、閉じ込みを防止
するために、サイドプレート12のギヤ側側面12a
に、閉塞領域から作動流体の一部を受け入れる流体溜め
穴80を設けている。これにより、上述の逃げ溝63,
64による閉じ込み防止の効果に加えて、より一層確実
な閉じ込み防止を図っている。
【0019】以下、詳細に説明する。流体溜め穴80
は、図1に示すように、複数個、例えば、一対のサイド
プレート12のそれぞれに各一対で合計4個設けられて
いる。流体溜め穴80は、サイドプレート12のギヤ側
側面12aに入口開口81を有し、そこから所定深さで
支持孔31の中心軸線71と平行に形成され(支持孔4
1の中心軸線72と平行でもよい。)、流体溜め穴80
は、入口開口81のみで開いており、その奥に出口を有
していない。また、同じサイドプレート12にある流体
溜め穴80同士は、互いに連通しないようにされてい
る。なお、流体溜め穴80は、貫通孔の出口端部を栓ま
たは蓋で塞いで構成してもよい。
【0020】図3に示すように、一つのギヤ側側面12
aにある一対の入口開口81は、両ギヤ3,4の閉塞領
域であって両逃げ溝63,64から隔離された領域、例
えば、両逃げ溝63,64の間の略中間位置に配置され
ている。一対の入口開口81と両逃げ溝63,64と
は、互いに連通を回避されている。一対の入口開口81
は、支軸30の軸方向から見たときに、両ギヤ3,4の
回転中心同士71,72を結ぶ線73に沿って並んで配
置されており、駆動ギヤ3側の入口開口81と、従動ギ
ヤ4側の入口開口81とで構成されている。
【0021】また、一対の入口開口81の中心は、支軸
30の軸方向から見たときに、噛み合いのピッチ点P0
から、対応するギヤの回転中心71,72に向かって所
定距離離れて配置されている。この所定距離は、例え
ば、ギヤ3,4の全歯たけの略半分にされている。これ
により、駆動ギヤ側の入口開口81では、駆動ギヤ3の
歯底と、これに接近する従動ギヤ4の歯先との間にでき
て閉塞領域になる隙間に確実に開口することができる。
【0022】入口開口81は、例えば、円形に形成され
ている。この円の直径は、入口開口81の前方を通過す
るギヤ歯部分の歯厚よりも小さくされ、隣接する歯溝
が、互いに入口開口81を介して連通することを回避し
ている。一対の入口開口81は、両ギヤ3,4の噛み合
いの作用線Lを挟んだ両側に配置され、一対の入口開口
81と作用線Lとは、支軸30(支軸40でもよい。)
の軸方向からみたときに互いに重なり合うことを回避し
ている。これによって、吸込室5と吐出室6とが互いに
連通することを回避している。というのは、閉塞領域は
一対で構成され、この一対の閉塞領域(図4の閉塞領域
S3,S4参照)は、両ギヤ3,4の噛み合い点Kが噛
み合いの作用線Lに沿って移動するのに伴って、吸込室
5および吐出室6にそれぞれ連通する場合がある。この
ような状態で、仮に、入口開口81が一つでも作用線L
と重なり合っていると、その入口開口81と一対の閉塞
領域とが互いに連通してしまい、その結果、吸込室5と
吐出室6とが互いにその入口開口81を通じて連通する
場合があるからである。
【0023】次に動作を説明する。図4は、駆動ギヤと
従動ギヤの噛み合いを説明するための、サイドプレート
の要部拡大側面図である。図5は、閉塞領域と流体溜め
穴との連通状態を示す模式図である。まず、閉塞領域を
図4を参照して説明する。
【0024】閉塞領域は、両ギヤ3,4の歯面同士の接
触点である噛み合い点Kを挟んだ両側に一対で区画され
ている。この一対の閉塞領域は、駆動ギヤ3の歯底によ
って区画される駆動ギヤ側の閉塞領域S3と、従動ギヤ
4の歯底によって区画される従動ギヤ側の閉塞領域S4
とである。噛み合い点Kは、駆動ギヤ3のギヤ歯3aの
進行方向側(すなわち吸込室5側)の歯面3bに位置し
ているから、従動ギヤ側の閉塞領域S4は、噛み合い点
Kに対して吐出室6寄りにあり、駆動ギヤ側の閉塞領域
S3は、噛み合い点Kに対して吸込室5寄りとなる。
【0025】両ギヤ3,4の回転に伴って、噛み合い点
Kは移動し、その軌跡が上述の作用線Lとなる。この作
用線Lは、支軸30の軸方向から見たときに、ピッチ点
P0を通り、このピッチ点P0でのギヤ歯の進む方向に
対してギヤ歯の圧力角で傾いている。以下、図5を参照
して、各閉塞領域、吐出室、吸込室、および各流体溜め
穴の相互の連通状態を、一対のギヤの回転とともに説明
する。なお、図5には閉塞領域と連通している入口開口
の部分にハッチングが施されている。
【0026】まず、図5(a)を参照する。吸込室5か
ら、駆動ギヤ側の閉塞領域S3、噛み合い点K、従動ギ
ヤ側の閉塞領域S4、および吐出室6が順に並んでい
る。この状態では、吸込室5と吐出室6との間は、噛み
合い点Kだけで仕切られ、これ以外の部分は互いに連通
している。また、駆動ギヤ側の入口開口81の一部は駆
動ギヤ側の閉塞領域S3に開口し、従動ギヤ側の入口開
口81の一部は従動ギヤ側の閉塞領域S4に開口してい
る。噛み合いの進行に伴い、図5(b)に示すように、
駆動ギヤ側の閉塞領域S3は広がり、これとともに、駆
動ギヤ側の入口開口81は、駆動ギヤ3のギヤ歯3aに
より閉塞領域S3,S5に対して閉じられる。また、従
動ギヤ側の閉塞領域S4は狭くなり、これとともに、従
動ギヤ側の入口開口81は、従動ギヤ側の閉塞領域S4
に全体で開口し、閉塞領域S4内の作動流体の一部を従
動ギヤ側の流体溜め穴80に収容することができる。
【0027】さらに噛み合いが進行すると、図5(c)
に示すように、駆動ギヤ側の閉塞領域S5に対して吸込
室寄りにある噛み合い点Kは、作用線L上の吸込室寄り
に移動している。一方で、閉塞領域S5に対して吐出室
側に新たな噛み合い点Kが生じる。これにより、吸込室
5と吐出室6との間は、2つの噛み合い点Kにより、3
つの部分に互いに仕切られている。2つの噛み合い点K
の間には、2つの閉塞領域S4,S5があり、この2つ
の閉塞領域S4,S5は互いに連通している。というの
は、上述の両閉塞領域S4,S5の間となる駆動ギヤ3
のギヤ歯3aの反進行方向側の歯面3cと、従動ギヤ4
のギヤ歯4aの進行方向側の歯面4cとの間には、通
常、隙間(バックラッシュ)が生じるためである。
【0028】また、図5(c)〜図5(d)に示すよう
に、従動ギヤ4の歯先が駆動ギヤ3の歯底に接近するの
に伴い、駆動ギヤ側の閉塞領域S5は狭くなり、それと
ともに、この閉塞領域S5に駆動ギヤ側の入口開口81
が開き始めて、やがて大きく全体で開口するようにな
り、閉塞領域S5にある作動流体の一部を、駆動ギヤ側
の流体溜め穴80に収容することができる。一方、従動
ギヤ側の閉塞領域S4は広がり、従動ギヤ側の入口開口
81は、従動ギヤ側の閉塞領域S4に対して、ギヤ歯4
aにより徐々に閉じられる。
【0029】このように本実施の形態によれば、ギヤ
3,4の回転に伴って、閉塞領域内に閉じ込められた作
動流体の一部を流体溜め穴80に収容できるので、作動
流体の圧縮率が抑制される結果、閉じ込み圧の上昇が抑
制される。さらに、逃げ溝63,64と、流体溜め穴8
0との組合せにより、閉じ込みによる高圧発生を確実に
防止できる。その結果、閉じ込み圧の上昇に起因する振
動や騒音を確実に防止できる。
【0030】ところで、図4に示すように、ギヤ3,4
の回転に伴い、閉塞領域と吐出室6とが連通する場合が
ある。例えば、図4に示す閉塞領域S4は吐出室6と連
通している。この吐出室6と連通している状態の閉塞領
域に入口開口81を設ける場合を想定すると、流出先の
ある流路をサイドプレートに設けた従来のギヤポンプで
は、吐出室6から閉塞領域および流路を介して流出先へ
作動流体が流出してしまうので、流量損失の増大が懸念
される。これに対して、本発明では流体溜め穴80の流
出先を無くしたので、流量損失を抑制することができ
る。
【0031】また、流体溜め穴80の入口開口81が作
用線Lを回避しているので、駆動ギヤ3側と従動ギヤ4
側との両閉塞領域間の仕切りを維持でき、これにより、
吸込室5および吐出室6の連通を防止できる結果、この
連通に起因した流量損失の発生を防止できる。しかも、
流体溜め穴80を各閉塞領域に対応してそれぞれ配置す
るので、各閉塞領域での閉じ込み圧を確実に抑制でき
る。
【0032】なお、流体溜め穴80は、複数個設けられ
ていたが、上述の駆動ギヤ側の閉塞領域および従動ギヤ
側の閉塞領域は互いに連通することがあるので、少なく
とも一つ設けてあれば、その容積に応じた効果を得るこ
とができる。その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0033】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、閉じ込
められる作動流体の一部を流体溜め穴に収容することに
より、作動流体の圧縮率が抑制されるので、閉じ込み圧
の上昇が抑制される結果、閉じ込み圧の上昇に起因する
騒音や振動を防止することができ、ひいては、ポンプ効
率の向上を図ることができる。
【0034】また、吐出室が閉塞領域を介して流体溜め
穴に連通する場合であっても、流体溜め穴から作動流体
が流出しないので、流量損失を抑制できる結果、ポンプ
効率の低下を抑制することができる。請求項2に記載の
発明によれば、流体溜め穴が噛み合いの作用線を回避し
ているので、吸込室および吐出室の間の連通に起因する
流量損失の発生を防止できる。しかも、閉じ込み圧を各
閉塞領域で抑えることで全体としても閉じ込み圧を確実
に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるギヤポンプの断
面正面図である。
【図2】図1のギヤポンプの断面側面図であり、図1の
II─II線に沿う断面図であってハッチングを省略してあ
る。
【図3】サイドプレートの側面図であり、図1の III─
III線に沿う図である。
【図4】駆動ギヤと従動ギヤの噛み合いを説明するため
の、サイドプレートの要部拡大側面図である。
【図5】閉塞領域と流体溜め穴との開口状態を示す模式
図であり、流体溜め穴の開口している部分にはハッチン
グが施されている。
【図6】従来のギヤポンプおよび比較例のギヤポンプを
説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図であ
る。
【符号の説明】
1 ハウジング 3 駆動ギヤ 3a,4a ギヤ歯 4 従動ギヤ 5 吸込室 6 吐出室 10a 空洞 12 サイドプレート 12a ギヤ側側面 14 ギヤ室 30,40 支軸 80 流体溜め穴 81 入口開口 L 噛み合いの作用線 K 噛み合い点 S3〜S6 閉塞領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内部の空洞に一対のサイドプレ
    ートを嵌め合わせてギヤ室を区画し、このギヤ室の内部
    に互いに噛み合う一対のギヤを収容して、各ギヤの支軸
    を各サイドプレートを介して支持すると共に、上記ギヤ
    室の内部に両ギヤの噛み合い点を挟んで作動流体の吸込
    室および吐出室を形成したギヤポンプにおいて、 上記サイドプレートのギヤ側側面には、両サイドプレー
    トおよび噛合する各ギヤ歯で形成される閉塞領域に臨む
    入口開口を有し、且つ出口を持たない流体溜め穴が形成
    されていることを特徴とするギヤポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のギヤポンプにおいて、 上記流体溜め穴は一対が形成され、各流体溜め穴の入口
    開口は、支軸の軸方向から見たときに両ギヤの噛み合い
    の作用線を挟んだ両側にそれぞれ配置されていることを
    特徴とするギヤポンプ。
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