JP3673370B2 - ギアポンプ - Google Patents

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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C2/082Details specially related to intermeshing engagement type machines or pumps
    • F04C2/088Elements in the toothed wheels or the carter for relieving the pressure of fluid imprisoned in the zones of engagement

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  • Rotary Pumps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに噛み合う一対のギアの回転によりポンプ作用をなすギアポンプに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、ギアポンプは、簡単な構造を有する小型軽量のポンプとして種々の産業分野に用いられている。
この種のギアポンプの構造としては、ハウジング内部の空洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせてギア室を区画し、このギア室の内部に互いに噛み合う一対のギアを収容して、各ギアの支軸を各サイドプレートに形成した支持孔によって嵌合支持すると共に、ギア室の内部に両ギアの噛み合い位置を挟んで作動流体の吸込室および吐出室を形成したタイプのものが一般的である。
【0003】
ところで、ギアポンプでは、支持孔内の潤滑が不充分になると、支持孔内での摩耗が助長される結果、やがてポンプ効率が低下するという問題がある。
また、ギアポンプのギアの噛み合い部分では、各サイドプレートおよび噛合する各ギア歯で形成される閉塞領域に油が閉じ込められる、いわゆる閉じ込み現象を生じて、閉じ込められた油がギアの回転に伴って圧縮されるときに、非常な高圧が生じる結果、振動や騒音が発生するという問題がある。
【0004】
これらの問題に対して、本願出願人は、閉塞領域と支持孔とを連通する流路を備えたギアポンプを提案している(例えば、特願平8−274948号等)。このギアポンプでは、図9に示すように、高圧側の吐出室90と低圧側の吸込室91とは、駆動ギア96と従動ギア97との噛み合い点92で区画されており、この噛み合い点92の両側の近傍に一対の閉塞領域93,94(図9にハッチングを施した。)が区画されている。この一対の閉塞領域93,94と連通するように、流路の閉塞領域側開口95はピッチ点に一致して設けられていた。このギアポンプでは、閉じ込みに起因した振動や騒音を防止できるとともに、支持孔への潤滑を確保して耐久性にすぐれたギアポンプを実現できる。一方で、このギアポンプは、高圧になるほど、ポンプ効率が低下する傾向を有していた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、ギアポンプの閉じ込み現象に起因した振動や騒音を防止できるとともに、ギアの支軸を支持する部分の摩耗を防止できて耐久性に優れ、高圧時にポンプ効率の低下を防止できるギアポンプを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明のギアポンプは、ハウジング内部の空洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせてギア室を区画し、このギア室の内部に互いに噛み合う駆動ギアおよび従動ギアを収容して、各ギアの支軸を各サイドプレートに形成した支持孔によって嵌合支持すると共に、上記ギア室の内部に両ギアの噛み合い点を挟んで作動流体の吸込室および吐出室を形成したギアポンプにおいて、上記サイドプレートに、両サイドプレートおよび噛合する各ギア歯で形成される閉塞領域と上記支持孔とを連通する流路を形成し、この流路の閉塞領域側の開口と、両ギアの噛み合いの作用線とは、上記支軸の軸方向からみたときに互いに重なり合うことを回避していることを特徴とする。
【0007】
ここで、噛み合いの作用線とは、両ギア同士の噛み合い点が、ギアの回転に伴って移動する軌跡である。両ギアの噛み合い点を挟んだ両側には、一対の閉塞領域が区画されるが、これら一対の閉塞領域は、噛み合い点が噛み合いの作用線に沿って移動するのに伴って吸込室と吐出室とにそれぞれ連通する場合がある。このような状態で、仮に一対の閉塞領域が、上記開口を通して、互いに連通してしまうと、吸込室と吐出室とが互いに連通してしまう。
【0008】
これに対して本発明では、噛み合いの作用線と流路の閉塞領域側の開口とが互いに重なり合うことを回避しているので、噛み合い点の両側にある一対の閉塞領域が開口を介して互いに連通することがない。従って、一対の閉塞領域および開口を通しての吸込室と吐出室との両室の連通を防止でき、その結果、両室が連通することに起因した流量損失の発生を防止できる。
【0009】
ところで、上述の開口が、吐出室と連通している状態の閉塞領域に開口する場合を想定すると、高圧の吐出室から流路に作動流体が流れ込むので、流量損失が生じる虞がある。そこで、開口を請求項1のように配置するには、請求項2のように配置することが好ましい。すなわち、請求項2にかかる発明のギアポンプは、請求項1に記載のギアポンプにおいて、上記開口は、上記作用線よりも駆動ギア寄りに配置されたことを特徴とするものである。
【0010】
この構成によれば、請求項1にかかる発明の作用に加えて、以下の作用を奏する。すなわち、上記一対の閉塞領域は、駆動ギアの歯底によって区画される駆動ギア側の閉塞領域と、従動ギアの歯底によって区画される従動ギア側の閉塞領域とを含み、これら駆動ギア側および従動ギア側の閉塞領域は作用線を挟んだ両側に配置されることになる。
【0011】
一方、その描く軌跡が作用線となる噛み合い点は、駆動ギアのギア歯の進行方向側(すなわち吸込室側)の歯面に位置している。このため、従動ギア側の閉塞領域は噛み合い点によって吸込室との連通を確実に阻止される一方、駆動ギア側の閉塞領域は噛み合い点によって吐出室との連通を確実に阻止される。
本発明では、流路の開口を作用線よりも駆動ギア寄りに配置したので、当該開口は、駆動ギア側の閉塞領域のみに連通する。この駆動ギア側の閉塞領域は上述したように吐出室との連通が噛み合い点によって確実に阻止されている。従って、吐出室から流路への圧力抜けが生じることを確実に防止できる。また、駆動ギア側の閉塞領域に閉じ込められた作動流体を流路を介して支持孔の潤滑に利用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるギアポンプの概略構成を示す正面図である。図2は、図1のギアポンプの断面側面図であり、ハッチングを省略してある。
【0013】
本ギアポンプは、その中央部を貫通する長円形断面の空洞を有する本体筒10の両側を、これの全面を覆う態様にねじ止めされた一対の蓋板11により塞いで構成されたハウジング1を備えている。このハウジング1の内部には、前記空洞部の両側から嵌挿された、例えば、アルミニウム合金製の一対のサイドプレート12同士の間にギア室14が区画されている。このギア室14は、環状溝66(図4参照)に収容された状態で蓋板11とサイドプレート12との間に介在するOリング13によって密封されている。ギア室14内には、互いに対をなす駆動ギア3と従動ギア4とが配置されている。
【0014】
ギア室14の内部には、各サイドプレート12にそれぞれ一対が形成された支持孔31,41により、それぞれ両持ち支持された一対の支軸30,40が、略長円形断面を有するギア室14の両側の半円部の軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設されている。
一対の支持孔31により支持された一方の支軸30は、一方の蓋板11を貫通して外部に延長され、この延長端に伝達される図示しないモータ等の動力源からの駆動力により回転駆動される駆動軸を構成している。また、支軸30には、ギア室14の内部において駆動ギア3が一体回転可能に装着されている。支軸30が蓋板11を貫通する部分にはオイルシール17が配置されている。
【0015】
また、一対の支持孔41によって支持された他方の支軸40は、各サイドプレート12の支持孔41内に軸端を有する従動軸を構成している。支軸40には、ギア室14の内部において従動ギア4が装着されている。従動ギア4は、両支軸30,40の軸心を含む平面近傍範囲内において駆動ギア3と噛み合い、支軸30により駆動される駆動ギア3の回転に伴って、支軸40と共に従動回転するようにしてある。
【0016】
図2には、駆動ギア3およびこれに連動する従動ギア4の回転方向が矢符により示してあり、両ギア3,4の噛み合い位置を挟んだ両側には、前記回転方向側に吸込室5が、反回転方向側に吐出室6が形成されている。これら吸込室5および吐出室6は、本体筒10の対応位置に開口する吸込口15および吐出口16を介して、ハウジング1外の図示しない吸込先および吐出先にそれぞれ接続されるようにしてある。
【0017】
このような構成により、吸込口15を経て吸込室5に導入される作動流体は、該吸込室5に臨む駆動ギア3および従動ギア4の歯間に受け入れられ、両ギア3,4の回転により、それぞれの歯間の本体筒10の内周面との間に封止された状態で搬送され、吐出室6に送り出される。吐出室6への送り出しを終えた駆動ギア3と従動ギア4とは、両ギア3,4の噛み合い位置を経て吸込室5側に向き、該吸込室5内の作動流体を再度受け入れて吐出室6側へ送り出す作用をなす。
【0018】
以上の如く行われるギアポンプの動作中、駆動ギア3および従動ギア4には、図2中に黒塗り矢符で示す向きの押圧力が作用する。これにより、駆動ギア3および従動ギア4の支軸30,40は、吸込室5側において、支持孔31,41の内周面にそれぞれ押し付けられるので、支持孔31,41の内面の摩耗が生じ易い傾向にあり、特に支持孔31,41と支軸30,40との間に潤滑の油膜の形成が良好に行われない低回転下でその傾向が大きい。
【0019】
他方、駆動ギア3と従動ギア4との噛み合い点近傍で、一方の歯の歯底と、他方の歯の歯先との間に形成される閉塞領域に、作動流体が閉じ込められる、いわゆる閉じ込みが生じて、その結果、非常な高圧を発生し振動や騒音を発生するおそれがある。
本実施形態では、支持孔31,41へ閉塞領域の高圧作動流体を導くための流路80を設けることにより、支持孔31,41での潤滑性の向上および閉じ込み防止を図っている。
【0020】
図3は、サイドプレートの側面図である。図4は、図3のサイドプレートの断面後面図である。
サイドプレート12のギア側側面12aには、両ギア3,4の噛み合い位置から吸込室5側へ延びる逃げ溝63および吐出室6側へ延びる逃げ溝64が形成されている。これらの逃げ溝63,64は、後述するように閉じ込みの発生を防止するためのものである。また、流路80を形成するために、サイドプレート12のギア側側面12aには、両逃げ溝63,64同士間の略中間位置に凹部81が形成され、また、サイドプレート12内には、凹部81と支持孔31内とを連通する孔状の連通路82、および凹部81と支持孔41内とを連通する孔状の連通路83が形成されている。また、サイドプレート12のギア側側面12aおよび反ギア側側面12bには、溝65が形成されている。
【0021】
溝65は、支持孔31,41の内周面31a,41aの偏心側嵌合領域P(図3において、支持孔31,41の軸心71,72を含む仮想の平面73よりも吸込室5側に位置する、支持孔31,41の内周面31a,41aの部分である。)に対応する支持孔31,41の両端部分と、吸込室5側とを連通している。
両逃げ溝63,64は、両ギア3,4の噛み合い中心位置Kを避けるようにして設けられ、互いの間に所定の距離が確保されている。これは、両逃げ溝63,64同士を連通させると、これら逃げ溝63,64を通して、吸込室5と吐出室6とが連通されてしまいポンプ機能を果たせなくなるので、これを防止するためである。なお、両ギア3,4の噛み合い中心位置K(ピッチ点)を挟んで離間する逃げ溝63,64間の離間距離は、各部品の寸法精度や両ギア3,4の噛み合い誤差等を勘案して、できるだけ狭くなるように設定されている。
【0022】
凹部81は、サイドプレート12のギア側側面12aにおいて、例えば、円錐状に形成されている。
各連通路82,83の一端は、凹部81内の内奥部に開口している。また、各連通路82,83は、支持孔31,41の内周面31a,41aの偏心側嵌合領域Pに開口している。この偏心側嵌合領域Pは、高圧時に支軸30,40との間が狭くなる傾向にあることから、支持孔31,41の偏心側嵌合領域Pに対して潤滑用の流体を供給する各連通路82,83は、摩耗防止に一層効果がある。
【0023】
流路80は、連通路82と凹部81とで構成されて閉塞領域と支持孔31とを連通する部分と、後述する連通路83と凹部81とで構成されて閉塞領域と支持孔41とを連通する部分とを有している。流路80は、凹部81から支持孔31,41へ作動流体を流すことができる。流路80の閉塞領域側の開口81aは、サイドプレート12のギア側側面12aに形成された凹部81の入口からなっている。
【0024】
開口81aは、両ギア3,4の閉塞領域であって両逃げ溝63,64から隔離された領域にある。開口81aの全体と、両ギア3,4の噛み合いの作用線Lとは、支軸30(支軸40でもよい。)の軸方向からみたときに互いに重なり合うことを回避している。これによって、吸込室5と吐出室6とが互いに連通することを回避している。というのは、開口81aが開口する閉塞領域は一対で構成され、この一対の閉塞領域は、両ギア3,4の噛み合い点が噛み合いの作用線Lに沿って移動するのに伴って、吸込室5および吐出室6にそれぞれ連通する場合がある。このような状態で、仮に、開口81aと作用線Lとが重なり合っていると、開口81aと一対の閉塞領域とが互いに連通してしまい、その結果、吸込室5と吐出室6とが互いに開口81aを通じて連通する場合があるからである。
【0025】
ここで、開口81aを上述のように作用線Lを回避して配置するには、凹部81を駆動ギア3寄りに配置することと、凹部81を従動ギア4寄りに配置することとが考えられる。本実施の形態では、後述するように吐出室6と流路80との連通に起因した流量損失の発生を防止するために、開口81aは作用線Lよりも駆動ギア3寄りに配置されている。
【0026】
また、開口81aは、ギア室14に臨んで、例えば、円形に形成されている。この円の直径は、開口81aの前方を通過するギア歯部分の歯厚よりも小さくされ、隣接する歯溝が、互いに凹部81を介して連通することを回避している。
次に動作を説明する。
図5は、駆動ギアと従動ギアの噛み合いを説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図である。図6は、図5に続く状態での、駆動ギアと従動ギアの噛み合いを説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図である。
【0027】
まず、閉塞領域を図5を参照して説明する。
閉塞領域は、両ギア3,4の歯面同士の接触点である噛み合い点K2を挟んで一対で区画されている。
そして、両ギア3,4の回転に伴って、噛み合い点K2も移動し、その軌跡が上述の作用線Lとなる。この作用線Lは、両ギア3,4の並ぶ方向と交差する方向に延びており、この作用線Lを挟んで両側に、上述の一対の閉塞領域は区画されている。
【0028】
この一対の閉塞領域は、駆動ギア3の歯底によって区画される駆動ギア側の閉塞領域S3と、従動ギア4の歯底によって区画される従動ギア側の閉塞領域S4とを含み、これら駆動ギア側および従動ギア側の閉塞領域S3,S4は作用線Lを挟んだ両側に配置されることになる。一方、その描く軌跡が作用線Lとなる噛み合い点K2は、駆動ギア3のギア歯3aの進行方向側(すなわち吸込室5側)の歯面3bに位置している。このため、従動ギア側の閉塞領域S4は、吐出室6と連通し、且つ噛み合い点K2によって吸込室5との連通を確実に阻止される。一方、駆動ギア側の閉塞領域S3は、吸込室5と連通し、且つ噛み合い点K2によって吐出室6との連通を確実に阻止される。
【0029】
次に、閉塞領域の連通状態をより詳細に説明する。
駆動ギア側の閉塞領域S3は、両ギア3,4の噛み合いに伴って、両ギア3,4のギア歯同士が互いに接近すると、吐出室6内に、駆動ギア3の歯溝と従動ギア4の歯先との間の空間S6として形成され始める(この状態の空間S6を図5に図示した。)。この形成され始めた空間S6は、駆動ギア3の歯面3bと従動ギア4の歯面4bとが互いに接触するまでは、吐出室6および逃げ溝64に連通しており、逃げ溝64を通じて、空間S6内の作動流体は吐出室6へ戻ることができる。
【0030】
図6に示すように、駆動ギア3と従動ギア4との噛み合い始めには(噛み合い点K1)、駆動ギア側の閉塞領域S3(図6の右側に図示した閉塞領域S3)は、噛み合い点K1によって吐出室6と連通を遮断される。そして、駆動ギア側の閉塞領域S3は、開口81aを通じて流路80と連通する。この状態では、従動ギア側の閉塞領域S5(図6で、駆動ギア側の閉塞領域S3の左側にある閉塞領域)は、駆動ギア側の閉塞領域S3と連通することができる。というのは、駆動ギア3のギア歯3aの反進行方向側の歯面3cと、従動ギア4のギア歯4aの進行方向側の歯面4cとの間には、通常、隙間(バックラッシュ)が生じるためである。従って、従動ギア側の閉塞領域S5内の作動流体も、開口81aを通じて流路80へ流入できる。
【0031】
噛み合いが進行すると、図5に示すように、駆動ギア側の閉塞領域S3は、上述のようにして、噛み合い点K2によって吐出室6と連通を遮断され、且つ開口81aを通じて流路80と連通する。また、従動ギア側の閉塞領域S4は、噛み合い点によって吸込室5との連通を遮断されている。
さらに噛み合いが進行すると、再度図6を参照して、両ギア3,4は噛み合い点K3で噛み合い、駆動ギア側の閉塞領域S3(図6で左側に図示した閉塞領域S3)は、吸込室5および逃げ溝63と連通する。また、駆動ギア側の閉塞領域S3は、噛み合い点K3によって吐出室6と連通を遮断されている。
【0032】
このように、高圧の作動流体を、上述の流路80を通して、支持孔31,41の内周面31a,41aの偏心側嵌合領域Pに供給できる。また、流路82,83は、支持孔31,41内で軸方向の略中央位置に開口しており、この部分に供給された作動流体は、軸方向の両側に均一に流れて支持孔31,41全体を万遍なく潤滑した後、溝65を介して吸込室5側へ回収できる。
【0033】
従って、駆動ギア3と従動ギア4との各噛み合い歯間の閉塞領域に発生する高圧を抑制して、振動や騒音を防止できる。そして、逃げ溝63,64と、流路82,83との組合せにより、閉じ込みによる高圧発生を確実に防止できる。しかも、閉塞領域に閉じ込められようとする高圧作動流体を支持孔31,41へ供給できる結果、支持孔31,41内を潤滑して摩耗発生を防止できる。
【0034】
このように本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。すなわち、噛み合いの作用線Lと流路80の閉塞領域側の開口81aとが互いに重なり合うことを回避しているので、噛み合い点K1〜K3の両側にある一対の閉塞領域が開口81aを介して互いに連通することがない。従って、一対の閉塞領域および開口81aを通しての吸込室5と吐出室6との両室の連通を防止でき、その結果、両室が連通することに起因した流量損失の発生を防止できる。
【0035】
また、流路80の開口81aを作用線Lよりも駆動ギア3寄りに配置したので、開口81aは駆動ギア側の閉塞領域S3のみに連通する。この駆動ギア側の閉塞領域S3は上述したように吐出室6との連通が噛み合い点によって確実に阻止されているので、吐出室6から流路80への圧力抜けが生じることを確実に防止できる。しかも、駆動ギア側の閉塞領域S3に閉じ込められた作動流体を流路80を介して支持孔31,41の潤滑に利用できる。
【0036】
これに対して、流路80の開口81aを作用線Lよりも従動ギア4寄りに配置する場合(図8参照)には、開口81aの位置や大きさによっては、従動ギア側の閉塞領域S4が開口81aを通じて流路80に連通し、同時に吐出室6と連通する場合が生じる。このような場合、吐出室6と流路80との連通に起因する圧抜けを生じることが想定される。
【0037】
本実施の形態の効果を具体的に図7のグラフに示す。すなわち、流路の閉塞領域側開口をピッチ点に配置した従来の場合には、吐出圧力が高くなるのに伴って吐出流量が低下していた(この場合を─■─で結ぶ線RAで示した。)。これに対して本実施の形態では、吐出圧力が高くなっても吐出流量をほぼ一定に維持することができている(この場合を─○─で結ぶ線RBで示した。)。
【0038】
なお、上述の実施の形態では、流路80の閉塞領域側開口81aは、凹部81に設けられていたが、これには限定されない。例えば、流路80が直接にギア室14内に開口していてもよい。また、連通路82,83がそれぞれ別々にギア室14内に開口していてもよい。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、以下の効果を奏する。すなわち、噛み合いの作用線と流路の閉塞領域側の開口とが互いに重なり合うことを回避しているので、噛み合い点の両側にある一対の閉塞領域が開口を介して互いに連通することがない。従って、一対の閉塞領域および開口を通しての吸込室と吐出室との両室の連通を防止でき、その結果、両室が連通することに起因した流量損失の発生を防止できる。
【0040】
請求項2に係る発明によれば、請求項1にかかる発明の効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、上記一対の閉塞領域は、作用線を挟んだ両側に配置されるのに対して、流路の開口を作用線よりも駆動ギア寄りに配置したので、当該開口は駆動ギア側の閉塞領域のみに連通する。このように、駆動ギア側の閉塞領域に閉じ込められた作動流体を流路を介して支持孔の潤滑に利用でき、しかも、駆動ギア側の閉塞領域は吐出室との連通が噛み合い点によって確実に阻止されているので、吐出室から流路への圧力抜けが生じることを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるギアポンプの断面正面図である。
【図2】図1のギアポンプの断面側面図であり、図1のII─II線に沿う断面図であってハッチングを省略してある。
【図3】サイドプレートの側面図である。
【図4】図3のサイドプレートの断面後面図である。
【図5】駆動ギアと従動ギアの噛み合いを説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図である。
【図6】図5に続く駆動ギアと従動ギアの噛み合いを説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図である。
【図7】本発明のギアポンプの吐出圧力と、吐出流量との関係のグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態のギアポンプの、駆動ギアと従動ギアの噛み合いを説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図である。
【図9】従来のギアポンプの、駆動ギアと従動ギアの噛み合いを説明するための、サイドプレートの要部拡大側面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
3 駆動ギア
3a,4a ギア歯
4 従動ギア
5 吸込室
6 吐出室
12 サイドプレート
14 ギア室
30,40 支軸
31,41 支持孔
80 流路
81a 開口
L 噛み合いの作用線
K1〜K3 噛み合い点
S3,S4 閉塞領域

Claims (2)

  1. ハウジング内部の空洞に一対のサイドプレートを嵌め合わせてギア室を区画し、このギア室の内部に互いに噛み合う駆動ギアおよび従動ギアを収容して、各ギアの支軸を各サイドプレートに形成した支持孔によって嵌合支持すると共に、上記ギア室の内部に両ギアの噛み合い点を挟んで作動流体の吸込室および吐出室を形成したギアポンプにおいて、
    上記サイドプレートに、両サイドプレートおよび噛合する各ギア歯で形成される閉塞領域と上記支持孔とを連通する流路を形成し、
    この流路の閉塞領域側の開口と、両ギアの噛み合いの作用線とは、上記支軸の軸方向からみたときに互いに重なり合うことを回避していることを特徴とするギアポンプ。
  2. 請求項1に記載のギアポンプにおいて、上記開口は、上記作用線よりも駆動ギア寄りに配置されたことを特徴とするギアポンプ。
JP16622597A 1997-06-23 1997-06-23 ギアポンプ Expired - Fee Related JP3673370B2 (ja)

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