JP2001011777A - 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方法 - Google Patents

溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方法

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JP2001011777A
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Takeo Shimizu
壯夫 清水
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Unitika Textiles Ltd
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Unitika Ltd
Unitika Textiles Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化を抑
制する方法を提供する。 【解決手段】 溶剤紡糸セルロース繊維または溶剤紡糸
セルロース繊維を含む布帛にポリグリセロールポリクロ
ルヒドリン、ポリエチレングリコールジクロルヒドリン
等の1分子中に2〜4個のクロルヒドリン基を有する化
合物とアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水
酸化物等の塩基性触媒または無機酸、有機酸等の酸性触
媒からなる水溶液を付与した後、加熱処理する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤紡糸セルロー
ス繊維のフィブリル化を抑制する加工方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】溶剤紡糸セルロース繊維は、主原料であ
るパルプを副原料のアミンオキサイド溶剤で物理的に溶
解し、セルロース分子を極力分断せずに繊維とする画期
的な製法によって製造されるので、既存のセルロース系
繊維、例えば木綿やビスコース法にて製造されるレーヨ
ン等に比べて、乾湿強度や繊維収縮等に優れ、ソフトで
肌触りが良く、湿潤状態で摩擦・揉布処理を行うと繊維
がフィブリル化するという特性を有している。このフィ
ブリル化特性を利用した起毛表面調の独特の表面感によ
る溶剤紡糸セルロース繊維商品が多く上市されている
が、着用時の繰り返し洗濯によってフィブリルの生成が
進行し、ピリングが生じたり、生地表面が白化してくる
という問題がある。
【0003】溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化を
低減する方法として、特表平9−512591号公報
や、特開平7−70930号公報には、N−メチロール
化合物等の繊維素反応型樹脂を用い、溶剤紡糸セルロー
ス繊維と架橋反応を行う方法が開示されている。しかし
この方法では、N−メチロール化合物等の繊維素反応型
樹脂を用いるので、セルロース繊維の染色性が大きく阻
害され、防染効果が生じるという問題点がある。またホ
ルマリンが発生するという問題点もある。
【0004】特開平8−13336号公報には、多官能
カチオン化剤を用いたフィブリル化低減加工方法が開示
されている。この方法では、セルロースがカチオン化さ
れ、セルロースと染料との親和性が非常に高くなるの
で、淡色に染めることができなくなり、濃色においては
染めむらが発生しやすくなるという問題点がある。
【0005】また、特開平9−158050号公報に
は、ジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテ
ルと反応触媒として硫酸ナトリウムまたは硫酸カリウム
を50g/リットル以上用い、溶剤紡糸セルロース繊維
の架橋改質反応を行い、抗ピリング性を付与した加工方
法が開示されている。この方法は溶剤紡糸セルロース繊
維がフィブリル化し、このフィブリル化した繊維が絡み
合ってピリングになるのを抑制するもので、溶剤紡糸セ
ルロース繊維のフィブリル化を抑制するまでには到って
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決しようとするものである。すなわち、本発明
は、染色性に大きな影響を与えることなく、染色仕上げ
工程中におけるフィブリル化を抑制すること、および着
用時の繰り返し洗濯によるフィブリルの生成を抑制する
ことを目的とした溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル
化抑制加工方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するもので、溶剤紡糸セルロース繊維に、1分子中
に2〜4個のクロルヒドリン基を有する化合物と塩基性
触媒からなる水溶液を付与し、熱処理することを特徴と
する溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方
法、および溶剤紡糸セルロース繊維に、1分子中に2〜
4個のクロルヒドリン基を有する化合物と酸性触媒から
なる水溶液を付与し、熱処理することを特徴とする溶剤
紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方法を要旨
とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる溶剤紡糸セルロース繊維とは、パルプを
原料に用い、これを溶解し得る溶剤、例えばN−メチル
モルフォリン−N−オキサイド、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチルピペリジン−N−オキサイド、ジメチル
アセトアミド等に溶解させ、濾過して不純物を除去した
後、溶液を乾式紡糸方法または湿式紡糸方法により紡糸
することにより得られる繊維である。本発明では上記の
溶剤紡糸セルロース繊維からなる織物、編物、不織布ま
たは溶剤紡糸セルロース繊維を混用する織物、編物、不
織布を用いる。溶剤紡糸セルロース繊維と混用する他の
繊維としては、木綿、麻等の天然セルロース繊維、レー
ヨン、キュプラ、ポリノジック、ハイウェットモジュラ
スレーヨン等の再生セルロース繊維、羊毛、絹等の天然
繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維
を挙げることができ、混用方法としては一般的に用いら
れている方法、具体的には混綿、混紡、交撚、精紡交
撚、交織、交編等の方法で混用すれば良く、混用量は任
意の割合でよい。
【0009】本発明では溶剤紡糸セルロース繊維と、ク
ロルヒドリン基を有する化合物を反応させる。本発明で
用いるクロルヒドリン基を有する化合物とは、1分子中
に2〜4個のクロルヒドリン基を有する化合物で、具体
的には、ソルビトールポリクロルヒドリン、ソルビタン
ポリクロルヒドリン、ポリグリセロールポリクロルヒド
リン、グリセロールポリクロルヒドリン、エチレングリ
コールジクロルヒドリン、ポリエチレングリコールジク
ロルヒドリン、ポリプロピレングリコールジクロルヒド
リン、トリメチロールプロパンポリクロルヒドリン、ペ
ンタエリスリトールポリクロルヒドリン等を挙げること
ができる。
【0010】クロルヒドリン基を有する化合物の使用量
は、繊維布帛重量の5〜30重量パーセントの範囲で用
いるのがよく、目的とするフィブリル化抑制程度に応じ
て使用量を決定すればよい。クロルヒドリン基を有する
化合物の使用濃度がこれよりも少ないとフィブリル化の
抑制効果が不十分であり、多いと経済的にロスが大き
い。
【0011】本発明では、溶剤紡糸セルロース繊維とク
ロルヒドリン基を有する化合物を反応させるため、塩基
性触媒または酸性触媒を用いる。本発明で用いる塩基性
触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物、マグネシウム、カルシウム等の
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウム等の弱酸と強塩基とのアルカリ性塩を挙げるこ
とができる。これらは、単独または2種以上組み合わせ
て用いればよく、使用量は、反応させるクロルヒドリン
基と等モル%の塩基を用いるのが好ましい。
【0012】本発明で用いる酸性触媒としては、塩酸、
硫酸等の無機酸、有機酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グ
リコール酸といったオキシ酸、アミン塩酸塩等を挙げる
ことができ、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫
酸アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、ホウフッ化亜
鉛、塩化マグネシウム、ホウフッ化マグネシウムといっ
た無機金属塩等も用いることができる。これらは、単独
または2種以上組み合わせて用いればよく、使用量は、
クロルヒドリン基を有する化合物の使用量の5〜50%
が好ましい。
【0013】本発明では、溶剤紡糸セルロース繊維にク
ロルヒドリン基を有する化合物と塩基性触媒または酸性
触媒からなる水溶液を付与し、熱処理を行う。付与方法
としては一般的に行われている方法を用いればよいが、
実用的にはパディング法が好ましい。付与後、乾燥、熱
処理を行う。乾燥は80〜160℃で0.5〜5分間行
い、熱処理は110〜220℃で0.5〜5分間行う。
【0014】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を記述するが、
実施例における布帛の性能の測定結果は下記の方法で行
った。 フィブリル化度合い 家庭洗濯(JIS L−0217 103法)30洗後
の試料の表面写真を走査型電子顕微鏡で撮り、相対的に
次の3段階で評価した。 ○;フィブリルが生成していない。 △;フィブリルの生成が少ない。 ×;フィブリルの生成が多い。
【0015】染色性 分光光度計を用い、波長400〜700nmの反射率を
測り、最大吸収波長における反射率を求め、次のKubelk
a−Munk式により、染色濃度(k/s)を算出し、平均
値で小数点1桁まで表示した。 k/s=(1−R)2/2R R;最大吸収波長における反射率
【0016】実施例1 通常の連続工程で糊抜きされた溶剤紡糸セルロース繊維
(レンチング社製)100%のスフ糸40番手単糸使い
の平織物(経糸密度135本/吋、緯糸密度80本/
吋、目付150g/m2)を被加工織物として用意し
た。この織物に下記処方1に示す処理液をピックアップ
70%でパディング法により付与した後、100℃で1
20秒間乾燥し、続いて170℃で60秒間熱処理し
た。
【0017】 処方1 ポリエチレングリコールジクロルヒドリン 60g/リットル 水酸化ナトリウム 10g/リットル 次いで、下記処方2の染液で液流式染色機を用いて55
℃で60分間染色を行い、ソーピングし、乾燥して本発
明による加工織物(実施例1)を得た。
【0018】処方2 Remazole Black DEN liq. 6%owf (ダイスタージャパン(株)製、反応染料) 無水硫酸ナトリウム 50g/リットル 炭酸ナトリウム 15g/リットル
【0019】実施例2 実施例1と同一の織物を用い、処方1を下記処方3に代
える以外は、実施例1と全く同一の方法により本発明に
よる加工織物(実施例2)を得た。
【0020】 処方3 ポリグリセロールジクロルヒドリン 60g/リットル ほうフッ化亜鉛45%水溶液 10g/リットル
【0021】比較例1 本発明との比較のため、実施例1の処方1を用いた処理
を省き、処方2の染色のみを行ったものを比較用の加工
織物(比較例1)とした。本発明及び比較用の加工織物
の測定・評価を行い、その結果を表1に示した。。
【0022】
【表1】
【0023】表1より明らかなごとく、実施例1および
2の加工織物は、フィブリルが発生せず、染色性も良好
であった。一方、比較例1は、フィブリルが多数発生
し、生地表面が荒れていた。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、染色性に影響を与える
ことなく溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化を抑制
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤紡糸セルロース繊維に、1分子中に
    2〜4個のクロルヒドリン基を有する化合物と塩基性触
    媒からなる水溶液を付与し、熱処理することを特徴とす
    る溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方
    法。
  2. 【請求項2】 溶剤紡糸セルロース繊維に、1分子中に
    2〜4個のクロルヒドリン基を有する化合物と酸性触媒
    からなる水溶液を付与し、熱処理することを特徴とする
    溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方法。
JP18099999A 1999-06-28 1999-06-28 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化抑制加工方法 Withdrawn JP2001011777A (ja)

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