JP2001011494A - ポリイミド前駆体組成物用洗浄液およびそれを用いた表面保護膜または層間絶縁膜形成方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体組成物用洗浄液およびそれを用いた表面保護膜または層間絶縁膜形成方法

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JP2001011494A
JP2001011494A JP11180291A JP18029199A JP2001011494A JP 2001011494 A JP2001011494 A JP 2001011494A JP 11180291 A JP11180291 A JP 11180291A JP 18029199 A JP18029199 A JP 18029199A JP 2001011494 A JP2001011494 A JP 2001011494A
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precursor composition
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cleaning
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Yuichi Tsutsui
裕一 筒井
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド前駆体組成物を半導体基板などの
表面上にスピニング塗布する際に裏面に回り込んだポリ
イミド前駆体組成物を容易に除去することができ、かつ
スピニング塗布時に生じる基板表面端部のポリイミド系
樹脂からなる盛り上がり高さを低くする効果をも有す
る、安全性の高いポリイミド前駆体組成物用洗浄液を提
供する。 【解決手段】 含硫黄系有機溶媒、または含硫黄系有機
溶媒とポリイミド前駆体に対する貧溶媒とを含有するポ
リイミド前駆体用洗浄液を用いる。好ましくは含硫黄系
有機溶媒としてジメチルスルホキシドを用いる。好まし
くは凝固点が18.5℃〜−80℃のポリイミド前駆体
用洗浄液を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド前駆体
組成物用洗浄液およびそれを用いた表面保護膜または層
間絶縁膜形成方法に関するものであり、更に詳しくはポ
リイミド前駆体組成物を半導体基板などの表面上にスピ
ニング塗布する際に前記基板の裏面側に回り込んだ上記
組成物を除去するとともに、スピニング塗布時に生じる
前記基板表面端部のポリイミド系樹脂からなる盛り上が
りの高さを低くする効果をも有するポリイミド前駆体用
洗浄液およびそれを用いた表面保護膜または層間絶縁膜
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造工業やマイクロエレク
トロニクス工業などにおける各種部品の表面保護膜や層
間絶縁膜としてポリイミド系樹脂が用いられている。こ
のポリイミド系樹脂は、SiO2 、SiNなどの無機絶
縁膜に比較して凹凸の大きい基板上に平坦な膜を形成で
きるとともに、1μm以上の厚い膜を容易に形成でき、
さらに他の有機材料に比較して耐熱性が高くかつ電気的
および機械的特性に優れるなどの利点を有するため、バ
イポーラICの層間絶縁膜に採用され、最近ではメモリ
ー素子のα線遮蔽膜やバッファコート膜として幅広く用
いられている。
【0003】上記ポリイミド系樹脂膜は、例えば次の2
通りの方法で形成され、さらにフォトリソグラフィによ
りパターニングされる。 (1)非感光性ポリイミド前駆体組成物をスピニング法
などにより半導体基板であるウエハ上に塗布し、乾燥し
てポリイミド前駆体層が形成される。その後、フォトレ
ジストをその表面にパターニングし、次いでこのフォト
レジストパターンをエッチングマスクとして、前記ポリ
イミド前駆体層をエッチング処理し、ポリイミドパター
ンを形成する。 (2)感光性ポリイミド前駆体を主体とする感光層を
(1)同様スピニング法などにより基板上に形成する。
これに活性光を照射して像形成露光を施し、次いで現像
処理してパターンを形成したのち、熱処理によりイミド
環化させる。
【0004】しかし、これらポリイミド前駆体組成物を
ウエハ表面上の中心部に滴下してスピニング塗布する
と、前記ポリイミド前駆体組成物がウエハ表面から裏面
側に回り込むため、ポリイミド前駆体を処理するために
用いるホットプレート表面を汚染したり、搬送不良が生
じるなどの問題があった。また、ポリイミド前駆体組成
物をウエハ表面上の中心部に滴下してスピニング塗布す
る際、ウエハ表面端部にポリイミド系樹脂からなる盛り
上がりが形成されるもう一つの問題があり、盛り上がり
が高くなると搬送時などの取扱い時に折れやすくなり、
それが異物となってその後の工程における露光不良など
の原因となってしまう。
【0005】このため、最近ではウエハ裏面に回り込ん
だポリイミド前駆体組成物を除去するとともに、ウエハ
表面端部の盛り上がりを低くするために、N−メチル−
2−ピロリドン(以下、NMPと称する)、N,N−ジ
メチルホルムアミド(以下、DMFと称する)などの極
性溶剤を、ウエハ下部に設置された洗浄ノズルより裏面
に吹き付ける方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の溶剤では裏面の洗浄性は良好ではあるものの、盛
り上がり高さについてそれを低くする効果が必ずしも十
分ではなかった。また、DMFにメチルアルコールを配
合することで乾き性が早まり、裏面の洗浄が改良され
る、という方法が提案されている(特開平6−9993
号公報)。しかし、この方法では裏面の洗浄性は良いも
のの、ウェハ端部の盛り上がり高さの改良効果が十分で
はなく、かつDMFはIARC(国際がん研究機関)で
グループ2B(人に対して発がん性があるかもしれな
い)にランクされており安全性について疑問視されてい
るのが現状であり、優れた洗浄性を有するとともに、基
板表面端部の盛り上がり高さを低くする効果を有し、さ
らに安全性を兼ね備えた新たなポリイミド前駆体用洗浄
液の開発が求められている。
【0007】本発明の第1の目的は、上述のような従来
の洗浄剤の持つ問題を改良し、ポリイミド前駆体組成物
を半導体基板などにスピニング塗布する際、裏面に回り
込んだポリイミド前駆体組成物を容易に除去することが
できる上、基板表面端部に生じるポリイミド系樹脂から
なる盛り上がりを低くする効果をも有し、かつ、安全性
の高いポリイミド前駆体組成物用洗浄液を提供すること
であり、本発明の第2の目的は、このようなポリイミド
前駆体組成物用洗浄液を用いて容易に表面保護膜または
層間絶縁膜を形成する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、含硫黄系有機溶媒単独
からなる洗浄液を用いるか、あるいは含硫黄系有機溶媒
と、ポリイミド前駆体組成物に対する貧溶媒とを含有す
る洗浄液を用いることにより、その目的を達成し得るこ
とを見い出して本発明を完成するに至った。
【0009】課題を解決するための本発明の請求項1
は、(A)含硫黄系有機溶媒と、必要に応じてさらに
(B)ポリイミド前駆体組成物に対する貧溶媒を含有す
ることを特徴とするポリイミド前駆体組成物用洗浄液に
関するものである。
【0010】本発明の請求項2は、請求項1記載のポリ
イミド前駆体組成物用洗浄液において、(A)含硫黄系
有機溶媒が、ジメチルスルホキシドであることを特徴と
するものである。
【0011】本発明の請求項3は、請求項1あるいは請
求項2記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液におい
て、凝固点が18.5℃〜−80℃であることを特徴と
するものである。
【0012】本発明の請求項4は、請求項2あるいは請
求項3記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液におい
て、(A)ジメチルスルホキシドと(B)ポリイミド前
駆体組成物に対する貧溶媒との混合比(重量比)が、ジ
メチルスルホキシド:貧溶媒=100:0〜60:40
であることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項5は、請求項1から請求項
4のいずれかに記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液
において、(B)ポリイミド前駆体に対する貧溶媒が水
および/またはアルコール類であることを特徴とするも
のである。
【0014】本発明の請求項6は、半導体基板の表面上
にポリイミド前駆体組成物をスピニング塗布する際に前
記基板の裏側に回り込んだポリイミド前駆体組成物を請
求項1から請求項5のいずれかに記載のポリイミド前駆
体組成物用洗浄液を用いて除去するとともに、スピニン
グ塗布時に前記基板の表面端部に生じるポリイミド系樹
脂からなる盛り上がりの高さを低くすることを特徴とす
る表面保護膜または層間絶縁膜形成方法に関するもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明のポリイミド前駆体組成物用洗浄液は、(A)成分
の含硫黄系有機溶媒を単独で使用するか、もしくは
(A)成分の含硫黄系有機溶媒と(B)成分のポリイミ
ド前駆体組成物に対する貧溶媒を組み合わせて使用す
る。
【0016】本発明で使用する(A)成分の含硫黄系有
機溶媒としては、具体的には、例えば、ジメチルスルホ
キシド、テトラメチレンスルホキシド、スルホラン、3
−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど
を挙げることができる。これらの中でも、本発明におい
ては、性能、安全性、経済性の観点からジメチルスルホ
キシドを好ましく使用できる。
【0017】ジメチルスルホキシドは他のNMP、DM
Fと比較して毒性が低く[毒性を示す指標の一つである
LD50値(経口ラット)を次に示す。ジメチルスルホ
キシド:14,500mg/kg、NMP:3,914
mg/kg、DMF:2,800mg/kg 出典:R
egistry of Toxic Effectso
f Chemical Substances,199
9]、かつ前述のIARCの発がん性物質にも該当して
おらず、ここでジメチルスルホキシドを使用することは
安全性の面で有利である。
【0018】ここで、ジメチルスルホキシドは単独で使
用しても本発明が目的とする性能を発揮するが、ジメチ
ルスルホキシドは凝固点が18.5℃であり、保温(例
えば20℃以上)のきいた場所での取扱いには問題はな
いが、冬場では凍結しやすくなり、取扱い上に支障が生
じてしまう恐れがある。
【0019】そこで、凍結防止方法について種々検討の
結果、ジメチルスルホキシドに(B)成分のポリイミド
前駆体に対する貧溶媒を含有させることで凝固点が下が
り、冬場でも取扱い易くなることが見いだされた。
【0020】ジメチルスルホキシドと貧溶媒を混合して
用いる際は、ジメチルスルホキシドと貧溶媒を通常の方
法で混合して用いる。
【0021】このようにジメチルスルホキシドと貧溶媒
を混合して用いる場合の混合比(重量比)は、貧溶媒と
していずれのものを用いるかによって異なる。しかし、
一般的には、ジメチルスルホキシド:貧溶媒の混合比は
重量比で99:1から60:40であり、この混合比の
範囲内で凝固点としては18.5〜−80℃の範囲とな
る。
【0022】ここで、貧溶媒の混合比が40を超える
と、基板表面端部の盛り上がり高さを低くする効果が減
少してしまう恐れがあり、貧溶媒の混合比が0〜1未満
では前述のように冬場では凍結しやすくなり、取扱い上
に支障が生じる恐れがある。
【0023】本発明で用いる(B)成分の貧溶媒として
は、具体的には、例えばメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコールなどのアルコール類、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、
酢酸ブチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、メチル−
3−メトキシプロピオネートなどのエステル類、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル類、水などを挙げることができる。本発明にお
いてはこれらの貧溶媒から選ばれる一種以上を使用する
ことができるが、これらの中で水及びアルコール類ある
いはそれらの混合溶液が好ましく使用できる。
【0024】本発明に用いられるポリイミド前駆体組成
物において、非感光性ポリイミド前駆体組成物として
は、具体的には、例えばNMP、DMF、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどの有機溶剤中に、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテルなどのジアミン成分を溶解さ
せ、次に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物などの有機四塩基酸二無水物成分を
加えて50℃以下、より好ましくは室温付近またはそれ
以下の温度で攪拌、反応させて得られる組成物が挙げら
れる。
【0025】上記非感光性ポリイミド前駆体組成物を用
いて半導体基板上にポリイミド系樹脂膜を形成する際
は、上記非感光性ポリイミド前駆体組成物を溶剤を加え
て50〜80℃の温度で攪拌し、使用上適切な粘度に調
整した後、半導体基板上にスピニング塗布し、ホットプ
レート、温風式乾燥器などで100〜350℃の範囲の
温度で3時間以内で熱処理し、脱水閉環することにより
得られる。
【0026】上記非感光性ポリイミド前駆体組成物とし
ては市販品を用いることもできる。非感光性ポリイミド
前駆体組成物の市販品としては、具体的には、例えば、
セミコファイン(商品名、東レ株式会社製)などが挙げ
られる。
【0027】また、本発明に用いられるポリイミド前駆
体組成物として、感光性ポリイミド前駆体組成物を用い
ることができる。感光性ポリイミドとは、非感光性ポリ
イミド前駆体に感光基を導入したり、あるいは非感光性
ポリイミド前駆体に感光性化合物を混合し、紫外線、遠
紫外線、可視光線などの光への感応性を付与したものを
いい、各種公知の感光性ポリイミドが使用できる。
【0028】感光基の例としては、具体的には、例えば
炭素−炭素二重結合、アジド基、キノンジアジド基が挙
げられる。
【0029】感光性化合物の例としては、具体的には、
例えば重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ナフトキノン
ジアジド化合物などが挙げられる。
【0030】感光性ポリイミドの好ましい例として、非
感光性ポリイミド前駆体に、光により二量化または重合
する炭素−炭素二重結合を導入したもの、および、非感
光性ポリイミド前駆体と前記感光性化合物を混合したも
のが挙げられる。
【0031】本発明に用いられる感光性ポリイミド前駆
体組成物の具体的な例として、一般式(1)で表される
非感光性ポリイミド前駆体と前記感光性化合物の混合物
や、前記感光性化合物としての重クロム酸カリウムと一
般式(2)で表される非感光性ポリイミド前駆体の混合
物や、前記重クロム酸カリウムと一般式(3)で表され
る非感光性ポリイミド前駆体の混合物などを挙げること
ができる。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】ここで、前記一般式におけるR1 の例とし
て、フェニル基、ナフタレン基、ビフェニル基などが挙
げられる。また、前記一般式におけるR2 の例として、
ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、ジフ
ェニルメタン基、フェニル基などが挙げられる。さらに
また、前記一般式におけるR3 として、メタクリル基、
アクリル基、シンナモイル基、アリル基、メタリル基な
どが挙げられる。
【0036】通常、これらの感光性ポリイミドは溶媒に
溶解した溶液の形で実用に供せられる。感光性ポリイミ
ド前駆体組成物としては市販品を用いることもできる。
感光性ポリイミド前駆体組成物の市販品としては、具体
的には、例えば、フォトニース(商品名、東レ株式会社
製)などが挙げられる。
【0037】本発明の洗浄液を用いて、ポリイミド前駆
体組成物をスピニング塗布する際に基板の裏面側に回り
込んだポリイミド前駆体組成物を除去するとともに、ス
ピニング塗布時に生じる前記基板の表面端部のポリイミ
ド系樹脂からなる盛り上がりの高さを低くするための洗
浄処理は次のようにして行われる。
【0038】まず、ポリイミド前駆体組成物を半導体基
板表面の中央部に滴下してスピニング塗布する。スピニ
ングによりポリイミド前駆体組成物は基板端部に流れて
基板の裏面に回り込む。基板の裏面に回り込んだポリイ
ミド前駆体組成物は、基板下部に設置された洗浄ノズル
から噴射される本発明の洗浄液により、室温で10〜3
0秒間洗浄処理される。この洗浄時間は、ポリイミド前
駆体組成物の粘度、スピニング塗布時の回転数などによ
って適宜決められる。
【0039】図1に、本発明における洗浄方法の一例を
示す。 (a)工程:半導体基板1をまず試料台2に吸着させ、
この基板1の中央部にポリイミド滴下ノズル3からポリ
イミド前駆体組成物4が滴下される。 (b)工程:続いて、試料台2を回転させてスピニング
塗布を開始する。これによりポリイミド前駆体組成物4
が半導体基板1の端部に流れだし、一部のポリイミド前
駆体組成物4が半導体基板1の裏面に回り込むととも
に、基板1の表面端部にポリイミド前駆体組成物4から
なる盛り上がり4aが形成される。 (c)工程:基板1の裏面に回り込んだポリイミド前駆
体組成物4は、裏面洗浄ノズル5から噴射される本発明
の洗浄液6により除去されるとともに、スピニング塗布
時に形成された基板1の表面端部のポリイミド前駆体組
成物4からなる盛り上がり4aの高さが低減される。 (d)工程:続いて、温風式乾燥器などで熱処理され、
半導体基板1にポリイミド系樹脂膜7が形成される。
【0040】なお、ここでポリイミド前駆体組成物4が
スピニングにより裏面に回り込む前から、裏面洗浄ノズ
ル5から本発明の洗浄液6を噴射しておいて、回り込も
うとしてくるポリイミド前駆体組成物4を洗浄するとと
もに、スピニング塗布時に形成される基板1の表面端部
のポリイミド前駆体組成物4からなる盛り上がり4aの
高さを低減する方法をとっても何ら差し支えない。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)ポリイミド前駆体組成物として、セミコフ
ァインSP−453(商品名、東レ株式会社製)を用い
て、図1に示した工程によりスピニング塗布、裏面洗浄
を行った。まず、大きさ4インチ角の半導体基板1上の
中心部にポリイミド前駆体組成物4を3g滴下して10
秒間静置した。続いて3000rpmで30秒間スピニ
ング塗布した。次に、3000rpmのまま20秒間ジ
メチルスルホキシド単体を洗浄液6として裏面洗浄ノズ
ル5から、吐出圧0.7kg/cm2 で噴射させ、半導
体基板1の裏面部の洗浄を行うとともに、スピニング塗
布時に形成された半導体基板1の表面端部のポリイミド
前駆体組成物4からなる盛り上がり4aの高さを低減し
た。続いて、洗浄後の半導体基板1を温風式乾燥器を用
いて130℃で3分間熱処理し、10μm厚のポリイミ
ド系樹脂膜7を形成した。得られた裏面端部におけるポ
リイミド前駆体組成物4からなる被膜汚れの有無による
清浄度(裏面洗浄性)の判定結果を表1に示す。表1
中、裏面洗浄性が清浄とあるのは、半導体基板1の周辺
部、縁辺部および裏面部に被膜汚れが無いことを示す。
【0042】また、基板の表面端部に生じたポリイミド
系樹脂膜7の盛り上がり高さaを調べた。図2は、半導
体基板1の表面端部を拡大してポリイミド系樹脂膜7の
盛り上がり高さaを説明する説明図である。ポリイミド
系樹脂膜7の盛り上がり高さaは、スピニング塗布時に
形成された半導体基板1の表面端部のポリイミド前駆体
組成物4からなる前記盛り上がり4aに起因して生じ
る。この高さaは、表面形状測定機(株式会社小坂研究
所製)を使用して測定した。その結果を合わせて表1に
示す。
【0043】(実施例2)実施例1において洗浄液とし
て、ジメチルスルホキシド90重量%および水10重量
%からなる洗浄液(凝固点:−5℃)を用いた以外は実
施例1と同様にして、スピニング塗布、裏面洗浄および
熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして裏面清
浄性および基板端部に生じるポリイミド系樹脂膜7の盛
り上がり高さを評価した結果を表1に示す。
【0044】(実施例3)実施例1において洗浄液とし
て、ジメチルスルホキシド70重量%および水30重量
%からなる洗浄液(凝固点:−75℃)を用いた以外は
実施例1と同様にして、スピニング塗布、裏面洗浄およ
び熱処理を行った。そして、実施例1と同様にして裏面
清浄性および基板端部に生じるポリイミド系樹脂膜7の
盛り上がり高さを評価した結果を表1に示す。
【0045】(実施例4)実施例1において洗浄液とし
て、ジメチルスルホキシド70重量%およびエタノール
30重量%からなる洗浄液(凝固点:−11℃)を用い
た以外は実施例1と同様にして、スピニング塗布、裏面
洗浄および熱処理を行った。そして、実施例1と同様に
して裏面清浄性および基板端部に生じるポリイミド系樹
脂膜の盛り上がり高さを評価した結果を表1に示す。
【0046】(比較例1)比較のために、実施例1にお
いて洗浄液として、N−メチル−2−ピロリドン単体か
らなる洗浄液を用いた以外は実施例1と同様にして、ス
ピニング塗布、裏面洗浄および熱処理を行った。実施例
1と同様にして裏面清浄性および基板端部に生じるポリ
イミド系樹脂膜の盛り上がり高さを評価した結果を表1
に示す。
【0047】(比較例2)実施例1において洗浄液とし
て、ジメチルホルムアミド75重量%およびメチルアル
コール25重量%からなる洗浄液を用いた以外は実施例
1と同様にして、スピニング塗布、裏面洗浄および熱処
理を行った。実施例1と同様にして裏面清浄性および基
板端部に生じるポリイミド系樹脂膜の盛り上がり高さを
評価した結果を表1に示す。
【0048】(比較例3)実施例1において洗浄液とし
て、ジメチルスルホキシド50重量%および水50重量
%からなる洗浄液(凝固点:−50℃)からなる洗浄液
を用いた以外は実施例1と同様にして、スピニング塗
布、裏面洗浄および熱処理を行った。実施例1と同様に
して裏面清浄性および基板端部に生じるポリイミド系樹
脂膜の盛り上がり高さを評価した結果を表1に示す。
【0049】(比較例4)洗浄液による裏面洗浄を行わ
ないこと以外は実施例1と同様にして、スピニング塗
布、および熱処理を行った。実施例1と同様にして裏面
清浄性および基板端部に生じるポリイミド系樹脂膜の盛
り上がり高さを評価した結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から、実施例1〜4における本発明の
洗浄液は、従来の洗浄液(比較例1〜3)と同様に裏面
洗浄性が良好で、かつ従来の洗浄液(比較例1〜3)と
比較して盛り上がり高さを低くする効果を有することが
判る。それに対して、従来の洗浄液(比較例1および比
較例2)、またジメチルスルホキシドに貧溶媒を本発明
の範囲を超えて多く配合した比較例3の洗浄液は、裏面
洗浄性はよいが、盛り上がり高さを低くする効果は、顕
著には認められなかった。洗浄液による裏面洗浄を行わ
ないこと以外は実施例1と同様にして、スピニング塗
布、および熱処理を行った比較例4では、ポリイミド被
膜が裏面端部に認められ、かつ盛り上がり高さを低くす
る効果は、顕著には認めらない。
【0052】
【発明の効果】(A)含硫黄系有機溶媒と、必要に応じ
てさらに(B)ポリイミド前駆体組成物に対する貧溶媒
を含有する本発明の請求項1記載のポリイミド前駆体組
成物用洗浄液は、従来の同用途に使用されているNM
P、DMFといった洗浄液よりも安全性が高く、これを
用いることで半導体基板などの表面上にスピニング塗布
する際に裏面に回り込んだポリイミド前駆体組成物を容
易に除去することができ、かつスピニング塗布時に生じ
る基板端部のポリイミド系樹脂からなる盛り上がり高さ
を低くすることができるため、良好なポリイミド系樹脂
膜を形成することができる。
【0053】(A)含硫黄系有機溶媒がジメチルスルホ
キシドである本発明の請求項2記載のポリイミド前駆体
組成物用洗浄液は、性能、安全性、経済性に優れてい
る。
【0054】凝固点が18.5℃〜−80℃である本発
明の請求項3記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液
は、凝固点が低く、冬場でも取扱い易い。
【0055】(A)ジメチルスルホキシドと(B)ポリ
イミド前駆体組成物に対する貧溶媒との混合比(重量
比)が、ジメチルスルホキシド:貧溶媒=100:0〜
60:40である本発明の請求項4記載のポリイミド前
駆体組成物用洗浄液は、この混合比の範囲内で凝固点が
18.5〜−80℃となり、冬場でも取扱い易い。
【0056】(B)ポリイミド前駆体に対する貧溶媒が
水および/またはアルコール類である本発明の請求項5
記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液は、性能、安全
性、経済性に優れている。
【0057】本発明の請求項6記載の方法により、半導
体基板などの表面上にポリイミド系樹脂膜からなる表面
保護膜または層間絶縁膜を容易に形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における洗浄方法の一例を説明する説
明図である。
【図2】 半導体基板の表面端部を拡大してポリイミド
系樹脂膜の盛り上がり高さaを説明する説明図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 試料台 3 ポリイミド滴下ノズル 4 ポリイミド前駆体組成物 4a ポリイミド前駆体組成物からなる盛り上がり 5 裏面洗浄ノズル 6 ポリイミド前駆体組成物用洗浄液 7 ポリイミド系樹脂膜 a ポリイミド系樹脂膜の盛り上がり高さ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/312 H01L 21/312 B H05K 3/28 H05K 3/28 // C09D 179/08 C09D 179/08 Fターム(参考) 4H003 BA12 DA15 DB03 ED02 ED28 ED32 FA01 FA45 4J038 RA02 RA05 RA15 5E314 AA27 AA36 BB02 BB11 CC01 DD07 FF27 GG04 5F058 AA03 AA06 AC02 AC07 AE10 AF04 AG10 AH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)含硫黄系有機溶媒と、必要に応じ
    てさらに(B)ポリイミド前駆体組成物に対する貧溶媒
    を含有することを特徴とするポリイミド前駆体組成物用
    洗浄液。
  2. 【請求項2】 (A)含硫黄系有機溶媒が、ジメチルス
    ルホキシドであることを特徴とする請求項1記載のポリ
    イミド前駆体組成物用洗浄液。
  3. 【請求項3】 凝固点が18.5℃〜−80℃であるこ
    とを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のポリイ
    ミド前駆体組成物用洗浄液。
  4. 【請求項4】 (A)ジメチルスルホキシドと(B)ポ
    リイミド前駆体組成物に対する貧溶媒との混合比(重量
    比)が、ジメチルスルホキシド:貧溶媒=100:0〜
    60:40であることを特徴とする請求項2あるいは請
    求項3記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液。
  5. 【請求項5】 (B)ポリイミド前駆体に対する貧溶媒
    が水および/またはアルコール類であることを特徴とす
    る請求項1から請求項4のいずれかに記載のポリイミド
    前駆体組成物用洗浄液。
  6. 【請求項6】 半導体基板の表面上にポリイミド前駆体
    組成物をスピニング塗布する際に前記基板の裏側に回り
    込んだポリイミド前駆体組成物を請求項1から請求項5
    のいずれかに記載のポリイミド前駆体組成物用洗浄液を
    用いて除去するとともに、スピニング塗布時に前記基板
    の表面端部に生じるポリイミド系樹脂からなる盛り上が
    りの高さを低くすることを特徴とする表面保護膜または
    層間絶縁膜形成方法。
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