JP2001011205A - ヒートシール性フィルム、積層フィルム及び紙パック - Google Patents

ヒートシール性フィルム、積層フィルム及び紙パック

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JP2001011205A
JP2001011205A JP18718599A JP18718599A JP2001011205A JP 2001011205 A JP2001011205 A JP 2001011205A JP 18718599 A JP18718599 A JP 18718599A JP 18718599 A JP18718599 A JP 18718599A JP 2001011205 A JP2001011205 A JP 2001011205A
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Japan
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heat
layer
film
sealing
density polyethylene
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JP18718599A
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Shinichi Ono
真一 大野
Tadao Yoneyama
忠夫 米山
Shoichi Iwasaki
正一 岩崎
Tsutomu Miko
勉 御子
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温ヒートシール性と高温での滑り性に優
れ、好ましくはフレーバー性が良好なヒートシール性フ
ィルムを提供することにある。また、本発明の目的は、
このような優れた特性を有するヒートシール性フィルム
を用いた積層フィルム、並びに、当該ヒートシール性フ
ィルムをヒートシール層とする積層体により形成された
紙パックを提供することにある。 【解決手段】 紙パックのヒートシール層に使用される
ヒートシール性フィルムであって、線状低密度ポリエチ
レン100重量部に対し、コールターカウンター法で測
定される平均粒径が2〜12μmの不定形の無機微粒子
を1〜13重量部含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酒類や各種飲料等
を内容物とする紙パックのヒートシール層に使用される
ヒートシール性フィルム、及びそのヒートシール性フィ
ルムに線状低密度ポリエチレンを主体とする層を積層し
てなる積層フィルム、並びに、当該ヒートシール性フィ
ルムをヒートシール層とする積層体により形成された紙
パックに関する。本発明は特にフレーバー性が要求され
る酒類用紙パックに有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、酒類や各種飲料等を内容物と
する紙パックの製造は、次のようにして行われてきた。
まず、ヒートシール層を形成するヒートシール性フィル
ムに、ガスバリヤー層、基材である紙層、表面層などを
ラミネートして積層体を形成する。その積層体を所望の
形状に切断した後、断面四角形に折り曲げて端辺同士を
重ね合わせた状態で、それをヒートシール用の高温の金
属ガイド(マンドレル)の外周を摺動させつつ通過させ
ることで、ヒートシール層を介して端辺同士がヒートシ
ールされ、筒状体が形成される。その後、底面のヒート
シール、内容物の注入、口部のヒートシール等が行われ
て、内容物を有する紙パック製品となる。
【0003】このような紙パックの製造は、従来は比較
的低速(約10〜20ヶ/分)で行われてきたが、紙パ
ック製品の普及により、最近では高速(約50ヶ/分)
で製造が行われるようになった。これに伴い、日本酒、
焼酎、梅酒等の酒類を内容物とする紙パック製品も大量
に出回るようになっている。
【0004】紙パックの製造の高速化に際して、特に重
要なのは、上記の製造工程中、端辺同士をヒートシール
して筒状体を形成する工程であり、当該高速化のため
に、金属ガイドをより高温にしつつ、より短時間で積層
体を通過させるようになった。このため、従来より優れ
た低温ヒートシール性が要求されると共に、金属ガイド
に対する高温での優れた滑り性が要求されるようになっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、従来の酒類用
紙パックの積層体のヒートシール性フィルムとしては、
低密度又は中密度ポリエチレンが使用されてきたが、上
記の如き高速化に際し、低温ヒートシール性や高温での
滑り性が不十分となっていた。即ち、中密度ポリエチレ
ンでは、低温ヒートシール性が明らかに不足しており、
紙パックの破裂による内容物の漏れが生じる恐れがあ
る。また中密度ポリエチレンフィルムに有機系滑剤を使
用している場合、紙パック製造時の高温での滑り性が悪
くなることが判明した。さらに有機系滑剤は内容物の風
味に対して、悪影響を及ぼすため、フレーバー性にも問
題があることが判明した。なお、このようなフレーバー
性は、特に酒類用紙パックの場合に問題となり易い。
【0006】一方、紙パックに類似する技術として、紙
コップ等の紙容器に関する技術があり、特開平10−2
9255号公報等には、紙容器用のヒートシール性フィ
ルムとして、線状低密度ポリエチレン中に無機微粒子を
含有するものが開示されている。このヒートシール性フ
ィルムは、低温ヒートシール性が改善されているもの
の、紙コップ等の用途に要求される課題が前記の如き紙
パックの場合と相違するため、前記の如き高温での滑り
性が不十分であることが判明した。
【0007】そこで、本発明の目的は、低温ヒートシー
ル性と高温での滑り性に優れ、好ましくはフレーバー性
が良好なヒートシール性フィルムを提供することにあ
る。また、本発明の目的は、このような優れた特性を有
するヒートシール性フィルムを用いた積層フィルム、並
びに、当該ヒートシール性フィルムをヒートシール層と
する積層体により形成された紙パックを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、紙パック用のヒートシール性フィルムの
樹脂成分や滑剤成分等について鋭意研究したところ、意
外にも不定形の無機微粒子を配合することが、高温での
滑り性の改善に特に有効であることを見出し、更に、そ
の平均粒径や配合量を調整しつつ、線状低密度ポリエチ
レンを樹脂成分として使用することで、上記目的が達成
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明のヒートシール性フィルム
は、紙パックのヒートシール層に使用されるヒートシー
ル性フィルムであって、線状低密度ポリエチレン100
重量部に対し、コールターカウンター法で測定される平
均粒径が2〜12μmの不定形の無機微粒子を1〜13
重量部含有することを特徴とする。ここで、不定形の無
機微粒子とは、球形や楕球等の規則的な形状を有しない
無機微粒子を指す。
【0010】上記において、前記線状低密度ポリエチレ
ンが、密度0.880〜0.910g/cm3 で、メル
トフローレートが0.1〜5g/10分であることが好
ましい。
【0011】また、前記紙パックが酒類用紙パックであ
り、かつ滑剤成分として前記無機微粒子のみを含有する
ことが好ましい。
【0012】一方、本発明の積層フィルムは、上記いず
れかに記載のヒートシール性フィルムに、密度が0.9
05g/cm3 以上で前記線状低密度ポリエチレンより
高い密度を有し、メルトフローレートが0.1〜5g/
10分の線状低密度ポリエチレンを主体とする層を積層
してなるものである。
【0013】他方、本発明の紙パックは、基材である紙
層と、その紙層の少なくとも片側の最外層に形成される
ヒートシール層とを有する積層体により形成された紙パ
ックにおいて、前記ヒートシール層が、上記いずれかに
記載のヒートシール性フィルムにて形成されていること
を特徴とする。
【0014】〔作用効果〕本発明のヒートシール性フィ
ルムは、実施例の結果が示すように、低温ヒートシール
性と高温での滑り性に優れ、しかも耐ブロッキング性や
フィルム生産性にも優れる。不定形の無機微粒子を配合
することが、高温での滑り性の改善に特に有効である理
由の詳細は明らかではないが、ヒートシール性フィルム
の表面に不定形の無機微粒子の形状が反映され、その部
分を被覆する線状低密度ポリエチレンと不定形の無機微
粒子との相互作用が改善の原因となっていると考えられ
る。
【0015】また、前記線状低密度ポリエチレンが、上
記の如き密度とメルトフローレートを有する場合、低温
ヒートシール性がより優れると共に、耐ブロッキング性
やフィルム生産性等がより良好になる。
【0016】また、前記紙パックが酒類用紙パックであ
り、かつ滑剤成分として前記無機微粒子のみを含有する
場合、高温での滑り性がより良好になると共に、フレー
バー性も良好になり、酒類用紙パックに特に有用なもの
となる。
【0017】一方、本発明の積層フィルムは、上記の如
き密度とメルトフローレートを有する線状低密度ポリエ
チレンを主体とする層を更に積層してなるため、本発明
のヒートシール性フィルムが奏する上記作用効果に加え
て、積層フィルムの剛性が改善され取り扱い性が良好に
なり、しかも、低温ヒートシール性および耐ブロッキン
グ性がより良好になる。
【0018】他方、本発明の紙パックは、上記の如き作
用効果を有する本発明のヒートシール性フィルムをヒー
トシール層に用いるため、低温ヒートシール性と高温で
の滑り性に優れるので、高速にて紙パックを製造できる
ようになる。また、フレーバー性も良好なため、酒類用
紙パックに特に有用なものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0020】本発明のヒートシール性フィルムは、線状
低密度ポリエチレン100重量部に対し、コールターカ
ウンター法で測定される平均粒径が2〜12μmの不定
形の無機微粒子を1〜13重量部含有することを特徴と
する。
【0021】不定形の無機微粒子の材質は、線状低密度
ポリエチレンに対し不活性なものであれば何れも使用可
能であり、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタンのよう
な酸化物、ゼオライト、タルク、カオリンのような複合
酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシ
ウムのような金属塩等で代表される無機粒子が挙げら
れ、特に、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の酸化物;
ゼオライト等の無機粒子が好適に使用できる。なお、不
定形を有する無機微粒子は、例えば、球形等の無機微粒
子とは異なる製法にて粉砕工程を経て製造されるもので
あり、球形等の無機微粒子とは異なる形状のものとして
市販されている。
【0022】コールターカウンター法で測定される無機
微粒子の平均粒径は、2〜12μmが必要であり、好ま
しくは3〜6μmである。2μm未満の場合は得られる
フィルムの高温での滑り性が不足し、12μmを越える
場合はフイルムの生産時にフィルターの目詰まりが生じ
易く、安定生産が困難になる。
【0023】無機微粒子の含有量は、線状低密度ポリエ
チレン100重量部に対し、1〜13重量部であり、好
ましくは2〜10重量部である。1重量部未満の場合
は、得られるフィルムの高温での滑り性が不足し、13
重量部を越える場合はフィルムの生産時にフィルターの
目詰まりが生じ易く、安定生産が困難になる。
【0024】なお、上記の無機微粒子は線状低密度ポリ
エチレンの重合時にモノマーに予め配合してもよく、ま
たは線状低密度ポリエチレンと溶融混合する際に配合し
てもよい。また、線状低密度ポリエチレン等中の分散性
を高めるために、無機微粒子として、表面処理したもの
を使用してもよい。
【0025】また、有機系滑剤はフィルム生産時に熱分
解しやすく、内容物の風味に対して悪影響を及ぼすため
使用しないことが望ましい。このため、滑剤成分として
前記無機微粒子のみを含有するのが好ましい。その場
合、本発明のヒートシール性フィルムは酒類用紙パック
のヒートシール層に使用されるのが有効である。
【0026】線状低密度ポリエチレンの密度は、0.8
80〜0.910g/cm3 の範囲が好ましい。密度が
0.880g/cm3 未満の場合はフィルム同士におけ
る耐ブロッキング性が悪く扱いにくい傾向があり、ま
た、0.910g/cm3 を超える場合はフィルムの低
温シール性が不足する傾向がある。
【0027】線状低密度ポリエチレンのメルトフローレ
ートは、0.1〜5g/10分(190℃)であること
が好ましい。メルトフローレートが0.1g/10分未
満の場合、フィルム生産時の溶融押出しが困難になる傾
向があり、また5g/10分を越える場合はフィルムの
安定生産が困難になる傾向がある。
【0028】上記特性を満足する線状低密度ポリエチレ
ンの製造法は、特に限定されないが、ビスシクロペンタ
ジエニル金属化合物を用いた、いわゆるメタロセン触媒
等のシングルサイト触媒を用いて製造する方法が好まし
い。上記特性を満足すれば共重合体を用いることは何ら
差し支えなく、共重合体とする場合は、通常炭素数3〜
12のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン等が
使用でき、中でも1−ヘキセンより炭素数の多い高級α
−オレフィンが好ましく使用できる。これらのモノマー
は、単独または2種以上を組み合わせて重合される。な
お、これらの線状低密度ポリエチレン共重合体は分子量
分布が狭いため、溶融押し出し時の成形加工性がある程
度低くなることがある。この点を解決する方法として、
例えば制御された形で、長鎖分岐を導入する等の方法が
提案されているが、その方法を採用してもよい。
【0029】本発明のヒートシール性フィルムは、本発
明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて適量の熱安
定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、造核
剤、着色剤、顔料、その他の添加剤、他の重合体等を配
合することができる。
【0030】なお、本発明のヒートシール性フィルムの
厚みは、通常5〜150μm、好ましくは30〜60μ
mの範囲である。
【0031】一方、本発明の積層フィルムは、以上のよ
うなヒートシール性フィルム(以下A層と略称する)
に、密度が0.905g/cm3 以上で前記線状低密度
ポリエチレンより高い密度を有し、メルトフローレート
が0.1〜5g/10分の線状低密度ポリエチレンを主
体とする層(以下B層と略称する)を積層してなるもの
である。当該積層フィルムは、A層が低温ヒートシール
部位であり、B層がA層を支持する層であるため、A層
とB層が隣接して積層されていることが必要である。
【0032】B層における線状低密度ポリエチレンは密
度0.905g/cm3 以上でA層の線状低密度ポリエ
チレンより高い密度を有するが、密度が0.905g/
cm 3 未満の場合はフィルムの剛性が低くなり取り扱い
にくくなる傾向がある。また、A層の線状低密度ポリエ
チレンより低い密度を有する場合には、わざわざ積層フ
ィルムを形成する意味が希薄になる。
【0033】また、B層における線状低密度ポリエチレ
ンのメルトフローレートは、0.1〜5g/10分(1
90℃)である。メルトフローレートが0.1g/10
分未満の場合、フィルム生産時の溶融押出しが困難にな
り、また5g/10分を越える場合はフィルムの安定生
産が困難になる。
【0034】B層における線状低密度ポリエチレンの製
造方法は、A層の場合と同様であるが、密度がより大き
くなる分、分岐側鎖を短くしたり、少量にするなどの分
子設計が適宜なされる。
【0035】なお、B層に関しても、A層と同様の無機
微粒子を含有してもよく、また、必要に応じて適量の熱
安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、造
核剤、着色剤、顔料、その他の添加剤、他の重合体等を
配合することができる。
【0036】本発明の積層フィルムは、例えばA層とB
層の各原料樹脂組成物を用いて、共押出し成形法で成形
する方法や、別途成形後にラミネートする方法等で得る
ことができる。フィルムの成形は通常の成形方法に従っ
て行うことができ、例えば、円形ダイによるインフレー
ション成形法、TダイによるTダイ成形法等が採用され
る。Tダイ成形をする場合、ドラフト率を1〜10%、
樹脂温度を150〜300℃の範囲から選択するのが好
ましい。
【0037】A層/B層の厚み比は、0.01〜2であ
ることが好ましく、0.02〜1であるのがより好まし
い。ここで、3層以上の層構成である場合、A層および
B層厚みは、それぞれの合計厚みとして求めたものであ
る。A層/B層の厚み比が0.01未満では低温熱接着
性が悪化する傾向があり、逆に2を越えるとフィルムの
剛性が低下し、紙と積層を行う際の加工適正が悪化する
傾向がある。なお、本発明の積層フィルムの総厚みは、
通常5〜150μmの範囲である。
【0038】本発明の積層フィルムは、基材である紙層
などと積層されて紙パック製造用の積層体として使用さ
れる。その際、低温ヒートシール性に優れた積層体のA
層が接液面、すなわち容器の最内層に形成される。かか
る積層体は、延伸ポリエステルフィルム等の他のフィル
ム、アルミ箔、バリヤーフィルムの他の層を有してもよ
く、これにより容器のバリヤー性や耐熱性を向上させる
ことができる。また、通常、紙層の外側には表面層を有
し、ポリエチレン等のフィルム層が形成される。なお、
紙層としては、白ボール、クラフト紙、ミルクカートン
紙等が何れも使用可能である。積層体のラミネート法に
ついては特に制限はなく、押出ラミネート法、ドライラ
ミネート法等の方法が適用できる。
【0039】他方、本発明の紙パックは、基材である紙
層と、その紙層の少なくとも片側の最外層に形成される
ヒートシール層とを有する積層体により形成された紙パ
ックにおいて、前記ヒートシール層が、前述のヒートシ
ール性フィルムにて形成されていることを特徴とする。
かかる積層体としては上記のようなものが好適に使用さ
れる。
【0040】紙パックの製造方法は、例えば前述のよう
に、まず、ヒートシール層(A層)を形成するヒートシ
ール性フィルムに、ガスバリヤー層、基材である紙層、
表面層などをラミネートして積層体を形成する。その積
層体を所望の形状に切断した後、断面四角形に折り曲げ
て端辺同士を重ね合わせた状態で、それをヒートシール
用の金属ガイド(高熱)の外周を摺動させつつ通過させ
ることで、ヒートシール層を介して端辺同士がヒートシ
ールされ、筒状体が形成される。その後、底面のヒート
シール、内容物の注入、口部のヒートシール等が行われ
て、内容物を有する紙パック製品となる。
【0041】上記の製造方法においては、積層体の最内
層である低温ヒートシール性に優れたA層を内側にし
て、A層同士をヒートシールする場合と、A層と表面層
とをヒートシールする場合があるが、本発明は何れの場
合にも有効である。このように形成された紙パックは、
酒類用として好適に使用されるが、その他、牛乳、乳製
品、コーヒー、ウーロン茶、紅茶、緑茶、スープ、ミネ
ラル水、ジュース等にも好適に使用できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等における各評
価項目は、次のようにして測定・評価した。
【0043】(1)低温シール温度 東洋精機製の熱傾斜ヒートシーラーにより、圧力2Kg
/cm2 、時間1.0秒の条件下で、A層同士をヒート
シールし、強度が500g/15mmになる温度を低温
シール温度とした。
【0044】(2)高温摩擦係数 ASTM−D1894に準拠し、80℃に加熱された部
分(材料:ステンレス鋼)をA層が接しながら滑る際の
動摩擦係数を測定した。
【0045】(3)清酒フレーバー性 100mm×150mmの積層フィルム片を500ml
の清酒に浸し、40℃×1週間放置後、清酒の味覚変化
を評価した。評価基準は、○:僅かに変化する、×:味
覚変化する、とした。
【0046】(4)耐ブロッキング性 ASTM−D1893−67に準じて、A層の面合わせ
で測定した。
【0047】(5)フィルム生産性 共押出し工程から、冷却工程、巻取り工程における製品
ロス量のロス時間を観察し、○:安定生産できる、×:
フィルターの目詰まりのため安定生産できない、として
評価した。
【0048】(実施例1)下記のA層を構成する重合体
組成物およびB層を構成する重合体組成物を、それぞれ
別個のスクリュウ式押出機を用いて溶融し、マルチマニ
ホールド多層Tダイに供給して250℃の温度で共押出
しし、押し出されたフィルムをチルロールで冷却し、A
層/B層の厚み比=10/30(μm/μm)の積層フ
ィルムを得た。
【0049】A層を構成する重合体組成物は、コールタ
ーカウンター法で測定される平均粒径5μmの不定形シ
リカ(富士シリシア化学社製,グレード450)3重量
部、メタロセン触媒を用いて製造したオクテン−1共重
合の線状低密度ポリエチレン〔密度=0.904g/c
3 、メルトフローレート(190℃)=4.0g/1
0分、ヘキセン−1・6.0モル%共重合体〕100重
量部からなる組成物、B層を構成する重合体組成物は、
チーグラー触媒で製造したヘキセン−1共重合の線状低
密度ポリエチレン〔密度=0.912g/cm3 、メル
トフローレート(190℃)=2.0g/10分、ヘキ
セン−1・5.0モル%共重合体〕100重量部からな
る組成物、をそれぞれ用いた。
【0050】(実施例2)実施例1において、A層の不
定形シリカの添加量を7重量部に変える以外は実施例1
と同一の方法にて積層フィルムを得た。
【0051】(参考例1)実施例1において、A層の滑
剤成分として、更にエルカ酸アミド0.1重量部を添加
する以外は実施例1と同一の方法にて積層フィルムを得
た。
【0052】(比較例1)実施例1において、A層の不
定形シリカの添加量を0.5重量部に変える以外は実施
例1と同一の方法にて積層フィルムを得た。
【0053】(比較例2)実施例1において、A層の不
定形シリカの添加量を15重量部に変える以外は実施例
1と同一の方法にて積層フィルムを得た。
【0054】(比較例3)実施例1において、A層の不
定形シリカに代えて、球形シリカ(富士シリシア化学社
製,グレードC1504:平均粒径5μm)を5重量部
使用する以外は実施例1と同一の方法にて積層フィルム
を得た。
【0055】(比較例4)実施例1において、A層の線
状低密度ポリエチレンに代えて、低密度ポリエチレン
〔密度=0.919g/cm3 、メルトフローレート
(190℃)=7.0g/10分〕を使用する以外は実
施例1と同一の方法にて積層フィルムを得た。
【0056】(比較例5)実施例1において、A層の不
定形シリカに代えて、平均粒径の異なる不定形シリカ
(富士シリシア化学社製,サイシリア310:平均粒径
1.4μm)を5重量部使用する以外は実施例1と同一
の方法にて積層フィルムを得た。
【0057】実施例1〜2、参考例1および比較例1〜
5で得られた積層フィルムについて、低温シール性、高
温摩擦係数、清酒フレーバー性、耐ブロッキング性、フ
ィルム生産性を評価した。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】 表1の結果が示すように、実施例1〜2の積層フィルム
は、低温シール性、高温摩擦係数、清酒フレーバー性、
耐ブロッキング性、フィルム生産性が何れも良好であっ
た。これに対し、有機系滑剤を含有する参考例1、不定
形無機微粒子の含有量が少な過ぎる比較例1、不定形無
機微粒子の粒径が小さ過ぎる比較例5、球形無機微粒子
を含有する比較例3では、いずれも高温摩擦係数が大き
く、高温での滑り性が劣っていた。また、低密度ポリエ
チレンを用いる比較例4では低温シール温度が高く、低
温ヒートシール性に劣るものであった。なお、不定形無
機微粒子の含有量が多過ぎる比較例2では、フィルム生
産性が劣っていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 23/06 C08L 23/06 (72)発明者 岩崎 正一 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内 (72)発明者 御子 勉 愛知県犬山市大字木津字前畑344 東洋紡 績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 3E086 AD01 BA04 BA14 BA15 BA35 BB51 BB55 CA12 4F071 AA15X AA19 AA21X AA82 AA88 AE17 AH05 4F100 AA01A AA01H AA20H AK63A AK63B BA02 BA03 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C CA19A CA23A DA01 DE01A DE01H DG10C GB16 GB23 JA06A JA06B JA13A JA13B JJ03 JK16 JL00 JL02 JL12A YY00A YY00B YY00H 4J002 BB031 BB051 BB151 DE136 DE146 DE236 DG046 DH046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 FD016 GF00 GG01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙パックのヒートシール層に使用される
    ヒートシール性フィルムであって、線状低密度ポリエチ
    レン100重量部に対し、コールターカウンター法で測
    定される平均粒径が2〜12μmの不定形の無機微粒子
    を1〜13重量部含有することを特徴とするヒートシー
    ル性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記線状低密度ポリエチレンが、密度
    0.880〜0.910g/cm3 で、メルトフローレ
    ートが0.1〜5g/10分である請求項1記載のヒー
    トシール性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記紙パックが酒類用紙パックであり、
    かつ滑剤成分として前記無機微粒子のみを含有する請求
    項1又は2に記載のヒートシール性フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のヒートシ
    ール性フィルムに、密度が0.905g/cm3 以上で
    前記線状低密度ポリエチレンより高い密度を有し、メル
    トフローレートが0.1〜5g/10分の線状低密度ポ
    リエチレンを主体とする層を積層してなる積層フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 基材である紙層と、その紙層の少なくと
    も片側の最外層に形成されるヒートシール層とを有する
    積層体により形成された紙パックにおいて、前記ヒート
    シール層が、請求項1〜3いずれかに記載のヒートシー
    ル性フィルムにて形成されていることを特徴とする紙パ
    ック。
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