JP2000516162A - 繊維―強化熱可塑性複合体物品を成形するための繊維およびワイヤ―被覆複合ストランドの化学処理剤 - Google Patents

繊維―強化熱可塑性複合体物品を成形するための繊維およびワイヤ―被覆複合ストランドの化学処理剤

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Abstract

(57)【要約】 一般的な一局面においては、本発明は、化学処理剤を、複合物品の製造に適した繊維(10)、例えば強化繊維(12)に塗布して、該繊維をサイズ処理および/または予備含浸処理することを含む。この化学処理剤は、比較的低い粘度を有し、実質的に溶剤を含まず、がつ非−放射線硬化性である。該塗布された処理剤の粘度を下げかつその湿潤特性を改善し、および/または本質的に溶剤蒸気の発生を伴わずに、該処理剤の分子量を高め、もしくはこれを硬化するのに熱エネルギーを使用することができる。この処理された繊維(32)は、複合ストランド(14)を形成するのに使用され、該ストランドは、引き続きイン−ラインまたはオフ−ラインで加工して、ポリマーマトリックス中に配置された繊維を含む複合物品を製造できる。本発明のもう一つの一般的な局面は、加工糸またはペレット形状にある、覆われた複合ストランド並びにこれらを製造するためのワイヤ−被覆法および装置に関する。該ストランドは、繊維−強化した熱可塑性複合物品に成形される。各ストランドは、強化繊維および場合によってはマトリックス材料の繊維を含む繊維から製造され、該繊維は、化学処理剤で含浸され、結果として該処理剤は該繊維の実質的全ての間に分配される。

Description

【発明の詳細な説明】 繊維−強化熱可塑性複合体物品を成形するための繊維およびワイヤー被覆複合ス トランドの化学処理剤 発明の属する分野および産業上の利用 本発明は、加工して複合体とするのに適した繊維に、化学処理剤を施すことに 関連する。より詳しくは、本発明は、繊維に化学処理剤を適用することに関し、 ここで該化学処理剤は、低粘度を有し、かつ実質的に非−反応性の溶剤を含まな い。より一層詳細には、本発明は、熱エネルギーを使用して、粘性を下げ、かつ 該繊維に適用した後の該化学処理剤の湿潤能を改善し、および/または場合によ り極めて少量の揮発性有機炭素(VOC)の発生を伴う、該適用された化学処理剤の 分子量を増大し、もしくはこれを硬化することに関連するものである。 本発明は、また一般的に言えば、繊維強化複合体物品の製造、特に繊維強化し た複合体物品を成形するのに使用する、ワイヤー被覆繊維/ポリマー複合ストラ ンドに関するものである。より具体的には、本発明は、熱可塑性物質で覆った繊 維/ポリマー複合加工糸および成形して繊維強化した熱可塑性複合物品とするこ とのできるペレットに関する。 発明の背景 繊維または繊維質物質は、しばしば複合材料の強化材として使用される。ガラ スおよび他のセラミック繊維は、該セラミックを溶融状態でブッシュに供給し、 該ブッシュから繊維を引抜き、サイズ剤等の化学処理剤を、該引き抜かれたセラ ミック繊維に適用し、次いで該サイズ剤を施した繊維を集めて、トウまたはスト ランドとすることにより、一般的に製造される。基本的に3つの公知の一般的な 型の化学処理剤、即ち溶剤−ベース系、メルト−ベース系および放射線硬化−ベ ース系がある。 広義では、該溶剤−ベースの化学処理剤は、水性溶液状態(即ち、水中に溶解 され、懸濁または分散された状態)にある有機物質、並びに有機溶剤に溶解され た状態にある有機物質を含有する。米国特許第5,055,119号、同第5,034,276号お よび同第3,473,950号は、かかる化学処理剤の例を記載している。該溶剤(即ち 水、有機溶剤、または他の適当な溶剤)は、該化学処理剤の粘度を低下して、該 ガラス繊維の湿潤性を改善するのに使用する。該溶剤は、実質的に該化学処理剤 の他の成分とは非−反応性であり、かつ該化学処理剤から、該ガラス繊維を湿潤 した後に除去される。溶剤−ベースの化学処理剤を適用するための各方法におい ては、外部熱源または幾つかの該繊維に対して外部にある他のデバイスを使用し て、該適用された化学処理剤から該水または他の溶剤を蒸発させて、該ガラス繊 維上に有機物質の被膜を残す。溶剤−ベース法の欠点の一つは、該溶剤を除去す る該付随的工程が、製造コストを増大することである。更に、幾つかの有機溶剤 は、蒸気状態において極めて引火性が高く、火災発生の危険性がある。溶剤−ベ ース法のもう一つの問題は、該適用された化学処理剤から全ての該溶剤を除去す ることが不可能ではないにしろ、非常に困難であることにある。従って、溶剤− ベースの化学処理剤は、実用上、該繊維上に残される有機物質の該被膜中に残さ れる残留溶剤が、著しい悪影響を及ぼさないような系にのみ制限される。 公知のメルト−ベースの化学処理剤を使用する場合には、熱可塑性型の有機固 体を溶融し、該カラス繊維に塗布する。米国特許第4,567,102号、同第4,537,610 号、同第3,783,001号および同第3,473,950号は、このような化学処理剤の例を記 載している。公知のメルト−ベース法の欠点の一つは、該化学処理剤の溶融に関 連するエネルギーコストである。この公知のメルト−ベース系で使用する該有機 固体を、比較的高温度で溶融して、該溶融した有機固体を該ガラス繊維に適用す る。この高い温度は、過去において使用された該有機固体が比較的高い分子量を 有していたために必要とされる。このような高い融点は、また該プラスチック材 料を溶融するのに使用する装置によりおよび溶融した該プラスチック材料自体に より、作業者が火傷する危険性があることである。その上、典型的に該高温の溶 融プラスチック材料を適用し、あるいはこれを取り扱うのに、特殊な装置か必要 とされる。 該放射線−ベースの化学処理剤は、典型的には、溶剤を含有しあるいはこれを 含まない、アクリレートを主成分とする有機化学物質であり、光開始剤を介して 紫外線によって硬化される。米国特許第5,171,634号および同第5,011,523号はこ のような化学処理剤の例を記載している。このような化学処理剤を使用して、加 工する際の主な欠点は、紫外線等の使用する放射線およびアクリレート等の使用 する該化学処理剤が、比較的危険性が高く、しばしば特殊な取扱いおよび安全上 の注意を必要とすることにある。米国特許第5,171,634号に記載された方法等の これら方法の幾つかは、最大の利益を得るためには、該放射線硬化を多数回に渡 り繰り返す必要がある。各付随的な放射線硬化工程は、関連する危険性を増大し 、かつ該方法に付随的なコストを付加する。更に、放射線硬化性熱硬化性プラス チック、およびこれに欠くことのできない光開始剤は、熱硬化化学の高度に専門 化された領域を必要とする。結果として、このような放射線硬化性化学処理剤は 、高価であり、また種々の組のマトリックス樹脂とは、一般的に相溶性をもたな いものである。 複合部品を製造するために、該ガラス繊維ストランドを、しばしばポリマー樹 脂を使用したオフ−ライン含浸法で、更に化学的に処理する。該樹脂は1−液性 または2−液性の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であり得る。一例において、 前もって形成し、かつサイズ剤で処理した連続のガラス繊維を、熱硬化性樹脂で 含浸し、次いで加熱した引抜き成形ダイを通して引抜き、該樹脂を硬化させかつ はしご状のレール等の複合物品を作成する。このようなオフ−ライン法において は、該連続ガラス繊維は、幾つかの方法により分離して、化繊維間の該樹脂の含 浸を可能として、次に再度結合する必要がある。この要件は、殆ど常に塗り板、 含浸浴、および乾燥または硬化用オーブン等の付随的なハードウエアの使用を必 要とする。これらの型の方法は、コストを高めかつ該方法を複雑化するという欠 点をもつ。更に、必要となる該ガラス繊維の余分な取扱いは、個々のガラスフィ ラメントの破壊を生ずる恐れがあり、また結果として該複合物品の特性の劣化を 生ずる可能性がある。従って、このようなオフ−ライン法は有効であり得るが、 これらは時間を要し、かつ非効率的(例えば、付随的な加工工程を必要とする) であり、またそのために高い経費を必要とする。 従って、当分野では、ガラス繊維に化学処理剤を適用するための、安全でより 効率的かつよりコスト的に有効な方法に対する需要がある。該方法では、該化学 処理剤の粘度を十分に下げて、溶剤を使用する必要なしに該ガラス繊維を十分に 湿潤し、該化学処理剤は、放射線硬化処理を必要とせず、かつ該適用された化学 処理剤の粘度は、あるとしても極僅かな水、揮発性の有機炭素(VOC)または他の 溶剤蒸気の生成を伴って増大し、かつこの生成する化学的に処理されたガラス繊 維は、後に加工して複合物品とするのに適したものである。このようにして化学 的に処理された、連続的に形成された複数のガラス繊維から、予備的に含浸した ガラス複合ストランドを形成するためのイン−ライン法に対する需要もある。こ こでは、得られる該プリプレグは、後にイン−ラインまたはオフ−ライン加工し て、複合物品とするのに適している。 繊維で強化したポリマーマトリックスを含む複合体は、広範囲に渡り使用され ている。繊維強化したポリマー複合製品が、種々の方法並びに材料を使用して製 造されている。上で言及したように、このような方法の一つは、強化繊維(例え ば、ガラス繊維、合成繊維または幾つかの他の強化繊維)の1種以上のストラン ドまたは束を、熱可塑性物質で含浸し、かつ得られたこの複合ストランドを使用 して、複合物品を成形することを含む。これらの複合ストランドは、連続加工糸 (即ち、長さの長いストランド)およびバラバラのペレットとして使用されてい る。この複合ストランドからの該繊維は、強化材を与え、また該熱可塑性材料は 該複合物品用の該マトリックスの少なくとも一部を形成する。 各繊維ストランドを該熱可塑性マトリックス材料で十分に含浸することが望ま しい。即ち、該熱可塑性材料を、繊維の各束および該繊維間全体に均一に分布さ せることが、本質的に望ましい。該繊維全てがマトリックス材料で包囲されるの で、該十分に含浸した繊維ストランドは、あまり経費をかけずに、かつより効率 的に成形でき、またその対応する複合物品は改善された諸特性を示す可能性があ る。しかしながら、繊維ストランドを、典型的な熱可塑性マトリックス材料(例 えば、エンジニアリング熱可塑性物質)で十分に含浸することは、困難であり、 かつ時間を要する。高い処理量でストランドを十分に含浸することは、実際上困 難であり、特に連続的に生成されたガラス強化繊維の生産中において典型的に見 られる、処理速度においては困難である。 連続的に生成されたガラス繊維ストランドを十分に含浸する試みにおいては、 各ストランドを形成するのに使用する繊維数(即ち、繊維密度)を、約2000繊維 /ストランドなる典型的な密度から、1200繊維/ストランド以下に減じて、各ス トランドを含浸するのに必要な時間を減じている。しかしながら、所定時間に加 工される各ストランド内の繊維数を減じることにより、該加工の生産量およびコ スト効率は、悪影響を受ける可能性がある。更に、このような低密度ストランド の十分な含浸でさえも、依然として十分な時間が必要であり、このような低密度 ストランドを、典型的には連続ガラス強化繊維の製造に近い、より高い処理速度 で十分に含浸し、かつ加工することを阻害している。 より高い処理量を達成する試みにおいては、公知の一方法は僅かに部分的にの み、該繊維ストランドを含浸し、また熱可塑性マトリックス材料の均一な層で該 ストランドを被覆しており、繊維の中心部のコアを該熱可塑性物質で含浸しない ままにしている。該ストランドのこの被覆および部分的な含浸は、「ワイヤー被 覆」デバイスと呼ばれる装置を介して該ストランドを引き抜くことにより達成さ れる。米国特許第5,451,355号に記載されているような、ワイヤー被覆デバイス は、典型的には溶融熱可塑性マトリックス材料を供給するための押出機と、導入 オリフィス、出口オリフィスおよびこれらの間に設けられた被覆チャンバーをも つダイとを含む。該押出機は溶融熱可塑性材料を該被覆チャンバーに供給する。 該ストランドは、これが該被覆チャンバーを通過する際に、該熱可塑性マトリッ クス材料で被覆され、かつ部分的に含浸され、また該被覆は、該被覆ストランド が該ダイの該出口オリフィスを通過する際に、均一な層とされる。得られるこの 被覆ストランドは、加工糸(例えば圧縮成形用途用の)として使用され、あるい は切断してバラバラのペレット(例えば、射出成形用途用)とされる。該ストラ ンドは該熱可塑性マトリックス材料で部分的に含浸されているに過ぎないので、 該ストランドは比較的高い処理量で加工できる。 しかしながら、これらの部分的に含浸されたワイヤー被覆ストランドは、また 中心コア部の含浸されていない繊維のために幾つかの問題を示す。ペレット状態 にある場合、該中心の未含浸状態のコア部の繊維は、該熱可塑性物質により被覆 されない傾向にある。該ストランドが加工糸状態にある場合には、該コア繊維は 分離する傾向は低いが、これらワイヤー被覆加工糸のコアは、依然としてある時 点において含浸して、得られる複合物品の特性を最適化する必要がある。成形操 作中における、このようなワイヤー被覆加工糸の中心部コアの含浸は、実際上不 可能ではないにしろ、困難であり、時間がかかる。従って、このようなワイヤー 被覆加工糸の成形は、全体としての生産速度の所定の増大ではなく、寧ろ減少を 招く可能性がある。 従って、各ストランドが比較的高い密度をもつ場合においてさえ、高い処理速 度で、十分に含浸された繊維ストランドを製造する方法に対する要求があり、該 方法では、加工糸であれ、ペレットであれ、得られる複合ストランドは、繊維強 化した熱可塑性物品を成形するのに適したものである。 発明の概要 本発明の目的の一つは、非−反応性の溶剤を実質的に含まない、ガラス繊維等 の繊維用の化学処理剤を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、実質 的に非−光硬化性の、溶剤を含まない化学処理剤を提供することにある。本発明 の更に別の目的は、高い湿潤性をもつような化学処理剤を提供することにある。 本発明の他の目的は、硬化することができ、あるいは繊維上に適用された該化学 処理剤に熱エネルギーを適用することにより減じられた粘度をもつ、溶剤を含ま ない化学処理剤を提供することにある。他の本発明の目的は、繊維に化学処理剤 を適用して、該被覆繊維を、複合物品に成形するのに有用な複合ストランドとす ることを可能とする、有利な方法を提供することにある。本発明の更なる目的は 化学処理剤で十分に含浸された繊維の製造方法を提供することにある。 このような本発明の目的は、特に複合ストランド等の複合製品またはこのよう なストランド製品から調製した成形物品の製法により達成され、該方法は、一般 的にマトリックス材料中に配置するための熱可塑性物質で覆われた複合ストラン ド材料を調製する工程を含む。該熱可塑性物質で覆われた複合体は、強化繊維を 含有する複数の繊維の実質的に全てを、被覆するのに十分な量の化学処理材を塗 布して、予備的に含浸した繊維を形成する工程と、ここで該化学処理剤は該マト リックス材料と相溶性であり、該予備含浸繊維を集めて、該複数の繊維の実質的 に全ての間に配置された該化学処理剤を含有する、予備含浸ストランドを得る工 程と、該含浸ストランドを熱可塑性物質でワイヤー被覆して、熱可塑性被膜を形 成し、かつ該熱可塑性被膜を熱可塑性の鞘に成形し、熱可塑性物質で覆われた複 合ストランドを形成する方法により、該予備含浸されたストランドを覆う工程と を含む方法により調製される。好ましい一態様においては、該熱可塑性物質で覆 われた複合ストランドを、所定の長さに切断して、複数のペレットを生成する。 あるいはまた、該熱可塑性物質で覆われた複合ストランドは、加工糸として包装 することもできる。一態様において、該強化繊維は、予備成形した強化繊維を含 む。該複数の繊維は、またマトリックス繊維を含むこともできる。本発明の方法 は、また更に溶融ガラスから連続的に強化繊維を形成し、あるいはポリマー材料 からマトリックス繊維を予備成形する工程を含む方法により、該強化繊維を調製 する等の工程を含むことができる。場合により、本発明の方法は、溶融ガラス材 料から連続的に強化繊維を形成する工程を含む方法により、該強化繊維をイン− ラインで調製する工程を含むこともできる。このような方法で使用する該化学処 理剤は、水および有機物質を、約2〜約25重量%の含有率で有機物質を含む該予 備含浸ストランドを与える量で含むことができ、ここで該化学処理剤中の水の実 質的全ては上記の捕集工程前に蒸発される。該有機物質は該水に分散または乳化 された固体または液体であり得る。より好ましくは、該有機物質の含有率は、約 2〜約15重量%である、また該蒸発工程は該適用工程後に該化学処理剤を加熱す る工程を含み、またより一層好ましくは、該有機物質の含有率は約6〜約7重量 %の範囲であり、該加熱工程は、外部熱源または該複数の繊維から、該化学処理 剤に熱エネルギーを供給する工程を含む。一態様において、該化学処理剤は熱硬 化性であり、また該熱可塑性物質で覆われた複合ストランド材料の調製工程は、 更に該塗布工程後に、該化学処理剤を少なくとも部分的に硬化する工程を含む。 該化学処理剤は、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性であり、ま た該有機物質はフィルム形成剤およびカップリングを含む。一態様において、該 化学処理剤は熱可塑性であり、該フィルム形成剤は低分子量の熱可塑性ポリマー を含み、また該カップリング剤は官能化された有機基質を含む。本発明の方法は 、更に該熱可塑性物質で覆われた複合ストランドと該マトリックス材料とを結合 して、複合処方物を生成する工程および該複合処方物を成形する工程をも含む。 更 に、本発明の方法は、該熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを成形してペレ ットとし、樹脂マトリックス材料と組み合わせた該ペレットを成形して、繊維強 化複合物品を形成する工程を含むこともできる。また、本発明はこのような方法 により作成した生成物にも関連する。 更に、本発明は、マトリックス材料を含有する繊維強化複合物品を生成するの に有用な、複数の熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを含有する、複合製品 にも関連し、ここで各熱可塑性物質で覆われた複合ストランドは、複数の収集さ れた繊維を含む予備含浸したストランドを含有し、該捕集繊維は、該マトリック ス材料と相溶性の熱可塑性または熱硬化性化学処理剤で、実質的に被覆された強 化繊維を含む。一態様において、該複合製品は、該複合ストランドから切り出さ れたペレットを含み、ここで該化学処理剤は、該ペレット内で、該複数の捕集さ れた繊維を一緒に維持している。また、該複合ストランドは加工糸状態で包装で きる。好ましくは、該複数の捕集された繊維の数は、約1500〜約10000、より好 ましくは約2000〜約4000の範囲内にある。該複数の捕集された繊維は、場合によ り熱可塑性材料製のマトリックス繊維を含むことができる。一態様において、該 化学処理剤は有機物質を含み、また各予備含浸したストランドは、約2〜約25重 量%、より好ましくは約2〜約15重量%およびより一層好ましくは約6〜約7重 量%の範囲の有機物質の含有率をもつ。該化学処理剤は熱可塑性であり、実質的 に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性であり、かつ(i)低分子量の熱可塑 性ポリマー物質を含むフィルム形成剤および(ii)官能化された有機基質を含むカ ップリング剤を含有する。また、該化学処理剤は、熱硬化性であり、実質的に溶 剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性であり、かつ(i)少なくとも1種の多− 官能性モノマーおよび低分子量の1−官能性モノマーを含むフィルム形成剤およ び(ii)官能化された有機基質を含むカップリング剤を含有する。該複数の複合ス トランドは、マトリックス材料と共に成形できる。 本発明は、更に複合製品の製法にも係わり、該方法は熱硬化性または熱可塑性 化学処理剤を、ガラスまたは合成強化繊維を含む複数の繊維に適用して、適用さ れた化学処理剤で被覆された繊維を形成する工程と、ここで該化学処理剤は実質 的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性であり;該適用された化学処理剤 を加熱して、該適用された化学処理剤の少なくとも一部の粘度を低下させ、ある いは該適用された化学処理剤を少なくとも部分的に硬化するか、あるいは該粘度 を少なくとも部分的に低下させると共に、該処理剤を少なくとも部分的に硬化さ せて、被覆された繊維を生成する工程とを含む。該化学処理剤は、約0.1〜約1 重量%の量で適用して、該複数の繊維をサイズ処理し、あるいは約2〜約25重量 %の量で適用して、該複数の繊維を予備含浸することができる。該繊維は、更に ポリマーマトリックス繊維を含むことができる。好ましい一態様において、該強 化繊維はガラス強化繊維を含み、また該加熱工程は、該ガラス強化繊維由来の該 適用された化学処理剤に熱エネルギーを供給する工程を含み、該ガラス強化繊維 は、該適用工程中約150〜約350℃、より好ましくは約200〜約300℃の範囲内の温 度下にある。該強化繊維は、予備成形された強化繊維を含むことができ、この場 合、本発明の方法は更に、該予備成形した強化繊維を予備加熱する工程を含む。 また、該強化繊維はガラス繊維を含むことができ、この場合、本発明の方法は、 更に溶融ガラス強化材料源から、該ガラス繊維を形成する工程を含み、そこで該 加熱工程は、該ガラス繊維形成工程からの該強化繊維に保持された熱エネルギー を、該適用した化学処理剤に供給する工程を含む。この加熱工程は、該複数の繊 維以外の外部熱源からの熱エネルギーを該適用された化学処理剤に供給する工程 を含むことができる。好ましい一態様において、該化学処理剤は熱硬化性であり 、かつ該加熱工程は、該適用された化学処理剤の一部を少なくとも部分的に硬化 する。また、該化学処理剤は、熱可塑性であり、かつ該加熱工程は該適用された 化学処理剤の少なくとも一部の粘度を低下する。本発明の方法は、更に該被覆さ れた繊維を一緒に収集し、複合ストランドとする工程を含むことができ、また該 加熱工程は該捕集工程後に行うことができる。該化学処理剤は有機物質を含むこ とができ、該複合ストランドは、約2〜約25重量%の有機物質含有率を有する。 本発明の方法は、更に該複合ストランドを成形して、少なくとも部分的に該適用 された化学処理剤によって形成された、マトリックス中に分散された複数の繊維 を含む複合物品を作成する工程を含むことができる。場合により、該複数の繊維 は、該複合物品の該マトリックスの少なくとも一部を構成する、ポリマーマトリ ックス繊維を含むことができる。該成形工程は、該捕集工程と共にイン−ラ インで実施することができる。付随的に、該強化繊維および該マトリックス繊維 を同時に混合して、該複数の繊維を得ることができる。該適用工程は、該化学処 理剤で、該強化繊維および該マトリックス繊維を同時に被覆する工程を含むこと ができる。 更に、本発明は上記方法を実施するための装置にも関連する。 本発明は、さらに繊維に塗布するための化学処理剤にも関連し、ここで該繊維 は、加工して、マトリックス材料中に配置するための複合ストランドを生成し、 繊維−強化複合物品を形成するためのものであり、該化学処理剤は、少なくとも 1種の多−官能性モノマーと低分子量の単−官能性モノマーとを含むフィルム形 成剤、および官能化された有機基質を含むカップリング剤を含有する。該学処理 剤は、熱硬化性で、少なくとも部分的に加熱により硬化可能で、実質的に溶剤を 含まず、しかも実質的に非−光硬化性である。場合によって、該処理剤は加工助 剤、例えばエポキシ官能性粘度改良剤またはブトキシエチルステアレートを含む ことができる。好ましい一態様において、該化学処理剤は約150〜約350℃の温度 にて加熱硬化可能である。該フィルム形成剤は、ポリエステルアルキド、エポキ シ樹脂およびグリシジルエーテル官能基を含む化合物から選択されるモノマーを 含むことができる。また、該フィルム形成剤は、ウレタン、ビニルエステル、ア ミック酸(amic acid)、ディールスアルダー(Diels Alder)反応性種、およびコー プ(Cope)−転位化合物から選択される少なくとも1種を含むこともできる。好ま しくは、該化学処理剤は、約93〜約110℃の範囲内の温度にて約300センチポアズ (cps)までの粘度をもつ。 更に、本発明は、繊維に適用するための化学処理剤に関連し、ここで該繊維は 加工して、マトリックス材料中に配置するのに有用な複合ストランドとして、繊 維強化複合物品を形成するためのものである。該化学処理剤は、少なくとも1種 の低分子量の熱可塑性ポリマー物質を含むフィルム形成剤および官能化された有 機基質を含むカップリング剤を含有する。ここで、該化学処理剤は熱可塑性で、 実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性である。場合により、該処理 剤は、加工助剤を含むことができる。該低分子量熱可塑性ポリマーは、分解ポリ エステルまたはポリアミドを含むことができ、該ポリエステルまたはポリアミド は、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、お よびナイロンから選択される。好ましい一態様において、該処理剤は加工助剤を 含み、該助剤は、ジ-n-ブチルテレフタレート、1,4-ブタンジオールのジベンゾ エートエステル、ジエチルテレフタレート、エチレングリコールのジベンゾエー トエステル、カプロラクトン、アジポイルクロリドとn-アミノヘキサンとの付加 生成物、および1,6-ヘキサンジアミンとヘキサノイルクロリドとの付加生成物か ら選択されるモノマー等価物を包含する。好ましくは、該化学処理剤は約93〜約 110℃の範囲内の温度にて約300cpsまでの粘度をもつ。 その他の目的、特徴並びに本発明の種々の局面の利点は、以下の本発明の詳細 な説明およびその好ましい態様を、以下の添付図と共に参照することにより、明 らかとなろう。 図面の簡単な説明 第1図は、溶融材料から連続的に生成され、かつ複合物品を作成するのに適し た繊維を、化学的に処理するための装置の一態様を示す斜視図である。 第2図は、繊維を化学的に処理するための装置のもう一つの態様を示す斜視図 であり、ここで保温装置は、繊維形成機構と、化学処理剤塗布装置との間に配置 されている。 第3図は、溶融材料および包装体から引き出された予備成形繊維から連続的に 生成された繊維を、化学的に処理するための装置の更に別の態様を示す斜視図で ある。 第4図は、予備含浸した強化繊維を含む熱可塑性物質で覆われた複合ストラン ドを作成し、次いで細断して、繊維強化した熱可塑性複合物品を形成するのに適 した、複数のペレットを生成するための装置の、一態様を示す斜視図である。 第5図は、熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを、加工糸の包装体として 巻き取るための巻取りデバイスの平面図であり、該加工糸は成形して、繊維強化 した熱可塑性複合物品を形成するのに適したものである。 第6図は、予備含浸した強化繊維を含む熱可塑性物質で覆われた複合ストラン ドを作成し、次いで細断して、繊維強化した熱可塑性複合物品を形成するのに適 した、複数のペレットを生成するための装置の、もう一つの態様を示す斜視図で ある。 本発明の詳細な説明および好ましい態様 溶剤を含まない化学処理剤 本発明の一般的な一局面は、加工により複合物品とされる繊維に適用するため の、本質的に溶剤を含まない化学処理剤に関連する。一種以上の化学処理剤を、 一種以上の公知の塗布装置等を使用して、該繊維に適用して、所定の複合体特性 を得るのに十分な数の強化繊維を、サイズ処理および/または予備含浸すること ができる。 より具体的には、繊維またはフィラメントを、化学処理剤でサイズ処理および /または予備含浸する。この化学処理剤は、低粘度をもち、かつ実質的に非−反 応性の溶剤を含まず、しかも活性放射線により硬化されない。該低粘度は、該化 学処理剤に対して、比較的低分子量の成分を選択することにより得ることができ る。 熱エネルギーを使用して該粘度を低下させ、かつ該処理剤を該繊維に適用した 後の、該化学処理剤の湿潤能を改善することができる。付随的にあるいは別法と して、熱エネルギーを使用して、該適用された化学処理剤の分子量を増大させ、 あるいはまた該処理剤を硬化(即ち、架橋もしくはその分子量を増大する)する ことができる。あるいはまた、該適用された化学処理剤には、熱エネルギーを全 く供給しなくともよい。加熱処理を利用するか否かとは無関係に、あったとして も極めて低い、水蒸気、揮発性有機炭素(VOC)蒸気、または他の溶剤蒸気の発生 が見られる。 得られる化学的に処理された繊維は、複合ストランド、例えば予備的に含浸さ れたストランド(“プリプレグ”)を形成するのに適している。この複合ストラン ドは、引き続きイン−ラインまたはオフ−ラインで加工して、ポリマーマトリッ クス材料中に分散された強化繊維を含む、複合物品とすることができる。 繊維強化した熱可塑性複合物品に成形するのに適した加工糸またはペレット形 状の1以上の複合ストランドを製造するのに適した装置は、強化繊維源および場 合により1種以上の他の型の繊維源を含む。このような源の一つは、溶融強化材 料(例えば、ガラス)のブッシュであり、該ブッシュから連続の強化繊維を、該 ストランドの全てではないが、少なくとも一部を形成するのに十分な数で引き抜 くことができる。また、該強化繊維源が1以上の予備成形した強化繊維のスプー ルまたはその他の包装体であることが望ましい。予備成形した強化繊維源は、連 続的に生成される強化繊維源と組み合わせて使用することができる。該繊維源は 、またマトリックス繊維を含むこともでき、該マトリックス繊維は、例えばブッ シュまたは紡糸機から連続的に生成され、および/または予備成形され、かつス プール等の適当な包装体として与えられる。 ガラス強化繊維を生成する場合、該繊維形成機構は、溶融ガラス繊維材料源か ら、例えば公知のガラス繊維形成ブッシュから該繊維を形成する。この繊維形成 操作は、該装置の残部とはオフ−ラインでまたはこれとのイン−ライン形式で実 施できる。形成される繊維がガラス強化繊維である場合、該繊維形成機構は、溶 融ガラス強化繊維材料源から該繊維を形成する。一態様において、該繊維形成機 構は、繊維の形成後所定時間に渡り熱エネルギーを放出するように、該繊維を形 成する。 該化学処理剤を該繊維の実質的全てに塗布するのに、塗布装置を使用する。こ の塗布装置は、所定の型のおよび量の化学処理剤を塗布するのに適した公知のま たは任意の他の構成の装置であり得る。この塗布装置を、化学処理剤を該繊維に 塗布するための該繊維形成機構とイン−ライン形式で配置して、複数の被覆繊維 を生成することができる。該塗布装置は該化学処理剤を塗布し、該処理剤は実質 的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性である。 この装置の一態様は、塗布装置系を含み、該系は該繊維が該適用される化学処 理剤の温度よりも高温にある場合に、該化学処理剤を塗布する。該化学処理剤を 塗布する場合、該繊維は十分に高い温度下にあって、該適用された化学処理剤の 粘度を低下し、もしくは(例えば、該化学処理剤が熱硬化性である場合には)こ れを少なくとも部分的に加熱硬化し、もしくは粘度を低下し、かつ加熱硬化する のに十分な熱エネルギーを与える。しかしながら、該化学処理剤を適用する際の 該繊維の温度は、該適用され化学処理剤の分解を生ずるには不十分である。該適 用された化学処理剤と該処理剤が適用された該繊維との間の温度差は、該塗布装 置系の一部として保温器を含めることによって得ることができる。該温度差は、 また該塗布装置を該繊維形成機構に十分に近接(例えば、隣接)して配置して、 該化学処理剤を適用する場合に、該繊維を該処理剤の温度よりも十分に高い温度 とすることにより達成できる。このような塗布装置系は、該化学処理剤の適用中 および/またはその後の、該繊維の温度の維持を補助するように、あるいは少な くともその温度の降下速度を減ずるように、保温器を備えることができる。 捕集用シューまたは幾つかの他の捕集器または集束器を使用して、該処理した 繊維を一緒に集め、少なくとも一つのストランドとする。このストランドを、次 に適当なポリマー材料、好ましくは熱可塑性物質で被覆しまたは覆って、所定の 複合物品に成形することができる。 該化学的に処理したストランドを被覆または覆うのに使用する該材料は、溶融 熱可塑性物質源、例えば押出機から得ることができる。該処理したストランドを 被覆し、かつ覆った複合ストランドを形成するためには、該処理したストランド を引抜きあるいは適当な被覆デバイスに通すことができる。例えば、覆われた複 合ストランドは、引抜きまたは幾つかの該ストランドを対応する数のダイに通す ことにより形成でき、ここで各ダイは所定の厚み(例えば、約30:70〜約70:30な る熱可塑性物質対ガラスの重量の比を生成するような厚み)の熱可塑性の鞘とし て該被覆を形成するために、サイズ剤で処理した少なくとも一つの出口オリフィ スを有する。 好ましくは、ワイヤコーターを使用して、該ストランドを覆う。ワイヤコータ ーは、1種以上のストランドを、プラスチック材料で、各ストランド上に比較的 均一な厚みの鞘を形成するように被覆することのできるデバイスまたは一群のデ バイスである。好ましくは、該ワイヤコーターは、該鞘を所定の均一な厚みおよ び/または断面をもつように成形する、ある形状のダイを含む。 該ストランドは、適当なデバイスを使用して、該被覆デバイスに供給し、ある いは該デバイスに通される。例えば、引抜き機を使用して、該ストランドを該ワ イヤコーターを通して引き抜くことができる。この引抜き機は該ワイヤコーター とは別であっても、またその一部であってもよい。細断機を採用して、該ストラ ンドを、該ワイヤコーターを介して引き抜く際の、引抜き機としてあるいはその 補助装置として機能させることも可能である。この得られる被覆され、もしくは 覆われた複合ストランドは、バラバラの所定長さに細断または分離して、複数の 覆われた複合ペレットを形成し、あるいは巻取りもしくは包装して、覆われた複 合加工糸を生成することができる。該化学処理剤は、各ポリマーで覆われた複合 ペレットまたは加工糸において、該繊維を一緒に維持するのに役立つ。 複合物品は、該覆われた複合ストランドを、例えばペレット、加工糸または他 の形状に成形することにより作成できる。該覆われた複合ストランドの該鞘は、 該成形すべき複合物品の該マトリックスの少なくとも一部を構成し、かつその全 てを構成することができる。該複合物品を製造するのに使用する成形法の例は、 射出成形、圧縮成形、および他の適当な成形技術を包含する。 第1〜3図は、複合物品を製造するのに適した複数の繊維10を化学的に処理す るのに好ましい態様を例示するものである。典型的な複合物品は、ポリマー材料 のマトリックス中に配置された複数の強化繊維12を含む。 強化繊維12に加えて、該繊維10はまた、複合物品を製造するのに適した他の型 の繊維、例えばマトリックス繊維13を含むことができる。該マトリックス繊維13 は、好ましくはポリマーマトリックス材料から製造され、また該マトリックスの 少なくとも一部を構成する。該強化繊維12は、ガラスであり得、これは溶融ガラ ス強化材料源から(例えば、第1および2図に示された公知のガラス繊維形成ブ ッシュにより)連続的に引き抜くことができる。連続的に製造されたガラス強化 繊維が特に有利である。というのは、該製造工程からの該ガラス繊維中に残留す る熱エネルギーを利用して、該適用された化学処理剤に効率的に熱を供給できる からである。連続的に製造したガラス繊維に加えて、あるいはその代わりに、該 強化繊維12は、ガラスおよび/または合成強化材料から作成した予備成形強化繊 維を含むことができる。 該用語「予備成形」とは、供給される前にあるいは本発明に従って化学処理剤 で処理される前に、オフ−ラインで形成された繊維を意味する。該用語「ガラス 」とは、冷却した際に剛性の非−結晶状態に固化する無機溶融生成物を意味し、 また一般的なシリケートガラス並びに強化繊維を製造するのに適したガラス状無 機 物質、例えばホウ珪酸ガラス、ガラスウール、ロックウール、スラグウール、お よび鉱物ウール等を包含するものとする。これとは対照的に、「合成」強化材料 とは、非−ガラス状材料、例えばケブラー(Kevlar:登録商標)、炭素またはグラ ファイト炭化珪素(SiC)および適当な強化特性を有する他の非−ガラス状物質で ある。種々の材料から作成した繊維を使用する場合、同一のまたは異なる化学処 理剤を、各型の繊維に対して使用できるものとする。 一態様において、該化学処理剤は、該適用された化学試薬における2つの変化 の少なくとも一方を生ずるために、熱エネルギーを利用する方法に従って、かつ 該熱エネルギーを利用する装置を使用して塗布する。熱エネルギーを利用して粘 度を下げ、結果として該繊維に塗布されている化学処理剤の湿潤性を改善するこ とができる。あるいは、また付随的に、熱エネルギーを利用して、該適用された 化学処理剤の分子量を高め、または該処理剤を硬化することも可能である。第1 および2図は、該化学処理剤を塗布する装置および方法の例示的態様を示す。 繊維10を被覆するのに使用する該化学処理剤は、該マトリックス材料と比較し て、比較的低い分子量および粘度を有し、また実質的に非−反応性の溶剤を含ま ないものである。「非−反応性溶剤」(例えば、水および幾つかの有機溶剤)は、該 化学処理剤または該マトリックス材料の成分と反応するのではなく、寧ろ熱エネ ルギーの存在下で該化学処理剤から蒸発する溶剤である。該化学処理剤は実質的 に「溶剤を含まず」、即ち本質的に、このような実質的に非−反応性の溶剤を含 まない。かくして、該化学処理剤中には、痕跡量の非−反応性の溶剤のみが存在 するが、存在する該溶剤の量は、該化学処理剤の粘度を大幅に低下する(即ち、 該化学処理剤が該繊維を湿潤する能力に影響を与える)には、それだけでは不十 分である。更に、該適用された化学処理剤は、如何なる非−反応性溶剤をも実質 的に含まず、従って該化学処理剤を加熱した場合に、該複合物品の成形中をも含 めて、実質的な量の水蒸気、V0C蒸気、または他の溶剤蒸気も発生しない。該化 学処理剤が溶剤を含まないことにより、該処理剤は低い粘度を有し、および/ま たは重さの実質的な減少を生ずることなく、加熱硬化することができる。かくし て、該繊維10に適用される該化学処理剤の殆どが、該繊維上に残される。 しかしながら、該化学処理剤が溶剤を含まないことは、該化学処理剤に、他の 成分(例えば、カップリング剤)に溶解性または相溶性の、1種以上の添加剤の 使用を妨害しない。例えば、相溶性の粘度改良剤、例えばシェルケミカル社(She ll Chemical Company)から入手できるヘロキシ(HELOXY;登録商標)(エポキシ官能 性改良剤)、例えば1.4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル(ヘロキシモデ ィファイヤー(HEL0XY Modifier)67)またはひまし油のポリグリシジルエーテル( ヘロキシモディファイヤー505)をフィルム形成剤系で使用して、1種以上の他の 成分と相互作用させ、または反応させて、熱エネルギーの存在する場合の、蒸気 として除去する代わりに、該化学処理剤の粘度を下げることができる。 該化学処理剤は、また任意の実質的程度に、活性放射性により硬化性ではない (即ち、非−光硬化性ではない)。即ち、該化学処理剤は光化学的に反応して、 硬化することはなく、あるいは活性放射線の作用により、大幅な粘度の増加をも たらすこともない。 本来熱硬化性または熱可塑性であり得る該化学処理剤は、所定の複合体特性を 得るために必要な数の強化繊維12をサイズ剤処理および/または予備含浸するの に使用できる。該化学処理剤は、また他の型の繊維10、例えばポリマーマトリッ クス材料から作成した繊維13をサイズ剤処理および/または予備含浸するために も使用できる。 マトリックス繊維は、イン−ラインで連続的に製造し、もしくは予備成形する ことができ、また引き続き該複合物品のマトリックスの一部または全部を生成す るのに使用する。マトリックス繊維を使用する場合、該化学処理剤を塗布する該 工程は、該強化繊維に適用したものとは異なる化学処理剤で、該マトリックス繊 維をサイズ剤で処理しおよび/または予備含浸する工程を含むことができる。 多くの場合において、予備含浸並びにサイズ剤処理が望ましく、従って該繊維 10を予備含浸しかつサイズ剤処理するのに、同一の該化学処理剤を使用すること が好ましい。しかしながら、場合によっては、該強化および/またはマトリック ス繊維をサイズ剤処理するのにある化学処理剤を使用し、かつ該強化および/ま たはマトリックス繊維を、予備含浸するのに他の化学処理剤を使用することも可 能である。種々の型のマトリックス繊維を使用する場合、各型のマトリックス繊 維に異なる化学処理剤を適用することが好ましい可能性がある。 繊維のサイズ処理は、各繊維の表面上に、該化学処理剤の少なくとも単層を適 用することを含む。ガラス強化繊維12は、一般的に該処理された繊維の全重量を 基準として、0.1〜1重量%、例えば約0.5重量%の化学処理剤含有率で、該繊維 12に適用された場合に、サイズ剤処理されたと考えられる。予備含浸は、十分な 量の該化学処理剤を、複数の繊維に塗布または適用して、該繊維10を束またはス トランド14に成形した際に、該繊維間の間隙内を実質的に満たすことを含む。ガ ラス強化繊維12の束またはストランド14は、一般的に該ストランド14が約2〜約 25重量%の化学処理剤含有率をもつ場合に、予備含浸されたと考えられる。 該繊維は、例えば該化学処理剤を少量で適用する場合および/またはこれが十 分に低い粘度をもつ場合には、同時に予備含浸することなしに、サイズ剤で処理 することができる。化学処理剤の粘度は、その温度を調節することにより調節す ることができる。例えば、該処理剤の粘度は、該繊維に存在する熱を使用するこ とによりこれを塗布した後に、適当に調節することができる。 好ましくは、該ストランド繊維10の少なくとも該強化繊維12を、(該処理され た繊維の重量を基準として)約2〜約15重量%、より好ましくは約5〜約15重量 %、およびより一層好ましくは約8重量%の量の化学処理剤で被覆する。公知の 強熱減量(LOI)法を使用して、該繊維12(これは、好ましくはガラスである)上 に、どの程度の化学処理剤が適用されたかを測定することができる。 好ましいLOI範囲または値は、最低のコストで該所定の複合ストランドを与え るものである。8%なるL0I値において、サンプルストランド14は十分に含浸され るが、触感的には湿潤していないことが分かった。低すぎるLOIの値は、後のイ ン−ラインまたはオフ−ライン加工および取扱いにおいて、該ストランド14の毛 羽立ち(即ち、該ストランド中の個々のガラス繊維の幾つかの破損)を生ずる可 能性がある。しかしながら、添加された化学処理剤の量が多いと、最終製品はよ りコスト高となる。より高いLOI値も、該ストランド14からの低粘度成分の滲出 をもたらす可能性がある。何れにしろ、約25〜約40重量%のLOI値が、複合物品 を製造するのに好ましく、この場合該マトリックスポリマー全体は、該複合スト ランド14から供給される。 かくして、繊維10を、本発明に従って化学的に処理して、プリプレグ(予備含 浸された複合ストランド)14またはサイズ剤処理された繊維10のみを含む複合ス トランド14を製造することができる。該複合ストランド14の1以上を、引き続き イン−ラインまたはオフ−ラインで加工して、種々の複合物品とすることができ る。例えば、該複合物品を製造する工程は、捕集工程とのイン−ラインで達成で きる。ストランド14から製造できる複合物品の例は、マット、布、シート、パネ ル、フィラメント−巻回パイプ、引抜き成形物品(引抜き成形体)、またはスプ レイアップ物品(ガンロービング)を包含する。該ストランド14は、また所定長 さまたはペレットに細断することができる。これらは射出成形またはその他の成 形法で使用して、複合物品を製造するのに適している。 一般的に、本発明の化学処理剤は、フィルム形成剤とカップリング剤とを含ん でいる。該フィルム形成剤は、該化学処理剤で被覆された各繊維の回りにポリマ ー材料の層を形成する。該カップリング剤は、該フィルム形成剤と少なくとも該 強化繊維とを結合またはカップリングするのを助ける。適当な場合には、該カッ プリング剤は、また該フィルム形成剤が該ポリマーマトリックス材料と反応また は相互作用するのを補助するように選択することもできる。 適用された該化学処理剤は、熱硬化性または熱可塑性物質として挙動する。ま た、該処理剤は熱硬化性および熱可塑性成分両者を含むことができ、例えば該処 理剤は反応性の末端基をもつ実質的に熱可塑性ポリマーを含むことができ、該基 は熱硬化性/硬化反応に関与できる。何れかの型の化学処理剤で使用する該フィ ルム形成剤は、該複合マトリックスについて使用したものと同一のポリマー材料 であり得る。 熱硬化型の化学処理剤は、部分的または完全に熱硬化性であり、かつ実質的に 非−光硬化性であり、また熱硬化性または熱可塑性のポリマーマトリックス材料 と共に使用することも可能である。該化学処理剤が熱硬化性物質として挙動する 場合、適用された熱エネルギーは、硬化すべき該適用された化学処理剤の少なく とも一部を、少なくとも部分的に硬化し、かつその粘度を増大する。好ましい化 学処理剤は、約350℃(662°F)およびそれ以下の温度にて熱硬化性である。 熱硬化型の化学処理剤の例において、該フィルム形成剤は、好ましくは比較的 低分子量の単−官能性モノマーの1種以上、比較的低または高分子量の多−官能 性モノマーの1種以上、またはその組み合わせを含むことができる。単−官能性 モノマーは、1分子当たり1個の反応性サイトをもち、一方多−官能性モノマー は、1分子当たり2個以上の反応性サイトをもつ。該モノマーは、実質的量の水 蒸気、揮発性有機炭素蒸気、または他の溶剤蒸気を実質的な量で発生することな しに、熱硬化可能である。例えば、熱硬化型の化学処理剤で使用する該フィルム 形成剤は、例えばポリエステルアルキド、エポキシ樹脂、および未だエポキシ樹 脂を含んでいない各繊維上にフィルムを形成するのに十分な、グリシジルエーテ ル官能基の組み合わせ等を包含する基由来の、少なくとも1種の低分子量官能性 モノマーを含むことができる。フィルム形成剤の全体または一部とし使用するた めの、他の適当な官能性モノマーは、ウレタン、アミック酸、ディールスアルダ ー反応性種(例えば、ジエン類またはジエノフィル)、コープ転位を起こすこと のできる分子を包含する。該官能性モノマーの分子量は、該マトリックス材料に 比して低いことが好ましく、その場合には低粘度の化学処理剤が得られる。 熱可塑性型の化学処理剤の例において、該フィルム形成剤は、好ましくは高温 において比較的低い粘度をもつ、少なくとも1種の低分子量の熱可塑性ポリマー 材料を含む。熱可塑性物質は、通常典型的な熱硬化性物質と比較して、比較的高 い分子量をもち、従って高い粘度をもつ。しかしながら、このような高分子量の 熱可塑性物質も、分解しまたは加工して、十分に低い分子量とした場合には、依 然として熱可塑性型の化学処理剤の該フィルム形成剤として使用することができ る。高分子量熱可塑性物質、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ チレンテレフタレート(PBT)、他のポリエステル類、およびポリアミド、例えば ナイロン等を、この目的のために十分に分解することができる。 分解した場合においてさえ、幾つかの熱可塑性物質は不当に高い粘度をもつ可 能性がある。このような場合には、該フィルム形成剤系内に、加工助剤または粘 度改良剤を使用することができる。例えば、該熱可塑性物質のモノマー等価物質 またはモノマー等価物質とオリゴマー(例えば、分解した熱可塑性材料)との混 合物を、高分子量の熱可塑性物質と共に、加工助剤として使用できる。熱可塑性 モノマー等価物質の例は、ジ-n-ブチルテレフタレートおよびPBTs用の1,4-ブタ ンジオールのジ−ベンゾエートエステル、ジエチルテレフタレートおよびPETs用 のエチレングリコールのジ−ベンゾエートエステル、およびカプロラクトン、ア ジポイルクロリドとn-アミノヘキサンとの付加生成物、およびナイロン用の1,6- ヘキサンジアミンとヘキサノイルクロリドとの付加生成物を包含する。これらの 例において、該モノマー等価物質分子は、加工助剤として機能して、高分子量の 熱可塑性物質、例えばPBT、PETおよびナイロンが、該化学処理剤中の該フィルム 形成剤の少なくとも一部を形成することを可能とすることができる。 上記例のモノマー等価物質の加工助剤は、他の熱可塑性物質と共に使用するこ とができ、および/またはこれらを反応性のものにして、熱硬化性または熱可塑 性物質と共に使用することができる。満足な結果は、熱硬化性マトリックスにつ いて以下の実施例に記載した、BES-含有化学処理剤中の加工助剤として、ブトキ シエチルステアレート(BES)を使用することにより得られる。好ましくは、この ような加工助剤は、同一の種類の官能基を、該マトリックスポリマーとして含有 する。モノマー等価物質の加工助剤として有用である可能性のある、無数の分子 および/または分子の組み合わせが存在し得る。 該化学処理剤が熱硬化性物質として挙動する場合、加熱工程は、好ましくは該 適用された化学処理剤を少なくとも部分的に硬化し、硬化すべき該適用された化 学処理剤の少なくとも一部(即ち、該熱に最も直接的に暴露される部分)の粘度 の増加をもたらす目的で使用される。この粘度の増加は、該熱硬化型の化学処理 剤が硬化した際の、分子量の増加により生ずる可能性がある。この熱硬化型のフ ィルム形成剤は、加熱された場合に、実質的な量の溶剤蒸気を発生することなし に、熱硬化可能である。好ましくは、該フィルム形成剤用に使用する該官能性モ ノマーは、約約350℃(662°F)およびそれ以下の温度にて、熱硬化可能である。 というのは、永久的な劣化の危険性が、約350℃(662°F)以上の温度にて、多く の化学処理剤に対して望ましからぬ程度まで増大するからである。 該適用された化学処理剤が熱可塑性物質として挙動する場合には、該加熱は、 該熱に最も直接的に暴露される部分(例えば、高温繊維近傍)の該適用された化 学処理剤の少なくとも一部の粘度の減少をきたす。該粘度が、該加熱工程中に低 下する場合、好ましくは十分な粘度の降下が見られ、結果として該適用された熱 可塑性型の化学処理剤の、該繊維10を湿潤する能力(該繊維を被覆し、かつ該繊 維表面と相互作用する能力)を望むように改善する。該繊維10上での該適用され た化学処理剤の湿潤性は、少なくとも該繊維表面と隣接して位置する、該適用さ れた化学処理剤部分について粘度の降下が生ずる場合に、改善される可能性が高 い。加熱しつつ、永続的な劣化の可能性を減じるためには、特に該熱可塑性型の フィルム形成剤および該熱可塑性型の化学処理剤が全体として、約350℃(662°F )およびそれ以下の温度にて十分に低い粘度を示すことが好ましい。 何れかの型の化学処理剤の粘度は、完全ではないにしても、少なくとも部分的 に、該化学処理剤が最初に塗布された際に、該繊維10を湿潤するのに十分に低い ものである。公知の装置(例えば、一本−または二本−ロール式塗布装置26)を 使用して、かなり多数の該繊維10、特にガラス繊維の破損を生じることなしに、 該化学処理剤を塗布できるためには、該化学処理剤は、好ましくはその適用前に 約1000cps以下の粘度をもつべきである。塗布される該化学処理剤の粘度が低い 程、著しい繊維の破損を生じることなしに、該繊維10を迅速に処理することがで きる。従って、より好ましくは、塗布前の該化学処理剤は約300cps以下の粘度を もつべきである。該繊維10を有利に加工するための好ましい態様においては、塗 布される該化学処理剤は、公知の粘度計(例えば、ブルックフィールドまたはIC I粘度計)を使用して測定した粘度、約50cps、より好ましくは約10cps程度をも つべきである。以下のものは、2つの主なカテゴリー、即ち液体および可融性の ものに分割される、フィルム形成剤の特定の例である。該「液体」のカテゴリー においては、合成されているマレエートを主成分とするフィルム形成剤の3つの 例がある。更に、市販品として入手可能な成分から調製される、12種のエポキシ を主成分とするフィルム形成剤がある。熱硬化型または熱可塑性型化学処理剤に おいて使用できる、もう一つの液体フィルム形成剤(アリルプロポキシレートウ レタン)がある。該「可融性」のカテゴリーにおいては、2種のフィルム形成剤 系があり、その各々は市販品として入手可能なポリカプロラクトンと、該液体フ ィルム形成剤の1種とから調製される。ポリカプロラクトン系の例は室温にて固 体状のポリマーである。これらのフィルム形成剤の例は、全て本発明に従って加 工できるものである。実施例1〜6:液体フィルム形成剤 実施例1:プロピレングリコール−フマレート 公知の10ガロン(38L)のステンレススチール製の反応器に、17.02kgのプロピレ ングリコール(オハイオ州、コロンブスのアシュランドケミカル社(Ashland Che mical Company)から入手できる)および12.98kgのフマール酸(ユタ州、ソルト レークシティーのハンツマンスペシャルティーケミカル(Huntsman Specialty Ch emical)から入手できる)を装入した。安定性を確保するために、3.62g(120ppm) のトルヒドロキノン(THQ)(ウイスコンシン州、ミルウオーキーのアルドリッチケ ミカル社(Aldrich Chemical Company)から入手できる)を該反応器に添加した。 該装入物のモル比は2:1プロピレングリコール(PG)対フマール酸(FA)であった。 この混合物を窒素雰囲気下で、380°F(193℃)にて5時間加熱した。この反応の 終点は、該PG-FA生成物の粘度により決定し、該粘度はコーン・プレート粘度計 、例えばデラウエア、ウイルミントンのICIにより作成された粘度計により測定 した値で、120°F(49℃)にて360〜450cpsであった。該反応終点における酸価は 、典型的には10〜36Meq KOH/gアルキド(アルキド1g当たりの、水酸化カリウム のミリ当量)であることが観測された。この材料はフィルム形成剤としてそのま ま使用できる。実施例2:プロポキシレート化ビスフェノールA−マレエート 50ガロン(189L)のステンレススチール製の反応器に、159.68kgのプロポキシレ ート化ビスフェノール-A(サウスカリフオルニア、インマンのミリケンケミカル (Milliken Chemical)から入手できる)および20.33kgの無水マレイン酸(ハンツ マンスペシャルティーケミカルから入手できる)を装入した。安定性を確保する ために、18g(100ppm)のヒドロキノン(HQ)(アルドリッチケミカル社から入手で きる)を該反応器に添加した。この混合物を窒素雰囲気下で、175°F(79℃)にて 2.5時間、次いで275°F(135℃)にて3.5時間加熱した。該反応の終点は酸価によ り決定し、該酸価が63.6Meq KOH/gアルキドに達した時点で完了したものと考え 、赤外吸収スペクトル法では、如何なる無水マレイン酸も観測されなかった。こ の生成物の粘度は、ICIにより製作された粘度計により測定した値で、 200°F(93℃)において100〜130cpsの範囲内にある。この物質はフィルム形成剤 としてそのまま使用できる。実施例3:プロポキシレート化アリルアルコールーマレエート 15ガロン(189L)のステンレススチール製の反応器に、15.49kgのプロポキシレ ート化アリルアルコール(ペンシルバニア、ニュータウンスクエアーのアルコケ ミカル社(Arco Chemical Company)から入手できる)と、9.88kgの無水マレイン 酸(ハンツマンスペシャルティーケミカルから入手できる)とを装入した。安定 性を確保するために、2.53g(100ppm)のHQを該反応器に添加した。この混合物を 窒素雰囲気下で、250-300°F(121-149℃)にて4時間加熱した。該反応の終点は 、その酸価が263.4Meq KOH/gアルキドに達した時点で完了したものと考え、赤外 吸収スペクトル法では、如何なる無水マレイン酸も観測されなかった。この生成 物の粘度は、ICIにより製作された粘度計により測定した値で、200°F(93℃)に おいて100〜130cpsの範囲内にある。この物質はフィルム形成剤としてそのまま 使用できる。実施例4A-K:低粘度エポキシ系 典型的なエポキシを主成分とするフィルム形成剤は、1種以上のエポキシを含 み、該エポキシは、シェルケミカル社(Shell Chemical Company)から得られる、 例えばエポンレジン(EPON Resin)8121、エポンレジンSU-2.5、エポンレジン160 、ヘロキシモディファイアー(HELOXY Modifier)62(クレジルグリシジルエーテ ル)、ヘロキシモディファイアー67(1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテ ル)、およびヘロキシモディファイアー505(ひまし油のポリグリシジルエーテル )である。以下に列挙する該エポキシを主成分とするフィルム形成剤系の全ては 、室温にて50cps以下の粘度を有する。特定した百分率は重量%(本明細書全体 を通して与えられる全ての百分率および比率は、特に述べない限り重量基準であ る)である。 (A)100%ヘロキシモディファイアー67 (B)98% ヘロキシモディファイアー67,2%ヘロキシモディファイアー62 (C)90% ヘロキシモディファイアー67,10% ヘロキシモデイファイアー62 (D)98% ヘロキシモディファイアー67,2%エポンレジン160 (E)90% ヘロキシモディファイアー67,10% エポンレジン160 (F)98% ヘロキシモディファイアー67,2%エポンレジンSU-2.5 (G)90% ヘロキシモディファイアー67,10% エポンレジンSU-2.5 (H)97% ヘロキシモディファイアー67,3%ヘロキシモディファイアー505 (I)100%ヘロキシモディファイアー62 (J)70% ヘロキシモディファイアー62,30%エポンレジン8121 (K)65% ヘロキシモディファイアー62,30%エポンレジン8121,5%エポンレジン SU-2.5実施例5:高粘度エポキシ 上記のエポキシ系に加えて、より高温のより高い粘度のエポキシフィルム形成 剤系の例は、DER337エポキシ樹脂(ダウケミカル(Dow Chemical)から入手できる )と、アラルダイト(Araldite GT7031(スイスのチバ−ガイギー社(Ciba-GeigyCo rp.)から入手できる)との1:1混合物である。このフィルム形成剤は、200°F(93 ℃)において350〜450cpsの範囲内の粘度を有する。実施例6:アリルプロポキシレートウレタン 加熱用マントル、フリードリッヒコンデンサ、1リットルの添加ロート、電動 式オーバーヘッド攪拌機、および熱電対温度プローブを備えた12リットルの3つ 口、丸底ガラス反応器に、3.63kg(21.6M)のデスモジュール(Desmodur)H(ペン シルバニア、ピッツバーグのバイエルケミカル社(Bayer Chemical)から入手でき るヘキサメチレンジイソシアネート)を装入した。これに、0.5g(50ppm)のジブ チル錫ジラウレート(アルドリッチケミカル社から入手できる)を添加した。次 いで、6.37kg(43.6M)のARCALアリルプロポキシレート1375(アルコケミカル社か ら入手できるプロポキシレート化アリルアルコール)を、該添加ロートを介して 添加した。このアリルプロポキシレートは、滴添し、かつその温度は、その添加 速度および該加熱マントルの温度を調節することにより、80℃に維持した。こ の添加の完了後、該反応器内容物の温度を80℃にて、3時間、または該反応混合 物の赤外スペクトルにおける、該デスモジュールHの該イソシアネート基に相当 する、波数2200が消失するまでの時間維持した。このフィルム形成剤は、如何な る精製処理も更なる取扱いもすることなく、そのまま使用できる。実施例7および8:可融性フィルム形成剤 実施例7プロポキシレート化ビスフェノール-Aマレエート/トーン(TONE)0260 実施例2からの、プロポキシレート化ビスフェノール-Aマレエートと、トーン (T0NE)0260(ユニオンカーバイド(Union Carbide)社から入手できるポリカプロ ラクトンポリマー)とを、重量比1:1にて混合した。この混合物は室温にて固体 であるが、200-230°F(93-110℃)にて50-250cpsなる粘度を有する。実施例8プロポキシレート化アリルアルコールマレエート/トーン0260 実施例3からのプロポキシレート化アリルアルコールマレエートと、トーン02 60とを、重量比1:1にて混合した。この混合物は室温にて固体であるが、200-230 °F(93-110℃)にて50-250cpsなる粘度を有する。随意成分 上記のような他の粘度改良剤に加えてまたはこれに代えて、n-ブチルアミック 酸をも、改良剤として使用でき、ここで該改良剤は適当に熱可塑性または熱硬化 性材料と反応性であって、該フィルム形成剤および全体としての該化学処理剤の 粘度を低下する。好ましいアミック酸反応性改良剤は以下のように調製した。 加熱マントル、フリードリッヒコンデンサ、1リットルの添加ロート、電気式 オーバーヘッド攪拌機、および熱電対温度プローブを備えた、2リットルの3つ 口、丸底ガラス反応器に、150g(1.53M)の無水マレイン酸(ハンツマンスペシャ ルティーケミカル社から入手できる)および0.02gのヒドロキノン(アルドリッ チケミカル社から入手できる)を装入した。これらの固体を、350mlのアセトン (アルドリッチケミカル社から入手できる、高純度等級のもの)を添加すること により溶解した。この無水マレイン酸とヒドロキノンとの溶液を、該反応器内で 攪拌した。111g(1.51M)のn-ブチルアミン(アルドリッチケミカル社から入手で きる)を150mlのアセトンに溶解した溶液を、該反応器に添加した。該n-ブチル アミン溶液は滴下し、またその温度を、該添加速度および該加熱マントルの温度 を変えることにより55℃に維持した。この添加が完了したら、該反応器およびそ の内容物の温度を、60℃にて3時間維持した。次いで、該アセトンを、減圧下で 60℃にて、ロータリーエバポレータにより除去した。この固体のn-ブチルアミッ ク酸生成物を、90℃にて液体状態で、該反応器から取り出した。これは、如何な る精製処理も、更なる取扱いもすることなく、そのまま使用できる。生成した該 n-ブチルアミック酸の少量を、アセトンから再結晶した。この再結晶物質の融点 は、示差走査熱量法(DSC)により測定したところ、74.9℃であった。カップリング剤 熱硬化性または熱可塑性化学処理剤の何れかに対して、該カップリング剤は官 能化された有機基質(即ち、有機基質に結合した少なくとも一つの有機官能基) を含む。この型の官能化された有機基質の例は、アルコール、アミン、エステル 、エーテル、炭化水素、シロキサン、シラザン、シラン、ラクタム、ラクトン、 無水物、カルベン、ナイトレン、オルトエーテル、イミド、エナミン、イミン、 アミド、イミド、およびオレフィンを包含する。該官能化された有機基質は、高 温度(好ましくは、約100℃(212°F)〜約350℃(662°F))にて、該繊維の表面と 相互作用および/または反応することができて、該強化繊維とマトリックス材料 との間に十分なカップリングまたは結合を生成して、所定の特性を達成する。相 互作用は、引力により生ずる、例えば水素結合またはファンデルワールス結合等 の結合を含む。反応は、化学結合を含み、これは典型的には共有結合である。該 官能化された有機基質は、また該マトリックス材料とも相互作用性または反応性 であり得る。カップリング剤の例は、シラン、例えばγ−アミノプロピルトリエ トキシシラン(A-1100)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(A-174 )、およびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A-187)を包含し、これ らは全てイリノイ、シカゴのウイトコケミカル社(Witco Chemical Company)から 入 手できる。非−シラン系カップリング剤も、使用できる。該カップリング剤系に 対して、1種以上の適当な官能化された有機基質を選択することにより、該複合 物品の該強化繊維と該マトリックス材料との間の該所定の機械特性を達成するこ とができる。これらの化学処理剤に関して、如何なる理論にも拘泥するつもりは ないが、該処理剤が如何に機能するかに関する、可能な説明を以下に与える。シ ラン型のカップリング剤は、典型的には水性型化学処理剤に見られる。一般的な 観測の下で、公知のシラン型のカップリング剤については、該分子のアルコキシ シラン部分は、加水分解されて、ヒドロキシシランまたはシラノールとなり、該 カップリング剤を水溶性とする。該分子の一端は、該ガラス表面と相互作用また は反応し、該分子の他端は、該マトリックス材料と反応または相互作用する。よ り具体的に言えば、典型的にはガラス工業で使用されている、カップリング剤は 、オルガノシランであり、これらは該マトリックスポリマーと反応または相互作 用すると考えられる有機部分と、該ガラス表面と反応または相互作用すると考え られるシラン部分、またはより具体的にはシラノール部分とを有する。また、幾 つかの場合には、オルガノシランの該有機部分は該ガラス表面と反応(例えば、 共有またはイオン結合)でき、あるいは相互作用(例えば、水素結合またはファ ンデルワールス結合)できることが、一般的に受け入れられている。一般的に、 水素結合および他の結合は、熱力学的(温和な反応条件下で可逆的)な過程であ ると考えられている。幾つかの場合、例えばシラノールがガラス表面と結合して いる場合には、化学結合は熱力学的過程であると考えられている。従って、前に 述べたカップリング剤の技術については、水性型化学処理剤の該ガラスに対する 結合は熱力学的過程として起こる。というのは、公知の方法は、通常比較的温和 な条件下で行われており、また通常は実質的な程度に可逆的である。公知の方法 においては、該ガラス繊維を、水性型の化学処理剤で被覆した後、該被覆した繊 維を包装し、オーブン内で乾燥している。該オーブン内では、該カップリング剤 の該有機官能基の幾つかが、不可逆的に該フィルム形成剤中の該有機官能基の幾 つかと反応する可能性がある。しかしながら、これはそれ程大規模には起こらな い。というのは、典型的に使用されている、150-190°F(66-88℃)なるオーブン 温度は、そのためには十分に高いとは言えないからである。 これとは対照的に、本発明の溶剤を含まない化学処理剤については、該結合ま たはカップリング過程は、本来的により速度論的なものとなる。即ち、該結合は 比較的過酷な条件(例えば、より高い温度)下で起こり、また実質的に不可逆的 な反応を含む可能性がある。その上、該繊維表面に結合したカップリング剤に加 えて、該複合物品の該強化繊維と該マトリックス材料との間に相間領域が形成さ れる可能性がある。この相間領域は、少なくとも部分的には該適用された化学処 理剤により形成される。この相間領域は、また全体としてまたは部分的に、該繊 維の回りの領域を含み、該領域において、該化学処理剤および該マトリックス材 料は、互に相互作用し、および/または反応している。該化学処理剤は、また回 りの該マトリックス材料中に完全に分散または溶解している可能性がある。 公知のシランカップリング剤は、本発明の化学処理剤で使用できるが、その該 ガラス表面との相互作用または反応のメカニズムは公知の方法で発生しているも のとは異なると考えられる。本発明の加工中には本質的に水が存在しないので、 該アルコキシシランが直接該ガラス表面と反応して、シロキサン結合を与えかつ アルコールを放出する。実際に、該アルコキシシランが、本発明の化学処理剤中 で、本発明に従って加工される際に暴露される条件下では、加水分解しないこと を示唆する実験的証拠(プロトンNMRデータ)がある。本発明の化学処理剤中で 使用されている該カップリング剤の該アルコキシシラン基は、速度論的に該ガラ ス表面と反応または相互作用して、シロキサン結合を与えかつアルコールを遊離 するものと考えられる。従って、アルコキシシランカップリング剤が本発明の化 学処理剤中に存在する場合に、良好な複合体特性が、熱硬化性および熱可塑性複 合体両者について得られ、かつ該化学処理剤中にアルコキシシランカップリング 剤が存在しない場合には、あまり良好でない複合体特性が、熱硬化性および熱可 塑性複合体両者について得られるという観察により証拠付けられるように、本発 明の方法は、熱力学的というよりも、寧ろ速度論的である。 本発明の化学処理剤中のアルコキシシランカップリング剤が、ある速度論的過 程を介して、新たに形成されたガラスのまたは他の強化繊維の表面と反応または 相互作用した場合には、上記のような十分に反応性の官能基を含む他の型の分子 も、速度論的過程を介して、ガラスのまたは他の強化繊維の表面と反応または相 互作用するであろう。更に、速度論的過程を介して、ガラスのまたは他の繊維の 表面と反応または相互作用するこれら同一の官能基は、同様に速度論的過程を通 して、該化学処理剤および/または該マトリックス材料中の該有機物質の残部と 反応または相互作用する可能性がある。従って、このことは該ガラスまたは他の 繊維表面にあるいはその極近傍に相間領域を形成するように機能し、かつ該化学 処理剤の平均分子量を高めるように機能して、得られるガラスストランド製品に 所定の物性を付与することができる。かくして、本発明の利点は広範囲のカップ リング剤の使用に対するおよび該繊維と該マトリックスとの間の相間領域の形成 に対する融通性をも含む。 該複合物品が該強化繊維と該マトリックス材料との間で所定の機械的特性を示 すためには、該化学処理剤は、好ましくは該複合物品の該マトリックス材料と相 溶性である必要がある。一般的に、化学処理剤は、これが該マトリックス物質と 相互作用および/または反応できる場合には、該マトリックス物質と相溶性であ ると考えられる。何れかの型の適用された化学処理剤の該フィルム形成剤は、該 マトリックス物質と同一のポリマー物質を含むことができ、また該複合物品の該 マトリックス物質の一部または全てを構成するのに十分な量で与えられる。 該化学処理剤は全体としてまたは部分的に該マトリックス物質と混和性であり 得、および/または該マトリックス物質とは別の相を形成してもよい。別の相を 形成する場合、各繊維の回りに分布する該化学処理剤は、該マトリックス物質中 に分散された複数の別の相領域を形成し、および/または対応する繊維を包囲す る単一の別の相領域を形成することができる。 ある型の化学処理剤および異なる型のマトリックス物質を使用して、該複合物 品を作成する場合、熱硬化型の化学処理剤を、熱可塑性型のマトリックス物質と 共に使用することが好ましい。低分子量の熱硬化型の化学処理剤は、熱可塑性加 工中に硬化でき、および/または該熱可塑性マトリックス物質の連鎖末端と反応 させることができる。結果としてこのような型の分子は、該熱可塑性マトリック ス物質を容易には可塑化しないであろう。適当な化学処理剤を選択する場合、幾 つかの低分子量の熱可塑性物質は、熱可塑性マトリックス樹脂および該低分子量 熱可塑性材料の化学的構造が著しく異なる場合には、該熱可塑性マトリックス樹 脂を可塑化できることに注目すべきである。このような異なる熱可塑性物質の例 は、該化学処理剤の一部としてのジブチルテレフタレートおよび該マトリックス 物質としてのポリプロピレンである。 場合により、該化学処理剤は、また該化学処理剤と該マトリックス物質との間 の該相互作用および/または反応を改善するための相溶化剤を含み、かくしてこ れを使用しない場合には、該処理剤の非−相溶性または低相溶性のポリマー成分 または原料を、該マトリックス物質中において、より相溶性(例えば、より混和 性)のものとすることができる。熱硬化性または熱可塑性化学処理剤を、熱可塑 性マトリックス物質と共に使用する場合、相溶化剤の例は、PBTモノマー等価物 質である、1,4-ブタンジオールのジ-n-ブチルテレフタレートおよびジベンゾエ ートエステル;PETモノマー等価物質である、エチレングリコールのジエチルテ レフタレートおよびジベンゾエートエステル;およびナイロンモノマー等価物質 である、カプロラクトン、アジポイルクロリドとn-アミノヘキサンとの付加生成 物、および1,6-ヘキサンジアミンとヘキサノイルクロリドとの付加生成物を包含 する。 何れかの型の化学処理剤を、熱硬化型のマトリックス物質と共に使用する場合 には、より反応性の高い相溶化剤を使用することが好ましい。例えば、ポリエス テルまたはビニルエステル熱硬化物質に対しては、適当な相溶化剤はグリシジル メタクリレート末端キャップ二酸および無水トリメリット酸系である。ポリエス テルまたはビニルエステル熱硬化物質に対する適当な相溶化剤の具体的な例は、 ジアリルフタレート(DAP,これは市販品として入手できる)、グリシジルメタク リレート−キャップイソフタール酸、無水トリメリット酸−ドデシネート(dodec inate)、テレフタール酸のビス−アリルアルコール付加生成物およびCH2C3(OCH2 CH2n(CH2mCO2H(ここでnは3〜7の整数であり、またmは16であり(例 えば、イリノイ、シカゴのウイトコケミカル社から入手できるCBA-60)を含む。 エポキシベースの熱硬化性物質に対しては、グリシドールを主成分とするエステ ルが適当な相溶化剤であり得、その例はグリシジルメタクリレート自体、アジピ ン酸のジグリシジルエステル、およびトリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)を 包含する。 本発明の化学処理剤は、また1種以上の加工助剤を含んでいて、製造工程中の 幾つかの時点における該化学処理剤の使用を容易にし、および/または得られる 複合物品の特性を最適化することを可能とする。熱硬化型化学処理剤に対して、 該加工助剤は、例えば該繊維に該熱硬化型化学処理剤を適用する前に、その粘度 を減じるための粘性低下剤を含むことができる。この粘性低下剤は、実質的に溶 剤を含まず、かつ好ましくは熱硬化性フィルム形成剤の硬化を補助する。該熱硬 化型の化学処理剤で使用する該加工助剤は、例えばスチレンとパーオキシドを含 むことができる。スチレンは、好ましくは該フィルム形成剤を希釈するのに使用 され、かつ該熱硬化反応に関与する。パーオキシドは、好ましくは触媒または硬 化剤として機能する。 場合により、ガラス繊維をサイズ処理するのに典型的に使用されている他の型 の添加剤の非水性のものも、本発明の化学処理剤における加工助剤として使用で きる。例えば、加工助剤または添加剤はガラスのトウまたはストランドの潤滑性 の制御、発生する静電荷の量の制御、または該ガラスのトウまたはストランド製 品の取扱い性の制御を補助するのに使用できる。潤滑性は、加工助剤または潤滑 剤、例えば鉱物油中のポリエチレングリコールエステルのエマルション(例えば 、ノースカロライナ、シャルロッテのヘンケルテクスタイルテクノロジーズ(Hen kel Textile Technologies)から入手できるエマールーベ(Emerlube)7440)、ポ リエチレングリコール、例えばPEG-400-MO(ポリエチレングリコールモノオレエ ート)およびPEG-400-モノイソステアレート(ヘンケル社から入手できる)およ びブトキシエチルステアレート(BES)を添加することにより改質できる。これら の潤滑剤は、潤滑剤として機能して該ガラスの作業性を高めるのに役立ち、思慮 深く使用した場合には、あったとしてもほんの僅かな悪影響を、完成された複合 物品に及ぼすに過ぎないはずである。静電荷の発生は、加工助剤、例えばポリエ チレンイミン、例えばエマリー(Emery)6760-Oおよびエマリー6760-U(ヘンケル 社から入手できる)を添加することにより調節できる。取扱い性は、加工助剤、 例えばポリビニルピロリドン(例えば、ニュージャージー、ウエインのGAF社から 入手できるPVPK 90)の使用により高めることができ、該助剤は良好なストランド の保全性および凝集性をもたらすことができ、また湿潤剤または界面活性剤、例 えばプルロニック(Pluronic)L101およびプルロニックP105(両者共に、BASF社か ら入手できる)を使用することもでき、これらは該マトリックス物質が該繊維を 湿潤する能力を改善できる。しかし、存在する何れの成分もある処方を有してお り、従って該化学処理剤が溶剤を含まないような量で添加される。 本発明の化学処理剤を適用するための方法並びに装置の好ましい態様を、添付 図を参照しつつ更に詳しく説明する。第1図は、化学処理剤を、複合物品の製造 に使用する繊維10に塗布するための装置20の一態様を示し、繊維形成メカニズム 22例えば公知のガラス繊維形成ブッシュ24を含み、これは周知の稼働法に従って 使用して、該ブッシュ24の上方の溶融器内の溶融ガラス源から、複数のガラス強 化繊維12を連続的に形成する。この例示した方法において、該ガラス強化繊維12 は、形成された後の一定時間熱エネルギーを放出する。1種以上の塗布装置26、 例えば標準的な一本ロールまたは二本ロール型の塗布装置28およびパン30を使用 して、上で例示した化学処理剤の1種を、該強化繊維12に塗布して、複数の被覆 された繊維32を生成することができる。該化学処理剤を塗布した後にも、実質的 な数の繊維10の損傷なしに、この方法の実施を継続するためには、該化学処理剤 の粘度を、塗布前に十分に低下させ、あるいは上記のように塗布後に十分な値で 降下させる。 新たに形成されたガラス繊維12に化学処理剤を塗布する異なる2つの方法を以 下に記載する。例示の方法1は、比較的低温度において、該化学処理剤の粘度が 比較的低い場合(例えば、150°F(66℃)以下の温度にて150cps以下の粘度)に利 用される。例示した方法2は、高い粘度をもつ化学処理剤に対して使用する。上 記実施例1-4(K)および6のフィルム形成剤の1種を含有する化学処理剤は、方法 1において使用できる。上記実施例5、7および8のフィルム形成剤の1種を含 有する化学処理剤は、方法2と共に利用できる。方法1で使用する何れの化学処 理剤も、方法2で使用できる。方法1または方法2の何れかで使用できる任意の 化学処理剤が、もう一つの系の例である方法3でも使用可能である。方法1 化学処理剤を塗布するためのこの方法は、塗布装置26の近傍領域において、該 塗布装置26の位置が該ガラス繊維12の流れ(即ち、繊維10の流れ)並びに該繊維 10を含む面に対して垂直な面内で調節できるように改良された、公知のガラス強 化繊維形成装置を使用する。該塗布装置26は、片持ばりのアームにより、キャス ター付きカートに固定されている。該カートはレール上にあって、該繊維の流れ の方向に対して直角の軸に沿って容易に配置することができる。該カートの上部 は、シザージャック(scissors jack)およびウォームギヤー機構により、該カー トの主要部に接続されている。これにより、該塗布装置26が該ブッシュ24に相対 的に昇降することを可能とする。該塗布装置26の位置は両軸に沿って調節でき、 一方該方法を続行できる。この化学処理剤は金属製のバケット、例えば5-ガロン (19L)のバケットに保存される。 場合により、該化学処理剤を加熱する。この化学処理剤を加熱するためには、 該バケットをホットプレート上に置き、および/または例えばミシガン、ガーデ ンシティーのオームテンプ(OHMTEMP)社から入手できるモデル(Model)5等のバケ ットヒータで覆うことができる。該化学処理剤の温度は、可変AC熱電対−ベース の加熱コントローラー、例えばフィッシャーサイエンティフィック(Fisher Scie ntific)またはVWRサイエンティフィック(Scientific)等の主な科学サプラィハウ スから入手できるものにより、所定のレベルに維持される。該化学処理剤を蠕動 ポンプ、例えばマスターフレックス(Masterflex)ポンプコントローラーモデル#7 549-50およびマスターフレックスチュービングパート#6402-73を備えたマスター フレックスモデル#7529-8(これらは全て、イリノイ、バーリントンのコール−パ ーマー(Cole-Parmer)の一部門であるバーナント社(Barnant Company)から入手で きる)によって、該塗布装置のパン30からおよび該パンにポンプ輸送される。該 塗布装置26はガラス繊維形成法用の標準的な設計のものであり、金属パン30から なり、該パンは単一のグラファイトローラー28を担持し、これは径3.0インチ(7. 6cm)をもち、かつ1分当たり3〜20フィート(0.9〜6.1m)の範囲の速度で、電動 モータにより駆動される。互換性のポンプを、該蠕動ポンプと置換するために使 用でき、その例はNC、サンフォードのパーカーハニフィン社(Parker Hannifin C orporation)のゼニスポンプ部門(Zennith Pump Division)から入手できるゼニス (Zenith)ポンプモデル#60-20000-0939-4である。この互換性のポンプ は、加熱された送りおよび戻りホースアセンブリーを備えたギヤー型のポンプで あり、一般的に以下の特徴を有している:テフロンライナー付き、高圧式、内径 x0.222インチ(0.564cm)、長さ72インチ(183cm)、破裂強度12,000psi(83MPa)、 稼働圧3000psi(21MPa)、ステンレススチール製、7/16-20ネジJIC雌型スイベル継 手、120V、300W、100ΩプラチナRTD、アンフェノール(Amphenol)#3106A-14S-06P プラグを備えた長さ72(183cm)のコード(オハイオ、コロンブスのザコンラッド 社(The Conrad Company,Inc.)から入手できる)を有する(該加熱したホースア センブリーは、2つの互換性の(即ち、蠕動およびギヤー型の)ポンプ系の間で 異なる)。方法2 もう一つの例示した方法においては、二本ロール塗布装置を使用して、非水型 の高い粘度の高温化学処理剤を塗布する。この二本ロール塗布装置は、該ガラス 形成装置と相対的な位置に固定される。この二本ロール塗布装置の位置は、標準 的なガラス繊維形成法において見られるものと本質的に同一であり、該位置は該 ブッシュから約50インチ(127cm)である。この方法で該化学処理剤に対して使用 する該加熱装置およびポンプ装置は、上記方法1について記載したものと同一で ある。 この二本ロール塗布装置は、第二の塗布ロールを含み、これは該2つのロール の大きなものに相当し、該化学処理剤を秤量し、かつ小さい第一の塗布ロールに これを搬送する。該第一のロールが、該化学処理剤を該繊維に直接塗布するのに 使用される。該比較的小径の該第一のロールは、該ロールと該繊維との間の抵抗 を、これらの間の接触面積を減ずることにより、減少する。また、該繊維内の張 力も、該抵抗における減少により減じられる。該塗布した化学処理剤の厚みは、 該第一および第二のロール間のギャップを調節することにより、また該小径のロ ールにドクターブレードを設けることにより、計測することができる。このよう な二本ロール塗布装置は、スミス(Smith)等に付与された米国特許第3,817,728号 および同第3,506,419号に記載されている。これらの開示事項を本発明の参考と する。方法3 この好ましい態様においては、方法2の二本ロール塗布装置および方法1の位 置調節可能性両者を、該化学処理剤に対する上記の加熱およびポンプ輸送系と共 に使用する。捕集メカニズム34、例えば公知の捕集シューを使用して、該被覆し た繊維32を一緒に集めて、ストランド14とする。引抜きメカニズム36、例えば公 知の対向する一対の引抜きホイールを使用して、当分野で周知の方法を用いて、 該ブッシュ24から該繊維12を連続的に引き抜く。該ストランド14は、包装体(図 示せず)に巻き取るか、所定長さのセグメントに細断し、かつ後のオフ−ライン 加工による複合物品の製造のために保存する。また、該複合ストランド14は、該 捕集工程とのイン−ラインで、直接加工して複合物品とすることもできる。 連続的に形成された強化繊維12に加えて、該繊維10は、更に適当なマトリック ス物質から製造した複数のマトリックス繊維13を含むことができる。マトリック ス繊維13を使用した場合、該化学処理剤を塗布する工程は、該強化繊維12に塗布 したものと同一のまたは異なる化学処理剤で、該マトリックス繊維13をサイズ処 理し、および/または予備含浸する工程を含むことができる。種々の型のマトリ ックス繊維13を使用する場合、各型のマトリックス繊維13に異なる化学処理剤を 塗布することが好ましい可能性がある。同様に、異なる型の強化繊維12を使用し た場合には、各型の強化繊維12に異なる化学処理剤を塗布することが有利である 可能性がある。同一の技術および装置を使用して、連続的に形成しまたは予備成 形したか否かとは無関係に、各型の強化繊維およびマトリックス繊維を化学的に 処理することができる。化学処理剤の例 ガラス強化繊維および種々のマトリックス繊維に塗布するための、かつPBT、 ナイロンおよびポリプロピレンマトリックス樹脂と共に使用するのに適した、化 学処理剤の例を以下に与える。該種々のマトリックス繊維は、対応するマトリッ クス樹脂と同一の材料から製造される。以下の説明における「ヒート(HEAT)」お よび「ノーヒート(NO HEAT)」とは、該列挙した化学処理剤が、対応する繊維に 塗 布された後に、それぞれかなりの程度に加熱され、または加熱されないことを意 味する。「ノーヒート」の、強化繊維用の以下の化学処理剤は、また該対応する マトリックス樹脂から製造したマトリックス繊維にも使用できる。連続的に形成 したガラス繊維が、公知の位置における該塗布装置に到達(例えば、該塗布装置 が該溶融ガラス源からかなり離れた位置にある)した場合、該ガラス繊維は依然 として幾分かの熱を放出する。しかしながら、該ブッシュからのこの距離におい て、該繊維から放出される熱量は、該塗布された化学処理剤の幾分かに大きな影 響を与えるには不十分である可能性がある。「ノーヒート」なる標記は、従って このような状況をカバーする。例A 複合マトリックス樹脂:PBT 強化繊維の処方: (1) ヒート用:83%ヘロキシモディファイア(HELOXY Modifier)67,10%エポ ン(EPON)SU-2.5,5%無水マレイン酸および2%A-1100 (2) ノーヒート用:95%ヘロキシモディファイア67,3%ヘロキシモディファ イア505および2%A-1100 マトリックス繊維の処方: (1) ヒート用:83%ヘロキシモディファイア67,10%エポン160,および7%DIC Y (2) ノーヒート用:83%ヘロキシモディファイア67,10%ヘロキシモディファ イア62および7%TGIC例B: 複合マトリックス樹脂:ナイロン 強化繊維の処方: (1) ヒート用:44.5%OH末端基をもつPG-フマレート,44.5%トーン(TONE)026 0,5%デスモジュール(DESMODUR)N-100,5%BESおよび1%A-1100 (2) ノーヒート用:(a)47%プロポキシレート化ビス-Aマレエート,47%トー ン0260,5%BESおよび1%A-1100または(b)99%アリル プロポキシレートウレタンおよび1%A-1100 マトリックス繊維の処方 (1) ヒート用:(a) 90%アリルプロポキシレートウレタンおよび10%アミック 酸;または(b) 90%アリルプロポキシレートウレタン,5%(OH末端基をもつ)PG-フ マレートおよび5%デスモジュールN-100 (2) ノーヒート用:47.5%プロポキシレート化ビス-Aマレエート,47.5%トー ン0260,および5%BES例C: 複合マトリックス樹脂:ポリプロピレン 強化繊維の処方: (1) ヒート用:(a) 68%PG-フマレート,20%プロポキシレート化アリルアル コール,5%無水マレイン酸,5%TBPB,および2%A-1100またはA-174;または(b) 83% (0H末端基をもつ)PG-フマレート,5%デスモジュールN-100,5%無水マレイン酸, 5%TBPB,および2%A-1100またはA-174 (2) ノーヒート用:(a) 88%アリルプロポキシレートウレタン,10%エポン81 21,および2%A-1100;(b) 90%アリルプロポキシレートウレタン,5%ジアリルフタ レート,2%無水マレイン酸,2%BPOおよび1%A-1100 マトリックス繊維の処方 (1) ヒート用:91%アリルプロポキシレートウレタン,5%ジアリルフタレー ト,2%無水マレイン酸,および2%TBPB; (2) ノーヒート用:(a) 90%アリルプロポキシレートウレタンおよび10%エポ ン8121;または(b) 91%アリルプロポキシレートウレタン,5%ジアリルフタレート ,2%無水マレイン酸,および2%BPO 略号DICYはジシアンジイミドを表し、これはエポキシ樹脂用の高温アミンーベ ースの硬化剤である。該DICY硬化剤および(粘度低下用の)該反応性改質剤ジア リルフタレートは、アルドリッチケミカル社から入手できる。デスモジュールN- 100は、ウイトコケミカル社から入手できるポリイソシアネートである。該PG-フ マレート、プロポキシレート化ビス-Aマレエート(プロポキシレート化ビスフェ ノール-Aマレエート)、アリルプロポキシレートーウレタン、プロポキシレート 化アリルアルコール、およびアミック酸(即ち、n−ブチルアミック酸)は、全 て上記のようにして調製できる。BESはブトキシエチルステアレートを表し、こ れは、その全体または一部を、アジポイルクロリドとn-アミノヘキサンとの付加 生成物または1,6-ジアミノヘキサンとヘキサノイルクロリドとの付加生成物、カ プロラクトン(アルドリッチケミカル社から入手できる)、およびアミック酸例 えばn-ブチルアミック酸等の化合物により、上記の化学処理剤において置換する ことができ、またこれらの互換性化合物は、該BESにより与えられる機能に加え て、他の機能を果たすこともできる。TPBPおよびBPOは、それぞれパーオキシド であるt-ブチルパーオキシベンゾエートおよびベンゾイルパーオキシドであり、 またイリノイ、シカゴのアクゾ−ノーベルケミカル(Akzo-Nobel Chemical)社か ら入手できる。エポン8121はビスフェノール-A型のエポキシ樹脂であり、シェル ケミカル社から入手できる。 99%のアリルプロポキシレートウレタンおよび1%のA1100を含む該化学処理剤を 、ガラス繊維に塗布し、該被覆した繊維を成形して複合ストランドとし、該複合 ストランドをナイロン熱可塑性マトリックス材料の鞘で、ワイヤ被覆または覆い 、該覆われた複合ストランドを細断してペレットを得、該ペレットを射出成形し て、複合体テスト検体とした。この覆った複合ペレットは、以下に更に説明する 本発明のワイヤー被覆法を利用して形成した。これらの複合体テスト検体中の該 ガラス強化繊維は、該マトリックス物質中に完全には分散されていなかった。該 完成した複合物品中の個々のストランド由来の該ガラス繊維の分散の完全性の欠 如は、該化学処理剤の少なくとも一部が、該製造工程のある時点において、該複 合物品の成形中に、該繊維を分離し、かつ該溶融マトリックス物質内で分散する のを防止するのに(即ち、ストランドの凝集を維持するのに)十分に反応したこ とを示す。その反応性を減ずる(即ち、該複合物品の成形工程中の、各複合スト ランド内の繊維の凝集を減ずる)ためには、かつその結果として該マトリックス 物質中の該強化繊維のより高い分散性を達成するためには、該アリルプロポキ シレート−ウレタンを、別のフィルム形成剤、例えばナイロン系についてはトー ン0260(ユニオンカーバイド杜から入手できるポリカプロラクトン)で希釈する ことができ、この希釈物を使用することができる。 以下に列挙するものは、本発明の熱硬化型および熱可塑性型の化学処理剤の更 なる例である。ナイロン−ベースの化学処理剤 特に好ましいナイロン−ベースの熱可塑性型化学処理剤は、別々の5-ガロン(1 9L)の金属缶内で、約9kgのポリカプロラクトン、特にトーン0260(ユニオンカ ーバイド社から入手できる)、および約9kgのポリエステルアルキド、特にプロ ポキシレート化ビスフェノール-A−マレエートを保存することによって、調製し た。これら2種の材料が完全に溶融または液化したら、これらを加熱した5-ガロ ン(19L)の缶内で併合し、該混合物が均一になるまで攪拌した。その温度を、完 全な混合物が得られるまで(約30分)、定常的に攪拌しつつ、200°F(93℃)以上 に維持した。次いで、加熱を停止し、該混合物を190°F(88℃)にまで放冷した。 該温度を190°F(88℃)に維持し、約360gのアミノシランカップリング剤A-1100( γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を、定常的に攪拌しつつ該混合物に添 加した。得られる化学処理剤は、重量基準で、49-49.5%のトーン0260、49-49.5% のプロポキシレート化ビスフェノール-A−マレエート、および1-2%のA-1100を含 んでいた。この化学処理剤は約25℃にて固体であり、また75℃で660cps、100℃ で260cps、125℃で120cpsおよび150℃で60cpsの粘度を有していた。 次いで、この化学処理剤を、その容器に入れた状態で、上記方法2に記載のバ ケットヒータに移し、適当な塗布装置にポンプ輸送した。ガラス繊維12を繊細化 し、該塗布装置のロール28と接触させた。約115℃の温度にあるこの化学処理剤 を、次に該ガラス繊維12上に移した。これらのガラス繊維12を、公知のシュー34 にて集め、コレット上に巻取り、方形端部をもつ包装体とし、放冷した。 この生成した包装体は、安定であり、かつ搬送可能であり、またロービングは 良好に繰り出すことができた。得られたこの複合ストランド14を、ワイヤ被覆す ることができ、また場合により射出成形用途において使用するための、ペレット に細断した。PBT- ベースの化学処理剤 特に好ましいPBT-ベースの熱可塑性型の化学処理剤は、5-ガロン(19L)の金属 缶内に、17.28kgの1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル(ヘロキシ67) を保管することにより調製した。これに、540gのひまし油のポリグリシジルエー テル(ヘロキシ505)を添加した。この混合物に、カップリング剤として、180gのA -1100(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を添加した。得られたこの化 学処理剤は、重量基準で、96%のヘロキシ67、3%のヘロキシ505、および1%のA-11 00を含んでいた。この混合物を均一となるまで攪拌した。次いで、該混合物をそ の容器に入れた状態で、バケットヒータ、例えば上記方法1に記載のものに移し た(加工するために、この化学処理剤を加熱する必要はない)。この化学処理剤 を塗布するために、該塗布装置26を該ブッシュ24から8-10インチ(20.32-25.4cm) の範囲内で上昇させた。ポリエステルまたはビニルエステル−ベースの化学処理剤 特に好ましいポリエステルまたはビニルエステル−ベースの熱硬化型化学処理 剤は、6.75kgのDER337エポキシ(ダウケミカル社から入手できるビスフェノール -Aエポキシ樹脂)を、5-ガロン(19L)の金属缶内に保管することにより調製する 。この材料を、220°F(104℃)に加熱し、かつ該固体が完全に液化するまで攪拌 する。この液体に、6.75kgのアラルダイトGT7013エポキシ(チバガイギー社から 入手できるビスフェノール-Aエポキシ樹脂)を添加する。このアラルダイトを、 激しく攪拌しつつ、2時間に渡り、ゆっくりと添加する。該アラルダイトエポキ シが完全に溶解したら、この混合物を空気中で放冷して、200°F(93℃)とし、0. 76kgのプルロニック(Pluronic)L101(BASFから入手できるエチレンオキシド/プ ロピレンオキシドコポリマー界面活性剤)および2.21kgのプルロニックP105(同 様に、BASFから入手できるエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー界 面活性剤)を添加する。また、この時点で、1kgのPEG 400 MO(ヘンケル社から 入手できるポリエチレングリコールモノオレエート)および0.5kgのブト キシエチルステアレート(BES)(イリノイ、ノースフィールドのステパン社(Stepa n Company)から入手できる)をも添加する。この混合物を更に温度160-170°F(71 -77℃)まで、攪拌しつつ冷却し、この時点で2kgのA-174(ウイトコケミカル社か ら入手できる、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)を添加する 。最後に、20gのユービテックス(Uvitex)OB(NY、ホーソンのチバガイギー社から 入手できる蛍光増白剤)を、該混合物に、攪拌しつつ添加して、良好な分散の達 成を容易化する。この得られた化学処理剤は、重量基準で、33.78%のDER337エポ キシ、33.78%のアラルダイトGT7013エポキシ、3.79%のプルロニックL101、11.05 %のプルロニックP105、5%のPEG 400 MO、2.5%のBES、0.10%のユービテックスOB 、および10%のA-174を含む。次いで、この化学処理剤を容器に収容した状態で、 方法2に記載したバケットヒーターに移す。エポキシーベースの化学処理剤 熱硬化型の化学処理剤のこの例の処方は、上記のポリエステル−およびビニル エステル−ベースの熱硬化型化学処理剤について記載したものと同一であるが、 A-187(ウイトコケミカル社から入手できる、γ−グリシドキシプロピルトリメト キシシラン)をA-174の代わりに使用する。2−シラン、ポリエステル−またはビニルエステル−ベースの化学処理剤 多重−相溶性(ポリエステル、ビニルエステルまたはエポキシとの相溶性)を 有する、熱硬化型化学処理剤の本例の処方は、上記のポリエステル−またはビニ ルエステル−ベースの熱硬化型化学処理剤について記載のものと同一であるが、 該シランカップリング系は、A-174単独の代わりに、1.25kg(5重量%)のA-187と1. 25kg(5重量%)のA-174からなっている。 第3図に示した好ましい態様においては、マトリックス繊維13を予備成形し、 次いで該強化繊維12と同時混合し、捕集して複合ストランド14を得る。あるいは また、該マトリックス繊維13を該強化繊維12と共に連続的にイン−ラインで形成 することができる。該マトリックス繊維13は、最終的に得られる複合物品の該マ トリックスの一部または全部を構成する。該繊維10は、連続的に形成したおよび 予備成形した強化繊維12両者を含むか、あるいは予備成形繊維のみを含むことが できる。予備成形した強化繊維12を使用する場合、これらを直接加工して、該予 備成形した強化繊維12のみを含有するストランド14を得ることができる。このよ うな予備成形した強化繊維12は、また第3図に示された、該予備成形したマトリ ックス繊維13と同一の、あるいは類似する方法で、任意の他の型の繊維と同時混 合することもできる。僅かに2つの予備成形した繊維のスプールまたは包装体が 図示されているが、任意の適当な数の予備成形した繊維の包装体を、例示した方 法または適当な他の方法で供給することができる。 同一の塗布装置26を用いて、該子備成形した繊維(例えば、仮想線13’により 示された該予備成形したマトリックス繊維)および該連続的に形成した繊維(例 えば、連続的形成した強化繊維12)両者を化学的に処理した後に、該繊維を捕集 して、ストランド14とすることができる。あるいはまた、別の塗布装置26’を使 用して、該予備成形した繊維(例えば、該予備成形繊維13)を化学的に処理する ことも可能である。別の塗布装置26’を使用した場合、該捕集メカニズム34は、 バーまたはローラー39を含んでいて、該繊維12と13とを一緒に同時混合した後に これらを捕集して、ストランド14とすることも可能である。予備成形繊維および 連続的に形成した繊維は、同一の塗布装置を使用して一緒に、あるいは1995年9 月13日付けで出願された米国特許出願第08/527,601号に記載されているように、 異なる塗布装置を使用して、別々に化学処理することも可能である。該米国特許 出願を本発明の参考文献とする。また、該繊維10の幾つか、例えばマトリックス 繊維13は、化学処理剤を最初に塗布せずに、該被覆繊維32と共に捕集することも 可能である。 該塗布された化学処理剤は、該繊維を捕集する前に、その最中におよび/また はその後に加熱することができる。該化学処理剤が熱硬化物質として挙動する場 合、該塗布された化学処理剤を、該複合ストランド14の形成中のある時点におい て、部分的にまたは完全に硬化することができる。適用された熱硬化型の化学処 理剤がどの程度および何時加熱硬化されるかは、該ストランド14から作成される 複合物品の型に依存する。例えば、該塗布された化学処理剤が完全に、部分的に 熱硬化され、あるいは全く硬化されていない複合ストランド14を、複数の短いバ ラバラの所定長さの片々に細断し、混合して成形コンパウンドとし、かつ射出成 形して複合物品とすることができる。 細断した所定長さのストランド14について、塗布された化学処理剤を十分に硬 化して、該複合ストランド14の該短い所定長さの片々が、後の加工中に凝集性を 保持する(即ち、該繊維10が一緒に止まる)ことを保証する。該化学処理剤が熱 硬化物質として挙動し、あるいは熱硬化性である場合には、該被覆繊維上の該塗 布された化学処理剤は、好ましくは該複合ストランド14の形成中に、僅かに部分 的にのみ硬化される。該塗布された化学処理剤の硬化は、好ましくは後の該複合 ストランド14のイン−ラインまたはオフ−ライン加工(例えば、引抜き成形、フ ィラメント巻回、トランスファー射出成形、圧縮成形等)による複合物品の製造 中に完了する。熱硬化型の化学処理剤は、好ましくは該複合物品の生成まで、部 分的硬化状態を維持する。というのは、該複合ストランド14の形成中に、該化学 処理剤の分子量が無限に近づいた(即ち、最大化された)場合には、該ストラン ド14は下流側の複合体−形成用途において、更に加工することができなくなる。 このような部分的な硬化は、該複合ストランド−形成工程中の条件下で、相互に 完全には反応しないであろう成分を選択することにより達成できる。これは、ま た該化学処理剤の該反応性成分の相対的量を、該化学処理剤中の該熱硬化性成分 の少なくとも一つ(例えば、樹脂)が、該複合物品を形成するまで、部分的にの み反応し、もしくは硬化するように選択することにより(例えば、該化学処理剤 の化学量論量を調節することにより)、達成することも可能である。該ストラン ド−形成工程中に部分的にのみ反応し、もしくは硬化することのできる、少なく とも一つの反応性成分を含む化学処理剤の例は、約85重量%のPG-フマレート、 約10重量%のスチレンおよび約5重量%のt-ブチルパーオキシベンゾエートを含 む。 上記の例A-Cに列挙した該化学処理剤には、幾つかの反応性の種が示されてい る。多くの場合において、該ストランド−形成工程の終了時点において、該スト ランド14上に、幾分かの未反応の化学種が残留していることが好ましいが、幾つ かの場合、例えばイソシアネートまたはアミック酸を含有する上記の化学処理剤 においては、該化学種が、該ストランド形状にある場合に、完全に反応すること が好ましい場合がある。該イソシアネートを使用する場合、ジオールが十分な量 (例えば、イソシアネート基の約20倍)で存在し、かつ該化学処理剤が十分に高 い繊維表面温度にて塗布される場合には、該イソシアネート基は、該複合ストラ ンド14内で完全に反応しているであろう。同様に、該反応条件が適正(例えば、 高温かつ比較的低濃度)である場合には、化学処理剤中の該アミック酸は、完全 にイミドに転化される傾向をもつであろう。 約45重量%のPG-フマレート、約50重量%のスチレン、および約5重量%のt- ブチルパーオキシベンゾエートを含む、化学処理剤を調製することができる。こ れは、方法1-3において上記したような塗布装置を使用して、ガラス繊維に塗布 することができ、かつ新たに形成したガラス繊維から放出される熱を付加した際 に、ガラス繊維ストランド14上で硬質の塊に硬化できる、ポリエステル樹脂処方 を表す。約90%のスチレンを除去することにより、このポリエステル樹脂化学処 理剤は、該繊維に塗布した場合に、部分的にのみ硬化可能なものとすることがで きる。約35重量%の、シェルケミカル社から入手できる、エポキシ樹脂エポン82 8、約35重量%の反応性エポキシ改良剤ヘロキシ505、約28重量%の無水マレイン 酸、および約2重量%のA1100を含む付随的な化学処理剤を調製することができ る。このエポキシ樹脂処方物は、上記のような任意の塗布装置を使用して、ガラ ス繊維に塗布でき、かつ新たに形成したガラス繊維から放出される熱を添加した 際に、ガラス繊維ストランド14上に硬質の塊として硬化できる。約90%乃至全て の無水マレイン酸を除去することにより、このエポキシ樹脂化学処理剤を、該繊 維に塗布した場合に、部分的にのみ硬化可能なものとすることができる。 該塗布装置26を、該溶融ガラス(即ち、ブッシュ24)から放出される熱により 近接した位置まで上昇させることにより、該塗布装置ロール28の表面上(即ち、 該ロール28が該ガラス繊維10と接触する位置)並びに該ガラス繊維12の表面上の 熱可塑性型の化学処理剤の粘度は、低下することが観測された。この方法のこの 段階において熱可塑性物質として挙動する、熱硬化型の化学処理剤も、その粘度 の低下を生ずるであろう。該化学処理剤の粘度における勾配が、該塗布装置ロー ル28の表面に沿って観測される。この粘度は、ガラス繊維10のファンの背後にお いて最低であることが分かっており、また該ローラー28の両側に向かって増大す るように思われる。 装置20の第1図に示した態様に関連して、該塗布装置26を、該ブッシュ24に隣 接して、あるいはこれに十分に近接して配置し、該繊維12が十分に高い温度にあ る(即ち、該繊維12が十分な熱を放出する)場合に、該化学処理剤を塗布し、該 塗布された化学処理剤を架橋するか、あるいはその分子量を増大することによっ て、所定の粘度の降下および/または所定の程度の加熱硬化を生ぜしめる。同時 に、該塗布装置26は、好ましくは該ブッシュ24から十分に離して配置して、該化 学処理剤を塗布し、一方で該繊維12を、該化学処理剤に大幅な損傷(例えば、任 意の有機試薬または化合物の分解)を及ぼさないであろう温度に維持する。この ようにして、得られるこのストランド14に、後の複合物品への加工にとって望ま しい諸特性を付与することができる。 大幅な劣化または損傷を与えることなしに、該化学処理剤を塗布するための繊 維の温度の例は、約350℃(662°F)までであるが、幾つかの処理剤はより高温度 にて塗布することが可能である。約150℃(302°F)程度またはそれ以下の繊維温 度を利用できる。該塗布された化学処理剤を保護し、かつ該塗布された化学処理 剤中に上記の所定の変化の少なくとも一つを生じさせるためには、該繊維12は、 約200℃(392°F)〜約300℃(572°F)の範囲内の温度下にあることが好ましい。満 足な結果は、何れかの型の該化学処理剤の粘度が、約200℃〜約300℃の温度にお いて、約200cpsから約400cpsに降下する場合に得られた。 正常な処理量の公知のブッシュ24から引き抜いたガラス強化繊維12に対して、 該塗布装置28は、該ブッシュ24から(即ち、該繊維12が該ブッシュから出てくる 位置から)、少なくとも約3インチ(7.62cm)の最小値にて、典型的には約6イン チ(15.24cm)またはそれ以上の距離にて、該化学処理剤を該ガラス繊維12に塗布 するように、配置することが好ましい。該ガラス強化繊維12に、該ブッシュ24か ら約8インチ〜約10インチ(20.32cm-25.4cm)の距離にて、該化学処理剤を塗布す ることができる。該塗布装置26の、該ブッシュ24に対する正確な位置は、例えば 使用する該ブッシュ24の型(例えば、該ブッシュから引き抜かれる繊維数)、該 溶融ガラス材料の温度、塗布される該化学処理剤の型、該強化繊維12の回りの該 相間領域の所定の特性、および得られるストランド14のおよび最終的な該複合物 品に対して望まれる諸特性に依存する。 第2図に示されたもう一つの態様を参照すると、装置38は前に記載した装置20 の要素および保温器40を含む。従って、装置20の要素と同一または類似する、装 置38の要素は、同一の参照番号で示してある。保温器40は、部分的にまたは完全 に、少なくとも該繊維12の回りに配置され、かつ公知の技術を利用して、長時間 に渡る該繊維形成メカニズム22から離れた位置の、該繊維12の表面から放出され る熱エネルギーを維持するのに適している。満足な結果は、低処理量のガラス繊 維ブッシュ24により、長さ約15インチ(38.1cm)、幅約3インチ(7.62cm)および高 さ約16インチ(40.64cm)をもつ開放端部をもつ矩形ボックス形に成形された金属 シート製の、例示の保温器40を使用して得られた。低処理量のガラス繊維ブッシ ュ24は、典型的にはガラス強化繊維12を、約30-40lbs/hr(13.62-18.16kg/時)以 下の速度で形成する。該ボックス形の保温器40は、該繊維形成メカニズム22と該 塗布装置26との間に、少なくとも該繊維12がその開放端部42および44を通して引 き抜かれるように、配置されている。好ましくは、該保温器40は十分な絶縁性を もち、該塗布装置26が該化学処理剤を該繊維12に塗布するまで、各繊維12の表面 を約150℃(302°F)〜約350℃(662°F)の温度に維持する。 このような保温器40の使用は、低処理量の連続ガラス繊維形成ブッシュ24を使 用する場合には特に有利である。低処理量ブッシュ24を使用して形成した該繊維 12により蓄えられる熱エネルギーの量は、通常のまたは高い処理量のブッシュを 使用して形成した繊維12により蓄えられる熱エネルギー量よりも少ない。このよ うに、該保温器40は、低処理量のブッシュを使用して形成される繊維12を、該塗 布された化学処理剤中で、所定の反応(粘度の降下および/または少なくとも部 分的な熱硬化)を生ずるのに必要な温度に維持することを可能とする。該保温器 40は該塗布装置26の上方あるいは下流側に配置するように改良して、該塗布装置 26の上方あるいは下流側の所定位置における、該繊維12を所定の高い表面温度に 維持することができる。例えば、該保温器40と構造が類似するもう一つの保温器 を、部分的にまたは完全に、該被覆した繊維32の回りにかつ該塗布装置26と該捕 集メカニズム34との間に設けることができる。このような付随的な保温器は、該 化学処理剤の付随的な硬化が、該ストランド14を、例えばスプール上に捕集する 前に必要とされ、あるいは後に加工することが必要とされる場合に望ましいもの であり得る。特に該化学処理剤を該繊維に塗布した後に、本発明においてこのよ うな保温器として有用であり得る手段の例は、米国特許第5,055,119号に記載さ れており、その開示事項を本発明の参考とする。 該塗布した化学処理剤を加熱するのに利用するエネルギーは、全部ではなくと も、少なくとも部分的に、該被覆した繊維32から放出される熱エネルギーによっ て与えることができる。例えば、該連続的に形成したガラス繊維から放出されま たは該繊維に保持される残留熱は、該熱エネルギーの実質的な量を与える。同様 に、連続的に形成されたポリマーマトリックス繊維13から放出される残留熱も、 塗布された化学処理剤における所定の変化を引き起こすのに利用できる。 該繊維形成工程からの残留熱が利用できず、あるいはこれが不十分である場合 には、例えば該繊維10が予備成形され、冷却され、もしくは所定の温度にない場 合には、該繊維10を予備加熱して、該塗布された化学処理剤にとって望ましい熱 エネルギーを付与することができる。このような予備加熱は、公知の加熱装置を 使用して達成できる。例えば、第2図を参照すると、公知の開放端部をもつ炉( 図示せず)を、該保温器40の代わりに使用して、該繊維12を少なくとも部分的に 所定の温度まで予備加熱し、その後該化学処理剤を塗布することができる。 該繊維32から放出される熱エネルギーを使用して、必要な熱エネルギーの少な くとも一部を供給することにより、該塗布された化学処理剤は、下げられた粘度 を有しおよび/または該塗布された化学処理剤の少なくとも一部を介して、該被 覆された繊維32の表面で、外側から少なくとも部分的に硬化される。該繊維表面 の外側からの加熱が特に好ましく、また該塗布された化学処理剤を加熱するのに 有効な方法であり、かつ該化学処理剤と該被覆された繊維32の表面との間の結合 を最適化するのに役立つ。更に、該被覆した繊維32の表面の外側からの加熱は、 該被覆された繊維32各々と、該複合物品の該マトリックス物質との間に、該塗布 された化学処理剤により形成される該相間領域の取扱いを、著しく融通性あるも のとする。 例えば、塗布された熱可塑性型の化学処理剤を内側から加熱することは、該繊 維の表面におけるその粘度が十分に低く、該繊維表面の十分な湿潤を達成するこ とを保証するのに役立つ。更に、塗布された熱硬化性化学処理剤をこのようにし て加熱することは、該塗布された化学処理剤が該繊維表面との界面においてのみ 十分に硬化することを可能とし、結果として外部領域に、僅かに部分的に硬化さ れた、もしくは未硬化状態の化学処理剤を残し、これは後の加工中の所定の時点 および位置で完全に硬化することができる。例えば、この外部領域を部分的に硬 化または未硬化状態に維持して、該化学処理剤と引き続き塗布されるマトリック ス物質との間の、または隣接する繊維上の該塗布された化学処理剤の接触層間の 結合を容易にすることができる。 好ましくは、該繊維12から放出される熱は、該塗布された化学処理剤を加熱す るのに利用される。場合によっては、該塗布された化学処理剤を加熱するのに利 用する熱は、部分的に、実質的にまたは完全に、該被覆された繊維以外の源から 放出さる熱エネルギーにより与えることもできる。例えば、該化学処理剤を塗布 した後、該被覆した繊維32を、該被覆繊維32を集めて該ストランド14とする前、 その最中またはその後の何れかの時点で、公知の開放端部をもつ炉(図示せず) に通すことがてきる。該塗布された処理剤は、また該ストランド14を複合物品に 成形する際に、外部から加熱することも可能である。これを外部から加熱するこ とにより、該塗布された化学処理剤は、その粘度を減じおよび/または少なくと も部分的に該塗布された化学処理剤の外表面から内部に、該被覆された繊維32の 表面に向けて加熱硬化される。かくして、本発明においては、該塗布された化学 処理剤を加熱するのに使用する該エネルギーは、該被覆された繊維32から放出さ れる熱と、該化学処理剤を塗布する前および/またはその後に、少なくとも該強 化繊維12を加熱するように配置された、1以上の外部加熱源との組み合わせによ って得ることもできる。 該化学処理剤を、該繊維12に塗布する前に低温に維持することが可能であり、 これは、極めて反応性の高い成分の使用を可能とし、かつ該化学処理剤の熱に起 因する劣化の危険性を減ずるのに役立つ。塗布する前の該化学処理剤の温度は、 同様な理由から、ほぼ室温またはそれ以下に維持することができる。該化学処理 剤は、任意の適当な手段により、所定の温度に維持することができる。例えば、 冷却コイル(図示せず)を、該化学処理剤内に埋設することができる。連続的に 形成されるガラス繊維を製造する場合、該装置は、また該化学処理剤を塗布する 前に、不活性雰囲気内で該ガラス繊維12を取り巻くように改造できる。該不活性 雰囲気は、該繊維12の表面上に水分が蓄積されるのを阻止するのに役立ち、その 結果該ガラス繊維表面上の潜在的な反応性種の、水分に起因するクラックの形成 および水分に起因する不動態化を阻止できる。高い生産量のブッシュを使用した 場合、または任意の他の時点において、該ガラス繊維の温度が十分に高い場合に は、不活性雰囲気の使用は望ましくない可能性がある。該ガラス繊維12は、該保 温器40(第2図参照)または同様な構造体を使用して、該ガラス繊維を包囲する ことにより、不活性雰囲気で包囲することができ、この際に該繊維12が保温器40 を通過するにつれて、該不活性雰囲気は該保温器に送り込まれる。適当な不活性 雰囲気は、例えば窒素およびアルゴンガスの1種またはその組み合わせを包含す る。 本発明の化学処理剤の一利点は、これらが公知の繊維、ストランドおよび複合 物品製造装置を使用して加工できることにある。好ましい態様において、本発明 の溶剤を含まない化学処理剤は、以下に説明するワイヤ塗布装置において有利に 使用できる。覆われたストランドの調製 本発明のもう一つの一般的な局面は、1以上のプラスチック−被覆複合ストラ ンドを製造するための方法並びに装置に係わり、該ストランドは複合物品に成形 でき、該物品は適当な強化材料、例えばガラス材料、合成またはポリマー材料、 あるいは他の適当な非−ガラス質材料から作成した繊維で強化されたポリマーま たは樹脂状マトリックスを含む。この被覆された複合ストランドは、加工糸(即 ち、長さの長いもの)またはペレット(即ち、長さの短いもの)状のものであり 得る。 より具体的には、各被覆された複合ストランドは、少なくとも強化繊維および 場合によっては該複合物品で使用するための、該熱可塑性マトリックス物質製の 繊維を含む複数の繊維を有する。該繊維は、加工により、ストランドまたは束と され、各ストランドは好ましくは約1500〜10000繊維、より好ましくは約2000〜 約4000繊維を含む。該ストランドは、該繊維を化学処理剤で予備含浸した後に、 形成される。 該予備含浸された複合ストランドは、熱可塑性物質の鞘で覆われる。この覆わ れた複合ストランドを、ペレットに成形する場合、該化学処理剤を十分な量で、 十分な数の繊維間に塗布して、該ペレットからの該繊維の脱落を防止する。該複 合ストランドを加工糸に成形する場合には、該化学処理剤を、実質的に全ての繊 維間に分配する。 好ましい態様においては、該化学処理剤は熱可塑性型のポリマー物質である。 また、該複合ストランドを含浸する該化学処理剤は、完全に硬化された、部分的 に硬化されたまたは全く硬化されていない、熱硬化型のポリマー物質であっても よい。場合によっては、該繊維のストランドは、エンジニアリング熱可塑性マト リックス材料、例えば該複合ストランドを覆いまた被覆するのに使用したもの等 で十分に含浸することができる。幾つかのエンジニアリング熱可塑性物質は、公 知の塗布装置によって、該エンジニアリング熱可塑性物質の該繊維への塗布を非 常に困難または不可能にする可能性のある、比較的高い融点および高い粘度をも つが、当業者は、本発明の化学処理剤として使用するために、このようなエンジ ニアリング熱可塑性物質を適当に改善することができる。 好ましくは、該複合ストランドを覆う鞘は、該複合物品の該マトリックスを形 成するのに使用したものと同一の熱可塑性物質から作成できる。この熱可塑性鞘 材料は、該鞘の厚みに依存して、該複合物品の該マトリックスの一部または全部 を構成できる。好ましくは、該化学処理剤は、少なくとも該複合物品を成形する まで、該繊維を十分に結合するか、あるいは該予備含浸されたストランド中に該 繊維を一緒に保持する該鞘を補助する。更に、該化学処理剤は、該複合物品の該 熱可塑性マトリックス物質と少なくとも相溶性である。 一以上の該熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを製造するための好ましい 方法によれば、ワイヤー被覆法または押し出し−被覆法を使用する。該方法は、 少なくとも強化繊維を含む複数の繊維を作成し、実質的全ての該繊維を被覆し、 かくして予備含浸した繊維を形成するように、化学処理剤を塗布し、該被覆され た繊維を一緒に集めて、または結合して、該予備含浸されたストランドを形成す る該繊維の実質的全ての間に分配された該化学処理剤を含む、少なくとも一つの 含浸されたストランドを得、該予備含浸されたストランドの少なくとも外側を熱 可塑性物質で被覆して、少なくとも一つの被覆されたストランドを形成し、およ び該被覆さたストランドを成形して、少なくとも一つのワイヤ−被覆されたまた は覆われた複合ストランドを形成する諸工程を含む。 該繊維は、イン−ライン法を利用して製造でき、該方法は溶融強化材料源、例 えばガラスから、該強化繊維を連続的に形成する工程を含む。連続的に形成され た強化繊維に加えて、該製造される繊維は、予備成形された強化繊維、予備成形 されたマトリックス繊維、連続的に形成されたマトリックス繊維、またはこれら の組み合わせを含むことができる。該化学処理剤が水性系である場合、該繊維上 の該処理剤は、これを加熱して、そこに含まれる水分の量の実質的全てを蒸発さ せた後に、該被覆した繊維を一緒に集めて、予備含浸ストランドとする。該化学 処理剤が熱硬化型のものである場合、該処理剤は未硬化または部分的に硬化した 状態で、該繊維に塗布される。最終的に該覆われた複合ストランドを含浸する、 該未硬化または部分的に硬化した化学処理剤は、該複合物品の成形中の該覆われ た複合ストランドの所定の状態に応じて、付随的な部分的または完全な硬化を誘 発するように、(例えば、加熱により)処理することができる。好ましい態様に おいては、上記のような溶剤を含まない化学処理剤を使用する。また、1995年6 月7日付けで出願された米国特許出願第08/487,948号に記載されているような、 二液性の非水性化学処理剤を使用することも可能であり、該特許出願の開示事項 を本発明の参考とする。 ポリマー−被覆ストランドを生成するための装置の例は、添付図、特に第4〜 6図に示されている。第4図は、装置110の一態様を示し、該装置は繊維113の源 112を含み、該繊維源は本態様においては、強化繊維114からなっている。該繊維 源112の一例は、溶融強化材料(例えば、ガラス)の公知のブッシュ115であり、 ここから該連続的な強化繊維114が引き抜かれる。 塗布装置116は、化学処理剤を該繊維114の実質的全ての上に塗布する。一態様 において、塗布される該化学処理剤は水性であり、また該塗布装置116は水性型 化学処理剤を塗布するのに適した公知の型のものである。塗布装置116の例は 背面塗布ローラー118を含み、これが該化学処理剤を該強化繊維114に塗布し、か くして予備含浸または被覆された繊維120を形成する。該化学処理剤は、該繊維1 14が該ローラー118上を通過する際に、これと接触した際に塗布される。該化学 処理剤を収容するトラフ122が、該ローラー118の下方に設けられている。該ロー ラー118は、該トラフ122内に伸びており、また該化学処理剤を該トラフ122から 該繊維114に、該ローラー118が公知の駆動機構、例えばモータ(図示せず)によ り回転された際に、移動する。サイズ剤または他の化学処理剤を塗布するのに使 用される他の適当なデバイスまたは技術を、該塗布ロールアセンブリー116の代 わりに使用して、該化学処理剤を該強化繊維114に塗布することができる。該予 備含浸または被覆された繊維120に塗布された、該水性型化学処理剤を加熱して 、その内部の水分の実質的な量を蒸発させ、次いで該被覆繊維120を一緒に集め て、予備含浸された複合ストランド124を得る。任意の適当なデバイス125を使用 して、該水分を、該塗布された水性系の化学処理剤から追い出すことができる。 例えば、該被覆された繊維120は、1994年8月17日付けの米国特許出願第08/291, 801号および1994年9月26日付け出願の同第08/311,817号に記載された加熱プレ ートと実質的に類似する加熱デバイス125上を通し、かつこれと接触させること ができる。該特許出願の開示事項を本発明の参考とする。 公知の捕集シューまたは幾つかの他の型の捕集装置127を使用して、該乾燥さ れた繊維120を一緒に集めて、少なくとも一つの予備含浸したストランド124を得 ることができる。該予備含浸したストランド124を、ポリマー材料の層で被覆ま たは覆って、該予備含浸したストランド124を該ワイヤコーター128を介して引抜 きまたはこれに通すことによって、被覆された複合ストランド126を形成する。 ワイヤコーターは、1以上の予備含浸された繊維ストランドを、各予備含浸され たストランド124上にポリマーの鞘を形成するように、ポリマー材料で被覆する ための、または被覆できるデバイスまたは手段である。好ましくは、各ストラン ドは約1500〜約10000本の繊維、より好ましくは約2000〜約4000本の繊維を含ん でいる。 覆われた複合ストランド126を形成するのに使用する該繊維113は、第4図に示 したようなイン−ライン法で製造でき、ここで強化繊維114は溶融強化材料、 例えばガラスのブッシュ115から連続的に引き抜かれる。連続的に形成した強化 繊維114に加えて、あるいはこれに代えて、該繊維113は、予備成形した強化繊維 を含むことができる。また、該繊維113は、予備成形したマトリックス繊維、お よび連続的に形成したマトリックス繊維またはこれらの組み合わせを含むことも できる。水性化学処理剤を連続かつ予備成形した繊維に塗布して、予備含浸スト ランドを形成するための装置の例は、上記の本発明に参考文献として組み込んだ 来国特許出願第08/311,817号に記載されている。 該マトリックス繊維は、最終的に得られる複合物品または製品、例えばペレッ ト132の該マトリックスの一部または全体を構成する。該マトリックス繊維用の 適当なポリマー材料の例は、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、およ びポリフェニレンスルフィドを含む。該連続の予備成形した強化繊維は、ガラス 繊維、合成繊維、および/または任意の他の適当な強化繊維、例えば伝統的なシ リケートガラス繊維、ロックウール、スラグウール、炭素繊維等であり得る。種 々の材料から作成した種々の繊維を使用する場合、各型の繊維に対して、異なる 化学処理剤を使用することができる。 好ましくは、該ワイヤコーター128は溶融ポリマー材料源、例えば公知の押出 機を含んでいて、該予備含浸したストランド124を覆うのに使用する該材料を与 える。該ワイヤコーター128は、好ましくは少なくとも一つの出口開口を有する ダイまたは他の適当な手段を含み、該開口は該鞘を所定の厚みおよび/または断 面に、好ましくは該鞘の長さに沿って比較的均一に保たれた厚みおよび断面に成 形する。ワイヤコーター128の一例は、ニュージャージー、セダーグローブのキ リオン(Killion)により製造されているものであり、これはKN2002インチ(5cm) 押出機を含み、該押出機は更にクロスヘッド型塗布ダイを備えている。一以上の 該被覆されたストランド124を、一以上のこのようなダイを通して引抜きまたは 該ダイを通すことにより、一以上の複合ストランド126を、形成することができ る。該鞘材料は、好ましくは熱可塑性物質であり、また例えば該鞘の厚みに依存 して、該複合物品の該マトリックスの一部または全部を構成できる。好ましい態 様においては、該複合ストランド124を覆っている該鞘は、該複合物品のマトリ ックスを形成するのに使用したものと同一の熱可塑性材料から製造される。 該被覆した複合ストランド126の長さを短くしたい場合には、該装置110は、チ ョッパー130等の手段を含むことができ、これは該被覆された複合ストランド126 を細断または分離して、複数の被覆された複合ペレット132とする。チョッパー1 30の例は、ミシガン、ベイシティーのコネールージェトロ(Conair-Jettro)製の モデル204Tチョッパーである。ペレット132を形成する場合には、該化学処理剤 は、各被覆された複合ペレット132内の該繊維114を一緒に維持するのに役立つ( 多数の該繊維114を、該ペレット132から脱落するのを防止するのに役立つ)。 該被覆した複合ペレットは、好ましくは約3/16インチ(0.476cm)〜約1・1/2イン チ(3.8cm)の長さをもつが、所望に応じてこれより長くても、また短くてもよい 。一態様においては、該ペレットは、約0.5インチ(1.27cm)の長さをもつ。勿論 、該ペレットの長さは、用途毎に変えることができる。更に、該被覆された複合 ストランドの形状は、特定の用途に適合するように、変えることができる。 該繊維114は、引抜き機134を使用して、該装置110を介して引き抜くことがで き、該引抜き機は、例えば該ブッシュ115から該強化繊維114を引抜き、かつ該予 備含浸したストランド124を該ワイヤコーター128を通して引き抜くように機能す る。上首尾で、上記のキリオンワイヤコーター128とイン−ラインで使用される 引抜き機134の例は、同様にキリオン社により製作されている、4/24ハイスピー ドプラー(High Speed Puller)である。また、該ワイヤコーター128および/また は該チョッパー130は、該予備含浸したストランド124を該ワイヤコータ-128を介 して引き抜く際に、該引抜き機の機能を果たすように、あるいは該引抜き機を補 助するように改良することができる。 該覆われた複合ストランド製品が加工糸形状にあることが望ましい場合には、 該チョッパ-130を巻取りデバイス136で置き換える。該巻取りデバイスは、該ブ ッシュ115から該強化繊維114を引き抜き、該予備含浸したストランド124を該ワ イヤコータ-128を介して引抜き、かつ該覆われた複合ストランド126を巻き取っ て、該覆われた複合加工糸140のスプールまたは包装体138とするためのものであ る。該ストランドが加工糸形状にある場合、該ストランド124は、完全ではなく とも、少なくとも部分的に該塗布された化学処理剤で含浸されている。 即ち、該ストランド24は、かくして形成される該複合物品に満足な諸特性を与え るのに十分に含浸される。 場合によっては、該巻取りデバイス136は引抜き機を含み、該繊維114の引抜き および/または該ストランド124の引抜きを補助できる。第5図に示された巻取 りデバイス136の例は、回転可能な部材またはコレット142であり、その上に取り 出し可能な大きな径をもつスプール144が備えられている。該巻取りデバイス136 は、また移動メカニズム146を含み、該連続的な複合ストランド126を該スプール 144の長さに沿って分布させ、包装体138を形成する。空気供給デバイス(図示せ ず)を設けて、空気流を供給し、該ストランド126に当てて、これを巻き取る前 に冷却する。 オフ−ラインワイヤ被覆操作と組み合わせて使用できる、巻取り手段136の例 は、ホールカプスタンマシーン(Hall Capstan Machine)#634とホールワインダー マシーン(Hall Winder Machine)#633とを組み合わせたものであり、これら両者 はコネチカット、ブランフォードのホールインダストリーズ(Hall Industries) により製造されている。このようなオフ−ラインワイヤ被覆操作においては、該 予備含浸ストランド124をまず形成し、かつ包装し、次いで該包装したストラン ド124を引き続きオフ−ラインで引出し、該ワイヤコーター128を通して引抜き、 かつ得られた被覆複台ストランド126を再度巻き取って包装体とする。適当な場 合には、上記のホールワイヤー巻取りデバイスを、ワイヤーおよびケーブル−処 理工業において公知の技術を利用して改造して、イン−ラインワイヤ被覆工程と の組み合わせで、高い処理速度で扱うことができる。例えば、該被覆複合加工糸 140が巻き付けられている該スプール144は、より大きな径をもつように作成でき る。 該装置110および一般的にはワイヤコーター128の組み立て手順の例は、該予備 含浸したストランド124の自由末端を、該ワイヤコーター128を介して糸とし、ま たは該コーターに通し、かつこれを介して該ストランド124を十分に引抜きして 、該工程の進行を可能とする(例えば、該ストランドの自動的な引抜きを可能と する)。このような組み立て手順は、例えば該ワイヤコーター128から離して配 置された公知の一対の引抜きホイール137によって、十分な長さの該予備含浸 ストランド124が該ワイヤコーター128を通過できるまで、該予備含浸したストラ ンド124の自由端部(仮想線124'により示される)を一時的に引張る。次いで、 この長さの該予備含浸したストランド124を該ワイヤコーター128に通し、かつ該 引抜き機134、チョッパー130、巻取り器136またはその組み合わせにより該コー ターから引き抜く。上記のワイヤコーター128を使用した場合、好ましくは供給 ラインを使用して、該予備含浸ストランド124の自由端部を該ワイヤ被覆ダイに 通す。このような供給ラインは、該ストランド124の該自由端部に固定すること のできる端部をもつ。例えば、一端部にフックをもつ所定長さのワイヤを、この 供給ラインとして使用できる。該供給ラインは、該ワイヤコーターダイを通して 予め位置決めでき、また該ストランド124の該自由端部を折り返して、該供給ラ インにより留め、次いで該ワイヤコーター128を通して引き抜く。このような組 み立て手順は、該工程の開始中におよび突発的な出来事(即ち、繊維ストランド の破断)の場合に実施することが好ましい。 好ましくは、該ワイヤコーター128で使用する該ダイは、開放性のまたは「ク ラムシエル」形状を有し、これは該予備含浸したストランド124を、該ダイを介 して長手方向に通す必要はなく寧ろ、その一端から他端まで、該ダイ内に横たえ ることを可能とする。このような開放可能なダイは、上記の供給ラインの必要性 を排除することを可能とする。クラムシェル型ダイの一例は、2分割された2つ の部分ダイを含み、これらは該2分割したダイの対向する面を貫通するように形 成された整合ホールを介して取り付けられたガイドポストまたはピンを利用して 嵌合し得る。また、該2分割した2個の部分ダイは隣接端部に沿ってヒンジ結合 することができ、またこれら2分割部分が密にヒンジ結合された場合に、該対向 する端部に沿って一緒に締結するように改造できる。該ダイの各2分割部分は、 該ダイ空洞の半分を画成し、該空洞を通して該予備含浸したストランドが引き抜 かれる。一緒に嵌合された該2分割ダイを使用した場合、該ダイ空洞は入口およ び出口を有する。該入口は繊維の摩擦を最小化するために大きなサイズとされ、 かつ該出口は該被覆した複合ストランド126の所定の最終径および鞘の厚みを規 定するようなサイズをもつことが好ましい。 分離された該2分割されたダイ(以下ダイハーフという)を使用して、該スト ランド124を該ダイハーフ間に迅速に配置することができ、該ストランド124は該 ダイハーフを閉じることにより、該ダイの空洞内の該ダイハーフ間に取り込まれ る。高温ガスケットを、該2つのダイハーフの対向面間に、該ダイ空洞の長さに 沿って配置することができる。各ダイハーフは1以上のゲート(即ち、スルーホ ール)を有し、これを通して、例えば該押出機からの該溶融熱可塑性被覆材料の 1以上の流れが、該ダイ空洞内に放出されて、該予備含浸したストランド124が これらの間を通して引き抜かれる際に、該ストランドを被覆する。各ダイハーフ を、種々のタイ空洞をもつようにしつらえた種々のインサートを受け入れるよう に改造して、該被覆ストランド126の断面形状(例えば、丸、矩形、卵形、不規 則形状等)を変えることができる。このような交換可能なインサートを使用すれ ば、同一のダイで、ダイ全体を入れ換えることにより生ずる作業中止時間を少な くして、種々の繊維径を扱うことが可能となる。 好ましくは、該化学処理剤は、少なくとも該複合物品の成形まで、該被覆複合 ストランド126内で、該繊維113を一緒に結合し、もしくは該鞘がこれら繊維を維 持するのを補助するように選択される。該複合物品が、その強化繊維とそのマト リックスとの間で、最適の機械特性をもつことを確実に補助するためには、該化 学処理剤は、該複合物品の該熱可塑性マトリックス物質と相溶性であるべきであ る。化学処理剤は、該複合物品の重要な特性、例えば引張り強さ、引張り弾性率 、曲げ強さ、または曲げ弾性率を不十分なものとしない場合に、該マトリックス 物質と相溶性であると考えられる。このような相溶性は、該化学処理剤を、該熱 可塑性マトリックス物質と相互作用および/または反応できるように、処方する ことにより達成できる。該化学処理剤(例えば、熱可塑性型のまたは熱硬化型の もの)と該マトリックス物質との間の該相互作用および/または反応は、該被覆 複合ストランドの製造中、該複合物品の成形中、またはこれら両工程中に生ずる 可能性がある。 該化学処理剤は、全体的にまたは部分的に該マトリックス物質と混和性であり 得、および/または該マトリックス物質とは別の相を形成してもよい。別の相を 形成する場合、各繊維の回りに配置された該化学処理剤は、該マトリックス物質 中に分散された複数の別の相領域および/または対応する繊維を包囲する単一の 別の相領域を形成することができる。化学処理剤、例えば以下で諭じるものの一 つ等は該複合物品の特性を改善するように選択される。水性化学処理剤 例えば、該装置110を使用して塗布された該水性化学処理剤は、水性媒体中に 分散された固体粉末または他の粒子の形状にある、1種以上のポリマー型のフィ ルム形成剤を含むことができる。該粒状のフィルム形成剤は、熱可塑性型のポリ マー、熱硬化型のポリマーまたはその組み合わせであり得る。低および/または 高分子量の固体熱可塑性および熱硬化性ポリマーを使用して、粒状のフィルム形 成剤を作成できる。該水性化学処理剤は、また該フィルム形成剤の粒子と共に、 該水性媒体中に分散された1種以上のバインダを含むこともできる。該バインダ ーは熱可塑性および/または熱硬化性液体、低融点熱可塑性粒子、またはその組 み合わせを含むことができる。 好ましくは、該バインダーは、該ストランドがペレット形状にある場合におい てさえ、該フィルム形成剤の該固体粒子が、該被覆複合ストランドから脱落する ことを防止し、かつ該繊維が該複合ストランドから脱落することを防止する。こ れを達成するためには、該熱可塑性バインダー粒子は、該化学処理剤から水を蒸 発させるのに使用される熱エネルギーによって、少なくとも部分的に溶融または 溶解可能なものである。更に、該液体バインダーは、該フィルム形成剤粒子と該 繊維との凝集性を十分に維持するために、所定程度の粘着性または接着性を有す る。好ましくは、高融点熱可塑性フィルム形成剤粉末を、低融点熱可塑性バイン ダー粉末、例えばポリ酢酸ビニル(PVAc)、水性ウレタン等により、改質しまたは これと結合する。 該水性化学処理剤は、また水性媒体中に分散された(例えば、エマルション) 液状フィルム形成剤を含むこともできる。該液状フィルム形成剤は、1以上の低 分子量熱可塑性ポリマー、一以上の熱硬化性ポリマー、またはその組み合わせを 含むことができる。好ましくは、水性化学処理剤エマルションに関連して、液状 フィルム形成剤も該バインダーとして機能する。該水性化学処理剤は、また液− 固分散体および液−液エマルションの組み合わせであり得る。 該水性化学処理剤で使用する、該熱硬化型のフィルム形成剤およびバインダー は、好ましくは未硬化状態で該繊維に塗布されるが、部分的に硬化された状態で 塗布してもよい。熱硬化型の化学処理剤の硬化の程度は、適当な硬化温度をもつ 熱硬化性材料を選択することにより調節でき、これらの材料は、本発明に従って 加工する際に観測される温度において、所定の程度まで硬化するであろう。該被 覆複合ストランドを含浸する、未硬化または部分的に硬化した熱硬化型の化学処 理剤を、処理して(例えば、加熱により)、該細断操作、巻取り操作、または該 複合物品の成形中の、該被覆複合ストランドの所定の状態に応じて、更なる硬化 または完全な硬化を誘発できる。塗布された熱硬化型の化学処理剤が硬化される 程度は、これが水性であるか否かによらず、加熱デバイス(例えば、ヒーター12 5)を使用して、調節できる。 従って、該熱硬化型の化学処理剤は、該複合物品の成形まで、該被覆した複合 ストランドの凝集性および/または含浸度を維持するのに十分な程度にのみ硬化 することを可能とするようにあつらえることができる。該ストランドを形成して いる個々の繊維は、所定の複合物品を形成するためには、該熱可塑性マトリック ス物質内で分離してはならない。従って、該熱硬化型の化学処理剤は、十分に硬 化して、該複合物品の成形中においてさえ、該繊維が本質的に永続的に一体性を 維持するように改善できる。 該水性化学処理剤は、ある量の1種以上の化学処理剤ポリマーまたは他の有機 化合物または物質(例えば、フィルム形成剤、バインダー)を含んでいて、該繊 維を十分に予備含浸する。例えば、該水性化学処理剤は、十分な該フィルム形成 剤および場合によってはバインダーポリマーを含み、結果として該繊維を所定の 程度まで含浸する。該水性化学処理剤は一以上のフィルム形成剤、バインダーポ リマーおよび/または他の有機物質を十分な濃度で含み、該塗布された化学処理 剤から、所定量の水分を除去した後に、該化学処理剤と繊維との総重量を基準と して、有機物質の含有率約25重量%まで、より好ましくは約15重量%まで、およ び更に一層好ましくは約6-7重量%を有する該予備含浸されたストランドを与え る。この程度の有機物質含有量は、また本明細書で論ずる非−水性化学処理剤に ついても有用である。強熱減量(LOI)法を利用して、該繊維に塗布した化学処理 剤の量を測定できる。満足な結果は、約30重量%の有機物含有率を有する化学処 理剤溶液を使用して得られた。このような有機物濃度は、該化学処理剤中に存在 する該有機化合物5-15重量%で含浸されたストランドを与える。 該水性化学処理剤の適当な有機物濃度は、一般的に該化学処理剤の形状(即ち 分散液、エマルション等)とは無関係に選択することができる。更に、所定濃度 に対して、該予備含浸されたストランド中の有機物質の濃度は、幾つかのファク タ、例えばどの程度の速度で該繊維が移動しているか、該加熱デバイスの温度、 塗布する際の該化学処理剤の温度、該化学処理剤の該ストランド内で含浸状態を 維持する傾向(例えば、その粘度)、該塗布装置ローラーの速度(rpm)、および プリパッド(prepad)ウォータスプレイを使用したか否か、に応じて変えることが できる。 以下に列挙するものは、例えば装置110を使用して、繊維を予備含浸するのに 塗布することができる、水性化学処理剤の具体例である。例I 6000gの化学処理剤を、以下の手順に従って調製した。15g(入手したままの 0.25重量%のもの)のアミノシランカップリング剤A-1100を脱イオン水2345gに 添加した。これを数分間攪拌した。次いで、1875g(31.25%)のフィルム形成剤コ ビナックス(Covinax)201および1500g(25.0%)のフィルム形成剤コビナックス225 を2ガロンのバケット中で混合した。次いで、該シラン溶液を、穏やかに攪拌し つつ、該フィルム形成剤混合物と混合した。次に、480g(8.0%)のマルデン(Malde ne)286を、該シランと該フィルム形成剤との混合物に添加した。最後に、200g(3 .3%)のBESホモジネート(乳化してホモジネートとした脂肪酸エステルケスコ(KE SSC0)BES)を、連続的に攪拌しつつ添加した。この得られた化学処理剤溶液の有 機化合物濃度は、30重量%であった。この得られた化学処理剤は、ポリアミド繊 維並びにガラス繊維に塗布するのに適したものである。例II 6000gの化学処理剤を、以下の手順に従って調製した。15g(0.25%)のA-1100 シランを脱イオン水1870gに添加した。これを数分間攪拌した。次いで、3450g (57.5%)のフィルム形成剤シンテマル(Synthemul)97903-00を2ガロン(7.6L)のバ ケット中に注いだ。次いで、該シラン溶液を、穏やかに攪拌しつつ、該フィルム 形成剤と混合した。次に、480g(8.0%)のマルデン(Maldene)286を、該シランと該 フィルム形成剤との混合物に添加した。最後に、200g(3.3%)のBESホモジネート を、連続的に攪拌しつつ添加した。この得られた化学処理剤溶液の有機化合物濃 度は、30%であった。この得られた化学処理剤は、ポリアミド繊維並びにガラス 繊維に塗布するのに適したものである。例III 6000gの化学処理剤を、以下の手順に従って調製した。15g(0.25%)のA-1100 を脱イオン水2345gに添加した。これを数分間攪拌した。次いで、1875g(31.25 %)のコビナックス(Covinax)201および1500g(25.0%)のコビナックス225を2ガロ ン(7.6L)のバケット中で混合した。次いで、該シラン溶液を、穏やかに攪拌しつ つ、該コビナックスフィルム形成剤混合物と混合した。30g(0.5%)のテレフター ル酸を、30mlの濃厚水酸化アンモニウムに溶解することにより、テレフタール酸 溶液を調製した。このテレフタール酸溶液を、該シランとフィルム形成剤との混 合物に添加した。次いで、300g(5.0%)のポリエマルション(Polyemulsion)43N40 を、該混合物に添加した。最後に、200g(3.3%)のBESホモジネートを、連続的に 攪拌しつつ添加した。この得られた化学処理剤溶液の有機化合物濃度は、30%で あった。この得られた化学処理剤は、ポリプロピレン繊維並びにガラス繊維に塗 布するのに適したものである。例IV 6000gの化学処理剤を、以下の手順に従って調製した。15g(0.25%)のA-1100 (シラン)を脱イオン水2020gに添加した。これを数分間攪拌した。次いで、34 50g(57.5%)のシンテマル(Synthemul)97903-00(フィルム形成剤)を2ガロン(7 .6L)のバケット中に注いだ。次いで、該シラン溶液を、穏やかに攪拌しつつ、該 フィルム形成剤と混合した。30g(0.5%)のテレフタール酸を、30mlの濃厚水酸 化アンモニウムに溶解することにより、テレフタール酸溶液を調製した。このテ レフタール酸溶液を、該シランと該フィルム形成剤との混合物に添加した。次い で、300g(5.0%)のポリエマルション(Polyemulsion)43N40を、該混合物に添加し た。最後に、200g(3.3%)のBESホモジネートを、連続的に攪拌しつつ添加した。 この得られた化学処理剤溶液の有機化合物濃度は、30%であった。この得られた 化学処理剤は、ポリプロピレン繊維並びにガラス繊維に塗布するのに適したもの である。例V 6000gの化学処理剤を、以下の手順に従って調製した。15g(0.25%)のA-1100 を脱イオン水1870gに添加した。これを数分間攪拌した。次いで、3450g(57.5% )のシンテマル(Synthemul)97903-00を2ガロンのバケット中に注いだ。次に、該 シラン溶液を、穏やかに攪拌しつつ、該フィルム形成剤と混合した。最後に、20 0g(3.3%)のBESホモジネートを、連続的に攪拌しつつ添加した。この得られた化 学処理剤溶液の有機化合物濃度は、30%であった。この生成化学処理剤は、ポリ フェニレンスルフィドおよび無機繊維を包含する広範囲の材料から製造した繊維 に塗布することができる。例VI 6000gの化学処理剤を、以下の手順に従って調製した。15g(0.25%)のA-1100 を脱イオン水2345gに添加した。これを数分間攪拌した。次いで、1875g(31.25 %)のコビナックス(Covinax)201および1500g(25.0%)のコビナックス225を2ガロ ン(7.6L)のバケット中で混合した。次いで、該シラン溶液を、穏やかに攪拌しつ つ、該フィルム形成剤混合物と混合した。最後に、200g(3.3%)のBESホモジネー トを、連続的に攪拌しつつ添加した。この得られた化学処理剤溶液の有機化合物 濃度は、30%であった。この得られた化学処理剤は、ポリフェニレンスルフィド および無機繊維を包含する広範囲の材料から製造した繊維に塗布することができ る。 上記例I-VIを参照すると、コビナックス201およびコビナックス225は、フィ ルム形成剤として機能する、熱可塑性ビニルアクリレート樹脂であり、オハイオ 州コロンブスのフランクリンインターナショナル(Franklin International)社か ら市販品として入手できる。シンテマル97903-00は、熱可塑性ウレタンフィルム 形成剤であって、ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークのライヒホ ルドケミカルズ(Reuichold Chemicals)社から市販品として入手できる。エポキ シ、ポリ酢酸ビニル、およびポリエステルも、フィルム形成剤として使用可能で ある。A1100はイリノイ州シカゴのウイトコケミカル社から市販品として入手で きる、シラン−ベースのカップリング剤である。ケスコ(KESSCO)BESはイリノイ 州ノースフィールドのステパン社(StepanCo.,)から市販品として入手できる、潤 滑剤として機能する脂肪酸エステルである。使用可能な他の潤滑剤は、製品名K 12の下で、オーエンスコ−ニング(Owens Corning)社から市販品として入手でき る、ステアリン酸と酢酸との混合物である。ポリエマルション(Polyemulsion)43 N40は、水中に分散させた、無水マレイン酸変性ポリプロピレンワツクスであっ て、ニュージャージー州、イーストラザフォードのケミカルコーポレーションオ ブアメリカ(Chemical Corporation of America)社から市販品として入手できる 。ポリエマルション(Polyemulsion)43N40は、相間改良剤として機能して、ガラ ス繊維とポリプロピレンマトリックス物質との間の相間領域(接着)を、該カッ プリング剤と化学的に反応することにより改善する。該テレフタール酸は、ウイ スコンシン州ミルウォーキーのアルドッチケミカル社から市販品として入手でき 、また相間改良剤として機能して、ガラスとポリプロピレンマトリックス物質と の間の接着性を、該ガラス表面に密着した、該ポリプロピレンを結晶化を誘発す ることにより改善する。マルデン(Maldene)286は、サウスカロライナ州コロンビ アのリンダウケミカル社(Lindau Chemical.Inc.)から市販品として入手できる 、ブタジエン−マレイン酸コポリマーの部分アンモニウム塩である。これは相間 改良剤として機能して、ガラス繊維とナイロンマトリックス物質との間の接着性 を改善する。溶剤を含まない化学処理剤 上記のような用例を含まない化学処理剤も、被覆したストランドを調製するの に使用できる。このような化学処理剤の使用は、例えば実質的な量の水蒸気、揮 発性有機炭素、または他の溶剤蒸気を、該複合物品の成形中を含めた、上記のワ イヤ被覆法に従って加工する際に(例えば、加熱)、発生しないという利点をも つ。実質的に溶剤を含まないとは、該化学処理剤が、質量における実質的な減少 を経験せずに、その粘度を減じおよび/または加熱硬化されて、該繊維に塗布さ れる大部分の該化学処理剤が、該繊維上に残留することを可能とする。このよう な化学処理剤は、好ましくは実質的に非−光硬化性でもある。 第6図には装置150が図示されており、これは溶剤を含まない化学処理剤を使 用して、1以上のポリマー−被覆した複合ストランド126の製造を可能とする。 得られるこの被覆した複合ストランド126はペレットまたは加工糸に形成でき、 また繊維−強化複合物品を成形するのに適している。前に説明した装置110の構 造要素および部材と同一または類似している、装置150の構造要素および部材は 上で使用したものと同一の参照番号で示した。装置150の例は、前面に面した塗 布装置ローラー118を有する塗布装置116を含み、該ローラーが該化学処理剤を該 強化繊維114に塗布し、かくして被覆された繊維120を形成する。公知の二本ロー ル塗布装置も、この一本ロール118の代わりに使用できる。 該繊維上の該塗布された化学処理剤を、該繊維113を集める前に加熱したい場 合には、この例示の装置150は塗布装置116を有し、これは該ブッシュ115の下側 に近接して配置されている。この塗布装置116は、該繊維114が十分に高い温度下 にあって(例えば、該繊維114が十分な熱エネルギーを放出する)、塗布される 化学処理剤の型に応じて、該塗布された化学処理剤の所定の粘度の低下および/ または所定の程度の加熱硬化(架橋または分子量の増加)をきたす場合に、該化 学処理剤を塗布するように配置されている。同時に、該塗布装置116は該ブッシ ュ115から十分に離されていて、該繊維114が著しい損傷(例えば、任意の有機薬 品または化合物の分解)を該化学処理剤に及ぼさないであろう温度に維持しつつ 、該化学処理剤を塗布する。このようにして、得られるストランド126には、後 に加工して、複合物品とするのに望ましい性質が与えられる。 通常の処理量の公知のブッシュ115から引き抜かれるガラス強化繊維114に関連 して、該塗布装置116は、該ブッシュ115から最小で約3インチ(7.62cm)、好 ましくは約6インチ(15.24cm)離れた位置(ここから、該繊維は該ブッシュを出 る)で、該化学処理剤を該ガラス繊維114に塗布するように配置することが好ま しい。満足な結果は、該ブッシュ115から、約8〜10インチ(20.3225.4cm)の範囲 の距離において、該化学処理剤を該ガラス強化繊維114に塗布した場合に得るこ とがてきる。該ブッシュ115に対する該塗布装置116の最適な位置は、例えば使用 したブッシュの型(例えば、該ブッシュ115から引き抜かれる繊維の数)、該 溶融ガラス材料の温度、塗布される化学処理剤の型、少なくとも該強化繊維14の 回りの該相間領域の望ましい特性並びに得られる該ストランド124に対して望ま れる特性および最終的に得られる該複合物品に依存する。 該繊維14に塗布する前に、該化学処理剤を冷却状態に維持して、該化学処理剤 内での非常に反応性の高い成分の使用を可能とし、かつ該化学処理剤の加熱に起 因する劣化の危険性の低下を補助することが好ましい。塗布前に、該化学処理剤 の温度を、同じ理由から、室温以下に維持することが望ましいこともある。該化 学処理剤は、適当な手段によって該所定の温度に維持することができる。連続的 に形成されたガラス繊維を製造する場合、該化学処理剤を塗布する前に、該ガラ ス繊維114を不活性雰囲気で包囲するように、該装置を改造することが望ましい 場合がある。該不活性雰囲気は、該繊維114の表面上に水分が蓄積されるのを防 止して、上記のような水分に起因するクラックの発生および該繊維表面上の潜在 的に反応性の種の水分に起因する不活性化を防止するのに役立つはずである。し かしながら、高い処理量のブッシュを使用する場合、または任意の他の時点の、 該ガラス繊維の温度が十分に高い場合には、不活性雰囲気を使用しないことが好 ましい。 第4図に示した水性系に関連して、溶剤を含まない化学処理剤で被覆される該 繊維113は、該連続的に引き抜かれた強化繊維114以外の繊維を含むことができる 。該繊維113は予備成形した強化および/またはマトリックス繊維152を含むこと ができる。第6図に示したように、該予備成形した繊維152は、スプールまたは 他の包装体から引き出され、次いで該連続的に形成した強化繊維114と同時混合 した後に、該繊維113の全てを集めて複合ストランド124とする。該繊維113は、 またマトリックス繊維を含むことができ、該マトリックス繊維は、例えば ブッシュまたは紡糸機により形成され、かつ該強化繊維114とイン−ラインで同 時混合される。同時混合する前に、該予備成形した繊維152を、該強化繊維114に 塗布したものと同一または異なる化学処理剤で被覆することができる。該繊維15 2の型に依存して、化学処理剤を、該繊維152に塗布せずに、該繊維113を同時混 合することができる。これら同一の技術並びに装置を使用して、各型の強化繊維 とマトリックス繊維とを、これらが連続的に形成されたものか否かとは無関係に 、化学的に処理することができる。 同一の塗布装置116を使用して、該予備成形した繊維152および該連続的に形成 した繊維114両者を化学的に処理し、その後該繊維113を集めて、ストランド124 とすることができる。あるいはまた、別の塗布装置116'を使用して、該予備成形 した繊維152(仮想線152'で示されたような)を化学的に処理することもできる。 別の塗布装置116'を使用した場合、該捕集メカニズム127はバーまたはローラー1 54を含み、該繊維114および152を一緒に混合し、その後集めて該ストランド124 とすることもできる。上で本明細書に参考文献として組み込んだ米国特許出願第 08/527,601号は、同一の塗布装置または別々の異なる塗布装置を使用して、予備 成形した繊維および連続的に形成した繊維を一緒に化学的に処理するための方法 並びに装置を記載している。また、化学処理剤を最初に塗布することなしに、該 繊維113の幾つか、例えばマトリックス繊維152を、該被覆した繊維120と共に捕 集することができる。 次いで、公知の技術、例えばペレット132、加工糸140またはその両者の形状に ある、1種以上の被覆した複合ストランド126を成形することにより、複合物品 を製造できる。得られる複合物品は、射出成形法、圧縮成形法、トランスファ一 成形法、またはその他の任意の適当な成形法を利用して、成形することができる 。該被覆した複合加工糸140は、例えば中間製品の製織または編成法により織物 に形成し、次いで圧縮成形またはトランスファー成形して、該所定の複合物品と することができる。このような織物形成法および装置の一例は、1995年9月13日 付けで出願された米国特許出願第08/527,601号に記載されている。この特許出願 の開示事項を本発明の参考とする。 上記説明および本発明の実施例の考察を通して、本発明の適当な変更は、当業 者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、上記詳細な説明および好まし い態様の説明により何等限定されるものではなく、以下の請求の範囲およびその 等価なものにより規定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU,BA ,BB,BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE, GE,HU,IL,IS,JP,KP,KR,LC,L K,LR,LT,LV,MG,MK,MN,MX,NO ,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,SL,TR, TT,UA,UZ,VN,YU 【要約の続き】 れ、該繊維は、化学処理剤で含浸され、結果として該処 理剤は該繊維の実質的全ての間に分配される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 強化繊維を含む複数の繊維の実質的全てを被覆するのに十分な量で、化学処 理剤を塗布して、予備含浸した繊維を形成し、ここで該化学処理剤は該マトリ ックス材料と相溶性であり、 該予備含浸した繊維を集めて、実質的に全ての該複数の繊維間に分配された 該化学処理剤を含む、予備含浸されたストランドを生成し、および ワイヤー被覆を包含する工程により、該予備含浸されたストランドを熱可塑 性材料で覆って、熱可塑性被膜を形成し、および該熱可塑性被膜を熱可塑性鞘 に成形して、熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを形成する、 諸工程によって、マトリックス材料中に分散するための、熱可塑性物質で被覆 した複合ストランド材料を調製する工程を含むことを特徴とする、複合製品の 製造方法。 2. 更に、該熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを所定の長さに細断して、 複数のペレットを形成する工程をも含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 更に、該熱可塑性物質で覆われた複合ストランドを加工糸として包装する工 程をも含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 4. 該強化繊維が、予備成形した強化繊維を含む、請求の範囲第1項に記載の方 法。 5. 該複数の繊維が、更にマトリックス繊維をも含む、請求の範囲第1項に記載 の方法。 6. 更に、溶融ガラスから強化繊維を連続的に形成し、またはポリマー材料から マトリックス繊維を予備成形する工程を含む方法により、該強化繊維を調製す る工程を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 7. 更に、溶融ガラス材料から、強化繊維を連続的に形成する工程を含む方法に より、イン−ラインで該強化繊維を調製する工程を含む、請求の範囲第1項に 記載の方法。 8. 該化学処理剤が、水および有機物質を、有機物質の含有率約2〜25重量%を もつ該予備含浸したストランドを与えるような量で含み、かつ該熱可塑性物質 で覆った複合ストランドを調製する該工程が、更に該捕集工程前に、該化学処 理剤中に含まれる実質的全ての水を蒸発する工程を含む、請求の範囲第1項に 記載の方法。 9. 該有機物質が、該水中に分散または乳化された固体または液体である、請求 の範囲第8項に記載の方法。 10.該有機物質の含有率が、約2〜約15重量%の範囲内にあり、かつ該蒸発工程 が、該化学処理剤の塗布工程後に、該処理剤を加熱することを含む、請求の範 囲第9項に記載の方法。 11.該有機物質の含有率が、約6〜約7重量%の範囲内にあり、かつ該加熱工程 が、該化学処理剤に、外部熱源または該複数の繊維からの熱エネルギーを供給 する工程を含む、請求の範囲第10項に記載の方法。 12.該化学処理剤が、熱硬化性であり、かつ該熱可塑性物質で覆った複合ストラ ンド物質を調製する該工程が、該化学処理剤の塗布後に、該処理剤を少なくと も部分的に硬化する工程を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 13.該化学処理剤が実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性のもので あり、かつ該有機物質がフィルム形成剤およびカップリング剤を含む、請求の 範囲第1項に記載の方法。 14.該化学処理剤が熱可塑性であり、該フィルム形成剤が低分子量の熱可塑性ポ リマーを含み、かつ該カップリング剤が官能化された有機基質である、請求の 範囲第13項に記載の方法。 15.該化学処理剤が、熱硬化性であり、該フィルム形成剤が少なくとも1種の多 −官能性モノマーと低分子量の単−官能性のモノマーとを含み、かつ該カップ リング剤が官能化された有機基質を含む、請求の範囲第13項に記載の方法。 16.更に、該熱可塑性物質で覆った複合ストランドと、該マトリックス物質とを 組み合わせて、複合処方物を形成する工程、および該複合処方物を成形する工 程を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 17.更に、該熱可塑性物質で覆った複合ストランドをペレットに成形し、樹脂状 マトリックス物質と組み合わせた該ペレットを成形して、繊維強化複合物品を 形成する工程を含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 18.該繊維−強化複合物品であることを特徴とする、請求の範囲16項に記載の方 法に従って製造した複合製品。 19.該熱可塑性物質で覆った複合ストランド物質であり、かつ該熱可塑性物質で 覆った複合ストランド物質が、ペレットまたはストランド形状にあることを特 徴とする、請求の範囲1項に記載の方法に従って製造した複合製品。 20.マトリックス物質を含む、繊維−強化複合物品を成形するのに有用な、複数 の熱可塑性物質で覆った複合ストランドを含み、該熱可塑性物質で覆った複合 ストランド各々が、複数の捕集された繊維を含む、予備含浸されたストランド を含み、該複数の繊維が該マトリックス物質と相溶性の、熱可塑性または熱硬 化性化学処理剤で実質的に被覆された強化繊維を含む、ことを特徴とする複合 製品。 21.請求の範囲第20項に定義した、複合ストランドを細断して得たペレットを含 み、該化学処理剤が、該ペレット内で、該複数の捕集された繊維を一緒に保持 していることを特徴とする、複合製品。 22.該複合ストランドが加工糸形状で包装されている、請求の範囲第20項に記載 の複合製品。 23.該複数の捕集された繊維の数が、約1500〜約10000の範囲内にある、請求の 範囲第20項に記載の複合製品。 24.該複数の捕集された繊維の数が、約2000〜約4000の範囲内にある、請求の範 囲第20項に記載の複合製品。 25.該複数の捕集された繊維が、更に熱可塑性材料から作成されたマトリックス 繊維をも含む、請求の範囲第20項に記載の複合製品。 26.該化学処理剤が、有機物質を含み、かつ該予備含浸されたストランドの各々 が、約2〜約25重量%の有機物質の含有率を有する、請求の範囲第20項に記載 の複合製品。 27.該有機物質の含有率が約2〜約15重量%である、請求の範囲第26項に記載の 複合製品。 28.該有機物質の含有率が約6〜約7重量%である、請求の範囲第27項に記載の 複合製品。 29.該化学処理剤が、熱可塑性であり、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非 −光硬化性であり、かつ(i)低分子量熱可塑性ポリマー物質を含有するフィル ム形成剤と、(ii)官能化された有機物質を含むカップリング剤とを含む、請求 の範囲第20項に記載の複合製品。 30.該複数の複合ストランドが、マトリックス物質と共に成形される、請求の範 囲第29項に記載の複合製品。 31.該化学処理剤が、熱硬化性であり、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非 −光硬化性であり、かつ(i)少なくとも1種の多官能性モノマーと、低分子量 単−官能性モノマーとを含有するフィルム形成剤と、(ii)官能化された有機物 質を含むカップリング剤とを含む、請求の範囲第20項に記載の複合製品。 32.該複数の複合ストランドが、マトリックス物質と共に成形される、請求の範 囲第31項に記載の複合製品。 33.熱硬化性または熱可塑性化学処理剤を、ガラスまたは合成強化繊維を含む複 数の繊維に塗布して、塗布された化学処理剤で被覆された繊維を形成し、該化 学処理剤は実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性であり、および 該塗布された化学処理剤を加熱して、該塗布された化学処理剤の少なくとも 一部の粘度を低下させ、あるいは該塗布された化学処理剤を少なくとも部分的 に硬化し、あるいは該処理剤の少なくとも一部の粘度を低下しかつ該処理剤を 少なくとも部分的に硬化させて、被覆された繊維を形成する、 工程を含むことを特徴とする、複合製品の製造方法。 34.該化学処理剤を、約0.1〜約1重量%の範囲の量で塗布して、該複数の繊維 をサイズ処理する、請求の範囲第33項に記載の方法。 35.該化学処理剤を、約2〜約25重量%の範囲の量で塗布して、該複数の繊維を 予備含浸処理する、請求の範囲第34項に記載の方法。 36.該複数の繊維が、更にポリマーマトリックス繊維をも含む、請求の範囲第33 項に記載の方法。 37.該強化繊維が、ガラス強化繊維を含み、かつ該加熱工程が、該塗布された化 学処理剤に、該ガラス強化繊維から放出される熱エネルギーを供給することを 含む、請求の範囲第33項に記載の方法。 38.該塗布工程中に、該ガラス強化繊維が、約150〜約350℃の範囲の温度下にあ る、請求の範囲第37項に記載の方法。 39.該温度が約200〜約300℃の範囲にある、請求の範囲第38項記載の方法。 40.該強化繊維が予備成形した繊維を含み、かつ該方法が、更に該予備成形した 強化繊維を予備加熱する工程を含む、請求の範囲第33項に記載の方法。 41.該強化繊維がガラス繊維を含み、該方法が、更に溶融ガラス強化材料源から 該ガラス繊維を形成する工程を含み、該加熱工程が、該形成工程からの該ガラ ス強化繊維内に保持されている熱エネルギーを、該塗布された化学処理剤に供 給することを含む、請求の範囲第33項に記載の方法。 42.該加熱工程が、該塗布された化学処理剤に、該複数の繊維に対して、外部熱 源から熱エネルギーを供給する工程を含む、請求の範囲第33項に記載の方法。 43.該化学処理剤が熱硬化性であり、かつ該加熱工程が、該塗布された化学処理 剤の一部を少なくとも部分的に硬化する、請求の範囲第33項に記載の方法。 44.該化学処理剤が、熱可塑性であり、かつ該加熱工程が、該塗布された化学処 理剤の少なくとも一部の粘度を低下する、請求の範囲第33項に記載の方法。 45.更に、該被覆された繊維を一緒に集めて、複合ストランドとする工程をも含 む、請求の範囲第33項に記載の方法。 46.該加熱工程を、該繊維を集める捕集工程の後に実施する、請求の範囲第45項 に記載の方法。 47.該化学処理剤が、有機物質を含み、かつ該複合ストランドが、約2〜約25重 量%の範囲の有機物質の含有率を有する、請求の範囲第45項に記載の方法。 48.更に、該複合ストランドを成形して、少なくとも部分的に該塗布された化学 処理剤により形成される、マトリックス中に分散した該複数の繊維を含む、複 合物品を作成する、請求の範囲第45項に記載の方法。 49.該複数の繊維が、更に該複合物品の該マトリックスの少なくとも一部を構成 する、ポリマーマトリックス繊維をも含む、請求の範囲第48項に記載の方法。 50.該形成工程を、該捕集工程とのイン−ラインで実施する、請求の範囲第48項 に記載の方法。 51.更に、強化繊維とマトリックス繊維とを混合して、該複数の繊維を生成する 工程をも含む、請求の範囲第33項に記載の方法。 52.該塗布工程が、該強化繊維および該マトリックス繊維を、該化学処理剤で同 時に被覆する工程をも含む、請求の範囲第51項に記載の方法。 53.加工して、マトリックス物質中に配置するのに有用な、複合ストランドを作 成するための繊維に塗布して、繊維−強化複合物品を形成するための化学処理 剤であって、 少なくとも1種の多−官能性モノマーと、低分子量の単−官能性モノマーと を含むフィルム形成剤と、 官能化された有機基質を含むカップリング剤と、 を含み、該化学処理剤が熱硬化性であり、少なくとも部分的に加熱により硬化 可能であり、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性である、こと を特徴とする、上記化学処理剤。 54.更に、加工助剤をも含む、請求の範囲第53項に記載の化学処理剤。 55.該加工助剤が、エポキシ−官能性粘度調節剤を含む、請求の範囲第54項に記 載の化学処理剤。 56.該加工助剤がブトキシエチルステアレートを含む、請求の範囲第54項に記載 の化学処理剤。 57.約150〜約350℃の範囲の温度にて熱硬化性である、請求の範囲第53項に記載 の化学処理剤。 58.該フィルム形成剤が、ポリエステルアルキド、エポキシ樹脂およびグリシジ ルエーテル官能基を含む化合物からなる群から選択されるモノマーを含む、請 求の範囲第53項に記載の化学処理剤。 59.該フィルム形成剤が、ウレタン、ビニルエステル、アミック酸、ディールス アルダー反応性種、およびコープ−転位性化合物からなる群から選択される少 なくとも1種を含む、請求の範囲第53項に記載の化学処理剤。 60.該化学処理剤が、約93〜約110℃の範囲の温度にて、約300cpsまでの粘度を 有する、請求の範囲第53項に記載の化学処理剤。 61.加工して、マトリックス物質中に配置するのに有用な、複合ストランドを作 成するための繊維に塗布して、繊維−強化複合物品を形成するための化学処理 剤であって、 少なくとも1種の低分子量熱可塑性ポリマー物質を含むフィルム形成剤と、 官能化された有機基質を含むカップリング剤と、 を含み、該化学処理剤が熱可塑性であり、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的 に非−光硬化性である、ことを特徴とする、上記化学処理剤。 62.更に、加工助剤をも含む、請求の範囲第61項に記載の化学処理剤。 63.該低分子量熱可塑性ポリマーが、分解ポリエステルまたはポリアミドを含む 請求の範囲第61項に記載の化学処理剤。 64.該ポリエステルまたはポリアミドが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ チレンテレフタレート、およびナイロンからなる群から選択される、請求の範 囲第63項に記載の化学処理剤。 65.更に、加工助剤を含み、該助剤が、ジ-n-ブチルテレフタレート、1,4-ブタ ンジオールのジベンゾエートエステル、ジエチルテレフタレート、エチレング リコールのジベンゾエートエステル、カプロラクトン、アジポイルクロリドと n-アミノヘキサンとの付加生成物、および1,6-ヘキサンジアミンとヘキサノイ ルクロリドとの付加生成物からなる群から選択されるモノマー等価物質を含む 、請求の範囲第64項に記載の化学処理剤。 66.該化学処理剤が、約93〜約110℃の範囲の温度にて、約300cpsまでの粘度を 有する、請求の範囲第61項に記載の化学処理剤。 67.熱硬化性または熱可塑性化学処理剤を、ガラスまたは合成強化繊維を含む複 数の繊維に塗布して、塗布された化学処理剤で被覆された繊維を形成し、該化 学処理剤は実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性であり、および 該塗布された化学処理剤を加熱して、該塗布された化学処理剤の少なくとも 一部の粘度を低下し、あるいは該塗布された化学処理剤を少なくとも部分的に 硬化し、あるいは該処理剤の少なくとも一部の粘度を低下し、かつ該処理剤を 少なくとも部分的に硬化させて、被覆された繊維を形成する、 工程を含むことを特徴とする、複合製品の製造方法。 68.該化学処理剤を、約0.1〜約1重量%の範囲の量で塗布して、該複数の繊維 をサイズ処理する、請求の範囲第67項に記載の方法。 69.該化学処理剤を、約2〜約25重量%の範囲の量で塗布して、該複数の繊維を 予備含浸処理する、請求の範囲第68項に記載の方法。 70.該複数の繊維が、更にポリマーマトリックス繊維をも含む、請求の範囲第67 項に記載の方法。 71.該強化繊維が、ガラス強化繊維を含み、かつ該加熱工程が、該塗布された化 学処理剤に、該ガラス強化繊維から放出される熱エネルギーを供給することを 含む、請求の範囲第67項に記載の方法。 72.該塗布工程中に、該ガラス強化繊維が、約150〜約350℃の範囲の温度下にあ る、請求の範囲第71項に記載の方法。 73.該温度が約200〜約300℃の範囲にある、請求の範囲第72項記載の方法。 74.該強化繊維が予備成形した繊維を含み、かつ該方法が、更に該予備成形した 強化繊維を予備加熱する工程を含む、請求の範囲第67項に記載の方法。 75.該強化繊維がガラス繊維を含み、該方法が、更に溶融ガラス強化材料源から 該ガラス繊維を形成する工程を含み、該加熱工程が、該形成工程からの該ガラ ス強化繊維内に保持されている熱エネルギーを、該塗布された化学処理剤に供 給することを含む、請求の範囲第67項に記載の方法。 76.該加熱工程が、該塗布された化学処理剤に、該複数の繊維に対して、外部熱 源から熱エネルギーを供給する工程を含む、請求の範囲第67項に記載の方法。 77.該化学処理剤が熱硬化性であり、かつ該加熱工程が、該塗布された化学処理 剤の一部を少なくとも部分的に硬化する、請求の範囲第67項に記載の方法。 78.該化学処理剤が、熱可塑性であり、かつ該加熱工程が、該塗布された化学処 理剤の少なくとも一部の粘度を低下する、請求の範囲第67項に記載の方法。 79.更に、該被覆された繊維を一緒に集めて、複合ストランドとする工程をも含 む、請求の範囲第67項に記載の方法。 80.該加熱工程を、該繊維を集める捕集工程の後に実施する、請求の範囲第79項 に記載の方法。 81.該化学処理剤が、有機物質を含み、かつ該複合ストランドが、約2〜約25重 量%の範囲の有機物質の含有率を有する、請求の範囲第79項に記載の方法。 82.更に、該複合ストランドを成形して、少なくとも部分的に該塗布された化学 処理剤により形成される、マトリックス中に分散した該複数の繊維を含む、複 合物品を作成する、請求の範囲第79項に記載の方法。 83.該複数の繊維が、更に該複合物品の該マトリックスの少なくとも一部を構成 する、ポリマーマトリックス繊維をも含む、請求の範囲第82項に記載の方法。 84.該形成工程を、該捕集工程とのイン−ラインで実施する、請求の範囲第82項 に記載の方法。 85.更に、強化繊維とマトリックス繊維とを混合して、該複数の繊維を生成する 工程をも含む、請求の範囲第67項に記載の方法。 86.該塗布工程が、該強化繊維および該マトリックス繊維を、該化学処理剤で同 時に被覆する工程をも含む、請求の範囲第85項に記載の方法。 87.加工して、マトリックス物質中に配置するのに有用な、複合ストランドを作 成するための繊維に塗布して、繊維−強化複合物品を形成するための化学処理 剤であって、 少なくとも1種の多−官能性モノマーと、低分子量の単−官能性モノマーと を含むフィルム形成剤と、 官能化された有機基質を含むカップリング剤と、 を含み、該化学処理剤が熱硬化性であり、少なくとも部分的に加熱により硬化 可能であり、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的に非−光硬化性である、こと を特徴とする、上記化学処理剤。 88.更に、加工助剤をも含む、請求の範囲第87項に記載の化学処理剤。 89.該加工助剤が、エポキシ−官能性粘度調節剤を含む、請求の範囲第88項に記 載の化学処理剤。 90.該加工助剤がブトキシエチルステアレートを含む、請求の範囲第88項に記載 の化学処理剤。 91.約150〜約350℃の範囲の温度にて熱硬化性である、請求の範囲第87項に記載 の化学処理剤。 92.該フィルム形成剤が、ポリエステルアルキド、エポキシ樹脂およびグリシジ ルエーテル官能基を含む化合物からなる群から選択されるモノマーを含む、請 求の範囲第87項に記載の化学処理剤。 93.該フィルム形成剤が、ウレタン、ビニルエステル、アミック酸、ディールス アルダー反応性種、およびコープ−転位性化合物からなる群から選択される少 なくとも1種を含む、請求の範囲第87項に記載の化学処理剤。 94.該化学処理剤が、約93〜約110℃の範囲の温度にて、約300cpsまでの粘度を 有する、請求の範囲第87項に記載の化学処理剤。 95.加工して、マトリックス物質中に配置するのに有用な、複合ストランドを作 成するための繊維に塗布して、繊維−強化複合物品を形成するための化学処理 剤であって、 少なくとも1種の低分子量熱可塑性ポリマー物質を含むフィルム形成剤と、 官能化された有機基質を含むカップリング剤と、 を含み、該化学処理剤が熱可塑性であり、実質的に溶剤を含まず、かつ実質的 に非−光硬化性である、ことを特徴とする、上記化学処理剤。 96.更に、加工助剤をも含む、請求の範囲第95項に記載の化学処理剤。 97.該低分子量熱可塑性ポリマーが、分解ポリエステルまたはポリアミドを含む 請求の範囲第95項に記載の化学処理剤。 98.該ポリエステルまたはポリアミドが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ チレンテレフタレート、およびナイロンからなる群から選択される、請求の範 囲第95項に記載の化学処理剤。 99.更に、加工助剤を含み、該助剤が、ジ-n-ブチルテレフタレート、1,4-ブタ ンジオールのジベンゾエートエステル、ジエチルテレフタレート、エチレング リコールのジベンゾエートエステル、カプロラクトン、アジポイルクロリドと n-アミノヘキサンとの付加生成物、および1,6-ヘキサンジアミンとヘキサノイ ルクロリドとの付加生成物からなる群から選択されるモノマー等価物質を含む 、請求の範囲第98項に記載の化学処理剤。 100.該化学処理剤が、約93〜約110℃の範囲の温度にて、約300cpsまでの粘度を 有する、請求の範囲第95項に記載の化学処理剤。
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