JP2000515896A - 腫瘍送達ビヒクルおよび嚢胞性腫瘍の処置を増強する方法 - Google Patents

腫瘍送達ビヒクルおよび嚢胞性腫瘍の処置を増強する方法

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Abstract

(57)【要約】 治療的試薬の、特に細胞、または多量の組換えDNA試薬もしくは薬物の、固形腫瘍中への現在の直接送達技術の主な問題は、処置されるべき腫瘍組織中へ浸透し、そしてその中に残存する液および/または細胞の低い量を生じる、液および/または細胞の流入に対する組織の耐性であった。増加した浸透ならびに/または減少した逆流および侵入点を通っての迂回(その結果、より多くの物質が腫瘍中に導入され、そしてその中に残存する)が、粘性ビヒクル(最も好ましくは組織と類似の密度を有する)の、送達されるべき物質のための使用を介して得られる。好ましい物質は、注射もしくは移植の時またはそのすぐ後にゲル化または固体化するポリマー物質の溶液または懸濁液を含む。遺伝子操作された線維芽細胞およびケラチノサイトのような細胞が、被包性腫瘍の嚢胞液中で培養され得ることもまた見出された。このことは、これらの型の腫瘍内の遺伝子操作された産生細胞を増殖させ、ウイルス粒子(これは、次いで、周囲の腫瘍細胞を遺伝子物質(好ましい実施態様において、致死遺伝子)で形質導入する)を産生する細胞の数を増加させるための手段を提供する。脳腫瘍細胞(例えば、神経膠種)、および多数の型の乳腫瘍および肺腫瘍を含む多数の異なる腫瘍の型が、腫瘍細胞によって産生される液を含む「嚢胞」を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 腫瘍送達ビヒクルおよび嚢胞性腫瘍の処置を増強する方法 発明の背景 本発明は、一般に、腫瘍(特に、脳腫瘍)の処置のための治療剤のための送達 ビヒクル、および遺伝子操作された細胞の成長および増殖を支持し得る嚢胞液を 含有する腫瘍の処置の方法の領域にある。 合衆国単独における全個体の3分の1にガンが発生する。5年生存率は、早期 診断および治療における進歩の結果として、50%近くにまで劇的に上昇したが、 ガンはなお、合衆国における死因として、心臓病のみに対して第2位に留まって いる。アメリカ人の20%がガンで死亡し、その半分が肺ガン、乳ガン、および結 腸-直腸ガンに起因する。 ガンを有する患者のための有効な処置の設計は、重要な挑戦のままである。外 科的切除、外部光線放射線治療、および/または全身的化学療法の現在の養生法 は、いくつかの種類の悪性腫瘍において部分的には成功したが、他のガンにおい ては満足な結果をもたらしていない。神経芽腫または多型(multiforme)のよう ないくつかの型の脳腫瘍において、この多様式処置(multimodality treatment )養生法は、1年未満の生存の中央値をもたらす。例えば、これらの処置された 悪性神経膠腫の90%が、1年以内に元の腫瘍部位の2cm以内で再発する。 いくつかの種類のガンにおいては有効であるが、全身的化学療法の使用は、結 腸-直腸ガン、食道ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、および腎臓ガン、ならびに黒色 腫の処置において、わずかな成功しかおさめていない。これらの型のガンの処置 についての全身的化学療法の主な問題点は、腫瘍増殖の制御を達成するために必 要とされる全身用量が、頻繁に受容不可能な全身毒性を生じることである。化学 療法剤の腫瘍部位への局所送達を改善する努力は、例えば、連続的な全身注入に よるような、器官指向性化学療法における進歩をもたらした。しかし、抗ガン剤 の連続注入は、一般に、パルス注入または短期間注入を上回る明らかな利益を示 していない。自己密封シリコーン隔壁を有する移植可能エラストマーアクセスポ ートがまた、連続注入のために試みられているが、溢血が問題のままである。携 帯用注入ポンプが、現在、送達デバイスとして利用可能であり、そして効力につ いて評価されている(一般的総説については、Harrison's Principles of Inter nal Medicine 431-446、E.Braunwaldら編、McGraw-Hill Book Co.(1987)を参照 のこと)。 脳において、中枢神経系の悪性新生物を有する患者の処置のための有効な抗腫 瘍剤の設計および開発は、2つの主な要因によって影響されている:1)血液脳 関門は、正常脳において解剖学的閉塞を与え、腫瘍のいくつかの領域への薬剤の 接近を潜在的に制限する;および2)抗腫瘍薬物は、一般に、正常細胞および新 形成性細胞に対して一様に細胞傷害性である。その結果として、薬物の用量が腫 瘍内送達を改善しようとする試みで増加される場合、全身毒性は重篤であり得る 。脳中の腫瘍床への薬物送達を改善しようとする努力は、血液脳関門の一時的な 浸透圧破壊、脳脊髄液灌流、移植されたポリマー性制御放出デバイスからの局所 的送達、およびカテーテルを使用する脳腫瘍中への直接注入を含む。各々の技術 は、重大な制約を有していた。血液脳関門の破壊は、正常な脳中への親水性物質 の取り込みを増大させ得るが、腫瘍中への薬物送達を有意には増大させないかも しれない。脳脊髄液中へ投与された薬剤の最小量のみが、実際に脳実質中へ浸透 し得る。局所薬物送達のための制御放出生体適合性ポリマーが、***の防止、イ ンスリン療法、緑内障処置、喘息治療、う食の防止、および特定の型のガン化学 療法のために利用されている(Langer,R.およびD.Wise編、Medical Applicati ons of Controlled Release 、第I巻および第II巻、Boca Raton、CRC Press(198 6))。脳腫瘍は、特に、化学療法に対して抗療性であった。主な理由の一つは、 血液脳関門により課される制限である。インビトロにおいて、神経膠腫のような 特定の脳腫瘍に対して活性なようである薬剤は、不十分な薬物が腫瘍へ浸透する ので、臨床試験で失敗し得る。血液脳関門は、腫瘍のコアにおいては破壊される が、侵入に活発に従事する細胞が位置する末梢においては、血液脳関門は、大部 分インタクトである。実験的腫瘍内養生法は、外科的切除後の腫瘍床内の治療剤 の注入または移植を含む(Tomita,T、J .Neuro-Oncol.10:57-74(1991))。注 入によって腫瘍を処置するために使用された薬物は、不適切であったか、注入の 部位から適切な距離の拡散をしなかったか、または持続性拡散勾配を可能にする ために十分な濃度で維持され得なかった。カテーテルの使用は、高率の感染、閉 塞、および詰まりに起因する機能不全によって困難になった(T.Tomita、J .Ne uro-Oncology 10:57-74(1991)を参照のこと)。 脳腫瘍に直接隣接して移植されたポリマーマトリックスにおける、低分子量の 脂質可溶性化学療法剤である1,3-ビス(2-クロロエチル)-1-ニトロソウレア(BCNU )の送達は、いくらかの効力を有する(Bremら、J .Neurosurg.74:441-446(1991 );Bremら、Eur .J.Pharm.Biopharm.39(1):2-7(1993);およびBremら、Proc .Amer.Soc.Clin.Oncology 5月17日,(1994))。BCNUのポリマー媒介性送達 は、頭蓋内の9L神経膠肉腫を有する動物の生存の延長において、全身送達よりも 優れており、そして臨床試験においていくらかの有効な結果を示している。しか し、BCNUは低分子量の薬物であり、血液関門を通過し、そして全身投与された場 合、いくらかの効力を有することが以前に示されていた。さらに、獲得された薬 物耐性は、腫瘍成長の制御において最初は有効であった薬物に対して抗療性にな る腫瘍を生じ得る。 例えば、1つの有望な化学療法薬剤であるカンプトテシン(camptothecin)( 中国原産の樹木であるCamptotheca acuminataから単離された天然に存在するア ルカロイド)(これは、DNA複製に密接に関与する酵素であるトポイソメラーゼ Iを不可逆的に阻害することによってその薬理学的効果を発揮する)は、インビ トロにおいて種々の実験的腫瘍(例えば、L1210およびラットWalker256ガン肉腫 )に対して、強い細胞傷害性抗腫瘍活性を有することが示された(Venditti,J.M .およびB.J.Abbott、Lloydia 30:332-348(1967);Moertel,C.G.ら、Cancer Ch emother .Rep. 56(1):95-101(1972))。しかし、黒色腫および進行性胃腸ガンを 有するヒト患者におけるカンプトテシンの第1相および第2相臨床試験は、わず かな腫瘍応答をともなう予想外の重篤な全身毒性を示し、それゆえ臨床研究は中 止された(Gottlieb,J.A.およびJ.K.Luce、Cancer Chemother .Rep.56(1):103 -105(1972);Moertel,C.G.ら、Cancer Chemother .Rep.56(1):95-101(1972); Muggia,F.M.ら、Cancer Chemother .Rep.56(4):515-521(1972))。全身投与さ れた場合に有効である多くの他の化学療法剤は、わずかなバイオアベ イラビリティーに起因する毒性を回避するために、非常に高い投薬量で送達され なければならない。例えば、パクリタキセル(taxol)は、卵巣ガン、乳ガン、 および非小細胞肺ガンを含むいくつかのヒト腫瘍の処置において効力をともなっ て全身的に使用されている。しかし、腫瘍の処置のためのこの薬物の十分な全身 的なレベルの維持は、重篤な、いくつかの場合には「生命を脅かす」毒性と関連 している(SarosyおよびReed、J .Nat.Med.Assoc.85(6):427-431(1993))。 パクリタキセルは、西洋イチイTaxus brevifoliaから単離された、高分子量(85 4)の、高度に親油性のデテルペノイド(deterpenoid)であり、これは水に不溶性 である。これは、通常、ポリオキシエチレン化ヒマシ油中に溶解または懸濁され た薬物の生理食塩水中への希釈によって、静脈内投与される。このキャリアーは 、多数の患者においてアナフィラキシー反応を誘導することが報告されており( SarosyおよびReed(1993))、それで、非経口投与のために混合ミセル処方物のよ うな代替のキャリアーが提案されている(Alkan-Onyukselら、Pharm .Res.11(2 ),206-212(1994))。 遺伝子移入は、急速にヒト悪性腫瘍のための新たな治療の開発における有用な 付加物になっている。組織適合性抗原、サイトカイン、または増殖因予(例えば 、IL-2、IL-4、GMCSF)の腫瘍細胞発現は、動物モデルにおける悪性細胞の免疫 媒介性クリアランスを増強するようであり、そして自己骨髄細胞における化学防 御因子(chemoprotectant)遺伝子産物(例えば、P糖タンパク質)の発現は、 そうでなければ致死的な用量の化学療法剤の投与後の骨髄毒性を最小にする手段 として研究中である。 理論的には、遺伝子移入を使用する腫瘍細胞傷害のための最も直接的な機構は 、腫瘍細胞内での細胞傷害性遺伝子産物の選択的発現である。シュードモナス外 毒素A、ジフテリア毒素、およびリシンのような古典的な酵素性毒素は、これに 関して有用ではなさそうである。なぜなら、これらの酵素は、その中でそれらが 発現される細胞のみを傷害し、そして現在の遺伝子移入ベクターは、上記の組換 え酵素を使用するために十分に高い割合の腫瘍細胞への遺伝子送達が可能ではな いからである。 腫瘍細胞を選択的に傷害するために開発された別のストラテジーは、単純ヘル ペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-tk)遺伝子のような酵素をコードする遺伝 エ子の、複製中の腫瘍細胞への送達および発現、続くこの酵素によって活性化さ れるプロドラッグ(例えば、ガンシクロビル)での処置を含む。ガンシクロビル はHSV-tkによって容易にリン酸化され、そしてそのリン酸化された代謝物は、細 胞に対して毒性である。正常ヒト細胞において、非常にわずかなガンシクロビル のリン酸化しか生じない。HSV-tkを発現する細胞のみがガンシクロビルに対して 感受性であるはずであるが(そのリン酸化された代謝物は容易には細胞膜を通過 しないので)、インビトロおよびインビボ実験は、HSV-tk遺伝子を含む細胞の割 合に基づいて予想されるよりも多い数の腫瘍細胞が、ガンシクロビルによって傷 害されることを示している。この予想外の結果は、「傍観者効果(bystander ef fect)」または「代謝的協同(metabolic cooperation)」と呼ばれている。ガ ンシクロビルのリン酸化された代謝物は、ギャップ結合を通って1つの細胞から 別の細胞に通過され得ると考えられている。 傍観者効果は、HSV-tkを使用する最初の実験において観察されたが、全ての現 在の遺伝子送達ビヒクルにおいて存在する制約は、以前に示されたよりもずっと 多くの傍観者効果が、このアプローチを使用してヒト腫瘍を首尾良く処置するた めに重要であることを意味する。現在の傍観者毒性モデルについての困難性の1 つは、細胞膜を容易には通過しない代謝物についての傍観者毒性が、遺伝子移入 (例えば、トランスフェクション、形質導入など)の低い効率を克服するために 十分ではないことである。公知の毒素遺伝子治療系において、インビボにおける 形質導入および/またはトランスフェクションの効率は、一般に低い。ヒトにお ける脳腫瘍を処置するための既存のプロトコルは、HSV-tkのレトロウイルス送達 、続くガンシクロビル投与を使用する。この関連でHSV-tkを使用する、固形膠肉 腫細胞株である9L細胞を使用するラットモデルにおいて、腫瘍後退が観察されて いる(Culverら、Science,256:1550-1552(1992))。このHSV-tkアプローチは、 脳腫瘍、頭部および頚部腫瘍、ならびに卵巣腫瘍の患者の処置のために研究中で ある。 同様に、この関連での、E.coliシトシンデアミナーゼ(これは、5-フルオロ シトシンを5-フルオロウラシルに転換し、そして理論的には実質的な傍観者毒性 を提供し得る)の有用性は、確立されないままである。最初の研究は、クローン 原性アッセイにおけるシトシンデアミナーゼ発現、続く5-フルオロシトシンでの 処置が、最小の傍観者傷害を導くことを示した(Mullenら、Proc .Natl.AcadSci .USA ,89:33-37(1992))。 そうでなければ非毒性の酵素(例えば、HSV-tk、シトシンデアミナーゼ)によ るプロドラッグの活性化は、リシン、ジフテリア毒素、またはシュードモナス外 毒素のような直接的に毒性の遺伝子の発現を上回る利点を有する。これらの利点 は、細胞傷害を力価測定し、プロドラッグまたは組換え酵素発現のいずれかのレ ベルを調整することによって治療指数を至適化し、そしてプロドラッグの投与を 控えることによって毒性をさえぎる能力を含む。しかし、他の組換え毒性遺伝子 のように、ガンシクロビルでの処置が続くHSV-tkの遺伝子移入は、傍観者細胞を 傷害するように至適化もされず、そして傍観者毒性が、インビトロにおいて特徴 付けられたようにインビボにおいて生じることは確かでもない。腫瘍細胞におい て毒性代謝物を作製するためのHSV-tkまたはシトシンデアミナーゼの使用につい てのさらなる問題は、HSV-tk(ガンシクロビルなど)およびシトシンデアミナー ゼ(5-フルオロシトシン)によって活性化される薬剤が、DNAを合成中の細胞の みを傷害するという事実である(Balzariniら、J .Biol.Chem.,268:6332-6337 (1993)、ならびにBruceおよびMeeker,J .Natl.Cancer Inst.,38:401-405(196 7))。たとえかなりの数の非トランスフェクト細胞が傷害されても、これらの薬 剤を用いて非***腫瘍細胞を傷害することは期待されない。 それゆえ、本発明の目的は、治療的試薬(ウイルスベクター、細胞、核酸、抗 体、およびその他のタンパク質、脂質、ならびに炭水化物を含む)の、腫瘍(特 に、脳腫瘍)への送達の効率を増加させるビヒクルを提供することである。 本発明のさらなる目的は、固体形態または液体形態の薬物、および遺伝子物質 (細胞中に含まれる遺伝子物質を含む)の腫瘍中への直接送達のために有用なビ ヒクルを提供することである。 本発明のさらなる目的は、遺伝子物質の被包性腫瘍または嚢胞性腫瘍への送達 を増強するための方法を提供することである。 発明の要旨 治療的試薬の、特に細胞、または多量の組換えDNA試薬もしくは薬物の、固形 腫瘍中への現在の直接送達技術の主な問題は、処置されるべき腫瘍組織中へ浸透 し、そしてその中に残存する液および/または細胞の低い量を生じる、液および /または細胞の流入に対する組織の耐性であった。増加した浸透ならびに/また は減少した逆流および侵入点を通っての迂回(その結果、より多くの物質が腫瘍 中に導入され、そしてその中に残存する)が、粘性ビヒクル(最も好ましくは組 織と類似の密度を有する)の、送達されるべき物質のための使用を介して得られ る。好ましい物質は、注射もしくは移植の時またはそのすぐ後にゲル化または固 体化するポリマー物質の溶液または懸濁液を含む。好ましい実施態様において、 溶液はカテーテルを介して処置されるべき腫瘍の領域に注射される。 遺伝子操作された線維芽細胞およびケラチノサイトのような細胞が、被包性腫 瘍の嚢胞液中で培養され得ることもまた見出された。このことは、これらの型の 腫瘍内の遺伝子操作された産生細胞を増殖させ、ウイルス粒子(これは、次いで 、周囲の腫瘍細胞を遺伝子物質(好ましい実施態様において、致死遺伝子)で形 質導入する)を産生する細胞の数を増加させるための手段を提供する。本明細書 において用いられる場合、「致死」遺伝子は、特異的細胞、通常、腫瘍細胞を傷 害するために使用され得る遺伝子である。致死遺伝子の例は、単純ヘルペスウイ ルスチミジンキナーゼ酵素をコードする遺伝子である。チミジンキナーゼ酵素を 発現する細胞の、ガンシクロビルでの続く処理は、細胞死を生じる。致死遺伝子 はまた、細胞の必須の機能を干渉するリボザイム型分子またはアンチセンス分子 のようなオリゴヌクレオチドをコードし得る。あるいは、致死遺伝子は、患者自 体の免疫系を刺激または活性化して、腫瘍を攻撃するタンパク質(単数または複 数)をコードし得る。産生細胞を遺伝子操作するための技術、および細胞を操作 するための試薬は、公知である。脳腫瘍細胞(例えば、神経膠種)、および多数 の型の乳腫瘍および肺腫瘍を含む、多数の異なる腫瘍の型が、腫瘍細胞によって 産生される液を含む「嚢胞」を形成する。これらの嚢胞液は、上昇したレベルの 特定の増殖因子(例えば、線維芽細胞増殖因子(FGF)および上皮増殖因子(EGF ))を含むことが示された。使用されるべき遺伝子操作された細胞の型は、細 胞の増殖を最も促進する嚢胞液中の増殖因子のレベルに部分的に従って選択され 得る。例えば、高レベルのFGFを有する嚢胞性腫瘍には、遺伝子操作された線維 芽細胞が注射され;高レベルのEGFを有する嚢胞性腫瘍には、遺伝子操作された ケラチノサイトが注射され;そして高レベルの血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を 有する嚢胞性腫瘍には、遺伝子操作された内皮細胞が注射される。 実施例は、嚢胞液を通っての隣接する腫瘍細胞中への拡散による遺伝子物質の 移入を用いる、神経膠腫の嚢胞液中の線維芽細胞の増殖、およびレトロウイルス 形質導入線維芽細胞産生細胞が、遺伝子物質を、Matrigelで被包されたウイルス 産生細胞から腫瘍細胞に移入することを実証する。 図面の簡単な説明 図1aおよび1bは、6日間にわたる、1、10、または100μMのガンシクロビル での処理後の、培地中の、HSV-tkで形質導入されたU87腫瘍細胞(図1a)または 形質導入されていないコントロール細胞(図1b)の、ガンシクロビル用量応答の グラフである。 図2は、6日間にわたる、1、10、または100μMのガンシクロビルでの処理 後の、腫瘍嚢胞液(TCF)中の、HSV-tkで形質導入されたU87腫瘍細胞の、ガンシ クロビル用量応答のグラフである。 図3は、6日間にわたる、100μMのガンシクロビルでの処理後の、培地また はTCFのいずれかの中の、HSV-tkで形質導入されたU87腫瘍細胞の応答を比較する グラフである。 発明の詳細な説明 固形腫瘍への送達のためのビヒクルについての一般的基準は、物質が、化学療 法剤を不活化してはならず、そして送達される物質に、組織のものに類似した密 度または粘度を与えなければならないということである。 送達されるべき物質 本明細書中において使用される場合、化学療法剤は、合成の有機または無機薬 物、正常な機能を置換するか、または補充する生物学的に活性な物質(例えば、 ホルモン、血管形成因子、または抗血管形成因子)、免疫調節物質、および細胞 傷害性剤(例えば、白金ベース化学療法剤(例えば、シスプラチン、BCNU、およ び他のニトロソウレア化合物)、サイトカイン、および当業者に公知の他のもの )、および遺伝子操作された物質を含む。遺伝子操作された物質は、毒素をコー ドするRNAまたはDNA、リボザイム、RNAase Pの外部ガイド配列、アンチセンス、 三重鎖形成オリゴヌクレオチド、選択的または標的化変異原、およびそれらの組 合せを含む。遺伝子操作された物質は、溶液中、懸濁液中であり得、プラスミド もしくはウイルスベクター中に取り込まれ得、そして/または細胞中であり得る 。 遺伝子移入のための方法および物質は以下で考察される。 送達のための部位 本明細書中では腫瘍の処置に関して主に記載されるが、処置の必要な他の組織 が、本明細書中において記載される送達系を用いて処置され得ることは、当業者 によって理解される。処置されるべき腫瘍は、一般に固形腫瘍であり、それは身 体中のどこにでも配置され得る。送達ビヒクルが特に有用である腫瘍は脳腫瘍で ある。処置され得る他の組織は、肝臓、膵臓、結腸、肺、および神経組織を含み 、中枢神経系における正常および異常な組織を含む。本明細書中で使用される用 語「組織」は、正常および形質転換の両方の組織(固形腫瘍を含む)を含む。 嚢胞性腫瘍 固形腫瘍は、他の細胞型が増殖するのを刺激し得る(すなわち、線維芽細胞増 殖因子)か、または近くの細胞の機能に影響を及ぼし得る(すなわち、腫瘍細胞 に隣接する血管の透過性を誘導される血管内皮細胞増殖因子)多数のタンパク質 を分泌する。いくつかの腫瘍は、実際、変化する組成の液体の収集物を囲む正常 および新生物細胞から構成される膜で構成される嚢胞を形成する。例えば、悪性 神経膠腫脳腫瘍は、頭蓋咽頭腫嚢胞が代表的にはコレステロール沈着物を含む一 方で、塩基性線維芽細胞増殖因子および血管内皮細胞増殖因子を含むことが示さ れている。それらのサイズおよび位置に依存して、嚢胞性腫瘍は、器官機能を減 じ得る隣接組織を圧縮することによって、または周辺組織に悪影響を及ぼす物質 を放出することによって臨床的に有意な問題を引き起こす。嚢胞性腫瘍を排出し 、そして薬物または放射性核種を嚢胞中に注入する技術が開発されている。これ ら のアプローチは、時に有効だが、嚢胞がしばしば再発し、永久的に移植したカテ ーテルがしばしば閉塞されるようになり、そして感染の供給源であり、そして毒 性分子が嚢胞から遊出し、そして周辺組織を損傷するため、限定的に有効である 。 本方法は、嚢胞性腫瘍の選択および処置を含む。嚢胞性腫瘍は、一般にカプセ ル化され、そして繊維性膜または腫瘍の内側における腫瘍細胞線化(lined)ポケ ット内に集まる傾向にある嚢胞液を腫瘍内に生成する腫瘍型である。脳において 、これらの嚢胞性腫瘍は、一般に内因性脳腫瘍(例えば、神経膠腫、星状細胞腫 、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、下垂体腺腫、血管芽腫)、ならびに肺、胸、腎臓、胃腸 、およびメラニン細胞器官の転移性腫瘍を含む。 送達されるべき物質 嚢胞性腫瘍に送達されるべき物質は、一般に遺伝子操作された細胞を含み、そ れは、緩衝液もしくは栄養液中で、または腫瘍内の遺伝子操作された物質の保持 を増強するキャリアビヒクル中で、嚢胞液中に直接注入され得る。これらは、以 下でより詳細に考察される。 遺伝子物質 本明細書中で使用される「致死」遺伝子は、特定の細胞、通常は腫瘍細胞を傷 害するために使用され得る遺伝子である。致死遺伝子の例は、単純ヘルペスチミ ジンキナーゼ(HSV-tk)をコードする遺伝子である。HSV-tkを発現する細胞のガン シクロビルでの続く処置により、細胞傷害性に導かれる。致死遺伝子はまた、細 胞の必須の機能を妨害するリボザイム型分子またはアンチセンス分子のようなオ リゴヌクレオチドをコードし得る。あるいは、致死遺伝子は、腫瘍を攻撃する患 者自身の免疫系を刺激または活性化するタンパク質(単数または複数)をコード し得る。後者の場合において、これは、免疫原性であることが公知であるウイル スベクタータンパク質、または免疫応答を減少させるインターロイキン8もしく は10のような物質でさえあり得る。これらの物質は、集合的に「遺伝子操作され た物質」といわれる。遺伝子操作された物質は、毒素をコードするRNAまたはDNA 、リボザイム、RNAase Pの外部ガイド配列、アンチセンス、三重鎖形成オリゴヌ クレオチド、選択的または標的化変異原、およびそれらの組合せを含む。 遺伝子操作され、そして腫瘍に送達される細胞 細胞の多くの型は、これらの技術および試薬を用いてトランスフェクトされ得 る。脳腫瘍の処置のための好ましい細胞型は、線維芽細胞、ケラチノサイト、お よび内皮細胞を含む。骨前駆体細胞または骨芽細胞のような分化した細胞もまた 使用され得る。骨髄幹細胞および造血細胞は、ヒトから比較的容易に摘出され、 そして置換され、そして移入された遺伝子の伝播のための細胞の自己再生集団を 提供する。細胞は、処置されるべき腫瘍の型、嚢胞液の内容物、腫瘍の分子特徴 、ならびに送達されるべき遺伝子操作された物質によって選択される。細胞のイ ンビトロでのトランスフェクションが実施される場合、一旦、トランスフェクト された細胞が遺伝子によってコードされるタンパク質を産生し始めると、細胞は 患者に戻され、トランスフェクトされた遺伝子を発現している細胞の完全にプー ルされた集団を確立し得る。 使用されるべき遺伝子操作された細胞の型は、一部には、細胞の増殖を最も促 進する嚢胞液中の増殖因子のレベルによって選択され得、例えば、高レベルのFG Fを有する嚢胞性腫瘍には、遺伝子操作された線維芽細胞が注射される;高レベ ルのEGFを有する嚢胞性腫瘍には、遺伝子操作されたケラチノサイトが注射され る;そして血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の高レベルを有する嚢胞性腫瘍には、遺 伝子操作された内皮細胞が注射される。 遺伝子物質の移入のための方法および試薬 遺伝子移入は、プラスミドまたはウイルスベクターでの遺伝子物質の直接移入 を用いて、または細胞もしくはカチオン性リポソームのようなキャリア中の遺伝 子物質の移入を介して得られ得る。そのような方法は、当該分野において周知で あり、そして本明細書中に記載される遺伝子媒介毒素治療における使用に容易に 適応可能である。さらに、これらの方法は、キャリアの標的化特徴を用いること によって特定の疾患および細胞集団を標的化するために使用され得る。移入ベク ターは、遺伝子を細胞中に送達するために使用される(例えば、プラスミド)か 、または遺伝子を送達するための一般的なストラテジーの一部として、例えば組 換えレトロウイルスもしくはアデノウイルスの一部として(Ramら、Cancer Res 53:83-88,(1993))の任意のヌクレオチド構築物であり得る。ウイルスベクター を含むトランスフェクションのための適切な手段、化学的トランスフェクト体、 またはDNAのエレクトロポレーションおよび直接拡散のような物理力学的方法は 、例えばWolff,J.A.ら,Science,247,1465-1468,(1990);およびWolff,J .A.Nature,352,815-818,(1991)によって記載される。 本明細書中において使用される場合、プラスミドまたはウイルスベクターは、 分解なしに遺伝子を細胞に輸送し、そして送達される細胞において遺伝子の発現 を生じるプロモーターを含む薬剤である。好ましい実施態様において、ベクター は、ウイルスまたはレトロウイルスのいずれか由来である。好ましいウイルスベ クターは、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニ アウイルス、ポリオウイルス、AIDSウイルス、ニューロン栄養性ウイルス、シン ドビス、および他のRNAウイルスであり、HIVバックボーンを有するこれらのウイ ルスを含む。それらをベクターとしての使用に適切にするこれらのウイルスの特 性を共有する任意のウイルスファミリーもまた好ましい。好ましいレトロウイル スは、マウスモロニー白血病(Murine Maloney Leukemia)ウイルス(MMLV)、およ びベクターとしてMMLVの所望の特性を発現するレトロウイルスを含む。レトロウ イルスベクターは、他のウイルベクターより大きな遺伝子有効荷重(すなわち、 トランスジーンまたはマーカー遺伝子)を有し得、そしてこの理由のため、一般 的に使用されるベクターである。しかし、それらは、非増殖性細胞においては有 用ではない。アデノウイルスベクターは、比較的安定であり、そして連動するの が容易であり、高力価を有し、そしてエーロゾル処方物で送達され得、そして非 ***細胞をトランスフェクトし得る。ポックスウイルスベクターは大きく、そし て遺伝子の挿入のためのいくつかの部位を有し、それらは熱安定性であり、そし て室温にて貯蔵され得る。好ましい実施態様は、ウイルス抗原によって誘発され る、宿主生物体の免疫応答を抑制するように操作されたウイルスベクターである 。この型の好ましいベクターは、インターロイキン8または10のコード領域を有 する。 ウイルスベクターは、遺伝子を細胞中に導入するためのほとんどの化学的また は物理的方法が有するよりも高いトランス作用(transaction)能(遺伝子を導 入する能力)を有する。代表的には、ウイルスベクターは、非構造初期遺伝子、 構造後期遺伝子、RNAポリメラーゼIII転写物、複製およびキャプシド形成に必要 な逆方向末端反復、およびウイルスゲノムの転写および複製を制御するためのプ ロモーターを含む。ベクターとして操作された場合、ウイルスは、代表的には1 つ以上の早期遺伝子を除去しており、そして遺伝子または遺伝子/プロモーター カセットが、除去されたウイルスDNAに代わってウイルスゲノム中に挿入される 。この型の構築物は、約8kbに達する外来遺伝子物質を有し得る。除去された早 期遺伝子の必要な機能は、代表的には早期遺伝子の遺伝子産物をトランスに発現 するように操作された細胞株によって供給される。 レトロウイルスベクター レトロウイルスは、任意の型、サブファミリー、属、または屈性を含むRetrov iridaeのウイルス科に属する動物ウイルスである。レトロウイルスベクターは、 一般に、Verma,I.M.,Retroviral MICROBIOLOGY-1985,American Society for Microbiology,229-232頁,Washington,(1985)によって記載される。遺伝子治 療のためのレトロウイルスベクターを使用するための方法の例は、米国特許第4, 868,116号および同第4,980,286号;PCT出願WO 90/02806およびWO 89/07136(そ の教示は、本明細書中において参考として援用される)、ならびにMulligan,(S cience 260:926-932(1993))において記載される。 レトロウイルスは、本質的にその中に核酸カーゴ(cargo)を詰めたパッケージ である。核酸カーゴは、それとともにパッケージングシグナルを有し、それは、 複製した娘分子がパッケージコート中に効率的に詰められることを確実にする。 パッケージシグナルに加えて、複製、および複製されたウイルスのパッケージン グのためにシスで必要とされる多くの分子が存在する。代表的に、レトロウイル スゲノムは、タンパク質コートの作製に関与するgag、pol、およびenv遺伝子を 含む。標的細胞に移入されるべきは、代表的に外来DNAによって置換されるgag、 pol、およびenv遺伝子である。レトロウイルスベクターは、代表的にはパッケー ジコート中への取り込みのためのパッケージシグナル、gag転写単位の開始を合 図する配列、逆転写のために必要なエレメント(逆転写のtRNAプライマーに結合 するプライマー結合部位を含む)、DNA合成間にRNA鎖の切り換えをガイドする末 端反復配列、DNA合成の第二鎖の合成のためのプライミング部位として供するプ リンリッチ配列の5’から3’LTR、およびレトロウイルスのDNA状態(state)の挿 入物が宿主ゲノム中に挿入するのを可能にするLTRの末端近くの特定の配列を含 む。gag、pol、およびenv遺伝子の除去は、約8kbの外来配列がウイルスゲノム 中に挿入され、逆転写されるようになり、そして複製の際に新しいレトロウイル ス粒子中にパッケージングされることを可能にする。この核酸の量は、各転写物 のサイズに依存して、1つから多くの遺伝子の送達に十分である。挿入物中の他 の遺伝子とともに、ポジティブまたはネガティブのいずれかの選択マーカーを含 むことが好ましい。 ほとんどのレトロウイルスベクター中の複製機構およびパッケージングタンパ ク質(gag、pol、およびenv)が除去されているため、ベクターは、代表的にはそ れらをパッケージング細胞株中に置くことによって産生される。パッケージング 細胞株は、複製およびパッケージング機構を含むが、いかなるパッケージングシ グナルも欠失するレトロウイルスでトランスフェクトされたか、または形質転換 された細胞株である。特別のDNAを含むベクターがこれらの細胞株中にトランス フェクトされる場合、目的の遺伝子を含むベクターは、ヘルパー細胞によってシ スに提供される機構によって、複製され、そして新しいレトロウイルス粒子中に パッケージングされる。機構のためのゲノムは、それらが必要なシグナルを欠失 するため、パッケージングされない。 アデノウイルスベクター 複製欠損アデノウイルスの構築物は記載されている(Berknerら、J .Virology 61:1213-1220(1987);Massieら、Mol .Cell.Biol.6:2872-2883(1986);Haj-Ah madら、J .Virology 57:267-274(1986);Davidsonら、J .Virology 61:1226-1239 (1987); Zhang「リポソーム媒介トランスフェクションおよびPCR分析による組 換えアデノウイルスの生成および同定」BioTechniques 15:868-872(1993))。こ れらのウイルスのベクターとしての使用の利点は、他の細胞型に拡散し得る程度 に限定されることである。なぜなら、それらは初期の感染した細胞内において複 製し得るが、新しい感染性ウイルス粒子を形成し得ないからである。組換えアデ ノウイルスは、気道上皮、肝細胞、血管内皮、CNS実質組織、および多くの他の 組織部位への直接的なインビボでの送達後、高効率性遺伝子移入を達成すること が示されている(Morsy,J .Clin.Invest.92:1580-1586(1993); Kirshenbaum,J .Clin.Invest.92:381-387(1993);Roessler,J.Clin .Invest 92:1085-1092(1993);Moullier,Nature Genetics 4:154-159(1993);La Sall e,Science 259:988-990(1993);Gomez-Foix,J .Biol.Chem.267:25129-25134 (1992);Rich,Human Gene Therapy 4:461-476(1993);Zabner,Nature Genetic s 6:75-83(1994);Guzman,Circulation Research 73:1201-1207(1993);Bout,Human Gene Therapy 5:3-10(1994);Zabner,Cell 75:207-216(1993);Caillaud ,Eur .J.Neuroscience 5:1287-1291(1993);およびRagot,J .Gen.Virology 74:501-507(1993))。組換えアデノウイルスは、特定の細胞表面レセプターへの 結合によって遺伝子形質導入を達成し、その後ウイルスは、野生型または複製能 欠損アデノウイルスと同じ様式でレセプター媒介エンドサイトーシスによって内 部移行される(ChardonnetおよびDales,Virology 40:462-477(1970);Brownお よびBurlingham,J .Virology 12:386-396(1973);SvenssonおよびPersson,J Virology 55:442-449(1985);Sethら、J .Virol.51:650-655(1984);Sethら、Mol .Cell.Biol. 4:1528-1533(1984);Vargaら、J .Vlrology 65:6061-6070(1991) ;Wickhamら、Cell 73:309-319(1993))。 好ましいウイルスベクターは、E1遺伝子を除去したアデノウイルスに基づいた ものであり、そしてこれらのビリオン(virons)は、ヒト293細胞株のような細胞 株において生成される。別の好ましい実施態様では、E1およびE3の両方の遺伝子 は、アデノウイルスゲノムから除去される。 ウイルスベクターの別の型は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく。この欠損 パルボウイルスは、それが多くの細胞型を感染し得、そしてヒトに対して非病原 性であるため、好ましいベクターである。AAV型ベクターは、約4〜5kbを輸送 し得、そして野生型AAVは、第19染色体中に安定に挿入するとして公知である。 この部位特異的組込み特性を含むベクターは好ましい。この型のベクターの特に 好ましい実施態様は、Avigen,San Francisco,CAによって生成されたP4.1 Cベ クターであり、それは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子であるHS V-tk、および/またはグリーン蛍光タンパク質GFPをコードする遺伝子のような マーカー遺伝子を含み得る。 ウイルスおよびレトロウイルス中の挿入された遺伝子は、通常、プロモーター 、および/または所望の遺伝子産物の発現を制御するのを助けるエンハンサーを 含む。プロモーターは、一般に、転写開始部位に関して比較的確定された位置に ある場合に機能する、DNAの1つまたは複数の配列である。プロモーターは、RNA ポリメラーゼおよび転写因子の基本的な相互作用のために必要とされるコアエレ メントを含み、そして上流エレメントおよび応答エレメントを含み得る。 ウイルスプロモーターおよびエンハンサー 哺乳動物の宿主細胞中のベクターからの転写を制御する好ましいプロモーター は、種々の供給源、例えば、ポリオーマ、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウ イルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、および最も好ましくはサイトメガ ロウイルスのようなウイルスのゲノムから、または異種の哺乳動物プロモーター (例えば、βアクチンプロモーター)から得られ得る。SV40ウイルスの早期およ び後期のプロモーターは、SV40ウイルスの複製起点もまた含むSV40制限酵素フラ グメントとして好都合に得られる(Fiersら、「Nature」,273:113(1978))。ヒト サイトメガロウイルスの前早期プロモーターは、HindIII E制限酵素フラグメン トとして好都合に得られる(Greenway,P.J.ら、Gene 18:355-360(1982))。当然 、宿主細胞または関連する種からのプロモーターはまた、本明細書中において有 用である。 エンハンサーは、一般に転写開始部位から確定されない距離にて機能し、そし て転写単位に対して5’(Laimins,L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.78:993(1981 ))または3’(Lusky,M.L.ら、Mol.Cell Bio.3:1108(1983))のいずれかであ り得るDNAの配列をいう。さらに、エンハンサーは、イントロン内(Banerji,J. L.ら、Cell 33:729(1983))、ならびにコード配列自身内(Osborne,T.F.ら、Mo l.Cell Bio.4:1293(1984))であり得る。それらは、通常長さが100と300の間 のbpであり、そしてそれらはシスに機能する。エンハンサーは、隣接したプロモ ーターからの転写を増加させるように機能する。エンハンサーはまた、しばしば 、転写の調節を媒介する応答エレメントを含む。プロモーターはまた、転写の調 節を媒介する応答エレメントを含み得る。エンハンサーは、しばしば遺伝子の発 現の調節を決定する。多くのエンハンサー配列が、現在、哺乳動物遺伝子 (グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン、およびインシ ュリン)から公知であるが、代表的には真核細胞ウイルス由来のエンハンサーを 使用する。好ましい例は、複製起点の後期側(bp100〜270)上のSV40エンハンサー 、サイトメガロウイルスの早期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上 のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーである。 プロモーターおよび/またはエンハンサーは、光またはそれらの機能を誘発す る特定の化学事象のいずれかによって特異的に活性化され得る。系は、テトラサ イクリンおよびデキサメサゾンのような試薬によって調節され得る。照射(例え ば、γ照射)への曝露またはアルキル化化学療法薬物によってウイルスベクター 遺伝子発現を増強する方法もまた存在する。 プロモーターおよび/またはエンハンサー領域が、転写されるべき転写単位の 領域の発現を最大化するための構成的プロモーターおよび/またはエンハンサー として作用することは好ましい。プロモーターおよび/またはエンハンサー領域 がすべての真核生物細胞型において活性であることはさらに好ましい。この型の 好ましいプロモーターはCMVプロモーター(650塩基)である。他の好ましいプロモ ーターは、SV40プロモーター、サイトメガロウイルス(完全長プロモーター)、 およびレトロウイルスベクターLTFである。 すべての特異的調節エレメントがクローン化され、メラノーマ細胞のような特 定の細胞型において選択的に発現される発現ベクターを構築するために使用され 得ることが示されている。グリア繊維性酢酸タンパク質(GFAP)プロモーターは、 グリア起源の細胞において遺伝子を選択的に発現するために使用されている。 真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、または核化細胞) 中で使用される発現ベクターはまた、転写の終結のために必要な配列を含み得、 これはmRNAの発現に影響し得る。これらの領域は、組織因子タンパク質をコード するmRNAの非翻訳部分中のポリアデニル化セグメントとして転写される。3’非 翻訳領域はまた、転写終結部位を含む。転写単位がまたポリアデニル化領域を含 むことが好ましい。この領域の1つの利点は、この領域が、転写された単位がプ ロセシングされ、そしてmRNAのように輸送される可能性を増大することである。 発現構築物中のポリアデニル化シグナルの同定および使用は十分に確立されてい る。 相同的なポリアデニル化シグナルがトランスジーン構築物中で使用されることが 好ましい。転写単位の好ましい実施態様において、ポリアデニル化領域はSV40初 期ポリアデニル化シグナル由来であり、そして約400塩基からなる(図1)。転 写された単位が他の標準的な配列を、単独でもしくは構築物の発現または安定性 を改良する上記の配列と組み合わせて含むことがまた好ましい。 マーカー ウイルスベクターは、マーカー産物をコードする核酸配列を含み得る。このマ ーカー産物は、遺伝子が細胞に送達され、そして一旦送達された遺伝子が発現さ れるかどうかを決定するために使用される。好ましいマーカー遺伝子は、β-ガ ラクトシダーゼをコードするE.coli lacZ遺伝子、およびグリーン蛍光タンパク 質をコードする遺伝子である。 いくつかの実施態様において、マーカーは、選択マーカーであり得る。哺乳動 物細胞に適切な選択マーカーの例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミ ジンキナーゼ、ネオマイシン、ネオマイシンアナログG4l8、ハイドロマイシン、 およびピューロマイシンである。このような選択マーカーが哺乳動物宿主細胞中 に良好に移入される場合、形質転換された哺乳動物宿主細胞は、選択圧下に置か れた時に生存し得る。2つの広範に使用される異なるカテゴリーの選択レジメが 存在する。第1のカテゴリーは、細胞の代謝、および補充培地とは無関係に増殖 する能力を欠いている変異細胞株の使用に基づく。2つの例は以下である:CHOD HER-細胞およびマウスLTK-細胞。これらの細胞は、チミジンまたはヒポキサンチ ンのような養分の添加なしに増殖する能力を欠いている。これらの細胞は完全な ヌクレオチド合成経路に必要な特定の遺伝子を欠いているので、欠失しているヌ クレオチドが補充培地中に提供されない限りは、これらの細胞は生存し得ない。 培地への補充の代替は、完全なDHFRまたはTK遺伝子をそれぞれの遺伝子を欠いて いる細胞に導入することであり、これによってそれらの増殖の要求性を変化させ る。DHFRまたはTK遺伝子で形質転換されていない個々の細胞は、非補充培地中で は生存し得ない。 第2のカテゴリーは優性選択であり、これは、任意の細胞型で使用される選択 スキームをいい、そして変異細胞株の使用を必要としない。これらのスキームは 代表的には、宿主細胞の増殖を停止させるために薬剤を使用する。新規の遺伝子 を有するこれらの細胞は、薬剤耐性に転換するタンパク質を発現し、そして選択 を生存する。このような優性選択の例は、薬剤ネオマイシン(Southern P.およ びBerg,P.,J .Molec.Appl.Genet.1:327(1982))、ミコフェノール酸(Mull igan,R.C.およびBerg,P.Science 209:1422(1980))、またはハイグロマイシ ン(Sugden,B.ら、Mol .Cell.Biol.5:410-413(1985))を使用する。3つの例 は、それぞれ、適切な薬剤G418もしくはネオマイシン(geneticin)、xgpt(ミ コフェノール酸)、またはハイグロマイシンに対して耐性に転換するために、真 核生物の制御下で細菌遺伝子を使用する。他の例は、ネオマイシンアナログG418 およびピューロマイシンを含む。 キャリア 材料は、溶液中、懸濁物中(例えば、微小粒子、リポソーム、または細胞に取 り込まれる)に存在し得る。これらは、抗体、レセプター、またはレセプターリ ガンドを介して特定の細胞型に標的され得る。以下の参考文献は、腫瘍組織に特 定のタンパク質を標的化するこの技術の使用の例である(Senterら、Bioconjuga te Chem. ,2:447-451,(1991);Bagshawe,K.D.,Br .J.Cancer,60:275-281, (1989);Bagshaweら、Br .J.Cancer,58:700-703,(1988);Senterら、Bioconj ugate Chem. ,4:3-9,(1993);Battelliら、Cancer Immunol .Immunother.,35 :421-425,(1992);PieterszおよびMcKenzie,Immunolog .Reviews,129:57-80 ,(1992);ならびにRofflerら、Biochem .Pharmacol,42:2062-2065,(1991))。 「ステルス」および他の抗体結合リポソーム(これは、結腸ガンへの脂質媒介薬 物標的化を含む)のようなビヒクル、細胞特異的リガンドを介するDNAのレセプ ター媒介性標的化、リンパ球指向腫瘍標的化、およびインビボでのマウス神経膠 腫細胞の高度に特異的な治療用レトロウイルスの標的化。以下の参考文献は、腫 瘍組織に特定のタンパク質を標的化するこの技術の使用の例である(Hughesら、Cancer Research ,49:6214-6220,(1989);およびLitzingerおよびHaung、Bioch imica et Biophysica Acta ,1104:179-187,(1992))。一般に、レセプターは、 構成的またはリガンド誘導的のいずれかのエンドサイトーシスの経路に関与する 。これらのレセプターは、クラスリンでコートされた孔の中に集まり、クラスリ ン でコートされたベシクルを介して細胞に入り、レセプターが分離される酸性化さ れたエンドソームを通って通過し、次いで細胞の表面に再生されるか、細胞内に 貯蔵されるか、またはリソソーム中で分解されるかのいずれかである。内部移行 経路は、栄養分の取り込み、活性化されたタンパク質の除去、巨大分子のクリア ランス、ウイルスおよび毒素の日和見進入、リガンドの溶解および分離、ならび にレセプターレベルの調節のような種々の機能を提供する。多くのレセプターは 、細胞型、レセプター濃度、リガンドの型、リガンドの結合価、およびリガンド の濃度に依存する1つ以上の細胞内経路に従う。レセプター媒介性エンドサイト ーシスの分子機構および細胞性機構が解説されている(BrownおよびGreene,DNA and Cell Biology 10:6,399-409(1991))。 上記で議論したように、選択的に腫瘍細胞を傷害するために開発されているス トラテジーは、HSV-tk遺伝子のような毒性のプロドラッグをコードする遺伝子の 、複製している腫瘍細胞への送達および発現、続いてガンシクロビルでの処置を 含む。ガンシクロビルはHSV-tkによって容易にリン酸化され、そしてそのリン酸 化された代謝産物は細胞に対して毒性である。ごく僅かなガンシクロビルのリン 酸化が、正常なヒト細胞において生じる。本明細書中に記載されるように送達さ れ得る他の遺伝子操作された細胞の例は、E.coli Deo D遺伝子(プリンヌクレ オシドホスホリラーゼ(PNP))でトランスフェクトされ、次いで非毒性のヌクレ オシドアナログ(例えば、N7アナログを含む、デオキシアデノシンまたはデオキ シグアノシンアナログ)(これは、毒性のプリンアナログに転換される)で処理 された細胞を含む。E.coli PNPは、基質としてのアデニン含有および特定のグ アニン含有ヌクレオシドアナログのその受容において、ヒトPNPとは異なる。腫 瘍細胞中で発現されるE.coli PNPはヌクレオシドを切断し、毒性のプリン塩基 アナログを遊離する。プリン塩基は細胞膜を通過して自由に拡散するが、一般に ヌクレオシドモノホスフェートはそれらが形成される細胞の内部にとどまる。細 胞に投与される基質は、9-(β-D-2-デオキシエリスロペントフラノシル)-6-メチ ルプリン(MeP-dR)である。E.coli PNPによる転換後に形成される毒性のアデ ニンアナログは、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼによって毒性のヌ クレオチドに転換され得、そして全てのトランスフェクトされた細胞を傷害し、 そ して細胞外に拡散し、そしてトランスフェクトされなかった周辺の細胞(バイス タンダー細胞)を傷害する。 密度または粘性改変物質 本明細書中に記載される方法での使用のために適用され得る種々の物質が公知 である。腫瘍を傷害するように処置が設計される場合、物質が生体適合性である ことは必要ではない:例えば、エタノールのような細胞傷害性化合物を含むビヒ クルが、腫瘍への化学療法用の薬剤の送達および有効性を促進するために使用さ れ得る。 好ましい物質は、送達部位で凝固するかまたはゲル化するポリマーである。ポ リマーのイオン結合または共有結合の形成(例えば、カルシウムのようなカチオ ンとの相互作用、PHの変化、温度の変化、および重合による)によって凝固する ポリマー溶液または懸濁物が処方され得る。 ポリマー溶液 体内への注射のために細胞または他の物質と混合されるポリマー物質は、好ま しくはヒドロゲルを形成するべきである。ヒドロゲルは、有機ポリマー(天然の または合成の)が共有結合、イオン結合、または水素結合を介して架橋されて、 水分子を捕捉してゲルを形成する三次元開放性格子(open-lattice)構造を作製 する場合に形成される物質として定義される。ポリマー、ポリマー混合物および コポリマーを形成する天然に存在するヒドロゲルおよび合成のヒドロゲルが、ヒ ドロゲル前駆体として利用され得る。ヒドロゲルを形成するために使用され得る 物質の例は、アルギネートおよび改変されたアルギネートのようなポリサッカラ イド、ポリホスファジンのような合成ポリマー、およびイオン的に架橋されるポ リアクリレート、または温度またはpHによってそれぞれ架橋されるポリエチレン オキサイド-ポリプロピレングリコールブロックコポリマーであるPluronicsTMも しくはTetronicsTMのようなブロックコポリマーを含む。他の物質は、例えば、 フィブリンのようなタンパク質、ポリビニルピロリドンのようなポリマー、ヒア ルロン酸およびコラーゲンを含む。 天然のポリマー溶液 1つの実施態様において、ポリマーは、タンパク質およびポリサッカライドの ような天然のポリマーである。好ましい実施態様において、タンパク質溶液は処 置されるべき患者由来の寒冷沈降物またはフィブリノーゲンである。タンパク質 およびポリサッカライドは、代表的には、例えばグルタルアルデヒドを使用して 化学的に架橋されたカチオンの添加によって、または化学的な変性によってイオ ン的に連結され得る。 特に好ましい実施態様において、寒冷沈降物は患者から直接得られた血漿サン プルから調製される。ヒトの血液の1単位は約350〜450mlからなる(これは、好 ましくはACD(クエン酸-デキストロース)抗凝固剤中で回収されるが、エチレン ジアミン四酢酸のような他の受容可能な抗凝固剤が使用され得る)。赤血球は、 遠心分離または濾過によって採集され、そして分離された血漿は、寒冷沈降物が 形成されるまで代表的には約3日間、4℃で冷蔵される。寒冷沈降物は、大部分 、フィブリノーゲンからなる。新鮮な凍結血漿もまた使用され得る。 精製されたフィブリノーゲンもまた、Sigma Chemical Co.,Baxter Diagnosti cs,およびOrtho Pharmaceuticalsのような市販の供給源から入手可能である。 本明細書中で使用される用語「フィブリノーゲン」は、他に得に記載されない限 りは、寒冷沈降物または精製されたフィブリノーゲンのいずれかを含むことが意 図される。寒冷沈降物、新鮮な凍結血漿、および精製されたフィブリノーゲンに 加えてフィブリノーゲンの供給源として使用され得る他の物質として、第VIII因 子濃縮物、血小板濃縮物、および血小板富化血漿が挙げられる。フィブリノーゲ ン以外のタンパク質が、タンパク質がカルシウムのような生理学的に受容可能な 架橋剤を使用して調製され、そして架橋され得る場合、フィブリノーゲンと置換 され得る。フィブリノーゲンの利点は、それが意図されるレシピエントからの単 なる採血によって充分な量で容易に得られ、その結果、移植物の患者の拒絶また はフィブリノーゲンドナーに保有される感染性因子の導入に関する問題が存在し ないことである。 アルギネートは、海草から単離された炭水化物ポリマーであり、これは、例え ばWO 94/25080(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載され るように、カルシウムのような二価カチオンへの曝露によって架橋されて、ヒド ロゲルを形成する。アルギネートは、水中で、室温で、二価カチオンの存在下で イオン的に架橋されてヒドロゲルマトリックスを形成する。これらの穏やかな条 件に起因して、例えば、Limの米国特許第4,352,883号に記載されるように、アル ギネートはハイブリドーマ細胞のカプセル化のために最も一般的に使用されるポ リマーである。Limのプロセスにおいて、カプセル化されるべき生物学的物質を 含有する水溶液は水可溶性ポリマーの溶液中に懸濁され、懸濁物は多価カチオン との接触によって別々のマイクルカプセル中に構成される小滴を形成する。次い で、マイクロカプセルの表面がポリアミノ酸と架橋されて、カプセル化された物 質を取り巻く半透膜が形成される。 ヒドロゲルを形成するために使用され得る他の物質の例として、改変されたア ルギネートが挙げられる。ヒドロゲルを形成する改善された能力を有する改変ア ルギネート誘導体が合成され得る。出発物質としてのアルギネートの使用は有利 である。なぜなら、それは2つ以上の供給源から入手可能であり、そして良好な 純度および特徴で入手可能であるからである。本明細書中で使用される用語「改 変アルギネート」は、改変されたヒドロゲル特性を有する化学的に改変されたア ルギネートをいう。天然に存在するアルギネートは、より迅速に分解されるアル ギネートポリマー誘導体を産生するように化学的に改変され得る。例えば、アル ギネートは化学的に分解されて、ゲル化可能な(gellable)のオリゴサッカライド ブロックの小さいブロックを生じ、そして直鎖状のコポリマーが別の予め選択さ れた部分(例えば、乳酸、またはε-カプロラクトン)を用いて形成され得る。 得られるポリマーは、イオン的に触媒されるゲル化が可能であるアルギネートブ ロック、および合成の設計に依存してより迅速に分解を生じるオリゴエステルブ ロックを含む。打ち延べられる(malleable)ヒドロゲルを形成し得る改変され たアルギネートおよび他のアニオンポリマーが細胞をカプセル化するために使用 される実施態様において、ヒドロゲルは、適切なカチオンでポリマーを架橋する ことによって産生され、そしてヒドロゲル結合の強度は、カチオンの濃度または ポリマーの濃度のいずれかの増大に伴って増大する。0.001Mより低い濃度は、 アルギネートを架橋することが示されている。より高い濃度は、塩の毒性によっ て制限される。あるいは、アルギネートポリマーが使用され得、ここでグルクロ ン酸に対するマンヌロン酸の比は、疎水性の水-不安定鎖(例えばε-カプロラク トンのオリゴマー)で誘導されるフィルムゲルを生じない。疎水性相互作用は、 それらが体内で分解されるまで、ゼラチンを誘導する。 さらに、1価のカチオンに曝されることによってゲル化するポリサッカライド (ゲランガムのような細菌のポリサッカライド、およびカラジーナンのような植 物のポリサッカライドを含む)は架橋され得て、上記のアルギネートの架橋に利 用可能な方法に類似の方法を使用してヒドロゲルを形成する。1価のカチオンの 存在下でゲル化するポリサッカライドは、例えば、生理学的レベルのナトリウム を含有する溶液への曝露の際にヒドロゲルを形成する。ヒドロゲル前駆体溶液は また、マンニトロールのような非イオンで浸透圧調節され得、次いで注入されて ゲルを形成し得る。 合成のイオン性架橋可能なポリマー 一般に、これらのポリマーは、水、緩衝化塩溶液、または水溶性のアルコール 溶液のような水溶液中で少なくとも部分的に可溶性であり、これは、荷電した即 鎖を有するか、またはその1価のイオン塩を有する。カチオンと反応され得る酸 性側鎖を有するポリマーの例は、ポリ(ホスファジン)、ポリ(アクリル酸)、 ポリ(メタクリル酸)、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、ポリ(ビ ニル酢酸)、ならびにスルホン化ポリスチレンのようなスルホン化ポリマーであ る。アクリル酸またはメタクリル酸と、ビニルエーテルモノマーまたはポリマー との反応によって形成される酸性側鎖を有するコポリマーもまた、使用され得る 。酸性の基の例は、カルボン酸基、スルホン酸基、ハロゲン化(好ましくはフッ 素化)アルコール基、フェノールのOH基、および酸性のOH基である。 アニオンと反応され得る塩基性側鎖を有するポリマーの例は、ポリ(ビニルア ミン)、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、およびいくつ かのイミノ置換ポリホスファゼンである。ポリマーのアンモニウム塩または第4 級の塩もまた、骨格窒素またはペンダント(pendant)イミノ基から形成され得 る。塩基性側鎖の例は、アミノ基およびイミノ基である。上記のポリマーの合成 のための方法は、当業者に公知である。例えば、Concise Encyclopedia of Poly mer Science and Polymeric Amines and Ammonium Salts,E.Goethals編(Perg amen Press,Elmsford,NY 1980)を参照のこと。ポリ(アクリル酸)のような 多くのポリマーが市販されている。 荷電した側鎖を有する水溶性ポリマーは、反対の電荷の多価イオン(多価カチ オン(ポリマーが酸性側鎖を有する場合)または多価アニオン(ポリマーが塩基 性側鎖を有する場合)のいずれか)を含有する水溶液とポリマーとを反応させる ことによって架橋される。ヒドロゲルを形成するための、酸性側鎖とポリマーと の架橋のためのカチオンの例は、ナトリウムのような1価のカチオン、および銅 、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およ びスズのような多価カチオン、ならびにアルキルアンモニウム塩のような二官能 性、三官能性、または四官能性有機カチオンである。ヒドロゲルを形成するため の、酸性側鎖とポリマーとの架橋に好ましいカチオンは、銅、カルシウム、アン モニウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびスズのような二価 および三価のカチオンである。これらのカチオンの塩の水溶液は、柔らかく、高 度に膨れたヒドロゲルおよび膜を形成するためにポリマーに添加される。これら のカチオンの塩の水溶液は、柔らかく、高度に膨れたヒドロゲルおよび膜を形成 するためにポリマーに添加される。カチオンの濃度がより高ければ高い程、また は原子価が高ければ高い程、ポリマーの架橋の程度は大きくなる。0.005Mより 低い濃度がポリマーを架橋することが示されている。より高い濃度は、塩の溶解 度によって制限される。 ヒドロゲルを形成するためのポリマーの架橋に好ましいアニオンは、低分子量 のジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、硫酸イオン、および炭酸イオン)のよ うな1価、2価、または3価のアニオンである。これらのアニオンの塩の水溶液 は、カチオンに関して記載されるように、柔らかく、高度に膨れたヒドロゲルお よび膜を形成するためにポリマーに添加される。 種々のポリカチオンが、半透過性の表面の膜にポリマーヒドロゲルを複合体化 し、それによって安定化するために使用され得る。使用され得る物質の例として 、アミンまたはイミン基のような塩基性反応基を有し、好ましくは、ポリエチレ ンイミンおよびポリリジンのような3,000から100,000の間の分子量を有するポリ マーが挙げられる。これらは市販されている。1つのポリカチオンは、ポリ(L- リジン)である;合成ポリマーの例は:ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルアミ ン)、およびポリ(アリルアミン)である。ポリサッカライドのような天然のポ リカチオン、キトサンもまた存在する。 ポリマーヒドロゲル上の塩基性表面基との反応によって半透膜を形成するため に使用され得るポリアニオンとして、アクリル酸、メタクリル酸、および他のア クリル酸の誘導体のポリマーおよびコポリマー、スルホン化ポリスチレンのよう なペンダントSO3Hを有するポリマー、ならびにカルボン酸基を有するポリスチレ ンが挙げられる。 水素結合によって架橋可能な合成ポリマー 他のポリマー性ヒドロゲル前駆体として、Steinleitnerら、Obstetrics & Gyn ecology ,77:48-52(1991);およびSteinleitnerら、Fertility and Sterility, 57:305-308(1992)に記載される、水素結合および/または温度変化によって架 橋される、PluronicsTMまたはTetronicsTMのようなポリエチレンオキサイド-ポ リプロピレングリコールブロックコポリマーが挙げられる。 ポリマー混合物もまた利用され得る。例えば、混合の際に水素結合によってゲ ル化する、ポリエチレンオキサイドとポリアクリル酸の混合物が利用され得る。 1つの実施態様において、5%w/wのポリアクリル酸溶液と5%w/wのポリエチレ ンオキサイド(ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン)100,000との混 合物が組み合わされ、経時的(例えば、数秒間のように迅速に)ゲルが形成され る。 他の天然の物質として、ヒドロキシアパタイト、コーラル、炭酸カルシウム、 および骨形成細胞(特に、骨芽細胞)の成長および増殖の誘導または促進に有用 な他のポリマーまたは凝集体が挙げられる。これらの物質は、遺伝子操作された 骨芽細胞と組み合わせて、ギャップ結合(gap junction)もまた形成する前立腺 ガンのような腫瘍に送達され得、骨芽細胞から腫瘍細胞への低分子(例えば、ガ ンシクロビル)および代謝産物の細胞内移動および代謝を促進する。 合成イオン性の架橋可能であるポリマー 一般には、これらのポリマーは少なくとも水溶液(例えば、水、緩衝化塩溶液 、または荷電した側鎖を有する水性アルコール溶液、またはその一価のイオン性 塩)中では部分的に可溶性である。カチオンと反応し得る酸性側鎖を有するポリ マーの例は、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、 アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、および スルホン化ポリスチレンのようなスルホン化ポリマーである。アクリル酸または メタクリル酸およびビニルエーテル単量体またはポリマーの反応により形成され る酸性側鎖を有するコポリマーもまた使用され得る。酸性基の例には、カルボキ シル酸基、スルホン酸基、ハロゲン化(好ましくはフッ素化)アルコール基、フ ェノール性OH基、および酸性OH基が挙げられる。 アニオンと反応し得る塩基性側鎖を有するポリマーの例には、ポリ(ビニルア ミン)、ポリ(ビニルポリジン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、およびいくつ かのイミノ置換ポリホスファゼンが挙げられる。アンモニウムまたはポリマーの 第四級塩はまた、骨格窒素またはペンダントイミノ基から形成され得る。塩基性 側鎖の例は、アミノおよびイミノ基である。上記のポリマーの合成方法は、当業 者に公知である。(例えば、Concise Encyclopedia of Polymer Science and Po lymeric Amines and Ammonium Salts,E.Goethals,編,Pergamen Press,Elmsford, NY(1980)を参照のこと)。ポリ(アクリル酸)のような多くのポリマーが、市販 されている。 荷電側鎖を有する水溶性ポリマーは、ポリマーを反対電荷の多価イオン(ポリ マーが酸性側鎖を有する場合は多価カチオン、またはポリマーが塩基性側鎖を有 する場合は多価アニオン、のいずれか)を含む水溶液と反応することにより架橋 される。ヒドロゲルを形成するための酸性側鎖を有するポリマーの架橋のための カチオンの例には、ナトリウムのような一価のカチオン、および銅、カルシウム 、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびスズのよう な多価カチオン、ならびにアルキルアンモニウム塩のようなジ-、トリ-、または テトラ-官能性有機カチオンが挙げられる。ヒドロゲルを形成するための酸性側 鎖を有するポリマーの架橋のための好ましいカチオンは、銅、カルシウム、アル ミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、およびスズのような二価 および三価カチオンである。これらのカチオンの塩の水溶液はポリマーに添加さ れ、柔軟で高度に膨潤したヒドロゲルおよび膜を形成する。これらのカチオンの 塩の水溶液はポリマーに添加され、柔軟で、高度に膨潤したヒドロゲルおよび膜 を形 成する。カチオンの濃度が高くなればなるほど、または原子価が高くなればなる ほど、ポリマーの架橋程度は大きくなる。0.005Mほど低い濃度からが、ポリマー を架橋するために実施される。より高い濃度は、塩の溶解性により制限される。 ヒドロゲルを形成するためのポリマーの架橋のための好ましいアニオンは、低 分子量ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、硫酸イオン、および炭酸イオン) のような一価、二価、または三価のアニオンである。これらのアニオンの塩の水 溶液はポリマーに添加され、カチオンについて記載されたように、柔軟で、高度 に膨潤したヒドロゲルおよび膜を形成する。 種々のポリカチオンが複合体化するために使用され得、それによりポリマーヒ ドロゲルを半透過性表面膜中に安定化する。使用され得る物質の例には、アミン またはイミン基のような塩基性反応基を有する、3,000と100,000との間の好まし い分子量を有するポリマー(例えば、ポリエチレンイミンおよびポリリジン)が 挙げられ、これらは市販されている。1つのポリカチオンはポリ(L-リジン)であ り;合成性ポリアミンの例は:ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルアミン)、およ びポリ(アリルアミン)である。これらはまた、多糖、キトサンのような天然のポ リカチオンである。 ポリマーヒドロゲルの塩基性表面基との反応により、半透過性膜を形成するた めに使用され得るポリアニオンには、アクリル酸、メタクリル酸、およびアクリ ル酸の他の誘導体のポリマーならびにコポリマー、スルホン化ポリスチレンのよ うなペンダントSO3H基を有するポリマー、ならびにカルボン酸基を有するポリス チレンが挙げられる。 水素結合により架橋可能である合成ポリマー 他のポリマー性ヒドロゲル前駆物質は、PluronicsTMまたはTetronicsTMのよう なポリエチレンオキシドポリプロピレングリコールブロックコポリマーを含む。 これらは水素結合によりおよび/または温度変化により架橋される(Steinleitn erら、Obstetrics&Gynecology,77:48-52(1991);およびSteinleitnerら、Ferti lityおよびSterility,57:305-308(1992))。 ポリマー混合物がまた使用され得る。例えば、混合の際に水素結合によりゲル 化するポリエチレンオキシドおよびポリアクリル酸の混合物が使用され得る。1 つの実施態様において、5%w/w溶液のポリアクリル酸と5%w/wポリエチレンオ キシド(ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン)100,000との混合物は 合わせられ、経時的に(例えば、数秒内ほどに早く)ゲルを形成し得る。 合成共有架橋ポリマー 共有架橋可能なヒドロゲル前駆物質がまた有用である。例えば、キトサンのよ うな水溶性ポリアミンは、ポリエチレングリコールジイソチオシアネートのよう な水溶性ジイソチオシアネートと架橋され得る。イソチオシアネートはアミンと 反応して化学的架橋ゲルを形成する。アミン(例えば、ポリエチレングリコール ジアルデヒド)とのアルデヒド反応もまた使用され得る。ヒドロキシル化された 水溶性ポリマーもまた使用され得る。 あるいは、ラジカルイニシエーターとの接触によるラジカル反応により架橋さ れる置換体を含むポリマーが、使用され得る。例えば、エチレン性(ethylenica lly)不飽和基を含むポリマー(光化学的に架橋され得る)が、WO93/17669に開 示されるように使用され得る。この開示は参考として本明細書中に援用される。 この実施態様において、少なくとも1つの水溶性領域、生分解性領域、および少 なくとも2つのフリーラジカル-重合可能な領域を含む水溶性マクロマーが提供 される。マクロマーは生成されたフリーラジカルに重合可能な領域の曝露により (例えば、感光性化学物質およびまたは光により)重合される。これらのマクロ マーの例は、PEG-オリゴラクチル-アクリレートである。ここで、アクリレート 基はラジカル開始システム(例えば、エオジン色素)を使用して、または紫外線 もしくは可視光に短時間曝露することにより、重合される。さらに、光化学的に 架橋され得るシンナモイル基を含む水溶性ポリマーが使用され得る(Matsudaら 、ASAID Trans.,38:154-157(1992))。 密度改変因子 処置される組織中に注射される物質の粘度および/または密度を増加するポリ マーに関して特に本明細書中に記載されるが、ポリマーでない他の物質もまた使 用され得る。粘度または密度を増加する多くの因子が、特に食物および医療産業 において日常的に使用される。一般には、これらは、アルブミンのようなタンパ ク質、デキストラン、グルコース、およびフルクトースのような糖、ならびにデ ンプンを含むが、これらは厳密にいえばポリマーである。本明細書中で使用され る用語「ポリマー」は、処置される組織に注射される溶液の粘度および/または 密度を増加するように機能する単量体または単一単位の物質の付加を含む。 非常に粘稠性の液体または揺変性であり、そして遅い構造展開により経時的に ゲルを形成するポリサッカライドは、特に有用である。例えば、整髪ゲル(hair gel)のように一貫性を有する注射可能ゲルを形成するヒアルロン酸が、使用さ れ得る。改変されたヒアルロン酸誘導体は、特に有用である。本明細書中で使用 される用語「改変されたヒアルロン酸」とは、化学的に改変されたヒアルロン酸 をいう。改変されたヒアルロン酸は設計され得、そして架橋および生分解の速度 および程度を調整するために以前に選択された化学的改変体を用いて合成される 。例えば、プロピオン酸またはベンジル酸(benzyilc acid)のような比較的疎 水性の基でエステル化されて、ポリマーを、より疎水性およびゲル形成性にする か、またはアミンでグラフトされて、電気的な自己集合を促進する改変されたヒ アルロン酸が設計され、そして合成され得る。従って、ストレス下で流動するが 、ストレス下でない場合、ゲル様構造を維持する点で注射可能である改変された ヒアルロン酸が合成され得る。ヒアルロン酸およびヒアルロン誘導体は、Genzym e,Cambridge,MAおよびFidia,Italyから入手可能である。 高密度および/または粘稠性の他の物質は、コレステロール、油、および脂質 のような多くの脂質およびステロールを含む。 細胞懸濁物 好ましくはポリマーまたは密度改変因子は、水溶液(好ましくは0.1Mリン酸カ リウム溶液)中に、生理学的pHで、所望の密度を生成する濃度で(例えば、アル ギネートについては0.5から2重量%の間で、好ましくは1%のアルギネートで )溶解される。単離された細胞は、100万と1憶細胞/mlとの間、最も好ましくは 約1憶細胞/mlの濃度にポリマー溶液中に懸濁される。好ましい実施態様におい て、ポリマーはフィブリノーゲンであり、細胞は1mlの市販のトロンビンに、1 憶細胞の濃度に添加され、次いで腫瘍への注射のために等容量のフィブリノーゲ ンに添加される。 上記の粘度および密度を増加させる物質の組合せがまた、使用され得る。 添加物 種々の物質が細胞溶液に添加され得る。有用な物質の例には、例えば、タンパ ク質、ポリサッカライド、核酸、ビタミン、および金属またはイオン(カルシウ ム、ナトリウム、およびカリウム)、ならびに合成有機分子が挙げられる。例に は、コラゲナーゼインヒビターのような酵素、止血因子(例えば、トロンビン、 フィブリノーゲンまたはカルシウムイオン)、増殖因子、血管形成因子、および 他の増殖エフェクター分子、静菌性または殺菌性因子、抗炎症剤、抗血管形成因 子、ならびにビタミンが挙げられる。本明細書中で使用される増殖エフェクター 分子とは、細胞表面レセプターに結合し、そして標的細胞もしくは組織の増殖、 複製、または分化を調節する分子をいう。好ましい増殖エフェクター分子は、増 殖因子および細胞外マトリックス分子である。増殖因子の例には、上皮増殖因子 線維芽細胞増殖因子(FGF)、VEGF、LPA、エリスロポエチン、神経増殖因子、骨 形成タンパク質、筋形成タンパク質、および当業者に公知の他の因子が挙げられ る。さらなる増殖因子は、例えば、「Peptide Growth Factors and Their Recep tors I」M.B.SpornおよびA.B.Roberts編(Springer-Verlag,New York,(1990) )に記載されている。注射される物質が線維芽細胞、特に皮膚線維芽細胞である 場合、好ましい増殖因子はEGFおよびFGFである。多くの増殖因子がまた、天然お よび組換え形態の両方で、St.LouisのSigma Chemical Co.、MO、Collaborative Research、Genzyme、Boehringer、R&D Systems、およびGIBCOのような販売業 者から市販されている。細胞外マトリックス分子の例には、フィブロネクチン、 ラミニン、コラーゲン、およびプロテオグリカンが挙げられる。他の細胞外マト リックス分子は、Kleinmanら(1987)に記載されており、または当業者に公知で ある。他の増殖エフェクター分子には、サイトカイン(例えば、インターロイキ ンおよびGM-コロニー刺激因子)およびホルモン(例えば、インスリン)が挙げ られる。これらはまた文献に記載されており、市販されている。組織インヒビタ ーメタロプロテイナーゼ(TIMP)を含むコラゲナーゼインヒビターもまた、増殖 エフェクター分子として有用であり得る。止血因子の例には、トロンビン、第Xa 因子、フィブリノーゲン、およびカルシウムイオン(代表的には、塩化カルシウ ムまたはグルコン酸カルシウムの形態)が挙げられる。エピネフィリンのような 血管収縮因子もまた、血管を収縮するために使用され、それにより出血を減少し 得る。静菌性および殺菌性因子には、抗生物質、および創傷における感染を妨害 または処置するために使用される他の化合物が、挙げられる。 本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することによりさらに理解される。 実施例1:ヒト脳腫瘍嚢胞液において増殖するヒト神経膠腫細胞株の形質導入。 材料および方法 脳腫瘍嚢胞液を、10cc注射器に連結した18ゲージの血管カテーテルで嚢胞を穿 刺した後、嚢胞内容物を吸引することによって、手術時に入手した。アリコート をNUNCTMサイロバイアル(cyrovial)中に置き、凍結させ、そして-80℃で貯蔵し た。嚢胞液は、使用前に溶解した。 U87およびU373神経膠腫細胞を24ウエル組織培養プレート中に1×104細胞/50 μLの密度で播種した。次いで、200μLの脳腫瘍嚢胞液(TCF)、通常培地、ま たはウシ胎児血清(FBS)を各実験ウエルに添加した。次いで、0.25ミクロン孔 を有する組織培養インサート(Falcon)を各実験ウエル中に置いた。実験ウエル の各インサートに、1×105HyTkベクター(Targeted Genetics,Seattle,Washl ngton)産生線維芽細胞(VPC)を播種した。コントロールウエルは、VPCを有さ ないインサートからなった。細胞を、4日間5%CO2下で37℃でインキュベート した。次いで、インサートを取り出し、腫瘍細胞を通常培地で洗浄し、そして48 時間通常培地中で培養した。インサートにおいて増殖するVPCをトリプシン処理 し、そして通常培地に継代した。次いで、600μg/mlのハイグロマイシンを含有 する培地を神経膠腫細胞に添加し、そしてそれらを上述のようにインキュベート した。 結果 1週間後、コントロールウエルには生存細胞は存在しなかった。しかし、VPC に曝露した通常培地、腫瘍嚢胞液、またはFBSのウエル中には生存細胞が存在し た。これらの細胞を継代し、次いで12ウエルプレート中に5×105細胞/ウエル の密度で播種した。1日後、用量応答試験を薬物ガンシクロビル(GCV)に対し て実施した。この薬物を1、10、および100μM GCVの濃度で添加した。生存細 胞をトリパンブルー排除法により計数し、そして記録した。非形質転換U87コン トロール細胞もまたGCV薬物の各用量で増殖させた。U87用量応答実験についての 結果を図1a、1b、2および3に示す。 図1aは、ガンシクロビル(GCV)用量応答曲線であり、これは、細胞培養培 地における6日にわたる1、10、および100μMでの薬物の効力を比較する。図 から明らかなように、生存細胞%は、試験した全ての投薬量で減少しており、10 μMおよび100μMのGCVではほぼ0まで減少している。図1bは、培地における コントロール細胞を示す。図2は、TCF中のU87細胞におけるGCV用量応答である 。図3は、100μM GCFの存在下での培地またはTCFのいずれかにおける経時的な U87の傷害(生存細胞%)を比較する。 これらの実験は、ハイグロマイシン含有培地における腫瘍細胞の生存により示 されるように、レトロウイルスベクター産生線維芽細胞がヒト脳腫瘍嚢胞液中で 生存し得ること、およびVPCと直接に接触していない腫瘍細胞が形質導入され得 ることを実証する。次いで、これらの腫瘍細胞は、コントロール細胞が影響を受 けなかった3つの異なる用量のGCVに感受性であることが示された。嚢胞液にお ける7日間の増殖後、VPCは、トリプシン処理されて、そして継代され得た。こ のことは、それらの生存性を実証する。これらの結果は、新生物細胞へのレトロ ウイルスベクター媒介された遺伝子導入が腫瘍嚢胞液において生じ得ることを実 証する。 実施例2:HyTkレトロウイルスベクター馴化マトリゲルでの神経膠腫細胞株の形 質導入。 材料および方法 105レトロウイルスベクター産生線維芽細胞(VPC)を、10%のウシ胎児血清( FBS)で充填した200μLの改変イーグル必須培地(Emem)中に懸濁し、そして12 ウェルプレート(Falcon)のウェル中に播種した。次いで、4℃での600μLのM atrigel(Becton Dickinson)を直ちに各実験ウェル中に添加した。VPCからなる コントロールを、通常培地のみに播種した。結果 細胞を37℃で5%CO2で4日間インキュベートした。次いで、マトリゲルを4 ℃で2mLの培地を添加することにより溶解し、再懸濁し、そして0.25ミクロンフ ィルターを通して滅菌濾過した。次いで、この培地-マトリゲル濾液を、2時間 前に5×104細胞/ウェルの密度で12ウェルプレート中に播種してあるU87、T98G またはU373神経膠腫細胞のウェルに添加した。それらを上記のように、4日間イ ンキュベートし、通常培地で洗浄し、次いで600μg/mlのハイグロマイシンを含 有する培地を添加した。コントロールは、レトロウイルス馴化マトリゲルに曝露 せずに、600μg/mlのハイグロマイシンのみを含有する培地で処理したこれらの 腫瘍細胞からなった。 1週間後、生存細胞を含まないコントロールウェルと比較して、レトロウイル スベクター馴化マトリゲルに曝露した全てのウェルに生存腫瘍細胞が存在した。 この実験は、VPCが4日間生存し、そしてマトリゲル中で複製し得ることを実証 し、およびこの様式で馴化されたマトリゲルが、ハイグロマイシンにおけるそれ らの生存により示されるように、標的新生物細胞を首尾良く形質導入し得ること を実証する。 実施例3:U87およびBT474新生物細胞の形質導入 材料および方法 U87およびBT474新生物細胞を、組織培地プレート中に10,000細胞/ウェルの密 度で播種し、そして10%ウシ胎児血清で充填した改変イーグル必須培地中で増殖 した。最初に、細胞を、通常培地の代わりにヒト神経膠腫およびヒト乳ガン嚢胞 液中で増殖させた以外は、正確に同じ様式で細胞を播種した。多数の5×103の 感染を提供するバイアルストックを各ウェルに添加した。コントロール細胞には ウイルスを添加しなかった。細胞を37℃で5%CO2でインキュベートした。20時 間後、培地または腫瘍嚢胞液を吸引除去し、細胞を通常培地で洗浄し、次いで通 常培地を各ウェルに添加した。次いで細胞を、488の波長で蛍光顕微鏡下で観察 した。 結果 通常培地および腫瘍嚢胞液中で増殖しているU87細胞、ならびに通常培地およ びに腫瘍嚢胞液中で増殖しているBT474乳ガン細胞を含有するウェルで、グリー ン細胞を同定した。いずれのコントロール細胞においても、グリーン蛍光の証拠 を示さなかった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.遺伝子操作された物質の組織中への送達を増強するための組成物であって、 ここで、該遺伝子操作された物質は、溶液中の、懸濁液中の、またはプラスミド ベクターもしくはウイルスベクター中に組み込まれた、細胞傷害性の遺伝子操作 された細胞およびヌクレオチド分子からなる群より選択され、改善は、注射の時 または注射のすぐ後にゲル化または固体化し、そして該遺伝子操作された物質が 送達されるべき部位において細胞を置換するため、および注射の部位において生 物活性薬剤を保持するために有効な粘度を有する注射可能ビヒクルを含む、組成 物。 2.前記遺伝子操作された物質が生物活性タンパク質をコードする、請求項1に 記載の組成物。 3.前記遺伝子操作された物質が、タンパク質をコードする遺伝子、リボザイム 、RNAase Pのための外部ガイド配列、アンチセンス、三重鎖形成オリゴヌクレオ チド、選択的または標的化変異原、およびその組み合わせからなる群より選択さ れる、請求項1に記載の組成物。 4.前記遺伝子操作された物質が、プラスミドベクターまたはウイルスベクター 中に存在する、請求項3に記載の組成物。 5.前記ビヒクルが、イオンの添加によって生理学的条件下でイオン的に架橋可 能であるポリマー溶液である、請求項1に記載の組成物。 6.前記ビヒクルが、架橋剤の添加によって生理学的条件下で共有結合的に架橋 可能であるポリマー溶液である、請求項1に記載の組成物。 7.前記ビヒクルの粘度が、生理学的条件のpHまたは温度下で増加される、請求 項1に記載の組成物。 8.前記ビヒクルが、タンパク質、多糖、および合成ポリマーからなる群より選 択される、請求項1に記載の組成物。 9.前記ビヒクルがフィブリノーゲンまたは寒冷沈降物である、請求項8に記載 の組成物。 10.前記ポリマーが、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタク リル酸)、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、ポリ(ビニルアセテー ト)、ならびにスルホン化ポリマー、ならびにアルギネートからなる群より選択 される、請求項8に記載の組成物。 11.遺伝子操作された物質の組織中への送達を増強するための方法であって、 ここで、該遺伝子操作された物質は、溶液中の、懸濁液中の、またはプラスミド ベクターもしくはウイルスベクター中に組み込まれた、細胞傷害性の遺伝子操作 された細胞およびヌクレオチド分子からなる群より選択され、改善は、請求項1 〜10のいずれかによって定義されるような、注射の時または注射のすぐ後にゲ ル化または固体化し、そして該遺伝子操作された物質が注射される部位において 細胞を置換するために有効であり、そして注射の部位において該遺伝子操作され た物質を保持するために有効な粘度を有する注射可能ビヒクルを、該遺伝子操作 された物質に添加する工程を包含する、方法。 12.遺伝子物質の、遺伝子操作された細胞から、嚢胞性腫瘍の細胞中への送達 を増強するための方法であって、該方法は、嚢胞性腫瘍内の腫瘍嚢胞液中に遺伝 子操作された細胞を注射する工程を包含し、ここで、該遺伝子操作された細胞は 該腫瘍嚢胞液中で増殖し得、そして該遺伝子物質または該遺伝子物質から発現さ れるタンパク質を、該腫瘍嚢胞液中に、嚢胞性腫瘍の細胞を傷害するために有効 な量で放出し得る、方法。 13.前記腫瘍嚢胞液中への注射の前に、前記遺伝子操作された細胞に、該遺伝 予操作された細胞が送達されるべき部位において前記腫瘍細胞を置換するために 有効な粘度を有するビヒクルを添加する工程をさらに包含する、請求項12に記 載の方法。 14.前記遺伝子操作された細胞が、ウイルスベクター遺伝子、タンパク質をコ ードする遺伝子、リボザイム、RNAase Pのための外部ガイド配列、アンチセンス 、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、選択的または標的化変異原、およびその組み 合わせからなる群より選択される組換え核酸物質を含む、請求項12に記載の方 法。 15.前記腫瘍嚢胞液が血管内皮細胞増殖因子を含み、そして前記遺伝子操作さ れた細胞が内皮細胞である、請求項12に記載の方法。 16.前記腫瘍嚢胞液が線維芽細胞増殖因子を含み、そして前記遺伝子操作され た細胞が線維芽細胞である、請求項12に記載の方法。 17.前記腫瘍嚢胞液が上皮増殖因子を含み、そして前記遺伝子操作された細胞 がケラチノサイトである、請求項12に記載の方法。 18.免疫系の細胞を刺激または活性化して、前記腫瘍細胞を傷害するように前 記細胞を遺伝子操作する工程をさらに包含する、請求項12に記載の方法。 19.腫瘍嚢胞液中の遺伝子操作された細胞を含む、嚢胞腫瘍細胞中への遺伝子 物質の送達のための、単離された組成物。 20.前記遺伝子操作された細胞が、ウイルスベクター遺伝子、タンパク質をコ ードする遺伝子、リボザイム、RNAase Pのための外部ガイド配列、アンチセンス 、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、選択的または標的化変異原、およびその組み 合 わせからなる群より選択される組換え核酸物質を含む、請求項19に記載の組成 物。 21.前記腫瘍嚢胞液が血管内皮細胞増殖因子を含み、そして前記遺伝子操作さ れた細胞が内皮細胞である、請求項19に記載の組成物。 22.前記腫瘍嚢胞液が線維芽細胞増殖因子を含み、そして前記遺伝子操作され た細胞が線維芽細胞である、請求項19に記載の組成物。 23.前記腫瘍嚢胞液が上皮増殖因子を含み、そして前記遺伝子操作された細胞 がケラチノサイトである、請求項19に記載の組成物。 24.前記細胞が、免疫系の細胞を刺激または活性化して、前記腫瘍細胞を傷害 するように遺伝子操作される、請求項19に記載の組成物。
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JP2010524981A (ja) * 2007-04-24 2010-07-22 バイオコンパティブルズ ユーケー リミテッド 脳腫瘍の治療のための微小球

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