JP2000513345A - ピロリルキノキサリンジオン、その製造およびampa受容体拮抗薬としての使用 - Google Patents
ピロリルキノキサリンジオン、その製造およびampa受容体拮抗薬としての使用Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、式I:
[式中、R1は水素、ヒドロキシルまたはカルボキシルによって置換されたC1〜C6−アルキルであり、R2は水素、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、塩素、フッ素もしくは臭素原子、トリハロメチル、シアノもしくはニトロ基、またはSO2−C1〜C4−アルキルであり、R3はCOOHまたは加水分解してカルボキシル基を形成する基であり、nは1または2である]のピロリルキノキサリンジオン、その互変異性体形および異性体形、ならびにその生理学的に認容性の塩に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
ピロリルキノキサリンジオン、その製造およびAMPA受容体拮抗薬としての使
用
本発明は、式I:
[式中、
R1は水素、ヒドロキシルまたはカルボキシルによって置換されたC1〜C6−ア
ルキルであり、
R2は水素、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニ
ル、塩素原子、フッ素原子もしくは臭素原子、トリハロメチル、シアノ基もしく
はニトロ基、またはSO2−C1〜C4−アルキルであり、
R3はCOOHまたはカルボキシル基に加水分解できる基であり、
nは1または2である]のピロリルキノキサリンジオン、その互変異性形および
異性形、ならびに生理学的認容性の塩に関する。
更に、本発明は、その製造方法および疾患抑制のた
めの使用に関する。
式A:
のキノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオンの誘導体は、幾つかの刊行文献
、例えば欧州特許出願公開第374534号明細書および欧州特許出願公開第2
60467号明細書に、グルタメート拮抗薬として記載されている。多くの公知
誘導体は、複素環式キノキサリン部分が非置換である(AにおいてR1、R2が水
素であるもの)。また更に、式AのR1が水素でない基の誘導体も公知である。
従って、欧州特許出願公開第377112号明細書および欧州特許出願公開第3
74534号明細書では、N−ヒドロキシキノキサリン(A;R1=OR4)を開
示している。欧州特許出願公開第315959号明細書、ドイツ国特許出願公開
第4135871号明細書、国際公開第91/13878号パンフレットおよび
国際公開92/07847号パンフレットでは、式AのR1としてアルキル基を
記載している。また、そのアルキル鎖は酸、エステルまたはアミドで置換されて
いてよい。
同様に、置換基R3として複素環を有する式Aのキノキサリンジオン誘導体は
公知である。従って、欧州特
許出願公開第556393号明細書では、イミダゾール、トリアゾールおよびピ
ラゾールを記載している。置換基R3としてピロリル基を有するキノキサリンジ
オン誘導体は、欧州特許出願公開第572852号明細書および国際公開第95
/35289号パンフレットに開示されている。ドイツ国特許出願公開第434
0045号明細書では、グルタメート拮抗薬として尿素基を有するピロール誘導
体を挙げている。
公知のピロリルキノキサリンジオン化合物は、まだその薬理学的作用に関して
必ずしも完全に十分ではない。本発明の課題は、改善された活性および同時に良
好な生理学的認容性を有するピロリルキノキサリンジオン誘導体を提供すること
である。
前記課題は、冒頭で挙げた式Iのピロリルキノキサリンジオンによって解決さ
れることが判明した。
式Iの基R1〜R3は、以下のものを表す:
R1は水素、またはヒドロキシルもしくはカルボキシルによって置換された分
枝鎖状もしくは非分枝鎖状C1〜C6−アルキル、例えばヒドロキシエチルまたは
カルボキシメチルである。C1〜C6−アルキルは、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチルである。ヒドロキシル置
換化合物の場合において、有利には、アルキルはC2〜C6−アルキルである。
R2は水素、C1〜C6−アルキル、例えば前記のもの
、C2〜C6−アルケニルまたはC2〜C6−アルキニル、例えばビニル、エチニル
、プロペニル、イソプロペニル、フッ素、塩素、臭素、トリハロメチル、例えば
トリクロロメチルもしくはトリフルオロメチル、シアノまたはニトロ、およびS
O2−C1〜C4−アルキルであり、アルキル基は前記のものを表す。特に有利な
基R2は、水素、塩素、トリフルオロメチルまたはニトロである。
R3はカルボキシル基COOH、またはカルボキシル基に加水分解できる基、
例えばアミド基、カルボン酸無水物基もしくは、特にR4がC1〜C4−アルキル
であるエステル基COOR4、例えばCOOCH3またはCOOC2H5である。2
個のカルボキシル基が隣接している場合、それらは環状酸無水物を形成してもよ
い。遊離COOH基またはその塩は、薬理学的作用のために特に有利である。
変数nは1または2であり、特に1である。
置換基R3は、尿素基に対してメタ、パラまたはオルト位に位置することがで
きる。パラおよび/またはメタ位が有利である。
特に、有利な化合物は以下のものである:
R1が水素であり、
R2が水素、塩素、トリフルオロメチルまたはニトロ基であり、
R3がCOOHであり、かつ
nが1または2であるもの。
更に特に、有利な化合物は以下のものである:
R1が−CH2COOHまたは−CH2CH2OHであり、
R2が水素、塩素、トリフルオロメチルまたはニトロ基であり、
R3がCOOHであり、かつ
nが1または2であるもの。
本発明による化合物Iは、以下の反応式1のように製造することができる:
反応式1
この反応式は、式IIのアミノ置換キノキサリンジオンと1,4−ジカルボニ
ル化合物またはそれから誘
導した環式アセタール(IIIおよびVI)とを、水を除去しながら反応させて
、ピロールIおよびIVが得られることを示している。このために使用される方
法は、例えばA.R.KatritzkyおよびC.W.Rees、“Comprehe
nsive Heterocyclic chemistry”、第4巻、パート306、313ページ以降、
C.Ferri、“Reaktionen der organischen Synthese”、1978年Th
ieme出版、708ページ以降、または欧州特許出願公開第572852号明
細書およびドイツ国特許出願公開第4340045号明細書に記載されている慣
用的なものである。ピロール合成は通常、酸で触媒されかつ酢酸またはトルエン
スルホン酸の存在下で実施する。また、その酸は大量に使用すれば溶剤の役割を
果たすこともできる。しかしながら、該反応は、一般に溶剤、例えばトルエンも
しくは溶剤の混合物、例えばトルエン/ジメチルホルムアミド中、50〜150
℃、有利には100〜150℃で、または濃酢酸中、50℃ないし沸点で反応を
実施するのが慣用である。
使用されるジカルボニル化合物、例えば反応式1の化合物IIIがアミノ基を
有するならば、そのアミノ基を前もって保護する。公知の保護基、例えばアミド
、ウレタンまたはベンジル基を使用することができ、有利にはトリフルオロアセ
チルが使用される。他の可能な保護基および導入方法は、Th.W.Green
およびP.G.M.Wuts、“Protective Groups in Organic Synthesis”、
Wiley&Sons1991、第7章に示されている。ピロール環を合成した
後に保護基を慣用の方法で除去することにより、アミンVが得られる。有利には
、アミド保護基の除去は、溶剤または溶剤混合物、例えばテトラヒドロフラン/
水において、10〜60℃、有利には20〜30℃の反応温度で酸または塩基、
例えば水酸化リチウムを用いて実施する。
次いで、式Vのアミンは、慣用の方法でイソシアネートと反応させることがで
き、本発明による化合物Iが得られる。また、イソシアネートの代わりに相応の
アニリンを使用し、そのアニリンと、この場合には公知の方法でホスゲンまたは
類似の化合物、例えばカルボニルジイミダゾールとを反応させ、その場でイソシ
アネートが得られる。前記の方法および類似の方法は、例えばHouben−W
eyl、“Methoden der organischen Chemie”、第E4巻、334ページ以降
に記載されている。
アミドIIIの代わりに相応のアルデヒドを使用することもでき、これを引き
続き還元的アミノ化でアミンVに変換する。
本発明によるピロリルキノキサリンジオンは、アニリン化合物IIから出発し
、かつアセタールVIを使用することにより直接的に得ることができる。これに
関する方法はピロールVを製造する方法に類似している。
尿素誘導体I中のエステルは、酸または塩基を用いて相応の酸に変換すること
ができる。これは、有利には塩基、例えば水酸化リチウムで、有利には溶剤混合
物、例えばテトラヒドロフラン/水中で、20〜30℃で実施する。
以下の表で例として挙げられる本発明の化合物は、前記の合成経路で製造する
ことができる:
本発明の化合物は、興奮性アミノ酸グルタメートの拮抗薬、特にNMDA受容
体(NMDA=N−メチル−D−アスパルテート)、AMPA受容体(AMPA
=2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン
酸)およびカイネート受容体のグリシン結合部位の拮抗薬である。
グルタメート活性は、幾つかの神経疾患または精神障害で高められ、かつそれ
により、中枢神経系(CNS)に過興奮(overexcitation)の状態または中毒作
用を惹起する。
従って、グルタメート受容体サブタイプに対する拮抗薬は、前記の疾患を治療
するために使用することができる。特に、NMDA拮抗薬およびそのモジュレー
ター(例えばグリシン拮抗薬)ならびにAMPA拮抗薬を包含するグルタメート
拮抗薬は、神経変性疾患(ハンチントン舞踏病およびパーキンソン病)、発作に
よって引き起こされる低酸素症、無酸素症または虚血後の神経毒性障害の治療的
使用のために、更に抗てんかん薬、抗うつ薬および抗不安薬としても適当である
(Arzneim.Forschung 40(1990)511-514;TIPS 11(1990)334-338およびDrug
s of the Future 14(11)(1989)1059-1071参照)。
化合物Iの薬理学的作用を、ラット大脳から単離した膜材料上で調査した。こ
の目的のために、その膜材料を、本発明の化合物の存在下に、放射性標識をした
物質3H−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプ
ロピオン酸(3H−AMPA)、[3H]−グリシンまたは[3H]−カイネートで
処理し、その際、該物質は特定の受容体(AMPA、NMDAまたはカイネート
受容体)に結合した。次いで、処理した膜の放射能を、シンチレーション計数器
で測定した。結合した3H−AMPA、[3H]−グリシンもしくは[3H]−カ
イネートの量、またはそれぞれの場合において、置換された(displaced)放射
性標識物質の量は、結合した放射能から測定することができる。この方法は、T
.Honore et al.,Science241(1988)701〜7
03の方法に類似している。
これにより得られ、かつ本発明の作用物質による置換作用の基準である解離定
数KI(I=阻害因子)は、P.J.MunsonおよびD.Rodbardの
“リガンド”プログラム(Analytical Biochem.107(1980)220,Ligand:Versati
le Computerized Approach for Characterization of Ligand Bindung Systems
)に類似したIBMコンピュータの統計的解析システム(SAS)を使用する反
復(iterative)非線形回帰分析によって求めた。
以下の試験管内調査を実施した:
1. 3H−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾール
プロピオン酸(3H−AMPA
)の結合
膜材料は、新鮮に取り出したラット大脳を、その15倍容量の、30mMトリ
ス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩酸(TRIS−HCl)および0.5m
Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)からなる緩衝溶液A(pH7.4)と一
緒にUltra−Turraxを使用して均質化することによって調製した。こ
の懸濁液を48000gで20分間遠心分離した。上清を除去した後で、沈殿中
に存在する蛋白性膜材料を、毎回緩衝液A中で懸濁し引き続き48000gで2
0分間遠心分離することによって3回洗浄した。次いで、膜材料を、その15倍
容量の緩衝液A中で懸濁し、37℃で30分間インキュベートした。タンパク質
材料を、引き続き遠心分離と懸濁によって2回洗浄し、かつ使用するまで−70
℃で保存した。
結合アッセイのために、タンパク質材料を37℃で解凍しかつ48000gの
遠心分離(20分間)および引き続き50mM TRIS−HCl、0.1Mカ
リウムチオシアネートならびに2.5mM塩化カルシウムからなる緩衝溶液B(
pH7.1)中で懸濁することによって2回洗浄した。引き続き、膜材料0.2
5mg)3H−AMPA(60Ci/ミリモル)0.1μCiおよび化合物Iを
、緩衝溶液Blml中に溶解させ、かつ氷上で60分間インキュベートした。イ
ンキュベートした溶液を、事前に0.5%濃度のポリエチ
レンイミン水溶液で少なくとも2時間処理したCF/Bフイルター(Whatm
an)で濾過した。
引き続き、膜の残留物を、結合した3H−AMPAと遊離した3H−AMPAと
を互いに分離するために冷緩衝溶液B5mlで洗浄した。シンチレーション計数
器によって膜材料中の結合した3H−AMPAの放射能を測定した後、置換プロ
ット(displacement plot)の回帰分析によってKIを測定した。
N−(1−(6−トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)−
ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’−(4−カルボキシフェ
ニル)尿素(例2)に関して求めたKIは<10Mであった。よって、該物質は
、ドイツ国特許出願公開第4340045号明細書中の実施例4に挙げられる、
フェニル環が非置換である尿素誘導体よりも明確に有効である。
2.[3H]−グリシンの結合
膜材料を、新鮮に取り出したラット海馬を、その10倍容量の調製緩衝液(5
0mM Tris−HCl,10mM EDTA)でポッターホモジェナイザーを
使用して均質化することによって、3H−グリシン結合アッセイをするために調
製した。ホモジェネートを48000gで20分間遠心分離した。上清を廃棄し
、沈殿物中に存在する膜を再懸濁および48000gでの遠心分離(毎回20分
間)によって2回洗浄した。再
懸濁した膜を液体窒素で凍結させ、かつ37℃で再び解凍した。もう1回洗浄し
た後に、膜の懸濁液を振盪水浴において37℃で15分間インキュベートした。
更に4回洗浄(毎回48000gで20分間遠心分離および調製緩衝液で再懸濁
)した後、膜は使用するまで−70℃で保存した。
凍結した膜を37℃で解凍し、48000gでの遠心分離(20分間)の後で
結合緩衝液[50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MgCl2
]で再懸濁することによって2回洗浄した。インキュベート混合物は、合計0.
5mlの結合緩衝液中にタンパク質(膜)0.25mg、25nM3H−グリシ
ン(16Ci/ミリモル)および試験物質を含有した。1mMグリシンを添加す
ることによって、非特異的結合を測定した。
4℃で60分間インキュベートして、引き続きGF/Bフィルターで濾過し、
約5mlの氷冷結合緩衝液で洗浄することにより結合したリガンドと遊離したリ
ガンドとを互いに分離した。フィルターに残留している放射能を液体シンチレー
ション計数器で測定した。解離定数は、反復非線形フィッティングプログラム(
iterative nonlinear fitting program)を使用するか、またはChengおよ
びPrusoffの方程式(Biochem.Pharmacol.22(1993)3099)によって置換
プロットから計算した。
3.[3H]−カイネートの結合
膜は、新鮮に取り出したラット大脳を、その15倍容量の調製緩衝液[30m
M Tris−HCl(pH7.4)、0.5mM EDTA]でUltra−T
urraxRを使用して均質化することによって、[3H]−カイネート結合アッ
セイをするために調製した。ホモジェネートを48000gで20分間遠心分離
した。上清を廃棄し、沈殿物中に存在する膜を調製緩衝液中で再懸濁しかつ48
000gで遠心分離(毎回20分間)することによって合計3回洗浄した。3回
洗浄した後に、膜は使用するまで−70℃で保存した。
凍結した膜を37℃で解凍し、結合緩衝液(50mM Tris−HCl、p
H7.4)で懸濁し、かつ48000gで20分間遠心分離した。沈殿物中に存
在する膜を結合緩衝液で再懸濁した。インキュベート混合物は、合計1mlの結
合緩衝液中にタンパク質(膜)0.25mg、[3H]−カイネート0.058
Ci(58Ci/ミリモル)および試験物質を含有した。非特異的結合は、0.
1mMグルタメートの存在下で測定した。氷上で60分間インキュベートした後
、CF/Bフイルターで濾過し、引き続き氷冷結合緩衝液5mlで洗浄すること
により結合したリガンドと遊離したリガンドとを互いに分離した。CF/Bフィ
ルターは、事前に0.5%ポリエチレンイミンで少なくと
も2時間処理した。置換プロットの分析および解離定数の計算は、反復非線形フ
ィッテイングプログラムを使用するか、またはChengおよびPrusoff
の方程式によって実施した。
新規物質の生体内活性を証明するために、以下の試験構成から得られる結果を
使用することができる:
4.抗けいれん作用(マウスにおける最大電気ショック)
マウスの後肢の強直性けいれんを最大電気ショックによって引き起こした。け
いれんの発生は、試験物質による前処理によって拮抗させることができる。抗け
いれん作用は、該物質が抗てんかん薬として使用できることを示す。
N−(1(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2
,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’−
(4−カルボキシフェニル)尿素(例4)に関して求めたED50%(=50%
の実験動物が保護される用量)は、腹膜腔内(i.p)適用後に<46mg/kg
であった。このことは、該物質がドイツ国特許出願公開第4340045号明細
書の実施例10に開示される尿素誘導体よりも明確に有効であることを意味する
。
5.興奮性アミノ酸による大脳の過興奮からの保護(生体内のNMDAおよびA
MPA拮抗薬、マウス)
興奮性アミノ酸(EAA=excitatory amino acid
)の大脳内適用は、短時間で動物のけいれんおよび死を惹起する強度の過興奮を
引き起こす。これらの症候は、中枢に作用するEAA拮抗薬の全身性適用、例え
ば腹膜腔内適用によって抑制することができる。中枢神経系におけるEAA受容
体の過度な活性化は種々の神経疾患の病因において重要な役割を果たすので、生
体内でのEAA拮抗作用を明らかにすることによって該物質を前記の型のCNS
疾患の治療に使用できるということが示唆される。これらは、局所性および全身
性の貧血、トラウマ、てんかんおよび種々の神経変性の疾患、例えばハンチント
ン舞踏病、就中パーキンソン病を包含している。
N−(1−(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン−
2,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’
−(4−カルボキシフェニル)尿素(例4)に関して求めたED50%(=50
%の実験動物が保護される用量)は、腹膜腔内適用後に<30mg/kgであっ
た。このことは、該物質がドイツ国特許出願公開第4340045号明細書に開
示されている尿素誘導体よりも明確に有効であることを意味する。
6.試験的脳梗塞における治療効果(ラットにおけるMCA閉塞;MCA=中大
脳動脈)
ラットにおける中大脳動脈の長期的閉塞は、試験的な脳梗塞を惹起し、その範
囲を24時間後の死んだ組
織から測定した。皮質性梗塞の体積は、血管閉塞後90分までに治療を開始しな
くても、試験物質によって減少させることができる。このことから、該物質のヒ
トの発作のための治療的使用が推論できる。
本発明による物質は、グルタメート拮抗薬によって有益な作用が期待できるあ
らゆる疾患を治療するために適当である。
適当な適応症は、神経毒性障害、特に中枢神経系の急性および慢性の酸素/栄
養素欠乏状態である。これらは、例えば脳梗塞、クモ膜下出血または他の原因の
血管けいれんの結果としておよび、例えば心拍停止、不整脈または循環のショッ
クでの心臓血管の衰弱の後に生じる急性低酸素状態および虚血状態;周産期仮死
の結果としておよび頭蓋脳の外傷、脊髄の外傷、一過性脳虚血発作(TIA)、
遷延性可逆性虚血性神経症候(PRIND)、多梗塞痴呆およびアテローム硬化
性痴呆後の低血糖症の後のCNSダメージ、ならびに偏頭痛を意味する。
他の可能な適応症は、神経変性疾患、例えばパーキンソン病、ハンチントン舞
踏病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。
更に、グルタメート拮抗薬は、抗てんかん薬、抗不安薬および抗うつ薬として
の使用、疼痛の治療および***症、麻薬中毒者の禁断症状の治療のための使用、
ならびに骨格筋においてけい直が見られる場合、例え
ば多発性硬化症(MS)の筋弛緩薬としての使用に適当である。
本発明の医薬組成物は、式Iの治療学的有効量、更に慣用の医薬的助剤からな
る。
作用物質は、例えば粉剤および軟膏において局所的外用のための通常の濃度で
存在することができる。原則としては、該作用物質は、0.0001〜1重量%
、有利には0.001〜0.1重量%で存在する。
内用のためには、調剤は1回量で適用する。1回量は、体重1kgにつき0.
1〜100mgである。該組成物は、疾患の性質および重度に依存し1日につき
1回以上適用することができる。
必要な適用方法に相応して、本発明による医薬組成物は、該作用物質の他に賦
形剤および希釈剤を含有する。局所的外用にためには、医薬品助剤、例えばエタ
ノール、イソプロパノール、エトキシル化ヒマシ油、エトキシル化水素化ヒマシ
油、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリエチレングリ
コール、エトキシル化脂肪アルコール、パラフィン油、ペトロラタムおよびラノ
リンを使用することが可能である。内用のための適当な例としては、ラクトース
、プロピレングリコール、エタノール、デンプン、タルクおよびポリビニルピロ
リドンである。
また、酸化防止剤、例えばトコフェロールならびにブチル化ヒドロキシアニソ
ールおよびブチル化ヒドロ
キシトルエン、フレーバーを改善する添加剤、安定化剤、乳化剤ならびに滑沢剤
が存在することができる。
組成物中で該作用物質の他に存在する物質および医薬組成物の製造の際に使用
する物質は、毒物学的に認容性でありかつ特定の作用物質に対して相容性である
。医薬組成物は慣用の方法で、例えば該作用物質と慣用の賦形剤および希釈剤と
を混合することによって製造する。
医薬組成物は、種々の適用方法で、例えば経口、非経口、皮下、腹膜腔内およ
び局所で適用することができる。従って、可能な形は、タブレット、エマルジョ
ン、輸液および注射溶液、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉剤
ならびにスプレーである。
実施例
例1:
N’−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−(1−(6−トリフルオロメ
チルキノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)−ピロール−3
−イルメチル)尿素a)7−(3−トリフルオロアセトアミドメチル−1
−ピロリル)−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)−
ジオン
欧州特許出願公開第572852号明細書に記載されている7−アミノ−6−
トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオン7.0g(3
2.8ミリモル)および国際公開第95/35289号パンフレットに開示され
ている2,5−ジメトキシ−3−トリフルオロアセトアミドメチルテトラヒドロ
フラン8.5g(33ミリモル)を、氷酢酸200ml中で20分還流させた。
冷却後、反応混合物を水中に注入し、かつ生成した沈殿物を吸引濾過し大量の水
で洗浄した。生成物9.6g(70%)が得られた。1
H−NMR(D6=DMSO):
δ=4.2(2H)、6.2(1H)、6.8(2H)、7.1(1H)、7.
5(1H)、9.9(1H)および約12.5(ブロード)ppm。
b)7−(3−アミノメチル−1−ピロリル)−6−トリフルオロメチルキノキ
サリン−2,3(1H,4H)−ジオン
例1aで得られた生成物9.4g(22.4ミリモル)を、水150ml中で
水酸化リチウム2.1g(89.5ミリモル)と室温で1時間撹拌した。次いで
、反応混合物を、1M塩酸で中和し、かつ生成した沈殿物を吸引濾過した。生成
物6.7g(93%)が得られた。1H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.8(2H)、6.2(1H)、6.8(1H)、6.9(1H)、7.
0(1H)および7.4(1H)ppm。
c)N’−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−(1−(6−トリフルオ
ロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)ジオン−7−イル)ピロール−3
−イルメチル)尿素
例1bで得られた生成物2g(6.2ミリモル)と4−エトキシカルボニルフ
ェニルイソシアネート1.24g(6.5ミリモル)を、無水ジメチルホルムア
ミド50ml中、50℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を1M塩酸中
に注入し、かつ生成した沈殿物を吸引乾燥した。生成物3.6g(81%)が得
られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.3(3H)、4.2〜4.5(4H)、6.2(1H)、6.7(1H
)、6.9(2H)、7.1(1H)、7.4〜8.0(5H)、9.1(1H
)および約12.5(2H)ppm。
例2:
N’−(4−カルボキシフェニル)−N−(1−(6−トリフルオロメチルキノ
キサリン−2,3−(1H,4H)ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチ
ル)尿素
例1で得られた化合物1.6g(3.1ミリモル)と水酸化リチウム0.3g
(12.4ミリモル)とを、水40ml中、室温で2時間撹拌した。次いで、混
合物を濾過し、その濾液を1M塩酸で中和させた。生成した沈殿物を吸引濾過し
た。生成物1.1g(74%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=4.2(2H)、6.2(2H)、6.8(2H)、7.2(1H)、7.
4〜8.0(5H)、9.5(1H)および約12.5(ブロード)ppm。
例3
N−(1−(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2
,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’−
(4−エトキシカルボニルフェニル)尿素
a)N−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)オキサミド酸エチル
エステル
2−ニトロ−4−トリフルオロメチルアニリン51.5g(0.25モル)、
トリエチルアミン45ml(0.32モル)およびN,N−ジメチルアミノピリ
ジン0.1gを、窒素雰囲気下で無水テトラヒドロフラン500ml中に溶解さ
せた。0〜5℃で、エチル塩化オキサリル44.4g(0.32モル)を滴加し
た。次いで、混合物を、変換が完了するまで室温で撹拌した(薄層クロマトグラ
フィーによって確認した)。減圧下で濃縮させた後、残留物を水と酢酸エチル間
で分配した。有機相を乾燥し、かつ減圧下で濃縮させた。粗生成物をエタノール
から再結晶化させ、生成物68.2g(89%)が得られた。1
H−NMR(CDCl3):
δ=1.5(3H)、4.5(2H)、8.0(1H)、8.6(1H)、9.
05(1H)および12.2(1H)ppm。
b)N−(エトキシカルボニルメチル)−N−(2−ニトロ−4−トリフルオロ
メチルフェニル)オキ
サミド酸エチルエステル
例3aで得られた生成物70g(0.23モル)を、窒素雰囲気下で無水テト
ラヒドロフラン1リットル中に溶解させた。室温において、カリウムt−ブタノ
ラート34.8g(0.31モル)を少量ずつ分けて添加した。30分間撹拌し
た後、ブロモ酢酸エチル42.1g(0.25モル)を滴加し、かつ混合物を2
時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、かつ残留物を酢酸エチル
と水との間で分配した。有機相を乾燥し、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物63
g(70%)が得られ、かつこれを直接更に処理した。
c)1−(エトキシカルボニルメチル)−6−トリフルオロメチルキノキサリン
−2,3(1H,4H)−ジオン
例3bで得られた生成物63g(0.16モル)を、酢酸1リットル中に溶解
させ、かつ還流下で煮沸した。その中に、鉄粉54g(0.97モル)を少量ず
つ分けて添加した。更に1時間加熱した後、反応混合物を冷却および濾過した。
濾液を減圧下で濃縮し、かつ残留物を水で処理した。生成した固体を吸引濾過し
、エタノールから再結晶化させた。生成物48.2g(95%)が得られた。
融点250〜251℃1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.25(3H)、4.7(2H)、5.0(2H)、7.5(3H)、お
よび12.4(1H)ppm。
d)1−(エトキシカルボニルメチル)−7−ニトロ−6−トリフルオロメチル
キノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオン
例3cで得られた生成物47g(0.15モル)を、濃硫酸500ml中に溶
解させ、かつ0℃で、硝酸カリウム15g(0.149モル)を少量ずつ分けて
添加した。反応混合物を、更に30分間撹拌し、次いで氷水中に注入した。水相
を酢酸エチルで抽出し、生成した沈殿物を吸引濾過し、エタノールから再結晶化
させた。生成物45.9g(89%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.25(3H)、4.2(2H);5.0(2H)、7.7(1H)、8
.25(1H)および12.7(1H)ppm。
e)7−アミノ−1−(エトキシカルボニルメチル)−6−トリフルオロメチル
キノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオン
例3dで得られた生成物43g(0.12モル)を、ジメチルホルムアミド3
00ml中に溶解させ、かつパラジウム/炭素(10%)2gを添加した後、1
バール下、室温で水素添加した。次いで、混合物を濾過し、かつ濾液を減圧下で
濃縮した。残留物をエタノ
ールで処理しかつ吸引濾過した。生成物37.1g(95%)が得られた。
融点>250℃1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.25(3H)、4.2(2H)、4.85(2H)、5.5(2H)、
6.6(1H)、7.2(1H)および12.0(1H)ppm。
f)1−エトキシカルボニルメチル−7−(3−トリフルオロアセトアミドメチ
ル−1−ピロリル)−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4
H)−ジオン
例3eで得られた生成物4.0g(12.1ミリモル)と例4aで得られる生
成物3.1g(12.1モル)とを、氷酢酸75ml中で10分間還流させた。
次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、かつ残留物をエタノールで処理しかつ吸
引濾過した。
収量:4.8g(79%)、融点>200℃(分解)1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.2(3H)、4.2(2H)、4.3(2H)、5.0(2H)、6.
2(1H)、6.8(2H);7.5〜7.7(2H)、9.9(1H)および
12.5(1H)ppm。
g)7−(3−アミノメチル−1−ピロリル)−1−カルボキシメチル−6−ト
リフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオン
例3fで得られた生成物4.7g(9.3ミリモル)をテトラヒドロフラン5
0mlに添加し、かつ0.5M水酸化リチウム溶液75mlを添加した。混合物
を、室温で1時間撹拌した。引き続き、テトラヒドロフランを減圧下で除去し、
かつ生成した水相を1M塩酸で中和した。生成した沈殿物を吸引濾過した。
収量:3.3g(94%)、融点>250℃1
H−NMR(CD3COOD):
δ=4.2(2H)、5.0(2H)、6.45(1H)、6.95(1H)、
7.1(1H)、7.4(1H)および7.8(1H)ppm。
h)N−(1−(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン
−2,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N
’−(4−エトキシカルボニルフェニル)尿素
例3gで得られた生成物2g(5.2ミリモル)と4−エトキシカルボニルフ
ェニルイソシアネート1.1g(5.8ミリモル)とを、無水ジメチルホルムア
ミド30ml中、50℃で5分間加熱した。次いで、反応混合物を1M塩酸に添
加し、かつ沈殿物を吸引濾過した。生成物1.8g(69%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.3(3H)、4.1〜4.4(4H)、5.0(2H)、6.2(1H
)、6.5(1H)、6.
9(2H)、7.4〜8.0(6H)、8.9(1H)および12.5(1H)
ppm。
例4:
N−(1−(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2
,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’−
(4−カルボキシフェニル)尿素
例3で得られた化合物1.2g(2.1ミリモル)と水酸化リチウム0.2g
(8.6ミリモル)とを、例2の方法によって反応させた。生成物1.0g(8
7%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=4.2(2H)、4.9(2H)、6.2(1H)、6.5(1H)、6.
9(2H)、7.4〜7.9(6H)、8.9(1H)および約12.5(2H
)ppm。
例5
N−(1−(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2
,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’−
(3−エトキシカルボニルフェニル)尿素
例3gで得られた生成物2g(5.2ミリモル)と3−エトキシカルボニルフ
ェニルイソシアネート1.1g(5.8ミリモル)とを、例3hの方法によって
反応させ、生成物1.7g(66%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.3(2H)、4.2(2H)、4.3(2H)、4.9(2H)、6.
2(1H)、6.4(1H)、6.9(2H)、7.3〜7.8(5H)、8.
1(1H)、8.7(1H)、12.5(1H)および約13(ブロード)pp
m。
例6:
N−(1−(1−カルボキシメチル−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2
,3(1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)−N’−
(3−カルボキシフェニル)尿素 例5で得られた化合物1.1g(2ミリモル)と水酸化リチウム0.19g(
7.8ミリモル)とを、例4の方法によって反応させ、生成物0.9g(82%
)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=4.2(2H)、5.0(2H)、6.2(1H)、6.3(1H)、6.
9(2H);7.2〜7.7(5H)、8.0(1H)、8.7(1H)、12
.5(1H)および約13(ブロード)ppm。
例7:
N’−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−(1−(1−(2−ヒドロキ
シエチル)−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)−ジ
オン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)尿素
a)4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−ニトロベンゾトリフルオリド
4−クロロ−3−ニトロベンゾトリフルオリド112.8g(0.5モル)と
2−エタノールアミン61.1g(1モル)とを、ジメチルホルムアミド50m
l中、100℃で2時間加熱した。次いで、反応混合
物を減圧下で濃縮し、かつ残留物に水を添加した。沈殿物を吸引濾過しかつシク
ロヘキサンから再結晶化させた。
収量:116g(46%)、融点68〜70℃1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.5(2H)、3.7(2H)、5.0(1H)、7.3(1H)、7.
8(1H)、8.3(1H)および8.6(1H)ppm。
b)3−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゾトリフルオリド
例7aで得られた生成物115g(0.46モル)を、イソプロパノール1リ
ットル中に溶解させ、水200ml中のパラジウム/炭素(10%)11.5g
を添加し、かつ混合物を80℃に加熱した。次いで、水175ml中に溶解させ
たギ酸アンモニウム91g(1.4モル)を、迅速に滴加した。反応が完了した
後、混合物を濾過しかつ減圧下で濾液からアルコールを除去した。生成した沈殿
物を吸引濾過し、トルエンで処理しかつ再び吸引濾過した。
収量:68.4g(68%)、融点92〜94℃1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.2(2H)、3.6(2H)、4.8(1H)、4.9(2H)、5.
1(1H)、6.5(1H)、および8.6(2H)ppm。
c)1−(2−ヒドロキシエチル)−6−トリフルオ
ロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)−ジオン
例7bで得られた生成物60g(0.27モル)を、シュウ酸エチル500m
l中で3時間還流させた。冷却後、沈殿物を吸引濾過した。
収量:55g(74%)、融点275〜276℃1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.7(2H)、4.2(2H)、4.9(1H)、7.4(1H)および
12.2(1H)ppm。
d)1−(2−ヒドロキシエチル)−7−ニトロ−6−トリフルオロメチルキノ
キサリン−2,3(1H,4H)−ジオン
例7cで得られた生成物50g(0.18モル)を、濃硫酸500ml中に溶
解させ、かつ0℃で、硝酸カリウム21g(0.21モル)を少量ずつ分けて添
加した。次いで、混合物を30分撹拌した。引き続き、反応混合物を氷上に注入
し、かつ沈殿物を吸引濾過した。
収量:25g(44%)、融点254〜256℃1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.6(2H)、4.1(2H)、4.5(1H);7.6(1H);8.
3(1H)および約12(ブロード)ppm。
e)7−アミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−6−トリフルオロメチルキノ
キサリン−2,3(1
H,4H)−ジオン
例7dで得られた生成物25g(78ミリモル)を、例7dの方法のようにし
てギ酸アンモニウム50g(0.79モル)を用いて還元させた。
収量:13.2g(58%)、融点278℃(分解)1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.6(2H)、4.1(H)、4.4(ブロード)、5.5(2H)、6
.9(1H)、7.1(1H)および11.8(ブロード)ppm。
f)N−(2,5−ジメトキシ−3−テトラヒドロフラニルメチル)−N’−(
4−エトキシカルボニルフェニル)尿素
3−アミノメチル−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(ドイツ国特許出
願公開第2645234号明細書)2.9g(18ミリモル)を、無水テトラヒ
ドロフラン20ml中に溶解させた。0℃で、無水テトラヒドロフラン10ml
中に溶解させた4−エトキシカルボニルフェニルイソシアネート2.9g(15
ミリモル)を滴加した。次いで、混合物を室温で1時間撹拌し、かつ次いで減圧
下で濃縮し、粗生成物5.5gが得られた。1
H−NMR(CDCl3):
δ=1.4(3H)、3.2〜3.6(8H)、4.4(2H)、4.8〜5.
2(2H)、5.9(1H)、7.4(2H)および7.9(2H)ppm。
g)N’−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−(1−(1−(2−ヒド
ロキシエチル)−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(1H,4H)
−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)尿素
例7eで得られた生成物2.5g(8.7ミリモル)と例7fで得られた生成
物3.4g(9.6ミリモル)とを、氷酢酸50ml中で15分間還流させた。
次いで、混合物を水中に注入し、沈殿物を吸引濾過しかつトルエン/アセトン/
氷酢酸=30/20/1の溶出液を使用するシリカゲル上でのクロマトグラフィ
ーにより精製し、生成物1.0g(22%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=1.3(3H)、4.2〜4.6(8H)、6.2(1H);6.5(1H
)、6.9(2H)、7.4〜8.0(6H)、8.9(1H)および約12.
5(ブロード)ppm。
例8:
N’−(4−カルボキシフェニル)−N−(1−(1
−(2−ヒドロキシエチル)−6−トリフルオロメチルキノキサリン−2,3(
1H,4H)−ジオン−7−イル)ピロール−3−イルメチル)尿素
例7で得られた化合物0.66g(1.2ミリモル)と水酸化リチウム0.1
4g(8.6ミリモル)とを、例4の方法によって反応させ、生成物0.6g(
89%)が得られた。1
H−NMR(D6−DMSO):
δ=3.7(2H)、4.2(4H)、4.9(1H)、6.2(1H)、6.
5(1H)、6.9(2H)、7.4〜8.0(6H)、8.9(1H)、12
.3(1H)および約12.5(ブロード)ppm。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU
,BG,BR,CA,CN,CZ,GE,HU,IL,
JP,KR,LT,LV,MX,NO,NZ,PL,R
O,RU,SG,SI,SK,TR,UA,US
(72)発明者 ハンス―ペーター ホフマン
ドイツ連邦共和国 D―67117 リンブル
ガーホフ ウンテレ ハルト 12
(72)発明者 ラスツロ スツァボ
ドイツ連邦共和国 D―69221 ドッセン
ハイム ブーヘンヴェーク 38
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.式I: [式中、 R1は水素、ヒドロキシルまたはカルボキシルによって置換されたC1〜C6−ア ルキルであり、 R2は水素、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニ ル、塩素原子、フッ素原子もしくは臭素原子、トリハロメチル、シアノもしくは ニトロ基、またはSO2−C1〜C4−アルキルであり、 R3はCOOHまたはカルボキシル基に加水分解できる基であり、 nは1または2である]のピロリルキノキサリンジオン、その互変異性形もしく は異性形、またはその生理学的認容性の塩。 2.式中の置換基が、 R1:水素、 R2:水素、塩素、トリフルオロメチルまたはニトロ基、 R3:COOH、 である、請求項1記載のピロリルキノキサリンジオン。 3.式中の置換基が、 R1:−CH2COOHまたは−CH2CH2OH、 R2:水素、塩素、トリフルオロメチルまたはニトロ基、 R3:COOH、 である、請求項1記載のピロリルキノキサリンジオン。 4.疾患抑制に使用するための請求項1から3までのいずれか1項記載の式I のピロリルキノキサリンジオン。 5.中枢神経系おけるグルタメート活性が高められる疾患を抑制する薬剤の製 造のための、請求項1から3までのいずれか1項記載の式Iのピロリルキノキサ リンジオンの使用。 6.低酸素症、無酸素症または虚血により惹起される酸素および栄養素欠乏に よる疾患を抑制する薬剤を製造するための、請求項1から3までのいずれか1項 記載の式Iのピロリルキノキサリンジオンの使用。 7.神経変性疾患を抑制する薬剤の製造のための、請求項1から3までのいず れか1項記載の式Iのピロリルキノキサリンジオンの使用。 8.ハンチントン舞踏病またはパーキンソン病の抑 制のための、請求項7記載の式Iのピロリルキノキサリンジオンの使用。 9.抗てんかん薬として使用する薬剤を製造するための、請求項1から3まで のいずれか1項記載の式Iのピロリルキノキサリンジオンの使用。 10.抗うつ薬、抗不安薬、筋弛緩剤または抗痛覚薬として使用する薬剤を製 造するための、請求項1から3までのいずれか1項記載の式Iのピロリルキノキ サリンジオンの使用。 11.慣用の医薬品助剤の他に1回量に体重1kgにつき請求項1から3まで のいずれか1項記載の少なくとも1種類のピロリルキノキサリンジオンIを0. 1〜100mg含有する、経口、非経口および腹膜腔内適用のための医薬組成物 。 12.慣用の医薬品助剤の他に請求項1から3までのいずれか1項記載の少な くとも1種類のピロリルキノキサリンジオンIを0.0001〜10重量%含有 する、静脈内適用のための医薬組成物。
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