JP2000509504A - 特に小電流用の電流センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本電流センサは飽和まで直線的な磁化特性曲線を有する磁石コア（４）から成っており、この磁石コアが測定電流に対する一次巻線（５）とならんで、二次巻線（２）を有し、そのなかに本質的にのこぎり波状の交流電圧が供給される。二次巻線（２）のなかの電流のピーク値の比較により、測定電流に比例する出力電圧が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】特に小電流用の電流センサ 本発明は、軟磁性の磁石コアを有し、その上に、測定すべき電流が流れる一次 巻線とならんで、磁石コアを少なくとも１つの方向に飽和させる交流電流が供給 されている少なくとも１つの二次巻線が巻かれており、一次巻線のなかの一次電 流により発生される磁石コアのなかの磁束を決定する評価回路を有する電流セン サに関する。 ドイツ特許第42 29 948 A1号明細書には、一次巻線および二次巻線を有する軟 磁性の磁石コアが設けられている電流センサが記載されている。二次巻線に対し て直列に、軟磁性の磁石コアを交互に正または負の飽和状態に制御する磁化電流 を二次巻線を通じて流す追加的な電流源が接続されている。軟磁性の磁石コアは 本質的に長方形状の磁化特性曲線を有するので、２つの飽和状態の間の磁化反転 の間にそれぞれ一定の電流が流れる。なぜならば、磁化特性曲線のほぼ直角な経 過の結果として誘導性インピーダンスが無限大に近づくからである。 この電流は、正または負の半波で中央値からそれぞれ、磁化特性曲線のヒステ リシスにより与えられている値により相違している。相い異なる極性を有する２ つの相い続く半波の際の磁化反転の間に流れる一定の電流の平均値を形成するこ とにより、磁化ループのなかのヒステリシスの影響が補償され得るので、磁石コ アの磁化反転時間の間に二次巻線に流れる電流の測定により、一次巻線を流れる 測定すべき電流に直接的に比例している電流が求められる。 本発明の課題は、それにくらべて、特に小さい電流を測定するために適してお り、また非常に簡単な手段により電位分離して一次電流を検出し得る簡単に構成 された電流センサを提供することである。 この課題は、本発明によれば、磁石コアが、飽和状態まで直線的な平らな磁化 曲線を有する材料から成っており、二次巻線が本質的にのこぎり波状の電圧を与 えられ、また評価回路が、正および負の電流ピークが検出され、正および負の電 流ピークの相違に比例する出力電圧が発生されるように構成されていることによ り解決される。 この新しい電流センサの回路図が図面に示されている。発生器１は本質的にの こぎり波状の電圧を供給する。この発生器の出力端は、電流センサの二次巻線２ に対して直列に、かつ抵抗３に対して直列に接続されている。電流センサは軟磁 性の磁石コア４を有し、さらに、測定されるべき電流Ｉ₁が流れる一次巻線５（ 最も簡単な場合には貫通導体）を有する。抵抗３に対して並列に、正および負の 電流ピークを検出するため、それぞれ１つのダイオード６および７が接続されて いる。これらのダイオードは互いに逆極性に接続されており、かつこれらのダイ オードに直列に接地点との間に各１つのコンデンサ８および９が接続されている 。抵抗の電圧降下は電流センサの二次巻線２のなかの電流に比例しているので、 コンデンサの端子１０および１１にそれぞれ、電流センサの二次回路のなかの正 または負の電流ピークに相当する電圧が得られる。抵抗１２および１３を介して これらの両電圧の平均値が形成され、増幅器１５の入力端１４に与えられる。増 幅器１５の第２の入力端１６は接地点と接続されており、増幅器の出力端１７は 抵抗１８を介して増幅器の入力端１４に帰還結合されている。これにより増幅器 １５の出力端１９と接地点との間に、軟磁性の磁石コア４が測定すべき一次電流 により飽和していないかぎり、電流センサの一次巻線５のなかの電流に比例して いる出力電圧が生ずる。 すなわち、軟磁性の磁石コアとして公知のものと対照的に平らで、飽和状態ま で直線的なヒステリシスループを有し、特定の範囲にわたり磁界の強さに比例し ている電磁誘導を与える磁石コアが選ばれることが重要である。二次巻線２のな かの電流は軟磁性の磁石コア４を交互に正および負の飽和状態に駆動するので、 一次巻線５のなかの一次電流による予磁化の際に、その極性に関係して、正また は負の飽和がより早く到達されているので、電流の相い異なるピーク値が二次回 路のなかに、従ってまた抵抗３の両端にも生ずる。電流のこれらの相い異なるピ ーク値は、コンデンサ８または９の相い異なる充電に通じ、従って抵抗１２およ び１３を介して電流ピークの平均値形成が最も簡単な仕方で行われ得る。 本発明による電流センサは特に簡単な構成により優れており、磁石コア材料の ヒステリシスにより発生される誤差を生じない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．軟磁性の磁石コア（４）を有し、その上に、測定すべき電流が流れる一次巻 線（５）とならんで、磁石コア（４）を少なくとも１つの方向に飽和させる交流 電流が供給されている少なくとも１つの二次巻線（２）が巻かれており、一次電 流により一次巻線（５）のなかに発生される磁石コアのなかの磁束非対称性を決 定する評価回路を有する電流センサにおいて、磁石コア（４）が、飽和状態まで 直線的な、その急峻度を必要な感度に適応可能な平らな磁化曲線を有する材料か ら成っており、評価回路が、正および負の電流ピークが検出され、正および負の 電流ピークの和に比例する出力電圧が発生されるように、構成されていることを 特徴とする電流センサ。 ２．二次巻線（２）のなかを流れる交流電流が本質的に二次巻線に与えられるの こぎり波状電圧により発生されることを特徴とする請求項１記載の方法。 ３．正および負の電流ピークを検出するため評価回路が、電流センサの二次巻線 に直列に接続されている抵抗（３）に接続されていることを特徴とする請求項１ 記載の方法。 ４．出力増幅器が設けられており、その入力端が二次巻線のなかの正および負の 電流ピークの平均値に比例する電圧を有することを特徴とする請求項１記載の方 法。