【発明の詳細な説明】
赤血球産生を増進するチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]
ピリジン−3−オン類
発明の背景
典型的には、慢性腎不全の貧血の結果、腎臓エリスロポイエチン(EPO)分泌
の減少により赤血球産生が減少する。EPOは腎臓の酸素送達に反応して腎臓によ
り産生され、その主要な作用部位は骨髄における赤血球系である。これは適当な
赤血球産生のための赤血球系前駆細胞の増殖および分化を調節する。末期腎臓病
の患者における置換療法の臨床的実験は、エリスロポイエチンが赤血球産生を増
進することによりこれらの患者における貧血を直すことができることを確立した
。
慢性腎不全の結果としての、またはこれと関係ない赤血球産生を増進する能力
は、貧血、血球減少症、および赤血球産生の減少を伴う他の症状の魅力的な治療
法と考えられる。
赤血球産生を増進させる化合物を提供するのが望ましい。
本明細書において開示するように、ある種の選択されたチエノ[2,3−b]
ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン類が人間を含む哺乳動物における赤
血球産生の増進において有効であることが思いがけなく見いだされた。
発明の要約
本発明は、ある種の置換チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン
−3−オンが、人間を含む哺乳動物における赤血球産生を増進させるという知見
にある。
本発明の医薬組成物および本発明の方法において用いられる本発明の好ましい
化合物は:
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[
2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン;
2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラ
ゾ
ロ[3,4−d]ピリジン−3−オン;
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル
−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3
−オン;
1,4−ジメチル−8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサ
ヒドロ−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジ
ン−3−オン;
8−tert−ブトキシカルボニル−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−
4−メチル−1H−ピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[
3,4−d]ピリジン−3−オン;および
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−ピリド[4’,3'
:4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン
を包含する。
本発明の別の態様において、本発明の化合物の調製において有用な新規中間体
および新規方法が提供される。
本発明の方法において有用な医薬担体および化合物を含む医薬組成物も本発明
に包含される。
発明の詳細な記載
本明細書において用いる場合、「赤血球産生の増進」なる用語は、赤血球の産生
を増加させることを意味する。
本明細書において用いる場合、「治療する」なる用語は、予防的または治療的療
法を意味する。
赤血球産生を増進させる本発明の化合物は、以下の式(I):
[式中、
XはOまたはNR5であり、
ここに、R5は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(C
H2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖および分枝
鎖C2-6アルキニルまたは−(CH2)nAr-(これらはすべて、−OH、−OR6、−CONR6
R7、−NR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲンからな
る群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよ
い)から選択され、
ここに、nは0ないし6であり、
R6およびR7は:
(i)水素であるか、または独立して、H、直鎖または分枝鎖C1-6アル
キル、C3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分
枝鎖C2-6アルキニルおよびAr(これらはすべて、−OHおよびハロゲンからなる
群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよい
)から選択されるか、または
(ii)同じ窒素原子に結合した場合、R6およびR7は一緒になって、ピペ
リジル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピロリジルからなる群より選択され
る環を形成し;
R1は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7
シクロアルキル、直鎖または分枝C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6アル
キニルおよび−(CH2)nAr(これらはすべて、−OH、−OR6、−CONR6R7、−NR6R7
、−COR6、−CO2R6、-SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲンからなる群より選択
される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよい)から選択
され、
ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味であり;
R2およびR3は、
(i)水素であるか、または独立して、H、直鎖または分枝鎖C1-6アルキ
ル、−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖
または分枝鎖C2-6アルキニルおよび−(CH2)nAr−(これらはすべて、−OH、−O
R6、−CONR6R7、−NR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハ
ロゲンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換さ
れていてもよく、
ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味である)から選択されるか、
または
(ii)R2およびR3は一緒になって、所望により1または2個の複素原子を
含み、エチレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シク
ロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6アルキ
ニル、
−(CH2)nAr、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHC
OR6およびハロゲンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望
により置換されていてもよい非芳香族飽和または不飽和C3-12シクロアルキルを
形成する(ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味である)か、または
(iii)R2およびR3は一緒になって、フェニル、ナフチル、フリル、ピロ
リル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル
、オキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル
、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、カルバゾリル、インドリ
ル、キノリルおよびプリニル(これらはすべて、ハロゲン、−OH、直鎖または分
枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6ア
ルケニル、−(CH2)nPh、−O−C1-6アルキル、−CONR6R7、-NR6R7、−COR6、
−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲンからなる群より選択される1
またはそれ以上の置換基により所望により置換されていてもよく、ここに、n、
R6およびR7は前記と同じ意味である)
からなる群より選択される芳香環を形成する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物である
;
ただし、2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベ
ンゾ
チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよび8,8−
エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H-[
1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンを除
くが、その2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H-[1]ベン
ゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよび8,8
−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H
−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン
の医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物は包含する。
本発明の式(I)の化合物のうち好ましいのは、以下の式(II):
[式中、
XはOまたはNR5であり、
ここに、R5は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖および
分枝鎖C2-6アルキニルまたは-(CH2)nAr(ここに、nは0ないし6である)から
選択され、
R1は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7
シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6ア
ルキニルおよび−(CH2)nAr(ここに、nは前記と同じ意味である)から選択され
;
R2およびR3は、
(i)水素あるか、または独立して、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(
CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分
枝鎖C2-6アルキニルおよび−(CH2)nAr(ここに、nは前記と同じ意味であ
る)から選択されるか、
(ii)R2およびR3は一緒になって、所望により1個の窒素原子を含み、エ
チレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シクロアルキ
ル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6アルキニル、−
(CH2)nAr、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6
およびハロゲンからなる群より選択される1個の置換基で所望により置換されて
いてもよい非芳香族飽和または不飽和C3-12シクロアルキルを形成する(ここに
、nは前記と同じ意味である)か、または
(iii)R2およびR3は一緒になって、フェニル、ナフチル、フリル、ピロ
リル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル
、オキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル
、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、カルバゾリル、インドリ
ル、キノリルおよびプリニルからなる群より選択される芳香環を形成する(これ
らはすべて、所望により、ハロゲン、−OH、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、−(CH2)nPh
、−O−C1-6アルキルおよびハロゲンからなる群より選択される1またはそれ
以上の置換基で所望により置換されていてもよく、ここに、nは前記と同じ意味
である)]で示される化合物であるかまたはその医薬上許容される塩、水和物ま
たは溶媒和物である;
ただし、2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベン
ゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよび8,8
−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H
−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン
を除くが、その2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H-[1]
ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよび8
,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1
H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オ
ンの医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物は包含する。
本発明の式(II)の化合物のうち好ましいのは、
式中、
XはNR5であり、
ここに、R5は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、C3- 7
シクロアルキルおよびフェニルから選択され;
R1は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、C3-7シクロア
ルキルおよびフェニルから選択され;
R2およびR3は、
(i)水素であるか、または独立して、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
C3-7シクロアルキルおよびフェニルから選択されるか、
(ii)R2およびR3は一緒になって、所望により1個の窒素複素原子を含み
、エチレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、
フェニル、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6
およびハロゲンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望によ
り置換されていてもよい非芳香族飽和または不飽和C5-7シクロアルキルを形成
するか、または
(iii)R2およびR3は、一緒になって、ハロゲン、−OH、直鎖または分枝
鎖C1-6アルキル、C3-7シクロアルキルおよびフェニルからなる群より選択され
る1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよいフェニル環を形
成するものである;
ただし、2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベン
ゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよび8,8
−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H
−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン
を除く。
本発明の化合物のうち好ましいのは:
2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラ
ゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物
および溶媒和物;
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[
2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンの医薬上許容される塩
、水和物または溶媒和物;
1,4−ジメチル−8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサ
ヒドロ−1H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジ
ン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物;
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル
−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3
−オンの医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物;
8−tert−ブトキシカルボニル−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−
4−メチル−1H−ピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[
3,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶
媒和物;および
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−ピリド[4’,3'
:4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよ
びその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物である。
赤血球産生を増進させる本発明の化合物は、以下の式(III):
[式中、
XはOまたはNR5であり、
ここに、R5は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖および
分枝鎖C2-6アルキニルまたは−(CH2)nAr(これらはすべて、−OH、−OR6、−CON
R6R7、−NR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲンから
なる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていても
よい)から選択され、
ここに、nは0ないし6であり、
R6およびR7は:
(i)水素であるか、または独立して、H、直鎖または分枝鎖C1-6ア
ルキル、C3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または
分枝鎖C2-6アルキニルおよびAr(これらはすべて、−OHおよびハロゲンからな
る群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよ
い)から選択されるか、または
(ii)同じ窒素原子に結合した場合、R6およびR7は一緒になって、ピ
ペリジル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピロリジルからなる群より選択さ
れる環を形成でき;
R1は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、 −(CH2)nC3-7
シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6ア
ルキニルおよび−(CH2)nAr(これらはすべて、−OH、−OR6、−CONR6R7、−NR6R7
、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲンからなる群より選択
される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよい)から選択
され、
ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味であり;
R2およびR3は、
(i)水素であるか、または独立して、H、直鎖または分枝鎖C1-6アルキ
ル、−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖ま
たは分枝鎖C2-6アルキニルおよび−(CH2)nAr(これらはすべて、−OH、−OR6、
−CONR6R7、−NR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲ
ンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されて
いてもよく、ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味である)から選択され
るか、または
(ii)R2およびR3は一緒になって、所望により1または2個の複素原子を
含み、エチレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シク
ロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6アルキ
ニル、−(CH2)nAr、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、-CO2R6、−SO2NHR6、
−NHCOR6およびハロゲンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で
所望により置換されていてもよい非芳香族飽和または不飽和C3-12シクロアルキ
ルを形成する(ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味である)か、または
(iii)R2およびR3は一緒になって、フェニル、ナフチル、フリル、ピロ
リル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル
、オキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル
、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、カルバゾリル、インドリ
ル、キノリルおよびプリニル(これらはすべて、所望により、ハロゲン、−OHN
直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分
枝鎖C2-6アルケニル、−(CH2)nPh、−O−C1-6アルキル、−CONR6R7、−NR6
R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6およびハロゲンからなる群より選
択される1またはそれ以上の置換基により所望により置換されていてもよく、こ
こに、n、R6およびR7は前記と同じ意味である)
からなる群より選択される芳香環を形成する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物である
。
赤血球産生を増進させる本発明の前記式(III)の化合物のうち好ましいのは
、以下の式(IV):
[式中、
XはOまたはNR5であり、
ここに、R5は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖および
分枝鎖C2-6アルキニルまたは−(CH2)nArから選択され、
ここに、nは0ないし6であり;
R1は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7
シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6ア
ルキニルおよび−(CH2)nArから選択され、
ここに、nは前記と同じ意味であり;
R2およびR3は、
(i)水素であるか、または独立して、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または
分枝鎖C2-6アルキニルおよび−(CH2)nAr(ここに、nは前記と同じ意味である
)から選択されるか、または
(ii)R2およびR3は一緒になって、所望により1個の窒素原子を含み、エ
チレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シクロアルキ
ル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6アルキニル、−
(CH2)nAr、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6
およびハロゲンからなる群より選択される1個の置換基で所望により置換されて
いてもよい非芳香族飽和または不飽和C3-12シクロアルキルを形成する(ここに
、nは前記と同じ意味である)か、または
(iii)R2およびR3は一緒になって、フェニル、ナフチル、フリル、ピロ
リル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル
、オキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル
、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、カルバゾリル、インドリ
ル、キノリルおよびプリニル(これらはすべて、所望により、ハロゲン、−OH、
直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シクロアルキル、直鎖または分
枝鎖C2-6アルケニル、−(CH2)nPh、−O−C1-6アルキルおよびハロゲンから
なる群より選択される1またはそれ以上の置換基により所望により置換されてい
てもよく、ここに、nは前記と同じ意味である)
からなる群より選択される芳香環を形成する]
を有するものまたはその医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物である。
本発明の式(IV)の化合物のうち好ましいのは 式中、
XがNR5であり、
ここに、R5は水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、C3- 7
シクロアルキル、およびフェニルから選択され、
R1が水素であるか、または直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、C3-7シクロア
ルキルおよびフェニルから選択され、
R2およびR3が、
(i)水素であるか、または独立して、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、
C3-7シクロアルキルおよびフェニルから選択されるか、
(ii)R2およびR3は一緒になって、所望により1個の窒素複素原子を含み
、エチレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、
フェニル、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6
およびハロゲンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望によ
り置換されていてもよい非芳香族飽和または不飽和C5-7シクロアルキルを形成
するか、または
(iii)R2およびR3が一緒になって、ハロゲン、−OH、直鎖または分枝鎖
C1-6アルキル、C3-7シクロアルキルおよびフェニルからなる群より選択される
1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていてもよいフェニル環を形成
するものである;
ただし、2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベ
ンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよび8,
8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1
H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オ
ンを除く。
本発明の赤血球産生を増進させる好ましい化合物は:
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[
2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容さ
れる塩、水和物および溶媒和物;
2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラ
ゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物
および溶媒和物;
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル
−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3
−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物;
1,4−ジメチル−8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサ
ヒドロ−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジ
ン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物;
8−tert−ブトキシカルボニル−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−
4−メチル−1H-ピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3
,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒
和物;および
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−ピリド[4’,3'
:4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよ
びその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物である。
式(III)の化合物は本発明の医薬組成物に含まれ、本発明の方法において用
いられる。
本明細書において用いる「Ar」なる用語は、フェニル、ナフチル、フリル、ピ
ロリル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリ
ル、オキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、カルバゾリル、インド
リル、キノリルまたはプリニルを意味する。
本明細書において用いる「Cx-yシクロアルキル」なる用語は、Xないしy個
の
炭素を有する非芳香族、不飽和または飽和、環状または多環式化合物を意味する
。要すれば、「Cx-yシクロアルキル」は1または2個の複素原子を含みうる。
本明細書において用いる「Cx-yシクロアルキル」の例は:シクロヘキシルお
よびシクロペンチルを包含する。
本明細書において用いる「複素原子」なる用語は、OまたはNを意味する。
本明細書において用いる「ハロゲン」なる用語は、F、Cl、BrまたはIを
意味する。
式(I)の化合物は、以下のスキームIに示すようにして調製される。ただし
、置換基「R」はスキームIのプロセスが操作不能になるような置換基は包含し
ない。
スキーム(I) 式(I)の化合物の調製
スキーム(I)は式(2)の化合物からの式(I)の化合物の調製の概要を示
す。
式(2):
[式中、R2およびR3は前記の通りである]
のケトンをシアノ酢酸エチルと、トルエンなどの溶媒中、還流温度で、ジエチル
アミンなどのアミンの存在下、ディーン・スターク装置を用いて水を共沸除去し
ながら反応させて、式(3):
のシアノエステルを得る。
式(3)のシアノエステルを溶媒、好ましくはエタノール中、ジエチルアミン
などのアミンの存在下に硫黄原子と反応させることにより、式(4):のチオフェン−3−カルボキシレートを得る。
式(4)の化合物を、式(5):
[式中、R1は前記の通りである]
の3−エトキシクロトネートで、トルエンなどの適当な溶媒中、還流温度で、カ
ンフルスルホン酸などの酸触媒の存在下で、ディーン・スタークトラップを用い
て水を共沸除去しながら処理する。得られた物質を1Mナトリウムエトキシド溶
液で処理し、還流して、式(6):
のチエノ[2,3−b]ピリジンを得る。
式(6)の化合物を還流温度でオキシ塩化リンと反応させ、式(7):
のクロロチエノ[2,3−b]ピリジンを得る。
式(6)の化合物をピリジン中0℃で無水トリフルオロメタンスルホン酸と反
応させ、水性後処理に付し、式(8):のトリフルオロメタンスルホン酸誘導体を得る。
式(7)の化合物または式(8)の化合物のいずれかを、式(9):
[式中、R5は前記の通りである]
のヒドラジン誘導体と、メタノールなどの溶媒中、還流温度で反応させ、XがNR5
である式(I)の化合物を得る。
別法として、式(7)の化合物または式(8)の化合物のいずれかを、構造式
(10):
のヒドロキシルアミンと、メタノールなどの溶媒中、還流温度で、トリエチルア
ミンまたは水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させて、XがOである式
(I)の化合物を得る。
本発明の範囲内の化合物の医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物を適当
ならば当業者に周知の方法により形成する。
式(I)の本発明の化合物の調製において、以下の式(V):[式中、
R1は式(I)において記載した通りであり;
R2およびR3は、一緒になって、所望により1または2個の複素原子を含み、
エチレンジオキシ、直鎖または分枝鎖C1-6アルキル、−(CH2)nC3-7シクロアル
キル、直鎖または分枝鎖C2-6アルケニル、直鎖または分枝鎖C2-6アルキニル、
(CH2)nAr、−OH、−OR6、−CONR6R7、−COR6、−CO2R6、−SO2NHR6、−NHCOR6
およびハロゲンからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望によ
り置換されていてもよい非芳香族飽和または不飽和C3-12シクロアルキルを形成
し、
ここに、n、R6およびR7は前記と同じ意味である]
の新規中問体が合成される。
式(I):
[式中、XはNR5であり、NR5、R1、R2およびR3は式(I)においてすでに記
載した通りである]
の化合物(例外を含む)、およびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物
の好ましい製法は、式:
[式中、R1、R2およびR3は前記の通りである]の化合物を式:
[式中、R5は前記式(I)に記載した通りである]
のヒドラジン誘導体と、メタノールなどの溶媒中、還流温度で反応させ、その後
所望によりその医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物を形成することを含
む。
式(I):
[式中、XはNR5であり、NR5、R1、R2およびR3は式(I)においてすでに記
載した通りである]
の化合物(例外を含む)、およびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物
の好ましい製法は、式:
[式中、R1、R2およびR3は前記の通りである]
の化合物を、式:
[式中、R5は前記式(I)に記載した通りである]
のヒドラジン誘導体と、メタノールなどの溶媒中、還流温度で反応させ、その後
所望によりその医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物を形成することを含
む。
式(I):
[式中、XはOであり、R1、R2およびR3は前記式(I)において記載した通
りである]
の化合物(例外を含む)およびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物
の好ましい製法は、式:
[式中、R1、R2およびR3は前記式(I)において記載した通りである]
の化合物を、構造式:
のヒドロキシルアミンと、メタノールなどの溶媒中、還流温度でトリエチルアミ
ンまたは水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させ、その後、所望により
その医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物を形成することを含んでなる。
式(I):[式中、XはOであり、R1、R2およびR3は前記式(I)において記載した通
りである]
の化合物(例外を含む)およびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物
の好ましい調製法は、式:
[式中、R1、R2およびR3は前記の通りである]の化合物を構造式:
のヒドロキシルアミンと、メタノールなどの溶媒中、還流温度でトリエチルアミ
ンまたは水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させ、その後、所望により
その医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物を形成することを含んでなる。
本発明の医薬上活性な化合物は赤血球産生を増進させるので、貧血、血球減少
症および赤血球産生の減少を伴う他の症状の治療において治療上有用性を有する
。
赤血球産生を増進させる本発明の化合物の効力の測定において、以下の方法を
採用した。
本発明の化合物の、エリスロポイエチン(EPO)依存性UT7/EPO人細胞系の細胞
増殖に対する効果
UT7/EPO細胞は、その細胞表面上で人EPOレセプターを発現し、細胞増殖によ
り、EPOに反応する。EPOまたは本発明の化合物に反応したUT7/EPO
細胞の増殖は、ティー・モスマン(T.Mosmann)(1983)ジャーナル
・オブ・イムノロジカル・メソッズ(J.Immunol.Methods)細
胞増殖および生存性に関する即時比色検定:増殖および細胞毒性検定への応用
65:55−63]に記載されているようなMTT検定を用いて定量した。UT7/EP
O細胞を、増殖培地(L−グルタミンおよび25mM HEPES緩衝液を含むIsc
ove修飾ダルベッコ培地)(IMDM培地)中で0.4U/mlの組換えヒトEPO(Amge
n)および10%牛胎仔血清(FBS)を用いて約5×105個/mlの細胞濃度ま
で増殖させた。細胞を遠心分離(〜600×g)により集め、EPOまたはFBSを含
まないIMDM中2回洗浄した。細胞を10%FBSを含むIMDM培地または血清を含ま
ない培地中、5×105個/mlで再懸濁した。100マイクロリットルのアリ
コートを96ウェルのマイクロタイタープレートのウエルに添加した。本発明の
化合物(またはEPO)を、最終体積を0.1mlに維持しながら連続希釈によりウ
ェルに添加した。処理した細胞を加湿インキュベーター中、37℃、5%CO2で
2ないし3日間インキュベートした。インキュベーション期間の最後に、0.0
4mgのMTT[(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェ
ニルテトラゾリウムブロミド]を各ウェルに0.025m1添加し、4時間インキ
ュベートした。0.01N HCl中10%SDSの添加によりMTT反応を停止させ、3
7℃で一夜溶解させた。増殖を比色により570/750nMでバイオテクIIマ
イクロプレートリーダーを用いて定量した。OD570/750における増加は細胞増殖
に比例する。
本発明の範囲内にある化合物を試験し、UT7/EPO細胞におけるMTT活性の1(
μM)ないし>66(μM)のEC50活性を示した。本発明の化合物および本発明
の医薬組成物および本発明の方法において用いられる化合物のうち特に好ましい
のは:
2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラ
ゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物
および溶媒和物;
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[
2,
3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンの医薬上許容される塩、水
和物または溶媒和物;
1,4−ジメチル−8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサ
ヒドロ−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン
−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物;
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル
−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3
−オンの医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物;
8−tert−ブトキシカルボニル−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−
4−メチル−1H−ピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[
3,4−d]ピリジン−3−オンおよびその医薬上許容される塩、水和物および溶
媒和物;
および
2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−ピリド[4’,3'
:4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンおよ
びその医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物である。
本発明の範囲内の化合物はさらに、準最適濃度のEPOの存在下でUT7/EPOの増
殖を剌激する。
本発明の範囲内の医薬上活性な化合物は、これを必要とする人間を含む哺乳動
物における赤血球産生の増進に有用である。
本発明の医薬上活性な化合物は、カプセル、錠剤または注射可能な製剤などの
都合よい投与形態に配合される。固体または液体医薬担体を用いる。固体担体は
、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、石膏、スクロース、タルク
、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびステ
アリン酸を包含する。液体担体は、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、食塩
水および水を包含する。同様に、担体または希釈剤は、グリセリルモノステアラ
ートまたはグリセリルジステアラートなどの徐放性物質を単独またはワックスと
ともに含んでもよい。固体担体の量は広範囲におよぶが、好ましくは投与単位当
たり約25mgないし約1gである。液体担体を用いる場合、製剤はシロップ、
エ
リキシル、乳剤、ソフトゼラチンカプセル、滅菌注射液体、たとえばアンプル、
または水性または非水性液体懸濁液の形態にされる。
医薬製剤は、錠剤については混合、造粒、および必要ならば圧縮、または成分
の混合、充填および適当ならば溶解を含む望ましい経口または非経口製品を得る
薬剤師の通常の技術にしたがって調製される。
本発明の医薬上活性な化合物の前記のような医薬投与単位の用量は、好ましく
は患者の体重1kgあたり0.001mgと100.0mgの範囲、好ましくは0
.001ないし10mg/kgから選択される有効で非毒性の量である。活性化
合物は赤血球産生の増進を必要とする患者に、静脈内、筋肉内、経口、皮下、皮
内、および非経口を含むがこれに限定されない通常の投与経路により投与される
。赤血球産生の増進を必要とする人間の患者を治療する場合、選択された用量を
好ましくは毎日1ないし6回、経口または非経口で投与する。非経口投与の好ま
しい形態は、局所、直腸、経皮、注射または連続注入を包含する。人間への投与
に関する経口投与単位は、好ましくは0.05ないし500mgの活性化合物を
含む。経口投与は低用量を用いるので好ましい。非経口投与は、高用量であるが
、患者にとって安全かつ好都合ならば用いることができる。
投与される最適用量は当業者により容易に決定でき、用いられる特定の医薬上
活性な化合物、製剤の強度、投与様式、および症状の進行により変化する。治療
される特定の患者に依存する追加的要因は患者の年齢、体重、食事、および投与
の時間を包含する。
本発明の人間を含む哺乳動物における赤血球産生の増進法は、このような治療
を必要とする患者に赤血球産生増進に有効な量の本発明の医薬上活性な化合物を
投与することを含んでなる。
本発明はさらに赤血球産生の増進において用いる医薬の製造における式(III
)の化合物の使用を提供する。
本発明はさらに、式IIIの化合物と医薬上許容される担体とを含んでなる貧血
の治療において用いる医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、式IIIの化合物と医薬上許容される担体とを含んでなる血球
減少症の治療において用いる医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、医薬上許容される担体または希釈剤および式IIIの化合物を
含む医薬組成物の調製法であって、式IIIの化合物を医薬上許容される担体また
は希釈剤と合することを含んでなる方法を提供する。
本発明の化合物を本発明にしたがって投与した場合に許容できない毒性は考え
られない。
加えて、本発明の医薬上活性な化合物は、さらに、赤血球産生を増進させるこ
とが知られている他の化合物などの活性成分と同時投与することができる。
さらに努力することなく、当業者はすでに記載した事項を用い、本発明を最大
限に活用することができると考えられる。以下の実施例はしたがって単に例示的
なものであって、本発明の範囲をなんら制限するものではないと考えられる。
実験の詳細 実施例1 2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエ ノ [2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンの調製 a)4−ヒドロキシ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1]ベンゾ
チエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カル
ボン酸エチル(8.9g、39ミリモル)および3−エトキシクロトン酸エチル
(12.4g、78ミリモル)のトルエン(300mL)中溶液をカンフルスル
ホン酸(0.78g、3.4ミリモル)で処理し、ディーンスタークトラップを
用いて3時間反応混合物を還流温度に加熱した。混合物を室温に冷却し、続いて
新た
に調製したナトリウムエトキシドの1M溶液(48mL、48ミリモル)で処理
した。添加完了後、反応混合物を還流温度で3時間加熱した。混合物を冷却し、
濃縮し、残渣を酢酸エチル中に溶解させた。酢酸(2mL)を添加し、溶媒を蒸
発させ、得られた固体をメタノールで磨砕して、灰白色固体の標記化合物を得た
(8.4g、74%)。融点140℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.48(
q,J=7.2Hz,2H)、3.04(br s,2H)、2.81(s,3H)、2
.80(br s,2H)、1.87(br s,4H)、1.47(t,J=7.2H
z,3H);C15H17NO3Sとしての元素分析:理論値 C=61.83;H=5
.88;N=4.81;測定値
C=61.69;H=5.81;N=4.73
b)4−クロロ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1]ベンゾチエ
ノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
実施例1(a)の化合物(8.0g、27.4ミリモル)のオキシ塩化リン(
100mL)中溶液を3.5時間還流した。オキシ塩化リンを真空下で除去し、
残渣油状物を酢酸エチル中に溶解させ、5%水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、
無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、結晶性固体の標記化合
物を得た(8.5g、95%)。融点65−66℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)
δ4.47(q,J=7.1Hz,2H)、3.10(br s,2H)、2.85(
br s,2H)、2.60(s,3H)、1.89(br s,4H)、1.43(t,
J=7.1Hz,3H);C15H16ClNO2S・5/4H2Oとしての元素分析:理論
値C=57.73;H=5.25;N=4.49;測定値 C=57.69;H
=5.08;N=4.30
c)2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H-[1]ベンゾチエ
ノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン塩酸塩
実施例1(b)の化合物(2.0g、6.4ミリモル)のメタノール(50m
L)中溶液をヒドラジン一水和物(10mL)で処理し、得られた混合物を16
時間還流温度で加熱した。反応物を希塩酸水溶液上に注ぎ、黄色固体の標記化合
物が析出した(1.8g)。1H NMR(400MHz、d4−MeOH)δ3.01(br
s,2H)、3.00(s,3H)、2.92(br s,2H)、2.00(br s,
4H);C13H13N3OS・HCl・1/4H2Oとしての元素分析:理論値 C=52
.00;H=4.87;N=13.99;測定値 C=51.92;H=5.0
1;N=13.70
実施例2 2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾ ロ [3,4−d]ピリジン−3−オンの調製 a)4−クロロ−2−メチル−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン−2
−カルボン酸エチル
実施例1(b)の化合物(400mg、1.3ミリモル)のトルエン(20m
L)中溶液をDDQ(1.8g、8.0ミリモル)で処理し、得られた懸濁液を
100℃で24時間還流した。混合物を濾過し、溶媒を蒸発させ、粗物質をフラ
ッシユクロマトグラフィー(シリカゲル、9:1 ヘキサン:酢酸エチル)によ
り精製して、固体の標記化合物を得た(400mg):融点111−112℃;C1 5
H12ClNO2Sとしての元素分析:理論値 C=58.92;H=3.96;N=
4.58;測定値 C=58.78;H=3.84;N=4.56
b)2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピ
ラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オン
実施例2(a)の化合物(160mg、0.52ミリモル)のメタノール(1
0mL)中溶液をヒドラジン一水和物(2mL)で処理し、得られた混合物を2
4時間還流温度で加熱した。溶液を減圧下で濃縮した後、これを希塩酸水溶液上
に注ぎ、黄色固体の標記化合物が析出した(140mg、90%):C13H9N3OS
・0.25H2Oとしての元素分析:理論値 C=59.01;H=3.81;N
=15.90;測定値 C=59.38;H=3.80;N=15.58
実施例3 8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル− 1H−1[ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オ ンの調製 a)2−シアノ−2−(4,4−エチレンジオキシシクロヘキシリデン)酢酸エチ
ル
1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(25g、0.160モ
ル)およびシアノ酢酸エチル(18g、0.160モル)のトルエン(400m
L)中混合物にジエチルアミン(25g、0.337モル)を室温で滴下した。
反応混合物を還流温度で一夜加熱した(ディーンスターク装置を使用)。混合物を
冷却し、酢酸エチルおよび飽和水性炭酸水素ナトリウム間で分配した(3回)。有
機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、エタノールか
ら再結晶して、白色固体の標記化合物を得た(15.8g、45%)。融点80−
81℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.28(q,J=7.2Hz,2H)、4
.00(s,4H)、3.18(t,J=6.5Hz,2H)、2.85(t,J=6.
5Hz,2H)、1.89(t,J=6.5Hz,2H)、1.82(t,J=6.5H
z,2H)、1.35(t,J=7.1Hz,3H)
b)2−アミノ−6,6−エチレンジオキシ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
[b]チオフェン−3−カルボン酸エチル
0℃の実施例3(a)の化合物(10g、45.6ミリモル)、硫黄(1.6g
、50.2ミリモル)のエタノール(164mL)中懸濁液に、ジエチルアミン
(3.6g、50.2ミリモル)のエタノール(26mL)中溶液を滴下した。
得られた溶液を0℃で1時間、次に室温で3.5時間攪拌した。反応混合物を酢
酸エチルで急冷し、飽和水性塩化アンモニウム溶液で分配した。水性相を酢酸エ
チルで抽出し、有機抽出物を食塩水で洗浄した。合した有機抽出物を硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、
5から10% CH2Cl2:EtOAcの勾配)にかけて、油状の標記化合物を得た(11
.3g、87%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.25(q,J=7.1Hz
,2H)、4.02(s,4H)、2.92(t,J=6,5Hz,2H)、2.74(s,
2H)、1.90(t,J=6.6Hz,2H)、1.33(t,J=7.IHz,3
H)
c)7,7−エチレンジオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチル−5,6,7,8−テ
トラヒドロ[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
室温の実施例3(b)の化合物(11.2g、39.5ミリモル)のトルエン
(307mL)中溶液に3−エトキシクロトン酸エチル(12.4g、78.6
ミリモル)およびカンフルスルホン酸(0.78g、3.4ミリモル)を添加し
た。反応混合物を還流温度でディーンスタークトラップを用いて3.5時間加熱
した。混合物を次に冷却し、これに新たに調製した新たに調製したナトリウムエ
トキシドの1M溶液(49mL)を滴下した。添加完了後、反応混合物を還流温
度で3時間加熱した。混合物を冷却し、沈殿を濾過した。塩をメタノール(60
mL)中に溶解させた後、これに水(500mL)および酢酸(2mL)を添加
して、黄色固体の標記化合物を得た(10.4g、76%)。融点94−95℃;1
H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.48(q,J=7.1Hz,2H)、4.06(
s,4H)、3.26(t,J=6.5Hz,2H)、3.02(s,2H)、2.81(
s,3H)、2.02(t,J=6.5Hz,2H)、1.47(t,J=7.1H
z,3H);MS(ESI)m/z350[M+H]+;C17H19NO5Sとしての元素分
析:理論値 C=58.44;H=5.48;N=4.01;測定値 C=58
.34;H=5.46;N=3.86
d)7,7−エチレンジオキシ−4−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−2
−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピリ
ジン−3−カルボン酸エチル
室温の実施例3(c)の化合物(5.0g、14.3ミリモル)のピリジン(
50mL)中溶液に無水トリフルオロメタンスルホン酸(4.0g、14.2ミ
リモル)を滴下した。反応混合物を完了するまで0℃で4時間攪拌した。反応混
合物を水性硫酸銅溶液(3回)、続いて水(2回)、および食塩水(2回)で洗浄し
た。有機層を蒸発させ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。フ
ラッシユクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1ヘキサン:酢酸エチル)によ
り精製して、淡黄色固体の標記化合物を得た(3.7g、54%)。融点133−
134℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.43(q,J=7.2Hz,2H)
、4.06(s,4H)、3.16(t,J=6.5Hz,2H)、3.10(s,2H)
、2.77(s,3H)、2.03(t,J=6.8Hz,2H)、1.41(t,J=
7.1Hz,3H);MS(ESI)m/z482[M+H]+;C18H18F3NO7S2と
しての元素分析:理論値 C=44.90;H=3.77;N=2.91;測定
値 C=45.03;H=3.62;N=2.89
e)8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチ
ル−1H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−
3−オン
室温の実施例3(d)の化合物(2.4g、5.0ミリモル)のメタノール(
40mL)中溶液に、ヒドラジン一水和物(4.1g、82.3ミリモル)を添
加した。反応混合物を還流温度で3時間加熱した。混合物を冷却し、pH7水性
緩衝液および酢酸エチル間で分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し
、
濾過し、真空中で濃縮し、メタノール/酢酸エチルから再結晶して、淡黄色固体
の標記化合物を得た(0.99g、60%)。1H NMR(400MHz、d4−MeOH)
δ4.05(s,4H)、3.15(t,J=6.5Hz,2H)、3.04(s,2H)
、2.82(s,3H)、2.06(t,J=6.5Hz,2H);MS(ESI)m/z3
18[M+H]+;C15H15N3O3S・0.25H2Oとしての元素分析:理論値
C=55.97;H=4.85;N=13.05;測定値 C=55.85;
H=4.75;N=13.30
実施例4 1,4−ジメチル−8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒ ドロ−11]ベゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オ ンの調製 1,4−ジメチル−8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒ
ドロ−1H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン
−3−オン
室温の実施例3(d)の化合物(0.4g、0.83ミリモル)のメタノール
(6.7mL)中溶液を、メチルヒドラジン(0.16g、3.45ミリモル)
で処理し、混合物を還流温度で2時間加熱した。混合物を冷却し、150mgの
2,4−ジメチルレジオアイソマーを含有する沈殿を濾過した。濾液を蒸発させ
、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80:20:5 酢酸エチル:
メタノール:酢酸で溶出)により精製して、黄色固体の標記化合物を得た(22
mg)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.03(s,4H)、3.73(s,3H)
、3.76(t,J=6.0Hz,2H)、3.00(s,2H)、2.80(s,3
H)、2.03(t,J=6.0Hz,2H);MS(ESI)m/z322(M+H)+ 実施例5 8−tert−ブトキシカルボニル−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4 −メチル−1H−ピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3 ,4−d ピリジン−3−オンの調製 a)N−tert−ブトキシカルボニル−4−(1−シアノ−1−エトキシカル
ボニル)メチルピペリジン
N−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリドン(25g、0.125モ
ル)およびシアノ酢酸エチル(18g、0.160モル)のトルエン(400m
L)中混合物にジエチルアミン(18.25g、0.25モル)を室温で滴下し
た。反応混合物を還流温度で一夜加熱した(ディーンスターク装置を使用)。混合
物を冷却し、酢酸エチルおよび飽和水性炭酸水素ナトリウム間で分配した(3回)
。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、38g
の粗物質を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(70:30ヘキサン:酢酸エ
チル)により精製して、白色固体の標記化合物を得た(22.2g、60%)。1H
NMR(300MHz、CDCl3)δ4.31(q,J=7.1Hz,2H)、3.63(t,J
=5.5Hz,2H)、3.56(t,J=5.5Hz,2H)、3.12(t,J=5
.5Hz,2H)、2.78(t,J=5.5Hz,2H)、2.83(s,3H)、1
.48(s,9H)、1.35(t,J=7.1Hz,3H);MS(ESI)m/z295
[M+H]+
b)2−アミノ−8−tert−ブトキシカルボニル−4,5,6,7−テトラヒ
ド
ロピリド[4’,3':4,5]チオフェン−3−カルボン酸エチル
0℃の実施例5(a)の化合物(17g、58ミリモル)および硫黄(2.0
8g、65ミリモル)のエタノール(160mL)中懸濁液に、ジエチルアミン
(4.75g、65ミリモル)のエタノール(160mL)中溶液を滴下し、混
合物を0℃で1時間、次に室温で15時間攪拌した。得られた固体沈殿を濾過し
、濾液を水で希釈して、更なる量の沈殿を得た。全体で15.6gの標記化合物
を得た(82.5%):融点153−154℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ
4.35(s,2H)、4.27(q,J=7.2Hz,2H)、3.62(t,J=5
.8Hz,2H)、2.80(t,J=5.8Hz,2H)、1.48(s,9H)、1
.34(t,J=7.2Hz,3H)
c)7−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−2−メチル−5,6
,7,8−テトラヒドロピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピリジ
ン−2−カルボン酸エチル
室温の実施例5(b)の化合物(14.0g、42.9ミリモル)のトルエン
(300mL)中溶液を3−エトキシクロトン酸エチル(13.6g、85.8
ミリモル)およびカンフルスルホン酸(1.0g、4.3ミリモル)で処理し、
得られた混合物を還流温度でディーンスタークトラップを用いて3.5時間加熱
した。冷却後、反応混合物をナトリウムエトキシド(55ミリモル)のエタノー
ル(60mL)中溶液で処理した。添加完了後、反応混合物を還流温度で3時間
加熱した。混合物を冷却し、酢酸でpH6に中和した。これを次に酢酸エチルで
抽出し、得られた溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して
、14.5gの油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(95:5ジクロ
ロメタン:酢酸エチル)により精製して、白色固体の標記化合物を得た(11.
5g、77%);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ12.8(s,1H)、4.65(
s,2H)、4.49(q,J=7.1Hz,2H)、3.75(t,J=5.6Hz,
2H)、3.13(t,J=5.6Hz,2H)、2.83(s,3H)、1.50(s
,9H)、1.48(t,J=7.1Hz,3H)
d)7−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−4−トリフルオロメチル
スルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4’,3':4,5]チエ
ノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
実施例5(c)の化合物(3.48g、10ミリモル)のピリジン(25mL
)中溶液に無水トリフルオロメタンスルホン酸(6.0g、2.5ミリモル)を
アルゴン雰囲気下、−30℃で滴下した。反応混合物を−30℃で30分間、室
温で1時間攪拌した。これを次に水性硫酸銅溶液(3回)、続いて水(2回)、およ
び食塩水(2回)で洗浄した。有機層を蒸発させ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥
させ、真空中で濃縮し、淡黄色固体の標記化合物を得た(4.38g、83.5
%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.73(s,2H)、4.44(q,J=7
.1Hz,2H)、3.75(t,J=5.6Hz,2H)、3.05(t,J=5.6
Hz,2H)、2.79(s,3H)、1.51(s,9H)、1.42(t,J=7.1
Hz,3H);MS(ESI)m/z525[M+H]+
e)8−tert−ブトキシカルボニル−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ
−4−メチル−1H−ピリド[4’,3':4,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ
[3,4−d]ピリジン−3−オン
室温の実施例5(d)の化合物(4.0g、7.6ミリモル)のメタノール(
50mL)中溶液に、ヒドラジン一水和物(3.0g、75ミリモル)を添加し
た。反応混合物を還流温度で15時間加熱した。混合物を溶媒約10mLに濃縮
し、これを次に水で希釈した。得られた固体を濾過して、白色粉末の標記化合物
を得た(1.7g、62%)。融点>300℃;1H NMR(400MHz、d6−DMSO)
δ4.63(s,2H)、3.71(t,J=5.6Hz,2H)、3.33(t,J=
5.6Hz,2H)、2.69(s,3H)、1.44(S,9H);C17H20N4O3S
としての元素分析:理論値 C=56.65;H=5.59;N=15.54;
測定値C=56.59;H=5.63;N=15.55;MS(ESI)m/z36
1[M+H]+ 実施例6 2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−ピリド[4',3':4 , 5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オンの調製 2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−ピリド[4',3':4
,5]チエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3−オントリフル
オロ酢酸塩
実施例5(e)の化合物(0.50g、1.39ミリモル)のジクロロメタン
(15mL)中懸濁液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を添加し、得られた透明
溶液を室温で1.5時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次に酢酸エチルで
希釈して、黄色がかった固体物質の標記化合物を得た(0.494g、96%)。
融点200−203℃(分解);1H NMR(400MHz、d6−DMSO)δ4.48(s
,2H)、3.55(t,J=5.6Hz,2H)、3.25(t,J=5.6Hz,2
H)、2.77(s,3H);MS(ESI)m/z261[M+H]+ 実施例7
式(III)の化合物の投与用経口投与形態を、以下の第1表に示した割合の成
分のスクリーニング、混合、およびハードゼラチンカプセル中への充填により調
製した。
第I表 成分 配合量
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ− 50mg
4−メチル−1H-[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ
[3,4−d]ピリジン−3−オン
ステアリン酸マグネシウム 5mg
ラクトース 75mg
実施例8
以下の第II表に示すスクロース、硫酸カルシウム二水和物および式(III)の
化合物を示した割合で10%のゼラチン溶液と混合し、造粒する。湿潤顆粒をス
クリーンし、デンプン、タルクおよびステアリン酸と混合し、スクリーンし、圧
縮して錠剤にする。
第II表 成分 配合量
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ− 100mg
4−メチル−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ
[3,4−d]ピリジン−3−オン
硫酸カルシウム二水和物 150mg
シュークロース 20mg
デンプン 10mg
タルク 5mg
ステアリン酸 3mg
実施例9
8,8−エチレンジオキシ−2,3,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−4−メチル
−1H−[1]ベンゾチエノ[2,3−b]ピラゾロ[3,4−d]ピリジン−3
−オン75mgを25mlの標準食塩水中に分散させて、注射可能な製剤を調製
した。
以上、本発明の好ましい具体例を記載したが、本発明は本明細書に開示した事
項に限定されるのではなく、以下の請求項の範囲内にあるすべての修正も確保さ
れる。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 498/14 C07D 498/14
498/22 498/22
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,BB,BG
,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL,
IS,JP,KG,KP,KR,LK,LR,LT,L
V,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL
,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,US,
UZ,VN