22【発明の詳細な説明】
ガラクトピラノシド類とそれらの使用
本発明は、単純な合成法、炭水化物に基づく生成物、及び種々の炭水化物に基
づく生成物の実際的使用に関する。これについての例は、(Galα1−3Ga
l)、GlcNAcβ1−3Gal、それのα−又はβ−グリコシド類、Gal
α1−3Gal−含有三糖類又は四糖以上のオリゴ糖類、それらのα−又はβ−
グリコシド類、GlcNAcβ1−3Gal含有三糖類、四糖類又は5糖以上の
オリゴ糖類、及びこれらのいずれかの誘導体類及び/又はα−若しくはβ−グリ
コシド類、Galα1−3GalGlcNAcβ1−3Gal、それのα−又は
β−グリコシド類、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Gal
β1−4Glc又はその他のGalα1−3Gal−構造を含有する高度のオリ
ゴ糖類、それらのα−又はβ−グリコシド類、修飾炭水化物類、炭水化物構造を
含有する2−、3−、オリゴ−又は多官能性生成物、及び合成、アフィニティー
精製、診断適用及び治療のための生成物の使用である。
最近数年間に、特に糖タンパク質類、糖脂質類、プロテオグリカン類及びグリ
コアミノグリカン類の形でヒト、動物及び植物中に存在するいわゆる生物学的に
活性な炭水化物類の例えば診断薬及び治療薬の範囲内での合成及び適用に対する
大きな関心が生じてきた。これらの炭水化物類の例は、各々GalNAcα1−
3(Fucα1−2)Galβ−及びGalα1−3(Fucα1−2)Gal
β−の構造を有する例えばA型及びB型決定基の物質のような血液型関連物質で
ある。最近数年間には、例えばGalα1−3Galβ−を含有する炭水化物構
造に大きな関心が生じてきたが、これはこのタイプの構造が牛における感染性疾
患例えば(下痢)を惹起する病原体の結合において極めて重要であることが判明し
たためであり、さらに抗原性構造として例えば様々な癌細胞がこのエピトープを
発現し、さらにGalα1−3Galβ1−4GlcNAc−エピトープが様々
なタイプの癌に対するワクチン化のために興味深いからである。
同様にブタ臓器もGalα1−3Galβ−エピトープ及びこの構造を含有す
る長鎖炭水化物構造を発現する。このため、最近2、3年間には例えばGalα
1−3Galβ−を含有する炭水化物構造、及びこの構造を含有するオリゴ糖類
、
例えばGalα1−3Galβ1−4GlcNAc及びGalα1−3Galβ
1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glcの使用と関連した可能性ある
異種組織移植に相当に大きな関心が生じてきた。このタイプの構造は、ヒトを含
む他の種へ移植されたブタ臓器の一次抗体媒介性拒絶反応(超急性拒絶反応:H
AR)に対する原因であると思われる。
同一の問題は、臓器ドナーの血液型がレシピエントの血液型と異なる場合には
ヒトからヒトへの移植においても発生するであろう。これは、特に急性状態の患
者のための適切なドナー臓器の入手可能性を制限する。
上記で言及した構造に加えて、GlcNAcβ1−3Gal及びこの構造を含
有する例えばGalβ1−3GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glcのよう
な三糖類、四糖類又は五糖以上のオリゴ糖類は抗生物質の代用品となり得るため
興味深いが、それは例えば呼吸器病原菌はそうした炭水化物構造を通して気道に
結合することが知られているからである。そうした構造の化合物、又はそれらの
誘導体類を用いて感染症を抑制する可能性については相当に関心が高い。
治療的適用に加えて、例えば該構造がアガロースのような分離材料に結合させ
られるアフィニティークロマトグラフィーを使用することによる細胞、酵素及び
タンパク質の分離又は除去のための例えば上記で言及した構造には多大な関心が
集まっている。例えばグリコシルトランスフェラーゼ類(受容体基質として糖構
造を使用する)、レクチン類、抗体類のような構造に対して特異性を有するタン
パク質類及びその他のタンパク質類の分離のためにそうした分離材料を使用する
ことは極めて興味深い。
同様に、細胞(例えば病原菌)、酵素、抗体、他の炭水化物結合タンパク質を
測定するための診断用試薬としての前記構造の適用も相当に関心が高い。
1つの例はバイオセンサー(例、バイアコア[BiaCore]、ファルマシ
ア[Pharmacia]社)における適用である。この場合、炭水化物構造は
表面に結合することができ、その後の細胞、酵素又はタンパク質の前記表面への
結合(結合炭水化物との)が結合の度合いに関連する電気信号を生じさせる。そ
の結果として、定性的及び定量的測定を実施できる。別の適用はELISA法(
酵素結合免疫吸着剤検定法)にある。この場合、炭水化物構造は例えば、スペー
サ
ー分子によって、又は例えば後でマイクロタイター・ウェルに結合させることの
できるウシ血清アルブミンへの抱合によって、ELISAプレート(例えば活性
化ウェルへの直接共有結合によって、例、NUNC(デンマーク)社製)上のマ
イクロタイター・ウェルに結合させることができる。その後にはそうしたELI
SA−プレートを用いて例えば標準型のサンドイッチ−ELISA法を実施でき
るが、この場合は試料中の炭水化物特異的細胞、酵素又はタンパク質の数をEL
ISA法で使用される標準的方法(例えば炭水化物修飾マイクロタイタープレー
トへサンプルを塗布してその後に洗浄、例えば炭水化物又は該炭水化物に特異的
な抗体と共役したペルオキシダーゼのような酵素抱合体を塗布してその後に洗浄
、酵素抱合体及び基質を添加してマイクロタイターウェルにおける吸光度を測定
)のいずれかを用いて定量することができる。
例えば診断用適用における、ダウンストリーム・プロセッシングにおける、細
胞、タンパク質又は酵素の分離のための、癌に対するワクチン化における、アフ
ィニティーリガンドとして適切な炭水化物決定基を使用する異種組織移植におけ
る血漿からの(異種)抗体の特異的除去のための、及び/又は可溶性炭水化物又
はそれらの誘導体の添加による抗体の中性化のための、及び感染性疾患の防止に
おける適用のための現在の炭水化物の適用における主要問題は、適切な炭水化物
構造又はそれらの誘導体類を純粋な形かつ十分な量で製造することである。化学
的方法は厄介(例、多段階合成)であり、副反応を生じさせ、例えば立体異性体
の混合物(α/β−混合物)の形成を生じさせるため、化学的方法の使用は最小
限に抑えることが望ましい。従って、上記の構造におけるα1−3−結合及びβ
1−3−結合の合成のための適切な方法を発見することは極めて魅力的であろう
。
本発明は、例えば(Galα1−3Gal)、それのα−又はβ−グリコシド
類、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcのタイプの三糖類及びその他の
Galα1−3Gal−含有三糖類、それらのα−又はβ−グリコシド類、Ga
lα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Gal、それらのα−又はβ−
グリコシド類、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1
−4Glc又はその他のGalα1−3Gal−構造を含有する高度のオリゴ糖
類、それらのα−又はβ−グリコシド類のような二糖類、三糖類及びオリゴ糖類
及びそれらのグリコシド類及び誘導体類、及びα1−3−結合ガラクトピラノシ
ル−ガラクトピラノース含有修飾炭水化物類及びそれらの修飾β−グリコシド類
、GlcNAcβ1−3Gal、それらの誘導体類、例えばGalβ1−3Gl
cNAcβ1−3Gal及びGalβ1−3GlcNAcβ1−3Galβ1−
4Glc及びそれらの誘導体類及び/又はα−若しくはβ−グリコシド類のよう
なGlcNAcβ1−3Gal含有三糖類、四糖類又は5糖以上のオリゴ糖類の
単純な合成法を記載する。
誘導体又は修飾炭水化物という用語は、糖類中の1又は2以上のヒドロキシル
基又は−NAc基が有機基又は無機基と置換されている構造を意味する。有機基
および無機基の例は下記の説明で与えられる。
本発明に従った方法における1つの成分は、天然に存在するグリコシダーゼ、
(EC3.2)、又は化学的に修飾された、若しくは組換え技術によって修飾さ
れたそれらの変異体が例えばグリコシル転移反応において使用されることに関す
る。下記ではα−グリコシドであるGalα1−3Galα−ORの生成のため
の例えばα−ガラクトシダーゼの使用の例を提供するが、式中、Rは必要な最終
生成物に化学的に変換することのできるアリール基である。最初の反応は図1に
示したタイプのいわゆるグリコシド転移反応を用いて実施される。
この反応では、α−ガラクトシダーゼを触媒として使用する。本発明に従うと
、ヘキソサミニダーゼ、グルクロニダーゼ、キシロシダーゼ、マンノシダーゼ、
シアリダーゼ、グルコサミニダーゼ、ガラクトサミニダーゼ、グルコシダーゼの
タイプのα−又はβ−グリコシダーゼ類のような別のα−若しくはβ−エンド−
又はエキソ−グリコシダーゼ(名称が供与体の特異性を示している)を使用する
ことができる。下記のタイプの生成物が入手される:
Dα1-iAα-ORまたはDα1-iAβ-ORまたはDβ1-iAβ-OR,またはDβ1-iAα-OR
式中、iは受容体の結合位置を示し、Dは供与体に、そしてAは受容体に由来
するが、後者は単糖、二糖、又はオリゴ糖物質を含有している。
Galα1−3Galα−ORは非限定例である。その他の非限定例は、Ga
lα1−3Galα−ORと同一方法で生成されるが、別の供与体、受容体及び
グリコシダーゼを用いて、しかし同一タイプの受容体アグリコン(これらの場合
にはOR)を使用して生成されるGalβ1−3Galβ−OR、Galβ1−
3GlcNAcβ−OR、Galβ1−3GalNAcβ−OR、GalNAc
β1−3Galβ−OR、Manα1−2Manα−OR等である。
例えば、Galβ1−3Galβ−ORの場合には、β−ガラクトシドは供与
体として、Galβ−ORは受容体として、β−ガラクトシダーゼは酵素として
使用される。これらは専門家によって容易に選択されるので、これは本発明の範
囲を限定しない。
例えば1−2及び1−6−結合生成物のような他の位置異性体がしばしば入手
されるが、これらは生成物の修飾前又は修飾後に例えばカラムクロマトグラフィ
マトグラフィー)を用いて、又は上記の反応において使用する酵素とは別の位置
選択性を有する1又は2種のグリコシダーゼ類を用いての副生成物の酵素的加水
分解を用いて必要な1−3結合生成物から分離することができる。
酵素源としては、動物組織、植物又は微生物を利用することができる(例えば
Galα1−3Galα−ORの製造における多量の酵素を含有しているコーヒ
ー豆、又はアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)
、又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)からの
α−ガラクトシダーゼ)。多量のα1−3−結合生成物を提供するその他の適切
な酵素源も又専門家であれば選択することができる。例えばその反応は、修飾酵
素、又は固定化酵素、又は非修飾酵素を用いて緩衝水(例、4〜8の間のPHを
有する)中又は水と有機溶液の混合液中で、適切な温度(例、0℃〜80℃の間
の)及び適切な基質濃度(例、50mM〜1M)で、至適生成物濃度を得るため
に適切な反応時間で実行することができる(後者はその後例えばHPLCを行う
ことができる)。
反応条件及び酵素のタイプ(化学的修飾、架橋結合、ポリエチレングリコール
修飾のような修飾のタイプ、固定化のタイプ、非修飾酵素のタイプ、又は修飾酵
素のタイプ及び/又は組換え若しくは遺伝子工学テクノロジーを用いて生成され
る酵素のタイプ)は専門家によって選択かつ作り出されるので、本発明の範囲を
限定しない。
酵素の純度は決定的に重要ではなく、例えばコーヒー豆のホモゲナイゼーショ
ン、緩衝液を用いての抽出、硫酸アンモニウム(例、50〜70%飽和)を用い
てのホモジネートの沈殿、透析及び凍結乾燥を行った後に入手される凍結乾燥酵
素製剤を使用することができる。必要な場合は、酵素は上記の例におけるより純
粋ではない形で、又は例えばサイズ分離(例えば、純度の低い酵素製剤中の変色
基づくカラムクロマトグラフィー後に入手されるようなより純粋な形で使用する
ことができる。いわゆるスペーサーによって固定化されたα−ガラクトシドを含
有する例えば分離材料を使用する例えばアフィニティークロマトグラフイーを用
いて入手されるさらに単離された酵素製剤も又本発明に従って使用することがで
きる。これは本発明を限定しない。固定化酵素は、例えばトレシル−活性化担体
(例、アガロース又はセルロース)、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化担体
、例えばアガロース(例、ファルマシア社製の活性化CM−セファロース[Se
p
t Flow])又は例えば上記で言及した凍結乾燥酵素製剤又はさらに単離さ
れた酵素製剤の別の固定化方法を選択することによって入手される。これは専門
家によって容易に実行されるので、本発明の適用を限定しない。固定化酵素は例
えばバッチ法反応(batch−wise reaction)又はカラム(連
続的合成のため)において使用できる。これはいずれも本発明の範囲を全く限定
しないであろう。
酵素の(部分的)精製のための方法の1例として、上記ではアフィニティーリ
ガンドとして単糖類を使用するアフィニティークロマトグラフィーが言及されて
いる。本発明に従うと、さらに二糖配列順序又は酵素が合成するグリコシド結合
を含有する炭水化物に基づくアフィニティーリガンドも又使用することができる
、又は該炭水化物リガンドは不必要な炭水化物配列を含んでいてもよい。これは
同一合成において相違する位置選択性を与える同一酵素源から相違するイソエン
ザイム類のアフィニティー分離を達成することを可能にするために使用される。
従って、多数の酵素源は例えばα−ガラクトシダーゼ及びβ−ガラクトシダーゼ
のような少なくとも2種のイソエンザイム類を含有している。一部の例では、例
え
ば加水分解又は酵素類を用いたグリコシド転移反応におけるより高度の選択性を
得るためにこれらを分離することが有益である可能性がある。
Galα1−3Gal−Rの合成のためにα−ガラクトシダーゼを使用する場
合は、例えばGalα1−3Galα−Yを入手できるが、式中、この場合にお
けるYは分離材料への結合に適した基である。Y及び分離材料に対しては多くの
可能性が存在するので、本発明の範囲を限定しない。従って、例えばGalα1
−3Galα−OPhNH2−p又はGalα1−3Galβ1−4Glcβ−
OPhNH2−pを例えばアガロース又は他の分離材料上の、例えばN−ヒドロ
キシスクシンイミド活性化カルボキシル基へ結合させるための炭水化物に基づく
アフィニティーリガンド類として使用することができる。その結果生じた物質は
、この場合にはα−ガラクトシダーゼの分離のために使用できる。アフィニティ
ーリガンドの加水分解は、例えば低温、又はコーヒー豆からのα−ガラクトシダ
ーゼの場合におけるpH8のような酵素にとっての至適pHではないpHを用い
ることによって最小限に抑えることができる。
酵素は、塩類又はより詳細には例えばガラクトース又はGalα1−3Gal
を用いて例えば非特異的に多数の方法で溶出することができる。また別の類似例
は、例えばウシ精巣からのβ−ガラクトシダーゼ類であり、この場合は分離のた
めのアフィニティーリガンドとして例えばGalβ1−3GlcNAc−スペー
サーを使用することが可能である。上記の代替策は、アフィニティーリガンドと
して例えば固定化単糖グリコシドを用いて問題のグリコシダーゼをあるタイプの
アフィニティー材料へ結合させ、その後に、酵素を用いて合成/加水分解される
例えば炭水化物構造を用いて溶出することである。
上記で言及したグリコシダーゼ反応においては、R=R’であるか、又はRと
R’は相違することがあり得る。この例は、図2(RO=p−ニトロフェニル)
に、そしてα−ガラクトシダーゼについては図3(R’O=p−メトキシフェニ
ル)に示されている。
上記の反応の生成物はその後、本発明に従うと、生成されたグリコシド類から
遊離糖類を作るために使用することができる。
これは、非限定例として例えば図4及び5における原理に従った化学的方法を
使用してGalα1−3Ga1又はGalα1−3Galβ−Aの生成について
例示される。これらの図中の反応図においては、どのようにしてGalα1−3
Gal又はGalα1−3Galβ−Aへ構造が変更され得るかが例示されてい
る。そこに与えられた試薬の例は非限定例と見なすべきで、その他の適切な試薬
は専門家であれば選択することができる。−Xの例は、各々チオエタノール、チ
オフェノール又はHSPhMeを用いたさらなる反応後の−SEt、−SPh又
は−SPhMe−pである。
α−PhNHAcグリコシドからβ−SPhMeグリコシドへの変化によりG
alα1−3Galα−OPhNO2−pをβ−グリコシド類及び二糖類(Ga
lα1−3Galβ−ORを用いて記号化されている)のより高度のオリゴ糖類
へ変化させるそれ以上の非限定例は図6に示されている。
図6の反応VIにおいてはAg−トリフラートが挙げられているが、この試薬
は例えばN−ヨードスクシンイミド、又はN−ブロモスクシンイミドに取り換え
ることができる。Aの例は下記に挙げられている。
より具体的な例として、三糖誘導体の合成においては、例えばAは、例えば2
−デオキシ−2−アミノ−D−グルコピラノース基を含んでいる単糖誘導体であ
り、少なくとも6位が例えばベンゾイル基(非限定例)で保護され、且つ1位が
例えば(非限定例)β−結合−OCH2CH2PhNO2−p又は−OPhNH−
CO−Rのような適切な有機基で保護されている単糖誘導体であると言うことが
できるが、式中、−CO−Rは例えばNH−基の一時的保護のために適切な有機
基であり得、又は化学修飾後にタンパク質、ペプチド、分離材料又は低分子量の
有機基もしくは無機基への共有結合のために使用できる基であってもよい。これ
らのAの例では、2−アミノ−部位はアセチル基又は他のアシル基含有物質を用
いて修飾することができ、それらのフタルイミド基及びトリクロロエトキシカル
ボニル基は非限定例である。これらのAの例では、保護基は従来型化学的方法(
及び/又は1位のニトロ基を還元する)を用いて取り除くことができ、それに基
づいて生成物を下記に例示する適用において使用することができる。上記の例に
おいて第6、第2及び第1位置だけが保護される場合は、Galα1−3Gal
基と2−デオキシ−2−アミノ−D−グルコピラノース基との間のβ1−4結
合(大多数の例において優勢)及びβ1−3結合の両方が入手される。これらの
2つの生成物は分離することができる、又は生成物の混合物を下記の適用におい
て使用することができる。
図4及び6においては、還元のためにPd/Cが挙げられているが、これはバ
ルク合成のためにもっと適切な他の還元試薬に取り換えることができる。非限定
例は例えばアセチル化後に使用されるZn/HOAcであるが、これは本発明に
従った適用に使用できる(下記参照)、又はアシル化して図4及び6においてi
i又はiiiとして使用できるアミノ化合物を生じさせる。
本発明に従ったGalα1−3Galα−OPhNO2−pによるβ−SPh
Meグリコシドの生成の代わりに、例えばGalα1−3Galα−SEtを図
6におけるβ−SPhMeグリコシドと同一目的で使用できる。Galα1−3
Galα−SEtは、例えば図2に挙げられているのと同一タイプだが、受容体
としてGalα−SEt、供与体として例えばラフィノース又はGalα−OP
hNO2−pを用いるグリコシダーゼ反応によって入手される。同様に、Gal
α1−3Galα−OBnは、例えばGalα1−3Gal、又はグリコシド類
及びより高度のオリゴ糖類の生成のために、又は下記の説明に従った阻害剤とし
ての直接的使用のために関心が高い可能性がある。Galα1−3Galα−O
Bnの生成のためには、Galα−SEtの代わりに受容体としてGalα−O
Bnを使用する。同様に、酵素的方法(例えば図2に従ってグリコシダーゼを用
いるが、受容体としてGalα−OMe又はその他のグリコシドを用いて)、及
び/又は化学的方法を用いて生成されたGalα1−3Galα−OMe及びそ
の他のGalα1−3Galα−グリコシド類、又はGalα1−3Gal−含
有糖類は、本発明に従うと、例えば本発明に従った阻害剤としての直接使用のた
めに、分析のために、又は分離材料において関心が高い可能性がある(下記参照
)。本発明に従うと、これらの適用の一部のためには例えばGalα1−3Ga
lα−Rのタイプの糖類が一般に有用であるが、式中、Rは例えば脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素の一般基(フェニル、その他)、アミノ基、カルボキシル基
、セラミド基、サルフェート基、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、単糖、二糖
、オリゴ糖、重合体、脂質、ステロイド、核酸、ヌクレオチドのうちの1又は2
以上
を含有する基のようなO、N、C−又はS−のグリコシド結合有機基であるか、
又はRは無機基である可能性がある。Rが有機基である場合は、Rは例えばアル
キル基、脂肪族基、芳香族基、糖、脂質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質であ
り得るか、又はこれらの基の2以上からの基を含有することができる。アルキル
基の例は−(CH2)nCH3のタイプの基であるが、式中、nは0以上の整数で
あり、好ましくはnは0〜20の間の整数である。R=糖類の非限定例は、N−
アセチル−グルコピラノース−基(例えばGlcNAcにおける第4位を介して
結合したGlcNAc−基)、グルコピラノシル基(Glc−基)、別の単糖、
これらの基の1又は2以上を含有する二糖又はそれらの誘導体、これらの基の1
又は2以上を含有するオリゴ糖又はそれらの誘導体、例えばアガロース、セルロ
ース、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール(本発明に従って1−、2−又は多官能性生成物の生成のために使
用できるポリエチレングリコール誘導体類の非限定例については例えばシェアウ
ォーター[Shearwater]社の重合体カタログを参照。アグリコンとし
て糖に結合しているアミノ基含有スペーサーによって炭水化物を結合させること
のできる例えばトレシル−Star−PEGタイプの後者の場合におけるそれ以
上の例については下記参照)その他に基づく重合体である。アミノ酸類の例は、
アスパラギン、セリン、トレオニンその他である。ペプチド類の例は、糖に結合
しているアスパラギン、セリン及び/又はトレオニン残基その他を含有している
ペプチドである。
上記の本発明に従った同一原理及び方法は、さらに又本発明に従って上記のD
α1−iAα−OR又はDα1−iAβ−OR又はDβ1−iAβ−OR又はD
β1−iAα−ORのタイプの化合物からの他の二糖類、三糖類及びオリゴ糖類
、及びさらにそれらの誘導体類及び類似化合物類の合成のために使用することが
できる。
例えば上記のα−ガラクトシダーゼによって触媒される合成による酵素的合成
においては、Galα−R、又は(6−R’)Galα−R、又は(6−R’,
2−R”)Galα−Rのいずれかを受容体として利用するが、式中、R、R’
及びR”はこの場合には有機基又は無機基を表している。−Rの非限定例は、例
えば−SEt、−O(CH2)nCH3(n=例えば0〜12の間の整数)、−O
(CH2)nCOOR(R=H、又は脂肪族又は芳香族有機基、n=例えば0〜
12の間の整数)、−OPh、−OCH2Ph(−OBn)、−OPhNO2−p
、−OPhOMe−p、Galに結合したGlc(例えばラクトースを受容体と
して使用する)、GlcNAc、GlcNTeocβ−SEt又は別の糖、又は
脂質、アミノ酸、例えばL−セリン若しくはL−トレオニン又はそれらの誘導体
のようなペプチド又はその誘導体、又はこれらのいずれかを含有するペプチドの
ような脂肪族基又は芳香族基である。この関連におけるR’及びR”の非限定例
は無機基又は有機基である。これについての非限定例は、サルフェート基、カル
ボキシル基及びフォスフェート基、デオキシ基(−OHが−Hに置換されている
)、エステル基(例えばベンゾイル、アセチル)、アリール基、ベンジル基又は
p−メトキシベンジル基である。
上記の供与体及び受容体物質は市販で入手可能である、又は専門家であれば容
易に獲得又は容易に合成できるので、これは本発明の範囲を限定しない。
上記のRは1−、2−、3−、オリゴ−又は多(ポリ)官能性であり得る(例
えば上記のRの例を参照)、又は1−、2−、3−、オリゴ−又は多(ポリ)官
能性となるように修飾できるが、これは1、2、3又は4個以上のサッカライド
基がR中の相違する又は同一タイプの官能基にグリコシド結合していることを意
味しており、例えば(Galα1−3Galα−)n−R(nは1以上の整数)
のタイプの生成物を本発明に従った方法によって生成することができる。これは
、例えばガラビオース結合タンパク質(例えば異種適用における抗体類のような
)に対する高いアフィニティーを生成物が有する場合は有益な可能性がある。そ
うした生成物の生成は本発明の範囲を限定せず、専門家が本発明に従った方法を
使用すれば容易に実行することができる。
Galα1−3Galβ−Aを生成するための図におけるAは、例えば脂肪族
炭化水素、芳香族炭化水素の一般基、アミノ基、カルボキシル基、サルフェート
基、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、単糖、二糖、オリゴ糖、重合体、セラミ
ドのような脂質、ステロイド、核酸、ヌクレオチドのうちの1又は2以上を含有
するO−、N−、S−、又はC−、β−又はα−グリコシド結合物質を表してい
る。
Aの非限定例は、β−グリコシド結合N−アセチル−グルコピラノース−基(
例えばGlcNAc中の第4位を介して結合したGlcNAc−基)、グルコピ
ラノシル基(Glc−基)、別の単糖、これら又はそれらの誘導体のいくつかを
含有する二糖、これらの基又はそれらの誘導体の1又は数個を含有するオリゴ糖
、例えばアガロース、セルロース、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルアルコール、ポリエチレングリコール(本発明に従って1−、2−又は多官
能性生成物の生成のために使用できるポリエチレングリコール誘導体類の非限定
例については例えばシェアウォーター社の重合体カタログを参照。例えばアグリ
コンとして糖に結合しているアミノ基含有スペーサーによって炭水化物を結合さ
せることのできる例えばトレシル−Star−PEGタイプの後者の場合におけ
るそれ以上の例については下記参照)その他に基づく重合体である。Aに関連す
るアミノ酸の例はアスパラギン、セリン、トレオニンその他である。Aは、例え
ば(CH2)nCH3(n=例えば0〜18)のようなアルキル基又は芳香族基を
含むことができる。Aのその他の非限定例については上記参照。
AがGlcNAcβ−R'''又はGlcNAcβ1−3Gal基を含有してい
る場合は、例えばGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−R'''、Ga
lα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Gal、Galα1−3Gal
β1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc、Galα1−3Galβ
1−4GlcNAcβ1−3Gal−R'''、又はGalα1−3Galβ1−
4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc−R'''のタイプの物質が本発明
に従って生成される。例えば、GlcNAcβ−R'''、GlcNAcβ1−3
Gal又はGlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc又はそれらの誘導体を生
成するためには化学的及び/又は酵素反応を使用することが可能であり、それら
はその後例えば供与体としてGalα1−3GalβSEt又はGalα1−3
GalβSPhを用いて上記の図における受容体として使用することができる(
上記のRは前段落で例示されたα−又はβ−結合物質を表している)。
そうした酵素反応の例は、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(又は
β−ヘキソサミニダーゼと呼ばれる)のサブグループに属するグリコシダーゼ(E
C3.2.)又はUDP−GlcNAc−依存性N−アセチル−β−D−グルコ
サミニルトランスフェラーゼのサブグループに属するグリコシルトランスフェラ
ーゼ(EC2.4)の使用であり、これらは受容体としてガラクトース、又はガ
ラクトシド又はガラクトシル−サッカライドを用いると活性である。
グリコシダーゼの場合には、平衡反応(非活性化供与体)又は好ましくはGl
cNAcβ−Rのタイプの供与体を用いる動的反応が使用されるが、式中、Rは
グリコシド結合有機基又は無機基である。この関連における−Rの非限定例は−
OPh、−OPhNO2−p及び−OPhOMe−p及びβ1−4結合GlcN
Ac又はキトビオースである。受容体としては、例えば(しかし非限定性)Ga
lβ−R又は(6−R’)Galβ−R、又は(6−R’,2−R”)Galβ
−Rのようなガラクトース又はその誘導体が使用されるが、式中、この関連にお
けるR、R’及びR”は有機基又は無機基を表している。−Rの非限定例は、例
えば−SEt、−O(CH2)nCH3(n=例えば0〜12の間の整数)、−O
(CH2)nCOOR(R=H、又は脂肪族又は芳香族有機基、n=例えば0〜
12の間の整数)、−OPh、−OCH2Ph(−OBn)、−OPhNO2−p
、−OPhOMe−pのような脂肪族または芳香族基、β1−4結合Glc又は
その他の糖、例えばL−セリンもしくはL−トレオニン、もしくはその誘導体の
ような、またはこれらをいくつか含有するペプチドのようなアミノ酸、ペプチド
、またはそれらの誘導体である。この関連におけるR’及びR“の非限定例は無
機基又は有機基である。これについての非限定例は、サルフェート基、カルボキ
シル基及びフォスフェート基、デオキシ基(−OHが−Hに置換されている)、エ
ステル基(例えばベンゾイル、アセチル)、アリール基、ベンジル基又はp−メ
トキシベンジル基である。
上記の供与体及び受容体物質は市販で入手可能である、又は専門家であれば容
易に合成することができ、これは本発明の範囲を限定しない。
グリコシダーゼ源は専門家によって選択され、本発明の範囲を限定しない。適
切な酵素源の非限定例は、アスペルギルス・オリザエ又はカメレア・ガリナ(C
hamelea gallina)からのN−アセチル−β−D−グルコサミニ
ダーゼ(又はβ−ヘキソサミニダーゼと呼ばれる)である。
下記では、本発明に従ったグリコシダーゼ触媒酵素反応の非限定例を具体的に
説明する(全ての構造はIUPAC規則に従っており、糖はD−ピラノース立体
配置である):
(2) さらにより明白にするためには、図7に従った分子構造を持つ反応b、d、f
の図解を参照。
上記のグリコシダーゼ反応においては、加水分解が一部は供与体の及び一部は
生成した生成物の副反応として入手される。これは専門家には周知であり、本発
明の範囲を限定しない。この反応の後にはHPLC及び/又はTLC、及び/又
は上記の例では生成したp−ニトロフェノール(abs405)の測定が行われ
、その結果反応は例えば短時間の熱処理(例えば70〜90℃の温度で3〜5分
間)を使用して最大生成物収量で停止され、その後に生成物が単離される。生成
物の単離は1種又は数種の方法:標準条件を用いての抽出(例えば塩化メチレン
、酢酸エチル、ブタノールのうちの1種又は数種を用いて)、沈殿、又はクロマ
トグ
達成できるが、これは本発明の範囲を限定しない。例えば上記で図解した第1反
応において別の位置異性体が生成される場合は、この位置異性体は例えばクロマ
トグラフィーによって、及び/又はこの位置異性体を特異的に加水分解するヘキ
ソサミニダーゼを用いる第2の酵素反応を使用して取り除くことができる。
グリコシダーゼの代用品として、上述のように、供与体としてのUDP−Gl
cNAc及び受容体としてのGal−物質と一緒に、例えば上記のヘキソサミニ
ダーゼ反応のためのタイプのものを使用することができる。
本発明のある実施態様においては、上記のように調製したGlcNAcβ1−
3Gal含有構造を上記の構造の誘導体類を生成するため、又は例えばGlcN
Acβ1−3Galβ1−4Glc(例、供与体としてパーアセチル化GlcN
Acβ1−3GalβSEtを使用)の化学的合成のために使用することができ
る。GlcNAcβ1−3Gal、GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc
又はGlcNAcβ1−3Gal若しくはGlcNAcβ1−3Galβ1−4
Glcの誘導体類のいずれか
酵素、若しくは固定化酵素、若しくは修飾酵素は、活性である溶媒中、好まし
くは緩衝水中(多くの場合pH4、4.5、5又は5.5〜6、7、7.5又は
8、非限定例)、又は水−有機溶媒混合液中(専門家によって選択された適正な
濃度及びタイプを用いて)において、専門家によって選択された適正な温度(非
限定例として、多くの場合4、10、室温、30〜35、40、45、50、5
5、60、65、70又は80℃、後者の場合は特に温度安定性酵素又は高基質
濃度で使用する場合)で使用できる。これは本発明の範囲を限定しない。適正な
条件は専門家によって選択される。上記のグリコシダーゼ触媒グリコシド転移反
応においては、−Fはさらに供与体及び/又は受容体物質におけるアグリコンと
して選択できるが、これは専門家であればF−グリコシド類を入手でき、さらに
それ以上の合成のために使用できることを意味している。
本発明によれば、例えば供与体としてパーアセチル化GlcNAcβ1−3G
alβSEtを使用してGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ13Ga
l、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−4Glc、
Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Gal−R'''、又はGa
lα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc−R'''
のタイプの生成物を形成するための供与体及び受容体物質として使用することが
できる。この反応は専門家によって化学的方法を使用して実行され、本発明の範
囲を限定しない。
例えば、二糖生成物GlcNAcβ1−3(6,2−Ac)Galβ−OMe
は、GlcNAc−ユニットの第6位置においてベンゾイル化(例えば塩化ベン
ゾイル/ピリジンを用いて)されており、従って適切な溶媒(例えばアセトニト
リル又はジクロロメタン)中で適切な触媒(例えばAg−トリフラート)の存在
下でパーアセチル化GalNAcβ1−3GalβSEtと反応する。そこで(
2,3,4,6−Ac)Galα1−3(2,4,6−Ac)Galβ1−4(
6−Bzl)GlcNAcβ1−3(6−,2−Ac)Galβ−OMe(必要
な場合はクロマトグラフィーによって分離できる(2,3,4,6−Ac)Ga
lα1−3(2,4,6−OAc)Galβ1−3(6−Bzl)GlcNAc
β1−3(6−,2−Ac)Galβ−OMeと一緒に)が形成される。アセチ
ル基及びベンゾイル基を除去した後(例えばメタノール中に溶解させた触媒量の
ナトリウムメトキシドを用いて)に、精製(クロマトグラフィー及び/又は沈殿
)後にGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−OMeが
入手される。必要な場合は、(2,3,4,6−Ac)Galα1−3(2,4
,6−OAc)Galβ1−3(6−Bzl)GlcNAcβ1−3(6−,2
−Ac)Galβ−OMeもまた同一方法で反応させることができ、それによっ
てさらに後者の反応においてGalα1−3Galβ1−3GlcNAcβ1−
3Galβ−OMeが入手される。これらの反応におけるアグリコンとしての−
OMeの代わりに上記の通りに他のアグリコン類も使用できる。これの非限定例
は、容易に他の分子へ結合するのに適切な基である−OPhNH2−pへ還元さ
せることのできる有用な特性を持つ−OPhNO2−pである(下記参照)。
上記の構造はさらに本発明に従うと、ガラクトシルトランスフェラーゼ、β1
−4ガラクトシルトランスフェラーゼを使用し、UDP−ジガラクトシド(供与
体)を上記のGlcNAcβ1−3Gal−サッカライド(受容体物質)へ添加
することによって合成することができる:
UDP-ガラビオース+ GlcNAcβ1-3Gal-R → Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Ga
l-R
式中、Rは例えばグルコースのような他の糖又は例えば上記で例示したような
アグリコンである。例えばUDP−ガラビオースは、化学的方法、又は酵素的方
法を用いて図2−6で上述した酵素的に合成されたガラビトース構造(Galα
1−3Gal構造)の一部から合成することができる。
本発明に従ったβ−ガラクトシダーゼ及びα−ガラクトシダーゼの順次使用は
さらに例えばGalα1−3Galβ1−4GlcNR’β−R又はGalα1
−3Galβ1−3GlcNR’β−Rの合成のためにも使用できるが、式中、
Rは−OH又はO−、S−又はC−グリコシド結合脂肪族若しくは芳香族アグリ
コン、又は別のタイプのアグリコン(説明におけるA参照)であり、−R’は−
HAc、Teoc(トリクロロエトキシカルボニル)又は他の有機基若しくは無
機基である。
例えば合成の第1工程においてはβ−ガラクトシダーゼを利用することができ
るが、これは例えば供与体としてのラクトース、又はモノ−、ジ−、若しくはト
リ−ニトロフェニルβ−D−ガラクトピラノシド(又は一般には、この場合には
Galβ−R”であるが、式中、−R”は例えば−F又は脂肪族若しくは芳香族
有機基から選択されたアグリコンである)及び受容体としてのGlcNR’β−
RからGalβ1−4GlcNR’β(又はGalβ1−3GlcNR’β−R
)を生じさせる。例えばα−ガラクトシダーゼを用いる第2合成工程では、例え
ばグリコシル供与体としてのラフィノース、メリビオース、又はモノ−、ジ−、
若しくはトリ−ニトロフェニルα−D−ガラクトピラノシド(又は一般には、G
alα−R”(式中−R”は、例えば−F又は、例えばアルキル基又は芳香族基
であり得る有機基から選択されたアグリコンである)及び後者の反応における受
容体としての第1反応工程で入手されたラクトサミン誘導体を用いてGalα1
−3Galβ1−4GlcNR’β−Rが入手される。
受容体として疎水性又は荷電ラクトサミン誘導体類を使用すれば、ある種の場
合には、三糖生成物の単離中の生成物と副生成物の分離を改善するために価値が
高い可能性がある。一定の場合には、より高い受容体濃度(好ましくは0.1M
以上)及びより高い生成物収量を得るためにα−ガラクトシダーゼ反応において
ラクトサミンのより可溶性の誘導体類を使用することが有益なことがある。後者
の状況では、アミノ基又はカルボキシル基含有ラクトサミン誘導体であるGal
β1−4GlcNR’β−Rをα−ガラクトシダーゼ反応における受容体として
使用することができる。β−ガラクトシダーゼ反応において入手されたラクトサ
ミン誘導体はβ−ガラクトシダーゼを用いての合成後に直接に、又は化学的転換
後に使用することができる。
β−ガラクトシダーゼの例は、Galβ1−4GlcNR’β−Rの合成のた
めのブレラ・シングラリス(Bullera singularis)又はバシ
ラス・シルクランス(Bacillus circulans)からの酵素であ
る。上記のα−ガラクトシダーゼ、又は一般には、α1−3結合を与えるα−ガ
ラクトシダーゼ類の一部はオリゴ糖の調製において使用される。
三糖誘導体類の特異的合成の非限定例は下記の通りである:
1.酵母のブレラ・シングラリスからのβ−ガラクトシダーゼは下記の反応を 触媒する:
ラクトース+GlcNHTeocβ-SEt → Galβ1-4GlcNHTeocβ-SEt+グルコース
2.コーヒー豆からのα−ガラクトシダーゼは下記の反応を触媒する:
Galα-OPhNO2-p+Galβ1-4GlcNHTeocβ-SEt → Galα1-3Galβ1-4GlcNHTeocβ-S
Et +PNP
(PNP=p−ニトロフェノール;GlcNHTeocβ−SEt=エチル2
−デオキシ(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−1−チオ−
β−D−グルコピラノシド)
上記の合成を下記の非限定例で具体的に説明する:
1.Galβ1−4GlcNHTeocβ−SEt。ラクトース(20g)及
び受容体(GlcNHTeocβ−SEt;NHTeoc=NH−C(=O)−
O−CH2−CCl3;10g)を400mlの50mM酢酸ナトリウム(pH
6.0)中に溶解させ、酵母細胞(20g)を添加した。この反応は、30℃及
びpH6.0で3日間に渡ってゆっくりと攪拌しながら実施した。生成物をカラ
ムクロマトグラフィー(セファデックス G10;4リットル;溶離液:水)に
より精製すると、未反応受容体(7.9g)と生成物(2.8g)が得られた。
NMR-データ(13C;D2O-MeOD;1:1):δ85.28(C-1),57.39(C-2),74.80(C-3),79.67(C-
4),79.87(C-5),61.34(C-6),104.07(C-1'),72.08(C-2'),73.78(C-3'),69.67(C4')
,76.45(C-5'),62.06(C-6');Teoc基:157.03(C=O),75.26(CH2),96.31(CCl3).
2. Galα−3Galβ1−4GlcNHTeocβ−SEt。
Galα−OPhNO2−p(150mg)及びGalβ1−4GlcNHT
eocβ−SEt(1.0g)を50mMリン酸ナトリウム(pH6.5)中に
溶解させ、コーヒー豆からの酵素(5 mg;微粉砕、抽出、硫酸アンモニウム沈
殿、透析、セファデックス G75クロマトグラフィー、透析及び凍結乾燥によ
って部分的に精製)を添加した。反応を室温で進行させ、約300mMニトロフ
ェノールが形成され、受容体の約10%が生成物に転換される(混合生成物のH
PLC分析)まで供与体を段階的に添加した。生成物は、塩化メチレンを用いて
pH4〜4.5でのp−ニトロフェノールの抽出後にセファデックス G15(
溶離液:水)上で精製した。
NMR-データ(13C;D2O):δ85.09(C-1),57.25(C-2),74.77(C-3),78.15(C-4),79.64(
C-5),61.22(C-6),103.7(C-1'),70.51(C-2'),75.98(C-3'),65.75(C-4'),79.49(C-
5'),61.8(C-6'),96.35(C-1'),69.10(C-2'),70.20(C-3').70.03(C-4'),71.75(C-5
'),61.91(C-6');Teoc基:157.5(C=O),75.2(CH2),95.81(CCl3).
後者の反応では、本発明に従うと例えば上記の第2反応において例えば2種の
基質の0.5M以上の濃度を用いる高濃度の試薬を使用することによりGalα
1−3Galα−OPhNO2−p及びGalα1−3βGalβ1−4Glc
NHTeocβ−SEtの予備的合成を同時に達成することも又可能である。こ
れは、2種の興味深い生成物(本発明により使用できる、又は転換できる)を本
発明の後者の変形に従って予備量で同時に合成できることを意味している。生成
物の分離は例えば1又は2以上の工程(例、抽出、例えばセファデックス及び/
又はC18シリカを用いてのクロマトグラフィー、沈殿の1又は2以上)を使用
して達成できる。
他の非限定例は下記の通りである:
1.ブレラ・シングラリスからのβ−ガラクトシダーゼは下記の反応を触媒す る:
ラクトース+GlcNHTeocβ-OH → Galβ1-4GlcNHTeocβ-OH+グルコース
2.コーヒー豆からのα−ガラクトシダーゼは下記の反応を触媒する:
Galα-OPhNO2-p+Galβ1-4GlcNHTeocβ-OH → GalαC51-3Galβ1-
4GlcNHTeocβ-OH+PNP
(PNP=p−ニトロフェノール;GlcNHTeocβ−OH=2−デオキ
シ(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラ
ノシド)
本発明は、この場合には上記の合成及び上記のように入手される上記の生成物
、又はそれらに由来する生成物(上記の三糖誘導体の追加の化学的又は生化学的
修飾後に入手される)、又は相応する方法で入手される別の類似生成物、並びに
例えば臨床的又は診断的適用(例、本出願において言及されている異種適用)に
おける可溶形又は固定化した形態のタンパク質阻害剤、抗体阻害剤、又は酵素阻
害剤のような生成物の使用に関する。上記の三糖誘導体(Galα1−3Gal
β1−4GlcNHTeocβ−OH及びGalα1−3Galβ1−4Glc
NHTeocβ−SEt)から(従来の有機化学によって)生成される三糖、四
糖及び五糖の非限定例は、Galα1−3Galβ1−4GlcNHAc、Ga
lα1−3Galβ1−4GlcNHAcβ1−3Gal、Galα1−3Ga
lβ1−4GlcNHAcβ1−3Galβ1−4Glc、Galα1−3Ga
lβ1−4GlcNHAcβ−R’、Galα1−3Galβ1−4GlcNH
Acβ1−3Gal−R’、Galα1−3Galβ1−4GlcNHAcβ1
−3Galβ1−4Glc−R’、Galα1−3Galβ1−4GlcNRβ
−
R’、Galα1−3Galβ1−4GlcNRβ1−3Gal−R’、Gal
α1−3Galβ1−4GlcNHRβ1−3Galβ1−4Glc−R’であ
るが、式中、Rは本出願で例示されており、グルコサミン部分でアミノ基に結合
しているような有機基又は無機基であり、さらにR’は本出願で例示されている
ようなα−又はβ−グリコシド結合有機基又は無機基である(本出願で与えられ
ているAの例も参照)。
別のタイプの三糖生成物は、上記の三糖類のラクトース誘導体類であるGal
α1−3Galβ1−4Glc−Rであるが、これは上記に従って(β−ガラク
トシダーゼを用いずに)受容体としてラクトース−Rを用いて例えばラフィノー
ス、メリビオース又はニトロフェニルα−D−ガラクトピラノシド(又は一般に
はGalα−R”、式中、R”は例えば−F又は有機基のようなアグリコンであ
る)から生成できるが、式中、Rは例えばβ−結合−SPhMe、−OPhOM
e、−OBn又は−OPhNO2−pである。この三糖生成物は標準的な化学的
方法又は酵素的方法を用いて直接に使用できる、又は必要な生成物に転換するこ
とができる。
三糖誘導体の追加のその他のタイプはGalα1−3Galα1−3Gal−
Rであるが、これは本発明に従って例えば(非限定例)触媒としてα−ガラクト
シダーゼを用いて供与体としてのGalα−OPhNO2−pと受容体としての
Galα1−3Galα−OPhNO2−pの間での反応によって入手できる。
上記の酵素的に生成された生成物の精製は、例えばニトロフェノールを用いる
例えば抽出、濃縮、及び可能な場合は反応物質、副生成物及び/又は生成物の選
(Biogel)、C18−シリカ、活性炭素/セライト、イオン交換体のいず
れかを含有する1又は2本以上のカラムを使用するクロマトグラフィー、さらに
適切な場合は生成物の沈殿によって達成される。セファデックス又は疎水性表面
を有するいくつかの他の材料の長所は、位置異性体の分離を達成できる点である
。
本発明はこの場合には、グリコシダーゼ触媒合成における供与体としてのフェ
ニル−、メトキシフェニル−、モノ−、ジ−、又はトリニトロフェニルグリコシ
ド類に関連する特異的変形方法、つまり少なくとも下記の1つの使用に関する:
グリコシダーゼ触媒反応工程後にフェノール、メトキシフェノール、又はニトロ
フェノールを除去するための一つの抽出工程、基質及び/又は生成物の濃縮及び
マトグラフィー、及び適切な場合は生成物の沈殿。
α1−3−位置異性体/必要な生成物収量を与えるα−ガラクトシダーゼは専
門家によって選択され、本発明の範囲を限定しない。上記のグリコシダーゼ触媒
反応に対するそれ以外の条件(pH、溶媒、温度、基質濃度−しばしば受容体の
0.1M濃度を超える受容体、その他)は専門家によって選択され、本発明の範
囲を限定しない。
上記の三糖類が形成されると、例えばα1−6−結合位置異性体のようなα1
−3−結合位置異性体以外の三糖誘導体類も又しばしば形成され(例えば加水分
解された供与体に加えて)、さらに該位置異性体および所望の位置異性体は、必
要な場合は不必要な位置異性体類に対して加水分解的特異性を有する1又は2以
上のα−ガラクトシダーゼ類を用いて加水分解することができる。本発明に従っ
た代替法は、α1−6−位置異性体の偶発的形成を回避するためにGalβ1−
4GlcNR’β−R又は上記のラクトース−Rの6’−修飾誘導体(即ち、ガ
ラクトシル基の6位において修飾されている)を使用することである。そうした
修飾の非限定例はアセチル基を用いての上記のガラクトシル位置の修飾である。
天然に存在するグリコシダーゼ類、又はクローン化されているグリコシダーゼ
類、又は天然に存在するグルコシダーゼ類と一次アミノ酸配列順序が少なくとも
約70%一致している修飾(組換え)グリコシダーゼ類は上記の酵素反応の1又
は2以上において使用できる。これは本発明の範囲を限定せず、さらにより高度
の位置選択性、及び/又はより高度の温度安定性、より高度の操作安定性、有機
溶媒中でのより高度の活性または安定性、より高度の操作安定性、及び/又はよ
り高度の収量(より少ないい加水分解)を達成するために関心が高いに違いない
。後者は、例えばグリコシド転移反応と加水分解反応の間の高い比率を有する、
又は加水分解反応を最小限に抑えるために特異的に修飾(化学的又は組換えテク
ノロジーによって)されている酵素を使用することによって達成できる。これを
達
成する方法は本発明の範囲を限定せず、例えば酵素の活性部位における触媒に参
加する少なくとも1つの酸/塩基基又は酵素中の何か他の基を不活性アミノ酸基
で修飾、置換することにより、又はアミノ酸配列から除外することによって達成
できる。
上記の三糖類は、他の物質へ転換でき、さらに例えば異種適用及び本発明の説
明による他の適用に使用することができる。
上記のA又はRと特定されている上記の生成物のグリコシド結合アグリコンは
1−、2−、3−、オリゴ−、又は多(ポリ)官能性(例えば本出願で言及され
たAの例を参照)である可能性があるが、これは1、2、3以上の糖基がA、即
ち本発明に従った方法によって生成できる
(Galα1-3Galβ-)n-A,(Galα1-3Galα-)n-A,(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-)n-A,(
Galα1-3Galβ1-4GlcNAca-)n-A,(Galα1-3Galβ1-4GlcNRβ-)n-A,(Galα1-3Gal
β1-4GlcNRα)n-A,または(GlcNAcβ1-3Galβ-)n-A,または(Galβ1-3GlcNAcβ1-3
Galβ-)n-A(nは、1以上の整数)
のタイプの生成物における相違する又は同一タイプの官能基にグリコシド結合し
ていることを意味する。
これは例えばガラビオース結合タンパク質に、又は例えばGlcNAcβ1−
3Galβ−結合細菌への高いアフィニティーを有する生成物が必要な場合には
長所であり得る。そうした生成物の生成は本発明の範囲を限定せず、専門家によ
って単純な方法で実行される。例えば(GlcNAcβ1−3Galβ−)n−
A及び(Galβ1−3GlcNAcβ1−3Galβ−)n−AにおけるAは
本出願の説明でAについて上記で言及されてるものと同一タイプである可能性が
ある。
非限定例として、上記のオリゴ糖誘導体は例えば二官能誘導体を生じさせるD
SG(グルタール酸ジスクシニミジル)又はDSS(スベリン酸ジスクシニミジ
ル)のような架橋剤、又は塩化アクリロイルと糖誘導体との結合による二官能生
成物の合成のために使用することができ、その後には結果として生じた抱合体を
オリゴ官能生成物を生じさせる標準方法によって重合化(低重合化)することが
できる。生成物はさらにネオグリコプロテイン類を生成するためにヒト又はウシ
血清アルブミンのような例えばタンパク質へ抱合させることができる。オリゴ糖
誘導体が塩化アクリロイルに抱合されている場合には、例えば糖−R−NH−C
(=O)−CH=CH2のタイプの生成物が得られるが、これは例えば触媒とし
て過硫酸アンモニウム及びTEMEDを用いることによって例えばアクリルアミ
ノ基を導入するためにジエチルアミン又はヒドラジンを用いて誘導体化すること
ができ(例えばJakobyらの編集した「酵素学の方法、第34巻(Meth
ods Enzymology,Volume34)」参照)、その後重合体は
−プレート、NHS−活性化アガロース又は本説明で言及されている他の分離材
料の一部へ共有的に結合させることができる。これらの生成物は本出願で言及さ
れている他の構造と同様に分析、分離又は阻害のために使用される。糖の非限定
例は、Galα−、Galα1−3Gal、血液B型、GalNAcα−、Ga
lNAcα1−3Gal、GalNAcα1−3Galβ1−4GlcNAc、
及び血液A型糖である。Rの非限定例は−Phのタイプのグリコシド結合アグリ
コン及びその他の上記のアグリコン類である。
Manα1−6(Manα1−3)Man−Rは二−又はオリゴ官能性ガラビ
オース化合物を形成するための「架橋」として使用できるオリゴ糖の別の非限定
例である(Rはグリコシド結合有機基又は無機基であり、式中、Rは本出願で言
及されているグリコシド結合R又はAの例の一部であり得る)。
この点において、非限定例としての二官能誘導体類は例えば上記のトリマンノ
シドにおけるManα1−6(Manα1−3)−ユニット中の2個の6−OH
基を、その後上記のガラビオース誘導体類中のアミノ基含有アグリコン類と反応
することができる対応する6−C(H)=O(即ち6位がアルデヒド基)へ選択
的に酸化することによって生成できる。結果として生じるシッフ(Schiff
)塩基(−N=CH−)はその後上記の糖類の1又は2以上とManα1−6(
Manα1−3)Man−Rとの間の安定な−NH−CH2−結合(例えばシア
ノホウ水素化ナトリウムを用いて)へ還元させることができる。この方法は下記
の
タイプの抱合体を生じさせる:
糖−スペーサーの非限定例はGalα1−3Galα−OPh−、Galα1
−3Galα−OEtPh−、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−
OPh−、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβOEtPh−及びGa
lα1−3Galβ1−4GlcβOEtPh−の1又は数個である。この方法
で、in vivoの状況に類似するガラビオースユニットの有益な配向が入手
される。トリマンノシドにおける二次(secondary)ヒドロキシル基をさらに酸
化させることによってより多くの糖−スペーサー−NH−ユニットがトリマンノ
シドに結合させることができる。上記を生成する代替法は、トリマンノシドの修
飾のためにグリコシルトランスフェラーゼ類を使用し、その後に例えばガラビオ
ースユニットの結合のために例えばガラクトシルトランスフェラーゼを使用する
ことである。
類似の目的に使用できる別のタイプの分子の非限定例は、メタ−、又はオルト
−ジアルデヒド類、又はベンゼンの時カルボキシル誘導体類であるが、これは上
記に類似する方法でシッフ塩基の形成及びその後の還元によって相互に相対する
糖−スペーサー−ユニットの相互配向をもたらす。
ペプチドも又上記で言及されているが、これはそれに糖が直接的にグリコシド
結合している、又はアミノ基若しくはカルボキシル基含有スペーサーによって結
合している例えばセリン、トレオニン、アスパラギン、リシン、グルタミン酸そ
の他の1又は数個を含有することができる。
本発明による方法は、上記の糖(Galα1−3Gal、Galα1−3Ga
lβ1−4GlcNAcβ−またはGlcNAcβ1−3Galβ−)、または
Galα1−3Galβ−A、もしくはGlcNAcβ1−3Galβ−A、も
しくはGalβ1−3GlcNAcβ1−3Galβ−AのGalα1−3部分
もしくはGlcNAcβ1−3Galβ部分が各々修飾されているような糖の一
以上のヒドロキシル基が修飾された生成物を作成するために用いることもできる
。これは修飾された必要な特性を有する生成物を入手するためには関心が高い可
能性がある。下記ではGalα1−3Gal関連生成物を優先的に例示するが、
GlcNAcβ1−3Galβ−含有生成物にも同一方法を適用することができ
る。
この方法で、タンパク質、例えばGalα1−3Gal構造に対する抗体に対
する高いアフィニティーを有する生成物、又は加水分解に対する安定性を上昇さ
せた、又はその代わりにin vivo半減期を上昇させた生成物を入手できる
。この状況においては、例えば酵素を使用することができる。非限定例は、例え
ばGalα1−3Gal−含有構造又はGlcNAcβ1−3Galβ−含有構
造における1又は2以上のヒドロキシル基のアセチル化のためのリパーゼ又はプ
ロテアーゼの使用、ヒドロキシル基の特異的酸化のためのオキシドレダクターゼ
の使用である。この状況においては、専門家によって選択される酵素修飾テクノ
ロジーが使用され、これは本発明の範囲を限定しない。
その代わりに、Galα1−3Gal−含有構造又はGlcNAcβ1−3G
alβ−含有構造(酸化による例えばカルボキシル基、又はアミノ基、又は他の
無機基、有機エステル基、アルキル基又は芳香族基を用いて修飾された)におけ
る1又は2以上のヒドロキシル基及びGalα1−3Galβ1−4GlcNA
cβ−のようなグルコサミン含有構造における特異的修飾のために化学的修飾を
使用することができる。−NHAc基の代わりに、例えばR−C(O)−NH−
、R−NH2−、SO3−NHのタイプの他の基を有する生成物を生成して使用す
ることは興味深い可能性があるが、式中、Rは例えば−CH3(CH2)nのタイ
プの脂肪族基(式中、nは1〜20の間の整数である)、又は芳香族(1−、2
−又はオリゴ環状の例えばベンゾイル)、又はアミノ酸(そのα−カルボキシル
又は側鎖カルボキシル基によって結合したアミド)又はペプチド含有基である。
この状況においては、現在利用可能な化学修飾方法が使用され、これは本発明の
範囲を限定しない。
グリコシド結合しているAは、例えばAがカルボキシル基又はアミノ基を含有
しているときには他の物質へ結合するためのスペーサーとして使用することがで
きる。この例は−O(CH2)6COOH、又は−OPhNH2又は−O(CH2
)2PhNH2である。この方法では、例えばGalα1−3Galβ−A又は
GlcNAcβ1−3Galβ−Aを例えば活性化アガロース又はセルロースへ
結合させることによって、例えばカラムクロマトグラフィーに適する生成物を入
手することができる。例えば本発明に従った方法により入手されるGalα1−
3Galβ−A生成物、Galα1−3Galα−A生成物、又はGalα1−
3Galβ1−4GlcNAcβ−A、Galα1−3Galβ1−4Glcβ
−A、GlcNAcβ1−3Galβ−A又はGalβ1−3GlcNAcβ1
−3Galβ−A生成物の固定化のために適合するそうした生成物の例は、活
COOH−セルロース(例、ワットマン[Whatman]社製)、例えばファ
気ミクロスフェアは本発明により入手された生成物を固定化するために専門家に
よって活性化できる。1例はダイノ[Dyno]社製のダイノビーズ[Dyno
は本発明の範囲を限定しない。Aが例えばO(CH2)nCH3(例えばn=0〜
18)のタイプの疎水性分子又はセラミドから構成される場合は、生成物は例え
ば注入可能なリポソーム類の生成のために使用することができる。
本発明に従った可溶性1−、2−、オリゴ−又は多官能性Galα1−3Ga
l−含有生成物を使用する例は、阻害試験における、患者に本発明による可溶性
1−、2−、オリゴ−又は多官能性Galα1−3Gal−含有生成物を注射す
ることによる、患者の抗体(Galα1−3Galに対する)への結合による例
えばブタ(例えば腎臓、肝臓、心臓等)からの異種組織移植片のヒトにおけるイ
ンビボ超急性拒絶反応の阻害である。異種組織移植においては、Galα1−3
Gal抗原(ドナー臓器の内皮上にある)に対して誘導された患者の抗体間で初
期反応が発生し、これが患者の補体系の活性化をもたらす。
本発明に従った、前記パラグラフでの異種適用における抗体の投与および阻害
のために、興味深いと思われる可溶性二糖及び三糖の具体的な非限定例としては
、例えばGalα1−3Gal、Galα1−3Galα−OMe、Galα1
−
3Galα−OEt、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc、糖異性体類
、本発明に従った合成によって入手できるそれらの位置異性体類及びそれらの誘
導体類のような位置異性体類及びそれらの誘導体類である。これに関係する二糖
類及び三糖誘導体類の特異的非限定例は、
Galα1−2Gal、Galα1−6Gal、Galα1−3Galα−OM
e、Galα1−3Galα−OEt、
Galα1−3Galα−O(CH2)nCH3(式中、n=0以上の整数であり
、好ましくはn=0〜20の間の整数である)、
Galα1-3GalαOPhNH2,Galα1-3GalαOPhNO2,Galα1-3GalαOPhNHAc,Galα1-2Gal
αOPhNH2,Galα1-6GalαOPhNH2,Galα1-3GalβO(CH2)2PhNH2,Galα1-3GalβO(CH2
)2PhNO2,Galα1-3GalβO(CH2)2PhNHAc,Galα1-2GalβO(CH2)2PhNH2,Galα1-6Ga
lβO(CH2)2PhNH2
である。
その他の非限定例は、Galα1−3Galα−R、Galα1−3Galβ
−R、Galα1−2Galβ1−4GlcNAcβ−R、Galα1−6Ga
lβ1−4GlcNAcβ−R、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ
−R、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcNR’β−Rであるが、式中
、例えばR’はR”−C(O)−のタイプ又はSO3−、またはR"−であり、R
”は例えばCH3(CH2)n(式中、nは1〜20の間の整数である)のタイプ
のグルコサミン残基におけるアミノ基に結合した脂肪族基、または芳香族基、1
−、2−またはオリゴ環(例えばベンゾイル)、アミノ酸(そのα−カルボキシ
ル基又は側鎖カルボキシル基によるアミド結合している)又はペプチド含有基若
しくは別の有機基であり、式中、Rは例えば脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化
水素、アミノ基、カルボキシル基、セラミド基、サルフェート基、アミノ酸、ペ
プチド、タンパク質、単糖、二糖、オリゴ糖、重合体、脂質、ステロイド、核酸
、ヌクレオチドなどの一般基を1以上含有する基のようなO−、N−、C−又は
S−グリコシド結合有機基であり得る、又はRは無機基であり得る。有機基の場
合には、Rは例えばアルキル基、脂肪族基、芳香族基、糖、脂質から構成できる
。の非限定例としては、
Galα1-3Galα-R,
Galα1-3Galα-Oセラミド、
Galα1-3GalαOPhNH(6-CO)-ガラクトシル-セラミド、
Galα1-3GalαOPhNH(6'-CO)-ラクトシル-セラミド、または、
Galα1-3GalαOPhNH(6-CO)-グルコシル-セラミドがあげられるだろう。
Galα1-3Galβ-R,Galα1-3Galβ-Oセラミドの非限定的な例としては、
Galα1-3GalβOPhNH(6-CO)-ガラクトシル-セラミド、
Galα1-3GalβOPhNH(6'-CO)-ラクトシル-セラミド、または、
Galα1-3GalβOPhNH(6-CO)-グルコシル-セラミドがあげられるだろう。
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-Rの非限定的な例としては、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-Oセラミド、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPhNH(6-CO)-ガラクトシル-セラミド、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPhNH(6'-CO)-ラクトシル-セラミド、または、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPhNH(6-CO)-グルコシル-セラミド、
アミノ酸、ペプチド、タンパク質又はこれらの基の2以上の基を挙げることがで
きる。アルキル基の例は−(CH2)nCH3のタイプの基であるが、式中、n=
0以上の整数であり、好ましくはn=0〜20の間の整数である。
R=糖類の場合における非限定例は下記の通りである:
例えばGlcNAcの4位を介して結合したN−アセチル−グルコピラノシル
基(GlcNAc−基)、又は−NHAc基の代わりに例えばR−C(O)−N
H−、R−NH2−、SO3−NHのタイプの別の基が使用されている類似結合の
GlcNAc基(式中、Rは例えばCH3(CH2)nのタイプの脂肪族基であり
、式中、nは1〜20の間の整数である、又はRは芳香族基、1−、2−、又は
ベンゾイルのようなオリゴ環状基である、又はアミノ酸(そのα−カルボキシル
又は側鎖カルボキシル基によってアミド結合している)又は式中、Rはペプチド
含有基である)、グルコピラノシル基(Glc−基)、別の単糖、これらのいず
れかを含有する二糖又はそれらの誘導体、これらの基の1又は2以上を含有する
オリゴ糖又はその誘導体、ポリリシンのような例えばペプチド鎖に基づく重合体
、又はアスパラギン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、グリシンなどのアミ
ノ酸を一以上含有する重合体、例えば上記のようなタイプのオリゴ糖、アガロー
ス又はセルロースのような多糖、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレングリコール(本発明に従って1−、2−又は多
官能性生成物の生成のために使用できるポリエチレングリコール誘導体類の非限
定例については例えばシェアウォーター社の重合体カタログを参照。例えばアグ
リコンとして糖に結合しているアミノ基含有スペーサーによって炭水化物を結合
させることのできる例えばトレシル−Star−PEGタイプの後者の場合にお
けるそれ以上の例については下記参照)その他の1又は2以上を含有する重合体
である。アミノ酸の例はアスパラギン、セリン、トレオニンその他である。
本発明に従った注射用の三糖類及び三糖誘導体に関連するその他の特異的非限
定例は、
Galα1-2Galβ1-iGlcNAc,Galα1-6Galβ1-iGlcNAc,Galα1-3Galβ1-iGlcNAc,
Galα1-2Galβ1-iGlcNAcβOPhNH2,Galα1-6Galβ1-iGlcNAcβOPhNH2
Galα1-3Galβ1-iGlcNAcβO(CH2)2PhNH2,
Galα1-2Galβ1-iGlcNAcβO(CH2)2PhNH2,
Galα1-6Galβ1-iGlcNAcβOPhNH2,Galα1-3Galβ1-iGlcNAcβOPhNH2,
Galα1-2Galβ1-iGlcNAcβOPhNH2,Galα1-6Galβ1-iGlcNAcβOPhNH2,(ここで、
iは3,4または6のいずれかの整数である。),Galα1-2Galβ1-iGlcNR,
Galα1-6Galβ1-iG,cNR,Galα1-3Galβ1-iGlcNR,
Galα1-2Galβ1-iGlcNRβOPhNH2,Galα1-6Galβ1-iGlcNRβOPhNH2,
Galα1-3Galβ1-iGlcNRβO(CH2)2PhNH2,
Galα1-2Galβ1-iGlcNRβO(CH2)2PhNH2,Galα1-6Galβ1-iGlcNRβOPhNH2,
Galα1-3Galβ1-iGlcNRβOPhNH2,Galα1-2Galβ1-iGlcNRβOPhNH2,
Galα1-6Galβ1-iGlcNRβOPhNH2,
(式中、iは整数の3、4若しくは6のうちの1つを表しており、Rはグルコー
ス−アミノ基に結合した無機又は有機脂肪族又は芳香族基である(つまり−NH
Ac基の代わりに例えばR−C(O)−NH−、R−NH−、SO3−NHのタ
イプの別の基が使用されている。ここでRはCH3(CH2)nのタイプの脂肪族
基(式中、nは1〜20の間の整数)、又は芳香族基、1−、2−、又はベンゾ
イルのようなオリゴ環状基、又はアミノ酸(そのα−カルボキシル又は側鎖カル
ボキシル基によってアミド結合している)又はペプチド含有基である。)。
上記の具体例におけるアグリコン基中のアミノ基類は、例えば1−、2−、3
−、又はオリゴ官能有機基又は無機基、即ち一般に糖−アグリコン−NHCO−
Rを用いて修飾できるが、それらのうちCO−Rの非限定例として下記を挙げる
ことができる:(6’、6”CO)−修飾トリマンノシド(上記で言及されてい
る)、その他のCO−修飾オリゴ糖、例えば非限定例としての6−CO−ガラク
トシルセラミド又は6’−CO−ラクトシル−セラミド、又は6−CO−グルコ
シルセラミドのような脂質、ステアリル、ブチリル、プロプロニル、アセチル(
後者の場合、例えばGalα1−3GalαOPhNHAc、Galα1−3G
alβ1−3GlcNAcβOPhNHAc、Galα1−3Galβ1−3G
lcNAcβO(CH2)2PhNHAc中の、及びGalα1−3Galβ1−
4GlcNAcβO(CH2)2PhNHAcに中のもの)のようなCO−(CH2
)nCH3基(nは例えば1〜20の間の整数である)、アミノ酸又はアミノ酸
誘導体、例えば−CO−(CH2)n−CO−(即ち、二糖又は三糖誘導体が架
橋剤と一緒に二価的に結合している)、−CO−(CH2)n−COOH−(即
ちこのタイプの誘導体はカルボキシル基で終了している;nは好ましくは0〜1
8の範囲内の整数である)のタイプの架橋剤。ここに挙げたアミノ基類はさらに
上記で言及されている他の2−、オリゴ−、又は多官能試薬の1又は2以上を用
いて修飾でき、(PEG、オリゴ糖類、ペプチド類の上記の例を参照)、それに
よって2−、オリゴ−、又は多官能可溶性三糖誘導体を入手できる(上記の例え
ばAに関する説明を参照)。
異種適用のために興味深いと思われる可溶性四糖類及び五糖類の非限定例は、
例えばGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Gal、Galα1
−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc、Galα1−
3Galβ1−4GlcNRβ1−3Gal、Galα1−3Galβ1−4G
lcNRβ1−3Galβ1−4Glc、及び本発明に従った合成方法によって
入手でき、上記で説明されている位置異性体、類縁体、及び単−、二−、オリゴ
−、又は多官能誘導体のような位置異性体類及び誘導体類である。その他の非限
定例は、上記のようなしかし、Galα1−2Galβ1−iGlcNR、Gl
aα1−6Galβ1−iGlcNR、Galα1−3Galβ1−iGlcN
R(式中、RはグルコサミンのNに結合している:Rは上記で例示されている)
を含有する類似四糖及び五糖構造、及び例えば上記で説明されているアグリコン
類を含有する構造である。
本発明に従うと、注射用化合物の追加の例は、糖グリコシド類、および例えば
アグリコン部分に少なくとも1個の反応性基を含んでいるような誘導体、又は例
えばGalα1−3Galβ1−4GlcNRのタイプの三糖のグルコサミン部
分上のアミノ基によって結合している上記のような誘導体類である。この反応性
基は本発明に従うと例えば異種反応性抗体と反応させるために使用することがで
きる。炭水化物部分が抗体に結合し、これによって、反応性基が好ましくは抗体
の特異的結合部位の近くに存在する基と反応するように促進され、抗体の抗原結
合能力が強力に阻害されるという事実によって、特異性が得られる。このタイプ
のいわゆるアフィニティー標識化並びにそれに関連する反応性基に関する文献は
広汎にあるので、これは本発明の範囲を限定しない。
例えば異種組織移植において患者の血漿内で阻害されるべきガラビオース−抗
体類の性質は均質ではない:ある抗体はガラビオースに比較的強力かつ特異的に
結合し、他の抗体は比較的に弱くガラビオース構造に結合して、三糖類及び三糖
誘導体の方に良好に結合する。本発明に従うと、ガラビオース含有二糖類、三糖
類若しくは四糖以上のオリゴ糖類又はそれらのグリコシドの混合物は注射するた
めに有用であると思われるが、それは余り複雑ではない二糖及び/又は二糖誘導
体を患者の血液内のガラビオース抗体類の実質的部分を阻害するために使用する
ことができ、優先的に三糖及び/又は三糖誘導体類へ結合する患者の血中の抗体
を阻害するために、注射された三糖及び/又は三糖誘導体を使用することができ
るからである。
同じことが、例えばGalα1−3Galα−のタイプの立体異性的ジガラク
トシド類に対して特異性を有する患者の血漿中の一部の抗体類及びGalα1−
6Gal及びGalα1−3Galβ1−3GlcNAcのような位置異性体類
に特異的な他の抗体類のような立体異性体類及び位置異性体類にも当てはまる。
患者の血漿内中の該抗体類は、移植されたブタ臓器上に存在する二糖及び三糖構
造に結合して急性拒絶反応を惹起する可能性がある。そこで本発明によれば、ヒ
トに移植されたブタの臓器の拒絶反応を阻害するために、二糖及び三糖(誘導体
)だけではなく、立体異性体類及び/又は位置異性体類の混合物を患者の血中に
注射することができる。
異種適用における使用のために興味深いと思われる位置異性体類の混合物の非
限定例としては、ブタ細胞へのヒト抗体(プールされた血漿及びO型血漿から)
の結合を相当に大きく低下させ、さらにその後の細胞の溶解を阻害する(三糖誘
導体混合物の総濃度:ヒト血漿1ミリリットル当たり2.5mg〜0.1mgの
間で)ことが証明されているGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβO(C
H2)2PhNHAc及びGalα1−3Galβ1−3GlcNAcβO(CH2
)2PhNHAcという二つの三糖誘導体の3/2混合物を挙げることができる
。
そうした三糖位置異性体類の混合物は本発明に従うと、例えば供与体としてG
alα1−3GalβSPh及び受容体として6−ベンゾイルGlcNAcβO
(CH2)2PhNO2−Pを使用する例えば化学的合成を行い、続いて従来型化
学的修飾を行った後に入手することができる(合成に関する詳細な情報について
は説明を参照)。注射用の二糖及び三糖混合物の非限定例としては、下記の混合
物の1又は2以上の注射剤を挙げることができる:
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβO(CH2)2PhNHAc と Galα1-3Galα-OMeまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβO(CH2)2PhNHAc と Galα1-3Galα-OEtまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHAc と Galα1-3Galα-OPhNH2-pまたはGalα1
-3Galβ1-4GlcNAcβOR と Galα1-3Galα-OR'または
(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ)n-A と (Galα1-3Galα)n-A
(式中、A、A’、R及びR’は1−、2−、オリゴ−、又は多官能A又はRの
上記の例の一部から選択され、さらに式中、nは例えば1又は2(二価糖)の整
数である、又はnは例えば3〜10の間の整数である)、及び
Galα1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHAc と Galα1-3Galα-OMeまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHAc と Galα1-3Galα-OEtまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHAc と Galα1-3Galα-OPhNH2-pまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcβOR と Galα1-3Galα-OR'または
(Galα1-3Galβ1-4Glcβ)n-A と (Galα1-3Galα)n-A'
式中、A、A’、R及びR’は1−、2−、オリゴ−、又は多官能A又はRの上
記の例の一部から選択され、さらに式中、nは例えば1又は2(二価糖)の整数
である、又はnは例えば3〜10の間の整数である)、及び
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβOPhNH2 と Galα1-3Galα-OMeまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβOPhNH2 と Galα1-3Galα-OEtまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβOPhNH2 と Galα1-3Galα-OPhNH2-p
および
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβOPhNHR と Galα1-3Galα-OMeまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβOPhNHR と Galα1-3Galα-OEtまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβOPhNHR と Galα1-3Galα-OPhNH2-pまたは
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-R と Galα1-3Galα-R'または
(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ)n-A と (Galα1-3Galα)n-A'
(式中、A、A’、R及びR’は1−、2−、オリゴ−、又は多官能A又はRの
上記の例の一部から選択され、さらに式中、nは例えば1又は2(二価糖(bifu
nctional saccharide))の整数である、又はnは例えば3〜10の間の整数で
ある)、及び
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNH2及びGalα1−3
Galα−OMe又は
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNH2及びGalα1−3
Galα−OEt又は
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNH2及びGalα1−3
Galα−OPhNH2−p又は
(Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNH2)n−A及び(G
alα1−3Galα)n−A’(式中、A、A’、R、R’およびR”は1−
、2−、オリゴ−、又は多官能A又はRの上記の例の一部から選択され、さらに
式中、nは例えば1又は2(二価糖)の整数であり、又はnは例えば3〜10の
間の整数である)、及び
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNHR’及びGalα1−
3Galα−OMe又は
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNHR’及びGalα1−
3Galα−OEt又は
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβOPhNHR’及びGalα1−
3Galα−OPhNH2−p又は
Galα1−3Galβ1−4GlcNRβ−R’及びGalα1−3Gal
α−R”又は
(Galα1−3Galβ1−4GlcNRβ)n−A及び(Galα1−3
Galα)n−A’(式中、A、A’、R、R’およびR”は1−、2−、オリ
ゴ−、又は多官能A又はRの上記の例の一部から選択され、さらに式中、nは例
えば1又は2(二価糖)の整数である、又はnは例えば3〜10の間の整数であ
る)。
上記の二糖、三糖、四糖及び/又は五糖グリコシド類の混合物の上記の例はさ
らに又精製のためにアフィニティーカラム(アフィニティークロマトグラフィー
)において使用するために分離材料に結合させるため、又は例えばブタ臓器から
患者への異種組織移植の前及び/又は後に例えば患者の血漿から抗体を除去する
ために興味深い。
そうしたアフィニティーカラムは例えば、分離材料へスペーサーによって固定
化されている例えば上記のタイプの糖類の混合物を含有することができる、又は
連続的に使用され得る分離カラムに種々の固定化された糖類を使用することがで
きる。
異種組織移植と関連して使用する場合は、本発明による生成物の使用は自然に
存在する臓器の使用に限定されない。異種移植と関連する拒絶反応を最小限に抑
えるためには、組換え(トランスジェニック)ブタから入手されたいわゆるトラ
ンスジェニック臓器の異種移植時及びその後に、本発明による可溶性1−、2−
、オリゴ−又は多官能生成物を組み合わせて患者に注射することが、本発明にお
いては有用である。そうした臓器においては例えばGalα1−3Galエピト
ープの発現は低下しており(例えば拒絶を惹起しないH型エピトープの合成を生
じさせるGalα(1−2)フコシルトランスフェラーゼの発現のためのGal
α(1−2)フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の導入を使用する)、及び/又
は臓器は例えば患者の補体系によって媒介される患者の拒絶反応の一部を阻害す
る能力を有する例えばタンパク質(類)の発現のための遺伝子を備えている。こ
れについての例はCD59及びいわゆる崩壊加速因子の発現のための遺伝子であ
る。ブタからの上記のタイプのトランスジェニック臓器/細胞の参照例はネーチ
ャー・メディスン誌、第1巻(Nature Medicine,Volume
1),
第1248−1250頁及び第1261−1267頁に記載されている。
上記の適用において注射される可溶性生成物の量はしばしば各生成物毎に専門
家によって決定され、本発明の範囲を限定しない。血漿1リットル当たりの注射
用物質の適切な量の例は5mgから、又は10mgから、又は20mgから、又は40
mgから、又は100mgから10gまで、又は5gまで、又は2gまで、又は1g
まで、又は0.5gまで、又は0.2gまでである。より高用量は、例えば非毒
性生成物、又は1単位当たりの活性が低い生成物に適用されるが、他方より低用
量は例えばより高活性を有する生成物に適用される。
本発明による可溶性1−、2−、オリゴ−、又は多官能GlcNAcβ1−3
Galβ−含有生成物又はGalβ1−3GlcNAcβ1−3Galβ−含有
生成物の使用の例は、例えば気道における感染症のin vivoでの阻害研究
用であり、阻害用である。
本発明により生成された不溶性Galα1−3Gal−含有生成物を使用する
例は、例えば自然に存在する臓器の異種組織移植又は例えば上記の非限定例に従
って組換え動物からの臓器の異種組織移植における拒絶反応を最小限に抑えるこ
とが可能なように、それらを例えば上記の抗体類の大部分を患者の血清から分離
するための分離生成物として使用することである。
本発明に従って入手されたそうした不溶性分離生成物の非限定例は、アガロー
スに共有的に結合したGalα1−3Galβ−A(例えばGalα1−3Ga
lβ−Aとトレシル活性化アガロース又はN−ヒドロキシスクシンイミド活性化
カルボキシル−アガロース又はカルボキシル−セルロースとの間の反応後に)、
又は例えばセルロースのような他の材料に共有的に結合したGalα1−3Ga
lβ−Aである。Aはスペーサーを含有している;これの非限定例は−O(CH
2)6NH2であり、又は本発明のスペーサーの好適なタイプとしては、共用結合
に対する反応性基を持つ−OPhNH2である(上記参照)。スペーサー、活性
化アガロース又はセルロースの選択及び共有結合生成物の生成は専門家であれば
容易に行うことができ、本発明の範囲を限定しない。アガロース、セルロース及
びその他の適切な分離材料の配給業者の例は、ファルマシア社製のセファロース
(架橋結合、CL又は非架橋結合)、COOH−セルロース(例えばワットマ
ン社製)、例えばファルマシア社製のパーセプティブ・バイオシステムズ及びバ
イオセプラの灌流クロマトグラフィー用材料である。本発明により生成及び使用
される、アガロースまたはセファロースベースの分離用生成物のより具体的な非
限定例は、
Galα1-3Galα-O(CH2)2PhNHCO--セファロースR、
Galα1-3Galα-O(CH2)2PhNHCO--セルロース、
Galα1-3Galα-OPhNHCO--セファロースR、
Galα1-3Galα-OPhNHCO--セルロース、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPhNHCO--セファロースRと
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPhNHCO--セルロース、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3GalβOPhNHCO--セファロースRと
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3GalβOPhNHCO--セルロース、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-O(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-O(CH2)2PhNHCO--セルロース、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcβOPhNHCO--セファロースRと
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcβOPhNHCO--セルロース
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3GalβO(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3GalβO(CH2)2PhNHCO--セルロース、
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHCO--セルロース、
GlcNAcβ-O(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
GlcNAcβ-O(CH2)2PhNHCO--セルロース、
GlcNAcβ1-3GalβO(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
GlcNAcβ1-3GalβO(CH2)2PhNHCO--セルロース、
Galβ1-3GlcNAcβ1-3GalβO(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
Galβ1-3GlcNAcβ1-3GalβO(CH2)2PhNHCO--セルロース、
Galβ1-3GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHCO--セファロースRと
Galβ1-3GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcβO(CH2)2PhNHCO--セルロース
である。
CO−セルロース又はCO−セファロース(アガロース)、又はCO−セルロ
ース又はCO−セファロースは、カルボキシル基含有物質を用いてセルロースま
たはセファロースが修飾された後に、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドを用
いてカルボキシル基が活性化され、上記の炭水化物物質の結合のために使用され
ていることを意味している。
本発明によりそれに糖含有リガンドを結合させることのできる市販で入手可能
後者は上記で言及されている生成物における本発明の好適な変形において使用
されている。後者の材料又は担体(例えばファルマシアから入手可能なNHS−
活性化セファロース−FF)は本発明によるアミノ基含有糖類の結合のために直
接的に(即ち先行活性化を行わずに)使用することができる。本発明の優先変種
は下記で非限定例として与えられる:
それは無菌条件下で非限定典型的例において緩衝液(例えば非限定例として0
.1Mリン酸ナトリウム)中でpH7.5又はpH8.0のNHS−活性化セフ
ァ
1−3Galα−OPhNH2又はGalα1−3Galβ1−4GlcNAc
β−OPhNH2;式中、nは例えば1〜20の間の整数又は別の数であり、典
型的非限定例はn=5、8、10、12、15又は20のいずれかである)が2
時間又は20時間に渡り例えば室温で反応させられる。材料はガラスフィルター
上で、又は他の無菌条件下で緩衝液を用いて洗浄され、残っている反応性基を反
応させるために例えばトリス−HCl緩衝液を用いて処理される。
CM−変種も又使用できるが、先行活性化が必要とされる。
セルロース又はアガロースの代わりに他の担体材料を使用することができるが
、それらは上記で言及されている、上記のリガンドへ結合させるために例えばエ
ポキシ基を用いて、又は他の活性化方法によって活性化される例えばポロス[P
O
同様に、例えばGalα1−3Gal−エピトープに対する抗体類から血液を
分離するために、1本のカラム又は2本の個別カラム(カラムが同一又は相違す
る量の固定化糖を含有できる場合)に充填された、1つの及び同一担体上での2
又は3以上の固定化炭水化物類又は上記の担体類の2又は3以上の混合物の組み
合わせも使用できる。これの非限定例は、例えばDSC活性化(D1−N−カル
ボン酸スクシミジルを用いての活性化)、COOH−セファロース又はCOOH
−セルロース上での二糖誘導体類であるGalα1−3Galα−OPhNH2
及びGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−O(CH2)2PhNH2の
固定化、又は例えばエポキシ基を用いてのポロス50活性化又は他の活性化方法
による固定化である。
同様に、スペーサーが分離材料への共有結合に適したO−、S−又はC−グリ
コシド結合有機分子を表している場合のGalα−スペーサーのタイプの単糖誘
導体類も、Galα1−3Gal−エピトープに対する抗体類の一部又は大部分
を除去するために上記のタイプの分離材料に結合させるために興味深い可能性が
ある。そうした分離材料の非限定例はGalα−OPhNHCO−−セファロー
ス及びGalα−O(CH2)2PhNHCO−−セファロースである。
1本又は相違する複数のカラムにおいて固定化された様々の単糖類、二頭類、
三糖類及び四糖以上の糖類のそうした組み合わせの長所の例は、例えば抗体のほ
とんどを除去(例えば患者の血液から)するために例えば固定化された単糖及び
/又は二糖リガンドを、そして残っている抗体(例えば三糖リガンド及び/又は
四糖以上の糖リガンドより二糖リガンドに対する結合能力の低い抗体)を除去す
るために固定化された三糖リガンド及び/又は固定化された四糖以上のオリゴ糖
を使用することが可能である点である。この方法では2つの目的を達成すること
ができる:一方では問題の抗体のより完全な除去、他方では二糖リガンド類より
生成するために相当に費用が高くなる三糖リガンド又は四糖以上のオリゴ糖リガ
ンドの使用を最小限に抑えること。
上記のように、二糖、三糖、オリゴ糖又は多糖リガンドは又Galα1−3G
al−エピトープに対する抗体の除去のために生成して分離材料(例えば上記の
タイプの)に固定化することができる。この方法では抗体と分離材料の間のより
高いアフィニティーが達成される可能性がある。これは順に抗体のより完全な除
去を達成することを可能にすることができる(特に、Galα1−3Gal−エ
ピトープに対する他の抗体類と比較したときに、単官能、二糖、三糖、又は四糖
以上のオリゴ糖リガンドへの特異性は有するがアフィニティーが低いような抗
体)。そうしたオリゴ糖リガンドの非限定例は、例えば共役反応のためにカルボ
ジイミド反応、又は例えば抱合体を調製するためのBSタイプ(ビス−スルホ−
スベリン酸スクシニミジル)の架橋剤を使用して、例えばGalα1−3Gal
α−OPhNH2及び/又はGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−O
PhNH2、及び/又は非限定例として使用されるGalα1−3Galβ1−
4GlcNAcβ−O(CH2)2PhNH2と共役されたヒト血清アルブミン(
HSA)である。(Galα1−3Galα−OPhNH−CO)n−HSA及
び/又はGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−O(CH2)2PhNH
−CO)n−HSA及び/又はGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−
OPhNH−CO)n−HSAのタイプの抱合体を含むこの非限定例は、例えば
上記で言及された分離材料(担体類)と同一方法で固定化することができる。結
果として生じる材料はGalα1−3Gal−エピトープに対する抗体類の除去
のために使用できる。固定化された二糖、三糖、オリゴ糖、又は多糖リガンドに
基づくこのタイプの分離材料はGalα1−3Gal−エピトープに対する抗体
類の除去のために単独で使用できる、又は上記で言及された分離材料(上記のタ
イプの固定化された単糖、二糖、三糖及び/又は四糖以上のオリゴ糖リガンドを
含有する)と組み合わせて使用できる。
上述したように、CO−セルロース又はCO−セファロース(アガロース)、
又はCO−セルロース又はCO−セファロースは、セルロース又はセファロース
(アガロース)が、上記の炭水化物物質の結合のために使用されるカルボキシル
基含有物質を用いて修飾されており、さらにその後に例えばN−ヒドロキシスク
シンイミド又はDSCを用いてカルボキシル基において活性化されていることを
意味している。固定化のためのセファロースの非限定例は上記で言及されている
。セルロース又はアガロースの代わりに、上記の糖リガンド類の結合のために、
上記で言及されている例えばエポキシ基を用いて、又は他の活性方法を用いて活
性化されている例えばポロス50のような他の材料を使用することができる。
上記の分離用生成物はさらに、上記で与えられている例において、セファロー
ス、セルロース又はポロス材料に結合されている構造がその代わりにELISA
プレート(例えばNUNC社、デンマークから入手されるような)内の活性化マ
イクロタイター・ウェルに結合され、上記の最初で言及されている酵素細胞類、
細菌類、タンパク質類、抗体類、検査中の細胞類のELISA測定に適する生成
物が入手される場合には、酵素又は細胞、細菌、毒素、抗体及び本発明において
上記で言及されているその他のタンパク質類の精製のために使用することができ
る。
NUNC社製コバリンクへの結合の非限定例は、NUNC社製コバリンクへのB
S(ビス−スルホ−スベリン酸スクシニミジル)を添加すること、そしてその後
に上記の糖類の数種又はその他の糖リガンド類を添加することである。非限定例
は、Galα1−3Galα−OPhNH2、又はGalα1−3Galβ1−
4GlcNAcβ−O(CH2)2PhNH2(Galα1−3Gal−エピトー
プに対する抗体類の測定のため)、又はGalα1−3(Fucα1−2)Ga
lβ−O(CH2)2PhNH2−P(B型決定基の測定のため)のいずれかを添
加することである。残りの活性基はその後例えばトリス−HCl又は例えばHS
Aのようなペルオキシダーゼ(最初に過ヨウ素酸塩を用いて酸化されている)の
不活性タンパク質と反応させることができる。
後者の例は、例えばGalα1−3GalβOPhNH2−p又はGalα1
−3Galβ1−4GlcNAcβ−OPhNH2とペルオキシダーゼとの抱合
(過ヨウ素酸で最初から酸化されている)であり、その後シアノホウ水素化ナト
リウムを用いての還元により、さらに例えばセファデックスG50又はセファデ
ックスG75を用いてのクロマトグラフィー(抱合体の精製)により遮断又は反
応させることができる。この抱合体はその後、非限定例としてGalα1−3G
alβ又はGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−糖類の測定のために
例えば工程1:マイクロタイター・プレート上の上記の構造のいずれかに対して
特異性を有する抗体類の吸着、
工程2:ペルオキシダーゼ抱合体と一緒にマイクロタイター・ウェルへの上記
の糖類のいずれかを含有する試料の塗布、その後に
工程3:ペルオキシダーゼ基質の塗布及びウェルにおける吸光度の測定により
使用することができるこの方法では可溶性炭水化物濃度が上昇するときには低下
する吸収が入手される。
この競合的アッセイの代わりに、多数の他の構成を使用することができる。例
えば上記のガラビオース構造類に対するタンパク質類又は抗体類の測定のために
は、プレートをまず最初に抗ヒト抗体を用いてインキュベートし、その後にガラ
ビオース、その後にペルオキシダーゼーガラビオース抱合体、その後に基質に特
異的な抗体を用いてインキュベートし、最終的に吸光度の測定を行うことができ
る。インキュベーション時間、各工程間の緩衝及び洗浄は標準条件に対応する、
又は専門家によって容易に決定されるように修飾される。類似の方法で、ELI
SAにおいて使用される多数のその他のタイプの酵素を本発明に従った炭水化物
類と共役させることができ、結果として生じた抱合体を同様に使用することがで
きる。類似の方法で、炭水化物類は例えばビオチンに共役させることができ、生
じた抱合体を例えば可溶性炭水化物の競合的アッセイにおいて、又は例えばガラ
ビオースに対するタンパク質又は抗体の測定のためにストレプトアビジン−酵素
抱合体と一緒に使用することができる。
上記の異種組織移植例におけるアフィニティー適用においては、分離用生成物
は本発明に従うと1本のカラム又は相違する複数カラムに充填することができ、
さらにGalα1−3Galに対する患者の抗体の特異的除去のために患者から
の血漿が上記のカラム内を通過させられる。その代わりに、生成物は磁気ミクロ
スフェア(例えばトシル活性化ダイノビーズへ例えば上記のタイプのスペーサー
によって共有的に結合した例えばGalα1−3Gal)の形であり得るが、こ
れは患者の血漿に添加され、添加されるとGalα1−3Galに対する患者の
抗体はミクロスフェアに結合され、磁気を利用してのミクロスフェアの除去によ
って分離される。
カラム及び/又は磁気微粒子を用いての処理後、拒絶反応は本発明に従うと、
本発明に従った糖、又は糖誘導体、又は2若しくは3以上の相違する可溶性の1
−、2−、オリゴ−、及び/又は多官能生成物の注射によってさらに最小限に抑
えることができる。
カラムの設計、カラムのシステム、カラムからの再生(結合抗体の溶離)及び
分離材料及び可溶性炭水化物生成物(例えば注射用可溶性生成物の濃度について
は上記参照)の総量は専門家によって決定され、本発明の範囲を限定しない。カ
ラム内の分離材料の直径の非限定例は例えば5mmから、又は10mmから、又
は20mmから、又は40mmから、200mmまで、又は150mmまで、又
は100mmまで、又は100mmまでである可能性があり、カラム内の分離用
生成物の充填高さは例えば25mmから、又は50mmから、又は75mmから
、又は100mmから、500mmまで、又は400mmまで、又は200mm
まで、又は現在Protein−Aカラムのために使用されている寸法までであ
る可能性がある。1本のカラムを使用できる、又は患者の血液又は血漿から抗体
の至適除去を獲得するために2本又は3本以上のカラムを連続して使用すること
ができる。
その代わりに、血漿を患者の対外で接続した例えばブタからの天然に存在する
又は組換え臓器(例、腎臓又は肝臓)を通して血漿を通過させる前に、患者から
の血漿をGalα1−3Gal−含有生成物と一緒にカラム又は複数のカラムに
通過させることによって処理を実行でき、この方法で患者の血漿の例えばブタ腎
臓又はブタ肝臓に対する拒絶反応が最小限に抑えられる。ブタ臓器と接触させる
前及びカラム又は磁気微粒子を用いての処理後に、本発明により本発明に従った
可溶性1−、2−、オリゴ−、及び/又は多官能生成物の添加により拒絶反応の
さらにいっそうの最小化を入手することが可能である。
糖類の異種組織移植適用のための上記で言及したことは、本発明に従うとさら
にヒトドナーからの臓器をB型又はA型の患者へ供与する場合にも適用すること
ができるが、その場合には血液A型糖類又は血液B型糖類及び/又はそれらの固
定化誘導体類が例えば異種組織移植の場合についての上記に相応する方法で使用
される。
異種組織移植適用について上記で言及されたように、可溶性及び/又は固定化
糖類の適用はトランスジェニック又は非トランスジェニック臓器と一緒に、及び
興味深い可能性のある他の処理(免疫抑制剤その他)と組み合わせて使用するこ
とができる。非限定例は有機基を用いて共有的に修飾されているα−ガラクトシ
ダーゼを用いての処理を含む処理である。これの非限定例は免疫原性を最小限に
抑え、酵素の半減期を延長させるためのPEG抱合酵素(共役のためのPEG誘
導体類は上記で例示されている)である。このPEG酵素は抗体反応を最小限に
抑えるために移植前及び後にブタ臓器上のGalα1−3Gal−エピトープの
数を最小化(Galα−結合の特異的加水分解)するために使用できる。
PEG抱合α−ガラクトシダーゼ(酵素源の非限定例は上記の原理に従ってそ
れから酵素を精製できるコーヒー豆である)の生成は本発明の範囲を限定しない
が、タンパク質類のPEG共役のための周知のテクノロジーを適用することによ
って専門家によって実行される。下記では、本発明の実際的使用の追加の非限定
例を記載する。
1.GlcNAcβ−O(CH2)5COOEtの合成。
GlcNAcβ−PNP(70g)及びHO(CH2)5COOEt(32g)
をpH6.0の50mM酢酸ナトリウム緩衝液2.2リットル中で混合し、アス
ペルギルス・オリザエからのN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ製剤1
7gを室温で添加した。反応混合物を攪拌し、10時間後に加熱処理(5分間、
80℃)を用いて中止させた。混合物を30分間11,300gで遠心し(反応
しなかった供与体基質の大半、約38gが除去された)、非反応エステル基質/
及びp−ニトロフェノールを除去するために酢酸エチルを用いて水相を抽出した
。この水相を濃縮させ、セファデックスG10(約20リットルの充填量)上に
載せた。水を用いての溶離によって生成物混合物が得られたので(約25g)、
これをシリカ(CMH/7:4:0.3)上でのクロマトグラフィーによって精
製した。15gの生成物が入手され(反応した供与体について計算すると約45
%w/w)、これはNMRによると純粋であった。NMRデータ(13C;非補
正):生成物の単糖部分:
173.63(C=O),102.66(C-1),57.38(C-2),
77.90(C-3),72.13(C-4),76.09(C-5),62.79(C-6); 産物のアグリコン部位:
173.65(C-1),35.07(C-2).25.72(C-3),26.60(C-4),30.24(C-5),70.25(C-6),61.38
(C-1'),14.53(C-2').選択された1H-データ:非補正:4.79(d,H-1,J1,2=8.1),1
.97(s,NHAc),1.23(t,CH3i,J1',2'=7.3).
2.GlcNAcβ1−3(6−OBn)Galβ−SEtの合成。
GlcNAcβ−PNP(5g)及び(6−OBn)Galβ−SEt(5.
5g)を0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(150ml、pH7)中で混合した
。アスペルギルス・オリザエ(8g)からのβ−D−グルコサミニダーゼ製剤を
添加し、反応を室温で150分間継続させたところ、その間に約60mMのPN
Pが遊離された、即ち供与体の約60%(3g)が反応した。反応混合物を濾過
し、pH4の塩化メチレン(PNPの除去)、EtOAc(3×150mL)を
用いて抽出すると、純粋の未反応(6−OBn)Galβ−SEtが生じたので
、さらに水相を濃縮後にセファデックスG10(1L)を含有するカラム上に適
用し、蒸留水を用いて溶出した。フラクションを含む生成物を最後にクロマトグ
ラフィーにより精製した(シリカ;C:M:H;7:3:0.3)。蒸発及び減
圧での乾燥後、純粋な生成物を入手した(150mg、白色の堅い物質:反応し
た供与体の5%w/w)。パーアセチル化生成物の13C NMRデータ(CD3
OD):15.20.24.86(C-SEt),56.1(C-2'),62.84(C-6'),70.21(2C,C-2,C-4'),71.
88(C-4),72.67(C-5'),73.38(C-3'),74.36(C-6,CH2Ph),77.67(C-3),79.50(C-5),8
4.79(C-1),101.93(C-1'),128.75,128.99,129.38.139.45(6C,Ph),171.09-173.12(
6C=O).
3.パーアセチル化Galα1−3Galβ−SEt及びパーアセチル化Ga lα1−3Galβ−SPhの合成。
Galα−OPhOMe−p(20g)を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(
200ml、pH6.5)中に溶解させた。コーヒー豆(2g:Kenya産コ
ーヒー豆を微粉砕し、緩衝液を用いて酵素を抽出し(上記参照)、70%硫酸ア
ンモニウムを用いての沈殿、透析及び凍結乾燥することにより調製)からのα−
D−ガラクトシダーゼ製剤を添加し、24時間中45℃で反応を継続させると、
その間に基質の大部分が反応した。これをpH4の塩化メチレン(HOPhOM
e−pの除去)、EtOAc(EtOAc相中の未反応Galα−OPhOMe
−pの部分)、およびEtOAcとn−ブタノールの混合物(残存していたGa
lα−OPhOMe−p、Galα1−Galα−OPhOMe−p位置異性体
類及び一部のガラクトースの混合物が有機相に存在した)を用いて抽出した。後
者の有機相を、蒸発及び水中への溶解後に、セファデックスG10(1.2リッ
ト
ル)により精製し、蒸留水を用いて溶出した。これは純粋のGalα1−3Ga
lα−OPhOMe−p(2g:生成物全部は精製しなかった)を生じた。これ
はその後各々パーアセチル化Galα1−3β−SEt及びパーアセチル化Ga
lα1−3Galβ−SPhを生じさせるために(パーアセチル化の後に各々脂
肪族又は芳香族チオール化合物と反応させる)化学変換のために使用された。
その代わりに上記の生成物をGalα1−3Galα−OPhNO2−pによ
って調製し(これは上記に対応する酵素反応を用いて、しかし基質としてGal
α−OPhNO2−pを用いて、Galα1−3Galα−OPhOMe−pと
同一方法で入手された)、これをGalα1−3Galα−OPhNH2−pへ
還元し、パーアセチル化し、アセトニトリル:水中でCANを用いて−OPhN
HAc−pを除去してパーアセチル化Galα1−3Galα、β−OHを入手
し、これをパーアセチル化Galα1−3Galβ−OC(=NH)CCl3に
よって各々パーアセチル化Galα1−3Galβ−SEt又はパーアセチル化
Galα1−3Galβ−SPhへ変換させ、その後に各脂肪族又は芳香族チオ
ール化合物と反応させた。
4.各々Galα1−3Galα−OPhNH−CO−セファロース及びGa lα1−3Galα−OPhNH−CO−セルロースの調製。
上記のようにして入手したGalα1−3Galα−OPhNH2−p(例、
1、2、3、4、5、6、7又は8mg/ml活性化ゲル)をDSC活性化(触
媒としてピリジンを用いてアセトン中でDi−N−スクシミジルカルボナート、
DSCを用いて活性化した:DSCはN−ヒドロキシスクシンイミド、NHSに
シア社製)と室温で2時間に渡りpH8で反応させ、トリス−HCl(0.2M
、pH8)を用いて室温で2時間に渡り処理した。この物質は0.1Mリン酸ナ
トリウム緩衝液(pH7.0)を用いて洗浄され、Galα1−3Gal−エピ
トープに対する抗体類の分離のために使用された。対応する方法はワットマン社
製DSC活性化(触媒としてピリジンを用いてアセトン中でDi−N−スクシミ
ジルカルボナート、DSCを用いて活性化された:DSCはN−ヒドロキシスク
シ
OOH/g(乾量))についても使用され、結果として生じた物質はGalα1
−3Gal−エピトープに対する抗体類の分離のために使用された。
5.各々Galα1−3Galβ−1−4GlcNAcβ−O(CH2)2−P h−NH2及びGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−O(CH2)2− Ph−NH−CO−セファロース及びGalα1−3Galβ1−4GlcNA cβ−O(CH2)2−Ph−NH−CO−セルロースの調製。
パーアセチル化Galα1−3Galβ−SEtを例えばジクロロメタン(又
はアセトニトリル)中のAgトリフラートの存在下で例えば(6−Oベンゾイル
)GlcNPhthβ−O(CH2)2Ph−NO2を用いて反応させ、結果とし
て生じた(2,3,4,6−OAc)Galα1−3(2,4,6−OAc)G
alβ1−4(6−Oベンゾイル)GlcNPhthβ−O(CH2)2Ph−N
O2を脱アセチル化及び脱ベンゾイル化させ、さらに脱フタリル化させ、アミノ
基をアセチル化させ、ニトロ基を還元させると、Galα1−3Galβ1−4
GlcNAcβ−O(CH2)2Ph−NH2が生じた。アミノ基のアセチル化の
代わりに他の有機又は無機物質(上記の説明参照)と反応させることができ、こ
れを用いるとGalα1−3Galβ1−4GlcNRβ−O(CH2)2Ph−
NH2のタイプの生成物を入手できるが、式中、Rは有機又は無機物質である。
一定量の位置異性体Galα1−3Galβ1−3GlcNAcβ−O(CH2
)2Ph−NO2は上記の還元前に、Galα1−3Galβ1−4GlcNA
cβ−O(CH2)2Ph−NO2とともに得られるが、これは例えばセファデッ
クスG10又はG15カラムクロマトグラフィー(溶離液:水)を使用すること
によって分離できる。Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−O(CH2
)2Ph−NH2(例、1、2、3又は4mg/ml活性化ゲル)の一部はDS
C活性化(触媒としてピリジンを用いてアセトン中でDi−N−スクシミジルカ
ルボナート、DSCを用いて活性化された:DSCはN−ヒドロキシスクシ
は4FF、ファルマシア社製)と室温で2時間に渡りpH8で反応させ、トリス
−HCl(0.2M、pH8)を用いて室温で2時間に渡り処理した。この物質
は0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用いて洗浄され、Galα
1−3Gal−エピトープに対する抗体類の分離のために使用された。対応する
方法はワットマン社製DSC活性化(触媒としてピリジンを用いてアセトン中で
Di−N−スクシミジルカルボナート、DSCを用いて活性化された:DSCは
N−ヒドロキシスクシンイミド、NHSに類似している)COOH−セルロース
(0.1meq COOH/g(乾量))についても使用され、結果として生じ
た物質はGalα1−3Gal−エピトープに対する抗体類の分離のために使用
された。
6.各々Galα1−3Galβ−1−4GlcNAcβ−O(CH2)2−P h−NH2及びGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−O(CH2)2− Ph−NH−CO−セファロース及びGalα1−3Galβ1−4GlcNA cβ−O(CH2)2−Ph−NH−CO−セルロース、 各々Galα1−3Galβ−1−4GlcNAcβ−OPh−NH2及びG alα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−OPh−NH−CO−セファロー ス及びGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−OPh−NH−CO−セ ルロースの調製。
パーアセチル化Galα1−3Galβ−SEtを例えばジクロロメタン(又
はアセトニトリル)中のAg−トリフラートの存在下で低温(例えば−4O℃)
で例えば(6−Oベンゾイル)GlcNAcβ−OPh−NO2−pと反応させ
、結果として生じた(2,3,4,6−OAc)Galα1−3(2,4,6−
OAc)Galβ1−4(6−Oベンゾイル)GlcNAcβ−OPh−NO2
−pを脱アセチル化及び脱ベンゾイル化させ、ニトロ基を還元させると、Gal
α1−3Galβ1−4GlcNAcβ−OPh−NH2が生じた。一定量の位
置異性体Galα1−3Galβ1−3GlcNAcβ−OPh−NO2は上記
の還元前に、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−OPh−NO2と
一緒に入手されるが、これは例えばセファデックスG10又はG15カラムクロ
マ
トグラフィー(溶離液:水)を使用することによって必要な場合は分離できる。
Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−OPh−NH2(例、1、2
、3又は4mg/ml活性化ゲル)の一部はDSC活性化(触媒としてピリジン
を用いてアセトン中でDi−N−スクシミジルカルボナート、DSCを用いて活
性化された:DSCはN−ヒドロキシスクシンイミド、NHSに類似している)
C
で2時間に渡りpH8で反応させ、トリス−HCl(0.2M、pH8)を用い
て室温で2時間に渡り処理した。この物質は0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(
pH7.0)を用いて洗浄され、Galα1−3Gal−エピトープに対する抗
体類の分離のために使用された。対応する方法はワットマン社製DSC活性化(
触媒としてピリジンを用いてアセトン中でDi−N−スクシミジルカルボナート
、DSCを用いて活性化された:DSCはN−ヒドロキシスクシンイミド、NH
Sに類似している)COOH−セルロース(0.1meq COOH/g(乾量
))についても使用され、結果として生じた物質はGalα1−3Gal−エピ
トープに対する抗体類の分離のために使用された。
7. 各々、a)Galα1−3Galβ−1−4GlcNAcβ1−3G al、 b)Galα1−3Galβ−1−4GlcNAcβ1−3βGalβ−O( CH2)2−Ph−NH2−p及び c)Galα1−3Galβ−1−4GlcNAcβ1−3Galβ−OPh −NH2−p、 d)Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−O(CH 2)2−Ph−NH−CO−セファロース、及び e)Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−O(CH 2)2−Ph−NH−CO−セルロース、及び各々 f)Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−OPh− NH−CO−セファロース、及び g)Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−OPh− NH−CO−セルロースの調製。
6(a)(ベンジル基は還元により最終工程で取り除かれた、Pd/C)、b
、d及びe各々の調製並びにc,f及びg各々の調製のために、実施例5で使用
されたものに対応する反応が上記の実施例5と同一の供与体を用いて使用された
が、しかし受容体の代わりに下記のタイプの
(6−Oベンジル)GlcNAcβ1−3(6,2−OAc)Galβ−OC
H2Ph、又は
(6−Oベンジル)GlcNAcβ1−3(6,2−OAc)Galβ−O(
CH2)2−Ph−NO2、又は
(6−Oベンゾイル)GlcNAcβ1−3(6,2−OAc)Galβ−O
Ph−NO2の各々を使用した(受容体に既にN−アセチル基が存在していたの
で、遊離アミノ基の各々脱フタリル化及びアセチル化は必要とされなかった)。
アミノ基生成物は上記で言及したことに従ってDSC−活性化COOH−セル
ロース及びセファロースへ各々結合するために使用された。
8.Galα1−3Gal、Galα1−3Galβ−O(CH2)2−PhN H2及び固定化Galα1−3Galα−OPhNH2及びGalα1−3Gal β1−4GlcNAcβ−OPhNH2の生成。
Galα−OPhNO2−p(20g)を0.1Mリン酸水素ナトリウム緩衝
液(pH6.5)中に溶解させ、凍結乾燥α−ガラクトシダーゼ製剤(2g、微
粉砕したコーヒー豆から緩衝液を用いての抽出、透析及び凍結乾燥により調製さ
れた)を45℃で添加した。24時間に渡って反応を継続させ、その後に混合物
を加熱し(酵素の不活化)、冷却し、酢酸エチル、ブタノールを用いてpH4.
5で抽出した。ブタノール相を蒸発させ、クロマトグラフィー(セファデックス
G10、溶離剤:水)を用いて精製したところ、精製されたGalα1−3Ga
lα−OPhNO2−p(凍結乾燥後には約3g)が得られた。連続してH2/P
d/C、Ac2O/ピリジン、CAN/アセトニトリル水を用いて生成物の一部
を処理すると、(Ac)7Galα1−3Gal−OH(原材料分子量に基づく
と収量75%)が得られ、従来型脱アセチル化後にはGalα1−3Galが
得られたが、これはNMRによると純粋であった。連続してCl3CCN/Na
H/ジクロロメタン、HO(CH2)2PhNO2−P/ジクロロメタンーアセト
ニトリル/TMSOトリフラートを用いて(Ac)7Galα1−3Gal一O
Hを処理すると、(Ac)7Galα1−3Galα−O(CH2)2PhNO2
−Pが得られた。NaOMe/MeOHを用いての脱アセチル化及びMeOH水
溶液中でH2/Pd/Cを用いてのニトロ基の還元により、Galα1−3Ga
lα−O(CH2)2PhNO2−Pが得られたが、これはNMRによると純粋で
あった。後者の物質をDSC活性化(触媒としてピリジンを用いてアセトン中で
Di−N−スクシミジルカルボナート、DSCを用いて活性化された:DSCは
N−ヒドロキシスクシンイミド、NHSに類似している)COOH−セフピトープに対する抗体類の分離のために使用した。上記のH2/Pd/C工程後
に生成したGalα1−3Galα−OPhNH2及びGalα1−3Galβ
1−4GlcNAcβ−OPhNH2は上記の説明に従ってNHS活性化セファ
ロース4FFに対して固定化した。9.a)Gal α1-3Gala-OPh-NH-CO-PEG b)(Gal α1-3Galα-OPh-NH-CO)2-PEG c)(Gal α1-3Galα-OPh-NH-CO)n-PEG d)Gal α1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPh-NH-CO-PEG e)(Gal α1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPh-NH-CO)2-PEG f)(Gal α1-3Galβ1-4GlcNAcβ-OPh-NH-CO)n-PEG g)Gal α1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ-OPh-NH-CO-PEG h)(Gal α1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ-OPh-NH-CO)2-PEG i)(Gal α1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ-OPh-NH-CO)n-PEG j)GlcNAc β1-3Galβ-O(CH2)2-Ph-NH-CO-PEG k)(GlcNAc β1-3Galβ-O(CH2)2-Ph-NH-CO)2-PEG l)(GlcNAc β1-3Galβ-O(CH2)2-Ph-NH-CO)n-PEG m)Gal β1-3GlcNAcβ1-3Galβ-O(CH2)2-Ph-NH-CO-PEG n)(Gal β1-3GlcNAcβ1-3Galβ-O(CH2)2-Ph-NH-CO)2-PEG i)(Gal β1-3GlcNAcβ1-3Galβ-O(CH2)2-Ph-NH-CO)n-PEG の調製
上記のタイプの生成物を入手するために、対応する二糖、三糖又は四糖をメト
キシ−SPA−PEG(a、d、その他)、SPA2−PEG又はスター−トレ
シル−PEG(シェアウォーター・ポリマーズ社、米国から入手可能、PEG−
名称は同社のカタログから)と反応させた。上記は単に実施例を構成しており、
他のタイプのPEG誘導体、架橋剤又はその他の結合のためのスペーサーを有す
る糖類を類似の可溶性糖抱合体を入手するために使用することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年11月14日(1997.11.14)
【補正内容】
請求の範囲
1.式(R'-Gal α 1-3R"Gal α,β)n-Rを有する糖質化合物であって、
Rは、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アミノ基、カルボキシル基、セ
ラミド基、PEG、オリゴマーPEG、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、単糖、二糖
、オリゴ糖、ポリマー、脂質、ステロイド、核酸、およびヌクレオチドの中から
選択される1以上の基を具備するO-、N-、C-もしくはS-グリコシドに結合し
た基、またはサルフェート基であり、
R'は、2,3,4および6位の水酸基に相当するか、または一以上の置換され
た2,3,4および6位の水酸基を有し、
R"は、2,4および6位の水酸基に相当するか、または一以上の置換された2,
4および6位の水酸基を有し、
R'およびR"は同一であってもよく、または異なっていてもよく、サルフ
ェート、カルボキシル、フォスフェート、デオキシ、エステル、アリル、ベンジ
ルおよびp-メトキシベンジルからなる群から選択され、
nは1以上の整数であり、
Gal α,βは、配置がα、βまたはそれらの混合物であることを意味する
糖質化合物。
2.請求項1の糖質化合物であって、R'が2,3,4および6位の水酸基に相当し
、R"が2および6位の置換された水酸基を有する糖質化合物。
3.請求項1の糖質化合物であって、Rがα 1-3結合したガラクトースである
糖質化合物。
4.請求項1の糖質化合物であって、Rが分枝したオリゴ糖である糖質化合物
。
5.請求項1の糖質化合物であって、Rが-OPh-NH-CO-PEG、(-OPh-NH-CO)n-PEG、
-O(CH2)2-Ph-NH-CO-PEGまたは(-O(CH2)2-Ph-NH-CO)n-PEGであり、Phはフェニル
であって、nが1以上の整数であり、PEGがモノマー性、ダイマー性またはオリ
ゴマー性のポリエチレングリコールである糖質化合物。
6.請求項1の糖質化合物であって、Rがペルオキシダーゼである糖質化合物
。
7.請求項1の糖質化合物であって、Rがアルブミンである糖質化合物。
8.請求項1の糖質化合物であって、Rがグルコース、Oに結合したグルコー
スアミンGlcNR'-R、またはグルコースもしくはグルコースアミンGclNR'-Rを含有
する二糖もしくはオリゴ糖であり、Rはα-グルコシドまたはβ-グルコシド結合
によって結合し、RおよびR'が請求項1で定義したとおりである糖質化合物。
9.請求項1の糖質化合物であって、Rがカルボニル基を介して、NHSで活性
化されたアガロースまたはカルボジイミドで活性化された血清アルブミンに結合
した-OPh-NH-または-O(CH2)2-Ph-NHである糖質化合物。
10.請求項1の糖質化合物であって、単糖がGlcNAcである糖質化合物。
11.請求項1の糖質化合物を調製する方法であって、式R'-Galに相当する化
合物を式R"-Galに相当する化合物と反応させ、グリコシダーゼ存在下の酵素ステ
ップで、R'-GalとR"-Galの1位の水酸基を脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、-O
Ph、-OPhNO2-p、-OPhOMe-pからなる群から選択されるアグリコンで置換し、それ
によって式R'-Gal α 1.3R"-Galに相当する産物を形成せしめ、該産物において
、R"-Galの1位のアグリコンが除去され、水酸基で置換されており、請求項1に
記載されている他の糖質化合物を生産するためのさらなる反応ステップが任意に
引き続き、R'とR"が上記のとおりである方法。
12.請求項11に記載の方法であって、化合物Gal α 1-3Gal β 1-4GlcNR
'β-RまたはGal α 1.3Galβ 1-3GlcNR'β-Rを産生し、β-ガラクトシダーゼお
よびα-ガラクトシダーゼを順次使用し、Rは上記のとおり、好ましくはSEtであ
り、R'は上記のとおり、好ましくは-HAcまたはトリクロロエトキシ-カルボニル
である方法。
13.請求項11の方法であって、α−エンドグリコシダーゼまたはα−エキ
ソグリコシダーゼの存在下でR'-GalおよびR"-Galを反応させる方法。
14.医薬品として使用するための請求項1に記載の糖質化合物。
15.臓器の異種移植と同時に、および異種移植の後に患者を治療するための
医薬を調製するための請求項1に記載の糖質化合物の使用であって、血漿から前
記糖質化合物に対する抗体を除去するために、前記糖質化合物を含有する分離装
置と患者の血漿を接触せしめる使用。
16.細菌感染、好ましくは気道の細菌感染を予防または阻止するための医薬
を調製するための請求項1に記載の糖質化合物の使用。
17.糖質化合物に対して特異性を有する細胞、タンパク質、および/または
酵素を分離または除去するための請求項1に記載の糖質化合物の使用であって、
前記細胞、タンパク質、および/または酵素を含有する試料を糖質化合物と接触
させ、分離用素材に結合し、試料から細胞、タンパク質、および/または酵素を
分離または除去する使用。
18.請求項17に記載の使用であって、グリコシルトランスフェラーゼ、レ
クチンおよび抗体を単離する使用。
19.請求項17に記載の使用であって、分離用素材がアガロースである使用
。
20.糖質化合物に対する特異性を有する細菌、細胞、酵素、抗体、および/
または炭水化物が結合したタンパク質の測定を行うための診断用試薬としての請
求項1に記載の糖質化合物の使用であって、分離用素材に結合された糖質化合物
に、前記細菌、細胞、酵素、抗体、および/または炭水化物が結合したタンパク
質を含有する試料を接触させる使用。
21.請求項20の使用であって、糖質化合物をバイオセンサーまたはELISA
中に用いる使用。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年1月8日(1998.1.8)
【補正内容】
達成できるが、これは本発明の範囲を限定しない。例えば上記で図解した第1反
応において別の位置異性体が生成される場合は、この位置異性体は例えばクロマ
トグラフィーによって、及び/又はこの位置異性体を特異的に加水分解するヘキ
ソサミニダーゼを用いる第2の酵素反応を使用して取り除くことができる。
グリコシダーゼの代用品として、上述のように、供与体としてのUDP−Gl
cNAc及び受容体としてのGal−物質と一緒に、例えば上記のへキソサミニ
ダーゼ反応のためのタイプのものを使用することができる。
本発明のある実施態様においては、上記のように調製したGlcNAcβ1−
3Gal含有構造を上記の構造の誘導体類を生成するため、又は例えばGlcN
Acβ1−3Galβ1−4Glc(例、供与体としてパーアセチル化GlcN
Acβ1−3GalβSEtを使用)の化学的合成のために使用することができ
る。続いて、供与体としてラクトースまたはGalβ−Rを用いるβ−ガラクト
シダーゼによって触媒される反応の受容体として、GlcNAcβ1−3Gal
、GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc、またはGlcNAcβ1−3G
alもしくはGlcNAcβ1−3Galβ1−4Glcの誘導体の何れも用い
ることができる(該速度論的反応のアグリコンは、ガラクトシダーゼまたはヘキ
ソースアミニダーゼを用いた速度論的反応において前述したものと同じ種類のも
のである)。
このような反応の例を以下に示す。
酵素の入手源の例はウシの精巣であるが、専門家であれば所望の結果をもたら
す他の酵素入手源を選択してもよく、発明の範囲を限定するものではない。使用
前に、例えばリン酸ナトリウム緩衝液中でのホモゲナイゼーションを使用し、硫
酸アンモニウムで沈殿させることによって、まず酵素を部分精製してもよい。次
に、例えば適切な緩衝液に対して該沈殿を透析することができ、続いて、本記載
の他の節に記載されているところに従って酵素調製物を固定化し得る。例えば、
グリコシダーゼによって触媒される二つの別のタイプの反応に関して上述したよ
うに、所望の糖質産物の単離を行うことができる。
使用前に(上記のタイプの)酵素を固定化してもよく、これにより、酵素の回
収率および再使用、カラムリアクター中での使用が容易になる(連続的合成)。
固定化の非限定的な例は、例えばトレシルクロリド(tresyl chloride)(酵素
中のアミノ基と反応する反応性のトレシレートエステルを生成し、それによって
酵素と素材間に共有結合を作る)で活性化された水酸基含有素材(アガロース、
セ
行うことができ、例えばpH6.5、7、7.5または8で行うことができる。酵素は、例
えば化学物質(例えば架橋剤、またはポリエチレングリコール、PEG:例えば
トレシルまたはNHSで活性化されたPEG)を用いる他の方法で修飾することもでき
、または組換え手法によって修飾することもできる。
酵素、若しくは固定化酵素、若しくは修飾酵素は、活性である溶媒中、好まし
くは緩衝水中(多くの場合pH4、4.5、5又は5.5〜6、7、7.5又は
8、非限定例)、又は水−有機溶媒混合液中(専門家によって選択された適正な
濃度及びタイプを用いて)において、専門家によって選択された適正な温度(非
限定例として、多くの場合4、10、室温、30〜35、40、45、50、5
5、60、65、70又は80℃、後者の場合は特に温度安定性酵素又は高基質
濃度で使用する場合)で使用できる。これは本発明の範囲を限定しない。適正な
条件は専門家によって選択される。上記のグリコシダーゼ触媒グリコシド転移反
応においては、−Fはさらに供与体及び/又は受容体物質におけるアグリコンと
して選択できるが、これは専門家であればF−グリコシド類を入手でき、さらに
それ以上の合成のために使用できることを意味している。
本発明によれば、例えば供与体としてパーアセチル化GlcNAcβ1−3G
alβSEtを使用してGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ13Ga
l、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ−4Glc、
成する方法は本発明の範囲を限定せず、例えば酵素の活性部位における触媒に参
加する少なくとも1つの酸/塩基基又は酵素中の何か他の基を不活性アミノ酸基
で修飾、置換することにより、又はアミノ酸配列から除外することによって達成
できる。
上記の三糖類は、他の物質へ転換でき、さらに例えば異種適用及び本発明の説
明による他の適用に使用することができる。
上記のA又はRと特定されている上記の生成物のグリコシド結合アグリコンは
1−、2−、3−、オリゴ−、又は多(ポリ)官能性(例えば本出願で言及され
たAの例を参照)である可能性があるが、これは1、2、3以上の糖基がA、即
ち本発明に従った方法によって生成できる
(Galα1-3Galβ-)n-A,(Galα1-3Galα-)n-A,(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ-)n-A,
(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcα-)n-A,(Galα1-3Galβ1-4GlcNRβ-)n-A,
(Galα1-3Galβ1-4GlcNRα-)n-A,または(GlcNAcβ1-3Galβ-)n-A.または
(Galβ1-3GlcNAcβ1-3Galβ-)n-A(nは、1以上の整数)
のタイプの生成物における相違する又は同一タイプの官能基にグリコシド結合し
ていることを意味する。
これは例えばガラビオース結合タンパク質に、又は例えばGlcNAcβ1−
3Galβ−結合細菌への高いアフィニティーを有する生成物が必要な場合には
長所であり得る。そうした生成物の生成は本発明の範囲を限定せず、専門家によ
って単純な方法で実行される。例えば(GlcNAcβ1−3Galβ−)n−
A及び(Galβ1−3GlcNAcβ1−3Galβ−)n−AにおけるAは
本出願の説明でAについて上記で言及されてるものと同一タイプである可能性が
ある。
非限定例として、上記のオリゴ糖誘導体は例えば二官能誘導体を生じさせるD
SG(グルタール酸ジスクシニミジル)又はDSS(スベリン酸ジスクシニミジ
ル)のような架橋剤、又は塩化アクリロイルと糖誘導体との結合による二官能生
成物の合成のために使用することができ、その後には結果として生じた抱合体を
オリゴ官能生成物を生じさせる標準方法によって重合化(低重合化)することが
できる。生成物はさらにネオグリコプロテイン類を生成するためにヒト又はウシ
血清アルブミンのような例えばタンパク質へ抱合させることができる。オリゴ糖
誘導体が塩化アクリロイルに抱合されている場合には、例えば糖−R−NH−C
(=O)−CH=CH2のタイプの生成物が得られるが、これは例えば触媒とし
て過硫酸アンモニウム及びTEMEDを用いることによって例えばアクリルアミ
ノ基を導入するためにジエチルアミン又はヒドラジンを用いて誘導体化すること
ができ(例えばJakobyらの編集した「酵素学の方法、第34巻(Meth
ods Enzymology,Volume34)」参照)、その後重合体は
−プレート、NHS−活性化アガロース又は本説明で言及されている他の分離材
料の一部へ共有的に結合させることができる。これらの生成物は本出願で言及さ
れている他の構造と同様に分析、分離又は阻害のために使用される。糖の非限定
例は、Galα−、Galα1−3Gal、血液B型、GalNAcα−、Ga
lNAcα1−3Gal、GalNAcα1−3Galβ1−4GlcNAc、
及び血液A型糖である。Rの非限定例は−Phのタイプのグリコシド結合アグリ
コン及びその他の上記のアグリコン類である。
Manα1−6(Manα1−3)Man−Rは二−又はオリゴ官能性ガラビ
オース化合物を形成するための「架橋」として使用できるオリゴ糖の別の非限定
例である(Rはグリコシド結合有機基又は無機基であり、式中、Rは本出願で言
及されているグリコシド結合R又はAの例の一部であり得る)。
この点において、非限定例としての二官能誘導体類は例えば上記のトリマンノ
シドにおけるManα1−6(Manα1−3)−ユニット中の2個の6−OH
基を、その後上記のガラビオース誘導体類中のアミノ基含有アグリコン類と反応
することができる対応する6−C(H)=O(即ち6位がアルデヒド基)へ選択
的に酸化することによって生成できる。結果として生じるシッフ(Schiff
)塩基(−N=CH−)はその後上記の糖類の1又は2以上とManα1−6(
Manα1−3)Man−Rとの間の安定な−NH−CH2−結合(例えばシア
ノホウ水素化ナトリウムを用いて)へ還元させることができる。この方法は下記
の
イクロタイター・ウェルに結合され、上記の最初で言及されている酵素細胞類、
細菌類、タンパク質類、抗体類、検査中の細胞類のELISA測定に適する生成
物が入手される場合には、酵素又は細胞、細菌、毒素、抗体及び本発明において
上記で言及されているその他のタンパク質類の精製のために使用することができ
る。
NUNC社製コバリンクへの結合の非限定例は、NUNC社製コバリンクへの
BS(ビス−スルホ−スベリン酸スクシニミジル)を添加すること、そしてその
後に上記の糖類の数種又はその他の糖リガンド類を添加することである。非限定
例は、Galα1−3Galα−OPhNH2、又はGalα1−3Galβ1
−4GlcNAcβ−O(CH2)2PhNH2(Galα1−3Gal−エピト
ープに対する抗体類の測定のため)、又はGalα1−3(Fucα1−2)G
alβ−O(CH2)2PhNH2−p(B型決定基の測定のため)のいずれかを
添加することである。残りの活性基はその後例えばトリス−HCl又は例えばH
SAのようなペルオキシダーゼ(最初に過ヨウ素酸塩を用いて酸化されている)
の不活性タンパク質と反応させることができる。
非限定的な例のように、上述されているところに従って糖質で誘導化されたプ
レート上のウェルを(例えば、NUNCの推奨に従って)洗浄することにより、
洗浄後に、試料中の成分(例えばGal-Gal-エピトープに対する抗体、または上述
の例のB決定基に対する抗体)の測定を行う。すなわち、ウェルに試料を添加し
、インキュベートし、例えば推奨した緩衝液で洗浄して、酵素−タンパク質複合
体を加え(例えばヒト抗体に対して特異的な抗体に結合されたペルオキシダーゼ
)、インキュベートし、ウェルを洗浄して、基質(例えばデンマークのDakoPatt
sが推奨するように、ELISA中のペルオキシダーゼに対する基質として、例えばOP
D−錠剤)を加え、インキュベートし、最後にウェル中の吸光度を測定する。上
記の方法は非限定的な例であり、試料中成分の測定は、専門家が容易に測定でき
るいくつかの異なる方法で行うことができ、これにより発明の範囲を限定するも
のではない。例えば、上述のサンドイッチ法の代わりに、競合法または非競合法
を用いることができ、例えば感度を高める場合にはビオチン−アビジンシステム
、または特別な応用のためには、専門家の選択によってタンパク質Aもしくは他
の
複合体を含め、検出用に多くの異なるタイプの複合体および基質を用い得る。
タイプの)アミノ基を含有する他の糖質リガンドを結合するために、一般的に用
いることもできる。これに関する非限定的な例は、血液型のA決定基に対する抗
体を測定について上述したのと同様に、スペーサー(例えば、GalNAc α 1-3(Fu
cα 1-2)Gal β-O(CH2)2PhNH2-p)を用いて血液型のA決定基を結合することであ
り、上記の方法と同一の方法で試料中のグリコシルトランスフェラーゼ、レクチ
ン、セレクチン(selectin)、アドヒーシン(adhesin)、酵素、毒素、細菌、
ウイルスまたは細胞を測定するために、上記と同様の方法でグリコシルトランス
フェラーゼ用の受容体である糖質リガンドを結合すること、レクチン、セレクチ
ン、アドヒーシン、酵素、または毒素に結合する糖質リガンドを結合することで
ある。種々のグリコシルトランスフェラーゼ、レクチン、セレクチン、アドヒー
シン、酵素、毒素、細菌、またはウイルス(これらは、特定の使用のために、専
門家により選択される)に対する種々の糖質の特異性について記載している文献
は多岐にわたる。該方法を幅広く適用すれば、広範な種々の成分が容易に測定で
きる。該適用において示した炭水化物構造体は、ELISAに使用され得る酵素に共
有結合させるためにも用いることができ、得られた複合体は、先に例示したタン
パク質を測定するために、または可溶性炭水化物を測定するために使用できる。
後者の例は、例えばGalα1−3GalβOPhNH2−p又はGalα1−
3Galβ1−4GlcNAcβ−OPhNH2とペルオキシダーゼとの抱合(
過ヨウ素酸で最初から酸化されている)であり、その後シアノホウ水素化ナトリ
ウムを用いての還元により、さらに例えばセファデックスG50又はセファデッ
クスG75を用いてのクロマトグラフィー(抱合体の精製)により遮断又は反応
させることができる。この抱合体はその後、非限定例としてGalα1−3Ga
lβ又はGalα1−3Galβ1−4GlcNAcβ−糖類の測定のために例
えば工程1:マイクロタイター・プレート上の上記の構造のいずれかに対して特
異性を有する抗体類の吸着、
工程2:ペルオキシダーゼ抱合体と一緒にマイクロタイター・ウェルへの上記
の糖類のいずれかを含有する試料の塗布、その後に
工程3:ペルオキシダーゼ基質の塗布及びウェルにおける吸光度の測定により使
用することができるこの方法では可溶性炭水化物濃度が上昇するときには低下す
る吸収が入手される。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/7034 A61K 31/70 609
38/46 C07H 3/06
C07H 3/06 5/04
5/04 7/027
7/027 15/04 A
15/04 D
15/18
15/18 15/203
15/203 A61K 37/54
(31)優先権主張番号 9600290−2
(32)優先日 平成8年1月24日(1996.1.24)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9600994−9
(32)優先日 平成8年3月13日(1996.3.13)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9601309−9
(32)優先日 平成8年4月2日(1996.4.2)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9601849−4
(32)優先日 平成8年5月11日(1996.5.11)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9601891−6
(32)優先日 平成8年5月15日(1996.5.15)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9601916−1
(32)優先日 平成8年5月19日(1996.5.19)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9602844−4
(32)優先日 平成8年7月18日(1996.7.18)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9603043−2
(32)優先日 平成8年8月20日(1996.8.20)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号 9603434−3
(32)優先日 平成8年9月18日(1996.9.18)
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),UA(AM,AZ,BY,KG,K
Z,MD,RU,TJ,TM),AT,AU,AZ,B
A,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU
,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,
HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K
Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD
,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,PT,
RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,T
M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN