JP2000356307A - 異種液状燃料用混焼バーナと該バーナを備えた燃焼装置 - Google Patents

異種液状燃料用混焼バーナと該バーナを備えた燃焼装置

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JP2000356307A
JP2000356307A JP11169228A JP16922899A JP2000356307A JP 2000356307 A JP2000356307 A JP 2000356307A JP 11169228 A JP11169228 A JP 11169228A JP 16922899 A JP16922899 A JP 16922899A JP 2000356307 A JP2000356307 A JP 2000356307A
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burner
fuel
combustion
liquid fuel
air
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JP11169228A
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Noboru Takarayama
登 寳山
Noriyuki Oyatsu
紀之 大谷津
Kazunori Sato
一教 佐藤
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種液状燃料を同一バーナユニット内で噴霧
燃焼させても各バーナでの燃料の燃焼性と火炎の安定性
が図れ、燃焼排ガス中のNOx等の放出量を減少するこ
とができる異種液状燃料用混焼バーナと該バーナを備え
た燃焼装置を提供すること。 【解決手段】 各段毎に燃料種を変化させるのではな
く、各バーナユニット(スロート)中に異種液状燃料を
それぞれ圧力噴霧する噴霧器1を複数設置し、その圧力
噴霧器1の燃料噴霧孔10を噴霧器1の外周側に向ける
ことで、各噴霧器1からの液滴の衝突を防止し、全体と
してはあたかも1つのバーナで燃焼しているような火炎
になるので燃料の燃焼状態及び火炎の安定性も良くな
る。また、ボイラにおいては各バーナ24での燃料燃焼
の発熱量が同等になるように各バーナ24からの液状燃
料の噴霧流量を調整すると、火炉内の熱負荷分布が均一
になる。したがって、熱負荷の高い領域での火炉水壁の
劣化やNOxの生成が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液状燃料の燃焼装置
に係わり、特に異種液状燃料を同一のバーナで燃焼する
のに好適なバーナ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】事業用、産業用ボイラ及びごみ等の焼却
炉においては、近年、燃料の多様化が進み、燃料及び補
助燃料として原油や硫黄分の少ない重油ばかりでなく、
例えばエマルジョン燃料、石炭スラリーなどの硫黄分ま
たは水分が多い燃料等が用いられるようになってきた。
エマルジョン燃料としては、油、水及び少量の添加剤を
混合したもの、石炭スラリーとしてはCOM(Coal and
Oil Mixture:石炭と油との混合物)やCWM(Coal a
nd Water Mixture:石炭と水との混合物)などがある。
【0003】また、1つのボイラ及び焼却炉で異種の液
体燃料を燃焼させる混焼式バーナを備えた設備もみられ
るようになった。今後、エネルギー資源の有効利用を図
ることが重要になることが確実であり、このような異種
液状燃料を一つのボイラで燃焼する方法は、ますます増
加するものと考えられる。
【0004】このような異種液状燃料を同時に噴霧、燃
焼させるバーナは従来、図8(「低発熱液状廃棄物処理
用バーナユニット」:実開昭52−130563号公報
より)に示すように、1つのバーナユニット(スロー
ト)20内に各燃料を圧力噴霧する噴霧器1が2つ設置
され、1つの圧力噴霧器1は難燃性の燃料をより完全に
燃やすための助燃用に使われる。このように、同一バー
ナユニット20内に圧力噴霧器1が複数あると、各圧力
噴霧器1から出るそれぞれの燃料の噴流及び火炎が干渉
するため、圧力噴霧器1の出口で微粒化された燃料が再
度結合して粒径が大きくなり、燃焼性が悪くなる。さら
に、それぞれの圧力噴霧器1から噴霧された燃料の液滴
及び噴流が衝突すると、噴霧圧力が高い方、あるいは流
量が多い方が全体の燃料の燃焼性に影響を与え、同時に
異種燃料を燃焼し続けると火炎が不安定になるため、ボ
イラ及び焼却炉設備の運転が難しくなる。
【0005】また、従来の発電所用のボイラ火炉への液
状燃料用燃焼バーナ21(21a〜21b)の配置を図
9に示し、異種液状燃料を燃焼(混焼)させる場合、図
10に断面図を示す液状燃料用燃焼バーナ21を用い
る。これは液状燃料の圧力噴霧器1がバーナ中心軸上に
ある液状燃料燃焼用バーナ21であり、この液状燃料燃
焼用バーナ21は各段毎に燃料種を変えて運用する。図
9、図10に示す例では、火炉6の最下段バーナ21a
に液状燃料3aを使用した液状燃料用燃焼バーナ21
a、その上段に液状燃料3bを使用した液状燃料用燃焼
バーナ21bと各段毎に交互に燃料種を変えて燃焼させ
るバーナ21が全5段設置される。なお、火炉6内にお
いて燃焼バーナ21の後流側には燃料の完全燃焼を図る
ために、空気を供給するOFAP(オーバーファイアエ
アポート)22が設けられている。
【0006】このように、ボイラ火炉6において異種燃
料を燃焼させる場合、各バーナ段毎に燃料種を変化させ
るのが一般的であるが、このような方法では、異種燃料
として燃焼速度の遅い液状燃料(例えばCWM)と燃料
速度の速い液状燃料(例えばC重油)を用いた場合、燃
焼反応速度の違いからボイラ火炉6内の熱負荷分布が不
均一となり、局所的に熱負荷分布の高い領域が形成され
たり、空気中の窒素(N)分からなる環境汚染物質であ
る窒素酸化物(サーマルNOx)を多く排出する傾向が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では異種
液状燃料を同一バーナユニット内で噴霧燃焼させる場
合、各燃料の噴霧角度あるいは噴霧方向について考慮さ
れておらず、噴霧された燃料の流れが干渉し、燃料の微
粒化が阻害され、その結果として燃焼性が悪くなること
が予想される。
【0008】また、複数バーナを有するボイラにおいて
は各バーナ段ごとに燃料種を変えると火炉6内の熱負荷
分布が不均一になり、局所的に熱負荷分布の高い領域が
形成され、火炉水壁が劣化し、また燃焼ガス中のNOx
濃度が高くなるという問題がある。
【0009】また、難燃性(燃焼速度の遅い)の燃料及
び粘度が高く、圧力噴霧器で詰まり易くハンドリングが
難しい燃料は点火(着火)が難しい欠点がある。
【0010】本発明の課題は、異種液状燃料を同一バー
ナユニット内で噴霧燃焼させても各バーナでの燃料の燃
焼性と火炎の安定性が図れ、燃焼排ガス中のNOx等の
放出量を減少することができる異種液状燃料用混焼バー
ナと該バーナを備えた燃焼装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、各段毎に燃
料種を変化させるのではなく、各バーナユニット(スロ
ート)中に異種液状燃料をそれぞれ圧力噴霧する噴霧器
を設置し、その圧力噴霧器の燃料噴霧孔を噴霧器の外周
側に向け、各噴霧器からの液滴の衝突を防止し、その噴
霧器周囲の空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気に旋
回を与えることで解決できる。
【0012】すなわち、本発明は液状燃料と該燃料搬送
用気体の混合流体を供給する混合流体流路と、その周囲
に空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気を1つ以上に
分割して供給する燃焼用空気流路を備えた火炉壁面に配
置される液状燃料用バーナにおいて、混合流体流路は液
状燃料と該燃料搬送用気体の混合流体を加圧下に噴霧す
る複数の圧力噴霧器により構成し、上記1以上の燃焼用
空気流路には空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気に
旋回を与えるための旋回器を配置し、最内側の燃焼用空
気流路の火炉側の出口部には保炎器を設置し、かつ、最
内側の燃焼用空気流路に圧力噴霧器毎に互いに異なる種
類の液状燃料がそれぞれ供給される前記圧力噴霧器を設
置し、各圧力噴霧器の火炉側の出口部に複数の噴霧孔を
外周側に設けた流体噴霧ノズルを設けた異種液状燃料用
混焼バーナと該異種液状燃料用混焼バーナを備えた燃焼
装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
とともに説明する。図5に発電所用ボイラの火炉の断面
概略図を示す。火炉6の下部には本発明に係わる液状燃
料用燃焼バーナ24が複数本取り付けられており、その
上部には燃焼を完全に終了するために空気を入れるOF
AP22が設置され、それぞれバーナ24及びOFAP
22は単数あるいは複数段設けられている。図5の場合
はそれぞれ複数段設けられている。バーナ24での燃料
の燃焼により生成した排ガス23は火炉6を通過し、後
流の排煙処理設備へと流れ、大気へ放出される。
【0014】図1に異種液状燃料用混焼バーナ24の断
面図(図1(a))と火炉6の内側から見た正面図(図
1(b))を示す。異種液状燃料用混焼バーナ24は、
バーナ中心軸でない位置に液状燃料を噴霧する圧力噴霧
器1が燃料種に応じてそれぞれ対応する数だけ設置され
ており、その圧力噴霧器1の先端には液状燃料3a、3
bをそれぞれ空気又は蒸気2により燃料を微粒化しなが
ら圧力噴霧する二流体噴霧ノズル11が取り付けられて
いて、火炉6内に液状燃料3a、3bを噴霧している。
一次空気流路壁面の先端には保炎器12が設けられてい
る。
【0015】図2及び図3には二流体噴霧ノズル11の
火炉6内側から見た正面図を示すが、液状燃料を噴霧す
る噴霧孔10が複数設けられており、図2及び図3には
二流体噴霧ノズル11の外周部よりに設けられている噴
霧孔10の異なる組合せの例を示す。この二流体噴霧ノ
ズル11の周囲には、空気あるいは空気または燃焼排ガ
スを混入した空気(一次空気4、二次空気5)が複数に
分割された状態で供給されている。
【0016】図1に示すように、1つのバーナ(スロー
ト)24内にある異種液状燃料を圧力噴霧する圧力噴霧
器1が燃料種の数だけあり、その圧力噴霧器1の先端に
ある二流体噴霧ノズル11に設けられた複数の噴霧孔1
0より微粒化した燃料が噴霧されるが、噴霧孔10から
噴出された微粒化燃料は、雰囲気温度が高いため容易に
気化し、着火、燃焼する。また、圧力噴霧器1の外周の
空気及び燃焼排ガスを混入した空気4、5は、それそれ
旋回器8、9により旋回を与えられ、旋回しながら火炉
6内に供給される。
【0017】噴霧孔10から噴出された微粒化燃料の周
囲の空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気に旋回を与
える混焼バーナは、流れの安定性が向上し、噴霧された
液状燃料と燃料用空気との混合を良くするため、火炎の
失火を防止し燃焼性を向上させる。具体的には、1次空
気4は、微粒化された燃料と空気の混合を早め、保炎を
強化する。2次空気5はバーナ火炎を安定化するととも
に、NOx還元領域の拡大を図る。また、保炎器12に
より火種が作られ、圧力噴霧されて液状燃料の燃焼が促
進され、火炎の安定性が向上するので失火の危険性も減
少する。
【0018】圧力噴霧器1の先端部の二流体噴霧ノズル
11の組合せは燃料種が2種類つまり圧力噴霧器1が2
本の場合、図2に示すように、一対のノズル11の各噴
霧孔10をそれぞれ上下方向の反対側に位置する外周部
よりに配置し、あたかも1本のノズル11の噴霧孔10
から燃料が噴出しているように配置すると、各噴霧孔1
0からの燃料の噴出流は干渉しなく、燃料の噴出流の衝
突により、燃料の微粒化が解消されることも無くなるの
で、火炉の運転及び制御が非常に容易になる。
【0019】また燃料と空気の混合促進のために図3に
示すように二流体噴霧ノズル11の噴霧孔10を配置し
てもよい。図3(a)に示す例は一対のノズル11の水
平方向のそれぞれ反対側に位置する外周部よりに噴霧孔
10を配置した場合であり、図3(b)に示す例は一対
のノズル11の一方は噴霧孔10を水平方向の外周部よ
りに、他方は噴霧孔10を下方の外周部よりに配置した
場合である。
【0020】図3に示すように二流体噴霧ノズル11の
噴霧孔10を配置することで燃料と空気の濃淡を付けて
燃焼排ガス中のNOx生成量をさらに減少させることが
できる。ただし、それぞれのノズル11の噴霧孔10の
大きさに対応する燃料流量を発熱量基準で1:1に調整
すると、燃料流量がそれぞれのノズル11の噴霧孔10
で異なるため、微粒化促進のため噴出流量の多い方のノ
ズル11の噴霧孔10を比較的大きくすることが望まし
い。
【0021】また、図1などにおいて、二流体噴霧ノズ
ル11を火炉6の高さ方向に上下に配置したのは、下側
のノズル11には燃焼性の良い方の燃料を供給すれば、
下側のノズル11からの燃焼性の良い方の燃料の火炎
は、比較的燃焼性の良くない上側のノズル11から噴出
する燃料の燃焼の助けになり、安定した燃料の燃焼性が
得られるためである。
【0022】図9に示すように、従来のボイラにおいて
異種液状燃料を燃焼(混焼)させる場合、前述したよう
に液状燃料用燃焼バーナ21の燃料種を交互に各段毎に
変えて運用する。
【0023】一方、図5に示すように本発明の異種液状
燃料用混焼バーナ24を用いると、一つのバーナで異種
液状燃料を同軸に燃焼(混焼)することができるので、
各段毎に液状燃料種を変えて運用するよりも、各バーナ
からの熱量、燃焼用空気量等を等しく制御することが容
易となり、火炉の熱負荷分布の不均一を防止することが
容易となる。その結果としてNOxの排出量が減少され
る。
【0024】さらに、難燃性の液状燃料を用いる場合、
比較的燃焼性のよい燃料を先に燃焼させる方法をとると
難燃性の液状燃料を失火させることなく安定に点火(着
火)でき、安全性も向上する。また、ハンドリング(取
り扱い)の難しい燃料については、先に燃焼性のよい燃
料が着火しているので、難燃性燃料の圧力噴霧器1の雰
囲気の温度が高くなり、燃料が流れるラインを蒸気、空
気あるいは水によるパージを行っても安全で、圧力噴霧
器1で詰まることなく点火(着火)及び燃焼が可能であ
る。
【0025】既設のボイラのバーナを本発明のバーナ2
4に交換することもでき、石炭燃焼用バーナを液状燃料
用として改造することもできる。
【0026】図6及び図7に本発明の他の実施の形態を
示す。図6は一対の圧力噴霧器1をバーナ縦断面方向に
V字型になるように設置したもので、二流体噴霧ノズル
11をそれぞれに近づけることができ、旋回器8も比較
的コンパクトにでき、圧力噴霧器1の燃料3a、3b及
び噴霧蒸気または空気2の配管の取り回しが比較的容易
にできる異種液状燃料用混焼バーナである。
【0027】また、図7には3種類の液状燃料を燃焼さ
せる混焼バーナの一例を示す。図7(a)にはバーナの
縦断面図を示しているが、本バーナにおいて3本の圧力
噴霧器1は火炉6側に向けて収束するように配置してい
る。
【0028】ボイラ等では複数のバーナが設置されてい
るが、各バーナでの投入熱量が決まっているため、使用
燃料の発熱量を基準として、燃料が2種類の場合、比較
的燃焼し易い燃料と難燃性燃料の発熱量の比を各バーナ
毎に1:1を基準に燃焼させる。また、発熱量一定(発
熱量比1:1)にすると各燃料の発熱量の違いから各バ
ーナ毎の燃料流量が異なることになる。例えばC重油と
エマルジョン燃料ではC重油が比較的燃焼し易く、エマ
ルジョン燃料は難燃性である。この場合のそれぞれのバ
ーナ毎の発熱量を一定(発熱量比1:1)にすると、燃
料流量は約7:10となる。
【0029】また、同じ大きさと数の噴霧孔10を有す
る二流体噴霧ノズル11を用いると噴出流量が多い方が
微粒化の程度(噴霧化する速度)が悪くなる。噴出流量
が多い方のノズル11からの噴出燃料の微粒化の程度
(噴霧化する速度)を他方の噴出流量の少ない燃料のそ
れと同じにするためには噴霧孔10の大きさなどを、各
燃料流量に対して適切なものに変化させる必要がある。
すなわち、燃料流量が多い場合には、燃料の粘度のた
め、気体の流量が減少する。これによりノズル11内を
流通する蒸気あるいは空気2によるせん断力が弱まり、
噴霧化が進行しない。従って噴霧孔10の孔径を大きく
することで、気体の流量を増加(回復)させ(流通する
出口空間を広くするので粘度の影響が小さくなり)、燃
料に対する気体の比率を増加させ、せん断力を高めるこ
とで噴霧化を進行できる。
【0030】その一例を図7に示す(図7(b)には図
7(a)のバーナの火炉側から見た図を示す。)。ノズ
ル11に設けた比較的燃え易い燃料用の噴霧孔10aと
難燃性燃料用の噴霧孔10b及びその他の燃料用の噴霧
孔10cとそれぞれ噴霧孔径が異なる。
【0031】図4に示す実施の形態は、噴霧孔10の角
度をバーナ軸に対して10度以上60度以下にした異種
液状燃料混焼バーナを示す。圧力噴霧器1の噴霧孔10
をバーナ中心から広がる方向に向けて噴出流が出るよう
に設け、それぞれ噴霧された燃料の噴出流が干渉しない
ようにすることにより、あたかもバーナ毎に一つの軸を
有する一つの圧力噴霧器1から噴霧燃焼させるかのよう
に燃焼できるので、噴霧された燃料液滴14の間に循環
領域ができ、安定な燃焼が得られる。また、ノズル11
に設けた噴霧孔10を複数にしていることにより、噴霧
された燃料液滴14の微粒化が良くなり、着火しやすく
火炎の安定性及び燃焼性も向上する。
【0032】実際のボイラ火炉6では図5に示すように
バーナ24を各段に複数使用するものがある。そこで、
噴霧孔10のバーナ軸に対する角度を10度以上60度
以下にすることにより、各バーナ24の火炎が干渉する
ことなく、燃料を安定に燃焼でき、火炉6内の熱負荷分
布も均一になる。
【0033】噴霧孔10の前記噴霧角度を0度にする
と、噴霧された燃料液滴14と燃焼用空気4との混合が
悪く(燃料が突き抜けた状態になり)、燃焼性が落ち
る。したがって未燃分及びNOxも多く放出されるよう
になる。また、バーナ24のスロート角度より広い角度
で噴霧すると、他のバーナ火炎との干渉やバーナスロー
トに当たり、NOx還元領域を壊すためNOx放出量が
多くなる傾向となる。したがって、燃料の噴霧角度が広
すぎるのも良くない。
【0034】これらのことから、燃料の噴霧角度が10
度から60度の範囲、望ましくは25度ないし30度と
なるように噴霧孔10のバーナ軸に対する角度を設定す
るのがよい。
【0035】また、図示はしないが、異種液状燃料の各
燃料種に対応した圧力噴霧器1の入口に各燃料の噴霧流
量(圧力)をそれぞれ燃料の発熱量に応じて調整する機
能(バルブ等)を有する異種液状燃料用混焼バーナ24
を用いることもできる。
【0036】例えば発熱量一定として火炉6を運転する
場合、難燃性燃料の発熱量と比較的燃焼し易い燃料の発
熱量の比(難燃性燃料の発熱量/比較的燃焼し易い燃料
の発熱量)をとり、それぞれの流量をこの比と逆になる
ように制御・調整すると、各バーナ24の発熱量が等し
くなり火炉内の熱負荷分布を均一にする。したがって燃
焼排ガス中のNOx濃度が減少する。
【0037】さらに図示はしないが、圧力噴霧器1の周
囲から空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気を分割
(たとえば、二次空気と三次空気に分割)したバーナ2
4では、その周囲の空気の入口に空気量を調整する機能
(バルブやダンパ)を有し、火炎の安定性を図れる異種
液状燃料用混焼バーナ24を用いることもできる。
【0038】本発明の上記実施の形態により、燃料噴霧
後の燃料液滴の衝突を回避し、燃料と空気の混合がよく
なり燃焼性が向上するとともに、燃焼排ガス中のNOx
等の放出量を減少することができる。また、同一バーナ
24をボイラ及び燃焼炉のバーナ段全部に使用すること
により、火炉内の熱負荷分布の均等化が図れ、また、難
燃性又はハンドリングの難しい液状燃料も容易に燃焼で
き、火炎の安定性も図れる。
【0039】一般に、主燃料用バーナ以外に火炉6のヒ
ートアップ及び低負荷時に失火防止用に助燃用バーナが
1本ないし2本設置され、重油等の燃料が使われる。本
発明のバーナ24を使用すると主バーナで火炉6のヒー
トアップが可能で助燃用のバーナが必要なくなるため比
較的構造を簡単にすることができる。
【0040】さらに、各段毎に燃料種を変えて運転する
場合、燃料種によって発熱量及び理論空気量が異なるた
め、空気比(燃焼用空気量/(理論空気量×燃料量))
一定にして運転(制御)しようとすると燃焼用空気量も
各段毎に異なるため制御方法が煩雑になる。しかし本発
明により、各バーナで同じ異種燃料用混焼バーナ24を
用いれば空気比一定の運転(制御)は容易で(各バーナ
の空気量は同量でよく)、制御及び監視も比較的容易に
できるようになる。
【0041】また、火炉の運用に際しては、圧力噴霧器
1のノズル11での詰まり防止操作及びメンテが容易に
でき、既設缶への適用も可能であるため、新たにボイラ
を建設することなく、既設缶が利用できる。
【0042】
【発明の効果】本発明により、燃料噴霧後の燃料液滴の
衝突を回避し、燃料と空気の混合がよくなり燃焼性が向
上するとともに、燃焼排ガス中のNOx等の放出量を減
少することができる。また、同一バーナをボイラ及び燃
焼炉のバーナ段全部に使用するため、火炉内の熱負荷分
布の不均一が解消され、また、難燃性又はハンドリング
の難しい液状燃料も容易に燃焼でき、火炎の安定性も図
れる。
【0043】また、本発明のバーナを使用すると主バー
ナで火炉のヒートアップが可能で助燃用のバーナが必要
なくなるため比較的構造を簡単にすることができる。
【0044】さらに、本発明により、各バーナで同じ異
種燃料用混焼バーナを用いれば、空気比一定の運転が容
易となり、制御及び監視も比較的容易になる。
【0045】また火炉の運用に際しては、圧力噴霧器ノ
ズルでの詰まり防止操作及びメンテが容易にでき、新た
にボイラを建設することなく、既設缶が利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の異種液状燃料用混焼バ
ーナ断面図(図1(a))と正面図(図1(b))であ
る。
【図2】 図1の異種液状燃料用混焼バーナの圧力噴霧
器ノズル配置図(正面図)である。
【図3】 図1の異種液状燃料用混焼バーナの圧力噴霧
器ノズル配置図(正面図)である。
【図4】 本発明の実施の形態の液状燃料の噴霧孔角度
を10〜60度にした異種液状燃料用混焼バーナ断面図
(図4(a))と二流体噴霧ノズルの断面図(図4
(b))である。
【図5】 本発明の異種液状燃料用混焼バーナを使用し
たボイラ火炉の断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の圧力噴霧器をV字型に
配置した異種液状燃料用混焼バーナの断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態の3種類の燃料用異種液
状燃料用混焼バーナの断面図と正面図である。
【図8】 従来の低発熱液状廃棄物処理用バーナユニッ
ト(公開実用 昭和52−130563)の断面図であ
る。
【図9】 従来のボイラ火炉の断面図である。
【図10】 従来の液状燃料用混焼バーナ断面図であ
る。
【符号の説明】
1 圧力噴霧器 2 蒸気あるい
は空気 3 液状燃料 3a 液状燃料(比較的良く燃える燃料) 3b 液状燃料(3aとは異なる燃料:難燃性燃料) 4 空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気(1次空
気) 5 空気あるいは燃焼排ガスを混入した空気(2次空
気) 6 火炉 7 火炎 8 旋回器(ベーン)または保炎器(インペラ) 9 旋回器(スワラ) 10 噴霧孔 10a 比較的よく燃える燃料の噴霧孔(小) 10b 難燃性燃料の噴霧孔(大) 10c 10a、10b以外の燃料噴霧孔 11 二流体噴霧ノズル 12 保炎器 13 噴霧流 15 保炎器
(インペラ) 21 液状燃料用燃焼バーナ 21a 液状燃料3aを使用したバーナ 21b 液状燃料3b(3aとは異種)を使用したバー
ナ 22 OFAP(オーバファイアエアポート) 23 燃焼排ガス 24 異種液状
燃料用混焼バーナ
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 Fターム(参考) 3K055 AA06 AA07 AA10 AB01 AB03 BA05 BB09 BB10 BC02 BC04 BC08 3K065 QA01 QA02 QB05 QB10 QB11 QB13 QB20 QC03 RB02 3K091 AA01 AA17 AA20 BB35 CC03 CC23 DD06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状燃料と該燃料搬送用気体の混合流体
    を供給する混合流体流路と、その周囲に空気あるいは燃
    焼排ガスを混入した空気を1つ以上に分割して供給する
    燃焼用空気流路を備えた火炉壁面に配置される液状燃料
    用バーナにおいて、 混合流体流路は液状燃料と該燃料搬送用気体の混合流体
    を加圧下に噴霧する複数の圧力噴霧器により構成し、 上記1以上の燃焼用空気流路には空気あるいは燃焼排ガ
    スを混入した空気に旋回を与えるための旋回器を配置
    し、 最内側の燃焼用空気流路の火炉側の出口部には保炎器を
    設置し、かつ、最内側の燃焼用空気流路に圧力噴霧器毎
    に互いに異なる種類の液状燃料がそれぞれ供給される前
    記圧力噴霧器を設置し、各圧力噴霧器の火炉側の出口部
    に複数の噴霧孔を外周側に設けた流体噴霧ノズルを設け
    たことを特徴とする異種液状燃料用混焼バーナ。
  2. 【請求項2】 噴霧孔の流体噴霧角度をバーナ軸に対し
    て、10度以上60度以下にしたことを特徴とする請求
    項1記載の異種液状燃料用混焼バーナ。
  3. 【請求項3】 複数の圧力噴霧器は、流体噴霧ノズルが
    火炉側の出口部でバーナの中心軸部に収束するように設
    置されたことを特徴とする請求項1記載の異種液状燃料
    用混焼バーナ。
  4. 【請求項4】 複数の圧力噴霧器は、その長手方向がバ
    ーナの中心軸と並行になるように配置され、流体噴霧ノ
    ズルに設けられる噴霧孔は、該噴霧孔からの噴出流が火
    炉側の出口部でバーナの中心軸から広がる方向に向けて
    噴出するように設けられたことを特徴とする請求項1記
    載の異種液状燃料用混焼バーナ。
  5. 【請求項5】 異なる種類の液状燃料がそれぞれ供給さ
    れる各圧力噴霧器の流体噴霧流量または流体噴霧圧力が
    全ての圧力噴霧器で同一の発熱量となるような噴霧孔を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の異種液状燃料用
    混焼バーナ。
  6. 【請求項6】 燃焼用空気流路には空気あるいは燃焼排
    ガスを混入した空気の供給量を調節する空気供給量調節
    手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の異種液状
    燃料用混焼バーナ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の異種液状燃料用混焼バー
    ナを備えた燃焼装置。
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