JP2000355610A - 末端に官能基を有するビニル系重合体の製造方法、及び、末端に官能基を有するビニル系重合体 - Google Patents

末端に官能基を有するビニル系重合体の製造方法、及び、末端に官能基を有するビニル系重合体

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JP2000355610A
JP2000355610A JP11138733A JP13873399A JP2000355610A JP 2000355610 A JP2000355610 A JP 2000355610A JP 11138733 A JP11138733 A JP 11138733A JP 13873399 A JP13873399 A JP 13873399A JP 2000355610 A JP2000355610 A JP 2000355610A
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Takamaro Kakehi
鷹麿 筧
Takeshi Wakiya
武司 脇屋
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 末端に官能基を有するビニル系重合体を容
易、かつ、実用的に製造することができる製造方法及
び、種々の機能材料の製造原料として有用な末端に官能
基を有するビニル系重合体を提供する。 【解決手段】 連鎖移動剤として、少なくとも2個のヨ
ウ素原子を含有し、該ヨウ素化合物が、芳香族環に結合
した炭素原子に結合した構造を有するヨウ素化合物を用
い、ビニル系単量体と上記連鎖移動剤とを含む系でラジ
カル重合反応を行い、末端にヨウ素原子を有するビニル
系重合体を合成した後、上記ビニル系重合体末端のヨウ
素原子を官能基を有する基で置換することにより、末端
に官能基を導入する末端に官能基を有するビニル系重合
体の製造方法及び、この方法によって得られたMnが5
00〜50万の末端に官能基を有するビニル系重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端に官能基を有
するビニル系重合体の製造方法、及び、上記製造方法を
用いて製造される末端に官能基を有するビニル系重合体
に関する。
【0002】
【従来の技術】末端に官能基が導入された重合体は、そ
のもの単独、又は、硬化剤と組み合わせて架橋すること
により、耐熱性、耐水性、耐久性等に優れた硬化物を得
ることができることが知られている。末端に官能基を有
することで、架橋による網状化だけでなく、末端同士の
架橋による鎖延長が効率的に起こるため、直鎖状に鎖延
長された高分子量体を形成することができ、伸びや引っ
張り強度に優れた樹脂が得られる。末端に官能基を有す
る重合体に関しては、ゴム系の重合体については、現在
までに多くのリビング重合法による合成例が報告されて
おり、リビングアニオン重合による両末端に官能基を有
するポリブタジエンの合成(日本ゴム協会誌,48巻,
5号,263頁,1975年)、イニファーター法によ
る両末端に水酸基を有するポリクロロプレンの合成(特
開平3−287613号公報)等が報告されている。ま
た、ポリプロピレングリコール骨格の両末端水酸基ポリ
マーも、ウレタン接着剤やシーリング材の原料、エポキ
シ系接着剤の改質剤として使用されている。その他、ま
た、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン
のようなポリエステル樹脂も多くの用途に使用されてい
る。これら以外の樹脂、特に(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリロニトリルを含む極性の高いビニル
系単量体については、末端に官能基を有するビニル系重
合体の製造方法は未だ実用化されていないのが現状であ
る。
【0003】このような末端に置換基が導入されたアク
リル重合体を製造する方法として、例えば、特開平5−
255415号公報には、連鎖移動剤としてアルケニル
基含有ジスルフィドを用い、両末端にアルケニル基を有
する(メタ)アクリル重合体を合成する方法が開示され
ている。
【0004】また、特開平5−262808号公報に
は、ヒドロキシル基を有するジスルフィドを用い、両末
端にヒドロキシル基を有するアクリル重合体を合成し、
更に、末端のヒドロキシル基を利用し、末端にアルケニ
ル基を有する(メタ)アクリル重合体を合成する方法が
開示されている。しかしながら、これらの合成方法で
は、前述の方法においては、両末端に確実に官能基を導
入することは難しく、また、後述の方法においては、ヒ
ドロキシル基を有する重合体を合成する際に、重合単量
体と同量以上の大量のジスルフィド化合物を使用しなけ
れば、副反応である停止反応や連鎖移動反応を抑制でき
ないという問題があった。
【0005】また、近年、リビングイオン重合、リビン
グラジカル重合等のリビング重合法による重合が盛んに
研究されている。これらの重合法により行う重合体の合
成では、分子量や分子量分布の制御が容易であると共
に、リビング末端の活性基を任意の置換基へ変換するこ
とにより、末端に官能基を有する重合体の製造を比較的
容易に行うことができる。
【0006】このようなリビング重合法を利用し、末端
に官能基を有する重合体を製造する方法としては、例え
ば、特表平4−501883号公報に、アニオン重合を
用いて末端に官能基を有する(メタ)アクリル酸マクロ
モノマーを合成する方法が開示されている。しかしなが
ら、アニオン重合の場合、禁水条件や低温条件でなけれ
ば、停止反応や連鎖移動反応の制御ができず、反応がリ
ビング的に進行しないため、末端の変換も不可能とな
り、実用性に欠けるという問題点があった。
【0007】例えば、リビングラジカル重合は、反応条
件、操作の簡便性の観点から注目されており、特開平9
−272714号公報には、有機ハロゲン化物やハロゲ
ン化スルホニル化合物を開始剤とし、金属錯体を触媒と
して用いた、末端にアルケニル基を有する(メタ)アク
リル系重合体を製造する方法が開示されている。しかし
ながら、このような金属錯体を触媒とした重合方法で
は、樹脂の精製工程での金属の洗浄が困難であるという
工業生産上の問題点を抱えていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
末端に官能基を有する重合体、特にアクリル系重合体の
製造方法の問題点に鑑み、末端に官能基を有するビニル
系重合体を容易、かつ、実用的に製造することができる
製造方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、種々の機能材料の製造原料として有用な末端に官能
基を有するビニル系重合体を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、連鎖移動剤として、少な
くとも2個のヨウ素原子を含有し、該ヨウ素原子が、芳
香族環に結合した炭素原子に結合した構造を有するヨウ
素化合物を用い、ビニル系単量体と前記連鎖移動剤とを
含む系でラジカル重合反応を行い、末端にヨウ素原子を
有するビニル系重合体を合成した後、前記ビニル系重合
体末端のヨウ素原子を官能基を有する基で置換すること
により、末端に官能基を導入する末端に官能基を有する
ビニル系重合体の製造方法を提供する。
【0010】また、請求項2記載の本発明は、連鎖移動
剤として、少なくとも2個のヨウ素原子を含有し、該ヨ
ウ素原子が、芳香族環に結合した炭素原子に結合した構
造を有するヨウ素化合物を用い、ビニル系単量体と前記
連鎖移動剤とを含む系でラジカル重合反応を行い、引き
続きスチレン系単量体の重合反応を行うことにより、ビ
ニル系重合体と末端ヨウ素原子の間にスチレン系重合体
を有するビニル系重合体を合成し、その後、前記ビニル
系重合体末端のヨウ素原子を官能基を有する基で置換す
ることにより、末端に官能基を有するビニル系重合体の
製造方法を提供する。
【0011】また、請求項3記載の本発明は、ビニル系
重合体中に占める、スチレン系重合体の重量分率が10
%以下である請求項2記載の末端に官能基を有するビニ
ル系重合体の製造方法を提供する。また、請求項4記載
の本発明は、末端に導入する官能基が、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基及びシリル基
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基である
ことを特徴とする請求項1〜3項記載のいずれか1項に
記載の末端に官能基を有するビニル系重合体の製造方法
を提供する。
【0012】また、請求項5記載の本発明は、ビニル系
単量体が、(メタ)アクリル酸エステルであることを特
徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の末端に官
能基を有するビニル系重合体の製造方法を提供する。ま
た、請求項6記載の本発明は、ビニル系単量体が、(メ
タ)アクリロニトリルであることを特徴とする請求項1
〜4のいずれか1項に記載の末端に官能基を有するビニ
ル系重合体の製造方法を提供する。
【0013】また、請求項7記載の本発明は、請求項1
〜6のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造され
たビニル系重合体であって、数平均分子量が500〜5
00000であり、末端官能基導入率が90%以上であ
る末端に官能基を有するビニル系重合体を提供する。以
下に本発明を詳述する。
【0014】本発明の製造方法においては、まず、ビニ
ル系単量体と連鎖移動剤とを含む系でラジカル重合反応
を行い、末端にヨウ素原子を有するビニル系重合体を合
成する。
【0015】本発明で用いるビニル系単量体としては、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ス
チレン誘導体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)ア
クリル酸アミド、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、
(メタ)アクロレイン、マレイン酸誘導体、フマル酸誘
導体等が挙げられる。これらのビニル系単量体は、単独
で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらの
なかでは、(メタ)アクリル酸エステルは、重合体が、
耐候性や接着性に優れた樹脂になるという点で好まし
く、また、(メタ)アクリロニトリルは、重合体が、耐
油性やガスバリアー性に優れた樹脂になるという点で好
ましい。なお、例えば上記(メタ)アクリル酸とは、ア
クリル酸、又は、メタクリル酸を意味する。
【0016】上記(メタ)アクリル酸エステルとしては
特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−
プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)
アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)
アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェ
ニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル
酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル
酸−3−メトキシプロピル等が挙げられる。これらの
(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよい
し、2種以上併用してもよい。
【0017】また、本発明の製造方法においては、末端
ヨウ素と導入する官能基の置換反応性を上げるためにビ
ニル系重合体と末端ヨウ素原子の間にスチレン系重合体
を有するビニル系重合体を合成する。重合は、ビニル系
単量体と連鎖移動剤とを含む系でラジカル重合反応を行
い、引き続きスチレン系重合体を合成する方法により行
われる。
【0018】本発明で用いるスチレン系単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−
エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−クロ
ロメチルスチレン、p−(2−クロロエチル)スチレン
等が挙げられる。
【0019】ビニル系重合体中のスチレン系重合体は、
少なくともビニル系重合体の両末端に最低1個のスチレ
ン系単量体がついていることが必要であり、好適には、
ビニル系重合体中に占めるスチレン系重合体の含有量の
重量分率は、10重量%以下である。これを超えると、
例えば、アクリル酸エステル樹脂の良好な密着性、アク
リロニトリル樹脂のガスバリアー性等に示すような、ス
チレン系ブロック部以外のビニル系重合体の性能が十分
に発現されない。
【0020】本発明において用いる連鎖移動剤として
は、少なくとも2個のヨウ素原子を含有し、該ヨウ素原
子が芳香族環に結合した炭素に結合した構造を有するヨ
ウ素化合物を用いる。このような、上記構造を有するヨ
ウ素化合物を用いることにより、末端にヨウ素原子を有
するビニル系重合体を容易に得ることができる。上記芳
香環としては特に限定されず、例えば、ベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環等が挙げられる。
【0021】上記芳香環には、必要に応じて、1個以上
の置換基が導入されていてもよい。上記置換基として
は、ラジカル重合反応を阻害するものでなければ特に限
定されず、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アミノ
基、ヒドロキシル基、ハロゲン基、カルボニル基、カル
ボキシル基、チオニル基等が挙げられる。これらの置換
基は単独で導入されていてもよく、2種以上が導入され
ていてもよい。
【0022】また、ヨウ素原子及び上記芳香環が結合し
ている炭素原子には、必要に応じて、1個又は2個の置
換基が結合していてもよい。上記置換基としては、ラジ
カル重合反応を阻害するものでなければ特に限定され
ず、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヒ
ドロキシル基、ハロゲン基、カルボニル基、カルボキシ
ル基、チオニル基等が挙げられる。これらの置換基は1
種類のみが結合していてもよく、2種類以上が結合して
いてもよい。
【0023】このようなヨウ素化合物としては、具体的
には、例えば、1,3−ビス(ヨードメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(ヨードメチル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(ヨードメチル)ベンゼン、ジフェニルジヨ
ードメタン、4,4′−ビス(ヨードメチル)ビフェニ
ル、ビス(4−ヨードメチルフェニル)メタン、4,
4′−ビス(ヨードメチル)ジフェニルエーテル、1,
5−ビス(ヨードメチル)ナフタレン、2,6−ビス
(ヨードメチル)ナフタレン、2,4,6,8−テトラ
キス(ヨードメチル)ナフタレン、2,6−ビス(ヨー
ドメチル)アントラセン、9,10−ビス(ヨードメチ
ル)アントラセン、1,4,5,8−テトラキス(ヨー
ドメチル)アントラセン等が挙げられる。
【0024】これらのなかでは、分子内に2個のヨウ素
原子を有するヨウ素化合物からは直鎖状のポリマーが生
成し、分子内に3個以上のヨウ素原子を有するヨウ素化
合物からは、スター型のポリマーが生成しやすい。これ
らの中でも、分子内に2個のヨウ素原子を有するヨウ素
化合物は、分子の両末端にヨウ素原子が付加したポリマ
ーを重合でき、それを官能基で置換することで、両末端
に官能基を有する線状のポリマーが得られることから、
これを主原料とすることで、鎖延長による高分子量化が
効率的に行えるという点で好ましい。
【0025】上記末端にヨウ素原子を有するビニル系重
合体を合成するためには、上記ヨウ素化合物を連鎖移動
剤として用い、上記ビニル系単量体をラジカル重合させ
る方法としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合
開始剤を使用する方法;放射線、光、紫外線、レーザー
光等を照射する方法、加熱する方法等が挙げられる。
【0026】上記ラジカル重合開始剤を使用する方法で
は、ラジカル重合開始剤として、熱、光、放射線、酸化
還元化学反応等によりラジカルを発生する化合物を用い
ることができる。
【0027】このようなラジカル重合開始剤としては、
例えば、パーオキシカーボネート、ケトンパーオキサイ
ド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジ
アルキルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド等)、ジアシルパーオキサイ
ド、パーオキシエステル等の有機過酸化物;2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイ
ソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム等の無機過酸化物;過酸化水素−第一鉄
系、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン系、セリウム
(IV)塩−アルコール系等のレドックス開始剤;有機
錫、有機鉛等の有機金属化合物等が挙げられる。これら
の重合開始剤は、重合温度等の重合条件に応じて適宜選
択すればよい。また、単独で用いてもよいし、2種以上
併用してもよい。
【0028】上記ラジカル重合開始剤の量は、重合を開
始させることができる量であれば特に限定されないが、
少なすぎると、重合反応が遅く、しかも重合率が低くな
る場合がある。一方、上記ラジカル重合開始剤の量が、
多すぎると、重合反応を制御することが難しくなること
がある。そのため、ヨウ素化合物1モルに対して、0.
02〜20モルが好ましく、0.05〜10モルがより
好ましい。
【0029】また、放射線、光、紫外線、レーザー光等
を照射する方法では、必要に応じて、アゾ化合物、過酸
化物、カルボニル化合物、硫黄化合物、色素等の光増感
剤を添加してもよい。これらの光増感剤は、単独で用い
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0030】上記ラジカル重合により末端にヨウ素原子
を有するビニル系重合体を合成する具体的な方法として
は特に限定されず、従来公知の重合方法が使用可能であ
り、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等を用いることができる。
【0031】これらの重合方法のなかで、溶液重合法を
用いる場合には、重合溶媒として、ラジカル重合を阻害
しないものを用いる。このような重合溶媒としては、例
えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエス
テル系溶剤;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の
セロソルブ系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等が挙げられる。これらの重合溶媒は、単独
で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0032】上記末端にヨウ素原子を有するビニル系重
合体を合成する際の反応温度は特に限定されず、使用す
るビニル系単量体の種類やラジカル重合開始剤の種類に
応じて、一般的な反応温度を適宜選択すればよい。好ま
しくは、−30〜120℃である。
【0033】上記方法により得られる末端にヨウ素原子
を有するビニル系重合体は、上記ビニル系単量体の重合
物の末端に、直接、ヨウ素原子が結合しているものだけ
でなく、上記ビニル系単量体の重合物の末端に、他の単
量体が重合し、更にその末端にヨウ素原子が結合したも
のであってもよい。上記他の単量体としては、上記にビ
ニル系単量体の重合物の末端に重合できるものであれば
特に限定されず、例えば、ハロゲン化ビニル系単量体、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル
系単量体、ビニルエーテル系単量体、スチレン系単量
体、アクリルアミド系単量体、アクリロニトリル等が挙
げられる。その中でも、スチレン系単量体は、ヨウ素原
子を官能基に置換する際の反応をより穏和な条件で行う
ことができる。これらの他の単量体は、単独で用いても
よいし、2種以上併用してもよい。
【0034】本発明の製造方法では、ヨウ素原子を有す
るビニル系重合体を合成した後、上記ビニル系重合体末
端のヨウ素原子を官能基を有する基で置換することによ
り、末端に官能基を導入する。
【0035】上記ビニル系重合体の末端に導入する官能
基としては、経時的に遊離するものでなければ特に限定
されず、例えば、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ
基、カルボキシル基、チオニル基、エポキシ基、ビニル
基、シリル基、エチニル基、メルカプト基、オキサゾリ
ン基、マレイミド基、アズラクトン基等が挙げられる。
これらのなかでは、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボ
キシル基、ビニル基、シリル基が好ましい。なお、上記
シリル基は、ヒドロシリル基、ヒドロキシシリル基、ア
ルコキシシリル基を含むものとする。
【0036】上記ビニル系重合体の末端に官能基を導入
する方法としては特に限定されず、樹脂を劣化させない
方法であれば、従来公知の化学反応を用いることができ
る。具体的には、例えば、(1)ヨウ素−アミノ置換反
応では、アミノエタノール、エチレンジアミン、グリシ
ン、p−アミノスチレン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン等を用いたヒドロキシル基、アミノ基、カル
ボキシル基、ビニル基、アルコキシシリル基の導入、
(2)ヨウ素−メルカプト置換反応では、メルカプトエ
タノール、メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン等を用いたヒドロキシル基、
カルボキシル基、アルコキシシリル基の導入、(3)水
酸化ナトリウム等を用いた末端ヨウ素の直接置換による
ヒドロキシル基の導入、(4)末端ヨウ素をクロロスル
ホン酸で置換後、加水分解を行うカルボキシル基の導
入、(5)ビニル基を有する各種の有機金属を用いた配
位子交換反応によるビニル基の導入、及び(6)ビニル
基末端に1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペン
タシロキサンの付加によるヒドロキシル基の導入等が挙
げられる。
【0037】その中でも、ヨウ素−アミノ置換反応、ヨ
ウ素−メルカプト置換反応が好適に用いられ、また、上
記官能基を導入するさいに用いられる化合物(末端処理
剤)としては、アミノエタノール、エチレンジアミン、
p−アミノスチレン、3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン
酸等が好適に用いられる。
【0038】上記した本発明の末端に官能基を有するビ
ニル重合体の製造方法を用いることにより、末端に官能
基を有するビニル重合体を容易、かつ実用的に製造する
ことができる。
【0039】本発明の製造方法を用いて製造される末端
に官能基を有するビニル重合体としては、請求項1〜6
のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造されたビ
ニル系重合体であって、数平均分子量が500〜500
000であり、末端官能基導入率が90%以上である末
端に官能基を有するビニル系重合体のものが好ましい。
上記平均分子量が500未満では、鎖延長のために大量
の架橋剤が必要となり実用的でなく、500000を超
えると、鎖延長が起こりにくくなり、未反応のオリゴマ
ーが残る結果、重合体から得られる硬化物の耐熱性が悪
くなる。また、上記末端官能基導入率が90%未満で
は、上記末端に官能基を有するビニル重合体を機能材料
の製造原料として使用した際に、製造される機能材料に
所望の特性を付与できないことがある。
【0040】上記末端官能基導入率とは、本発明の製造
方法により得られたビニル系重合体の末端に実際に導入
された官能基数の、ビニル系重合体の末端に導入される
官能基数の理論値に対する百分率である。上記ビニル系
重合体の末端に実際に導入された官能基数は、従来公知
の測定方法を用いて算出することができる。
【0041】このような末端に官能基を有するビニル重
合体は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト等の樹脂、粘着剤、接着剤、シーリング材、フォーム
材料、塗料、粉体塗料、熱可塑性エラストマー、フィル
ム材料、成形材料、樹脂改質剤、コーティング剤、制振
材、半導体封止剤、止水剤、人工大理石等の原料として
好適に用いることができる。
【0042】(作用)本発明において、連鎖移動剤とし
て用いる上記構造を有するヨウ素化合物は、電子供与性
である芳香族環が結合した炭素原子にヨウ素原子が結合
しているため、炭素−ヨウ素結合のラジカル解離が起こ
りやすく、ラジカル解離が起こった後には、芳香族環の
π電子によるラジカル安定化効果のため、生成した炭素
ラジカルの連鎖移動性が高く、反応の制御が容易となる
と考えられる。従って、請求項1記載の如く、ビニル系
単量体と上記連鎖移動剤とを含む系でラジカル重合反応
を行い、末端にヨウ素原子を有するビニル系重合体を合
成した後、前記ビニル系重合体末端のヨウ素原子を官能
基を有する基で置換することにより、末端に官能基を導
入することが可能となったのである。さらに、請求項2
記載の如く上記方法でビニル系単量体の重合反応を行っ
た後、引き続きスチレン系単量体の重合反応を行った
後、ビニル系重合体末端のヨウ素原子を官能基を有する
基で置換する方法を採用することにより、ヨウ素原子と
末端官能基との置換反応性を高められ、末端官能基の導
入をより確実、容易にすることが可能となった。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0044】(実施例1)重合開始剤として2,2′−
アゾビス(イソブチロニトリル)0.82gを用い、こ
の重合開始剤と表1に記載のモノマー、溶剤及びヨウ素
化合物とを1リットルの4ツ口セパラブルフラスコに入
れ、セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、
温度プローブを取り付けた後、容器内をバブリングによ
り窒素置換した。続いて、窒素ガスを流入させながら、
100rpmで攪拌し、重合器内を70℃に維持したま
ま5時間重合を行った。重合終了後、表1に記載の末端
処理剤を添加し、18時間煮沸還流して反応を行い重合
物Aを得た。反応終了後、未反応モノマー、未反応末端
処理剤、及び、溶剤を精製除去し、末端にヒドロキシル
基を有する重合物Aの溶液を取り出した。なお、表1中
に記載の配合量の単位は重量部である。
【0045】得られた重合物Aについて、数平均分子量
(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量分布、及
び、末端官能基導入率を下記の評価方法を用いて測定し
た。数平均分子量、分子量分布、及び、末端官能基導入
率の測定結果を表1に示した。
【0046】〔評価方法〕 (1)数平均分子量及び重量平均分子量の測定 重合物Aをテトラヒドロフランを溶離液として用いたゲ
ルパーミエーションカラムクロマトグラフにより、下記
のカラムを用いて測定し、ポリスチレン標準品より得ら
れた検量線を用いて、数平均分子量及び重量平均分子量
を算出した。 カラム:昭和電工社製、KF−80M×2本 (2)分子量分布 (1)で測定した重量平均分子量と数平均分子量との比
〔(MW)/(MN)〕より算出した。
【0047】(3)末端官能基導入率 JIS K 1557に準拠して、重合物Aを無水フタ
ル酸のピリジン溶液でエステル化した後、過剰な試薬を
水酸化ナトリウム溶液で滴定することにより、ヒドロキ
シル基数を算出した。導入されたヒドロキシル基数の理
論値に対する百分率を算出し、末端官能基導入率とし
た。
【0048】(実施例2)表1に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にヒドロキシル基を
有する重合物Bを得た。得られた重合物Bについて、数
平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量
分布、及び、末端官能基導入率を実施例1と同様にして
測定した。結果を表1に示した。
【0049】(実施例3)表1に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にカルボキシル基を
有する重合物Cを得た。得られた重合物Cについて、数
平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量
分布、及び、末端官能基導入率を下記の評価方法を用い
て測定した。結果を表1に示した。
【0050】〔評価方法〕 (1)数平均分子量及び重量平均分子量の測定 重合物Cを5mM濃度の臭化リチウム/ジメチルホルム
アミド溶液を溶離液として用いたゲルパーミエーション
カラムクロマトグラフにより、下記のカラムを用いて測
定し、ポリエチレンオキシド標準品より得られた検量線
を用いて、数平均分子量及び重量平均分子量を算出し
た。 カラム:昭和電工社製、KD−805及びKD−80
2.5 (2)分子量分布 (1)で測定した重量平均分子量と数平均分子量との比
〔(MW)/(MN)〕より算出した。
【0051】(3)末端官能基導入率 重合物Cをピリジン溶液中、水酸化ナトリウム溶液で滴
定することにより、カルボキシル基数を算出した。導入
されたカルボキシル基数の理論値に対する百分率を算出
し、末端官能基導入率とした。
【0052】(実施例4)表1に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にアミノ基を有する
重合物Dを得た。得られた重合物Dについて、数平均分
子量(MN)、重量平均分子量(MW)及び分子量分布
を実施例1と同様にして測定し、末端官能基導入率を下
記の評価方法を用いて測定した。結果を表1に示した。
【0053】〔評価方法〕 (1)末端官能基導入率 JIS K 1557に準拠して、重合物Dを無水フタ
ル酸のピリジン溶液でアミド化した後、過剰な試薬を水
酸化ナトリウム溶液で滴定することにより、アミノ基数
を算出した。導入されたアミノ基数の理論値に対する百
分率を算出し、末端官能基導入率とした。
【0054】(実施例5)表1に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にビニル基を有する
重合物Eを得た。得られた重合物Eについて、数平均分
子量(MN)、重量平均分子量(MW)及び分子量分布
を実施例1と同様にして測定し、末端官能基導入率を下
記の評価方法を用いて測定した。結果を表1に示した。
【0055】〔評価方法〕 (1)末端官能基導入率 重合物Eを重クロロホルム中 1H−NMRで測定し、ビ
ニル基数を算出した。導入されたビニル基数の理論値に
対する百分率を算出し、末端官能基導入率とした。
【0056】(実施例6)表1に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にトリエトキシシリ
ル基を有する重合物Fを得た。得られた重合物Fについ
て、数平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)及
び分子量分布を実施例1と同様にして測定し、末端官能
基導入率を下記の評価方法を用いて測定した。結果を表
1に示した。
【0057】〔評価方法〕 (1)末端官能基導入率 重合物Eを重クロロホルム中 1H−NMRで測定し、ト
リエトキシシリル基数を算出した。導入されたトリエト
キシシリル基数の理論値に対する百分率を算出し、末端
官能基導入率とした。
【0058】(実施例7)重合開始剤として2,2′−
アゾビス(イソブチロニトリル)1.6gを用い表1に
記載のモノマー1を用い、その他は実施例1同様に重合
器内を70℃に維持したまま5時間重合を行った。重合
終了後、表1に記載のモノマー2であるスチレンを添加
しさらに70℃にて3時間重合した。重合終了後、表1
に記載の末端処理剤を添加し、120℃にて4時間反応
を行い重合物Gを得た得られた重合物Gについて、数平
均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量分
布、及び、末端官能基導入率を実施例1と同様にして測
定した。結果を表1に示した。
【0059】(実施例8)表1に記載のモノマー1を用
い実施例7同様に重合器内を70℃に維持したまま5時
間重合を行った。重合終了後、表1に記載のモノマー2
であるスチレンを添加しさらに70℃にて3時間重合し
た。重合終了後、表1に記載の末端処理剤を添加し、1
00℃にて8時間反応を行い重合物Hを得た 得られた重合物Hについて、数平均分子量(MN)、重
量平均分子量(MW)、分子量分布、及び、末端官能基
導入率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に
示した。
【0060】(実施例9)表1に記載のモノマー1を用
い実施例7同様に重合器内を70℃に維持したまま5時
間重合を行った。重合終了後、表1に記載のモノマー2
であるスチレンを添加しさらに70℃にて3時間重合し
た。重合終了後、表1に記載の末端処理剤を添加し、1
20℃にて4時間反応を行い重合物Iを得た 得られた重合物Iについて、数平均分子量(MN)、重
量平均分子量(MW)、分子量分布、及び、末端官能基
導入率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に
示した。
【0061】(実施例10)表1に記載のモノマー1を
用い実施例7同様に重合器内を70℃に維持したまま5
時間重合を行った。重合終了後、表1に記載のモノマー
2であるスチレンを添加しさらに70℃にて3時間重合
した。重合終了後、表1に記載の末端処理剤を添加し、
120℃にて4時間反応を行い重合物Jを得た得られた
重合物Jについて、数平均分子量(MN)、重量平均分
子量(MW)、分子量分布、及び、末端官能基導入率を
実施例3と同様にして測定した。結果を表1に示した。
【0062】(比較例1)表2に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にヒドロキシル基を
有する重合物Kを得た。得られた重合物Kについて、数
平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量
分布、及び、末端官能基導入率を実施例1と同様にして
測定した。結果を表2に示した。
【0063】(比較例2)表2に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にヒドロキシル基を
有する重合物Lを得た。得られた重合物Lについて、数
平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量
分布、及び、末端官能基導入率を実施例1と同様にして
測定した。結果を表2に示した。
【0064】(比較例3)表2に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にカルボキシル基を
有する重合物Mを得た。得られた重合物Mについて、数
平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量
分布、及び、末端官能基導入率を実施例3と同様にして
測定した。結果を表2に示した。
【0065】(比較例4)表2に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にアミノ基を有する
重合物Nを得た。得られた重合物Nについて、数平均分
子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量分布、
及び、末端官能基導入率を実施例4と同様にして測定し
た。結果を表2に示した。
【0066】(比較例5)表2に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にビニル基を有する
重合物Oを得た。得られた重合物Oについて、数平均分
子量(MN)、重量平均分子量(MW)、分子量分布、
及び、末端官能基導入率を実施例5と同様にして測定し
た。結果を表2に示した。
【0067】(比較例6)表2に記載の配合物を用いた
以外は実施例1と同様にして、末端にトリエトキシシリ
ル基を有する重合物Pを得た。得られた重合物Pについ
て、数平均分子量(MN)、重量平均分子量(MW)、
分子量分布、及び、末端官能基導入率を実施例6と同様
にして測定した。結果を表2に示した。
【0068】(比較例7)重合開始剤として2,2′−
アゾビス(イソブチロニトリル)1.6gを用い表2に
記載のモノマー1を用い、その他は実施例1同様に重合
器内を70℃に維持したまま5時間重合を行った。重合
終了後、表2に記載の末端処理剤を添加し、120℃に
て4時間反応を行い重合物Qを得た。得られた重合物Q
について、数平均分子量(MN)、重量平均分子量(M
W)、分子量分布、及び、末端官能基導入率を実施例1
と同様にして測定した。結果を表2に示した。
【0069】(比較例8)表2に記載の配合物を用いた
以外は比較例7と同様にして重合を行った。重合終了
後、表2に記載の末端処理剤を添加し、120℃にて5
時間反応を行い重合物Rを得た。得られた重合物Rにつ
いて、数平均分子量(MN)、重量平均分子量(M
W)、分子量分布、及び、末端官能基導入率を実施例1
と同様にして測定した。結果を表2に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】本発明の末端に官能基を有するビニル系
重合体の製造方法では、連鎖移動剤として上記特定の構
造を有するヨウ素化合物を用いるためリビング的に反応
が進むので、末端に官能基を容易に導入することができ
る。また、本発明の末端に官能基を有するビニル系重合
体は、末端官能基導入率が高いので、架橋による網状化
だけでなく、末端同士の架橋による鎖延長が効率的に起
こるため、直鎖状に鎖延長された高分子量体を形成する
ことができ、伸びや引っ張り強度に優れ、耐熱性、耐水
性、耐久性等に優れた硬化物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 BA05 BB01 BB02 BB07 BB09 BB10 HA03 HA04 HB02 HB13 HB22 NA28 4J100 AB02P AC00P AF06P AG02P AJ02P AL03P AL04P AL05P AL08P AL09P AL11P AM02P AM15P BA03H BA04H BA05P BA16H BA29H BA58H BC43H CA01 CA31 FA04 FA19 FA35 FA43 HA04 HA21 HA29 HA35 HA45 HC01 JA01 JA03 JA05 JA67

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連鎖移動剤として、少なくとも2個のヨ
    ウ素原子を含有し、該ヨウ素原子が、芳香族環に結合し
    た炭素原子に結合した構造を有するヨウ素化合物を用
    い、ビニル系単量体と前記連鎖移動剤とを含む系でラジ
    カル重合反応を行い、末端にヨウ素原子を有するビニル
    系重合体を合成した後、前記ビニル系重合体末端のヨウ
    素原子を官能基を有する基で置換することにより、末端
    に官能基を導入することを特徴とする末端に官能基を有
    するビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 連鎖移動剤として、少なくとも2個のヨ
    ウ素原子を含有し、該ヨウ素原子が芳香族環に結合した
    炭素原子に結合した構造を有するヨウ素化合物を用い、
    ビニル系単量体と前記連鎖移動剤とを含む系でラジカル
    重合反応を行い、引き続きスチレン系単量体の重合反応
    を行うことにより、ビニル系重合体と末端ヨウ素原子の
    間にスチレン系重合体を有するビニル系重合体を合成
    し、その後、前記ビニル系重合体末端のヨウ素原子を官
    能基を有する基で置換することにより、末端に官能基を
    導入することを特徴とする末端に官能基を有するビニル
    系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ビニル系重合体中に占める、スチレン系
    重合体の重量分率が10%以下であることを特徴とする
    請求項2記載の末端に官能基を有するビニル系重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 末端に導入する官能基が、ヒドロキシル
    基、アミノ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基及
    びシリル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官
    能基であることを特徴とする請求項1〜3項記載のいず
    れか1項に記載の末端に官能基を有するビニル系重合体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 ビニル系単量体が、(メタ)アクリル酸
    エステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の末端に官能基を有するビニル系重合体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 ビニル系単量体が、(メタ)アクリロニ
    トリルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の末端に官能基を有するビニル系重合体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製
    造方法を用いて製造されたビニル系重合体であって、数
    平均分子量が500〜500000であり、末端官能基
    導入率が90%以上であることを特徴とする末端に官能
    基を有するビニル系重合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010500425A (ja) * 2006-08-09 2010-01-07 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ヒドロキシテレケリックatrp生成物を製造する方法
JP2010265399A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Toagosei Co Ltd 硬化性組成物
JP2011074267A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toagosei Co Ltd 塗料用熱硬化性組成物

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JP2010500425A (ja) * 2006-08-09 2010-01-07 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ヒドロキシテレケリックatrp生成物を製造する方法
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