JP2000355197A - エンボス化粧材 - Google Patents

エンボス化粧材

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JP2000355197A
JP2000355197A JP11170385A JP17038599A JP2000355197A JP 2000355197 A JP2000355197 A JP 2000355197A JP 11170385 A JP11170385 A JP 11170385A JP 17038599 A JP17038599 A JP 17038599A JP 2000355197 A JP2000355197 A JP 2000355197A
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embossed decorative
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Yoshiaki Kakinuma
良明 柿沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然木材板にみられるような部分的に、ま
た、観察方向によって強弱が変化する光沢を有する高度
な意匠性を示すエンボス化粧材を提供する。 【解決手段】 基材表面に微小な凹凸形状が形成された
化粧材であって、該凹凸形状を、所定のピッチをもって
配列してなる光拡散性を有する微小な凸部の集合によっ
て形成し、前記凸部の偏平率等の形状パラメータを水平
方向において、表現すべき表面パターンに対応させて連
続的に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然木目板が有す
るような平面内の場所において連続的に変化し、また、
光源と観察者との位置(角度)関係に応じて異なる光
沢、すなわち照りを表現したエンボス化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】天然の木目板の表面は、局部的に見ると
一方向に配行した多数の細長い木材繊維からなる溝状の
凹凸形状を有している。また、大局的に見るとその配行
の方向は、平面内の場所によって異なって分布するた
め、「照り」と称する特有の表面光沢を有している。こ
の照りの強弱は、平面内において場所によって部分的に
微妙に変化している。また、同一場所の照りについて
も、木目板に対する照明光の入射角度と観察者の木目板
に対する方向(観察角度)の相関関係によって強弱が変
化し、照りのある位置が照明光源や観察者の移動に応じ
て移動して見える。従来、このような、照りを再現しよ
うとして、実公昭53−7349号公報、特公昭61−
29786号公報等に提案されているような基材シート
に光輝性材料を練り込んだり、基材シート全面、あるい
は部分的に光輝性材料を含むパールインキ等を用いた印
刷方式で光輝層を形成しておき、その上に所望の木目模
様を印刷する方法、あるいは、特公昭63−1185号
公報、特公平7−22989号公報等に提案されている
ような微細な万線凹凸模様を化粧材の全面に施す方法等
が試みられてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、実公昭53
−7349号公報、特公昭61−29786号公報等に
提案されている従来の光輝層を設けた化粧材において
は、光輝感は出せるが、天然木と比べると不自然さが残
り、光輝度の角度依存性、すなわち、一定の照明下にお
ける観察する角度によって光の反射率が変化して照りに
強弱が生じ、それによってあたかも照り部分が移動する
ような意匠効果を持たせることは困難であった。また、
特公昭63−1185号公報、特公平7−22989号
公報等に提案されている、微細な万線凹凸模様を施した
化粧材では、照り感は一応表現でき、観察方向によって
輝度変化は得られるものの、光輝性パターンが一定周期
の縦縞等になり、人工的であって不自然さが残り、限ら
れた意匠表現にしか適応できないという問題がある。本
発明は前記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明
は、化粧材の表面に、例えば、天然木の板目に見られる
ような平面内において連続的に変化し、かつ、照明光の
入射角度、観察角度によっ強弱が変化する照り(光沢)
を持たせ、さらに、耐スクラッチ性、耐汚染性の点でも
優れたエンボス化粧材の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明は、基材表面に微小な凹凸形状が多数
形成された化粧材であって、該凹凸形状が、所定のピッ
チをもって配列してなる光拡散性を有する微小な半裁楕
円体状の凸部の集合によって形成され、前記凸部の偏平
率、配列ピッチ、配列方向又は高さのいずれか一つ以上
のパラメータが水平面内において連続的に変化してなる
ことを特徴とするものである。また、前記基材表面の凸
部のパラメータが、天然木目板の表面の光沢度の大小に
対応して変調されてなり、前記凹凸形状が、前記天然木
目板の照りを再現していることを特徴とするものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によって製造されるエンボ
ス化粧材とは、基材表面にエンボス加工により微小な凹
凸形状が施され、各部の光沢が制御されてなるものであ
る。基材の材料としては、通常、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、
ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)
アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル
(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリ
レート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂(ここで
(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレ
ートを意味する)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹
脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS樹
脂,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不
飽和(熱硬化性)ポリエステル樹脂、2液硬化(熱硬
化)型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、ラジカル重合型
不飽和(メタ)アクリレート、またはカチオン重合型エ
ポキシ樹脂を電離放射線(紫外線、電子線等)で架橋さ
せてなる電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。また基
材は、上記材料の積層体であっても、単層であってもよ
い。
【0006】本発明を図面によりさらに詳細に説明す
る。図1は、本発明によるエンボス化粧材の凹凸形状の
一例を示す斜視図である。本発明によるエンボス化粧材
の凹凸形状は、図1(a)と図1(b)に示すような、
所定のピッチをもって配列してなる光拡散性を有する微
小な凸部1の集合によって形成されている。この凹凸形
状は、図1(a)に示すように、配列する凸部1間に水
平面のある凹部2があって、凸部1面と凹部2面とは高
低変化が、非連続的であってもよく、あるいは図1
(b)に示すように、連続的な高低変化をもって凸部1
と凹部2とが連接していてもよい。図1(a)に示す凸
部1の形状は、グラビア印刷版のセル形状と類似した半
裁回転楕円体状の形状を有するエンボス版で凹凸形状を
基材5上に賦型したものである。この場合、凹部2はグ
ラビア印刷版の土手部に相当する。なお、図1(a)
(及び図1(b))では、回転楕円体(以下単に楕円体
と呼称する)が特に球(長半径=短半径)の場合を図示
している。また、図1(b)に示す凸部1の形状は、グ
ラビア印刷版の土手部をもさらに腐食させ、且つ、土手
部に丸みを持たせた形状のものをエンボス版として用い
て基材5上に賦型したものである。
【0007】図2は、本発明によるエンボス化粧材の凹
凸形状の一例を示す断面図である。図2(a)と図2
(b)は、それぞれ図1(a)と図1(b)に相当する
ものであって、隣接する凸部の中心を通過する断面図で
表されている。この例では、いずれの場合も、凸部の配
列ピッチPは基材5全面若しくは区画領域において固定
されるが、凹凸形状の凸部1の高さD(凹部2の深度)
は、図2では、描かれていないが、水平方向に連続性を
もって微妙に変化している。また、高さDは、艶(光
沢)のパラメータとして、光沢変化の要因となり、高さ
Dが大きく成るほど光沢は落ち、マットな感じとなる。
【0008】図3は、本発明によるエンボス化粧材の凸
部の形状の説明図である。本発明においては、楕円体状
の凸部1の持つ半径r1 、r2 、r3 乃至は偏平率τx
y、τz 、高さD、配列ピッチP及び配列方向からなる
形状パラメータのうち、少なくとも一種以上が平面内の
場所に対応して変化していることが特徴である。図2に
示すように、この凸部1の土手レベルL’、あるいは連
続的に高低変化する変曲点レベルL”における凸部1の
中心点Cから水平方向(レベル面L’乃至はL”面内)
と鉛直方向(レベル面L’乃至はL”の法線方向)に向
けて互いに90°の角度で放射して凸部1の表面に至る
半径r1 、r2 、r3 は、一般的には、平面内の場所に
対応して連続的に変化している。従って、また ( r3 −
r1 ) /r1 によって表すことができる凸部1の高さ方
向の偏平率τz(但し、ここで r1 を短半径、r3 を長
半径とする。)も連続的に変化している。また、楕円体
状の凸部1の大きさについては、長半径r3 ( r3≧ r2
≧r1とする) が、1〜85μm程度、土手相当幅は0〜
10μm程度に設定されることが好ましい。なお、楕円
体の特殊な場合として、凸部1の平面形状はr2 =r3
の円形である楕円体(r1 ≠ r2 = r3 )、あるいは球
( r1 = r2 = r3 ) であってもよいが、光沢の異方性
を表現するためには、 r1 <r2 < r3 となり、2×r
3 と2×r1 を楕円の長径と短径とする楕円形であれば
さらに好ましい。それは、凸部1における光拡散におい
て異方向性が得られる為である。楕円体形状としては完
全な楕円体の他、多少歪んだ形状、或いは表面に微凹凸
がある形状のものであってもよい。凸部1の高さDは、
通常は、短半径r1 程度とするが、所望の光沢の程度に
よって増減する。但し、高さDは、0<D≦r1 の範囲
とする。高さDが増加する程、表面の光沢は、低下す
る。なお、凸部1の配列ピッチPは、2〜170μm程
度である。
【0009】図4は、本発明によるエンボス化粧材の照
り(光沢)変化の説明図である。図4に示す態様のエン
ボス化粧材においては、凸部1の高さDを短半径r1 と
一致させ、且つ凸部形状パラメータのうち、長半径r2,
r3 を一定にし(r2 =r3)、短半径r1 のみ変化させ
た一態様を例に説明する。この場合、基材面における連
続的な光沢変化を表現するために、凹凸形状を構成する
凸部1の偏平率τz及び高さDが連続的に変化してい
る。この偏平率τzも、光沢に変化を与える重要な要因
となるものであって、図4(a)に示すように、偏平率
τz が大きく,高さが小さいほど、光沢が大きくなり、
偏平率τz が小さく,高さDが大きいほど光沢は小さく
なる。すなわち、凸部1の偏平率τzの大小によって、
凸部1のその他の形状パラメータが平面内で全て一定で
あっても、エンボス化粧材の基材面は光沢のあるグロス
面から光沢の少ない,所謂,艶消しのマット面にまで変
化する。したがって、図4の態様の本発明によるエンボ
ス化粧材においては、凹凸形状を構成する凸部1の偏平
率τz及び凹凸形状の高さDを連続的に変化させること
によって、連続的に光沢変化が表れる艶柄を造りだすこ
とができる。なお、本発明においては、一般的には凸部
1の偏平率τz 、τxy、高さD、配列ピッチP、配列方
向のいずれか一つ以上を化粧材の光沢(の大小)パター
ンに対応させて変化(変調)させればよいが、図4の例
の如く、高さ方向の偏平率τzの変化する態様は、フォ
トエッチング工程において腐食深度を連続的に変化させ
ることによって容易に得られる。その場合の光沢パター
ン(艶柄)は、どのような原画をベースにしてもよい
が、例えば表面光沢が平面内において連続的に濃度変化
をしている天然木目板の表面を写真撮影し、光沢の平面
内分布パターン(照り)が、光学濃度変化パターンに変
換された画像をベースとし、これからグラビア印刷版を
作成する方法と略同じ工程でエンボス版を作成し、この
エンボス版を基材表面に押圧してグラビア印刷セルと略
同一の形状を賦型してもよいが、好ましくは、腐食をさ
らに進めてグラビア印刷版における土手部分をも腐食さ
せることによって、図1(b)に示すような連続的な高
低変化のある凹凸形状を有するエンボス版を作成し、こ
れをもって基材面に賦型させる方が好ましい。その理由
は、光沢の範囲をさらに拡大させるばかりでなく、印刷
インキによる図柄が併存する場合、その印刷網点とのモ
アレを目立たなくする効果があり、さらに高低差に非連
続部がないので、基材表面の耐汚染性、耐スクラッチ性
を高める効果を発揮させることができるためである。
図2(b)に示すような断面形状を、所望の波長(配列
ピッチPに相当する)と振幅(深度Dに相当する)で得
られるようにするには、原画における連続階調の濃度領
域、原画に基づく網点出力条件(スクリーン線数、最初
にエンボス版に形成される非レジスト部(開口部)Bの
開口%)を調整する必要がある。凸部の配列ピッチP
は、原画となる連続階調濃度を有する画像を網点出力
(露光)する時のスクリーン線数(本/インチ)によっ
て決まるが、スクリーン線数が少ない方が個々の凸部1
は大きく、凹凸形状の深度Dが深くなるので高度な艶消
し状態を得やすくなるが、凸部1が目視でも目立つよう
になることは避けなければならない。従ってスクリーン
線数は150本/インチ程度が限界であって、これより
少ないスクリーン線数は好ましくない。なお、天然木目
板の光沢の測定、評価法としては、目視における光沢感
と相関関係の有る測定評価法であればよく、特に限定さ
れるものではないが、代表的なものを挙げれば、JIS
K7105に規定の光沢度を木目板上の微小面積毎に測
定し、平面分布を求める方法、或いは、特定の方向から
木目板を照明し、特定の方向から写真撮影する方法があ
り、通常は後者の方法が用いられる。
【0010】さらに、本発明によるエンボス化粧材は、
別途化粧材に印刷される図柄に同調する光沢の強弱変化
を付けることによって、さらに意匠性の高いものとする
ことができる。その一例として木目模様の図柄、例え
ば、図4(b)で示すような杉材、檜材等の板目柄にお
いて、年輪(秋材部)で区画される春材部の領域A1〜
A4の中で、特に区画領域A4の光沢を他より強調させ
たい場合、原画像を網点出力(露光)する場合に、他の
領域の一回目の出力条件と異なる出力条件で、区画領域
A1の2回目の網点出力を行えばよい。ここで、網点出
力条件とは、網点面積、配列ピッチ(スクリーン線
数)、配列角度(スクリーン角度)を意味し、この中の
少なくとも一つを変えることにより区画領域A4の光沢
状態を用意に変えることができる。区画領域A2,A
3,A4についても同様であり、それぞれ異なる網点出
力条件で網点出力することができる。このように区画領
域に応じた多重露光を2〜5回行うことによって基材表
面の光沢が複雑に変化し、高度な意匠性を有する本発明
によるエンボス化粧材が得られる。以上のように光沢の
強弱、グラデーションの変化とマッチングさせる図柄
は、木目模様に限定することなく、石目、布目、抽象柄
等種々のものを選ぶことができる。また、図柄とのマッ
チングをあえて行はなくても、変化に富んだ艶柄とし
て、無地の基材に対して適用するようにしてもよい。
【0011】図5は、本発明によるエンボス化粧材の製
造工程の説明図である。は、エンボス版面上に形成さ
れるレジストパターンRの平面図であって、エンボス版
面はジスト部1と非レジスト部Bとからなっている。先
ず、レジストパターンRの形成から説明する。表面光沢
が連続濃度階調を有する原稿、例えば天然の木目板の光
沢パターン画像を銀塩を含む乳剤を感光材とするフィル
ムに写真撮影し、CEPS(Color Electronic Prepres
s System)等のスキャナーによって電気信号として入力
し、AD変換してデジタル画像データとして磁気ディス
クメモリ等の記憶装置に取り込む。また、デジタルカメ
ラで連続濃度階調画像を撮影して、直接デジタル画像デ
ータとして取り込んでもよい。その際、原稿の光沢パタ
ーンのみを製版用の画像として抽出するためには、撮影
の際、光源の原稿表面への入射角及びカメラと原稿表面
との角度を調整し、光沢パターンのみが、他のパターン
に比べて最も高コントラストに見える条件を探して、撮
影する事が好ましい。またその他、一旦光沢パターンと
他のパターンを一緒に含めて撮影した後、手作業、ある
いは、デジタル画像処理の手法により光沢パターン以外
の不要パターンを削除してもよい。また、特に光沢を強
調したい領域あるいは光沢差を明確に付けたい領域があ
る場合にはそれら領域の区画情報を同時に取り込んでお
けばよい。次に、このデジタル画像データをエンボス版
材の上に形成された感光性レジスト膜の上をレーザー光
等の光ビームで平面的に走査しつつデジタル画像データ
に対応する電気信号(通常はデジタル信号が用いられる
がアナログ信号でも可)で光ビームをON−OFF又は
強弱変調することによって所定のスクリーン線数によっ
てグラビア網点出力を行った後に、現像を行いに示す
ようなレジストパターンRを形成する。そして、光沢を
強調したい区画が有る場合には、その区画情報に基づい
た各区画ごとの網点出力をそれぞれ異なるスクリーン線
数、また必要に応じてスクリーン角度も変えて繰り返し
同一版面に多重回の露光を行う。また、露光方式として
は、予め銀塩感光性写真フィルム等の表面にグラビアコ
ンタクトスクリーンを用いて網点パターンをネガまたは
ポジとして形成しておき、網点部のみ遮光性で他は透光
性(ポジ)、或いは網点部のみ透光性で、他は遮光性
(ネガ)のフィルムを用意しておき、このフィルムを感
光性レジスト膜上に密着して重ね、その上から水銀燈等
の光源で全面露光する方式を採用してもよい。コンタク
トスクリーンの角度を変えて露光したり、あるいはデジ
タル画像データの演算(座標軸の回転)によって網点
(最終的には凸部1)の配列方向を変化させることがで
きる。また、コンタクトスクリーンの線数を変えたり、
デジタル画像データの演算(拡大、縮小)によって網点
(最終的には凸部1)の配列ピッチPを変化させること
ができる。エンボス版材3には、銅、鉄等の金属が一般
的に使用され、形状は、平板、又はシリンダー(円筒)
状である。この上に形成されるレジストとしては、重ク
ロム酸ゼラチン、ポリ桂皮酸ビニル、アクリルアミド、
ポリビニルアジドベンザル等のネガ型、或いはO−キノ
ンジアジドノボラック樹脂等のポジ型の感光性レジスト
が用いられる。但し、いづれの型のレジストを用いる場
合でも、図示の如く網点間の部分がレジストとなるよう
に露光現像する。感光性レジスト膜のエンボス版材3へ
の塗工方法としては、ダイレクトグラビア方式のよう
に、予め版材上に感光性レジスト膜を塗工しておき、次
いでその上に網点パターンを露光し、しかるのちに現像
処理する方式、或いはコンベンショナルグラビア法のよ
うに、予め離型性支持体シート上に感光性レジスト膜を
塗工したシート(カーボンチッシュ等)上に網点パター
ンを露光した後、版材上に該シート上の露光済みレジス
ト膜のみを転写し、しかるのちに、現像処理して、ネガ
型レジストの場合は非露光部、ポジ型レジストの場合は
露光部を溶解除去する方式のいずれも採用可能である。
なお、図5の如く、平面視で開口部BがΔX=ΔYの
正方形のレジストパターンRを用いると,最終的に得ら
れる楕円体の水平断面内での半径r2, r3 (図3参照)
は、r2 = r3 の円となる。一方、図示は省くが、ΔX
>ΔY、或いはΔX<ΔYとなる長方形のレジスト開口
部Bとすることによって、水平面内での半径 r2, r3
が, r2 < r3, 或いは、r2 > r3 となり、水平面内
において楕円となる。その結果、水平面内での偏平率τ
xy=(r3 −r2)/r2, 或いは 偏平率τxy=(r2 −r3)/r3
を変化させることができる。τxyの大小によって、光
沢に水平面内の異方性を与え得る。短半径 r1 は、いず
れの場合でも腐食深度によって決定される。以上の方法
でエンボス版材3の版面にはに示すようなレジスト膜
4が形成される。以降は、レジストパターンRのX−
X’線で仮想的に切断された網点中央断面で表される。
【0012】次に〜によって示すエッチング工程を
説明する。に示すようなレジスト膜4が形成されたエ
ンボス版面の開口部Bに対して、腐食を開始する。腐食
方法は、目的とする腐食深度、サイドエッチングの幅が
達成されるような腐食液の供給方式、腐食液濃度等を勘
案して進める。一般に、スプレイ方式は、サイドエッチ
を少なくして、深度を確保する場合に適し、一方サイド
エッチングを激しく起こさせるには、モルトンローラー
方式等が好ましい。腐食は先ず第1段階で、に示すよ
うに非レジスト部Bを碗状に侵食する。さらに腐食を進
めると、に示すようにサイドエッチングがレジスト膜
2の下部を両サイドから侵食し、レジスト膜4は自然に
脱落する。こので示す土手部が残る段階のものをエン
ボス版10’としてもよいが、好ましくはさらに腐食を
進め、に示すように土手部が丸く侵食されて、断面が
連続した曲線になったものをエンボス版10とすること
が好ましい。このようにして、最終的に得られた所定の
凹凸形状を有するエンボス版10’、10はそのままで
もよいが、耐久性を持たせるために全面にクロムメキを
施して使用する。
【0013】は、エンボス版10を用いたエンボッシ
ングの工程を示す。エンボス版10を用いて基材5上に
エンボス版10の凹凸形状を賦型してエンボス化粧シー
ト6を得る代表的な方法としては、加熱軟化させた熱可
塑性樹脂基材表面にエンボス版を押圧し、冷却、固化せ
しめて賦型する狭義のエンボス加工がある。しかし、本
発明によるエンボス化粧材の製法は、これに限定される
ものではなく、その他の方法で製造することもできる。
例えば、上記方法で製版されたエンボス版の表面に不飽
和(メタ)アクリレート系、エポキシ系等のプレポリマ
ー、単量体等の未硬化の液状組成物を塗布して凹凸形状
の少なくとも凹部内に液状組成物を充填し、次いで該液
状組成物表面に樹脂等からなるシート状の基材5を重ね
て密着させた状態でシート側から紫外線又は電子線を照
射して該液状組成物を硬化(固化)せしめ、該シート面
に接着させ、且つエンボス版の凹凸形状が賦型された硬
化物層をエンボス版から離型する方法(特開平2−13
1175号公報等に開示)を用いることもできる。無
論、エンボス版10上の凹凸形状と化粧材のエンボス化
粧シート6上の凹凸形状とは図5、とに示すように
凹凸形状が逆転する。また、基材5の形態としては、前
記の如き材料からなるシート(乃至はフィルム)、板等
である。必要に応じて表面に凹凸形状を形成したエンボ
ス化粧シート6の表面、裏面(基材が透明の場合)、又
は表裏両面に公知のインキ及び印刷法を用いて木目柄、
石目柄、布目柄、幾何学模様、全面ベタ等の絵柄層を形
成したり、全面又は部分的に、金属薄膜を形成したり、
或いは基材5自体に公知の顔料、染料等の着色材を練り
込んで装飾処理を施しても良い。本発明によるエンボス
化粧材の用途としては、壁、床、天井等の建築物の内装
材、扉、窓枠、扉枠、手摺等の建具の表面材、テレビジ
ョン受像機等の家電製品の筐体の表面材、箪笥等の家具
の表面材、箱等の容器の表面材、車両等の内装材、船舶
内装材等であって、必要に応じて更に任意の素材からな
る裏打ち材7が図5に示すように裏打ちされて本発明
によるエンボス化粧材20となる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、基材表面に平面的に配
列する凸部の偏平率τを連続的に変化させ、さらに基材
面の区画領域ごとに光沢の強弱変化を印刷柄と同調さ
せ、あるいは無地の基材に対して施すことによって、微
妙な光沢変化があり、しかも同一照明のもとで観察方向
によって光沢変化が生じる、天然木目板にみられるよう
な照りに近い光沢表現を可能とするエンボス化粧材を提
供することができ、さらに連続的に高低変化のある凹凸
形状とすることによって、併用する印刷柄とのモワレの
発生を防止でき、耐汚染性、耐スクラッチ性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエンボス化粧材の凹凸形状の一例
を示す斜視図
【図2】本発明によるエンボス化粧材の凹凸形状の一例
を示す断面図
【図3】本発明によるエンボス化粧材の凸部の形状の説
明図
【図4】本発明によるエンボス化粧材の照り(光沢)変
化の説明図
【図5】本発明によるエンボス化粧材の製造工程の説明
【符号の説明】
1 凸部 2 凹部 3 エンボス版材 4 レジスト膜 5 基材 6 エンボス化粧シート 7 裏打ち材 10 エンボス版 10’エンボス版 20 本発明によるエンボス化粧材 r1,r2,r3 凸部半径 τxy, τz 偏平率 A レジスト部 B 開口部 D 高さ P 配列ピッチ R レジストパターン S 変曲点

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に微小な凹凸形状が多数形成さ
    れた化粧材であって、該凹凸形状が、所定のピッチをも
    って配列してなる光拡散性を有する微小な半裁、楕円体
    状の凸部の集合によって形成され、前記凸部の偏平率、
    配列ピッチ、配列方向又は高さのいずれか一つ以上のパ
    ラメータが水平面内において連続的に変化してなること
    を特徴とするエンボス化粧材。
  2. 【請求項2】 前記基材表面の凸部のパラメータが、天
    然木目板の表面の光沢度の大小に対応して変調されてな
    り、前記凹凸形状が、前記天然木目板の照りを再現して
    いることを特徴とする請求項1記載のエンボス化粧材。
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