JP2000346686A - 超音波流量計 - Google Patents

超音波流量計

Info

Publication number
JP2000346686A
JP2000346686A JP11160389A JP16038999A JP2000346686A JP 2000346686 A JP2000346686 A JP 2000346686A JP 11160389 A JP11160389 A JP 11160389A JP 16038999 A JP16038999 A JP 16038999A JP 2000346686 A JP2000346686 A JP 2000346686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
time
signal
ultrasonic sensor
transmitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11160389A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Masunaga
靖行 増永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP11160389A priority Critical patent/JP2000346686A/ja
Publication of JP2000346686A publication Critical patent/JP2000346686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】超音波信号のバイパス手段を設け、回路遅延時
間測定手段と流速補正演算手段とを備える超音波流量計
を提供する。 【解決手段】流体14の流れ方向に対して傾斜して送信側
と受信側とを対向して配備する超音波センサ1A,1B と、
一方の超音波センサ1A(1B)を励振し上流側あるいは下流
側から超音波信号1aを送信する送信手段2と、他方の超
音波センサ1B(1A)で流体14中を伝搬する超音波信号1aを
検出し下流方向および上流方向への超音波信号1aの伝搬
時間Td,Tu を計測する時間計測手段3と、これらの伝搬
時間Td,Tu から流体14の流速Fあるいは流量を演算する
流量演算手段4と、を備え、送信側超音波センサ1A(1B)
と受信側超音波センサ1B(1A)との間をバイパスして、送
信手段2から時間計測手段3に電気信号を授受するバイ
パス手段5を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波方式による流
体の流量を測定する超音波流量計に関わり、特に、超音
波信号の送信から伝搬時間検出までの回路間の遅延時間
を補正する超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来技術および本発明の超音波流
量計に係わる一般的な超音波センサ配置図である。尚、
説明の簡潔さのため、以下超音波信号1aは上流側から下
流側方向を主体に説明し、その逆方向は必要に応じて括
弧付き符号で併記する。超音波流量計は、超音波振動子
11と音響整合層12とからなる超音波センサ1A,1B を流体
14の流れ方向に沿って, あるいは, 図4に図示される測
定管13内の流体14の流れ方向に対して角度θ傾斜し測定
管13内を距離Lだけ離して送信側と受信側とを対向して
配備して構成される。
【0003】また、図5において、一方の超音波セン
サ、例えば、超音波センサ1A(1B)を励振し, 流体14の流
れに対して上流側(下流側)から超音波信号1aを送信す
る図示例では送信部21で代表される送信手段2と、他方
の超音波センサ1B(1A)で流体14中を伝搬する超音波信号
1aを検出し, この超音波信号1aの伝搬時間T3を検出し,
下流方向(上流方向)への超音波信号1aの伝搬時間T3d,
(T3u)(以下、伝搬方向を含めて区分するときd,u の添え
字で区分する) を計測する図示例では受信部31/32 と時
間計測部33とからなる時間計測手段3と、これらの伝搬
時間T3d,T3u から流体14の流速Fあるいは流量を演算す
るマイコンなどの演算装置41からなる流量演算手段4
と、を備えて構成される。
【0004】かかる構成によって、流体14の流速Fは以
下に述べる様にして検出・演算することができる。図5
において、送信手段2は、予め定められた一定の間隔で
タイミング信号2aを発し、送信部21で超音波センサ1へ
の励振パルス2bを生成し、図示省略されたスイッチSW1
で選択される上流側センサ1Aを励振する。この励振パル
ス2bで励振された上流側センサ1Aは、超音波センサ1の
電気−機械系で定まる固有振動数の超音波信号1aを発生
し、この超音波信号1aは、測定管13内の流体14を伝搬し
て、下流側センサ1Bで受信され電気信号3aに変換され
る。この受信された電気信号3aは、図示省略されたスイ
ッチSW2 を経由して受信部31で増幅され、帯域通過フィ
ルタ32で超音波センサ1が発生する固有振動数のメイン
周波数成分を通過し、受信信号3aに含まれる電気的・音
響的ノイズ成分を除去する。このノイズ成分が除去され
た帯域通過フィルタ32の出力3bを時間計測部33で予め定
められた基準値と比較して、超音波信号1aを受信した時
刻t3として受信信号3cを出力する。
【0005】時間計測部33は、上記送信手段2が超音波
センサ1Aを励振する時刻t1(タイミング信号2a) と時間
計測部33が基準値と比較しコンパレートして超音波信号
1aを検出する時刻t3とから上流側から下流側(以下、下
流方向と略称する)への超音波信号1aの伝搬時間T3(T3
d) を演算することができる。
【0006】次に、この超音波信号1aの伝搬時間T3の計
測は、次のタイミング信号2aでスイッチSW1,SW2 を切り
換えて、下流側センサ1Bから上流側センサ1Aへ超音波信
号1aを伝搬させて、下流側から上流側(上流方向)への
超音波信号1aの伝搬時間T3(T3u) を演算する。そしてこ
れらのスイッチSW1,SW2 を交互に切り換えることによ
り、下流方向への超音波信号1aの伝搬時間T3d および上
流方向への超音波信号1aの伝搬時間T3u を計測すること
ができ、この伝搬時間データT3d,T3u をマイコンなどか
ら構成される演算装置41で演算処理して流体14の流速F
あるいは流量を求めることができる。
【0007】図4において、流体14中の音速をV,流体
14の流速をFとすると、測定管13内の超音波信号1aの下
流方向および上流方向への伝搬時間T1をそれぞれ(T1d,T
1u)とすると、(1),(2) 式の関係から、流速Fは(3) 式
で表すことができる。
【0008】
【数1】(V+F cosθ)T1d =L ・・・(1)
【0009】
【数2】(V−F cosθ)T1u =L ・・・(2)
【0010】
【数3】 従来技術では、図5に図示される様に、(3) 式で表され
る流速Fは、測定管13内を伝搬する超音波信号1aの伝搬
時間T1であるが、実測され流速(流量)演算に利用され
るのは伝搬時間T3である。この伝搬時間T3には、送受信
回路部の回路遅延時間(τ1+τ2)や、超音波センサ1A,1
B の音響整合層における遅延時間および測定管13の肉厚
による遅延時間(Ts+Tr) があり、このため流速(流量)
の計測演算に誤差が生じる。
【0011】このため従来技術では、例えば、 (1) 出荷時の実流校正試験により、流速補償データを予
め記憶しておき、このデータで流速補償演算処理を行
う。
【0012】(2) メーカの社内試験などの何らかの手段
により、予め回路遅延時間(τ1+τ2)などを測定し、こ
のデータを記憶保持して、超音波信号1aの伝搬時間T3を
補正して流速演算処理を行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この様に、従来技術に
よる超音波流量計の流速演算処理方法では、(1) 出荷時
の実流校正試験による方法では、実流校正試験が必要に
なり、計測する流量対象によっては大規模の試験設備を
必要とし、また、個別機器毎の出荷テストに実流校正試
験が必要となる。また、(2) 社内試験などで予め回路遅
延時間を測定し、このデータで補正して流速演算処理す
る方法では、回路特性の経時変化や周囲温度などの影響
による回路遅延時間の変化に対応することができない。
【0014】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は前記した課題を解決して、超音波
信号のバイパス手段を設けることにより、少なくとも、
回路遅延時間測定手段を賦与し、このデータで補正して
流速演算処理することにより、個別機器毎の実流校正試
験から解放され、回路特性の経時変化や周囲温度などの
影響による変化に対応できる超音波流量計を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれ
ば、超音波流量計は、流体の流れ方向に沿って, あるい
はこの流れ方向に対して傾斜して, 送信側と受信側とを
対向して配備する超音波振動子と音響整合層とからなる
超音波センサと、一方の超音波センサを励振し, 流体の
流れに対して上流側あるいは下流側から超音波信号を切
り換えて送信する送信手段と、他方の超音波センサで流
体中を伝搬する超音波信号を検出し, 受信部で受信処理
をし、流体中を伝搬する超音波信号の伝搬時間を検出
し, 下流方向あるいは上流方向への超音波信号の伝搬時
間を計測する時間計測手段と、これらの伝搬時間から流
体の流速あるいは流量を演算する流量演算手段と、を備
えてなる超音波流量計において、送信側超音波センサと
受信側超音波センサとの間をバイパスして、送信手段か
ら時間計測手段の受信部に電気信号を授受するバイパス
手段を備えるものとする。
【0016】また、バイパス手段は、送信手段が送信側
超音波センサを励振するパルス信号を分圧する減衰器と
スイッチとを備え、この減衰器による減衰されたパルス
信号をバイパススイッチを介して時間計測手段の受信部
に接続することができる。
【0017】かかる構成により、バイパス手段をバイパ
ス状態に切り換え、送信側超音波センサと受信側超音波
センサとの間をバイパスし、送信手段からの励振パルス
信号を分圧して時間計測手段の受信部へ接続することに
より、送信手段の一定の間隔で発せられるタイミング信
号から時間計測手段の受信部でこのタイミング信号から
のパルスを検出するまでの時間を計測し、送受信回路部
の回路遅延時間を計測することができる。
【0018】また、バイパス手段は、送信側超音波セン
サを励振するパルス信号に代わって、超音波センサのメ
イン周波数と同じ周波数の正弦波信号をテスト信号とし
て時間計測手段の受信部に接続することができる。かか
る構成により、テスト信号の周波数を変えることによ
り、送受信回路部の遅延特性を周波数特性を含めて考察
することができる。
【0019】また、バイパス手段は、送信側超音波セン
サが有する機械−電気系による振動回路と等価な電気的
等価回路と、受信側超音波センサの該電気的等価回路
と、両等価回路間を開閉するスイッチと、を備えること
ができる。
【0020】かかる構成により、等価的に送受信の超音
波振動子の遅延時間特性まで含めて計測することができ
る。この結果、超音波センサの音響整合層における遅延
時間および測定管の肉厚による遅延時間を予め求めてお
くことにより、正確な流速補正演算処理を行うことがで
きる。
【0021】また、超音波流量計は、定期点検時あるい
はその他の必要時、超音波流量計を流量測定状態からバ
イパス手段によってバイパス状態に切り換え、バイパス
状態での下流方向への遅延時間および上流方向への遅延
時間を測定し、このデータを記憶保持し、流量測定状態
でこのデータを基に補正演算処理を行うものとする。か
かる校正により、随時、バイパス状態に切り換えて遅延
時間を測定して流量の補正演算処理を行うことができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例による超
音波流量計の構成と伝搬時間遅れの説明図、図2は他の
実施例による超音波流量計の構成と伝搬時間遅れの説明
図、図3は超音波振動子の等価回路図、図4は一般的な
超音波センサの配置図であり、図5に対応する同一部材
には同じ符号が付してある。
【0023】本発明による超音波流量計は、超音波振動
子11と音響整合層12とからなる超音波センサ1A,1B を流
体14の流れ方向に沿って, あるいは, 図4に図示される
測定管13内の流体14の流れ方向に対して角度θ傾斜し測
定管13内を距離Lだけ離して送信側と受信側とを対向し
て配備して構成される。
【0024】また、図1において、一方の超音波セン
サ、例えば、超音波センサ1A(1B)を励振し, 流体14の流
れに対して上流側(下流側)から超音波信号1aを送信す
る図示例では送信部21で代表される送信手段2と、他方
の超音波センサ1B(1A)で流体14中を伝搬する超音波信号
1aを検出し, 下流方向(上流方向)への超音波信号1aの
伝搬時間T3(T3d,(T3u)) を計測する図示例では受信部31
/32 と時間計測部33とからなる時間計測手段3と、これ
らの伝搬時間T3(T3d,T3u) から流体14の流速Fあるいは
流量を演算するマイコンなどの演算装置41からなる流量
演算手段4と、を備え、送信側超音波センサ1A(1B)と受
信側超音波センサ1B(1A)との間をバイパスして、送信手
段2から時間計測手段3の受信部31に電気信号を授受す
るバイパス手段5を備え、このバイパス手段5は、図示
例では、送信手段2が送信側超音波センサ1A(1B)を励振
するパルス信号2bを分圧する減衰器53と、スイッチ51
と、を備えて構成され、この減衰器53による減衰された
パルス信号をスイッチ51を介して時間計測手段の受信部
に接続することができる。
【0025】かかる構成により、バイパス手段5をバイ
パス状態に切り換え、送信側超音波センサ1A(1B)と受信
側超音波センサ1B(1A)との間をバイパスして信号を授受
することにより、即ち、送信手段2からの励振パルス信
号2bを分圧して時間計測手段3の受信部31へ信号を接続
することにより、送信手段2の一定の間隔で発せられる
タイミング信号2aから時間計測手段3でこのタイミング
信号2aからのパルスを検出するまでの時間を計測するこ
とにより、送受信回路部21,31,32および33の一部の回路
遅延時間を計測することができる。
【0026】
【実施例】(実施例1)上述の実施形態1で述べた構成
において、まず、バイパス手段5のスイッチ51が開路さ
れ、超音波信号1aによる流速F(流量)の測定状態の場
合を説明する。図1において、送信手段2は、予め定め
られた一定の間隔で、時刻t1のタイミングでパルス信号
2aを発し、送信部21で超音波センサ1への励振パルス2b
を生成し、ここでは図示省略されたスイッチSW1 で選択
される上流側センサ1Aを励振する。この励振パルス2bで
励振された上流側センサ1Aは、図1の下部に図示例され
る、超音波センサ1の電気−機械系で定まる固有振動数
を有する数サイクルから十数サイクルの超音波信号1aを
時刻t2で発生する。
【0027】この超音波信号1aは、測定管13内の流体14
を伝搬して、下流側センサ1Bで受信され、電気信号3aに
変換される。この受信された電気信号3aは、図示省略さ
れたスイッチSW2 を経由して受信部31の増幅器で増幅さ
れ、帯域通過フィルタ32で超音波センサ1が発生する固
有振動数のメイン周波数成分を通過し、受信信号3aに含
まれる電気的・音響的ノイズ成分を除去する。このノイ
ズ成分が除去された帯域通過フィルタ32の出力3bを時間
計測部33で検出して、時刻t1から時刻t3までの時間T3を
例えばカウンタで計測して受信信号3cを出力する。
【0028】この時間計測部33で帯域通過フィルタ32の
出力3bから超音波信号1aの伝搬時間の検出方法は、主
に、次の2通りがある。 (1) 図1の下部に図示例されるレベル比較法を用い、予
め定められた基準値hと帯域通過フィルタ32の出力3bと
を比較し、信号波形3bがこの基準値hを越える最初の時
刻をもって時刻t3として、時刻t1から時刻t3までの時間
T3を例えばカウンタで計測して伝搬時間T3の出力3cを出
力する。
【0029】(2) 図示省略されているが、例えば、ノイ
ズの影響が比較的少なくてすむゼロクロス法を用い、一
方で帯域通過フィルタ32の出力3bをコンパレータで比較
してゼロクロス点を検出し、他方で受信部31の増幅器で
増幅された超音波受信信号を予め定められた基準値
(h) とレベル比較して超音波信号1aの固有振動数で振
動する振動波形の予め定められた波形位置(何番目か)
のゼロクロス点を検出し、この検出時刻をもって時刻t3
として、時刻t1から時刻t3までの時間T3を例えばカウン
タで計測して伝搬時間T3の出力3cを出力する。この(2)
の方法では、超音波信号1aの受信信号3aに振幅の脈動が
あり、上述の(1) でレベル比較が困難な場合や、あるい
は、レベル比較はできるが、同一伝搬時間であっても信
号波形3bの比較されるレベルによる時刻t3の変動を除去
できる利点がある。
【0030】いずれの方法によっても、時間計測部33が
検出する伝搬時間T3は、上記送信手段2が超音波センサ
1Aを励振する時刻t1(タイミング信号2a) と、時間計測
部33が (1)または (2)の方法によって検出する時刻t3
と、から下流方向への超音波信号1aの伝搬時間T3(T3d)
を演算することができる。
【0031】次に、この超音波信号1aの伝搬時間T3の計
測は、次のタイミング信号2aでスイッチSW1,SW2 を切り
換えて、下流側センサ1Bから上流側センサ1Aへ超音波信
号1aを伝搬させて、上流方向への超音波信号1aを伝搬さ
せたときの伝搬時間T3(T3u)を演算する。そしてこれら
のスイッチSW1,SW2 を交互に切り換えることにより、下
流方向への超音波信号1aの伝搬時間T3d および上流方向
への超音波信号1aの伝搬時間T3u を計測することがで
き、この伝搬時間データT3(T3d,T3u) をマイコンなどか
ら構成される演算装置41で演算処理して流体14の流速F
あるいは流量を求めることができる。
【0032】上述の時間計測部33が検出する伝搬時間T3
は、送信手段2が超音波センサ1Aを励振する時刻t1(タ
イミング信号2a) から、時間計測部33が検出する時刻t3
までの時間であり、 (1)または (2)のいずれの方法によ
っても測定管13内を伝搬する伝搬時間T1ではない。従っ
て、正確な流速Fあるいは流量は、送受信回路部の回路
遅延時間(τ1+τ2)および超音波センサ1A,1B の音響整
合層における遅延時間と測定管13の肉厚による遅延時間
(Ts+Tr) を補正する(4) 式で求めることができる。
【0033】
【数4】 但し、τd,τu =τ1+Ts+Tr+τ2 次に、図1に図示されるバイパス手段5をバイパス状態
に切り換えた場合を説明する。送信側超音波センサ1A(1
B)と受信側超音波センサ1B(1A)との間がバイパス状態の
ときは、送信手段2からの励振パルス信号2bを分圧して
時間計測手段3の受信部31に接続することにより、送信
手段2の一定の間隔で発せられるタイミング信号2aの時
刻t1から時間計測手段3でこの超音波信号1aの信号検出
する時刻t3までの時間(T3−T2=τ1+τ2-τ3)を計測す
ることにより、送受信回路部の回路遅延時間(τ1+τ2-
τ3 ) を計測することができる。
【0034】ここで時間τ3 について説明する。時刻t2
で送信側超音波センサ1A(1B)が発振し、超音波信号1aが
流体14を伝搬し、送信側超音波センサ1B(1A)で受信さ
れ、時間計測部33が超音波信号1aを受信したことを検出
する時刻t3は、送信側超音波センサ1A(1B)が発振を開始
した時点に較べて時間τ3 だけズレている。一方、(実
施例1)の方法による送受信回路部の回路遅延時間τの
測定では、T2で図示例される時間間隔がバイパス手段5
によって短縮されて時間T3が測定されるので、測定され
る回路遅延時間τ=T3−T2であるが、時間計測部33は
(実施例1)のパルスのバイパス法では、バイパスされ
て入力されるパルスはレベルhを越えているので、時間
τ3 だけズレて検出することなく直ちに検出される。
【0035】従って、実施例1の方法による補正演算で
は、(4) 式の演算式で、超音波信号を上流方向あるいは
下流方向に送信したときに測定される遅延時間(τd1、
τu1)に超音波センサ1A,1B の音響整合層における遅延
時間と測定管13の肉厚による遅延時間(Ts+Tr) と、時間
計測部33の検出ズレτ3 とを補正した値(Ts+Tr+τ3)で
補正する必要がある。即ち、(4) 式のτd,τu は(5),
(6) 式に置き換えて演算する必要がある。
【0036】
【数5】τd =τd1+(Ts+Tr+τ3)・・・・・・(5)
【0037】
【数6】τu =τu1+(Ts+Tr+τ3)・・・・・・(6) ここで、音響整合層の遅延時間と測定管13の肉厚による
遅延時間(Ts+Tr) と、時間計測部33の検出ズレ時間τ3
はそれぞれ設計値あるいはメーカ試験データ値を用いて
補正することができる。 (実施例2)また、バイパス手段5への送信手段2の送
信部21からは、送信側超音波センサ1A(1B)を励振するパ
ルス信号2bに代わって、超音波センサ1A(1B)のメイン周
波数(通常100kHz〜200kHz程度で動作)と同じ周波数の
正弦波信号をテスト信号として試験することができる。
この様にテスト信号の周波数を変えることにより、送受
信回路部の位相特性を調べることができる。 (実施例3)また、図2において、バイパス手段5は、
送信側超音波センサ1A(1B)が有する機械−電気系による
振動回路と等価な図3で図示するLCRの電気的等価回
路52と、受信側超音波センサ1B(1A)の該電気的等価回路
52と、両等価回路52間を開閉するスイッチと、を備えて
構成することができる。
【0038】かかる構成により、等価的に送受信の超音
波振動子11の遅延時間特性まで含めて計測することがで
きる。この結果、超音波センサ1A(1B)の音響整合層12に
おける遅延時間および測定管の肉厚による遅延時間を設
計データなどで予め求めておくことにより、正確な流速
補正演算処理を行うことができる。特に、実施例3の方
法では、時間計測部33が(1) のレベル比較法あるいは
(2) のゼロクロス法のいずれの方法でも、下流方向ある
いは上流方向に送信したときに測定される遅延時間(τ
d2、τu2)は、図1における時間計測部33の検出ズレτ
3 を含めて超音波信号1aの遅延時間として測定を行うこ
とができる。従って、実施例3の方法による補正演算で
は、(4) 式の演算式で、超音波信号を下流方向あるいは
上流方向に送信したときに測定される遅延時間(τd2、
τu2)に超音波センサ1A,1B の音響整合層における遅延
時間と測定管13の肉厚による遅延時間(Ts'+Tr') を補正
した値で補正を行えばよい。即ち、(4) 式のτd,τu は
(7),(8) 式に置き換えて演算を行えばよい。
【0039】
【数7】τd =τd2+(Ts'+Tr') ・・・・・・(7)
【0040】
【数8】τu =τu2+(Ts'+Tr') ・・・・・・(8) ここで、音響整合層の遅延時間と測定管13の肉厚による
遅延時間(Ts'+Tr') はそれぞれ設計値あるいはメーカ試
験データ値を用いて補正することができる。 (実施例4)また、定期点検時あるいはその他の必要
時、超音波流量計を流量測定状態からバイパス手段5に
よってバイパス状態に切り換え、バイパス状態での下流
方向への遅延時間(τd,τd1, τd2) および上流方向
(τu,τu1, τu2) への遅延時間を測定し、このデータ
を記憶保持し、流量測定状態でこのデータを基に補正演
算処理を行うことができる。
【0041】かかる校正により、随時、バイパス状態に
切り換えて遅延時間(τd,τd1, τd2),(τu,τu1, τ
u2)を測定することにより、より正確な流速Fあるいは
流量の補正演算処理を行うことができる。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように本発明による超音波流
量計を用いることにより、超音波信号のバイパス手段を
設けることにより、少なくとも、回路遅延時間測定手段
を賦与し、この回路遅延時間測定手段による測定データ
を記憶・保持することにより、この測定データで流速あ
るいは流量の演算処理を補正して実行することにより、
個別機器毎の実流校正試験を解放し、回路特性の経時変
化や周囲温度などの影響による変化に対応できる超音波
流量計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による超音波流量計の構成と
伝搬時間遅れの説明図
【図2】他の実施例による超音波流量計の構成と伝搬時
間遅れの説明図
【図3】超音波振動子の等価回路図
【図4】一般的な超音波センサの配置図
【図5】従来技術による超音波流量計の構成と伝搬時間
遅れの説明図
【符号の説明】
11 超音波振動子 12 音響整合層 13 測定管 14 流体 1A,1B 超音波センサ 1a 超音波信号 2 送信手段 21 送信部 2a タイミング信号 2b 励振パルス 3 時間計測手段 31 受信部 32 帯域通過フィルタ 33 時間計測部 3a 電気信号 3b,3c,4a 出力 4 流量演算手段 41 演算装置 5 バイパス手段 51 スイッチ L 距離 F 流速 h レベル T1,T2,T3 伝搬時間 Ts,Tr 遅延時間 t1,t2,t3 時刻 τ1,τ2,τ3 遅延時間 τ1d, τ2d, τ3d 下流方向遅延時間 τ1u, τ2u, τ3u 上流方向遅延時間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体の流れ方向に沿って, あるいはこの流
    れ方向に対して傾斜して, 送信側と受信側とを対向して
    配備する超音波振動子と音響整合層とからなる超音波セ
    ンサと、一方の超音波センサを励振し, 流体の流れに対
    して上流側あるいは下流側から超音波信号を切り換えて
    送信する送信手段と、他方の超音波センサで流体中を伝
    搬する超音波信号を検出し, 受信部で受信処理をし、流
    体中を伝搬する超音波信号の伝搬時間を検出し, 下流方
    向あるいは上流方向への超音波信号の伝搬時間を計測す
    る時間計測手段と、これらの伝搬時間から流体の流速あ
    るいは流量を演算する流量演算手段と、を備えてなる超
    音波流量計において、 送信側超音波センサと受信側超音波センサとの間をバイ
    パスして、送信手段から時間計測手段の受信部に電気信
    号を授受するバイパス手段を備える、 ことを特徴とする超音波流量計。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超音波流量計において、 バイパス手段は、送信手段が送信側超音波センサを励振
    するパルス信号を分圧する減衰器と、スイッチと、を備
    え、この減衰器による減衰されたパルス信号をバイパス
    スイッチを介して時間計測手段の受信部に接続する、 ことを特徴とする超音波流量計。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の超音波流量計において、 バイパス手段は、送信側超音波センサを励振するパルス
    信号に代わって、超音波センサのメイン周波数と同じ周
    波数の正弦波信号をテスト信号として時間計測手段の受
    信部に接続する、 ことを特徴とする超音波流量計。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の超音波流量計において、 バイパス手段は、送信側超音波センサが有する機械−電
    気系による振動回路と等価な電気的等価回路と、受信側
    超音波センサの当該電気的等価回路と、両等価回路間を
    開閉するスイッチと、を備える、 ことを特徴とする超音波流量計。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項3のいずれかの項に
    記載の超音波流量計において、定期点検時あるいはその
    他の必要時、超音波流量計を流量測定状態からバイパス
    手段によってバイパス状態に切り換え、バイパス状態で
    の下流方向への遅延時間および上流方向への遅延時間を
    測定し、このデータを記憶保持し、流量測定状態でこの
    データを基に補正演算処理を行う、 ことを特徴とする超音波流量計。
JP11160389A 1999-06-08 1999-06-08 超音波流量計 Pending JP2000346686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11160389A JP2000346686A (ja) 1999-06-08 1999-06-08 超音波流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11160389A JP2000346686A (ja) 1999-06-08 1999-06-08 超音波流量計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000346686A true JP2000346686A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15713913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11160389A Pending JP2000346686A (ja) 1999-06-08 1999-06-08 超音波流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000346686A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005172556A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 超音波流量計
JP2005351695A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Ricoh Elemex Corp 超音波流量計
JP2006292370A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Ricoh Elemex Corp 超音波流量計
JP2008507693A (ja) * 2004-07-21 2008-03-13 ホリバ インストルメンツ インク 音響流量計の校正方法
WO2011020143A1 (en) * 2009-08-18 2011-02-24 Rubicon Research Pty Ltd Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
CN104316120A (zh) * 2014-10-28 2015-01-28 姜跃炜 用于高精度超声波流量表的流量检测方法及***
CN104330121A (zh) * 2014-10-28 2015-02-04 姜跃炜 用于流量检测***的计时脉宽分割方法及电路
JP2015222188A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 横河電機株式会社 超音波流量計
WO2022059540A1 (ja) * 2020-09-15 2022-03-24 オムロン株式会社 伝搬時間測定装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4561088B2 (ja) * 2003-12-10 2010-10-13 パナソニック株式会社 超音波流量計
JP2005172556A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 超音波流量計
JP2005351695A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Ricoh Elemex Corp 超音波流量計
JP4646107B2 (ja) * 2004-06-09 2011-03-09 リコーエレメックス株式会社 超音波流量計
JP4724714B2 (ja) * 2004-07-21 2011-07-13 株式会社堀場製作所 音響流量計の校正方法
JP2008507693A (ja) * 2004-07-21 2008-03-13 ホリバ インストルメンツ インク 音響流量計の校正方法
JP2006292370A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Ricoh Elemex Corp 超音波流量計
US8474327B2 (en) 2009-08-18 2013-07-02 Rubicon Research Pty Ltd. Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
WO2011020143A1 (en) * 2009-08-18 2011-02-24 Rubicon Research Pty Ltd Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
US8893560B2 (en) 2009-08-18 2014-11-25 Rubicon Research Pty Ltd. Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
US9261390B2 (en) 2009-08-18 2016-02-16 Rubicon Research Pty Ltd. Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
US9593972B2 (en) 2009-08-18 2017-03-14 Rubicon Research Pty Ltd. Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
US9804008B2 (en) 2009-08-18 2017-10-31 Rubicon Research Pty Ltd. Flow meter assembly, gate assemblies and methods of flow measurement
JP2015222188A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 横河電機株式会社 超音波流量計
CN104316120A (zh) * 2014-10-28 2015-01-28 姜跃炜 用于高精度超声波流量表的流量检测方法及***
CN104330121A (zh) * 2014-10-28 2015-02-04 姜跃炜 用于流量检测***的计时脉宽分割方法及电路
WO2022059540A1 (ja) * 2020-09-15 2022-03-24 オムロン株式会社 伝搬時間測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4979838B2 (ja) 超音波流量測定ユニットの測定変換器を校正するための方法及び装置
JP3716274B2 (ja) 超音波流量計および超音波による流量計測方法
KR20010024888A (ko) 코리올리 유량계의 교정을 검증하는 시스템
US4527433A (en) Method and apparatus for measuring fluid flow
US9625305B2 (en) Ultrasonic transit-time flowmeter and method for detecting a failure in an ultrasonic transit-time flowmeter
JP4739333B2 (ja) ケーブル配線並びに第1及び第2のピックオフ・センサでの信号差を決定するコリオリ流量計及び方法
JP2000346686A (ja) 超音波流量計
JP2007187506A (ja) 超音波流量計
EP2339301A1 (en) Ultrasonic flowmeter with simultaneously driven ultrasonic transducers
US20090211347A1 (en) Method and Apparatus for Ascertaining and/or Monitoring a Process Variable
JP5965292B2 (ja) 超音波流量計
JP4153721B2 (ja) 超音波流量計および超音波流量計の自己診断方法
JP2010223855A (ja) 超音波流量計
JPH11304559A (ja) 流量計測装置
JP3624743B2 (ja) 超音波流量計
JP5663288B2 (ja) 超音波計測装置
JP2007064792A (ja) 超音波式流れ計測装置
JP6767628B2 (ja) 流量計測装置
JP2000329597A5 (ja)
JPH088417Y2 (ja) 超音波流量計校正装置
JP2007064988A5 (ja)
JP5092413B2 (ja) 流速または流量計測装置
JPS6242015A (ja) 超音波流量計の温度補正方法
JP3958124B2 (ja) 超音波受信器および超音波流量計
JP3672997B2 (ja) 相関式流量計および渦流量計