JP3716274B2 - 超音波流量計および超音波による流量計測方法 - Google Patents

超音波流量計および超音波による流量計測方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は超音波を用いて流体の流量を測定する超音波流量計および超音波による流量計測方法に関する。また、本発明はガスメータにも関する。
【背景技術】
【0002】
超音波流量計は、構造が簡単である、機械的可動部分が少ない、流量の測定可能な範囲が広い、流量計による圧力損失がないなどの特徴を備えている。また、近年のエレクトロニクス技術の進歩によって、超音波流量計の計測精度を向上させることも可能になってきた。このため、ガスメータをはじめ、気体や液体の流量の計測が必要なさまざまな分野において、超音波流量計を用いる研究がなされている。
【0003】
以下、従来の超音波流量計の構造および測定原理を説明する。図25は、従来の超音波流量計の一例を示すブロック図である。流体が流れる流路12を挟むように超音波振動子1および2が配置される。超音波振動子1および2は、それぞれ、送信器および受信器として機能する。具体的には、超音波振動子1を送信器として用いる場合には超音波振動子2を受信器として用い、超音波振動子2を送信器として用いる場合には超音波振動子1を受信器として用いる。図25に示すように、超音波振動子1および2の間に形成される超音波の伝搬路は流体の流れる方向に対して角度θだけ傾いている。
【0004】
超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波を伝搬させる場合、超音波は流体の流れに対して順方向に進むため、その速度は速くなる。一方、超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波を伝搬させる場合、超音波は流体の流れに対して逆方向に進むため、その速度は遅くなる。従って、超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波が伝搬する時間と超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波が伝搬する時間との差から、流体の速度を求めることができる。また、流路12の断面積と流速との積から流量を求めることができる。
【0005】
上述の原理に従って流体の流量を求める具体的な方法として、シングアラウンド法による計測方法を具体的に説明する。
【0006】
図25に示すように、超音波流量計は送信回路3および受信回路6を備え、超音波振動子1は切り替え部10によって送信回路3または受信回路6の一方と選択的に接続される。この時、超音波振動子2は、超音波振動子1が接続されなかった送信回路3または受信回路6の他方と接続される。
【0007】
送信回路3と超音波振動子1とが接続される場合、送信回路3が超音波振動子1を駆動し、発生した超音波は流体の流れを横切って超音波振動子2に到達する。超音波振動子2によって受信された超音波は、電気信号に変換され、受信信号が受信回路6によって増幅される。受信信号のレベルをレベル検知回路5で検知する。
【0008】
図26は、従来の超音波流量計におけるゼロクロス検知の一例を示している。ピークホールド回路13は、受信信号18からピークホールド信号19を生成する。レベル検知回路5は、ピークホールド信号19が所定のレベル36に達したことを検知し、検知信号37を生成する。ゼロクロス検知回路7は、検知信号37が生成された直後におけるゼロクロスポイントを検知し、ゼロクロス検知信号38が生成される。ゼロクロスポイントとは受信信号の振幅が正から負または負から正へ変化する点をいう。このゼロクロスポイントを超音波振動子2において超音波が到達した時間としている。ゼロクロス検知信号38に基づいて、遅延回路4にて所定の時間遅らせたタイミングでトリガ信号を生成し、繰り返し部8にて繰り返すかどうかを判断し、繰り返す場合には送信回路3へ入力する。ゼロクロス検知信号38の生成からトリガ信号の生成までの時間を遅延時間と呼ぶ。
【0009】
送信回路3はトリガ信号に基づいて超音波振動子1を駆動し、次の超音波を発生させる。このように超音波の送信−受信−増幅・遅延−送信のループを繰り返すことをシングアラウンドと呼び、送受信ループの回数をシングアラウンド回数と呼ぶ。
【0010】
計時回路9では、所定の回数、送受信ループを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果が流量算出部11へ送られる。次に、切り替え回路10を切り替えて、超音波振動子2を送信器として用い、超音波振動子1を受信器として用いて、同様に計測を行う。
【0011】
上述の方法によって計測した時間から遅延時間とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、更にシングアラウンド回数で除した値が超音波の伝搬時間となる。
【0012】
超音波振動子1を送信側にしたときの伝搬時間をt1とし、超音波振動子2を送信側にしたときの伝搬時間をt2とする。また、図25に示すように、超音波振動子1と超音波振動子2との間の距離をLとし、流体の流速および超音波の音速をそれぞれVおよびCとする。この時、t1およびt2は以下の式(1)で表される。
Figure 0003716274
【0013】
これらの式から流速Vは以下の式(2)で表される。
Figure 0003716274
【0014】
流体の流速Vが求まれば、流路14の断面積と流速Vとの積から流量Qが求まる。
【0015】
上述の超音波流量計では、流量によっては、超音波が流体の流れに対して順方向に進む方向である、超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波を伝搬させる場合と、超音波が流体の流れに対して逆方向に進む方向である、超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波を伝搬させる場合とで受信した超音波波形の振幅が大きく異なることがある。流体の流れが乱れている状態ではシングアラウンド中に振幅が大きく変動することもある。このような場合、ピークホールド信号19が所定のレベル36に達した直後のゼロクロスポイントは、必ずしも受信波形の所定波数後のものとはならないことがあり、計測誤差を生じることとなる。
【0016】
このような問題を解決するために、日本特許公開番号(特開)2001−116599は、所定のレベル36として、時間とともに変化する受信信号用検知基準信号を用い、受信波形の所定の波数位置でゼロクロス検知を行うことを開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記特許公開では、受信波の到達する時間が基準から前後する場合には、その振幅が小さくなると仮定して受信信号検知基準信号を生成している。しかし、流体の流れが乱れているような場合には、必ずしも仮定通り振幅の大きさは変化せず、計測誤差が生じる可能性がある。
【0018】
また、上記特許公開の超音波流量計では、ノイズによる計測誤差を低減することはできない。図27は、超音波振動子により検知した超音波を受信回路において増幅した超音波受信信号を模式的に示している。図27に示すように、通常、超音波受信信号18にはノイズ39が重畳している。このような場合、ノイズによって本来のゼロクロス点41よりも手前においてゼロクロス点40が生じる。この時、超音波受信信号18の振幅が変化すると、ゼロ点と交差する超音波受信信号18の傾きが変化し、それによって、重畳しているノイズ39が生成するゼロクロス点40もシフトする。このような場合には誤った伝搬時間を計測してしまう可能性がある。
【0019】
さらに、超音波流量計が接続している配管に配管を流れる流体を消費する機器が接続されている場合、その機器が動作することにより、配管を流れる流体に脈動が発生する場合がある。脈動とは、流体の流速の変化が周期的に変動していることをいう。このような場合には、受信波の所定の波数位置を検出することによってゼロクロス検知を行っても、脈動による影響は除去できず、脈動によって流速が変動し、実際の流量と異なる計測結果を算出してしまう。
【0020】
したがって、従来の超音波流量計を用いてガスメータを作製した場合、計測したガス流量に多く誤差が含まれる可能性がある。また、単に計測に誤差が生じるだけではなく、ガスメータにガス漏れ検知機能を付加した場合には、その検知機能の信頼性を低下させる可能性もある。特に、超音波流量計を用いたガスメータの場合、従来の膜式ガスメータとは異なり、配管を逆流する流体の流量も検出してしまうので、脈動の影響を大きく受けてしまう。
【0021】
本発明は、このような従来の問題を解決し、精度の高い測定を行うことが可能な超音波流量計および流量の計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の超音波流量計は、超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波が送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、前記受信部で受信した前記超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するゼロクロス検知部と、前記受信信号に重畳しているノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部とを備え、前記伝播時間に基づいて前記流体の流量を求める。
【0023】
ある好ましい実施形態において、前記補正部は、前記受信信号の振幅の大きさに基づいて、前記流体の流量を補正する。
【0024】
ある好ましい実施形態において、前記補正部は、前記受信信号の所定の波の振幅を計測するレベル検知部と、前記受信信号の所定の波の振幅と前記伝播時間との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づいて前記所定の波の振幅の大きさに応じて前記伝播時間を補正する。
【0025】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、シングアラウンド法により、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子の一方で複数回超音波を受信し、前記補正部は、複数回受信することにより生成した複数の受信信号の所定の波の振幅をそれぞれ計測するレベル検知部と、前記複数の受信信号の振幅の大きさの平均を求めるレベル平均部と、前記受信信号の所定の波の振幅と前記伝播時間との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記振幅の大きさの平均に応じて前記伝播時間を補正する。
【0026】
ある好ましい実施形態において、前記ゼロクロス検知部はゼロクロスポイントを求めるためのコンパレータを有し、前記補正部は、前記受信信号がゼロクロス検知される際に生じる前記コンパレータのチャタリング回数に基づいて、前記流体の流量を補正する。
【0027】
ある好ましい実施形態において、前記補正部は、前記チャタリング回数を計測するカウンタと、前記チャタリング回数と伝播時間との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記チャタリング回数に応じて前記伝播時間を補正する。
【0028】
ある好ましい実施形態において、前記補正部として、前記受信信号のゼロクロス検知を信号の立下りで行うか信号の立上がりで行うかによって、それぞれ、負または正の値に設定された電圧をゼロクロス検知の基準電位に用いる。
【0029】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計はシングアラウンド法により、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子の一方で複数回超音波を受信し、前記補正部は、複数回受信することにより生成した複数の受信信号のうち、1つ前の受信信号の振幅の大きさに基づいて、次の受信信号のゼロクロス検知を行う基準電圧をオフセットさせる。
【0030】
ある好ましい実施形態において、前記補正部は、前記1つ前の受信信号の所定の波の振幅を計測するレベル検知部と、前記受信信号の波の振幅とゼロクロス検知を行う基準電圧との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記振幅の大きさに応じて基準電圧の値を求める。
【0031】
ある好ましい実施形態において、前記補正部は、前記1つ前の受信信号の立ち上がり部分を所定の時間積分した値を求める積分部と、前記積分値とゼロクロス検知を行う基準電圧との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記積分値の大きさに応じて基準電圧の値を求める。
【0032】
ある好ましい実施形態において、前記受信信号所定の波は、ゼロクロス検知が行われた波である。
【0033】
また、本発明の超音波流量計は、超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波が送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、前記受信部で受信した前記超音波による受信信号の波数を計測する波数計測部と、前記波数計測部から得られる出力に基づいて、前記受信信号の所定の波数後の波をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するゼロクロス検知部とを備え、前記伝播時間に基づいて前記流体の流量を求める。
【0034】
ある好ましい実施形態において、前記波数計測部は、前記受信信号のピーク値を保持し、その値をピークホールド信号として出力するピークホールド部と、前記ピークホールド信号を微分する微分部と、前記微分部から出力される波の数を数えるカウンタとを含む。
【0035】
また、本発明の超音波流量計は、超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波が送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、前記受信部で受信した超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するゼロクロス検知部と、前記流体の脈動による計測誤差を低減する補正部とを備え、前記伝播時間に基づいて前記流体の流量を求める。
【0036】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、シングアラウンド法により、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子の間で双方向にそれぞれ複数回超音波を受信する超音波流量計であって、前記補正部は、複数回受信することにより生成した複数の受信信号の前記複数の受信信号間における振幅変動の周期を求め、前記周期に基づいて、前記シングアラウンドのループの回数または遅延時間を決定する。
【0037】
ある好ましい実施形態において、前記シングアラウンド法による計測の周期が、前記振幅変動の周期のおよそ1以上の整数倍となるよう、前記シングアラウンドのループの回数または遅延時間を決定する。
【0038】
本発明のガスメータは、上記いずれかに規定される超音波流量計を備えている。
【0039】
また、本発明の超音波による流量計測方法は、超音波の伝播時間差に基づいて流体の流量を計測する。
【0040】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、前記受信した超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップと、前記受信信号の振幅を計測するステップと、前記受信信号の振幅に基づいて前記伝播時間を補正するステップとを包含する。
【0041】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、シングアラウンド法により、第1の超音波振動子から流体へ超音波を複数回送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を複数回受信するステップと、前記複数回受信した超音波による複数の受信信号をゼロクロス検知することにより、前記複数回受信した超音波の伝播時間を計測するステップと、前記複数の受信信号の振幅を計測するステップと、前記複数の受信信号の振幅から平均値を求め、前記平均値に基づいて前記伝播時間を補正するステップとを包含する。
【0042】
ある好ましい実施形態において、前記振幅を計測するステップは、前記ゼロクロス検知を行った受信信号の波の振幅を計測する。
【0043】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、前記受信した超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップと、前記ゼロクロス検知の際に生じるコンパレータのチャタリング回数を計測するステップと、前記チャタリング回数に基づいて前記伝播時間を補正するステップとを包含する。
【0044】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、前記受信した超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップと、前記伝播時間に基づいて前記流体の流量を求めるステップとを包含し、前記ゼロ検知を信号の立下りで行うか信号の立上がりで行うかによって、それぞれ、負の電圧または正の電圧に設定されたゼロクロス検知の基準電位を設定する。
【0045】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、前記受信した超音波による受信信号の振幅を計測するステップと、前記受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップとを包含し、シングアラウンド法により前記受信ステップ、振幅計測ステップ、および前記伝播時間計測ステップを繰り返し、前記振幅計測ステップにおいて計測されたある受信信号の振幅の大きさに基づいて、次の受信信号のゼロクロス検知を行う基準電圧をオフセットさせる。
【0046】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、前記受信した超音波による受信信号の立ち上がり部分を所定の時間積分した値を求めるステップと、前記受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップとを包含し、シングアラウンド法により前記受信ステップ、積分値を求めるステップ、および前記伝播時間計測ステップを繰り返し、積分値を求めるステップにおいて求められたある受信信号の積分値に基づいて、次の受信信号のゼロクロス検知を行う基準電圧をオフセットさせる。
【0047】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、前記受信した超音波による受信信号の波数を計測するステップと、前記波数に基づいて、前記受信信号の所定の波数後の波をゼロクロス検知することにより前記超音波の伝播時間を計測するステップとを包含する。
【0048】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、シングアラウンド法により、第1の超音波振動子から流体へ超音波を複数回送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を複数回受信するステップと、前記複数回受信した超音波による複数の受信信号をゼロクロス検知することにより、前記複数回受信した超音波の伝播時間を計測するステップとを包含し、複数回受信することにより生成した複数の受信信号間における振幅の変動の周期を求め、前記周期に基づいて、前記シングアラウンドのループの回数または遅延時間を決定する。
【0049】
ある好ましい実施形態において、前記シングアラウンド法による計測の周期が、前記振幅変動の周期のおよそ1以上の整数倍となるよう、前記シングアラウンドのループの回数または遅延時間を決定する。
【0050】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記いずれかの超音波による流量計測方法に規定した各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0051】
本発明の超音波流量計によれば、波数計測部によって、受信信号の波数を計測する。このため、流体の流れが乱れることにより、受信信号の各波の振幅が不規則になっていても、ゼロクロス検知をすべき波を確実に特定することができる。また、補正部によって、ノイズの影響を低減したり、流体の脈動による影響を低減したりすることができるため、精度の高い計測を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
(第1の実施形態)
図1は、本発明による超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計101は、流体の流路12中に超音波の伝搬経路を形成するように配置される第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2と、送信部3と、受信部6とを備えている。
【0053】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、それぞれが送信器および受信器として機能する。第1の超音波振動子1から送信された超音波は第2の超音波振動子2により受信され、第2の超音波振動子2から送信された超音波は第1の超音波振動子1により受信する。これら双方向の伝搬路は、流路12を流れる流体の流れる方向に対して角度θをなしている。角度θの大きさは、10〜40度の範囲内から選択される。
【0054】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2としては、厚み振動モード、横すべり振動モード、縦振動モード等の振動モードにより、おおよそ20kHz以上の周波数で駆動され、超音波流量計として従来から使用される種々の超音波振動子を用いることができる。測定すべき流体の状態や種類、また予測される流速に応じて最適な周波数が適宜選択される。本実施形態では、例えば厚み振動モードで振動し、200kHzの共振周波数をもつ超音波振動子が用いられる。
【0055】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、切り替え部10を介して受信部6に接続される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波は電気信号に変換され、受信信号が受信部6によって増幅される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波による電気信号が十分大きい場合には必ずしも受信部6は受信信号を増幅しなくてもよい。切り替え部10は、トグルスイッチのような機械的なものであってもよいし、電子部等により構成されるものであってもよい。
【0056】
受信部6によって増幅された受信信号は、ゼロクロス検知部7と波数計測部50とへ送られる。波数計測部50は、ピークホールド部13と、微分部14と、波形整形部15と、カウンタ16とを含む。
【0057】
図2は、波数計測部50における各部の信号について示している。図2に示すように、ピークホールド部13は、受信信号18のピーク値を保持し、ピークホールド信号19を生成する。ピークホールド信号19は、微分部14に入力され、微分部14においてピークホールド信号19の微分信号21が生成する。波形整形部15は、微分信号21を受け取ってデジタル信号22を生成する。カウンタ16は、このデジタル信号22をカウントし、所定のカウント値に達した時にゼロクロス検知部7へゼロクロス指令信号を出力する。
【0058】
ゼロクロス検知部7は、ゼロクロス指令信号を受け取った直後に、受信信号18の振幅が正から負へまたは負から正へ変化する点をゼロクロスポイントとして検知し、ゼロクロス検知信号を遅延部4へ出力する。このゼロクロスポイントを受信信号の伝播時間とする。
【0059】
遅延部4は、ゼロクロス検知信号に基づいて、所定の時間遅らせたタイミングでトリガ信号を生成する。繰り返し部8は、遅延部4の出力信号をカウントし、所定回数以下であれば遅延部4の出力を送信部3へ出力する。送信部3は、トリガ信号に基づいて、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2を駆動する。
【0060】
計時部9は、所定の回数だけ、上述の送受信のループを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果を流量算出部11へ送る。
【0061】
本実施形態の超音波流量計101では、超音波振動子により受信した受信信号に含まれるノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部51を備えている。以下、補正部51を詳細に説明する。
【0062】
まず、ノイズによりゼロクロス検知に誤差が生じる理由を説明する。図3は、ノイズが重畳した受信信号18を複数回計測して重ね書きした波形を示している。図3に示すように、受信信号18の波形の傾きが大きい部分18aと傾きが小さい部分18bとではノイズの影響の受け方が違うことがわかる。受信信号18の周波数が変化しないものとすれば、図4に示すように、受信信号18の振幅が大きい波28の原点付近の傾きは相対的に大きく、振幅の小さい波27の原点付近の傾きは相対的に小さい。したがって、波27および波28に対するノイズによる影響は異なる。波27および波28の曲線(直線)の垂直方向の幅をノイズレベルと考えれば、傾きが小さい波27のノイズレベル29は大きく、傾きの大きい波28のノイズレベル30は小さくなる。
【0063】
このため、ノイズが重畳していない波27および波28が同じ時間t0で原点と交差していても、波27および波28にノイズが重畳している場合には、ノイズの重畳した波27および波28が原点と交差する時間は異なる。図4に示すように、波27は時間t1で原点と交差するのに対し、波28は時間t2で交差する。ノイズが重畳していない波27および波28が同じ時間t0で原点と交差ということは、波27および波28の振幅の大きさ異なるが、周波数は一致していることを意味する。したがって、受信信号18にノイズが重畳する場合には、信号の周波数は一致していても振幅の大きさが異なることによってゼロクロスポイントが変化してしまうことになる。
【0064】
その結果、図4に示すように、受信信号18の振幅が小さい波27である場合には、ゼロクロス検知信号31が生成し、受信信号18の振幅が大きい波28である場合には、ゼロクロス検知信号は32が生成する。ゼロクロス検知信号31およびゼロクロス検知信号32は一致しておらず、これが計測上の誤差を生じさせる。
【0065】
図5は、受信信号18にノイズが重畳している場合において、振幅の大きさと、伝播時間との関係を示すグラフである。図5において、横軸は振幅の相対的な大きさを示し、縦軸はゼロクロスポイントの相対的な時間を示している。ゼロクロスポイントにおいて受信波が受信側の超音波振動子に到達したとするので、縦軸は伝播時間を示していることになる。図5のグラフでは信号の立ち下がり(正から負へ変化する点)でゼロクロスポイントを計測している。点線で示す真値は、ノイズが重畳していない受信信号18のゼロクロスポイントを意味している。受信信号18にノイズが重畳していない場合には、振幅が変化しても伝播時間は変化しない。
【0066】
図4を参照して詳しく説明したように、信号の立ち下がりでゼロクロスポイントを検出する場合、受信信号18にノイズが重畳することによって、伝播時間は真値よりも早くなる。また、受信信号18の振幅が大きいほど、伝播時間は真値に近くなり、振幅が小さくなるにつれて真値からのずれは大きくなるが、ある程度、振幅が小さくなるとずれの変化は小さくなる。
【0067】
本実施形態の超音波流量計では、図5に示すような受信信号の振幅の大きさと伝播時間との関係をあらかじめ求めておき、この関係をもとに流量を補正する。以下にこのための、ノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部51をより具体的に説明する。
【0068】
図1に示すように、ノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部51は、レベル検知部5、レベル記憶部17および流量補正データ記憶部52を含む。レベル検知部5は、ピークホールド部13から出力されるピークホールド信号およびゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス検知信号を受け取って、ゼロクロス検知が行われたときの受信信号の波の振幅をレベル記憶部17へ出力する。レベル記憶部17は、受信信号のゼロクロス検知が行われたときの波の振幅の大きさを記憶する。
【0069】
また、図5に示すような受信信号のゼロクロス検知が行われたときの波の振幅大きさと伝播時間との関係を示すデータを補正データ記憶部52に記憶させておく。
【0070】
流量算出部11は、計時部9から出力される送受信のループを繰り返すのに要した時間に関するデータ(シングアラウンドに要した時間)、レベル記憶部17から出力される各受信信号のゼロクロス検知が行われたときの波の振幅の大きさに関するデータ、および補正データ記憶部52から出力される受信信号の振幅の大きさと伝播時間との関係を示すデータを受け取り、各受信信号のゼロクロス検知が行われたときの波の振幅に応じて伝播時間を補正し、流速および流量を求める。
【0071】
本実施形態において、上述の各構成要素は、電子部品等を用いたハードウエアにより構成することもソフトウエアにより構成することもできる。流量算出部11は、マイコン等によって実現される。このマイコンは、各構成要素の制御も行う。上述の各構成要素の機能がソフトウエアによって実現される場合には、「ピークホールドステップ」、「微分ステップ」等、「部」を「ステップ」に置き換えて各構成要素を呼んでもよい。ハードウエアまたはソフトウエアのいずれによっても機能を実現することが可能であり、各構成要素の機能が実現しうる限り、その機能を実現する構成に制限はないので、「ピークホールド手段」、「微分手段」等、「部」を「手段」に置き換えて各構成要素を呼んでもよい。以下の実施形態においても同様に各構成要素を構成し、また、各構成要素を参照することが可能である。
【0072】
次に、超音波流量計101を用いて流体の流量を計測する手順を説明する。以下に説明する手順はマイコン等のコンピュータにより、各構成要素を順次制御することによって行われ、その手順をコンピュータに実行させるためのプラグラムが、ROMやRAM、ハードディスク、磁気記録媒体などの情報記録媒体に保存されている。
【0073】
まず、図1に示すように、切り替え部10を用いて、送信部3を第1の超音波振動子1へ接続し、受信部6を第2の超音波振動子2へ接続する。
【0074】
図6に示すように、トリガ信号42を送信部3に入力し、駆動信号を生成させ、第1の超音波振動子1から超音波を発生させる。流路12を伝搬した超音波は、第2の超音波振動子2によって受信され、受信部6によって受信信号18として検知される。
【0075】
ピークホールド部13、微分部14、波形整形部15およびカウンタ16によって、受信信号18の波数が数えられ、所定の波数に達した直後のゼロクロスポイントがゼロクロス検知部7で検知される。遅延部4は、ゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス検知信号に基づいて、所定の遅延時間43を経た後に、送信部3へトリガ信号42'を出力する。これにより、シングアラウンドの1ループを構成する。所定の回数(例えば50〜1000回)、送受信のループを繰り返した後、計時部9は、ループを繰り返すのに要した全時間44を計測し、測定結果を流量算出部11へ送る。レベル検知部5は各受信信号18のゼロクロス検知が行われた波(以下、ゼロクロス検知波という)の振幅を計測し、その値をレベル記憶部17に記憶しておく。
【0076】
図5の曲線33で示される受信信号の振幅大きさと伝播時間との関係をあらかじめ求めておき、補正データ記憶部52に記憶させておく。これらのデータは、超音波流量計20を用いて種々の振幅の大きさの超音波を送受信させ、上述した手順によりゼロクロス検知部7およびレベル記憶部17から取得することができる。
【0077】
流量算出部11において、補正データ記憶部31から得られるゼロクロス検知波の振幅大きさと伝播時間との関係を用いてレベル記憶部17から出力される各ゼロクロス検知波の振幅の大きさに応じた伝播時間の補正を行うことによって、図6に示す全時間44を補正する。補正された全時間44をシングアラウンド回数で除し、その値から遅延時間43を引いた値が式(1)に示すt1となる。
【0078】
次に、切り替え部10を用いて、送信部3を第2の超音波振動子2へ接続し、受信部6を第1の超音波振動子1へ接続する。そして上述の手順と同様の手順により、第2の超音波振動子2から超音波を発生させ、第1の超音波振動子1で超音波を受信する。所定の回数、送受信のループを繰り返した後、計時部9では、ループを繰り返すのに要した全時間44を計時し、測定結果を流量算出部11へ送る。レベル記憶部17および補正データ記憶部31より得られるデータを用いて、上述したように全時間44を補正した後、補正された全時間44をシングアラウンド回数で除し、その値から遅延時間43を引いた値が、式(1)に示すt2となる。
【0079】
式(2)に、t1およびt2の値と角度θを代入することによって、流体の流速Vが求まる。更に流路12の断面積をSとすれば、流量QはV×Sによって求めることができる。この流量Qは、単位時間あたりに流量が移動する量であり、流量Qを積分することによって流体の量を求めることができる。
【0080】
このように、本実施形態によれば、波数計測部によって、受信信号の波数を計測する。このため、流体の流れが乱れることにより、受信信号の各波の振幅が不規則になっていても、ゼロクロス検知をすべき波を確実に特定することができる。また、補正部51によって、ノイズの影響を低減することができるため、受信信号の振幅の変動による測定誤差を小さくし、精度の高い計測を行うことができる。
【0081】
なお、図1に示す超音波流量計101では、補正データ記憶部31から得られる受信信号のゼロクロス検知が行われた波と伝播時間との関係を用い、レベル記憶部17から出力されるゼロクロス検知波の振幅の大きさに応じて各受信波の伝播時間を補正していた。つまり、各受信信号のゼロクロスポイントを生成したときの波の振幅の大きさに基づいて全時間44の補正を行っていた。しかし、すべての受信信号のゼロクロス検知が行われた波の振幅の大きさの平均を求め、その平均値に基づいて補正を行ってもよい。
【0082】
図7に示す超音波流量計102において、補正部51は、レベル記憶部17に記憶されたゼロクロスポイントを生成したときの複数の波の振幅の大きさに関するデータを受け取り、それらの値の平均を求めるレベル平均部53を備えている。レベル平均部53は、その平均値を流量算出部11へ出力する。平均を求めるデータの数は任意に設定しうる。たとえば、レベル平均部53において、全シングアラウンド回数分のゼロクロス検知波の振幅の大きさの平均値を求める。そして、補正データ記憶部31から得られる振幅の大きさと伝播時間との関係を用い、レベル平均部53から得られる平均値に応じて伝播時間を補正し、補正した値にシングアラウンド回数を乗じて全時間44としてもよい。
【0083】
(第2の実施形態)
図8は、本発明による超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計103は、ゼロクロス検知部7においてゼロクロスポイントを求めるコンパレータのチャタリング数を求め、チャタリング数からノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部51を備えている点で第1の実施形態とは異なっている。
【0084】
図8に示すように、補正部51は、ゼロクロス検知部7のゼロクロスコンパレータの出力値を受け取って、その出力に含まれるパルスの数を計測するカウンタ54とカウンタ54が求めたカウンタ値を記憶するカウンタ値記憶部55とを含む。図9(a)および(b)に示すように、ゼロクロス検知部7は、通常、ゼロクロスコンパレータを用いて、ノイズ重畳したゼロクロス検知波のゼロクロスポイントを検知する。具体的には、図9(a)の時間t1および図9(b)の時間t2で示すように、ノイズ重畳したゼロクロス検知波が最初に原点を横切った時、ゼロクロス検知信号が生成される。本実施形態では、このゼロクロスコンパレータの出力をカウンタ54に入力し、最初のゼロクロスポイント以降もゼロクロス検知波が生成するゼロクロスポイントを計測する。
【0085】
ゼロクロス検知波にノイズが重畳していない場合には、本来ゼロクロスポイントは一点しか存在しない。しかし、ノイズが重畳している場合、ゼロクロス検知波の傾きに応じて、重畳したノイズによるゼロクロスポイントが複数生成する。生成するゼロクロスポイントはゼロクロス検知波の傾きが小さくなるほど多くなる。ノイズによって生じる複数のゼロクロスポイントはゼロクロスコンパレータにおけるノイズによるチャタリング数である。つまり、ノイズによるチャタリング数はゼロクロス検知波の傾きと相関がある。また、第1の実施形態で詳しく説明したように、ゼロクロス検知波の傾きと、ゼロクロス検知波の伝播時間の真値との誤差とは相関がある。したがって、ゼロクロスコンパレータにおけるチャタリング数とゼロクロス検知波の伝播時間とは相関がある。したがって、このチャタリング数であるゼロクロスポイントの数をカウンタ54で計測し、その値をカウンタ値記憶部55に記憶させておき、所定の回数送受信のループの繰り返しが終了した後、シングアラウンドの全時間から流速および流量を求める際に、カウンタ54に記憶されているチャタリング数に基づき、ゼロクロス検知波の伝播時間を補正することにより、ノイズによる誤差を低減させることができる。
【0086】
図10は、カウンタ54が計測するチャタリング数と伝播時間との関係を示すグラフである。チャタリング数が小さいほどゼロクロス検知波の傾きが大きく、ノイズの影響が少ないため、伝播時間の真値との誤差は小さくなる。この関係を用いることによって、ノイズによる誤差を補正することができる。
【0087】
超音波流量計103を用いて流量を計測する場合、まず、図9に示す曲線56の関係をあらかじめ求め、補正データ記憶部52に記憶させておく。たとえば、超音波流量計103を用い、種々の振幅の超音波を受信させ、そのときゼロクロス検知部が生成するチャタリング数と伝播時間とを補正データ記憶部52に記憶させてもよい。
【0088】
次に第1の実施形態と同様して超音波を送受信させて流量を計測する。その後、流量算出部11において、補正データ記憶部52から得られるチャタリング数と伝播時間との関係を用いてカウンタ値記憶部55から出力される値に応じて各受信波の実際の伝播時間を補正することにより、図6に示す全時間44を補正する。
【0089】
このように、本実施形態によれば、ゼロクロス検知される際に生じるコンパレータのチャタリング数を利用することによってノイズの影響を低減することができるため、受信信号の振幅の変動による測定誤差を小さくし、精度の高い計測を行うことができる。
【0090】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、ゼロクロス検知波の傾きによってノイズの影響がことなるために生じる計測誤差を、流量の計測後に補正していた。本実施形態の超音波流量計は誤差が小さくなるよう流量を計測する。
【0091】
図11は、本発明による超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計104は、第1の実施形態で説明した構成を有する補正部51を備えておらず、ゼロクロス検知部7'を備えている点で第1の実施形態と異なっている。
【0092】
第1の実施形態において、ゼロクロス検知部7は振幅の値が正から負へまたは負から正へ変化する点をゼロクロスポイントとして検出していた。つまりゼロを基準としていた。本実施形態のゼロクロス検知部7'は、この基準をオフセットさせてゼロクロスポイントとして検出する。このオフセットされた基準が補正部となる。なお、基準がゼロからオフセットされた場合、オフセットされた基準値をクロスするポイントは、厳密には「ゼロクロスポイント」ではない。しかし、本願明細書では、オフセットされた基準値をクロスするポイントも「ゼロクロスポイント」と称し、オフセットされた基準値に基づいて信号を検知することも「ゼロクロス検知」と呼ぶ。
【0093】
図12に示すように、ゼロクロス検知波27にノイズが重畳していない場合、立ち下がりで検知するゼロクロスポイントは時間t0であるが、ノイズレベル29のノイズが重畳している場合、ゼロクロスポイントは時間t0よりも早い時間t1となる。このとき、ゼロクロスポイントを検知する基準を0からマイナス側へオフセットさせたZ−に変更すれば、ゼロクロス検知波27にノイズが重畳していても、ゼロクロスポイントは時間t0となる。
【0094】
図13は、振幅の大きさと、ゼロクロス検知の基準を0からマイナス側へオフセットさせた場合のゼロクロスポイントの生成時間である伝播時間との関係を示すグラフである。真値は、ノイズが重畳しておらず、ゼロクロス検知の基準を0にした場合のゼロクロス生成時間である。図13に示すように、振幅が大きい領域35では、伝播時間と真値との差は非常に小さい。また、領域35より外れて振幅が小さくなると、伝播時間は真値よりも遅くなる。これは、ゼロクロス検知波の振幅が大きい場合には、計測誤差が小さく、流量補正を行う必要がないことを示している。また、振幅が小さくなるにつれて、伝播時間は真値に比べて遅く計測されることを示している。
【0095】
ゼロクロスポイントを検知する基準をゼロからどの程度オフセットさせるかは、ノイズレベルの大きさとゼロクロス検知波の振幅の変化量に応じて設定し得る。例えばゼロクロス検知波の最大振幅値の0.025%程度に設定することが好ましい。本実施形態によれば、特にゼロクロス検知波の振幅があまり小さくならない場合に、流量を補正する手段を設けなくとも誤差の少ない計測を行うことができる。
【0096】
また、ゼロクロス検知波の振幅が小さくなる場合には、第1の実施形態で説明した補正部51を本実施形態の超音波流量計104に設けることによって、さらに誤差の少ない計測を行うことができる。この場合、受信波の振幅が大きいときには、流量の補正を行う必要がないので、その分消費電力を抑えることができる。
【0097】
なお、上記実施形態では、立下りの信号でゼロクロス検知を行う場合を説明した。立上がりの信号でゼロクロス検知を行う場合には、図14に示すように、ゼロクロス検知の基準をゼロからプラス側へオフセットさせたZ+に変更すればよい。
【0098】
このように、本実施形態によれば、ゼロクロス検知する基準をゼロからオフセットさせることにより、受信信号の振幅の変動による測定誤差を小さくし、精度の高い計測を行うことができる。
【0099】
(第4の実施形態)
図15は、本発明による超音波流量計の第4の実施形態を示すブロック図である。第3の実施形態では、ゼロクロス検知の基準はゼロクロス検知波の振幅の大きさにかかわらず一定であったが、本実施形態の超音波流量計105は、補正部51によって振幅に応じて基準を変化させる。
【0100】
超音波流量計105の補正部51は、レベル検知部5と、レベル記憶部17と、ゼロクロス基準発生部56と補正データ記憶部52とを含む。レベル検知部5は、ピークホールド部13から出力されるピークホールド信号およびゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス検知信号を受け取って、ゼロクロス検知が行われたときの受信信号の波の振幅の大きさをレベル記憶部17へ出力する。レベル記憶部17は、ゼロクロス検知が行われたときの受信信号の振幅の大きさを記憶する。
【0101】
補正データ記憶部52には、図16に示すように、ゼロクロス検知波の振幅とゼロクロス基準値との関係を示す曲線24のデータが記憶されている。このデータは、例えば、ノイズが重畳していない基準信号を用いて第1の実施形態と同様にして、受信信号の振幅と伝播時間との関係を求め、ノイズが重畳した信号による伝播時間が基準信号よる伝播時間と一致するようなゼロクロス検知の基準値を種々の振幅に対して求めることによりにより取得できる。
【0102】
ゼロクロス基準発生部56は、レベル記憶部17に記憶された直前のゼロクロス検知波の振幅を受け取り、補正データ記憶部52に記憶されたデータから曲線24の関係を用いて、ゼロクロス基準値を生成する。生成したゼロクロス基準値は、ゼロクロス検知部7へ出力され、次の受信波のゼロクロス検知は、ゼロクロス基準発生部56から受け取った新しいゼロクロス基準値に基づいて行われる。通常、連続する複数の受信波において、隣接する受信波の振幅はほぼ等しいと仮定できるので、ひとつ前の受信信号の振幅に基づいて、次の受信信号のゼロクロス基準値を変化させることにより、誤差の少ない計測を行うことができる。
【0103】
また、受信信号中のゼロクロス検知波の振幅は、それ以前に伝播する波の大きさと相関があるため、受信信号の立上がり部分を所定の時間積分することにより、ゼロクロス検知波の振幅を推定することができる。これを利用して、ゼロクロス基準値を変化させてもよい。図17に示すように超音波流量計106の補正部51は、絶対値部57と、積分部58と、ゼロクロス基準値発生部56と補正データ記憶部52とを備える。図18に示すように、絶対値部57は受信信号18を受け取り、その絶対値59を積分部58へ出力する。積分部58では、絶対値59を積分し、積分値60がしきい値を超えた時から所定の期間経過後の積分値をゼロクロス基準値発生部56へ出力する。
【0104】
補正データ記憶部52にはあらかじめ積分値とゼロクロス基準値との関係を示すデータが格納されている。
【0105】
ゼロクロス基準値発生部56は、補正データ記憶部52のデータを利用して、積分部58から出力される積分値に対応するゼロクロス基準値を発生させゼロクロス検知部7へ出力する。ゼロクロス部7は、波数計測部50からの出力に基づいて、所定の波数後の受信波をこのゼロクロス基準値に基づいてゼロクロス検知する。
【0106】
このような構成によれば、計測する受信信号自体の特徴により、ゼロクロス基準値を決定するため、受信波の波形が直前の受信波と大きく異なる場合であっても、計測誤差を小さくすることができる。
【0107】
(第5の実施形態)
図19は、本発明による超音波流量計の第5の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計107は、配管を流れる流体に脈動がある場合に、脈動によって生じる計測誤差を低減するための補正部61を備えている点で第1の実施形態の超音波流量計101と異なっている。 脈動の周期を知るためには、圧力センサを超音波流量計に設け、その圧力センサによって圧力変動を計測し、脈動の周期を求めることも考えられる。しかし、脈動を計測するための圧力センサは、超音波を計測するための超音波振動子とまったく同じ場所に設置することは困難であるため、設置条件に差異が生じ、超音波を計測するための超音波振動子が受ける脈動の影響を圧力センサが必ずしも正確に検知できるとは限らない。また、圧力センサが正常に機能しているかどうかを評価する必要がある。これに対し、超音波流量計107は脈動を検知するための検出手段を新たに設ける必要がない。このため、こうした問題が生じることがない。
【0108】
図19に示すように、補正部61は、レベル検知部5と、レベル記憶部17と、繰り返し回数決定部23と、遅延時間決定部26と、周期決定部62を含む。レベル検知部5は、ピークホールド部13から出力されるピークホールド信号およびゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス検知信号を受け取って、受信信号のゼロクロス検知が行われたときの波の振幅の大きさをレベル記憶部17へ出力する。レベル記憶部17は、ゼロクロス検知が行われたときの各受信信号の振幅の大きさを記憶する。
【0109】
図20は、流体の流速の変化が脈動している場合において、500回ループを繰り返したときの超音波振動子1および2の間を伝播する超音波の伝播時間の変化(実線)および各ループの受信信号に含まれる最大振幅値の変化(破線)を示している。超音波振動子1および2の間を伝播する超音波の伝播時間は、流体の流速に影響されるので(式(1))、伝播時間の変化は脈動の周期に一致する。 一方、超音波振動子1および2の間を伝播する超音波の振幅も流体の流速に影響され、一般に流速が大きくなると振幅は小さくさる。このため、超音波の振幅は、脈動の周期に一致して変化する。また、シングアラウンド法により、超音波を繰り返して送信する場合、流路内で生じる伝播する超音波の多重反射成分が次に送信された超音波と重なって受信される。多重反射成分および次に送信される超音波の伝播時間は、上述したように流体の流速に影響されるので、多重反射成分と次に送信された超音波との合成である受信波の振幅も脈動の周期に一致して変化する。
【0110】
このようにして、レベル記憶部17に記憶された各受信信号の振幅の大きさは、脈動の影響を受け、周期的に変化している。この周期は、脈動の周期に一致している。したがって、レベル記憶部17に記憶された各受信信号の振幅の大きさから変動の周期を求めることにより、脈動の周期を求めることができる。脈動には周期性があるため、流量の計測がこの脈動周期に一致しているか、または、脈動の周期の2以上の整数倍に一致している場合には、脈動の影響がキャンセルされる。
【0111】
具体的には、まず、レベル記憶部17に記憶された各受信信号の振幅の大きさを用いて、たとえば自己相関法などによって周期決定部62が脈動の周期を求める。そして、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の一方から他方へ超音波を伝播させて流速を求める場合におこなう送受信のループの繰り返し回数および遅延時間が、周期決定部62によって求めた脈動の周期または、周期の整数倍に一致するよう、繰り返し回数決定部23および遅延時間決定部26によって、1シングアラウンド中のループの回数および/または遅延時間を決定する。
【0112】
上述の超音波流量計107では、ゼロクロス検知が行われたときの波の振幅の大きさをレベル検知部5が検知することにより、脈動の周期を求めていたが、各ループの受信信号に含まれる最大振幅を用いて脈動の周期を求めてもよい。
【0113】
図21に示すように、超音波流量計107'補正部61'を備えている。補正部61'は、比較部5'、周期決定部62'、繰り返し回数決定部23および遅延時間決定部26を含んでいる。比較部5'は、受信部6から出力される受信信号を受け取り、図22(a)に示すように所定の閾値63と受信信号19の振幅とを比較する。閾値63は、脈動の周期内で受信する少なくとも1つ以上のある受信信号の最大振幅値よりも小さく、かつ脈動の周期内で受信する少なくとも1つ以上の他の受信信号の最大振幅値よりも大きい値に設定する。
【0114】
図22(a)に示すように、受信信号19の振幅のほうが大きい場合には、比較部5'は、ハイレベル(ON)の論理値を出力し、次ぎに比較を行うまでその値を維持する。図22(b)に示すように、受信信号19の振幅のほうが小さい場合にはローレベル(OFF)の論理値を出力する。
【0115】
周期決定部62は、比較部5'の出力を所定のタイミングで読み込む。読み込むタイミングは、求める脈動の周期よりも短ければよい、シングアラウンドの周期に一致していてもよいし、異なっていてもよい。脈動の周期を正確に求めるためには、読み込むタイミングはおおよそ脈動の周期の1/10以下であることが好ましい。
【0116】
図23は、このようにして周期決定部62が読み込んだ比較部5'の出力を示している。図に示すように、所定のタイミングで読み込んだ比較部5'の出力は周期性を示す。この周期は、脈動の周期と一致する。周期決定部62は、周期決定部62が読み込むタイミングと読み込んだデータの周期性から脈動の周期を求める。たとえば、周期決定部62の読み込みのタイミングが800Hzである場合、図23に示すように、16点のデータが1周期を構成しているので、脈動の周期は50Hzと求まる。求めた周期を用いて、繰り返し回数決定部23および遅延時間決定部26は、1シングアラウンド中のループの回数および/または遅延時間を決定する。 このように、本実施形態によれば、流体の脈動による計測誤差を低減し、精度の高い流量計測を行うことができる。特に、本実施形態の超音波流量計は、図20に示すように、1シングアラウンド中の受信信号の振幅値の周期性から脈動の周期を求めるので、式(1)および式(2)を用いて流体の流速を求めるたびに、脈動の周期を決定し、脈動の影響を低減するようにシングアラウンドのループの回数および/または遅延時間を決定することができる。したがって、短時間で流体の脈動による計測誤差を低減することが可能であり、脈動の周期が短時間で変化する場合や脈動の周期が短い場合でも、適切に流体の脈動による計測誤差を低減することができる。
【0117】
(第6の実施形態)
以下、本発明の超音波流量計を備えたガスメータを説明する。
【0118】
図24は、配管70内を流れるガスの流量を計測するためのガスメータ108のブロック図を示している。配管70内を流れるガスは、天然ガスやプロパンガスなど一般家庭で用いられるもののほか、水素や酸素等、その他の気体であってもよい。
【0119】
ガスメータ108は、配管70内を流れるガスの流量を計測するための超音波流量計71と、緊急時に配管70を流れるガスを遮断する遮断弁72と、超音波流量計71および遮断弁72を制御するマイコンなどの信号処理装置73と、超音波流量計71を用いて計測した流量や流量の積算値およびその他の情報を表示する表示部74とを備える。
【0120】
本実施形態の超音波流量計71には、第1から第5の実施形態の超音波流量計のいずれかを用いる。
【0121】
超音波流量計71によって計測される流量に関するデータは、信号処理装置73で処理されて表示部74に表示される。また、信号処理装置73は、計測する流量に異常がないかを監視する。例えば、突然、大流量のガスが流れ始めた場合には、ガス漏れが生じていると判断して、遮断弁72を動作させ、ガスの供給を停止する。
【0122】
ガスメータ108は、計測される流量に関するデータやガス漏れに関する情報をガス会社などへ送信し、また、ガス会社から保守のために信号処理装置73を遠隔操作するための通信部を備えていてもよい。また、超音波流量計71として第6の実施形態の量音波流量計を用いる場合には、通信部は、ガスメータ108から所定の範囲内に設置されたガス機器や、家電機器からそれらの機器の仕様や動作状況に関する情報を受け取り、脈動の周期を決定する際にこれらの情報を参照するようにしてもよい。
【0123】
本実施形態のガスメータによれば、精度の高い計測を行うことができる。特にガスメータは屋外に設置されることが多く、外部からのノイズの影響を受けやすい。また、ガス配管には、ガスヒートポンプなど種々のガス機器が接続され、脈動が生じやすい。本実施形態のガスメータは、このような問題に好適に対処し、ノイズおよび脈動による計測誤差を低減することができる。
【0124】
なお、上記実施形態において補正部は、ノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減し、または、脈動によって生じる計測誤差を低減する機能を有していた。補正部が、上記各実施形態で説明した構成を備えることにより、これらの原因以外の計測誤差を低減してもよいことはいうまでもない。また、第5の実施形態は第1から第4の実施形態と好適に組み合わせることが可能である。このような組み合わせにより、ノイズおよび脈動による計測誤差が極めて少ない超音波流量計を実現することができる。
【0125】
また、第1から第4の実施形態の流量計に用いられる波数計測部および補正部の少なくとも一方を距離計に用いても、精度の高い距離計を実現することができる。
【0126】
また、第1および第4の実施形態では、受信信号のゼロクロス検知が行われた波の振幅と伝播時間やゼロクロス基準値との関係を求めていた。しかし、受信信号に含まれる最大振幅値と伝播時間やゼロクロス基準値との関係を求めてもよい。最大振幅値と伝播時間やゼロクロス基準値との間にも相関があるため、これらの関係を用いることによってノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明の超音波流量計によれば、波数計測部によって、受信信号の波数を計測する。このため、流体の流れが乱れることにより、受信信号の各波の振幅が不規則になっていても、ゼロクロス検知をすべき波を確実に特定することができる。また、補正部によって、ノイズの影響を低減したり、流体の脈動による影響を低減したりすることができるため、精度の高い計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波流量計の波数計測部において、波数を係数するための信号処理を説明するグラフである。
【図3】ノイズが重畳した超音波受信信号を示す図である。
【図4】超音波受信信号の傾きの違いによって生じるノイズの影響の差異およびゼロクロスポイントのシフトを示す図である。
【図5】振幅の大きさと伝播時間との関係を示すグラフである。
【図6】シングアラウンド法による計測を説明する図である。
【図7】第1の実施形態の変形例を示すブロック図である。
【図8】本発明の超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図9】(a)および(b)は、超音波受信信号の傾きの違によって生じるゼロクロス検知時のチャタリング数の差異を示す図である。
【図10】チャタリング数と伝播時間との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の超音波流量計の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図12】立下り信号でゼロクロス検知した場合におけるノイズによるゼロクロスポイントのシフトおよび検知の基準をオフセットさせることによるゼロクロスポイントのシフトを説明する図である。
【図13】ゼロクロス検知の基準をシフトさせた場合における振幅の大きさと伝播時間との関係を示すグラフである。
【図14】立上がり信号でゼロクロス検知した場合におけるノイズによるゼロクロスポイントのシフトおよび検知の基準をオフセットさせることによるゼロクロスポイントのシフトを説明する図である。
【図15】本発明の超音波流量計の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図16】振幅とゼロクロス基準値との関係を示すグラフである。
【図17】第4の実施形態の変形例を示すブロック図である。
【図18】図17に示す超音波流量計の補正部において生成する信号を説明する図である。
【図19】本発明の超音波流量計の第5の実施形態を示すブロック図である。
【図20】流体の流速が脈動することにより、シングアラウンド中に超音波の伝達時間および受信信号の振幅が変化することを示す図である。
【図21】第5の実施形態の他の例を示すブロック図である。
【図22】(a)および(b)は、比較部で行う演算を説明する図である。
【図23】比較部から出力に基づいて、脈動の周期を求める手順を説明する図である。
【図24】本発明のガスメータの実施形態を示すブロック図である。
【図25】従来の超音波流量計を示すブロック図である。
【図26】従来の超音波流量計のゼロクロス検知部におけるゼロクロス検知を説明する図である。
【図27】超音波信号にノイズが重畳することにより、伝播時間として検知するゼロクロスポイントに誤差が生じることを説明する図である。

Claims (13)

  1. 超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、
    前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波が送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、
    前記受信部で受信した前記超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するゼロクロス検知部と、
    前記受信信号に重畳しているノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部と、
    を備え、前記伝播時間に基づいて前記流体の流量を求める超音波流量計であって、
    前記補正部は、前記受信信号の振幅の大きさに基づいて、前記流体の流量を補正する超音波流量計。
  2. 前記補正部は、前記受信信号の所定の波の振幅を計測するレベル検知部と、
    前記受信信号の所定の波の振幅と前記伝播時間との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づいて前記所定の波の振幅の大きさに応じて前記伝播時間を補正する請求項1に記載の超音波流量計。
  3. シングアラウンド法により、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子の一方で複数回超音波を受信し、
    前記補正部は、複数回受信することにより生成した複数の受信信号の所定の波の振幅をそれぞれ計測するレベル検知部と、前記複数の受信信号の振幅の大きさの平均を求めるレベル平均部と、前記受信信号の所定の波の振幅と前記伝播時間との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記振幅の大きさの平均に応じて前記伝播時間を補正する請求項1に記載の超音波流量計。
  4. 超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、
    前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波が送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、
    前記受信部で受信した前記超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するゼロクロス検知部と、
    前記受信信号に重畳しているノイズにより生じるゼロクロス検知の誤差を低減する補正部と、
    を備え、前記伝播時間に基づいて前記流体の流量を求める超音波流量計であって、
    シングアラウンド法により、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子の一方で複数回超音波を受信し、
    前記補正部は、複数回受信することにより生成した複数の受信信号のうち、1つ前の受信信号の振幅の大きさに基づいて、次の受信信号のゼロクロス検知を行う基準電圧をオフセットさせる超音波流量計。
  5. 前記補正部は、前記1つ前の受信信号の所定の波の振幅を計測するレベル検知部と、前記受信信号の波の振幅とゼロクロス検知を行う基準電圧との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記振幅の大きさに応じて基準電圧の値を求める請求項4に記載の超音波流量計。
  6. 前記補正部は、前記1つ前の受信信号の立ち上がり部分を所定の時間積分した値を求める積分部と、前記積分値とゼロクロス検知を行う基準電圧との関係を示すデータを記憶する補正データ記憶部とを含み、前記データに基づき、前記積分値の大きさに応じて基準電圧の値を求める請求項4に記載の超音波流量計。
  7. 前記受信信号所定の波は、ゼロクロス検知が行われた波である請求項2、3、および5のいずれかに記載の超音波流量計。
  8. 請求項1から7のいずれかに規定される超音波流量計を備えたガスメータ。
  9. 超音波の伝播時間差に基づいて流体の流量を計測する、超音波による流量計測方法であって、
    第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、
    前記受信した超音波による受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップと、
    前記受信信号の振幅を計測するステップと、
    前記受信信号の振幅に基づいて前記伝播時間を補正するステップと、
    を包含する、超音波による流量計測方法。
  10. 超音波の伝播時間差に基づいて流体の流量を計測する、超音波による流量計測方法であって、
    シングアラウンド法により、第1の超音波振動子から流体へ超音波を複数回送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を複数回受信するステップと、
    前記複数回受信した超音波による複数の受信信号をゼロクロス検知することにより、前記複数回受信した超音波の伝播時間を計測するステップと、
    前記複数の受信信号の振幅を計測するステップと、
    前記複数の受信信号の振幅から平均値を求め、前記平均値に基づいて前記伝播時間を補正するステップと、
    を包含する、超音波による流量計測方法。
  11. 前記振幅を計測するステップは、前記ゼロクロス検知を行った受信信号の波の振幅を計測する請求項9または10に記載の超音波による流量計測方法。
  12. 超音波の伝播時間差に基づいて流体の流量を計測する、超音波による流量計測方法であって、
    第1の超音波振動子から流体へ超音波を送信し、第2の超音波振動子で前記超音波を受信するステップと、
    前記受信した超音波による受信信号の振幅を計測するステップと、
    前記受信信号をゼロクロス検知することにより、前記超音波の伝播時間を計測するステップと、
    を包含し、シングアラウンド法により前記受信ステップ、振幅計測ステップ、および前記伝播時間計測ステップを繰り返し、前記振幅計測ステップにおいて計測されたある受信信号の振幅の大きさに基づいて、次の受信信号のゼロクロス検知を行う基準電圧をオフセットさせる、超音波による流量計測方法。
  13. 請求項9から12のいずれかの超音波による流量計測方法に規定した各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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