JP2000345417A - 衣服の布地に凹凸を形成する方法 - Google Patents

衣服の布地に凹凸を形成する方法

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JP2000345417A
JP2000345417A JP2000105666A JP2000105666A JP2000345417A JP 2000345417 A JP2000345417 A JP 2000345417A JP 2000105666 A JP2000105666 A JP 2000105666A JP 2000105666 A JP2000105666 A JP 2000105666A JP 2000345417 A JP2000345417 A JP 2000345417A
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heat
garment
shrinkable
clothing
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JP2000105666A
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Yoshiki Hishinuma
良樹 菱沼
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Onward Kashiyama Co Ltd
Original Assignee
Onward Kashiyama Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デザイン上に制約を受けずに、衣服の全
体または衣服の任意の箇所に凹凸を形成する方法を提供
する。また、ニット製品と同様に縦および横方向に伸縮
可能な凹凸を設けた衣服を製造する。 【解決手段】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服1のパー
ツに裁断し、このパーツを縫製して衣服の形状とし、衣
服と熱収縮性布地2とを重合わせて水溶性糸3を用いて
ステッチを掛けて縫合わせ、縫合わせた布地を加熱板に
より乾熱・非接触状態で加熱処理して熱収縮性布地を収
縮させて衣服の布地に凹凸1a、1bを形成し、その
後、水溶性糸を溶解除去して衣服の布地と熱収縮性布地
とを分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣服の布地に凹凸を
形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服の生地に凹凸を形成する技法
の1つとして、「鹿の子絞」のように糸を巻上げて布を
絞る伝統的な絞り技法が知られている。また、衣服の生
地に凹凸を形成する別の技法のとして、プリーツ加工が
知られている。
【0003】プリーツ加工は通常、衣服を製作する以前
の布地にプリーツ加工を施し、その後プリーツ加工を施
した生地を裁断して衣服に仕立てている。しかし、プリ
ーツ加工をした生地を衣服に仕立てる場合は、折目を押
さえつつ縫製しなければならず、縫製がし難く、また折
重なった布地の箇所を縫製するためミシンによる縫製が
困難であるなどという問題があった。
【0004】このような点を解決するために、布地を衣
服の形状に仕立てた後にプリーツ加工を施すことがすで
に提案されている(例えば、特公昭56−9561号公
報、特公平4−23026号公報)。
【0005】しかしながら、従来のプリーツ加工は機械
により強制的に折目を形成するものであるため、そのプ
リーツの形状は規則正しい直線状態のものであり、また
規則的な折目しか形成できずデザイン上変化が乏しいも
のであった。
【0006】このためプリーツに変化を付けようとし
て、例えば、特許第2504931号公報には、衣服ま
たは半製品状態の衣服を軟質シートに巻き、これを捩
り、紐で縛ってから熱処理装置に入れてプリーツを形成
することが提案されている。しかし、このプリーツでは
従来のような完全な直線状のものではないが、捩って形
成したしわであるため、斜め状態のしわが形成されるだ
けであり、変化に乏しいものである。また、衣服の任意
の箇所にプリーツを施すことができず、変化に乏しいも
のである。
【0007】また、従来のプリーツ加工とは異なって、
熱収縮性の水溶性糸を用いてヒダやしわを形成すること
が提案されている。特開平8−218213号公報およ
び特開平9−87963号公報には、熱可塑性素材から
なる衣服の所望部分に熱収縮性を有する水溶性糸を使用
して仮縫いし、加熱処理を施して前記熱収縮性の水溶性
糸を収縮させてヒダを形成し、その後温水により熱収縮
性の水溶性糸を溶解除去して衣服の所望部分にヒダを形
成することが開示されている。
【0008】また、特開平9−31839号公報には、
収縮性を有する水溶性糸と非収縮性の糸とを交織し、収
縮性水溶性糸を収縮させ、その後前記水溶性糸を溶解除
去して布にしわを形成することが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の絞り技法により
布地に凹凸を形成する場合は、衣服の任意の箇所に凹凸
を形成することができ、その模様も任意のものとするこ
とができるという利点はある。
【0010】しかしながら、凸部を形成しようとする箇
所の1つ1つに糸を巻き付けなければならず、非常に手
間暇がかかり、出来上がった衣服が極めて高価なものと
なってしまうという問題がある。
【0011】一方、従来のプリーツ加工ように、機械的
に折目を施すプリーツ加工では折目が直線的であり、デ
ザイン的に変化が乏しいという問題がある。また、布は
折目と直交する方向に伸び縮みするだけであり、折目の
方向には伸び縮みしない。そのため、例えば衣服全体に
プリーツを施したものであっても、その伸び縮みする方
向はヒダと交叉する方向だけであり、ニット製品のよう
に縦横伸び縮みし、どのような体型の人にでも合うとい
うものではない。
【0012】また、特開平8−218213号公報や特
開平9−87963号公報に開示されているような収縮
性を有し、且つ水溶性の糸を衣服の所定部分にステッチ
を掛けて、その箇所にしわを設けたとしても、糸で収縮
させるだけであるため、縮めようとする生地の力により
十分に収縮させることができず、しわも僅かなものしか
付けられない。また厚みの厚い生地には、このような方
法ではしわを施すことは困難で、極めて小さな低い凹凸
のしわしか形成することができない。
【0013】また、このような方法ではデザイン的にも
しわというような小さな凹凸しか形成できず、変化に富
んだデザインとすることはできない。
【0014】また、特開平9−31839号公報に開示
のように、収縮性を有する水溶性糸を交織したもので
は、そのような生地を使わなければならないという制約
があり、しかも交織であるため縦横の直線状にしか収縮
性を有する糸を織り込むことはできない。従って、任意
の生地を使うことができず、しかも収縮させる場所も任
意ではないため、デザインに変化をつけることはできな
いという問題がある。
【0015】
【発明の目的】本発明の目的は、衣服の全体または衣服
の任意の箇所に凹凸を形成することであり、デザイン上
に制約を受けずに衣服の布地に凹凸を形成する方法を提
供することである。また、本発明は衣服全体または所望
の領域に凹凸を形成することにより、ニット製品と同様
に縦および横方向に伸縮可能な凹凸を設けた衣服を製造
する方法を提供することである。
【0016】本発明の別の目的は、衣服の布地に凹凸を
形成するとともに、更に衣服の布地の表面に変化を持た
せる方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、熱
可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツに裁断し、該パー
ツを縫製して衣服の形状とし、該衣服と熱収縮性布地と
を重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合
わせ、該縫合わせた布地を加熱板により乾熱・非接触状
態で加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて衣服の
布地に凹凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除去し
て前記衣服の布地と前記熱収縮性布地とを分離すること
を特徴とする衣服の布地に凹凸を形成する方法により前
記目的を達成した。
【0018】請求項2の発明では、熱可塑性繊維を含む
布地を衣服のパーツに裁断し、該パーツを縫製して衣服
の形状とし、該衣服の上に部分的に熱収縮性布地を置
き、水溶性糸を用いてステッチを掛けて前記熱収縮性布
地を衣服の布地に縫合わせ、該縫合わせた布地を加熱板
により乾熱・非接触状態で加熱処理して前記熱収縮性布
地を収縮させて衣服の布地に凹凸およびギャザーを形成
し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の布地
と前記熱収縮性布地とを分離することを特徴とする衣服
の布地に凹凸を形成する方法により前記目的を達成し
た。
【0019】また、請求項3の発明では、熱可塑性繊維
を含む布地を衣服のパーツに裁断し、該パーツを縫製し
て衣服の形状とし、該衣服と熱収縮性布地とを重ね合わ
せて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫
合わせた布地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮さ
せて衣服の布地に凹凸を形成し、その後、前記水溶性糸
を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布地とを
分離するとともに、前記水溶性糸を溶解除去する前また
は溶解除去した後に、前記衣服の布地に昇華転写捺染を
施すことを特徴とする衣服の布地に凹凸を形成する方法
により前記目的を達成した。
【0020】
【実施例】以下、図面に基いて本発明を詳細に説明す
る。図1(a)〜(c)は本発明の衣服の製造工程の概
略を説明する平面図である。まず、熱可塑性繊維を含む
布地を衣服のパーツに裁断し、このパーツを縫製して、
図1(a)に示すように、衣服の形状に仕立てる。熱可
塑性繊維としては熱セット可能なものであれば特に限定
されないが、ポリエステル繊維が好ましい。また、熱セ
ットの観点から、熱可塑性繊維を50%以上、好ましく
は70〜100%を含んだ布地を用いる。
【0021】また、各パーツを裁断する際には、本発明
の方法により製造される衣服は最終的には布地に凹凸が
でき、寸法的には10%〜65%縮んだ仕上り形状とな
るので、それを見越して大き目な形状(約1.1〜約
2.8倍)に裁断し、縫製する。また、前記衣服の形状
としては、全部のパーツを縫製して完全な衣服の形状と
してもよいし、或は一部のパーツのみを縫製して衣服の
特定の部分(例えば、袖付きの衣服における身頃部分)
の形状としてもよい。なお、衣服の特定の部分の形状と
した場合は、以下に説明する本発明の方法を特定部分に
実施した後に、残りのパーツと縫合わせて衣服を完成す
ればよい。
【0022】次に、布地1で作られた衣服と熱収縮性を
有する布地〔実施例では、テビロン(登録商標):帝人
株式会社製品、ポリ塩化ビニル製布地〕2とを重ね合わ
せ、ミシンにより水溶性の糸3を用いてステッチを掛け
て縫合わせる〔図1(b)参照〕。水溶性糸3として
は、例えば株式会社ニチビ製品のソルブロン(登録商
標)を用いればよい。
【0023】このステッチは任意の方向および形状でミ
シンを掛けることができ、所望のデザインとすることが
できる。例えば、図1(b)に示した実施例では、衿
部、胸部およびウエスト部は縦方向に平行に複数本のス
テッチ31が、衿ぐり回りは衿ぐりに沿うような円弧を
描く形状のステッチ32が、両脇部にも円弧を描く形状
のステッチ33が、胸部には横方向のステッチ34が、
そして裾部には斜め方向のステッチ35がそれぞれ掛け
られ、衣服の布地1の全体が熱収縮性布地2に縫合わさ
れている。隣接するステッチの間隔は任意であるが、図
1(b)に示すように、衣服の全体にステッチを施す場
合(衣服の布地1の厚み等によっても異なるが)、比較
的薄い生地では例えば、6〜10mm程度の間隔が出来
上がりの凹凸の観点から適当である。
【0024】このように衣服の布地1と熱収縮性布地2
とを縫合わせたものを乾燥状態で加熱処理して、熱収縮
性布地2を収縮させて、衣服の布地1に凹凸を形成す
る。
【0025】本発明の方法に使用する熱収縮性布地2と
しては、経または緯方向の少なくとも一方の熱収縮率が
20〜60%のもの、好ましくは30%以上の収縮率を
持つものを使用すればよい。経糸と緯糸の両方に熱収縮
性糸を使用した熱収縮性布地2が両方向に収縮するので
好ましいが、経糸または緯糸の一方のみに熱収縮性糸を
使用して、経または緯方向の一方のみが収縮するように
した布地であってもよい。また、経糸方向と緯糸方向の
熱収縮率が異なっていてもよい。熱収縮性糸としては、
例えば、ポリ塩化ビニル製繊維、ポリウレタン製繊維
〔例えば、「スパンデックス」(商標)〕を用いた糸が
適している。
【0026】ニット製品のような伸縮性を持たせる場合
は、経および緯方向の収縮率が50%程度の熱収縮性布
地2を用いることが好ましい。熱収縮性布地2として、
例えば、50〜100デニールの「テビロン」フィラメ
ント糸を経糸と緯糸に使用して織ったテビロン布地(帝
人株式会社製品)を使用すればよい。本発明における加
熱温度は140℃から195℃のものであり、生地の厚
みや縫い方によって異なるが、加熱時間は約40秒から
約6分程度である。なお6分程度にする場合は、例えば
2分ずつ3回繰り返すとかにすればよい。同じ生地でも
大きさによって異なったり、また縫い方によって異なっ
たりする。また厚みがある生地の場合やタック状に摘ん
でステッチを掛けた結果として厚みが出る場合も必要な
加熱時間が異なったりするので、予め試作して加熱時間
や温度を適宜調整する。例えば、比較的薄い生地に、図
1(b)に示すようにステッチを掛けた場合は、190
〜195℃程度に加熱した加熱板により、乾熱・非接触
状態で約45〜60秒程度加熱すると、熱収縮性布地2
が縦方向および横方向とも収縮する。衣服となる布地1
が比較的薄い生地であり、50%近く収縮するテビロン
布地を使用した場合は、加熱処理後は縦および横とも元
のサイズの約半分程度の大きさとなった。熱収縮性布地
2が収縮して小さなサイズになっても、衣服の布地1は
元のサイズのままであるので、余った分が縫合わされて
いない箇所で浮上がり、凸部となり、ステッチ31、3
2、33、34、35の箇所が凹部となる。
【0027】その後、縫合わされた布地1、2を70〜
90℃の湯に浸けて水溶性糸3を溶解除去して、衣服の
布地1と熱収縮性布地2との結合を解消し、熱収縮性布
地2を衣服の布地1から剥がす。このようにすると、縦
横に伸びることのできる凹凸が形成された図1(c)に
示すような衣服が得られる。
【0028】図1(c)に示すように、首回りや両脇部
の円弧を描いてステッチ32、33を掛けたところは、
円弧を描いたような形状で凹凸が形成されており、胸部
や胴部の直線状にステッチ31、34、35を掛けたと
ころは、直線状に凹凸が並んだ状態となる。これは熱収
縮性布地2が縦方向および横方向ともに収縮するためで
ある。
【0029】図2は衣服の布地1と熱収縮性布地2とを
水溶性糸3により縫合わせた状態と、その布地1に凹凸
を形成した状態とを説明するために、図1よりも拡大し
て描いた模式的図面である。図2(a)は直線状に並列
して複数本のステッチを縦方向に掛けた場合の平面図、
図2(b)は図2(a)のB−B線に沿った断面図であ
り、布地1、2の厚みは実際よりも厚く描いている。図
2(c)は凹凸を形成した布地1の平面図、図2(d)
は図2(c)のD−D線に沿った断面図、図2(e)は
図2(c)のE−E線に沿った断面図である。
【0030】図2(c)〜(e)に示すように布地1に
は凸部1aと凹部1bが直線状に並んだような状態の凹
凸ができる。この凸部1aおよび凹部1bは図2(c)
〜(e)では大きさが規則的のように見えるが、図2は
模式的に表したものであり、実際にはきちんと規則正し
いものではない。具体的には、ステッチ3で固定された
部分は熱収縮性布地2とともに縮められるがステッチ3
で制限されているので細かなヒダとなって、全体として
直線状に連続した凹部1bとなる。一方、隣接するステ
ッチ3の間は固定されていないので大きく浮上がり、断
続的な凸部1aとなって出現する。この凸部1aは断続
的であるので、連続的なヒダであるプリーツと言うより
は、巻上げ絞り風の凸部である。
【0031】図3は図2と同様の模式的図面であり、図
3(a)は前記図1(b)における、縦方向の直線状の
ステッチの間に、首回りのように曲線を描いて並列して
複数本のステッチを横方向に掛けた場合の平面図、図3
(b)はこれを熱収縮させ凹凸を形成した布地1の平面
図である。図3(b)示すように、曲線状にステッチを
掛けた箇所は曲線状の連続した凹部1bとなり、凹部と
凹部の間に凸部1aが断続的に出現し、凸部1aは曲線
状に配置される。
【0032】図1に示した実施例では、衣服の全面にほ
ぼ均等にステッチを掛けていたが、全面または均等では
なく、間隔を開けてステッチを掛けてもよい。
【0033】更に、図4では別の実施例を示し、(a)
は熱処理前の平面図、(b)は断面図、(c)は熱処理
後の衣服の布地の平面図である。図4(b)に示すよう
に、重ねた2枚の衣服の布地1の上に厚みのある綿状シ
ート4を置き、その上に熱収縮性布地2を載せる。そし
て、例えば、図4(a)に示すように水溶性糸3により
斜格子状のステッチを掛ける。その後、熱処理し、水溶
性糸3を溶解させ、布地1を布地2と分離すると、図4
(c)に示すように、菱形の紋様が凸部1aとなって浮
上がり、ステッチの箇所が凹部1bとなった状態の衣服
の布地1が得られる。
【0034】この方法では布地1と布地2との間に綿状
シート4を挟んでステッチを掛けているので、熱収縮性
布地2を加熱処理により熱収縮させた際に衣服の布地1
はステッチで固定されていない部分は綿状シート4によ
り膨らみを保った状態となり、細かな凹凸はほとんど形
成されない。
【0035】図5は本発明の方法の更に別の実施例を説
明するためのものであり、図5(a)は熱処理前の平面
図、図5(b)は熱処理後の衣服の布地の平面図であ
る。この実施例では、衣服全面に熱収縮性布地2を置い
てステッチを掛けるのではなく、例えば、図5(a)に
示すように衣服の布地1の上に部分的に熱収縮性布地2
を置き、その箇所のみに水溶性糸3によりステッチを掛
ける。そして加熱処理して熱収縮性布地2を収縮させ、
その後、80〜90℃の湯で洗って水溶性糸3を取り除
く。このようにして出来上った布地1においては、図5
(b)に示すように、熱収縮性布地2の置かれていた部
分は細かな凹凸1a、1bができ、熱収縮性布地2のな
かった部分もつられてしわができた状態で加熱セットさ
れるため、ギャザー1cがついた状態で熱セットされて
いる。
【0036】この実施例によれば、1着の衣服におい
て、布地の切替え・縫合わせを行うことなく、細かな絞
り風の凹凸1a、1bとギャザー1cとの2種類の表情
を現すことができる。しかも、熱収縮性布地2の大き
さ、配置およびステッチの掛け方等を任意に変化できる
ので、デザイン的に非常に変化に富ませることができ
る。
【0037】前述した方法を更に発展させた方法とし
て、衣服の布地1に凹凸を形成した後で、水溶性糸3を
溶解除去する前または溶解除去した後に、衣服の布地1
に昇華転写捺染を施すことができる。すなわち、凹凸を
つけた布地1の上に昇華性染料が塗布されている熱転写
シートを置き、約180℃で30秒熱転写を行うとプリ
ントが行える。
【0038】以上のように本発明の方法においては、ス
テッチは任意の形状に掛けることができ、また、その間
隔も広くしたり狭くしたりすることによりできる。それ
により出来上がった布地1における凹凸形状も種々であ
る。
【0039】また、本発明における凹凸は衣服の任意の
部分に施すことができる。この場合、裏表同時につける
こともできるし、例えば、前開きの被服の場合は前身頃
のみ或いは後身頃のみとしたり、袖畳みにして両前立の
部分および背中の部分を4枚重ねた状態として、その上
に熱収縮性布地2を置きステッチを掛けることにより両
前立部分および背中の部分を同時に凹凸を付けたりとい
うことも可能である。袖の部分だけ凹凸を付けるという
こともまたできる。
【0040】前述した説明では、衣服の上に熱収縮性布
地2を置いてステッチを掛けるように説明したが、衣服
の布地1と布地1との間(例えば、身頃の内側)に熱収
縮性布地2を挟み込んでステッチを掛けるようにしても
よい。
【0041】また、本発明では衣服の布地を裁断して先
に衣服の形状に縫製しておくが、予め、どの程度縮むか
実験的に確認しておき、それに合わせて所望の寸法が得
られるように裁断および縫製しておけばよい。すなわ
ち、熱収縮性布地2として同じ布地2を用いて同じよう
に縫合わせても、衣服となる布地が薄い場合はよく縮む
が、例えば、ベルベットのように厚みのある布地である
と、元の衣服の布地の力のため余り収縮せず高い凹凸に
ならない。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、衣服の全体また
は衣服の任意の箇所に凹凸を形成することができ、デザ
イン上に制約を受けずに衣服の布地に凹凸を形成でき
る。
【0043】また、本発明の方法によれば、経糸方向お
よび緯糸方向に熱収縮する布地を用いて、衣服全体また
は所望の領域に凹凸を形成した場合は、ニット製品と同
様に縦および横方向に伸縮可能な凹凸を設けた衣服を製
造することができる。すなわち、ステッチを衣服の布地
と熱収縮性布地を縫合わせるときに、衣服の全体にステ
ッチを掛けた場合は全体が縮み、全体に凹凸ができて縦
方向にも横方向にも伸縮できるので、ニット製品と同様
に伸縮性の高いものが得られる。また、胸部の領域に凹
凸を形成すれば、その胸部は伸縮性の高いものとなる。
従って、ダーツなどを形成せずとも体によくフィットす
る衣服を得ることができる。
【0044】経糸方向または緯糸方向に熱収縮する布地
を用いて、衣服全体または所望の領域に凹凸を形成した
場合は、縦または横方向に伸縮する衣服とすることがで
き、、ブラウスやスラックス等として着用し易いものが
得られる。
【0045】しかも、本発明の方法により凹凸を作る場
合は、ニット製品を作る場合のようにデザイン的な制限
は受けず、また従来のプリーツ加工のようにヒダの方向
性などの制限も受けず、デザインの幅が非常に広い。ま
た種々の曲線を描くステッチを掛けることにより、曲線
のある凹凸をつけることができ、デザイン的に非常に面
白いものとすることができる。
【0046】また、本発明の方法によれば、布地に凹凸
を形成した後に、凹凸のある状態で絵柄をプリントす
る。このため、出来上がった衣服は着用時には身体の動
きに合わせて凹凸が伸び縮みして、絵柄が変化する面白
いものとなる。
【0047】このように本発明の方法によれば、衣服の
布地に凹凸を形成するとともに、衣服の布地の表面に変
化を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の衣服の製造工程の概
略を説明する平面図である。
【図2】衣服の布地と熱収縮性布地とを水溶性糸により
縫合わせた状態と衣服の布地に凹凸を形成した状態を説
明するために、図1よりも拡大して描いた模式的図面で
ある。(a)は直線状に並列して複数本のステッチを縦
方向に掛けた場合の平面図、(b)は図2(a)のB−
B線に沿った断面図である。(c)は凹凸を形成した布
地の平面図、(d)は図2(c)のD−D線に沿った断
面図、(e)は図2(c)のE−E線に沿った断面図で
ある。
【図3】図2と同様の模式的図面であり、(a)は曲線
を描いて並列して複数本のステッチを横方向に掛けたも
のの平面図、(b)はこれを熱収縮させ凹凸を形成した
布地の平面図である。
【図4】本発明の方法における別の実施例を示し、
(a)は熱処理前の平面図、(b)は断面図、(c)は
熱処理後の衣服の布地の平面図である。
【図5】本発明の方法の更に別の実施例を説明するため
の図であり、図5(a)は熱処理前の平面図、図5
(b)は熱処理後の衣服の布地の平面図である。
【符号の説明】
1 衣服の布地 1a 凸部 1b 凹部 1c ギャザー 2 熱収縮性布地 3 水溶性糸 4 綿状シート 31、32、33、34、35、36、37 ステッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
    に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
    と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステ
    ッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地を加熱板によ
    り乾熱・非接触状態で加熱処理して前記熱収縮性布地を
    収縮させて衣服の布地に凹凸を形成し、その後前記水溶
    性糸を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布地
    とを分離することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形成
    する方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
    に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
    の上に部分的に熱収縮性布地を置き、水溶性糸を用いて
    ステッチを掛けて前記熱収縮性布地を衣服の布地に縫合
    わせ、該縫合わせた布地を加熱板により乾熱・非接触状
    態で加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて衣服の
    布地に凹凸およびギャザーを形成し、その後前記水溶性
    糸を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布地と
    を分離することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形成す
    る方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
    に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
    と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステ
    ッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地を加熱処理し
    て前記熱収縮性布地を収縮させて衣服の布地に凹凸を形
    成し、その後、前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の
    布地と前記熱収縮性布地とを分離するとともに、前記水
    溶性糸を溶解除去する前または溶解除去した後に、前記
    衣服の布地に昇華転写捺染を施すことを特徴とする衣服
    の布地に凹凸を形成する方法。
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