JP2000345337A - カソード電極装置及びスパッタリング装置 - Google Patents

カソード電極装置及びスパッタリング装置

Info

Publication number
JP2000345337A
JP2000345337A JP11155893A JP15589399A JP2000345337A JP 2000345337 A JP2000345337 A JP 2000345337A JP 11155893 A JP11155893 A JP 11155893A JP 15589399 A JP15589399 A JP 15589399A JP 2000345337 A JP2000345337 A JP 2000345337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
magnetic flux
magnetic
magnet
cathode electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11155893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4489868B2 (ja
Inventor
Kiyotaka Wasa
清孝 和佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP15589399A priority Critical patent/JP4489868B2/ja
Publication of JP2000345337A publication Critical patent/JP2000345337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4489868B2 publication Critical patent/JP4489868B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】マグネトロンスパッタ装置に用いられるターゲ
ットの使用効率を高める技術を提供する。 【解決手段】本発明のカソード電極装置4は、筒状の磁
束吸収装置16を有しており、ターゲット11や第1、
第2の磁石12、13を取り囲むように配置されてい
る。磁束吸収装置16によって、従来放散されていた磁
束が吸収され、第1の磁石12と磁束吸収装置16との
間に新たな磁気回路が形成されることにより、ターゲッ
ト11表面で効率良くスパッタリングされる領域が拡大
し、合計2ヶ所にエロージョン21、22が生じるの
で、1箇所のみで集中的にターゲット材料が減り、エロ
ージョンのみが生じていた従来に比して、ターゲットの
減りを均一にすることができるので、ターゲットの使用
効率を高め、実用寿命を長くすることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カソード電極装置
及びスパッタリング装置に係り、特に、ターゲットを備
え、マグネトロン放電でターゲットをスパッタリングさ
せることが可能なカソード電極装置及びスパッタリング
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜は、従来より、半導体装置や液晶表
示装置等の種々の分野に用いられており、スパッタリン
グ装置や蒸着装置等の薄膜形成装置によって、金属薄膜
や磁性薄膜等の多種の薄膜が成膜されている。それらの
うち、マグネトロンスパッタ法は、低温で高速に薄膜を
成膜できるため、広く用いられている。
【0003】マグネトロンスパッタ装置の一例を図2の
符号101に示す。このマグネトロンスパッタ装置10
1は、真空槽102と、基板ホルダ103と、カソード
電極装置104と、電源105と、ガス導入系106
と、排気系107と、絶縁碍子109を有している。
【0004】基板ホルダ103は、真空槽102の内部
底面に配置されており、アノード電極として機能してい
る。カソード電極装置104は、基板ホルダ103の上
方に配置されている。
【0005】従来のカソード電極装置104の構造を図
3(a)、(b)に示す。カソード電極装置104は、土台
110と、バッキングプレート117と、鉄製のヨーク
板114と、第1の磁石112と、第2の磁石113
と、ターゲット111と、アースシールド115とを有
している。
【0006】土台110は絶縁碍子109を介して真空
槽102の上部に取り付けられている。ヨーク板114
は、土台110の表面に固定されている。第1、第2の
磁石112、113はともに永久磁石からなる。このう
ち第1の磁石112は円筒状に形成され、第2の磁石1
13は円柱状に形成されている。第1の磁石112は第
2の磁石113を取り囲んでおり、第1、第2の磁石1
12、113は、その中心軸線がともにヨーク板114
表面の法線と同方向を向くように、ヨーク板114表面
に配置されている。第1、第2の磁石112、113の
上面はともに平面状にされており、各上面が面一になる
ようにされている。
【0007】バッキングプレート117は、板状の導電
体から成り、その裏面が第1及び第2の磁石112、1
13の上面に固定されており、カソード電極として機能
している。
【0008】ターゲット111は銅が円板状に形成さ
れ、裏面がバッキングプレート117の表面に面し、表
面が基板ホルダ103の上面と対向するように配置され
ている。アースシールド115は、円筒状の導電体と、
中央に孔が形成された円板状の導電体とを有している。
円板状の導電体は、円筒状の導電体の上面に固定されて
おり、ヨーク板114、第1、第2の磁石112、11
3、ターゲット111を取り囲み、ターゲット111の
表面が円板の孔から露出するように配置されている。
【0009】真空槽102の外部には、電源105と、
ガス導入系106と、排気系107が設けられ、電源1
05はバッキングプレート117に接続され、ガス導入
系106と排気系107とは真空槽102に接続されて
いる。
【0010】上述のマグネトロンスパッタ装置101
で、基板表面に薄膜を成膜するには、まず、予め排気系
107で真空槽102内を真空排気し、真空槽102内
に図示しない基板を搬入して基板ホルダ103に保持さ
せ、基板の表面がターゲット111と対向するように配
置しておく。
【0011】次いで、電源105を起動して、バッキン
グプレート117に直流電圧を印加する。アノード電極
である基板ホルダ103は接地されているので、バッキ
ングプレート117と基板ホルダ103との間に電位差
が生じて電界が生じ、その電気力線160はターゲット
111の表面を垂直に貫く方向を向く。かかる電界によ
って放電が生じる。
【0012】他方、第1、第2の磁石112、113の
表面の磁極は、互いに異なるようにされており、その間
に磁界が発生し、その磁力線150は図4(a)に示すよ
うに、第1の磁石112の表面から、第2の磁石113
の表面へ向かう。かかる磁界中に、上述の放電によって
発生した電子が閉じ込められることにより、ターゲット
111が効率的にスパッタリングされ、基板表面にター
ゲット材料からなる薄膜が成膜される。
【0013】上述のターゲット111では、第1の磁石
112と第2の磁石113の中間の領域では電気力線1
60と磁力線150とが直交するので、特に他の領域に
比して効率良くスパッタリングされる。長期間ターゲッ
トを使用すると、この領域に図4(b)に示すようなリン
グ状の溝(以下でエロージョンと称する)121が形成さ
れる。
【0014】このため、ターゲット111の他の領域で
ほとんど減っていなくても、エロージョン121領域で
ターゲットが費消されてしまうと使用できなくなるた
め、ターゲットの使用効率が低くなり、実用寿命が短く
なってしまうという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、エロージョンの形成される領域を拡大すること
で、スパッタリングターゲットの使用効率を向上させる
技術を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、ターゲットと、前記ターゲ
ットの裏面に配置された磁石とを有するカソード電極装
置であって、前記ターゲット及び前記磁石の近傍であっ
て、前記磁石の生成する磁界中に、強磁性体で構成され
た磁束吸収装置が配置されたことを特徴とする。請求項
2記載の発明は、請求項1記載のカソード電極装置であ
って、前記磁束吸収装置は、Ni、Co、Feの単体又
は合金、若しくはパーマロイ、センダスト、アルニコ、
磁性体ステンレスのいずれか一種又は二種以上から構成
されることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求
項2記載のカソード電極装置であって、前記磁束吸収装
置は、筒状部を有し、前記筒状部は、前記ターゲット及
び前記磁石を取り囲むように配置されたことを特徴とす
る。請求項4記載の発明は、請求項2記載のカソード電
極装置であって、前記磁束吸収装置は、リング部を有
し、前記リング部は、前記ターゲットの表面側に配置さ
れたことを特徴とする。請求項5記載の発明は、スパッ
タリング装置であって、ターゲットと、前記ターゲット
の裏面に配置された磁石とを有するカソード電極装置
と、前記ターゲット及び前記磁石の近傍であって、前記
磁石の生成する磁界中に配置され、強磁性体で構成され
た磁束吸収装置とを有することを特徴とする。
【0017】本発明のカソード電極装置では、強磁性体
からなる磁束吸収装置が、ターゲット及び磁石の近傍で
あって、磁石の生成する磁界中に配置されている。この
ため、従来磁石から放散されていた磁束が、磁束吸収装
置に吸収されることにより、磁石と磁束吸収装置との間
に新たな磁気回路が形成され、ターゲット表面を貫く電
気力線と、磁力線が直交する領域が、従来に比して多く
なる。
【0018】これにより、集中的にターゲット材料が減
って1箇所にエロージョンが生じていた従来と異なり、
複数箇所から効率良くターゲットがスパッタリングさ
れ、複数箇所にエロージョンが生じるので、従来に比し
てターゲットの減りを均一になり、ターゲットの実用寿
命を長くすることができる。
【0019】本発明のカソード電極装置において、磁束
吸収装置が筒状部及びリング部を有し、筒状部がターゲ
ット及び磁石を取り囲むように配置され、リング部がタ
ーゲットの表面側に配置された場合には、従来磁石から
放散されていた磁束が、筒状部及びリング部中に閉じ込
められ、ターゲット表面における磁束密度が従来に比し
て大きくなり、かつ均一になるので、さらに効率良くマ
グネトロン放電を発生させ、ターゲットをスパッタリン
グさせることができる。
【0020】また、本発明のスパッタリング装置では、
ターゲット及び磁石の近傍であって、磁石の生成する磁
界中に配置され、強磁性体からなる磁束吸収装置を有し
ている。このため、従来磁石から放散されていた磁束
が、磁束吸収装置に吸収されることにより、集中的にタ
ーゲット材料が減って1箇所にエロージョンが生じてい
た従来と異なり、複数箇所から効率良くターゲットがス
パッタリングされ、複数箇所にエロージョンが生じるの
で、ターゲットの実用寿命を長くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図1(a)の符号4に、本実施形態
のカソード電極装置を示す。
【0022】このカソード電極装置4は、土台10と、
ヨーク板14と、第1の磁性体と、第2の磁性体13
と、バッキングプレート17と、ターゲット11と、ア
ースシールド15と、磁束吸収装置16とを有してお
り、図2に示すようなマグネトロンスパッタ装置101
に取り付けられている。
【0023】土台10は、絶縁碍子109を介して真空
槽102の上部に取り付けられている。ヨーク板14は
鉄製であって、土台10の表面に固定されている。第
1、第2の磁性体12、13はともにSm−Co永久磁
石からなる。このうち第1の磁性体12は円筒状で、第
2の磁性体13は円柱状に形成されている。第1の磁性
体12は第2の磁性体13を取り囲み、その中心軸線は
第2の磁性体13の中心軸線とともに、ヨーク板14の
法線と同方向を向くように、ヨーク板14上に配置され
ている。
【0024】第1の磁性体12、第2の磁性体13の上
面はともに平面状にされており、第1、第2の磁性体1
2、13の上面が面一になるようにされている。また、
ここでは第1の磁性体12の内径を34mmとし、第2の
磁性体13の直径を11mmとしている。第1、第2の磁
性体12、13とヨーク板14は、冷却可能な容器(図
示せず)内に収納されている。
【0025】バッキングプレート17は金属板であり、
第1及び第2の磁性体12、13上に固定されており、
カソード電極として機能している。ターゲット11は銅
が円板状に形成され、その裏面がバッキングプレート1
7を挟んで第1、第2の磁性体12、13上に裏面が固
定され、表面が基板ホルダ103に対向するように配置
されている。ここではターゲット11の直径を60mmと
している。
【0026】アースシールド15は、円筒状の導電体の
上面に、導電体からなる円板が固定され、円板の中央に
孔が形成されることで構成されており、ヨーク板14上
に、第1、第2の磁性体12、13とターゲット11と
を取り囲むように配置されている。
【0027】磁束吸収装置16は、ともにパーマロイか
らなる円筒部16aとリング部16bとを有しており、
リング部16bは円筒部16aの上面に固定されてい
る。円筒部16aの内側面の一部はアースシールド15
の外側面に、導電体からなる固定部材18を介して固定
され、第1、第2の磁性体12、13とターゲット11
とを取り囲むように配置されている。ここでは、円筒部
16aの内径を78mm、外径を80mmとしている。
【0028】上述のカソード電極装置4を用いて、マグ
ネトロンスパッタ法で基板表面に薄膜を成膜するには、
予め排気系107で真空槽102内を真空排気し、真空
槽102内に図示しない基板を搬入して基板ホルダ10
3に保持させ、基板の表面がターゲット111と対向す
るように配置し、基板ホルダ103を接地電位にしてお
く。さらに、第1、第2の磁性体12、13を予め冷却
しておき、スパッタリングガスを導入する。
【0029】この状態でバッキングプレート17に直流
電圧を印加すると、ターゲット11の表面と基板ホルダ
103との間に電界が生じ、その電気力線60は図1
(a)に示すようにターゲット11表面を垂直に貫く。か
かる電界によって放電が生じる。
【0030】他方、第1、第2の磁性体12、13の上
面の磁極の極性は、互いに異なるようにされており、こ
の間に磁界が発生する。その磁力線50は、図1(a)に
示すように第1の磁性体12の上面から第2の磁性体1
3の上面へと向かう。
【0031】かかる磁界中に、上述の放電によって発生
した電子が閉じ込められることにより、ターゲット11
1が効率的にスパッタリングされ、基板表面にターゲッ
ト材料からなる薄膜が成膜される。特に第1の磁性体1
2と第2の磁性体13の中間の領域では電気力線60と
磁力線50が直交するので、他の領域に比して多くのタ
ーゲットが効率良くスパッタリングされる。
【0032】本実施形態では、第1の磁性体12を取り
囲むように磁束吸収装置16が配置されているので、第
1の磁性体12の表面と、その近傍の磁束吸収装置16
との間に新たな磁界が生じ、その磁力線51は図1(a)
に示すように第1の磁性体12の上面から、磁束吸収装
置16の端部へと向かう。
【0033】この新たな磁界により、ターゲット11表
面の外周部でも、電気力線60と磁力線51とが直交す
る。電気力線と磁力線とが直交する磁界(以下で直交電
磁界と称する。)の磁界強度は、ターゲット11の外周
部の方が、第1、第2の磁性体12、13間よりも強
い。本発明の発明者等が測定したところ、第1、第2の
磁性体12、13間で発生する直交電磁界の磁界強度は
400ガウス程度であるのに対し、ターゲット11の外
周部で生じた直交電磁界は1000ガウス以上になって
いた。
【0034】このように強い直交電磁界が生じることに
より、ターゲット11の表面の外周部でも、他の領域に
比して多くのターゲットがスパッタリングされる。この
ように、ターゲット11の表面では、第1、第2の磁性
体12、13の中間の領域と、外周部の領域との2箇所
において、特に他の領域に比して効率良くスパッタリン
グされ、基板表面にターゲット材料からなる薄膜が成膜
される。
【0035】長期間ターゲット11を使用すると、第
1、第2の磁性体12、13の中間の領域と、外周部の
領域との2箇所に、図1(b)に示すようなリング状のエ
ロージョン21、22がそれぞれ形成される。
【0036】こうして、合計2箇所にエロージョン2
1、22が生じるので、1箇所のエロージョン領域で集
中的にターゲットが減っていた従来に比して、ターゲッ
ト11の減りを均一にすることができ、ターゲットの使
用効率を高め、実用寿命を長くすることが可能になる。
【0037】また、本実施形態では磁束吸収装置16
は、円筒部16aとリング部16bとを有し、その中空
内部に従来放散されていた磁束を閉じ込めることができ
る。本発明の発明者等がターゲット11上部での漏洩磁
束を測定したところ、1桁以下に減少したことを確認し
た。
【0038】このように、磁束は外部にほとんど放散せ
ずに、磁束吸収装置16の中空内部に閉じ込められるこ
とにより、ターゲット11表面における磁束密度が従来
に比して大きくなり、かつ均一になるので磁束をスパッ
タリングのために有効に活用することができる。
【0039】なお、本実施形態では、第1の磁性体12
の内径を34mmとし、第2の磁性体13の直径を11mm
とし、ターゲット11の直径を60mmとし、磁束吸収装
置16の内径、外径をそれぞれ78mm、80mmとした
が、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、第
1の磁性体12の内径を8mmとし、第2の磁性体13の
直径を2mmとし、ターゲット11の直径は15mmとし、
磁束吸収装置16の内径、外径をそれぞれ20mm、22
mmとして、超小型のカソード電極装置を形成することも
できる。かかる超小型のカソード電極装置は、充分に実
用可能であることを、本発明の発明者等は確認した。
【0040】また、本実施形態では、磁束吸収装置16
の材料としてパーマロイを用いているが、本発明はこれ
に限らず、例えばNi、Co、Feの単体又は合金を用
いてもよいし、センダスト、アルニコ或いは磁性体ステ
ンレス等を用いてもよく、さらにこれらのうち二種以上
を含む構成としてもよい。
【0041】材料として永久磁石を用いてもよいが、加
工が容易で小規模の磁束吸収装置を製造できる点や、タ
ーゲット周辺への漏洩磁束が少なく、放電をターゲット
表面に集中させることができるという点などで、パーマ
ロイ等の強磁性体を用いることが好ましい。
【0042】さらに、本実施形態では、第2の磁性体1
3としてSm−Co永久磁石を用いたが、本発明はこれ
に限らず、例えば第2の磁性体13として、ヨーク板1
4と同じ材料を用いてもよい。
【0043】また、本実施形態では、磁束吸収装置16
が円筒部16aとリング部16bとを両方有するような
構成にしているが、このうちいずれか一方を有する構成
にしてもよい。
【0044】さらに、本実施形態では、アースシールド
15の周囲に磁束吸収装置16を設けているが、磁束吸
収装置16を接地することが可能であれば、必ずしもア
ースシールド15を設ける必要はない。
【0045】また、本実施形態では、板状のターゲット
11を用いているが、本発明のターゲットの形状はこれ
にかぎられるものではない。さらに本実施形態では、第
1、第2の磁性体12、13の上下面をともに平面状に
しているが、本発明はこれに限らず、例えばターゲット
11の裏面に接する側の面を曲面状又は傾斜面状に形成
してもよい。このように構成すると、電気力線と磁力線
とが直交する領域をさらに増加させることができるの
で、より効率よくターゲットを使用することができる。
【0046】さらに、磁性体12、13のそれぞれの磁
束密度を変えることにより、ターゲットのエロージョン
の均一性をさらに改善することができる。また、エロー
ジョン領域が、ターゲットの外周部に広がるため、薄膜
形成するための基板を、ターゲットの外周部側面に配置
する、いわゆるオフ・アクシススパッタにも本発明のカ
ソード電極装置は、有効である。
【0047】すなわち、通常広く用いられている、基板
をターゲット面の対向位置に配置する、いわゆるオン・
アクシススパッタでは、薄膜形成中にスパッタ放電中の
高速粒子により、基板表面やスパッタ薄膜が照射損傷を
受ける事がある。例えば磁性体フェライト基板にガラス
薄膜をスパッタ蒸着する時に、しばしば観測される。こ
のような、高速粒子による照射損傷を抑えるため、基板
の対向位置を避け、オフ・アクシスの位置に配置する
が、ターゲット外周部のスパッタ放電が弱い時、薄膜形
成速度が遅いという欠点があった。本発明のカソード電
極装置は、これらの欠点を除去し、薄膜形成速度が速
い、実用的なオフ・アクシススパッタにも有効であるこ
とを、本発明者は確認した。
【0048】
【発明の効果】ターゲットの使用効率を高め、実用寿命
を長くすることができる。また、同じターゲットの使用
面積で考えると、ターゲットの小型化も可能である。ま
た、オフ・アクシススパッタにも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の一実施形態のカソード電極装置
を説明する断面図 (b):本発明の一実施形態のターゲットを説明する平面
【図2】マグネトロンスパッタ装置の構造を説明する断
面図
【図3】(a):従来のカソード電極装置の構成を説明す
る断面図 (b):従来のターゲットと磁石との配置関係を説明する
平面図
【図4】(a):従来のカソード電極装置の磁界と電界と
の関係を説明する断面図 (b):従来のターゲットに生じるエロージョンを説明す
る平面図
【符号の説明】
11……ターゲット 12……第1の磁性体(磁石)
13……第2の磁性体(磁石) 14……ヨーク板
15……アースシールド 16……磁束吸収装置 1
6a…円筒部(筒状部) 16b…リング部 17…
…バッキングプレート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ターゲットと、 前記ターゲットの裏面に配置された磁石とを有するカソ
    ード電極装置であって、 前記ターゲット及び前記磁石の近傍であって、前記磁石
    の生成する磁界中に、強磁性体で構成された磁束吸収装
    置が配置されたことを特徴とするカソード電極装置。
  2. 【請求項2】前記磁束吸収装置は、Ni、Co、Feの
    単体又は合金、若しくはパーマロイ、センダスト、アル
    ニコ、磁性体ステンレスのいずれか一種又は二種以上か
    ら構成されることを特徴とする請求項1記載のカソード
    電極装置。
  3. 【請求項3】前記磁束吸収装置は、筒状部を有し、 前記筒状部は、前記ターゲット及び前記磁石を取り囲む
    ように配置されたことを特徴とする請求項2記載のカソ
    ード電極装置。
  4. 【請求項4】前記磁束吸収装置は、リング部を有し、 前記リング部は、前記ターゲットの表面側に配置された
    ことを特徴とする請求項2記載のカソード電極装置。
  5. 【請求項5】ターゲットと、 前記ターゲットの裏面に配置された磁石とを有するカソ
    ード電極装置と、 前記ターゲット及び前記磁石の近傍であって、前記磁石
    の生成する磁界中に配置され、強磁性体で構成された磁
    束吸収装置とを有することを特徴とするスパッタリング
    装置。
JP15589399A 1999-06-03 1999-06-03 カソード電極装置及びスパッタリング装置 Expired - Fee Related JP4489868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15589399A JP4489868B2 (ja) 1999-06-03 1999-06-03 カソード電極装置及びスパッタリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15589399A JP4489868B2 (ja) 1999-06-03 1999-06-03 カソード電極装置及びスパッタリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000345337A true JP2000345337A (ja) 2000-12-12
JP4489868B2 JP4489868B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=15615815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15589399A Expired - Fee Related JP4489868B2 (ja) 1999-06-03 1999-06-03 カソード電極装置及びスパッタリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4489868B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020069603A (ko) * 2001-02-27 2002-09-05 임조섭 마그네트론 스퍼터링 장치용 스퍼터링 타겟
KR100846484B1 (ko) * 2002-03-14 2008-07-17 삼성전자주식회사 Rmim 전극 및 그 제조방법 및 이를 채용하는 스퍼터링장치
KR100988148B1 (ko) 2008-08-07 2010-10-18 주식회사 동부하이텍 물리 기상 증착 장치
JP2020186426A (ja) * 2019-05-13 2020-11-19 株式会社アルバック スパッタ成膜装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6013069A (ja) * 1983-07-01 1985-01-23 Sanyo Electric Co Ltd 薄膜形成方法
JPS61161704A (ja) * 1985-01-11 1986-07-22 Hitachi Ltd 単軸磁気異方性膜の製造方法
JPS6468473A (en) * 1987-09-09 1989-03-14 Fujitsu Ltd Magnetron sputtering device
JPH03232966A (ja) * 1990-02-07 1991-10-16 Fujitsu Ltd スパッタリング装置
JPH06192833A (ja) * 1992-12-25 1994-07-12 Anelva Corp スパッタリング装置
JPH07147200A (ja) * 1993-11-11 1995-06-06 Alps Electric Co Ltd 高周波マグネトロンプラズマ装置
JPH09272973A (ja) * 1996-04-04 1997-10-21 Anelva Corp 低圧力放電スパッタ装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6013069A (ja) * 1983-07-01 1985-01-23 Sanyo Electric Co Ltd 薄膜形成方法
JPS61161704A (ja) * 1985-01-11 1986-07-22 Hitachi Ltd 単軸磁気異方性膜の製造方法
JPS6468473A (en) * 1987-09-09 1989-03-14 Fujitsu Ltd Magnetron sputtering device
JPH03232966A (ja) * 1990-02-07 1991-10-16 Fujitsu Ltd スパッタリング装置
JPH06192833A (ja) * 1992-12-25 1994-07-12 Anelva Corp スパッタリング装置
JPH07147200A (ja) * 1993-11-11 1995-06-06 Alps Electric Co Ltd 高周波マグネトロンプラズマ装置
JPH09272973A (ja) * 1996-04-04 1997-10-21 Anelva Corp 低圧力放電スパッタ装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020069603A (ko) * 2001-02-27 2002-09-05 임조섭 마그네트론 스퍼터링 장치용 스퍼터링 타겟
KR100846484B1 (ko) * 2002-03-14 2008-07-17 삼성전자주식회사 Rmim 전극 및 그 제조방법 및 이를 채용하는 스퍼터링장치
KR100988148B1 (ko) 2008-08-07 2010-10-18 주식회사 동부하이텍 물리 기상 증착 장치
JP2020186426A (ja) * 2019-05-13 2020-11-19 株式会社アルバック スパッタ成膜装置
JP7263111B2 (ja) 2019-05-13 2023-04-24 株式会社アルバック スパッタ成膜装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4489868B2 (ja) 2010-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3655334B2 (ja) マグネトロンスパッタリング装置
JP4526582B2 (ja) スパッタリング装置およびスパッタリング方法
JP3798039B2 (ja) スパッタ装置のマグネトロンカソード電極
US5085755A (en) Sputtering apparatus for forming thin films
JP4489868B2 (ja) カソード電極装置及びスパッタリング装置
JP3411312B2 (ja) マグネトロン・スパッタカソードおよび膜厚分布の調整方法
JP3646968B2 (ja) マグネトロンプラズマ用磁場発生装置
JPS61288067A (ja) スパツタ装置
JP4056112B2 (ja) マグネトロンスパッタ装置
JP4056132B2 (ja) マグネトロンスパッタ方法及び装置
JPH07157874A (ja) マグネトロンスパッタリング装置
JP2789252B2 (ja) ダイポールリング型磁気回路を用いたスパッタ装置
JPH0313575A (ja) 対向ターゲツトスパツタ装置
JP3100242B2 (ja) プラズマ処理装置
JP2580149B2 (ja) スパツタ装置
JPH0625845A (ja) スパッタリング装置
JP2952147B2 (ja) マグネトロンプラズマ用磁場発生装置
JP3957844B2 (ja) マグネトロンプラズマ用磁場発生装置
JPH0445267A (ja) スパッタリング装置
JP2514830Y2 (ja) マグネトロンスパッタ装置
JPH02273323A (ja) 強磁性体のスパツタリング装置
JP2000144413A (ja) 基板を薄膜で被覆するための装置
JPH08100257A (ja) マグネトロンスパッタリング装置及び方法
JP3211915B2 (ja) マグネトロンスパッタリングカソード
JP2020029577A (ja) スパッタリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060626

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4489868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160409

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees