JP3655334B2 - マグネトロンスパッタリング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設したマグネトロンスパッタリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板に薄膜を堆積させる技術として、マグネトロンスパッタリング技術が用いられている。マグネトロンスパッタリング技術は低温高速スパッタが可能であり、スパッタリング技術を用いる成膜装置の主流となっている。マグネトロンスパッタリング技術は、放電などによりターゲット付近にプラズマを発生させ、このプラズマのイオンをターゲットに衝突させることにより粒子をスパッタさせ、スパッタした粒子を基板に付着させる方法で薄膜を形成する。
【0003】
従来例のマグネトロンスパッタリング装置を、図8〜図10を参照して説明する。図8に従来用いられているリング状の平板ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング装置のカソード部の構成を示す。41は中心軸で、カソード部はこの中心軸に対して回転対称形をしている。42はリング状の平板ターゲット、43はターゲット裏面に配置された磁石、44は磁石43により形成される磁場である。
【0004】
このような構成のカソード部を真空処理室内に基板とターゲット表面が対向するように配置し、スパッタガス導入後、ターゲット42にグロー放電用の高圧電源より電力を供給すると、磁力線で閉じ込められたスパッタ用の高密度プラズマが発生する。このプラズマ中のイオンがターゲット42の表面にぶつかると、ターゲット42の原子がスパッタされ、基板の向かい合った表面に付着し、薄膜が形成される。この時のプラズマは領域45で高くなっている。ターゲット42はこのプラズマにより侵食され、プラズマ密度が高い領域45付近ではターゲット42の侵食速度が速くなり、特に領域45の磁力線方向の端部46の付近でターゲット42の侵食速度が局所的に速くなる。
【0005】
図9にターゲット42を利用限界まで使用した時の侵食形状を中心軸41を含む断面で示す。但し、中心軸41に対して対称な部分は省略している。図9において、47はスパッタ前のターゲット42の形状、48はスパッタされた部分、49はスパッタされずに残った部分である。図9に見られるように、F点の付近が著しく侵食され、V字状の侵食面が生じる。このような形状の侵食が生じると、ターゲット42の体積利用効率、すなわちスパッタ前のターゲットの体積に占めるターゲットの利用限界まで利用した時のスパッタされた体積の割合は20%程度であり、その上その20%の10%程度しか基板には付着せず、高価なターゲット42を十分に利用できないという問題があった。また、この形状の侵食が生じた場合には成膜速度や膜厚の均一性に経時変化をもたらすという技術上の問題も生じていた。
【0006】
そこで、これらの問題を解決するために、特開平5−209266号公報及び特開平5−179440号公報に記載のような技術が考案されている。特開平5−209266号公報に記載のマグネトロンスパッタリング用カソードは、図8に示す従来例と同様に、ターゲットの裏面側に磁石を配置するとともに、ターゲットの外周と内周に強磁性体を配置することで、磁束がターゲット表面を越えて延びるような構成とされており、プラズマ密度が平準化され、ターゲットの侵食もより平準化される。図10にこの構成によるターゲットの利用限界時の侵食の様子を示す。図9と同様に、47はスパッタ前のターゲット形状、48はスパッタされた部分、49はスパッタされずに残った部分である。図10によると、図9の場合に比較して侵食がより均一に進行していることがわかる。しかし、G点付近で侵食速度が速くなっている。また、この時のターゲットの体積利用効率は約40%程度であるが、その10%程度しか基板に付着しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のターゲット42の裏面に磁石43を配置する方法では、図9に示すようにV字状の侵食面を形成するため、ターゲット42の厚さが局所的に薄くなり、その厚さが所定値以下に達した時がターゲット42の利用限界となり、それ以上ターゲット42を利用できない。しかし、ターゲット42には、まだ薄膜を形成させる材料が十分に存在するので、高価なターゲット42を十分に利用できないという問題がある。また、侵食が局所的に速く進行していくと、スパッタ粒子の分布が経時変化し、侵食の初期段階で基板に生成される膜の膜厚は均一でも、侵食の終了段階では膜厚が不均一になるという問題がある。さらに、膜厚均一性を得るために、基板とターゲットとの距離を70mm以上にしなければならず、そのためターゲットから飛散してきた粒子の10%程度しか基板に付着しないという問題もある。
【0008】
また、上記特開平5−209266号公報に記載の技術でも、図10に示すように、まだG点付近で局所的な侵食が発生しており、ターゲットの利用効率が低く、基板に付着する粒子の確率も低く、膜厚均一性や成膜速度等の経時変化を発生させるという問題がある。
【0009】
上記従来例における膜厚の経時変化について図11を参照して説明する。図11は内径40mm、外径120mmの基板に形成される膜厚分布の経時変化を積算電力で示した図である。縦軸は基板の内周縁の膜厚を1としたときの相対的な膜厚であり、横軸は中心点からの距離を示す。この図に見られるように、従来例では膜厚の分布が時間とともに大幅に変化するという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、局所的な侵食が発生しないマグネトロンスパッタリング装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のマグネトロンスパッタリング装置は、径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸の回りに配設し、各ターゲットにおいて、その内周縁部に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を、外周縁部に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を、内周側と外周側で逆極性になるように配設したことを特徴とする。
【0012】
また、径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設したマグネトロンスパッタリング装置において、第1の平板ターゲットの内周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設するとともにこの第1の平板ターゲットの外周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設し、かつ第1の平板ターゲットの内周に沿って配設された磁石と外周に沿って配設された磁石の極性を第1のターゲットを挟んで逆の関係にし、第2の平板ターゲットについても、その内周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設するとともにこの第2の平板ターゲットの外周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設し、かつ第2の平板ターゲットの内周に沿って配設された磁石と外周に沿って配設された磁石の極性を第2のターゲットを挟んで逆の関係にし、第3のターゲット以下についても同様に構成したことを特徴とする。
【0013】
好適には、内側の平板ターゲットの外周縁に沿って配設した磁石と外側の平板ターゲットの内周縁に沿って配設した磁石を共通の磁石にて構成され、またターゲットの表面で磁場の方向がターゲット面に平行になる点がターゲットの半径方向に2以上存在するように各磁石の強さが調整される。
【0014】
【作用】
本発明によれば、径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設し、各ターゲットにおいて、その内周縁部に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を、外周縁部に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を、内周側と外周側で逆極性になるように配設したことにより、径方向に並列した複数のリング状のターゲット面においてそれぞれ平行に近くかつ均等に近い強さを持つ磁場を形成することができる。図2にターゲット断面付近の磁力線の様子をコンピュータシミュレーションにて確認した結果を示す。図2に示すように、各ターゲット表面で各ターゲット面に平行に近い磁場が形成されており、磁場の強さ、すなわち磁力線の間隔にも大きなばらつきがない。
【0015】
このようにターゲット全面にわたってターゲット面に平行に磁場が形成されることにより各ターゲットの侵食は均一に進行する。すなわち、ターゲットの侵食速度はプラズマ密度に依存するが、磁場がターゲット面に平行に形成されることによりプラズマ密度が均等に分布し、侵食が均一に行なわれる。また、マグネトロンスパッタリングはイオンの速度ベクトルと磁場のベクトルの外積による電磁力により粒子が回転運動し、粒子がターゲットに衝突する機会が増大することに特徴があり、イオンがターゲットに衝突する機会はイオンの回転周期に依存し、回転周期が短い程、すなわち磁場が強くイオンの運動する速さが速いほどターゲットに衝突する機会が増える。通常、電場はターゲット面に垂直に形成されるので、磁場をターゲット面に平行に形成することによって磁場とイオンを運動させる電場とが垂直になり、イオンの速度ベクトルと磁場のベクトルの外積が最大になるとともに均等になり、イオンの回転周期が短くかつ均一となってターゲットの侵食が効率的にかつ均一に行なわれる。
【0016】
このようにターゲットの侵食が均等に行なわれることにより、基板に形成される薄膜の膜厚が均一になるとともにその経時変化も少なくできる。すなわち、粒子がスパッタされる方向はターゲット表面の向きに依存するので、侵食によりターゲット面と基板面が成す角度が経時変化すると基板面に形成される薄膜の膜厚も経時変化する。侵食の初期段階ではターゲットが平面であり、基板面に平行に配置されるので基板面に形成される薄膜の膜厚はほぼ一定であるが、侵食の進行に伴ってターゲット表面が曲面になってくると基板面に形成される薄膜の膜厚が不均一になる。したがって、上記のようにターゲットの侵食が進んでも侵食前のターゲット面と平行な平面に近い侵食面が持たれることによって基板に形成される薄膜の膜厚が均一に保たれる。
【0017】
また、局所的に侵食の速い所があると、ターゲットはその侵食の速い部分の膜厚が所定以下になったときにターゲットが利用できなくなるが、ターゲットが均一に侵食されることにより、ターゲットの利用効率を高めることができ、ランニングコストを低廉化できる。
【0018】
また、径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設しているので、各々異なる電力を投入することにより、ターゲットと基板間の距離を縮めても膜厚均一性を良好にすることができ、ターゲットから飛散した粒子を効率的に基板に付着させるとともに膜厚均一性を確保することができる。
【0019】
また、内側の平板ターゲットの外周縁に沿って配設した磁石と外側の平板ターゲットの内周縁に沿って配設した磁石を共通の磁石にて構成すると、磁石を少なくできるとともに磁石を配置するためのデッドスペースを小さくできる。
【0020】
さらに、磁場がターゲット面に平行になる点を半径方向に2点以上有するように磁石の強度を調整すると、磁場の向きがターゲット面に対してより平行になるので、より効果を高めることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の一実施例のマグネトロンスパッタリング装置について、図1〜図7を参照して説明する。
【0022】
本実施例は、内径36mm、外径64mm、厚さ6mmと、内径110mm、外径142mm、厚さ6mmの2つのリング状の平板ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング装置の例を示す。
【0023】
図1に本実施例のマグネトロンスパッタリング装置のカソード部の断面図を示す。このカソード部は中心軸1に対して回転対称形であり、小径のターゲット2は内周電極4と中間周電極5間に配設され、大径のターゲット3は中間周電極5と外周電極6間に配設されている。7はカソード部を支持するヨークであり、強磁性体のSS41合金を材料とし、厚さ15mmの底板の外周に内径198mm、厚さ9mm、高さ84mmの側板が一体的に設けられるとともに、軸芯部に直径10mm、高さ87.5mmの円柱状の突起が設けられ、径方向中間位置に外径104mm、内径84mm、高さ62mmの円筒状の突起が設けられている。
【0024】
ターゲット2、3の裏面にはそれぞれ裏面部材8、10が接しており、ターゲット2、3の裏面との間の隙間9、11に冷却水を流すことによりターゲット2、3を冷却している。なお、冷却水の導入排出手段は図示を省略している。
【0025】
ターゲット2及び裏面部材8は絶縁物12、13により内周電極4と中間周電極5から絶縁され、ターゲット3及び裏面部材10は絶縁物14、15により中間周電極5と外周電極6から絶縁されている。さらに、外周電極6は絶縁物16によってチャンバー20から絶縁されている。ターゲット2、3に負電位を印加する手段は図示を省略している。
【0026】
内周電極4の内部には、残留磁束密度12.1Kガウスで保持力11.6Kエルステッドの材料から成る内径10mm、厚さ5mm、高さ10mmのリング状の1対の永久磁石21、22が配置され、一方の永久磁石21がターゲット2の裏面側に、他方の永久磁石22がターゲット2の表面側に位置し、共に外周側がN極になっている。
【0027】
中間周電極5の内部には、内周電極4の磁石21、22と同じ材質からなる外径104mm、内径84mm、厚さ5mmのリング状の1対の永久磁石23、24が配置され、一方の永久磁石23がターゲット2、3の裏面側に、他方の永久磁石24がターゲット2、3の表面側に位置し、これら磁石23、24が非磁性体17を介してS極が対向している。
【0028】
外周電極6の内部には、内周電極4の磁石21、22と同じ材質からなる内径176mm、厚さ9mm、高さ5mmのリング状の1対の永久磁石25、26が配置され、一方の永久磁石25がターゲット3の裏面側に、他方の永久磁石26がターゲット3の表面側に位置し、共に内周がN極になっている。
【0029】
上記のように永久磁石21〜26の磁石の強さと磁石のリング形状と磁石間の距離とヨーク形状を選定したことにより、ターゲット2、3の表面上で磁力線の方向がターゲット表面に平行になる点が半径方向に2点存在するように構成することができた。図2は、図1の実施例の磁石配置における磁力線を中心軸1を通る平面上で描いたものである。但し、磁力線は中心軸に対して対称に形成されるので片側は図示を省略する。この図において、A−A’近傍にターゲット表面が位置するようにターゲット2、3を配置すると、B点とC点付近及びD点とE点付近で磁力線がターゲット表面に平行になる点が存在する。
【0030】
以上の構成のカソード部は、マグネトロンスパッタリング装置内で以下のように動作する。
【0031】
上記構成のカソード部をそのターゲット表面が基板に対して35mmの距離で対向するとともに中心軸が一致するように真空処理室内に設置する。基板は内径40mm、外径120mmである。真空処理室内にスパッタガス導入後、ターゲット2、3にグロー放電用の高圧電源より電力を供給すると、磁力線にて閉じ込められたスパッタ用の高密度プラズマが発生する。このプラズマ中のイオンがターゲット2、3の表面にぶつかると、ターゲット2、3の原子がスパッタされ、基板の向かい合った表面に付着し、薄膜が形成される。
【0032】
図3は、ターゲット2、3を利用限界まで使用したときの侵食形状を中心軸1を含む断面で描いたものである。但し、中心軸1に対して対称な部分は図示を省略している。31はスパッタ前のターゲットの形、32はスパッタされた部分、33はスパッタされずに残った部分である。この時、ターゲットの体積利用効率は58%で、従来の40%に比べて大幅に改善されている。
【0033】
図4はターゲット2、3を利用限界まで使用した時の侵食形状の経時変化、具体的には積算電力による変化を示したものである。横軸は中心軸1からの距離、縦軸は侵食の深さであり、各曲線はそれぞれの積算電力がかけられた時の侵食面の様子を示している。この図に見られるように、成膜初期からターゲットの利用限界までターゲットの全面において侵食されており、侵食形状がほとんど変化していないことが分かる。また、この図に見られるように、本実施例によると局所的に侵食が速く進行する箇所がないので、ターゲットの利用効率も上昇することがわかる。
【0034】
図5は侵食深さの最大値と積算電力の関係、すなわち侵食深さの最大値の経時変化の様子を示したものである。この図に見られるように、侵食の深さはほぼ一定であり、単位時間にターゲットからスパッタされる粒子の個数が殆ど経時変化していないことが分かる。
【0035】
図6はターゲット2、3の利用限界まで使用した時の膜厚速度と積算電力との関係、すなわち成膜速度の経時変化を示した図である。この図では基板の中心点の成膜速度を見ている。この図から成膜速度の変化率は5%で、従来の変化率が20%であったのに比べて大幅に改善されている。
【0036】
図7はターゲット2、3を利用限界まで使用した時の膜厚分布の経時変化を積算電力で示している。縦軸は基板の内周縁の膜厚を1としたときの相対的な膜厚である。この図から見られるように、成膜の様子は基板全面にわたって殆ど経時変化していないことが分かる。さらに、膜厚分布もターゲットの利用始めから終わりまで2%以内で均一に分布していることが分かる。従来例の膜厚分布を示す図である図11と比べると、ターゲットの侵食に伴う膜厚分布の不均一性の問題は大幅に改善され、安定して成膜されていることが分かる。
【0037】
【発明の効果】
本発明のマグネトロンスパッタリング装置によれば、以上の説明から明らかなように、径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設し、かつ磁石の所定の配置により各ターゲットのターゲット表面においてそれぞれ平行に近くかつ均等に近い強さを持つ磁場を形成するようにしているので、各ターゲット上でプラズマが均等に分布し、イオンの回転周期も均一となって各ターゲットの侵食が均一に進行し、従ってターゲットの利用限界まで使用しても安定した均一な薄膜を基板に生成することができ、また高価なターゲットの利用効率が向上し、ランニングコストの低廉化を図ることができる。
【0038】
また、内側の平板ターゲットの外周縁に沿って配設した磁石と外側の平板ターゲットの内周縁に沿って配設した磁石を共通の磁石にて構成すると、磁石を少なくできるとともに磁石を配置するためのデッドスペースを小さくできる。
【0039】
また、磁場がターゲット面に平行になる点を半径方向に2点以上有するように磁石の強度を調整すると、磁場の向きがターゲット面に対してより平行になるので、より効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のマグネトロンスパッタリング装置のカソード部の断面図である。
【図2】同実施例における磁場の様子を示す図である。
【図3】同実施例のターゲットの利用限界における侵食面を示す断面図である。
【図4】同実施例のターゲットの侵食面の経時変化を示す図である。
【図5】同実施例のターゲットの侵食深さの経時変化を示す図である。
【図6】同実施例の基板の成膜速度の経時変化を示す図である。
【図7】同実施例の基板の膜厚分布の経時変化を示す図である。
【図8】従来例のマグネトロンスパッタリング装置のカソード部の断面図である。
【図9】従来例のターゲットの利用限界における侵食面を示す断面図である。
【図10】他の従来例のターゲットの利用限界における侵食面を示す断面図である。
【図11】従来例の基板の膜厚分布の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1 中心軸
2 ターゲット
3 ターゲット
21 内周裏面に配置された磁石
22 内周表面に配置された磁石
23 中間周裏面に配置された磁石
24 中間周表面に配置された磁石
25 外周裏面に配置された磁石
26 外周表面に配置された磁石
Claims (4)
- 径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設し、各ターゲットにおいて、その内周縁部に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を、外周縁部に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を、内周側と外周側で逆極性になるように配設したことを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
- 径の異なる複数のリング状の平板ターゲットを同一中心軸回りに配設したマグネトロンスパッタリング装置において、第1の平板ターゲットの内周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設するとともにこの第1の平板ターゲットの外周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設し、かつ第1の平板ターゲットの内周に沿って配設された磁石と外周に沿って配設された磁石の極性を第1のターゲットを挟んで逆の関係にし、第2の平板ターゲットについても、その内周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設するとともにこの第2の平板ターゲットの外周縁に沿った位置の表面側と裏面側にそれぞれ同じ極性と同じ形状を有する磁石を配設し、かつ第2の平板ターゲットの内周に沿って配設された磁石と外周に沿って配設された磁石の極性を第2のターゲットを挟んで逆の関係にし、第3のターゲット以下についても同様に構成したことを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
- 内側の平板ターゲットの外周縁に沿って配設した磁石と外側の平板ターゲットの内周縁に沿って配設した磁石を共通の磁石にて構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のマグネトロンスパッタリング装置。
- 各ターゲットの表面で磁場の方向がターゲット面に平行になる点がターゲットの半径方向に2以上存在するように各磁石の強さを調整したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のマグネトロンスパッタリング装置。
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