JP2000344877A - 耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエステル - Google Patents

耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエステル

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JP2000344877A
JP2000344877A JP2000073724A JP2000073724A JP2000344877A JP 2000344877 A JP2000344877 A JP 2000344877A JP 2000073724 A JP2000073724 A JP 2000073724A JP 2000073724 A JP2000073724 A JP 2000073724A JP 2000344877 A JP2000344877 A JP 2000344877A
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acid
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carbon atoms
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Toshiro Ariga
利郎 有賀
Nagaro Ariga
長郎 有賀
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、優れた耐
ブリードアウト性を有して保存安定性に優れると共に、
十分な生分解性を有し、且つ包装材料等に重要な透明性
や成型加工に適する柔軟性を有する乳酸系共重合ポリエ
ステル及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 炭素数20〜45のジオール(A1)成
分、炭素数20〜45のジカルボン酸(B1)、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸成分(B2)から成る群
から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、ジオール成
分とジカルボン酸成分とから成るポリエステル成分
(I)と、乳酸成分(II)とから成り、ポリエステル成
分(I)と乳酸成分(II)との重量比が、2/98〜8
0/20である、耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共
重合ポリエステル及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた透明性、耐ブ
リードアウト性を有し、ブロー成形、押出成形、射出成
形、インフレーション成形、積層成形、プレス成形、押
出発泡成形等の種々の成型方法での加工が可能な、生分
解性を有する乳酸系共重合ポリエステル、及びその製造
方法に関する。
【0002】本発明の乳酸系共重合ポリエステルは、成
形用樹脂、シート・フィルム等の包装用材料、塗料用樹
脂、インキ用樹脂、接着剤樹脂、紙へのラミネーショ
ン、発泡樹脂材料等の広い分野で有用である。
【0003】とりわけ、包装材料用のシートとしては、
例えば、トレー、カップ、皿、ブリスター、PTP等、
フィルムとしては、ラップフィルム、食品包装袋、その
他一般包装袋、ゴミ袋、レジ袋、一般規格袋、重袋等の
袋類等に有用である。
【0004】
【従来の技術】近年、石油化学工業の発達により、プラ
スチック製品の出荷量は飛躍的な伸びを示し、それに伴
って廃棄される製品の量も増大した。更に、ここ数年プ
ラスチック廃棄物は大きな環境問題にまで発展してい
る。
【0005】これら廃棄物の焼却処理では、ダイオキシ
ン等の有毒ガスの発生や、二酸化炭素の大量発生に伴う
地球温暖化が懸念されており、一方、埋め立て処理にお
いても有毒物質の流出、地下水汚染、プラスチックの非
分解性故に処分場の不足等の問題が表面化している。
【0006】これらゴミ問題の他に、プラスチック自身
の安全性が問われ始めている。船底塗料であるとテトラ
アルキルスズが貝類の生殖に影響を及ぼすことが明らか
になってから、内分泌撹乱物質の研究が注目を集め始
め、プラスチック原料、添加剤及びプラスチックそのも
のにまで疑いの目が向けられるようになった。
【0007】ポリカーボネートやエポキシ樹脂の原料で
あるビスフェノールAが人体内で擬似的な女性ホルモン
の働きを示し、内分泌撹乱物質となる研究結果が公表さ
れ反響を呼んでいる。更に、プラスチックの可塑剤とし
て広く使われているフタル酸ジエステルや、ポリスチレ
ンに含まれているポリスチレンダイマー、トリマーまで
が内分泌撹乱物質としての疑いが持たれている。このよ
うに、従来のプラスチックは、その利便性よりも、危険
性がよりクローズアップされて来ている。
【0008】一方、プラスチックのゴミ問題を解決する
一手段として生分解性プラスチックの研究開発が約10
年前より世界各国で行われている。しかし、当初予想さ
れたほど、生分解性プラスチックの普及が順調に進んで
いるとは言い難い。これは、生分解性プラスチックを処
理する為に、ゴミの分別回収システムやコンポスト処理
施設の整備が必要な他に、性能、コスト面で汎用プラス
チックに劣ることが大きな原因であると思われる。
【0009】特に、生分解プラスチックの主要用途と考
えられる包装材料分野では、ポリエチレンと同程度の透
明性と柔軟性とを有する生分解性プラスチックが市販さ
れておらず、市場の要求に応えられないことも一つの要
因と考えられる。
【0010】透明性を有する生分解性プラスチックは少
なく、ポリ乳酸と酢酸セルロースとが工業化されている
のみである。酢酸セルロースは成形加工性に難がある
上、可塑剤を用いないと非常に硬く、可塑剤のブリード
アウトの問題がある。またポリ乳酸は、高い透明性を有
し、成形加工が容易である反面、耐衝撃性や柔軟性が乏
しい欠点がある。
【0011】これらの欠点を改善するために、可塑剤を
ブレンドする手法や、共重合化することで柔軟性を付与
する方法が検討されてきた。しかしながら、ポリ乳酸と
相溶性のよい低分子系可塑剤は少なく、例えば、特開平
8−027296号公報ではアセチルクエン酸トリエチ
ルを可塑剤として用いている。その他、クエン酸エステ
ル系可塑剤や乳酸エステル系可塑剤が比較的多く用いら
れているが、可塑剤量が多くなるとブリードアウト問題
が発生する上、透明性の低下、耐熱温度の低下など多く
の問題が生じる。
【0012】高分子系可塑剤では、ポリカプロラクトン
などのポリエステル類や、ポリエーテル類が用いられる
ことが多い。特開平8−199052号公報では、ポリ
エーテル類をポリ乳酸の可塑剤として用いており、特開
平−283557号公報では、脂肪族ジカルボン酸と脂
肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステルを可塑剤とし
て、ポリ乳酸を主体とするポリマーの軟質化を図ってい
る。
【0013】しかし、いずれの場合も、ポリ乳酸の衝撃
強度を若干改善する量しか添加できず、大幅な軟質化を
図ろうとすると、上記の低分子可塑剤の場合と同様に耐
熱温度の低下とブリードアウトを生じる。
【0014】共重合法では、例えば、特開平6−314
5661号公報ではラクトン類を予め重合し、そのホモ
ポリマーとの共重合によってポリ乳酸の軟質化を図って
いるが、得られたコポリマーは、いずれも融点及びガラ
ス転移温度が低く、結晶化により不透明化する問題点が
あった。
【0015】米国特許5202413号公報には、数平
均分子量3,400のポリエチレンアジペート又は数平
均分子量2,000のポリカプロラクトンとラクタイド
を共重合してポリラクタイドを軟質化する記載がある。
しかし、これらの脂肪族ポリエステル含量が全体の15
〜30重量部以上になると、乳酸系コポリマーの透明性
が低下する問題点があり、逆に透明性を持たせるために
ポリエステル含量を低下させると、コポリマーの柔軟性
が低くなり、フィルムやシートなど引張伸びや衝撃強度
が要求される成形品には不向きとなる。
【0016】また、特開平1−108226号公報に
は、ポリ乳酸の軟質化を図るために生分解性を有するポ
リエーテルポリオールとラクタイドとを共重合したブロ
ック共重合体の製造方法、共重合体フィルム、共重合体
繊維について記載されている。
【0017】しかしながら、これらの方法では、ポリオ
ールの共重合量を多くすれば、より軟質化されるもの
の、分子量が極端に低くなる。生成する乳酸系共重合ポ
リエステルの重量平均分子量が1万〜5万と低いため、
十分な強度のポリマーが得られず、成形性が悪いという
問題点があった。
【0018】これは、分子量の低いポリエーテルは単位
重量あたりの末端水酸基が多いため、ポリ乳酸重合活性
末端が連鎖移動しやすくなり、単位重量あたりの分子鎖
数が増えるためと考えられる。これまでの重合技術では
重量平均分子量で7〜10万といった超高分子量のポリ
エーテルを得ることはできないため、この共重合方法で
は十分な強度のポリ乳酸共重合体を得ることはできな
い。
【0019】特開平6−306111号公報では、高分
子量の脂肪族ポリエステルの存在下にラクタイドの開環
重合を行うことによって脂肪族ポリエステルブロックを
有する乳酸コポリマーを得ている。このコポリマーは、
脂肪族ポリエステルの導入によって軟質化され、ポリ乳
酸の脆さを解消し、高い透明性も実現している。更に、
その添加量と成分によってはポリ乳酸の耐熱性を殆ど損
なわずにフィルム、シートへの加工に適する軟質化され
た材料の提供が可能である。
【0020】しかしながら、脂肪族ポリエステルとポリ
乳酸は、相溶性が低いものが多く、長期間、高温多湿の
条件下で保存すると、脂肪族ポリエステル成分や環状オ
リゴマー又はポリエステル成分を多く含んだコポリマー
が成形物の表面にブリードアウトする問題点があった。
このようなブリードアウト現象は、製品の保存時や流通
時のべとつき、ブロッキング、不透明化などの問題につ
ながる。
【0021】更に本発明者らは、ポリエチレンセバケー
トを主体とした脂肪族ポリエステルブロックを有する乳
酸系共重合ポリエステルが、加水分解に伴うブリードア
ウト現象が非常に遅いことを見出し、特開平10−18
1367号公報に報告した。これらは耐ブリードアウト
性には優れるものの、それらの脂肪族ポリエステルが結
晶性である為、得られる乳酸系共重合ポリエステルの柔
軟性が低くなる問題点があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、優れた耐ブリードアウト性を有して保存安
定性に優れると共に、十分な生分解性を有し、且つ包装
材料等に重要な透明性や成型加工に適する柔軟性を有す
る乳酸系共重合ポリエステル及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは課題を解決
する為に鋭意研究を行った結果、特定のジオール成分と
ジカルボン酸成分、即ち、炭素数20〜45のジオール
成分と炭素数20〜45のジカルボン酸成分及び/又は
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分から成る脂肪
族ポリエステルとラクタイドとを重合触媒の存在下に共
重合させた乳酸系共重合ポリエステルが、優れた透明性
と耐ブリードアウト性を有し、包装材料や成形材料に有
用であることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0024】即ち、本発明は、 (1)炭素数20〜45のジオール(A1)成分、炭素
数20〜45のジカルボン酸(B1)、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸成分(B2)から成る群から選ば
れる少なくとも1つの成分を含む、ジオール成分とジカ
ルボン酸成分とから成るポリエステル成分(I)と、乳
酸成分(II)とから成り、ポリエステル成分(I)と乳
酸成分(II)との重量比が、2/98〜80/20であ
る、耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエス
テルと、
【0025】(2)炭素数20〜45のジオール成分
(A1)が、ダイマージオールである(1)に記載の乳
酸系共重合ポリエステルと、
【0026】(3)炭素数20〜45のジカルボン酸成
分(B1)が、ダイマー酸である(1)又は(2)に記
載の乳酸系共重合ポリエステルと、 (4)炭素数20〜45のジカルボン酸成分(B1)
が、水添ダイマー酸である(1)又は(2)に記載の乳
酸系共重合ポリエステルと、
【0027】(5)ポリエステル成分(I)を構成する
ジオール成分として、炭素数20〜45のジオール成分
(A1)と炭素数2〜12のジオール成分(A2)とを
含み、ジカルボン酸成分として、炭素数20〜45のジ
カルボン酸成分(B1)及び/又は1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸成分(B2)に、更に炭素数4〜12
のジカルボン酸成分(B3)を含み、これら成分の重量
比(A1+B1+B2)/(A2+B3)、(A1+B
1)/(A2+B3)又は(A1+B2)/(A2+B
3)が、100/0〜20/80である(1)〜(4)
のいずれか一つに記載の乳酸系共重合ポリエステルと、
【0028】(6)ジカルボン酸成分とジオール成分と
から成るポリエステル成分(I)が、酸無水物成分又は
多官能イソシアネート成分で高分子量化されたポリエス
テル成分である(1)〜(5)のいずれか一つに記載の
乳酸系共重合ポリエステルと、
【0029】(7)実質的に重合触媒を含まない、又は
重合触媒が触媒失活剤により失活された(1)〜(6)
のいずれか一つに乳酸系共重合ポリエステルと、
【0030】(8)温度35℃、湿度80%の保存条件
で、60日以内に実質的にブリード物が現れないことを
特徴とする(1)〜(7)のいずれか一つに記載の耐ブ
リードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエステルと、
【0031】(9)炭素数20〜45のジオール(A
1)成分、炭素数20〜45のジカルボン酸(B1)、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分(B2)から
成る群から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、ジオ
ール成分とジカルボン酸成分とから成るポリエステルと
ラクタイドとを、重合触媒の存在下にポリエステルとラ
クタイドとの重量比が2/98〜80/20で共重合さ
せる、耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエ
ステルの製造方法と、
【0032】(10)炭素数20〜45のジオール成分
(A1)が、ダイマージオールである(9)に記載の製
造方法と、 (11)炭素数20〜45のジカルボン酸成分(B1)
が、ダイマー酸である(9)又は(10)に記載の製造
方法と、
【0033】(12)炭素数20〜45のジカルボン酸
成分(B1)が、水添ダイマー酸である(9)又は(1
0)に記載の製造方法と、 (13)ジオール成分として、炭素数20〜45のジオ
ール(A1)と炭素数2〜12のジオール(A2)とを
含み、ジカルボン酸成分として、炭素数20〜45のジ
カルボン酸(B1)及び/又は1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸成分(B2)に、更に炭素数4〜12のジ
カルボン酸成分(B3)を含み、重量比(A1+B1+
B2)/(A2+B3)が、100/0〜20/80で
ある(9)〜(12)のいずれか一つに記載の製造方法
と、
【0034】(14)ジカルボン酸成分とジオール成分
から成るポリエステルが、酸無水物又は多官能イソシア
ネートで高分子量化されたポリエステルである(9)〜
(13)のいずれか一つに記載の製造方法と、
【0035】(15)共重合後に、溶媒により重合触媒
を抽出除去するか、又は触媒失活剤により重合触媒を失
活させることを特徴とする(9)〜(14)のいずれか
一つに記載の製造方法と、
【0036】(16)上記の(9)〜(14)のいずれ
か一つに記載の、温度35℃、湿度80%の保存条件
で、60日以内に実質的にブリード物が現れないことを
特徴とする耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共重合ポ
リエステルの製造方法とを含むものである。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の乳酸系共重合ポリエステ
ルの構成成分について順に説明する。炭素数20〜45
のジオール成分(A1)として用いられる代表的ジオー
ル例はダイマージオールである。ダイマージオールは、
炭素数12以上の不飽和脂肪酸の熱2量化反応などによ
って生成する炭素数20〜45のジカルボン酸の還元体
である。
【0038】入手容易なダイマージオールの具体例とし
ては、ヘンケル社製の炭素数18の脂肪族不飽和カルボ
ン酸の2量体が挙げられる。炭素数20〜45のジオー
ル(A1)と併用できる炭素数2〜12のジオール成分
(A2)として用いられるジオールの具体例としては、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオ
ール、1,12−ドデカンジオール、
【0039】1,4−シクロヘキサンジメタノール、プ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3,3−
ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチ
ル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオ
ール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジ
オール、1,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサン
ジオール、1,3−ヘキサンジオール、
【0040】1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキ
サンジオール、n−ブトキシエチレングリコールなどの
ジオールや、ダイマー酸の還元体であるダイマージオー
ル、エーテル酸素を有するジエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、芳香族基を有するキシリレン
グリコール、フェニルエチレングリコール等である。
【0041】炭素数20〜45のジカルボン酸成分(B
1)や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分(B
2)の炭素数20〜45のジカルボン酸の代表例はダイ
マー酸である。ダイマー酸は、炭素数12以上の不飽和
脂肪酸の熱2量化反応などによって生成する炭素数20
〜45のジカルボン酸で、その出発原料はオレイン酸や
トール油脂肪酸であり、毒性が低い。
【0042】ダイマー酸製造の際の反応機構は様々なも
のが提案されているが、加熱によるDIels−Ald
er環化反応が主な機構であると考えられおり、分子内
に脂環構造を含むものが多い。分子内に不飽和二重結合
を持つものと水添によって飽和化された脂肪酸がある。
【0043】市販のダイマー酸は、モノマー酸やトリマ
ー酸を若干含むものが多い。いずれの成分も無毒でダイ
マー酸は食品包装材料への使用が認められている。本発
明においては、不飽和のダイマー酸、飽和のダイマー酸
のいずれを用いてもよい。用いるダイマー酸の純度は9
0%以上、好ましくは95%以上である。
【0044】入手容易なダイマー酸の具体例は、ヘンケ
ル社製の炭素数18の脂肪族不飽和カルボン酸の2量体
エンポール1061、1062、更に同社製の炭素数1
8の脂肪族飽和カルボン酸の2量体エンポール1008
等が挙げられる。
【0045】また(B2)成分である1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸には、シス型、トランス型の異性体
が存在するが、いずれも本発明に用いることができ、工
業的には価格の安い両異性体の混合物が好ましく用いら
れる。
【0046】カルボン酸成分を構成する、ダイマー酸で
代表される炭素数20〜45のジカルボン酸(B1)と
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(B2)とは、特
に量比の制限無く使用することができる。
【0047】カルボン酸成分(B1)、(B2)と併用
される炭素数4〜12のジカルボン酸成分(B3)のジ
カルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等
が挙げられる。本発明で用いられるこれらのポリエステ
ルは、カルボン酸、ジオールの組み合わせにより非晶質
固体となる。
【0048】本発明の乳酸系共重合ポリエステルのポリ
エステル成分(I)を構成するジオール成分としては、
炭素数20〜45のジオール(A1)と炭素数2〜12
のジオール(A2)を含み、ジカルボン酸成分として、
炭素数20〜45のジカルボン酸(B1)及び/又は
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分(B2)に、
更に炭素数4〜12のジカルボン酸成分(B3)を含む
ことが好ましい。
【0049】これらの成分の重量比は、(A1+B1+
B2)/(A2+B3)、(A1+B1)/(A2+B
3)又は(A1+B2)/(A2+B3)が、いずれも
100/0〜20/80であることが好ましい。これは
(A1)、(B1)、(B2)成分の和が20未満にな
ると、ブリードアウト開始までの日数が短くなり、即
ち、耐ブリードアウト性が低下する為である。
【0050】本発明の乳酸系共重合ポリエステル中の乳
酸成分(II)を構成する、乳酸系共重合ポリエステルの
製造に用いるラクタイドは、乳酸2分子が脱水縮合で環
状2量化した化合物で、立体異性体を有するモノマー
で、L−乳酸2分子からなるL−ラクタイド、D−乳酸
2分子からなるD−ラクタイド及びD−乳酸及びL−乳
酸からなるmeso−ラクタイドがある。
【0051】L−ラクタイド、又はD−ラクタイドのみ
を含む共重合体は結晶化し、高融点である。本発明の乳
酸系共重合ポリエステルの製造には、用途に応じて3種
類のラクタイドを種々の割合で組み合わせることにより
好ましい樹脂特性を実現できる。
【0052】本発明の乳酸系共重合ポリエステルが透明
性に優れ、高い耐ブリードアウト性を有する為には、ポ
リエステル成分(I)/乳酸成分(II)の構成比は、重
量比で80/20〜2/98であることが好ましく、更
に好ましくは50/50〜2/98である。また柔軟性
の高い乳酸系共重合ポリエステルを得るには、ポリエス
テル成分(I)/乳酸成分(II)の構成比は、重量比で8
0/20〜20/80であることが好ましく、更に好ま
しくは50/50〜20/80である。
【0053】更に、ガラス転移温度が50℃以上の乳酸
系共重合ポリエステルを得る場合は、ポリエステル成分
(I)/乳酸成分(II)の構成比は重量比で、40/6
0〜2/98であることが好ましく、更に好ましくは3
0/70〜2/98である。
【0054】乳酸系共重合体は、高分子量を有するもの
が広い温度範囲で成形加工が可能であるために好まし
く、具体的には重量平均分子量で5万〜40万の乳酸系
共重合ポリエステルが好ましい。この分子量範囲を有す
る乳酸系共重合ポリエステルをシート化し、レオメトリ
クス株式会社製のRSAIIで測定したところ室温での貯
蔵弾性率は0.5〜3.0KPaであった。
【0055】このような高分子量の乳酸系共重合ポリエ
ステルを合成するには、原料として用いるポリエステル
の分子量が十分に高いことが好ましい。市販のダイマー
酸には微量のトリマー酸が含まれており、脱水縮合後に
エステル交換触媒を添加、0.5KPa以下で減圧する
ことによって重量平均分子量50,000以上の高分子
量ポリエステルが得られる。
【0056】本発明では、チタン、錫、亜鉛、ジルコニ
ウム等の重合触媒をポリエステルに対して10〜100
0ppm用いてエステル交換を行い、更に亜リン酸エス
テル化合物等の酸化防止剤を10〜1000ppm添加
することによって、エステル交換反応時に問題となる着
色を低減させることができる。
【0057】ダイマー酸の含量が少ない場合、分子量1
0万以上のポリエステルを得ることは、困難である。そ
れ故、反応温度を220℃以下に抑えて重量平均分子量
4万〜5万のポリエステルを合成し、これにカルボン酸
無水物又は多官能イソシアネート等を反応させることに
より、ポリエステルの分子量を10万以上に高分子量化
することができる。
【0058】本発明で使用する酸無水物とは、1分子内
に2つ以上のカルボキシル基を持ったもののカルボン酸
無水物である。カルボン酸無水物の具体例としては、例
えば、無水コハク酸、無水シクロヘキサンジカルボン
酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット
酸、ピロメリット酸二無水物又はこれらの混合物が挙げ
られる。
【0059】本発明で言う多官能性イソシアネートと
は、2つ以上のイソシアネート基を持ったものを言う。
特に官能基の種類としてイソシアネート基のみを持つも
のが好ましい。得られるウレタン結合含有ポリエステル
が実質上、線状構造を有するものを得る目的の場合に
は、2官能性のものが好ましい。
【0060】2官能イソシアネートの具体例としては、
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシア
ネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,
5−ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、
又はこれらの混合物が挙げられる。
【0061】更に、多官能性イソシアネートが3官能性
以上のものも用いることができる。この場合、得られた
ポリマー鎖はスター状になる。このようなものを得る為
には、ペンタエリスリトールに2官能性イソシアネート
で修飾したものに代表される、多価アルコールに2官能
性イソシアネートで修飾した化合物が挙げられる。
【0062】本発明で使用する多官能性イソシアネート
としては、数種の多官能性イソシアネートを併用するこ
とも可能で、少量の3官能性以上のイソシアネートを2
官能性イソシアネートに併用し、ゲル化させずに反応し
高分子量化させることができる。
【0063】ポリエステルとカルボン酸無水物又は多官
能イソシアネートとの反応は、ジオールとジカルボン酸
とのポリエステルの重合反応が完結した直後の反応物に
カルボン酸無水物もしくは多官能イソシアネートを混合
し、短時間溶融状態で撹拌して反応させる方法、或いは
重合により得られたポリエステルに改めて添加し、溶融
混合する方法のいずれでも良い。
【0064】特に好ましいのは、ポリエステルとカルボ
ン酸無水物又は多官能イソシアネートの両者を共溶剤に
溶解させ、加熱して反応させる方法である。これにより
非常に均一にカルボン酸無水物成分又は多官能イソシア
ネート成分をポリエステル中に分散、結合させることが
出来る。
【0065】ポリエステルにカルボン酸無水物又は多官
能イソシアネートを混合、反応させる温度は、通常70
℃〜220℃、好ましくは100℃〜190℃である。
又、多官能イソシアネートの反応に際しては、N,N−
ジメチルアニリン、オクタン酸錫、ジブチル錫ジラウレ
ート、テトライソプロピルチタネート等のエステル重合
触媒、或いはウレタン触媒を使用することが好ましい。
【0066】上記のカルボン酸無水物、多官能イソシア
ネートは、必要に応じて混合して用いることができる。
また、これらの使用量は、ポリエステルの0.01重量
%〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.1重量%
〜1重量%である。
【0067】次に製造方法を順に説明する。2種類のジ
オールとジカルボン酸をモル比で1.2〜1.5:1で
窒素雰囲気下にて130℃〜220℃まで1時間に5〜
10℃の割合で徐々に昇温させながら撹拌して水を留去
する。6〜12時間反応後、10〜0.1KPaで徐々
に減圧度を上げながら過剰のグリコールを留去する。
【0068】2〜3時間減圧後、重合触媒、及び酸化防
止剤を添加して0.5KPa以下で減圧しながら230
℃で4〜12時間反応すると粘性の高いポリエステルが
得られる。180℃〜210℃で、このポリエステルに
カルボン酸無水物又は多官能イソシアネートを添加し、
カルボン酸無水物の場合は0.5〜0.1KPaで減圧
しながら、イソシアネートの場合は常圧で3時間反応を
行うことにより高分子量のポリエステルが得られる。反
応系内に酸素が入り込むと着色及び分解の原因になるの
で、触媒添加等の減圧を解除する際には、窒素等の不活
性ガスでの置換を十分に行うことが好ましい。
【0069】ラクタイドの着色及び分解を防ぐという点
で200℃以下、好ましくは180℃以下の反応温度が
好ましく、また、ラクタイドの分解、着色を防ぐため、
窒素及びアルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で反応を行
うことが好ましい。また反応系内の水分の存在は好まし
くない為、使用するポリエステルは十分に乾燥させてお
く必要がある。
【0070】次に、共重合の方法について説明する。ポ
リエステル及びラクタイドを、これらの合計重量に対し
て15〜30重量部のトルエンと混合し、窒素雰囲気下
140〜180℃で開環重合触媒、例えば、オクタン酸
錫をポリエステル及びラクタイドの合計重量に対して5
0〜2000ppm添加する。
【0071】乳酸系ポリエステルの製造に用いる重合触
媒が乳酸系ポリエステルに残存すると熱安定性が悪く、
膜やその原料の複合体の製造において加熱、成形加工の
際に乳酸系ポリエステル中の乳酸構造単位がラクタイド
の形で再生され、製造した膜の強度、貯蔵安定性が低下
する。
【0072】本発明では、共重合後に溶媒により重合触
媒を抽出除去するか、又は触媒失活剤により重合触媒を
失活させることにより、得られる乳酸系共重合ポリエス
テルの保存安定性を更に向上させることができる。即
ち、重合末端は、スズやチタンのアルコキシドである
が、酸性水溶液または酸性にしたプロティックな溶剤で
洗浄することによって、末端を加水分解し、触媒を除去
することができる。
【0073】具体的には、メタノール/塩酸水溶液に、
樹脂ペレットをつけ込んだり、溶液状態でメタノール/
塩酸溶液に混合してポリマーを沈殿化させながら洗浄す
るような方法が挙げられる。このような方法により、微
量な残留モノマーや、オリゴマーなども同時に洗浄除去
することが可能である。
【0074】またキレート化剤及び/又は酸性リン酸エ
ステル類を乳酸系ポリエステルの製造もしくは製造後に
添加することにより、乳酸系ポリエステルの製造に用い
た重合触媒を失活させることができる。触媒失活剤は通
常、キレート様の形態で乳酸系ポリエステル中の重合触
媒に付着し乳酸系ポリエステル中に含有されるが、更に
溶剤洗浄等により除去してもよい。
【0075】本発明に用いるキレート化剤及び/又は酸
性リン酸エステル類の添加量は、乳酸系ポリエステルの
製造の際に用いる触媒の種類、反応条件によって異なる
が、用いられた重合触媒を失活させる量であれば良く、
乳酸系ポリエステル重合反応終了後のポリマー取り出し
前や混練時に、通常、使用触媒1重量部に対し、0.0
01〜5重量部、好ましくは、0.1〜100重量部を
添加する。また製造された乳酸系ポリエステルに、これ
らキレート化剤及び/又は酸性リン酸エステル類を添
加、混練してもよい。
【0076】本発明に用いるキレート化剤成分として
は、特に限定されないが、具体的には、エチレンジアミ
ン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、しゅ
う酸、リン酸、ピロリン酸、アリザリン、アセチルアセ
トン、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテト
ラミン六酢酸、カテコール、4−t−ブチルカテコー
ル、L(+)−酒石酸、DL−酒石酸、グリシン、クロ
モトロープ酸、ベンゾイルアセトン、クエン酸、没食子
酸、ジメルカプトプロパノール、トリエタノールアミ
ン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジトルオイル酒石
酸、ジベンゾイル酒石酸が挙げられる。
【0077】また、本発明で使用される酸性リン酸エス
テル類は、ヒドロキシカルボン酸系ポリエステル中に含
有される触媒の金属イオンと錯体を形成し、触媒活性を
失わせ、ポリマー鎖の切断抑制効果を示す。酸性リン酸
エステル類としては、酸性リン酸エステル、ホスホン酸
エステル、アルキルホスホン酸など及びその混合物を指
すものである。
【0078】また、本発明で使用される酸性リン酸エス
テル類としては、酸性リン酸エステル、ホスホン酸エス
テル、アルキルホスホン酸など及びその混合物を指す。
具体的には、酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノ
メチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジ
エチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジプロピル、リン
酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン酸モ
ノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モノペンチル、リン
酸ジペンチル、リン酸モノヘキシル、リン酸ジヘキシ
ル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モ
ノ2−エチルヘキシル、リン酸ジ2−エチルヘキシル、
リン酸モノデシル、
【0079】リン酸ジデシル、リン酸モノイソデシル、
リン酸ジイソデシル、リン酸モノウンデシル、リン酸ジ
ウンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸ジドデシル、
リン酸モノテトラデシル、リン酸ジテトラデシル、リン
酸モノヘキサデシル、リン酸ジヘキサデシル、リン酸モ
ノオクタデシル、リン酸ジオクタデシル、リン酸モノフ
ェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノベンジル、リン
酸ジベンジルなど、
【0080】ホスホン酸エステルとしては、ホスホン酸
モノメチル、ホスホン酸モノエチル、ホスホン酸モノプ
ロピル、ホスホン酸モノイソプロピル、ホスホン酸モノ
ブチル、ホスホン酸モノペンチル、ホスホン酸モノヘキ
シル、ホスホン酸モノオクチル、ホスホン酸モノエチル
ヘキシル、ホスホン酸モノデシル、ホスホン酸モノイソ
デシル、ホスホン酸モノウンデシル、ホスホン酸モノド
デシル、ホスホン酸モノテトラデシル、ホスホン酸モノ
ヘキサデシル、ホスホン酸モノオクタデシル、ホスホン
酸モノフェニル、ホスホン酸モノベンジルなど、
【0081】アルキルホスホン酸としては、モノメチル
ホスホン酸、ジメチルホスホン酸、モノエチルホスホン
酸、ジエチルホスホン酸、モノプロピルホスホン酸、ジ
プロピルホスホン酸、モノイソプロピルホスホン酸、ジ
イソプロピルホスホン酸、モノブチルホスホン酸、ジブ
チルホスホン酸、モノペンチルホスホン酸、ジペンチル
ホスホン酸、モノヘキシルホスホン酸、ジヘキシルホス
ホン酸、イソオクチルホスホン酸、ジオクチルホスホン
酸、モノエチルヘキシルホスホン酸、ジエチルヘキシル
ホスホン酸、モノデシルホスホン酸、ジデシルホスホン
酸、
【0082】モノイソデシルホスホン酸、ジイソデシル
ホスホン酸、モノウンデシルホスホン酸、ジウンデシル
ホスホン酸、モノドデシルホスホン酸、ジドデシルホス
ホン酸、モノテトラデシルホスホン酸、ジテトラデシル
ホスホン酸、モノヘキサデシルホスホン酸、ジヘキサデ
シルホスホン酸、モノオクタデシルホスホン酸、ジオク
タデシルホスホン酸などや、モノフェニルホスホン酸、
【0083】ジフェニルホスホン酸、モノベンジルホス
ホン酸、ジベンジルホスホン酸など、及びそれらの混合
物を挙げることができる。酸性リン酸エステル類成分は
有機溶剤との溶解性がよいため作業性に優れ、乳酸系ポ
リエステルとの反応性に優れ、重合触媒の失活に優れた
効果を示す。
【0084】ラクタイドは種々の溶剤に可溶であり、例
えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クロロベンゼン等の溶媒を用いて共重合することが
できる。重合反応は、ポリエステルの末端水酸基に重合
開始剤が反応し、これがラクタイドの開環重合を開始す
るという機構によって共重合反応が進行すると考えられ
る。
【0085】ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で重合転化率を測定すると160〜180℃
で、3時間以上反応することにより、この重合反応の転
化率は、90〜99%に達する。
【0086】本発明の乳酸系共重合ポリエステルは、通
常の反応釜を使用して製造することも可能であるが、高
分子量化に伴う高粘度化の為に、通常の反応釜を使用し
た共重合反応では撹拌効率が低下し、局部加熱による着
色や反応率の低下を招く。この為、本発明においては、
均一に撹拌され、せん断応力の小さいスタティックミキ
サーの使用が好ましい。
【0087】また、スタティックミキサーのみで本反応
を行うこともできるが、粘度が低い段階では通常の反応
釜を使用し、重合後期の高粘度化する前にスタティック
ミキサーを使用する方法が重合開始剤を均一に混合する
という意味で更に好ましい。
【0088】乳酸系共重合ポリエステルの室温における
粘弾性は、共重合に用いるポリエステルを構成するジオ
ールの主鎖の炭素数が多いほど軟質となる。また、ダイ
マー酸と併用されるジカルボン酸量が増えるに従い軟質
となる。
【0089】本発明で得られる軟化温度が30℃以下の
乳酸系共重合ポリエステルは、成形時に水などの冷媒を
用いて室温まで急冷すると250μmの厚さでヘイズ5
%以下の透明なシートが得られるが、室温になるまで徐
冷するとラクタイド部分の結晶化が一部進行しシートの
ヘイズが10〜20%となり透明性がやや低下する。
【0090】本発明の乳酸系共重合ポリエステルを、例
えばポリマー成形物(10×10cm正方形、250μ
m厚のシート)とし、35℃、湿度80%の恒温恒湿器
において加速試験を行ったとき、60日以上実質的にブ
リード物が現れない。また、耐加水分解性に優れ、同条
件下30日経過時の分子量保持率は70〜95%であ
る。これに対して、ポリ乳酸やポリ乳酸と炭素数12以
下のジカルボン酸とジオールからなるポリエステル共重
合体では、同条件下の分子量保持率は30〜60%であ
る。
【0091】なお、ここでは透明な成形物表面にブリー
ド物が見られた日をブリード開始日と定義する。炭素数
20〜45のジカルボン酸を含まないポリエステルとラ
クタイドを共重合させた場合、35℃、湿度80%の恒
温恒湿器では、60日以内に固体もしくは液状のブリー
ド物が観察された。
【0092】本発明で得られる乳酸系共重合ポリエステ
ルは、良好な生分解性を有し、海中に投棄された場合で
も、加水分解、生分解等による分解を受ける。海水中で
は数カ月の間に樹脂としての強度が劣化し、外形を保た
ないまでに分解可能である。またコンポストを用いる
と、更に短期間で原形をとどめないまでに生分解され
る。また、本発明で得られる乳酸系共重合ポリエステル
は、焼却を行っても有毒ガスや有毒物質を排出すること
がない。
【0093】本発明の乳酸系共重合ポリエステルは、優
れた耐ブリードアウト性を有して保存安定性に優れると
共に、十分な生分解性を有し、且つ包装材料等に重要な
透明性や成型加工に適する柔軟性を有する故に、成形用
樹脂、シート・フィルム用材料、塗料用樹脂、インキ用
樹脂、トナー用樹脂、接着剤樹脂、紙へのラミネーショ
ン、発泡樹脂材料等、特に包装材料、接着剤として有用
である。
【0094】包装材料としては、例えば、シートとして
はトレー、カップ、皿、ブリスター等、フィルムとして
は、ラップフィルム、食品包装、その他一般包装、ゴミ
袋、レジ袋、一般規格袋、重袋等の袋類等に有用であ
る。
【0095】また、その他の用途としてブロー成形品と
しても有用に用いられ、例えば、シャンプー瓶、化粧品
瓶、飲料瓶、オイル容器等に、また衛生用品として、紙
おむつ、生理用品、更には、医療用として人工腎臓、縫
合糸等に、また農業資材として、発芽シート、種ヒモ、
農業用マルチフィルム、緩効性農薬及び肥料のコーテイ
ング剤、防鳥ネット、養生シート、苗木ポット等に有用
である。
【0096】また、漁業資材としては漁網、海苔養殖
網、釣り糸、船底塗料等に、また射出成形品としては、
ゴルフティー、綿棒の芯、キャンディーの棒、ブラシ、
歯ブラシ、注射筒、皿、カップ、櫛、剃刀の柄、テープ
のカセット、使い捨てのスプーン・フォーク、ボールペ
ン等の文房具等に有用である。
【0097】また紙へのラミネーション製品としては、
トレー、カップ、皿、メガホン等に、その他に、結束テ
ープ、プリペイカード、風船、パンティーストッキン
グ、ヘアーキャップ、スポンジ、セロハンテープ、傘、
合羽、プラ手袋、ヘアーキャップ、ロープ、不織布、チ
ューブ、発泡トレー、発泡緩衝材、緩衝材、梱包材、煙
草のフィルター等が挙げられる。
【0098】
【実施例】以下に実施例及び比較例により、本発明を更
に具体的に説明する。 (参考例1)(ポリエステルA−1の合成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50L反応槽に、
ヘンケル社製エンポール1061(EM1061)を1
モル当量と1.4モル当量のエチレングリコール(E
G)を仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に7℃
ずつ昇温させながら加熱撹拌した。生成する水を留去し
ながら220℃まで昇温し、2時間後、エステル交換触
媒としてチタンテトライソプロポキシドを70ppm添
加し、0.1KPaまで減圧して6時間撹拌した。
【0099】その結果、粘ちょうなポリエステル(A−
1と称する。)を得た。このポリマーの数平均分子量は
ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(以下GPCと略す)で70,000、重量平均
分子量は160,000であった。
【0100】(参考例2)(ポリエステルA−2の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50L反応槽に、
ヘンケル社製エンポール1062(EM1062)を1
モル当量と1.4モル当量のエチレングリコール(E
G)を仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に7℃
ずつ昇温させながら加熱撹拌した。生成する水を留去し
ながら220℃まで昇温し、2時間後、エステル交換触
媒としてチタンテトラブトキシドを70ppm添加し、
0.1KPaまで減圧して6時間撹拌した。
【0101】その結果、粘ちょうなポリエステル(A−
2と称する。)を得た。 GPCで測定した結果、この
ポリマーの数平均分子量は40,000、重量平均分子
量は110,000であった。
【0102】(参考例3)(ポリエステルA−3の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50L反応槽に、
ヘンケル社製エンポール1008(EM1008)を1
モル当量と1.4モル当量のエチレングリコール(E
G)を仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に7℃
ずつ昇温させながら加熱撹拌した。生成する水を留去し
ながら220℃まで昇温し、2時間後、エステル交換触
媒としてオクタン酸スズを70ppm添加し、0.1K
Paまで減圧して6時間撹拌した。
【0103】その結果、粘ちょうなポリエステル(A−
3と称する。)を得た。 GPCで測定した結果、この
ポリマーの数平均分子量は47,000、重量平均分子
量は100,000であった。
【0104】(参考例4)(ポリエステルA−4の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50L反応槽に、
ヘンケル社製EM1061を66重量部、アジピン酸
(AA)を34重量部とジカルボン酸のモル当量に対し
て1.4モル当量のエチレングリコール(EG)を仕込
み、窒素気流下で150℃から1時間に7℃ずつ昇温さ
せながら加熱撹拌した。生成する水を留去しながら22
0℃まで昇温し、2時間後、エステル交換触媒としてチ
タンオキシアセチルアセトナートを50ppm添加し、
0.1KPaまで減圧して6時間撹拌した。
【0105】その結果、粘ちょうなポリエステル(A−
4と称する。)を得た。 GPCで測定した結果、この
ポリマーの数平均分子量は32,000、重量平均分子
量は78,000であった。
【0106】(参考例5)(ポリエステルA−5の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した10L反応槽に、
ヘンケル社製EM1061を66重量部、コハク酸(S
uA)を34重量部とジカルボン酸のモル当量に対して
0.9モル当量のエチレングリコール(EG)と0.5
5モル当量の1,6−ヘキサンジオール(1,6HD)
を仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に7℃ずつ
昇温させながら加熱撹拌した。
【0107】生成する水を留去しながら220℃まで昇
温し、2時間後、エステル交換触媒としてトリブチルス
ズオキシドを50ppm添加し、0.1KPaまで減圧
して6時間撹拌した。その結果、粘ちょうなポリエステ
ル(A−5と称する。)を得た。 NMRで組成比を確
認したところ、ジオール成分はEG:1,6HDが5
0:50であった。GPCで測定した結果、このポリマ
ーの数平均分子量は30,000、重量平均分子量は7
5,000であった。
【0108】(参考例6)(ポリエステルA−6の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した500mLフラス
コに、イーストマンケミカル社製1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸を60重量部、アジピン酸(AA)を4
0重量部とジカルボン酸のモル当量に対して0.9モル
当量のエチレングリコール(EG)と0.55モル当量
のネオペンチルグリコール(NPG)を仕込み、窒素気
流下で150℃から1時間に10℃ずつ昇温させながら
加熱撹拌した。
【0109】生成する水を留去しながら220℃まで昇
温し、2時間後、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を8
0ppm添加し、0.1KPaまで減圧して6時間撹拌
した。その結果、粘ちょうなポリエステル(A−6と称
する。)を得た。 NMRで組成比を確認したところ、
ジオール成分はEG:NPGが50:50であった。G
PCで測定した結果、このポリマーの数平均分子量は3
0,000、重量平均分子量は75,000であった。
【0110】(参考例7)(ポリエステルA−7の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した200mLフラス
コに、ヘンケル社製EM1061を30重量部、アジピ
ン酸(AA)を70重量部とジカルボン酸のモル当量に
対して0.9モル当量のエチレングリコール(EG)と
0.55モル当量の1,6−ヘキサンジオール(1,6
HD)を仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に1
0℃ずつ昇温させながら加熱撹拌した。
【0111】生成する水を留去しながら220℃まで昇
温し、2時間後、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を8
0ppm添加し、0.1KPaまで減圧して6時間撹拌
し、粘ちょうな脂肪族ポリエステルを得た。これに、ピ
ロメリット酸二無水物(PMDA)を0.3重量部添加
し、210℃、0.1KPaで減圧下撹拌した。その結
果、高分子量のポリエステル(A−7と称する。) を
得た。GPCで測定した結果、このポリマーの数平均分
子量は33,000、重量平均分子量は80,000で
あった。
【0112】(参考例8)(ポリエステルA−8の合
成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50L反応槽に、
イーストマンケミカル社製1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸を60重量部、ヘンケル社製EM1061をを
40重量部とジカルボン酸のモル当量に対して0.9モ
ル当量のエチレングリコール(EG)と0.55モル当
量の1,6−ヘキサンジオール(1,6HD)を仕込
み、窒素気流下で150℃から1時間に10℃ずつ昇温
させながら加熱撹拌した。
【0113】生成する水を留去しながら220℃まで昇
温し、2時間後、エステル交換触媒としてテトライソブ
チルチタネートを60ppm添加し、0.1KPaまで
減圧して8時間撹拌した。その結果、粘ちょうなポリエ
ステル(A−8と称する。)を得た。NMRで組成比を
確認したところ、ジオール成分はEG:1,6HDが5
0:50であった。GPCで測定した結果、このポリマ
ーの数平均分子量は27,000、重量平均分子量は4
3,000であった。
【0114】(参考例9)(ポリエステルA−9の合
成) 参考例8で合成したポリエステルA−8をトルエンに2
0%溶液として調整し、これに、ポリエステルに対して
0.1重量部のヘキサメチレンジイソシアネート(HM
DI)を加えた。更にオクタン酸スズをポリエステルに
対して0.02重量部添加して60℃で1時間撹拌し
た。その結果、このポリマー(A−9)の数平均分子量
は37,000、重量平均分子量は83,000まで増
加した。
【0115】(参考例10)(ポリエステルA−10の
合成) 撹拌器、精留器、ガス導入管を付した50L反応槽に、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を60重量部、テ
レフタル酸を40重量部と、ジカルボン酸のモル当量に
対して0.9モル当量のエチレングリコール(EG)と
0.55モル当量の東亞合成化学社製ダイマージオール
(DO)を仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に
10℃ずつ昇温させながら加熱撹拌した。
【0116】生成する水を留去しながら220℃まで昇
温し、2時間後、エステル交換触媒としてテトライソブ
チルチタネートを60ppm添加し、0.1KPaまで
減圧して8時間撹拌した。その結果、粘ちょうなポリエ
ステル(A−10と称する。)を得た。NMRで組成比
を確認したところ、ジオール成分はEG:DAが50:
50であった。GPCで測定した結果、このポリマーの
数平均分子量は53,000、重量平均分子量は27,
000であった。
【0117】(実施例1)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例1で合成した高分子量のポリエステル(A−1)
10重量部と、L−ラクタイド90重量部、及びラクタ
イドとポリエステルの合計量に対し15重量部のトルエ
ンとをセパラブルフラスコに入れ、180℃で溶融し
た。溶液が均一になってからオクタン酸スズ200pp
mを添加し、180℃で3.5時間撹拌した。重合終了
後にエチルヘキサン酸ホスフェートを500ppm添加
した。
【0118】得られた乳酸系共重合ポリエステルは、G
PCで数平均分子量170,000、重量平均分子量3
50,000の共重合体であることが確認された。この
ポリマーのガラス転移温度は示差式熱量計(DSC)で
61℃であった。
【0119】(実施例2)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例1で合成した高分子量のポリエステル(A−1)
20重量部と、L−ラクタイド80重量部、及びラクタ
イドとポリエステルの合計量に対し15重量部のトルエ
ンとをセパラブルフラスコに入れ、180℃で溶融し
た。溶液が均一になってからオクタン酸スズ200pp
mを添加し、180℃で4時間撹拌した。重合終了後に
エチルヘキサン酸ホスフェートを500ppm添加し
た。
【0120】得られた乳酸系共重合ポリエステルは、G
PCで数平均分子量110,000、重量平均分子量2
80,000の共重合体であることが確認された。この
ポリマーのガラス転移温度は示差式熱量計(DSC)で
59℃であった。
【0121】(実施例3)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例1で合成した高分子量のポリエステル(A−1)
30重量部と、L−ラクタイド70重量部、及びラクタ
イドとポリエステルの合計量に対し15重量部のトルエ
ンとをセパラブルフラスコに入れ、180℃で溶融し
た。溶液が均一になってからオクタン酸スズ200pp
mを添加し、180℃で5時間撹拌した。
【0122】重合終了後にエチルヘキサン酸ホスフェー
トを500ppm添加した。得られた乳酸系共重合ポリ
エステルは、GPCで数平均分子量80,000、重量
平均分子量21,000の共重合体であることが確認さ
れた。このポリマーのガラス転移温度は示差式熱量計
(DSC)で58℃であった。
【0123】(実施例4)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例1で合成した高分子量のポリエステル(A−1)
30重量部と、L−ラクタイド67.2重量部とD−ラ
クタイド2.8重量部、及びラクタイドとポリエステル
の合計量に対してトルエン15重量部とをセパラブルフ
ラスコに取り、175℃で溶融した。溶液が均一になっ
てからオクタン酸亜鉛500ppmを添加し、173℃
で7時間撹拌した。得られたポリマーはGPCで数平均
分子量85,000、重量平均分子量220,000の
共重合体であることが確認された。ガラス転移温度は5
7℃であった。
【0124】(実施例5)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例1で合成した高分子量のポリエステル(A−1)
40重量部と、L−ラクタイド57.6重量部と、D−
ラクタイド2.4重量部、及びラクタイドとポリエステ
ルの合計量に対してトルエン15重量部とをセパラブル
フラスコに取り、175℃で溶融した。溶液が均一にな
ってからオクタン酸亜鉛500ppmを添加し、175
℃で4時間撹拌した。得られたポリマーはGPCで数平
均分子量70,000、重量平均分子量160,000
の共重合体であることが確認された。ガラス転移温度は
55℃であった。
【0125】(実施例6)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例2で合成した高分子量の族ポリエステル(A−
2)30重量部と、L−ラクタイド67.2重量部と、
D−ラクタイド2.8重量部、及びラクタイドとポリエ
ステルの合計量に対してトルエン15重量部をセパラブ
ルフラスコに取り、175℃で溶融した。
【0126】溶液が均一になってからオクタン酸スズ5
00ppmを添加し、180℃で3時間撹拌した。得ら
れたポリマーはGPCで数平均分子量90,000、重
量平均分子量210,000の共重合体であることが確
認された。ガラス転移温度は58℃であった。
【0127】(実施例7)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例3で合成した高分子量のポリエステル(A−3)
30重量部と、L−ラクタイド67.2重量部、D−ラ
クタイド2.8重量部、及びラクタイドとポリエステル
の合計量に対してトルエン15重量部とをセパラブルフ
ラスコに取り、175℃で溶融した。
【0128】溶液が均一になってからオクタン酸亜鉛1
000ppmを添加し、173℃で6時間撹拌した。重
合終了後にエチルヘキサン酸ホスフェートを500pp
m添加した。得られたポリマーはGPCで数平均分子量
80,000、重量平均分子量200,000の共重合
体で、ガラス転移温度は57℃であった。
【0129】(実施例8)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例4で合成した高分子量のポリエステル(A−4)
30重量部と、L−ラクタイド67.2重量部と、D−
ラクタイド2.8重量部と、及びラクタイドとポリエス
テルの合計量に対してトルエン15重量部とをセパラブ
ルフラスコに取り、175℃で溶融した。
【0130】溶液が均一になってからオクタン酸スズ5
00ppmを添加し、175℃で4時間撹拌した。得ら
れたポリマーはGPCで数平均分子量65,000、重
量平均分子量190,000の共重合体であることが確
認された。ガラス転移温度は58℃であった。
【0131】(実施例9)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 参考例5で合成した高分子量のポリエステル(A−5)
30重量部と、L−ラクタイド67.2重量部、D−ラ
クタイド2.8重量部、及びラクタイドとポリエステル
の合計量に対してトルエン15重量部とをセパラブルフ
ラスコに取り、175℃で溶融した。
【0132】溶液が均一になってからチタンテトライソ
プロポキシド500ppmを添加し、173℃で6時間
撹拌した。重合終了後にエチルヘキサン酸ホスフェート
を500ppm添加した。得られたポリマーはGPCで
数平均分子量90,000、重量平均分子量220,0
00の共重合体であり、ガラス転移温度は59℃であっ
た。
【0133】(実施例10)(乳酸系共重合ポリエステ
ルの合成) 参考例6で合成した高分子量のポリエステル(A−6)
50重量部と、L−ラクタイド49重量部、D−ラクタ
イド1重量部、及びラクタイドとポリエステルの合計量
に対してトルエン15重量部とをセパラブルフラスコに
取り、175℃で溶融した。
【0134】溶液が均一になってからオクタン酸スズ3
00ppmを添加し、175℃で6時間撹拌した。重合
終了後にエチルヘキサン酸ホスフェートを500ppm
添加した。得られたポリマーはGPCで数平均分子量4
0,000、重量平均分子量100,000の共重合体
であり、ガラス転移温度は52℃であった。
【0135】(実施例11)(乳酸系共重合ポリエステ
ルの合成) 参考例7で合成した高分子量のポリエステル(A−7)
30重量部と、L−ラクタイド68.6重量部、D−ラ
クタイド1.4重量部、及びラクタイドとポリエステル
の合計量に対してトルエン15重量部とをセパラブルフ
ラスコに取り、175℃で溶融した。溶液が均一になっ
てからオクタン酸スズ200ppmを添加し、175℃
で4時間撹拌した。重合終了後にエチルヘキサン酸ホス
フェートを500ppm添加した。得られたポリマーは
GPCで数平均分子量72,000、重量平均分子量1
40,000の共重合体であり、ガラス転移温度は49
℃であった。
【0136】(実施例12)(乳酸系共重合ポリエステ
ルの合成) 参考例9で合成した高分子量のポリエステル(A−9)
30重量部と、L−ラクタイド68.6重量部と、D−
ラクタイド1.4重量部及びラクタイドとポリエステル
の合計量に対してトルエン15重量部とを還流器を付け
たセパラブルフラスコに取り、170℃で溶融した。
【0137】溶液が均一になってからテトラメトキシス
タネート400ppmを添加し、175℃で2時間撹拌
してから、このポリマーを165℃のスタティックミキ
サーに5L/時間で供給し、得られたポリマーをペレッ
ト化した。得られたポリマーはGPCで数平均分子量8
0,000、重量平均分子量210,000の共重合体
で、ポリマーのガラス転移温度は55℃であった。
【0138】(実施例13)(乳酸系共重合ポリエステ
ルの合成) 参考例10で合成した高分子量のポリエステル(A−1
0)30重量部と、L−ラクタイド68.6重量部と、
D−ラクタイド1.4重量部及びラクタイドとポリエス
テルの合計量に対してトルエン15重量部とを還流器を
付けたセパラブルフラスコに取り、170℃で溶融し
た。
【0139】溶液が均一になってからテトラメトキシス
タネート400ppmを添加し、175℃で2時間撹拌
してから、このポリマーを165℃のスタティックミキ
サーに5L/時間で供給し、得られたポリマーをペレッ
ト化した。得られたポリマーはGPCで数平均分子量9
2,000、重量平均分子量160,000の共重合体
で、ポリマーのガラス転移温度は55℃であった。
【0140】(実施例13)(乳酸系共重合ポリエステ
ルシートの作成) 実施例1で得られた乳酸系共重合ポリエステルを100
℃で6時間加熱減圧乾燥した。このポリマー3.3gと
10cm×10cmの正方形をくり貫いた厚さ250μ
mのPETシートを厚さ100μmのPETシートでは
さみ、170℃で加熱溶融しながら200kg/cm2
の圧力で1分間プレスした。
【0141】次に、このシートを10分間水冷プレス機
にかけて取り出し24時間室温に放置した。得られた1
0cm×10cm、厚さ250μmのシートのヘイズを
JIS−K−7127によりヘイズ測定したところ、こ
のシートのヘイズは0.5%であった。
【0142】(実施例14)(乳酸系共重合ポリエステ
ルシートの引張り試験) 実施例及び比較例で得られた乳酸系共重合ポリエステル
の35μmのフィルムを島津製作所社製オートグラフA
GS−Hに設置し、引っ張り速度200mm/分の速度
で試験した。その結果、実施例で得られた全フィルムが
100%以上の伸びを示した。測定結果は表4〜8に示
した。
【0143】(実施例15)(乳酸系共重合ポリエステ
ルシートのブリードアウト試験) 実施例1で得られた乳酸系共重合ポリエステルのシート
を35℃、湿度80%に保ったタバイエスペック社製恒
温恒湿器PR−2F中に放置した。毎日シートの状態を
観察した結果、1年経過時もブリードアウトが見られな
かった。他の乳酸系共重合ポリエステルのシートについ
ても同様の試験を行ったが、40日以上ブリード物は観
測されなかった。他の乳酸系共重合ポリエステルの結果
は表4〜8に示した。
【0144】(実施例16)(乳酸系共重合ポリエステ
ルシートの生分解性試験) 実施例1〜5で得られた乳酸系共重合ポリエステルのシ
ートを金網で挟み、45℃に保った電動コンポスト装置
中に放置した。コンポスト中には、家庭用生ゴミを入
れ、嫌気環境にならないように数時間おきに撹拌を行っ
た。30日後にシートを取り出したところ、ボロボロで
ほとんど原形をとどめていなかった。更に60日後に
は、いずれのシートも消失して確認できなかった。
【0145】(実施例17)(乳酸系共重合ポリエステ
ルのNMR分析) 本発明の典型例として、実施例3、6及び7で得られた
乳酸系共重合ポリエステルを、減圧下、120℃で6時
間処理し、1〜2%の残留モノマーを完全に取り除きN
MR分析用試料を調製した。これらの各10mgを重ク
ロロホルム5mLに溶解し日本電子社製NMR、LA3
00を用いて1H−NMRを測定した。
【0146】その結果、いずれのサンプルもポリエステ
ルブロック由来のシグナルとポリラクタイド由来のシグ
ナルのみが観察され、これら乳酸系共重合ポリエステル
のブロック共重合構造が示唆された。各ブロックのモル
比からポリエステル/ポリラクタイドブロックの重量比
を算出したところ、仕込み重量比から残留モノマー分を
差し引いた重量比にほぼ等しくなった。
【0147】また、実施例3と6ではポリエステルブロ
ックのジカルボン酸成分であるEM1061とEM10
62中に存在する炭素炭素二重結合のシグナルが観察さ
れた。これらのNMRシグナルを表9に示す。
【0148】(比較例1)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) エチレングリコールとコハク酸(SuA)から合成した
重量平均分子量45,000のポリエステル30重量部
と、L−ラクタイド68重量部と、D−ラクタイド2重
量部と、及びラクタイドとポリエステルの合計量に対し
30重量部のトルエンとをセパラブルフラスコに入れ、
170℃で溶融した。溶液が均一になってからオクタン
酸スズ200ppmを添加し、170℃で3.5時間撹
拌した。
【0149】得られた乳酸系共重合ポリエステルは、G
PCで数平均分子量40,000、重量平均分子量7
7,000の共重合体であることが確認された。このポ
リマーのガラス転移温度は示差式熱量計(DSC)で3
4℃であった。
【0150】(比較例2)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) 1,6−ヘキサンジオール(1,6HD)とアジピン酸
(AA)から合成した重量平均分子量35,000のポ
リエステル30重量部と、 L−ラクタイド68重量
部、D−ラクタイド2重量部を、ラクタイドとポリエス
テルの合計量に対し15重量部のトルエンとセパラブル
フラスコに入れ、170℃で溶融した。溶液が均一にな
ってからオクタン酸スズ200ppmを添加し、175
℃で3.5時間撹拌した。
【0151】得られた乳酸系共重合ポリエステルは、G
PCで数平均分子量58,000、重量平均分子量10
0,000の共重合体であることが確認された。このポ
リマーのガラス転移温度は示差式熱量計(DSC)で4
8℃であった。
【0152】(比較例3)(乳酸系共重合ポリエステル
の合成) エチレングリコール(EG)とセバシン酸(SeA)か
ら合成した重量平均分子量75,000のポリエステル
30重量部と、L−ラクタイド68重量部、D−ラクタ
イド2重量部を、ラクタイドとポリエステルの合計量に
対し15重量部のトルエンとセパラブルフラスコに入
れ、170℃で溶融した。溶液が均一になってからオク
タン酸スズ200ppmを添加し175℃で3.5時間
撹拌した。
【0153】得られた乳酸系共重合ポリエステルは、G
PCで数平均分子量55,000、重量平均分子量11
0,000の共重合体であることが確認された。このポ
リマーのガラス転移温度は示差式熱量計(DSC)で4
2℃であった。
【0154】
【表1】
【0155】
【表2】
【0156】
【表3】
【0157】
【表4】
【0158】
【表5】
【0159】
【表6】
【0160】
【表7】
【0161】
【表8】
【表9】
【0162】
【表10】
【0163】
【発明の効果】本発明は優れた耐ブリードアウト性を有
して保存安定性に優れると共に、十分な生分解性を有
し、且つ包装材料等に重要な透明性や成型加工に適する
柔軟性を有する乳酸系共重合ポリエステルを提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 63/91 C08G 63/91 Fターム(参考) 4J029 AA05 AB01 AB04 AC02 AD01 AD06 AD07 AD10 AE01 AE03 AE06 AE11 AE13 BA01 CA02 CD03 EA05 EH03 GA02 GA05 GA12 GA22 JB232 JC152 KB02 KH01 4J034 BA03 DA01 DB03 DC01 DC07 DC50 DF01 DF15 DF16 DF19 DF20 HA06 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC71 QB03 QB08 QB14 RA06 RA07 RA08 RA09

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数20〜45のジオール(A1)成
    分、炭素数20〜45のジカルボン酸(B1)、1,4
    −シクロヘキサンジカルボン酸成分(B2)から成る群
    から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、ジオール成
    分とジカルボン酸成分とから成るポリエステル成分
    (I)と、乳酸成分(II)とから成り、ポリエステル成
    分(I)と乳酸成分(II)との重量比が、2/98〜8
    0/20である、耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共
    重合ポリエステル。
  2. 【請求項2】 炭素数20〜45のジオール成分(A
    1)が、ダイマージオールである請求項1に記載の乳酸
    系共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】 炭素数20〜45のジカルボン酸成分
    (B1)が、ダイマー酸である請求項1又は2に記載の
    乳酸系共重合ポリエステル。
  4. 【請求項4】 炭素数20〜45のジカルボン酸成分
    (B1)が、水添ダイマー酸である請求項1又は2に記
    載の乳酸系共重合ポリエステル。
  5. 【請求項5】 ポリエステル成分(I)を構成するジオ
    ール成分として、炭素数20〜45のジオール成分(A
    1)と炭素数2〜12のジオール成分(A2)とを含
    み、ジカルボン酸成分として、炭素数20〜45のジカ
    ルボン酸成分(B1)及び/又は1,4−シクロヘキサ
    ンジカルボン酸成分(B2)に、更に炭素数4〜12の
    ジカルボン酸成分(B3)を含み、これら成分の重量比
    (A1+B1+B2)/(A2+B3)、(A1+B
    1)/(A2+B3)又は(A1+B2)/(A2+B
    3)が、100/0〜20/80である請求項1〜4の
    いずれか一つに記載の乳酸系共重合ポリエステル。
  6. 【請求項6】 ジカルボン酸成分とジオール成分とから
    成るポリエステル成分(I)が、酸無水物成分又は多官
    能イソシアネート成分で高分子量化されたポリエステル
    成分である請求項1〜5のいずれか一つに記載の乳酸系
    共重合ポリエステル。
  7. 【請求項7】 実質的に重合触媒を含まない、又は重合
    触媒が触媒失活剤により失活された請求項1〜6のいず
    れか一つに乳酸系共重合ポリエステル。
  8. 【請求項8】 温度35℃、湿度80%の保存条件で、
    60日以内に実質的にブリード物が現れないことを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の耐ブリード
    アウト性に優れた乳酸系共重合ポリエステル。
  9. 【請求項9】 炭素数20〜45のジオール(A1)成
    分、炭素数20〜45のジカルボン酸(B1)、1,4
    −シクロヘキサンジカルボン酸成分(B2)から成る群
    から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、ジオール成
    分とジカルボン酸成分とから成るポリエステルとラクタ
    イドとを、重合触媒の存在下にポリエステルとラクタイ
    ドとの重量比が2/98〜80/20で共重合させる、
    耐ブリードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエステル
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 炭素数20〜45のジオール成分(A
    1)が、ダイマージオールである請求項9に記載の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 炭素数20〜45のジカルボン酸成分
    (B1)が、ダイマー酸である請求項9又は10に記載
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 炭素数20〜45のジカルボン酸成分
    (B1)が、水添ダイマー酸である請求項9又は10に
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 ジオール成分として、炭素数20〜4
    5のジオール(A1)と炭素数2〜12のジオール(A
    2)とを含み、ジカルボン酸成分として、炭素数20〜
    45のジカルボン酸(B1)及び/又は1,4−シクロ
    ヘキサンジカルボン酸成分(B2)に、更に炭素数4〜
    12のジカルボン酸成分(B3)を含み、重量比(A1
    +B1+B2)/(A2+B3)が、100/0〜20
    /80である請求項9〜12のいずれか一つに記載の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 ジカルボン酸成分とジオール成分から
    成るポリエステルが、酸無水物又は多官能イソシアネー
    トで高分子量化されたポリエステルである請求項9〜1
    3のいずれか一つに記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 共重合後に、溶媒により重合触媒を抽
    出除去するか、又は触媒失活剤により重合触媒を失活さ
    せることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一つに
    記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項9〜14のいずれか一つに記載
    の、温度35℃、湿度80%の保存条件で、60日以内
    に実質的にブリード物が現れないことを特徴とする耐ブ
    リードアウト性に優れた乳酸系共重合ポリエステルの製
    造方法。
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