JP2000344600A - Ii−vi族化合物半導体結晶の成長方法及びその装置 - Google Patents

Ii−vi族化合物半導体結晶の成長方法及びその装置

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JP2000344600A
JP2000344600A JP11155014A JP15501499A JP2000344600A JP 2000344600 A JP2000344600 A JP 2000344600A JP 11155014 A JP11155014 A JP 11155014A JP 15501499 A JP15501499 A JP 15501499A JP 2000344600 A JP2000344600 A JP 2000344600A
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compound semiconductor
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Yasuo Namikawa
靖生 並川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上に
結晶性に優れたII−VI族化合物半導体結晶を高い歩
留まりで成長させる方法、及びそのための装置を提供す
ること。 【解決手段】 成長室中に原料多結晶と種結晶とを対向
配置し、前記成長室を加熱炉に挿入して前記種結晶上に
昇華法又はハロゲン化学輸送法でII−VI族化合物半
導体結晶を成長させる方法において、前記成長室と前記
加熱炉との間に結晶成長温度において安定で可視光及び
/又は赤外光を透過しない材料からなる遮光部材を配置
して加熱炉から成長結晶に向かう輻射光を遮断しながら
結晶成長を行うことを特徴とするII−VI族化合物半
導体結晶の成長方法、及びそのための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華法又はハロゲ
ン化学輸送法で種結晶上にZnSe、ZnS、CdT
e、CdS等のII−VI族化合物半導体結晶を成長す
る方法、及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】II−VI族化合物半導体結晶の成長方
法は大きく分けて融液成長法、固相成長法、溶液成長
法、気相成長法の4種の方法に分類される。その中で、
気相成長法には、原料の昇華及び晶出を利用して結晶成
長を行う昇華法(PVT法、Physical Vapor Transport
法)、及びハロゲンを原料と反応させることにより原
料のハロゲン化物を生成し、その分解を利用する化学輸
送法(CVT法、ChemicalVapor Transport 法)があ
る。例えば、J.Crystal Growth, 94(1989) p.1-5 に
は、石英管中の一端に原料として5gのZnSe粉末
を、他端に成長結晶の種結晶としてZnSe単結晶を設
置して封入することによりアンブルを作製し、このアン
ブルを加熱し、ZnSe原料粉末側の温度を約1080
℃、種結晶側の温度を1070℃に設定することによ
り、原料を種結晶側へと輪送し、種結晶上にZnSe結
晶を成長させる方法が開示されている。
【0003】気相成長法では、種結晶の周囲に種結晶よ
りも低温の部分が存在すると、種結晶の一部が昇華して
低温部へ輸送されるため、種結晶の結晶性劣化やボイド
の発生、場合によっては完全な多結晶化を引き起こす。
このような種結晶の結晶性低下はその上に成長する結晶
に引き継がれ、その結晶性を低下させるので、気相成長
法においては、種結晶を保護するためには少なくとも局
所的最低温部に種結晶を位置させることにより、種結晶
自体が輸送されてしまうのを防止することが重要とな
る。
【0004】この問題を解決する方法として、透明な材
質からなるロッド状種結晶支持部材上に種結晶を保持し
て結晶成長を行う方法が提案されている(J.Crystal Gr
owth, 161(1996) p.51-59 ; Yu.V.Korostelin )。図3
はその方法を説明する装置構成と温度分布を示す模式図
である。種結晶支持部材1と石英アンプル2の内壁との
間には小さな隙間が設けられている。この方法では、透
明な種結晶支持部材1を通して石英アンプル2の下方に
熱を放出して種結晶4だけを局所的に冷却し、周囲の容
器壁は加熱炉10のヒーター5で高温に保持する。その
結果、種結晶4は熱的に安定な状態で保持されるため、
周囲への輸送により結晶が劣化することもない。同時
に、容器壁を十分高温とすることができるので、成長結
晶を周囲の容器壁に接触させることなく成長させること
ができる。ZnSe多結晶6から昇華した気体原料は、
種結晶支持部材1と石英アンプル2の内壁との間の隙間
を拡散してアンプル下部の最低温部3にも晶出する。こ
の成長方法は、成長結晶が種結晶4を介して支持部材に
接するだけで容器壁には接しないので、結晶に加わる応
力がかなり低減され、結晶性にすぐれた結晶の成長が可
能となる。なお、図中の7は原料保持用メッシュ、8は
アンプルの封入ふたを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】II−VI族化合物半
導体結晶の結晶性において最も間題となる欠陥は転位で
あり、結晶成長方法においてはできるだけ低転位密度の
結晶を得ることが重要な技術課題である。結晶中の転位
発生原因としては、主に次の3点が挙げられる。すなわ
ち、(1) 種結晶中に存在する転位の引き継ぎ、(2) 結晶
成長中に加わる外部応力、(3) 結晶冷却時に加わる外部
又は内部応力の3点である。結晶の低転位密度化にはこ
れらをできるかぎり抑制することが重要である。
【0006】前記の結晶成長方法は、外部からの応力を
小さく抑えることができるため、成長中に新たに転位が
発生することはほとんどない。主たる転位は種結晶から
引き継がれた転位である。種結晶に存在する転位は成長
結晶に確実に引き継がれるが、引き継がれた転位は成長
結晶周囲に抜けたり、極性の反対の転位同士が結合して
ループを形成して結晶成長につれて徐々に減少する。従
って、結晶の長尺化は結晶性の向上に有利である。ま
た、長尺成長した結晶の先端部近傍からスライスしたウ
エハを新たに種結晶として使用すると、種結晶自身の転
位密度を下げることができる。しかし、前記の結晶成長
方法は、容器壁と無接触で結晶を成長できるという優れ
た長所があるが、容器壁と無接触であるがゆえに結晶形
状制御が難しいという問題点がある。
【0007】また、透明な種結晶支持部材は、種結晶背
面の熱を石英アンプルの下方に放出し種結晶を局所的に
冷却できるため、成長初期は種結晶上全面に結晶を成長
させることができる。しかし、II−VI族化合物半導
体結晶は一般に熱伝導率が低いため、成長結晶の長さが
長くなるにつれて種結晶裏面と成長界面の温度差が大き
くなり、成長界面温度は徐々に上昇する。なお、ZnS
eのように赤外光に対して透過率の高い材料で結晶を成
長するときには、結晶成長界面中央部は輻射熱が成長結
晶自身と種結晶支持部材を通して石英アンプル部の下方
にある程度放出される。他方、成長結晶は周囲のヒータ
ーから加熱されるため、特に結晶成長表面外周部が高温
化する。一方、結晶の成長により原料多結晶と結晶成長
表面との距離は短くなるので、結晶成長界面への原料成
分の輸送は十分に維持される。その結果、結晶が成長す
るにつれて結晶中央部の成長速度が結晶外周部の成長速
度よりも大きくなり、成長結晶の直径が小さくなる傾向
がある。そのため、結晶性に優れた先端部の結晶体積も
小さくなり、成長結晶の先端部からスライスできるウエ
ハのサイズも小さくなる。そして、そのようなウエハは
種結晶として使用することができなくなる。このよう
に、前記の結晶成長方法は優れた結晶性を有する結晶を
高い歩留まりで作製することができないという問題があ
った。
【0008】本発明は、このような問題を解消し、昇華
法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上に結晶性に優れた
II−VI族化合物半導体結晶を高い歩留まりで成長さ
せる方法、及びそのための装置を提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の構成を採
用することにより、前記の課題の解決に成功したもので
ある。 (1)成長室中に原料多結晶と種結晶とを対向配置し、
前記成長室を加熱炉に挿入して前記種結晶上に昇華法又
はハロゲン化学輸送法でII−VI族化合物半導体結晶
を成長させる方法において、前記成長室と前記加熱炉と
の間に結晶成長温度において安定で可視光及び/又は赤
外光を透過しない材料からなる遮光部材を配置して加熱
炉から成長結晶に向かう輻射光を遮断しながら結晶成長
を行うことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶
の成長方法。 (2)前記種結晶は、結晶成長温度において安定で可視
光及び/又は赤外光の透過性材料で作られたロッド状支
持部材上端の平滑平面に保持し、前記支持部材の少なく
とも前記平滑平面近傍が前記成長室内壁と接触しないよ
うに配置することを特徴とする前記(1)のII−VI
族化合物半導体結晶の成長方法。 (3)前記支持部材の平滑平面に、種結晶付着防止用の
コーティング膜を施すことを特徴とする前記(2)のI
I−VI族化合物半導体結晶の成長方法。
【0010】(4)原料多結晶と種結晶とを対向配置す
る成長室と、前記成長室を挿入する加熱炉とを有する、
昇華法又はハロゲン化学輸送法によるII−VI族化合
物半導体結晶の成長装置において、前記加熱炉から成長
結晶に向かう輻射光を遮断する大きさの結晶成長温度に
おいて安定で可視光及び/又は赤外光を透過しない材料
からなる遮光部材を前記成長室と前記加熱炉との間に配
置したことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶
の成長装置。 (5)前記種結晶を前記成長室内に保持するために結晶
成長温度において安定で可視光及び/又は赤外光の透過
性材料で構成されたロッド状の種結晶支持部材を用い、
該支持部材の種結晶保持端面を平滑平面に加工し、前記
支持部材の少なくとも前記平滑平面近傍が前記成長室内
壁と接触しないように前記成長室内に配置したことを特
徴とする前記(4)のII−VI族化合物半導体結晶の
成長装置。 (6)前記支持部材の平滑平面に、種結晶付着防止用の
コーティング膜を施したことを特徴とする前記(5)の
II−VI族化合物半導体結晶の成長装置。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、昇華法又はハロゲン化
学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を
成長させる際に、加熱炉から成長結晶に向かう輻射光を
遮断することにより、結晶成長界面の周囲の温度上昇を
抑制し、成長結晶の直径の変動を抑え、結晶性に優れた
II−VI族化合物半導体結晶を成長させるようにした
ことを特徴とする。
【0012】図1は本発明の1実施態様についてその装
置構成と温度分布を示す模式図である。従来技術を示す
図3の装置と異なる点は、成長室(石英アンプル2)の
外側に遮光部材9を設置した点である。なお、図3と同
一の部位には同一の番号を付し、一部説明を省略した。
この装置は成長室(石英アンプル2)中に原料多結晶
(ZnSe多結晶6)と支持部材1上に保持された種結
晶4とを対向配置し、種結晶4上に昇華法又はハロゲン
化学輸送法でII−VI族化合物半導体結晶を成長させ
る。支持部材1の上端面は平滑平面とし、その上に種結
晶4を載置する。支持部材1の少なくとも平滑平面近傍
を成長室内壁と接触しないように配置するのが好まし
い。これによって、成長室壁面が高温になっても、伝導
熱で種結晶の温度が上昇するのを抑制することができ
る。
【0013】図1の装置では、遮光部材9が結晶成長温
度において安定(分解又は融解、昇華しない)で可視光
及び/又は赤外光を透過しない材料(可視光及び/又は
赤外光に対して不透明な材料)からなる円筒状の部材で
構成され、成長室の結晶成長部近傍の側壁に対向配置さ
れている。成長室(石英アンプル2)は加熱炉10内に
設置され、ヒーター5により外周部から加熱されてい
る。従来の図3のような構造では成長結晶側面はヒータ
ー5からの輻射光により加熱されるが、結晶成長表面中
央部の熱は成長結晶自身と種結晶支持部材を通して石英
アンプル部の下方にある程度輻射光として放出されるの
で、特に結晶成長界面周囲が相対的に高温化する。その
結果、結晶が成長するにつれて結晶中央部の成長速度が
結晶外周部の成長速度よりも大きくなり、成長結晶の直
径が小さくなるという問題が生じる。図1の構成では成
長室の周囲に遮光部材9を設置することにより、ヒータ
ー5からの輻射光が直接成長結晶を加熱するのを防いで
いる。
【0014】図1の装置では、遮光部材9は円筒状の部
材とし、成長室の外側に別個に設置する構造としたが、
図2に示すように遮光部材9を成長室の側壁に直接巻き
付けるような構造としてもよいし、結晶成長温度におい
て安定で可視光及び/又は赤外光を透過しない材料を成
長室外側表面にコーティングした膜としてもよい。
【0015】本発明で使用する遮光部材を形成する材料
としては、結晶成長温度において安定で分解又は融解、
昇華せず、かつ可視光及び/又は赤外光を透過しない材
料の中から選ぶ必要がある。そのような材料としては、
アルミナ、ムライト、ジルコニア等のセラミックス、ア
ルミナ・シリカ系セラミックスファイバー、それらの成
形部材等の断熱材、白金、イリジウム、ロジウム等の金
属又はそれらの金属の化合物、あるいはこれらの材料の
中から選ばれる2種以上を複合させた複合材等を挙げる
ことができる。
【0016】また、種結晶支持部材の材料としては、結
晶成長環境下において分解又は融解、昇華せず、かつ種
結晶と反応せず、ハロゲン化輸送法においてはハロゲン
と反応しない材料を使用するが、さらに、可視光及び/
又は赤外光を透過する材料の中から選ぶのが好ましい。
このような材料を選ぶことにより支持部材下方への輻射
光の放出を可能にし種結晶を局所的に低温化することが
できる。そのような材料としては、石英ガラス、マグネ
シア、水晶、サファイア等を挙げることができる。
【0017】本発明において、種結晶が種結晶支持部材
に固着すると、両者の熱膨張率差により冷却時に種結晶
及び成長結晶に応力が加わる。この応力により結晶性の
悪化が引き起こされるため、この固着を防止することも
重要となる。そこで、種結晶支持部材を、成長結晶に固
着しにくい材料で構成するか、種結晶支持部材の表面に
付着防止用のコーティング膜を形成させて種結晶を載せ
ることにより、前記応力を緩和することが好ましい。コ
ーティング膜も種結晶支持部材と同様に、結晶成長環境
下において分解又は融解、昇華せず、かつ種結晶及び種
結晶支持部材と反応せず、ハロゲン化学輸送法において
はハロゲンと反応しない材料とする必要がある。そのよ
うなコーティング膜としては、カーボン、炭化珪素、炭
化チタン等の炭化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒
化ホウ素等の窒化物、又は酸化アルミニウム、酸化亜鉛
等の酸化物を用いることができる。
【0018】固着防止用コーティング膜を窒化珪素、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素等の窒化物、又は酸化アル
ミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化イットリ
ウム等の酸化物のような可視光及び/又は赤外光を透過
する材料で形成すれば、コーティング膜及び種結晶支持
部材を通して直接輻射により種結晶及び成長結晶を冷却
することができるので、より効果的である。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 (比較例1)図3の構成の装置を用いてZnSe結晶を
成長させた。石英製アンプルは内径21mm、長さ50
0mmで平底に整形したものを用い、種結晶支持部材は
直径20mm、長さ100mmで両端面を研磨した石英
ロッドを用いた。石英ロッドは石英製アンプルの平底に
載せて石英ロッド側面と石英アンプル内壁との間に約
0.5mmの隙間に維持するようにセットした。種結晶
は直径20mm、厚さ0.8mmで表面をミラー研磨、
裏面をラッピング研磨した(111)B面のZnSe単
結晶ウエハを用い、石英ロッドの上面に設置した。結晶
成長に先だって測定した種結晶の転位密度は、6×10
4 〜10×104 cm-2であった。種結晶上方40mm
の位置に原料保持用メッシユをセットし、その上に約5
mm角のZnSe多結晶原料を合計で約40gを載せ
た。次に、アンプルを1×10-7Torrまで真空排気
した後、アルゴンガスを20Torr導入し、封入ふた
部分で封着した。
【0020】このアンプルを縦型管状加熱炉内に配置
し、多結晶原料部温度を1100℃、種結晶部温度を1
080℃、アンプル下端部温度を1000℃に加熱して
約30日間結晶成長を行った。得られた結晶は底面の直
径20mm、先端部の直径14mm、結晶長20mmの
円錐台状の形状であり、重量23.2gで結晶成長速度
は約0.66mm/dayであった。この結晶から(1
00)ウエハをスライスし、片面を研磨後、臭素メタノ
ール溶液でエッチングしてエッチピットを出し、結晶中
の転位密度分布を測定した。転位密度は、種結晶近傍で
は約2×105 cm-2で、成長に従い低下し、結晶先端
部近傍では約8×103 cm-2であった。結晶径が成長
とともに小さくなっていたため、低転位密度の結晶性に
すぐれた部分の体積は小さく、転位密度1×104 cm
-2以下の部分の体積は全体の約10%であった。また、
結晶性に優れた部分から、直径20mmの種結晶用(1
11)ウエハを採取することはできなかった。
【0021】(実施例1)図1の構成の装置を用いてZ
nSe結晶を成長させた。アンプル作製手順は比較例1
と同様に行った。結晶成長に先だって測定した種結晶の
転位密度は、6×104 〜10×104 cm-2であっ
た。遮光部材はアルミナ系セラミックスを内径30m
m、外径40mm、長さ50mmの円筒形に成形したも
のを使用した。
【0022】このアンプルを縦型管状加熱炉に配置し、
アンプル外側に、円筒の上面が原料保持用メッシュと同
じ高さになるように前記の円筒状の遮光部材を配置し
た。図1に示すような温度プロファイルで多結晶原料部
温度を1100℃、種結晶部温度を1080℃、石英ロ
ッド下端の最低温部を1000℃に加熱して約30日間
結晶成長を行った。得られた結晶は、底面の直径20m
mで、結晶長24mm、重量30.8g、結晶成長速度
は約0.80mm/dayであった。底面から高さが約
12mmまではほぼ一定の直径で成長し、そこから徐々
に細って先端部の直径は17mmであった。
【0023】この結晶から(100)ウエハをスライス
し、片面を研磨後、臭素メタノール溶液でエッチングし
てエッチピットを出し、結晶中の転位密度分布を測定し
た。転位密度は種結晶近傍で約2×105 cm-2で、成
長につれて低下し、結晶先端部近傍では約6×103
-2であった。成長に伴う結晶径縮小が抑制されたた
め、比較例1と比べて低転位密度で結晶性に優れた部分
の体積は大きく、転位密度1×104 cm-2以下の部分
の体積は全体の約40%であった。また、種結晶から1
0mmの位置で、直径20mmの種結晶用(111)ウ
エハを採取することができた。採取した(111)ウエ
ハの転位密度は約2×104 〜4×104cm-2であ
り、結晶成長に使用した種結晶よりも結晶性に優れたウ
エハを得ることができた。
【0024】(実施例2)実施例1と基本的構造は同じ
装置を使用し、種結晶支持部材の石英ロッド上面を熱C
VD法でカーボン薄膜をコーティングして使用した。他
の条件は実施例1と同様にして30日間結晶成長を行っ
た。結晶成長に先だって測定した種結晶の転位密度は6
×104 〜10×104 cm-2であった。得られた結晶
は、底面の直径20mmで、結晶長21mm、重量2
6.6g、結晶成長速度は約0.70mm/dayであ
った。底面からの高さが約11mmまではほぼ一定の径
で成長し、そこから徐々に細って先端部では直径18m
mとなっていた。
【0025】この結晶から(100)ウエハをスライス
し、片面を研磨後、臭素メタノール溶液でエッチングし
てエッチピットを出して結晶中の転位密度分布を測定し
た。種結晶近傍の転位密度は約1×105 cm-2で、成
長につれて低下し、結晶先端部近傍では約5×103
-2であった。実施例1と比較して、種結晶近傍での転
位密度増加が抑制されていることが分かる。これは、冷
却過程で種結晶に加わる外部応力がカーボン薄膜により
抑制されたことによると考えられる。転位密度が1×1
4 cm-2以下の部分の体積は全体の約45%であっ
た。また、種結晶からの長さが10mmの位置で、直径
20mmの種結晶用(111)ウエハを採取できた。採
取した(111)ウエハの転位密度は約1×104 〜3
×104 cm-2であり、結晶成長に使用した種結晶より
も結晶性にすぐれたウエハを得ることができた。
【0026】なお、以上の実施例では、アルゴンガス雰
囲気中でのZnSe結晶の昇華法による成長方法につい
てのみ述べたが、他のII−VI族化合物半導体結晶の
昇華法による成長方法に対しても同様に適用可能であ
り、成長雰囲気もアルゴン等の不活性ガス雰囲気のみで
なく、リザーバを用いたII族あるいはVI族元素の雰
囲気での成長に対しても適用可能である。また、昇華法
だけでなく、ハロゲン化学輸送法に対しても同様に適用
可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、昇華法及び/又
はハロゲン化学輸送法により、II−VI族化合物半導
体結晶を種結晶上に成長するときに、成長結晶の形状制
御が容易となり、結晶性に優れたII−VI族化合物半
導体結晶を安定して再現性よく高い歩留まりで作製する
ことが可能となった。また、本発明の装置によれば、前
記方法を効果的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施態様である装置構成と温度分布
を示す模式図である。
【図2】本発明の他の実施態様である装置構成を示す模
式図である。
【図3】従来技術の装置構成と温度分布を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 種結晶支持部材 2 石英アンプル 3 最低
温部 4 種結晶 5 ヒーター 6 ZnSe多結晶 7 原料保持
用メッシュ 8 封入ふた 9 遮光部材 10 加熱炉

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成長室中に原料多結晶と種結晶とを対向
    配置し、前記成長室を加熱炉に挿入して前記種結晶上に
    昇華法又はハロゲン化学輸送法でII−VI族化合物半
    導体結晶を成長させる方法において、前記成長室と前記
    加熱炉との間に結晶成長温度において安定で可視光及び
    /又は赤外光を透過しない材料からなる遮光部材を配置
    して加熱炉から成長結晶に向かう輻射光を遮断しながら
    結晶成長を行うことを特徴とするII−VI族化合物半
    導体結晶の成長方法。
  2. 【請求項2】 前記種結晶は、結晶成長温度において安
    定で可視光及び/又は赤外光の透過性材料で作られたロ
    ッド状支持部材上端の平滑平面に保持し、前記支持部材
    の少なくとも前記平滑平面近傍が前記成長室内壁と接触
    しないように配置することを特徴とする請求項1記載の
    II−VI族化合物半導体結晶の成長方法。
  3. 【請求項3】 前記支持部材の平滑平面に、種結晶付着
    防止用のコーティング膜を施すことを特徴とする請求項
    2記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。
  4. 【請求項4】 原料多結晶と種結晶とを対向配置する成
    長室と、前記成長室を挿入する加熱炉とを有する、昇華
    法又はハロゲン化学輸送法によるII−VI族化合物半
    導体結晶の成長装置において、前記加熱炉から成長結晶
    に向かう輻射光を遮断する大きさの結晶成長温度におい
    て安定で可視光及び/又は赤外光を透過しない材料から
    なる遮光部材を前記成長室と前記加熱炉との間に配置し
    たことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶の成
    長装置。
  5. 【請求項5】 前記種結晶を前記成長室内に保持するた
    めに結晶成長温度において安定で可視光及び/又は赤外
    光の透過性材料で構成されたロッド状の種結晶支持部材
    を用い、該支持部材の種結晶保持端面を平滑平面に加工
    し、前記支持部材の少なくとも前記平滑平面近傍が前記
    成長室内壁と接触しないように前記成長室内に配置した
    ことを特徴とする請求項4記載のII−VI族化合物半
    導体結晶の成長装置。
  6. 【請求項6】 前記支持部材の平滑平面に、種結晶付着
    防止用のコーティング膜を施したことを特徴とする請求
    項5記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110093667A (zh) * 2019-05-21 2019-08-06 浙江森尼克半导体有限公司 一种气相生长ZnTe单晶体的装置及方法
CN114134576A (zh) * 2021-12-02 2022-03-04 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种用于低位错密度CdS单晶生长的籽晶处理方法

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