JP2000343539A - 多種材コンタクトレンズブランクの成形用型並びに多種材コンタクトレンズブランクの製造方法 - Google Patents

多種材コンタクトレンズブランクの成形用型並びに多種材コンタクトレンズブランクの製造方法

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JP2000343539A
JP2000343539A JP16072899A JP16072899A JP2000343539A JP 2000343539 A JP2000343539 A JP 2000343539A JP 16072899 A JP16072899 A JP 16072899A JP 16072899 A JP16072899 A JP 16072899A JP 2000343539 A JP2000343539 A JP 2000343539A
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博幸 大山
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裕二 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した光学的性質が確保される多種材コン
タクトレンズと、それを与えるコンタクトレンズブラン
クが経済的に有利に成形され得る成形用型と、かかるコ
ンタクトレンズブランクの製造方法とを提供する。 【解決手段】 目的とするコンタクトレンズブランク8
4の一方の側の面を成形する成形キャビティ面22を備
えた下型12に中間型14を組み付けて、それら下型1
2と中間型14との間で、前記コンタクトレンズブラン
ク84を構成する複数の重合体のうちの少なくとも一つ
を成形すると共に、該成形された重合体54に対して、
それとは異なる重合体を与える原料モノマー配合液が収
容される凹所56を形成し、更に、該中間型14に代え
て、上型16を下型12に組み付けて、前記中間型14
を用いて成形された重合体54の凹所56を、前記原料
モノマー配合液58が収容された状態下で覆蓋し、該凹
所56内で、該原料モノマー配合液58の重合を行うこ
とにより、該凹所56を有する重合体54に対して、そ
れとは異なる重合体60を一体的に積層して、成形する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、多種材コンタクトレンズブラン
クの成形用型並びに多種材コンタクトレンズブランクの
製造方法、及び多種材コンタクトレンズに係り、特に、
異なる複数の重合体にてレンズの所定部位がそれぞれ構
成されて、一体的なコンタクトレンズ形状を呈してなる
多種材コンタクトレンズを与える多種材コンタクトレン
ズブランクを成形するための成形用型並びにそのような
多種材コンタクトレンズブランクの有利な製造方法、及
びかかる多種材コンタクトレンズブランクから得られる
多種材コンタクトレンズに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、上述の如き構成を有する多種材
コンタクトレンズには、中心部が、ハードレンズを与え
る重合体(ポリメチルメタクリレート等)からなる一
方、周辺部が、ソフトレンズを与える重合体(ポリ2−
ヒドロキシエチルメタクリレート等)からなる等、物理
的性質が異なる重合体にてレンズの所定部位がそれぞれ
構成されてなるものや、同一光学部内に屈折率の異な
る、即ち光学的性質の異なる重合体にてレンズの所定部
位がそれぞれ構成されて、部分的に異なった光学度数が
発揮され得るようにしたもの(多焦点コンタクトレン
ズ)等がある。それらの多種材コンタクトレンズのう
ち、前者は、ソフトレンズ特有の良好な装用感と、ハー
ドレンズの有する優れた光学性とが兼備せしめられ得る
点で、極めて有用であり、また、後者は、単一焦点のコ
ンタクトレンズと同様に、単に、光学面を単一の球面と
為すだけで製造され得ることから、光学面を多段曲率形
状となるように切削加工しなければならない単一の重合
体からなる多焦点コンタクトレンズに比して、安価に且
つ容易に製造され得るといった点において、優れた特徴
を有している。
【0003】ところで、そのような多種材コンタクトレ
ンズの製造方法としては、例えば、特開昭49−873
45号公報や、特開昭50−25245号公報、特表平
8−505095号公報等に記載される手法が、一般に
知られている。
【0004】すなわち、特開昭49−87345号公報
及び特開昭50−25245号公報に記載された手法
は、先ず、ハードレンズを与える重合体を柱形状に成形
した後、該柱形状を呈する重合体の周囲にソフトレンズ
を与える重合体を積層形成することにより、或いは、先
ず、ソフトレンズを与える重合体を、中心部に、軸方向
に延びる空洞が形成された柱形状に成形した後、この柱
形状の重合体の空洞内に、ハードレンズを与える重合体
を一体的に積層形成することによって、何れも、中心部
がハードレンズを与える重合体からなり、且つ外周部が
ソフトレンズを与える重合体からなる柱状積層体を成形
し、その後、これを軸直角方向に複数に切断して、それ
ぞれ1個のコンタクトレンズを与えるコンタクトレンズ
ブランクの複数を得、そして最後に、それら各コンタク
トレンズブランクに対して所定の切削加工を施して、目
的とするコンタクトレンズを得るものである。また、特
表平8−505095号公報に記載される手法は、縦断
面M字形状を呈し、両面に、互いに異なる単量体素材
(原料モノマー配合液)を収容可能な受部がそれぞれ設
けられた成形用型を用い、ハードレンズを与える重合体
とソフトレンズを与える重合体とを、該成形用型の両面
の受部のそれぞれに対して一体的に成形することによ
り、1個のコンタクトレンズを与えるコンタクトレンズ
ブランクを、成形用型を含んで形成し、その後、このコ
ンタクトレンズブランクに対して所定の切削加工を施し
て、目的とするコンタクトレンズを得るものである。
【0005】ところが、上記三つの従来手法のうち、中
心部と外周部とがそれぞれ異なる重合体にて構成された
柱状積層体を成形した後、この柱状積層体を切断するこ
とにより、1個のコンタクトレンズを与えるコンタクト
レンズブランクを得るようにした手法においては、かか
るコンタクトレンズブランクを直接に成形する場合より
も、柱状積層体を切断するための余分な手間がかかるば
かりでなく、そのような切断工程において切屑が不可避
的に発生するために、材料を無駄に捨てることとなり、
それによって、材料コストが嵩むといった問題があっ
た。また、所定の成形用型を用いて、コンタクトレンズ
ブランクを得るようにした手法にあっても、1個のコン
タクトレンズを与えるコンタクトレンズブランクが直接
に成形され得るものの、成形されるコンタクトレンズブ
ランクが、成形用型を介して、二つの重合体を一体化し
てなる一体品として構成されるため、そのようなコンタ
クトレンズブランクを切削加工して得られるコンタクト
レンズに、成形用型の一部が不可避的に残存してしま
い、その結果、残存する成形用型の一部分によって、コ
ンタクトレンズの光学的性質に問題が生ずることがあっ
たのである。
【0006】このように、従来では、多種材コンタクト
レンズを製造するに際して、コンタクトレンズブランク
の製造過程において、幾つかの問題が惹起されていたの
である。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、安定した光学的性質が確保される多種材
コンタクトレンズを与える多種材コンタクトレンズブラ
ンクを、経済的に有利に成形し得る多種材コンタクトレ
ンズブランクの成形用型と、そのような多種材コンタク
トレンズブランクの有利な製造方法を提供することにあ
る。また、本発明にあっては、安定した光学的性質が確
保され、しかも経済的に有利に成形され得る多種材コン
タクトレンズを提供することをも、その解決課題とする
ものである。
【0008】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するために、複数の重合体にてレンズの所定部
位がそれぞれ構成されて、一体的なコンタクトレンズ形
状を呈する多種材コンタクトレンズを与える材料であっ
て、それら複数の重合体が一体的に積層されてなる多種
材コンタクトレンズブランクを成形する成形用型におい
て、(a)該コンタクトレンズブランクの一方の側の面
を成形する成形キャビティ面を有する下型と、(b)該
下型との間で、または該下型の前記成形キャビティ面上
に成形した前記複数の重合体のうちの少なくとも一つと
の間で、該複数の重合体の残りのもののうちの一つを成
形する中間成形キャビティを形成する型であって、該中
間成形キャビティ内での重合にて成形される重合体に対
して、該成形される重合体とは異なる重合体を与える原
料モノマー配合液が収容される凹所を形成する凸部を有
し、且つ該中間成形キャビティ内での該重合体の成形の
後に除去せしめられ得るように構成された、少なくとも
一つの中間型と、(c)該少なくとも一つの中間型を用
いて成形された重合体を成形キャビティ面上に有する前
記下型に対して組み合わされ、該重合体に形成された前
記凹所を覆蓋して、該凹所内での前記原料モノマー配合
液の重合によって、前記コンタクトレンズブランクの他
方の側の面の少なくとも一部を成形する上型とを含むこ
とを特徴とする多種材コンタクトレンズブランクの成形
用型を、その要旨とするものである。
【0009】要するに、本発明に従う多種材コンタクト
レンズブランクの成形用型にあっては、例えば、下型と
中間型の一つ(ここでは、便宜上、第一の中間型と記
す)との間で形成される中間成形キャビティ(同様に、
第一の中間成形キャビティと記す)内で原料モノマー配
合液を重合することにより、かかる第一の中間型に設け
られた凸部に対応した凹所を有する重合体(同様に、第
一の重合体と記す)を下型の成形キャビティ面上に成形
し、そして、第一の中間型を取り除き、第一の重合体の
凹所内に、第一の重合体を与える原料モノマー配合液と
は異なる原料モノマー配合液を収容した状態下で、上型
を下型に対して組み合わせて第一の重合体の凹所を覆蓋
し、該凹所内の原料モノマー配合液を重合することによ
って、第一の重合体とは異なる重合体を成形し、以て、
異なる二つの重合体が一体的に積層されてなる多種材コ
ンタクトレンズブランクが成形されるようになってい
る。また、下型の成形キャビティ面上に前記第一の重合
体を成形して、前記第一の中間型を取り除いた状態下
で、第一の中間型とは別の中間型(同様に、第二の中間
型と記す)と、第一の重合体との間で、第一の重合体を
与える前記第一の中間成形キャビティとは別の中間成形
キャビティ(同様に、第二の中間成形キャビティと記
す)を形成し、この第二の中間成形キャビティ内で、第
一の重合体の凹所内に収容された原料モノマー配合液を
重合することにより、第二の中間型に設けられた凸部に
対応した凹所を有する重合体(同様に、第二の重合体と
記す)を、第一の重合体の凹所内において、該第一の重
合体に対して一体的に積層形成し、更に、かくして成形
された第二の重合体の凹所内に、少なくとも第二の重合
体を与える原料モノマー配合液とは異なる原料モノマー
配合液を収容せしめた状態下で、下型に対して上型を組
み合わせて、第二の重合体の凹所を覆蓋し、該凹所内の
原料モノマー配合液を重合することによって、少なくと
も第二の重合体とは異なる重合体を成形し、以て、隣接
して一体化された二つの重合体が少なくとも異なる三つ
の重合体が一体的に積層されてなる多種材コンタクトレ
ンズブランクが成形されるようになっている。そしてま
た、第一及び第二の中間型とは別の複数の中間型を更に
用いて、上述の如き要領で、第二の重合体に対して更に
複数の重合体を一体的に積層形成することにより、隣接
して一体化された二つの重合体が少なくとも異なる四つ
以上の重合体が一体的に積層されてなる多種材コンタク
トレンズブランクが成形されるようになっているのであ
る。
【0010】このように、本発明に従う多種材コンタク
トレンズブランクの成形用型を用いれば、1個の多種材
コンタクトレンズを与えるコンタクトレンズブランクが
直接に成形されるため、例えば、複数の重合体を一体的
に積層して構成した柱状積層体を成形し、そして、この
柱状積層体を切断することにより1個のコンタクトレン
ズを与えるコンタクトレンズブランクを得る場合とは異
なって、かかる柱状積層体を切断する手間が有利に省略
され得ると共に、そのような切断による切屑の発生が皆
無ならしめられて、材料の廃棄量が有効に低減され、そ
れによって、材料コストが可及的に抑制され得ることと
なる。また、複数の重合体同士が、直接に、且つ一体的
に積層されて、コンタクトレンズブランクが成形される
ところから、従来の成形用型を用いる場合とは異なっ
て、成形されるコンタクトレンズブランクにおいて、複
数の重合体同士の間には、成形用型の一部分等、最終的
に得られるコンタクトレンズの光学的性質に悪影響を及
ぼすような介在物が、何等存在せしめられることもな
い。
【0011】従って、本発明に従う多種材コンタクトレ
ンズブランクの成形用型にあっては、安定した光学的性
質が確保される多種材コンタクトレンズを与える多種材
コンタクトレンズブランクが、経済的に有利に成形され
得ることとなるのである。
【0012】なお、このような本発明に従う多種材コン
タクトレンズブランクの成形用型の好ましい態様の一つ
によれば、前記中間型が前記下型よりも薄くされて、そ
れら下型と中間型との間に形成される前記中間成形キャ
ビティの容積の収縮が、該中間型の変形により吸収され
得るように構成される。
【0013】かくの如き構成を有する成形用型において
は、下型と中間型との間に形成される中間成形キャビテ
ィ内での原料モノマー配合液の重合によって重合収縮が
生じた際に、中間型がそれに追従して変形せしめれて、
重合収縮が吸収され、以て、かかる重合収縮に伴う、外
部からの前記中間成形キャビティ内への気泡の侵入が効
果的に防止され得る。
【0014】また、かかる成形用型にあっては、中間型
の変形によって重合収縮が吸収されるために、下型の成
形キャビティ面にて成形されるコンタクトレンズブラン
クの一方の側の面が、重合収縮により該成形キャビティ
面から剥離するようなことが有利に阻止され、以て、か
かるコンタクトレンズの一方の側の面を、常に、該成形
キャビティ面に対応した一定の形状をもって構成するこ
とが可能となる。それ故、このような成形用型を用いれ
ば、成形されるコンタクトレンズブランクの前記一方の
側の面において、コンタクトレンズブランクを、所定の
保持部材に対して、常に同じ位置に且つ同じ状態で正確
に保持させることが出来、その結果として、例えば、該
所定の保持部材に対して保持させた状態下でのコンタク
トレンズブランクに対する切削加工等を、常に、寸法精
度良く且つ安定的に実施することが可能となるのであ
る。
【0015】また、本発明に従う多種材コンタクトレン
ズブランクの成形用型の望ましい態様の一つによれば、
前記上型と前記下型と前記中間型とが、それぞれ、熱可
塑性樹脂材料にて構成される。これによって、それら上
型と下型と中間型とが、より広範囲な成形方法にて、比
較的簡単に成形され得ることとなる。
【0016】さらに、上型と下型と中間型の全てが、熱
可塑性樹脂材料にて構成される場合には、有利には、そ
れら上型と下型と中間型が、互いに独立した別々の熱可
塑性樹脂製のシート材に対して加熱成形加工を施すこと
により、それら別々のシート材からそれぞれ一つずつ形
成されて構成される。
【0017】更にまた、上型と下型と中間型の全てが、
熱可塑性樹脂材料にて構成される場合においては、好ま
しくは、それら上型と下型と中間型が、互いに独立した
別々の熱可塑性樹脂製のシート材に対して加熱成形加工
を施すことにより、それぞれ複数個ずつ形成されて構成
されることとなる。
【0018】このような構成を有する成形用型を用いれ
ば、複数の下型と複数の中間型との間で、複数の中間成
形キャビティ内において、複数の重合体を同時に且つ一
挙に成形することが出来ると共に、そのような重合体が
成形キャビティ面上に成形された複数の下型と複数の上
型との間で、若しくは別の複数の中間型との間で、該成
形キャビティ面上に成形された重合体に対して、それと
は別の重合体を同時に且つ一挙に積層して成形すること
が出来るのであり、その結果として、目的とする多種材
コンタクトレンズブランクの複数を、同時に且つ一挙に
得ることが可能となるのである。
【0019】また、かかる成形用型を使用する場合、例
えば、三つのシート材を連続的に順送りしながら、それ
ら三つのシート材に対してそれぞれ加熱成形加工を施し
て、下型と中間型と上型とをそれぞれ成形する工程と、
かかる工程により成形された下型と中間型との間で、下
型の成形キャビティ面上に重合体を成形する工程と、該
工程により下型の成形キャビティ面上に成形された重合
体に対して、中間型または上型を用いて、該重合体とは
異なる重合体を一体的に積層して成形する工程とを、連
続的に且つ同時に行うことが出来る成形装置を利用すれ
ば、目的とする多種材コンタクトレンズブランクを、次
々と連続的に成形することが出来る。
【0020】なお、上述の如き構成を採用する場合、下
型と上型と中間型とを形成するために熱可塑性樹脂製の
シート材に対して施される加熱成形加工としては、例え
ば、真空成形加工や圧縮成形加工、或いは加熱可塑化せ
しめられたシート材に対して圧縮空気等を吹きつけて、
該シート材を所定の成形キャビティ面の形状に対応した
形状に成形する圧空成形加工等、熱可塑性樹脂製のシー
ト材を所定の形状に成形可能な加熱成形加工方法が、何
れも有利に採用され得る。
【0021】また、そのように、上型と下型と中間型
が、互いに独立した別々の熱可塑性樹脂製のシート材を
用いて構成される場合には、望ましくは、中間型を与え
る熱可塑性樹脂製シート材と前記下型を与える熱可塑性
樹脂製シート材との厚みの差が0.1〜1.95mmと
される。これは、厚さが2.0mmを上回る熱可塑性樹
脂製シート材を用いた場合、厚過ぎて、下型の成形性が
低下する一方、厚さが0.05mmを下回る熱可塑性樹
脂製シート材を用いた場合には、薄過ぎて、中間型の成
形が困難となるために、それらのシート材の厚みの差の
上限を1.95mmとし、また、中間型を下型よりも薄
くすることによって奏される前述した如き効果を得る上
で、かかる厚みの差の下限を0.1mmとした。従っ
て、中間型を与える熱可塑性樹脂製シート材と前記下型
を与える熱可塑性樹脂製シート材との厚みの差を0.1
〜1.95mmとすれば、中間型を下型よりも薄くする
ことによって奏される前述した如き効果が確実に享受さ
れ得るばかりでなく、下型の成形性の低下が有利に阻止
され得、更には、中間型の厚さが適度に確保されるた
め、下型からの取り外しが困難となるようなことも防止
され得る。
【0022】さらに、上述の如き厚みの差を有する熱可
塑性樹脂製シート材を用いる場合には、有利には、前記
下型を与える熱可塑性樹脂製シート材として、0.15
〜2.0mmの範囲の厚みを有するものが用いられる一
方、前記中間型を与える熱可塑性樹脂製シート材とし
て、0.05〜1.9mmの範囲の厚みを有するものが
用いられることとなる。これによって、下型が厚くなり
過ぎたり、中間型が薄くなり過ぎたりして、それら下型
と中間型の成形性が低下するようなことが効果的に回避
され得ると共に、下型が薄くなり過ぎて、その使用時
に、形状が保持出来なくなるような恐れが有利に回避さ
れ得るのであり、更には、中間型が厚くなり過ぎて、中
間成形キャビティの容積の収縮による変形、ひいては、
中間成形キャビティ内での原料モノマー配合液の重合に
より生ずる重合収縮に伴う変形が困難となってしまうよ
うなことも、有効に阻止され得るのである。
【0023】更にまた、本発明に従う多種材コンタクト
レンズブランクの成形用型の別な好ましい態様の一つに
よれば、前記中間型の前記中間成形キャビティを形成す
る成形キャビティ形成部位に、外方に向かって拡開する
テーパ形状を呈するテーパ形状部が設けられることとな
る。このような構成を有する成形用型にあっては、中間
成形キャビティの容積が収縮せしめられた際に、中間型
が、かかるテーパ形成部位において、より変形し易くな
り、それによって、中間成形キャビティ内での原料モノ
マー配合液の重合により生ずる重合収縮に追従しての中
間型の変形が更に容易となり、以て、かかる重合収縮に
伴う中間成形キャビティ内への気泡の侵入や、成形され
る重合体の、下型の成形キャビティ面からの剥離が、よ
り一層有効に防止され得ることとなる。また、中間成形
キャビティ内で成形される重合体に対して、テーパ形状
部に対応した形状のテーパ部が形成されるため、このテ
ーパ部を有する重合体の凹所内に収容される原料モノマ
ー配合液と、該凹所を覆蓋する中間型や上型のキャビテ
ィ面との接触面積が増大し、それによっても、かかる凹
所内での原料モノマー配合液の重合により生ずる重合収
縮に伴う該凹所内への気泡の侵入や、成形される重合体
の、下型の成形キャビティ面からの剥離が、有効に防止
され得る。なお、かかる成形用型においては、テーパ形
状部の外周面と、中間型の中心軸に対して直角な面との
なす角の大きさが、好ましくは1〜80°、より好まし
くは1〜40°とされる。
【0024】また、本発明に従う多種材コンタクトレン
ズブランクの成形用型の他の望ましい態様の一つによれ
ば、前記中間型の凸部が円筒形状を呈する円筒部を有し
て構成され、且つかかる円筒部の外径が0.5〜11m
mとされる。このような構成を有する成形用型にあって
は、中間成形キャビティ内で成形される重合体に対し
て、かかる円筒部にて形成される凹所内に収容された原
料モノマー配合液の重合により得られる重合体が小さく
なり過ぎたり、或いはそれが大きくなり過ぎたりするよ
うなことが有利に回避され得、それによって、成形され
るコンタクトレンズブランクから最終的に得られる多種
材コンタクトレンズ(特に、多焦点コンタクトレンズ)
の光学性能が安定的に確保され得こととなる。
【0025】さらに、本発明に従う多種材コンタクトレ
ンズブランクの成形用型の別の有利な態様の一つによれ
ば、前記下型と前記中間型との間に形成される前記中間
成形キャビティの上部に、該中間成形キャビティから溢
れ出た余剰の原料モノマー配合液を溜める、外部から仕
切られた液溜部が形成され、かかる液溜部が、該中間成
形キャビティ内の該原料モノマー配合液が減少せしめら
れた際に、内部に収容された原料モノマー配合液を該中
間成形キャビティ内に供給し得るように構成される。か
かる構成を有する成形用型においては、中間成形キャビ
ティ内での原料モノマー配合液の重合による重合収縮が
生じることがあっても、原料モノマー配合液が、液溜部
から中間成形キャビティ内にスムーズに且つ確実に補充
され得て、かかる重合収縮によるヒケ等の問題が、効果
的に阻止乃至は抑制され得る。
【0026】ところで、本発明にあっては、複数の重合
体が部分的に位置するように構成された多種材コンタク
トレンズを与える材料であって、それら複数の重合体が
一体的に積層されてなる多種材コンタクトレンズブラン
クを製造する方法において、(a)一つの第一の型と、
複数の第二の型とを有する成形型を用い、該第一の型に
対して該複数の第二の型のうちの一つを型合わせするこ
とにより、それら第一の型と第二の型のうちの一つとの
間に成形キャビティを形成した後、かかる成形キャビテ
ィ内に原料モノマー配合液を充填して重合することによ
って、前記複数の重合体のうちの一つを成形する工程
と、(b)前記第一の型に型合わせされた第二の型を取
り除いて、それとは別の第二の型を該第一の型に型合わ
せすることにより、該第一の型と該別の第二の型との間
に、既に成形された重合体を一部に収容する成形キャビ
ティを形成した後、かかる成形キャビティ内に、該既に
成形された重合体を与える原料モノマー配合液とは異な
る原料モノマー配合液を充填して重合することにより、
該既に成形された重合体に対して、それとは異なる重合
体を一体的に積層して成形する工程とを含み、前記既に
成形された重合体に対して、それとは異なる重合体を一
体的に積層して成形する工程を、前記複数の重合体の数
に応じた回数だけ行うことを特徴とする多種材コンタク
トレンズブランクの製造方法をも、その要旨とするもの
である。
【0027】すなわち、本発明に従う多種材コンタクト
レンズブランクの製造方法においては、先ず、第一の型
と第二の型のうちの一つを用いて、複数の重合体のうち
の一つを成形した後、第二の型のうちの一つを取り除い
て、別の第二の型を用いて、該成形された一つの重合体
に対して、それとは異なる重合体を一体的に積層して成
形することにより、二つの重合体が一体的に積層されて
なる多種材コンタクトレンズブランクを成形するもので
あり、また、三つ以上の重合体からなる多種材コンタク
トレンズブランクを成形する場合には、既に成形された
重合体を成形する際に用いた第二の型を取り除き、更に
別の第二の型を用いて、該既に成形された重合体のう
ち、少なくとも前記取り除かれた第二の型を用いて成形
された重合体とは別の重合体を、該既に成形された重合
体に対して一体的に積層する工程を、重合体の数に応じ
た回数だけ行って、少なくとも隣接して一体化される二
つの重合体が互いに異なる三つ以上の重合体が一体的に
積層されるようにしたものである。
【0028】このように、本発明に従う多種材コンタク
トレンズブランクの製造方法にあっては、第一の型と複
数の第二の型とからなる成形用型が用いられていること
から、1個の多種材コンタクトレンズを与えるコンタク
トレンズブランクが直接に成形され、それによって、先
ず、複数の重合体を一体的に積層して構成した柱状積層
体を成形してから、かかるコンタクトレンズブランクを
得る従来法とは異なって、材料コストの節約が効果的に
図られ得るのであり、また、複数の重合体が、何等の介
在物もなく、一体的に積層されるものであることから、
該複数の重合体同士の間に介在せしめられて、それらを
一体的に積層する従来の成形用型を用いた方法とも異な
って、最終的に得られるコンタクトレンズの光学的性質
に悪影響を及ぼすような介在物が、何等存在せしめられ
ることもないのである。
【0029】従って、このような本発明に従う多種材コ
ンタクトレンズブランクの製造方法によれば、多種材コ
ンタクトレンズブランクを経済的に且つ工業的に有利に
製造し得るばかりでなく、かかる多種材コンタクトレン
ズブランクから得られる多種材コンタクトレンズの光学
的性質を安定的に確保することが出来るのである。な
お、前述した本発明に従う多種材コンタクトレンズブラ
ンクの成形用型を用いて、本発明手法を実施する場合に
は、かかる成形用型の下型が、本発明手法における一つ
の第一の型として使用され、また、中間型と上型とが、
本発明に手法における複数の第二の型として使用される
こととなる。
【0030】そして、本発明にあっては、複数の重合体
にてレンズの所定部位がそれぞれ構成されて、一体的な
コンタクトレンズ形状を呈する多種材コンタクトレンズ
を与える材料であって、それら複数の重合体が一体的に
積層されてなる多種材コンタクトレンズブランクを製造
する方法において、(a)互いに独立した複数の熱可塑
性樹脂製のシート材を用い、それら複数のシート材のそ
れぞれに対して、部分的な加熱成形加工を連続的に行っ
て、該複数のシート材のうちの一つに、前記コンタクト
レンズブランクの一方の側の面を成形する成形キャビテ
ィを有する第一の型を連続して複数個形成する一方、該
一つのシート材とは別のシート材に、該第一の型に組み
合わされる第二の型を連続して複数個形成する工程と、
(b)前記連続して形成される複数個の第一の型のうち
の一つに対して、前記連続して形成される複数の第二の
型のうちの一つを型合わせすることにより、それら第一
の型と第二の型との間に成形キャビティを形成した後、
かかる成形キャビティ内に原料モノマー配合液を充填し
て重合することによって、前記複数の重合体のうちの一
つを成形する工程と、(c)前記第一の型に型合わせさ
れた第二の型を取り除いて、それとは別の第二の型を該
第一の型に型合わせすることにより、該第一の型と該別
の第二の型との間に、既に成形された重合体を一部に収
容する成形キャビティを形成した後、かかる成形キャビ
ティ内に、該既に成形された重合体を与える原料モノマ
ー配合液とは異なる原料モノマー配合液を充填して重合
することにより、該既に成形された重合体に対して、そ
れとは異なる重合体を一体的に積層して成形する工程と
を含み、前記既に成形された重合体に対して、それとは
異なる重合体を一体的に積層して成形する工程を、前記
複数の重合体の数に応じた回数だけ行うと共に、それら
の工程を重複して進行せしめることを特徴とする多種材
コンタクトレンズブランクの製造方法をも、その要旨と
するものである。
【0031】このような本発明手法においては、第一の
型と複数の第二の型とが用いられてコンタクトレンズブ
ランクが製造されるようになっており、また、かかるコ
ンタクトレンズブランクを与える複数の重合体が、何ら
の介在物もなく、一体的に積層されるものであることか
ら、上述した本発明に従う多種材コンタクトレンズブラ
ンクの製造方法を採用する場合と同様な優れた効果が、
極めて有効に享受され得る。
【0032】しかも、かかる本発明手法にあっては、第
一の型と第二の型の連続的な成形工程と、複数の重合体
のうちの一つを成形する工程と、既に成形された重合体
に対して、異なる重合体を一体的に積層して成形する工
程とが、重複して進行せしめられるようになっていると
ころから、目的とする多種材コンタクトレンズブランク
が、短い成形サイクルで、次々と連続的に製造され得る
こととなるのである。
【0033】そして更に、本発明にあっては、上述せる
如き製造方法に従って製造された多種材コンタクトレン
ズブランクを切削加工することにより形成されているこ
とを特徴とする多種材コンタクトレンズをも、要旨とす
るものである。
【0034】このような本発明に従う多種材コンタクト
レンズにあっては、そのレンズ材料として、前述の如き
優れた特徴を有する製造方法によって得られたコンタク
トレンズブランクが使用されているところから、安定し
た光学的性質が確保され、しかも経済的に有利に成形さ
れ得るのである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係る多種材コンタクトレンズ
ブランクの成形用型及び多種材コンタクトレンズブラン
クの製造方法、並びに多種材コンタクトレンズの構成に
ついて、図面を参照しつつ、詳細に説明することとす
る。
【0036】先ず、図1及び図2は、本発明に従う多種
材コンタクトレンズブランク成形用型の一例が、それぞ
れ縦断面形態において示されている。それら図1及び図
2からも明らかなように、多種材コンタクトレンズブラ
ンク成形用型は、下型12と中間型14と上型16とを
有して、成っている。
【0037】なお、それら下型12、中間型14、上型
16は、何れも、公知の材質からなるものであるが、一
般に樹脂型とされ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リカーボネイト、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリア
セタール、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、好ましくはポ
リプロピレンを用いて、加熱成形して得られる樹脂型と
して、用いられることとなる。このポリプロピレンを用
いることにより、優れた成形性をもって、下型12、中
間型14及び上型16が成形され得ると共に、後述する
如く、それらの型12,14,16内での重合により成
形される重合体が、良好に離型され得ることとなる。ま
た、そのような熱可塑性樹脂を用いた加熱成形方法とし
ては、真空成形手法、圧空成形手法、圧縮成形手法、射
出成形手法等が採用され、その中でも、熱可塑性樹脂製
シート材に対して、真空成形や、圧空成形、圧縮成形等
の加熱成形加工を施す方法が、有利に採用される。
【0038】そして、下型12は、一つの段付け部17
にて段付けされた、有底の段付円筒形状を呈しており、
その上部の開口側部位が、該段付け部17にて、下部の
底部側部位よりも大径となるように段付けされた大径部
18とされている一方、該底部側部位が小径部20とさ
れている。また、この下型12にあっては、大径部18
と小径部20とが同軸的に位置するように構成されてお
り、更に、小径部20は、その内部空間の大きさが、目
的とするコンタクトレンズブランクに対応した大きさと
されている。即ち、かかる小径部20の内径が、多種材
コンタクトレンズを与え得るコンタクトレンズブランク
の外径に対応した8〜20mm程度とされていると共
に、その深さが、該コンタクトレンズブランクの高さに
対応した2〜10mm程度とされている。そして、この
小径部20は、その内側底面が、該コンタクトレンズブ
ランクの一方の側の面を与える下側成形キャビティ面2
2とされている。
【0039】一方、中間型14は、二つの段付け部2
4,26により二段に段付けされた、有底の略段付円筒
形状を呈している。そして、その上部の開口側部位が、
二つの段付け部24,26のうちの上側段付け部24に
て、最も大径となるように段付けされた上段部28とさ
れている一方、下部の底部側部位が、下側段付け部26
にて最も小径となるように段付けされた下段部30とさ
れ、更に、それら上側及び下側段付け部24,26の間
に位置する中間部位が、該上段部28よりも小さく且つ
該下段部30よりも大きな径を有する中段部32とされ
ている。また、かかる中間型14においては、それら上
段部28と中段部32と下段部30とが同軸的に位置す
るように構成されており、更に、下段部30の筒壁の上
部側部位が、上方に向かうに従って次第に大径化するよ
うに、つまり外方に向かって拡開するテーパ筒形状をも
って構成されたテーパ形状部34とされている。なお、
ここでは、このテーパ形状部34の外周面と、下段部3
0の中心軸に対して直角な面とのなす角の大きさ(図1
において、θで示す角度)が、26°程度とされてい
る。
【0040】さらに、この中間型14にあっては、上段
部28の外径が、前記下型12の大径部18の内径と略
同じか、若しくは僅かに小さくされており、また、中段
部32の外径が、下型12の大径部18の内径よりも十
分に小さく、且つその小径部20の内径よりも少しだけ
大きくされていると共に、該中段部32の高さ(深さ)
が、下型12の大径部18の高さ(深さ)よりも所定寸
法低く(浅く)されている。更に、下段部30の外径
が、下型12の小径部20の内径よりも十分に小さくさ
れていると共に、該下段部30の高さ(深さ)が、該下
型12の小径部20の高さ(深さ)よりも所定寸法低く
(浅く)されている。なお、この中間型14の上、中、
下の各段部28,32,30の外径や高さ等の寸法は、
下型12のサイズ等によって適宜に決定されるところで
はあるが、下段部30の外径は、好ましくは0.5〜1
1mm程度、より好ましくは8mm程度とされる。
【0041】そして、図1からも明らかなように、この
ような中間型14の上段部28を下型12の大径部18
内に嵌入することにより、中間型14が、下型12に対
して型合わせされて、着脱可能に組み付けられるように
なっている。また、そのような中間型14の下型12に
対する組付け下において、中間型14の下側段付け部2
6の下面を、下型12の段付け部17の上面に接触せし
めることにより、中間型14の下段部30を下型12の
小径部20内に同軸的に位置するように突入せしめた状
態で、該小径部20を、該下段部30と中間型14の前
記下側段付け部26とにて覆蓋し、以て、下型12と中
間型14との間において、小径部20の内面と、下段部
30の外面と、下側段付け部26の下面とにて囲まれ
た、中間成形キャビティとしての第一の成形キャビティ
36が形成されると共に、かかる第一の成形キャビティ
36の上部に、下型12の段付け部17の上面及びその
大径部18の内面と、中間型14の中段部32の外面及
び上側段付け部24の下面とにて囲まれて、外部から仕
切られた環状の空間からなる第一の液溜部38が、形成
されるようになっている。
【0042】また一方、上型16も、一つの段付け部4
0にて段付けされた、有底の段付円筒形状を呈してお
り、その上部の開口側部位が、該段付け部40にて、下
部の底部側部位よりも大径となるように段付けされてな
る上段部42とされている一方、該底部側部位が、該上
段部42に対して同軸的に位置する下段部44とされて
いる。そして、この上型16にあっては、上段部42の
外径が、前記下型12の大径部18の内径と略同じか、
若しくは僅かに小さくされており、また、下段部44の
外径が、下型12の大径部18の内径よりも十分に小さ
く、且つその小径部20の内径よりも少しだけ大きくさ
れていると共に、該下段部44の高さ(深さ)が、下型
12の大径部18の高さ(深さ)よりも所定寸法低く
(浅く)されている。更に、この上型16の下段部44
においては、その外側底面が、目的とするコンタクトレ
ンズブランクにおける、前記下型12の下側成形キャビ
ティ面22に与えられる一方の面とは反対側の面を与え
る上側成形キャビティ面46とされている。
【0043】そして、図2からも明らかなように、前記
中間型14を下型12から取り除いた状態下で、上型1
6の上段部42を下型12の大径部18内に嵌入するこ
とにより、上型16が、中間型14に代わって、下型1
2に対して型合わせされて、着脱可能に組み付けられる
ようになっている。また、そのような上型16の下型1
2に対する組付け下において、上型16の下段部44に
おける前記上側成形キャビティ面46の外周部位を、下
型12の段付け部17の上面に接触せしめることによ
り、下型12の小径部20を、該下段部44にて覆蓋
し、以て、下型12と上型16との間において、小径部
20の内面と、下段部44の外面(上側成形キャビティ
面46)とにて囲まれた、第二の成形キャビティ48が
形成されると共に、かかる第二の成形キャビティ48の
上方に、下型12の段付け部17の上面及びその大径部
18の内面と、上型16の下段部44の外面及び段付け
部40の下面とにて囲まれて、外部から仕切られた環状
の空間からなる第二の液溜部50が、形成されるように
なっている。
【0044】ところで、このような構造を有する成形用
型を用いて、目的とする多種材コンタクトレンズブラン
クを作製し、更に、その作製された多種材コンタクトレ
ンズブランクから多種材コンタクトレンズを製造する際
には、例えば、図3及び図4に示される如き手順に従っ
て、その作業が進められることとなる。
【0045】すなわち、先ず、図3に示される如く、下
型12と中間型14と上型16とを成形するための成形
材料として、ポリプロピレン製のシート材62a,62
b,62cが所定長さ巻き付けられてなるロール63
a,63b,63cを三つ準備する。そして、それら三
つのロール63a,63b,63cから、シート材62
a,62b,62cを引き出して、下型12と中間型1
4と上型16に対応した形状のキャビティ面をそれぞれ
有する三つの真空成形用型64a,64b,64cと、
それら三つの真空成形用型64a,64b,64cにセ
ットされた各シート材62a,62b,62cを加熱す
る三つのヒータ66a,66b,66cとを用いて、各
シート材62a,62b,62cに対する部分的な真空
成形加工を行って、それらのシート材62a,62b,
62cのそれぞれに、前述した如き形状と大きさとを有
する下型12、中間型14、及び上型16を成形する。
【0046】なお、ここでは、下型12の成形材料たる
シート材62aとして、中間型14と上型16の成形材
料たるシート材62b,62cよりも、厚さが0.1〜
1.95mm程度厚いものが用意されることが、望まし
い。このようなシート材を用いることにより、中間型1
4と上型16とが、下型12に比して十分に薄くされ
て、下型12と中間型14との間に形成される第一の成
形キャビティ36、及び下型12と上型16との間に形
成される第二の成形キャビティ48のそれぞれの容積の
収縮が、それら中間型14と上型16との変形により吸
収され得るように構成されることとなる。
【0047】また、そのような厚みの差を有するシート
材62のうち、特に、下型12を与えるシート材62a
としては、0.15〜2.0mmの範囲の厚さを有する
ものが好適に用いられ、更に、中間型14と上型16の
成形材料たるシート材62b,62cとしては、0.0
5〜1.9mmの範囲の厚さを有するものが有利に使用
される。これによって、第一及び第二の成形キャビティ
36,48の容積の収縮に伴う中間型14及び上型16
の変形が、より確実に行わしめられ得ると共に、下型1
2と中間型14と上型16のそれぞれの成形性が良好に
確保され、更には、下型12が薄くなり過ぎて、使用に
際して、形状が保持出来なくなるような恐れが有利に回
避され得ることとなる。また、後述する如く、下型12
に対して組み付けられた中間型14や上型16の、該下
型12からの取外しが容易となる。
【0048】次いで、下型12を与えるシート材62a
を送りローラ70によて送り出すことにより、上述の如
くして成形された下型12を、前記第一の原料モノマー
配合液52が収容される収容体68の下方の位置まで移
送し、そして、この移送位置で、下型12内に、該収容
体68から第一の原料モノマー配合液52を注入する。
なお、ここでは、第一の原料モノマー配合液52とし
て、公知のモノマーを主成分とし、これに適当な配合剤
が添加されてなるもので、加熱による重合により、ソフ
トレンズを形成する軟質重合体54を生成するものが用
いられているが、その他、かかる第一の原料モノマー配
合液52としては、紫外線の照射による重合等、公知の
重合方法による重合により、軟質重合体54を生成する
ものが、適宜に採用され得る。また、このような第一の
原料モノマー配合液52の注入工程の進行時には、下型
12の移送に伴うシート材62aの送出しにより、ロー
ル63aからシート材62aが所定長さだけ引き出さ
れ、この引き出されたシート材62aに対して、前述し
た如き真空成形により新たな下型12が成形されること
となる。
【0049】その後、シート材62aを、送りローラ7
0にて更に送り出して、第一の原料モノマー配合液52
が注入された下型12を、ヒータ72の上方の位置に移
送する一方、中間型14を与えるシート材62bを送り
ローラ74に送り出して、前述の如くして成形された中
間型14を、下型12の移送位置にまで移送し、更に、
一対の押えローラ75,75にて、シート材62bにお
ける中間型14の形成部位の両側を下方に押さえ付ける
ことにより、かかる下型12に対して、この中間型14
を型合わせする。そして、この型合わせにより、図1に
示されるように、下型12と中間型14との間に第一の
成形キャビティ36を形成すると共に、該第一の成形キ
ャビティ36内に、第一の原料モノマー配合液52を充
填する。このとき、第一の成形キャビティ36から溢れ
出た、余剰の第一の原料モノマー配合液52は、第一の
成形キャビティ36の上部に形成された第一の液溜部3
8内に収容されることとなる。
【0050】そして、その後、図3に示される如く、ヒ
ータ72にて、第一の成形キャビティ36内の第一の原
料モノマー配合液52を加熱し、重合することにより、
軟質重合体54を、下型12の下側成形キャビティ面2
2上に成形する。また、かくして成形される軟質重合体
54においては、その上面の中心部に、中間型14の下
段部30の外面形状に対応した略有底円筒状内面を有
し、且つ第一の原料モノマー配合液52とは異なる原料
モノマー配合液が収容可能な凹所56が、同軸的に形成
されることとなる。そして、この凹所56においては、
その開口周縁部が、中間型14のテーパ形状部34に対
応した、開口側に向かって次第に大径となるテーパ筒状
部57とされる。このことから明らかなように、本実施
形態においては、中間型14の下段部30によって、凸
部が構成されているのである。なお、第一の原料モノマ
ー配合液52として、例えば、紫外線の照射による重合
により軟質重合体54を生成するものが採用される場合
には、ヒータ72に代えて、紫外線照射装置が用いられ
ることとなる。
【0051】また、このような第一の原料モノマー配合
液52の重合により重合収縮が生じた場合には、第一の
液溜部38内に収容される余剰の第一の原料モノマー配
合液52が、第一の液溜部38から、下型12の段付け
部17と中間型14の下側段付け部26との接触部位に
おける微細な隙間を通じて第一の成形キャビティ36内
に導かれて、補充され、また、下型12よりも所定寸法
だけ薄肉化された中間型14が、主に、その下段部30
に設けられたテーパ形状部34において、かかる重合収
縮に追従して、該重合収縮による第一の成形キャビティ
36の容積の収縮を吸収するように変形せしめられるこ
ととなる。それによって、かかる重合収縮に伴うヒケの
発生と、第一の成形キャビティ36内への気泡の侵入が
効果的に防止され得ると共に、下型12の下側成形キャ
ビティ面22上に成形される軟質重合体54の外面92
が、重合収縮により、該下側成形キャビティ面22を含
む、下型12における小径部20の内面から剥離するよ
うなことが有利に阻止され、以て、軟質重合体54の外
面92を、常に、該下型12の小径部20の内面に対応
した一定の形状をもって成形することが可能となってい
る。なお、このような軟質重合体54の成形工程の進行
時には、新たな中間型14や下型12をそれぞれ成形す
る真空成形工程や、該下型12内への第一の原料モノマ
ー配合液52の注入工程が同時に行われる。
【0052】次に、一対の押えローラ75,75を上方
に移動させることにより、中間型14を下型12から離
隔させて、取り除いた後、シート材62aを送りローラ
70にて更に送り出して、下型12を、前記第二の原料
モノマー配合液58が収容される収容体76の下方の位
置に移送する。そして、この移送位置で、下型12内の
軟質重合体54に設けられた凹所56内に、該収容体7
6から第二の原料モノマー配合液58を注入する。な
お、ここでは、第二の原料モノマー配合液58として、
公知のモノマーを主成分とし、これに適当な配合剤が添
加されてなるもので、加熱による重合により、ハードレ
ンズを形成する硬質重合体60を生成するものが用いら
れているが、前記第一の原料モノマー配合液52と同様
に、この第二の原料モノマー配合液58として、紫外線
の照射による重合等、公知の重合方法による重合によ
り、硬質重合体60を生成するものを用いても良い。ま
た、このときも、下型12と中間型14の成形工程、下
型12内への第一の原料モノマー配合液52の注入工
程、該第一の原料モノマー配合液52の重合による軟質
重合体54の成形工程が、それぞれ同時に進行せしめら
れる。
【0053】その後、シート材62aを送りローラ70
にて更に送り出して、第二の原料モノマー配合液58が
注入された下型12を、ヒータ78の下方の位置にまで
移送する一方、上型16を与えるシート材62cを送り
ローラ80にて所定長さ送り出して、前述の如くして成
形された上型16を、下型12の移送位置にまで移送
し、更に、シート材62cにおける上型16の形成部位
の両側を、一対の押えローラ82,82にて押さえ付け
ることにより、下型12に対して、上型16を型合わせ
する。そして、この型合わせにより、図2に示されるよ
うに、下型12と上型16との間に、先に成形された軟
質重合体54を一部に収容する第二の成形キャビティ4
8を形成すると共に、かかる軟質重合体54の前記凹所
56を上型16にて覆蓋し、該凹所56内に、前記第二
の原料モノマー配合液58を充填する。このとき、第二
の成形キャビティ48内から溢れ出た、余剰の第二の原
料モノマー配合液58は、第二の成形キャビティ48の
上部に形成された第二の液溜部50内に収容されること
となる。そして、その後、図3に示される如く、ヒータ
78にて、軟質重合体54の凹所56内の第二の原料モ
ノマー配合液58を加熱し、重合することにより、硬質
重合体60を、軟質重合体54の凹所56内において、
該軟質重合体54に対して一体的に積層して、成形す
る。かくして、ハードレンズを与える硬質重合体60
が、ソフトレンズを与える軟質重合体54に対して、そ
れを取り囲むようにして一体的に且つ同軸的に積層され
た、1個の多種材コンタクトレンズブランクを与えるコ
ンタクトレンズブランク84を得るのである。なお、第
二の原料モノマー配合液58として、例えば、紫外線の
照射による重合により硬質重合体60を生成するものが
採用される場合には、ヒータ78に代えて、紫外線照射
装置が用いられることとなる。
【0054】また、このとき、第二の原料モノマー配合
液58の重合により重合収縮が生じた場合には、第二の
原料モノマー配合液58が、第二の液溜部50から、下
型12の段付け部17と上型16の下段部44との接触
部位、及び該下段部44と軟質重合体54との接触部位
のそれぞれにおける微細な隙間を通じて第二の成形キャ
ビティ48内に導かれて、補充される。そして、軟質重
合体54の凹所56の開口周縁部が、開口側に向かって
次第に大径となるテーパ筒状部57とされているため、
該凹所56内に収容される第二の原料モノマー配合液5
8と上型16の上側成形キャビティ面46との接触面積
が増大せしめられるようになっており、また、下型12
よりも所定寸法だけ薄肉化された上型16が、軟質重合
体54の凹所56を覆蓋する部位において、かかる重合
収縮に追従して、該重合収縮による第一の成形キャビテ
ィ36の容積の収縮を吸収するように変形せしめられる
ようになっている。これによって、かかる重合収縮に伴
う、第二の成形キャビティ48内への気泡の侵入が効果
的に防止され得ることとなる。また、このような硬質重
合体60の成形工程が行われている間も、下型12、中
間型14、上型16をそれぞれ成形する真空成形工程、
下型12内への第一の原料モノマー配合液52の注入工
程、軟質重合体54の成形工程、及び軟質重合体54の
凹所56内への第二の原料モノマー配合液58の注入工
程が同時に進行せしめられる。
【0055】次いで、前述の如くして得られたコンタク
トレンズブランク84に対し、必要応じて、公知の手法
によりアニーリングを実施した後、下型12と上型16
とを型開きし、コンタクトレンズブランク84を、それ
ら下型12と上型16との間から取り出す。その後、図
4に示される如く、コンタクトレンズブランク84を、
公知の保持具86に対して、その取付凹部88内に嵌合
せしめた状態下で、公知の一時接着剤乃至は仮接着剤等
により一時的に接着する等して、保持させる一方、この
保持具86を従来より公知の構造を有する旋盤のチャッ
ク装置90にチャックせしめる。なお、その際、前述し
たように、コンタクトレンズブランク84の周辺部位を
構成する軟質重合体54の外面92が、前記成形用型1
0における下型12の小径部20の内面に対応した、常
に、一定の形状をもって形成されるようになっていると
ころから、コンタクトレンズブランク84を、かかる軟
質重合体54の外面92において、保持具86の取付凹
部88の嵌合面に対して、常に同じ位置に且つ同じ状態
で接触させること出来、以て、軟質重合体54が、保持
具86に対して、常に、同心的に位置するように、コン
タクトレンズブランク84を保持せしめることが可能と
なっている。また、コンタクトレンズブランク84の保
持構造は、上述の如き接着剤を用いた構造の他、例え
ば、特開平11−48002号公報に記載される如く、
コンタクトレンズブランク84を吸引保持させる構造を
採用しても良い。
【0056】そして、そのようにして、チャック装置9
0に保持具86をチャックした状態下で、保持具86
を、その中心軸回りに回転させる一方、該保持具86に
保持されたコンタクトレンズブランク84に対して、切
削バイト94を用いた切削加工を施して、目的とするコ
ンタクトレンズのベースカーブ面(内面)を形成する。
その後、図示されてはいないものの、ベースカーブ面が
切削加工された半加工ブランクを保持具86から取り外
して、ベースカーブ面の形成部位とは反対側の面にフロ
ントカーブ面(外面)を公知の手法により切削加工し、
以て、コンタクトレンズブランク84を、図4において
仮想線で示される如き形状に加工する。かくして、ハー
ドコンタクトレンズを与える硬質重合体60にて、レン
ズ中心部が構成される一方、ソフトコンタクトレンズを
与える軟質重合体54にてレンズ周辺部が構成され、以
て、ソフトコンタクトレンズの良好な装用感と、ハード
コンタクトレンズの優れた光学特性とが兼備された、目
的とする多種材コンタクトレンズを得るのである。
【0057】このように、本実施形態にあっては、1個
の多種材コンタクトレンズを与えるコンタクトレンズブ
ランク84が直接に成形されるようになっているところ
から、例えば、軟質重合体54と硬質重合体60とが一
体的に積層された柱状の積層体を成形し、この柱状積層
体を所定の厚さに切断して、1個の多種材コンタクトレ
ンズブランクを与えるコンタクトレンズブランク84を
複数個得る場合とは異なり、余分な切断工程を行う必要
がない上、そのような切断による切屑の発生もなく、材
料を無駄に廃棄するようなことが有利に低減され得、そ
れによって、コンタクトレンズブランク84、ひいては
多種材コンタクトレンズが、低い材料コストで、経済的
に有利に製造され得るのである。
【0058】また、かかる本実施形態においては、軟質
重合体54と硬質重合体60とが直接に且つ一体的に積
層されて、それら二つの重合体54,60のみによりコ
ンタクトレンズブランク84が製造されるようになって
いるところから、得られるコンタクトレンズブランク8
4において、目的とする多種材コンタクトレンズの光学
的性質に悪影響を及ぼすような物質が何等存在せしめら
れることもなく、従って、最終的に得られる多種材コン
タクトレンズの光学的性質を安定的に確保することが可
能となっている。
【0059】さらに、本実施形態にあっては、中間型1
4と上型16とが、下型12よりも所定寸法だけ薄くさ
れて、それら中間型14と下型12、及び上型16と下
型12との間に形成される第一及び第二の成形キャビテ
ィ36,48の容積の収縮が、中間型14と上型16の
変形により吸収されるように構成され、それにより、第
一及び第二の成形キャビティ36,48内での第一及び
第二の原料モノマー配合液52,58の重合により重合
収縮がそれぞれ惹起せしめられた際に、中間型14と上
型16とがそれに追従して変形せしめられて、かかる重
合収縮に伴う、第一及び第二の成形キャビティ36,4
8内への気泡の侵入が効果的に防止され得るようになっ
ているところから、かかる気泡の侵入に伴う成形不良等
の発生が効果的に阻止され得る。
【0060】また、かかる本実施形態においては、成形
されるコンタクトレンズブランク84の周辺部位を構成
する軟質重合体54の外面92が、前記成形用型10に
おける下型12の小径部20の内面に対応した、常に、
一定の形状をもって形成され、それによって、コンタク
トレンズブランク84を切削加工する際に用いられる保
持具86に対して、かかる外面92を接触せしめた状態
で、コンタクトレンズブランク84を保持させた際に、
それが保持具86に対して常に同心的に位置せしめられ
得るようになっているため、コンタクトレンズブランク
84から、芯ずれのない、良好な品質を有する多種材コ
ンタクトレンズブランクを安定的に成形することが可能
となる。
【0061】さらに、本実施形態にあっては、中間型1
4の下段部30にテーパ形状部34が設けられているこ
とから、このことと、該中間型14を下型12に比して
薄肉化したこととが相まって、重合収縮に追従しての中
間型14の変形が、より容易となり、また、かかるテー
パ形状部34にて、軟質重合体54の凹部56の開口周
縁部に、開口側に向かって次第に大径となるテーパ筒状
部57が形成されて、、該凹部56内に収容される第二
の原料モノマー配合液58と上型16の上側成形キャビ
ティ面46との接触面積が有利に増大せしめられるよう
になっており、それらによって、第一の原料モノマー配
合液52と第二の原料モノマー配合液58のそれぞれの
重合による重合収縮に伴う第一及び第二の成形キャビテ
ィ36,48内への気泡の侵入、及びそれに起因する成
形不良の発生等が、更に一層効果的に防止され得る。な
お、前述せる如く、本実施形態では、テーパ形状部34
の外周面と、下段部30の中心軸に対して直角な面との
なす角の大きさ(図1において、θで示す角度)が、2
6°程度とされているが、かかるなす角の大きさは、好
ましくは1〜80°、より好ましくは1〜40°程度と
される。これによって、上記の如き効果が、より一層有
効に享受され得ることとなる。
【0062】更にまた、本実施形態においては、下型1
2と中間型14と上型16の成形材料として、ポリプロ
ピレン製のシート材62a,62b,62cが所定長さ
巻き付けられてなるロール63a,63b,63cが用
いられ、それら三つのロール63から、シート材62が
それぞれ必要なだけ引き出されながら、下型12、中間
型14、上型16の成形工程と、下型12の下側成形キ
ャビティ面22上への軟質重合体54の成形工程と、該
軟質重合体54に対する硬質重合体60の一体的な積層
工程とが、それぞれ同時進行で、且つ連続的に実施され
るようになっているところから、目的とする多種材コン
タクトレンズブランクを与えるコンタクトレンズブラン
ク84が、短い成形サイクルで、次々と連続的に成形さ
れ得るといった利点が得られる。
【0063】また、本実施形態にあっては、第一及び第
二の成形キャビティ36,48での第一及び第二の原料
モノマー配合液52,58の重合により重合収縮が生じ
た際に、それら第一及び第二の成形キャビティ36,4
8内に、第一及び第二の液溜部38,50から、第一及
び第二の原料モノマー配合液52,58が補充されて、
かかる重合収縮に伴うヒケの発生が阻止されるようにな
っているところから、そのようなヒケに基づくところの
コンタクトレンズブランク84の欠け等の問題の発生
が、極めて効果的に防止され得る。
【0064】さらに、本実施形態においては、中間型1
4の下段部30の外径が、0.5〜11mm程度とされ
ているところから、この下段部30の外形状に対応した
形状をもって、コンタクトレンズブランク84の中心部
を構成する硬質重合体60が、最終的に得られる多種材
コンタクトレンズの大きさに対して適度な大きさに成形
され得ることとなり、以て、多種材コンタクトレンズの
光学性能が安定的に確保され得ると共に、硬質重合体6
0が大きくなり過ぎて装用感が低下するといったことも
有利に防止され得る。
【0065】ところで、本発明に従う多種材コンタクト
レンズブランクの成形用型は、上述した例の構造のみに
限定して解釈されるものでは決してなく、本発明の趣旨
を逸脱しない限りにおいて、各種の変形を加えることが
可能である。そして、その幾つかの例が、図5、図6、
及び図8乃至図10に示されている。なお、それらの図
では、先の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位
について、図中、それぞれ同一の符号を付して、その詳
細な説明は省略した。
【0066】すなわち、図5及び図6においては、中間
型14と上型16の構造の別の例が示されている。そこ
において、中間型14の凸部としての下段部30は、下
型12の小径部20の内径よりも少しだけ小さな外径を
もって構成され、それによって、該下型12の小径部2
0が、該下段部30の底壁部にて、略覆蓋されるような
状態とされている。また、ここでは、上型16の下段部
44の底壁部が、外周縁部を除いて、下方に向かって凸
となる球面形状をもって構成されており、それによっ
て、該下段部44の、目的とするコンタクトレンズブラ
ンク84の上面を成形する上側成形キャビティ面46が
球面とされている。
【0067】このような構造を有する成形用型を用いる
場合、先に詳述した前記実施形態と同様な成形操作を実
施することにより、図7に示される如く、下側部位が、
硬質重合体60からなる一方、上側部位の大部分が軟質
重合体54からなり、それら軟質重合体54と硬質重合
体60とが上下に重ね合わされた状態で一体的に積層さ
れて構成され、しかも、上面が、上型16の上側成形キ
ャビティ面46に対応する球面形状とされたコンタクト
レンズブランク84が得られるのである。そして、公知
の手法により、このコンタクトレンズブランク84を、
図7に仮想線で示される如き形状に切削加工することに
よって、中心部が硬質重合体60にて構成され、且つ周
辺部が軟質重合体54にて構成された、目的とする多種
材コンタクトレンズが製作されることとなる。
【0068】このように、本実施形態においては、コン
タクトレンズブランク84の上面が上方に向かって凹と
なる球面形状、つまり、該コンタクトレンズブランク8
4を切削加工して得られる多種材コンタクトレンズの内
面形状に近似する形状をもって構成されるところから、
多種材コンタクトレンズを得るためのコンタクトレンズ
ブランク84の切削加工において、無駄に廃棄される材
料が効果的に少なくされ得、それによって、材料コスト
をより一層有利に低減させることが出来るのである。
【0069】また、かかる本実施形態にあっては、下型
12における小径部20の内部空間が、中間型14の下
段部30の底壁部にて略覆蓋されるように構成されてお
り、それによって、軟質重合体54と硬質重合体60と
が上下に重ね合わされて一体的に積層されて、コンタク
トレンズブランク84が成形されるようになっていると
ころから、単に、中間型14の下段部30の高さ(深
さ)を調節して、該コンタクトレンズブランク84の下
側部位を構成する硬質重合体60の厚さを変化させるだ
けで、該コンタクトレンズブランク84に対する切削加
工の条件を何等変えることなく、最終的に得られる多種
材コンタクトレンズにおいて、その中心部に位置する硬
質重合体60の占める割合を容易に変化させることが出
来るのである。
【0070】なお、そのように、多種材コンタクトレン
ズにおける硬質重合体60の占める割合を変化させる上
で、中間型14の下段部30の高さ(深さ)を調節する
場合にあっては、有利には、下型12の小径部20内に
突入せしめられた下段部30の外側底面と下型の下側成
形キャビティ面22との間隔が、0.5〜5mm程度と
なるように、下段部30の高さが調節される。これによ
って、優れた光学性能を有する硬質重合体60が、0.
5〜11mm程度の直径をもって、多種材コンタクトレ
ンズの中心部に位置せしめられることとなり、以て、最
終的に得られる多種材コンタクトレンズにおける安定し
た光学性能と良好な装用感とが有利に確保され得る。
【0071】また、図8乃至図10には、第一及び第二
の二つの中間型96,98を有して構成された、別の構
造の例が示されている。そこにおいて、第一の中間型9
6は、前記実施形態における中間型14と同様に、上側
及び下側の二つの段付け部24,26にて二段に段付け
された、有底の段付円筒形状を呈しており、大径の上段
部28と、それよりも小径の中段部32と、該中段部3
2よりも更に小径の、凸部としての下段部30とを有し
て、成っている。また、この中間型96においては、上
段部28と中段部32とが、該中間型96の中心に対し
て同心的に位置せしめられているのに対して、下段部3
0が、該中間型96に対して偏心した位置に設けられて
おり、更に、この下段部30の外径が、下型12の小径
部20の内径よりも十分に小さくされている。また、第
一の中間型96の下段部30における筒壁の上部側部位
には、テーパ形状部34が設けられている。そして、か
かる第一の中間型96にあっては、その上段部28が下
型12の大径部18内に嵌入されることにより、下段部
30が、下型12の小径部20内に、該小径部20の中
心とはずれた位置に突入せしめられ、また、そのような
状態下で、下側段付け部26が下型12の段付け部17
に接触せしめられることにより、下型12の小径部20
との間で、第一の成形キャビティ108を形成するよう
にして、下型12に組み付けられるようになっている。
【0072】一方、第二の中間型98は、一つの段付け
部100にて段付けされた、有底の略段付円筒形状を呈
しており、大径の上段部102と、それよりも小径の、
凸部としての下段部104とを有して、構成されてい
る。また、この中間型98においては、下段部104
が、該第二の中間型98の中心に対して偏心した位置に
設けられており、更に、該下段部104の外径が、前記
第一の中間型96の下段部30の外径よりも小さくされ
ている。また、この第二の中間型98の下段部104に
おける筒壁の上部側部位にも、テーパ形状部106が設
けられている。そして、かかる第二の中間型98にあっ
ては、上段部102が下型12の大径部18内に嵌入さ
れることにより、下段部104が、下型12の小径部2
0内に、該小径部20の中心とはずれた位置に突入せし
められ、また、そのような状態下で、下型12との間
で、第二の成形キャビティ112を形成するようにし
て、下型12に組み付けられるようになっている。
【0073】而して、このような二つの中間型96,9
8を含んでなる成形用型を用いる場合にあっては、、先
ず、第一の中間型96を下型12に組み付けた状態下
で、下型12と第一の中間型96との間に形成される、
中間成形キャビティとしての第一の成形キャビティ10
8内に、第一の原料モノマー配合液116を充填し、こ
れを加熱操作や紫外線照射等の公知の重合操作により重
合することによって、第一の重合体118を、下型12
の下側成形キャビティ面22上に成形する。かくして成
形された第一の重合体118にあっては、その上面の中
心からずれた位置に、第一の中間型96の下段部30の
外形状に対応した形状の第一の凹所120が形成され、
また、この凹所120の開口周縁部には、第一の中間型
96のテーパ形状部34に対応した形状のテーパ筒状部
121が形成される。更に、第一の重合体118の下面
の中心からずれた位置には、後述するコンタクトレンズ
ブランクの切削加工に用いられるチャック装置に対して
該コンタクトレンズブランクを位置決め固定するための
位置決め溝122が、下型12の凹溝124に対応して
形成されることとなる。なお、このような第一の原料モ
ノマー配合液116の重合により重合収縮が生じた際に
は、第一の中間型96の下型12に対する組付けによ
り、第一の成形キャビティ108の上方に設けられる第
一の液溜部110から、そこに収容された余剰の第一の
原料モノマー配合液116が、第一の成形キャビティ1
08内に補充されるようになっている。
【0074】次いで、第一の中間型96を下型12から
取り除いた後、上述の如くして成形された前記第一の重
合体118における前記第一の凹所120内に第二の原
料モノマー配合液126を注入し、その後、第二の中間
型98を、その下段部104が、該第一の重合体118
における第一の凹所120内に突入せしめられるように
して、下型12に組み付ける。これによって、それら第
二の中間型98と下型12との間に、もう一つの中間成
形キャビティとしての第二の成形キャビティ112を、
該下型12の下側成形キャビティ面22上に成形された
前記第一の重合体118を一部に収容した状態で形成す
ると共に、この第二の成形キャビティ112内におい
て、第一の重合体118における第一の凹所120内
に、第二の原料モノマー配合液126を充填する。そし
て、この第二の原料モノマー配合液126を、加熱操作
や紫外線照射等の公知の重合操作により重合することに
よって、第二の重合体128を、第一の重合体118に
おける第一の凹所120内において、該第一の重合体1
18に対して一体的に積層して、成形する。かくして成
形された第二の重合体128にあっては、その上面の中
心部に、第二の中間型98の下段部104の外形状に対
応した形状を有する第二の凹所130が、その開口周縁
部に、第二の中間型98におけるテーパ形状部106に
対応した形状のテーパ筒状部131をもって、形成され
ることとなる。なお、このような第二の原料モノマー配
合液126の重合により重合収縮が生じた際にも、第二
の中間型98の下型12に対する組付けにより、第一の
重合体118と、第二の中間型98のテーパ形状部10
6との接触部位の上方に形成される第二の液溜部114
から、そこに収容された余剰の第二の原料モノマー配合
液126が、前記第一の凹所120内に補充されるよう
になっている。
【0075】その後、第二の中間型98を取り除き、第
二の重合体128における第二の凹所130内に第三の
原料モノマー配合液132を注入した後、該第二の凹所
130を覆蓋するようにして、上型16を下型12に組
み付ける。これによって、それら下型12と上型16と
の間に、第三の成形キャビティ134を、先に成形され
た第一及び第二の重合体118,128を一部に収容し
た状態で形成すると共に、この第三の成形キャビティ1
34内において、第二の重合体128における第二の凹
所130内に、第三の原料モノマー配合液132を充填
する。そして、この第三の原料モノマー配合液132
を、加熱操作や紫外線照射等の公知の重合操作により重
合することによって、第三の重合体136を、第二の重
合体128における第二の凹所130内において、該第
二の重合体128に対して一体的に積層して、成形す
る。なお、かかる第三の原料モノマー配合液132の重
合により重合収縮が生じた際には、第三の成形キャビテ
ィ134の上方に設けられる第三の液溜部138から、
そこに収容された余剰の第三の原料モノマー配合液13
2が、第三の成形キャビティ134内に補充されるよう
になっている。
【0076】かくして、本実施形態にあっては、図11
に示される如く、周辺部が第一の重合体118からな
り、その中心からずれた偏心部分の下側部位が第二の重
合体128にて、また、その上側部分が第三の重合体1
36にて、それぞれ構成され、それら第一、第二、及び
第三の重合体118,128,136が一体的に積層さ
れたコンタクトレンズブランク84が得られるのであ
る。そして、公知の手法により、このコンタクトレンズ
ブランク84を、図11に仮想線で示される如き形状に
切削加工することによって、周辺部が第一の重合体11
8にて構成され、且つその中心からずれた偏心部分が第
二の重合体128と第三の重合体136にて構成され
た、目的とする多種材コンタクトレンズが製造されるこ
ととなる。
【0077】このように、本実施形態においては、第
一、第二、及び第三の重合体118,128,136に
てレンズの所定部位がそれぞれ構成され、特に、それら
のうちの第二及び第三のの重合体128,136にて、
レンズの偏心部分が構成された多種材コンタクトレンズ
が得られるところから、例えば、それら三つの重合体1
18,128,136として、互いに屈折率の異なるも
のを採用すれば、三つの焦点を有し、部分的に異なる光
学度数が発揮される、所謂ディセンターマルチフォーカ
ルコンタクトレンズが、光学面を単一の球面と為すだけ
の単純な切削加工により、極めて容易に製造され得るこ
ととなるのである。
【0078】なお、ここでは、二つの中間型96,98
の両方が用いられ、コンタクトレンズブランク84の偏
心部分において、第二の重合体128と第三の重合体1
36とが一体的に積層されて成形されていたが、例え
ば、それら二つのうち、第一の中間型96のみを用い、
コンタクトレンズブランク84の偏心部分を第二の重合
体128のみにて構成しても良い。そうすれば、周辺部
が第一の重合体118からなり、その偏心部分が第二の
重合体128からなるコンタクトレンズブランク84が
得られ、それよって、そのようなコンタクトレンズブラ
ンク84から、偏心部分が周辺部分とは屈折率の異なる
重合体にて構成された、所謂ディセンターバイフォーカ
ルコンタクトレンズが、有利に作製され得るのである。
【0079】また、ここにおいて、前記実施形態では、
一つの中間型14、或いは二つの中間型96,98を有
して構成されていたが、この中間型の個数は、何等これ
に限定されるものではなく、目的とするコンタクトレン
ズブランク、ひいては最終的に得られる多種材コンタク
トレンズを構成する複数の重合体の数に応じて適宜に変
更されるもので、具体的には、かかる重合体の数が二つ
ならば一つ、それが三つならば二つ、それが四つならば
三つといったように、それら複数の重合体の数が一つ増
える毎に、用いられる中間型の数も一つずつ増やされる
こととなる。なお、用いられる中間型の数を増やす場合
には、前記第三の実施形態に示される如く、一般に、そ
れぞれの中間型の凸部が順番に小さくなるように構成さ
れることとなる。
【0080】さらに、目的とするコンタクトレンズブラ
ンクを構成する複数の重合体を与える原料モノマー配合
液の種類は、前記実施形態に示されるものに、決して限
定されるものではなく、それらの原料モノマー配合液と
しては、最終的に得られる多種材コンタクトレンズの要
求特性に応じて、硬さ以外の物理的性質や光学的性質、
或いは物理化学的性質等において異なる重合体を与える
ものが、公知の各種のモノマー配合液から適宜に選択さ
れて、使用され得るのである。
【0081】すなわち、例えば、前記第一及び第二の実
施形態では、第一の原料モノマー配合液52として、軟
質重合体54を与えるものが用いられ、更に、第二の原
料モノマー配合液58として、硬質重合体60を与える
ものが、用いられていたが、それに代えて、第一及び第
二の原料モノマー配合液として、互いに屈折率の異なる
重合体を与えるものを用いることも可能である。そうす
ることによって、中心部と周辺部とにおいて異なる光学
度数が発揮される、所謂コンセントリックバイフォーカ
ルコンタクトレンズが有利に作製され得るのである。ま
た、そのような光学的性質の異なる重合体を与える原料
モノマー配合液の種類を増やすことによって、同心的に
位置する複数部分において異なる光学度数が発揮され
る、所謂コンセントリックマルチフォーカルコンタクト
レンズが有利に作製されることとなる。
【0082】さらに、前記第三の実施形態では、第一、
第二、及び第三の原料モノマー配合液116,126,
132として、互いに光学的性質の異なる第一、第二、
及び第三の重合体118,128,136を与えるもの
が用いられていたが、それらの原料モノマー配合液とし
て、物理的性質、或いは物理化学的性質等が互いに異な
る3種類の重合体を与えるものを用いることも可能であ
る。また、それら3種類の原料モノマー配合液116,
126,132は、必ずしも全てが互いに異なるもので
ある必要はなく、それらにて与えられる三つの重合体1
18,128,136のうち、互いに隣接して一体化さ
れる二つの重合体、つまり、第一の重合体118と第二
の重合体128、或いは第二の重合体128と第三の重
合体136とが、少なくとも異なるものであれば良い。
換言すれば、少なくとも、第一の重合体118と第三の
重合体136との間に挟まれて積層される第二の重合体
128を与える第二の原料モノマー配合液126のみ
が、第一及び第三の重合体を与える第一及び第三の原料
モノマー配合液116,132とは異なるものであれば
良いのである。
【0083】更にまた、前記実施形態では、中間型1
4,96,98が、それぞれ、有底の略段付円筒形状と
され、該中間型14,96,98に対して同軸的に或い
は偏心して設けられた下段部30,104にて、重合体
に対して凹所を形成する凸部が構成されていたが、かか
る中間型における凸部の形状や大きさ、或いはその形成
位置は、前記実施形態に例示されるものに、決して限定
されるものではなく、最終的に得られる多種材コンタク
トレンズの所定部位を構成する複数の重合体の位置や、
大きさ等によって、適宜に変更され得るものである。
【0084】また、前記実施形態では、複数の重合体の
それぞれを成形する各成形キャビティの上方に、余剰の
原料モノマー配合液を収容する液溜部が設けられ、ま
た、中間型の筒壁の上側部位にテーパ形状部が設けられ
ていたが、それら液溜部とテーパ形状部は、本発明にお
いて、何等必須のものではない。尤も、テーパ形状部を
設ける場合には、このテーパ形状部の配設によって得ら
れる前述せる如き作用効果がより一層有効に奏され得る
ように為す上で、該テーパ形状部の外周面と、中間型の
中心軸に対して直角な面とのなす角の大きさが、好まし
くは1〜80°、より好ましくは1〜40°とされる。
【0085】さらに、前記実施形態では、下型12、中
間型14,96,98、及び上型16の全てが、ポリプ
ロピレンを用いて構成されていたが、それらの型を与え
る材質としては、前述せる如く、ポリプロピレン以外の
熱可塑性樹脂材料や熱硬化性樹脂材料、或いは金属材料
等の中からも、適宜に選択されることとなる。
【0086】以上、本発明に従うところの多種材コンタ
クトレンズブランクの成形用型及び多種材コンタクトレ
ンズブランクの製造方法の構成について詳述してきた
が、かかる成形用型及び製造方法が、上述した具体例の
他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業
者の知識に基づき、種々なる変更、修正、改良を加えた
態様において実施され得るものであり、本発明が、それ
ら実施形態のものを全て包含するものであることが、理
解されるべきである。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う多種材コンタクトレンズブランクの成形用型を用
いれば、安定した光学的性質が確保される多種材コンタ
クトレンズを与える多種材コンタクトレンズブランク
が、経済的に有利に成形され得るのである。
【0088】また、本発明に従う多種材コンタクトレン
ズブランクの製造方法によれば、多種材コンタクトレン
ズブランクを経済的に且つ工業的に有利に製造し得るば
かりでなく、かかる多種材コンタクトレンズブランクか
ら得られる多種材コンタクトレンズの光学的性質を安定
的に確保することが出来るのである。
【0089】さらに、本発明に従う多種材コンタクトレ
ンズにあっては、安定した光学的性質が確保され、しか
も経済的に有利に成形され得るといった優れた特徴が発
揮され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う多種材コンタクトレンズブランク
の成形用型の一例において、下型に中間型を組み付けた
状態を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示された成形用型において、下型に上型
を組み付けた状態を示す縦断面説明図である。
【図3】本発明手法により多種材コンタクトレンズブラ
ンクを製造する工程の一例を示す説明図であって、成形
用型の成形から、該成形用型内で複数の重合体を一体的
に積層成形して、目的とする多種材コンタクトレンズブ
ランクを得た状態を示している。
【図4】本発明手法により多種材コンタクトレンズブラ
ンクを製造する工程における図3に示されたものとは別
の工程の例を示す説明図であって、得られた多種材コン
タクトレンズブランクに対して切削加工を行うために、
かかるコンタクトレンズブランクをチャック装置にチャ
ックした状態を示している。
【図5】本発明に従う多種材コンタクトレンズブランク
の成形用型の別の例を示す図1に対応する図である。
【図6】図5に示された成形用型の図2に対応する図で
ある。
【図7】図5及び図6に示された成形用型を用いて得ら
れる多種材コンタクトレンズブランクを示す縦断面説明
図である。
【図8】本発明に従う多種材コンタクトレンズブランク
の成形用型の更に別の例を示す縦断面説明図であって、
下型に対して第一の中間型を組み付けた状態を示してい
る。
【図9】図8に示された成形用型において、下型に対し
て第二の中間型を組み付けた状態を示す縦断面説明図で
ある。
【図10】図8に示された成形用型において、下型に対
して上型を組み付けた状態を示す縦断面説明図である。
【図11】図8乃至図10に示された成形用型を用いて
得られる多種材コンタクトレンズブランクを示す縦断面
説明図である。
【符号の説明】
12 下型 14 中間型 16 上型 22 下側成形キ
ャビティ面 28 上段部 30 下段部 34 テーパ形状部 36 第一の成形
キャビティ 38 第一の液溜部 48 第二の成形
キャビティ 50 第二の液溜部 52 第一の原料
モノマー配合液 54 軟質重合体 56 凹所 58 第二の原料モノマー配合液 60 硬質重合体 84 コンタクトレンズブランク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜久森 陽子 愛知県春日井市高森台五丁目1番地10 株 式会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 2H006 BC07 4F202 AA11 AA36 AH74 CA01 CB01 CB16 CB27 CB29 CD06 CD30 CK12 CK23 CK25 CN01 4F204 AA11 AA36 AH74 EA03 EB01 EB11 EB25 EB29 EF01 EF49 EK17 EK24 EW02 EW24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の重合体にてレンズの所定部位がそ
    れぞれ構成されて、一体的なコンタクトレンズ形状を呈
    する多種材コンタクトレンズを与える材料であって、そ
    れら複数の重合体が一体的に積層されてなる多種材コン
    タクトレンズブランクを成形する成形用型にして、 該コンタクトレンズブランクの一方の側の面を成形する
    成形キャビティ面を有する下型と、 該下型との間で、または該下型の前記成形キャビティ面
    上に成形した前記複数の重合体のうちの少なくとも一つ
    との間で、該複数の重合体の残りのもののうちの一つを
    成形する中間成形キャビティを形成する型であって、該
    中間成形キャビティ内での重合にて成形される重合体に
    対して、該成形される重合体とは異なる重合体を与える
    原料モノマー配合液が収容される凹所を形成する凸部を
    有し、且つ該中間成形キャビティ内での該重合体の成形
    の後に除去せしめられ得るように構成された、少なくと
    も一つの中間型と、 該少なくとも一つの中間型を用いて成形された重合体を
    成形キャビティ面上に有する前記下型に対して組み合わ
    され、該重合体に形成された前記凹所を覆蓋して、該凹
    所内での前記原料モノマー配合液の重合によって、前記
    コンタクトレンズブランクの他方の側の面の少なくとも
    一部を成形する上型と、を含むことを特徴とする多種材
    コンタクトレンズブランクの成形用型。
  2. 【請求項2】 前記中間型が前記下型よりも薄くされ
    て、それら下型と中間型との間に形成される前記中間成
    形キャビティの容積の収縮が、該中間型の変形により吸
    収され得るように構成されている請求項1に記載の成形
    用型。
  3. 【請求項3】 前記上型と前記下型と前記中間型とが、
    それぞれ、熱可塑性樹脂材料にて構成されている請求項
    1又は請求項2に記載の成形用型。
  4. 【請求項4】 前記上型と前記下型と前記中間型が、互
    いに独立した別々の熱可塑性樹脂製のシート材に対して
    加熱成形加工を施すことにより、それら別々のシート材
    からそれぞれ一つずつ形成されて構成されている請求項
    3に記載の成形用型。
  5. 【請求項5】 前記上型と前記下型と前記中間型が、互
    いに独立した別々の熱可塑性樹脂製のシート材に対して
    加熱成形加工を施すことにより、それぞれ複数個ずつ形
    成されて構成されている請求項3に記載の成形用型。
  6. 【請求項6】 前記中間型を与える熱可塑性樹脂製シー
    ト材と前記下型を与える熱可塑性樹脂製シート材との厚
    みの差が0.1〜1.95mmとされている請求項4又
    は請求項5に記載の成形用型。
  7. 【請求項7】 前記下型を与える熱可塑性樹脂製シート
    材として、0.15〜2.0mmの範囲の厚みを有する
    ものが用いられる一方、前記中間型を与える熱可塑性樹
    脂製シート材として、0.05〜1.9mmの範囲の厚
    みを有するものが用いられる請求項6に記載の成形用
    型。
  8. 【請求項8】 前記中間型の前記中間成形キャビティを
    形成する成形キャビティ形成部位に、外方に向かって拡
    開するテーパ形状を呈するテーパ形状部が設けられてい
    る請求項1乃至請求項7の何れかに記載の成形用型。
  9. 【請求項9】 前記中間型の凸部が円筒形状を呈する円
    筒部を有して構成され、且つかかる円筒部の外径が0.
    5〜11mmとされている請求項1乃至請求項8の何れ
    かに記載の成形用型。
  10. 【請求項10】 前記下型と前記中間型との間、または
    該下型の前記成形キャビティ面上に成形した前記複数の
    重合体のうちの少なくとも一つとの間に形成される前記
    中間成形キャビティの上部に、該中間成形キャビティか
    ら溢れ出た余剰の原料モノマー配合液を溜める、外部か
    ら仕切られた液溜部が形成され、該液溜部が、該中間成
    形キャビティ内の該原料モノマー配合液が減少せしめら
    れた際に、内部に収容された原料モノマー配合液を該中
    間成形キャビティ内に供給し得るように構成されている
    請求項1乃至請求項9の何れかに記載の成形用型。
  11. 【請求項11】 複数の重合体にてレンズの所定部位が
    それぞれ構成されて、一体的なコンタクトレンズ形状を
    呈する多種材コンタクトレンズを与える材料であって、
    それら複数の重合体が一体的に積層されてなる多種材コ
    ンタクトレンズブランクを製造する方法にして、 一つの第一の型と、複数の第二の型とを有する成形型を
    用い、該第一の型に対して該複数の第二の型のうちの一
    つを型合わせすることにより、それら第一の型と第二の
    型のうちの一つとの間に成形キャビティを形成した後、
    かかる成形キャビティ内に原料モノマー配合液を充填し
    て重合することによって、前記複数の重合体のうちの一
    つを成形する工程と、 前記第一の型に型合わせされた第二の型を取り除いて、
    それとは別の第二の型を該第一の型に型合わせすること
    により、該第一の型と該別の第二の型との間に、既に成
    形された重合体を一部に収容する成形キャビティを形成
    した後、かかる成形キャビティ内に、該既に成形された
    重合体を与える原料モノマー配合液とは異なる原料モノ
    マー配合液を充填して重合することにより、該既に成形
    された重合体に対して、それとは異なる重合体を一体的
    に積層して成形する工程と、を含み、前記既に成形され
    た重合体に対して、それとは異なる重合体を一体的に積
    層して成形する工程を、前記複数の重合体の数に応じた
    回数だけ行うことを特徴とする多種材コンタクトレンズ
    ブランクの製造方法。
  12. 【請求項12】 複数の重合体にてレンズの所定部位が
    それぞれ構成されて、一体的なコンタクトレンズ形状を
    呈する多種材コンタクトレンズを与える材料であって、
    それら複数の重合体が一体的に積層されてなる多種材コ
    ンタクトレンズブランクを製造する方法にして、 互いに独立した複数の熱可塑性樹脂製のシート材を用
    い、それら複数のシート材のそれぞれに対して、部分的
    な加熱成形加工を連続的に行って、該複数のシート材の
    うちの一つに、前記コンタクトレンズブランクの一方の
    側の面を成形する成形キャビティを有する第一の型を連
    続して複数個形成する一方、該一つのシート材とは別の
    シート材に、該第一の型に組み合わされる第二の型を連
    続して複数個形成する工程と、 前記連続して形成される複数個の第一の型のうちの一つ
    に対して、前記連続して形成される複数の第二の型のう
    ちの一つを型合わせすることにより、それら第一の型と
    第二の型との間に成形キャビティを形成した後、かかる
    成形キャビティ内に原料モノマー配合液を充填して重合
    することによって、前記複数の重合体のうちの一つを成
    形する工程と、 前記第一の型に型合わせされた第二の型を取り除いて、
    それとは別の第二の型を該第一の型に型合わせすること
    により、該第一の型と該別の第二の型との間に、既に成
    形された重合体を一部に収容する成形キャビティを形成
    した後、かかる成形キャビティ内に、該既に成形された
    重合体を与える原料モノマー配合液とは異なる原料モノ
    マー配合液を充填して重合することにより、該既に成形
    された重合体に対して、それとは異なる重合体を一体的
    に積層して成形する工程と、を含み、前記既に成形され
    た重合体に対して、それとは異なる重合体を一体的に積
    層して成形する工程を、前記複数の重合体の数に応じた
    回数だけ行うと共に、それらの工程を重複して進行せし
    めることを特徴とする多種材コンタクトレンズブランク
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記請求項11又は請求項12に記載
    の製造方法に従って製造された多種材コンタクトレンズ
    ブランクを切削加工することにより形成されていること
    を特徴とする多種材コンタクトレンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007047805A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Coopervision Inc コンタクトレンズ型アセンブリ及びそれを生成するシステム及び方法
WO2008093421A1 (ja) * 2007-02-01 2008-08-07 Menicon Co., Ltd. コンタクトレンズの製造方法
US7588334B2 (en) 2004-05-28 2009-09-15 Menicon Co., Ltd. Contact lens
WO2011004800A1 (ja) 2009-07-08 2011-01-13 株式会社メニコン ハイブリッドソフトコンタクトレンズ、この製造方法及び水和処理方法

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