JP2000337271A - 可変容量形ポンプ - Google Patents
可変容量形ポンプInfo
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Abstract
いても、必要なポンプ吐出量が確実に得られるようにし
て、低温時の始動性を改善する。 【解決手段】 可変容量形ポンプ1のポンプボディ2及
3内にはカムリング7が、その内周カム面と、ロータ8
の外周部との間にポンプ室17を形成し、かつ当ポンプ
室の容積が最大となるように付勢力が与えられて、移動
変位可能に嵌装配置される。カムリングの外周部とポン
プボデイの内周部との間にシール手段9、10を介して
分割形成され、ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出
側通路途中に設けた可変オリフィス31の前後の流体圧
が各別に導入されることにより第1及び第2の流体圧室
11、12を形成してカムリングを移動変位されるもの
で、これら流体圧室のうちのいずれか一方の流体圧室
に、カムリングの移動変位の規制手段(突部52)を設
けた。
Description
ンプに関し、特に低温時の始動性を改善した可変容量形
ポンプに関する。
されるロータと、ポンプボディ内に移動変位可能に配置
され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するよう
に嵌装されて、ポンプ室の容積が最大となるような付勢
力が与えられているカムリングと、ポンプ室から吐出さ
れる圧力流体の吐出側通路途中に設けられる可変オリフ
ィスと、カムリングの外周部とポンプボディの内周部と
の間にシール手段を介して分割形成され、可変オリフィ
スの前後の流体圧が各別に導入されることにより、カム
リングを移動変位させる第1および第2の流体圧室とを
備えてなる可変容量形ポンプは公知である(特開平8−
200239号公報参照)。
第1の流体圧室に、可変オリフィスの前(上流側)の流
体圧が導入され、第2の流体圧室に、可変オリフィスの
後(下流側)の流体圧が導入される。
た流体圧と第2の流体圧室に導入された流体圧との差圧
によって移動変位する。いま、ポンプ回転数が増大し
て、ポンプ室の吐出量も増大すると、可変オリフィス前
後の差圧が増大するので、第1の流体圧室に導入された
流体圧と第2の流体圧室に導入された流体圧との差圧も
増大する。そして、この差圧がカムリングの付勢力を越
えるまでにポンプ回転数が増大すると、カムリングは、
その付勢力に抗してポンプ室の容積を減少させる方向に
移動変位する。
を越えて増大すると、カムリングがポンプ室の容積を減
少させる方向に移動変位するので、ポンプ回転数のこの
回転数域に対して、ポンプ吐出量を減少させるような制
御が可能になる。なお、ポンプ回転数が所定の回転数を
越えるまでは、カムリングの移動変位はないか、わずか
であるので、ポンプ吐出量は、ポンプ回転数に比例して
増大した後、最大流量にて略一定になる。
容量形ポンプが車両における動力舵取装置への作動油供
給用のポンプとして使用されたときには、ポンプは車両
搭載の内燃機関により駆動されるので、内燃機関の低回
転時には最大の作動油量が得られ、高回転時には最少の
作動油量が得られて、動力舵取装置の要求に合致したポ
ンプ吐出量を自動的に得ることができる。しかも、この
とき、特別の流量制御弁は必要とされないので、加圧さ
れた圧力流体は、その全量が動力舵取装置の作動油とし
て使用され、動力損失が少ない。
いて、可変オリフィスは、サイドプレートにポンプ吐出
室と第2の流体圧室とを連通させるようにして形成され
た流体通路と、この流体通路の開口を種々の程度におい
て塞ぐことができるカムリング側面とにより形成されて
いる。この流体通路の開口をカムリング側面が塞ぐ程度
(開口量)は、カムリングの移動変位量に依存してい
る。
来の可変容量形ポンプにおいては、低温始動時のように
作動油の粘性が高い時、可変オリフィスを通過する油量
が少なくなり、可変オリフィス前後の差圧が著しく増大
して、第1の流体圧室が非常に高い圧力になる。このた
め、カムリングは、その付勢力に抗してポンプ室の容積
を減少させる方向に移動変位してしまう。
い、ポンプ吐出量は極端に少なくなって、動力舵取装置
に多量の作動油が必要とされる低回転時に、必要な作動
油量が得られない状態になる虞があった。
有する前記のような問題点を解決して、低温始動時にお
いても、必要なポンプ吐出量が得られるようにして、低
温時の始動性を改善した可変容量形ポンプを提供するこ
とを課題とする。
は、前記のような課題を解決した可変容量形ポンプに係
り、その請求項1に記載された発明は、ポンプボディ内
に回転自在に収容されるロータと、前記ポンプボディ内
に移動変位可能に配置され、前記ロータの外周部との間
にポンプ室を形成するように嵌装されて、前記ポンプ室
の容積が最大となるような付勢力が与えられているカム
リングと、前記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出
側通路途中に設けられる可変オリフィスと、前記カムリ
ングの外周部と前記ポンプボディの内周部との間にシー
ル手段を介して分割形成され、前記可変オリフィスの前
後の流体圧が各別に導入されることにより、前記カムリ
ングを移動変位させる第1および第2の流体圧室とを備
えてなる可変容量形ポンプにおいて、前記第1および第
2の流体圧室のうちのいずれか一方の流体圧室に、前記
カムリングの移動変位を規制する規制手段が設けられた
ことを特徴とする可変容量形ポンプである。
に構成されており、ロータと、カムリングと、可変オリ
フィスと、第1および第2の流体圧室とを前記のように
して備えてなる可変容量形ポンプにおいて、第1および
第2の流体圧室のうちのいずれか一方の流体圧室に、カ
ムリングの移動変位を規制する規制手段が設けられるの
で、低温始動時において、圧力流体の粘性が大きいこと
に起因して、可変オリフィスの前後の流体圧が各別に導
入される第1および第2の流体圧室内の各流体圧間の差
圧が著しく増大したとしても、カムリングが、この差圧
に押されて過度に移動変位してしまうようなことがな
い。
して維持され、ポンプ吐出量は必要最少限量が維持され
るので、低温時のポンプの始動性が改善される。これに
より、動力舵取装置に多量の作動油が必要とされる低回
転時が低温時に重なったとしても、必要最少限の作動油
量が得られ、安定した操舵が得られる。また、高回転時
にも、一定の流量を安定して供給することができる。
の発明を構成することにより、第1の流体圧室には、可
変オリフィスの前の流体圧が導入され、第2の流体圧室
には、可変オリフィスの後の流体圧が導入され、規制手
段は、第2の流体圧室に設けられる。
きな容積を有する第2の流体圧室に設けられることにな
り、その設置が容易になる。
の発明を構成することにより、規制手段は、ポンプボデ
ィの内周部に第2の流体圧室内に突出するようにして形
成された突部により構成されるので、その設置がきわめ
て容易になる。
載の発明を構成することにより、ポンプボディの内周部
には、アウタケースが嵌着され、第1および第2の流体
圧室は、カムリングの外周部とアウタケースの内周部と
の間にシール手段を介して分割形成され、規制手段は、
アウタケースの内周部に第2の流体圧室内に突出するよ
うにして形成された突部により構成されるので、規制手
段は、別部材として製作することができるアウタケース
の内周部に加工形成することができ、その形成がきわめ
て容易になり、その設置がさらに容易になる。
は請求項4記載の発明を構成することにより、突部は、
複数個形成されるので、耐久性が向上し、低温始動が頻
繁に行われても、正確かつ確実にカムリングの移動変位
を規制して、低温時に、必要最少限のポンプ吐出量が安
定して維持される。
3ないし請求項5のいずれかに記載の発明を構成するこ
とにより、ポンプ室の片側を画成するサイドプレートの
第2の流体圧室に臨む側の側面には、突部をまたぐよう
にして連通溝が形成される。
ースの内周部に第2の流体圧室内に突出するようにして
突部が形成されて、該第2の流体圧室が該突部により仕
切られたとしても、該第2の流体圧室内の圧力流体の流
動に支障を生じることがなく、カムリングの移動変位は
円滑に行われる。これにより、カムリングの移動変位を
介してのポンプ吐出量制御を、所期のとおりに行なわせ
ることができる。
び図6に図示される本願の請求項1ないし請求項4およ
び請求項6に記載された発明の一実施形態(実施形態
1)について説明する。図1は、本実施形態1における
可変容量型ポンプの正面図、図2は、図1のII−II
線矢視縦断面図、図3は、図2のIII−III線矢視
横断面図、図5は、図1の可変容量型ポンプのカムリン
グを一方向に付勢する手段の変形例を示す図、図6は、
図1の可変容量型ポンプの特性線図である。
施形態1における可変容量型ポンプ1は、ポンプボディ
本体であるポンプハウジング2の正面開口(図2におい
て右向き)をカバープレート3が覆っており、該カバー
プレート3により覆われたポンプハウジング2の内部の
ポンプカートリッジ収納空間4には、ポンプカートリッ
ジを構成するサイドプレート5と、アウタケース6と、
カムリング7と、ロータ8とが収容されている。
圧入され、該サイドプレート5の上からアウタケース6
が圧入され、該アウタケース6の内部には、カムリング
7が、シールピン9を軸支部として揺動可能に収容され
ている。シールピン9は、一端がサイドプレート5に形
成されたピン受け孔に圧入され、他端がカバープレート
3に形成されたピン受け孔に圧入されて固定されてい
る。
れた位置とポンプ軸心に関し略対称の位置には、アウタ
ケース6の内周面とカムリング7の外周面との摺動部を
シールするシール部10が設けられており、これらシール
ピン9とシール部10とにより、アウタケース6の内周面
とカムリング7の外周面との間の空間が第1の流体圧室
11と第2の流体圧室12とに仕切られている。
は、2室に分かれて描かれているが、サイドプレート5
の摺接面に形成された溝により、これらの2室は連通さ
れている。また、アウタケース6は、特に設けられない
場合もある。
2の流体圧室12に連通するスプリング室47とにまたがっ
て収容されたスプリング36により、常時第1の流体圧室
11側に向けて揺動するように付勢されている。
ボス部48に穿孔されたボルトねじ孔に、雄ねじ部に円孔
50が形成されたボルト49が螺着されることにより、形成
されている。スプリング36の一端は、このボルト49の円
孔50の底部により受けられている。ボス部48は、ポンプ
ハウジング2の図3において左側壁面に、外方に向けて
突出するようにして一体に形成されている。
端が直接カムリング7に当接して、該カムリング7を付
勢するようにされているが、これに代えて、図5に図示
されるように、頭付きロッド51を用いて、該頭付きロッ
ド51を介して間接的にカムリング7を付勢するようにし
てもよい。この頭付きロッド51の頭部と反対側の端部
は、ボルト49の円孔50の底部に穿孔されたガイド孔に摺
動自在に嵌入されている。
されている。そして、このロータ8には、図3に図示さ
れるように、円周方向に等間隔に放射方向に指向して複
数のベーン溝13が形成されており、該ベーン溝13内に収
装されたベーン14が、ロータ8がポンプ駆動軸15により
駆動されて回転した時、カムリング7のカム面に従って
ベーン溝13内を往復摺動する。各ベーン14は、ロータ8
の軸方向に沿って該ロータ8に形成された背圧孔16に供
給されるポンプ吐出圧により、常時カムリング7のカム
面に向けて付勢されている。
ング7のカム面に向けて付勢されることにより、隣接す
る2つのベーン14、14と、カムリング7のカム面と、ロ
ータ8の外周面と、サイドプレート5およびカバープレ
ート3とにより囲まれて形成されたポンプ室17がポンプ
作用をして、吸入部18から吸入した作動油を加圧して、
吐出部19を経て吐出室20に吐出する。吸入部18と吐出部
19とは、ポンプ軸心に関して対称に、1組のみ設けられ
ている。
ジング2に形成された吸入側流体通路26a 、後述する制
御バルブ22のスプール収納孔22a 内に収容されたスプー
ル23の2つのランド24、25により挟まれた環状室26b 、
ポンプハウジング2に形成された吸入側流体通路26c 、
カバープレート3に形成された吸入側流体通路26d を経
て前記した吸入部18に導かれる。
された作動油は、前記のとおり、吐出部19を出て吐出室
20に入るが、そこから図示されないポンプ吐出口を出
て、車両における動力舵取装置等の各種流体圧利用機器
に送られる。
よび図3に図示されているように、吐出室20からサイド
プレート5に形成された背圧側流体通路27(図2参
照)、サイドプレート5およびカバープレート3に形成
された環状もしくは半円弧状の背圧溝を経てロータ8に
形成された複数のベーン背圧孔16に導かれて、各ベーン
14をカムリング7のカム面に向けて付勢する。
孔16に至る一連の通路は、背圧油の行き止まり流路を構
成しており、この行き止まり流路内に充満した背圧油
は、前記のとおり、各ベーン14をカムリング7のカム面
に向けて付勢すると同時に、吐出ポート19内の作動油の
一部とともに、カバープレート3とロータ8との間隙お
よびサイドプレート5とロータ8との間隙を介して、カ
バープレート3とロータ8との摺接部およびサイドプレ
ート5とロータ8との摺接部に滲出して、これらの各摺
接部を潤滑する。
滲出して、そこを潤滑し、ポンプハウジング2に形成さ
れた潤滑油戻し通路30および吸入側流体通路26d を経て
ポンプ吸入側に還流される。
出室20からサイドプレート5に形成された可変オリフィ
ス31(図3参照)を経て減圧されて第2の流体圧室12に
導かれる。そして、この第2の流体圧室12から、ポンプ
ハウジング2に形成された図示されない通路を介してポ
ンプ吐出側に連通されている。したがって、可変オリフ
ィス31は、この加圧された作動油のさらに他の一部(圧
力流体)の吐出側通路途中に設けられている。
動油は、図示されないポンプハウジング2に形成された
流体通路を通り、その端部開口32を経て制御バルブ22の
スプール23の一方のランド24により画成された第1弁室
(高圧側)33に入る。
れた作動油は、一方のランド24がポンプハウジング2に
形成された流体通路34を開放したとき、ここを流れ、次
いで、アウタケース6に形成されたオリフィス35を経て
減圧されて第1の流体圧室11に導かれる。オリフィス35
は、また、第1の流体圧室11に導かれる加圧された作動
油の圧力脈動を平滑化する作用をする。
れた作動油の圧力と第2の流体圧室12に導かれた作動油
の圧力との差圧により、スプリング36の付勢力に抗して
シールピン9を中心に図3において左方に揺動しようと
する。
ト5に接する側の側面が可変オリフィス31を徐々に塞ぐ
ので、第2の流体圧室12内の作動油圧力はさらに減圧さ
れて、カムリング7は、シールピン9を中心にさらに左
方に揺動する。そして、第1の流体圧室11内の作動油の
圧力が、第2の流体圧室12内の作動油の圧力とスプリン
グ36の付勢力との合力と釣り合う位置まで揺動して停止
する。
は、制御バルブ22により、次のようにして第1の流体圧
室11に導かれる。制御バルブ22のスプール23の他方のラ
ンド25により画成された第2弁室(低圧側)37には、ス
プール23を常時第1弁室33方向に付勢するようにして、
スプリング38が縮設されている。
に形成されたオリフィス40、ポンプハウジング2とアウ
タケース6とにまたがって形成された流体通路39を介し
て第2の流体圧室12に連通している。オリフィス40は、
第2の流体圧室12内に流入した作動油の圧力脈動を平滑
化して、これを第2弁室37に導く。
変オリフィス31の上流側の加圧された作動油が流入して
いるので、スプール23は、この加圧された作動油の圧力
と、第2弁室37内のスプリング38の付勢力と平滑化され
た作動油の圧力との合力とが釣り合う位置まで移動して
停止する。
リフィス31の上流側の加圧された作動油の圧力が上昇す
ると、第1弁室33内の作動油の圧力が上昇して、制御バ
ルブ22のスプール23がさらに移動し、第1弁室33を流体
通路34と連通させる。このようにして、加圧された流体
が第1の流体圧室11に導かれる。
ポンプ回転数が次第に増大すると(車両のアイドリング
の状態)、ポンプ吐出量が次第に増大し、第1弁室33内
の作動油の圧力が増大して、スプール23を図3において
左方に移動させる。このとき、図7におけるa点に到達
するまでは、流体通路34は開かない。
止しており、ロータ8との偏心量は最大であり、ポンプ
室17に臨む吸入部18の面積およびポンプ室17に臨む吐出
部19の面積は最大にされ、ポンプ吐出量は最大にされて
いる。したがって、ポンプ回転数が前記のようにして増
大するのにつれて、ポンプ吐出量は急激に増大する(図
6のo−a線参照)。
ング回転数から低速時の回転数に達すると、可変オリフ
ィス31の前後の差圧がさらに上昇し、スプール23はさら
に左方に移動して、流体通路34は開かれ、作動油が第1
の流体圧室11に導かれる。
動油の圧力は、第2の流体圧室12内の作動油の圧力とス
プリング36の付勢力との合力を越えるので、カムリング
7は、第1の流体圧室11内の作動油の圧力に押されて図
3において徐々に左方に揺動し、カムリング7とロータ
8との偏心量、ポンプ室17に臨む吸入部18の面積および
ポンプ室17に臨む吐出部19の面積は徐々に減少するが、
ポンプ吐出量は略一定の高水準に維持される(図6のa
−b線参照)。
・高速時の回転数に達すると、可変オリフィス31の前後
の差圧がさらに上昇し、カムリング7は、第1の流体圧
室11内の作動油の圧力に押されて、さらに左方に揺動す
る。これにより、カムリング7とロータ8との偏心量、
ポンプ室17に臨む吸入部18の面積およびポンプ室17に臨
む吐出部19の面積は共に小さくなるので、ポンプ吐出量
は徐々に減少する(図6のb−c線参照)。
により、可変オリフィス31は徐々に閉じられていくが、
増大するスプリング36の付勢力により、その最小開口面
積は維持されて、カムリング7のこの左方への揺動が停
止する。
ても、カムリング7は左方にそれ以上揺動しないので、
カムリング7とロータ8との偏心量、ポンプ室17に臨む
吸入部18の面積およびポンプ室17に臨む吐出部19の面積
は、共に一定の最小量に維持され、ポンプ吐出量は略一
定の低水準に維持される(図6のc−d線参照)。
ポンプ回転数の増大に応じてカムリング7がロータ8と
の偏心量を小さくするように揺動し、かつ、その最小偏
心量が維持されるので、図6に図示されるような車両の
動力舵取装置に適合したポンプ特性(o−a−b−c−
d線)を得ることができる。
ポンプ1においては、第2の流体圧室12に、カムリング
7の移動変位を規制する規制手段(突部52)が設けられ
ている。この規制手段としての突部52は、アウタケース
6の内周部に、第2の流体圧室12内に突出するようにし
て形成されている。なお、アウタケース6が設けられな
い場合には、この突部52は、ポンプハウジング2の内周
部に直接形成される。
たとき、このカムリング7と衝突して、その移動変位を
積極的に規制するので、低温始動時、圧力流体の粘性が
大きいことに起因して、可変オリフィス31の前後の流体
圧間の差圧が著しく増大し、これらの流体圧が各別に導
入される第1および第2の流体圧室11、12内の各流体圧
間の差圧が著しく増大したとしても、カムリング7が、
この差圧に押されて過度に移動変位してしまうようなこ
とが確実に防がれる。
ンプ1においては、サイドプレート5の第2の流体圧室
12に臨む側の側面に、前記した突部12をまたぐようにし
て、連通溝53が形成されている。この連通溝53は、カム
リング7が突部12に当接して第2の流体圧室12が2つの
室に仕切られたとき、これら両室間を流体連通させるた
めに使用される。
いるので、次のような効果を奏することができる。ロー
タ8と、カムリング7と、可変オリフィス31と、第1お
よび第2の流体圧室11、12とを前記のような態様で備え
てなる可変容量形ポンプ1において、第2の流体圧室12
に、カムリング7の移動変位を規制する規制手段(突部
52)が設けられているので、低温始動時に、圧力流体の
粘性が大きいことに起因して、可変オリフィス31の前後
の流体圧間の差圧が著しく増大し、これらの流体圧が各
別に導入される第1および第2の流体圧室11、12内の各
流体圧間の差圧が著しく増大したとしても、カムリング
7が、この差圧に押されて過度に移動変位してしまうよ
うなことが確実に防がれる。
面積を残して維持され、ポンプ吐出量は確実に必要最少
限量が維持されることになって、低温時の可変容量形ポ
ンプ1の始動性を改善することができる。
改善された可変容量形ポンプ1が特に車両の動力舵取装
置への作動油供給用のポンプとして使用される場合に
は、動力舵取装置に多量の作動油が必要とされる低回転
時が低温時に重なったとしても、必要最少限の作動油量
が得られることになって、安定した操舵が得られる。ま
た、高回転時にも、一定の流量を安定して供給すること
ができる。
に設けられているので、低圧側の比較的大きな容積を有
する第2の流体圧室12を利用して、突部52を容易に設置
することができる。
内周部(アウタケース6が設けられない場合には、ポン
プハウジング2の内周部)に、第2の流体圧室12内に突
出するようにして形成されているので、その設置がきわ
めて容易である。
成される場合には、突部52は、別部材として製作するこ
とができるアウタケース6の内周部に加工形成されるの
で、その形成がきわめて容易になり、その設置がさらに
容易になる。
12に臨む側の側面には、突部52をまたぐようにして、連
通溝53が形成されているので、アウタケース6もしくは
ポンプハウジング2の内周部に、第2の流体圧室12内に
突出するようにして突部52が形成されて、第2の流体圧
室12が突部52により仕切られたとしても、第2の流体圧
室12内の圧力流体の流動に支障を生じることがなく、カ
ムリング7の移動変位は円滑に行なわれる。この結果、
カムリング7の移動変位を介してのポンプ吐出量制御は
円滑に行なわれる。
動変位を規制する規制手段(突部52)は、第2の流体圧
室12に設けられたが、これに限定されず、第1の流体圧
室11に設けられてもよい。この場合、規制手段として
は、カムリング7とアウタケース6との間に懸架され
て、これら相互間の離間量を規制することができる引っ
張り棒状のものを使用することができる。
記載された発明の一実施形態(実施形態2)について説
明する。図4は、本実施形態2における可変容量型ポン
プの横断面図であって、実施形態1における図3に対応
する図である。
の内周部に第2の流体圧室12内に突出するようにして形
成される突部52は、横断面視可変オリフィス31を両側か
ら挟むようにして、2個形成されている。
第2の流体圧室12に臨む側の側面に突部52をまたぐよう
にして形成される連通溝53も、2個形成されている。そ
の他の点においては、実施形態1と異なる点はないの
で、詳細な説明を省略する。
いるので、低温始動が頻繁に行われても、2個の突部52
により、カムリング7の移動変位は正確かつ確実に規制
されて、低温時に、必要最少限のポンプ吐出量を安定し
て維持することができ、可変容量型ポンプ1の耐久性が
向上する。なお、突部52の個数は2個に限定されず、こ
れより多くされてもよい。
明の一実施形態(実施形態1)における可変容量型ポン
プの正面図である。
(実施形態2)における可変容量型ポンプの横断面図で
あって、図3に対応する図である。
に付勢する手段の変形例を示す図である。
バープレート、4…ポンプカートリッジ収納空間、5…
サイドプレート、6…アウタケース、7…カムリング、
8…ロータ、9…シールピン、10…シール部、11…第1
の流体圧室、12…第2の流体圧室、13…ベーン溝、14…
ベーン、15…ポンプ駆動軸、16…ベーン背圧孔、17…ポ
ンプ室、18…吸入部、19…吐出部、20…吐出室、21…ポ
ンプ吸入口、22…制御バルブ、22a …スプール収納孔、
23…スプール、24、25…ランド、26a …吸入側流体通
路、26b …環状室、26c 、26d …吸入側流体通路、27…
背圧側流体通路、30…潤滑油戻し通路、31…可変オリフ
ィス、32…端部開口、33…第1弁室(高圧側)、34…流
体通路、35…オリフィス、36…スプリング、37…第2弁
室(低圧側)、38…スプリング、39…流体通路、40…オ
リフィス、47…スプリング室、48…ボス部、49…ボル
ト、50…円孔、51…頭付きロッド、52…突部、53…連通
溝。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポンプボディ内に回転自在に収容される
ロータと、前記ポンプボディ内に移動変位可能に配置さ
れ、前記ロータの外周部との間にポンプ室を形成するよ
うに嵌装されて、前記ポンプ室の容積が最大となるよう
な付勢力が与えられているカムリングと、 前記ポンプ室から吐出される圧力流体の吐出側通路途中
に設けられる可変オリフィスと、 前記カムリングの外周部と前記ポンプボディの内周部と
の間にシール手段を介して分割形成され、前記可変オリ
フィスの前後の流体圧が各別に導入されることにより、
前記カムリングを移動変位させる第1および第2の流体
圧室とを備えてなる可変容量形ポンプにおいて、 前記第1および第2の流体圧室のうちのいずれか一方の
流体圧室に、前記カムリングの移動変位を規制する規制
手段が設けられたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 【請求項2】 前記第1の流体圧室には、前記可変オリ
フィスの前の流体圧が導入され、 前記第2の流体圧室には、前記可変オリフィスの後の流
体圧が導入され、 前記規制手段は、前記第2の流体圧室に設けられたこと
を特徴とする請求項1記載の可変容量形ポンプ。 - 【請求項3】 前記規制手段は、前記ポンプボディの内
周部に前記第2の流体圧室内に突出するようにして形成
された突部により構成されたことを特徴とする請求項2
記載の可変容量形ポンプ。 - 【請求項4】 前記ポンプボディの内周部には、アウタ
ケースが嵌着され、 前記第1および第2の流体圧室は、前記カムリングの外
周部と前記アウタケースの内周部との間にシール手段を
介して分割形成され、 前記規制手段は、前記アウタケースの内周部に前記第2
の流体圧室内に突出するようにして形成された突部によ
り構成されたことを特徴とする請求項2記載の可変容量
形ポンプ。 - 【請求項5】 前記突部は、複数個形成されたことを特
徴とする請求項3または請求項4記載の可変容量形ポン
プ。 - 【請求項6】 前記ポンプ室の片側を画成するサイドプ
レートの前記第2の流体圧室に臨む側の側面には、前記
突部をまたぐようにして連通溝が形成されたことを特徴
とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の可変
容量形ポンプ。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14483299A JP4342637B2 (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 可変容量形ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000337271A true JP2000337271A (ja) | 2000-12-05 |
JP4342637B2 JP4342637B2 (ja) | 2009-10-14 |
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ID=15371487
Family Applications (1)
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JP14483299A Expired - Lifetime JP4342637B2 (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 可変容量形ポンプ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4342637B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002276564A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-25 | Showa Corp | 可変容量型ポンプ |
JP2002276565A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-25 | Showa Corp | 可変容量型ポンプ |
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-
1999
- 1999-05-25 JP JP14483299A patent/JP4342637B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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JP2002276565A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-09-25 | Showa Corp | 可変容量型ポンプ |
JP4673492B2 (ja) * | 2001-03-21 | 2011-04-20 | 株式会社ショーワ | 可変容量型ポンプ |
JP4673493B2 (ja) * | 2001-03-21 | 2011-04-20 | 株式会社ショーワ | 可変容量型ポンプ |
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JP4342637B2 (ja) | 2009-10-14 |
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