JP2000336281A - 有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途 - Google Patents
有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途Info
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Abstract
な、厚さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合
傾斜材料、その製造方法および用途を提供する。 【解決手段】 有機高分子化合物と金属系化合物が化学
結合した複合体を含有し、該金属系化合物の含有率が、
材料表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造
を有する有機−無機複合傾斜材料、有機基板上に、特定
の有機−無機複合膜形成用塗布液からなる塗膜を形成
し、加熱乾燥して上記有機−無機複合傾斜材料を製造す
る方法、該有機−無機複合傾斜材料からなる被膜形成用
コーティング剤および該コーティング剤が塗布された物
品である。
Description
複合傾斜材料、その製造方法および該傾斜材料の用途に
関する。さらに詳しくは、本発明は、有機高分子化合物
と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無機複
合材料であって、該金属系化合物の含有率が材料の厚み
方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、機能性材
料として各種用途に有用な有機−無機複合傾斜材料、こ
のものを効率よく製造する方法並びに該傾斜材料からな
る被膜形成用コーティング剤、例えば塗膜、有機材料と
無機または金属材料との接着剤および有機基材と無機系
または金属系材料層との間に介在させる中間膜用などと
して用いられるコーティング剤および該傾斜材料を使用
した基材や物品に関するものである。
する要求の多様化に伴い、単一の高分子化合物では満足
させることが困難となり、高分子化合物に異なる性質を
もつ異種材料を加え、複合化することが行われている。
例えば、強化材を有機高分子材料中に分散させることに
よる物性改質が広く行われており、具体的には、炭素繊
維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維、アラミ
ド繊維などの有機や無機の繊維状物質、あるいは炭酸カ
ルシウム、シリカ、アルミナなどの粉末状の無機フィラ
ーなどを添加し、均質に分散させることが行われてい
る。また、異種の高分子化合物を混合し、場合により相
溶化剤を介して相溶化させ、ポリマーアロイ化すること
により、新しい機能を発現させる研究も盛んに行われて
いる。
せ、表と裏で性質が全く異なる複合材料である傾斜機能
材料が注目され、例えばセラミックスの耐熱性と金属の
強度を併せもつ金属−セラミックス複合傾斜機能材料が
超音速航空機の機体材料などとして開発されている。
料、有機傾斜材料および有機−無機複合傾斜材料に分類
され、そして、複数の材料、例えば複数の異種の無機材
料同士、複数の異種の有機材料同士、あるいは1種以上
の有機材料と1種以上の無機材料を混合し、場所によっ
て異なる分布密度、配向などを制御することで、複数の
成分材料の物性を発現させうることから、例えば宇宙・
航空分野、自動車分野、エレクトロニクス分野、医療分
野、エネルギー分野、さらには放射線や電磁波のシール
ド分野などにおける利用が期待される。
極とすることにより、水が水素と酸素とに光分解され
る、いわゆる本多−藤嶋効果[「工業化学雑誌」第72
巻、第108〜113ページ(1969年)]が見出さ
れて以来、光触媒の開発や実用化研究が盛んに行われる
ようになってきた。この光触媒は、例えば、二酸化チタ
ンなどの半導体粒子を、そのバンドギャップ以上のエネ
ルギーの光で励起すると、伝導帯に電子が生じ、かつ価
電子帯に正孔が生じ、このエネルギーに富んで電子−正
孔対を利用するものである。
臭、防汚、抗菌、殺菌、さらには廃水中や廃ガス中の環
境汚染上の問題となっている各種物質の分解・除去など
が検討されている。光触媒としては、これまで種々の半
導体的特性を有する化合物、例えば二酸化チタン、酸化
鉄、酸化タングステン、酸化亜鉛などの金属酸化物、硫
化カドミウムや硫化亜鉛などの金属硫化物などが知られ
ているが、これらの中で、二酸化チタン、特にアナター
ゼ型二酸化チタンは実用的な光触媒として有用である。
この二酸化チタンは、太陽光などの日常光に含まれる紫
外線領域の特定波長の光を吸収することによって優れた
光触媒活性を示し、この光触媒作用に由来する強力な酸
化作用によって防汚、防臭、抗菌、空気浄化、水浄化、
超親水性などの機能を発揮する。
な光触媒機能を効果的に発揮させ、それを工業的に利用
する研究が現在盛んに行われている。例えば、光触媒を
材料の表面に被覆したり、材料表面の塗膜中に混入させ
ておけば、光を照射するだけで材料表面に有機物を分解
する作用をもたせることが可能であり、汚れにくいガラ
スやタイル、便器などで実用化され始めている。また、
この光触媒を利用した種々の機能性製品の開発研究が積
極的に行われている。例えば(1)大気汚染の元凶となる
窒素酸化物を太陽の光エネルギーで分解する建材、(2)
透明な光触媒でガラス表面を被覆してなる、付着した汚
れを自然分解するとともに、抗菌効果を有するガラス、
(3)光触媒の超親水性や防汚性能を利用してフィルム表
面に光触媒層を設けてなる、ガラス窓などの表側表面に
貼付するウインドフィルム、(4)シリカゲル粒子に二酸
化チタン微粉末を被覆してなる排水処理用剤などの実用
化が検討されている。
等の光触媒は、プラスチックなどの有機基板には簡単に
担持されず、何らかのバインダーを必要とすることが多
い。また該光触媒を有機基板上に直接コーティングした
り、該基材中に混入させると、光触媒作用により有機基
板が短時間で劣化するのを免れないと言う問題が生じ
る。
有機基板上に有機系接着剤等を介して二酸化チタン等の
光触媒のコーティング膜を設けることも試みられている
が、この場合経時的にバインダーと光触媒体との接着性
が低下したり、白濁化・干渉色の発生等の好ましくない
事態を招来する。また、例えば有機基板上に無機系接着
剤等を介して二酸化チタン等の光触媒のコーティング膜
を設けることも試みられているが、この場合では、基板
との接着性が十分ではなかったり、次第に接着層自体に
クラックなどが発生し、結果として経時的なバインダー
と基体との接着性の低下、白濁化・干渉色の発生等の好
ましくない事態を招来する。また、二酸化チタン等の光
触媒をシリカで被覆したマイクロカプセルが開発され、
このマイクロカプセルを有機基体中に混入して、消臭・
抗菌機能を付与することが試みられている。このような
マイクロカプセルは、光触媒が表面に露出し難いため、
有機基板の劣化が抑制されるとともに、カプセルには微
小な孔が多数存在しており、分子の小さな有機物は入り
込むことが出来るので、触媒機能は効果的に発揮され
る。しかしながら、このような構造のマイクロカプセル
は、その光触媒活性を高活性にすることも難しく、また
光触媒のもう一つの特徴である親水化現象を十分に応用
することは困難である。またその製造方法に煩雑な操作
を必要とし、製造コストが高くつくのを免れないという
欠点を有している。
活性材料以外の様々な無機系または金属系材料、例えば
導電性材料、ハードコート剤、光記録材料、磁性粉、赤
外線吸収材料などからなる層を設け、機能性材料を作製
することが広く行われている。プラスチック基材上に、
このような無機系または金属系材料層を設ける場合、一
般に基材との密着性が不十分であるために、例えばプラ
スチック基材上に無機系プライマー層を設け、その上に
無機系または金属系材料層を形成させる方法が、よく用
いられる。しかしながら、この方法においては、無機系
プライマー層と無機系または金属系材料層との密着性は
良好であるものの、プラスチック基材と無機系プライマ
ー層との密着性は必ずしも十分ではなく、耐熱密着性に
劣ったり、あるいは経時により密着性が低下したりする
などの問題があった。したがって、プラスチック基材上
に無機系または金属系材料層を密着性よく形成させる技
術の開発が望まれていた。
事情のもとで、新規な機能性材料として種々の用途、例
えば塗膜や、有機材料と無機または金属材料との接着
剤、有機基材と光触媒塗膜との間に設けられ、有機基材
の劣化を防止する中間膜や、有機基材と無機系または金
属系材料層との密着性を向上させる中間膜などの用途に
有用な、厚さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機
複合傾斜材料、このものを効率よく製造する方法および
その用途を提供することを目的とするものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、分子中に加水
分解により金属酸化物または金属窒化物重合体と結合し
うる金属含有基を有する有機高分子化合物と加水分解に
より金属酸化物を形成しうる金属化合物、または金属窒
化物重合体との混合物を加水分解処理せずにまたは加水
分解処理して得られた塗布液を有機基板上に塗布し、加
熱乾燥処理することにより形成される有機高分子化合物
と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無機複
合材料が、材料中の金属系化合物の含有率が材料の表面
から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する
新規な有機−無機複合傾斜材料であり、前記用途に有用
であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無
機複合材料であって、材料中の金属系化合物の含有率
が、材料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾
斜構造を有することを特徴とする有機−無機複合傾斜材
料、(2)上記有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を
基材上に形成させることを特徴とするコーティング剤、
好ましくは有機基材に対する塗膜形成用、有機材料と無
機または金属材料との接着剤用および有機基材と少なく
とも無機系または金属系材料を含むコート層との間に介
在させる中間膜形成用として用いられるコーティング
剤、(3)上記有機−無機複合傾斜材料を用いたことを
特徴とする基材、(4)上記有機−無機複合傾斜材料を
接着剤として用いたことを特徴とする有機−無機接着材
料、および(5)上記有機−無機複合傾斜材料を中間膜
として介在させ、かつ少なくとも無機系または金属系材
料を含むコート層を有することを特徴とする物品、を提
供するものである。
発明に従えば、(A)分子中に加水分解により金属酸化
物または金属窒化物重合体と結合しうる金属含有基を有
する有機高分子化合物と(B)(イ)加水分解により金
属酸化物を形成しうる金属化合物、または(ロ)金属窒
化物重合体との混合物を加水分解処理せずにまたは加水
分解処理して塗布液を調製したのち、有機材からなる基
板上に上記塗布液からなる塗膜を形成し、次いで加熱乾
燥処理することにより製造することができる。
は、有機高分子化合物と金属系化合物とが化学結合して
なる複合体を含有する有機−無機複合材料、好ましくは
該複合体からなる有機−無機複合材料であって、材料中
の金属系化合物の含有率が、材料表面から深さ方向に連
続的に変化する成分傾斜構造を有するものである。
ば、有機材からなる基板上に設けた有機−無機複合傾斜
材料の塗膜表面に、スパッタリングを施して膜を削って
いき、経時的に膜表面の炭素原子と金属原子の含有率
を、X線光電子分光法などにより測定することによっ
て、行うことができる。具体的に例を挙げて説明する
と、図1は、後述の実施例1において、ポリメチルメタ
クリレート基板上に設けられた厚さ0.6μmの有機−
無機複合材料(金属原子として、ケイ素原子を含む)か
らなる塗膜における、スパッタリング時間と炭素原子及
びケイ素原子の含有率との関係を示すグラフであって、
この図から分かるように、スパッタリングを施す前の塗
膜表面は、ほぼ100%近くケイ素原子で占められてい
るが、スパッタリングにより膜が削られていくに伴い、
膜表面のケイ素原子の含有率が減少するとともに、炭素
原子の含有率が増加し、スパッタリング時間が約30分
間を過ぎた時点から、膜表面はほぼ炭素原子のみとな
る。
中の金属酸化物系化合物の含有率が、表面から基板方向
に逐次減少していることが示されている。
高分子化合物に金属系化合物が化学結合した複合体を含
有することを特徴としており、このような化学結合によ
る複合体は、後で説明する本発明の方法によって容易に
形成させることができる。
種類については特に制限はなく、金属酸化物系化合物、
または金属酸化物系化合物を介して有機高分子化合物に
化学結合してなる金属窒化物系化合物などを挙げること
ができるが、ゾル−ゲル法により形成されうるものが好
ましく、このような金属系化合物としては、例えばケイ
素、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムの中から選
ばれる金属の酸化物系化合物を好ましく挙げることがで
きる。これらの金属系化合物は1種の金属を含むもので
あってもよいし、2種以上の金属を含むものであっても
よい。
化合物の含有量としては特に制限はないが、金属酸化物
換算で、通常5〜98重量%、好ましくは20〜98重
量%、特に好ましくは50〜90重量%の範囲である。
有機高分子化合物の重合度や分子量としては、製膜化し
うるものであればよく特に制限されず、高分子化合物の
種類や所望の塗膜物性などに応じて適宜選定すればよ
い。さらに、本発明の傾斜材料は、その厚みが5μm以
下、特に0.01〜1.0μmの範囲のものが、傾斜性
及び塗膜性能などの点から好適である。
下に示す本発明の方法により効率よく製造することがで
きる。本発明の方法においては、まず(A)分子中に加
水分解により金属酸化物または金属窒化物重合体と結合
しうる金属含有基(以下、加水分解性金属含有基と称す
ことがある。)を有する有機高分子化合物と(B)
(イ)加水分解により金属酸化物を形成しうる金属化合
物(以下、加水分解性金属化合物と称すことがあ
る。)、または(ロ)金属窒化物重合体との混合物を加
水分解処理せずにまたは加水分解処理して塗布液を調製
する。
の加水分解により金属酸化物または金属窒化物重合体と
結合しうる金属含有基及び(B)(イ)成分である加水
分解により金属酸化物を形成しうる金属化合物、または
(ロ)成分の金属窒化物重合体における金属としては、
例えばケイ素、チタン、ジルコニウム及びアルミニウム
の中から選ばれる少なくとも1種を好ましく挙げること
ができる。
より金属酸化物または金属窒化物重合体と結合しうる金
属含有基を有する有機高分子化合物は、例えば該金属含
有基を有する単量体と金属を含まない単量体とを共重合
又は縮重合させることにより、得ることができる。
属窒化物重合体と結合しうる金属含有基としては、例え
ば一般式(I) −M1R1 n-1 …(I) (式中、R1は加水分解性基または非加水分解性基であ
るが、その中の少なくとも1つは加水分解により、
(B)成分と化学結合しうる加水分解性基であることが
必要であり、また、R1が複数の場合には、各R1はたが
いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、M1
はケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの
金属原子、nは金属原子M1の価数である。)で表され
る基を挙げることができる。
加水分解により(B)成分と化学結合しうる加水分解性
基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート
基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、
アセチルアセトネート基などが挙げられ、一方、(B)
成分と化学結合しない非加水分解性基としては、例えば
低級アルキル基などが好ましく挙げられる。
しては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシ
シリル基、トリ−n−プロポキシシリル基、トリイソプ
ロポキシシリル基、トリ−n−ブトキシシリル基、トリ
イソブトキシシリル基、トリ−sec−ブトキシシリル
基、トリ−tert−ブトキシシリル基、トリクロロシリル
基、ジメチルメトキシシリル基、メチルジメトキシシリ
ル基、ジメチルクロロシリル基、メチルジクロロシリル
基、トリイソシアナトシリル基、メチルジイソシアナト
シリル基など、トリメトキシチタニウム基、トリエトキ
シチタニウム基、トリ−n−プロポキシチタニウム基、
トリイソプロポキシチタニウム基、トリ−n−ブトキシ
チタニウム基、トリイソブトキシチタニウム基、トリ−
sec−ブトキシチタニウム基、トリ−tert−ブトキシチ
タニウム基、トリクロロチタニウム基、さらには、トリ
メトキシジルコニウム基、トリエトキシジルコニウム
基、トリ−n−プロポキシジルコニウム基、トリイソプ
ロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブトキシジルコニ
ウム基、トリイソブトキシジルコニウム基、トリ−sec
−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert−ブトキシジル
コニウム基、トリクロロジルコニウム基、またさらに
は、ジメトキシアルミニウム基、ジエトキシアルミニウ
ム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム基、ジイソプロ
ポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキシアルミニウム
基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ−sec−ブトキ
シアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシアルミニウム
基、トリクロロアルミニウム基などが挙げられる。
和基および前記一般式(I)で表される金属含有基を有
する単量体と、エチレン性不飽和基を有し、かつ金属を
含まない単量体とをラジカル共重合させることにより、
所望の高分子化合物が得られる。具体的には、一般式
(II)
ン基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、R1、
M1およびnは前記と同じである。)で表される金属含
有基を含むアルキル基をエステル成分とする(メタ)ア
クリル酸エステル1種以上と、一般式(III)
機基である。)で表されるエチレン性不飽和基を有する
単量体、特に好ましくは一般式(III−a)
ル基またはアラルキル基であり、R3は前記と同じであ
る。)で表される(メタ)アクリル酸エステル1種以上
とをラジカル共重合させる方法を挙げることができる。
性不飽和基の代わりに、縮合により高分子量化可能な
基、例えば縮合によりアミド結合、エステル結合あるい
はウレタン結合などを生成する2つ以上の官能基と前記
一般式(I)で表される金属含有基とを有する単量体
と、縮合により高分子量化可能な基、例えば縮合により
アミド結合、エステル結合あるいはウレタン結合などを
生成する2つ以上の官能基を有し、かつ金属含有基を含
まない単量体とを縮重合させる方法などにより、所望の
高分子化合物が得られる。
般式(I)で表される金属含有基を有するアミン成分と
酸成分とを縮重合させ、ポリアミドを形成させる方法、
あるいはいずれか一方の成分が前記一般式(I)で表さ
れる金属含有基を有するアルコール成分と酸成分とを縮
重合させ、ポリエステルを形成させる方法などが挙げら
れる。
り金属酸化物を形成しうる金属化合物(加水分解性金属
化合物)としては、例えば一般式(IV) M2R5 m …(IV) (式中、R5は加水分解性基または非加水分解性基であ
るが、少なくとも2つは加水分解性基であり、かつ少な
くとも1つは、加水分解により(A)成分と化学結合し
うる加水分解性基であって、複数のR5はたがいに同一
であってもよいし、異なっていてもよく、M2はケイ
素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原
子、mは金属原子M2の価数である。)で表される金属
化合物を挙げることができる。
水分解性基としては、例えばアルコキシル基、イソシア
ネート基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲ
ン基、アセチルアセトネート基などが挙げられ、一方非
加水分解性基としては、例えば低級アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基などが好ましく挙げられる。この加
水分解性金属化合物としては、上記一般式(IV)で表さ
れる金属化合物から誘導されるオリゴマーや、一般式
(IV)で表される金属化合物を複数種混合したものも用
いることができる。
例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライ
ソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テ
トラ−tert−ブトキシシランなど、並びにこれらに対応
するテトラアルコキシチタンおよびテトラアルコキシジ
ルコニウム、さらにはトリメトキシアルミニウム、トリ
エトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニ
ウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブ
トキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、
トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブト
キシアルミニウムなどの金属アルコキシド、あるいは金
属アルコキシドオリゴマー、例えば市販品のアルコキシ
シランオリゴマーである「メチルシリケート51」、
「エチルシリケート40」(いずれもコルコート社製商
品名)など、さらにはテトライソシアナトシラン、メチ
ルトリイソシアナトシラン、テトラクロロシラン、メチ
ルトリクロロシランなどが挙げられるが、この(B)
(イ)成分としては、金属のアルコキシドが好適であ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
合体としては、例えば一般式(V)
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
ル基、若しくはこれらの基以外のフルオロアルキル基な
どの炭素原子がケイ素原子に直結する基、アルキルシリ
ル基、アルキルアミノ基またはアルコキシル基である
が、その少なくとも1つは水素原子である。)で表され
る構造単位を含む数平均分子量100〜50000のポ
リシラザンなどを好ましく挙げることができる。
分として金属アルコキシドを用いる場合にはアルコー
ル、ケトン、エーテルなどの適当な極性溶剤中におい
て、前記(A)成分の高分子化合物および(B)(イ)
成分の金属アルコキシドの混合物を、塩酸、硫酸、硝酸
などの酸、あるいは固体酸としてのカチオン交換樹脂を
用い、通常0〜60℃、好ましくは20〜40℃の温度
にて加水分解処理し、固体酸を用いた場合には、それを
除去したのち、さらに、所望により溶剤を留去または添
加し、塗布するのに適した粘度に調節して塗布液を調製
する。温度が低すぎる場合は加水分解が進まず、高すぎ
る場合は逆に加水分解が進みすぎ、その結果得られる傾
斜塗膜の傾斜性が低下するおそれがある。なお、(B)
(イ)成分の金属アルコキシドを含む極性溶剤溶液を予
め調製し、これに酸を加えて加水分解反応を進めてお
き、このものと(A)成分を混合し、さらに加水分解処
理してもよい。
ネート系金属化合物やハロゲン系金属化合物を用いる場
合、あるいは(B)(ロ)成分を用いる場合には、通常
成膜前には加水分解処理は行わず、成膜時またはそれ以
降において、空気中の水分により加水分解させる方法が
用いられる。
製後も、加水分解、重縮合が徐々に進行して塗布条件が
変動する場合があるので、塗布液に不溶の固体の脱水
剤、例えば無水硫酸マジネシウムなどを添加することに
より、ポットライフの低下を防止することができる。こ
の場合、塗布液は、該脱水剤を除去してから、塗布に用
いる。
い、有機材からなる基板上に、乾燥塗膜の厚さ、通常5
μm以下、特に中間膜用途として、好ましくは0.01
〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.7μmの
範囲になるように、ディップコート法、スピンコート
法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート
法、グラビアコート法などの公知の手段により塗膜を形
成し、公知の乾燥処理、例えば40〜150℃程度の温
度で加熱乾燥処理することにより、本発明の有機−無機
複合傾斜材料が得られる。
(イ)成分のうちの金属アルコキシドとの混合物の加水
分解処理により、(A)成分の高分子化合物中の加水分
解性金属含有基が加水分解するとともに、(B)(イ)
成分の金属アルコキシドも加水分解して一部重合する。
次に、この塗布液を有機材からなる基板(有機基材と称
することがある。)に塗布することにより、(A)成分
の高分子化合物中のフレキシブルな高分子鎖の部分が基
板に吸着されるとともに、側鎖の金属含有基の加水分解
部分は基板から離れたところに位置する。この塗膜を加
熱乾燥処理することにより、上記側鎖の金属含有基の加
水分解がさらに進行するとともに、(B)(イ)成分の
金属アルコキシドの加水分解、重合もさらに進行し、そ
してこの際、上記側鎖の加水分解により生成した反応性
基、例えばシラノール基と(B)(イ)成分の加水分
解、重合物とが縮合(化学結合)することにより、高分
子化合物と金属酸化物系化合物とが化学結合した複合体
が形成する。
ちのイソシアネート系やハロゲン系金属化合物または
(B)(ロ)成分との混合物からなる塗布液を有機材か
らなる基板に塗布することにより、(A)成分の高分子
化合物中のフレキシブルな高分子鎖の部分が基板に吸着
されるとともに、側鎖の加水分解性金属含有基は基板か
ら離れたところに位置する。この塗膜は成膜時または加
熱乾燥処理時に空気中の水分により、上記側鎖の加水分
解性金属含有基の加水分解が進行するとともに、上記側
鎖の加水分解により生成した反応性基、例えばシラノー
ル基と(B)(イ)成分のイソシアネート系やハロゲン
系金属化合物の加水分解物または(B)(ロ)成分の金
属窒化物重合体とが化学結合した複合体が形成する。し
たがって、本発明の複合傾斜材料は、特開平8−283
425号公報に記載されている傾斜複合体とは根本的に
異なるものである。
発明の複合傾斜材料においては、材料中の金属系化合物
の含有率は、表面ではほぼ100%であるが、基板方向
に逐次減少していき、基板近くでは、ほぼ0%になる。
すなわち、本発明の複合傾斜材料は、一般に、有機基材
上に形成された膜状物からなり、かつ実質上、該膜状物
の有機基材に当接している面が有機高分子系化合物成分
であって、もう一方の開放系面が金属系化合物である。
斜材料が形成されることから、塗膜の形成後、有機材か
らなる基板に高分子鎖の部分が吸着されるのに必要な時
間、一般的には少なくとも液体状態を数秒間程度保持す
ることが肝要である。使用する有機成分の可溶性溶媒と
無機成分の可溶性溶媒は、通常は異なる溶媒が用いら
れ、それらが混和性を有する必要がある。また、塗工機
あるいはスプレー法等での塗布において、厚み斑がなく
かつ良好な傾斜構造を得るためには、無機成分同士が縮
合する前に高分子化合物の吸着が起こるようにするため
にも、上記無機成分可溶性溶媒の蒸発点を有機成分可溶
性溶媒の蒸発点以上に高くするのが好ましい。なお、有
機成分と無機成分の両者を溶解できるものであれば、単
独溶媒でも使用可能である。
く、例えばポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹
脂、ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,
6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリ
イミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース
系樹脂などからなる基板を挙げることができる。
着性をさらに向上させるために、所望により、酸化法や
凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理
(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処
理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサ
ンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これら
の表面処理法は基板の種類に応じて適宜選ばれる。
は、有機系材料以外の材料、例えば金属系材料、ガラス
やセラミックス系材料、その他各種無機系または金属系
材料からなる基材の表面に、有機系塗膜を有するものも
包含する。
機複合傾斜材料は、前記したような優れた傾斜性を有す
るとともに、(1)基板と無機膜の熱収縮あるいは物理的
伸縮に対する応力を緩和する性質、(2)屈折率が連続的
に変化する、(3)無機成分や有機成分の混合比によっ
て、任意かつ簡便にその傾斜性を制御しうる、(4)無機
成分の形態による成膜時の表面構造の制御が可能である
などの性質を有することから、新しい機能性材料とし
て、種々の用途に有用である。
からなる被膜を基材上に形成させるコーティング剤をも
提供するものである。このコーティング剤としては、前
記の(A)分子中に加水分解により金属酸化物または金
属窒化物重合体と結合しうる金属含有基を有する有機高
分子化合物と(B)(イ)加水分解により金属酸化物を
形成しうる金属化合物、または(ロ)金属窒化物重合体
との混合物を加水分解処理せずにまたは加水分解処理し
て得られた塗布液からなるものを好ましく挙げることが
できる。
ことができる。まず、塗膜としての用途に用いられる。
該有機−無機複合傾斜材料は、有機基材に対する接着性
に優れており、かつ塗膜表面は金属酸化物または金属窒
化物の性質を有することから、例えば各種プラスチック
フィルム上に該材料からなるコート層を設けることによ
り、耐擦傷性や耐熱性などに優れると共に、密着性の良
好なハードコートフィルムを得ることができる。
本発明の傾斜材料は、前記したように有機基材との密着
性に優れるとともに、表面は金属系化合物であるので、
無機または金属材料との密着性に優れている。したがっ
て、有機材料と無機または金属材料との接着剤として好
適である。
たは金属系材料を含むコート層との間に介在させる中間
膜としての用途に用いられる。有機基材上に無機系また
は金属系材料を含むコート層を形成する場合、一般に有
機基材と該コート層との密着性が不十分てあって、耐久
性に劣り、経時により剥離したり、あるいは熱や湿気な
どにより剥離しやすくなるという問題が生じる。
機基材と無機系または金属系材料を含むコート層との間
に介在させることにより、該中間膜は前記したように傾
斜性を有することから、有機基材との密着性に優れると
共に、その上に設けられる無機系または金属系材料を含
むコート層との密着性にも優れ、その結果、有機基材上
に無機系または金属系材料を含むコート層を極めて密着
性よく、形成させることができる。本発明においては、
該中間膜の厚さは、通常5μm以下、好ましくは0.0
1〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.7μm
の範囲である。
層としては特に制限はなく、様々なコート層を形成する
ことができるが、例えば(1)光触媒活性材料層、
(2)無機系または金属系導電性材料層、(3)無機系
または金属系材料を含むハードコート層、(4)無機系
または金属系光記録材料層または無機系または金属系誘
電体層などを好ましく挙げることができる。
ート層について説明する。 (1)光触媒活性材料層:有機基材表面に、二酸化チタ
ンなどの光触媒活性材料のコート層を設けた場合、その
光触媒作用により、有機基材が短時間で劣化するという
問題が生じる。したがって、光触媒作用により、劣化し
にくい無機バインダーを介して有機基材上に二酸化チタ
ンなどの光触媒活性材料のコート層を設けることが試み
られている。しかしながら、無機バインダーは、有機基
材との接着力が不十分であり、耐久性に劣るという問題
がある。
材と光触媒活性材料のコート層との間に介在させた場
合、有機基材との密着性に優れ、しかも表面はほぼ金属
系化合物であるため、光触媒活性材料のコート層との密
着性が良い上、中間膜が光触媒作用により劣化しにく
く、有機基材を十分に保護することができる。
材と光触媒活性材料層との間に、本発明の傾斜材料を中
間膜として介在させることができる。この中間膜は、上
記有機基材の場合と同様に、有機系塗膜との密着性に優
れ、しかも光触媒活性材料のコート層との密着性が良い
上、光触媒作用により劣化しにくく、有機系塗膜を十分
に保護することができる。このような用途としては、特
に表面に有機系塗膜を有する自動車用鋼板上に光触媒活
性材料層を設ける場合に有用である。
ては、例えば冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム
板、アルミニウム合金板などの金属系基材に有機系塗膜
を形成したものを挙げることができる。本発明の傾斜材
料を、このような中間膜として用いる場合、その上に設
けられる光触媒活性材料のコート層が光触媒能の高い二
酸化チタンである場合に、特に有効である。
表面に導電性材料層を有する有機基材、特にプラスチッ
クフィルムは、エレクトロルミネッセンス素子(EL素
子)、液晶表示素子(LCD素子)、太陽電池などに用
いられ、さらに電磁波遮蔽フィルムや帯電防止性フィル
ムなどとして用いられている。このような用途に用いら
れる導電性材料としては、例えば酸化インジウム、酸化
錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ITO(インジウムチ
ンオキシド)などの金属酸化物や、金、白金、銀、ニッ
ケル、アルミニウム、銅のような金属などの無機系また
は金属系導電性材料が用いられる。そして、これらの無
機系または金属系導電性材料は、通常真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手
段により、プラスチックフィルムなどの有機基材上に、
厚さ50〜2000オングストローム程度の薄膜として
形成される。
属系導電性材料層は、有機基材との密着性が不十分であ
るので、本発明の傾斜材料を中間膜として、有機基材と
該無機系または金属系導電性材料層との間に介在させる
ことにより、有機基材と無機系または金属系導電性材料
層との密着性を向上させることができる。また、透明導
電性フィルムが要求される場合においても、本発明の傾
斜材料からなる中間膜を介在させることにより、透明性
が損なわれることはほとんどない。
ドコート層:表面硬度が良好で、優れた耐擦傷性や耐摩
耗性を有するハードコートフィルムは、例えば、車両、
建物などの窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの表
面貼付用として、あるいはCRTディスプレイやフラッ
トパネルディスプレイなどの保護用などとして広く用い
られている。
ズに比べて、軽量でかつ安全性、加工性、ファッション
性などに優れていることから、近年急速に普及してきて
いる。しかしながら、このプラスチックレンズは、ガラ
スレンズに比べて傷が付きやすいという欠点を有してお
り、したがって、その表面をハードコート層で被覆する
ことが行われている。
チックレンズに設けられるハードコート層の材料として
は、例えばアルキルトリヒドロキシシランおよびその部
分縮合物とコロイダルシリカとシリコン変性アクリル樹
脂とからなる混合物、オルガノトリアルコキシシラン加
水分解縮合物、アルコキシシラン加水分解縮合物とコロ
イダルシリカとの混合物、ジルコニウム、アルミニウム
およびチタニウムの中から選ばれる金属とキレート化合
物とシリコン変性アクリル樹脂とからなる混合物などの
無機系または金属系材料を含むハードコート剤が多用さ
れている。
ズなどの有機基材上にハードコート層を形成するには、
前記の無機系または金属系材料を含むハードコート剤
を、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート
法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用い
て、乾燥膜厚が1〜30μm程度になるように有機基材
上に塗布し、乾燥処理する方法が、通常用いられる。
属系材料を含むハードコート層は、有機基材との密着性
が不十分であるので、本発明の傾斜材料を中間膜とし
て、有機基材と該ハードコート層との間に介在させるこ
とにより、有機基材と無機系または金属系材料を含むハ
ードコート層との密着性を向上させることができる。ま
たプラスチックレンズにおいて、本発明の傾斜材料から
なる中間膜を介在させても、該プラスチックレンズの透
明性の低下や干渉縞の発生などをもたらすことはほとん
どない。
たは無機系または金属系誘電体層:近年、書き換え可
能、高密度、大容量の記憶容量、記録再生ヘッドと非接
触等という特徴を有する光記録媒体として、半導体レー
ザー光等の熱エネルギーを用いて磁性膜の磁化反転を利
用して情報を記録し磁気光学効果を利用して読み出す光
磁気ディスクや結晶から、アモルファスへの相変化を利
用した相変化ディスクが開発され、実用化に至ってい
る。
樹脂基板(有機基材)、例えばポリカーボネートやポリ
メチルメタクリレートなどの基板上に光記録材料層、誘
電体層、金属反射層、有機保護層などが順次積層された
構造を有しており、また、基板と光記録材料層との間
に、誘電体下地層を設ける場合もある。
えばTb−Fe、Tb−Fe−Co、Dy−Fe−C
o、Tb−Dy−Fe−Coなどの無機系の光磁気型記
録材料、あるいはTeOx、Te−Ge、Sn−Te−
Ge、Bi−Te−Ge、Sb−Te−Ge、Pb−S
n−Te、Tl−In−Seなどの無機系の相変化型記
録材料が用いられる。また、所望により、基板と光記録
材料層との間に設けられる誘電体下地層には、例えばS
iN、SiO、SiO2、Ta2O5などの無機系材料が
用いられる。前記無機系の光記録材料層や誘電体下地層
は、通常真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法などの公知の手段によって形成される。
属系光記録材料層または無機系誘電体下地層は、透光性
樹脂基板との密着性が不十分であるので、本発明の傾斜
材料を中間膜として、透光性樹脂基板と該光記録材料層
または該誘電体下地層との間に介在させることにより、
基板と光記録材料層または誘電体下地層との密着性を向
上させることができる。
ト層としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウ
ム、酸化錫、硫化亜鉛、アンチモンドープ酸化錫(AT
O)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの無機系
赤外線吸収剤層、メタル蒸着された磁性層などが挙げら
れる。
斜材料を用いてなる基材、該複合傾斜材料を接着剤とし
て用いてなる有機−無機接着材料および該複合傾斜材料
を中間膜として介在させ、かつ少なくとも無機系または
金属系材料を含むコート層を有する物品をも提供する。
−無機複合傾斜材料を中間膜として介在させ、かつ少な
くとも無機系または金属系材料を含むコート層を有する
有機基材、あるいは、本発明の有機−無機複合傾斜材料
を中間膜として介在させ、かつ光触媒活性材料層を有す
る、表面に有機系塗膜が設けられた金属系基材などを好
ましく挙げることができる。
無機系または金属系材料を含むコート層が、(1)光触媒
活性材料層、(2)無機系または金属系導電性材料層、
(3)無機系または金属系材料を含むハードコート層、お
よび(4)無機系または金属系光記録材料層または無機系
または金属系誘電体層であるものなどを好ましく挙げる
ことができる。
しては、上述の用途以外に、例えば(1)強誘電体薄膜
(チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチ
ウム等)の中間膜 (2)金属蒸着薄膜からなるUVカットフィルムの中間
膜、(3)金属蒸着薄膜からなる熱線遮蔽フィルムの中
間膜、(4)シリカ−チタニア積層膜からなる低反射・
無反射コーティング膜の中間膜、(5)シリカ−チタニ
ア積層膜からなるヘッドアップディスプレイコンバイナ
ーフィルムの中間膜、(6)ゾル−ゲル法により無機酸
化物に機能性分子をドーピングさせた薄膜用の中間膜
(シリカ等の無機成分中に、蛍光色素、レーザー用色
素、フォトクロミック材料、エレクトロクロミック材
料、非線形工学材料を分散させた薄膜)、(7)塗布用
無機系抗菌材用のアンダーコート、(8)無機成分がシ
リカからなる傾斜膜表面のOH基を利用してカップリン
グ反応により、酵素、抗体、蛋白質等の分子を化学結合
させる固定化用膜としての利用、
して、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリ
ング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコネート
系カップリング剤等の反応サイトとしての利用、(1
0)傾斜膜表面のシリカのOH基を利用して、重合可能
な官能基を結合させ、グラフト反応場としての利用、
(11)プラスチックの耐蝕コーティング(チタニア、
アルミナ、ジルコニア及びチタニア−シリカ、アルミナ
−シリカ、ジルコニア−シリカ等の複合酸化物)、(1
2)プラスチックの耐熱コーティング、(13)プラス
チック表面のブリードアウト防止コーティング(プラス
チック中の添加剤の表面へのブリードアウトを遮断)、
(14)プラスチック表面の酸化防止膜、(15)透明
樹脂をコア層としたクラッド層を傾斜膜で形成した光フ
ァイバー、(16)同上で透明樹脂を太径のロッドとし
たロッドレンズ、などを挙げることができる。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
gおよび3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン[信越化学工業(株)製]0.5gを混合し、よく撹
拌したのち、これに、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル[和光純薬工業(株)製]0.2gを添加し、撹
拌しながら70℃で2.5時間反応させた。反応終了
後、室温まで冷却したのち、アセトン246ミリリット
ル中に重合物を溶解させ、さらにエタノール123ミリ
リットルを加え、(A)成分の有機高分子化合物の溶液
(以下、高分子溶液と称す。)を調製した。
業(株)製]61.5ミリリットル中に、塩酸0.05
g/ミリリットル濃度の塩酸・イソプロパノール溶液3
0.8ミリリットルを撹拌しながら滴下し、室温で5時
間撹拌を続けた。この無機成分溶液を、上記で得た高分
子溶液中に静かに滴下し、室温で4時間撹拌したのち、
アセトン515ミリリットルで希釈し、よく撹拌後、さ
らにエタノール738ミリリットルで希釈して塗布液を
調製した。この塗布液をスピンコート法(1500rp
m、10秒間)にて、ポリメチルメタクリレート基板上
に塗布し、70℃で12時間加熱乾燥処理することによ
り、厚さ0.6μmの有機−無機複合膜を形成させた。
HI−5600」[アルバック・ファイ(株)製]を用
い、アルゴン・スパッタリング(4kV)を5分間隔で
施して膜を削り、膜表面の炭素原子とケイ素原子の含有
率を、X線光電子分光法により測定し、傾斜性を調べ
た。図1に、スパッタリング時間(膜の深さと関係す
る)と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグ
ラフで示す。この図から、優れた傾斜性を有することが
分かる。
この上に「STS−01」[石原産業(株)製]を蒸留
水で3倍に希釈した光触媒コート剤を、スピンコート法
(1500rpm、10秒間)により塗布し、70℃で
12時間乾燥固着させることにより、厚さ0.4μmの
二酸化チタンコート膜を形成した。これを密閉シリカガ
ラス容器内に入れ、温度60℃、相対湿度50%に調整
したのち、ブラックライトを用いて光照射(光量2.0
mW/cm2)し、紫外線照射に伴う可視光(400〜
800nm)での透過率の経時変化を測定した。図12
に、可視光領域での該膜の透過率スペクトルの経時変化
を示す。
nmでの透過率の経時変化から、その透過率の減少速度
を数値化し、これを耐久性評価の指数とした。図13
に、紫外線照射日数と波長500nmでの透過率の減少
量との関係をグラフで示す。図12及び図13から、優
れた耐久性を有することが分かる。
ャインウェザーメータ(機内温度60℃、スプレーサイ
クル120分中18分)を用いて促進曝露試験を行い、
光触媒による劣化の度合いを光線透過率の変化及び外観
の変化により調べた。図14にサンシャインウェザーメ
ーターの曝露時間に対する可視光線透過率の変化を示
す。500nmの光線透過率は、試験前の90%に対
し、20日間経過後は87%とほぼ維持しており、また
外観上の変化もなく、良好な耐候性を示した。
わりにポリスチレン基板を用いた以外は、実施例1と同
様にして、有機−無機複合膜を形成させた。この膜につ
いて、実施例1と同様にして傾斜性を評価した。図2
に、スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係をグラフで示す。この図から、優れた傾
斜性を有することが分かる。
わりにポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以
外は、実施例1と同様にして有機−無機複合膜を形成さ
せた。この膜について実施例1と同様にして、傾斜性を
評価した。図3に、スパッタリング時間と炭素原子およ
びケイ素原子の含有率との関係をグラフで示す。この図
から、優れた傾斜性を有することが分かる。
わりにポリプロピレンフィルムを用いた以外は、実施例
1と同様にして有機−無機複合膜を形成させた。この膜
について実施例1と同様にして、傾斜性を評価した。図
4に、スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子
の含有率との関係をグラフで示す。この図から、優れた
傾斜性を有することが分かる。
溶剤(容量比1/1)で5倍に希釈して用い、かつスピ
ンコート法の代わりにディップコート法(引上げ速度
0.5cm/分)を採用した以外は、実施例1と同様に
して有機−無機複合膜を形成させた。この膜について実
施例1と同様にして、傾斜性を評価した。図5に、スパ
ッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率と
の関係をグラフで示す。この図から、優れた傾斜性を有
することが分かる。
リットルの代わりに、テトライソプロポキシチタン[和
光純薬工業(株)製]84.0ミリリットルを用いた以
外は、実施例1と同様にして有機−無機複合膜を形成さ
せた。この膜について実施例1と同様にして、傾斜性を
評価した。図6に、スパッタリング時間と炭素原子およ
びチタン原子の含有率との関係をグラフで示す。この図
から、優れた傾斜性を有することが分かる。
わりにポリカーボネート基板(三菱エンジニアリングプ
ラスチック(株)製ユーピロン、厚み400μm)を用い
た以外は、実施例1と同様にして有機−無機傾斜複合膜
を形成させた。この膜について、実施例1と同様にして
傾斜性を評価した。図15に、スパッタリング時間と炭
素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで示
す。この図から、優れた傾斜性を有することが分かる。
器にメタクリル酸メチル[和光純薬工業(株)製(以後M
MAと略記することがある)]10.92g及び3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン[信越化学工
業(株)製(以後MPTMSと略記することがある)]
2.71gを入れて混合し、よく撹拌したのち、これ
に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル[和光純薬
工業(株)製]0.2gを添加し、蓋をして密閉した。こ
の容器をウォーターバス中に置き、マグネチックスター
ラーで撹拌しながら、70℃で2.5時間ラジカル重合
反応を行った。反応終了後、重合物を室温まで冷却した
のち、アセトン100ミリリットル中に重合物1.0g
を溶解させ、(A)成分の有機高分子化合物の溶液(以
下、高分子溶液と称す)を調製した。
シシラン[和光純薬工業(株)製試薬特級(以後TEOS
と略記することがある)]12gをエタノール10ミリ
リットル中に溶解した溶液に、濃塩酸3.1gとエタノ
ール5ミリリットルからなる溶液を撹拌しながら徐々に
滴下した。この混合溶液を室温で5時間撹拌し、(B)
成分の無機成分溶液とした。
リリットルをアセトン40ミリリットルで希釈し、よく
撹拌後、エタノール40ミリリットルを添加し、さらに
無機成分溶液10ミリリットルを加え、撹拌して傾斜膜
塗布液を調製した。
の回転カップ上に、12cm角のポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム[東レ(株)製ルミラーT−6
0、フィルム厚み188μm]を固定し、フィルムの表
面を濡らすように上記傾斜膜塗布液をフィルム上に載
せ、フィルム全体を濡らし終わってから5秒後、回転カ
ップを1500rpm、10秒間にて回転させ、塗布液
をスピンコートした。塗布されたフィルムをオーブン中
70℃で12時間加熱乾燥処理することにより、厚さ
0.2μmの有機−無機複合膜をPETフィルム上に形
成させた。
したのち、オーブン中70℃で12時間加熱乾燥した。
合膜上に酸化チタン光触媒コート剤(日本曹達(株)製ビ
ストレータNDC−200C)をイソプロパノールで1
0倍に希釈した液を、スピンコート法(1500rp
m、20秒間)にて塗布し、オーブン中80℃で12時
間乾燥及び熱処理を行うことにより、厚さ0.15μm
の酸化チタンコート膜を形成した。
コーティングされたフィルムについて、サンシャインウ
ェザーメーター(機内温度60℃、スプレーサイクル1
20分中18分)を用いて促進曝露試験を行い、光触媒
による劣化の度合いを光線透過率の変化及び外観の変化
により調べた。図16にサンシャインウェザーメーター
の曝露時間に対する可視光線透過率の変化を示す。50
0nmの光線透過率は、試験前の81%に対し、20日
間経過後は79%とほぼ維持しており、また外観上の変
化もなく、良好な耐候性を示した。
ムをオートクレーブ中にて、130℃、1.7kgf/
cm2の条件で3時間加熱処理したものについて、上記
と同様にして光触媒酸化チタンコート剤を塗布し、サン
シャインウェザーメーターによる曝露試験を行ったとこ
ろ、アンモニア処理フィルムと同様に良好な結果が得ら
れた。
ETフィルム[東レ(株)製ルミラーT−60、フィルム
厚み188μm]上に傾斜膜塗布液をコーティングした
後、コロナ放電処理装置(春日電機(株)製、印加電圧1
50V、電流15A)で3秒間処理した以外は、実施例
8と同様にして光触媒酸化チタンがコートされたフィル
ムを得た。このフィルムをサンシャインウェザーメータ
ーによる促進曝露試験を行った。図17にサンシャイン
ウェザーメーターの曝露時間に対する可視光線透過率の
変化を示す。500nmの光線透過率は、試験前の81
%に対して、20日間経過後は79%とほぼ維持してお
り、また外観上の変化もなく、良好な耐候性を示した。
/1として、(A)成分の10g/リットルのアセトン
溶液を調製した。一方、TEOS12gおよび濃塩酸
2.5g、エタノール5gの混合溶液を滴下し、10時
間撹拌して無機成分液とした。(A)成分液の3ミリリ
ットルとアセトン22ミリリットル及び無機成分液4ミ
リリットルを混合し、さらにn−ヘキサノール21ミリ
リットルを加えよく撹拌した。この液にPETフィルム
を浸漬し、15cm/分の速度で引き上げてコーティン
グした。このコーティングフィルムの傾斜性を実施例1
と同様に測定した。図18に、スパッタリング時間とケ
イ素原子の含有率との関係を示す。この図から優れた傾
斜性を有することが分かる。
1、20/1、100/1として、(A)成分が10g
/リットルのアセトン溶液を調製した。一方、TEOS
12gおよび濃塩酸2.5g、エタノール5gの混合溶
液を滴下し、10時間撹拌して無機成分液とした。
(A)成分液の3ミリリットルとアセトン22ミリリッ
トル及び無機成分液4ミリリットルを混合し、さらにn
−ヘキサノール21ミリリットルを加えよく撹拌した。
この液にPETフィルムを浸漬し、5.0cm/分の速
度で引き上げてコーティングした。このコーティングフ
ィルムの傾斜性を実施例1と同様に測定した。図19
に、上記3種類のMMA/MPTMS(モル比)つい
て、スパッタリング時間とケイ素原子の含有率との関係
を示す。この図からMMA/MPTMSのモル比の変化
により、傾斜の傾きを制御できることが分かる。
/1として、(A)成分が10g/リットルのアセトン
溶液を調製した。一方、TEOS12gおよび濃塩酸
2.5g、エタノール5gの混合溶液を滴下し、10時
間撹拌して無機成分液とした。(A)成分液の1ミリリ
ットルとアセトン4ミリリットルに無機成分液を任意量
加え、無機成分濃度が1、2、4、6重量%の塗布液を
調製した。この液を実施例8と同様の方法でPETフィ
ルム上のスピンコートし、有機−無機複合傾斜膜を得
た。この傾斜膜の傾斜性を実施例1と同様に測定した。
図20に、上記4種類の無機成分濃度の傾斜膜におけ
る、スパッタリング時間とケイ素原子の含有率との関係
を示す。この図から無機成分濃度の変化により、傾斜の
傾きを制御できることが分かる。
自動車鋼板(アクリル/メラニン樹脂コート)上に傾斜
膜塗布液をコーティングし、オーブン中70℃、12時
間乾燥した。得られた膜付自動車鋼板をプラズマジェッ
ト(春日電機(株)製PJ−1)で3秒間処理したのち、
酸化チタン光触媒コート剤(日本曹達(株)製NDC−2
00C)1gを濃塩酸0.08gと2−プロパノール9
gにより希釈したものをスピンコート法(1500rp
m、20秒間)にて塗布し、80℃のオーブン中1時間
乾燥および熱処理を行うことにより厚さ0.2μmの酸
化チタンコート膜を形成した。上記光触媒がコーティン
グされた自動車鋼板を、サンシャインウェザーメーター
(試験機内温度60℃、スプレーサイクル120分中1
8分)により促進曝露試験を行い、水の接触角及び外観
の変化を調べた。20日間経過後に水接触角の測定を行
ったところ、接触角3°未満であり、試験前と比べて表
面の超親水性に変化はなかった。また干渉縞や白化も見
られず良好な耐久性を示した。表1に、曝露時間と傾斜
膜の接触角および外観との関係を示す。
クリロキシプロピルトリメトキシシランを用いずに、メ
タクリル酸メチルの量を12gに変更した以外は、実施
例1と同様にして塗膜を形成させた。この膜について実
施例1と同様にして傾斜性を評価した。図7に、スパッ
タリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との
関係をグラフで示す。この図から分かるように、傾斜性
を有する膜が得られなかった。
わりにガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にし
て塗膜を形成させた。この膜について実施例1と同様に
して傾斜性を評価した。図8に、スパッタリング時間と
炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで
示す。この図から分かるように、傾斜性を有する膜が得
られなかった。
[東亜合成(株)製]6.5gをトルエン/イソプロパ
ノール混合溶剤(容量比1/1)20gに加え、撹拌混
合したものを、ポリメチルメタクリレート基板上にスピ
ンコート法(1500rpm、10秒間)で塗布し、7
0℃で12時間乾燥させて、中間膜としての塗膜を形成
させた。この膜の二酸化チタン中間膜用途の耐久性につ
いて、実施例1と同様にして評価した。
クトルの経時変化を示し、図13に、紫外線照射日数と
波長500nmでの透過率の減少量との関係をグラフで
示す。図9および図13から分かるように、この膜は良
好な耐久性を示さなかった。
ト(株)製]8.1gを、トルエン/イソプロパノール
混合溶剤(容量比1/1)20gに加え、撹拌混合した
ものを、ポリメチルメタクリレート基板上にスピンコー
ト法(1500rpm、10秒間)で塗布し、70℃で
12時間乾燥させて、中間膜としての塗膜を形成させ
た。この膜の二酸化チタン中間膜用途の耐久性につい
て、実施例1と同様にして評価した。
ペクトルの経時変化を示し、図13に、紫外線照射日数
と波長500nmでの透過率の減少量との関係をグラフ
で示す。図10および図13から分かるように、この膜
は良好な耐久性を示さなかった。
[東亜合成(株)製]5.0gをトルエン/イソプロパ
ノール混合溶剤(容量比1/1)10gに加え、撹拌混
合したものに、市販の無機接着剤「エチルシリケート4
0」[コルコート(株)製]1.9gをゆっくり滴下
し、撹拌混合した。さらに、トルエン/イソプロパノー
ル混合溶剤(容量比1/1)10gを添加し、撹拌混合
して塗布液を調製した。この塗布液を、ポリメチルメタ
クリレート基板上にスピンコート法(1500rpm、
10秒間)で塗布し、70℃で12時間乾燥させて、中
間膜としての塗膜を形成させた。この膜の二酸化チタン
中間膜用途の耐久性について、実施例1と同様にして評
価した。
ペクトルの経時変化を示し、図13に、紫外線照射日数
と波長500nmでの透過率の減少量との関係をグラフ
で示す。図11および図13から分かるように、この膜
は多少良好な耐久性を示すが、やはり透過率の減少が確
認された。
と(B)成分が化学結合していない有機−無機複合膜用
塗布液を合成した。すなわち、50ミリリットルのガラ
ス製容器にメタクリル酸メチル[和光純薬工業(株)製]
12gおよび2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
[和光純薬工業(株)製]0.2gを添加し、蓋をして密
閉した。この容器をウォーターバス中に置き、マグネチ
ックスターラーで撹拌しながら、75℃で2.5時間ラ
ジカル重合反応を行った。反応終了後、重合物を室温ま
で冷却したのち、アセトン20ミリリットル中に上記重
合物0.2gを溶解させ、MPTMSを含まない高分子
溶液を調製した。
ランを使用して(B)成分の無機成分溶液を得た。以
後、実施例8と同様に塗布液を調製して、PETフィル
ムにコーティングし、さらに光触媒酸化チタンコート剤
を塗布して得られたフィルムのサンシャインウェザーメ
ーターによる促進曝露試験の結果を図21に示す。50
0nmにおける光線透過率は、試験前の83%から5日
間経過後ですでに光線透過率が45%まで低下し、外観
上においても白化が生じて膜が劣化していることが分か
った。
に、市販の光触媒酸化チタンコート剤用アンダーコート
剤(日本曹達(株)製ビストレータNDC−100A)を
アクリル基板に塗布した以外は、実施例1と同じ方法で
光触媒酸化チタンがコートされたフィルムを得た。この
フィルムをサンシャインウェザーメーターによる促進曝
露試験を行った。図22にサンシャインウェザーメータ
ーの曝露時間に対する可視光線透過率の変化を示す。5
00nmにおける光線透過率は、試験前の76%から5
日間経過後ですでに光線透過率が57%まで低下し、外
観上においても白化が生じて膜が劣化していることが分
かった。
市販の光触媒酸化チタンコート剤用アンダーコート剤を
用いた以外は、実施例8と同じ方法で光触媒酸化チタン
がコートされたフィルムを得た。このフィルムをサンシ
ャインウェザーメーターによる促進曝露試験を行った。
図23にサンシャインウェザーメーターの曝露時間に対
する可視光線透過率の変化を示す。500nmにおける
光線透過率は、試験前の74%から20日間経過後で光
線透過率が66%まで低下し、外観上においても白化が
生じて膜が劣化していることが分かった。
および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
5.41gを混合し、よく撹拌したのち、これに2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを添加し、
撹拌しながら70℃で2.5時間反応させた。放冷後、
得られた重合物の内、4gを2リットルのメチルエチル
ケトンに溶解し、(A)成分の高分子溶液を調製した。
シシラン480gとエタノール400gの混合溶液中
に、濃硝酸40gとエタノール200gと水460gの
混合液を撹拌しながらゆっくり滴下し、室温で5時間撹
拌を継続し、(B)成分の無機成分溶液とした。
トルを添加し、撹拌混合したのち、これに(B)成分の
無機成分溶液500gを添加し、よく撹拌して傾斜膜塗
布液を調製した。
(株)社製の「マルチコーターM200」にてキスマイ
ヤーバー法(線径0.1mm、ライン速度10m/mi
n、乾燥温度120℃)にて、東レ(株)社製PETフ
ィルム「ルミラーT−60」(厚み50μm、幅330
mm)に塗工し、厚み0.1μmの有機−無機複合膜を
形成させた。この膜について実施例1と同様にして傾斜
性を評価した。図24にスパッタリング時間と炭素原子
およびケイ素原子の含有率との関係をグラフに示す。こ
の図から優れた傾斜性を有することが分かる。
リットルのメチルイソブチルケトンに溶解して(A)成
分の高分子溶液とした。この高分子溶液に、1−ブタノ
ール0.8リットルを添加し、撹拌混合したのち、実施
例14における(B)成分の無機成分溶液200gを添
加し、よく撹拌して傾斜膜塗布液を調製した。
ガン「W−88シリーズ」により、エアー圧0.2MP
a、スプレー距離15cm、スプレー運行速度15m/
minにて、三菱レーヨン(株)社製アクリル板「アク
リライト」(厚み2mm,300mm×300mm)に
塗工し、80℃で乾燥処理して、厚み0.15μmの有
機−無機複合膜をを形成させた。この膜について実施例
1と同様にして傾斜性を評価した。図25にスパッタリ
ング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係
をグラフに示す。この図から優れた傾斜性を有すること
が分かる。
本製薬工業(株)製テトライソシアナトシラン「オルガ
チックス−Si400」56gを1リットルのトルエン
に溶解して傾斜膜塗布液を調製した。
ガン「W−88シリーズ」により、エアー圧0.2MP
a、スプレー距離15cm、スプレー運行速度15m/
minにて、三菱レーヨン(株)社製アクリル板「アク
リライト」(厚み2mm,300mm×300mm)に
塗工し、25℃で乾燥処理して、厚み0.12μmの有
機−無機複合膜をを形成させた。この膜について実施例
1と同様にして傾斜性を評価した。図26にスパッタリ
ング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係
をグラフに示す。この図から優れた傾斜性を有すること
が分かる。
燃(株)製ポリシラザン「L110(20重量%キシレ
ン溶液)」0.29リットルを0.71リットルのキシ
レンに溶解して傾斜膜塗布液を調製した。
m、15秒)にてPETフィルム「東レルミラーT−6
0」に塗工し、80℃で1時間、95℃、80%RHで
3時間乾燥処理して、厚み0.12μmの有機−無機複
合膜をを形成させた。この膜について実施例1と同様に
して傾斜性を評価した。図27にスパッタリング時間と
炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフに
示す。この図から優れた傾斜性を有することが分かる。
86gと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン1.42gを容量50ミリリットルのガラス容器に入
れ、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを
加えて、撹拌して完全に溶解させた。次に70℃に調整
した湯浴にて、この容器を5時間加熱し、スチレンを重
合させた。得られたポリスチレン共重合体0.2mg
を、別のガラス容器に移し、テトラヒドロフラン溶媒2
00ミリリットルに溶解させ、(A)成分の高分子溶液
を調製した。
のガラス容器にテトラヒドロフラン40ミリリットル、
エタノール40ミリリットルを入れ、これに上記高分子
溶液と実施例1で得られた無機成分溶液10ミリリット
ルずつ加え、傾斜膜塗布液を調製した。
いて、実施例1に準ずる方法で、スピンコート法により
PET基板上に塗布し、乾燥させて有機−無機複合膜を
形成させた。この膜について実施例1と同様にして傾斜
性を評価した。図28にスパッタリング時間と炭素原子
およびケイ素原子の含有率との関係をグラフに示す。こ
の図から優れた傾斜性を有することが分かる。
ロキシプロピルトリメトキシシラン2.71gを混合し
良く撹拌した後、これに、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2gを添加し、撹拌しながら75℃で3
時間反応させた。得られた重合物の内1.0gをアセト
ン100ミリリットルに溶解させ、(A)成分の有機高
分子化合物の溶液(以下、高分子溶液と称す。)を調製
した。
ノール10ミリリットルに溶解した溶液に、濃塩酸3.
1gとエタノール5ミリリットルからなる溶液を撹拌し
ながら徐々に滴下した。この混合溶液を室温で5時間撹
拌し、(B)成分の無機成分溶液を得た。アセトン40
ミリリットルに高分子溶液10ミリリットルを混合し均
一に撹拌した後、エタノール40ミリリットルを添加
し、更に、無機成分10ミリリットルを加え、均一にな
るまで撹拌した。
pm、10秒)にて厚みが0.188mmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に塗布し、40℃で12時
間加熱乾燥することにより、基板上に有機−無機複合膜
を形成させた。この膜のXPS(アルバック・ファイ社
製、PHI−5600)のデプスプロファイル測定によ
り、炭素とケイ素の含有比率を測定し、傾斜性を調べ
た。図29に、スパッタリング時間と炭素原子およびケ
イ素原子の含有率との関係をグラフで示す。この図から
優れた傾斜性を有することが判る。
び酸化第二スズ10重量%からなる酸化物ターゲットを
用い、アルゴンと酸素の混合ガス(容積比で99:1)
雰囲気下で、DCマグネトロンスパッタ装置(島津製作
所、HS−720)にて厚さ40nmの透明導電膜を形
成させ、導電性フィルムを作製した。得られた導電性フ
ィルムを用い、その特性としてシート抵抗値、光線透過
率、碁盤目剥離試験、耐熱試験を以下の方法に従って調
べた。その結果を表2にまとめた。
抵抗率計を用いて測定した。 (ロ) 光線透過率 分光光度計(島津製作所、UV−2100)をい、55
0nmの光線透過率(%)を測定した。 (ハ) 碁盤目剥離試験 JIS K5400に準じ、碁盤目テープ法を実施し
た。各試験片の塗膜面にロータリーカッターにて1mm
角の碁盤目を100マス付け、ニチバン製セロテープ
(登録商標)を圧着させた後、800mm/minの速
度で180度の剥離試験を実施した。100マスのうち
剥離の有無を数えることにより密着性の評価を行った。
℃に2時間かけて降温し、その後−30℃で2時間保持
し、再び70℃まで2時間かけて昇温する過程を5サイ
クル行う、ヒートサイクル試験を実施した。評価は、シ
ート抵抗値の測定ならびに碁盤目剥離試験により、塗膜
の密着性(100マス中の剥離の有無)を確認すること
により行った。
ボネートフィルムに対して、実施例19と同様の方法で
導電性フィルムを作製した。表2にこの導電性フィルム
の特性を示す。
シラン1.36gをエタノール10ミリリットルに溶解
した溶液に、濃塩酸3.1gとエタノール5ミリリット
ルからなる溶液を撹拌しながら徐々に滴下した。この混
合溶液を室温で5時間撹拌し、無機成分溶液を得た。
(A)高分子溶液10ミリリットルを混合し均一に撹拌
した後、エタノール40ミリリットルを添加し、更に、
無機成分溶液10ミリリットルを加え、均一になるまで
撹拌した以外は、実施例19と全く同操作にて導電性フ
ィルムを作製した。
の有機−無機複合膜のXPS(アルバック・ファイ社
製、PHI−5600)のデプスプロファイル測定によ
り、炭素とケイ素の含有比率を測定し、傾斜性を調べた
結果を記載した。表2にこの導電性フィルムの特性を示
す。
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを添加
し、撹拌しながら75℃で3時間反応させて、得られた
重合物の内1.0gをアセトン100ミリリットルに溶
解させ、ポリメチルメタクリレート化合物の溶液を調製
した以外は、実施例19と全く同操作を行い導電性フィ
ルムを作製した。
の有機−無機複合膜のXPS(アルバック・ファイ社
製、PHI−5600)のデプスプロファイル測定によ
り、炭素とケイ素の含有比率を測定し、傾斜性を調べた
結果を記載した。表2にこの導電性フィルムの特性を示
す。
の溶液10ミリリットルをアセトン20ミリリットルと
エタノール20ミリリットルにて希釈し塗布液とした以
外は実施例19と全く同操作にて導電性フィルムを作製
した。表2にこの導電性フィルムの特性を示す。
膜を中間膜として用いた実施例の導電性フィルムは、耐
熱試験後においても、導電性および密着性はほとんど変
わらないが、比較例のものは、耐熱試験後に、導電性お
よび密着性共に大きく低下している。
ィルムに代えた以外は、実施例8と同様の方法で、有機
−無機複合傾斜膜つきフィルムを得た。これに、(株)日
本ダクロシャムロック製シリコンハードコート剤[ゾル
ガードNP730]を、乾燥後の膜厚が4μmとなるよ
うにバーコーターを用いて成膜し、その後80℃で2時
間の硬化処理を行い、所望のハードコート膜付き基材を
得た。なお、ハードコート前のフィルムについて、鉛筆
硬度を測定したところ、ポリカーボネートフィルムのみ
はF、複合傾斜膜を設けたフィルムではHであった。こ
のハードコート膜付き基材について以下の試験を実施し
た。結果を表3にまとめた。
た。各試験片の塗膜面にロータリーカッターにて1mm
角の碁盤目を100マス付け、ニチバン製セロテープを
圧着させた後、300mm/minの速度で180度の
剥離試験を実施した。100マスのうち剥離の有無を数
えることにより密着性の評価を行った。
ひっかき試験機により鉛筆硬度試験を実施し、塗膜の傷
の有無により膜硬度を評価した。
膜の耐摩耗試験を実施した(試験条件:摩耗回数200
回、荷重500g、摩耗輪CS−10F)。試験後の曇
り度(ヘイズ値:ΔH%)により耐摩耗性を評価した。
℃に2時間かけて降温し、その後−30℃で2時間保持
し、再び70℃まで2時間かけて昇温する過程を5サイ
クル行う、ヒートサイクル試験を実施した。評価は、碁
盤目テープ法により、塗膜の密着性(100マス中の剥
離の有無)を確認することにより行った。
ら実施例19で作製した厚み0.188mmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムに傾斜膜をコートしたフィ
ルム(実施例23)ならびに、厚み0.2mmのアクリ
ルフィルム(実施例24)に変更した以外は実施例22
と全く同様の操作にて、ハードコート膜付き基材を得
た。この膜付き基材の評価結果を表3にまとめた。図3
2に、実施例24のフィルムについて、ハードコーティ
ング前の膜のXPS(アルバック・ファイ社製、PHI
−5600)のデプスプロファイル測定により、炭素と
ケイ素の含有比率を測定し、傾斜性を調べて結果を記載
した。
ムおよびそれに複合傾斜膜を設けたフィルムの鉛筆硬度
は、それぞれ3Hおよび4Hであり、アクリルフィルム
およびそれに複合傾斜膜を設けたフィルムの鉛筆硬度
は、それぞれ4Hおよび5Hであった。
分子溶液10ミリリットルを混合し均一に撹拌した後、
エタノール30ミリリットルを添加し、更に、実施例8
の(B)成分の無機成分溶液20ミリリットルを加え、
均一になるまで撹拌し、さらにフィルム基材をポリカー
ボネートフィルムに代えた以外は、全く実施例8と同様
の操作にて、ハードコート膜付き基板を得た。この膜付
き基材の評価結果を表3にまとめた。図33に、ハード
コート前の膜のXPS(アルバック・ファイ社製、PH
I−5600)のデプスプロファイル測定により、炭素
とケイ素の含有比率を測定し、傾斜性を調べて結果を記
載した。
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを添加
し、撹拌しながら75℃で3時間反応させて、得られた
重合物の内1.0gをアセトン100ミリリットルに溶
解させ、ポリメチルメタクリレート化合物の溶液を調製
して高分子溶液とし、フィルム基材をポリカーボネート
フィルムとした以外は実施例8と全く同操作を行い、ハ
ードコート膜付き基材を作製した。この膜付き基材の評
価結果を表3にもとめた。
本ダクロシャムロック製シリコンハードコート剤[ゾル
ガードNP730]を、乾燥後の膜厚が4μmとなるよ
うにバーコーターにて成膜し、その後80℃で2時間の
硬化処理を行い、所望のハードコート膜付き基材を得
た。この膜付き基材の評価結果を表3にまとめた。
ート層のプライマーとして用いた場合(実施例22〜2
5)、傾斜膜は構造体中に無機成分及び有機成分を含
み、かつ無機成分から有機成分にかけて傾斜構造を有し
ているため、有機基材とシリコン系ハードコート層の双
方との接着性に極めて優れており、ハードコート層の性
能を十分に発揮させ得る。
レートポリマーと(B)成分の無機成分との間に化学結
合を有しないアクリルシリコーンをハードコート層のプ
ライマー層として用いた場合(比較例11)、無機成分
と有機成分とが化学結合していないため、傾斜構造にな
らず無機成分と有機成分との界面の密着性が低く、性能
に劣る。また、プライマーが無い場合(比較例12)、
ハードコート剤自身が無機材料のシリコン系であるた
め、有機基材との密着性に乏しく、性能に劣る。
ムをスパッタ装置にセットし、傾斜膜の上に誘電体下地
層(アンダーコート)として厚さ8μmのSiN層を成
膜し、アンダーコート形成樹脂基板を得た。アンダーコ
ート形成樹脂基板をスパッタ装置にセットし、アンダー
コート上に光磁気記録層として厚さ10μmのTbDy
FeCo層を成膜し、さらに誘電体保護層(トップコー
ト)として厚さ8μmのSiN層を成膜することによ
り、所望の光磁気記録媒体を得た。この光磁気記録媒体
について以下の試験を実施した。結果を表4にまとめ
た。
着性 JIS K5400に準じ、碁盤目テープ法を実施し
た。各試験片の塗膜面にロータリーカッターにて1mm
角の碁盤目を100マス付け、ニチバン製セロテープを
圧着させた後、300mm/minの速度で180度の
剥離試験を実施した。100マスのうち剥離の有無を数
えることにより密着性の評価を行った。また、試験片を
オーブン中で、70℃で2時間保持後、−30℃に2時
間かけて降温し、その後−30℃で2時間保持し、再び
70℃まで2時間かけて昇温する過程を5サイクル行
う、ヒートサイクル試験を実施し、同様に密着性を測定
した。
ひっかき試験機により鉛筆硬度試験を実施し、塗膜の傷
の有無により膜硬度を評価した。
高分子溶液10ミリリットルを混合し均一に撹拌した
後、エタノール30ミリリットルを添加し、更に、実施
例19の(B)成分の無機成分溶液20ミリリットルを
加え、均一になるまで撹拌した操作以外は、全く実施例
19と同様の操作にて、光磁気記録媒体を得た。この膜
付き基材の評価結果を表4にまとめた。
リル0.2gを混合、撹拌しながら75℃に保ち、3時
間反応させて有機高分子成分を得た以外は、実施例26
と同一の操作で光磁気記録媒体を得た。表4にこの光磁
気記録媒体の特性を示す。
ことなく実施例26と同手法にて光磁気記録媒体を作成
した。表4にこの光磁気記録媒体の特性を示す。
40時間保持した後の各基板の反りを測定し、データの
書き込みおよび読みとりに支障がないかを調べたとこ
ろ、実施例26、27および比較例13、14のいずれ
も問題はなかった。
機高分子化合物と金属系化合物との化学結合物を含有す
る有機−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有
率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を
有し、新規な機能性材料として各種用途、特にコーティ
ング剤として、塗膜、有機材料と無機または金属材料と
の接着剤および有機基材と無機系または金属系材料を含
むコート層との間に介在させる中間膜用に好適である。
スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有
率との関係を示すグラフである。
スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有
率との関係を示すグラフである。
スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有
率との関係を示すグラフである。
スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有
率との関係を示すグラフである。
スパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有
率との関係を示すグラフである。
スパッタリング時間と炭素原子およびチタン原子の含有
率との関係を示すグラフである。
グ時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を
示すグラフである。
グ時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を
示すグラフである。
の透過率スペクトルの経時変化を示すグラフである。
での透過率スペクトルの経時変化を示すグラフである。
での透過率スペクトルの経時変化を示すグラフである。
る可視光領域での透過率スペクトルの経時変化を示すグ
ラフである。
比較例3〜5で得られた塗膜における紫外線照射日数と
波長500nmでの透過率の減少量との関係を示すグラ
フである。
間膜とし、二酸化チタンコート膜が設けられたフィルム
のサンシャインウェザーメーターの曝露試験における可
視光線透過率の変化を示すグラフである。
るスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含
有率との関係を示すグラフである。
間膜とし、二酸化チタンコート膜が設けられたフィルム
のサンシャインウェザーメーターの曝露試験における可
視光線透過率の変化を示すグラフである。
間膜とし、二酸化チタンコート膜が設けられたフィルム
のサンシャインウェザーメーターの曝露試験における可
視光線透過率の変化を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
合膜におけるスパッタリング時間とケイ素原子の含有率
との関係を示すグラフである。
合膜におけるスパッタリング時間とケイ素原子の含有率
との関係を示すグラフである。
間膜とし、二酸化チタンコート膜が設けられたフィルム
のサンシャインウェザーメーターの曝露試験における可
視光線透過率の変化を示すグラフである。
間膜とし、二酸化チタンコート膜が設けられたフィルム
のサンシャインウェザーメーターの曝露試験における可
視光線透過率の変化を示すグラフである。
間膜とし、二酸化チタンコート膜が設けられたフィルム
のサンシャインウェザーメーターの曝露試験における可
視光線透過率の変化を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
るスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含
有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
けるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の
含有率との関係を示すグラフである。
Claims (37)
- 【請求項1】 有機高分子化合物と金属系化合物との化
学結合物を含有する有機−無機複合材料であって、材料
中の金属系化合物の含有率が、材料の表面から深さ方向
に連続的に変化する成分傾斜構造を有することを特徴と
する有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項2】 有機−無機複合材料が、有機高分子化合
物と金属系化合物との化学結合物からなるものである請
求項1に記載の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項3】 金属系化合物が金属酸化物系化合物であ
る請求項1または2に記載の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項4】 金属系化合物が、金属酸化物系化合物を
介して有機高分子化合物に化学結合してなる金属窒化物
系化合物である請求項1または2に記載の有機−無機複
合傾斜材料。 - 【請求項5】 厚みが5μm以下である請求項1〜4の
いずれか1項に記載の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項6】 有機高分子化合物と金属系化合物との化
学結合物が、分子中に加水分解により金属酸化物と結合
しうる金属含有基を有する有機高分子化合物と、加水分
解により金属酸化物を形成しうる金属化合物との混合物
を加水分解処理してなるものである請求項3または5に
記載の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項7】 有機高分子化合物と金属系化合物との化
学結合物が、分子中に加水分解により金属窒化物重合体
と結合しうる金属含有基を有する有機高分子化合物と、
金属窒化物重合体との混合物を加水分解処理してなる請
求項4または5に記載の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項8】 分子中に加水分解により金属酸化物また
は金属窒化物重合体と結合しうる金属含有基を有する有
機高分子化合物が、上記金属含有基を有する単量体と金
属を含まない単量体とを共重合又は縮重合させて得られ
たものである請求項6または7に記載の有機−無機複合
傾斜材料。 - 【請求項9】 分子中に加水分解により金属酸化物また
は金属窒化物重合体と結合しうる金属含有基を有する有
機高分子化合物が、エチレン性不飽和基を有する単量体
と、エチレン性不飽和基および上記金属含有基を含む単
量体との共重合体である請求項8に記載の有機−無機複
合傾斜材料。 - 【請求項10】 加水分解により金属酸化物を形成しう
る金属化合物が金属アルコキシドである請求項6に記載
の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項11】 有機基材上に形成された膜状物からな
り、かつ実質上、該膜状物の有機基材に当接している面
が有機高分子系化合物成分であって、もう一方の開放系
面が金属系化合物成分である請求項1〜10のいずれか
1項に記載の有機−無機複合傾斜材料。 - 【請求項12】 (A)分子中に加水分解により金属酸
化物または金属窒化物重合体と結合しうる金属含有基を
有する有機高分子化合物と(B)(イ)加水分解により
金属酸化物を形成しうる金属化合物、または(ロ)金属
窒化物重合体との混合物を加水分解処理せずにまたは加
水分解処理して塗布液を調製したのち、有機材からなる
基板上に上記塗布液からなる塗膜を形成し、次いで加熱
乾燥処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1項に記載の有機−無機複合傾斜材料の製造方法。 - 【請求項13】 乾燥塗膜の厚みが5μm以下である請
求項12に記載の方法。 - 【請求項14】 (A)成分の分子中に加水分解により
金属酸化物または金属窒化物重合体と結合しうる金属含
有基を有する有機高分子化合物が、上記金属含有基を有
する単量体と金属を含まない単量体とを共重合又は縮重
合させて得られたものである請求項12または13に記
載の方法。 - 【請求項15】 (A)成分の分子中に加水分解により
金属酸化物または金属窒化物重合体と結合しうる金属含
有基を有する有機高分子化合物が、エチレン性不飽和基
を有する単量体と、エチレン性不飽和基および上記金属
含有基を含む単量体との共重合体である請求項12〜1
4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項16】 (B)(イ)成分の加水分解により金
属酸化物を形成しうる金属化合物が、金属のアルコキシ
ドである請求項12〜15のいずれか1項に記載の方
法。 - 【請求項17】 請求項1ないし11のいずれか1項に
記載の有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を基材上に
形成させることを特徴とするコーティング剤。 - 【請求項18】 (A)分子中に加水分解により金属酸
化物または金属窒化物重合体と結合しうる金属含有基を
有する有機高分子化合物と(B)(イ)加水分解により
金属酸化物を形成しうる金属化合物、または(ロ)金属
窒化物重合体との混合物を加水分解処理せずにまたは加
水分解処理して得られた塗布液からなる請求項17に記
載のコーティング剤。 - 【請求項19】 有機基材に対する塗膜形成用として用
いられる請求項17または18に記載のコーティング
剤。 - 【請求項20】 有機材料と無機または金属材料との接
着剤として用いられる請求項17または18に記載のコ
ーティング剤。 - 【請求項21】 有機基材と、少なくとも無機系または
金属系材料を含むコート層との間に介在させる中間膜形
成用として用いられる請求項17または18に記載のコ
ーティング剤。 - 【請求項22】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が光触媒活性材料層である請求項21に記
載のコーティング剤。 - 【請求項23】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が無機系または金属系導電性材料層である
請求項21に記載のコーティング剤。 - 【請求項24】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が無機系または金属系材料を含むハードコ
ート層である請求項21に記載のコーティング剤。 - 【請求項25】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が無機系または金属系光記録材料層または
無機系または金属系誘電体層である請求項21に記載の
コーティング剤。 - 【請求項26】 表面に有機系塗膜を有する金属系基材
と光触媒活性材料層との間に介在させる中間膜形成用と
して用いられる請求項17または18に記載のコーティ
ング剤。 - 【請求項27】 光触媒活性材料層が二酸化チタンコー
ティング膜である請求項22または26に記載のコーテ
ィング剤。 - 【請求項28】 請求項1ないし11のいずれか1項に
記載の有機−無機複合傾斜材料を用いたことを特徴とす
る基材。 - 【請求項29】 有機基材である請求項28に記載の基
材。 - 【請求項30】 有機基材が、有機−無機複合傾斜材料
を中間膜として介在させ、かつ少なくとも無機系または
金属系材料を含むコート層を有するものである請求項2
9に記載の基材。 - 【請求項31】 有機−無機複合傾斜材料を中間膜とし
て介在させ、かつ光触媒活性材料層を有する、表面に有
機系塗膜が設けられる金属系基材である請求項28に記
載の基材。 - 【請求項32】 請求項1ないし11のいずれか1項に
記載の有機−無機複合傾斜材料を接着剤として用いたこ
とを特徴とする有機−無機接着材料。 - 【請求項33】 請求項1ないし11のいずれか1項に
記載の有機−無機複合傾斜材料を中間膜として介在さ
せ、かつ少なくとも無機系または金属系材料を含むコー
ト層を有することを特徴とする物品。 - 【請求項34】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が光触媒活性材料層である請求項33に記
載の物品。 - 【請求項35】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が無機系または金属系導電性材料層である
請求項33に記載の物品。 - 【請求項36】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が無機系または金属系材料を含むハードコ
ート層である請求項33に記載の物品。 - 【請求項37】 少なくとも無機系または金属系材料を
含むコート層が無機系または金属系光記録材料層または
無機系または金属系誘電体層である請求項33に記載の
物品。
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