JP2000336163A - カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ− - Google Patents

カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ−

Info

Publication number
JP2000336163A
JP2000336163A JP11150023A JP15002399A JP2000336163A JP 2000336163 A JP2000336163 A JP 2000336163A JP 11150023 A JP11150023 A JP 11150023A JP 15002399 A JP15002399 A JP 15002399A JP 2000336163 A JP2000336163 A JP 2000336163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
carbodiimide
acid
modified polyester
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11150023A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyoshi Shirai
伸佳 白井
Nobuo Kobayashi
伸生 小林
Asako Oda
麻子 小田
Masanobu Nakamura
正延 中村
Hideki Karibayashi
秀樹 鳫林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP11150023A priority Critical patent/JP2000336163A/ja
Publication of JP2000336163A publication Critical patent/JP2000336163A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 電子写真用トナーのバインダーとして好適
なポリエステル系樹脂の製造方法、および帯電量の環境
安定性が良好で、定着下限温度と非オフセット上限温度
の範囲が広く、得られた画像の品質も良好な電子写真用
トナーを提供すること。 【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)と、カルボジイ
ミド基含有化合物(B)とを反応させるカルボジイミド
変性ポリエステル樹脂の製造方法、カルボジイミド変性
ポリエステル樹脂を必須のバインダ−成分として含む電
子写真用トナ−。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒ−トロ−ル定着
方式、圧力定着方式、フラッシュ定着方式等の各種の静
電潜像の定着方式に使用するできる電子写真用トナーの
バインダー成分として好適なカルボジイミド変性ポリエ
ステル樹脂の製造方法、およびカルボジイミド変性ポリ
エステル樹脂を必須のバインダ−成分として含んでなる
電子写真用トナ−に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の分野においては、従来より、
画像を形成させるための着色剤であるトナ−に使用され
るバインダ−成分として、スチレン−アクリル系共重合
体や各種の高分子化合物が用いられている。そのバイン
ダ−の中で、ポリエステル樹脂は適当な溶融粘度、可撓
性等の特徴を有し、画像の透明性も良好であることから
カラ−コピ−用の乾式電子写真用トナ−のバインダ−と
して広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリエステル
樹脂骨格自体に極性のあるエステル結合が含まれること
により樹脂の耐水性、耐加水分解性等がスチレン−アク
リル系共重合体等のバインダ−と比較して劣るため、ポ
リエステル樹脂をバインダ−として使用するトナ−の環
境安定性が十分でなく、得られる画像の品質も不安定な
ものとなっていた。また、静電潜像の定着に加熱ロ−ル
を用いるいわゆるヒ−トロ−ル定着方式の場合には、該
ロ−ルの温度が上昇した場合に、ポリエステル樹脂の溶
融時の粘弾性がスチレン−アクリル系共重合体等のバイ
ンダ−等と比較して劣るため、定着ロ−ルにトナ−粉が
一部付着し、それが再度紙等に転写することで複写物を
汚染するいわゆるオフセット現象を生じ易く、ポリエス
テル樹脂のトナ−用樹脂としての応用範囲が限定された
ものとなっていた。
【0004】また、近年、複写機、プリンタ−類の高速
化の進展が著しく、かかる高速機に使用される電子写真
用トナ−の性能にもさらに高度のものが要求され、通常
のポリエステル樹脂では、より低い温度で定着するこ
と、より高温においてもオフセットしないこと、湿度等
の環境条件が大きく変動しても安定した画像を形成でき
ること、帯電の立ち上がりが急速であること等の要求を
すべて満足することは困難であった。かかる要求性能を
満足させるため通常のポリエステル樹脂をそのままエス
テル化反応を進め高分子量化する試みがなされている
が、未だ十分な性能を付与するポリエステル樹脂が得ら
れていないのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来技術の欠点を除去すべく鋭意改良研究を行なった結
果、カルボジイミド変性ポリエステル樹脂をバインダ−
成分として含有してなる電子写真用トナーは、ヒ−ト−
ロ−ルの送り速度が高速になっても低い温度で静電潜像
を定着でき、かつ、より高温でも定着ロ−ルにトナ−粉
がオフセットしないため定着画像がオフセットによる汚
染を受けない美麗なものとなり、さらに帯電の立ち上が
りが速く、その帯電量も湿度の影響を受けずに安定する
等の効果を奏すること、上記カルボジイミド変性ポリエ
ステル樹脂としては、ポリエステル樹脂、とりわけ酸価
が5〜100mgKOH/gのポリエステル樹脂、若し
くは3官能以上の多塩基酸成分および/または3価以上
の多価アルコ−ル成分を必須の成分として含むポリエス
テル樹脂と、カルボジイミド基含有化合物、とりわけ分
子末端に遊離のイソシアネ−ト基を有するカルボジイミ
ド基含有化合物とを反応させることにより得られるカル
ボジイミド変性ポリエステル樹脂が好ましいこと等を見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、 1. ポリエステル樹脂(A)と、カルボジイミド基含
有化合物(B)とを反応させることを特徴とするカルボ
ジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法、
【0007】2. ポリエステル樹脂(A)の酸価が、
5〜100mgKOH/gである上記1に記載の製造方
法、
【0008】3. ポリエステル樹脂(A)が、3官能
以上の多塩基酸成分および/または3価以上の多価アル
コ−ル成分を必須の成分として含むものである上記1ま
たは2に記載の製造方法、
【0009】4. ポリカルボジイミド基含有化合物
(B)が、その分子末端に遊離のイソシアネ−ト基を有
するものである上記1〜3のいずれか1つに記載の製造
方法、
【0010】5. カルボジイミド変性ポリエステル樹
脂を必須のバインダ−成分として含むことを特徴とする
電子写真用トナ−、および、
【0011】6. カルボジイミド変性ポリエステル樹
脂が、上記1〜4のいずれか1つに記載の製造方法によ
り得られたカルボジイミド変性ポリエステル樹脂である
上記5記載の電子写真用トナ−、を提供するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の電子写真用トナーに用いるカルボジイ
ミド変性ポリエステル樹脂としては、カルボジイミド基
含有化合物(B)がポリエステル樹脂(A)に結合した
形の変性ポリエステル樹脂であればよく、特に製造方法
は限定されない。ポリエステル樹脂(A)の変性に際し
て反応にあずかる主な官能基は、ポリエステル樹脂
(A)が有するカルボキシル基とカルボジイミド基含有
化合物(B)の有するカルボジイミド基である。かかる
官能基が反応することにより化学結合が形成され、その
結果、反応生成物であるカルボジイミド変性ポリエステ
ル樹脂がその分子構造中に、部分的に高分子化した構
造、分岐構造若しくは架橋構造を形成し、所定の物性を
示すことにより本発明の効果を奏する。
【0013】上記カルボジイミド変性ポリエステル樹脂
の製造方法としては、特に制限はなく、たとえば、ポ
リエステル樹脂(A)をその融点以上の温度で加熱溶融
しておき、そこへカルボジイミド基含有化合物(B)を
徐々に投入し、均一に攪拌混合しながら反応系の酸価、
粘度等をモニタ−することにより所望のポリカルボジイ
ミド変性ポリエステル樹脂を得る方法、ポリエステル
樹脂(A)を調製する際に使用する原料である、後述す
る多塩基酸類および多価アルコ−ル類と、カルボジイミ
ド基含有化合物(B)とを同様に仕込み、エステル化反
応と同時にカルボキシル基等とカルボジイミド基との反
応を起こさせて、所望のカルボジイミド変性ポリエステ
ル樹脂を得る方法、予め、たとえば多塩基酸とカルボ
ジイミド基含有化合物(B)との反応をさせておき、カ
ルボキシル基を有するオリゴマ−ないしはポリマ−を調
製し、さらに多価アルコ−ル類を仕込み、エステル化反
応を進めることにより所望のカルボジイミド変性ポリエ
ステル樹脂を得る方法等の種々の態様があり、なかで
も、ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド基含有化
合物(B)とを反応させる上記の製造方法が好まし
い。
【0014】また、カルボジイミド変性ポリエステル樹
脂の製造方法に使用される装置は、公知慣用のものが使
用できる。たとえば、窒素導入口、温度計、攪拌装置、
精留塔または還流冷却器等を備えた反応釜による回分式
の製造装置が好適に使用できるほか、脱気口を備えたス
クリュ−押し出し機若しくは連続式の反応装置、一軸若
しくは二軸の混練機等も使用できる。また、必要に応じ
て反応系を減圧することによって、エステル化反応を促
進することもできる。これらの製造方法における反応は
生成物等の酸化を防止するために、窒素雰囲気下で行う
のが好ましい。
【0015】また、本発明に係る製造方法における反応
としては、カルボジイミド基含有化合物(B)がその分
子末端に遊離のイソシアネ−ト基を有する場合には、ポ
リエステル樹脂(A)の有する水酸基とカルボジイミド
基含有化合物(B)の分子末端の遊離イソシアネ−ト基
との重付加反応も起こる。
【0016】ポリエステル樹脂(A)とカルボジイミド
基含有化合物(B)との反応によりカルボジイミド変性
ポリエステル樹脂を得る際に、ポリエステル樹脂(A)
とカルボジイミド基含有化合物(B)の使用比率は、特
に制限はないが、ポリエステル樹脂(A)の重量(前記
、の製造方法では、同量のポリエステル樹脂を調製
するのに使用する多塩基酸類と多価アルコ−ル類の合計
重量)をWa、カルボジイミド基含有化合物(B)の重
量をWbとすると、本発明の効果の発現および製造の容
易性を考慮すると、Wb/Wa=0.01〜0.5の範
囲であることが好ましく、さらに、Wb/Wa=0.0
3〜0.2の範囲であることがより好ましい。
【0017】また、ポリエステル樹脂(A)とカルボジ
イミド基含有化合物(B)とを反応させる際の反応温度
は、特に制限はないが、反応の促進、副反応の抑制等の
観点より、150〜300℃の範囲が好ましく、180
〜250℃の範囲がより好ましい。
【0018】次に、ポリエステル樹脂(A)について詳
細に説明する。本発明に係る製造方法によりカルボジイ
ミド変性ポリエステル樹脂を調製する際に使用されるポ
リエステル樹脂(A)は公知慣用の原料および製造法に
より調製される。その際に使用される原料としてはポリ
エステル樹脂を構成する公知慣用の原料であれば特に制
限なく使用することができる。使用される原料で代表的
なものは、ジカルボン酸等の多塩基酸類およびその無水
物と、ジオ−ル等の多価アルコ−ル類が挙げられ、以下
のものが好適に用いられる。
【0019】ジカルボン酸としては、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、修酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカン二酸等の脂
肪族二塩基酸や、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒド
ロフタル酸およびその無水物、ヘキサヒドロフタル酸お
よびその無水物、テトラブロムフタル酸およびその無水
物、テトラクロルフタル酸およびその無水物、ヘット酸
およびその無水物、ハイミック酸およびその無水物、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族または
脂環族の二塩基酸類等が挙げられる。
【0020】さらに3官能以上の多価カルボン酸類も使
用することができる。これらの代表的なものを例示する
と、3官能以上の多価カルボン酸若しくは相当する酸無
水物成分として、トリメリット酸、無水トリメリット
酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、無
水ピロメリット酸等が挙げられる。
【0021】これらの3官能以上の多価カルボン酸類は
それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上のものを併
用してもよい。
【0022】さらに、上記した多塩基酸類は、そのカル
ボキシル基の一部または全部が、アルキルエステル、ア
ルケニルエステルまたはアリ−ルエステルとなっていて
もよい。
【0023】また、安息香酸、p−tert−ブチル安
息香酸のような一塩基酸も酸成分の一部として使用する
ことができる。
【0024】次に、多価アルコ−ル成分として使用でき
る代表的なものを挙げると、エチレングリコ−ル、1,
2−プロピレングリコ−ル、1,3−プロピレングリコ
−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−
ル、トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−
ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−
ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族グリコ−
ル類;
【0025】ビスフェノ−ルA、水添ビスフェノ−ルA
等のビスフェノ−ル類やビスフェノ−ルAのエチレンオ
キサイド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサ
イド付加物等のビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイ
ド付加物、若しくはキシリレンジグリコ−ル、シクロヘ
キサンジメタノ−ル等の芳香族または脂環族のジオ−ル
類;
【0026】グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリ
メチロ−ルプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメ
タン、ソルビト−ル、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
−ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリト−ル、ジ
ペンタエリスリト−ル、2−メチルプロパントリオ−
ル、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト等の3官能以上
の多価アルコ−ル類等がある。
【0027】また、下記に示すようなポリエポキシ化合
物も多価アルコ−ル類として使用することができる。
【0028】たとえば、エチレングリコール、ヘキサン
ジオ−ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、水添ビスフェノールAの
如き、各種の脂肪族ないしは脂環式ポリオールのポリグ
リシジルエーテル類;
【0029】ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノール
Fの如き、各種の芳香族系ジオールのポリグリシジルエ
ーテル類;上掲したような芳香族系ジオール類のエチレ
ンオキシドもしくはプロピレンオキシド付加体の如き、
該芳香族系ジオール誘導体類のジグリシジルエーテル
類;
【0030】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールの如き、各
種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル
類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト
のポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタンテト
ラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル酸、テ
レフタル酸、トリメリット酸の如き、各種の脂肪族ない
しは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル
類;
【0031】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネン、
ビニルシクロヘキセンの如き、各種の炭化水素系ジエン
の種々のビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシル
カルボキシレートの如き、各種の脂環式ポリエポキシ化
合物;ポリブタジエン、ポリイソプレンの如き、各種の
ジエンポリマーの種々のエポキシ化物;
【0032】「EX−612」[ナガセ化成工業(株)
製の、ソルビトールポリグリシジルエーテル];「EG
M−400」[東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製の、3−グリシドキシプロピルを有する、環状
のポリシロキサン];
【0033】フェニルグリシジルエ−テル、「カ−ジュ
ラE10」[シェルケミカル製の分岐脂肪酸のモノグリ
シジルエ−テル]等のモノエポキシ化合物;
【0034】グリシジルメタクリレ−トに代表されるよ
うな、各種のエポキシ基含有ビニル単量体の種々の単独
重合体;これらのエポキシ基含有ビニル単量体を、該単
量体と共重合可能な、(メタ)アクリル系、ビニルエス
テル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系またはフル
オロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合させるこ
とによって得られる、エポキシ基含有の、アクリル系共
重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレ
フィン系共重合体の如き、種々のビニル系共重合体類な
ども多価アルコ−ル類として使用することができる。
【0035】さらに、これらの多価アルコ−ル類の他、
ステアリルアルコ−ルなどの高級アルコ−ル等も多価ア
ルコ−ル類として使用することができる。
【0036】また、ポリエステル樹脂(A)を調製する
際に使用される上記した多塩基酸類および多価アルコ−
ル類として、たとえばジメチロ−ルプロピオン酸のよう
な、1分子中に水酸基とカルボキシル基を併有する化合
物も使用することができる。
【0037】ポリエステル樹脂(A)を調製する方法と
しては、上記した原料成分である多塩基酸および多価ア
ルコ−ル類を窒素雰囲気中で加熱下に脱水縮合させてポ
リエステル樹脂を調製する方法が一般的であり、その際
使用される装置としては、前記した、窒素導入口、温度
計、攪拌装置、精留塔を備えた反応釜による回分式の製
造装置が好適に使用できるほか、脱気口を備えた押し出
し機や連続式の反応装置、混練機等も使用できる。ま
た、必要に応じて反応系を減圧することによって、エス
テル化反応を促進することもできる。さらにエステル化
反応の促進のために、公知慣用の触媒、たとえば二酸化
ゲルマニウム、三酸化アンチモン、ジブチル錫オキサイ
ド等の化合物を添加することもできる。
【0038】次にポリエステル樹脂(A)の性状につい
て説明する。ポリエステル樹脂(A)は少なくとも遊離
のカルボキシル基を有していなければならない。すなわ
ち、カルボジイミド基含有化合物(B)との反応性、製
造の容易性、生成物のトナ−用バインダ−としての適性
等を考慮すると、ポリエステル樹脂(A)の酸価は、5
〜100mgKOH/gの範囲、好ましくは8〜70m
gKOH/gの範囲であることが望ましい。
【0039】次に、カルボジイミド基含有化合物(B)
について説明する。カルボジイミド基含有化合物(B)
とは、その分子内にカルボジイミド基、すなわち、 −
N=C=N− なる化学結合を有する化合物をいい、イ
ソシアネ−ト基を有する化合物(以下「イソシアネ−ト
化合物」という。)からカルボジイミド化触媒の存在下
に脱炭酸ガス反応を経て製造されるものが代表的であ
る。かかるカルボジイミド基含有化合物の製造方法は、
たとえば、T.W.Campbell et al.,
J.Org.Chem.,28,2069(1963)
や特開平7−330913等に公知である。
【0040】カルボジイミド基含有化合物(B)を調製
する際に使用される原料であるイソシアネ−ト化合物と
しては、たとえば、トリレンジイソシアネ−ト、キシリ
レンジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシアネ−ト、
4,4′−ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、3,
3´−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネ
−ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト等の芳
香族ジイソシアネート化合物;
【0041】メタ−キシリレンジイソシアネート、α,
α,α′,α′−テトラメチル−メタ−キシリレンジイ
ソシアネート等のアラルキルジイソシアネート化合物;
【0042】ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナートメチル
シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナー
トシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナ
ートシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートの如
き、各種の脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート化合
物;
【0043】前掲したような各種のイソシアネート化合
物を、多価アルコール類と付加反応せしめて得られる、
イソシアネート基を有するプレポリマー類;前掲したよ
うな各種のイソシアネート化合物を環化三量化せしめて
得られる、イソシアヌレート環を有するプレポリマー
類;前掲したような各種のイソシアネート化合物と、水
とを反応せしめて得られる、ビウレット構造を有するイ
ソシアネート化合物;
【0044】2−イソシアナートエチル(メタ)アクリ
レート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジ
ルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネー
トの如き、各種のイソシアネート基を有するビニル単量
体の単独重合体;
【0045】これらのイソシアネート基含有ビニル単量
体を、該単量体と共重合可能な、(メタ)アクリル系、
ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系
またはフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重
合せしめることによって得られる、イソシアネート基含
有の、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体
またはフルオロオレフィン系共重合体のような、種々の
ビニル系共重合体類などである。
【0046】また、カルボジイミド化の触媒として代表
的なもののみを例示すると、ホスフィン化合物、ホスホ
レン化合物、ホスホレンオキサイド化合物、ホスホレン
スルフィド化合物などである。
【0047】カルボジイミド基含有化合物(B)として
は、低分子化合物に限らず高分子化合物であっても使用
することができる。
【0048】すなわち、カルボジイミド基含有化合物
(B)の例としては、イソシアヌレ−ト環構造を有する
3官能性のポリイソシアネ−トプレポリマ−1モルとモ
ノイソシアネ−ト化合物3モルとを反応させてカルボジ
イミド化して得られる1分子中に3個のカルボジイミド
基を有するような化合物などがあり、ジイソシアネ−ト
化合物とモノイソシアネ−ト化合物とを反応させカルボ
ジイミド化して得られる低分子量の化合物も含まれる。
その際、n−ブチルイソシアネ−ト、tert−ブチル
イソシアネ−ト、iso−ブチルイソシアネ−ト、エチ
ルイソシアネ−ト、n−プロピルイソシアネ−ト、is
o−プロピルイソシアネ−ト、シクロヘキシルイソシア
ネ−ト、n−オクタデシルイソシアネ−ト等のモノイソ
シアネ−ト化合物をポリイソシアネ−トプレポリマ−若
しくはジイソシアネ−ト化合物と併用することができ
る。
【0049】高分子のカルボジイミド基含有化合物の例
としては、ジイソシアネ−ト化合物を適切な量の末端封
止剤の存在下にまたは末端封止剤の不存在下に反応させ
て得られる、高重合度のポリカルボジイミドポリマ−を
挙げることができる。
【0050】また、上記したとおり、カルボジイミド基
含有化合物(B)を調製する際にはカルボジイミド基含
有化合物(B)の重合度を調節するために末端封止剤と
して、1官能性の化合物を使用することができる。
【0051】その代表的なものを例示すると、上記した
モノイソシアネ−ト化合物の他に、メタノ−ル、エタノ
−ル、n−プロパノ−ル、iso−プロパノ−ル、n−
ブタノ−ル、iso−ブタノ−ル、ベンジルアルコ−ル
等のモノアルコ−ル類を例示することができる。
【0052】これらの原料よりカルボジイミド基含有化
合物(B)を製造するには、ポリエステル樹脂(A)の
製造方法を説明する際に例示した公知慣用の装置を使用
することができ、所望の原料を反応装置に仕込み、溶媒
の存在下または不存在下に加熱により脱炭酸ガス反応を
行わせ、縮合反応により所定のカルボジイミド基含有化
合物を得ることができる。
【0053】カルボジイミド基含有化合物(B)は、分
子内にカルボジイミド基を適当な個数含有していること
が好ましい。すなわち、最終生成物であるカルボジイミ
ド変性ポリエステル樹脂に要求される性状とその製造の
容易性等を考慮すると、1分子中に −N=C=N−
で表されるカルボジイミド基を平均2〜30個含有する
ことが好ましく、平均5〜20個程度含有することがよ
り好ましい。
【0054】カルボジイミド変性ポリエステル樹脂は、
電子写真用トナ−用バインダ−として実用に供せられる
ため、適度の粉砕性、溶融粘度、ガラス転移温度等の性
質を具備することが望ましい。かかる観点より、カルボ
ジイミド変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、好ま
しくは1,000〜5,000の範囲、より好ましくは
2,000〜4,000の範囲であり、重量平均分子量
は、好ましくは6,000〜500,000の範囲、よ
り好ましくは10,000〜400,000の範囲であ
る。さらに、カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の溶
融粘度が10万ポイズとなる温度は、好ましくは80〜
200℃の範囲、より好ましくは90〜160℃の範囲
である。また、上記の観点より、ガラス転移温度は、5
0〜100℃の範囲、より好ましくは60〜80℃の範
囲である。
【0055】次に、本発明に係る電子写真用トナ−につ
いて説明する。本発明に係る電子写真用トナ−は、カル
ボジイミド変性ポリエステル樹脂を必須のバインダ−成
分としてなる電子写真用トナ−をいい、カルボジイミド
変性ポリエステル樹脂に、通常以下に例示する他の成分
を配合して調製される。
【0056】使用される他の成分としては、着色剤、帯
電制御剤、ワックス、流動調整剤等が挙げられる。
【0057】着色剤として使用できる代表的なものを挙
げると、黒色トナ−の場合、サ−マルブラック法、アセ
チレンブラック法、チャンネルブラック法、ファ−ネス
ブラック法、ランプブラック法等により製造される各種
のカ−ボンブラック;カラ−トナ−の場合、フタロシア
ニンブル−、アニリンブル−、カルコオイルブル−、ウ
ルトラマリンブル−、メチレンブル−クロライド、マラ
カイトグリ−ンオクサレ−ト、クロムイエロ−、キノリ
ンイエロ−、デュポンオイルレッド、ロ−ズベンガル等
の顔料やニグロシン系またはロ−ダミン系染料などがあ
り、これらの混合物も使用できる。
【0058】帯電制御剤としては、低分子化合物から高
分子化合物まで種々の物質が使用できるが、代表的なも
のを挙げると、ニグロシン染料、4級アンモニウム化合
物、アミノ基を有するモノマ−を単独重合あるいは共重
合してなる高分子化合物や、有機金属錯体、キレ−ト化
合物等がある。
【0059】ワックスとしては、複写機あるいはプリン
タ−等の定着ロ−ルにトナ−がオフセットすることを防
止し、低温定着が可能となるよう添加されるが、その代
表的なものを挙げると、天然ワックス、各種のポリオレ
フィン類等がある。
【0060】流動調整剤は、トナ−の流動性を向上させ
るために添加されるが、フッ化ビニリデン微粉末、ポリ
テトラフルオロエチレン微粉末、湿式法若しくは乾式法
のシリカ微粉末等を使用することができる。
【0061】次に、本発明に係る電子写真用トナ−の製
造方法について説明する。本発明に係る電子写真用トナ
−は、公知慣用の方法により調製され、特定の方法には
限定されないものであるが、代表的な製造方法を述べる
と、まず、必須の成分であるカルボジイミド変性ポリエ
ステル樹脂と着色剤、帯電制御剤、およびワックスとを
所定の割合でヘンシェルミキサ−で混合する。その混合
物を概ね150〜200℃の温度範囲において2軸混練
機で溶融混練し、生成物を冷却後、カッティングミルで
粗粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕し、平均粒
径が7μmとなるように風力分級する。こうして得られ
た微粉砕物と流動調整剤とを所定の割合でヘンシェルミ
キサ−で混合することにより本発明に係る樹脂組成物か
ら電子写真用トナ−を調製することができる。ただし、
上記の帯電制御剤、ワックス、および流動調整剤は必ず
しも必須の成分というわけではなく、それらのうち一部
の使用を欠如することもできるし、さらに別の成分を加
えることもできる。
【0062】さらに、本発明に係る電子写真用トナ−
は、たとえば特開平9−311502号に開示された方
法等によっても調製することができる。すなわち、予め
カルボジイミド変性ポリエステル樹脂を必須の成分とし
て含有するトナ−の前駆体を水に分散させた後、粉末化
するような方法によっても調製することができる。
【0063】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明の技術的な範囲は以下の実施例に限
定されるものではない。実施例中「部」とあるのは、特
にことわりがない限り重量部をあらわすものとする。
【0064】合成例1[ポリエステル樹脂(A)の合
成] 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−、精留塔を備えた
内容量5リットルのフラスコにエチレングリコ−ル45
4部、ネオペンチルグリコ−ル763部およびテレフタ
ル酸2,267部を仕込み、190℃まで1時間を要し
て昇温し、反応系内が均一に攪拌されていることを確認
した後、ジブチル錫オキサイド1.5部を投入した。さ
らに同温度から240℃まで生成する水を留去しながら
6時間を要して昇温し、240℃でさらに3時間脱水縮
合反応を継続し、最終的に酸価が5.7mgKOH/
g、水酸基価が48mgKOH/g、環球法による軟化
点が102℃で、GPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマ
トグラフィ−)法による数平均分子量(Mnと略記す
る。)が2,700で、重量平均分子量(Mwと略記す
る。)が5,900であるポリエステル樹脂を得た。こ
れをポリエステル樹脂(A−1)と略記する。
【0065】合成例2(同上) エチレングリコ−ル426部、ネオペンチルグリコ−ル
715部、トリメチロ−ルプロパン73部およびテレフ
タル酸2,267部を使用した以外は合成例1と全く同
様にして、酸価が8.4mgKOH/g、水酸基価が4
3mgKOH/g、環球法による軟化点が110℃で、
GPC法による数平均分子量(Mn)が2,900で、
重量平均分子量(Mw)が9,800であるポリエステ
ル樹脂を得た。これをポリエステル樹脂(A−2)と略
記する。
【0066】合成例3(同上) ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物(平均付
加モル数2.2、水酸基価360mgKOH/g)1,
951部、テレフタル酸840部、イソフタル酸209
部を使用した以外は合成例1と全く同様にして、酸価が
12mgKOH/g、水酸基価が39mgKOH/g、
環球法による軟化点が115℃で、GPC法による数平
均分子量(Mn)が2,800で、重量平均分子量(M
w)が6,300であるポリエステル樹脂を得た。これ
をポリエステル樹脂(A−3)と略記する。
【0067】合成例4(変性しない比較対照用のポリエ
ステル樹脂の合成) エチレングリコ−ル386部、ネオペンチルグリコ−ル
650部、トリメチロ−ルプロパン174部およびテレ
フタル酸2,277部を使用した以外は合成例1と全く
同様にして、酸価が12mgKOH/g、水酸基価が3
1mgKOH/g、環球法による軟化点が153℃で、
高化式フロ−テスタ−による溶融粘度の定速昇温測定
(昇温速度6℃/分、荷重10Kg、ダイス1mmφ×
1mm)において、105 ポイズとなる温度(以下「T
5」と略記する。)が141℃で、GPC法による数平
均分子量(Mn)が3,000、かつ重量平均分子量
(Mw)が120,000、かつ示差熱測定(以下「D
SC」と略記する。)によるガラス転移温度(昇温速度
10℃/分、以下「Tg」と略記する。)が66℃のポ
リエステル樹脂を得た。これを比較対照用のポリエステ
ル樹脂(A′)と略記する。
【0068】合成例5[ポリカルボジイミド化合物
(B)の合成例] 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−、還流冷却器を備
えた内容量5リットルのフラスコにイソホロンジイソシ
アネ−ト1,100部および3−メチル−1−フェニル
−2−ホスホレン−1−オキサイド26部を仕込み、窒
素雰囲気下に180℃の反応温度で72時間反応させ、
カルボジイミド基含有化合物(重合度5、イソシアネ−
ト当量500)を得た。これをカルボジイミド基含有化
合物(B−1)と略記する。
【0069】合成例6(同上) テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト2,440
部、n−ブチルイソシアネ−ト99部および3−メチル
−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキサイド51
部を使用した以外は合成例5と全く同様にして、カルボ
ジイミド基含有化合物(重合度20)を得た。これをカ
ルボジイミド基含有化合物(B−2)と略記する。
【0070】実施例1 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−、還流冷却器を備
えた内容量5リットルのフラスコに、ポリエステル樹脂
(A−1)2,000部をフラスコに仕込み、攪拌が可
能になるまで昇温し、温度を230℃に保った。つい
で、カルボジイミド基含有化合物(B−1)140部を
加えて均一に攪拌混合し、3時間同温度で反応させた。
その結果、T5が106℃、Mnが3,400、Mwが
21,000、かつTgが68℃のカルボジイミド変性
ポリエステル樹脂を得た。これをカルボジイミド変性ポ
リエステル樹脂(C−1)と略記する。
【0071】実施例2 ポリエステル樹脂(A−1)に替えてポリエステル樹脂
(A−2)を使用した以外は合成例7と同様にして、T
5が129℃でMnが3,700、かつMwが80,0
00で、Tgが69℃のカルボジイミド変性ポリエステ
ル樹脂を得た。これをカルボジイミド変性ポリエステル
樹脂(C−2)と略記する。
【0072】実施例3 ポリエステル樹脂(A−1)に替えてポリエステル樹脂
(A−3)を使用した以外は合成例7と同様にして、T
5が120℃、Mnが3,600、かつMwが40,0
00で、Tgが72℃のカルボジイミド変性ポリエステ
ル樹脂を得た。これをカルボジイミド変性ポリエステル
樹脂(C−3)と略記する。
【0073】実施例4 ポリエステル樹脂(A−1)に替えてポリエステル樹脂
(A−2)を、カルボジイミド基含有化合物(B−1)
に替えてカルボジイミド基含有化合物(B−2)を使用
した以外は合成例7と同様にして、T5が135℃、M
nが3,900、Mwが320,000で、Tgが67
℃のカルボジイミド変性ポリエステル樹脂を得た。これ
をカルボジイミド変性ポリエステル樹脂(C−4)と略
記する。
【0074】実施例5〜8および比較例1 下記の第1表に示す配合により電子写真用トナ−を調製
し、実際の複写機の定着ロ−ルを用いて定着下限温度
(「Tl」と略記する。)、非オフセット上限温度
(「Tu」と略記する。)、および画像の目視評価なら
びにブロ−オフ法によるトナ−の帯電量の測定をおこな
った。
【0075】トナ−の調製は公知慣用の方法により行な
った。すなわち、カルボジイミド変性ポリエステル樹脂
(C−1)〜(C−4)および比較対照用のポリエステ
ル樹脂(A′)を第1表の配合に示すカ−ボンブラッ
ク、帯電制御剤剤および低分子量ポリプロピレンワック
スと所定の割合で混合後、バレル温度を160℃に設定
した2軸混練機で溶融混練し、生成物を冷却後、粗粉砕
し、さらにジェットミルで微粉砕し、風力分級機で平均
粒径が7μmのトナ−粒子となるよう調製した。
【0076】このトナ−をトナ−濃度が4重量%となる
ように酸化鉄粉(平均粒径100μm)と混合し、電子
写真用現像剤を得た。この現像剤を用いて通常の湿度条
件(表中「通常」と略記する。)および高湿度の条件下
(表中「高湿」と略記する。)において帯電量の測定を
行なった。また、トナ−濃度が10重量%となるように
別途現像剤を調製し、定着/オフセットおよび画像の評
価に用いた。
【0077】定着/オフセットの評価は、予め未定着の
黒ベタの帯状画像を用意しておき、それを温度が任意に
設定できるように改造した複写機の定着部分を通して熱
定着させ、得られた画像を脱脂綿でこすることによって
トナ−が脱脂綿に付着しなくなる温度で定着下限温度を
評価し、また非オフセット上限温度はかかる定着画像の
白色部分に定着ロ−ルからオフセットしたトナ−が再度
付着することによる画像の汚染が起こらない温度として
評価することにより行なった。評価結果を次の第1表に
示す。
【0078】
【表1】第1表
【0079】(注)1)配合割合中の数字は重量部を表
す。 2)カ-ホ゛ンフ゛ラック #44:三菱化学(株)製のカ−ボンブラ
ック 3)BONTRON S-44 :オリエント化学(株)製の帯電制
御剤(正帯電用) 4)ヒ゛スコ-ル 550P :三洋化成(株)製の低分子量ポリ
プロピレンワックス 5)帯電量の通常条件は25℃、相対湿度60%にトナ
ーを48時間以上放置した後、測定したことを、高湿条
件は33℃、相対湿度80%にトナ−を48時間放置し
た後、測定したことを、それぞれ意味する。 6)画像の目視評価は、上記通常条件下に保持したトナ
−を用いて作成した複写画像、および上記高湿条件下に
保持したトナ−を用いて作成した複写画像の画像荒れ、
鮮明性を比較評価した。
【0080】
【発明の効果】カルボジイミド変性ポリエステル樹脂、
なかでもポリエステル樹脂(A)と、カルボジイミド基
含有化合物(B)とを反応させて得られるカルボジイミ
ド変性ポリエステル樹脂を用いた本発明の電子写真用ト
ナ−は、帯電量の環境安定性が良好で、定着下限温度と
非オフセット上限温度の範囲が広く、得られた画像の品
質も良好なため、極めて実用性の高い優れた性能を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 正延 埼玉県蕨市中央1−17−30ルネ蕨1−709 (72)発明者 鳫林 秀樹 埼玉県大宮市本町3−5−11 Fターム(参考) 2H005 AA01 AB02 CA08 CA18 CA28 DA06 DA10 EA10 4J029 AA03 AB02 AC03 AE18 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BA10 BB06A BB13A BD07A CA03 CA04 CA06 CB04A CB05A CB06A CD03 CG05X JE192 KH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂(A)と、カルボジイ
    ミド基含有化合物(B)とを反応させることを特徴とす
    るカルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)の酸価が、5〜
    100mgKOH/gである請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂(A)が、3官能以上
    の多塩基酸成分および/または3価以上の多価アルコ−
    ル成分を必須の成分として含むものである請求項1また
    は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリカルボジイミド基含有化合物(B)
    が、その分子末端に遊離のイソシアネ−ト基を有するも
    のである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 カルボジイミド変性ポリエステル樹脂を
    必須のバインダ−成分として含むことを特徴とする電子
    写真用トナ−。
  6. 【請求項6】 カルボジイミド変性ポリエステル樹脂
    が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によ
    り得られたカルボジイミド変性ポリエステル樹脂である
    請求項5記載の電子写真用トナ−。
JP11150023A 1999-05-28 1999-05-28 カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ− Pending JP2000336163A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11150023A JP2000336163A (ja) 1999-05-28 1999-05-28 カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ−

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11150023A JP2000336163A (ja) 1999-05-28 1999-05-28 カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ−

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000336163A true JP2000336163A (ja) 2000-12-05

Family

ID=15487814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11150023A Pending JP2000336163A (ja) 1999-05-28 1999-05-28 カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ−

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000336163A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317715A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液
JP2009294476A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Sharp Corp トナーの製造方法およびトナー、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置
EP2492299A2 (en) * 2009-10-22 2012-08-29 Samyang Corporation Polyester resin and toner comprising same
JP2013249350A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂改質剤
JP2017215587A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 三洋化成工業株式会社 トナーバインダー及びトナー
US10551761B2 (en) 2016-02-16 2020-02-04 Kao Corporation Toner for electrophotography
JP7518121B2 (ja) 2021-05-14 2024-07-17 三洋化成工業株式会社 トナー用ポリエステル及び樹脂粒子、並びにトナー用ポリエステルの製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317715A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナー用樹脂粒子分散液
JP4682688B2 (ja) * 2005-05-12 2011-05-11 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2009294476A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Sharp Corp トナーの製造方法およびトナー、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置
EP2492299A2 (en) * 2009-10-22 2012-08-29 Samyang Corporation Polyester resin and toner comprising same
JP2013508500A (ja) * 2009-10-22 2013-03-07 サムヤン コーポレイション ポリエステル樹脂及びそれを含むトナー
EP2492299A4 (en) * 2009-10-22 2015-04-22 Samyang Corp POLYESTER RESIN AND TONER WITH IT
JP2013249350A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂改質剤
US10551761B2 (en) 2016-02-16 2020-02-04 Kao Corporation Toner for electrophotography
JP2017215587A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 三洋化成工業株式会社 トナーバインダー及びトナー
JP7518121B2 (ja) 2021-05-14 2024-07-17 三洋化成工業株式会社 トナー用ポリエステル及び樹脂粒子、並びにトナー用ポリエステルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10239903A (ja) 静電荷像現像用トナーバインダー
JP2006292820A (ja) 電子写真トナー用樹脂組成物
JP2007248704A (ja) 非磁性一成分静電荷現像トナー用樹脂組成物
US5486444A (en) Polyester processes for the preparation of toner
US5082883A (en) Reduced viscosity polyblends of polyester and epoxy resins
JP2000336163A (ja) カルボジイミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真用トナ−
WO1996002870A1 (fr) Resine polyester pour un toner, procede de preparation de la resine et toner obtenu
JP2007193315A (ja) トナー用ポリエステル樹脂の製造方法およびトナー用ポリエステル樹脂組成物
JP4581312B2 (ja) 電子写真用トナー
KR101155074B1 (ko) 토너용 폴리에스테르 수지, 및 이를 사용하여 제조되는 토너
JP2010085629A (ja) トナー用架橋ポリエステル樹脂の製造方法
JP2000338720A (ja) 電子写真トナー用ポリシロキサン変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真トナ−
JP4269202B2 (ja) 電子写真トナ−用アミド変性ポリエステル樹脂の製造方法および電子写真トナ−
US20060246368A1 (en) Master batch and toner using the same
JP2982110B2 (ja) 静電荷像現像トナー
JPH0830025A (ja) トナー用ポリエステル樹脂およびトナー
JP2001175029A (ja) 電子写真トナ−用変性ポリエステル樹脂の製造方法、及び電子写真用トナー
JP2018053221A (ja) トナー用結着樹脂
JP3426010B2 (ja) トナー用架橋ポリエステル樹脂
JP3862763B2 (ja) トナー組成物
JP2001330989A (ja) 電子写真用球形トナ−及びその製造方法
JP3418235B2 (ja) トナー用架橋ポリエステル樹脂
JP2001242661A (ja) 電子写真トナ−用変性ポリエステル樹脂の製造方法及び該樹脂を使用した電子写真用トナ−
JP2003162084A (ja) オーブン定着用非磁性一成分トナー
JP2002072547A (ja) トナー用ポリエステル樹脂およびトナー

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050720